JP2020508337A - バルベナジン塩の結晶形態 - Google Patents

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Abstract

本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特にバルベナジンジトシレートの結晶性水和物及びバルベナジンジトシレートの結晶性無水物並びにその調製方法に関する。さらに本発明は、結晶性水和物又は結晶性無水物を、好ましくは、有効量及び/又は所定量で含む医薬組成物、並びに特に遅発性ジスキネジアなどの多動性運動障害の治療のための薬剤としての前記医薬組成物の使用に関する。

Description

本発明は、バルベナジンの薬学的に許容される結晶性塩、例えば、バルベナジンジトシレート、並びに特にバルベナジンジトシレートの結晶性水和物及びバルベナジンジトシレートの結晶性無水物、又は、例えば、結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特にバルベナジンジヒドロクロリドの特定の結晶形態、並びにその調製方法に関する。さらに本発明は、バルベナジンの薬学的に許容される結晶性塩、例えば、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物若しくはバルベナジンジトシレートの結晶性無水物又はバルベナジンジヒドロクロリドの特定の結晶形態を、好ましくは、有効量及び/又は所定量で含む医薬組成物、並びに特に、遅発性ジスキネジアなどの運動過剰障害の治療のための薬剤としての前記医薬組成物の使用に関する。
遅発性ジスキネジア(TD)は、慢性的な神経弛緩薬曝露によって引き起こされる持続性運動障害である。標準的TDは、最も一般的には、口腔顔面領域の不随意運動並びに四肢及び体幹の舞踏病アテトーシス様運動を特徴とするが、他の形態も存在する[O’Brian C.F.et.al NBI−98854、A Selective Monoamine Transport Inhibitor for the Treatment of Tardive Dyskinesia:A Randomized、Double−Blind、Placebo−Controlled Study.Movement Disorders、Vol.30、No.12、2015、1681−1687]。
NBI−98854としても既知であるバルベナジンは、遅発性ジスキネジアの治療のための臨床開発における高選択性の小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害薬である。バルベナジンは、L−バリン(2R,3R,11bR)−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−9,10−ジメトキシ−3−(2−メチルプロピル)−2H−ベンゾ(a)キノリジン2−イルエステルであり、式Iによる以下の化学構造を有する。
Figure 2020508337
WO2008/058261A1は、遊離塩基としてのバルベナジンの製造を開示している(実施例2の化合物2−1)。この文献はさらに、薬物動態評価のために、ミリQ水中0.25%メチルセルロース中の10%PEG中のバルベナジンの単回経口用量をラットに投与することを開示している(実施例6)。
WO2015/171802A1は、バルベナジンの患者への経口投与を開示している(実施例2)。この文献の16ページ、16〜17行によると、バルベナジンはそのジヒドロクロリド塩又はジトシレート塩の形態で使用され得る。
WO2016/210180A1は、第III相臨床試験の過程で対象にバルベナジンジトシレートを含有するカプセルの経口投与を開示している(実施例4)。
大半の薬物生成物は、経口剤形として投与され、格段に最も普及した経口剤形が錠剤であるのは、製造コストが低く、取り扱いが容易で、製剤原料を水分や光から保護し、必要に応じて小片に分割可能であり、即時又は遅延放出製剤として製剤化でき、迅速に一体化し、嚥下が容易であり、通常は患者に良好に受け入れられるためである。
多くの化合物は、様々な固体形態で存在することができる。固体形態は非晶質状態又は結晶状態であることができ、(擬)多形を示し得る。化合物が酸性又は塩基性である場合、塩を生成できることが多く、中性化合物は共結晶を作ることができる。そのような塩及び共結晶は、各種の多形、水和物又は溶媒和物としても存在し得る。これらの様々な固体形態は様々な物理的特性を有するが、錠剤化には、ごく数例を挙げると、物理的及び化学的安定性、賦形剤との相溶性、十分な嵩密度、圧縮性、流動性、湿潤性などの製剤原料の好適な固体状態特性が必要であるため、製剤原料のあらゆる固体形態を錠剤に製剤化できるわけではない。
国際公開第2008/058261号 国際公開第2015/171802号 国際公開第2016/210180号
O’Brian C.F.et.al NBI−98854,A Selective Monoamine Transport Inhibitor for the Treatment of Tardive Dyskinesia:A Randomized,Double−Blind,Placebo−Controlled Study.Movement Disorders,Vol.30,No.12,2015,1681−1687
したがって、本発明の目的は、錠剤製剤に好適な特性を有するバルベナジンの固体形態を提供することである。
本発明は、特に錠剤製剤への使用に適した結晶形態、特に結晶性水和物の形態及び結晶性無水物の形態のバルベナジンジトシレートを提供する。
本発明の態様、有利な特徴及び好ましい実施形態は、以下の項目に要約する。
1)式VIによる化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジトシレートであって、
Figure 2020508337
式中、nが1.7〜2.3の範囲にあり、RがH又はD、好ましくは、Hである、結晶性バルベナジンジトシレート。
2)無水物又は水和物であり、nが1.8〜2.2の範囲にある、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
3)無水物又は水和物であり、nが1.9〜2.1の範囲にある、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
4)無水物又は水和物であり、nが1.7である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
5)無水物又は水和物であり、nが1.8である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
6)無水物又は水和物であり、nが1.9である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
7)無水物又は水和物であり、nが2.0である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
8)無水物又は水和物であり、nが2.1である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
9)無水物又は水和物であり、nが2.2である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
10)無水物又は水和物であり、nが2.3である、項目1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
11)式VIIによる化学構造を特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物であって
Figure 2020508337

式中、nが1.7〜2.3の範囲であり、mが0.1〜4.0の範囲であり、RがH又はD、好ましくは、Hである、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
12)nが1.8〜2.2の範囲にある、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
13)nが1.9〜2.1の範囲にある、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
14)nが1.7である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
15)nが1.8である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
16)nが1.9である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
17)nが2.0である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
18)nが2.1である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
19)nが2.2である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
20)nが2.3である、項目11に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
21)mが0.2〜3.8の範囲にある、項目11〜20のいずれか一項に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
22)mが0.3〜2.2の範囲にある、項目11〜20のいずれか一項に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
23)mが0.5〜1.6の範囲にある、項目11〜20のいずれか一項に記載のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物。
24)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°又は(6.3±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
25)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(14.3±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°又は(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
26)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°又は(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
27)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°又は(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(16.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
28)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°及び(18.6±0.2)°又は(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(12.6±0.2)°、(15.6±0.2)°、(16.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
29)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(7.1±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°及び(18.6±0.2)°又は(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(12.6±0.2)°、(12.8±0.2)°、(15.6±0.2)°、(16.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
30)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(7.1±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(18.6±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
31)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.2)°、(7.1±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°、(17.9±0.2)°、(18.6±0.2)°及び(22.6±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
32)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°又は(6.3±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
33)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(14.3±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°又は(6.3±0.1)°、(15.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
34)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°又は(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(15.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
35)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°又は(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(15.6±0.1)°、(16.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
36)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°及び(18.6±0.1)°又は(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(12.6±0.1)°、(15.6±0.1)°、(16.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
37)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(7.1±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°及び(18.6±0.1)°又は(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(12.6±0.1)°、(12.8±0.1)°、(15.6±0.1)°、(16.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
38)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(7.1±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(18.6±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
39)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、(5.7±0.1)°、(7.1±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°、(17.9±0.1)°、(18.6±0.1)°及び(22.6±0.1)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
40)20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、本発明の図1又は図4に示すものと本質的に同じ粉末X線回折図を有することを特徴とする、項目1〜23のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
41)10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約131℃の開始温度及び148℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有すること、又は約239℃の開始温度及び約242℃のピーク温度を含むDSC曲線を有することを特徴とする、項目の1〜40のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
42)10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約(131±2)℃の開始温度及び(148±2)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有すること、又は約(239±2)℃の開始温度及び約(242±2)℃のピーク温度を含むDSC曲線を有することを特徴とする、項目の1〜40のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
43)10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約(131±1)℃の開始温度及び(148±1)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有すること、又は約(239±1)℃の開始温度及び約(242±1)℃のピーク温度を含むDSC曲線を有することを特徴とする、項目の1〜40のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
44)5〜80%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大5.0重量%の質量変化を示すこと、又は10K/分の加熱速度にて25〜140℃の温度範囲で測定した場合に、結晶形態の重量に対して1.0重量%以下の質量損失を示すTGA曲線を有することを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
45)5〜80%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大4.9重量%の質量変化を示すこと、又は10K/分の加熱速度にて25〜140℃の温度範囲で測定した場合に、結晶形態の重量に対して0.5重量%以下の質量損失を示すTGA曲線を有することを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
46)20〜70%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大3.0重量%の質量変化を示すこと、又は10K/分の加熱速度にて25〜140℃の温度範囲で測定した場合に、結晶形態の重量に対して0.3重量%以下の質量損失を示すTGA曲線を有することを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
47)20〜70%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大2.8重量%の質量変化を示すことを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
48)20〜60%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大2.0重量%の質量変化を示すことを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
49)20〜60%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大1.9重量%の質量変化を示すことを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
50)25〜55%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大1.5重量%の質量変化を示すことを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
51)25〜55%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大1.3重量%の質量変化を示すことを特徴とする、項目1〜43のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート。
52)バルベナジンジトシレートの他の物理的形態を本質的に含まない、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物。
53)組成物の総重量に対してバルベナジンジトシレートの他の物理的形態を最大20重量%含むことを特徴とする、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物。
54)組成物の総重量に対してバルベナジンジトシレートの他の物理的形態を最大10重量%含むことを特徴とする、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物。
55)組成物の総重量に対してバルベナジンジトシレートの他の物理的形態を最大5重量%含むことを特徴とする、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物。
56)組成物の総重量に対してバルベナジンジトシレートの他の物理的形態を最大2重量%含むことを特徴とする、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物。
57)組成物の総重量に対してバルベナジンジトシレートの他の物理的形態を最大1重量%含むことを特徴とする、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物。
58)他の物理的形態が非晶質バルベナジンジトシレートである、項目52〜58のいずれか一項に記載の組成物。
59)組成物の総重量に対して少なくとも90重量%の項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む、組成物。
60)組成物の総重量に対して5重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む、項目59に記載の組成物。
61)組成物の総重量に対して2重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む、項目59に記載の組成物。
62)組成物の総重量に対して少なくとも95重量%の項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートを含む、組成物。
63)組成物の総重量に対して4重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む、項目62に記載の組成物。
64)組成物の総重量に対して2重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む、項目62に記載の組成物。
65)項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート又は項目52〜64のいずれか一項に記載の組成物の調製方法であって:
(i)トルエン中でバルベナジンをp−トルエンスルホン酸一水和物と反応させるステップ、及び
(ii)ステップi)の反応混合物からトルエンを除去するステップ
を含む方法。
66)1.0モル当量のバルベナジンを1.7〜2.3モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
67)1.0モル当量のバルベナジンを1.8〜2.2モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
68)1.0モル当量のバルベナジンを1.7モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
69)1.0モル当量のバルベナジンを1.8モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
70)1.0モル当量のバルベナジンを1.9モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
71)1.0モル当量のバルベナジンを2.0モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
72)1.0モル当量のバルベナジンを2.1モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
73)1.0モル当量のバルベナジンを2.2モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
74)1.0モル当量のバルベナジンを2.3モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる、項目65に記載の方法。
75)ステップ(i)で得られた反応混合物のバルベナジンジトシレート濃度が20〜50g/Lの範囲にある、項目65〜74のいずれか一項に記載の方法。
76)ステップ(i)で得られた反応混合物のバルベナジンジトシレート濃度が30〜40g/Lの範囲にある、項目65〜74のいずれか一項に記載の方法。
77)ステップ(i)で得られた反応混合物をスラリー化するステップを任意に含む、項目65〜76のいずれか一項に記載の方法。
78)スラリー化を20〜100℃の範囲の温度で行う、項目77に記載の方法。
79)スラリー化を20〜80℃の範囲の温度で行う、項目77に記載の方法。
80)スラリー化を20〜60℃の範囲の温度で行う、項目77に記載の方法。
81)スラリー化を20〜40℃の範囲の温度で行う、項目77に記載の方法。
82)スラリー化を20〜30℃の範囲の温度で行う、項目77に記載の方法。
83)スラリー化を6〜48時間の範囲の期間にわたって行う、項目77〜82のいずれか一項に記載の方法。
84)スラリー化を12〜36時間の範囲の期間にわたって行う、項目77〜82のいずれか一項に記載の方法。
85)ステップ(ii)においてトルエンを大気圧にて除去する、項目65〜84のいずれか一項に記載の方法。
86)ステップ(ii)においてトルエンを最大500ミリバールの圧力にて除去する、項目65〜84のいずれか一項に記載の方法。
87)ステップ(ii)においてトルエンを最大100ミリバールの圧力にて除去する、項目65〜84のいずれか一項に記載の方法。
88)ステップ(ii)においてトルエンを最大50ミリバールの圧力にて除去する、項目65〜84のいずれか一項に記載の方法。
89)ステップ(ii)において約20〜100℃の範囲の温度にてトルエンを除去する、項目65〜88のいずれか一項に記載の方法。
90)ステップ(ii)において約20〜80℃の範囲の温度にてトルエンを除去する、項目65〜88のいずれか一項に記載の方法。
91)ステップ(ii)において約20〜60℃の範囲の温度にてトルエンを除去する、項目65〜88のいずれか一項に記載の方法。
92)ステップ(ii)において約20〜40℃の範囲の温度にてトルエンを除去する、項目65〜88のいずれか一項に記載の方法。
93)ステップ(ii)において30ミリバールの圧力及び40℃の温度にてトルエンを除去する、項目65〜84のいずれか一項に記載の方法。
94)ステップ(ii)で得られた結晶を乾燥させるステップをさらに含む、項目65〜93のいずれか一項に記載の方法。
95)乾燥を80℃以下の温度で行う、項目94に記載の方法。
96)乾燥を60℃以下の温度で行う、項目94に記載の方法。
97)乾燥を40℃以下の温度で行う、項目94に記載の方法。
98)乾燥を20〜30℃の範囲の温度で行う、項目94のいずれか一項に記載の方法。
99)乾燥を1〜72時間の範囲の期間にわたって行う、項目94〜98のいずれか一項に記載の方法。
100)乾燥を2〜48時間の範囲の期間にわたって行う、項目94〜98のいずれか一項に記載の方法。
101)乾燥を4〜24時間の範囲の期間にわたって行う、項目94〜98のいずれか一項に記載の方法。
102)乾燥を6〜18時間の範囲の期間にわたって行う、項目94〜98のいずれか一項に記載の方法。
103)医薬組成物の調製のための、項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートの使用。
104)医薬組成物の調製のための、項目65〜102のいずれか一項に記載の方法により得られた結晶性バルベナジンジトシレートの使用。
105)医薬組成物の調製のための、項目52〜59のいずれか一項に記載の組成物の使用。
106)医薬組成物の調製のための、項目65〜102のいずれか一項に記載の方法により得られた組成物の使用。
107)医薬組成物を湿式又は乾式加工法により調製する、項目103〜106のいずれか一項に記載の使用。
108)湿式処理法が湿式造粒を含む、項目107に記載の使用。
109)乾式加工法が乾式造粒又は直接圧縮を含む、項目107に記載の使用。
110)項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
111)項目52〜59のいずれか一項に記載の組成物及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
112)項目1〜51のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量を含む、項目110又は111に記載の医薬組成物。
113)無水バルベナジンとして計算した、結晶性バルベナジンの所定量及び/又は薬学的有効量が10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg及び150mgからなる群から選択される、項目112に記載の医薬組成物。
114)無水バルベナジンとして計算した、結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量が25mg、40mg、50mg、75mg、80mg及び100mgからなる群から選択される、項目112に記載の医薬組成物。
115)無水バルベナジンとして計算した、結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量が40mg又は80mgである、項目112に記載の医薬組成物。
116)少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤が結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、着色剤、香味剤、甘味料、乳化剤、分散剤、湿潤剤、フィルムコーティング及びその組合せからなる群から選択される、項目110〜115のいずれか一項に記載の医薬組成物。
117)経口固形剤形である、項目111〜116のいずれか一項に記載の医薬組成物。
118)経口固形剤形が錠剤である、項目117に記載の医薬組成物。
119)錠剤がフィルムコーティング錠である、項目118に記載の医薬組成物。
120)経口固形剤形がカプセル剤である、項目117に記載の医薬組成物。
121)1日1回投与される、項目111〜120のいずれか一項に記載の医薬組成物。
122)薬剤として使用するための、項目111〜121のいずれか一項に記載の医薬組成物。
123)多動性障害の治療の使用のための、項目111〜121のいずれか一項に記載の医薬組成物。
124)多動性障害が遅発性ジスキネジアである、項目123に記載の使用。
125)項目110〜121のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、医薬品パッケージ。
126)患者情報小冊子をさらに含む、項目125に記載の医薬品パッケージ。
127)患者情報小冊子が、投薬情報、副作用情報及び治療中の疾患を説明する情報を含む、項目126に記載の医薬品パッケージ。
128)包装材料が、医薬組成物と環境との間の水交換を低減又は防止する、項目125〜127のいずれか一項に記載の医薬品パッケージ。
別の態様において、本発明は、結晶形態のバルベナジンジヒドロクロリドに関する。特に本発明は、錠剤製剤への使用にとりわけ好適である、バルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
例えば、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα1,2放射線を用いて測定した場合に、(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(12.7±0.2)°及び(18.1±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、バルベナジンジヒドロクロリドの第1の結晶形態に関する。
さらに本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα1,2放射線を用いて測定した場合に、(12.0±0.2)°、(16.3±0.2)°、(18.8±0.2)°、(20.5±0.2)°及び(21.5±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、バルベナジンジヒドロクロリドの第2の結晶形態に関する。
最後に本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα1,2放射線を用いて測定した場合に、(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°及び(13.3±0.2)°の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、バルベナジンジヒドロクロリドの第3の結晶形態に関する。
略語及び定義
PXRD 粉末X線回折図
DSC 示差走査熱量測定
TGA 熱重量分析
GMS 重量水分収着
RT 室温
RH 相対湿度
重量% 重量%
dm デルタm=質量変化
「バルベナジン」という用語は、本発明の式Iに示す化学構造によって表される、化学名が(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルの化合物を示す。本発明において、「バルベナジン」は、窒素原子がプロトン化されていない遊離塩基形態を示す。
「バルベナジンジトシレート」という用語は、本発明の式IIに示す化学構造によって表される、化学名((S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル 2−アミノ−3−メチルブタノエート)ジトシレートを有する化合物を示し、式中、nは1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、最も好ましくは、nは2.0である。例えば、nは、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択できる。
「バルベナジンジヒドロクロリド」という用語は、本発明の式(VIII)に示す化学構造によって表される、化学名((S)−(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−2,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル 2−アミノ−3−メチルブタノエート)ジヒドロクロリドを有する化合物を示し、式中、nは1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、最も好ましくは、nは2.0である。例えば、nは、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択できる。
重水素(2H又はD)は、水素の最も一般的な同位体であるプロチウム(1H又はH)の約2倍の質量を有する、水素の安定で非放射性の同位体である。酸化重水素(D2O又は「重水」)は、H2Oのような外見及び味であるが、物理的性質は異なる。研究により、D2Oの使用ががん細胞の増殖を遅延させ、ある抗腫瘍薬の細胞毒性を向上させることが可能であることも示されている。薬物動態(PK)、薬力学(PD)及び毒性プロファイルを改善するための医薬品の重水素化は、先にいくつかのクラスの薬物で実証されている。本明細書で使用する場合、「バルベナジンジトシレート」という用語は、本発明の式IV又はVIで示す化学構造によって表される化合物も示し、即ち、化合物のジメトキシ基のプロチウムの少なくとも1つを重水素で置換することができる。
分子構造の図面において所定の位置を表すために使用する場合、R又は記号「D」などの分子内の所定の位置を表すために使用する場合の「重水素である」という用語は、特定の位置では、天然に存在する重水素の分布を上回って、重水素が富化されていることを意味する。一実施形態において、重水素富化は、特定の位置において、重水素が約1%以上、別の実施形態において、約5%以上、別の実施形態において、約10%以上、別の実施形態において、約20%以上、別の実施形態において、約50%以上、別の実施形態において、約70%以上、別の実施形態において、約80%以上、別の実施形態において、約90%以上、又は別の実施形態において、約98%以上である。
「重水素富化という用語は、水素の代わりに分子内の所定の位置に重水素が取り込まれるパーセンテージを示す。例えば、所定の位置における1%の重水素富化とは、所定のサンプル中の分子の1%が特定の位置に重水素を含有することを意味する。天然に存在する重水素の分布は約0.0156%であるため、富化されていない出発材料を使用して合成された化合物の任意の位置での重水素富化は、約0.0156%である。重水素富化は、質量分析法及び核磁気共鳴分光法を含む、当業者に既知の従来の分析方法を使用して求めることができる。
本明細書で使用する場合、「水和物」という用語は、水が結晶構造に組入れられるか、又は結晶構造によって収容される結晶性固体を示し、例えば、結晶構造の一部であるか、又は結晶中に捕捉されている(水包有物)。それにより、水は化学量論的又は非化学量論的量で存在することができる。
「バルベナジンジトシレートの水和物」という用語は、本発明の式III、V又はVIIに示すような化学構造によって表される化合物を示し、式中、RはH又はDから独立して選択することができ、n及びmは以下のように定義される。
本発明による「化学量論的水和物」は、様々な水分活性の範囲にわたって、ホスト分子(例えば、バルベナジンジトシレート)と水を一定のモル比で有することを特徴とする。例えば、一水和物は、様々な水分活性の範囲にわたって、1.0:0.9〜1.1、好ましくは、1.0:1.0の、ホスト分子と水の一定のモル比を示す。
本発明による「非化学量論的」水和物は、ホスト分子(例えば、バルベナジンジトシレート)と水のモル比が水分活性の関数として、連続して変化することを特徴とする。例えば、本発明のバルベナジンジトシレートの非化学量論的水和物は、0〜80%RHの範囲でGMSによって測定した場合、2.0モル当量を超える含水量の変化を示す。
本明細書で使用する場合、「無水形態」又は「無水物」という用語は、水が結晶構造内で組入れられない又は収容されない結晶性固体を示す。無水形態は、なお残留水を含有し得て、残留水は結晶構造の一部ではないが、表面に吸着され得るか、結晶の表面に吸着され得るか、又は結晶の無秩序領域に吸収され得る。典型的には、無水形態は、結晶形態の重量に対して1.0重量%を超え、好ましくは、0.5重量%を超える水を含有しない。含水量は、カールフィッシャー電量分析及び/又は熱重量分析(TGA)によって、例えば、10K/分の加熱速度で25〜140℃の範囲において重量損失を測定する。
「バルベナジンジトシレートの無水物」という用語は、本発明の式II、IV又はVIに示す化学構造によって表される化合物を示し、式中、RはH又はDから独立して選択することができ、nは以下のように定義される。
RがHである、本発明の式V又はVIIに示す化学構造は、式IIIに示す化学構造に対応する。同様に、RがHである、本発明の式IV又はVIに示す化学構造は、式IIに示す化学構造に対応する。
「重水素化バルベナジン」という用語は、本発明の式Iに示す化学構造によって表される、化学名が(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸(2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルの化合物を示し、式中、9,10−ジメトキシ基が、重水素により富化され、即ちジメトキシ基のプロチウムの少なくとも1つが重水素で置換されている。好ましくは、重水素富化は、この位置において重水素が約98%以上のである。
本明細書で使用する場合、「室温」という用語は、20〜30℃の範囲の温度を示す。本明細書で使用する場合、「20〜30℃の範囲の温度で測定される」という用語は、標準条件下での測定を示す。典型的には、標準条件とは、20〜30℃の範囲の温度、即ち室温を意味する。標準条件は、約22℃の温度を意味し得る。標準条件は、約25℃の温度も意味し得る。典型的には、標準条件はさらに、20〜80%の相対湿度、好ましくは、30〜70%の相対湿度、より好ましくは、40〜60%の相対湿度、最も好ましくは、50%の相対湿度の下での測定を意味し得る。
本明細書で使用する場合、粉末X線回折に関する「反射」という用語は、長距離位置規則度で規則正しい反復パターンにて分布している、固体材料の原子の平行面によって散乱されたX線からの強め合う干渉により、ある回折角(ブラッグ角)にて生じる、X線回折図のピークを意味する。このような固体材料は結晶性材料に分類されるが、非晶質材料は長距離秩序がなく、短距離秩序のみを示すため、広い散乱を生じる固体材料と定義される。文献によると、長距離秩序は例えば、約103〜1020個の原子にわたって延在するが、短距離秩序は、2、3原子のみに及ぶ(“Fundamentals of Powder Diffraction and Structural Characterization of Materials”by Vitalij K.Pecharsky and Peter Y.Zavalij,Kluwer Academic Publishers,2003,page 3を参照のこと。)。
本明細書で使用する場合、「非晶質」という用語は、結晶性ではない化合物の固体形態を示す。非晶質化合物は長距離秩序を有さず、反射を有する明確なX線回折パターンを示さない。
PXRDに関して「本質的に同じ」という用語は、ピーク位置の変動とピークの相対強度が考慮されることを意味する。例えば、2θ値の典型的な精度は、±0.2°2θの範囲、好ましくは、±0.1°2θの範囲にある。したがって、標準条件下の大半のX線回折計では、例えば、5.7°2θにて通常出現する回折ピークは、5.5°2θ〜5.9°2θの間、好ましくは、5.6°2θ〜5.8°2θの間に出現することができる。さらに当業者は、相対ピーク強度が装置間の変動性並びに結晶化度、優先配向、サンプル調製及び当業者に既知の他の要因による変動性を示し、定性的尺度としてのみ解釈すべきであることを認識する。
本発明の結晶性バルベナジンジトシレートに関して本明細書で使用する場合、「所定量」は、医薬組成物の調製に使用される結晶性バルベナジンジトシレートの初期量を示す。
本発明の結晶性バルベナジンジトシレートに関して本明細書で使用する場合、「薬学的有効量」という用語は、所望の治療効果及び/又は予防効果を達成する結晶性バルベナジンジトシレートの量を含む。「薬学的有効量」という用語は、研究者、獣医、医師又は臨床医が探し求めている細胞、組織、系、動物又はヒトの生物学的若しくは医学的応答を誘発するのに十分な化合物の量も示す。
本明細書で使用する場合、「物理的形態」という用語は、化合物の任意の結晶相及び/又は非晶質相を示す。
本明細書で使用する場合、「相対湿度」は、同じ温度における水の平衡蒸気圧に対する水蒸気の分圧の比を示す。相対湿度は、対象の系の温度及び圧力に依存する。別途規定しない限り、温度は25℃であり、圧力は1013ミリバールである。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、示された値又は範囲の5%以内、より典型的には1%以内、最も典型的には0.5%以内を意味する。
「含む(comprising)」という用語を本明細書及び特許請求の範囲において使用する場合、これは他の要素又はステップを排除しない。本発明の目的のために、「より成る(consisting of)」という用語は、用語「含む(comprising)」の好ましい実施形態であると見なされる。以下で群が少なくともいくつかの実施形態を含むと定義される場合、これはまた、任意にこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるものとする。
組成物中の結晶性バルベナジンジトシレート又はその水和物の量に関して「本質的に〜からなる」という用語は、量のわずかな変動が考慮されることを意味する。この用語はまた、そのような組成物が、組成物の総重量に対して少なくとも96重量%、好ましくは、98重量%、より好ましくは、99重量%、最も好ましくは、99.9重量%の上で定義した結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性水和物を含むという点で、本明細書で理解されるべきである。
組成物中の結晶性バルベナジンジヒドロクロリドの量に関する「本質的に〜からなる」という用語は、量のわずかな変動が考慮されることを意味する。この用語はまた、そのような組成物が、組成物の総重量に対して、少なくとも96重量%、好ましくは、98重量%、より好ましくは、99重量%、最も好ましくは、99.9重量%の本発明の結晶性バルベナジンジヒドロクロリドを含むという点で、本明細書で理解されるべきである。
本発明によるバルベナジンジトシレートの結晶性水和物の代表的なPXRDを示す。X軸は散乱角を°2θで示し、Y軸は散乱X線ビームの強度を検出された光子の数で示す。 本発明によるバルベナジンジトシレートの結晶性水和物の代表的なDSC曲線を示す。X軸は温度を摂氏(℃)で示し、Y軸は1グラムあたりの熱流量(W/g)をワットで示し、吸熱ピークが上昇している。 相対湿度0〜80%の範囲における、本発明によるバルベナジンジトシレートの結晶性水和物の代表的な重量水分収着曲線を示す。x軸は(25.0±0.1)℃の温度で測定した相対湿度をパーセント(%)で表示し、左側のy軸は平衡質量変化を重量パーセント(重量%)で示し、右側のy軸はバルベナジンジトシレートの1モル当たりの水の量をモルで示す。値は未補正値として表示され、相対湿度0%の重量は開始重量としてゼロに設定されている。 本発明によるバルベナジンジトシレートの結晶性無水物の代表的なPXRDを示す。X軸は散乱角を°2θで示し、Y軸は散乱X線ビームの強度を検出された光子の数で示す。 本発明によるバルベナジンジトシレートの結晶性無水物の代表的なDSC曲線を示す。X軸は温度を摂氏(℃)で示し、Y軸は1グラムあたりの熱流量(W/g)をワットで示し、吸熱ピークが上昇している。 本発明によるバルベナジンジトシレートの結晶性無水物の代表的な熱重量分析(TGA)曲線を示す。x軸は温度を摂氏(℃)で示し、y軸はサンプルの質量(損失)を重量パーセント(重量%)で示す。 本発明によるバルベナジンジヒドロクロリドの第1の結晶形態の代表的な粉末X線回折図を示す。X軸は散乱角を°2θで示し、Y軸は散乱X線ビームの強度を検出された光子の数で示す。 本発明によるバルベナジンジヒドロクロリドの第2の結晶形態の代表的な粉末X線回折図を示す。X軸は散乱角を°2θで示し、Y軸は散乱X線ビームの強度を検出された光子の数で示す。 本発明によるバルベナジンジヒドロクロリドの第3の結晶形態の代表的な粉末X線回折図を示す。X軸は散乱角を°2θで示し、Y軸は散乱X線ビームの強度を検出された光子の数で示す。
本発明は、特に他のバルベナジンの固体形態と比較して、錠剤製剤の製造に特に好適となる1つ以上の望ましい特性を有する、結晶形態、好ましくは、結晶性水和物の形態又は結晶性無水物の形態のバルベナジンジトシレートを提供する。特に有利な特性は、化学純度、溶解性、溶解速度、結晶形態、多形安定性、熱安定性、機械的安定性、貯蔵安定性、残留溶媒の低含有量、低い吸湿度並びに流動性、湿潤性、圧縮性及び嵩密度などの有利な加工及び取り扱い特性からなる群から選択することができる。
本発明の様々な態様は、実施形態によってさらに詳細に以下で説明するが、それに限定されない。本発明の各態様は、1つの実施形態によって、又は2つ以上の実施形態を組合せることによって説明され得る。
一態様において、本発明は、式IVによる化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジトシレートに関し、
Figure 2020508337
式中:
・各Rは、H又はDから独立して選択され、並びに
・nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0である。
好ましい実施形態において、nは、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。一実施形態において、少なくとも1つのRはDである。一実施形態において、すべてのRはHである。別の実施形態において、すべてのRはDである。
好ましい実施形態において、本発明は、式Vによる化学構造を特徴とするバルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関し、
Figure 2020508337

式中:
・各Rは、H又はDから独立して選択され、
・nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0であり、並びに
・mは、0.1〜4.0、好ましくは、0.2〜3.8、より好ましくは、0.3〜2.2、及び最も好ましくは、0.5〜1.6の範囲にある。
好ましい実施形態において、nは、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。一実施形態において、少なくとも1つのRはDである。一実施形態において、すべてのRはHである。別の実施形態において、すべてのRはDである。
一態様において、本発明は、式VIの化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジトシレートに関し、
Figure 2020508337
式中:
・Rは、H又はDから選択され、並びに
・nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0である。
一実施形態において、RはHであり、並びにnは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。別の実施形態において、RはDであり、並びにnは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、本発明は、式VIIによる化学構造を特徴とするバルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関し、
Figure 2020508337

式中:
・各Rは、H又はDから独立して選択され、
・nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0であり、並びに
・mは、0.1〜4.0、好ましくは、0.2〜3.8、より好ましくは、0.3〜2.2、及び最も好ましくは、0.5〜1.6の範囲にある。
一実施形態において、RはHであり、並びにnは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。別の実施形態において、RはDであり、並びにnは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。
一態様において、本発明は、式IIの化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジトシレートに関し、
Figure 2020508337
式中、nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0である。一実施形態において、nは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、本発明は、式IIIによる化学構造を特徴とするバルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関し、
Figure 2020508337

式中、nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0であり、並びに
mは、0.1〜4.0、好ましくは、0.2〜3.8、より好ましくは、0.3〜2.2、及び最も好ましくは、0.5〜1.6の範囲にある。一実施形態において、nは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。
本発明の結晶性バルベナジンジトシレートは、固体をキャラクタリゼーションするための、製薬業界の分野で周知の分析方法によってキャラクタリゼーションされ得る。そのような方法はPXRD、DSC、TGA及びGMSを含むが、これらに限定されない。上述の分析方法の1つ、又はその2つ以上を組合せることによってキャラクタリゼーションされ得る。特に、本発明の結晶性バルベナジンジトシレートは、以下の実施形態のいずれか1つによって、又は以下の実施形態の2つ以上を組合せることによってキャラクタリゼーションされ得る。
バルベナジンジトシレートの結晶性水和物
したがって、一実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて室温にて測定した場合に、
(5.7±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(14.3±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(7.1±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(7.1±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(18.6±0.2)°;又は
(5.7±0.2)°、(7.1±0.2)°、(10.2±0.2)°、(14.3±0.2)°、(15.3±0.2)°、(16.0±0.2)°、(16.9±0.2)°、(17.9±0.2)°、(18.6±0.2)°及び(22.6±0.2)°の2θ角における反射を含むPXRDを有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
別の実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて室温にて測定した場合に、
(5.7±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(14.3±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(7.1±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(7.1±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(18.6±0.1)°;又は
(5.7±0.1)°、(7.1±0.1)°、(10.2±0.1)°、(14.3±0.1)°、(15.3±0.1)°、(16.0±0.1)°、(16.9±0.1)°、(17.9±0.1)°、(18.6±0.1)°及び(22.6±0.1)°の2θ角における反射を含むPXRDを有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
別の実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて室温にて測定した場合に、本発明の図1に示すものと本質的に同じPXRDを有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
さらなる態様において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約131℃の開始温度及び約148℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に、10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約(131±2)℃の開始温度及び約(148±2)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
特定の好ましい実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に、10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約(131±1)℃の開始温度及び約(148±1)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
実施例2及び以下の図2で提供されるDSCデータは、脱水事象に対応付けることができる最初の吸熱が、100℃を十分に上回ると発生するため、本発明の結晶性水和物が温度ストレスに対して非常に安定であることを証明している。したがって、本発明のバルベナジンジトシレートの水和物は、例えば、コーティング工程中に著しい温度ストレスが発生する、フィルムコート錠などの錠剤の製剤化に十分な熱安定性を有する。
さらなる実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、5〜80%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大5.0重量%、好ましくは、最大4.9重量%の質量変化を示すことを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
なおさらなる実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に20〜70%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大3.0重量%、好ましくは、最大2.8重量%の質量変化を示すことを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、20〜60%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大2.0重量%、好ましくは、最大1.9重量%の質量変化を示すことを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
特定の好ましい実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に、25〜55%の範囲のRH及び(25.0±0.1)℃の温度にてGMSによって測定した場合に、結晶性バルベナジンジトシレートの重量に対して最大1.5重量%、好ましくは、最大1.3重量%の質量変化を示すことを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性水和物に関する。
図3に示すGMS曲線からわかるように、本発明のバルベナジンジトシレートの水和物が、錠剤化工程中に特別な予防措置を必要としないのは、0〜80%の相対湿度の範囲内で過剰な重量増加又は潮解すら生じないためである。
さらなる態様において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性水和物又は以下で定義するような、結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物の調製方法であって:
(i)トルエン中でバルベナジンとp−トルエンスルホン酸一水和物と反応させるステップ;及び
(ii)ステップ(i)の反応混合物からトルエンを除去するステップ;及び
(iii)ステップ(ii)で得られた結晶を任意に乾燥させるステップ
を含む方法に関する。
上記方法のステップ(i)で出発材料として使用されるバルベナジンは、WO2008/058261A1の実施例2(化合物2−1)に記載の方法に従って調製することができ、p−トルエンスルホン酸一水和物は市販されている。
又は、重水素化バルベナジンは、上記方法のステップ(i)の出発材料として使用される。この化合物は、例えば、WO2014/120654に開示され、そこに開示されている方法に従って調製することができる。一般に、重水素化バルベナジンは、テトラベナジン又はデュテトラベナジンを準備し(WO2010/044981、WO2011/153157、WO2015/084622)、続いてケトンを対応するアルコールに還元し、N保護L−バリンと結合させ、最終的にN保護基を除去することによって製造することができる。又は、(+)−テトラベナジンから開始して、酸性条件下でのメトキシ基の選択的除去(Brossi et al.Helvetica Chimica Acta(1958),16,p.119fを参照のこと。)、後続の重水素化メチル化剤、例えば、D3Cl又は(D3CO)2SO2によるアルキル化、その後の最終形成によって、重水素化バルベナジンを入手することができる。
ステップ(i)における塩形成はトルエン中で行われ、1.0モル当量のバルベナジンを1.7〜2.3モル当量、好ましくは、1.8〜2.2モル当量、より好ましくは、1.9〜2.1モル当量、最も好ましくは、2.0モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる。好ましい実施形態において、1.0モル当量のバルベナジンを1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2又は2.3モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる。好ましくは、p−トルエンスルホン酸は一水和物の形態で使用される。ステップ(i)で得られた反応混合物の最終バルベナジンジトシレート濃度は、好ましくは、20〜50g/L、より好ましくは、30〜40g/Lの範囲にある。
ステップ(i)で得られた混合物は、任意にスラリー化され、本発明の状況におけるスラリー化は、撹拌、振盪及び/又は超音波照射によって引き起こされるバルベナジンジトシレートを含む混合物の任意の動きに関する。スラリー化は、約20〜100℃、好ましくは、約20〜80℃、より好ましくは、約20〜60℃、さらにより好ましくは、約20〜40℃、最も好ましくは、スラリー化はほぼ室温で行う。スラリー化は、約6〜48時間、好ましくは、約12〜36時間の範囲の期間にわたって行う。
結晶性水和物は、上で定義した方法のステップ(ii)においてトルエンを除去することによって得られる。トルエンは、大気圧又は減圧にて、例えば、最高500ミリバール、より好ましくは、最高100ミリバール、最も好ましくは、最高50ミリバールの圧力にて除去され得る。さらに、トルエンは、室温又は高温、例えば、約20〜100℃、好ましくは、約20〜80℃、より好ましくは、約20〜60℃、最も好ましくは、約20〜40℃の範囲の温度で除去され得る。好ましい実施形態において、約30ミリバールの真空及び約40℃の温度を適用することにより、トルエンが除去される。
最後に、得られた結晶は任意に乾燥され得る。乾燥は、約80℃以下、好ましくは、約60℃以下、より好ましくは、約40℃以下の温度にて行い、最も好ましくは、結晶は室温で乾燥され得る。乾燥は、約1〜72時間、好ましくは、約2〜48時間、より好ましくは、約4〜24時間、最も好ましくは、約6〜18時間の範囲の期間にわたって行われ得る。乾燥は、周囲圧力にて及び/又は真空下で、好ましくは、約100ミリバール以下、より好ましくは、約50ミリバール以下、最も好ましくは、約30ミリバール以下、例えば、約20ミリバール以下で行われ得る。
<バルベナジンジトシレートの結晶性無水物>
別の実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて室温にて測定した場合に、
(6.3±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°;又は
(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°;又は
(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°;又は
(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(16.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°;又は
(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(12.6±0.2)°、(15.6±0.2)°、(16.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°;又は
(5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(12.6±0.2)°、(12.8±0.2)°、(15.6±0.2)°、(16.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°;の2θ角における反射を含むPXRDを有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
別の実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて室温にて測定した場合に、
(6.3±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°;又は
(6.3±0.1)°、(15.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°;又は
(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(15.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°;又は
(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(15.6±0.1)°、(16.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°;又は
(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(12.6±0.1)°、(15.6±0.1)°、(16.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°;又は
(5.3±0.1)°、(6.3±0.1)°、(12.6±0.1)°、(12.8±0.1)°、(15.6±0.1)°、(16.6±0.1)°、(17.9±0.1)°及び(19.8±0.1)°;の2θ角における反射を含むPXRDを有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
別の実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて室温にて測定した場合に、本発明の図4に示すものと本質的に同じPXRDを有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
さらなる態様において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートに関し、特に、10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約239℃の開始温度及び約242℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に、10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約(239±2)℃の開始温度及び約(242±2)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
特定の好ましい実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に、10 K/分の加熱速度で測定した場合に、約(239±1)℃の開始温度及び約(242±1)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSC曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
以下の実施例7及び図5で提供されるDSCデータは、溶融事象に対応付けることができる最初並びに唯一の吸熱が、約239℃にて発生するため、本発明の結晶性無水物が温度ストレスに対して非常に安定であることを証明している。したがって、本発明のバルベナジンジトシレートの無水物は、例えば、コーティング工程中に著しい温度ストレスが発生する、フィルムコート錠などの錠剤の製剤化に十分な熱安定性を有する。
別の実施形態において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に、10K/分の加熱速度にて25〜140℃の温度範囲で測定した場合に、結晶形態の重量に対して1.0重量%以下、好ましくは、0.5重量%以下、より好ましくは、0.3重量%以下の質量損失を示すTGA曲線を有することを特徴とする、バルベナジンジトシレートの結晶性無水物に関する。
TGAは、本発明のバルベナジンジトシレートの結晶性無水物の熱安定性をさらに確認した。以下の実施例8及び図6で提供されるデータからわかるように、約200℃の温度までのTGA実験の過程で有意な重量損失を認めることはできない。
なお別の態様において、本発明は、結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性無水物、又は以下で定義するような結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物の調製方法であって:
(i)エーテル、ニトリル及びエステル又はその混合物からなる群から選択される溶媒中でバルベナジンをp−トルエンスルホン酸一水和物と反応させるステップ;並びに
(ii)ステップ(i)の反応混合物から得られた結晶の少なくとも一部を分離するステップ;並びに
(iii)任意に、ステップ(ii)で得られた結晶を乾燥させるステップ;
を含む方法に関する。
上記方法のステップ(i)で出発材料として使用されるバルベナジンは、WO2008/058261A1の実施例2(化合物2−1)に記載の方法に従って調製することができ、p−トルエンスルホン酸一水和物は市販されている。
又は、重水素化バルベナジンは、上記方法のステップ(i)の出発材料として使用される。この化合物は、例えば、WO2014/120654に開示され、そこに開示されている方法に従って調製することができる。一般に、重水素化バルベナジンは、テトラベナジン又はデュテトラベナジンを準備し(WO2010/044981、WO2011/153157、WO2015/084622)、続いてケトンを対応するアルコールに還元し、N保護L−バリンと結合させ、最終的にN保護基を除去することによって製造することができる。又は、(+)−テトラベナジンから開始して、酸性条件下でのメトキシ基の選択的除去(Brossi et al.Helvetica Chimica Acta(1958),16,p.119fを参照のこと。)、後続の重水素化メチル化剤、例えば、D3Cl又は(D3CO)2SO2によるアルキル化、その後の最終形成によって、重水素化バルベナジンを入手することができる。
ステップ(i)における塩形成は、エーテル、ニトリル及びエステル又はその混合物からなる群から選択される溶媒中で行う。好適なエーテルは、例えば、ジエチルエーテルであり、好適なニトリルは、例えば、アセトニトリルであり、適用され得る好適なエステルは、例えば、ブチルアセテートである。反応は、1.0モル当量のバルベナジンを1.7〜2.3モル当量、好ましくは、1.8〜2.2モル当量、より好ましくは、1.9〜2.1モル当量、最も好ましくは、2.0モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させることにより行う。好ましい実施形態において、1.0モル当量のバルベナジンを1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2又は2.3モル当量のp−トルエンスルホン酸と反応させる。好ましくは、p−トルエンスルホン酸は一水和物の形態で使用される。ステップ(i)で得られた反応混合物の最終バルベナジンジトシレート濃度は、好ましくは、20〜50g/L、より好ましくは、30〜40g/Lの範囲にある。
ステップ(i)で得られた混合物は、任意にスラリー化され、本発明の状況におけるスラリー化は、撹拌、振盪及び/又は超音波照射によって引き起こされるバルベナジンジトシレートを含む混合物の任意の動きに関する。スラリー化は、約20〜100℃、好ましくは、約20〜80℃、より好ましくは、約20〜60℃、さらにより好ましくは、約20〜40℃、最も好ましくは、スラリー化はほぼ室温で行う。スラリー化は、約6〜48時間、好ましくは、約6〜24時間の範囲の期間、例えば、約12時間にわたって行う。
結晶性無水物又はその少なくとも一部は、濾過、遠心分離又は溶媒蒸発などの任意の従来の方法によって、好ましくは、濾過によって反応混合物から分離する。
最後に、得られた結晶は任意に乾燥され得る。乾燥は、約80℃以下、好ましくは、約60℃以下、より好ましくは、約40℃以下の温度にて行い、最も好ましくは、結晶は室温で乾燥され得る。乾燥は、約1〜72時間、好ましくは、約2〜48時間、より好ましくは、約4〜24時間、最も好ましくは、約6〜18時間の範囲の期間にわたって行われ得る。乾燥は、周囲圧力にて及び/又は真空下で、好ましくは、約100ミリバール以下、より好ましくは、約50ミリバール以下、最も好ましくは、約30ミリバール以下、例えば、約20ミリバール以下で行われ得る。
<結晶性バルベナジンジトシレートを含む組成物>
別の態様において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性水和物又は無水物を含む組成物であって、バルベナジンジトシレートの他の任意の物理的形態を本質的に含まない組成物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性水和物又は無水物を含む組成物であって、組成物の総重量に対して最大20重量%、好ましくは、最大10重量%、より好ましくは、最大5重量%、さらに好ましくは、最大2重量%、最も好ましくは、最大1重量%のバルベナジンジトシレートの他の任意の物理的形態を含むことを特徴とする組成物に関する。特定の好ましい実施形態において、他の任意の物理的形態は、非晶質バルベナジンジトシレートである。
別の実施形態において、本発明は、組成物の総重量に対して少なくとも90重量%の上で定義した結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性水和物又は無水物を含む組成物に関する。好ましくは、組成物は、5重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレート、例えば、2重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む。
さらなる実施形態において、本発明は、組成物の総重量に対して少なくとも95重量%の、上で定義した結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義したバルベナジンジトシレートの結晶性水和物又は無水物を含む組成物に関する。好ましくは、組成物は、4重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレート、例えば、2重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む。
好ましい実施形態において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジトシレートから本質的になる組成物に関する。別の好ましい実施形態において、本発明は、nが2.0である、上で定義した式IIによるバルベナジンジトシレートの結晶性無水物から本質的になる組成物に関する。別の好ましい実施形態において、本発明は、上で定義した式IIIによる結晶性バルベナジンジトシレートの水和物から本質的になる組成物であって、nが2.0であり、mが0.1〜4.0、好ましくは、0.2〜3.8、より好ましくは、0.3〜2.2、最も好ましくは、0.5〜1.6の範囲にある組成物に関する。
<バルベナジンジヒドロクロリド>
さらなる態様において、本発明は結晶性バルベナジンジヒドロクロリドに関する。特に本発明は、バルベナジンの他の固体形態と比較して、錠剤製剤の製造に特に好適となる1つ以上の望ましい特性を有する、バルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。特に有利な特性は、化学純度、溶解性、溶解速度、結晶形態、多形安定性、熱安定性、機械的安定性、貯蔵安定性、残留溶媒の低含有量、低い吸湿度並びに流動性、湿潤性、圧縮性及び嵩密度などの有利な加工及び取り扱い特性からなる群から選択することができる。
本発明の様々な態様は、実施形態によってさらに詳細に以下で説明するが、それに限定されない。本発明の各態様は、1つの実施形態によって、又は2つ以上の実施形態を組合せることによって説明され得る。
一態様において、本発明は、式(IX)による化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジヒドロクロリドに関し、
Figure 2020508337
式中:
・各Rは、H又はDから独立して選択され、並びに
・nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲であり、及び最も好ましくは、nは2.0である。
好ましい実施形態において、nは、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。一実施形態において、少なくとも1つのRはDである。一実施形態において、すべてのRはHである。別の実施形態において、すべてのRはDである。
一態様において、本発明は、式(X)の化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジヒドロクロリドに関し、
Figure 2020508337
式中:
・Rは、H又はDから選択され、並びに
・nは、1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0である。
一実施形態において、RはHであり、並びにnは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。別の実施形態において、RはDであり、並びにnは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。
一態様において、本発明は、式(VIII)の化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジヒドロクロリドに関し、
Figure 2020508337
式中、nは1.7〜2.3、好ましくは、1.8〜2.2、より好ましくは、1.9〜2.1の範囲にあり、及び最も好ましくは、nは2.0である。一実施形態において、nは1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2及び2.3からなる群から選択される。
<本発明のバルベナジンジヒドロクロリドの第1の結晶形態>
本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°及び(9.2±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°及び(12.7±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(12.7±0.2)°及び(18.1±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(10.7±0.2)°、(12.7±0.2)°及び(18.1±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(10.7±0.2)°、(12.7±0.2)°、(14.1±0.2)°及び(18.1±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(10.7±0.2)°、(12.7±0.2)°、(14.1±0.2)°、(15.1±0.2)°及び(18.1±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(10.7±0.2)°、(12.7±0.2)°、(14.1±0.2)°、(15.1±0.2)°、(17.5±0.2)°及び(18.1±0.2)°;又は
(6.9±0.2)°、(7.2±0.2)°、(9.2±0.2)°、(10.7±0.2)°、(12.7±0.2)°、(14.1±0.2)°、(15.1±0.2)°、(17.5±0.2)°、(18.1±0.2)°及び(20.9±0.2)°;
の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
別の実施形態において、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に:
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°及び(9.2±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°及び(12.7±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°、(12.7±0.1)°及び(18.1±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°、(10.7±0.1)°、(12.7±0.1)°及び(18.1±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°、(10.7±0.1)°、(12.7±0.1)°、(14.1±0.1)°及び(18.1±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°、(10.7±0.1)°、(12.7±0.1)°、(14.1±0.1)°、(15.1±0.1)°及び(18.1±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°、(10.7±0.1)°、(12.7±0.1)°、(14.1±0.1)°、(15.1±0.1)°、(17.5±0.1)°及び(18.1±0.1)°;又は
(6.9±0.1)°、(7.2±0.1)°、(9.2±0.1)°、(10.7±0.1)°、(12.7±0.1)°、(14.1±0.1)°、(15.1±0.1)°、(17.5±0.1)°、(18.1±0.1)°及び(20.9±0.1)°;
の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
別の実施形態において、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、本発明の図7に示すものと本質的に同じ粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
さらなる態様において、本発明は、上で定義される式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの第1の結晶形態の調製方法であって:
(i)バルベナジンジヒドロクロリド及びアセトンを含む溶液を準備するステップ、並びに
(ii)ステップ(i)で準備した溶液からバルベナジンジヒドロクロリドを結晶化するステップ、並びに
(iii)ステップ(ii)で得られた結晶の少なくとも一部を母液から分離するステップ、並びに
(iv)任意に、ステップ(iii)で得られた結晶を乾燥させるステップ
を含む方法に関する。
バルベナジンは、WO2008/058261A1の実施例2(化合物2−1)に記載の方法に従って調製され得て、塩酸は市販されている。又は、重水素化バルベナジンが使用される。この化合物は、例えば、WO2014/120654に開示され、そこに開示されている方法に従って調製することができる。一般に、重水素化バルベナジンは、テトラベナジン又はデュテトラベナジンを準備し(WO2010/044981、WO2011/153157、WO2015/084622)、続いてケトンを対応するアルコールに還元し、N保護L−バリンと結合させ、最終的にN保護基を除去することによって製造することができる。又は、(+)−テトラベナジンから開始して、酸性条件下でのメトキシ基の選択的除去(Brossi et al.Helvetica Chimica Acta(1958),16,p.119fを参照のこと。)、後続の重水素化メチル化剤、例えば、D3Cl又は(D3CO)2SO2によるアルキル化、その後の最終形成によって、重水素化バルベナジンを入手することができる。
上記方法のステップ(i)で出発材料として使用されるバルベナジンジヒドロクロリドは、好適な溶媒中でバルベナジン又は重水素化バルベナジンを塩酸と反応させることにより調製され得る。バルベナジンジヒドロクロリドの出発材料は、本明細書の実施例16に記載の手順に従って調製され得て、非晶質材料が得られる。
ステップ(i)において、アセトンを含む溶媒中のバルベナジンジヒドロクロリドの溶液を調製する。好ましくは、アセトンが存在する唯一の溶媒である。溶液は、好ましくは、アセトン中のバルベナジンジヒドロクロリドを、例えば、30〜56℃、好ましくは、40〜56℃の範囲の温度まで加熱することにより調製し、最も好ましくは、溶液を還流温度まで加熱する。溶液が得られたら、任意の未溶解粒子を除去するため任意に濾過され得る。ステップ(i)で得られた溶液の最終バルベナジンジヒドロクロリド濃度は、好ましくは、5〜20g/L、より好ましくは、5〜15g/Lの範囲にあり、例えば、最終濃度は約10g/Lである。
上記方法のステップ(ii)において、ステップ(i)で得られた溶液からバルベナジンジヒドロクロリドを結晶化する。それにより、結晶化は、スラリー化の有無にかかわらず溶液を放置することにより自発的に起こり得て、本発明の状況におけるスラリー化は、撹拌、振盪及び/又は超音波照射によって引き起こされるバルベナジンジヒドロクロリドを含む混合物の任意の動きに関する。結晶化を促進するために、溶液を室温又は−10〜+20℃、例えば、0〜10℃の範囲の温度まで自然に又は積極的に冷却してもよい。結晶化は、種晶を溶液に加えることによって開始してもよい。本明細書の実施例13に従って種晶を調製することができる。適用される種晶の量は、溶液中に存在するバルベナジンジヒドロクロリドの重量に対して、1〜20重量%、好ましくは、2〜5重量%の範囲にあり得る。
結晶化が起こると、バルベナジンジヒドロクロリド結晶を母液から濾過又は遠心分離などの任意の従来の方法によって、最も好ましくは、濾過によって、分離する前に収率を上昇させるために、得られた懸濁液を−10〜+20℃、例えば、0〜10℃の範囲の温度に任意にさらに維持する。任意に、単離された結晶は溶媒によって洗浄してもよい。好ましくは、溶媒はアセトンを含み、最も好ましくは、溶媒はアセトンである。
最後に、バルベナジンジヒドロクロリド結晶は20〜60℃、より好ましくは、20〜40℃の範囲の温度にて任意に乾燥され得て、最も好ましくは、結晶は室温にて乾燥する。乾燥は、約1〜72時間、好ましくは、約2〜48時間、より好ましくは、約4〜24時間、最も好ましくは、約6〜18時間の範囲の期間に行われ得る。乾燥は、周囲圧力及び/又は真空下で、好ましくは、約100ミリバール以下、より好ましくは、約50ミリバール以下、最も好ましくは、約30ミリバール以下で行われ得る。
<本発明のバルベナジンジヒドロクロリドの第2の結晶形態>
本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、
(12.0±0.2)°、(16.3±0.2)°及び(21.5±0.2)°;又は
(12.0±0.2)°、(16.3±0.2)°、(20.5±0.2)°及び(21.5±0.2)°;又は
(12.0±0.2)°、(16.3±0.2)°、(18.8±0.2)°、(20.5±0.2)°及び(21.5±0.2)°;又は
(12.0±0.2)°、(16.3±0.2)°、(18.8±0.2)°、(19.1±0.2)°、(20.5±0.2)°及び(21.5±0.2)°;又は
(12.0±0.2)°、(16.3±0.2)°、(18.8±0.2)°、(19.1±0.2)°、(20.5±0.2)°、(21.5±0.2)°及び(23.2±0.2)°;
の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。粉末X線回折図は、(7.2±0.1)°の2θ角における反射を含まないことが好ましい。
別の実施形態において、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に:
(12.0±0.1)°、(16.3±0.1)°及び(21.5±0.1)°;又は
(12.0±0.1)°、(16.3±0.1)°、(20.5±0.1)°及び(21.5±0.1)°;又は
(12.0±0.1)°、(16.3±0.1)°、(18.8±0.1)°、(20.5±0.1)°及び(21.5±0.1)°;又は
(12.0±0.1)°、(16.3±0.1)°、(18.8±0.1)°、(19.1±0.1)°、(20.5±0.1)°及び(21.5±0.1)°;又は
(12.0±0.1)°、(16.3±0.1)°、(18.8±0.1)°、(19.1±0.1)°、(20.5±0.1)°、(21.5±0.1)°及び(23.2±0.1)°;
の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。粉末X線回折図は、(7.2±0.1)°の2θ角における反射を含まないことが好ましい。
別の実施形態において、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、本発明の図8に示すものと本質的に同じ粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
さらなる態様において、本発明は、上で定義される式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの第2の結晶形態の調製方法であって:
(a)バルベナジンジヒドロクロリド及びアセトンを含む懸濁液を準備するステップ、並びに
(b)ステップ(a)で準備して懸濁液をスラリー化するステップ、並びに
(c)ステップ(b)で得られた結晶の少なくとも一部を母液から分離するステップ、並びに
(d)任意に、ステップ(c)で得られた結晶を乾燥させるステップ
を含む方法に関する。
バルベナジンは、WO2008/058261A1の実施例2(化合物2−1)に記載の方法に従って調製され得て、塩酸は市販されている。又は、重水素化バルベナジンが使用される。この化合物は、例えば、WO2014/120654に開示され、そこに開示されている方法に従って調製することができる。一般に、重水素化バルベナジンは、テトラベナジン又はデュテトラベナジンを準備し(WO2010/044981、WO2011/153157、WO2015/084622)、続いてケトンを対応するアルコールに還元し、N保護L−バリンと結合させ、最終的にN保護基を除去することによって製造することができる。又は、(+)−テトラベナジンから開始して、酸性条件下でのメトキシ基の選択的除去(Brossi et al.Helvetica Chimica Acta(1958),16,p.119fを参照のこと。)、後続の重水素化メチル化剤、例えば、D3Cl又は(D3CO)2SO2によるアルキル化、その後の最終形成によって、重水素化バルベナジンを入手することができる。
上記方法のステップ(a)で出発材料として使用されるバルベナジンジヒドロクロリドは、好適な溶媒中でバルベナジン又は重水素化バルベナジンを塩酸と反応させることにより調製され得る。バルベナジンジヒドロクロリドの出発材料は、本明細書の実施例16に記載の手順に従って調製され得て、非晶質材料が得られる。
ステップ(a)において、アセトンを含む溶媒中のバルベナジンジヒドロクロリドの懸濁液を調製する。好ましくは、アセトンが存在する唯一の溶媒である。ステップ(a)で得られた懸濁液の最終バルベナジンジヒドロクロリド濃度は、好ましくは、30〜70g/L、より好ましくは、40〜60g/Lの範囲にあり、例えば、最終濃度は約50g/Lである。懸濁液は30〜50℃、好ましくは、35〜45℃の範囲の温度まで加熱され得て、最も好ましくは、懸濁液を約40℃まで加熱する。
上記方法のステップ(b)において、懸濁液はスラリー化され、本発明の状況におけるスラリー化は、撹拌、振盪及び/又は超音波照射により引き起こされるバルベナジンジヒドロクロリドを含む混合物の任意の動きに関する。好ましくは、懸濁液の温度を30〜50℃、好ましくは、35〜45℃の範囲に維持し、最も好ましくは、懸濁液の温度をスラリー化中に約40℃に維持する。スラリー化を6〜48時間の範囲の期間、例えば、約10時間にわたって行う。
次のステップにおいて、結晶を濾過又は遠心分離などの任意の従来方法によって、最も好ましくは、濾過によって母液から分離する。任意に、単離された結晶は溶媒によって洗浄してもよい。好ましくは、溶媒はアセトンを含み、最も好ましくは、溶媒はアセトンである。
最後に、バルベナジンジヒドロクロリドの結晶は20〜60℃、より好ましくは、20〜40℃の範囲の温度にて任意に乾燥され得て、最も好ましくは、結晶は室温にて乾燥される。乾燥は、約1〜72時間、好ましくは、約2〜48時間、より好ましくは、約4〜24時間、最も好ましくは、約6〜18時間の範囲の期間にわたって行われ得る。乾燥は、周囲圧力及び/又は真空下で、好ましくは、約100ミリバール以下、より好ましくは、約50ミリバール以下、最も好ましくは、約30ミリバール以下で行われ得る。
<本発明のバルベナジンジヒドロクロリドの第3の結晶形態>
本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°及び(13.3±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(8.6±0.2)°及び(13.3±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°及び(13.3±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°、(13.3±0.2)°及び(14.1±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(7.6±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°、(13.3±0.2)°及び(14.1±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(7.6±0.2)°、(8.4±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°、(13.3±0.2)°及び(14.1±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(7.6±0.2)°、(8.4±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°、(13.3±0.2)°、(14.1±0.2)°及び(14.6±0.2)°;又は
(4.2±0.2)°、(4.7±0.2)°、(7.6±0.2)°、(8.4±0.2)°、(8.6±0.2)°、(9.5±0.2)°、(13.3±0.2)°、(14.1±0.2)°、(14.6±0.2)°及び(18.3±0.2)°;
の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
別の実施形態において、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に:
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°及び(13.3±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(8.6±0.1)°及び(13.3±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(8.6±0.1)°、(9.5±0.1)°及び(13.3±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(8.6±0.1)°、(9.5±0.1)°、(13.3±0.1)°及び(14.1±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(7.6±0.1)°、(8.6±0.1)°、(9.5±0.1)°、(13.3±0.1)°及び(14.1±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(7.6±0.1)°、(8.4±0.1)°、(8.6±0.1)°、(9.5±0.1)°、(13.3±0.1)°及び(14.1±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(7.6±0.1)°、(8.4±0.1)°、(8.6±0.1)°、(9.5±0.1)°、(13.3±0.1)°、(14.1±0.1)°及び(14.6±0.1)°;又は
(4.2±0.1)°、(4.7±0.1)°、(7.6±0.1)°、(8.4±0.1)°、(8.6±0.1)°、(9.5±0.1)°、(13.3±0.1)°、(14.1±0.1)°、(14.6±0.1)°及び(18.3±0.1)°;
の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
別の実施形態において、本発明は、20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα 1,2放射線を用いて測定した場合に、本発明の図9に示すものと本質的に同じ粉末X線回折図を有することを特徴とする、式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態に関する。
さらなる態様において、本発明は、上で定義される式(VIII)、(IX)又は(X)のバルベナジンジヒドロクロリドの第3の結晶形態の調製方法であって:
(a)バルベナジンジヒドロクロリド及び水を含む溶液を準備するステップ、並びに
(b)ステップ(a)で準備した溶液からバルベナジンジヒドロクロリドを結晶化するステップ、並びに
(c)ステップ(b)で得られた結晶の少なくとも一部を母液から分離するステップ、並びに
(d)任意に、ステップ(c)で得られた結晶を乾燥させるステップ
を含む方法に関する。
バルベナジンは、WO2008/058261A1の実施例2(化合物2−1)に記載の方法に従って調製され得て、塩酸は市販されている。又は、重水素化バルベナジンが使用される。この化合物は、例えば、WO2014/120654に開示され、そこに開示されている方法に従って調製することができる。一般に、重水素化バルベナジンは、テトラベナジン又はデュテトラベナジンを準備し(WO2010/044981、WO2011/153157、WO2015/084622)、続いてケトンを対応するアルコールに還元し、N保護L−バリンと結合させ、最終的にN保護基を除去することによって製造することができる。又は、(+)−テトラベナジンから開始して、酸性条件下でのメトキシ基の選択的除去(Brossi et al.Helvetica Chimica Acta(1958),16,p.119fを参照のこと。)、後続の重水素化メチル化剤、例えば、D3Cl又は(D3CO)2SO2によるアルキル化、その後の最終形成によって、重水素化バルベナジンを入手することができる。
上記方法のステップ(a)で出発材料として使用されるバルベナジンジヒドロクロリドは、好適な溶媒中でバルベナジン又は重水素化バルベナジンを塩酸と反応させることにより調製され得る。バルベナジンジヒドロクロリドの出発材料は、本明細書の実施例16に記載の手順に従って調製され得て、非晶質材料が得られる。
ステップ(a)において、水を含む溶媒中のバルベナジンジヒドロクロリドの溶液が調製される。溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール及び/又はイソプロパノールなどの1つ以上のC1−C3アルコールをさらに含み得る。好ましくは、水が存在する唯一の溶媒である。溶液は、好ましくは、水中でバルベナジンジヒドロクロリドを30〜60℃、好ましくは、40〜50℃の範囲の温度まで加熱することにより調製する。溶液が得られたら、任意の未溶解粒子を除去するため任意に濾過され得る。ステップ(a)で得られた溶液の最終バルベナジンジヒドロクロリド濃度は、好ましくは、100〜700g/L、より好ましくは、400〜600g/Lの範囲にあり、例えば、最終濃度は約500g/Lである。
上記方法のステップ(b)において、ステップ(a)で得られた溶液からバルベナジンジヒドロクロリドを結晶化する。それにより、結晶化は、スラリー化の有無にかかわらず溶液を放置することにより自発的に起こり得て、本発明の状況におけるスラリー化は、撹拌、振盪及び/又は超音波照射によって引き起こされるバルベナジンジヒドロクロリドを含む混合物の任意の動きに関する。結晶化を促進するために、溶液を室温又は−10〜+20℃、例えば、0〜10℃の範囲の温度まで自然に又は積極的に冷却してもよい。結晶化は、種晶を溶液に加えることによって開始してもよい。本明細書の実施例3に従って種晶を調製することができる。適用される種晶の量は、溶液中に存在するバルベナジンジヒドロクロリドの重量に対して、1〜20重量%、好ましくは、2〜5重量%の範囲にあり得る。
結晶化が起こると、バルベナジンジヒドロクロリド結晶を母液から濾過又は遠心分離などの任意の従来の方法によって、最も好ましくは、濾過によって、分離する前に収率を上昇させるために、得られた懸濁液を−10〜+20℃、例えば、0〜10℃の範囲の温度に任意にさらに維持する。任意に、単離された結晶は溶媒によって洗浄してもよい。好ましくは、溶媒はアセトンを含み、最も好ましくは、溶媒はアセトンである。
最後に、バルベナジンジヒドロクロリドの結晶を室温にて任意に乾燥させてもよい。乾燥は、約1〜72時間、好ましくは、約2〜48時間、より好ましくは、約4〜24時間、最も好ましくは、約6〜18時間の範囲の期間に行われ得る。乾燥は、周囲圧力で行うことが好ましい。
<結晶性バルベナジンジヒドロクロリドを含む組成物>
別の態様において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上で定義したバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つを含む組成物であって、バルベナジンジヒドロクロリドの他の物理的形態を本質的に含まない組成物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上で定義したバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つを含む組成物であって、組成物の総重量に対して最大20重量%、好ましくは、最大10重量%、より好ましくは、最大5重量%、さらにより好ましくは、最大2重量%、最も好ましくは、最大1重量%の他の物理的形態のバルベナジンジヒドロクロリドを含むことを特徴とする組成物に関する。特定の好ましい実施形態において、他の物理的形態は非晶質バルベナジンジヒドロクロリドである。
別の実施形態において、本発明は、組成物の総重量に対して少なくとも90重量%の上記の結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上記のバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つを含む組成物に関する。好ましくは、組成物は、5重量%未満の非晶質バルベナジンジヒドロクロリド、例えば、2重量%未満の非晶質バルベナジンジヒドロクロリドを含む。例えば、組成物は、2〜4重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量%の非晶質バルベナジンジヒドロクロリドを含む。
さらなる実施形態において、本発明は、組成物の総重量に対して少なくとも95重量%の上で定義した結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上で定義したバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つを含む組成物に関する。好ましくは、組成物は、4重量%未満の非晶質バルベナジンジヒドロクロリド、例えば、2重量%未満の非晶質バルベナジンジヒドロクロリドを含む。例えば、組成物は、2〜3重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量%の非晶質バルベナジンジヒドロクロリドを含む。
好ましい実施形態において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジヒドロクロリドから本質的になる組成物に関する。別の好ましい実施形態において、本発明は、上で定義したバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つから本質的になる組成物に関する。
<結晶性バルベナジンジヒドロクロリドを含む医薬組成物>
別の態様において、本発明は、医薬組成物の調製のための、結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上で定義したバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つの使用に関する。さらに本発明は、医薬組成物の調製のための、結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上記の方法によって得られたバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態の1つの使用に関する。さらに本発明は、医薬組成物の調製のための、結晶性バルベナジンジヒドロクロリド、特に上で定義したバルベナジンジヒドロクロリドの結晶形態を含む組成物の使用に関する。医薬組成物のより詳細な説明を、結晶性バルベナジンジトシレートについて以下に記載する。本発明は、結晶性バルベナジンジトシレートが本発明のバルベナジンジヒドロクロリド、特に本発明のバルベナジンジヒドロクロリドの第2の結晶形態によって置き換えられる、ジトシレートについて以下に記載する医薬組成物にも関する。
<結晶性バルベナジンジトシレートを含む医薬組成物>
別の態様において、本発明は、医薬組成物の調製のための、結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義した本発明のバルベナジンジトシレート結晶性水和物又は結晶性無水物の使用に関する。さらに本発明は、医薬組成物の調製のための、結晶性バルベナジンジトシレート、特に上記方法により得られる本発明のバルベナジンジトシレート結晶性水和物又は結晶性無水物の使用に関する。さらに本発明は、医薬組成物の調製のための、結晶性バルベナジンジトシレート、特に上で定義した本発明のバルベナジンジトシレート結晶性水和物又は結晶性無水物を含む組成物の使用に関する。
医薬組成物は、医薬標準手順、例えば、湿式又は乾式加工法によって調製され得る。ある実施形態において、医薬組成物は、これに限定されるわけではないが、湿式造粒法などの湿式加工法によって調製される。好適な湿式造粒法は、高剪断造粒又は流動床造粒を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、これに限定されるわけではないが、直接圧縮法又は乾式造粒法などの乾式加工法によって調製される。乾式造粒の例は、ローラー圧縮である。乾式加工法又は湿式加工法により得られた医薬組成物は、好ましくは、圧縮されて錠剤にとされるか、又はカプセル化される。
さらなる態様において、本発明は、上で定義した結晶性バルベナジンジトシレート、特にバルベナジンジトシレート結晶性水和物又は結晶性無水物を含む組成物又は上で定義したもの及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物に関する。好ましくは、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤は、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、着色剤、香味剤、甘味剤、乳化剤、分散剤、湿潤剤及びフィルムコーティングからなる群から選択される。
一実施形態において、本発明の医薬組成物に使用され得る好適な結合剤としては、デンプン、例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ及びアルファ化スターチ(例えば、STARCH1500);ゼラチン、糖、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜及びラクトース;天然ゴム及び合成ゴム、例えば、アラビアゴム、アルギン酸、アルギネート、アイリッシュモス抽出物、パンワールゴム、ガティガム、インドオオバコ種皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース;ポリビニルビニリドン(PVP)、ビーガム、カラマツアラボガラクタン、粉末トラガカント及びグアーガム;セルロース、例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶セルロース、例えば、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corp.、マーカスフック、ペンシルバニア州)及びその混合物が挙げられるが、これに限定されない。
別の実施形態において、本発明の医薬組成物に使用され得る好適な充填剤としては、タルク、カルシウムカーボネート、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン及びその混合物が挙げられるが、これに限定されない。
別の実施形態において、本発明の医薬組成物に使用され得る好適な希釈剤としては、ジカルシウムホスフェート、カルシウムサルフェート、ラクトース、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、ナトリウムクロリド、乾燥デンプン及び粉糖が挙げられるが、これに限定されない。
さらなる実施形態において、本発明の医薬組成物に使用され得る好適な崩壊剤としては、寒天、ベントナイト、セルロース、例えば、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース;木材製品;天然スポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;ガム、例えば、グアーガム及びビーガムHV;柑橘類パルプ;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロース;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン;架橋デンプン;カルシウムカーボネート;微結晶セルロース;ナトリウムデンプングリレート;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ及びアルファ化スターチ;粘土;アラインズ;及びその混合物が挙げられるが、これに限定されない。
なおさらなる実施形態において、本発明の医薬組成物に使用され得る好適な潤滑剤としては、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、グリコール、例えば、グリセロールベヘネート及びポリエチレングリコール(PEG);ステアリン酸、ナトリウムラリルサルフェート、タルク、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油を含む水素化植物油;亜鉛ステアレート、エチルオレアート、エチルラウレアート、寒天、デンプン、ヒカゲノカズラ、シリカ又はシリカゲル、例えば、AEOROSIL(R)200(W.R.Grace Co.、ボルチモア、メリーランド州)及びCAB−O−SIL(R)(マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.);及びその混合物が挙げられるが、これに限定されない。
さらに別の実施形態において、本発明の医薬組成物に使用され得る好適な流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(R)(マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.)及びアスベスト不含有タルクが挙げられるが、これに限定されない。
多くの賦形剤が、同じ製剤内で複数の機能、事象に役立つ可能性があることを理解されたい。
一実施形態において、本発明は、無水バルベナジンとして計算した、本発明の結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量が約5〜150mgの範囲にある、上で定義した医薬組成物に関する。好ましくは、無水バルベナジンとして計算した、本発明の結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量は、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg及び150mgからなる群から選択される。より好ましくは、無水バルベナジンとして計算した、本発明の結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量は、25mg、40mg、50mg、75mg、80mg及び100mgからなる群から選択される。さらにより好ましくは、無水バルベナジンとして計算した、本発明の結晶性バルベナジンジトシレートの所定量及び/又は薬学的有効量は、40又は80mg、最も好ましくは、40mgである。
一実施形態において、本発明は、経口固形剤形である、上で定義した医薬組成物に関する。好ましくは、経口固体剤形は、カプセル剤又は錠剤、より好ましくは、錠剤、最も好ましくは、フィルムコート錠である。
好ましくは、本発明は、上で定義した医薬組成物に関し、医薬組成物は1日1回投与されるものである。
また別の態様において、本発明は、薬剤として使用するための、上で定義した医薬組成物に関する。
さらなる態様において、本発明は、多動性障害の治療に使用するための、上で定義した医薬組成物に関する。好ましい実施形態において、多動性障害は遅発性ジスキネジアである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の剤形は、好適な包装材料によって包装される。包装材料は、好ましくは、本発明の医薬組成物と環境との間の水交換を低減又は防止する。例えば、剤形が錠剤又はカプセル剤である場合、好適なブリスターパック材料を使用することができる。ブリスターパックは、好ましくは、熱成形プラスチックを含む空洞又はポケットを備え得る。ブリスターパックは通常、アルミニウム箔及び/又はプラスチック箔を含む蓋シールを裏材として有する。さらに、組成物が顆粒の形態である場合、好適なサシェ剤を使用することができる。
特に好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物又は剤形は、38℃/5%/90%RHにて0.001〜0.15g/m/日、好ましくは、38℃/5%/90%RHにて0.01〜0.12g/m/日、38℃/5%/90%RHにて、特に38℃/5%/90%RHにて0.05〜0.10g/m/日の水蒸気透過性を有する材料によって包装し、前記水蒸気透過性はASTM F1249−13に従って求める。好ましくは、Permatran(パーマトラン)−W Model 3/33装置を使用する。測定は38℃で行うことが好ましい。さらに、好ましくは、乾燥室内の湿度は5%相対湿度(=RH)であるのに対し、湿潤室内の湿度は90%RHである。
好ましい実施形態において、包装材料は、好ましくは、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリビニリデンクロリド(PVDC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチロール(PS)、ポリアミド及びアルミナ又はその組合せから選択することができる。
好ましい実施形態において、包装材料は、熱成形可能であり、1つ以上の層を含有する層状シートを含む。好ましい実施形態において、包装材料は、複合材料、例えば、共押出複合材料、例えば、Nylon(R)−Alu−PVCとも呼ばれる、ポリアミド−アルミナ−ポリビニルクロリド複合材料であることができる。
好ましい実施形態において、包装材料は1μm〜1mmの厚さを有する。ブリスターパックの場合、熱成形プラスチックポケットは、好ましくは、100〜1000μm、より好ましくは、150〜800μmの厚さを有する。さらに、裏材箔は、通常10〜150μm、より好ましくは、15〜100μmの厚さを有する。
以下の実施例は本開示を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
結晶性バルベナジンジトシレート水和物の調製
トルエン(5mL)中のバルベナジン(200mg、0.48mmol、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)の溶液を、トルエン(5mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1.05mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温にて24時間撹拌し、バルベナジンジトシレートをゼリー様粘稠度の白色塊として得た。トルエンを蒸発させた後(回転蒸発器、40℃/50ミリバール)、バルベナジンジトシレート水和物を白色結晶性粉末として得た。このようにして得られた材料をPXRD、DSC及びGMSによってキャラクタリゼーションした(実施例2〜4を参照)。
[実施例2]
粉末X線回折
粉末X線回折図は、透過幾何学におけるθ/θ連結型ゴニオメータ、ウェルプレートホルダ付きのプログラム可能なXYZステージ、フォーカシング集光ミラーを有するCu−Kα1,2放射線源(波長0.15419nm)、入射ビーム側の0.5°の発散スリット、0.02°のソーラスリットコリメータ及び0.5°の散乱防止スリット、回折ビーム側の2mmの散乱防止スリット、0.02°のソーラスリットコリメータ、Niフィルタ及びソリッドステートPIXcel検出器を備えた、X’Pert PRO回折計(PANalytical、アルメロ、オランダ)によって得た。回折図を、2°〜40°の2θの角度範囲内で、1ステップあたり80秒で0.013° 2θのステップ幅を適用し、管電圧40kV、管電流40mAにて記録した。
2θの値の典型的な精度は、±約0.2° 2θの範囲、好ましくは、±0.1° 2θの範囲にある。したがって、例えば、5.7° 2θにて出現する本発明のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物の反射は、標準条件下での大半のX線回折計で5.5° 2θ〜5.9° 2θの間、好ましくは、5.6° 2θ〜5.8° 2θの間に出現することができる。
本発明のバルベナジンジトシレートの結晶性水和物の代表的な粉末X線回折図を本明細書の図1に示し、対応する反射リストを以下の表1に示す。
Figure 2020508337
[実施例3]
示差走査熱量測定
Pyris 2.0ソフトウェアを使用して、DSC 7(Perkin−Elmer、ノーウォーク、コネチカット州、米国)によって示差走査熱量測定(DSC)を行った。4.7307±0.0005mgのサンプル(UM3 ultramicrobalanceを使用、Mettler,グライフェンゼー、チューリッヒ州)をアルミニウムパン(25マイクロリットル)内へ秤量し、カバーで密封し、針で穴を開けた。サンプルを10 K/分の速度で加熱した。乾燥窒素をパージガスとして使用した(パージ速度:20mL/分)。
対応するDSC曲線は、本発明の図2に示され、約131℃の開始温度及び約148℃のピーク温度を有する第1の吸熱ピークを示している。その後、約196℃の開始温度及び約211℃のピーク温度を有する発熱ピークが出現し、すぐに約231℃の開始温度及び約238℃のピーク温度を有する第2の吸熱ピークが続く。DSC曲線は、第1の吸熱ピークが脱水/融解事象に対応し、発熱ピークが結晶化ピークであり、第2の吸熱ピークが溶融事象に対応すると解釈され得る。
[実施例4]
重量水分収着実験
水分収着曲線は、SPS−11水分収着分析装置(MD Messtechnik、ウルム、ドイツ)によって記録した。測定は0%RHにて開始し、5%刻みで最大90%RHまで上昇させた。各刻みの平衡条件は、50分間にわたり±0.001%の質量不変とした。温度は25±0.1℃であった。
Figure 2020508337
[実施例5]
結晶性バルベナジンジトシレート無水物の調製
ブチルアセテート(10mL)中のバルベナジン(200mg、0.48mmol、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)の溶液を、ブチルアセテート(10mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1.05mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温にて12時間撹拌した後、得られた結晶を濾過により回収し、ブチルアセテート(5mL)によって洗浄し、40℃にて2時間乾燥させて、結晶性無水バルベナジンジトシレート(289mg)を得た。このようにして得られた材料をPXRD、DSC及びGMSによってキャラクタリゼーションした(実施例6〜8を参照)。
[実施例6]
粉末X線回折
粉末X線回折図は、透過幾何学におけるθ/θ連結型ゴニオメータ、ウェルプレートホルダ付きのプログラム可能なXYZステージ、フォーカシング集光ミラーを有するCu−Kα1,2放射線源(波長0.15419nm)、入射ビーム側の0.5°の発散スリット、0.02°のソーラスリットコリメータ及び0.5°の散乱防止スリット、回折ビーム側の2mmの散乱防止スリット、0.02°のソーラスリットコリメータ、Niフィルタ及びソリッドステートPIXcel検出器を備えた、X’Pert PRO回折計(PANalytical、アルメロ、オランダ)によって得た。回折図を、2°〜40°の2θの角度範囲内で、1ステップあたり80秒で0.013° 2θのステップ幅を適用し、管電圧40kV、管電流40mAにて記録した。2θの値の典型的な精度は、±約0.2° 2θの範囲、好ましくは、±0.1° 2θの範囲にある。したがって、例えば、6.3° 2θにて出現する本発明のバルベナジンジトシレートの結晶性無水物の反射は、標準条件下での大半のX線回折計で6.1° 2θ〜6.5° 2θの間、好ましくは、6.2° 2θ〜6.4° 2θの間に出現することができる。
本発明のバルベナジンジトシレートの結晶性無水物の代表的な粉末X線回折図を本明細書の図4に示し、対応する反射リストを以下の表3に示す。
Figure 2020508337
[実施例7]
示差走査熱量測定
Pyris 2.0ソフトウェアを使用して、DSC 7(Perkin−Elmer、ノーウォーク、コネチカット州、米国)によって示差走査熱量測定(DSC)を行った。7.115±0.0005mgのサンプル(UM3 ultramicrobalanceを使用、Mettler,グライフェンゼー、チューリッヒ州)をアルミニウムパン(25マイクロリットル)内へ秤量し、カバーで密封し、針で穴を開けた。サンプルを10 K/分の速度で加熱した。乾燥窒素をパージガスとして使用した(パージ速度:20 mL/分)。
本発明のバルベナジンジトシレートの結晶無水形態の対応するDSC曲線を図5に示し、239.4℃の開始温度、242.4℃のピーク温度及び54.1kJ/molの融解熱を有する単一の吸熱ピークを示す。DSC曲線は、吸熱ピークが溶融事象に対応していると解釈され得る。
[実施例8]
熱重量分析
TGAは、Pyris−Software for Windows NTを使用する熱重量測定システムTGA−7(パーキンエルマー、ノーウォーク、コネチカット州、米国)で行った。サンプル(10.28mg)を白金サンプルホルダ(50μL)内に秤量し、10 K/分の加熱速度で室温から200℃まで加熱した。パージガスとして窒素を使用した(サンプルパージ:20mL/分、バランスパージ:40mL/分)。
本明細書の実施例5から得られた結晶性バルベナジンジトシレートは、わずかな質量損失(140℃の温度まで0.3重量%)のみを示し、無水及び無溶媒形態の存在を示した。対応するTGA曲線を図6に示す。
[実施例9]
結晶性バルベナジンジトシレート無水物の調製
ジエチルエーテル(10mL)中のバルベナジン(200mg、0.48mmol、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)の溶液を、ジエチルエーテル(10mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1.05mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温にて12時間撹拌した後、得られた結晶を濾過により回収し、40℃にて2時間乾燥させて、結晶性無水バルベナジンジトシレート(278mg)を得た。
[実施例10]
結晶性バルベナジンジトシレート無水物の調製
ジエチルエーテル(200mL)中のバルベナジン(3000mg、7.20mmol、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)の溶液を、ジエチルエーテル(200mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(3000mg、15.75mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温にて12時間撹拌した後、得られた結晶を濾過により回収し、ジエチルエーテル(10mL)によって洗浄し、40℃にて2時間乾燥させて、結晶性無水バルベナジンジトシレート(5020mg)を得た。
[実施例11]
結晶性バルベナジンジトシレート無水物の調製
ジイソプロピルエーテル(10mL)中のバルベナジン(200mg、0.48mmol、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)の溶液を、ジイソプロピルエーテル(10mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1.05mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温にて12時間撹拌した後、得られた結晶を濾過により回収し、40℃にて2時間乾燥させて、結晶性無水バルベナジンジトシレート(220mg)を得た。
[実施例12]
結晶性バルベナジンジトシレート無水物の調製
アセトニトリル(10mL)中のバルベナジン(200mg、0.48mmol、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)の溶液を、アセトニトリル(10mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1.05mmol)の懸濁液に滴加した。反応混合物を室温にて12時間撹拌した後、得られた結晶を濾過により回収し、40℃にて2時間乾燥させて、結晶性無水バルベナジンジトシレート(287mg)を得た。
[実施例13]
バルベナジンジヒドロクロリドの第1の結晶形態の調製
非晶質バルベナジンジヒドロクロリド(2000mg、例えば、本明細書の実施例16に従って調製)及びアセトン(200mL)の混合物を還流温度まで加熱し、それにより透明な溶液を得た。還流温度にて2〜3分後、バルベナジンジヒドロクロリドの結晶を得た。懸濁液を室温まで放冷し、さらに24時間撹拌した後、結晶を濾過により収集し、最後に真空下(30ミリバール)で40℃にて18時間乾燥させた。このようにして得られた材料を粉末X線回折によってキャラクタリゼーションし、前記材料の代表的な粉末X線回折図を本明細書の図7に示す。対応する反射リストを以下の表4に示す。
Figure 2020508337
[実施例14]
バルベナジンジヒドロクロリドの第2の結晶形態の調製
非晶質バルベナジンジヒドロクロリド(1000mg、例えば、本明細書の実施例16に従って調製)をアセトン(20mL)に懸濁させ、40℃にて10時間撹拌した。得られた結晶を濾過により収集し、真空下(30ミリバール)で40℃にて18時間乾燥させた。このようにして得られた材料を粉末X線回折によってキャラクタリゼーションし、前記材料の代表的な粉末X線回折図を本明細書の図8に示す。対応する反射リストを以下の表5に示す。
Figure 2020508337
[実施例15]
バルベナジンジヒドロクロリドの第3の結晶形態の調製
非晶質バルベナジンジヒドロクロリド(490mg、例えば、本明細書の実施例16に従って調製)を少し加熱しながら水(1mL)に溶解させた。得られた透明な溶液を室温にて撹拌せずに静置した。24時間後、得られた結晶を濾過により回収し、室温にて風乾した。このようにして得られた材料を粉末X線回折によってキャラクタリゼーションし、前記材料の代表的な粉末X線回折図を本明細書の図9に示す。対応する反射リストを以下の表6に示す。
Figure 2020508337
[実施例16]
非晶質バルベナジンジヒドロクロリドの調製
バルベナジン遊離塩基(5000mg、例えば、WO2008/058261A1の実施例2に従って調製)を無水ジエチルエーテル(150mL)に溶解させた。わずかに濁った溶液をシリンジフィルタ(孔径0.44ミクロン)で濾過し、エーテル性塩酸(1M、26mL、2.2mol)及び無水ジエチルエーテル(20mL)の溶液に滴加すると、白色固体の沈殿がただちに生じた。懸濁液を室温にてさらに1時間撹拌した後、固体を濾過により収集し、ジエチルエーテル(10mL)で洗浄し、風乾して、非晶質バルベナジンジヒドロクロリドを得た。

Claims (14)

  1. 式IIの化学構造を特徴とする結晶性バルベナジンジトシレートであって、
    Figure 2020508337

    式中、nが1.7〜2.3の範囲であり、無水物である、結晶性バルベナジンジトシレート。
  2. 20〜30℃の範囲の温度にて、0.15419nmの波長を有するCu−Kα1,2放射線を用いて測定した場合に、(6.3±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°、又は
    (6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°、又は
    (5.3±0.2)°、(6.3±0.2)°、(15.6±0.2)°、(17.9±0.2)°及び(19.8±0.2)°
    の2θ角における反射を含む粉末X線回折図を有することを特徴とする、請求項1に記載の結晶性バルベナジンジトシレート無水物。
  3. 20〜30℃の範囲の温度にて0.15419nmの波長を有するCu−Kα1,2放射線を用いて測定した場合に、本発明の図4に示すものと本質的に同じ粉末X線回折図を有することを特徴とする、請求項2に記載の結晶性バルベナジンジトシレート無水物。
  4. 10 K/分の加熱速度で測定した場合に、(239±2)℃の開始温度及び(242±2)℃のピーク温度を有する吸熱ピークを含む示差走査熱量測定曲線を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート無水物。
  5. 組成物の総重量に対して、少なくとも90重量%の、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート無水物を含む組成物。
  6. 5重量%未満の非晶質バルベナジンジトシレートを含む、請求項5に記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート無水物及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  8. 経口固体剤形、好ましくは、錠剤又はフィルムコート錠である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 厚さ1μm〜1mmの包装材料で包装されている、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 薬剤として使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート、請求項5若しくは6に記載の組成物又は請求項7〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 多動性障害の治療又は予防に使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート、請求項7若しくは8に記載の組成物又は請求項9若しくは10に記載の医薬組成物。
  12. 多動性障害が遅発性ジスキネジアである、請求項12に記載の治療又は予防に使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性バルベナジンジトシレート、請求項5若しくは6に記載の組成物又は請求項7〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の水和物又は請求項5若しくは6の組成物の調製方法であって、
    (i)トルエン中でバルベナジンをp−トルエンスルホン酸一水和物と反応させるステップ、
    (ii)ステップ(i)の反応混合物をスラリー化するステップ、
    (iii)ステップ(i)又は(ii)の反応混合物からトルエンを除去するステップ
    を含む方法。
  14. ステップ(iii)で得られた結晶を乾燥させるステップ(iv)
    を任意に含む、請求項13に記載の方法。
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