JP2024002688A - 口腔用組成物 - Google Patents

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正俊 大橋
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Abstract

【課題】本発明は、本発明は、顆粒による優れた汚れ除去能を発揮させつつ不要な感触の発現を抑制し、かつ香料による香味立ちの発揮を効果的に図ることのできる口腔用組成物に関する。【解決手段】次の成分(A)及び(B):(A)含水率が50%以上80%以下であるシリカ顆粒(B)特定の式で表される1種又は2種以上の香料を含有する口腔用組成物であって、前記口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(A)の含有量との質量比((W)/(A))が2.5以上9.5以下である口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
歯面への歯垢等の種々の汚れの付着は、虫歯や歯周病等の原因にもなり得る。そのため、こうした汚れ除去能を効果的に高めるべく、様々な顆粒を配合した口腔用組成物が開発されている。
例えば、特許文献1には、水溶性メタリン酸塩を含有し、さらに研磨性シリカやシリカ顆粒を配合した口腔用組成物が開示されており、歯面のつるつる感を実感させ、清掃実感を高める試みがなされている。また、特許文献2には、特定の粒径サイズ、崩壊強度、及び研磨力を有する湿式法シリカ顆粒を含む歯磨剤が開示されており、顆粒の審美的効果と口腔内での顆粒の感触による汚れ落とし効果の認識を高めている。
特開2022-000420号公報 特開2004-250456号公報
こうした口腔用組成物は、顆粒によって汚れ除去能は高められるものの、その一方で口腔内が乾くような感触や、粉っぽくぼそぼそとした感触が過度にまとわりつき、使用感が低下するおそれがある。また、かかる口腔用組成物の多くは、所望の香味を付与するために香料も配合されてはいるものの、顆粒が共存するために、とかく香味立ちが減退してしまう傾向にある。
しかしながら、上記いずれの特許文献においても、顆粒による粉っぽくぼそぼそとした感触等の不要な感触の発現を抑制しながら、香料による香味立ちをも確保することについては、充分な検討がなされておらず、依然として改善の余地がある。
したがって、本発明は、顆粒による優れた汚れ除去能を発揮させつつ不要な感触の発現を抑制し、かつ香料による香味立ちの発揮を効果的に図ることのできる口腔用組成物に関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水とともに高含水率のシリカ顆粒と特定の香料とを含有し、かかるシリカ顆粒と水とを特定の質量比とすることにより、顆粒による優れた汚れ除去能の発揮を実感しつつ、不要な感触の発現を抑制して快適な使用感をもたらすとともに、香料による香味立ちを有効に発揮することのできる口腔用組成物を見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)含水率が50%以上80%以下であるシリカ顆粒
(B)下記式(1)で表される1種又は2種以上の香料
(式(1)中、R及びRは、各々独立して水素原子、アルデヒド基、カルボキシ基、アルコキシ基、或いは炭素数1~3の飽和又は不飽和のアルキル基を示す。ただし、R又はRが炭素数2以上のアルキル基である場合、該アルキル基の末端の炭素原子は、アルデヒド基の炭素原子を構成していてもよい。
は、水素原子、水酸基、又はアルコキシ基を示す。)
を含有する口腔用組成物であって、
前記口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(A)の含有量との質量比((W)/(A))が2.5以上9.5以下である口腔用組成物を提供するものである。
本発明の口腔用組成物によれば、歯の表面のみならず、歯と歯のすき間や歯の隣接部のような狭小な部位に滞留・付着する汚れをも効果的に除去しながらも、口腔内が乾くような感触や粉っぽくぼそぼそとした感触の発現を抑制し、良好な顆粒感を伴った清掃感に優れる快適な使用感を実感することができるとともに、香料による香味立ちを有効かつ効果的に発揮することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において「快適な使用感」とは、口腔内において顆粒を触知でき(以下、「顆粒感」とも称する。)、その顆粒感を伴いながら、歯の表面のみならず歯と歯のすき間や歯の隣接部のような狭小な部位に滞留・付着する汚れをも除去された実感(以下、「清掃感」とも称する。)が得られるとともに、口腔内が乾くような感触や、粉っぽく、顆粒の生地を感じるようなぼそぼそとした感触の発現(以下、「不要な感触の発現」とも称する。)が抑制されていることを意味する。
また、「香味立ち」とは、香料由来の香味が口腔内に広がる感触が得られることを意味する。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)として、含水率が50%以上80%以下であるシリカ顆粒を含有する。本発明において、このような高含水率のシリカ顆粒(A)を含有することにより、良好な顆粒感と高い清掃感をもたらしつつ、本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)との間で後述する特定の質量比を保持することが寄与し、特定の香料(B)による香味立ちを効果的に発揮し、快適な使用感を付与しながら良好な香味立ちを図ることを可能にする。
成分(A)の含水率は、50%以上であって、好ましくは55%以上であり、80%以下であって、好ましくは75%以下である。
なお、成分(A)の含水率(%)とは、105℃で2時間加熱した後、質量減量分(b-loss)を計量し、加熱前の成分(A)の質量(a)を元に、下記式(x)により算出される値を意味する。
含水率(%)={(b-loss)/(a)}×100・・(x)
成分(A)の崩壊強度は、口腔内において良好な顆粒感をもたらし、清掃感を有効に高める観点から、好ましくは3gf/個以上であり、より好ましくは5gf/個以上であり、さらに好ましくは7gf/個以上であり、好ましくは20gf/個以下であり、より好ましくは15gf/個以下であり、さらに好ましくは10gf/個以下である。そして、成分(A)の崩壊強度は、好ましくは3~20gf/個であり、より好ましくは5~15gf/個であり、さらに好ましくは7~10gf/個である。
なお、成分(A)の崩壊強度とは、圧縮試験機(島津製作所社製、MCTM-500)を用いて、粒子径(185~215μm)の顆粒を荷重速度1.51gf/秒で圧縮し崩壊したときの荷重であり、10個~20個の顆粒について測定した平均値であり、湿潤状態における強度である。
成分(A)の平均粒径は、顆粒による高い汚れ除去能を確保する観点から、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは150μm以上である。また、成分(A)の平均粒径は、歯の表面のみならず歯と歯のすき間や歯の隣接部のような狭小な部位にも有効に侵入して、一層汚れ除去能を高める観点から、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは250μm以下である。
なお、顆粒の平均粒径とは、ふるい分け法によって、例えば音波篩器(筒井理化学器械社製、プログラム制御音波篩い器SW-20AT)を用い、粒径を測定したときの、重量積算分布の50%の値を意味する。
成分(A)の変形率は、口腔内における狭小な部位においても、かかる部位の形状に容易に追従する自由度の高い変形を可能にし、高い汚れ除去能を確保する観点から、好ましくは35%以上であり、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは45%以上である。また、成分(A)の変形率は、顆粒と歯面との接触面積を効果的に増大させて汚れ除去能を有効に高める観点から、好ましくは70%以下であり、より好ましくは67%以下であり、さらに好ましくは65%以下である。そして、成分(A)の変形率は、好ましくは35~70%であり、より好ましくは40~67%であり、さらに好ましくは45~65%である。
成分(A)の変形率とは、湿潤状態の顆粒について、顆粒1個に圧縮試験機(島津製作所社製、MCTM-500)によって、荷重速度1.51g/secの圧縮をかけたときに顆粒が崩壊した時点の圧縮方向の粒子の変位を、圧縮前の粒子径で割ったものであって、下記式(y)により算出される値を意味する。
変形率(%)=(崩壊時点の圧縮方向の変位/圧縮前の粒子径)×100・・(y)
変形率とは、より具体的には、顆粒1個につき、圧縮をかける前の粒子径aと、圧縮をかけて顆粒が崩壊した時点の圧縮方向の長さ:粒子径bから、{(粒子径a-粒子径b)/粒子径a}×100によって求められる変形率(%)を算出し、5~50個の顆粒について確認された値である。
成分(A)の含有量は、高い清掃感をもたらしつつ、成分(B)による香味立ちを有効に発揮する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは5.5質量%以上であり、さらに好ましくは7質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、不要な感触の発現を有効に抑制し、快適な使用感をもたらす観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは11質量%以下であり、さらに好ましくは9質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは5質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは5.5~11質量%であり、さらに好ましくは7~9質量%である。
成分(A)は、例えば、ケイ酸ナトリウムと硫酸を用いた湿式のゲル化法より製造することができる。具体的には、ケイ酸ナトリウムと硫酸を混合してシリカゾルを生成し、次いでシリカゾルをゲル化してシリカヒドロゲルを得た後、かかるシリカヒドロゲルを含水調整して分級すればよい。
より具体的には、まずケイ酸ナトリウムの水溶液を一定流量で混合ノズル内へ圧送し、他方、硫酸を一定流量で混合ノズルへ圧送する。これにより、混合ノズル内において、ケイ酸ナトリウム水溶液と硫酸が撹拌混合されてシリカゾルが生成し、これがゲル化してシリカヒドロゲルが得られる。ここで、シリカゾルをゲル化してシリカヒドロゲルを得るにあたっては、シリカゾルを溶媒中に懸濁又は乳化させ、懸濁液中又は乳化液中でゲル化させてシリカヒドロゲルを得てもよく、或いはシリカゾルを噴霧してシリカヒドロゲルとしてもよい。
次いで、得られたシリカヒドロゲルに水熱処理を施すのがよい。かかる水熱処理としては、80℃以上200℃以下の温度でpH8.0からpH9.5のアルカリ水溶液中にて行う処理であることが好ましい。
適宜水熱処理を施したシリカヒドロゲルは、含水調整することによって成分(A)とすることができる。かかる含水調整を行うにあたっては、箱型乾燥装置や回転型乾燥装置、流動層乾燥装置、気流乾燥装置を用いればよい。そして、これら用いる装置によって変動し得るが、温度40~300℃、処理時間は1秒~60分間の条件で含水調整すればよい。また、固定容器型混合装置、容器回転型混合装置、流体運動型混合装置等の装置を用いることにより、シリカキセロゲルのような吸着剤と均一に接触させて含水調整することもできる。
そして、このように含水調整した後、適宜転動造粒、押し出し造粒、圧縮造粒、破砕造粒、撹拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒、溶融凝固造粒等を用い、篩で分級することにより、本発明における成分(A)のシリカ顆粒を得ることができる。
本発明の口腔用組成物は、成分(B)として、下記式(1)で表される1種又は2種以上の香料を含有する。
式(1)中、R及びRは、各々独立して水素原子、アルデヒド基、カルボキシ基、アルコキシ基、或いは炭素数1~3の飽和又は不飽和のアルキル基を示す。ただし、R又はRが炭素数2以上のアルキル基である場合、該アルキル基の末端の炭素原子は、アルデヒド基の炭素原子を構成していてもよい。
は、水素原子、水酸基、又はアルコキシ基を示す。
本発明の口腔用組成物が、高含水率のシリカ顆粒(A)を含有し、さらにかかる成分(A)が本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)との間で特定の質量比を保持する組成物であることにより、これら成分(B)由来の香味立ちを効果的かつ有効に発揮することができる。
なお、成分(B)は、天然物由来のものも存在し得るが、不純物の混在等により良好な香味立ちの発揮が損なわれるのを有効に回避する観点から、化学合成により得たものを用いるのが好ましい。
かかる成分(B)としては、香味立ちを効果的かつ有効に発揮する観点から、好ましくは、式(1)中のR及びRが、各々独立して水素原子、アルデヒド基、メトキシ基、或いは炭素数1~3の飽和又は不飽和のアルキル基を示し(ただし、R又はRが、炭素数3の不飽和のアルキル基である場合、該アルキル基の末端の炭素原子は、アルデヒド基の炭素原子を構成していてもよい。)、かつRが、水素原子、水酸基、又はメトキシ基を示す、1種又は2種以上の香料である。
成分(B)としては、より好ましくは、式(1)中のRが、アルデヒド基又は炭素数3の不飽和のアルキル基を示し(ただし、Rがアルキル基である場合、該アルキル基の末端の炭素原子はアルデヒド基の炭素原子を構成していてもよい。)、かつR及びRが、各々独立して水素原子、水酸基、又はメトキシ基を示す、1種又は2種以上の香料である。
式(1)で表される成分(B)としては、具体的には、ベンゼン環1個と、かかるベンゼン環を構成する炭素原子に結合した置換基Xを1~3個有するフェニルプロパノイドであって、置換基Xは、炭素数が3以下であり、少なくとも1個の置換基Xがベンゼン環上の炭素原子と炭素結合を介して結合してなり、かつ置換基Xの少なくとも1個は酸素原子を有し(ただし、ベンゼン環上の炭素原子と炭素結合を介して結合してなる置換基Xが、同時に酸素原子を有する置換基であってもよい)、全ての置換基に含まれる酸素原子の合計数が2以下の、フェニルプロパノイドであるのがさらに好ましい。
式(1)で表される成分(B)としては、具体的には、アネトール、オイゲノール、アニスアルデヒド、シンナミックアルデヒド、チモール、バニリン、安息香酸、及びベンズアルデヒドから選ばれる1種又は2種以上であるのが好ましく、アネトール、オイゲノール、アニスアルデヒド、シンナミックアルデヒド、及びチモールから選ばれる1種又は2種以上であるのがより好ましく、アネトール、オイゲノール、アニスアルデヒド、及びシンナミックアルデヒドから選ばれる1種又は2種以上であるのがさらに好ましい。
例えば、アネトールは、アニス様の香気をもたらす香料であり、その含有量は、所望する香味により変動し得るが、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.0001~0.5質量%であり、より好ましくは0.0004~0.24質量%である。
オイゲノールは、クローブ様スパイシーな香気をもたらす香料であり、その含有量は、所望する香味により変動し得るが、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.00001~0.25質量%であり、より好ましくは0.00002~0.14質量%である。
アニスアルデヒドは、ミモザ様の香気をもたらす香料であり、その含有量は、所望する香味により変動し得るが、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.0001~0.1質量%であり、より好ましくは0.0003~0.06質量%である。
シンナミックアルデヒドは、バルサム様の香気をもたらす香料であり、その含有量は、所望する香味により変動し得るが、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.000001~0.05質量%であり、より好ましくは0.000002~0.03質量%である。
チモールは、タイム様スパイシーな香気をもたらす香料であり、その含有量は、所望する香味により変動し得るが、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.00005~0.2質量%であり、より好ましくは0.0001~0.1質量%である。
成分(B)の含有量は、香味立ちの良好な発揮を有効に図る観点から、本発明の口腔用組成物中に、合計で、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.0002質量%以上であり、さらに好ましくは0.0005質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.005質量%以上であり、またさらに好ましくは0.008質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、合計で、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.3質量%以下であり、またさらに好ましくは0.2質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、合計で、好ましくは0.0001質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.0002~0.8質量%であり、さらに好ましくは0.0005~0.5質量%であり、よりさらに好ましくは0.005~0.3質量%であり、またさらに好ましくは0.008~0.2質量%である。
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、成分(B)による香味立ちを効果的に発揮し、快適な使用感の付与と良好な香味立ちを有効に両立させる観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上であり、さらに好ましくは40以上であり、よりさらに好ましくは100以上であり、またさらに好ましくは500以上であり、好ましくは10000以下であり、より好ましくは5000以下であり、さらに好ましくは1000以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、好ましくは10以上10000以下であり、より好ましくは20~5000であり、さらに好ましくは40~1000であり、よりさらに好ましくは100~1000であり、またさらに好ましくは500~1000である。
本発明の口腔用組成物は、水を含有する。したがって、本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)とは、口腔用組成物に配合した精製水等だけでなく、配合した各成分に含まれる水分、すなわち上記成分(A)に含有される水分をも含む、口腔用組成物中に含まれる全水分の合計量を意味する。口腔用組成物に含まれる全水分量を調整しつつ成分(A)との間で後述する特定の質量比を保持することにより、成分(A)による快適な使用感の付与と良好な香味立ちの発揮とを有効に両立させることができる。
本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)は、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは28質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、よりさらに好ましくは33質量%以上であり、またさらに好ましくは35質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは56質量%以下であり、さらに好ましくは54質量%以下であり、よりさらに好ましくは52質量%以下であり、またさらに好ましくは50質量%以下である。そして、本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)は、好ましくは25質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは28質量%以上56質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上54質量%以下であり、よりさらに好ましくは33~52質量%であり、またさらに好ましくは35~50質量%である。
本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)は、精製水等の配合した水分量、及び上記成分(A)等の配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業社製)を用いることができる。この装置では、口腔用組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して全水分量(W)を測定することができる。
本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(A)の含有量との質量比((W)/(A))は、快適な使用感の付与と良好な香味立ちの発揮を有効に両立させる観点、なかでも特に不要な感触の発現を有効に抑制する観点から、2.5以上であって、好ましくは3以上であり、より好ましくは3.5以上であり、さらに好ましくは4.2以上であり、よりさらに好ましくは5以上であり、9.5以下であって、好ましくは9以下であり、より好ましくは8.5以下であり、さらに好ましくは7.5以下であり、よりさらに好ましくは7以下である。そして、本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(A)の含有量との質量比((W)/(A))は、2.5以上9.5以下であって、好ましくは3~9であり、より好ましくは3.5~8.5であり、さらに好ましくは4.2~7.5であり、よりさらに好ましくは5~7である。
本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(B)の含有量との質量比((W)/(B))は、快適な使用感をもたらしつつ、良好な香味立ちの発揮を有効かつ効果的に図る観点から、好ましくは100以上であり、より好ましくは200以上であり、さらに好ましくは500以上であり、さらに好ましくは1000以上であり、さらに好ましくは2500以上であり、好ましくは10000以下であり、より好ましくは8000以下であり、より好ましくは6000以下であり、さらに好ましくは4850以下である。そして、本発明の口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(B)の含有量との質量比((W)/(B))は、好ましくは100~10000であり、より好ましくは200~8000であり、さらに好ましくは500~6000であり、よりさらに好ましくは1000~4850であり、またさらに好ましくは2500~4850である。
本発明の口腔用組成物は、良好な保存安定性を確保して、快適な使用感の付与と良好に香味立ちの発揮とを有効に両立させる観点から、さらにカルボキシメチルセルロース又はその塩(D)を含有するのが好ましい。
成分(D)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.5~4であり、より好ましくは0.8~3質量%であり、さらに好ましくは1~2質量%である。
成分(A)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((A)/(D))は、快快適な使用感の付与と良好な香味立ちの発揮とを有効に両立させる観点から、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上であり、さらに好ましくは5以上であり、好ましくは12以下であり、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは9.5以下であり、よりさらに好ましくは8以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((A)/(D))は、好ましくは3~12であり、より好ましくは4~10であり、さらに好ましくは5~9.5であり、よりさらに好ましくは5~8である。
本発明の口腔用組成物は、汚れ除去能をより充分に発揮させる観点から、吸油量が50~150mL/100gの研磨性シリカを含有することができる。かかる研磨性シリカの含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは2~15質量%であり、より好ましくは5~10質量%である。
なお、本発明では、50μm未満の領域の粉末を研磨剤とし、本発明で用いる成分(A)のような「顆粒」とは区別する。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分のほか、例えば、Steffen Arctander編著“Perfume and Flavor Chemicals" Montclair, N.J.(U.S.A.) (1969年)、合成香料編集委員会編集「合成香料-化学と商品知識」(化学工業日報社、2016年12月20日、増補新版)、中島基貴編著「香料と調香の基礎知識」産業図書(1995年初版)等に記載されている香料化合物等の、上記成分(B)以外の香料;アルキル硫酸エステル塩やアルキルスルホン酸塩、アシルアミノ酸塩等のアニオン界面活性剤やその他の界面活性剤;殺菌剤;ソルビトールやエリスリトール等の糖アルコール;グリセリンやプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の湿潤剤;保存剤;薬効成分やその他の有効成分;色素等を適宜含有することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[シリカ顆粒Xの調製]
成分(A)の顆粒として、上記のとおりケイ酸ナトリウムと硫酸を用いた湿式のゲル化法により得られたシリカ顆粒Xを調製した。
すなわち、まずケイ酸ナトリウムの水溶液を一定流量で混合ノズル内へ圧送し、他方、硫酸を一定流量で混合ノズルへ圧送した。これにより、混合ノズル内において撹拌混合されたケイ酸ナトリウム水溶液と硫酸によりシリカゾルを生成させ、これをゲル化させてシリカヒドロゲルを得た。次いで、かかるシリカヒドロゲルを含水調整して分級し、シリカ顆粒Xを得た。
式(x)を用いた上記方法により測定したシリカ顆粒Xの含水率は60%、崩壊強度は7g/個、平均粒径は200μm、変形率は48%であった。
[シリカ顆粒Yの調製]
特開2011-11998号公報の記載の製造方法に従って、シリカ、水酸化ナトリウム、セルロース、及び水を含む混合物である水スラリーを噴霧乾燥に付してシリカ顆粒Y(シリカ含有量:94質量%、セルロース含有量:5質量%、水酸化ナトリウム含有量:1質量%)を得た。
式(x)を用いた上記方法により測定したシリカ顆粒Yの含水率は3%、崩壊強度は7g/個、平均粒径は200μm、変形率は3%であった。
[実施例1~9、比較例1~4、比較例5-1~5-2、比較例6~9]
得られたシリカ顆粒X又はシリカ顆粒Yを用い、表1~2に示す処方にしたがって各口腔用組成物を得た。
次いで、下記方法にしたがって各評価を行った。
結果を表1~2に示す。
《使用感、及び香味立ちの評価》
得られた口腔用組成物を歯ブラシに1g載置して1分間ブラッシングすることにより歯磨きを実施した。かかる歯磨きの開始時から終了時にわたる間での口腔内における使用感(顆粒感、及び不要な感触)及び香味立ちについて、専門パネリスト4名により以下の基準にしたがって評価を行い、その平均値を求めた。
なお、全ての評価項目について値が低ければ低いほど、優れた顆粒感を伴い、かつ不要な感触が抑制された快適な使用感をもたらすとともに、香味立ちの発揮をも有効に図ることができることを意味する。
・顆粒感の評価
1:顆粒感がしっかりある
2:顆粒感がややある
3:顆粒感があまりない
4:顆粒感がない
・不要な感触(ぼそぼそとした感触)の評価
1:ぼそぼそとした感触がない
2:ぼそぼそとした感触があまりない
3:ぼそぼそとした感触がややある
4:ぼそぼそとした感触がある
・香味立ちの評価
1:香味の広がりをしっかりと感じる
2:香味の広がりを感じる
3:香味の広がりをやや感じる
4:香味の広がりをあまり感じない
上記結果によれば、本発明の口腔用組成物である実施例1~6は、低含水率のシリカ顆粒Yを用いた比較例1~6に比して、全ての評価項目について低い値を示している。すなわち、これら実施例1~6は、その他の実施例7~9と同様、快適な使用感を付与しながら香味立ちが有効に発揮されていることがわかる。
一方、高含水率のシリカ顆粒Xを用いてはいるものの成分(B)以外の香料(メントール)を単独で含有する比較例5-1は、低含水率のシリカ顆粒Yを用いた比較例5-2と比して、香味立ちには何ら差異がないこともわかる。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)含水率が50%以上80%以下であるシリカ顆粒
    (B)下記式(1)で表される1種又は2種以上の香料
    (式(1)中、R及びRは、各々独立して水素原子、アルデヒド基、カルボキシ基、アルコキシ基、或いは炭素数1~3の飽和又は不飽和のアルキル基を示す。ただし、R又はRが炭素数2以上のアルキル基である場合、該アルキル基の末端の炭素原子は、アルデヒド基の炭素原子を構成していてもよい。
    は、水素原子、水酸基、又はアルコキシ基を示す。)
    を含有する口腔用組成物であって、
    前記口腔用組成物に含まれる全水分量(W)と成分(A)の含有量との質量比((W)/(A))が2.5以上9.5以下である口腔用組成物。
  2. 成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が、10以上10000以下である請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 成分(A)の含有量が、5質量%以上15質量%以下である請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 成分(B)の含有量が、0.0001質量%以上1質量%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  5. 成分(A)の崩壊強度が、3gf/個以上20gf/個以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  6. 成分(A)の平均粒径が、100μm以上300μm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  7. さらに、カルボキシメチルセルロース又はその塩(D)を含有し、かつ
    成分(A)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((A)/(D))が、3以上12以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
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