JP2024025093A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストが低い正極集電板を備えていながら、高温耐久性に優れるとともに、電池容量の維持特性にも優れた鉛蓄電池を提供する。【解決手段】正極板10は、格子状部110を含む正極集電板11と、格子状部に保持された正極合剤15と、を有し、正極集電板11は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成され、正極合剤15の比表面積は6m2/g以上11m2/g以下であり、正極合剤15の多孔度は47%以上57%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
一般的な鉛蓄電池である液式鉛蓄電池は、セル室を有する電槽と、セル室に収納された極板群と、セル室に注入された電解液と、を備えている。極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、を有する。正極板は、格子状部を含む正極集電板と、格子状部に保持された正極合剤(正極活物質を含む合剤)と、を有し、格子状部の両板面に正極合剤からなる層が形成されている。負極板は、格子状部を含む負極集電板と、格子状部に保持された負極合剤(負極活物質を含む合剤)と、を有し、格子状部の両板面に負極合剤からなる層が形成されている。電解液としては希硫酸が使用されている。このような液式鉛蓄電池は自動車用バッテリーなどとして広く使用されている。
近年、自動車のエンジンルームは、装備が増加していることと無駄な空間を排除したデザインとなっていることなどに起因して、内部の温度上昇が著しい状態となっている。よって、自動車用の液式鉛蓄電池は、正極集電板に腐食やグロース(集電板の伸びによる変形)が生じ易い環境下で使用されるため、寿命を長くするための対策が強く求められている。
また、最近の自動車は、電装部品の増加により、自動車の停車中に鉛蓄電池から供給される暗電流が高くなる傾向にあるため、電池容量に対しても対策が求められている。
特許文献1には、高温下で長寿命の鉛蓄電池を得るとともに、格子体(集電板)の作業性(強度)を向上するために、正極格子体(正極集電板)をなす鉛合金として、0.05~0.085質量%のCa、1.2~2.0質量%のSn、0.002~0.02質量%のBi、0.0001~0.002質量%のAg、及び0.005~0.03質量%のAlを含有し、残部がPb及び不可避的不純物からなる鉛合金を用いることが開示されている。特に、正極格子体を形成する鉛合金中のSnの含有量については、正極集電板の腐食を抑制する観点から1.2質量%以上であることが好ましいと記載されている。
鉛蓄電池としては、液式鉛蓄電池以外に制御弁式鉛蓄電池が挙げられる。制御弁式鉛蓄電池は、電解液と積層体を備えた密閉構造を有し、積層体は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、からなる。電解液は、セパレータであるガラス繊維マットに染み込ませるか、ゲル化により非流動化されている。
特許第6406457号公報
しかし、錫(Sn)の含有率が高い鉛合金からなる集電板は製造コストが高くなるため、特許文献1に記載された正極集電板には、コストの面で改善の余地がある。
本発明の課題は、特許文献1よりも製造コストが低い正極集電板を備えていながら、高温耐久性に優れるとともに、電池容量の維持特性にも優れた鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、下記の構成(1)~(4)を備えた鉛蓄電池を提供する。
(1)電解液と積層体を備え、前記積層体は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、からなる。
(2)前記正極板は、前記正極板は、格子状部を含む正極集電板と、前記格子状部に保持された正極合剤と、を有する。
(3)前記正極集電板は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されている。
(4)前記正極合剤の比表面積は6m2/g以上11m2/g以下であり、前記正極合剤の多孔度は47%以上57%以下である。
本発明の一態様の鉛蓄電池が液式鉛蓄電池の場合、上記構成(2)~(4)と、上記構成(1)に含まれる下記の構成(11)を備えている。
(11)セル室を有する電槽と、前記セル室に収納された極板群と、前記セル室に注入された電解液と、を備えている。前記極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を有する。
本発明の鉛蓄電池は、特許文献1よりも製造コストが低い正極集電板を備えているが、高温耐久性に優れるとともに、電池容量の維持特性にも優れたものとなることが期待できる。
実施形態の液式鉛蓄電池の構造を示す部分断面図である。 実施形態の液式鉛蓄電池を構成する正極板を示す一部破断正面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
[電池全体の構成:第一実施形態]
第一実施形態の液式鉛蓄電池は、図1に示すように、一つのセル室4を有する電槽41と、セル室4に収納された極板群5と、正極端子14および負極端子24と、セル室4に注入された電解液(図示せず)と、電槽41に固定されてセル室4の上方を塞ぐ蓋43を備えている。
極板群5は積層体6を有し、積層体6は、交互に配置された複数枚の正極板10および負極板20と、正極板10と負極板20との間に配置されたセパレータ30とで構成されている。
積層体6を構成する正極板10の枚数は、負極板20の枚数と同じでもよいし、負極板20の枚数より多くても良い。図1の例では、正極板10と負極板20で同じ枚数になっている。
正極板10は、正極集電板と正極合剤(正極活物質を含む合剤)で構成され、正極集電板は、長方形の格子状部と格子状部をなす長方形の一辺から突出する耳部とを有し、格子状部に正極合剤が保持されている。図1においては、正極合剤が保持された状態の格子状部を符号101で、正極板10の耳部を符号102でそれぞれ示している。正極板10については後に詳述する。
負極板20は、負極集電板と負極合剤(負極活物質を含む合剤)で構成され、負極集電板は、長方形の格子状部と格子状部をなす長方形の一辺から突出する耳部とを有し、格子状部に負極合剤が保持されている。図1においては、負極合剤が保持された状態の格子状部を符号201で、負極板20の耳部を符号202でそれぞれ示している。負極板20を構成する負極集電板は、Pb-Ca-Sn系合金を用い連続鋳造法で形成されたものである。
セパレータ30は、例えば、合成樹脂、ガラス等からなる多孔質の膜状体であり、平板状のベース(膜状体)に、ベース面に対して垂直な方向に突出する襞状のリブが形成されていてもよい。
極板群5は正極ストラップ13および負極ストラップ23を備え、正極ストラップ13は積層体6の全ての正極板10の耳部120を、負極ストラップ23は積層体6の全ての負極板20の耳部220を、それぞれ幅方向の別の位置で連結している。正極ストラップ13の上部に正極端子14の一端が接続され、負極ストラップ23の上部に負極端子24の一端が接続されている。
積層体6は、正極板10および負極板20の格子状部の板面を電槽41の上下方向に沿わせて、電槽41内に配置されている。正極端子14の他端および負極端子24の他端が、電槽41の開口部を閉塞する蓋43を貫通して、電槽41と蓋43からなるケース体の外部に露出している。電解液は、比重が1.28以上1.30以下(20℃換算)の希硫酸である。
[電池全体の構成:第二実施形態]
第二実施形態の液式鉛蓄電池は、モノブロックタイプの電槽と、蓋と、六個の極板群とを有する。電槽は、隔壁により六個のセル室に区画されている。六個のセル室は電槽の長手方向に沿って配列されている。各セル室に一つの極板群が収納され、各セル室内に希硫酸からなる電解液が注入されている。
各極板群を構成する積層体は第一実施形態の極板群を構成する積層体と同じである。
各極板群は、積層体を構成する複数の正極板および負極板をそれぞれ幅方向の別の位置で連結する正極ストラップおよび負極ストラップと、正極ストラップおよび負極ストラップからそれぞれ立ち上がる正極中間極柱および負極中間極柱と、外部端子となる正極極柱および負極極柱を有する。正極ストラップおよび負極ストラップは、複数の正極板および負極板の耳部をそれぞれ幅方向の別の位置で連結している。
隣接するセル室の正極中間極柱および負極中間極柱が抵抗溶接されて、隣接するセル間が電気的に直列に接続されている。正極極柱および負極極柱は、セル配列方向の両端のセル室に配置された正極ストラップおよび負極ストラップに、小片部を介して形成されている。正極極柱および負極極柱は蓋を貫通して、外部に露出している。
[正極板について]
図2に示すように、正極板10は、長方形の格子状部110を備えた正極集電板11と、格子状部110に保持された正極合剤15とを有する。
〔正極集電板について〕
正極集電板11は、格子状部110の上方から突出する耳部120を有する。格子状部110は、長方形の四辺をなす枠骨と、枠骨に接続されて枠骨より内側に存在する複数本の内骨と、で構成されている。
枠骨は、格子状部110の上側に位置し、積層体の積層方向と電槽の上下方向とに垂直な方向である横方向に延びる上枠骨111と、格子状部110の下側に位置し横方向に延びる下枠骨112と、電槽の上下方向である縦方向に延びる一対の縦枠骨113,114と、を有する。複数本の内骨は、上枠骨111の各位置から下枠骨112側に向かう複数本の縦内骨115と、一対の縦枠骨113,114を接続する複数本の横内骨116と、を有する。
上枠骨111、下枠骨112、または横内骨116と、横内骨116と、縦枠骨113、縦枠骨114、または縦内骨115と、縦内骨115とによって、複数の開口部117が形成されている。
なお、格子状部は、縦内骨115および横内骨116の他に、例えば、上枠骨から左右の縦枠骨に向けて放射状に延びる内骨や、上下左右の枠骨のいずれか一本にのみ接続する内骨や、いずれの枠骨にも接続しない短い内骨などを有していてもよい。これらの内骨は、充放電時の電位分布の向上や、機械的強度の向上に寄与する。
正極集電板11は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用い、鋳造方式で製造されたものである。
正極集電板11をなす鉛合金の組成は、例えば、固体発光分析装置(OES)を用いて測定することができる。
使用する鉛合金を上記構成に限定した理由について以下に記載する。
<Ca(カルシウム)>
カルシウムは、鉛合金製の正極集電板の機械的強度を向上させる作用を有する。具体的には、正極集電板を、鉛合金を用いて鋳造方式で製造する際に、カルシウムによる結晶粒の微細化作用が生じることで、製造された正極集電板の機械的強度が向上する。また、カルシウムの含有量が少なすぎると、正極集電板の機械的強度が弱くなり、正極集電板が柔らかくなる傾向にある。これにより、後述の正極合剤層の形成方法において、正極合剤ペーストを正極集電板の格子状部に充填する際に、正極集電板が変形するなどの充填不良が生じる場合がある。一方、カルシウムの含有量が多すぎると必要な耐食性が得られない恐れもある。
よって、機械的強度および耐食性の両方の観点から、カルシウムを0.035質量%以上0.080質量%以下の範囲で含有させることとした。カルシウムの含有率は、0.035質量%以上0.070質量%以下の範囲であることが好ましく、0.035質量%以上0.060質量%以下の範囲であることがより好ましい。
<Sn(錫)>
錫は、鉛合金製の正極集電板の機械的強度を向上させる作用を有する。錫の含有量が少なすぎるとこれらの作用が発揮されない。一方、Snの含有量が多すぎると、コスト高となる。
よって、機械的強度、耐食性、およびコストの観点から、錫を0.50質量%以上0.90質量%以下の範囲で含有させることとした。錫の含有率は、0.55質量%以上0.90質量%以下の範囲であることが好ましく、0.60質量%以上0.80質量%以下の範囲であることがより好ましい。
<Ag(銀)>
銀は、鉛合金製の正極集電板の機械的強度、耐食性、および耐クリープ特性を向上させる作用を有する。銀の含有量が少なすぎるとこれらの作用が発揮されない。一方、銀の含有量が多すぎると、正極集電板の酸素発生電位が低下して自己放電量が大きくなるため、長期放置後に使用すると、自己放電により充電率が低下して容量を取り出せなくなることに加えて、コスト高となる。
よって、機械的強度、耐食性、耐クリープ特性、酸素発生電位、およびコストの観点から、銀を0.003質量%以上0.035質量%以下の範囲で含有させることとした。銀の含有率は、0.010質量%以上0.030質量%以下の範囲が好ましく、0.015質量%以上0.025質量%以下の範囲であることがより好ましい。
<Bi(ビスマス)>
ビスマスは、鉛合金製の正極集電板の耐クリープ特性を向上させる作用を有する。ビスマスの含有量が少なすぎるとこの作用が発揮されない。一方、ビスマスの含有量が多すぎると、正極集電板の酸素発生電位が低下して自己放電量が大きくなるため、長期放置後に使用すると、自己放電により充電率が低下して容量を取り出せなくなることに加えて、コスト高となる。
よって、耐クリープ特性、酸素発生電位、およびコストの観点から、ビスマスを0.0000質量%超0.0200質量%以下の範囲で含有させることとした。ビスマスの含有率は、0.0001質量%以上0.0100質量%以下の範囲であることが好ましく、0.0005質量%以上0.0050質量%以下の範囲であることがより好ましい。
〔正極合剤について〕
正極合剤の比表面積は6m2/g以上11m2/g以下であり、正極合剤の多孔度は47%以上57%以下である。
正極合剤は、正極合剤を含むペーストを、正極集電板11の格子状部110の開口部117に充填させるとともに両面に塗布して乾燥させた後に、化成を行うことで形成できる。
正極合剤の比表面積および多孔度は、例えば、一酸化鉛を主成分とする鉛粉と水および希硫酸を混錬して正極合剤のペーストを作製する際、このペーストに鉛丹(四酸化三鉛)を添加し、水と希硫酸と鉛丹の配合量を変えることで調整することができる。なお、正極合剤の比表面積はBET法で測定することができ、正極合剤の多孔度は水銀圧入法で測定することができる。
[作用、効果]
この実施形態の液式鉛蓄電池は、正極集電板11として、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成されたもの(鉛合金A)を使用することで、高価な錫(Sn)の含有量が少ないため、特許文献1の鉛合金を使用した場合よりも正極集電板11の製造コストが低減できる。
錫(Sn)の含有率が少ない鉛合金からなる正極集電板は、正極集電板の耐食性が低く、正極集電板に腐食やグロースが生じ易くなる。正極集電板に腐食やグロースが生じると正極板に湾曲が生じ易くなり、正極集電板の伸びや変形が顕著になる恐れがある。そこで、鉛合金中のAgおよびBiの含有率を高くすると、正極集電板の機械的強度が向上し、腐食およびグロースが抑制できる。
しかし、AgやBiは水の電気分解の酸素過電圧が低いため、これらの含有率が多い鉛合金からなる正極集電板を有する鉛蓄電池は、自己放電量が大きくなる。そして、自己放電量が大きい鉛蓄電池を長期放置後に使用すると、自己放電により充電率が低下して、容量を取り出せない問題が生じる。また、電池内部の温度上昇が著しい状態で鉛蓄電池を使用すると、自己放電が進行し易い傾向にある。
本発明者等は、鉛合金Aで形成されている正極集電板を使用した鉛蓄電池の自己放電特性の改善に取り組む中で、正極合剤の比表面積と多孔度が、自己放電特性に密接に関係していることを見出した。具体的には以下の通りである。
正極合剤の比表面積が大き過ぎると、正極合剤と電解液との反応領域が大きくなり過ぎて、自己放電し易くなる。また、正極合剤の多孔度が大き過ぎる、つまり、正極合剤における細孔が占める割合が大き過ぎる場合も、正極合剤と電解液との反応領域が大きくなり過ぎて、自己放電し易くなる。
加えて、比表面積が大き過ぎる正極合剤を備えた鉛蓄電池は、過充電時の充電電気量が増加し、正極集電板の腐食が促進されるため、電池寿命の点で問題がある。また、正極合剤の多孔度が大き過ぎると正極合剤粒子間の結合が弱くなるため、多孔度が大き過ぎる正極合剤を備えた鉛蓄電池も、電池寿命の点で問題がある。
一方、正極合剤の比表面積が小さ過ぎると、正極合剤と電解液との反応領域が縮小し、鉛蓄電池の利用率が低下して、所定の電池容量が得られなくなる。また、正極合剤の多孔度が小さ過ぎると、正極合剤と電解液との反応領域が縮小するとともに、放電時に生成される硫酸鉛による細孔の閉塞が発生し易く、鉛蓄電池の利用率が低下して、所定の電池容量が得られなくなる。
以上の観点から検討を重ねた結果、正極合剤の比表面積を6m2/g以上11m2/g以下とするとともに、多孔度を47%以上57%以下とすることにより、正極合剤と電解液との反応領域が適度な大きさとなって自己放電しにくくできることで、容量を維持できるとともに、電池寿命の点でも問題のないものとできることが分かった。
以上のことから、この実施形態の液式鉛蓄電池は、特許文献1よりも製造コストが低い正極集電板を備えていながら、高温耐久性に優れるとともに、電池容量の維持特性にも優れたものとなる。つまり、この実施形態の液式鉛蓄電池によれば、本発明の課題が解決できる。
なお、制御弁式鉛蓄電池においても、液式鉛蓄電池と同様の作用効果が得られる。
[試験電池の作製]
第二実施形態の液式鉛蓄電池と同じ構造の液式鉛蓄電池として、サンプルNo.1~No.15の液式鉛蓄電池を二体ずつ作製した。
サンプルNo.1~No.15の液式鉛蓄電池は、B24サイズ、公称電圧12Vの液式鉛蓄電池であり、正極板の構成を変えた以外は全て同じ構成とした。
〔化成前の正極板の作製〕
<正極集電板の作製>
耳部120が伸びている方向の寸法(高さ)が107.5mm、これに垂直な方向の寸法(幅)が102mm、厚さが1.30mmである格子状部110と、幅が10mmである耳部120とで構成され、縦内骨115を5本、横内骨116を19本有する正極集電板11を、下記の各鉛合金を用いて重力鋳造方式で作製した。この正極集電板11の開口部117の合計体積、すなわち正極合剤が充填できる空間の体積は11.80cm3である。
サンプルNo.1では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.90質量%、銀(Ag)の含有率が0.035質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.2とNo.5~No.10では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.60質量%、銀(Ag)の含有率が0.035質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.3では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.50質量%、銀(Ag)の含有率が0.035質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.4では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.40質量%、銀(Ag)の含有率が0.035質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.11では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.60質量%、銀(Ag)の含有率が0.040質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.12では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.60質量%、銀(Ag)の含有率が0.003質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.13では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.60質量%、銀(Ag)の含有率が0.001質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0005質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.14では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.60質量%、銀(Ag)の含有率が0.035質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0200質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
サンプルNo.15では、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.60質量%、銀(Ag)の含有率が0.035質量%、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金を用いた。
<正極合剤層(化成前)の形成>
正極合剤ペーストA~Gを以下の方法で作製した。
正極合剤ペーストA:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を11.0質量部、比重1.37の希硫酸を11.4質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストAを得た。
正極合剤ペーストB:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を11.0質量部、比重1.37の希硫酸を12.6質量部、鉛丹(Pb34)を20質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストBを得た。
正極合剤ペーストC:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を11.5質量部、比重1.37の希硫酸を12.6質量部、鉛丹(Pb34)を15質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストCを得た。
正極合剤ペーストD:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を11.0質量部、比重1.37の希硫酸を12.6質量部、鉛丹(Pb34)を15質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストDを得た。
正極合剤ペーストE:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を9.0質量部、比重1.37の希硫酸を5.9質量部、鉛丹(Pb34)を5質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストEを得た。
正極合剤ペーストF:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を9.0質量部、比重1.37の希硫酸を5.9質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストFを得た。
正極合剤ペーストG:鉛粉100質量部に対して、イオン交換水を8.0質量部、比重1.37の希硫酸を5.9質量部の割合で添加して練り合わせた後、さらに必要な添加剤を混合して練り合わせることにより、正極合剤ペーストGを得た。
次に、サンプルNo.1~No.4、No.11~15では、正極合剤ペーストAを、各組成の鉛合金からなる正極集電板11の格子状部110の両面に塗布するとともに開口部117に充填することで、両面に同じ厚さの正極合剤ペースト層を形成した。その後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.1~No.4、No.11~15用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
サンプルNo.5では、正極合剤ペーストBを用い、上記と同様の方法で正極合剤ペースト層を形成した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.5用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
サンプルNo.6では、正極合剤ペーストCを用い、上記と同様の方法で正極合剤ペースト層を形成した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.6用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
サンプルNo.7では、正極合剤ペーストDを用い、上記と同様の方法で正極合剤ペースト層を形成した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.7用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
サンプルNo.8では、正極合剤ペーストEを用い、上記と同様の方法で正極合剤ペースト層を形成した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.8用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
サンプルNo.9では、正極合剤ペーストFを用い、上記と同様の方法で正極合剤ペースト層を形成した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.9用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
サンプルNo.10では、正極合剤ペーストGを用い、上記と同様の方法で正極合剤ペースト層を形成した後、通常の方法で、予熱乾燥、熟成乾燥を行った。このようにして、サンプルNo.10用の化成前の正極板(正極充填板)を、各36(=6×6)枚得た。
〔化成前の負極板の作製〕
鉛合金からなる負極集電板を、一般的な材料を用い連続鋳造方式により作製した。また、負極集電板の格子状部に、通常の方法で作製した負極合剤(負極活物質を含む合剤)のペーストを通常の方法で塗布、充填し、熟成乾燥させて、化成前の負極板(負極充填板)を作製した。同じ負極充填板を、630(=7×6×15)枚用意した。
〔化成前の極板群の作製〕
セパレータとして、多孔性ポリエチレン製の袋状セパレータで、所定間隔で縦リブが形成されているものを用意した。この袋状セパレータに負極充填板を一枚ずつ収納した。負極充填板入り袋状セパレータ7個と各サンプル用の正極充填板6枚を交互に積層することで、各サンプル用の積層体を6個ずつ作製した。
次に、COS(キャストオンストラップ)方式の鋳造装置を用いて、得られた各サンプル用の六個の積層体の正極充填板および負極充填板に、それぞれストラップ、中間極柱、端子極柱を形成することで、各サンプル用の六個の極板群を得た。
〔電池の組み立て〕
次に、得られた各サンプル用の六個の極板群を、ポリプロピレン製のモノブロックタイプの電槽の六個のセル室にそれぞれ入れた。
次に、通常の方法で、隣接するセル室間の中間極柱の抵抗溶接、電槽と蓋の熱溶着を行った。次に、比重が1.250(20℃換算値)である希硫酸からなる電解液を蓋の各注液孔から各セル室内へ注入した。次に、注液孔を塞いで未化成のNo.1~No.15の各液式鉛蓄電池を組み立てた。
その後、通常の方法で電槽化成を行うことで、正極充填板および負極充填板を正極板および負極板にして、No.1~No.15の各液式鉛蓄電池を完成させた。
[正極合剤(化成後)の比表面積および多孔度の測定]
得られたNo.1~No.15の各二体の液式鉛蓄電池のうちの一体を解体して、先ず、正極端子極柱を有する極板群が収納されたセル室(一番目のセル室)の二つ隣のセル室(三番目のセル室)から極板群を取り出して分解し、中央に配置された正極板を取り出して水洗して、乾燥させた。次に、乾燥させた正極板の正極合剤層から正極合剤を掻き落として粉砕することにより、サンプル毎に粉末状の試料を得た。
得られた試料を用いて、正極合剤の比表面積(BET比表面積[m2/g])を、「JIS Z 8830:2013 ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に規定された測定方法に従って測定した。また、正極合剤の多孔度[%]を、「JIS R 1655:2003 ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法」と同様の方法で測定した。
その結果、正極合剤ペーストAを用いたサンプルNo.1~No.4、No.11~15では、正極合剤の比表面積は8m2/gであり、多孔度は50%であった。正極合剤ペーストBを用いたサンプルNo. 5では、正極合剤の比表面積は11m2/gであり、多孔度は60%であった。正極合剤ペーストCを用いたサンプルNo.6では、正極合剤の比表面積は12m2/gであり、多孔度は57%であった。
正極合剤ペーストDを用いたサンプルNo.7では、正極合剤の比表面積は11m2/gであり、多孔度は57%であった。正極合剤ペーストEを用いたサンプルNo.8では、正極合剤の比表面積は6m2/gであり、多孔度は47%であった。正極合剤ペーストFを用いたサンプルNo.9では、正極合剤の比表面積は6m2/gであり、多孔度は45%であった。正極合剤ペーストGを用いたサンプルNo.10では、正極合剤の比表面積は5m2/gであり、多孔度は47%であった。
[性能試験]
得られたNo.1~No.15の液式鉛蓄電池の残り各一体を用いて、以下の試験を実施した。
<自己放電特性評価試験>
先ず、No.1~No.15の液式鉛蓄電池について、25℃の水槽内で20時間率放電特性試験を実施し、「20時間率初期容量」を測定した。
次に、「20時間率初期容量」の測定値が48Ah以上(所望する初期容量)であったNo.1~No.8,No.11~No.15の液式鉛蓄電池について、以下の方法で、容量維持率を調べる試験を行った。
20時間率放電特性試験後の各液式鉛蓄電池を満充電し、40℃の恒温槽に28日間静置した。その後、電池内の電解液温度が25℃になったことを確認した後に、再度、25℃の水槽内で20時間率放電特性試験を実施して、「28日間静置後の20時間率容量」を測定した。
上記試験により得られた「20時間率初期容量」に対する「28日間静置後の20時間率容量」の比の百分率(%)を、20時間率容量維持率として算出した。
<高温耐久性評価試験>
No.1~No.8,No.11~No.15の液式鉛蓄電池について、高温耐久性を評価する試験として、「JIS D5301:2019 始動用鉛蓄電池」で規定されている軽負荷寿命試験を75℃の条件で実施した。
具体的には、各液式鉛蓄電池を75℃の水槽中に静置して、放電(放電電流25.0±0.1Aで240±1秒)と充電(14.80V±0.03Vで600±1秒)を繰り返し、以下の方法で寿命判定を行った。
先ず、上記放電および充電を480回繰り返す毎に、各液式鉛蓄電池に対して定格コールドクランキング電流で30秒間連続放電を行い、30秒目電圧を測定する。次に、30秒目電圧の測定値が7.2V以下となった時点で、上記放電および充電の繰り返しを終了する。そして、繰り返し数(サイクル数)と30秒目電圧測定値との関係を示すグラフから「30秒目電圧が7.2Vになるサイクル数」を求めて、そのサイクル数を寿命とする。
なお、上記放電および充電の繰り返しは、セル室内の液体の水位が電槽に表示されている水位下限線より下がった時点で、精製水を補給しながら行った。
これらの試験結果を、正極板の構成とともに下記の表1に示す。
Figure 2024025093000002
表1の結果から、以下のことが分かる。
サンプルNo.1~No.3、No.5~No.10、No.12、No.14の液式鉛蓄電池は、正極集電板として、カルシウム(Ca)の含有率が0.040質量%、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.025質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0005質量%以上0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金(上記鉛合金Aに含まれる)で形成されたものを使用していることで、高価な錫(Sn)の含有量が少ないため、特許文献1の鉛合金を使用した場合よりも正極集電板の製造コストが低いものとなっている。
これらのうち、サンプルNo.1~No.3、No.7、No.8、No.12、No.14の液式鉛蓄電池は、「正極合剤の比表面積が6m2/g以上11m2/g以下」および「正極合剤の多孔度が47%以上57%以下」の両方を満たすことで、「上記高温耐久性評価試験での寿命が4300サイクル以上」、「20時間率初期容量が48Ah以上(所望の初期容量)」、「20時間率容量維持率が99.0%以上」の全てが得られるものとなっていた。
つまり、サンプルNo.1~No.3、No.7、No.8、No.12、No.14の液式鉛蓄電池は、特許文献1よりも製造コストが低い正極集電板を備えていながら、高温耐久性に優れ、電池容量の維持特性にも優れたものとなることが分かる。
なお、「20時間率容量維持率が99.0%以上」を満たさないと、長期間電池放置後のエンジン始動性が所定の規格をクリアできない。また、「上記高温耐久性評価試験での寿命が4300サイクル以上」を満たさないと、高温耐久性が所定の規格をクリアできない。よって、「20時間率初期容量が48Ah以上(所望の初期容量)」であるもののうち、両方の条件を満たすものを合格(○)、それ以外を不合格(×)と判定した。
同じ組成(鉛合金Aに含まれる組成)の合金からなる正極集電板を用いたサンプルNo.2、No.5~No.10の液式鉛蓄電池における比較では、正極合剤の比表面積が11m2/gを超えるNo.6の液式鉛蓄電池と、正極合剤の多孔度が57%を超えるNo.5の液式鉛蓄電池の20時間率容量維持率は、いずれも99.0%未満となり、上記高温耐久性評価試験での寿命が4300サイクル未満となっていた。また、正極合剤の比表面積が6m2/g未満であるNo.10の液式鉛蓄電池と、正極合剤の多孔度が47%未満であるNo.10の液式鉛蓄電池の20時間率初期容量は、いずれも48Ah未満となっており、所望の初期容量が得られなかった。
正極合剤の比表面積が8m2/gで正極合剤の多孔度が50%であるサンプルNo.1~4、No.11~No.15の液式鉛蓄電池における比較では、正極集電板を構成する鉛合金の錫の含有率が鉛合金Aよりも少ないNo.4、銀の含有率が鉛合金Aよりも少ないNo.13、および鉛合金Aでは必須成分であるビスマスを含有していないNo.15の液式鉛蓄電池は、前記高温耐久性評価試験での寿命が4300サイクル未満となっていた。また、銀の含有率が鉛合金Aよりも多いNo.11の液式鉛蓄電池は、20時間率容量維持率が99.0%未満となっていた。
10 正極板
11 正極集電板
101 正極合剤が保持された状態の格子状部
110 格子状部
111 上枠骨
112 下枠骨
113 縦枠骨
114 縦枠骨
115 縦内骨
116 横内骨
117 開口部
120 正極板の耳部
15 正極合剤
20 負極板
201 負極合剤が保持された状態の格子状部
220 負極板の耳部
30 セパレータ
4 セル室
41 電槽
43 蓋
5 極板群
6 積層体
13 正極ストラップ
14 正極端子
23 負極ストラップ
24 負極端子

Claims (1)

  1. 電解液と積層体を備え、
    前記積層体は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、からなり、
    前記正極板は、格子状部を含む正極集電板と、前記格子状部に保持された正極合剤と、を有し、
    前記正極集電板は、カルシウム(Ca)の含有率が0.035質量%以上0.080質量%以下、錫(Sn)の含有率が0.50質量%以上0.90質量%以下、銀(Ag)の含有率が0.003質量%以上0.035質量%以下、ビスマス(Bi)の含有率が0.0000質量%超0.0200質量%以下で、残部が鉛および不可避的不純物からなる鉛合金で形成され、
    前記正極合剤の比表面積は6m2/g以上11m2/g以下であり、
    前記正極合剤の多孔度は47%以上57%以下である鉛蓄電池。
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