JP2024001652A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性及び耐ホットオフセットに優れ定着可能温度幅が広く、さらに高温高湿環境及び低温低湿環境の両環境において優れた帯電安定性を有するトナー。【解決手段】樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子のクロロホルム可溶分に対し、貧溶媒としてアセトニトリル良溶媒としてクロロホルムを使用してグラジエントLC分析した際に、該移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲において検出したピーク、及び該移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲において検出したピークが特定の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本開示は、電子写真法、静電記録法に用いられるトナーに関するものである。
従来、電子写真装置においても省エネルギー化が大きな技術的課題として考えられ、定着装置にかかる熱量の大幅な削減が検討されている。特に、トナーにおいては、より低エネルギーでの定着が可能な、いわゆる「低温定着性」のニーズが高まっている。
低温での定着を可能にするための手法としては、トナー中の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を低下させることが挙げられる。しかしながら、Tgを低下させることは、トナーの耐熱保存性を低下させることにつながるため、この手法においては、トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立させることは困難であるとされている。
その対策として、特許文献1及び2では、可塑剤を添加したトナーが検討されている。可塑剤は、トナーのTgを維持したまま、結着樹脂の軟化速度を速くすることができ、低温定着性及び耐熱保存性を両立しうる。しかし、可塑剤が溶融し、結着樹脂を可塑させるというステップを経てトナーが軟化するため、トナーの溶融速度には限界があり、さらなる低温定着性の向上が望まれている。
そこで、トナーのさらなる低温定着性及び耐熱保存性を両立させるために、結着樹脂として結晶性のビニル樹脂を使用する方法が検討されている。トナー用の結着樹脂として一般的に用いられる非晶性の樹脂は示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示さないが、結晶性樹脂成分を含有する場合には、DSC測定における吸熱ピーク(融点)が現れる。
結晶性のビニル樹脂は、分子内の側鎖が規則的に配列することにより、融点まではほとんど軟化しないといった性質を有する。また、融点を境に結晶が急激に融解し、それに伴った急激な粘度の低下が起こる。このため、シャープメルト性に優れ、低温定着性と耐熱保存性を両立する材料として注目されている。通常、結晶性のビニル樹脂は、主鎖骨格に長鎖アルキル基を側鎖として有し、側鎖の長鎖アルキル基同士が結晶化することで、結晶性樹脂となる。
特許文献3では、結晶性のビニル樹脂中に不飽和基を導入することで、製造安定性に優れた結晶性ビニルを含有したトナーの製造方法が提案されている。
また、特許文献4では、長鎖アルキル基を有する重合性単量体と、SP値の異なる非晶性の重合性単量体を共重合した結晶性のビニル樹脂と、非晶性樹脂と、を用いたトナーにより、低温定着性と耐ホットオフセット性とを両立する手法が提案されている。
さらに、特許文献5では、結晶性ビニル樹脂と非晶性樹脂とを架橋させることによって、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立に加え耐久性の優れたトナー得る手法が提案されている。
国際公開第2013/047296号 特開2016-066018号公報 特開2016-218237号公報 特開2021-096463号公報 特開2021-036316公報
しかしながら、特許文献3、4及び5では、低温定着性と耐ホットオフ性を両立しつつ、高温高湿環境下及び低温低湿環境下の両環境下における高い帯電安定性を得ることに改善すべき課題があることが分かった。
特許文献3では、重合性単量体と結晶性ビニル樹脂とを反応させることでトナーを得ているが、結晶性樹脂と重合性単量体との反応性に大きな差が生じてることに起因して、低温低湿環境における帯電安定性に課題がある。特許文献4及び5では、結晶性ビニル樹脂に極性基を導入することで、低温低湿環境下における良好な帯電性が発現する一方、高温高湿下における帯電保持性という観点で課題を有している。
本開示は、低温定着性及び耐ホットオフセットに優れ定着可能温度幅が広く、さらに高温高湿環境及び低温低湿環境の両環境において優れた帯電安定性を有するトナーを提供する。
本開示は、樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いたソックスレー抽出において48時間抽出して得られた可溶分から、リサイクルHPLCにより分子量2000以下の成分を除去したものを、該トナー粒子から抽出した該樹脂のクロロホルム可溶分とし、
該樹脂の該クロロホルム可溶分に対し、貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてクロロホルムを使用し、アセトニトリル100体積%の移動組成から、クロロホルム100体積%の移動相に直線的に変化させたときの溶出成分をグラジエントLC分析した際に、
該移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSA、極大値をPAとし、
該移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSB、極大値をPBとし、
該PA及び該PBの間に存在する最小の極小値をVABとしたとき、
該PA及び該PBが存在し、
該SA、該SB、該PB及び該VABが以下の式(1)及び(2)を満たすトナーに関する。
0.30 ≦ SA/SB ≦ 0.85 ・・・(1)
0.25 ≦ VAB/PB ≦ 0.55 ・・・(2)
本開示によれば、低温定着性及び耐ホットオフセットに優れ定着可能温度幅が広く、さらに高温高湿環境及び低温低湿環境の両環境において優れた帯電安定性を有するトナーを提供できる。
グラジエントLC分析の結果の例。
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素-炭素結合1区間を1ユニットとする。ビニル系モノマーとは下記式(C)で表すことができる。
Figure 2024001652000002
[式(C)中、Rは水素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基)を表し、Rは任意の置換基を表す。]
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂をいう。
本発明者らは、トナー中に含まれる樹脂成分の極性の分布に注目し、トナーを構成する樹脂の極性分布を適切に制御することで、上記課題を解決できることを見出した。
結晶性ビニル樹脂を用いてトナーの低温定着性を得るためにはトナー粒子中の樹脂に、一定量以上の結晶性ビニル樹脂を含有させることが重要である。結晶性ビニル樹脂は、構成するモノマーユニットの組成によって、ある程度の極性を制御することができるが、結晶性ビニル樹脂は一般に高い割合で長鎖アルキル構造を含む必要があるために、極性が低くなる傾向がある。
より高いシャープメルト性を得るためには、より長い長鎖アルキルユニットの含有比率を高くするなど高い結晶性が必要であり、このような樹脂は極性が低くさらに電気抵抗が低くなりやすく、帯電を保持することが容易ではない。
このような帯電特性を示す結晶性樹脂を用いて、優れた帯電性を得るために従来用いられている非晶性樹脂を組み合わせることを考えた。具体的には、シャープメルト性が優れた結晶性樹脂と、該結晶性樹脂と極性が異なる樹脂を併用することで、低温定着性を結晶性樹脂により発現しつつ、帯電安定性を非晶性樹脂により得られないかと考え、鋭意検討を重ね、以下のトナーを得るに至った。
本開示は、樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いたソックスレー抽出において48時間抽出して得られた可溶分から、リサイクルHPLCにより分子量2000以下の成分を除去したものを、該トナー粒子から抽出した該樹脂のクロロホルム可溶分とし、
該樹脂の該クロロホルム可溶分に対し、貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてクロロホルムを使用し、アセトニトリル100体積%の移動組成から、クロロホルム100体積%の移動相に直線的に変化させたときの溶出成分をグラジエントLC分析した際に、
該移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSA、極大値をPAとし、
該移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSB、極大値をPBとし、
該PA及び該PBの間に存在する最小の極小値をVABとしたとき、
該PA及び該PBが存在し、
該SA、該SB、該PB及び該VABが以下の式(1)及び(2)を満たすトナーに関する。
0.30 ≦ SA/SB ≦ 0.85 ・・・(1)
0.25 ≦ VAB/PB ≦ 0.55 ・・・(2)
まず、グラジエントLC分析について説明する。グラジエントLC分析では、特に断りのない限り、トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いたソックスレー抽出において48時間抽出して得られた可溶分から、リサイクルHPLCにより分子量2000以下の成分を除去した、樹脂のクロロホルム可溶分を試料とする。トナー粒子から抽出した樹脂のクロロホルム可溶分に対し、貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてクロロホルムを使用し、アセトニトリル100体積%の移動組成から、クロロホルム100体積%の移動相に直線的に変化させたときの溶出成分をグラジエントLC分析する。
そして移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSAとし、ピークの極大値をPAとする。また、移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSBとし、極大値をPBとする。さらに、極大値PA及び極大値PBの間に存在する最小の極小値をVABとする。
このとき、PA及びPBが存在する。また、SA、SB、PB及びVABが以下の式(1)及び(2)を満たす。
0.30 ≦ SA/SB ≦ 0.85 ・・・(1)
0.25 ≦ VAB/PB ≦ 0.55 ・・・(2)
詳細は後述するが、グラジエントLC分析における、移動相中におけるクロロホルムの割合に応じて得られる、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出した信号は、極性の高さを示している。クロロホルムの体積分率が高いほど極性が低い成分であることを表している。
グラジエントLC分析で得られた、移動相中のクロロホルムの割合(体積分率)が50.0~75.0体積%の範囲における、ピークの極大値PA及び面積SAは、比較的極性の高い非晶性樹脂成分に由来する。
一方、移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲における、ピークの極大値PB及び面積SBは、比較的極性の低い結晶性樹脂成分に由来している。
グラジエントLC分析における非晶性樹脂成分に由来する信号の面積と結晶性樹脂成分に由来する信号の面積の比であるSA/SBは、非晶性樹脂成分による帯電保持性と結晶性樹脂成分による帯電のリーク性とのバランスを示している。SA/SBが、0.30以上0.85以下のとき、帯電性に関する効果が顕著に表れることが分かった。
SA/SBが0.30未満であると高温高湿環境下におけるリーク性が高すぎて、耐久試験を行うと帯電安定性が低下してしまう。また、SA/SBが0.85よりも大きい場合には、低温低湿環境下でのリーク性が得られないために、耐久試験を行うと著しいチャージアップが生じてしまう。
SA/SBは、好ましくは0.40~0.80であり、より好ましくは0.50~0.77であり、さらに好ましくは0.60~0.75であり、さらにより好ましくは0.65~0.75である。
SA/SBは、トナー粒子中の高い極性を有する樹脂成分の比率を増やすことにより大きくすることができる。また、SA/SBは、トナー粒子中の低い極性を有する樹脂成分の比率を増やすことにより小さくすることができる。
SAは、25.0~45.0であることが好ましく、35.0~42.0であることがより好ましい。
SBは、45.0~65.0であることが好ましく、50.0~55.0であることがより好ましい。
極大値PA及び極大値PBの間の極小値のうち最小の極小値VABは、非晶性樹脂成分と結晶性樹脂成分それぞれの中間的な極性成分が全体としてどの程度存在するかの指標である。極小値VABがある程度の割合で存在することで、極大値PA及び極大値PB間における電荷の授受が可能になり、それぞれの成分の特性の相乗効果が得られると考えている。
特に、電荷のリーク性を制御することが、優れたトナーの帯電特性を得るために重要であり、極小値VABの結晶性樹脂成分に由来する極大値PBに対する比である。VAB/PBが0.25以上0.55以下のとき、低極性な結晶性樹脂と極性の高い非晶性樹脂との中間的な極性を示す樹脂が適度な量で含有されていることを示し、非晶性樹脂成分に蓄えられた電荷を結晶性樹脂成分へ電荷を授受する効果が顕著に表れる。
VAB/PBが0.25未満である場合は、非晶性樹脂成分と結晶性樹脂成分それぞれの中間的な極性成分が少なすぎるために、電荷の授受がされにくくなるため、低温低湿環境下での耐久試験によるチャージアップ抑制が発現しない。一方、VAB/PBが0.55よりも大きい場合には、電荷のリーク性が高くなってしまい、高温高湿環境下での帯電性を保持することができなくなってしまう。
VAB/PBは、好ましくは0.30~0.50であり、より好ましくは0.35~0.45である。
VAB/PBは、トナー粒子中の高い極性を有する樹脂成分と低い極性を有する樹脂成分の極性を近づけること、重合性官能基を有する低い極性の樹脂と極性を有する重合性モノマーとの重合反応により生成される樹脂成分を増やすこと、トナー粒子中の高い極性を有する樹脂成分及び低い極性を有する樹脂成分のほかにその間の極性を有する樹脂成分を加えること、及び低い極性を有する樹脂成分の含有割合を少なくすることなどにより大きくすることができる。また、VAB/PBは、トナー粒子中の高い極性を有する樹脂成分と低い極性を有する樹脂成分の極性を離すこと及び低い極性を有する樹脂成分の含有割合を多くすることなどにより小さくすることができる。
PAは、例えば2.0~5.0であることが好ましく、3.0~4.5であることがより好ましい。
PBは、例えば2.0~4.0であることが好ましく、2.5~3.5であることがより好ましい。
VABは、例えば0.8~2.0であることが好ましく、1.0~1.3であることがより好ましい。
以上のことから、前述した式(1)及び式(2)を満たすことによって、低温定着性と耐ホットオフセット性に優れたトナーにおいて、さらに高温高湿環境及び低温低湿環境下においても優れた帯電安定性を発揮することができる。
また、グラジエントLC分析において、移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、極大値PAに対応する樹脂成分である樹脂Aとする。
さらに、グラジエントLC分析において、移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、極大値PBに対応する樹脂成分である樹脂Bとする。このとき、樹脂Bが下記式(3)で示されるモノマーユニット(a)を有することが好ましい。
Figure 2024001652000003
[式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、単結合、エステル結合、又はアミド結合を表しmは15~30の整数を表す。]
モノマーユニット(a)を有する樹脂成分であれば、グラジエントLC分析において、クロロホルム体積分率が75.0~95.0体積%の範囲に、極大値PBを発現させやすくなり、帯電安定性を制御するために好ましい。
は好ましくはエステル結合であり、より好ましくはエステル結合-COO-におけるカルボニルがRを有する炭素に結合している。
mが15以上30以下の範囲であれば、得られた樹脂Bが優れた結晶性を発現するために、低温定着性に優れたトナーを得ることができる。mは、18以上24以下であることが好ましく、20以上22以下であることがより好ましい。
樹脂Bに式(3)で示されるモノマーユニット(a)を導入するための方法としては、以下のような(メタ)アクリル酸エステルを重合させる方法がある。例えば、炭素数16~31の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコシル、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドトリアコンチルなど]及び炭素数16~31の分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシルなど]が挙げられる。
モノマーユニット(a)を形成するモノマーは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
樹脂Bにおける、式(3)で示されるモノマーユニット(a)の含有割合は、40.0~95.0質量%であることが好ましく、60.0~93.0質量%であることがより好ましく、70.0~90.0質量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、低温定着性と耐ホットオフセット性のバランスにより優れる。
樹脂Bはビニル樹脂であることが好ましい。樹脂Bは、モノマーユニット(a)に加えて、他のモノマーユニットを有することも可能である。他のモノマーユニットを導入するための方法としては、前記(メタ)アクリル酸エステルと、他のビニル系単量体を重合させる方法がある。
他のビニル系単量体としては、以下が挙げられる。
スチレン、α―メチルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類。
ウレア基を有する単量体:例えば炭素数3~22のアミン[1級アミン(ノルマルブチルアミン、t―ブチルアミン、プロピルアミン及びイソプロピルアミン等)、2級アミン(ジノルマルエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジノルマルブチルアミン等)、アニリン及びシクロキシルアミン等]と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体等。
カルボキシ基を有する単量体;例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸-2-カルボキシエチル。
ヒドロキシ基を有する単量体;例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等。
アミド基を有する単量体;例えば、アクリルアミド、炭素数1~30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸等)を公知の方法で反応させた単量体。
中でも、スチレン、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチルを使用することが好ましい。
樹脂Bは、下記式(A)で表されるスチレンによるモノマーユニットを有することが好ましい。また、樹脂Bは、下記式(B)で表される(メタ)アクリル酸によるモノマーユニットを有することが好ましい。
Figure 2024001652000004
式(B)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは好ましくはメチル基である。
樹脂Bにおける、スチレンによるモノマーユニットの含有割合は、1.0~50.0質量%であることが好ましく、10.0~30.0質量%であることがより好ましく、15.0~25.0質量%であることがさらに好ましい。
樹脂Bにおける、(メタ)アクリル酸(好ましくはメタクリル酸)によるモノマーユニットの含有割合は、0.5~5.0質量%であることが好ましく、1.0~3.0質量%であることがより好ましく、1.0~2.0質量%であることがさらに好ましい。
樹脂Bの数平均分子量Mnは、4000~13000であることが好ましく、6000~9000であることがより好ましい。
樹脂Bの重量平均分子量Mwは、10000~50000であることが好ましく、20000~30000であることがより好ましい。
また、樹脂Bの酸価をAvb(mgKOH/g)としたとき、Avbは下記式(4)を満たすことが好ましい
1.5 ≦ Avb ≦ 25.0 ・・・(4)
Avbが、1.5mgKOH/g以上であると、酸価に由来した水分吸着性の優れた極
性基を導入できるため適度に水分吸着を促すことができ、非晶性樹脂成分と結晶性樹脂成分の電荷授受がより起こりやすくなる。その結果、低温低湿環境下におけるチャージアップがより好ましく抑制され、帯電安定性により優れる。
一方、Avbが25.0mgKOH/g以下であれば、酸価に由来する組成ムラが低減できるので、非晶性樹脂から結晶性樹脂の電荷リークがより好ましく抑制でき、高温高湿下における帯電安定性に優れる。
Avbは好ましくは、3.0以上25.0以下であり、より好ましくは5.0以上20.0以下である。さらにより好ましくは6.0以上15.0以下である。
次に、極大値PAの半値幅をHPA(体積%)としたときに、HPAは下記式(5)を満たすことが好ましい。
3.0 ≦ HPA ≦ 10.0 ・・・(5)
HPAはPAに対応する樹脂Aの組成の分布を表している。
HPAが3.0以上であれば、PAの形状がシャープ過ぎないために、低温低湿環境下におけるチャージアップをより抑制する効果がある。一方、HPAが10.0以下であれば組成分布が少なく、十分な帯電量を保持するという観点で優れているため、高温高湿環境下での帯電安定性により優れる。
HPAは、より好ましくは5.0以上8.0以下であり、さらに好ましくは6.0以上7.5以下である。HPAは、構成する樹脂の組成分布を不均一にすることにより大きくすることができる。また、HPAは、構成する樹脂の組成分布を均一にすることにより小さくすることができる。
組成分布は、重合性単量体を用いて得られた樹脂であれば、反応性が近い重合性単量体を組み合わせることで組成分布を均一にすることができ、反対に反応性が離れている重合性単量体を組み合わせることで組成分布を不均一にできる。反応性はそれぞれの重合性単量体の分子量や重合性単量体の不飽和基等により変化させることができる。例えば、重合性単量体の分子量が大きいほど反応性は低くなり、分子量が小さいほど反応性が高くなる。また、重合性単量体の不飽和基がアクリル基及びメタクリル酸基であれば、メタクリル基の反応性が高い。
また、樹脂Aの酸価Ava(mgKOH/g)としたとき、Avaは下記式(6)を満たすことが好ましい
0.0 ≦ Ava ≦ 3.0 ・・・(6)
トナー中に樹脂Bのようなリーク性の高い結晶性樹脂が存在する場合には、非晶性の樹脂Aの酸価が低いほうが、帯電保持性により優れる。そのため、Avaが上記範囲であると高温高湿環境下における帯電安定性により優れる。
Avaはより好ましくは0.0以上2.5以下であり、さらに好ましくは0.0以上2.0以下であり、さらにより好ましくは0.0以上1.0以下であり、特に好ましくは0.0である。
樹脂Aは、スチレンによるモノマーユニット及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルによるモノマーユニットを有することが好ましい。
スチレンによるモノマーユニットと(メタ)アクリル酸アルキルエステルによるモノマーユニットを有する樹脂は、グラジエントLC分析において、クロロホルム体積分率が50.0~75.0%の範囲に、極大値PAを発現させやすくなる。さらにはHPAを前述した範囲に制御するために適しており、帯電安定性を制御するのに好ましい。
樹脂Aは、下記式(D)で表されるスチレンによるモノマーユニット及び下記式(E)
で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルによるモノマーユニットを有することが好ましい。例えば、樹脂Aは、スチレン及び炭素数1~12(好ましくは1~6、より好ましくは2~4)のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体である。
Figure 2024001652000005
式(E)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1~12(好ましくは1~6、より好ましくは2~4)のアルキル基を表す。
樹脂Aにおける、式(D)で表されるスチレンによるモノマーユニットの含有割合は、40.0~90.0質量%が好ましく、50.0~85.0質量%がより好ましく、60.0~80.0質量%がさらに好ましく、65.0~75.0質量%がさらにより好ましい。
樹脂Aにおける、式(E)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルによるモノマーユニットの含有割合は、10.0~60.0質量%が好ましく、15.0~50.0質量%がより好ましく、20.0~40.0質量%がさらに好ましく、25.0~35.0質量%がさらにより好ましい。
トナー粒子から抽出した樹脂のクロロホルム可溶分のグラジエントLC分析において、極大値PAが発現したときの移動相中のクロロホルムの体積分率をCA(体積%)とし、極大値PBが発現したときの移動相中のクロロホルム体積分率をCB(体積%)とし、極小値VABを発現したときの移動相中のクロロホルム体積分率をCV(体積%)とする。このとき、CAとCBが下記式(7)を満たすことが好ましい。
10.0 ≦ CB-CA ≦ 30.0 ・・・(7)
式(7)は極大値PAと極小値PBとのクロロホルム体積分率の差を表しており、樹脂Aと樹脂Bの極性に適度な差があることを表している。
体積分率の差CB-CA(体積%)が10.0以上であると、十分に樹脂Aと樹脂Bの極性差があるために、トナーの電荷リークをより一層抑制でき、高温高湿環境下における帯電安定性により優れる。一方、CB-CAが30.0以下である場合には、樹脂Aと樹脂Bの極性がある程度近しいために、より電荷の授受が行われやすくなり、低温低湿環境下におけるチャージアップ抑制効果が発現しやすく、より帯電安定性に優れる。
CB-CA(体積%)は好ましくは、12.5~25.0であり、さらに好ましくは17.0~22.0である。
CA(体積%)は、好ましくは50.0~75.0であり、より好ましくは60.0~70.0である。
CB(体積%)は、好ましくは70.0~92.0であり、より好ましくは80.0~90.0である。
CV(体積%)は、好ましくは65.0~80.0であり、より好ましくは70.0~
80.0である。
トナー粒子に含まれる樹脂のうち樹脂Aの含有割合をMA(質量%)とし、トナー粒子に含まれる樹脂のうち樹脂Bの含有割合をMB(質量%)とする。
また、トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いたソックスレー抽出において、48時間抽出して得られた不溶分を分離する。得られた不溶分における焼却残灰分を除いた樹脂成分を樹脂Cとし、トナー粒子に含まれる樹脂のうち樹脂Cの含有割合をMC(質量%)とする。
このとき、MA(質量%)、MB(質量%)及びMC(質量%)は、下記式(8)、(9)及び(10)を満たすことが好ましい。
MA + MB + MC ≦ 100.0 ・・・(8)
25.0 ≦ MA ≦ 55.0 ・・・(9)
15.0 ≦ MB ≦ 50.0 ・・・(10)
式(8)は、樹脂A、樹脂B及び樹脂Cのトナーに含まれる総量を表し、樹脂A、樹脂B及び樹脂C以外の樹脂が含まれていてもよいことを表す。MA+MB+MCは、より好ましくは60.0~90.0であり、さらに好ましくは70.0~85.0であり、さらにより好ましくは75.0~80.0である。式(9)はトナー粒子中の樹脂のうち樹脂Aの含有量を示し、式(10)はトナー粒子中の樹脂のうち樹脂Bの含有量を表している。
樹脂Aの含有割合MAが25.0~55.0質量%であれば、トナーとしての帯電総量を満足できるため、高温高湿環境及び低温低湿環境下における帯電特性により優れる。MAのより好ましい範囲は、30.0質量%以上50.0質量%以下であり、さらに好ましくは、35.0質量%以上45.0質量%以下である。
樹脂Bの含有割合MBが15.0~50.0質量%であれば、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立する観点でさらに優れている。MBは、より好ましくは17.5質量%以上45.0質量%以下であり、さらに好ましくは20.0質量%以上40.0質量%以下であり、さらにより好ましくは20.0質量%以上25.0質量%以下である。
さらに、トナー粒子に含まれる樹脂のうち樹脂Cの含有割合MC(質量%)が下記式(11)を満たすことが好ましい。
3.0 ≦ MC ≦ 30.0 ・・・(11)
樹脂Cはクロロホルムに溶解しない樹脂成分であり、樹脂として分子量が高い成分や架橋された構造を有する樹脂成分である。このような樹脂は、トナー粒子の高温時のトナー弾性を維持することにより、耐ホットオフセット性をより制御しやすくなる。
MCが3.0質量%以上30.0質量%以下であればより低温定着性と耐ホットオフセット性を両立することに優れている。
MCは、より好ましくは5.0質量%以上25.0質量%以下であり、さらに好ましくは10.0質量%以上20.0質量%以下である。
樹脂Aのトナー中の含有量は、樹脂Aの添加量又は樹脂Aとなる重合性単量体の添加量によって制御できる。また、樹脂Bの含有量は、樹脂Bとなる結晶性樹脂の添加量によって制御可能である。さらに、樹脂Cの含有量は、添加する樹脂に含まれるクロロホルム不溶分の量や、反応性基を分子中に2つ以上もつ重合性単量体又は後述する、不飽和二重結合を有する樹脂であるマクロモノマーの添加量により制御することができる。
また、樹脂Cは下記式(12)で示されるモノマーユニット(b)を有することが好ま
しい
Figure 2024001652000006
[式(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、単結合、エステル結合、又はアミド結合を表し、nは15~30の整数を表す。]
は好ましくはエステル結合であり、より好ましくはエステル結合-COO-におけるカルボニルがRを有する炭素に結合している。nは、18~24が好ましく、20~22がより好ましい。
上記式(12)の構造は、樹脂Cが長鎖アルキル基を有することを示す。トナー粒子中のクロロホルムに溶解しない樹脂成分である樹脂Cに、炭素数16以上の長鎖アルキル基が含まれることによって、非晶性樹脂成分と結晶性樹脂成分の間で起こる電荷の授受をする際の、中間的な挙動を示すことで、より帯電安定性を向上できる。
樹脂Aはガラス転移点Tga(℃)を有し、樹脂Bは融点Tmb(℃)を有し、樹脂Cは融点Tmc(℃)を有することが好ましい。そして、Tga(℃)、Tmb(℃)及びTmc(℃)が下記式(13)、(14)及び(15)を満たすことが好ましい。
40.0 ≦ Tga ≦ 65.0 ・・・(13)
50.0 ≦ Tmb ≦ 75.0 ・・・(14)
45.0 ≦ Tmc ≦ 65.0 ・・・(15)
樹脂Aのガラス転移点Tga(℃)が、40.0℃以上65.0℃以下であれば低温低湿環境下における帯電安定性と低温定着性により優れる。Tgaは、より好ましくは45.0℃以上55.0℃以下である。
樹脂Bの融点Tmb(℃)が、50.0℃以上75.0℃以下であれば、低温低湿環境下におけるチャージアップ抑制と低温定着性と耐ホットオフセット性の両立により優れる。Tmbは、より好ましくは55.0℃以上65.0℃以下である。
樹脂Cの融点Tmc(℃)が、45.0℃以上65.0℃以下であれば高温高湿環境下の帯電保持性と低温低湿環境下におけるチャージアップ抑制効果により優れる。Tmbは、より好ましくは50.0℃以上60.0℃以下である。
グラジエントLC分析の解析結果の例を図1に示す。括弧内の数値は図中の符号を示す。
クロロホルム体積分率が50.0体積以上75.0体積%以下の面積SA(1)、極大値PA(3)、極大値PA(3)の半値幅HPA(6)及び体積分率CA(7)は以下のように制御可能である。
まず、樹脂Aに由来する極大値の半値幅であるHPA(6)及びクロロホルム体積分率CA(7)は樹脂Aの組成により制御可能である。具体的に、HPA(6)は樹脂Aを構
成するモノマーユニットの原料となる重合性単量体の反応性の差や重合性単量体の極性の差により制御可能である。反応速度の差が大きい又は単量体の極性の差が大きいほど、半値幅HPA(6)が大きくなる。例えば、ビニル系重合により得られる樹脂の場合、重合性単量体の分子量が大きいほど反応速度は遅くなる。また、アクリル基に対してメタクリル基を導入した重合性単量体のほうは反応性が速くなる。
極大値PA(3)を含む樹脂Aに由来する、クロロホルム体積分率50.0~75.0%の面積SA(1)及び極大値PA(3)は、トナー粒子中の樹脂Aの総量及び半値幅HPA(6)により制御することができる。具体的には、トナー粒子を作製する際の、樹脂Aの添加量又は重合を伴う場合は樹脂Aとなる重合性単量体の総量により制御可能である。
クロロホルム体積分率が75.0~95.0%の樹脂Bに由来する極大値PB(4)、極大値PB(4)を示すクロロホルム体積分率CB(8)及びSB(2)は、前述した樹脂CA(7)同様に、樹脂Bの組成やトナー粒子を作製する際の樹脂総量により制御可能である。
さらに、極大値PA(3)及び極大値PB(4)の間にある極小値VAB(5)は、樹脂Aと樹脂Bのトナー粒子中の比率及び樹脂の組成により制御可能である。特に、樹脂Aと樹脂Bそれぞれ、半値幅が小さければVABは小さくなり、半値幅が大きければVABは大きくなる傾向がある。加えて、樹脂Aと樹脂Bの中間的な極性かつ組成に分布を持つ樹脂を添加することで、VABの値を大きくすることに有効である。CV(9)は、極大値VABのクロロホルム体積分率である。
樹脂Aと樹脂Bの中間的な極性かつ組成に分布を持つ樹脂Cとして、反応性を有する不飽和二重結合を有する樹脂であるマクロモノマー、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む重合性単量体との共重合体が好ましい。または、長鎖アルキルを有する重合性単量体と、該重合性単量体とは極性の異なる重合性単量体とを共重合した結晶性のビニル樹脂が好ましい。
反応性を有する不飽和二重結合を有する低極性の樹脂であるマクロモノマーは、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートから誘導されるマクロモノマーであることが好ましい。マクロモノマーを構成するアルキルアクリレート又はアルキルメタクリレートはアルキル部分の炭素数が12以上30以下であることが好ましい。アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートを、以下、アルキル(メタ)アクリレートとも称する。
アルキル部分の炭素数が12以上30以下のアルキル(メタ)アクリレートとは、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、トリコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、ペンタコシル(メタ)アクリレート、ヘキサコシル(メタ)アクリレート、ヘプタコシル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート、ノナコシル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
これらの単量体は併用して用いることでマクロモノマーの融点を調整しやすくなる。炭素数が12以上のアルキル部分を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いると耐熱性、耐久性が良好となる。炭素数が30以下のアルキル部分を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いると造粒性が良好となる。
上記単量体以外のものを反応させてもよい。例えば、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトン類等が挙げられる。
上記単量体を用いて重合したアクリル樹脂の末端に重合性官能基をもたせる方法としては次のような方法が挙げられる。例えば、VA-086(和光純薬)などの末端にヒドロキシ基を有する重合開始剤を用いて上記単量体をラジカル重合し、開始剤由来の末端ヒドロキシ基を有したアクリル樹脂をスチレンと重合反応可能な重合性官能基で変性する方法が挙げられる。
また、開始剤としてVA-057(和光純薬)などの末端にカルボキシ基を有する重合性開始剤を用いて上記単量体をラジカル重合し、開始剤由来の末端を有したアクリル樹脂をスチレンと重合反応可能な重合性官能基で変性する方法が挙げられる。
さらに上記単量体以外に、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート等のヒドロキシル基を有するビニルモノマー;アクリル酸又はメタアクリル酸等のカルボキシ基有するビニルモノマーを用いてポリマー中にヒドロキシ基またはカルボキシ基を導入して、アクリル樹脂をスチレンと重合反応可能な重合性官能基で変性する方法が挙げられる。
変性方法としては、酸クロイドを用いたショッテン・バウマン反応や、イソシアネートを用いたウレタン反応などによる変性が挙げられる。具体的な試薬としては、アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、p-スチレンスルホン酸クロリド、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2-メタアクリロイルオキシエチルイソシアナートなどが挙げられる。そのほかの変性手法として、カルボキシ基とグリシジル基とのエポキシ付加反応による変性方法があげられる。
具体的な試薬としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルグリシジルアクリレート、2-ヒドロキシエチルグリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルグリシジルアクリレート及び4-ヒドロキシブチルグリシジルメタクリレートなどグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルがあげられる。
また、他の方法としては、特開2002-363203号公報のような高温連続重合によりマクロモノマーを得る方法が挙げられる。
重合性単量体組成物には、スチレン以外の重合性単量体を併用してもよい。好適に用いられる重合性単量体としては、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレー
ト、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトン類等が挙げられる。
また、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’-ビス(4-(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル、4,4’-ジビニルビフェニル、等が挙げられる。
長鎖アルキルを有する重合性単量体と極性の異なる重合性単量体とを共重合した結晶性のビニル樹脂に用いられる重合性単量体は、
長鎖アルキルを有する重合性単量体は、アルキル部分の炭素数が12以上30以下(好ましくは18以上26以下、より好ましくは20以上24以下)のアルキル(メタ)アクリレートとは、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、トリコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、ペンタコシル(メタ)アクリレート、ヘキサコシル(メタ)アクリレート、ヘプタコシル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート、ノナコシル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
長鎖アルキルを有する重合性単量体と極性の異なる重合性単量体は、
ニトリル基を有する単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
ヒドロキシ基を有する単量体;例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等。
アミド基を有する単量体;例えば、アクリルアミド、炭素数1~30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸等)を公知の方法で反応させた単量体。
ウレタン基を有する単量体:例えば、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~22のアルコール(メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ビニルアルコール等)と、炭素数1~30のイソシアネート[モノイソシアネート化合物(ベンゼンスルフォニルイソシアネート、トシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p-クロロフェニルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、t-ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、2-エチルヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、アダマンチルイソシアネート、2,6-ジメチルフェニルイソシアネート、3,5-ジメチルフェニルイソシアネート及び2,6-ジプロピルフェニルイソシアネート等)、脂肪族ジイソシアネート化合物(トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、脂環族ジイソシアネート化合物(1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)、及び芳香族ジイソシアネート化合物(フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネート等)等]とを公知の方法で反応させた単量体、及び
炭素数1~26のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t-ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール等)と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネート[2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等]とを公知の方法で反応させた単量体等。
ウレア基を有する単量体:例えば炭素数3~22のアミン[1級アミン(ノルマルブチルアミン、t―ブチルアミン、プロピルアミン及びイソプロピルアミン等)、2級アミン(ジノルマルエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジノルマルブチルアミン等)、アニリン及びシクロキシルアミン等]と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体等。
カルボキシ基を有する単量体;例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸-2-カルボキシエチル。
等があげられる。
樹脂Cを形成しうるマクロモノマーは、より好ましくはアルキル部分の炭素数が12以上30以下(好ましくは18以上26以下、より好ましくは20以上24以下)のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン及びスチレン誘導体などのスチレン系モノマー、並びにカルボキシ基を有する単量体の重合体に、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルが付加した樹脂である。樹脂Cを形成しうるマクロモノマーは、さらに好ましくはアルキル部分の炭素数が12以上30以下(好ましくは18以上26以下、より好ましくは20以上24以下)のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン及び(メタ)アクリル酸の重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートが付加した樹脂である。
マクロモノマーにおける不飽和基数は、好ましくは0.5~3.0、より好ましくは1.0~2.5である。
例えば、樹脂Cは、このようなマクロモノマーとスチレン及び炭素数1~8(好ましくは1~6、より好ましくは2~4)のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体であってもよい。
樹脂Cを形成しうるマクロモノマー又は樹脂Cの数平均分子量Mnは、5000~10000であることが好ましく、6000~8000であることがより好ましい。
樹脂Cを形成しうるマクロモノマー又は樹脂Cの重量平均分子量Mwは、15000~50000であることが好ましく、25000~35000であることがより好ましい。
上述した、樹脂Aに由来するクロロホルム体積分率50.0~75.0%の成分の面積SA、極大値PA、半値幅及び体積分率CA、樹脂Bに由来するクロロホルム体積分率75.0~95.0%の成分の面積SB、極大値PB、体積分率CB並びに極大値PAと極大値PBの間の極小値VABを任意に制御することで、SA/SB、VAB/PBを制御することができる。
次に、トナー粒子中の樹脂について説明する。トナー粒子は樹脂を含有する。樹脂は、例えば、結着樹脂である。樹脂は好ましくはビニル樹脂である。
樹脂A、樹脂B及び樹脂Cは式(1)及び(2)を満たす樹脂であれば公知の樹脂を用いてもよく、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂など公知の結着樹脂が挙げられる。また、ビニル系樹脂とポリエステル樹脂が結合したハイブリッド樹脂であってもよい。樹脂A、樹脂B及び樹脂Cは、例えば結着樹脂であり、ビニル系樹脂を含むことが好ましく、ビニル系樹脂であることがより好ましい。
さらに、樹脂A、樹脂B及び樹脂Cは、前述したモノマーユニットに加え、以下のモノマーによるモノマーユニットを有してもよい
アクリルモノマーとして、アクリル酸及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなアクリル酸エステル系モノマー又はメタクリル酸エステル系モノマー;
芳香族ビニルモノマーとしては、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンなどのスチレン誘導体;
などが挙げられる。
さらに、樹脂の分子量を制御するために、架橋剤を用いてもよい。
架橋剤としては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシ
ポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び該アクリレートをメタクリレートに代えたもの、2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートなどが挙げられる。
トナー粒子は、樹脂を有するコア粒子、及び該コア粒子を被覆するシェルを含有してもよい。シェルを形成する樹脂は、特に制限されないが、帯電安定性の観点から、ビニル樹脂又はポリエステル樹脂が好ましい。より好ましくは非晶性のポリエステル樹脂である。シェルは必ずしもコアの全体を被覆している必要はなく、コアが露出している部分があってもよい。
<離型剤>
トナーは、離型剤を含有してもよい。離型剤は、炭化水素系ワックス及びエステルワックスからなる群から選択される少なくとも一であることが好ましい。炭化水素系ワックス及び/又はエステルワックスを使用することで、有効な離型性を確保しやすくなる。
炭化水素系ワックスとしては特に限定はないが、例えば以下のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素系ワックス:低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、フィッシャートロプシュワックス、またはこれらが酸化、酸付加されたワックス。
エステルワックスは、1分子中にエステル結合を少なくとも1つ有していればよく、天然エステルワックス、合成エステルワックスのいずれを用いてもよい。
エステルワックスとしては特に限定はないが、例えば以下のものが挙げられる。
ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル等の1価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
セバシン酸ジベヘニル等の2価カルボン酸とモノアルコールのエステル類;
エチレングリコールジステアレート、ヘキサンジオールジベヘネート等の2価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
グリセリントリベヘネート等の3価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等の4価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサベヘネート等の6価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;
ポリグリセリンベヘネート等の多官能アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;カルナバワックス、ライスワックス等の天然エステルワックス類;
なかでも、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサベヘネート等の6価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類が好ましい。
離型剤は、炭化水素系ワックス又はエステルワックスを単独で用いてもよく、炭化水素系ワックス及びエステルワックスを併用してもよく、それぞれ二種類以上を混合して用いてもよいが、炭化水素系ワックスを単独で、もしくは二種類以上を使用することが好ましい。離型剤が炭化水素ワックスであることがより好ましい。
トナー粒子中の離型剤の含有量は、好ましくは1.0質量%以上30.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上25.0質量%以下である。トナー粒子中の離型剤の含有量が上記範囲にあることで、定着時の離型性が確保されやすくなる。
離型剤の融点は、60℃以上120℃以下であることが好ましい。離型剤の融点が上記範囲にあることで、定着時に溶融してトナー粒子表面に染み出しやすく、離型性が発揮されやすくなる。より好ましくは70℃以上100℃以下である。
<着色剤>
トナーは、着色剤を含有してもよい。着色剤として、公知の有機顔料、有機染料、無機顔料、黒色着色剤としてのカーボンブラック、磁性粒子などが挙げられる。そのほかに従来トナーに用いられている着色剤を用いてもよい。
イエロー用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180が好適に用いられる。
マゼンタ用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が好適に用いられる。
シアン用着色剤としては、以下のものが挙げられる。銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好適に用いられる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、好ましくは樹脂100.0質量部に対し、1.0質量部以上20.0質量部以下である。着色剤として磁性粒子を用いる場合、その含有量は樹脂100.0質量部に対し、40.0質量部以上150.0質量部以下であることが好ましい。
<荷電制御剤>
必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子に含有させてもよい。また、荷電制御剤をトナー粒子に外部添加してもよい。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン、四級アンモニウム塩、高級脂肪酸の金属塩、ジオルガノスズボレート類、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上20.0質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
<外添剤>
トナー粒子はそのままトナーとして用いてもよいし、必要により外添剤などを混合しトナー粒子表面に付着させることで、トナーとしてもよい。
外添剤としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子からなる群から選ばれる無機微粒子又はその複合酸化物などが挙げられる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミニウム微粒子やチタン酸ストロンチウム微粒子などが挙げられる。
外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。
続いて、トナーの製造方法について詳細に述べる。トナー粒子は、本件構成の範囲内であれば、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、粉砕法といった、公知のいずれの方法において製造されてもよい。なかでも、上記式(1)及び(2)を満足させやすいことから、懸濁重合法が好ましい。
懸濁重合法について、詳細を述べる。
例えば、樹脂Aを生成する各重合性単量体、予め合成した樹脂B(樹脂Bとなる結晶性樹脂)及び予め合成した樹脂Cを形成しうるマクロモノマー又は樹脂C(樹脂Cとなるクロロホルムに不要な樹脂)、並びに必要に応じて、着色剤、離型剤、荷電制御剤などのその他材料を混合し、均一に溶解、又は分散して重合性単量体組成物を調製する。重合性単量体の少なくとも一部を前もって着色剤と混合してもよい。
その後、該重合性単量体組成物を水系媒体中に撹拌器などを用いて分散し、重合性単量体組成物の懸濁粒子を調製する。その後、粒子に含有される重合性単量体を開始剤等によって重合させることにより、トナー粒子を得る。
トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要に応じて外添剤を添加して、トナーを得るとよい。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を用いることが可能である。
例えば、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピバレ-ト、t-ブチルパーオキシイソブチレ-ト、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのような過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
また、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤を用いてもよい。
水系媒体は、無機又は有機の分散安定剤を含有してもよい。
分散安定剤としては、公知の分散安定剤を用いることが可能である。
無機の分散安定剤としては、例えば、ヒドロキシアパタイト、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛のようなリン酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような硫酸塩;メタケイ酸カルシウム;ベントナイト;シリカ;アルミナが挙げられる。
一方、有機の分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプンが挙げられる。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いてもよい。
例えば、ヒドロキシアパタイトや第三リン酸カルシウムのようなリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液を混合するとよい。
水系媒体は界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、公知の界面活性剤を用いることが可能である。例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
各種物性についての算出方法及び測定方法について以下に記す。
<トナーからのトナー粒子の分離>
以下の方法で、トナー粒子と外添剤を分離して得られたトナー粒子を用いて、各分析に用いることができる。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させて、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに該ショ糖濃厚液31gと、6mLのコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を入れ、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブを、いわき産業社製「KM Shaker」(model: V.SX)にセットし、1分当たり350往復の条件で20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて、3500rpm、30分間の条件で遠心分離を行う。
遠心分離後のガラスチューブ内においては、最上層にはトナー粒子が存在し、下層の水溶液側にはシリカ微粒子などの外添剤が存在する。上層のトナー粒子を採取してろ過し、40℃に温めたイオン交換水2Lで通水洗浄し、洗浄したトナー粒子を取り出す。
<トナー粒子からの、クロロホルム可溶分の樹脂及び不溶分の樹脂の分離及び含有割合MCの測定>
トナー粒子1.5gを精秤(W1[g])し、予め精秤した円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。溶媒としてクロロホルム200mLを用いて18時間抽出し、その際に溶媒の抽出サイクルが5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒ろ紙を取り出して風乾した後、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を含む円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量を差し引くことにより、抽出残分の質量(W2[g])を算出する。また、クロロホルム可溶分を回収する際には、クロロホルム中の可溶分からエバポレータでクロロホルムを十分に留去することで回収が可能である。
次に、樹脂成分以外の成分の含有量(W3[g])を以下の手順で求める。予め秤量した30mLの磁性るつぼに2gのトナー粒子を精秤(Wa[g])する。
磁性るつぼを電気炉に入れ約900℃で3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Wb[g])を算出する。
そして、下記式(A)により、試料W1[g]中の焼却残灰分の質量(W3[g])を算出する。
W3=W1×(Wb/Wa) ・・・(A)
また、トナー粒子が離型剤を含有する場合、樹脂と離型剤を分離する必要がある。樹脂と離型剤の分離は、リサイクルHPLCにより、分子量2000以下の成分を離型剤として、分子量2000を超える成分を樹脂として分離する。測定方法を以下に示す。まず、上記した方法にてクロロホルム可溶分を分離し、クロロホルムに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、クロロホルムに可溶な成分の濃度が1.0質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
・装置:LC-Sakura NEXT(日本分析工業社製)
・カラム:JAIGEL2H、4H(日本分析工業社製)
・溶離液:クロロホルム
・流速:10.0ml/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料注入量:1.0ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
こうして得られた分子量曲線から、分子量2000以下となる成分を繰り返し分取し、トナー粒子のクロロホルム可溶分中の樹脂成分(Wc)と離型剤成分(Wd)を分離する。そして、下記式により、試料W1[g]中のクロロホルム可溶分(W4)中の樹脂成分の質量(W5)[g]を算出する。
W4=W1-W2
W5=W4×(Wc/(Wc+Wd))
この場合、トナー粒子における樹脂中のクロロホルム可溶分の含有割合は、下記式で求められる。
トナー粒子における樹脂中のクロロホルム可溶分の含有割合(質量%)=
W5/{W5+(W2-W3)}×100
また、トナー粒子に含まれる樹脂のうち樹脂Cの含有割合MC(質量%)は以下の方法で求められる。
トナー粒子のクロロホルム不溶分である上記抽出残分の質量(W2[g])における、、樹脂成分以外の成分の含有量(W7[g])を以下の手順で求める。予め秤量した30mLの磁性るつぼに2gのトナー粒子のクロロホルム不溶分を精秤(Wa´[g])する

磁性るつぼを電気炉に入れ約900℃で3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Wb´[g])を算出する。
そして、下記式(A´)により、試料W2[g]中の焼却残灰分の質量(W7[g])を算出する。
W7=W2×(Wb´/Wa´) ・・・(A´)
次に、トナー粒子のクロロホルム不溶分における焼却残灰分を除いた樹脂成分である樹脂Cの質量(W8[g])を以下の式で算出する。
W8=W2-W7
さらに、MC(質量%)は以下の式で算出する。
MC=W8/(W5+W8)×100
<樹脂のグラジエントLC分析方法と、樹脂A及び樹脂Bの含有割合の算出>
上記した方法で得られたトナー粒子のクロロホルム可溶分中の樹脂成分(Wc)を試料とする。試料はクロロホルムにてサンプル濃度が0.1質量%となるように調整し、その溶液を0.45μmのPTFEフィルターで濾過したものを測定に供した。グラジエントポリマーLC測定条件を以下に示す。
装置 :UlTIMATE3000(Thermo Fisher Scientific製)
移動相 :A クロロホルム(HPLC)、B アセトニトリル(HPLC)
グラジエント:2min(A/B=0/100)→25min(A/B=100/0)
(なお、移動相の変化の勾配は直線になるようした。)
流速 :1.0mL/分
注入 :0.1質量%×20μL
カラム :Tosoh TSKgel ODS(4.6mmφx150mm x 5μm)
カラム温度 :40℃
検出器 :Corona荷電化粒子検出器(Corona-CAD)(Thermo Fisher Scientific製)
測定で得られた時間-強度のグラフについて、時間をクロロホルムの割合に変換した後、下記クロロホルムの割合のピークの面積を算出する。信号強度のS/N比が十分でない場合、クロロホルム体積分率につき適宜移動平均をとり信号のS/N比を向上させる。具体的には、クロロホルム体積分率3%の範囲における移動平均をとり信号をスムージングした結果を用いて結果を算出した。
次いで、移動相中のクロロホルムの割合(体積分率)が50.0~75.0体積%における面積をSA、極大値をPA、極大値PAの半値幅をHPA、極大値PAの体積分率CAとする。また、移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%における面積をSB、極大値PB及び極大値PBのクロロホルム体積分率CB、極大値PA及び極大値PBの間にある極小値VABとする。
面積は、例えば、クロロホルムの割合5.0~95.0体積%におけるピークの場合、5.0体積%の縦軸、95.0体積%の縦軸、強度曲線及び横軸(強度0)とで囲まれた範囲の面積を算出すればよい。
樹脂A及び樹脂Bの含有量としては、上記グラジエントLCにおける展開液回収し、クロロホルム体積分率が50.0~75.0体積%であるときの展開液を樹脂Aのクロロホルム溶液とし、75.0~95.0体積%であるときの展開液樹脂Bのクロロホルム溶液として抽出する。
上記抽出を分析量に耐えうる量に達するまで繰り返し試験を行う。得られた抽出した樹脂A及び樹脂Bの溶液から溶媒を除去して、トナー中の樹脂A及び樹脂Bを得て、樹脂A及び樹脂Bの組成分析を行う。さらに、トナー粒子のクロロホルム可溶分全体の組成分析を行い、トナー粒子のクロロホルム可溶分に対する、樹脂A及び樹脂Bの組成比率を算出する。そして上述の方法で算出した、トナー粒子における樹脂中のクロロホルム可溶分の含有割合(質量%)に樹脂A又は樹脂Bの組成比率を乗じることで、トナー粒子に含まれる樹脂のうち樹脂Aの含有割合及び樹脂Bの含有割合であるMA(質量%)及びMB(質量%)を算出する。
<樹脂Aのガラス転移点(Tga)の測定>
ガラス転移点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30~180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30~100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
<吸熱ピークのピーク温度(Tmb,Tmc)の測定方法>
樹脂の吸熱ピークのピーク温度は、DSC Q2000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料1.0mgを精秤し、アルミ製のパンの中に入れ、示差走査熱量測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。昇温過程として、10℃/minの速度で180℃まで昇温させる。そして、各ピークからピーク温度を算出する。
<樹脂中の各種モノマーユニットの含有割合の測定方法>
樹脂A、樹脂B及び樹脂C中の各種モノマーユニットの含有割合の測定は、H-NMRにより以下の条件にて行う。
・測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
・測定周波数:400MHz
・パルス条件:5.0μs
・周波数範囲:10500Hz
・積算回数 :64回
・測定温度 :30℃
・試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
以下、樹脂Bを例に記載する。
得られたH-NMRチャートより、モノマーユニット(a)の構成要素に帰属されるピークの中から、他のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。樹脂Bが第二のモノマーユニットを含有している場合は、同様に、第二のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
さらに、第三、第四のモノマーユニットを含有している場合は、第三、第四のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークから、他のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S及びSを算出する。
モノマーユニット(a)の含有割合は、上記積分値S、S、S及びSを用いて、以下のようにして求める。なお、n、n、n、nはそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
モノマーユニット(a)の含有割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
同様に、第二、第三、第四のモノマーユニットの割合は以下のように求める。
第二のモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
第三のモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
第四のモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
なお、樹脂において、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、H-NMRにて同様にして算出する。樹脂A及び樹脂Cについても同様に測定しうる。
また、トナーが懸濁重合法によって製造される場合、離型剤やシェル用樹脂のピークが重なり、独立したピークが観測されないことがある。それにより、結着樹脂中の各種ユニットの含有割合が算出できない場合が生じる。その場合、離型剤やその他の樹脂を使用しないで同様の懸濁重合を行うことで、樹脂’を製造し、樹脂’を樹脂とみなして分析することができる。
<樹脂の分子量の測定方法>
樹脂のTHF可溶分の分子量(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
・装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
・カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0ml/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<樹脂Aの酸価AVa、樹脂Bの酸価AVbの測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間静置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。以下の処方において、部は特に断りのない限り質量基準である。
(添加樹脂B1の合成方法)
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下の単量体を以下に示す割合で混合したものとする)
(アクリル酸ベヘニル(単量体(a)) 80.0部)
(スチレン 18.0部)
(メタクリル酸 2.0部)
・重合開始剤 (和光純薬製:V-65)0.5部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、更にメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して添加樹脂B1を得た。
(添加樹脂B2~B25の調製)
添加樹脂B1の合成において、単量体組成物の添加量を表1に変更し、分子量が表1になるように開始剤の添加量及び反応時間を変更する以外はすべて同様にして、添加樹脂B2~B25を調製した。
Figure 2024001652000007
表中、Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量であり、Tmは融点(℃)であり、Avは酸価(mgKOH/g)である。
表中のモノマーの略称は以下の通り。
St:スチレン
BEA:アクリル酸ベヘニル
MAA:メタクリル酸
LAA:アクリル酸ラウリル
STA:アクリル酸ステアリル
(添加樹脂C1の合成方法)
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下の単量体を以下に示す割合で混合したものとする)
(アクリル酸ベヘニル(単量体(a)) 80.0部)
(スチレン 19.2部)
(メタクリル酸 0.8部)
・重合開始剤(和光純薬製:V-65)0.5部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。
さらに、重合開始剤を失活させるため。窒素導入管を取り外し85℃に加熱して、さらに6時間加熱したのち、そこへトリエチルアミン0.05部、グリシジルメタクリレート1.3部加え、5時間付加反応を行った。
続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、更にメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して添加樹脂C1を得た。
(添加樹脂C2~C9の調製)
添加樹脂C2の調製において、単量体組成物の添加量を表2に変更し、表2の不飽和基数になるようにグリシジルメタクリレートの添加量を変更する以外はすべて同様にして、添加樹脂C2~C9を調製した。
Figure 2024001652000008
表中のモノマーの略称は以下の通り。
St:スチレン
BEA:アクリル酸ベヘニル
MAA:メタクリル酸
LAA:アクリル酸ラウリル
STA:アクリル酸ステアリル
MAN:メタクリロニトリル
不飽和基数は上記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた個数平均分子量(Mn)と核磁気共鳴分光分析(H-NMR)よりもとめた分子量(M_NMR)を用いて求めた。
核磁気共鳴分光分析(H-NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]の測定条件は、測定装置:FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値より、不飽和基1つあたりに対する構成する単量体の構成比が求まる。単量体の構成比と分子量から、不飽和基一つ当たりの分子量としてNMR分子量(M_NMR)を算出できる。
さらに、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)より求めた数平均分子量(Mn)と上記NMRより求めたNMR分子量(M_NMR)より、下記式によりマクロモノマー1分子あたりの不飽和基数を算出することができる。
不飽和基数=GPC数平均分子量(Mn)/NMR分子量(M_NMR)
[懸濁重合法によるトナーの製造]
(トナー粒子1の製造)
・スチレン 47.0部
・n-ブチルアクリレート 20.0部
・着色剤 ピグメントブルー15:3 6.5部
上記材料からなる混合物を調製した。上記混合物をアトライター(日本コークス社製)に投入し、直径5mmのジルコニアビーズを用いて、200rpmで2時間分散することで原材料分散液を得た。
一方、高速撹拌装置ホモミクサー(プライミクス社製)及び温度計を備えた容器に、イオン交換水735.0部とリン酸三ナトリウム(12水和物)16.0部を添加し、12000rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。そこに、イオン交換水65.0部に塩化カルシウム(2水和物)9.0部を溶解した塩化カルシウム水溶液を投入し、60℃を保持しながら12000rpmで30分間撹拌した。そこに、10%塩酸を加えてpHを6.0に調整し、ヒドロキシアパタイトを含む無機分散安定剤が水中に分散した水系媒体を得た。
続いて、上記原材料分散液を撹拌装置及び温度計を備えた容器に移し、100rpmで撹拌しながら60℃に昇温した。
・添加樹脂B1 26.0部
・添加樹脂C1 7.0部
・離型剤1 9.0部
(離型剤1:DP18(ジペンタエリスリトールステアリン酸エステルワックス、融点79℃、日本精蝋社製)
そこに上記材料を添加して60℃を保持しながら100rpmで30分間撹拌した後、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)9.0部を添加してさらに1分間撹拌した後、上記高速撹拌装置において15000rpmで撹拌されている水系媒体中に投入した。60℃を保持しながら上記高速撹拌装置にて15000rpmで20分間撹拌を継続し、造粒液を得た。
上記造粒液を還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に移し、窒素
雰囲気下において150rpmで撹拌しながら70℃に昇温した。70℃を保持しながら150rpmで12時間重合反応を行い、トナー粒子分散液を得た。
得られたトナー粒子分散液を150rpmで撹拌しながら45℃まで冷却した後、45℃を維持したまま5時間熱処理を行った。その後、撹拌を保持したままpHが1.5になるまで希塩酸を加えて分散安定剤を溶解させた。固形分をろ別し、イオン交換水で充分に洗浄した後、30℃で24時間真空乾燥して、トナー粒子1を得た。トナー粒子1の製造方法について表3に示す。
(トナー粒子2~48及び比較用トナー粒子1~7の製造)
トナー粒子1の製造において、単量体組成物及び添加樹脂の添加量を表3ように変更する以外はすべて同様にして、トナー粒子2~48及び比較用トナー粒子1~6を製造した。
なお、比較用トナー粒子7は、以下の様にして製造した。
・ポリエステル樹脂 :50.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)、テレフタル酸及びトリメリット酸との重縮合物(モル比10.0:10.0:0.3)、ガラス転移温度Tg=67℃、重量平均分子量Mw=10500、分子量分布Mw/Mn=4.72)
・添加樹脂B1 :50.0部
・離型剤 :9.0部
(離型剤:DP18(ジペンタエリスリトールステアリン酸エステルワックス、融点79℃、日本精蝋社製)
・着色剤 ピグメントブルー15:3 :6.5部
上記材料をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工社製:PCM-30型)によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業社製:T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、比較用トナー粒子7を得た。
Figure 2024001652000009
表中のモノマーの略称は以下の通り。
St:スチレン
BA:n-ブチルアクリレート
EA:アクリル酸エチル
MMA:メタクリル酸メチル
LAA:アクリル酸ラウリル
HDDA:ヘキサンジオールジアクリレート
BEA:アクリル酸ベヘニル
MAA:メタクリル酸
得られたトナー粒子1~48及び比較用トナー粒子1~7について、グラジエントLC分析した結果を表4、分取された樹脂A、樹脂B及び樹脂Cに関する分析結果を表5に示す。
Figure 2024001652000010
Figure 2024001652000011
表中、長鎖アルキルは、各樹脂に含まれる長鎖アルキルを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマーユニットを形成するモノマーを示している。「ユニット(a)含有割合」は、式(3)で示されるモノマーユニット(a)の含有割合を示す。
(実施例1)
(トナー粒子1の評価)
上記トナー粒子1:100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粒子(ヘキサメチルジシラザンによる疎水化処理、1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m/g)2.0部を加えてヘンシェルミキサー(日本コークス社製)を用い、3000rpmで15分間混合してトナー1を得た。
得られたトナーを下記評価法にのっとり評価した。
<トナーの評価方法>
<1>定着性の評価
トナーが充填されたプロセスカートリッジを25℃、湿度40%RHにて48時間放置した。定着器を外しても動作するように改造したLBP-712Ciを用いて、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力した。転写紙上のトナー乗り量は、0.80mg/cmとし、定着温度を100℃から220℃の範囲で、5℃間隔で温度を変化させながら、定着下限温度及び定着上限温度を評価した。なお、転写紙は、A4用紙(「プローバーボンド紙」:105g/m、フォックスリバー社製)を用いた。を使用した。
定着器は、LBP-712Ciの定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。なお、外部定着器は、定着温度を90℃から5℃刻みに上げて行き、プロセススピード:320mm/secの条件で定着を行った。
定着画像を目視で確認し、コールドオフセットが発生しない最低温度を定着下限温度とし、ホットオフセットが発生しない最高温度を定着上限温度として、評価した。低温下限温度として、160℃以下を低温定着性に優れると判断した。さらに、定着下限温度と定着上限温度の差を定着ラチチュードとして、定着ラチチュードとして40℃以上確保できていれば、定着性に優れていると判断した。
<2>帯電安定性の評価
市販のキヤノン製プリンターLBP-712Ciを使用し、耐久性の評価を行った。評価用カートリッジは、市販のカートリッジ中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、評価するトナーを200g充填したものを使用した。上記カートリッジを25℃、40%RH環境にて48時間放置した後、シアンステーションに装着し耐久性評価を実施した。
高温高湿環境下における帯電安定性評価として、30℃、80%RH環境下にて、Canon Oce Red Label(80g/m)を使用し、初期のべた白画像を印字し、カブリ濃度を測定した。その後、リーク性の程度を評価するために、印字率が1%の横線パターン画像を3000枚連続して出力した後、12時間以上放置してから、べた白画像を印字し、カブリ濃度を測定した。
低温低湿環境下における帯電安定性評価として、15℃、10%RH環境下にて、Canon Oce Red Label(80g/m)を使用し、初期のべた白画像を印字し、カブリ濃度を測定した。その後、チャージアップのしやすさを評価するために、印字率が1%の横線パターン画像を3000枚連続して出力した直後、べた白画像を印字し、カブリ濃度を測定した。
なおカブリ濃度の測定には、「REFLECTMETER MODEL TC-6DS」(東京電色社製)を用い、印字したべた白画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出した。フィルターは、アンバーフィルターを用いた。
なお、カブリ濃度が2.5%以下であれば帯電安定性に優れていると判断した。
トナー1の評価結果を表6に示す。
Figure 2024001652000012
(実施例2~48及び比較例1~7)
トナー粒子2~48及び比較用トナー粒子1~7について、それぞれトナー粒子1と同様にシリカ微粒子を外添してトナーとした後に、評価した。評価結果を表5に示す。
本開示は、以下の構成に関する。
(構成1)
樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いたソックスレー抽出において48時間抽出して得られた可溶分から、リサイクルHPLCにより分子量2000以下の成分を除去したものを、該トナー粒子から抽出した該樹脂のクロロホルム可溶分とし、
該樹脂の該クロロホルム可溶分に対し、貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてクロロホルムを使用し、アセトニトリル100体積%の移動組成から、クロロホルム100体積%の移動相に直線的に変化させたときの溶出成分をグラジエントLC分析した際に、
該移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSA、極大値をPAとし、
該移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSB、極大値をPBとし、
該PA及び該PBの間に存在する最小の極小値をVABとしたとき、
該PA及び該PBが存在し、
該SA、該SB、該PB及び該VABが以下の式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナー。
0.30 ≦ SA/SB ≦ 0.85 ・・・(1)
0.25 ≦ VAB/PB ≦ 0.55 ・・・(2)
(構成2)
前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PBに対応する樹脂成分である樹脂Bとしたとき、
該樹脂Bが下記式(3)で示されるモノマーユニット(a)を有する構成1に記載のトナー。
Figure 2024001652000013
[式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、mは15~30の整数を表す。]
(構成3)
前記樹脂Bにおける、前記式(3)で示されるモノマーユニット(a)の含有割合が、40.0~95.0質量%である構成2に記載のトナー。
(構成4)
前記樹脂Bの酸価をAVb(mgKOH/g)としたとき、該AVbが下記式(4)を満たす構成2又は3に記載のトナー。
1.5 ≦ AVb ≦ 25.0 ・・・(4)
(構成5)
前記PAの半値幅をHPA(体積%)としたとき、該HPAが下記式(5)を満たす構成1~4のいずれかに記載のトナー。
3.0 ≦ HPA ≦ 10.0 ・・・(5)
(構成6)
前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PAに対応する樹脂成分である樹脂Aとし、
該樹脂Aの酸価をAVa(mgKOH/g)としたとき、AVaが下記式(6)を満たす構成1~5のいずれかに記載のトナー。
0.0 ≦ AVa ≦ 3.0 ・・・(6)
(構成7)
前記樹脂Aが、スチレンによるモノマーユニット及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルによるモノマーユニットを有する構成6に記載のトナー。
(構成8)
前記グラジエントLC分析において、前記PAが発現したときの前記移動相中のクロロホルムの体積分率をCAとし、前記PBが発現したときの前記移動相中のクロロホルムの体積分率をCBとしたとき、
該CA及び該CBが、下記式(7)を満たす構成1~7のいずれかに記載のトナー。
10.0 ≦ CB-CA ≦ 30.0 ・・・(7)
(構成9)
前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PAに対応する樹脂成分である樹脂Aとし、
前記トナー粒子に含まれる前記樹脂のうち該樹脂Aの含有割合をMA(質量%)とし、
前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PBに対応する樹脂成分である樹脂Bとし、
前記トナー粒子に含まれる前記樹脂のうち該樹脂Bの含有割合をMB(質量%)とし、
前記トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いた前記ソックスレー抽出において、48時間抽出して得られた不溶分を分離し、得られた該不溶分における焼却残灰分を除いた樹脂成分を樹脂Cとし、
前記トナー粒子に含まれる前記樹脂のうち該樹脂Cの含有割合をMC(質量%)としたとき、
該MA、該MB及び該MCが、下記式(8)、(9)及び(10)を満たす構成1~8のいずれかに記載のトナー。
MA + MB + MC ≦ 100.0 ・・・(8)
25.0 ≦ MA ≦ 55.0 ・・・(9)
15.0 ≦ MB ≦ 50.0 ・・・(10)
(構成10)
前記MC(質量%)が下記式(11)を満たす構成9に記載のトナー。
3.0 ≦ MC ≦ 30.0 ・・・(11)
(構成11)
前記樹脂Cが下記式(12)で示されるモノマーユニット(b)を有する構成9又は10に記載のトナー。
Figure 2024001652000014
[式(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、単結合、エステル結合、又はアミド結合を表し、nは15~30の整数を表す。]
(構成12)
前記樹脂Aがガラス転移点Tga(℃)を有し、前記樹脂Bが融点Tmb(℃)を有し、前記樹脂Cが融点Tmc(℃)を有し、
該Tga(℃)、該Tmb(℃)及び該Tmc(℃)が下記式(13)、(14)及び(15)を満たす構成9~11のいずれかに記載のトナー。
40.0 ≦ Tga ≦ 65.0 ・・・(13)
50.0 ≦ Tmb ≦ 75.0 ・・・(14)
45.0 ≦ Tmc ≦ 65.0 ・・・(15)
(構成13)
前記樹脂がビニル樹脂である構成1~12のいずれかに記載のトナー。
1 クロロホルム体積分率50.0体積%以上75.0体積%以下の面積 SA
2 クロロホルム体積分率50.0体積%以上75.0体積%以下の面積 SB
3 クロロホルム体積分率50.0体積%以上75.0体積%以下の極大値 PA
4 クロロホルム体積分率50.0体積%以上75.0体積%以下の極大値 PB
5 極大値PAと極大値PBの間の極小値 VAB
6 極大値PAの半値幅 HPA
7 極大値PAのクロロホルム体積分率 CA
8 極大値PBのクロロホルム体積分率 CB
9 極大値VABのクロロホルム体積分率 CV

Claims (13)

  1. 樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いたソックスレー抽出において48時間抽出して得られた可溶分から、リサイクルHPLCにより分子量2000以下の成分を除去したものを、該トナー粒子から抽出した該樹脂のクロロホルム可溶分とし、
    該樹脂の該クロロホルム可溶分に対し、貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてクロロホルムを使用し、アセトニトリル100体積%の移動組成から、クロロホルム100体積%の移動相に直線的に変化させたときの溶出成分をグラジエントLC分析した際に、
    該移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSA、極大値をPAとし、
    該移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲において、Corona荷電化粒子検出器を用いて検出したピークの面積をSB、極大値をPBとし、
    該PA及び該PBの間に存在する最小の極小値をVABとしたとき、
    該PA及び該PBが存在し、
    該SA、該SB、該PB及び該VABが以下の式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナー。
    0.30 ≦ SA/SB ≦ 0.85 ・・・(1)
    0.25 ≦ VAB/PB ≦ 0.55 ・・・(2)
  2. 前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PBに対応する樹脂成分である樹脂Bとしたとき、
    該樹脂Bが下記式(3)で示されるモノマーユニット(a)を有する請求項1に記載のトナー。
    Figure 2024001652000015
    [式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Lは、単結合、エステル結合又はアミド結合を表し、mは15~30の整数を表す。]
  3. 前記樹脂Bにおける、前記式(3)で示されるモノマーユニット(a)の含有割合が、40.0~95.0質量%である請求項2に記載のトナー。
  4. 前記樹脂Bの酸価をAVb(mgKOH/g)としたとき、該AVbが下記式(4)を満たす請求項2に記載のトナー。
    1.5 ≦ AVb ≦ 25.0 ・・・(4)
  5. 前記PAの半値幅をHPA(体積%)としたとき、該HPAが下記式(5)を満たす請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
    3.0 ≦ HPA ≦ 10.0 ・・・(5)
  6. 前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PAに対応する樹脂成分である樹脂Aとし、
    該樹脂Aの酸価をAVa(mgKOH/g)としたとき、AVaが下記式(6)を満たす請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
    0.0 ≦ AVa ≦ 3.0 ・・・(6)
  7. 前記樹脂Aが、スチレンによるモノマーユニット及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルによるモノマーユニットを有する請求項6に記載のトナー。
  8. 前記グラジエントLC分析において、前記PAが発現したときの前記移動相中のクロロホルムの体積分率をCAとし、前記PBが発現したときの前記移動相中のクロロホルムの体積分率をCBとしたとき、
    該CA及び該CBが、下記式(7)を満たす請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
    10.0 ≦ CB-CA ≦ 30.0 ・・・(7)
  9. 前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が50.0~75.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PAに対応する樹脂成分である樹脂Aとし、
    前記トナー粒子に含まれる前記樹脂のうち該樹脂Aの含有割合をMA(質量%)とし、
    前記グラジエントLC分析において、前記移動相中のクロロホルムの割合が75.0~95.0体積%の範囲における成分を抽出して得られた樹脂を、前記PBに対応する樹脂成分である樹脂Bとし、
    前記トナー粒子に含まれる前記樹脂のうち該樹脂Bの含有割合をMB(質量%)とし、
    前記トナー粒子のクロロホルム溶媒を用いた前記ソックスレー抽出において、48時間抽出して得られた不溶分を分離し、得られた該不溶分における焼却残灰分を除いた樹脂成分を樹脂Cとし、
    前記トナー粒子に含まれる前記樹脂のうち該樹脂Cの含有割合をMC(質量%)としたとき、
    該MA、該MB及び該MCが、下記式(8)、(9)及び(10)を満たす請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
    MA + MB + MC ≦ 100.0 ・・・(8)
    25.0 ≦ MA ≦ 55.0 ・・・(9)
    15.0 ≦ MB ≦ 50.0 ・・・(10)
  10. 前記MC(質量%)が下記式(11)を満たす請求項9に記載のトナー。
    3.0 ≦ MC ≦ 30.0 ・・・(11)
  11. 前記樹脂Cが下記式(12)で示されるモノマーユニット(b)を有する請求項9に記載のトナー。
    Figure 2024001652000016
    [式(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、単結合、エステル結合、又はアミド結合を表し、nは15~30の整数を表す。]
  12. 前記樹脂Aがガラス転移点Tga(℃)を有し、前記樹脂Bが融点Tmb(℃)を有し、前記樹脂Cが融点Tmc(℃)を有し、
    該Tga(℃)、該Tmb(℃)及び該Tmc(℃)が下記式(13)、(14)及び(15)を満たす請求項9に記載のトナー。
    40.0 ≦ Tga ≦ 65.0 ・・・(13)
    50.0 ≦ Tmb ≦ 75.0 ・・・(14)
    45.0 ≦ Tmc ≦ 65.0 ・・・(15)
  13. 前記樹脂がビニル樹脂である請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
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