JP2023046982A - モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents

モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの回転速度を不安定にすることなく、位相調整の精度を高め、モータの駆動効率を向上させる。【解決手段】モータ駆動制御装置1は、位置検出信号Shuに基づいて、U相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pを決定する目標点決定部12と、PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、U相のコイル電流Iuの電流方向の変化を検出することによって、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qを推定する電流ゼロクロス点推定部14と、目標点Pとゼロクロス点Qとの位相差Δφが所定の範囲内となるように、コイル電流Iuの位相調整を指示する位相調整指示信号SpとPWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号Sfとの少なくとも一方を、位相差に応じて生成する調整指示信号生成部15と、位相調整指示信号Spと周波数調整指示信号Sfとの少なくとも一方に基づいて、駆動制御信号Sdを生成する駆動制御信号生成部16とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動制御装置、モータユニット、およびモータ駆動制御方法に関する。
一般に、多相のコイルを有するモータを正弦波駆動する場合、モータの各相について、コイルの誘起電圧の位相とコイル電流(相電流)の位相とを合わせることで、モータを効率良く駆動させることができることが知られている。
しかしながら、モータの回転速度、モータの負荷、および温度によるモータ特性の変化等により、誘起電圧の位相とコイル電流(相電流)の位相との間にずれが生じ、モータの駆動効率が悪化する場合がある。
このような問題を解決するための技術として、モータのコイル電流の位相に対してコイルの駆動電圧の位相を調整するモータ駆動装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたモータ駆動装置は、ブラシレスモータの通電を制御するための通電信号に応じて、直流電源とグランドの間に直列接続された正側トランジスタと負側トランジスタとが相補的にオン/オフするように制御して、正側トランジスタと負側トランジスタとの間の通電端子からブラシレスモータのコイルに疑似正弦波の駆動電圧を供給してモータを駆動している。
特許文献1に開示されたモータ駆動装置では、コンパレータにより、負側トランジスタの一端の電圧に基づいた第1の電圧と、負側トランジスタの他端の電圧に基づいた第2の電圧とを比較した比較結果信号に基づいて負側トランジスタに流れるモータ電流の極性を判定した判定信号と、位置検出信号とに基づいて、駆動電圧の位相を調整する位相調整信号を出力することによりモータのコイル電流の位相に対してコイルの駆動電圧の位相を調整している。
特開2015-62329号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、モータ電流と駆動電圧であるPWM信号との同期がずれると、モータ電流のゼロクロス点とサンプリングのタイミングとの間に時間的距離が生じ、正確な比較結果信号を作れなくなる。その結果、位相調整が頻繁に行われ、回転速度が不安定になる虞がある。
そこで、本願発明者らは、モータの回転速度を不安定にすることなく、位相調整の精度を高め、モータの駆動効率を向上させるための新たなモータ駆動制御技術が必要であると考えた。
本発明は、上述した課題を解消するためのものであり、モータの回転速度を不安定にすることなく、位相調整の精度を高め、モータの駆動効率を向上させることを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、少なくとも1相のコイルを有するモータを駆動するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、前記モータの各相のコイルに対応して設けられた互いに直列に接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記駆動制御信号に応じて前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチを交互にオン・オフさせて、対応する相のコイルの通電方向を切り替える駆動回路と、を備え、前記制御回路は、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧に同期し、且つ前記モータのロータの回転位置に対応する位置検出信号に基づいて、前記所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点を決定する目標点決定部と、前記PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、前記所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する電流ゼロクロス点推定部と、前記目標点決定部によって決定された前記目標点と前記電流ゼロクロス点推定部によって推定された前記ゼロクロス点との位相差が所定の範囲内となるように、前記コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号と前記PWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号との少なくとも一方を、該位相差に応じて生成する調整指示信号生成部と、前記調整指示信号生成部によって生成された前記位相調整指示信号と前記周波数調整指示信号との少なくとも一方に基づいて、前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、モータの回転速度を不安定にすることなく、位相調整の精度を高め、モータの駆動効率を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置を備えたモータユニットの構成を示す図である。 PWM指令部17の内部の構成を示す図である。 実施の形態に係るモータ駆動制御装置による位相調整機能を説明するための図である。 U相のコイル電流Iuが正(+)極性から負(-)極性に切り替わるときのU相のPWM信号Suu,SulおよびコイルLuの駆動電圧Vuの変化を示すタイミングチャートである。 U相のコイル電流Iuが負(-)極性から正(+)極性に切り替わるときのU相のPWM信号Suu,SulおよびコイルLuの駆動電圧Vuの変化を示すタイミングチャートである。 U相のコイルLuに正極性のコイル電流Iuが流れている状態において、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLがオフしたときの状態を説明するための図である。 U相のコイルLuに負極性のコイル電流Iuが流れている状態において、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLがオフしたときの状態を説明するための図である。 コイル電流調整の要否の判定について説明する図である。 目標点Pとコイル電流のゼロクロス点Qとの位相差Δφとゼロクロス検出タイミングとの関係について示す図である。 実施の形態に係るモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。 図8におけるコイル電流のゼロクロス点を推定する処理(ステップS4)の流れを示すフローチャートである。 図8におけるモータのコイル電流調整処理(ステップS5)の流れを示すフローチャートである。 図10における周波数調整1の処理(ステップS60)の流れを示すフローチャートである。 図10における周波数調整2の処理(ステップS63)の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係るモータ駆動制御装置によってモータのコイル電流Iuの位相調整を行ったときの各信号の電圧およびコイル電流Iuの変化を表すタイミングチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(1)は、少なくとも1相のコイルを有するモータ(5)を駆動するためのPWM信号である駆動制御信号(Sd,Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swl)を生成する制御回路(2)と、前記モータの各相のコイル(Lu,Lv,Lw)に対応して設けられた互いに直列に接続されたハイサイドスイッチ(QuH,QvH,QwH)およびローサイドスイッチ(QuL,QvL,QwL)を含み、前記駆動制御信号に応じて前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチを交互にオン・オフさせて、対応する相のコイルの通電方向を切り替える駆動回路(3)と、を備え、前記制御回路は、前記モータの所定の相(例えば、U相)のコイルの誘起電圧に同期し、且つ前記モータのロータの回転位置に対応する位置検出信号(Shu)に基づいて、前記所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点(P)を決定する目標点決定部(12)と、前記PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、前記所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点(Q(tq))を推定する電流ゼロクロス点推定部(14)と、前記目標点決定部によって決定された前記目標点と前記電流ゼロクロス点推定部によって推定された前記ゼロクロス点との位相差(Δφ)が所定の範囲内となるように、前記コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号(Sp)と前記PWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号(Sf)との少なくとも一方を、該位相差(Δφ)に応じて生成する調整指示信号生成部(15)と、前記調整指示信号生成部(15)によって生成された前記位相調整指示信号(Sp)と前記周波数調整指示信号(Sf)との少なくとも一方に基づいて、前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部(16)と、を有することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記電流ゼロクロス点推定部は、前記所定の相のコイルの駆動電圧と、前記所定の相に対応する前記ハイサイドスイッチをオン・オフさせる信号のオン期間およびオフ期間の少なくとも一方とを比較し、その比較結果に基づいて前記所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出してもよい。
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記制御回路は、前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する前のタイミングで、前記PWM信号と前記位置検出信号との同期をとることとしてもよい。
〔4〕上記〔1〕乃至〔3〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記調整指示信号生成部は、前記位相差が第1範囲外である場合には、前記位相差が前記第1範囲内になるまで前記位相調整指示信号のみを生成し、前記位相差が前記第1範囲内となったら、前記周波数調整指示信号と前記位相調整指示信号との少なくとも一方を生成してもよい。
〔5〕上記〔4〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記調整指示信号生成部は、前記位相差が前記第1範囲の内側にある第2範囲内である場合には、前記位相調整指示信号の生成を禁止し、前記周波数調整指示信号のみを生成してもよい。
〔6〕上記〔4〕または〔5〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記調整指示信号生成部は、前記周波数調整指示信号により、周波数の最小単位ごとに前記PWM信号の周波数を調整することを指示し、所定時間間隔あけて前記周波数調整指示信号を生成することとしてもよい。
〔7〕上記〔6〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記調整指示信号生成部は、前記周波数調整指示信号により、所定の周波数範囲内の最大周波数に到達するまで前記PWM信号の周波数を増加させるように指示する、または前記所定の周波数範囲内の最小周波数に到達するまで前記PWM信号の周波数を減少させるように指示してもよい。
〔8〕上記〔5〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記調整指示信号生成部は、前記位相差が前記第2範囲の内側にある第3範囲内となったら、前記周波数調整指示信号の生成を終了してもよい。
〔9〕上記〔1〕乃至〔8〕に記載のモータ駆動制御装置において、駆動制御信号生成部は、前記駆動制御信号の操作量を生成するPWM指令部と、前操作量に基づいて前記駆動制御信号を生成するPWM信号生成部とを有し、前記PWM指令部は、回転速度の指令値と現在の回転速度に基づいて回転速度の設定値を決定する回転速度設定部と、前記位相調整指示信号に基づいて位相の設定値を決定する位相設定部と、前記周波数調整指示信号に基づいて周波数の設定値を決定する周波数設定部と、決定された、前記回転速度の設定値と前記位相の設定値と前記周波数の設定値とに基づいて前記操作量を決定する操作量決定部とを有してもよい。
〔10〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータユニットは、上記〔1〕乃至〔9〕に記載のモータ駆動制御装置と、前記モータと、を備える。
〔11〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御方法は、少なくとも1相のコイルを有するモータを駆動するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、前記モータの各相のコイルに対応して設けられた互いに直列に接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記駆動制御信号に応じて前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチを交互にオン/オフさせて対応する相のコイルの通電方向を切り替える駆動回路と、を備えるモータ駆動制御装置によるモータ制御方法であって、前記制御回路が、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧に同期し、且つ前記モータのロータの回転位置に対応する位置検出信号に基づいて、前記所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点を決定する第1ステップと、前記制御回路が、前記PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、前記所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する第2ステップと、前記制御回路が、前記第1ステップにおいて決定された前記目標点と前記第2ステップにおいて推定された前記ゼロクロス点との位相差が所定の範囲内となるように、前記コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号と前記PWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号との少なくとも一方を、該位相差(Δφ)に応じて生成する第3ステップと、前記制御回路が、前記第3ステップにおいて生成した前記位相調整指示信号と前記周波数調整指示信号との少なくとも一方に基づいて、前記駆動制御信号を生成する第4ステップと、を含む。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態≫
図1は、本発明の実施の形態に係るモータ駆動制御装置を備えたモータユニットの構成を示す図である。
図1に示されるモータユニット100は、モータ5と、位置検出器6と、モータ駆動制御装置1とを備えている。
モータ5は、少なくとも1つのコイルを有するモータである。例えば、モータ5は、3相(U相、V相、およびW相)のコイル(巻線)Lu,Lv,Lwを有するブラシレスDCモータである。
位置検出器6は、モータ5の回転子(ロータ)の回転に応じた位置を検出して、位置検出信号Shuを生成する検出器である。位置検出器6は、例えば、ホール(HALL)素子である。ホール素子は、ロータの磁極を検出し、ロータの回転に応じて電圧が変化するホール信号を出力する。ホール信号は、例えば、パルス信号であり、位置検出信号Shuとしてモータ駆動制御装置1に入力される。
モータユニット100において、位置検出器6としての一つのホール素子が、モータ5のU相、V相、およびW相のコイルLu,Lv,Lwの何れか一つに対応する位置に配置されている。このため、位置検出器6から出力されるホール信号は、モータ5のU相、V相、およびW相のコイルLu,Lv,Lwの何れか一つの誘起電圧に同期する信号となる。
本実施の形態では、位置検出器6としての一つのホール素子は、例えば、U相のコイルに対応する位置に配置されている。これにより、位置検出信号(ホール信号)Shuは、モータ5のU相のコイルLuの誘起電圧に同期し、且つモータ5のロータの回転位置に対応する信号となる。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態では、具体例として、位置検出器6は、出力する位置検出信号(ホール信号)Shuの立ち上がりエッジがU相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点から電気角30度遅れたタイミングで検出できる位置に配置されている。
モータ駆動制御装置1は、モータ5の駆動を制御する装置である。モータ駆動制御装置1は、例えば、U相のコイルLuに対応する位置に設けられた1つの位置検出器6(ホール素子)からの位置検出信号Shuに基づく1センサ駆動方式により、モータ5の正弦波駆動を行う。
具体的には、モータ駆動制御装置1は、制御回路2と、駆動回路3と、相電圧検出回路4とを備えている。モータ駆動制御装置1は、外部の直流電源(不図示)から直流電圧Vddの供給を受ける。直流電圧Vddは、例えば、保護回路等を介してモータ駆動制御装置1内の電源ライン(不図示)に供給され、電源ラインを介して制御回路2および駆動回路3に電源電圧としてそれぞれ入力される。
なお、制御回路2には、直流電圧Vddが直接供給されるのではなく、例えば、レギュレータ回路によって直流電圧Vddを降圧した電圧が、電源電圧として制御回路2に供給されてもよい。
駆動回路3は、後述する制御回路2から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、モータ5を駆動する回路である。駆動制御信号Sdは、モータ5の駆動を制御するための信号である。例えば、駆動制御信号Sdは、モータ5を正弦波駆動するためのPWM信号である。
駆動回路3は、駆動制御信号Sdに基づいて直流電圧Vddとグラウンド電位GNDとの間でモータ5のコイルの接続先を切り替えることにより、モータ電流の向きを切り替えてモータ5を回転させる。具体的に、駆動回路3は、モータ5の各相のコイルLu,Lv,Lwに対応して設けられ、互いに直列に接続されたハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHおよびローサイドスイッチQuL,QvL,QwLを含む。駆動回路3は、駆動制御信号SdとしてのPWM信号Suu,Svu,Swu,Sul,Svl,Swlに応じて、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHとローサイドスイッチQuL,QvL,QwLをオン・オフさせて、各コイルLu,Lv,Lwの通電方向を切り替える。
ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHは、例えば、Pチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ローサイドスイッチQuL,QvL,QwLは、例えば、Nチャネル型のMOSFETである。
なお、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwH、およびローサイドスイッチQuL,QvL,QwLは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他の種類のパワートランジスタであってもよい。
図1に示すように、U相のハイサイドスイッチQuHとローサイドスイッチQuLとは、直流電圧Vddとグラウンド電位GNDとの間に直列に接続されて、一つのスイッチングレグ(アーム)を構成している。ハイサイドスイッチQuHとローサイドスイッチQuLとの接続点は、コイルLuの一端に接続されている。ハイサイドスイッチQuHのオン・オフは、PWM信号Suuによって切り替えられる。ローサイドスイッチQuLのオン・オフは、PWM信号Sulによって切り替えられる。
V相のハイサイドスイッチQvHとローサイドスイッチQvLとは、直流電圧Vddとグラウンド電位GNDとの間に直列に接続されて、一つのスイッチングレグを構成している。ハイサイドスイッチQvHとローサイドスイッチQvLとの接続点は、コイルLvの一端に接続されている。ハイサイドスイッチQvHのオン・オフは、PWM信号Svuによって切り替えられる。ローサイドスイッチQvLのオン・オフは、PWM信号Svlによって切り替えられる。
W相のハイサイドスイッチQwHとローサイドスイッチQwLとは、直流電圧Vddとグラウンド電位GNDとの間に直列に接続されて、一つのスイッチングレグを構成している。ハイサイドスイッチQwHとローサイドスイッチQwLとの接続点は、コイルLwの一端に接続されている。ハイサイドスイッチQwHのオン・オフは、PWM信号Swuによって切り替えられる。ローサイドスイッチQwLのオン・オフは、PWM信号Swlによって切り替えられる。
なお、ハイサイドスイッチQuH,QvH,QwHおよびローサイドスイッチQuL,QvL,QwLとしての各トランジスタには寄生ダイオードが形成されており、これらのダイオードは、コイル電流を直流電圧Vddまたはグラウンド電位GNDに戻す還流ダイオードとして機能する。
なお、駆動回路3は、駆動制御信号Sdに基づいて各相のハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを駆動するためのプリドライブ回路を有していてもよい。また、図1に示すように、駆動回路3のグラウンド電位GND側には、モータ5の電流を検出するためのセンス抵抗が接続されていてもよい。
相電圧検出回路4は、モータ5の所定の相のコイルの駆動電圧を検出するための回路である。本実施の形態において、相電圧検出回路4は、例えば、U相のコイルLuの駆動電圧Vuを検出して、制御回路2に入力する。相電圧検出回路4は、例えば、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLが接続されるコイルLuの一端とグラウンド電位GNDとの間に接続された抵抗分圧回路である。
なお、図1には、相電圧検出回路4としての抵抗分圧回路によってコイルLuの駆動電圧Vuを分圧して制御回路2に入力する構成を一例として示しているが、相電圧検出回路4を設けることなく、制御回路2にコイルLuの駆動電圧Vuを直接入力してもよい。
制御回路2は、モータ駆動制御装置1の動作を統括的に制御するための回路である。本実施の形態において、制御回路2は、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM,ROM、フラッシュメモリ等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D変換回路、D/A変換回路、クロック発生回路、および入出力インターフェース回路等の周辺回路とがバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置である。例えば、制御回路2は、マイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)である。
なお、制御回路2と駆動回路3とは、一つの半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)としてパッケージ化された構成であってもよいし、個別の集積回路として夫々パッケージ化されて回路基板に実装され、回路基板上で互いに電気的に接続された構成であってもよい。
制御回路2は、駆動制御信号Sdを生成して駆動回路3に与えることにより、モータ5の通電制御を行う基本機能を有している。具体的に、制御回路2は、外部(例えば、上位装置)から入力された、モータ5の駆動に関する目標値を指示する駆動指令信号Scと、位置検出器6から入力された位置検出信号Shuとに基づいて、モータ5が駆動指令信号Scで指定された駆動状態となるように駆動制御信号Sdを生成して駆動回路3に与える。
また、制御回路2は、上記基本機能に加えて、モータ5の駆動効率を向上させるために、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧の位相とコイル電流の位相とが一致するようにモータ5のコイル電流の位相や周期を調整する機能(以下、「コイル電流調整機能」とも称する。)を有する。なお、本実施の形態おいて、「一致する」とは、その誤差が所定の許容範囲内であることを含み、コイル電流調整機能により、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧の位相とコイル電流の位相とが完全に一致させることに限定されない。
図1に示すように、制御回路2は、上述した各機能を実現するための機能部として、例えば、駆動指令解析部11、目標点決定部12、相電圧入力部13、電流ゼロクロス点推定部14、調整指示信号生成部15、および駆動制御信号生成部16を有している。
制御回路2の上述した各機能部は、例えば、制御回路2としてのMCUのプログラム処理によって実現される。具体的には、制御回路2としてのMCUを構成するプロセッサが、メモリに格納されたプログラムにしたがって各種の演算を行ってMCUを構成する各種周辺回路を制御することにより、上述した各機能部が実現される。
駆動指令解析部11は、例えば、上位装置(不図示)から出力された駆動指令信号Scを受信する。駆動指令信号Scは、モータ5の駆動に関する目標値を指示する信号であって、例えば、モータ5の目標回転速度を指示する速度指令信号である。
駆動指令解析部11は、駆動指令信号Scによって指定された目標回転速度を解析する。例えば、駆動指令信号Scが目標回転速度に対応するデューティ比を有するPWM信号である場合、駆動指令解析部11は、駆動指令信号Scのデューティ比を解析し、そのデューティ比に対応する回転速度の情報を目標回転速度S1として出力する。
駆動制御信号生成部16は、モータ5の回転速度が目標回転速度S1に一致するようにモータ5の操作量S3を算出し、算出した操作量S3に基づいて駆動制御信号Sdを生成する。なお、駆動制御信号生成部16の機能のうちコイル電流調整に関する機能については、後述する。
駆動制御信号生成部16は、例えば、PWM指令部17およびPWM信号生成部18を有する。PWM指令部17は、位置検出器6から入力された位置検出信号Shuと、駆動指令解析部11から入力された目標回転速度S1と、後述する調整指示信号生成部15から入力された位相調整指示信号Spおよび周波数調整指示信号Sfとに基づいて、モータ5の操作量S3を算出する。
操作量S3は、モータ5を目標回転速度S1で回転させるために必要なモータ5の駆動量を指定する情報を含む。例えば、本実施の形態のようにモータ5をPWM駆動する場合には、操作量S3は、駆動制御信号SdとしてのPWM信号の周期(PWM周期)を指定する値と、PWM信号のオン期間を指定する値と、PWM信号の出力タイミングを指定する値とを含んでいる。
図2はPWM指令部17の内部の構成を示す図である。
図2に示すように、PWM指令部17は、回転速度設定部171と、位相設定部172と、周波数設定部173と、操作量決定部174とを有している。PWM指令部17のうち、位相設定部172と周波数設定部173と操作量決定部174とは、上述したモータ5のコイル電流調整機能を実現するための機能部である。
回転速度設定部171は、位置検出器6から入力された位置検出信号Shuと、駆動指令解析部11から出力された目標回転速度S1とから、回転速度の設定値を決定する。回転速度設定部171は、例えば、位置検出信号Shuに基づいてモータ5の実回転速度を算出し、算出した実回転速度が駆動指令解析部11から出力された目標回転速度S1に一致するようにPID(Proportional-Integral-Differential)制御演算を行って、回転速度の設定値を決定する。
位相設定部172は、後述する調整指示信号生成部15から出力される位相調整指示信号Spに基づいて、位相の設定値を決定する。
周波数設定部173は、後述する調整指示信号生成部15から出力される周波数調整指示信号Sfに基づいて、周波数の設定値を決定する。
操作量決定部174は、回転速度設定部171で決定された回転速度の設定値と、位相設定部172で決定された位相の設定値と、周波数設定部173で決定された周波数の設定値とに基づいて、駆動制御信号SdのPWM周期を指定する値と、PWM信号のオン期間を指定する値とを算出し、操作量S3(PWM周期、オン期間、出力タイミングを含む)を決定(生成)して、PWM信号生成部18に出力する。
なお、図1のモータ駆動制御装置1はフィードバック制御機能を有しているが、フィードバック制御機能を有していない場合には、回転速度設定部171は、駆動指令解析部11から出力された目標回転速度S1から、回転速度の設定値を決定してもよい。
PWM信号生成部18は、PWM指令部17から入力された操作量S3に基づいて、駆動制御信号Sdを生成する。具体的には、PWM信号生成部18は、操作量S3によって指定されたPWM周期およびオン期間を有する6種類のPWM信号Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swlをそれぞれ生成し、駆動制御信号Sdとして出力する。
本実施の形態において、U相、V相、およびW相の各スイッチレグを構成するハイサイドスイッチとローサイドスイッチとが同時にオンしないようにするために、デッドタイム期間Tdが設けられている。すなわち、PWM信号生成部18は、U相、V相、およびW相の各スイッチレグを構成するハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチのオン/オフ状態が切り替わるとき、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとが同時にオフするデッドタイム期間Tdが形成されるように、駆動制御信号Sd(上記6種類のPWM信号)を生成する。なお、デッドタイム期間Tdの詳細については、後述する。
目標点決定部12、相電圧入力部13、電流ゼロクロス点推定部14、および調整指示信号生成部15は、上述したモータ5のコイル電流調整機能を実現するための機能部である。各機能部について詳細に説明する前に、本実施の形態に係るモータ電流調整機能の概要について説明する。
図3は、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1によるモータ電流調整機能のうちの位相調整を説明するための図である。
図3の上段には位置検出器6から出力される位置検出信号(ホール信号)Shuの波形200が示され、中段には、U相のコイルLuの駆動電圧Vuの波形201とU相のコイルLuの誘起電圧の波形202が示され、下段には、U相のコイルLuのコイル電流Iuの波形203が示されている。
上述したように、一般に、モータの回転速度、モータの負荷、および温度によるモータ特性の変化等により、モータの誘起電圧の位相とコイル電流の位相との間にずれが生じる場合がある。例えば、図3には、U相のコイル電流Iuの位相が、U相のコイルLuの誘起電圧の位相に対して遅れている場合が示されている。
図3に示すように、コイル電流Iuと誘起電圧の間に位相のずれが生じた場合、モータ5の駆動効率が低下する。そこで、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1は、コイル電流Iuと誘起電圧の間のずれ(位相差)を検出し、その位相差が小さくなるように、モータの通電タイミング(PWM信号の出力タイミング)を調整する。
具体的には、先ず、モータ駆動制御装置1は、所定の相に対応して設けられた位置検出器6(ホール素子)から出力される位置検出信号(ホール信号)Shuが所定の相のコイルの誘起電圧と同期することを利用して、誘起電圧のゼロクロス点を検出し、コイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pとする。
本実施の形態では、例えば、図3に示すように、位置検出器6の位置検出信号Shuの立ち上がりエッジがU相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点から電気角30度遅れたタイミングで検出できる位置に位置検出器6を予め配置しておく。これにより、モータ駆動制御装置1は、位置検出信号Shuのエッジを検出することにより、コイルLuの誘起電圧のゼロクロス点を検出(推定)することができる。
なお、位置検出器6の設置場所は、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジが検出されるタイミングと所定の相のコイルの誘起電圧のゼロクロス点との位相差が分かっている位置であればよく、上述の例に限定されない。
モータ駆動制御装置1は、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出し、検出した少なくとも一方のエッジから誘起電圧のゼロクロス点を推定する。モータ駆動制御装置1は、推定した誘起電圧のゼロクロス点をコイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pとして決定する。
次に、モータ駆動制御装置1は、PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、所定の相(本実施の形態では、U相)のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する。モータ駆動制御装置1は、具体的には、所定の相(本実施の形態では、U相)のコイルの駆動電圧(相電圧)と、所定の相に対応するハイサイドスイッチをオン・オフするための信号のオン期間およびオフ期間の少なくとも一方とを比較し、その比較結果に基づいて、モータの所定の相のコイル電流のゼロクロス点Qを推定する。なお、コイル電流のゼロクロス点Qの推定方法の詳細は後述する。所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する前のタイミングで、PWM信号と位置検出信号との同期をとることが好ましい。
そして、モータ駆動制御装置1は、推定したコイル電流Iuのゼロクロス点Qがコイル電流Iuのゼロクロスの目標点P(誘起電圧のゼロクロス点)に一致するように、コイル電流Iuの位相を調整する。例えば、図3に示すように、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qが目標点Pに一致するように、U相のコイルLuの駆動電圧Vuを印加するタイミングを調整する(進角調整または遅角調整を行う)ことにより、コイル電流Iuの位相を調整する。これにより、モータ駆動制御装置1は、モータ5の駆動効率を向上させることが可能となる。
このとき、モータの所定の相のコイル電流のゼロクロス点Qは、モータ駆動信号の1周期ごとの所定のタイミングで推定されるため、推定したゼロクロス点Qは、モータ駆動信号の1周期に対応する時間範囲において実際のゼロクロス点からのずれが存在する可能性がある。実施の形態に係るモータ駆動制御装置1によるコイル電流調整機能のうちの周波数調整によって、モータの所定の相のコイル電流の推定したゼロクロス点Qと実際のゼロクロス点との間にずれが存在する可能性を抑制することができる。
コイル電流調整機能のうちの周波数調整は、PWM信号の周波数を調整することによってモータ駆動信号の周期を適切に調整するものである。モータ駆動信号の周期を適切に調整することにより、ずれが存在する時間範囲を適切なものとして推定の精度を上げることができる。推定したコイル電流Iuのゼロクロス点Qとコイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pとの位相差に応じて、周波数調整をすることとしてよい。
以下、上述したコイル電流調整機能を実現するための各機能部について、詳細に説明する。
目標点決定部12は、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧に同期し、且つモータ5のロータの回転位置に対応する位置検出信号Shuに基づいて、所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点を決定する。
本実施の形態では、目標点決定部12は、U相のコイルLuの誘起電圧に同期する位置検出信号Shuの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出し、検出したエッジに基づいて、U相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点、すなわちU相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pを決定する。例えば、図3において、目標点決定部12が時刻t1において位置検出信号Shuの立ち上がりエッジを検出した場合、目標点決定部12は、時刻t1よりも電気角30度のみ進んだ時刻(タイミング)t0を目標点Pと決定する。なお、位置検出信号Shuの立ち下がりエッジを検出する場合も同様の方法で目標点Pを決定する。
相電圧入力部13は、モータ5の所定の相の電圧の値を取得する。例えば、相電圧入力部13は、相電圧検出回路4によって検出されたU相のコイルLuの駆動電圧Vuを取得し、デジタル値に変換して電流ゼロクロス点推定部14に与える。
電流ゼロクロス点推定部14は、PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する。電流ゼロクロス点推定部14は、具体的には、PWM信号である駆動制御信号Sdの1周期毎に、所定の相のコイルの駆動電圧(相電圧)と、所定の相に対応するハイサイドスイッチをオン・オフさせる信号のオン期間およびオフ期間の少なくとも一方とを比較し、その比較結果に基づいて、所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する機能部である。以下、電流ゼロクロス点推定部14によるコイル電流のゼロクロス点の推定方法について、図を用いて詳細に説明する。
図4Aは、U相のコイル電流Iuが正(+)極性から負(-)極性に切り替わるときのU相のPWM信号Suu,SulおよびコイルLuの駆動電圧Vuの変化を示すタイミングチャートである。
図4Bは、U相のコイル電流Iuが負(-)極性から正(+)極性に切り替わるときのU相のPWM信号Suu,SulおよびコイルLuの駆動電圧Vuの変化を示すタイミングチャートである。
図4Aおよび図4Bにおいて、上段から下段に向かって、U相のコイル電流Iu、U相のハイサイドスイッチQuHを駆動するためのPWM信号Suu、U相のローサイドスイッチQuLを駆動するためのPWM信号Sul、U相のコイルLuの駆動電圧Vuの順にそれぞれの波形が示されている。なお、図4Aおよび図4Bにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は電流または電圧をそれぞれ表している。
図5Aは、U相のコイルLuに正(+)極性のコイル電流が流れている状態において、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLがオフしたときの状態を説明するための図である。
図5Bは、U相のコイルLuに負(-)極性のコイル電流が流れている状態において、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLがオフしたときの状態を説明するための図である。
例えば、図4Aに示すように、PWM信号Suuがハイレベルであり、PWM信号Sulがローレベルであるとき、U相のハイサイドスイッチQuHがオンし、且つU相のローサイドスイッチQuLがオフする。このとき、直流電圧VddからU相のハイサイドスイッチQuHを経由してU相のコイルLuに電流が流れ込むため、U相のコイル電流Iuは正(+)極性となる。
この状態、すなわちU相のコイルLuに正(+)極性のコイル電流Iuが流れている状態において、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLを共にオフしたとき、コイルLuは電流を流し続けようとする。そのため、図5Aに示すように、グラウンド電位GNDからローサイドスイッチQuLの寄生ダイオードを経由して、正極性のコイル電流Iuが流れる。その結果、コイルLuの駆動電圧Vuがグラウンド電位GND付近まで低下する。
したがって、図4Aに示すように、U相のコイル電流Iuが正(+)極性であるときのU相のハイサイドスイッチQuHとローサイドスイッチQuLとが共にオフするデッドタイム期間Tdでは、U相の駆動電圧Vuはローレベルとなる。
その結果、図4Aに示すように、U相のコイル電流Iuが正(+)極性となる期間では、PWM信号Suuの1周期において、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなる第1期間Tvと、U相のハイサイドスイッチQuHのオン・オフを切り替えるPWM信号Suuがハイレベルとなる第2期間Thとが一致する。
一方、図4Bに示すように、PWM信号Suuがローレベルであり、PWM信号Sulがハイレベルであるとき、U相のハイサイドスイッチQuHがオフし、U相のローサイドスイッチQuLがオンする。このとき、U相のコイルLuからU相のローサイドスイッチQuLを経由してグラウンド電位GND側に電流が流れ込むため、U相のコイル電流Iuは負(-)極性となる。
この状態、すなわちU相のコイルLuに負(-)極性のコイル電流Iuが流れている状態において、U相のハイサイドスイッチQuHおよびローサイドスイッチQuLを共にオフしたとき、コイルLuは電流を流し続けようとする。そのため、図5Bに示すように、U相のコイルLuから、ハイサイドスイッチQuHの寄生ダイオードを経由して、直流電圧Vdd側に負極性のコイル電流Iuが流れる。その結果、コイルLuの駆動電圧Vuが直流電圧Vdd付近まで上昇する。
したがって、図4Bに示すように、U相のコイル電流Iuが負(-)極性であるときのU相のハイサイドスイッチQuHとローサイドスイッチQuLとが共にオフするデッドタイム期間Tdでは、U相の駆動電圧Vuはハイレベルとなる。
その結果、図4Bに示すように、U相のコイル電流Iuが負(-)極性となる期間では、PWM信号Suuの1周期において、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなる第1期間Tvよりも、U相のハイサイドスイッチQuHのオン・オフを切り替えるPWM信号Suuがハイレベルとなる第2期間Thの方が長くなり、第1期間Tvと第2期間Thとが不一致となる。
以上説明したように、モータをPWM駆動するとき、PWM信号Suuの1周期において、所定の相のコイル電流が正極性となる期間では、第1期間Tvと第2期間Thとが一致し、コイル電流が負極性となる期間では、第1期間Tvと第2期間Thとが不一致となる。
したがって、図4Aおよび図4Bに示すように、第1期間Tvと第2期間Thとが一致する状態から第1期間Tvと第2期間Thとが不一致となる状態に遷移するタイミングと、第1期間Tvと第2期間Thとが不一致の状態から第1期間Tvと第2期間Thとが一致する状態に遷移するタイミングとを検出すれば、所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定することが可能となる。
そこで、電流ゼロクロス点推定部14は、相電圧入力部13によって取得したU相のコイルLuの駆動電圧VuとU相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suuとを監視し、PWM信号Suuの1周期毎に、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなる第1期間Tvと、U相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suuがハイレベルとなる第2期間Thとを比較して、第1期間Tvと第2期間Thとが一致するか否かを判定する。
上述したように、駆動電圧Vuのハイレベルまたはローレベルへの切り替わり、およびPWM信号Suuのハイレベルまたはローレベルへの切り替わりは、U相のハイサイドスイッチQuHのオン・オフの切り替わりに対応している。したがって、以下の説明では、駆動電圧Vuがハイレベルとなる第1期間Tvを「オン期間Tv」と、PWM信号Suuがハイレベルとなる第2期間Thを「オン期間Th」と称する場合がある。
オン期間(第1期間)Tvとオン期間(第2期間)Thが一致しているか否かの判定は、以下のように行えばよい。
例えば、電流ゼロクロス点推定部14は、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなるオン期間Tvと、U相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suuがハイレベルとなるオン期間Thとの差|Th-Tv|を算出し、その差|Th-Tv|が閾値Tth以上であるか否かを判定する。
差|Th-Tv|が閾値Tth以上である場合には、電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致していない(不一致である)と判定し、U相のコイル電流Iuが負極性であると判定する。一方、差|Th-Tv|が閾値Tth未満である場合には、電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致していると判定し、U相のコイル電流Iuが正極性であると判定する。
ここで、オン期間Tvおよびオン期間Thの一致/不一致を判定するための閾値Tthは、PWM信号である駆動制御信号Sdのデッドタイム期間Tdに基づいて設定すればよい。例えば、Tth=Tdとしてもよい。
電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致する状態から一致しない状態に切り替わるタイミングと、オン期間Tvとオン期間Thとが一致しない状態から一致する状態に切り替わるタイミングの少なくとも一方を検出(以下、「ゼロクロス検出」とも称する)し、検出したタイミングをU相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qと推定する。
すなわち、電流ゼロクロス点推定部14は、U相のコイルLuの駆動電圧Vuのオン期間(第1期間Tv)とU相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号のオン期間(第2期間Th)とが一致する状態から一致しない状態に切り替わるタイミングを、コイル電流Iuの極性が正から負に切り替わるゼロクロス点Qと判定する。また、電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致しない状態から一致する状態に切り替わるタイミングを、コイル電流Iuの極性が負から正に切り替わるゼロクロス点Qであると判定する。
電流ゼロクロス点推定部14は、PWM信号の1周期と一致した間隔であるゼロクロス検出間隔ごとにゼロクロス検出を実行する。すなわち、電流ゼロクロス点推定部14におけるゼロクロス検出のタイミングは、PWM信号と同期している。したがって、PWM信号の出力タイミングや周期を調整することにより、ゼロクロス検出のタイミングを調整することができる。本実施の形態では、電流ゼロクロス点推定部14におけるゼロクロス検出のタイミングを調整することによって、モータの所定の相のコイル電流の推定したゼロクロス点Qと実際のゼロクロス点との間におけるずれを抑えるようにしている。ゼロクロス検出のタイミング調整については後述する。
例えば、電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致する状態(コイル電流Iuが正極性)においてハイレベルとなり、オン期間Tvとオン期間Thとが一致しない状態(コイル電流Iuが負極性)においてローレベルとなるゼロクロス点検出信号Sctを調整指示信号生成部15に出力する。
これにより、調整指示信号生成部15は、ゼロクロス点検出信号Sctのエッジ(立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジ)を検出することにより、コイル電流Iuのゼロクロス点Qを知ることができる。例えば、ゼロクロス点検出信号Sctがハイレベルからローレベルに切り替わる立ち下がりがおきてから最初のゼロクロス検出タイミングが、コイル電流Iuが正極性から負極性に切り替わるゼロクロス点Qとなり、ゼロクロス点検出信号Sctがローレベルからハイレベルに切り替わる立ち上がりがおきてから最初のゼロクロス検出タイミングが、コイル電流Iuが負極性から正極性に切り替わるゼロクロス点Qとなる。
なお、本実施の形態では、上述したように、電流ゼロクロス点推定部14が、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなるオン期間(第1期間)Tvと、U相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suuがハイレベルとなるオン期間(第2期間)Thとを比較して、コイル電流Iuのゼロクロス点Qを決定する場合を例示したが、これに限られない。例えば、電流ゼロクロス点推定部14は、PWM信号Suuの1周期毎に、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがローレベルとなるオフ期間と、U相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suuがローレベルとなるオフ期間とを比較し、2つのオフ期間が互いに一致するか否かを判定して、コイル電流Iuのゼロクロス点Qを決定してもよい。
調整指示信号生成部15は、目標点決定部12によって決定された目標点Pと電流ゼロクロス点推定部14によって推定されたゼロクロス点Qとの位相差Δφが所定の範囲内となるように、コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号と前記PWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号との少なくとも一方を、位相差Δφに応じて生成する。
調整指示信号生成部15は、まず、目標点決定部12によって決定されたコイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pと電流ゼロクロス点推定部14によって推定されたコイル電流Iuのゼロクロス点Qとの位相差Δφに基づいて、コイル電流調整の要否を決定する。
例えば、図3に示すように、調整指示信号生成部15は、目標点決定部12によって決定された目標点P(U相のコイルLuの誘起電圧のゼロクロス点)の位相(時刻tp)から、電流ゼロクロス点推定部14によって推定されたコイル電流Iuのゼロクロス点Qの位相(時刻tq)を減算した位相差Δφ(=時刻tpにおける位相-時刻tqにおける位相)を算出する。
調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが所定の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に応じて、コイル電流調整の要否を決定する。コイル電流調整が必要と決定した場合、位相調整のみを行うか、周波数調整のみを行うか、位相調整と周波数調整の両方を行うかのいずれかの手法によりコイル電流調整を行うのかを決定する。なお、位相調整は、“0(ゼロ)”(実質的に位相調整がされない)であってもよい。算出した位相差Δφの値によって、コイル電流調整の手法を切り替えることにより、電流ゼロクロス点推定部14におけるゼロクロス検出のタイミングを適切に調整しつつコイル電流のゼロクロス点Qを目標点Pに一致させることができる。
図6は、コイル電流調整の要否の判定について説明する図である。
図6において、T1、T2、T3、T4、T1A、T2Aは、所定の範囲を定義する位相位置を示している。T3およびT2Aは、目標点決定部12によって決定された目標点Pと一致した位相位置であり、この位相位置からPWM信号の0.5周期分のみ進角側にずれた位相位置がT1Aであり、目標点PよりPWM信号の1周期分のみ進角側にずれた位相位置がT2であり、目標点PよりPWM信号の1.25周期分のみ進角側にずれた位相位置がT1である。同様に、目標点PよりPWM信号の0.5周期分のみ遅角側にずれた位相位置がT4である。なお、位相位置がT1とT4との間を第1範囲E1と定義し、位相位置がT2とT3(T2A)との間を第2範囲E2と定義し、位相位置がT1AとT2Aとの間を第3範囲E3と定義する。すなわち、第1範囲E1の内側に第2範囲E2が存在し、第2範囲E2の内側に第3範囲E3が存在する、3つの範囲が定義できる。
図7は、目標点Pとコイル電流のゼロクロス点Qとの位相差Δφとゼロクロス検出タイミングとの関係について示す図である。
図7では、目標点PからPWM信号の1周期分(ゼロクロス検出間隔に相当)進んだ位置までの間に実際のゼロクロス点が存在する場合には、ゼロクロス検出のタイミングに応じた位置においてコイル電流のゼロクロス点Qが検出されることが示されている。
図7に示すように、目標点PからPWM信号の1周期分進んだ位置までの間に実際のコイル電流のゼロクロス点が存在する場合は、位相差Δφは進角方向においてPWM信号の1周期分以下となり、検出したコイル電流のゼロクロス点Qはゼロクロス検出のタイミング応じた位置にずれる。したがって、位相差Δφが進角方向においてPWM信号の1周期分以下の場合は、コイル電流調整として位相調整は行わず、周波数調整することによってゼロクロス検出間隔を調整して、実際のゼロクロス点が存在する位置を目標点Pに近づけている。本実施の形態では、目標点PからPWM信号の0.5周期分進んだ位置までの間にゼロクロス点Qが存在する場合は、目標点Pとコイル電流のゼロクロス点Qとが一致したとしてコイル電流調整は行わない。
また、目標点PからPWM信号の1周期分進んだ位置または目標点Pから遅れた位置よりも外側にゼロクロス点Qが存在する(位相差Δφが進角方向においてPWM信号の1周期分より大きいか遅角している)場合は、コイル電流調整として位相調整と周波数調整との両方を実行する。ただし、目標点PからPWM信号の1.25周期分進んだ位置または目標点PからPWM信号の0.5周期分遅れた位置よりも外側にゼロクロス点Qが存在する(位相差Δφが進角方向においてPWM信号の1.25周期分より大きいか、遅角方向においてPWM信号の0.5周期分遅角している)場合は、コイル電流調整として位相調整のみを行う。
調整指示信号生成部15は、具体的には、算出した位相差Δφが所定の範囲(E1、E2、ただしE1>E2)に対してどのような位置にあるかに応じて、調整方法を決定する。すなわち、調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第2範囲E2内(ゼロクロス点Qの存在する位置が位相位置T2とT3との間)であると判定した場合は、周波数調整のみを行うことを決定する。また、調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第1範囲E1外(ゼロクロス点Qの存在する位置が位相位置T1の外またはT4の外)であると判定した場合は、位相調整のみを行うことを決定する。また、調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第2範囲E2内(ゼロクロス点Qの存在する位置が位相位置T2とT3との間)でなく、かつ第1範囲E1内(ゼロクロス点Qの存在する位置が位相位置T1またはT4の内側)(T1とT2との間、T3とT4との間)であると判定した場合は、位相調整と周波数調整との少なくとも一方を行うことを決定する。なお、調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第3範囲E3(E2>E3)内(ゼロクロス点Qの存在する位置が位相位置T1AとT2A(T3)との間)であると判定した場合は、位相調整も周波数調整も行わない。
調整指示信号生成部15は、周波数調整において、PWM信号である駆動制御信号Sdの周波数を、設定範囲内において所定の最小単位ごとに増加(アップ)させた後に、必要に応じて、設定範囲内において所定の最小単位ごとに減少(ダウン)させるように指示する周波数調整指示信号Sfを駆動制御信号生成部16に出力する。
調整指示信号生成部15は、周波数を所定の最小単位ごとに増減させる際には、連続的に増減させず、所定の時間間隔が経過するごとに最小単位の周波数の増減を行う。周波数を急激に増減させないことにより、回転数が急激に変化してモータ電流が不安定になるということがない。
調整指示信号生成部15は、位相調整において、駆動制御信号Sdの出力タイミングを、位相差Δφ(=時刻tpにおける位相-時刻tqにおける位相)に応じた時間のみずらすように、駆動制御信号生成部16に指示する。
具体的には、調整指示信号生成部15は、位相差Δφが正(+)の値である場合、例えば、位相差Δφが閾値+φth以上である場合には、コイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相より進んでいると判定し、コイル電流Iuの位相を遅らせる遅角調整の実行を駆動制御信号生成部16に指示する。例えば、調整指示信号生成部15は、コイル電流Iuを位相差Δφのみ遅角させる遅角調整の実行を指示する位相調整指示信号Spを出力する。
位相差Δφが負(-)の値である場合、例えば、位相差Δφが閾値-φth以下である場合には、調整指示信号生成部15は、コイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相より遅れていると判定し、コイル電流Iuの位相を進める進角調整の実行を駆動制御信号生成部16に指示する。例えば、調整指示信号生成部15は、コイル電流Iuを位相差Δφのみ進角させる進角調整の実行を指示する位相調整指示信号Spを駆動制御信号生成部16に出力する。
また、調整指示信号生成部15は、例えば、位相差Δφが閾値-φthより大きく、且つ閾値+φthより小さい(-φth<Δφ<+φth)場合には、コイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相と略一致していると判定し、進角調整および遅角調整のいずれも実行しないことを指示する位相調整指示信号Spを駆動制御信号生成部16に出力する。
駆動制御信号生成部16は、調整指示信号生成部15から入力する位相調整指示信号Spと周波数調整指示信号Sfとの少なくとも一方に基づいて、コイル電流Iuのゼロクロス点Qとゼロクロスの目標点Pと差が小さくなるように駆動制御信号Sdを生成する。具体的には、PWM指令部17が、調整指示信号生成部15が生成した位相調整指示信号Sp周波数調整指示信号Sfとの少なくとも一方に基づいて、PWM信号の位相および周波数の設定値を決定し、PWM周期およびPWM信号のオン期間の値を含む操作量S3を決定(生成)して、PWM信号生成部18に出力する。
ここで、PWM信号の位相の設定値とは、駆動制御信号SdとしてのPWM信号を出力するための基準時刻に対する時間的なずれ幅(オフセット時間)を指定する値である。
例えば、位相差Δφのみ進角させる進角調整の実行を指示する位相調整指示信号Spが調整指示信号生成部15から出力された場合には、PWM指令部17は、基準時刻よりも位相差Δφに相当する時間Δtφのみ早くPWM信号を出力させることを指示する値“-Δtφ”を算出し、PWM信号の位相の設定値とする。
また、例えば、位相差Δφのみ遅角させる遅角調整の実行を指示する位相調整指示信号Spが調整指示信号生成部15から出力された場合には、PWM指令部17は、基準時刻よりも位相差Δφに相当する時間Δtφのみ遅くPWM信号を出力させることを指示する値“+Δtφ”を算出し、PWM信号の位相の設定値とする。
また、例えば、調整指示信号生成部15からの位相調整指示信号Spにより、進角調整および遅角調整のいずれの実行も指示しない位相調整指示信号Spが出力された場合には、PWM指令部17は、PWM信号の位相の設定値を“0(ゼロ)”とする。
PWM信号生成部18は、駆動制御信号Sdを出力するとき、操作量S3に含まれるPWM信号の位相の設定値に基づいて、駆動制御信号Sdを出力するタイミングを変化させる。例えば、駆動制御信号Sdを出力するための基準時刻が予め設定されており、PWM信号生成部18は、基準時刻から、PWM信号の位相の設定値によって指定された時間のみずらしたタイミングで、駆動制御信号Sdを出力する。
例えば、PWM信号の位相の設定値が“+Δtφ”である場合、PWM信号生成部18は、操作量S3に含まれるPWM周期およびオン期間の情報に基づいて生成した駆動制御信号Sdを、基準時刻よりもΔtφのみ遅らせて出力する。
例えば、PWM信号の位相の設定値が“-Δtφ”である場合、PWM信号生成部18は、操作量S3に含まれるPWM周期およびオン期間の情報に基づいて生成した駆動制御信号Sdを、基準時刻よりもΔtφのみ早く出力する。
また、例えば、PWM信号の位相の設定値が“0(ゼロ)”である場合、PWM信号生成部18は、操作量S3に含まれるPWM周期およびオン期間の情報に基づいて生成した駆動制御信号Sdを、出力タイミングをずらすことなく、基準時刻に出力する。なお、出力タイミングをずらさないということは、その時点で位相調整(進角、遅角調整)が行われていれば、その位相調整を維持することを意味する。
次に、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1によるモータ5の駆動制御の流れについて説明する。
図8は、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1によるモータ駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。
例えば、直流電圧Vddがモータ駆動制御装置1に投入され、モータ駆動制御装置1が起動したとき、先ず、モータ駆動制御装置1は、駆動指令信号Scが入力されているか否かを判定する(ステップS1)。駆動指令信号Scが入力されていないと判定した場合(ステップS1:NO)には、モータ駆動制御装置1は駆動指令信号Scが入力されるまで待機する。
駆動指令信号Scが入力されていると判定した場合(ステップS1:YES)には、モータ駆動制御装置1は、モータ5の駆動制御を開始する(ステップS2)。具体的には、駆動制御信号生成部16が、駆動指令解析部11によって解析されたモータ5の目標回転速度S1に基づいてPWM周期とオン期間とを決定し、決定したPWM周期およびオン期間を有する6種類のPWM信号Suu等を生成し、駆動制御信号Sdとして駆動回路3に入力する。これにより、駆動回路3がモータ5のコイルLu,Lv,Lwの通電方向を切り替えて、モータ5を回転させる。
次に、モータ駆動制御装置1は、U相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点Pを決定する(ステップS3)。例えば、上述したように、目標点決定部12が、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジから電気角30度のみ進んだタイミングを目標点Pと決定する(図3参照)。
次に、モータ駆動制御装置1は、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qを推定する(ステップS4)。
図9は、図8におけるU相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qを推定する処理(ステップS4)の流れを示すフローチャートである。
コイル電流Iuのゼロクロス点Qを推定する処理(ステップS4)において、先ず、電流ゼロクロス点推定部14は、U相のハイサイドスイッチQuHを駆動するPWM信号Suuのデューティ比が0%であるか否かを判定する(ステップS41)。
PWM信号Suuのデューティ比が0%である場合(ステップS41:YES)、電流ゼロクロス点推定部14は、U相のコイル電流Iuが負極性であると判定する(ステップS44)。PWM信号Suuのデューティ比が0%でないと判定した場合(ステップS41:NO)には、電流ゼロクロス点推定部14は、U相のコイルLuの駆動電圧Vuがハイレベルとなるオン期間Tvと、U相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suuがハイレベルとなるオン期間Thとの差|Th-Tv|を算出し、差|Th-Tv|が閾値Tth以上であるか否かを判定する(ステップS42)。
オン期間Tvとオン期間Thとの差|Th-Tv|が閾値Tth以上であると判定した場合(ステップS42:YES)には、電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致していない(不一致である)と判定し、U相のコイル電流Iuが負極性であると判定する(ステップS44)。
一方、オン期間Tvとオン期間Thとの差|Th-Tv|が閾値Tth未満であると判定した場合(ステップS42:NO)には、電流ゼロクロス点推定部14は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致していると判定し、U相のコイル電流Iuが正極性であると判定する(ステップS43)。
ステップS43またはステップS44の後、電流ゼロクロス点推定部14は、モータ5のコイル電流Iuの極性が切り替わったか否かを判定する(ステップS45)。例えば、電流ゼロクロス点推定部14は、ステップS43またはステップS44で判定したコイル電流Iuの極性と、その前のステップS43またはステップS44で判定したコイル電流Iuの極性とが相違するか否かを判定する。
コイル電流Iuの極性が切り替わっていないと判定した場合(ステップS45:NO)、すなわち、ステップS43またはステップS44で判定したコイル電流Iuの極性と、その前のステップS43またはステップS44で判定したコイル電流Iuの極性とが一致する場合、電流ゼロクロス点推定部14は、ステップS41に戻り、ステップS41~S45までの処理を再度実行する。
一方、コイル電流Iuの極性が切り替わっていると判定した場合(ステップS45:YES)、すなわち、ステップS43またはステップS44で判定したコイル電流Iuの極性と、その前のステップS43またはステップS44で判定したコイル電流Iuの極性とが一致しない場合、電流ゼロクロス点推定部14は、U相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qを推定する(ステップS46)。例えば、電流ゼロクロス点推定部14は、ステップS43またはステップS44が実行された時刻とその直前のステップS43またはステップS44が実行された時刻との間の期間(ゼロクロス点存在範囲)Tz1(またはTz2)内の一点をU相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qとする(図4Aまたは図4B参照)。これにより、ステップS4の処理が終了する。
図8に示すように、ステップS4の終了後、モータ駆動制御装置1は、モータ5のコイル電流調整を行う(ステップS5)。
図10は、図8におけるモータ5のコイル電流調整処理(ステップS5)の流れを示すフローチャートである。
コイル電流調整処理(ステップS5)において、先ず、調整指示信号生成部15は、ステップS3で決定した目標点PとステップS4で推定したU相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qとの位相差Δφ(=時刻tpにおける位相-時刻tqにおける位相)を算出する(ステップS51)。
次に、調整指示信号生成部15は、ステップS51で算出した位相差Δφが、第2範囲E2内であるか否か(U相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qが位相位置T2とT3との間にあるか否か)を判定する(ステップS52)。調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第2範囲E2内でないと判定した場合(ステップS52:NO)には、さらに、算出した位相差Δφが第1範囲E1外であるか否か(U相のコイル電流Iuのゼロクロス点Qが位相位置T1の外側、またはT4の外側にあるか否か)を判定する(ステップS53)。
調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第1範囲E1外であると判定した場合(ステップS53:YES)は、位相調整を行うと決定して位相調整を許可する(ステップS54)。調整指示信号生成部15は、さらに、位相調整が許可されているかを確認して(ステップS55)、位相調整が許可されていないと判定した場合(ステップS55:NO)、再度、ステップS51に戻る。
一方で位相調整が許可されていると判定した場合(ステップS55:YES)には、調整指示信号生成部15は、ステップS51で算出した位相差Δφが閾値+φth以上であるか否かを判定する(ステップS56)。位相差Δφが閾値+φth以上であると判定した場合(ステップS56:YES)には、調整指示信号生成部15は、コイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相より進んでいると判定し、コイル電流Iuの位相を遅らせる遅角調整の実行を駆動制御信号生成部16に指示する位相調整指示信号Spを生成する(ステップS57)。これにより、上述したように、駆動制御信号生成部16は、位相差Δφに相当する時間Δtφのみ基準時刻よりも遅らせたタイミングで駆動制御信号Sdを出力する。
一方、ステップS56において、位相差Δφが閾値+φth未満であると判定した場合(ステップS56:NO)には、調整指示信号生成部15は、位相差Δφが閾値-φth以下であるか否かを判定する(ステップS58)。位相差Δφが閾値-φth以下である場合(ステップS58:YES)、調整指示信号生成部15は、コイル電流Iuの位相がU相のコイルLuの誘起電圧の位相より遅れていると判定し、コイル電流Iuの位相を進ませる進角調整の実行を駆動制御信号生成部16に指示する位相調整指示信号Spを生成する(ステップS59)。これにより、上述したように、駆動制御信号生成部16が、位相差Δφに相当する時間Δtφのみ基準時刻よりも早いタイミングで駆動制御信号Sdを出力する。
一方、ステップS58において、位相差Δφが閾値-φthより大きいと判定した場合(ステップS58:NO)には、調整指示信号生成部15は、コイル電流Iuのゼロクロス点Qが目標点Pの目標範囲内にあると判定し、コイル電流Iuの位相調整を駆動制御信号生成部16に指示する位相調整指示信号Spを生成しない(ステップS61)。これにより、上述したように、駆動制御信号生成部16が、出力タイミングをずらすことなく、基準時刻において駆動制御信号Sdを出力する。
以上により、ステップS5の処理が終了する。
調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第1範囲E1外ではないと判定した場合(ステップS53:NO)は、周波数調整を行うと決定して図10に示す周波数調整1の処理を実行する(ステップS60)。
図11は、図10における周波数調整1の処理(ステップS60)を示す図である。
図11の周波数調整1は、位相差Δφが第1範囲E1内でかつ第2範囲E2外である場合に、調整指示信号生成部15によって実行される周波数調整の処理である。
調整指示信号生成部15は、所定の時間間隔でカウンタをカウントアップし(ステップS71)、カウンタが一定値以上になったか否かを判定する(ステップS72)。調整指示信号生成部15は、カウンタが一定値以上になったと判定した場合(ステップS72:YES)には、位相調整を許可し(ステップS73)、カウンタをクリアする(ステップS74)。
一方で、調整指示信号生成部15は、カウンタが一定値以上になっていないと判定した場合(ステップS72:NO)には、周波数調整1の処理(ステップS60)を終了する。しかしながら、位相調整許可がされていないので、再度、周波数調整1の処理の最初のステップであるステップS71からの処理が実行される。
調整指示信号生成部15は、ステップS74においてカウンタをクリアした後、位相差Δφが第3範囲E3外であるか否かを判定する(ステップS75)。周波数調整1の処理は、既に、ステップS52において位相差Δφが第2範囲E2内ではないことが判定されているため、この処理は省略してもよい。調整指示信号生成部15は、位相差Δφが第3範囲E3外でないと判定した場合(ステップS75:NOには)、図10のステップS55へと進む。
調整指示信号生成部15は、位相差Δφが第3範囲E3外であると判定した場合(ステップS75:YES)には、現在設定されている制御が周波数アップ制御であるか否かを判定する(ステップS76)。周波数制御は、モータの回転が不安定にならないように設定された周波数の範囲内において行われる。周波数制御には、周波数を最小単位のみ周波数をアップ(増加)させる処理を行う周波数アップ制御と、周波数を最小単位のみ周波数をダウン(減少)させる処理を行う周波数ダウン制御とがある。初期状態では、周波数アップ制御に設定されている。
調整指示信号生成部15は、周波数アップ制御を実行すると判定した場合(ステップS76:YES)には、PWM信号の周波数を最小単位のみアップ(増加)させるための周波数調整指示信号Sfを生成する(ステップS77)。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最大値に到達したかを判定し(ステップS78)、最大値に到達していないと判定した場合(ステップS78:NO)には、図10のステップS55へと進む。
調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最大値に到達していると判定した場合(ステップS78:YES)には、周波数アップ制御から周波数ダウン制御へ切り替えて(ステップS79)、図10のステップS55へと進む。
調整指示信号生成部15は、周波数アップ制御でないと判定した場合(ステップS76:NO)には、PWM信号の周波数を最小単位のみダウン(減少)させるための周波数調整指示信号Sfを生成する(ステップS80)。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最小値に到達したかを判定し(ステップS81)、最小値に到達していないと判定した場合(ステップS81:NO)には、図10のステップS55へと進む。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最小値に到達していると判定した場合(ステップS81:YES)には、周波数ダウン制御から周波数アップ制御へ切り替えて(ステップS82)、図10のステップS55へと進む。
図10において、調整指示信号生成部15は、算出した位相差Δφが第2範囲E2であると判定した場合(ステップS52:YES)は、位相調整を禁止して(ステップS62)、周波数調整を行うと決定して図12に示す周波数調整2の処理を実行する(ステップS63)。
図12は、図10における周波数調整2の処理(ステップS63)を示す図である。
図12の周波数調整1は、位相差Δφが第2範囲E2内である場合に、調整指示信号生成部15によって実行される周波数調整の処理である。図12に示す周波数調整2の処理では、図11の周波数調整1の処理におけるステップS73の処理(位相調整を許可する処理)がない以外はほぼ同様の処理を実行する。
調整指示信号生成部15は、所定の時間間隔でカウンタをカウントアップし(ステップS91)、カウンタが一定値以上になったか否かを判定する(ステップS92)。調整指示信号生成部15は、カウンタが一定値以上になったと判定した場合(ステップS92:YES)には、カウンタをクリアする(ステップS94)。
一方で、調整指示信号生成部15は、カウンタが一定値以上になっていないと判定した場合(ステップS92:NO)には、周波数調整2の処理を終了する。しかしながら、位相調整許可がされていないので、再度、周波数調整2の処理の最初のステップであるステップS91からの処理が実行される。
調整指示信号生成部15は、ステップS94においてカウンタをクリアした後、位相差Δφが第3範囲E3外であるか否かを判定する(ステップS95)。
調整指示信号生成部15は、位相差Δφが第3範囲E3外であると判定した場合には(ステップS95:YES)、現在設定されている制御が周波数アップ制御であるか否かを判定する(ステップS96)。
調整指示信号生成部15は、周波数アップ制御を実行すると判定した場合(ステップS96:YES)には、PWM信号の周波数を最小単位のみアップ(増加)させるための周波数調整指示信号Sfを生成する(ステップS97)。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最大値に到達したかを判定し(ステップS98)、最大値に到達していないと判定した場合(ステップS98:NO)には、図10のステップS55へと進む。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最大値に到達していると判定した場合(ステップS98:YES)には、周波数アップ制御から周波数ダウン制御へ切り替えて(ステップS99)、図10のステップS55へと進む。
調整指示信号生成部15は、周波数アップ制御でないと判定した場合(ステップS96:NO)には、PWM信号の周波数を最小単位のみダウン(減少)させるための周波数調整指示信号Sfを生成する(ステップS100)。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最小値に到達したかを判定し(ステップS101)、最小値に到達していないと判定した場合(ステップS101:NO)には、図10のステップS55へと進む。調整指示信号生成部15は、周波数が設定範囲の最小値に到達していると判定した場合(ステップS101:YES)には、周波数ダウン制御から周波数アップ制御へ切り替えて(ステップS102)、図10のステップS55へと進む。
調整指示信号生成部15は、位相差Δφが第3範囲E3外でないと判定した場合(ステップS95:NO)には、図10のステップS55へと進む。位相差Δφが第3範囲E3外でないと判定した場合は、位相差Δφが調整の必要の無い第3範囲内になったといえるため、周波数調整を終了することができる。
図8に示すように、ステップS5の終了後、モータ駆動制御装置1は、ステップS2に戻り、ステップS2~S6の処理を繰り返し実行する。これにより、駆動効率が低下することなく、モータ5の回転が継続する。
図13は、実施の形態に係るモータ駆動制御装置1によってモータ5のコイル電流の周波数調整および位相調整を行ったときの各信号の電圧およびコイル電流の変化を表すタイミングチャートである。
同図には、モータ駆動制御装置1によってモータ5のU相のコイル電流Iuの位相調整が実行されたときのモータユニット100の各電圧および電流の状態が示されている。
図13において、上段から下段に向かって、位置検出信号(ホール信号)Shu、U相のハイサイドスイッチQuHのPWM信号Suu、U相の駆動電圧Vu、ゼロクロス点検出信号Sct、およびU相のコイル電流Iuの順に、それぞれの波形が示されている。また、図13において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧または電流を表している。
図13に示されるように、時刻t1においてU相のコイル電流Iuが負から正に切り替わるゼロクロス点Qが検出され、そのゼロクロス点Qが、位置検出信号(ホール信号)Shuの立ち上がりエッジから電気角30度のみ位相が進んだ位置にある目標範囲(U相のコイル電流Iuのゼロクロスの目標点P)に一致するようにコイル電流Iuの周波数と位相が調整されていることが理解される。これにより、モータ5の誘起電圧とコイル電流Iuの位相が略一致することになるので、モータ5の駆動効率を向上させることが可能となる。
以上、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1は、モータ5の所定の相のコイルの誘起電圧に同期する位置検出信号Shuに基づいて、所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点P(時刻tpの点)を決定するとともに、PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって所定の相のコイル電流のゼロクロス点Q(時刻tqの点)を推定する。モータ駆動制御装置1は、推定した所定の相のコイル電流のゼロクロス点Qとゼロクロスの目標点Pとの位相差Δφ(=時刻tpにおける位相-時刻tqにおける位相)が所定範囲内となるように、コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号(Sp)とPWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号(Sf)との少なくとも一方を、位相差Δφに応じて生成し、生成された位相調整指示信号(Sp)と周波数調整指示信号(Sf)との少なくとも一方に基づいて、モータ5を駆動するための駆動制御信号Sd(PWM信号)を生成する。
上述したように、所定の相のコイルの駆動電圧のオン期間(第1期間)Tvと、所定の相のコイルを駆動するハイサイドスイッチをオン・オフさせる信号のオン期間(第2期間)Thとを比較し、所定の相のコイル電流のゼロクロス点Q(tq)を推定する。また、モータ5の所定の相のコイルに対応する位置に位置検出器6(ホール素子)を配置することにより、所定の相のコイルの誘起電圧に同期した位置検出信号Shuを得ることができる。そして、位置検出信号Shuと誘起電圧との間の位相差が分かっていれば、位置検出信号Shuの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに基づいて、誘起電圧のゼロクロス点、すなわち、モータ5の所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点Pを決定することが可能となる。
更に、上述したように、モータ5の所定の相(例えば、U相)のコイル電流が正(+)極性である期間ではオン期間Tvとオン期間Thとが一致し、コイル電流が負(-)極性である期間ではオン期間Tvとオン期間Thとが不一致となるので、オン期間Tvとオン期間Thとを比較することにより、コイル電流が正極性から負極性に切り替わるゼロクロス点またはコイル電流が負極性から正極性に切り替わるゼロクロス点を検出することが可能となる。
具体的には、モータ駆動制御装置1は、オン期間Tvとオン期間Thとが一致するか否かを判定するとともに、オン期間Tvとオン期間Thが一致する状態から一致しない状態に切り替わるタイミングと、オン期間Tvとオン期間Thが一致しない状態から一致する状態に切り替わるタイミングの少なくとも一方を検出し、検出したタイミングを所定の相のコイル電流のゼロクロス点と推定する。
これによれば、モータ5のコイル電流を直接モニタしなくても、コイル電流のゼロクロス点を容易に推定することが可能となる。
そして、モータ駆動制御装置1は、所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点Pと所定の相のコイル電流のゼロクロス点Qとの位相差Δφに応じてコイル電流調整を行うことにより、モータの所定の相のコイルの誘起電圧の位相とコイル電流の位相との位相差を小さくすることができる。
以上のように、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置1によれば、モータ5の回転速度を不安定にすることなく、位相調整の精度が高くなり、モータの駆動効率を向上させることが可能となる。
また、モータ駆動制御装置1は、制御回路において、所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する前のタイミングで、PWM信号と位置検出信号との同期をとる。
これによれば、調整周期ごとの位置検出信号から決定されるコイル電流のゼロクロスの目標点Pに対するPWM信号の位置が安定し、調整が容易になる。
また、モータ駆動制御装置1は、調整指示信号生成部15において、位相差が第1範囲外である場合には、位相差が第1範囲内になるまで位相調整指示信号のみを生成し、位相差が第1範囲内となったら、周波数調整指示信号と位相調整指示信号との少なくとも一方を生成する。
これによれば、位相差が大きいときは位相調整のみを行うことで、効率的に位相差を小さくすることができる。
また、モータ駆動制御装置1は、調整指示信号生成部15において、位相差が第1範囲の内側にある第2範囲内である場合には、位相調整指示信号の生成を禁止し、周波数調整指示信号のみを生成する。
これによれば、位相差がある程度小さいときは位相調整を禁止して周波数調整のみを行うことで、位相差の微調整を安定して行うことができる。
また、モータ駆動制御装置1は、調整指示信号生成部15において、周波数調整指示信号により、周波数の最小単位ごとにPWM信号の周波数を調整することを指示し、所定時間間隔あけて周波数調整指示信号を生成する。
これによれば、周波数を変えてから回転が安定するまでに時間を要する場合でも、回転が不安定になって位相が大きくずれることはなく、回転を安定させながら周波数を調整することができる。
また、モータ駆動制御装置1は、調整指示信号生成部15において、周波数調整指示信号により、所定の周波数範囲内の最大周波数に到達するまでPWM信号の周波数を増加させるように指示する、または所定の周波数範囲内の最小周波数に到達するまでPWM信号の周波数を減少させるように指示する。
これによれば、所定の周波数範囲を位相調整の制御が安定すると考えられる適切な範囲に設定することで、早く位相調整が可能となるとともに、徐々に増減して調整することで、デューティの変化が緩やかとなり、電流、回転数の急激な変化を抑制することができる。
また、モータ駆動制御装置1は、調整指示信号生成部15において、位相差が第2範囲の内側にある第3範囲内となったら、周波数調整指示信号の生成を終了する。
これによれば、所望の位相差まで調整することができる。
また、モータ駆動制御装置1は、駆動制御信号生成部は、駆動制御信号の操作量を生成するPWM指令部と、操作量に基づいて駆動制御信号を生成するPWM信号生成部とを有し、PWM指令部は、回転速度の指令値と現在の回転速度に基づいて回転速度の設定値を決定する回転速度設定部と、位相調整指示信号に基づいて位相の設定値を決定する位相設定部と、周波数調整指示信号に基づいて周波数の設定値を決定する周波数設定部と、決定された、回転速度の設定値と位相の設定値と周波数の設定値とに基づいて操作量を決定する操作量決定部とを有する。
これによれば、回転速度指令、位相指令、周波数指令のいずれにも満足する駆動制御信号を生成することができる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、モータ5の3相(U相、V相、およびW相)のうちU相のコイルに対して位置検出器6を配置するとともに、U相の駆動電圧Vuおよびコイル電流Iuのゼロクロス点を検出する場合を例示したが、これに限れず、V相のコイルLvに対して位置検出器6を配置して、V相の駆動電圧Vvおよびコイル電流Ivのゼロクロス点を検出してコイル電流Ivの位相調整を行ってもよいし、W相のコイルLwに対して位置検出器6を配置して、W相の駆動電圧Vwおよびコイル電流Iwのゼロクロス点を検出してコイル電流Iwの位相調整を行ってもよい。また、U相、V相、W相のうちの2つの相あるいは全ての相に対して位置検出器6を配置し、いずれかの相の駆動電圧およびコイル電流のゼロクロス点を検出し、検出した相のコイル電流の位相調整を行ってもよい。
また上記実施の形態では、電流ゼロクロス点推定部14が、コイルLuの駆動電圧Vuのオン期間(第1期間Tv)とU相のハイサイドスイッチのPWM信号のオン期間(第2期間Th)とが一致する状態から一致しない状態に切り替わるタイミング(コイル電流Iuが正から負に切り替わるゼロクロス点Q)と、オン期間Tvオン期間Thとが一致しない状態から一致する状態に切り替わるタイミング(コイル電流Iuが負から正に切り替わるゼロクロス点Q)の両方を検出する場合を例示したが、何れか一方のゼロクロス点Qを検出するようにしてもよい。例えば、電流ゼロクロス点推定部14は、コイル電流Iuが負から正に切り替わるゼロクロス点Qのみを検出してもよい。
上記実施の形態において、モータ5の種類は、ブラシレスDCモータに限定されない。また、モータ5は、3相に限られず、例えば単相のブラシレスDCモータであってもよい。
上記実施の形態において、位置検出器6としてホール素子を用いる場合を例示したが、これに限られない。例えば、位置検出器6として、ホールIC、エンコーダ、レゾルバなどを設け、それらの検出信号を位置検出信号Shuとしてモータ駆動制御装置1に入力してもよい。
また、上述のフローチャートは一例であって、これらに限定されるものではなく、例えば、各ステップ間に他の処理が挿入されていてもよいし、処理が並列化されていてもよい。
1…モータ駆動制御装置、2…制御回路、3…駆動回路、4…相電圧検出回路、5…モータ、6…位置検出器、11…駆動指令解析部、12…目標点決定部、13…相電圧入力部、14…電流ゼロクロス点推定部、15…調整指示信号生成部、16…駆動制御信号生成部、17…PWM指令部、171…回転速度設定部、172…位相設定部、173…周波数設定部、174…操作量決定部、18…PWM信号生成部、100…モータユニット、200…位置検出信号Shuの波形、201…U相のコイルLuの駆動電圧Vuの波形、202…U相のコイルLuの誘起電圧の波形、203…U相のコイルLuのコイル電流Iuの波形、Lu,Lv,Lw…コイル、Iu…U相のコイル電流、S1…目標回転速度、S3…操作量、Sc…駆動指令信号、Sct…ゼロクロス点検出信号、Shu…位置検出信号、Sp…位相調整指示信号、Sf…周波数調整指示信号、Sd…駆動制御信号、Suu,Sul,Svu,Svl,Swu,Swl…PWM信号、Tv…コイルLuの駆動電圧Vuのオン期間(第1期間)、Th…PWM信号Suuのオン期間(第2期間)、Td…デッドタイム期間、Tz1,Tz2…ゼロクロス点存在範囲、T1,T1A,T2,T2A,T3,T4…位相位置、E1…第1範囲(位相差の)、E2…第2範囲(位相差の)、E3…第3範囲(位相差の)、QuH,QvH,QwH…ハイサイドスイッチ、QuL,QvL,QwL…ローサイドスイッチ、Δφ…位相差、+φth,-φth…閾値、Tth…閾値、Vu…コイルLuの駆動電圧、Vv…コイルLvの駆動電圧、Vw…コイルLwの駆動電圧、Vdd直流電圧、P…コイル電流Iuのゼロクロスの目標点、Q…コイル電流Iuのゼロクロス点。

Claims (11)

  1. 少なくとも1相のコイルを有するモータを駆動するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、
    前記モータの各相のコイルに対応して設けられた互いに直列に接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記駆動制御信号に応じて前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチを交互にオン・オフさせて、対応する相のコイルの通電方向を切り替える駆動回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧に同期し、且つ前記モータのロータの回転位置に対応する位置検出信号に基づいて、前記所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点を決定する目標点決定部と、
    前記PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、前記所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出することによって前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する電流ゼロクロス点推定部と、
    前記目標点決定部によって決定された前記目標点と前記電流ゼロクロス点推定部によって推定された前記ゼロクロス点との位相差が所定の範囲内となるように、前記コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号と前記PWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号との少なくとも一方を、該位相差に応じて生成する調整指示信号生成部と、
    前記調整指示信号生成部によって生成された前記位相調整指示信号と前記周波数調整指示信号との少なくとも一方に基づいて、前記駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、を有する
    モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記電流ゼロクロス点推定部は、前記所定の相のコイルの駆動電圧と、前記所定の相に対応する前記ハイサイドスイッチをオン・オフさせる信号のオン期間およびオフ期間の少なくとも一方とを比較し、その比較結果に基づいて前記所定の相のコイル電流の電流方向の変化を検出する
    モータ駆動制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記制御回路は、前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する前のタイミングで、前記PWM信号と前記位置検出信号との同期をとる
    モータ駆動制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記調整指示信号生成部は、前記位相差が第1範囲外である場合には、前記位相差が前記第1範囲内になるまで前記位相調整指示信号のみを生成し、前記位相差が前記第1範囲内となったら、前記周波数調整指示信号と前記位相調整指示信号との少なくとも一方を生成する
    モータ駆動制御装置。
  5. 請求項4に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記調整指示信号生成部は、前記位相差が前記第1範囲の内側にある第2範囲内である場合には、前記位相調整指示信号の生成を禁止し、前記周波数調整指示信号のみを生成する
    モータ駆動制御装置。
  6. 請求項4または5に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記調整指示信号生成部は、前記周波数調整指示信号により、周波数の最小単位ごとに前記PWM信号の周波数を調整することを指示し、所定時間間隔あけて前記周波数調整指示信号を生成する
    モータ駆動制御装置。
  7. 請求項6に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記調整指示信号生成部は、前記周波数調整指示信号により、所定の周波数範囲内の最大周波数に到達するまで前記PWM信号の周波数を増加させるように指示する、または、前記所定の周波数範囲内の最小周波数に到達するまで前記PWM信号の周波数を減少させるように指示する
    モータ駆動制御装置。
  8. 請求項5に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記調整指示信号生成部は、前記位相差が前記第2範囲の内側にある第3範囲内となったら、前記周波数調整指示信号の生成を終了する
    モータ駆動制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    駆動制御信号生成部は、前記駆動制御信号の操作量を生成するPWM指令部と、前記操作量に基づいて前記駆動制御信号を生成するPWM信号生成部とを有し、
    前記PWM指令部は、回転速度の指令値と現在の回転速度に基づいて回転速度の設定値を決定する回転速度設定部と、前記位相調整指示信号に基づいて位相の設定値を決定する位相設定部と、前記周波数調整指示信号に基づいて周波数の設定値を決定する周波数設定部と、決定された、前記回転速度の設定値と前記位相の設定値と前記周波数の設定値とに基づいて前記操作量を決定する操作量決定部とを有する
    モータ駆動制御装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置と、
    前記モータと、を備える
    モータユニット。
  11. 少なくとも1相のコイルを有するモータを駆動するためのPWM信号である駆動制御信号を生成する制御回路と、前記モータの各相のコイルに対応して設けられた互いに直列に接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを含み、前記駆動制御信号に応じて前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチを交互にオン/オフさせて対応する相のコイルの通電方向を切り替える駆動回路と、を備えるモータ駆動制御装置によるモータ制御方法であって、
    前記制御回路が、前記モータの所定の相のコイルの誘起電圧に同期し、且つ前記モータのロータの回転位置に対応する位置検出信号に基づいて、前記所定の相のコイル電流のゼロクロスの目標点を決定する第1ステップと、
    前記制御回路が、前記PWM信号の1周期毎の所定のタイミングで、前記所定の相のコイの電流方向の変化を検出することによって前記所定の相のコイル電流のゼロクロス点を推定する第2ステップと、
    前記制御回路が、前記第1ステップにおいて決定された前記目標点と前記第2ステップにおいて推定された前記ゼロクロス点との位相差が所定の範囲内となるように、前記コイル電流の位相調整を指示する位相調整指示信号と前記PWM信号の周波数調整を指示する周波数調整指示信号との少なくとも一方を、該位相差に応じて生成する第3ステップと、
    前記制御回路が、前記第3ステップにおいて生成した前記位相調整指示信号と前記周波数調整指示信号との少なくとも一方に基づいて、前記駆動制御信号を生成する第4ステップと、を含む
    モータ駆動制御方法。
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