JP2023552266A - 真空調理容器及び真空低温調理装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、真空下で低温で食材料を調理することにより、食材料の栄養素と水分は最大限に保存しながら優れた食感(質感)、味及び香りを楽しむことができる状態に調理されることができるようにする真空調理容器及び真空低温調理装置に係り、真空調理容器は、上部が開放された筒状の容器本体と、容器本体の開放された上部を開閉する蓋とからなり、容器本体の開放された上部を蓋で覆った時に形成される真空調理容器の内部空間が密閉されるようにするシールが容器本体と蓋との接触部位に介在され、真空調理容器の内部空間を外部と連通させる排気ユニットが容器本体に備えられることを特徴とする。

Description

本発明は、大気圧より低い負圧が印加される真空下で低温で食材料を調理する技術に係り、食材料の栄養素と水分が最大限に保存されることができ、また、優れた食感(質感)と味及び香りを楽しむことができる状態で調理可能な真空調理容器及び真空低温調理装置に関する。
大気圧(1気圧)下で100℃以上の高温で食材料を調理する伝統的な調理方式では、食材料の種類によって、次のような問題点が生じる。
例えば、肉類の場合は、焼いたり茹でるなど、高温で調理すると、肉質が堅くなるか固くなり、大きさが縮まり、肉汁が逃げてしまう。具体的には、水にゆでる場合は、チアミン(ビタミンB1)やナイアシン(ビタミンB3)などのビタミンと、ミネラルが水に多量排出され、火に焼く場合は、栄養素(ビタミンなど)が損失されるとともに、発ガン物質が生ずる場合がある。特に、肉類の主成分として5大栄養素の一つであるタンパク質が熱によって変性される。周知のように、食品タンパク質は、帯状の1次構造、アルファ-螺旋状とベータ-シート状の2次構造、多数の2次構造が相互作用して、3次元の固有形状を有するようになった3次構造、及び4次構造の形態で存在し、60~70℃で変性される。
野菜の場合は、水に茹でると、水溶性ビタミンが半分近く水に溶けて、活性酸素を除去する能力が喪失される。
そこで、高温加熱調理時の問題点を解消できる方案として、真空低温調理法が台頭され、このような真空低温調理法が効果的に実行されることができる調理装置の開発が活発に行われている。
真空低温調理法の一例として、スーヴィード(sous-vide)調理法は、ビニール袋に食材料を保存した後、ビニール袋から空気を抜き取って真空状態に密封し、このビニール袋を所定温度(50~65℃)に水温が保持される水槽に所定時間(例えば、数十分から最大72時間)入れて置くことにより、タンパク質が変性されない温度で、長時間にわたって食材料を調理する方法である。
従って、スーヴィード方法で食材料を調理するためには、真空包装機と、スーヴィード専用装備が必要となる。通常、スーヴィード専用装備は、水槽に加えて、温度センサ、水循環器、ヒータ、タイマなどを全部備えている。
スーヴィード調理法において、食材料を真空状態に包装する理由は、食材料を包装せずに水に入れると、食材料固有の香りと営養分が水に抜け出たりし、また、低温で長時間調理する場合、細菌繁殖などの問題が発生するからである。
また、スーヴィード調理法の短所として、食材料が完全に密封された状態で調理が行われるため、脂臭いにおいや生臭いにおいのような悪いにおいが完全に除去されることができず、却って真空包装により、食材料の悪いにおいが増幅される傾向があるという点を挙げることができる。
一方、本出願人が、特許文献などの資料を簡単に調査した結果、本発明と類似する技術が開示された資料は見つからなかったが、参考資料として、次のような特許文献1、2があったので、ここで簡単に紹介する。
特許文献1には、調理室を形成する内部ケースと;調理室に収容された食物を調理するための加熱器と;内部ケースと所定間隔離隔されて設置される外部ケースと;内部ケースと外部ケースとの間に形成される断熱空間と;調理室と断熱空間を減圧する真空ポンプと;調理室と真空ポンプとの間の連通を制御する第1真空バルブと;断熱空間と真空ポンプとの間の連通を制御する第2真空バルブと;調理室と外気との連通を制御する第1吸気バルブと;断熱空間と外気との連通を制御する第2吸気バルブと;内部ケースと外部ケースとを支持する支持部とからなり、このような構成によって、食物の調理と保管、両方とも可能な真空調理器が開示されている。
特許文献2には、容器装着部及び真空包装モジュール装着部が互いに隣接する位置に配置されたハウジングと;容器装着部に結合され、流体収容空間が内部に形成された第1容器と;第1容器の流体収容空間内の流体を加熱する加熱部と;真空包装モジュール装着部に設置されて、食品包装容器内の空気を吸入する真空圧発生部と;真空圧発生部の付近に設置され、食品包装容器を加熱して密封する密封加熱部を備える真空包装モジュールとからなるスーヴィード(Sous Vide)調理方式の調理装置が開示されている。
韓国公開特許公報 公開番号10-2005-0031287号 韓国登録特許公報 登録番号10-1885870号
本発明に係る真空調理容器は、上部が開放された筒状の容器本体と、容器本体の開放された上部を開閉する蓋とからなる。
容器本体と蓋は、互いに嵌め込まれる構造であってもよく、蓋の一側が容器本体の一側にヒンジ結合され、蓋の他側が容器本体の他側に係止フックのようなロック手段を通じて固定されたり固定解除される構造であってもよく、蓋の両側が容器本体の両側に備えられたロック手段によって固定されたり固定が解除される構造であってもよい。即ち、容器本体に対する蓋の結合(開閉)方式は特に制限されない。
本発明の一実施形態によると、容器本体は、側壁の一部分に、容器本体の内部と外部を連通させる排気ユニットを備える。排気ユニットは、容器本体の側壁の一部分に形成された貫通孔に対して側壁の外面側からこの貫通孔に装着されるノズルと、ノズルとの対応部分に排気誘導孔が穿孔された形態であって、容器本体の側壁の内面側に固定される挟持板と、容器本体の側壁の内面と挟持板との間に挟まれて固定され、ノズルとの対応部分にノズルの流通路よりも小さい直径(小径)の連通孔が穿孔されたメンブレイン(membrane)を含んでなる構造からなっている。
本発明において、メンブレインは、合成樹脂またはエラストマー(elastomer、弾性を有するプラスチック)のような素材をフィルムやシート状に薄く製作したものであるので、食材料を真空低温下で調理する際に、刻々と変化する真空調理容器の内部圧力と真空調理容器を囲む外部圧力(真空圧)との間の差圧の大きさによって連通孔の直径が変化するようになる。
差圧がゼロまたは所定値以下である時、連通孔の直径は変化しない。本明細書ではこの時の連通孔の直径を「基準直径」と呼ぶことにする。差圧が所定値を超えると、連通孔の直径は差圧の大きさに比例して漸増するようになる。本明細書では、連通孔が破壊されない直径の上限値を「最大直径」と呼ぶことにする。また、本明細書では、連通孔の直径が基準直径と最大直径の範囲内で差圧の大きさによって変動される時の直径を「可変直径」と呼ぶことにする。
本発明に係る真空調理容器は、容器本体の開放された上部に蓋が結合された状態で、排気ユニットの流路(流通路+連通孔+排気誘導孔)を通じてのみ真空調理容器の内部から外部に蒸気が排出されるように、排気ユニットの流路以外の部分は気密を保持する形態に構成される。
次に、本発明に係る真空低温調理装置は、真空調理室内に、ヒータ(加熱要素)を備える発熱板が一つ以上設置され、発熱板の上面に真空調理容器が一つ以上配置される構造で、食材料が水やソース(調味液)などの液体と一緒に真空調理容器に入っている状態で、真空調理室に負圧(真空圧)がかかるように真空ポンプを駆動し、また、ヒータに電力を供給すると、ヒータを備える発熱板からの伝熱によって真空調理容器の温度が上がる構造からなっている。
したがって、真空調理容器の温度の上昇につれて、真空調理容器内の液体(水分)が100℃(大気圧の沸点)よりも顕著に低い温度で蒸気に相変化して体積が膨脹すると、真空調理容器の内部圧力は真空調理室の真空圧より高く、大気圧より低い状態になるので、真空調理容器内の食材料が真空低温で調理される。
一方、真空調理室に真空圧がかかると、発熱板の上面に載置された真空調理容器が浮き立つ現象が発生し、この場合、ヒータの熱が真空調理容器に伝達されないか、または意図したよりも少ない量の熱が伝達される。
そこで、本発明に係る真空低温調理装置には、真空調理容器と発熱板との間に隙間が生じないように、真空調理室に真空圧がかかる場合に、真空調理容器を発熱板の上面に密着させる密着ユニットが備えられる。密着ユニットの一例として、後述する実施例ではエアバッグが言及されるが、これに限定される必要はない。密着ユニットは、真空低温調理装置に対して完全に固定された形態であってもよく、必要に応じて分離可能な着脱式構造であってもよい。また、密着ユニットは、真空調理容器の蓋から所定の間隔を隔てて蓋の上側に配置されることが好ましい。
本発明に係る真空低温調理装置は、真空調理容器に入っている食材料や液体から蒸気が発生して真空調理容器の内部圧力が増加する場合、真空調理容器の内部圧力と真空調理室にかかる真空圧との間の差圧が所定範囲内に保持されたり、または差圧が漸減するように、真空調理容器の容器本体の側壁に備えられた排気ユニットの流路を通じて真空調理容器の内部から真空調理室に蒸気が排出され、また、真空調理室の内部は周期的または連続的に排気されて、真空調理室の真空圧が一定に保持される構造からなっている。
本発明に係る真空低温調理装置は、真空調理室内の圧力を検出する真空ゲージ、及び発熱板の温度を検出する温度ゲージを備えることができる。
また、本発明に係る真空低温調理装置は、調理過程で食材料の表面にグリル跡などが付与されることができるように、食材料と接触される真空調理容器の内面に凹凸状のパターンが形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る真空低温調理装置は、真空低温下で調理された食材料を摂取する前に、比較的短い時間(数十秒~10分)の間食材料を加熱して、食材料の風味を向上させることができる風味増進ユニットを備えてもよい。
また、本発明に係る真空低温調理装置は、真空ポンプが一つ以上であってもよく、真空調理室と真空ポンプを連結する排気ライン(真空ライン)にバイパスラインが連結されることができ、排気ラインには一つ以上のバルブが設置されることができる。
本発明に係る真空調理容器及び真空低温調理装置の他の特徴は後述する実施例を通じて明確になり得る。
本発明の一実施例に係る真空調理容器を示すもので、蓋が閉まっている状態の外観斜視図。 本発明の一実施例に係る真空調理容器を示すもので、排気ユニットの詳細構造が示された断面図。 本発明の一実施例に係る真空調理容器の排気ユニットのメンブレインと挟持板が容器本体の側壁に固定される前の状態を示す分解斜視図。 本発明の一実施例に係る真空低温調理装置の外観斜視図。 本発明の他の実施例に係る真空低温調理装置を示すもので、ドアが開かれた状態の外観斜視図。 本発明に係る真空低温調理装置でステーキを調理する場合の各部の作動状態とステーキの変化過程を説明するための図面。 本発明のまた他の実施例に係る真空低温調理装置の構造を示す図面。
以下、結合して本発明に係る真空調理容器及び真空低温調理装置の実施例を添付の図面に基づいて説明する。
<真空調理容器の実施例>
図1~図3は、本発明に係る一実施例の真空調理容器100を示す。
本実施例において、真空調理容器100は、上部が開放された四角筒状の容器本体110と、容器本体110の上部を開閉する蓋120とからなる。
容器本体110と蓋120は、平面形状が四角以外の他の形状であってもよい。
容器本体110と蓋120は、金属製であってもよく、合成樹脂製であってもよい。また、容器本体110と蓋120は、同一素材であってもよく、互いに異なる素材であってもよい。
本実施例において、容器本体110と蓋120は、両側の長辺に備えられたロック手段130によって互いに固定されるか、または固定が解除され、気密保持用シール150が容器本体110と蓋120との接触部位に介在されている。
また、食材料が調理される間に、食材料の表面にグリル跡などが付与されるように、凹凸パターンが容器本体110の底板112に形成されていてもよい。
本実施例において、容器本体110の側壁111には、容器本体110の内部を外部と連通させる排気ユニット140が備えられている。
排気ユニット140は、容器本体110の側壁111の一部分に穿孔された貫通孔に対して側壁111の外面側から装着されるノズル141と、ノズル141との対応部分に排気誘導孔146が穿孔され、また容器本体110の側壁111の内面側に固定される挟持板145と、容器本体110の側壁111の内面と挟持板145との間に介在され、またノズル141の流通路142と対応する部分に流通路142の直径よりも小さい直径の連通孔144が穿孔されたメンブレイン143とで構成されている。
本実施例において、ノズル141の流通路142と、メンブレイン143の連通孔144と、挟持板145の排気誘導孔146は、蒸気が排出されることができる単一流路を形成する。孔の大きさ(直径)は排気誘導孔146が最も大きく、流通路142が連通孔144に比べて若干大きい。
メンブレイン143の素材として合成樹脂シートやエラストマーフィルムのように弾性復元力を有し、厚さの薄いものを利用することが好ましく、挟持板145の素材として金属板や合成樹脂板を利用することができる。
メンブレイン143の素材と挟持板145の素材が熱や超音波によって互いに融着可能なものである場合、メンブレイン143と挟持板145は一体型に製造されてもよい。
本実施例において、メンブレイン143とノズル141の内側端との間には、所定寸法のギャップGが存在する。
食材料を真空低温下で調理する時、真空調理容器100の内部圧力が真空調理容器100の外部圧力より高い場合、柔軟な素材で構成された薄いメンブレイン143は、挟持板145の排気誘導孔146を通じて露出されている部分が真空調理容器100の内部圧力によってノズル141の内側端側に膨らんで、このようなメンブレイン143の膨出はノズル141の内側端にメンブレイン143の連通孔144の周辺部分が接するようになる時に終了する。
したがって、設定されたギャップGの大きさによって、メンブレイン143の連通孔144が大きくなれる最大直径が制限される。また、ギャップGは食材料が調理される過程で発生された蒸気が真空調理容器100から完全に排出されるまでの時間を多少遅延させるので、真空調理容器100内の湿度が急激に低下されることを防止して、食材料がしっとりする状態に調理されるようにする機能もする。
基準直径と最大直径との間で弾性的に復元されるメンブレイン143の連通孔144の可変直径は、メンブレイン143の素材によって異なるが、通常、0.2~1mm、好ましくは、0.2~0.6mmである。
<真空低温調理装置の実施例>
図4~図7は、本発明に係る真空低温調理装置200の実施例を示したもので、真空調理室VCが設けられているキャビネット210、真空調理室VCに配置される発熱板250と、真空調理室VCに真空圧をかける真空ポンプ、真空調理室VCに真空圧がかかると、体積が膨脹し、真空圧が解除されると、体積が収縮する密着ユニット270と、発熱板250及び真空ポンプの作動状態を制御する制御ユニット230などが備えられることができる。
また、真空調理室VCには複数の発熱板250が多列及び/または多段に配置されることができる。
以下、図面に基づいて各実施例について説明する。
第1実施例
第1実施例において、真空低温調理装置200のキャビネット210は、上部隔室(upper compartment)及び下部隔室の2つの部分に分けられる。
上部隔室には、ドア220によって開閉される真空調理室が設けられている。また、第3実施例で具体的に説明される発熱板及び密着ユニットが備えられており、真空調理室内の圧力を検出するための真空ゲージ(図示しない)、及び発熱板の温度(表面温度)を検出するための温度センサ(図示しない)などが設けられている。
下部隔室には真空ポンプ(図示しない)が設けられている。
また、キャビネット210の下部隔室の前面には制御ユニット230が備えられており、下部隔室の下面には位置移動及び定着具240が 4箇所(角)にそれぞれ設けられている。
制御ユニット230は、実行機能が互いに異なる複数のボタンと、調理時間を設定するタイマ、及び真空ゲージと温度センサの検出値を数値で表示するディスプレーなどを含む形態で構成されることができる。
第2実施例
図5に示された真空低温調理装置200は、一体型に形成されたキャビネット210の内部が上部空間及び下部空間に分けられている。
上部空間には真空調理室VCが設けられており、ドア220によって開閉される。
キャビネット210の上部の前面の一側部分(ドア220と干渉されない部分)には、同じ構成の制御ユニット230が上下2段に設けられている。
下部空間には真空ポンプ(図示しない)が内蔵されており、キャビネット210の底には真空低温調理装置200の水平を合わせる時に用いる高さ調節型定着具260が4箇所(角)にそれぞれ設けられている。
また、真空調理室VCには2つの発熱板250が上下に設けられており、発熱板250ごとに真空調理容器100が2つずつ配置されている。
また、第3実施例で具体的に説明される密着ユニットが2つの発熱板のうち上側に配置された発熱板250の下面とキャビネット210の上板の下面にそれぞれ備えられている。
第3実施例
図7に示された真空低温調理装置200は、キャビネット210の内部が5つの空間に分けられている。キャビネット210は一体型であってもよく、2つ以上の隔室に分離することができる組立型であってもよい。
第3実施例において、キャビネット210の上部には2つの真空調理室VCが配置され、キャビネット210の下部には多目的室UC、真空ポンプ室PC及び風味増進ユニット290を配置するための3つの空間が設けられている。
ドア220が開かれている一側の真空調理室VCには、5つの発熱板250が互いに間隔を隔てて上下5段に配置されており、発熱板250ごとに真空調理容器100が2列に配置されている。
他側の真空調理室VCは、一側の真空調理室VCの開放されたドア220によって遮られており、他側の真空調理室VCの場合には、発熱板250が上下4段などに備えられてもよい。すなわち、両側の真空調理室VCは、発熱板250の数が異なってもよく同一であってもよい。。
発熱板250には、図6に示されたように、ヒータHが備えられている。
発熱板250ごとに設けられるヒータHの数は任意に決めることができる。
また、それぞれの真空調理容器100の上側には密着ユニット270が配置されている。密着ユニット270として、空気などの気体が出入り不可能に所定気圧に充電されたエアバッグを採用する場合には、発熱板250の下面やキャビネット210の上板の下面にクランプ280などを設置して、エアバッグの着脱を可能にすることができる。または、バルブが備えられた空気管を通じて気体の出入りが可能なエアバッグを採用してもよい。
風味増進ユニット290の例として、電子レンジやオーブンなどを挙げることができる。
<真空低温調理時の食材料の変化と装置各部の作動状態>
図6は、本発明に係る真空調理容器100及び真空低温調理装置で食材料300を調理する場合、装置各部の動作及び食材料300の変化を説明するための図面である。食材料300はステーキ(肉類)であると仮定する。
まず、食材料300が入っている真空調理容器100を真空調理室の発熱板250の上面に載置した後、真空調理室のドアを閉めて、真空調理室を密閉する。
次に、制御ユニットの操作を通じて、調理時間と調理温度などを設定し、真空ポンプを作動させる。
このようにすると、真空調理室に真空圧がかかって、発熱板250のヒータHが発熱して、真空調理容器100の温度が設定された調理温度に加熱される。そして、この時、密着ユニット270であるエアバッグが膨脹して、発熱板250の上面に載置された真空調理容器100が浮かび上がらないように押圧する。
真空調理室は、内部の圧力が設定された真空圧に到逹する前まで、続いて排気され、この過程で、真空調理容器100内の空気が排気ユニットを通じて真空調理室に吸い込まれて、真空調理容器100の内部圧力が負圧(真空圧)になる。
真空調理容器100内の圧力が負圧に変化すると、真空調理容器100に入っている食材料300の筋組織の間が広がりながら、外形的に、大気圧での体積よりも体積が30~40%膨脹するようになる。
したがって、水や調味液301などの液体を食材料300と一緒に入れると、調味液などが食材料300の内部に容易に浸透することができる。
設定された調理時間の間、真空調理容器100の内部圧力は、真空調理室にかかる負圧よりも常に高い状態に保持される。通常、真空調理室にかかる真空圧は、大気圧の5%水準であり、真空調理容器100の内部圧力は大気圧の10~15%水準である。
設定された調理時間が終わると、真空調理室の負圧が解除されて大気圧に変わり、ヒータHへの電力供給が中止され、密着ユニット270であるエアバッグは膨脹状態から元の状態に体積が復元される。
その後、真空調理室のドアを開いて真空調理容器100を取り出すことにより、真空低温調理の全ての過程が終わり、負圧下で膨脹されていた食材料の体積は元の体積に復元される。
以上、本発明の技術思想を例示する実施例が説明されたが、当業者は、本発明は説明されたような構成と作用に限定されず、発明の説明及び特許請求範囲に記載された技術思想の範疇を逸脱することなく、本発明に対して多様な変更と修正が施され得ることを理解することができる。
一つの変形例として、キャビネットが2つ以上の隔室(例えば、第1隔室及び第2隔室)に分離可能な組立型である場合、これら隔室は上下方向ではない左右方向に配置されてもよい。同様に、キャビネットの内部が2つ以上の空間(例えば、第1空間及び第2空間)に分割された一体型である場合、これら空間も上下方向ではない左右方向に配置されてもよい。
また他の変形例として、密着ユニットは、空圧シリンダー機構などであってもよい。
また、調理対象食材料は粉末形態であってもよく、調味液に食材料を混入させて調理することも可能である。
したがって、このような全ての適切な変更と修正及び均等物は、何れも本発明の権利範囲に属すると見なすべきである。
100…真空調理容器
110…容器本体
111…側壁 112…底板
120…蓋
130…ロック手段
140…排気ユニット
141…ノズル 142…流通路
143…メンブレイン 144…連通孔
145…挟持板 146…排気誘導孔
G…ギャップ(gap)
150…シール
200…真空低温調理装置
210…キャビネット
VC…真空調理室
220…ドア
230…制御ユニット
240…位置移動及び定着具
250…発熱板
H…ヒータ
260…高さ調節型定着具
270…密着ユニット
280…クランプ
290…風味増進ユニット
UC…多目的室
PC…真空ポンプ室
300…食材料
301…調味液

Claims (4)

  1. 真空低温調理装置の真空調理室に配置され、食材料が真空下で低温で調理されることができる真空調理容器であって、
    上部が開放された筒状の容器本体と、容器本体の開放された上部を開閉する蓋とからなり、
    容器本体は底板と側壁とからなり、
    容器本体の開放された上部を蓋で覆った時に形成される真空調理容器の内部空間が密閉されるようにするシールが、容器本体と蓋との接触部位に介在され、
    真空調理容器の内部空間を外部と連通させる排気ユニットが容器本体の側壁の一部分に備えられる、ことを特徴とする真空調理容器。
  2. 排気ユニットは、
    容器本体の側壁の一部分に形成された貫通孔に装着されるノズルと、
    ノズルとの対応部分に排気誘導孔が穿孔され、また、容器本体の側壁の内面側に固定される挟持板と、
    容器本体の側壁の内面と挟持板との間に介在され、またノズルの流通路よりも小さい直径の連通孔が穿孔されたメンブレインと、で構成され、
    メンブレインとノズルの内側端との間には所定寸法のギャップが存在し、真空低温下での食材料の調理中に変化する真空調理容器の内部圧力と真空調理容器を囲む外部圧力との間の差圧の大きさによって、メンブレインに形成された連通孔の直径が変動される、ことを特徴とする請求項1に記載の真空調理容器。
  3. 請求項1または請求項2に記載された真空調理容器を用いて、食材料を真空下で低温で調理可能な真空低温調理装置であって、
    第1隔室及び第2隔室に分けられる組立型、または内部が第1空間及び第2空間に分けらる一体型の何れか一つの形態であるキャビネットと、
    第1隔室または第1空間に設けられ、ドアによって開閉される真空調理室と、
    真空調理室に配置される発熱板と、
    第2隔室または第2空間に配置され、排気ラインを通じて真空調理室に真空圧をかける真空ポンプと、
    第1隔室や第1空間または発熱板に設けられ、真空調理室に真空圧がかかる時には、真空調理容器が発熱板に密着されるようにする押圧力を真空調理容器に加え、真空圧が解除された時には、押圧力が除去される密着ユニットと、
    発熱板と真空ポンプの作動状態を制御する制御ユニットと、を含んで構成される、ことを特徴とする真空低温調理装置。
  4. 風味増進ユニットまたは多目的室が第2隔室または第2空間に設けられ、密着ユニットは、第1隔室や第1空間または発熱板に対して着脱可能である、ことを特徴とする請求項3に記載の真空低温調理装置。
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