JP2024019905A - モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents

モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】位相調整に伴う回転速度の変動を低減すること。【解決手段】モータ駆動制御装置1は、少なくとも1相のコイルを有するモータ5の駆動を制御するためのPWM信号である駆動制御信号Sdを生成する制御回路2と、駆動制御信号Sdに応じて、モータ5に駆動信号を出力するモータ駆動部3と、を備え、制御回路2は、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧と所定の相のコイル電流との位相差に基づいてコイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量S2を決定する位相調整制御部20と、位相調整制御部20において決定した位相調整量S2に応じてPWM信号のPWMデューティを調整するためのPWMデューティ調整量Saを決定するPWMデューティ調整部30と、外部からの駆動指令信号Scと、位相調整量S2と、PWMデューティ調整量Saとに基づいて、駆動制御信号Sdを生成する駆動制御信号生成部40を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法に関する。
一般に、モータを駆動する場合、モータの各相について、コイルの誘起電圧の位相とコイル電流(相電流)の位相とを合わせることで、モータを効率良く駆動させることができることが知られている。
しかしながら、モータの回転速度の変化、モータの負荷変動、あるいは周囲温度の変動によるモータ特性の変化等により、誘起電圧の位相とコイル電流(相電流)の位相との間にずれが生じ、モータの駆動効率が悪化する場合がある。
このような問題を解決するための技術として、例えば、モータのコイル電流の位相に対してコイルの駆動電圧の位相を調整する方法が特許文献1に開示されている。具体的には、特許文献1に開示されたモータ駆動制御装置は、当該コイルの駆動電圧を停止することにより、モータの所定の相のコイルに生ずる誘起電圧がゼロとなる点(電圧ゼロクロス点)の前後に、誘起電圧を検出するための検出区間を設け、その検出区間においてコイルの端子電圧と閾値電圧との大小比較を行うことにより、コイルの誘起電圧の位相を検出し、駆動電圧の位相を調整するようにしている。
特開2015-23734号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたモータの駆動装置のように、モータの相電流を進角制御または遅角制御などにより位相調整を行う際には、モータの回転速度が変動する。進角制御の場合はモータの回転速度が加速し、遅角制御の場合はモータの回転速度が減速する。このように進角制御や遅角制御などにより位相調整を行うモータの駆動装置では、モータの回転速度が変動することに起因して、異音の発生があることが判明した。
そこで、本願発明者らは、位相調整時の異音の発生を抑制するためには、位相調整に伴う回転速度の変動を低減するための新たなモータ駆動制御技術が必要であると考えた。
本発明は、上述した課題を解消するためのものであり、位相調整に伴う回転速度の変動を低減可能なモータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、少なくとも1相のコイルを有するモータの駆動を制御するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、前記駆動制御信号に応じて、前記モータに駆動信号を出力するモータ駆動部と、を備え、前記制御回路は、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧と前記所定の相のコイル電流との位相差に基づいて前記コイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量を決定する位相調整制御部と、前記位相調整制御部において決定した前記位相調整量に応じて前記PWM信号のPWMデューティを調整するためのPWMデューティ調整量を決定するPWMデューティ調整部と、外部からの駆動指令と、前記位相調整量と、前記PWMデューティ調整量とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、を有する。
本発明の一態様によれば、位相調整に伴う回転速度の変動を低減可能なモータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御装置の制御方法を提供することができる。
本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1を備えたモータユニット100の構成の概要を示すブロック図である。 PWMデューティ調整部30におけるPWMデューティ調整量Saの算出手法の一例を説明するための図である。 本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1を備えたモータユニット100の具体的な構成例を示す図である。 本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1におけるPWMデューティ調整の流れの一例を示すフローチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(1)は、少なくとも1相のコイルを有するモータ(5)の駆動を制御するためのPWM信号である駆動制御信号(Sd)を生成する制御回路(2)と、前記駆動制御信号に応じて、前記モータに駆動信号を出力するモータ駆動部(3)と、を備え、前記制御回路は、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧と前記所定の相のコイル電流との位相差に基づいて前記コイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量(S2)を決定する位相調整制御部(20)と、前記位相調整制御部において決定した前記位相調整量に応じて前記PWM信号のPWMデューティを調整するためのPWMデューティ調整量(Sa)を決定するPWMデューティ調整部(30)と、外部からの駆動指令(Sc)と、前記位相調整量と、前記PWMデューティ調整量とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部(40)と、を有する。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記PWMデューティ調整部は、前記位相調整制御部において進角制御することを決定した場合は、前記PWM信号の前記PWMデューティを減少させ、前記位相調整制御部において遅角制御することを決定した場合は、前記PWM信号の前記PWMデューティを増加させるように前記PWMデューティ調整量を決定することとしてもよい。
〔3〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記PWMデューティ調整部は、位相調整の単位角度あたりのPWMデューティの単位調整量に基づいて、前記位相調整量に対応する前記PWMデューティ調整量を決定することとしてもよい。
〔4〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御信号生成部は、前記駆動制御信号を生成するための波形テーブルを有することとしてもよい。
〔5〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータユニット(100)は、上記〔1〕乃至〔4〕のいずれか1つに記載のモータ駆動制御装置(1)と、前記モータ(5)と、を備えることを特徴とする。
〔6〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御方法は、少なくとも1相のコイルを有するモータの駆動を制御するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、前記駆動制御信号に応じて、前記モータに駆動信号を出力するモータ駆動部と、を備えるモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御方法であって、前記制御回路が、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧と前記所定の相のコイル電流との位相差に基づいて前記コイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量を決定する第1のステップと、前記第1のステップにおいて決定した前記位相調整量に応じて前記PWM信号のPWMデューティを調整するためのPWMデューティ調整量を決定する第2のステップと、外部からの駆動指令と、前記位相調整量と、前記PWMデューティ調整量とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する第3のステップと、を含む、を含む。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪本実施の形態≫
本実施の形態に係るモータユニット100の構成の概要について説明する。
図1は、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1を備えたモータユニット100の構成の概要を示すブロック図である。
図1に示されるモータユニット100は、モータ5と、位置検出器6と、モータ駆動制御装置1とを備えている。
本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1は、モータ5に駆動信号を出力するモータ駆動部3と、モータ駆動部3に駆動制御信号Sdを出力する制御回路2とを備えて構成されている。駆動制御信号Sdはモータ5の駆動を制御するためのPWM信号である。
制御回路2は、駆動指令解析部10と、位相調整制御部20と、PWMデューティ調整部30と、駆動制御信号生成部40と、を有している。
駆動指令解析部10は、外部から入力する駆動指令信号(駆動指令の一例)Scによって指定された目標回転速度を解析する。例えば、駆動指令信号Scが目標回転速度に対応するデューティ比を有するPWM信号である場合、駆動指令解析部10は、駆動指令信号Scのデューティ比を解析し、そのデューティ比に対応する回転速度の情報を目標回転速度S1として駆動制御信号生成部40に出力する。
位相調整制御部20は、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧と所定の相のコイル電流との位相差に基づいてコイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量S2を決定する。本実施の形態のモータ駆動制御装置1は、詳細は後述するが、モータ5の駆動効率を向上させるために、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧と、所定の相のコイル電流との位相とが一致するようにモータ5の通電タイミングを調整する機能(以下、「位相調整機能」とも称する。)を有する。位相調整制御部20は、位相調整機能により、コイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量S2を決定する。
PWMデューティ調整部30は、位相調整制御部20において決定した位相調整量S2に応じて駆動制御信号(PWM信号)Sdのオン期間(本明細書では、「PWMデューティ」ともいう。)を調整するためのPWMデューティ調整量Saを決定する。コイル電流の進角制御をした場合は、コイル電流の位相が進むため、モータ5の回転速度は増加する。一方で、コイル電流の遅角制御をした場合は、コイル電流の位相が遅れるため、モータ5の回転速度は低下する。したがって、PWMデューティ調整部30は、位相調整量S2によってコイル電流の進角制御をする場合は、モータ5の回転速度の増加量を抑制し、位相調整量S2によってコイル電流の遅角制御をする場合は、モータ5の回転速度の低下量を抑制するように、PWMデューティ調整量Saを決定する。
また、駆動制御信号生成部40において生成する駆動制御信号SdとしてのPWM信号は、PWMデューティが減少するとモータ5の回転速度が減少し、PWMデューティが増加するとモータ5の回転速度が増加する。したがって、PWMデューティ調整部30は、具体的には、位相調整制御部20において、進角制御することを決定した場合はPWM信号のPWMデューティを減少させ、遅角制御することを決定した場合はPWM信号のPWMデューティを増加させるようにPWMデューティ調整量Saを決定する。
図2は、PWMデューティ調整部30におけるPWMデューティ調整量Saの算出手法の一例を説明するための図である。
PWMデューティ調整部30は、図2に示すように、位相調整方法が「進角制御」であるときは、位相調整量S2が「+α」(度)に対して、PWMデューティ調整量Saを「(-α)×0.25」(%)と決定する。同様に、PWMデューティ調整部30は、図2に示すように、位相調整方法が「遅角制御」であるときは、位相調整量S2が「-α」(度)に対して、PWMデューティ調整量Saを「(+α)×0.25」(%)と決定する。なお、「0.25」は、位相調整の単位角度(電気角1度)あたりのPWMデューティの単位調整量の一例である。
図2に示す例では、位相調整の単位角度あたりのPWMデューティの単位調整量を0.25%としているが、位相調整の単位角度あたりのPWMデューティの単位調整量は、駆動制御信号生成部40において生成する駆動制御信号Sdによる駆動パターンに応じて異なる値を用いることができる。図2に示した位相調整の単位角度あたりのPWMデューティの単位調整量0.25%は、一例であって、モータ5の仕様に応じて、適切な値に設定することができる。
PWMデューティ調整部30は、位相調整制御部20において決定した位相調整量S2を受け取ると、位相調整量S2が進角制御によるものなのか遅角制御によるものなのかを判定して、上記に示した算出手法を用いて、位相調整量S2に対応するPWMデューティ調整量Sa(%)を算出し、決定する。PWMデューティ調整部30は、決定したPWMデューティ調整量Saを駆動制御信号生成部40に出力する。
駆動制御信号生成部40は、目標回転速度S1と、位相調整量S2と、デューティ調整量Saとに基づいて駆動制御信号Sdを生成する。駆動制御信号生成部40は、モータ5の回転速度が目標回転速度S1になるようにPWM信号のPWM周期およびPWMデューティを指定するとともに、位相調整量S2に応じてPWM信号の出力タイミングを調整し、デューティ調整量Saに応じてPWM信号のPWMデューティを調整し、調整した出力タイミングで調整したPWMデューティのPWM信号を駆動制御信号Sdとしてモータ駆動部3に出力する。
本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1では、モータ5の所定の位置には、モータ5の回転子(ロータ)の回転に応じた位置検出信号Shuを生成する位置検出器6が設けられている。駆動制御信号生成部40には、この位置検出器6から位置検出信号Shuが入力される。駆動制御信号生成部40は、位置検出器6から入力される位置検出信号Shuによってフィードバック制御機能を実現することができる。
モータ駆動制御装置1がフィードバック制御機能を有している場合には、例えば、駆動制御信号生成部40は、位置検出信号Shuに基づいてモータ5の実回転速度を算出し、算出した実回転速度が目標回転速度S1に一致するようにフィードバック制御(例えば、PID(Proportional-Integral-Differential)制御)を行って、モータ5の駆動制御信号Sdを生成するようにしてもよい。
上述した本実施の形態に係るモータユニット100の具体的な構成例についてさらに説明する。
図3は、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1を備えたモータユニット100の具体的な構成例を示す図である。
図3に示されるモータユニット100は、モータ5と、位置検出器6と、モータ駆動制御装置1とを備えている。図3では、図1に示したモータ駆動制御装置1およびモータ5について、より具体的な構成例を示している。
モータ5は、少なくとも1つのコイルを有するモータである。図3では、モータ5は、具体例として、3相(U相、V相、およびW相)のコイル(巻線)Lu,Lv,Lwを有するブラシレスDCモータである。
位置検出器6は、モータ5の回転子(ロータ)の回転に応じた位置検出信号Shuを生成する機能部品である。位置検出器6は、例えば、ホール(HALL)素子である。ホール素子は、ロータの磁極を検出し、ロータの回転に応じて電圧が変化するホール信号を生成し、位置検出信号Shuとしてモータ駆動制御装置1に出力する。
モータユニット100において、位置検出器6としての一つのホール素子が、モータ5のU相、V相、およびW相のコイルLu,Lv,Lwの何れか一つに対応する位置に配置されている。このため、位置検出器6から出力されるホール信号は、モータ5のU相、V相、およびW相のコイルLu,Lv,Lwの何れか一つの誘起電圧に同期する信号となる。
図3に示すモータ駆動制御装置1では、位置検出器6としての一つのホール素子は、具体例として、U相のコイルLuに対応する位置に配置されている。これにより、位置検出信号(ホール信号)Shuは、モータ5のU相のコイルLuの誘起電圧に同期し、且つモータ5のロータの回転位置に対応する信号となる。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態では、具体例として、位置検出器6は、出力する位置検出信号(ホール信号)Shuの立ち上がりエッジがU相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点から電気角30度遅れたタイミングで検出できる位置に配置されている。
本実施の形態では、モータ駆動制御装置1は、U相のコイルLuに対応する位置に設けられた1つの位置検出器6(ホール素子)からの位置検出信号Shuに基づく1センサ駆動方式により、モータ5の正弦波駆動を行う。
具体的には、モータ駆動制御装置1は、制御回路2と、モータ駆動部3と、相電圧検出回路4とを備えている。モータ駆動制御装置1は、外部の直流電源(不図示)から直流電圧の供給を受ける。直流電圧は、例えば、保護回路等を介してモータ駆動制御装置1内の電源ライン(不図示)に供給され、電源ラインを介して制御回路2およびモータ駆動部3に電源電圧Vdd1、Vdd2としてそれぞれ入力される。
モータ駆動部3は、後述する制御回路2から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、モータ5を駆動する回路である。駆動制御信号Sdは、モータ5の駆動を制御するための信号である。例えば、駆動制御信号Sdは、モータ5を正弦波駆動するためのPWM信号である。
モータ駆動部3は、駆動制御信号Sdに基づいて電源電圧Vdd2とグラウンド電位GNDとの間でモータ5のコイルの接続先を切り替えることにより、コイル電流の向きを切り替えてモータ5を回転させる。具体的には、モータ駆動部3は、モータ5の各相のコイルLu,Lu,Lwに対応して設けられ、互いに直列に接続されたハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHおよびローサイドスイッチQuL,QvL,QwLを含む。モータ駆動部3は、駆動制御信号SdとしてのPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlに応じて、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHとローサイドスイッチQuL,QvL,QwLをオン・オフさせて、各コイルLu,Lv,Lwの通電方向を切り替える。
例えば、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHは、Pチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ローサイドスイッチQuL,QvL,QwLは、Nチャネル型のMOSFETである。
なお、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwH、およびローサイドスイッチQuL,QvL,QwLは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他の種類のパワートランジスタであってもよい。
なお、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHおよびローサイドスイッチQuL,QvL,QwLとしての各トランジスタには寄生ダイオードが形成されており、これらのダイオードは、コイル電流を電源電圧Vdd2またはグラウンド電位GNDに戻す還流ダイオードとして機能する。
なお、モータ駆動部3は、駆動制御信号Sdに基づいて各相のハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを駆動するためのプリドライブ回路を有していてもよい。また、図3に示すように、モータ駆動部3のグラウンド電位GND側には、モータ5の電流を検出するためのセンス抵抗が接続されていてもよい。
相電圧検出回路4は、モータ5の所定の相のコイルの駆動電圧を検出するための回路である。本実施の形態において、相電圧検出回路4は、例えば、U相のコイルLuの駆動電圧Vuを検出して、制御回路2に入力する。相電圧検出回路4は、例えば、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLが接続されるコイルLuの一端とグラウンド電位GNDとの間に接続された抵抗分圧回路である。
なお、図3には、相電圧検出回路4としての抵抗分圧回路によってU相のコイルLuの駆動電圧Vuを分圧して制御回路2に入力する構成を一例として示しているが、相電圧検出回路4を設けることなく、制御回路2にU相のコイルLuの駆動電圧Vuを直接入力してもよい。
制御回路2は、モータ駆動制御装置1の動作を統括的に制御するための回路である。本実施の形態において、制御回路2は、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマー)、A/D変換回路、D/A変換回路、クロック発生回路、および入出力インターフェース回路等の周辺回路とがバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置である。例えば、制御回路2は、マイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)である。
なお、制御回路2とモータ駆動部3とは、一つの半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)としてパッケージ化された構成であってもよいし、個別の集積回路として夫々パッケージ化されて回路基板に実装され、回路基板上で互いに電気的に接続された構成であってもよい。
制御回路2は、駆動制御信号Sdを生成してモータ駆動部3に与えることにより、モータ5の通電制御を行う基本機能を有している。具体的には、制御回路2は、外部(例えば、上位装置)から入力された、モータ5の駆動に関する目標値を指示する駆動指令信号(駆動指令の一例)Scに基づいて、モータ5が駆動指令信号Scで指定された駆動状態となるように駆動制御信号Sdを生成してモータ駆動部3に与える。
また、制御回路2は、上記基本機能に加えて、モータ5の駆動効率を向上させるために、位相調整機能を有する。
図3に示すように、制御回路2は、上述した各機能を実現するための機能部として、例えば、駆動指令解析部10、位相調整制御部20、PWMデューティ調整部30、および駆動制御信号生成部40を有している。
制御回路2の上述した各機能部は、例えば、制御回路2としてのMCUのプログラム処理によって実現される。具体的には、制御回路2としてのMCUを構成するプロセッサが、メモリに格納されたプログラムにしたがって各種の演算を行ってMCUを構成する各種周辺回路を制御することにより、上述した各機能部が実現される。
駆動指令解析部10は、例えば、上位装置(不図示)から出力された駆動指令信号Scを受信する。駆動指令信号Scは、例えば、モータ5の目標回転速度を指示する速度指令信号である。
駆動指令解析部10は、駆動指令信号Scによって指定された目標回転速度を解析する。例えば、駆動指令信号Scが目標回転速度に対応するデューティ比を有するPWM信号である場合、駆動指令解析部10は、駆動指令信号Scのデューティ比を解析し、そのデューティ比に対応する回転速度の情報を目標回転速度S1として駆動制御信号生成部40に出力する。
位相調整制御部20は、位相調整量S2を生成して、PWMデューティ調整部30と駆動制御信号生成部40とに出力する。ここで、位相調整制御部20における位相調整量S2の生成について説明する。
位相調整制御部20は、モータ5の位相調整機能を実現する機能部であり、目標点決定部12と、相電圧入力部13と、電流ゼロクロス点推定部14と、位相調整判定部15を有している。位相調整機能は、モータ5の駆動効率を向上させるための機能である。一般に、モータの誘起電圧の位相とコイル電流の位相とが一致している場合に、モータの駆動効率が高くなることが知られている。例えば、U相のコイル電流Iuと誘起電圧の間に位相のずれが生じた場合、モータ5の駆動効率が低下する。そこで、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1は、U相のコイル電流Iuと誘起電圧の間のずれ(位相差)を検出し、その位相差が小さくなるように、モータ5の通電タイミングを調整する位相調整機能を実行する。
具体的には、先ず、モータ駆動制御装置1では、U相のコイルLuに対応して設けられた位置検出器6(ホール素子)から出力される位置検出信号(ホール信号)ShuがU相のコイルLuの誘起電圧と同期することを利用して、誘起電圧のゼロクロス点を検出し、U相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点とする。
本実施の形態では、例えば、位置検出器6の位置検出信号Shuの立ち上がりエッジがU相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点から電気角30度遅れたタイミングで検出できる位置に位置検出器6を予め配置しておく。これにより、モータ駆動制御装置1は、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出することにより、コイルLuの誘起電圧のゼロクロス点を検出(推定)することができる。
なお、位置検出器6の設置場所は、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジが検出されるタイミングとU相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点との位相差が分かっている位置であればよく、上述の例に限定されない。
位相調整制御部20において、目標点決定部12は、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出し、検出した少なくとも一方のエッジから誘起電圧のゼロクロス点を推定する。目標点決定部12は、推定した誘起電圧のゼロクロス点をU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点として決定する。
目標点決定部12は、U相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点を決定すると、決定したU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点の情報を目標点決定信号Stとして位相調整判定部15に出力する。
位相調整制御部20において、電流ゼロクロス点推定部14は、所定の相(本実施の形態では、U相)のコイルの駆動電圧(相電圧)がハイレベルになるタイミングと、所定の相に対応するハイサイドスイッチをオン・オフするためのPWM信号がハイレベルになるタイミングとを比較し、その比較結果に基づいて、モータ5の所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する。
相電圧入力部13は、モータ5の所定の相の電圧の値を取得する。例えば、相電圧入力部13は、相電圧検出回路4によって検出されたU相のコイルLuの駆動電圧Vuを取得し、デジタル値に変換して電流ゼロクロス点推定部14に与える。
電流ゼロクロス点推定部14は、例えば、PWM信号である駆動制御信号Sdの1周期毎に、相電圧入力部13から与えられたU相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルになるタイミングと、U相に対応するハイサイドスイッチQuHをオン・オフさせるPWM信号Suuがハイレベルになるタイミングとの順番が入れ替わったことに基づいて、U相のコイル電流のゼロクロス点を推定(検出)する。
電流ゼロクロス点推定部14は、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点が存在することを検出すると、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点の位相の情報をゼロクロス点検出信号Sctとして位相調整判定部15に出力する。
そして、位相調整制御部20において、位相調整判定部15は、推定したU相のコイル電流Iuのゼロクロス点がU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点(誘起電圧のゼロクロス点)に一致するように、U相のコイル電流Iuの位相調整量S2を決定する。具体的には、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点が目標点に一致するように、U相のコイルLuの駆動電圧Vuを印加するタイミングを調整する(進角制御または遅角制御を行う)ために必要な位相調整量S2を決定する。
位相調整判定部15は、ゼロクロス点検出信号Sctに基づいて、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点の位相を特定し、目標点決定信号Stに基づいてU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点として決定された位相を特定する。位相調整判定部15は、目標点決定部12によって決定されたU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点と電流ゼロクロス点推定部14によって推定されたU相のコイル電流Iuのゼロクロス点との位相差に基づいて、U相のコイル電流Iuの位相調整の要否を判定する。
例えば、位相調整判定部15は、目標点決定部12によって決定されたU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点(U相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点)の位相から、電流ゼロクロス点推定部14によって推定されたU相のコイル電流Iuのゼロクロス点の位相を減算した位相差を算出する。
位相調整判定部15は、駆動制御信号Sdの出力タイミングを、位相差に応じた時間だけずらすように、駆動制御信号生成部40に指示する。位相調整判定部15は、所望の進角制御または遅角制御の実行を指示する位相調整量S2を生成して駆動制御信号生成部40に出力する。
具体的には、位相調整判定部15は、位相差が正(+)の値である場合、例えば、位相差が所定値以上である場合には、U相のコイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相より進んでいると判定し、U相のコイル電流Iuの位相を遅らせる遅角制御を駆動制御信号生成部40に指示する。例えば、位相調整判定部15は、U相のコイル電流Iuを位相差だけ遅角させる遅角制御の実行を指示する信号である位相調整量S2を生成する。
位相差が負(-)の値である場合、例えば、位相差が所定値以下である場合には、位相調整判定部15は、U相のコイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相より遅れていると判定し、U相のコイル電流Iuの位相を進める進角制御の実行を駆動制御信号生成部40に指示する。例えば、位相調整判定部15は、U相のコイル電流Iuを位相差だけ進角させる進角制御の実行を指示する信号である位相調整量S2を生成する。
また、位相調整判定部15は、例えば、位相差が所定の範囲内である場合には、U相のコイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相と略一致していると判定し、進角制御および遅角制御のいずれも実行しないことを指示する信号である位相調整量S2を生成する。
位相調整制御部20において、位相調整判定部15は、生成した位相調整量S2をPWMデューティ調整部30と駆動制御信号生成部40とに出力する。
PWMデューティ調整部30は、位相調整量S2を受け取ると、PWMデューティ調整量Saを生成して、駆動制御信号生成部40に出力する。ここで、PWMデューティ調整部30におけるPWMデューティ調整量Saの生成方法について説明する。
図4は、PWMデューティ調整の流れの一例を示すフローチャートである。
PWMデューティ調整部30は、位相調整制御部20から位相調整量S2を受け取ると、図4の処理を開始する。
PWMデューティ調整部30は、位相調整制御部20から受け取った位相調整量S2がゼロでないか否かを確認することにより、位相調整があるか否かを判定する(ステップS101)。PWMデューティ調整部30は、位相調整がないと判定した場合(ステップS101:NO)は、処理を終了する。図4では、位相調整がないと判定した場合は、PWMデューティ調整部30は、PWMデューティ調整量Saを生成しないが、PWMデューティの調整をしない旨のPWMデューティ調整量Saを生成してもよい。
PWMデューティ調整部30は、位相調整があると判定した場合(ステップS101:YES)は、位相調整量S2で指定されている位相調整が進角制御であるのか遅角制御であるのかを判定する(ステップS102)。
PWMデューティ調整部30は、位相調整量S2で指定されている位相調整が進角制御であると判定した場合(ステップS102:進角制御)は、駆動制御信号(PWM信号)SdのPWMデューティを減少させることを決定し(ステップS103)、位相調整が遅角制御であると判定した場合(ステップS102:遅角制御)は、駆動制御信号(PWM信号)SdのPWMデューティを増加させることを決定する(ステップS104)。例えば、ステップ103では、図2の上段に示す算出手法で駆動制御信号SdのPWMデューティを減少させることを決定し、ステップ104では、図2の上段に示す算出手法で駆動制御信号SdのPWMデューティを増加させることを決定する。
PWMデューティ調整部30は、ステップS103またはステップS104において算出手法を決定すると、位相調整の単位角度あたりのPWMデューティの単位調整量(図2では0.25%)を用いて、受け取った位相調整量S2に対応する値を算出して、PWMデューティ調整量Saを生成する(ステップS105)。PWMデューティ調整部30は、生成したPWMデューティ調整量Saを駆動制御信号生成部40に出力する(ステップS106)。
駆動制御信号生成部40は、モータ5の回転速度が目標回転速度S1に一致するようにモータ5の操作量S3を算出するとともに、位相調整量S2および位相調整量S2に応じて決定されたPWMデューティ調整量Saに基づいて操作量S3を生成し、生成した操作量S3に基づいて駆動制御信号Sdを生成する。
駆動制御信号生成部40は、例えば、PWM指令部17およびPWM信号生成部18を有する。PWM指令部17は、駆動指令解析部10から出力された目標回転速度S1と、位相調整制御部20から出力された位相調整量S2と、PWMデューティ調整部30から出力されたPWMデューティ調整量Saとに基づいて、モータ5の操作量S3を生成する。
操作量S3は、モータ5を目標回転速度S1で回転させるために必要なモータ5の駆動量を指定する情報を含む。例えば、本実施の形態のようにモータ5をPWM駆動する場合には、操作量S3は、駆動制御信号SdとしてのPWM信号の周期(PWM周期)を指定する値と、PWM信号のPWMデューティを指定する値と、PWM信号の出力タイミングを指定する値とを含んでいる。
例えば、PWM指令部17は、駆動指令解析部10から出力された目標回転速度S1に基づいて、駆動制御信号Sdとして出力されるPWM信号のPWM周期を指定する値と、PWM信号のPWMデューティを指定する値とを算出する。さらに、PWM指令部17は、位相調整量S2に基づいてPWM信号の出力タイミングを指定する値を調整し、PWMデューティ調整量Saに基づいてPWM信号のPWMデューティを調整することにより操作量S3を生成する。PWM指令部17は、生成された操作量S3をPWM信号生成部18に出力する。
まず、駆動制御信号生成部40においてPWM指令部17は、位相調整量S2に基づいて位相調整する。すなわち、PWM指令部17は、位相調整制御部20が生成した位相調整量S2に基づいて、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点とU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点との差が小さくなるようにPWM信号の出力タイミングを指定する値を調整する。具体的には、PWM指令部17が、位相調整量S2に基づいて、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値を調整することにより、操作量S3を調整する。
ここで、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値とは、駆動制御信号SdとしてのPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlを出力するための基準時刻に対する時間的なずれ幅(オフセット時間)を指定する値である。
例えば、位相差だけ進角させる進角制御の実行を指示する位相調整量S2が位相調整制御部20から出力された場合には、PWM指令部17は、基準時刻よりも位相差に相当する時間だけ早くPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlを出力させることを指示する値を算出し、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値とする。
また、例えば、位相差だけ遅角させる遅角制御の実行を指示する位相調整量S2が位相調整制御部20から出力された場合には、PWM指令部17は、基準時刻よりも位相差に相当する時間だけ遅くPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlを出力させることを指示する値を算出し、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値とする。
また、例えば、位相調整制御部20から、進角制御および遅角制御のいずれの実行も指示しない位相調整量S2が出力された場合には、PWM指令部17は、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値を“0(ゼロ)”とする。
PWM指令部17は、さらに、PWMデューティ調整部30で生成されたPWMデューティ調整量Saに基づいて、操作量S3に含まれるPWM信号のPWMデューティを調整する。
例えば、PWM信号のPWMデューティをβ%だけ減少させるPWMデューティ調整の実行を指示するPWMデューティ調整量SaがPWMデューティ調整部30から出力された場合には、PWM指令部17は、モータ5を目標回転速度S1で回転させるために必要なモータ5の駆動量に基づいて算出されたPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,SwlのPWMデューティをβ%だけ減少させて、新たなPWMデューティに調整する。
また、例えば、PWM信号のPWMデューティをβ%だけ増加させるPWMデューティ調整の実行を指示するPWMデューティ調整量SaがPWMデューティ調整部30から出力された場合には、PWM指令部17は、モータ5を目標回転速度S1で回転させるために必要なモータ5の駆動量に基づいて算出されたPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,SwlのPWMデューティをβ%だけ増加させて、新たなPWMデューティに調整する。
また、例えば、PWMデューティ調整部30から、PWMデューティ調整量Saが出力されなかった場合には、PWM指令部17は、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,SwlのPWMデューティを調整しない。
また、図3に示すように、位置検出器6から出力される位置検出信号(ホール信号)Shuが駆動制御信号生成部40に入力される構成のときは、モータ駆動制御装置1がフィードバック制御機能を実行することができる。例えば、PWM指令部17は、位置検出信号Shuに基づいてモータ5の実回転速度を算出し、算出した実回転速度が目標回転速度S1に一致するようにフィードバック制御演算を行って、モータ5の操作量S3(PWM周期およびPWMデューティ)を算出してもよい。
PWM信号生成部18は、PWM指令部17によって生成された操作量S3に基づいて、駆動制御信号Sdを生成する。具体的には、PWM信号生成部18は、操作量S3によって指定されたPWM周期およびPWMデューティを有する6種類のPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlをそれぞれ生成し、操作量S3によって指定された出力タイミングで駆動制御信号Sdとしてモータ駆動部3に出力する。
駆動制御信号生成部40において、PWM信号生成部18は、モータ5の操作量S3に対応した波形テーブルを格納している。波形テーブルは、駆動制御信号Sdとして生成されるPWM信号のPWM周期およびPWMデューティを定義するテーブルである。PWM信号生成部18は、波形テーブルを参照することによって、操作量S3で指定されたPWM周期およびPWMデューティを有するPWM信号を生成して、操作量S3で指定された出力タイミングで駆動制御信号Sdとしてモータ駆動部3に出力する。なお、PWM信号生成部18におけるPWM信号の生成は、波形テーブルを参照する手法に限定されない。例えば、PWM信号生成部18は、タイマーで計時することによって、PWM信号を生成してもよい。
PWM信号生成部18は、駆動制御信号Sdをモータ駆動部3に出力するとき、操作量S3に含まれるPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値に基づいて、駆動制御信号Sdを出力するタイミングを変化させる。例えば、駆動制御信号Sdを出力するための基準時刻が予め設定されており、PWM信号生成部18は、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値に基づき、基準時刻から指定された時間だけずらしたタイミングで、駆動制御信号Sdをモータ駆動部3に出力する。
例えば、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値が“+Δt”である場合、PWM信号生成部18は、操作量S3に含まれるPWM周期およびPWMデューティの情報に基づいて生成した駆動制御信号Sdを、基準時刻よりもΔtだけ遅らせてモータ駆動部3に出力する。
例えば、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値が“-Δt”である場合、PWM信号生成部18は、操作量S3に含まれるPWM周期およびPWMデューティの情報に基づいて生成した駆動制御信号Sdを、基準時刻よりもΔtだけ早くモータ駆動部3に出力する。
また、例えば、PWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlの出力タイミングを指定する値が“0(ゼロ)”である場合、PWM信号生成部18は、操作量S3に含まれるPWM周期およびPWMデューティの情報に基づいて生成した駆動制御信号Sdを、出力タイミングをずらすことなく、基準時刻に、モータ駆動部3に出力する。なお、出力タイミングをずらさないということは、その時点で位相調整(進角制御または遅角制御)が行われていれば、その位相調整を維持することを意味する。
以上のように、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1では、位相調整制御部20によって生成された位相調整量S2に基づいて出力タイミングが調整された駆動制御信号Sdが出力されることにより、コイル電流の進角制御または遅角制御が実行される。これにより、モータ駆動制御装置1は、モータ5の駆動効率を向上させることが可能となる。一方で、PWMデューティ調整部30によって生成されたPWMデューティ調整量Saに基づいて出力される駆動制御信号SdであるPWM信号のPWMデューティが調整される。このように、駆動制御信号SdであるPWM信号のPWMデューティが調整されることによって、コイル電流の位相調整(進角制御または遅角制御)に伴う回転速度の変動が抑制される。その結果、位相調整時の異音の発生を抑制することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記の実施の形態では、モータ5の3相(U相、V相、およびW相)のうちU相のコイルに対して位置検出器6を配置するとともに、U相のコイルLuの駆動電圧VuおよびU相のコイル電流Iuのゼロクロス点を検出する場合を例示したが、これに限られず、V相のコイルLvに対して位置検出器6を配置して、V相のコイルLvの駆動電圧VvおよびV相のコイル電流Ivのゼロクロス点を検出してV相のコイル電流Ivの位相調整を行ってもよいし、W相のコイルLwに対して位置検出器6を配置して、W相のコイルLwの駆動電圧VwおよびW相のコイル電流Iwのゼロクロス点を検出してW相のコイル電流Iwの位相調整を行ってもよい。また、U相、V相、W相のうちの2つの相あるいは全ての相に対して位置検出器6を配置し、いずれかの相の駆動電圧およびコイル電流のゼロクロス点を検出し、検出した相のコイル電流の位相調整を行ってもよい。
また上記実施の形態では、電流ゼロクロス点推定部14が、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなる第1のタイミングとU相のハイサイドスイッチQuHのオン・オフを切り替えるPWM信号Suuがハイレベルとなる第2のタイミングとが一致する状態から一致しない状態に切り替わるタイミングとの順番が入れ替わったことに基づいてゼロクロス点(U相のコイル電流Iuが正から負に切り替わるゼロクロス点)を推定する場合を例に挙げて説明したが、これに限定しない。U相のコイル電流Iuが正から負に切り替わるゼロクロス点と第1のタイミングと第2のタイミングとが一致しない状態から一致する状態に切り替わるタイミング(U相のコイル電流Iuが負から正に切り替わるゼロクロス点)との両方を推定してもよい。
なお、本発明における電流ゼロクロス点の推定方法および位相調整量S2の決定方法は、本実施の形態で記載した方法に限定されない。すなわち、位相調整(進角制御、遅角制御)の方法は、特に問わない。
上記実施の形態において、モータ5の種類は、ブラシレスDCモータに限定されない。また、モータ5は、3相に限られず、例えば単相のブラシレスDCモータであってもよい。また、モータ5の駆動方式も、正弦波駆動に限られず、例えば120度通電などの矩形波駆動であってもよい。
上記実施の形態において、位置検出器6としてホール素子を用いる場合を例示したが、これに限られない。例えば、位置検出器6として、ホールIC、エンコーダ、レゾルバなどを設け、それらの検出信号を位置検出信号Shuとしてモータ駆動制御装置1に入力してもよい。また、位相調整の方法によっては、位置検出器を用いない位置センサレス方式であってもよい。
また、上記実施の形態においては、位置検出器6によって位置検出信号Shuをモータ駆動制御装置1に入力することによりフィードバック機能を実現する場合を例示したが、これに限定されず、フィードバック機能が不要な場合は、位置検出器6を設けなくてもよい。
また、上述のフローチャートは一例であって、これらに限定されるものではなく、例えば、各ステップ間に他の処理が挿入されていてもよいし、処理が並列化されていてもよい。
1…モータ駆動制御装置、2…制御回路、3…モータ駆動部、4…相電圧検出回路、5…モータ、6…位置検出器、10…駆動指令解析部、12…目標点決定部、13…相電圧入力部、14…電流ゼロクロス点推定部、15…位相調整判定部、40…駆動制御信号生成部、17…PWM指令部、18…PWM信号生成部、100…モータユニット、20…位相調整制御部、30…PWMデューティ調整部、S1…目標回転速度、S2…位相調整量、S3…操作量、Sa…PWMデューティ調整量、Sc…駆動指令信号(駆動指令の一例)、Sct…ゼロクロス点検出信号、Shu…位置検出信号(ホール信号)、St…目標点決定信号、Sd…駆動制御信号、Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swl…PWM信号、QuH,QvH,QwH…ハイサイドスイッチ、QuL,QvL,QwL…ローサイドスイッチ、Vu…コイルLuの駆動電圧、Vv…コイルLvの駆動電圧、Vw…コイルLwの駆動電圧、Vdd1,Vdd2…電源電圧。

Claims (6)

  1. 少なくとも1相のコイルを有するモータの駆動を制御するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、
    前記駆動制御信号に応じて、前記モータに駆動信号を出力するモータ駆動部と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧と前記所定の相のコイル電流との位相差に基づいて前記コイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量を決定する位相調整制御部と、
    前記位相調整制御部において決定した前記位相調整量に応じて前記PWM信号のPWMデューティを調整するためのPWMデューティ調整量を決定するPWMデューティ調整部と、
    外部からの駆動指令と、前記位相調整量と、前記PWMデューティ調整量とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、を有する、
    モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記PWMデューティ調整部は、前記位相調整制御部において進角制御することを決定した場合は、前記PWM信号の前記PWMデューティを減少させ、前記位相調整制御部において遅角制御することを決定した場合は、前記PWM信号の前記PWMデューティを増加させるように前記PWMデューティ調整量を決定する、
    モータ駆動制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記PWMデューティ調整部は、位相調整の単位角度あたりのPWMデューティの単位調整量に基づいて、前記位相調整量に対応する前記PWMデューティ調整量を決定する、
    モータ駆動制御装置。
  4. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記駆動制御信号生成部は、前記駆動制御信号を生成するための波形テーブルを有する、
    モータ駆動制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置と、
    前記モータと、を備える、
    モータユニット。
  6. 少なくとも1相のコイルを有するモータの駆動を制御するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、前記駆動制御信号に応じて、前記モータに駆動信号を出力するモータ駆動部と、を備えるモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御方法であって、
    前記制御回路が、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧と前記所定の相のコイル電流との位相差に基づいて前記コイル電流の進角制御または遅角制御による位相調整量を決定する第1のステップと、
    前記第1のステップにおいて決定した前記位相調整量に応じて前記PWM信号のPWMデューティを調整するためのPWMデューティ調整量を決定する第2のステップと、
    外部からの駆動指令と、前記位相調整量と、前記PWMデューティ調整量とに基づいて、前記駆動制御信号を生成する第3のステップと、を含む、
    モータ駆動制御方法。
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