JP2024003981A - 音声再生圧電ブザー - Google Patents

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Abstract

【課題】実用的な音を発することのできる圧電ブザーを提供する。【解決手段】圧電体(21)に信号電圧を加えることで発生する圧電体の振動を音として出力する圧電素子(20)と、圧電素子の一面上に形成される第1気室(31A)と、第1気室に形成される第1放音孔(55)とを有し、圧電素子の音を共鳴させて第1放音孔から出力する第1共鳴部(56)と、第1放音孔を介して第1気室と連通する第2気室(32A)と、第2気室に形成される第2放音孔(65)と、を有し、第1共鳴部より入力された音を共鳴させて第2放音孔から出力する第2共鳴部(67)と、を備え、第2共鳴部の共振周波数は、第1共鳴部の共振周波数よりも低く設定される。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電ブザーであって音声の再生が可能な音声再生圧電ブザーに関する。
圧電ブザー(圧電スピーカー、ピエゾメーカー、圧電サウンダーともいう。)は、圧電体に信号電圧を加えることで圧電体が歪み、その圧電体の振動を音として出力する(下記特許文献1参照)。圧電ブザーは、小型で消費電力が少ないことから、警報器や電子オルゴールなどの発音部品の他、スマートフォンといった携帯用電子機器や、音声ガイド機能を備えた小型電子機器などにも搭載されている。近年、これらの機器についてその発する音の音質の向上とともに小型化が望まれているところ、これらの電子機器に搭載される圧電ブザーについてもさらなる音質の向上及び小型化を図ることが望ましい。
特開平09-307996号公報 特開2014-165689号公報
しかし、圧電ブザーは、特定周波数の音声出力しか想定していないため、共振を利用して特定周波数の音を高い音圧で出力するように設計されている。このように、圧電ブザーは、特定周波数の音声出力に適した設計であるので、圧電ブザーの出力する音楽や人の声などの音(以下、音楽や人の声などの音を「音声」という。)は実用的な音質にならない(つまり音質が悪い)といった問題がある。特に、圧電セラミックを含む圧電素子を搭載した圧電ブザーでは、振動板の固有振動の周波数は可聴周波数のうち高めの周波数に位置するため、可聴周波数のうち低めの周波数成分の音圧が相対的に低くなり、音質が良くないという問題がある。
このため、圧電ブザーの音質の向上を図るため、圧電ブザーに可聴帯以外の周波数成分を抑圧するためのフィルタを接続させることが提案されている(下記特許文献2参照)。ところが、特に、比較的小さな寸法の圧電素子を搭載した小型の圧電ブザーを用いて、この圧電ブザーに対して上記のようなフィルタを接続させると、このフィルタの抵抗成分によって音圧が低下し、圧電ブザーの出力する音声は実用的な音量にならない(つまり音が小さい)といった問題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、圧電ブザーそのものの発する音楽や人の声などの音の音質を向上させることにより、上記フィルタを十分にきかせなくても実用的な音を発することのできる圧電ブザーを提供することを目的とする。
上記目的を達するために、本発明では、音声再生圧電ブザーであって、圧電体に信号電圧を加えることで発生する圧電体の振動を音として出力する圧電素子と、圧電素子の一面上に形成される第1気室と第1気室に形成される第1放音孔とを有し圧電素子の音を共鳴させて第1放音孔から出力する第1共鳴部と、第1放音孔を介して第1気室と連通する第2気室と第2気室に形成される第2放音孔とを有し第1共鳴部より入力された音を共鳴させて第2放音孔から出力する第2共鳴部と、を備え、第2共鳴部の共振周波数は第1共鳴部の共振周波数よりも低く設定される。
また、前述した音声再生圧電ブザーにおいて、第2共鳴部の共振周波数は、第1共鳴部の共振周波数の2/5~3/5の範囲の周波数に設定されてもよい。また、上述した音声再生圧電ブザーにおいて、第2放音孔の内径及び長さは、第1放音孔の内径及び長さと同一に設定され、第2気室の内容積は、第1気室の内容積よりも大きく設定されてもよい。また、上述した音声再生圧電ブザーにおいて、第1気室は円筒形状の第1筒部を有し、第2気室は円筒形状の第2筒部を有し、第2気室は、第2筒部の内径が、第1筒部の内径よりも大きく設定され、その高さが、第1気室の高さと同一または高く設定され、第2放音孔は、その内径が第1放音孔の内径と同一または小さく設定され、その長さが第1放音孔の長さと同一または長く設定されてもよい。また、前述した音声再生圧電ブザーにおいて、第1放音孔及び第2放音孔は、それぞれ、圧電素子の厚み方向と平行な同一の軸線上に形成された直円筒状の孔であってもよい。また、上述した音声再生圧電ブザーにおいて、圧電素子に直列に接続され、圧電素子と等価であるキャパシタとともにローパスフィルタを構成する抵抗を備えてもよい。
本発明によれば、圧電素子の出力する音声の音質を向上させることができる。その結果、音質の良い音声再生圧電ブザーを提供することができる。また、本発明の音声再生圧電ブザーによれば、これに対して可聴帯以外の周波数成分を抑圧するためのフィルタを十分に作用させなくても質の良い音を発するので、このようなフィルタの抵抗成分に起因して圧電ブザーの音圧が低下するのを抑制することができ、ひいては、実用的な音声を発する圧電ブザーを、比較的小さな寸法の圧電素子を搭載して構成することができるので、より一層、このような圧電ブザーの小型化の実現に寄与することができる。
第1実施形態に係る音声再生圧電ブザーを示す斜視図である。 図1の音声再生圧電ブザーを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A線に沿った断面図である。 第2筺体を透過して見た図1の音声再生圧電ブザーを示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 図1の音声再生圧電ブザーの第2筺体を示し、(a)は底面図、(b)は断面図である。 第2筺体の変形例を示す断面図である。 第2筺体の変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る音声再生圧電ブザーを示す部分断面図である。 1次ローパスフィルタの回路図及び1次ローパスフィルタの周波数特性を示すグラフである。 1次ローパスフィルタのインピーダンス特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現することがある。図1などに示すXYZ座標系において、Y方向は圧電素子20の厚み方向であり、X方向およびZ方向は、それぞれY方向に垂直な方向である。また、X方向の片側(図中矢印の向きで示す)を+X側、その反対側を-X側とし、Y方向およびZ方向についても同様である。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る音声再生圧電ブザー10について説明する。図1は、本実施形態に係る音声再生圧電ブザー10を示す斜視図である。図2は、音声再生圧電ブザー10を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、音声再生圧電ブザー10は、圧電素子20と、筺体30とを有している。
圧電素子20は、例えば、薄い円板状の圧電体21と、薄い円板状の振動板22とを貼り合わせた(接着した)構造である。このような圧電素子20の構造をユニモルフ構造という。圧電体21は、例えば圧電セラミックスである。振動板22は、例えば、黄銅やニッケルなどの金属である。振動板22は、圧電体21の+Y側に配置されている。圧電体21の表面には電極(不図示)が形成され、その電極にリード(ケーブル)23が接続されている。また、振動板22の表面にも電極が形成され、その電極にリード(ケーブル)24が接続されている。リード23,24は、圧電素子20の裏面(-Y側の面)から-Y方向に延びるように設けられ、筺体30の底部(底部材)52を-Y方向に貫通し、外部へそのまま引き出されている。
圧電素子20は、筺体30に収容される。圧電素子20は、後述する筺体30の側壁部分に形成された異径部30aに当接した状態で、接着剤40を介して筺体30に保持されている。振動板22の寸法は後述するように適宜変更可能である。ただし、本実施形態では、振動板22の寸法は、比較的小さく設定され、例えば、直径が22ミリメートル(mm)未満、厚さが0.1ミリメートル(mm)である。このため、圧電素子20の共振周波数(共振点)foは可聴周波数のうち比較的高めの周波数となっている。
圧電素子20に電圧が印加されると圧電体21が伸びるが、圧電体21に接着している振動板22は伸縮せずに所定方向に曲がる。また、圧電素子に逆方向の電圧が印加されると圧電体21が縮むが、圧電体21に接着している振動板22は伸縮せずに所定方向とは逆方向に曲がる。圧電素子20に電圧の向きが交互に変わる信号電圧が印加されると両方向の振動が発生して音波が発生する。
圧電素子20を構成する、圧電体21の材料、径、厚さや、振動板22の材料、径、厚さなどは、上記構成に限定されず、音声再生圧電ブザー10の出力音として要求される音質・音圧のレベルなどに応じて適宜変更が可能である。なお、圧電素子20は、圧電体21の材料、径、厚さや、振動板22の材料、径、厚さなどに応じて特性が変化する。例えば、圧電素子によって、共振点(共振周波数)、等価直列抵抗、静電容量が変化する。
筺体30は、中空に形成され、図2(b)に示すように、圧電素子20を収容するとともに第1空間31及び第2空間32を有する。筺体30は、第1空間31を有する第1筺体50と、第2空間32を形成する第2筺体60とを有し、第1筺体50と第2筺体60とを組み合わせた構成である。後述する第1筺体50の第1板部53の直径w2(図3参照)は、例えば、17~22ミリメートル(mm)に設定される。また、後述する第2筺体60の第2板部61の直径Wは、例えば、21~26ミリメートル(mm)に設定される。
図3は、第2筺体60を透過して見た場合の音声再生圧電ブザー10を示し、(a)は平面図、(b)は図2(a)のA-A線に沿った断面図である。図3に示すように、第1筺体50は、ほぼ同一かつ真円状の+Y側の面50a及び-Y側の面50bを端面とする略直円柱状に形成されている。第1筺体50は、中空に形成され、有底円筒状の本体部材51と、本体部材51の-Y側の端部の開口50cを塞ぐように配置される底部材52とから構成されている。
本体部材51は、+Y側端部にXZ平面と平行な円板状の第1板部53と、第1板部53の周縁から-Y方向に延びる円筒状の第1筒部54とを有している。
第1板部53は、Y方向に貫通する第1放音孔55を有している。第1放音孔55は、第1空間31(後述する第1気室31Aの内部空間)の音を後述する第2空間32(後述する第2気室32Aの内部空間)へ向けて出力するための孔である。第1放音孔55は、Y方向に延びる直円筒状の孔である。第1放音孔55は、Y方向から見て、第1筺体50の中心部でありかつ第1空間31の中心部でもある位置に形成されている。
第1筒部54は、第1板部53から-Y方向に間隔hを空けて圧電素子20を収容し保持する。第1筒部54は、その内周面54aに異径部30aが形成されている。内周面54aのうち異径部30aよりも+Y側の面は、その内径が圧電素子20の外径よりも小さく形成されている。一方、内周面54aのうち異径部30aよりも-Y側の面は、圧電素子20が嵌め込み可能な内径となっている。異径部30aは内径の異なる2つの筒部の境界部分であり、例えば段状に形成される。異径部30aは、第1筒部54の内周面54aにおいてその周方向に連続して形成されている。
このように第1筒部54の内部に第1板部53から間隔hを空けて圧電素子20が取り付けられることにより、第1筐体50の内部に第1気室31Aが設けられ、第1空間31が形成される。第1空間31は、第1気室31Aの内部空間であり、圧電素子20の表面(+Y側の面)20aと、第1板部53の裏面(-Y側の面)53bと、第1筒部54の内周面54aと、により画定される中空空間である。
第1筒部54の異径部30aに対して圧電素子20が当接することで、圧電素子20が第1筒部54の奥側(+Y側)に移動するのを防止される。これにより、圧電素子20の表面20aと、第1板部53の裏面53bとの間隔hが保たれ第1気室31Aが維持される。Y方向における異径部30aの位置は、例えば、予め設定した第1気室31Aの体積に応じて設定される。
第1筒部54の下部には、例えば矩形状の貫通孔56が設けられている。貫通孔56は、圧電素子20に対して-Y側の位置に設けられ、圧電素子20の裏側(-Y側)から出力された音を外部に放出する。
上述した第1気室31Aと第1放音孔55とにより第1共鳴部56が構成される。第1共鳴部56は、ヘルムホルツ共鳴器として機能し、圧電体21の出力した音を共鳴させて放出する。ここで、第1共鳴部56における共振周波数(共鳴周波数)fcav1は、例えば次式により、求められる。
Figure 2024003981000002
ただし、上記式(数1)において、
c:音速(331+0.6CT)×10(mm/sec)
ここで、CT:気温(℃)
d:第1筒部の内径の半径(mm)
a:第1放音孔の内径の半径(mm)
h:第1気室の高さ(mm)
t:第1放音孔の長さ(mm)
である。
第1共鳴部56の共振周波数fcav1は、圧電素子20の共振周波数foよりも低く設定される。例えば、共振周波数fcav1は、共振周波数foの半分程度に設定され、共振周波数foの2/5~3/5の範囲の周波数に設定されてもよいし、共振周波数foの1/2の周波数に設定されてもよい。なお、共振周波数fcav1は共振周波数foよりも大きく設定されてもよい。
第1筒部54の内径の半径d、第1放音孔55の内径の半径a、第1気室31Aの高さh、第1放音孔55の長さtは、それぞれ、第1共鳴部56の共振周波数fcav1に応じて設定される。なお、図3に記載の「2d」、「2a」の符号は、それぞれ、第1筒部54の内径、第1放音孔55の内径を示す。
底部材52は、XZ方向と平行な主面を有する略円板状に形成され、Y方向にリード23,24を貫通させるための2つの貫通穴57,57が設けられている。
図4は、第2筺体60を示し、(a)は底面図、(b)は図2(a)のA-A線に相当する線に沿った断面図である。図4に示すように、第2筺体60は、略有底円筒形状に形成され、+Y側端部に設けられたXZ平面と平行な略円板状の第2板部61と、第2板部61の周縁から-Y方向に延びる略円筒状の第2筒部62と、を有している。
第2板部61には、その裏面(-Y側の面)61bから-Y方向に突出する第1突出部63が設けられている。第1突出部63は、第2板部61の裏面61bの中心61oを基準とする同心円から形成される円環の領域に形成され、Y方向に厚さを有する円環形状となっている。第1突出部63の円環形状の内側は、後述する第2放音孔65となっている。第2板部61に第1突出部63を設けることで、第2板部61の厚さ(Y方向の幅)を変化させることなく、第2放音孔65の長さTのみを長く形成することができる。また、第1突出部63は第2板部61の裏面61b側のみに形成され、その反対側の第2板部61の表面61aはXZ平面に対して平行かつ平坦な面である。このように第2板部61に第1突出部63を設けることで、第2筺体60の外形寸法を変化させることなく、第2放音孔65の長さTを長く形成することができる。
第2板部61は、Y方向に貫通する第2放音孔65を有している。第2放音孔65は、第2空間32の音を外部へ向けて出力する孔である。第2放音孔65は、Y方向に延びる直円筒状の孔である。第2放音孔65は、Y方向から見て、第2筺体60の中心部でありかつ第2空間32の中心部でもある位置に形成されている。また、第2放音孔65は、Y方向から見て、その中心65oが第1放音孔55の中心55oと重なるように配置されている(図2(a)参照)。すなわち、第1放音孔55及び第2放音孔65のそれぞれは、Y方向からみた中心55o,65oの双方を通るY方向に平行な仮想の軸線Jに形成され、同一の軸線Jに形成された直円筒状の孔である(図2(b)参照)。
第2筒部62の-Y側端部の内周の直径w1は、第1筺体50の第1板部53の直径w2(図3(b)参照)よりも若干大きく設定されている。第2筒部62には、その+Y側の端部の開口を塞ぐように第1筺体50が挿し込まれている(図2(b)参照)。第1筺体50は、第2板部61に対して-Y方向に間隔Hを空けた状態で第2筒部62に保持されている。
このように第2筒部62の内部に、第2板部61に対して間隔Hを空けて第1筺体50が収容されることにより、第2筺体60に第2気室32Aが設けられ、第2空間32が形成される。第2空間32は、第2気室32Aの内部空間であり、第1筺体50の+Y側の面50aと、第2板部61の裏面61bと、第2筒部62の内周面62aと、により画定される中空空間である。第2空間32(第2気室32A)は、第1放音孔55を介して第1空間31(第1気室31A)と連通している。
第2筒部62には、その内周面62aから内側に向けて突出するストッパ部66が設けられている。ストッパ部66は、Y方向に延びる半円柱形状であり、第2筒部62において4つ形成され、それぞれ内周面62aの周方向に沿って等間隔で配置されている。ストッパ部66は、その-Y側の端部66bを第1筺体50に当接させて、第1筺体50が第2筒部62の奥側へ進行するのを防止する。これにより、第2板部61の裏面61bと、第1板部53の+Y側の面50aとの間隔Hが保たれ第2気室32Aが維持される。ストッパ部66の-Y側の端部66bの位置は、例えば第2気室32Aの体積の設計値に応じて設定される。
上述した第2気室32Aと第2放音孔65とにより第2共鳴部67が構成される。第2共鳴部67は、ヘルムホルツ共鳴器として機能し、第1放音孔55を介して第2共鳴部67に入力された音を共鳴させて放出する。ここで、第2共鳴部67における共振周波数(共鳴周波数)fcav2は、例えば次式により、求められる。
Figure 2024003981000003
ただし、上記式(数2)において、
c:音速(331+0.6CT)×10(mm/sec)
ここで、CT:気温(℃)
D:第2筒部の内径の半径(mm)
A:第2放音孔の内径の半径(mm)
H:第2気室の高さ(mm)
T:第2放音孔の長さ(mm)
である。
第2共鳴部67の共振周波数fcav2は、第1共鳴部56の共振周波数fcav1よりも低く設定される。共振周波数fcav2は、共振周波数fcav1の半分程度の周波数に設定されることが好ましい。この場合、共振周波数fcav2は、共振周波数fcav1の2/5~3/5の範囲の周波数に設定されてもよく、共振周波数fcav1の1/2の周波数に設定されてもよい。このような共振周波数fcav1,fcav2の設定値に関する事項は、後述する第2共鳴部167等の共振周波数fcav2においても同様である。
また、上述した共振周波数fo,fcav1,fcav2については、第1共鳴部56の共振周波数fcav1を圧電素子20の共振周波数foの半分程度の周波数に設定し、かつ、第2共鳴部67の共振周波数fcav2を第1共鳴部56の共振周波数fcav1の半分程度の周波数に設定してもよい。この場合、例えば、共振周波数foを4キロヘルツ(kHz)程度、共振周波数fcav1を2キロヘルツ(kHz)程度、共振周波数fcav1を1キロヘルツ(kHz)程度にそれぞれ設定してもよい。
第2筒部62の内径の半径D、第2放音孔65の内径の半径A、第2気室32Aの高さH、第2放音孔65の長さTは、それぞれ、第2共鳴部67の共振周波数fcav2に応じて設定される。
なお、図4~図6に記載の「2D」、「2A」の符号は、それぞれ、第2筒部62の内径、第2放音孔65の内径を示す。
図2(b)に示すように、本実施形態では、第2筒部62の半径Dは第1筒部54の半径dよりも大きく設定され、第2筒部62の内径2Dは第1筒部54の内径2dよりも大きく設定されている。また、第2放音孔65の半径Aは第1放音孔55の半径aよりも小さく(したがって第2放音孔65の内径2Aは第1放音孔55の内径2aよりも小さく)設定されている。また、第2気室32Aの高さHは第1気室31Aの高さhよりも高く設定されている。また、第2放音孔65の長さTは第1放音孔55の長さtよりも長く設定されている。
なお、本実施形態では、上記の条件に限定されず、第2放音孔65の半径Aは第1放音孔55の半径aと同一(したがって第2放音孔65の内径2Aも第1放音孔55の内径2aと同一)であってもよいし、第2気室32Aの高さHは第1気室31Aの高さhと同一であってもよいし、第2放音孔65の長さTは第1放音孔55の長さtと同一であってもよい。
また、上述した共振周波数fcav1及び共振周波数fcav2は、ヘルムホルツ共鳴器の共振周波数(共鳴周波数)であるので、主として、放音孔の断面積及び長さ、並びに気室の内容積(気室内空間の体積)に基づいて決まる。このため、第2放音孔65の内径2A及び長さTを第1放音孔55の内径2a及び長さtと同一に設定した場合(つまり放音孔が互いに同一構成の場合)、第1気室31Aと第2気室32Aの内容積に差異があると、共振周波数fcav1及び共振周波数fcav2は、当該内容積の差異に応じて互いに異なる周波数となる。そこで、第2放音孔65の内径2A及び長さTを第1放音孔55の内径2a及び長さtと同一に設定し、共振周波数fcav1に比べて共振周波数fcav2が低くなるように、第2気室32Aの内容積(第2空間32の体積)を第1気室31Aの内容積(第1空間31の体積)よりも大きく設定してもよい。例えば、第2放音孔65の半径Aは第1放音孔55の半径aと同一(したがって第2放音孔65の内径2Aも第1放音孔55の内径2aと同一)に設定されると共に、第2放音孔65の長さTは第1放音孔55の長さtと同一に設定され、かつ、第2筒部62の半径Dは第1筒部54の半径dよりも大きく形成され、第2気室32Aの高さHは第1気室31Aの高さhよりも高く設定されてもよい。
上述した構成の音声再生圧電ブザー10では、圧電素子20により生じた音を、第1共鳴部56において共鳴させて、第1放音孔55を介して第2共鳴部67に出力し、この音を第2共鳴部67において共鳴させて第2放音孔65を介して外部へ実用的な音声として出力する。ここで、圧電素子20の共振周波数foは可聴周波数のうち高めの周波数であるため、圧電素子20の出力する音は、可聴周波数のうち低めの周波数成分の音圧が相対的に低くなり、したがって音質が良くない。しかし、音声再生圧電ブザー10では、圧電素子20の共振周波数foよりも低い周波数成分を共鳴させる第1共鳴部56に加え、第1共鳴部56の共振周波数fcav1よりも低い周波数成分を共鳴させる第2共鳴部67をさらに備えたことで、可聴周波数のうち低めの周波数成分の音圧を向上させることができ、したがって音声再生圧電ブザー10の出力する音声の音質を改善することができる。
このように、本実施形態に係る音声再生圧電ブザー10によれば、第1共鳴部56に加えて第1共鳴部56よりも共振周波数の低い第2共鳴部67を備えたことで、第1共鳴部56のみを備えた音声再生圧電ブザーに比べて音質を向上させることができる。その結果、音声再生圧電ブザー10は、可聴帯以外の周波数成分を抑圧するためのフィルタを十分に作用させなくても実用化が可能となる。そして、このような実用的な音声を発する音声再生圧電ブザー10を、比較的小さな寸法の圧電素子20を搭載して構成することができるので、より一層、音声再生圧電ブザー10そのものの小型化(特に小幅化)の実現に寄与することができる。
(変形例)
次に、音声再生圧電ブザー10における第2筺体60の変形例について説明する。図5(a)は、第2筺体60の第1変形例を示す断面図である。なお、図5(a)は、図2(a)のA-A線に相当する線に沿った断面図であり、後述する図5(b)、図6(c)、図6(d)に示す断面図についても同様である。また、以下の変形例に係る説明では、既に述べた第2筺体60等と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図5(a)に示すように、第1変形例に係る第2筺体160は、第1突出部63を有しない点で、上述した第2筺体60の構成と異なる。第2放音孔165は、第2板部61をY方向に貫通して形成されている。
第2筺体160には、その-Y側端部の開口を塞ぐように第1筺体50の一部が収容される。第1筺体50は、第2板部61に対して間隔Hを空けた状態で配置される。これにより、第2筺体160の内部に、第2空間132を画定する第2気室132Aが設けられる。第2気室132Aと第2放音孔165とにより第2共鳴部167が構成される。
第2筺体160の構成では、第2板部61の表面61a及び裏面61bはそれぞれXZ平面に対して平行かつ平坦な面となっている。このため、音声再生圧電ブザー10における第2筺体として、このような第2筺体160の構成を適用することにより、第2筺体自体の作製が第1突出部63を有するものに比べて容易となる。
図5(b)は、第2筺体60の第2変形例を示す断面図である。図5(b)に示すように、第2変形例に係る第2筺体260は、第1突出部63に代えて第2突出部163が設けられている点で、上述した第2筺体60の構成と異なる。第2板部61の表面61aには、その一部の領域を+Y方向に突出した第2突出部163が設けられている。第2突出部163は、例えば、第2板部61の表面61aにおいてその中心61o(図4(a)参照)を基準とする同心円から形成される円環の領域に形成され、Y方向に厚さを有する円環形状となっている。第2突出部163の円環形の内側は第2放音孔265となっている。
第2筺体260には、その-Y側端部の開口を塞ぐように第1筺体50の一部が収容される。第1筺体50は、第2板部61に対して間隔Hを空けた状態で配置される。これにより、第2筺体260の内部に、第2空間132を画定する第2気室132Aが設けられる。第2気室132Aと第2放音孔265とにより第2共鳴部267が構成される。
音声再生圧電ブザー10における第2筺体として、このような第2突出部163を備える第2筺体260の構成を適用することにより、上述した第2筺体60と同様に、第2板部61の厚さ(Y方向の幅)を大きく変化させることなく、第2放音孔自体の長さTを長く形成できる。
図6(c)は、第2筺体60の第3変形例を示す断面図である。図6(c)に示すように、第3変形例に係る第2筺体360は、第1突出部63とともに第2突出部163が設けられている点で、上述した第2筺体60の構成と異なる。ここで、第2板部61の表面61a及び裏面61bはいずれもXZ平面に対して平行な面である。第1突出部63と第2突出部163とは、例えば、第2板部61の厚み(Y方向の幅)の中点を通るXZ平面に対して対称的な形状に形成されている。
第2筺体360には、その-Y側端部の開口を塞ぐように第1筺体50の一部が収容される。第1筺体50は、第2板部61に対して間隔Hを空けた状態で配置される。これにより、第2筺体360の内部に、第2空間32を画定する第2気室32Aが設けられる。第2気室32Aと第2放音孔365とにより第2共鳴部367が構成される。
音声再生圧電ブザー10における第2筺体として、このような第1突出部63及び第2突出部163の双方を備えた第2筺体360の構成を適用することで、第2板部61の厚さ(Y方向の幅)を大きく変化させることなく、第2放音孔自体の長さTをより一層長く形成できる。
図6(d)は、第2筺体60の第4変形例を示す断面図である。図6(d)に示すように、第4変形例に係る第2筺体460は、ホーン70を備える点で、上述した第2筺体60の構成と異なる。ホーン70は、第2放音孔65の出力する音声の音圧をさらに高めて出力するホーン部71と、筺体30とホーン部72とを接続する接続部72と、を有している。ホーン部71と接続部72とは一体で形成されている。
ホーン部71は、Y方向における第2放音孔65の位置から+Y側に延びるように配置され、第2放音孔65から+Y方向に向かうにしたがって徐々に大きくなる内径rを有する。ホーン部71は、エクスポーネンシャルホーンの構成であり、XZ平面に対して平行な断面積は入口71aから出口71bにかけて指数関数的に変化する。ただし、ホーン部71は、上記構成に限定されず、例えば、円錐台形状を有するものなどであってもよい。
接続部72は、例えば図6(d)に示すような第2筺体60を嵌入可能な構成であり、ホーン70の-Y側の端部から第2筺体60を+Y方向に嵌入させることにより筺体30に対してホーン部71を固定する。このように、接続部72を介して筺体30とホーン部71とが接続される。
音声再生圧電ブザー10における第2筺体として、このような第2筺体460の構成を適用することにより、音声再生ブザー10はより音圧の高い音を出力することができる。
なお、音声再生圧電ブザー10は上記構成に限定されない。筐体30は、上記構成に限定されず、内部に第1気室31A及び第2気室32A等を形成する限りにおいて種々の形状が適用可能である。例えば、筐体30は、上述した第1実施形態ではその外形が略直円柱形状であったが(図1参照)、これに限定されず、略角柱形状や、略斜円柱形状、半球形状などであってもよい。また、筐体30は、本実施形態では第1筺体50に対して第2筺体60を組み付けることで形成されていたが、これに限定されず、例えば、第1筒部54と第2筺体60とが一体形成された構成であってもよいし、多数の部材を組み合わせて構成されてもよい。
また、第1筺体50及び第2筺体60は、本実施形態ではいずれも樹脂製であるが、これに限定されず、例えば、金属製や木製などであってもよい。また、第1筺体50及び第2筐体60は、本実施形態ではそれぞれ中空かつ円筒形状の筒部(第1筒部54,第2筒部62)を含んで構成されその内部に円柱形状の空気室(第1気室31A、第2気室32A,132A)を形成させるものであったが、かかる構成に限定されず、互いに組み合わされることにより内部に空気室(第1気室31A及び第2気室32A等)を形成させる構成である限りにおいて種々の形状が適用可能である。
そして、第1気室31A及び第2気室32A等は、本実施形態ではそれぞれ円筒形状の内周面を含んで構成されその内部空間(第1空間31、第2空間32,132)は円柱形状であったが、これに限定されない。
例えば、第1気室31Aは、角筒形状や、楕円筒形状、断面の内径が徐々に変化する円筒形状などを含む構成でありその内部に角柱形状や、楕円柱形状、円錐台形状などの形状の第1空間31を形成する構成であってもよい。また、第1気室31Aは、筒形状の内面を含む構成に限定されず、例えば、中空の半球形状に形成されて半球形状の第1空間31を形成する構成や、断面積がステップ状に変化する形状の第1空間31を形成する構成などであってもよい。第2気室32A等についても、第1気室31Aと同様にその形状について種々の変更が可能である。つまり、第2気室32A等は、例えば、角筒形状や、楕円筒形状、断面の内径が徐々に変化する円筒形状などを含む構成であってその内部に角柱形状や、楕円柱形状、円錐台形状などの形状の第2空間32等を形成する構成であってもよいし、中空の半球形状に形成されて半球形状の第2空間32等を形成する構成や、断面積がステップ状に変化する形状の第2空間32等を形成する構成などであってもよい。
また、第1放音孔55及び第2放音孔65,165,265,365は、本実施形態ではそれぞれ1つずつ設けられているが、これに限定されず、第1放音孔55及び第2放音孔65の一方あるいは双方は複数設けられてもよい。また、第1放音孔55及び第2放音孔65は、本実施形態ではY方向に延びる円筒形状の孔であるが、これに限定されず、例えば、Y方向に対して傾斜した方向に延びる孔や、角筒形状や、楕円筒形状、断面の内径が徐々に変化する筒形状などの孔であってもよい。また、本実施形態では第1放音孔55及び第2放音孔65のそれぞれは、Y方向からみた中心55o,65oのいずれも通るY方向に平行な軸線Jに形成された直円筒状の孔であるが、これに限定されず、例えば、第1放音孔55及び第2放音孔65は、互いにY方向から見た中心55o,65oがずれた位置に設けられてもよい。また、第1突出部63についても、第2放音孔65を形成可能な限りにおいてその形状は任意である。
上述したように、空気室(第1気室31A、第2気室32A等)及び放音孔(第1放音孔55、第2放音孔65等)は、本実施形態と異なる構成であってもよい。したがって、かかる空気室及び放音孔から構成される共鳴部(第1共鳴部56及び第2共鳴部67,167,267,367)についても、同様に本実施形態と異なる構成であってもよい。
ところで、ヘルムホルツ共振器の共振周波数Fは次式(数3)により求めることが可能である。なお、次式において、c:音速、S:放音孔の断面積、V:気室の内容積、L:放音孔の長さである。
Figure 2024003981000004
共鳴部(第1共鳴部56及び第2共鳴部67等)を本実施形態と異なる構成としたとき、共振周波数fcav1,fcav2は、例えば上記式(数3)より、求められる。かかる場合、共振周波数fcav1は、上記式(数3)において、「S」に第1放音孔55の断面積、「V」に第1気室31Aの内容積(第1空間31の体積)、「L」に第1放音孔55の長さの値がそれぞれ入力され算出される。一方、共振周波数fcav2は、上記式(数3)において、「S」に第2放音孔65等の断面積、「V」に第2気室32Aの内容積(第2空間32の体積)、「L」に第2放音孔65の長さの値がそれぞれ入力され算出される。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る音声再生圧電ブザー100について説明する。なお、以下の第2実施形態の説明では、上述した音声再生圧電ブザー10と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図7は、音声再生圧電ブザー100を示す部分断面図である。音声再生圧電ブザー100は、後述する抵抗90を有する点で、上述した音声再生圧電ブザー10の構成と異なる。
図7に示すように声再生圧電ブザー100は、圧電素子20と、筺体30と、リード23,24とを有する。リード24の途中には、抵抗90が接続されている。抵抗90は、圧電素子20に直列に接続されている。なお、抵抗90はリード24の途中ではなくリード23の途中に接続されてもよい。抵抗90は、筺体30の外部に設けられているが、筺体30の内部に収容されてもよい。
音声再生圧電ブザー100は、音声信号を出力して音声再生圧電ブザー100の音声出力を実行する駆動回路と接続して使用される。この際、抵抗90は、圧電素子20と等価であるキャパシタとともに、ローパスフィルタを構成する。
図8は、1次ローパスフィルタの回路図及び1次ローパスフィルタの周波数特性を示すグラフである。圧電素子PZは電気的特性としてコンデンサ(キャパシタ)C0とみなされる。図8の回路図に示すように、抵抗R0とコンデンサC0とで構成されるRC回路は1次ローパスフィルタ(RCフィルタ)として機能する。RC回路の折れ点周波数fcは、fc=1/(2π・R0・C0)となる。図8のグラフに示すように、RC回路からなる1次ローパスフィルタは、RC回路の折れ点周波数fc以下の周波数の信号を通過させ、RC回路の折れ点周波数fc以上の周波数の信号を-20dB/decで減衰させる。
また、図9は、1次ローパスフィルタのインピーダンス特性を示すグラフである。図9に示すグラフにおいて、横軸はlogf(信号の周波数fの対数)を示し、縦軸はlog|Z|(インピーダンスZの対数)を示している。図9に示すように、圧電素子PZと等価であるコンデンサC0のインピーダンスは、信号の周波数fが上昇するにつれてかつ圧電素子PZの共振点(共振周波数)foに近づくほど小さくなり、特に、圧電素子PZの共振点fo付近では急激に小さくなる。また、コンデンサC0は寄生インダクタンスを有するので、コンデンサC0のインピーダンスは、信号の周波数fが圧電素子PZの共振点foよりも高いほど大きくなる。したがって、圧電素子PZに抵抗R0を接続していない場合は、信号の周波数fが圧電素子PZの共振点foに近いと、大きな電流が圧電素子PZに流れてしまい、音質の悪化や、素子及び素子を駆動する駆動回路の破損等を招いてしまう。
本実施形態では、圧電素子PZと抵抗R0とで構成するRC回路の折れ点周波数fcを圧電素子PZの共振点fo未満とする。このように設定することで、圧電素子PZに必要以上の電流が流れてしまうのを回避している。これにより、圧電素子PZの共振点よりも高い周波数成分はRCフィルタで抑制されるので、人の声や音楽などを、より一層、高音質で出力することが可能となる。
また、上記したRC回路の折れ点周波数fcを圧電素子PZの共振周波数foに近い値に設定してもよい。例えば、上記したRC回路の折れ点周波数fcは、圧電素子PZの共振周波数の0.8~0.9倍程度の周波数に設定されてもよい。この場合、抵抗R0は、折れ点周波数fcが圧電素子PZの共振周波数foの0.8倍未満のものに比べて低くなるので、抵抗R0に起因して圧電素子PZの音圧が低下するのを抑制できるとともに、折れ点周波数fcが圧電素子PZの共振点foの0.9倍よりも大きいものに比べて、圧電素子PZが共振するのをより一層確実に抑制し、圧電素子PZに必要以上の電流が流れてその音質が悪くなるのを防止することができる。
このように、上記したRC回路の折れ点周波数fcを、圧電素子PZの共振点fo未満とし、かつ、圧電素子PZの共振点foに近い値に設定することで、圧電素子PZの音圧の低下を抑制しつつその音質の悪化を防止することができる。
以上に説明したように、本実施形態の音声再生圧電ブザー100によれば、音声再生圧電ブザー10と同様の構成を備えるので、上述した音声再生圧電ブザー10と同様に、音声再生圧電ブザー100を駆動させる際にフィルタを十分に作用させることなく高音質の音声出力の実現が可能である。
また、音声再生圧電ブザー100によれば、抵抗90(R0)を備えるので、抵抗90が圧電素子20(PZ)に直列に接続され、圧電素子20と等価であるキャパシタC0と抵抗90とでローパスフィルタを形成することにより、可聴帯以外の周波数成分が抑圧されるので、より一層、高音質の音声出力を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記した第2放音孔65,265,365の構成を第1放音孔55に適用してもよい。この場合、第1板部53には、第1突出部63や第2突出部163と同様の形状の突出部が形成される。
本発明の音声再生圧電ブザー10,100は、ガイド音声を出力する機器として用いることができる。例えば、鉄道やバス等の車内/構内アナウンス、信号、ビル入退管理端末、監視カメラ、医療機器、AED(Automated External Defibrillator;自動体外式除細動器)、産業用プリンタ、オフィス用複合プリンタ、民生用インクジェットプリンタ、アミューズメント機器の効果音などに利用可能である。
10,100 音声再生圧電ブザー
20 圧電素子
21 圧電体
31 第1空間
31A 第1気室
32,132 第2空間
32A,132A 第2気室
54 第1筒部
55 第1放音孔
56 第1共鳴部
62 第2筒部
65,165,265,365 第2放音孔
67,167,267,367 第2共鳴部
90 抵抗
2D 第2筒部の内径
2A 第2放音孔の内径
2d 第1筒部の内径
2a 第1放音孔の内径
H 第2気室の高さ
J 軸線
T 第2放音孔の長さ
h 第1気室の高さ
t 第1放音孔の長さ

Claims (6)

  1. 圧電体に信号電圧を加えることで発生する前記圧電体の振動を音として出力する圧電素子と、
    前記圧電素子の一面上に形成される第1気室と、前記第1気室に形成される第1放音孔とを有し、前記圧電素子の音を共鳴させて前記第1放音孔から出力する第1共鳴部と、
    前記第1放音孔を介して前記第1気室と連通する第2気室と、前記第2気室に形成される第2放音孔と、を有し、前記第1共鳴部より入力された音を共鳴させて前記第2放音孔から出力する第2共鳴部と、を備え、
    前記第2共鳴部の共振周波数は、前記第1共鳴部の共振周波数よりも低く設定される、音声再生圧電ブザー。
  2. 前記第2共鳴部の共振周波数は、前記第1共鳴部の共振周波数の2/5~3/5の範囲の周波数に設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の音声再生圧電ブザー。
  3. 前記第2放音孔の内径及び長さは、前記第1放音孔の内径及び長さと同一に設定され、
    前記第2気室の内容積は、前記第1気室の内容積よりも大きく設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の音声再生圧電ブザー。
  4. 前記第1気室は、円筒形状の第1筒部を有し、
    前記第2気室は、円筒形状の第2筒部を有し、
    前記第2気室は、
    前記第2筒部の内径が、前記第1筒部の内径よりも大きく設定され、
    その高さが、前記第1気室の高さと同一または高く設定され、
    前記第2放音孔は、
    その内径が、前記第1放音孔の内径と同一または小さく設定され、
    その長さが、前記第1放音孔の長さと同一または長く設定される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音声再生圧電ブザー。
  5. 前記第1放音孔及び前記第2放音孔は、それぞれ、前記圧電素子の厚み方向と平行な同一の軸線上に形成された直円筒状の孔である、ことを特徴とする請求項4に記載の音声再生圧電ブザー。
  6. 前記圧電素子に直列に接続され、前記圧電素子と等価であるキャパシタとともにローパスフィルタを構成する抵抗を備える、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の音声再生圧電ブザー。
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