JP2024005747A - 保持装置 - Google Patents

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保明 公門
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Abstract

【課題】絶縁性を向上させる保持装置を提供する。【解決手段】保持面及び下面12を備える板状部材10と、上面21、上面21とは反対側に設けられる下面22及び貫通孔25を備える金属製のベース部材20と、板状部材10とベース部材20とを接合する接合層40と、貫通孔25に配置される環状の絶縁スリーブ30と、を有し、板状部材10の保持面上で半導体ウエハWを保持する静電チャック1において、絶縁スリーブ30は、外側へ突出する環状の突出部31を備える。突出部31は、板状部材10側の上面31a、ベース部材10側の下面31b及び上面31aと下面31bを繋ぐ側周面31cを有し、絶縁スリーブ30を板状部材10に接合する接着部70が形成されている。接着部70は、第1接着部71と、第2接着部72と、を有する。【選択図】図3

Description

本開示は、対象物を保持する保持装置に関する。
保持装置として、例えば、特許文献1に記載された静電チャックが知られている。この静電チャックは、対象物を保持する載置台(板状部材)と、載置台に接合された金属製のベースプレート(ベース部材)とを備えている。載置台の内部には、静電電極が配置されており、この静電電極には載置台の底面に設けられた接続電極が接続されている。
一方、ベースプレートには貫通孔が形成されており、貫通孔内に給電端子が配置されている。この給電端子は、載置台に備わる接続端子に接合されている。そして、接続電極及び給電端子とベースプレートとの間の絶縁性を確保するため、ベースプレートの貫通孔内に筒状絶縁部品(絶縁部材)が配置されている。この筒状絶縁部品は、接着剤を用いて載置台に固定されている。
特許第6308871号公報
しかしながら、上記の静電チャックでは、絶縁部材を板状部材に固定するために、接着部分にペースト状の接着剤を充填して硬化させているので、充填中に空気が噛み込んでしまい、硬化後の接着剤の内部に気泡が形成されることがある。そして、近年の高電圧環境下での使用時において、接着剤の内部に気泡が形成されていると、気泡を経由する放電経路が形成されるため、絶縁性が低下して絶縁破壊するおそれがある。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、絶縁性を向上させることができる保持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、
第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面と、前記第2の面に開口する孔と、を備える板状部材と、
第3の面と、前記第3の面とは反対側に設けられる第4の面と、前記第3の面と前記第4の面を貫通して前記孔に連通する貫通孔と、を備える金属製のベース部材と、
前記第2の面と前記第3の面との間に配置され、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合層と、
前記貫通孔に配置される環状の絶縁部材と、を有し、
前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置において、
前記絶縁部材は、外側へ突出する環状の突出部を備え、
前記突出部は、前記板状部材側の面、前記ベース部材側の面、および、前記板状部材側の面と前記ベース部材側の面を繋ぐ側周面を有し、
前記絶縁部材を前記板状部材に接合する接着部が形成されており、
前記接着部は、
前記突出部のうち前記板状部材側の面及び前記側周面と前記板状部材との間に充填される第1接着部と、
前記突出部のうち前記ベース部材側の面と前記第2の面と前記第1接着部とに接する第2接着部と、を有することを特徴とする。
この保持装置において、絶縁部材を板状部材に固定する際、第1接着部は、突出部のうち板状部材側の面及び側周面と板状部材との間に充填されるため、絶縁部材と板状部材との間に隙間なく配置されるが、空気が噛み込んでしまい内部に気泡が形成される場合がある。そうすると、第1接着部だけでは、内部に形成された気泡を経由する放電経路が形成されて絶縁破壊するおそれがある。
一方、第2接着部は、突出部のうちベース部材側の面と第2の面と第1接着部とに接するように配置されている。そのため、第2接着部は、第1接着部を覆うように絶縁部材の突出部と板状部材の第2の面との両方に連続して貼り付いている。
従って、接着部が第1接着部と第2接着部とを有するため、接着部を経由する放電経路は、第1接着部の内部に気泡が存在しても、第2接着部の表面に沿って絶縁部材側へ迂回するように形成される。これにより、第2接着部によって絶縁距離を伸ばすことができるので、絶縁性を向上させることができる。
上記した保持装置において、
前記第2接着部は、前記接合層の一部であることが好ましい。
接合層を貫通孔の内側へ入り込むように配置することにより、接合層の一部で第2接着部を形成することができる。このような第2接着部を形成することにより、第1接着部の内部に気泡が存在しても、絶縁破壊の発生経路を、第2接着部の表面に沿って絶縁部材側へ迂回するように確実に形成することができる、従って、絶縁距離を確実に長くすることができるため、絶縁性をより向上させることができる。
上記したいずれかの保持装置において、
前記第2接着部の内部には気泡が存在しないことが好ましい。
第2接着部にシート状の接着剤を使用することにより、気泡が存在しない接着部を実現することができる。そして、第2接着部の内部に気泡が存在しないため、第2接着部の表面に沿って絶縁部材側へ迂回するように絶縁破壊の発生経路が形成される。そのため、第1接着部の内部に気泡が存在しても、第2接着部によって絶縁距離を伸ばすことができるため、絶縁性を向上させることができる。
上記したいずれかの保持装置において、
前記絶縁部材の前記第2の面側の端面は、前記第2の面に開口する前記孔の底面まで延びていることが好ましい。
これにより、絶縁部材内に配置される給電端子と、孔の底面に配置されて給電端子に接続する端子パッドとの接続部分付近を、絶縁部材によって完全に覆うことができる。つまり、端子パッドと給電端子とが、絶縁部材で完全に覆われる。これにより、端子パッドと給電端子の接続部分付近を接着剤だけで覆う場合に比べて、絶縁性を向上させることができる。
そして、絶縁部材は、前記第4の面まで延びて前記貫通孔の全域に配置されているとよい。これにより、ベース部材の貫通孔の内周面全域が絶縁部材で覆われるため、絶縁性を更に向上させることができる。
上記したいずれかの保持装置において、
前記板状部材の前記孔に段差部が形成されており、
前記突出部の前記板状部材側の面が前記段差部に接触していることが好ましい。
突出部の板状部材側の面と孔の段差部には、研磨加工が施される。そのため、突出部の板状部材側の面を段差部に接触させることにより、研磨加工された面同士を突き合わせた状態で絶縁部材の位置決めを行うことができる。これにより、ベース部材の第4の面(下面)からの飛び出し量の精度を良くすることができる。従って、絶縁部材の端部をベース部材の第4の面(下面)と面一に配置することができ、絶縁性を向上させることができる。
本開示によれば、絶縁性を向上させることができる保持装置を提供することができる。
第1実施形態の静電チャックの概略斜視図である。 第1実施形態の静電チャックのXZ断面の概略構成図である。 図2に示すA部を拡大して示す図である。 従来の静電チャックの接着部(第1接着部)に気泡が発生した場合の放電経路を示す図である。 第1実施形態の静電チャックの第1接着部に気泡が発生した場合の放電経路を示す図である。 第2実施例の静電チャックにおける接着部付近のXZ断面の概略構成図である。 第3実施例の静電チャックにおける接着部付近のXZ断面の概略構成図である。
本開示に係る実施形態である保持装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、保持装置として、例えば、成膜装置(CVD成膜装置やスパッタリング成膜装置など)やエッチング装置(プラズマエッチング装置など)といった半導体製造装置に使用される静電チャックを例示して説明する。
そこで、本実施形態の静電チャック1について、図1~図4を参照しながら説明する。本実施形態の静電チャック1は、半導体ウエハW(対象物)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば、半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウエハWを固定するために使用される。図1に示すように、静電チャック1は、板状部材10と、ベース部材20と、板状部材10とベース部材20とを接合する接合層40とを有する。
以下の説明においては、説明の便宜上、図1に示すようにXYZ軸を定義する。ここで、Z軸は、静電チャック1の軸線方向(図1において上下方向)の軸であり、X軸とY軸は、静電チャック1の径方向の軸である。
板状部材10は、図1に示すように、円形の部材であり、セラミックスにより形成されている。セラミックスとしては、様々なセラミックスが用いられるが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合の最も多い成分(例えば、体積含有率が90vol%以上の成分)を意味する。板状部材10の直径は、例えば150mm~350mm程度であり、板状部材10の厚さは、例えば2mm~6mm程度である。
図1、図2に示すように、板状部材10は、半導体ウエハWを保持する保持面11と、板状部材10の厚み方向(Z軸方向に一致する方向、上下方向)について保持面11とは反対側に設けられる下面12とを備えている。この保持面11上に半導体ウエハWが保持される。なお、保持面11は本開示の「第1の面」の一例であり、下面12は本開示の「第2の面」の一例である。
また、図2に示すように、板状部材10は、その内部にチャック電極50を備えている。チャック電極50は、Z軸方向視で、例えば略円形をなしており、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成されている。チャック電極50は本開示の「内部電極」の一例である。このチャック電極50には、ビア61が接続されている。このビア61は、チャック電極50から下面12側にZ軸方向へ延びるように配置されている。
そして、板状部材10の下面12には、有底孔15が形成されている。この有底孔15は、下面12側に開口する円形凹部であり、Z軸方向視で、後述するベース部材20の貫通孔25に重なる領域が、保持面11側へ凹んだ形状をなしている。また、有底孔15の直径は、例えば7mm~8mmである。この有底孔15の底面15bには、端子パッド60が配置されている。Z軸方向視における端子パッド60の形状は、例えば、略円形である。なお、有底孔15は本開示の「孔」の一例である。
この端子パッド60の上面には、チャック電極50に接続されたビア61の他端が接続されている。これにより、端子パッド60は、ビア61を介して、チャック電極50に電気的に接続されている。端子パッド60及びビア61は、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成されている。なお、本実施形態では、端子パッド60は、図2に示すように、厚さ方向(Z軸方向)の全体が板状部材10から露出しているが、端子パッド60の下面が板状部材10から露出している限りにおいて、端子パッド60における厚さ方向の一部分又は全体が、板状部材10に埋設されていてもよい。そして、端子パッド60の下面(露出面)に、外部電源に接続するための給電端子62が接合(ロウ付け)されており、外部電源から給電端子62、端子パッド60、ビア61を介して、チャック電極50に電力が供給される。
ベース部材20は、図1に示すように円柱状、詳しくは、直径の異なる2つの円柱が、大きな直径の円柱状の上面部の上に小さな直径の円柱状の下面部が載せられるようにして、中心軸を共通にして重ねられて形成された段付きの円柱状である。このベース部材20は、金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。
そして、図1、図2に示すように、ベース部材20は、上面21と、Z軸方向について上面21とは反対側に設けられる下面22と、を備えている。なお、上面21は本開示の「第3の面」の一例であり、下面22は本開示の「第4の面」の一例である。
ベース部材20の直径は、上段部が例えば150mm~300mm程度であり、下段部が例えば180mm~350mm程度である。また、ベース部材20の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば20mm~50mm程度である。
なお、ベース部材20には、冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)を流すための冷媒流路が形成されており、冷媒流路内に冷媒を流すことにより、ベース部材20が冷却され、これにより、接合層40を介して板状部材10が冷却されるようになっている。
そして、ベース部材20には、上面21と下面22との間を厚み方向(Z軸方向、図2において上下方向)に貫通する円筒形状の貫通孔25が形成されている。この貫通孔25内には、給電端子62と絶縁スリーブ30が配置されている。絶縁スリーブ30は、環状の部材であり、給電端子62を覆うように配置され、有底孔15側の端部が接着部70により板状部材10に接合されている。なお、絶縁スリーブ30及び接着部70の詳細については後述する。
接合層40は、板状部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に配置され、板状部材10とベース部材20とを接合している。この接合層40を介して、板状部材10の下面12とベース部材20の上面21とが熱的に接続されている。なお、接合層40の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば0.1mm~1.0mm程度である。
接合層40は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂接着剤により構成されている。この接合層40には、図2に示すように、絶縁スリーブ30が配置される貫通孔45が形成されている。つまり、有底孔15と貫通孔25との間に、円筒形状の貫通孔45が形成されている。貫通孔45は、有底孔15及び貫通孔25と同軸であり、有底孔15と貫通孔45と貫通孔25とが、Z軸方向(静電チャック1の軸線方向)に連なって配置されて、端子パッド60及び給電端子62が配置される端子孔65が形成されている。なお、本実施形態では、貫通孔45の径は、有底孔15及び貫通孔25の径よりも小さくなっており、後述するように貫通孔45の周囲が接着部70の一部を構成している。
ここで、端子孔65内の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。図2に示すように、端子孔65内には、端子パッド60と給電端子62が配置されており、これらの周囲に絶縁スリーブ30が配置されている。そして、絶縁スリーブ30は、有底孔15側で板状部材10に対して接着部70(図3参照)によって固定されており、その先端がベース部材20の下面22に位置している。つまり、絶縁スリーブ30は、ベース部材20の下面22まで延びて貫通孔25の全域に配置されている。なお、絶縁スリーブ30と貫通孔25との間に一定の隙間が形成されている。
絶縁スリーブ30は、板状部材10と同様にセラミックスにより形成されており、図3に示すように、径方向外側へ突出する環状の突出部31を備えている。つまり、突出部31は、絶縁スリーブ30の外周面から径方向外側へ突き出た環状凸部となっており、板状部材10側の面である上面31aと、ベース部材20側の面である下面31bと、上面31aと下面31bを繋ぐ側周面31cとを有している。このような突出部31は、絶縁スリーブ30の端部に形成されており、有底孔15内に位置している。
そして、絶縁スリーブ30を板状部材10に固定する接着部70は、第1接着部71と第2接着部72とを有している。第1接着部71と第2接着部72は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂接着剤により構成されている。
第1接着部71は、突出部31の上面31a及び側周面31cと板状部材10(有底孔15の内周面15a及び底面15b)との間にペースト状の接着剤が充填されて硬化した部分である。第2接着部72は、突出部31の下面31bと板状部材10の下面12と第1接着部71とに接した状態のシート状の接着剤が硬化した部分である。本実施形態では、第2接着部72は、接合層40の一部(貫通孔45の周辺部分)となっている。つまり、接合層40の貫通孔45の径が、貫通孔25(有底孔15)の径よりも小さいため、接合層40(第2接着部72)が端子孔65の内側へ入り込むように配置される結果、接合層40の一部(貫通孔45の周辺部分)で第2接着部72が形成されている。なお、図2、図3では、第1接着部71と第2接着部72をわかりやすく説明するために明確に区別して記載しているが、実際の製品(接着剤の硬化後)では、第1接着部71と第2接着部72とが一体となって接着部70となっている。
このような構成を有する静電チャック1は、以下の手順で製造される。まず、板状部材10、ベース部材20、第1接着部71と第2接着部72、絶縁スリーブ30を準備する。このとき、第2接着部72に気泡が含まれているか否かを確認する。次に、板状部材10に絶縁スリーブ30を第1接着部71で接合し、突出部31の上面31a及び側周面31cと板状部材10との間に第1接着部71を充填する。そして、気泡を含まない第2接着部72を使用して、板状部材10とベース部材20を接合する。その後、第1接着部71及び第2接着部72を硬化させて静電チャック1が完成する。
ここで、第1接着部71は、硬化前はペースト状の接着剤であるため、絶縁スリーブ30と板状部材10との間、詳細には、絶縁スリーブ30の外周面と、突出部31の上面31a及び側周面31cと、板状部材10の有底孔15の壁面(底面及び内周面)とで区画される空間に、隙間なく配置することができる。その一方、充填中に空気が噛み込んでしまい内部に気泡が形成された状態のまま硬化する場合がある。そうすると、第2接着部72がない従来の静電チャックの構成では、第1接着部71において、内部に形成された気泡Bを経由する放電経路(絶縁破壊の発生経路)、つまり図4に矢印で示すように、ベース部材20までの最短距離で放電経路が形成されて、絶縁破壊が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態の静電チャック1では、接着部70を第1接着部71と第2接着部とで構成して、第2接着部72を、突出部31の下面31bと板状部材10の下面12と第1接着部71とに接するように配置している。そのため、第2接着部72は、第1接着部71を覆うように、絶縁スリーブ30の突出部31と板状部材10の下面12との両方に連続して貼り付いている。
そして、第2接着部72が接触する部分は、突出部31の下面31bと板状部材10の下面12と第1接着部71とが、ほぼ面一で連なった平坦面になっている。また、第2接着部72はシート状の接着剤で構成されている。シート状の接着剤は、シート製作後に気泡を含んでいる場合は目視での判断が容易に可能であるため、そのようなシートを製品に使用せず、良品のシートだけを製品に適用することにより、気泡が製品で発生しないようにすることができる。つまり、静電チャック1の製造工程において、第2接着部72を目視にて気泡が含まれているか否かを確認し、気泡が含まれている第2接着部72は製品には使用しない。そのため、静電チャック1における第2接着部72の内部には、気泡が存在しない。
従って、第2接着部72では、気泡を経由するような放電は発生することなく、表面に沿って放電が生じることになる。その結果、接着部70を経由する放電経路は、第1接着部71の内部に気泡Bが存在しても、第2接着部72の表面に沿って絶縁スリーブ30側へ迂回するように形成される。すなわち、第2接着部72により、図5に矢印で示すように、接合層40の板状部材10側の面から貫通孔45を経由して接合層40のベース部材20側の面に沿ってベース部材20へ向かう放電経路が形成される。このように第2接着部72によって絶縁距離を伸ばすことができるため、静電チャック1における絶縁性を向上させることができる。
また、第2接着部72を接合層40の一部(貫通孔45の周辺部分)で構成しているため、接合層40の板状部材10側の面から貫通孔45を経由して接合層40のベース部材20側の面に沿ってベース部材20へ向かう放電経路を確実に形成することができる。つまり、第2接着部72の表面に沿って絶縁スリーブ30側へ迂回する放電経路を確実に形成することができる。従って、接着部70における絶縁距離を確実に長くすることができるため、静電チャック1における絶縁性をより向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック1では、絶縁スリーブ30の板状部材10の下面12側の端面30aが、有底孔15の底面15bまで延びている。つまり、絶縁スリーブ30の端面30aが有底孔15の底面15bに接触している。これにより、絶縁スリーブ30内に配置される端子パッド60と給電端子62との接続部分付近を、絶縁スリーブ30によって完全に覆うことができる。つまり、端子パッド60と給電端子62とが、接着部70だけではなく絶縁スリーブ30にも覆われる。従って、静電チャック1における絶縁性をさらに向上させることができる。
そして、絶縁スリーブ30は、ベース部材20の下面22まで延びて貫通孔25の全域に配置されている。これにより、ベース部材20の貫通孔25の内周面全域が絶縁スリーブ30で覆われるため、静電チャック1における絶縁性を一層向上させることができる。
以上のように、本実施形態の静電チャック1によれば、絶縁スリーブ30を板状部材10に固定するための接着部70を、ペースト状の接着剤を硬化させた第1接着部71と、シート状の接着剤を硬化させた第2接着部72とで構成している。そして、第2接着部72を接合層40の一部(貫通孔45の周辺部分)で形成している。そのため、接着部70を経由する放電経路は、第1接着部71の内部に気泡Bが存在しても、第2接着部72の表面に沿って絶縁スリーブ30側へ迂回(貫通孔45を経由)するように形成される。従って、第2接着部72によって絶縁距離を伸ばすことができるため、絶縁性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、有底孔15の形状及び突出部31の形成位置が、第1実施形態とは異なる。そこで、第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図6に示すように、第2実施形態の静電チャック1aでは、板状部材10の有底孔15に段差部16が形成されている。つまり、有底孔15は、小径部17と、小径部17より径が大きい大径部18とにより形成されている。そして、大径部の18の底面18bには研磨加工が施されている。なお、大径部18の底面18bは、本開示の「段差部」の一例である。なお、図6では、第2実施形態の静電チャック1aにおける接着部周辺(図2に示すA部に相当する部分)を示している。
また、絶縁スリーブ30の突出部31が、突出部31の上面31aが絶縁スリーブ30の端面30aと面一になる位置に形成されている。すなわち、突出部31の上面31aが絶縁スリーブ30の端面30aにもなっている。これら突出部31の上面31a及び絶縁スリーブ30の端面30aには研磨加工が施されている。そして、突出部31の上面31a(絶縁スリーブ30の端面30a)が、大径部18の底面18b(段差部)に接触しており、絶縁スリーブ30が接着部70によって板状部材10に固定されている。
ここで、接着部70は、第1実施形態と同様、第1接着部71と第2接着部72とで構成され、第2接着部72が接合層40の一部(貫通孔45の周辺部分)で形成されている。そのため、接着部70を経由する放電経路は、第1接着部71の内部に気泡Bが存在しても、第2接着部72の表面に沿って絶縁スリーブ30側へ迂回(貫通孔45を経由)するように形成される。従って、第2接着部72によって絶縁距離を伸ばすことができるため、絶縁性を向上させることができる。
そして、突出部31の上面31aを大径部18の底面18bに接触させている。これにより、研磨加工された面同士を突き合わせた状態で、板状部材10に対する絶縁スリーブ30の位置決めを精度良く行うことができる。従って、絶縁スリーブ30の先端におけるベース部材20の下面22からの飛び出し量の精度を向上させることができる。すなわち、絶縁スリーブ30の先端をベース部材20の下面22から飛び出すことなく面一に配置することができる。従って、ベース部材20の貫通孔25の内周面全域を絶縁スリーブ30で完全に覆うことができる。また、絶縁スリーブ30の先端が、ベース部材20の下面22から飛び出していないため、他部品に当たり難くなるので、絶縁スリーブ30が損傷したり、接着部70が損傷することを防止することができる。よって、これらのことから、静電チャック1aにおける絶縁性を向上させることができる。
このように本実施形態の静電チャック1aによれば、第1実施形態と同様に、接着部70を経由する放電経路は、第1接着部71の内部に気泡Bが存在しても、第2接着部72の表面に沿って絶縁スリーブ30側へ迂回(貫通孔45を経由)するように形成される。そのため、第2接着部72によって絶縁距離を伸ばすことができるため、絶縁性を向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック1aによれば、研磨加工が施された突出部31の上面31aと大径部18の底面18bとを突き合わせて、絶縁スリーブ30の位置決めを行うことができる。これにより、絶縁スリーブ30の先端をベース部材20の下面22から飛び出すことなく面一に配置することができるため、絶縁性を向上させることができる。
[第3実施形態]
最後に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第2実施形態と基本的な構成は同じであるが、第2接着部72が接合層40の一部で形成されていない点が第2実施形態とは異なる。そこで、第2実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を適宜省略し、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、第3実施形態の静電チャック1bでは、接着部70の第2接着部72が接合層40とは別体で構成されている。ただし、接着部70の硬化後には、第2接着部72は、接合層40や第1接着部71と一体化される。この第2接着部72は、突出部31の下面31bと板状部材10の下面12と第1接着部71とに接した状態のシート状の接着剤が硬化した部分である。そのため、第2接着部72は、第1接着部71を覆うように、絶縁スリーブ30の突出部31と板状部材10の下面12との両方に連続して貼り付いている。なお、図7では、第2実施形態の静電チャック1bにおける接着部周辺(図2に示すA部に相当する部分)を示している。
このような静電チャック1bは、以下の手順で製造される。まず、板状部材10、ベース部材20、第1接着部71と第2接着部72、絶縁スリーブ30を準備する。このとき、第2接着部72に気泡が含まれているか否かを確認する。次に、板状部材10とベース部材20とを接合層を介して接合する。次に、突出部31と板状部材10との間に第1接着部71を充填しつつ、板状部材10に絶縁スリーブ30を第1接着部71で接合する。そして、気泡を含まない第2接着部72を使用し、その第2接着部72を絶縁スリーブ30の突出部31と板状部材10の下面12との両方に連続して貼り付ける。その後、第1接着部71、第2接着部72及び接合層を硬化させて静電チャック1bが完成する。
従って、第3実施形態の静電チャック1bによれば、第1実施形態と同様に、接着部70を経由する放電経路は、第1接着部71の内部に気泡Bが存在しても、第2接着部72の表面に沿って絶縁スリーブ30側へ迂回(貫通孔45を経由)するように形成される。そのため、第2接着部72によって絶縁距離を伸ばすことができるため、絶縁性を向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック1bによれば、接着部70の硬化前において、第2接着部72が接合層40とは別体になっている。そのため、絶縁スリーブ30が取り付けられた状態の板状部材10とベース部材20を接合層40によって接合した後に、第2接着部72を設けて接着部70を形成することができる。これにより、第1及び第2実施形態のように、接合層40によって板状部材10とベース部材20を接合する際、同時に接着部70を形成する場合と比べて、絶縁スリーブ30の組付け作業が簡単となるので、作業効率を向上させることができる。
なお、上記の実施形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施形態では、端子孔65としてチャック電極50の端子孔を例示しているが、チャック電極50に限らず、高周波電極やヒータ電極などの端子孔においても本開示を適用することができる。
また、上記の実施形態では、端子孔65に絶縁スリーブ30を配置する場合に本開示を適用したものを例示したが、端子孔に限らず、保持面11に不活性ガスを供給するガス孔や、リフトピンが配置されるリフトピン孔など静電チャックに形成される貫通孔に絶縁スリーブを配置する場合にも本開示を適用することができる。
1 静電チャック
10 板状部材
11 保持面
12 下面
15 有底孔
16 段差部
20 ベース部材
21 上面
22 下面
30 絶縁スリーブ
30a 端面
31 突出部
31a 上面
31b 下面
31c 側周面
40 接合層
70 接着部
71 第1接着部
72 第2接着部
W 半導体ウエハ

Claims (5)

  1. 第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面と、前記第2の面に開口する孔と、を備える板状部材と、
    第3の面と、前記第3の面とは反対側に設けられる第4の面と、前記第3の面と前記第4の面を貫通して前記孔に連通する貫通孔と、を備える金属製のベース部材と、
    前記第2の面と前記第3の面との間に配置され、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合層と、
    前記貫通孔に配置される環状の絶縁部材と、を有し、
    前記板状部材の前記第1の面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記絶縁部材は、外側へ突出する環状の突出部を備え、
    前記突出部は、前記板状部材側の面、前記ベース部材側の面、および、前記板状部材側の面と前記ベース部材側の面を繋ぐ側周面を有し、
    前記絶縁部材を前記板状部材に接合する接着部が形成されており、
    前記接着部は、
    前記突出部のうち前記板状部材側の面及び前記側周面と前記板状部材との間に充填される第1接着部と、
    前記突出部のうち前記ベース部材側の面と前記第2の面と前記第1接着部とに接する第2接着部と、を有する
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載する保持装置において、
    前記第2接着部は、前記接合層の一部である
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する保持装置において、
    前記第2接着部の内部には気泡が存在しない
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1に記載する保持装置において、
    前記絶縁部材の前記第2の面側の端面は、前記第2の面に開口する前記孔の底面まで延びている
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 請求項4に記載する保持装置において、
    前記板状部材の前記孔に段差部が形成されており、
    前記突出部の前記板状部材側の面が前記段差部に接触している
    ことを特徴とする保持装置。


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