JPH09285282A - マイクロ波殺菌装置 - Google Patents

マイクロ波殺菌装置

Info

Publication number
JPH09285282A
JPH09285282A JP8101665A JP10166596A JPH09285282A JP H09285282 A JPH09285282 A JP H09285282A JP 8101665 A JP8101665 A JP 8101665A JP 10166596 A JP10166596 A JP 10166596A JP H09285282 A JPH09285282 A JP H09285282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
sterilized
microwave
sterilization
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8101665A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Hirai
英和 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KUMETA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
KUMETA SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KUMETA SEISAKUSHO KK filed Critical KUMETA SEISAKUSHO KK
Priority to JP8101665A priority Critical patent/JPH09285282A/ja
Publication of JPH09285282A publication Critical patent/JPH09285282A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 いずれのものでも短時間で容易に加熱殺菌で
きるマイクロ波殺菌装置を提供する。 【解決手段】 加熱室12および冷却室13内に上水道管21
から水道水20a ,20b を所定量流入貯留し、昇圧手段40
にて殺菌処理室2内および下流側予備室38内を加圧す
る。マイクロ波発生手段17から加熱室12内の水道水20a
にマイクロ波を照射し、水道水20a を加熱する。被殺菌
物を投入口31から上流側予備室30内に投入し昇圧手段40
にて上流側予備室30内の気圧を殺菌処理室2内の気圧と
略同圧に加圧する。上流側予備室30内の被殺菌物を殺菌
処理室2内から加熱室12内に移動させ、水道水20a 中に
水没して加熱殺菌する。冷却室13に移動して水道水20b
中に所定時間水没させて冷却し、被殺菌物を下流側予備
室38内に移動する。下流側予備室38内を外気圧に戻して
被殺菌物を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被殺菌物を加熱殺
菌するマイクロ波殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルムあるいは金
属箔またはこれらを貼り合わせたパウチ(袋)や成形容
器などの容器に食品を詰めて完全に密封し、加熱殺菌し
て形成される容器詰食品であるレトルト食品において、
加熱殺菌する方法としては、圧力釜内にレトルト食品を
入れ、圧力釜内に導入される蒸気により容器内の食品を
加熱し、食品の温度を例えば126℃で3分間保つこと
により、食品を加熱殺菌している。
【0003】しかし、この方法では、容器内の食品の内
部側が例えば126℃まで昇温するのに40分程度かか
り、食品が高温に長時間曝され、食品の味、香り、食感
などの品位が低下する問題がある。
【0004】そこで、レトルト食品を加熱殺菌する方法
として、例えば特開昭58−43773号公報に記載の
方法が知られている。
【0005】この特開昭58−43773号公報に記載
の加熱殺菌方法は、冷却用液体を収容する冷却室とマイ
クロ波発生手段にてマイクロ波が導入される加熱室とが
連通および区画する移動自在のマイクロ波遮断板にて区
画形成され、被殺菌物を搬送する搬送手段を有し昇圧手
段にて加圧される殺菌処理室を有している。
【0006】そして、昇圧手段にて加圧された殺菌室に
投入した被殺菌物を、搬送手段にて搬送しつつマイクロ
波発生手段にて導入したマイクロ波により加熱殺菌した
後、マイクロ波遮断板が移動して加熱殺菌した被殺菌物
を冷却室の冷却用液体内に浸漬して冷却し、レトルト食
品などの包装容器を破損することなく短時間で加熱殺菌
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭58−43773号公報に記載の従来の加熱殺菌方
法では、マイクロ波の照射により分子運動が増大して発
熱する水分を含有するものに限られ、例えば皿やプラス
チック容器などの食品を包装する包装材や容器などの水
分を含有しないものの加熱殺菌は行えず、また、水分を
含有するレトルト食品などでも包装容器がマイクロ波を
透過しない金属箔などを有したもの場合には加熱殺菌が
できず、別途加熱殺菌装置が必要となるなどの問題があ
る。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、いずれのものでも短時間で容易に加熱殺菌できるマ
イクロ波殺菌装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のマイクロ
波殺菌装置は、被殺菌物を搬送可能な搬送手段と、この
搬送手段にて搬送される前記被殺菌物が通過可能で略気
密に開閉可能な開口を有し前記被殺菌物が浸漬可能に液
体を貯留する加熱室と、マイクロ波を発振させ前記液体
を加熱させるマイクロ波発生手段と、前記加熱室内の圧
力を昇圧する昇圧手段とを具備したもので、略気密に開
口が閉塞され昇圧手段にて加圧されマイクロ波発生手段
にて発振されるマイクロ波にて加熱された加熱室内の液
体中に、搬送手段にて被殺菌物を浸漬して加熱殺菌する
ため、例えば水分を含有しない被殺菌物やマイクロ波を
透過しない容器に包装されたものなどいずれのものでも
短時間で加熱殺菌する。
【0010】請求項2記載のマイクロ波殺菌装置は、請
求項1記載のマイクロ波殺菌装置において、加熱された
液体により加熱された被殺菌物を減圧前に冷却する冷却
手段を備えたもので、加熱された被殺菌物を減圧前に冷
却手段にて冷却するため、包装物でも破損することなく
容易に加熱処理する。
【0011】請求項3記載のマイクロ波殺菌装置は、被
殺菌物を搬送可能な搬送手段と、この搬送手段にて搬送
される前記被殺菌物が通過可能で略気密に開閉可能な開
口を有した殺菌処理室と、この殺菌処理室内の圧力を昇
圧する昇圧手段と、前記殺菌処理室内に区画形成され前
記被殺菌物が浸漬可能に加熱用液体を貯留する加熱室
と、この加熱室内にマイクロ波を発振させ前記加熱室内
の加熱用液体を加熱させるマイクロ波発生手段と、前記
殺菌処理室内に区画形成され前記加熱用液体にて加熱殺
菌された前記被殺菌物を冷却する冷却手段とを具備した
もので、略気密に開閉される開口から昇圧手段にて加圧
された殺菌処理室内に搬送手段にて搬送した被殺菌物
を、マイクロ波発生手段にて発振されたマイクロ波にて
加熱された加熱用液体内に浸漬して加熱殺菌した後、冷
却手段にて冷却するため、簡単な構成で、例えば包装物
でも破損せず水分を含有しない被殺菌物やマイクロ波を
透過しない容器に包装されたものなどいずれのものでも
短時間で容易に加熱殺菌する。
【0012】請求項4記載のマイクロ波殺菌装置は、請
求項3記載のマイクロ波殺菌装置において、殺菌処理室
の上下流側にそれぞれ設けられ略気密に開閉可能な開口
を有した予備室と、これら予備室内の気圧を外気および
殺菌処理室内の気圧に可変する圧力調整手段とを備えた
もので、あらかじめ昇圧手段にて加圧した殺菌処理室内
の気圧と略同圧に被殺菌物を投入した予備室を圧力調整
手段にて加圧した後、搬送手段にて予備室から殺菌処理
室内に搬送し、加熱殺菌および冷却し、あらかじめ殺菌
処理室内の気圧と略同圧に加圧した下流側の予備室に搬
送し、下流側の予備室を圧力調整手段にて外気圧と略同
圧にして取り出すので、殺菌処理室内全体の圧力を可変
させる必要がなく、効率よく加熱殺菌する。
【0013】請求項5記載のマイクロ波殺菌装置は、請
求項2ないし4記載のマイクロ波殺菌装置において、冷
却手段は、加熱室内のマイクロ波により加熱された加熱
用液体の温度より低い温度の冷却用液体を貯留したもの
で、加熱室内の加熱用液体にて加熱した後の被殺菌物を
加熱用液体の温度より低い温度の冷却用液体内に浸漬し
て冷却するため、加熱殺菌と同様の構造で冷却され、簡
単な構成で効率よく容易に殺菌処理する。
【0014】請求項6記載のマイクロ波殺菌装置は、上
方を開口し仕切体にて加熱用液体を貯留する加熱室およ
び冷却用液体を貯留する冷却室を区画する殺菌処理室
と、この殺菌処理室の開口を閉塞し前記仕切体とにて前
記加熱室および冷却室を連通および区画するシャッタを
有した蓋体と、この蓋体に前記加熱室および前記冷却室
に対応して被殺菌物を前記加熱用液体および前記冷却用
液体にそれぞれ浸漬する昇降自在に設けられた一対の搬
送手段と、前記加熱室内にマイクロ波を発振させるマイ
クロ波発生手段と、前記蓋体にて閉塞された殺菌処理室
内の圧力を昇圧する昇圧手段とを具備したもので、被殺
菌物を殺菌処理室の加熱室に対応する搬送手段に保持さ
せ、蓋体にて殺菌処理室を閉塞し、昇圧手段にて加圧し
つつマイクロ波発生手段にて加熱室内の加熱用液体を加
熱し、この加熱用液体に搬送手段にて被殺菌物を所定時
間浸漬して加熱殺菌した後、この被殺菌物を冷却室に対
応する搬送手段に保持させ、冷却用液体内に所定時間浸
漬して冷却し、殺菌処理室を外気圧に戻して取り出すの
で、例えば大型のものなど連続的に搬送しにくいものを
安価に殺菌処理する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマイクロ波殺菌装
置の実施の一形態の構成を図面を参照して説明する。
【0016】図1において、1はマイクロ波殺菌装置本
体で、このマイクロ波殺菌装置本体1は、耐圧構造の殺
菌処理室2を備えている。この殺菌処理室2は、軸方向
の両端面の略中央に上流側開口部3および下流側開口部
4を略対向してそれぞれ開口したトンネル状に形成され
ている。また、上流側開口部3および下流側開口部4の
内側には、上下方向に摺動自在の蓋体5,6がそれぞれ
設けられ、これら蓋体5,6にて上流側開口部3および
下流側開口部4は略気密に開閉される。さらに、殺菌処
理室2の底部には、気圧の増減にて生じた結露などにて
内部に溜った水などを排出するドレン手段7が設けられ
ている。
【0017】そして、この殺菌処理室2内は、上下方向
に位置する第1のトンネル部10および第2のトンネル部
11にて連通された耐熱および断熱構造の中空直方体形状
の加熱室12および冷却手段となる冷却室13が区画形成さ
れている。また、加熱室12の第1のトンネル部10と対向
する側面には、上流側開口部3に対向する入口14が開口
形成され、冷却室13の第1のトンネル部10と対向する側
面には、下流側開口部4に対向する出口15が開口形成さ
れている。そして、上流側開口部3、入口14、第1のト
ンネル部10、出口15および下流側開口部4が略直線上に
位置するようになっている。
【0018】また、加熱室12には、この加熱室12内に例
えば家庭用電子レンジで用いられる2450MHz のマイ
クロ波を導入させるマイクロ波発生手段17が設けられて
いる。さらに、入口14、第1のトンネル部10および第2
のトンネル部11には、マイクロ波遮断部材18が設けら
れ、加熱室12内に導入されたマイクロ波が入口14、第1
のトンネル部10および第2のトンネル部11を介して外部
に漏れ出ない構造となっている。
【0019】そして、加熱室12および冷却室13の底部に
は、それぞれ液体である加熱用液体および冷却用液体と
しての水道水20a ,20b が導入可能に上水道管21が接続
されているとともに、入口14、第1のトンネル部10およ
び出口15の下縁より低い位置に、加熱室12および冷却室
13内に流入された水道水20a ,20b を流出させる下水道
管22が接続されている。なお、下水道管22は、貯留する
水道水20a ,20b が所定量以上となった際に水道水20a
,20b を流出させる図示しないフロート弁装置を備え
ている。また、加熱室12および冷却室13には、貯留する
水道水20a ,20bの水温を測定する図示しない温度セン
サがそれぞれ設けられている。
【0020】一方、殺菌処理室2内には、耐熱性および
伸縮性を有した材料にて水切り性が良好にネット状に形
成された搬送手段である第1のベルトコンベア25が配設
されている。この第1のベルトコンベア25は、上流側開
口部3の下端縁近傍から入口14を介して加熱室12内に導
入され、加熱室12内の加熱用液体である水道水20a に浸
漬され、第1のトンネル部10から冷却室13内の冷却用液
体である水道水20b に再び浸漬され、出口15から下流側
開口部4の下端縁近傍に導出する無端状に構成されてい
る。さらに、この第1のベルトコンベア25に対向して、
第1のベルトコンベア25と同様の無端状の搬送手段であ
る第2のベルトコンベア26が配設されている。この第2
のコンベア26は、加熱室12内および冷却室13内に第1の
トンネル部10および第2のトンネル部11を介して配設さ
れ、第1のベルトコンベア25と同様に加熱用液体および
冷却用液体である水道水20a ,20b に一部が浸漬してい
る。
【0021】そして、殺菌処理室2の上流側には、上流
側開口部3を覆うように耐圧構造の上流側予備室30が設
けられている。この上流側予備室30は、上流側開口部3
に対向する投入口31を開口形成し、この投入口31は上下
方向に摺動自在に設けられた蓋体である投入蓋32にて略
気密に開閉される。また、この上流側予備室30内には、
投入口31から投入された図示しない被殺菌物を上流側開
口部3に搬送する無端ベルトコンベアなどの搬送手段と
なる上流側搬送手段33が配設されている。さらに、この
上流側予備室30の底部には、内部に溜った水などを排出
する殺菌処理室2と同様のドレン手段7が設けられてい
る。
【0022】さらに、殺菌処理室2の下流側には、上流
側予備室30と略同構造で、搬送手段となる下流側搬送手
段35が配設され下流側開口部4に対向し排出蓋36にて閉
塞される排出口37を開口した下流側予備室38が設けられ
ている。
【0023】一方、40は昇圧手段で、この昇圧手段40は
加圧ポンプ41を有し、この加圧ポンプ41は、第1の圧力
調整弁バルブ42を有した第1の加圧管43を介して上流側
予備室30に接続され、第2の圧力調整弁バルブ44を有し
た第2の加圧管45を介して殺菌処理室2に接続され、さ
らに第3の圧力調整弁バルブ46を有した第3の加圧管47
を介して下流側予備室38に接続されている。また、第1
ないし第3の加圧管43,45,47には、上流側予備室30、
殺菌処理室2および下流側予備室38の内部に加圧された
気体である空気を脱気する圧力調整弁脱気バルブ48,4
9,50をそれぞれ有した脱気手段51,52,53が、第1な
いし第3の圧力調整弁バルブ42,44,46より上流側予備
室30、殺菌処理室2および下流側予備室38側に位置して
それぞれ設けられている。
【0024】さらに、上流側予備室30、殺菌処理室2お
よび下流側予備室38は、それぞれ内部気圧を検出する圧
力センサ55,56,57が設けられ、これら圧力センサ55,
56,57にて検知した内部気圧により加圧ポンプ41、各圧
力調整弁バルブ42,44,46、脱気手段51,52,53、蓋体
5,6、投入蓋32および排出蓋36を制御する図示しない
制御手段が設けられている。なお、制御手段には、上流
側搬送手段33、第1のベルトコンベア25および下流側搬
送手段35の近傍の所定の位置に配設され被殺菌物の移動
を検知する図示しない位置センサが接続されている。そ
して、昇圧手段40、脱気手段51,52,53および制御手段
にて調圧手段59が構成されている。
【0025】また、上流側予備室30の上流側には、被殺
菌物を投入口31に搬送する図示しないコンベアが配設さ
れている。さらに、下流側予備室38の下流側には、排出
口37の下縁に設けられたシュート61の下方に位置して排
出口37から排出された加熱殺菌後の被殺菌物を搬送する
コンベア62が配設されている。
【0026】次に、上記マイクロ波殺菌装置本体1の動
作を説明する。
【0027】まず、加熱室12および冷却室13内に上水道
管21から水道水20a ,20b を所定量流入されて貯留す
る。そして、昇圧手段40の加圧ポンプ41を駆動させると
ともに第2の圧力調整弁バルブ44および第3の圧力調整
弁バルブ46を開いて殺菌処理室2内および下流側予備室
38内を所定の気圧、例えば3気圧(kgf/cm2 -A)に加圧
し、マイクロ波発生手段17にてマイクロ波を発生させ、
加熱室12内の水道水20aを加熱する。なお、マイクロ波
発生手段17は、図示しない温度センサにて加熱室12内の
水道水20a が所定の温度となるようにマイクロ波の発生
が調整される。
【0028】この後、図示しないコンベアにて搬送され
た殺菌処理する被殺菌物を投入蓋32を移動させて開口す
る投入口31から投入する。そして、第1の圧力調整弁バ
ルブ42を開いて上流側予備室30内の気圧を殺菌処理室2
内の気圧と略同圧力となる程度まで加圧しつつ上流側搬
送手段33にて投入された被殺菌物を搬送する。なお、被
殺菌物が投入口31から投入された後、図示しない制御手
段は位置センサにて検知して投入蓋32を移動させて投入
口31を略気密に閉塞させる。
【0029】さらに、上流側予備室30内の内部圧力が殺
菌処理室2内の気圧と略同圧力となったことを検知する
とともに、被殺菌物が上流側開口部3の手前まで搬送さ
れたことを図示しない位置センサにて検知することによ
り、制御手段は蓋体5を移動させて上流側開口部3を開
口させる。
【0030】そして、被殺菌物は、上流側開口部3を介
して上流側搬送手段33から第1のベルトコンベア25に移
動し、入口14から加熱室12内に搬送される。なお、制御
手段は、被殺菌物が上流側開口部3を通過した時点で蓋
体5を移動させて上流側開口部3を閉塞するとともに、
第1の圧力調整弁バルブ42を閉じ、第1の圧力調整弁脱
気バルブ48を開いて上流側予備室30内の気圧を外気圧に
脱気させ、投入蓋32を再び開いて次の被殺菌物を上流側
予備室30内に投入させる。
【0031】さらに、第1のベルトコンベア25にて加熱
室12内に搬送された被殺菌物は、第2のベルトコンベア
26とにて挟持されて、加熱室12内に貯留されマイクロ波
にて加熱された水道水20a 中に所定時間、例えば3〜5
分程度水没されて加熱殺菌される。そしてさらに、加熱
殺菌され加熱された水道水20a から搬送された被殺菌物
は、第1のトンネル部10を介して第1のベルトコンベア
25および第2のベルトコンベア26にて挟持されつつ冷却
室13に搬送され、加熱されていない水道水20b中に所定
時間、例えば3〜5分程度水没されて冷却される。
【0032】そして、被殺菌物は第1のベルトコンベア
25にて出口15を介して冷却室13から排出搬送される。こ
の出口15から排出搬送された被殺菌物を位置センサにて
検知することにより、制御手段は蓋体6を移動させて下
流側開口部4を開口させる。この後、被殺菌物は、第1
のベルトコンベア25にて下流側開口部4を介してあらか
じめ殺菌処理室2内の気圧と略同程度の気圧状態の下流
側予備室38内の下流側搬送手段35に搬送される。なお、
被殺菌物が下流側予備室38内に搬送されたことを図示し
ない位置センサにて検知することにより、制御手段は蓋
体6を移動させて下流側開口部4を略気密に閉塞させ
る。
【0033】さらに、制御手段にて第3の圧力調整弁バ
ルブ46を閉じ第3の圧力調整弁脱気バルブ50を開いて、
徐々に下流側予備室38内の気圧を外気圧に脱気させ、下
流側予備室38内の気圧が外気圧となり排出口37近傍まで
搬送された被殺菌物を検知することにより、制御手段は
排出蓋36を移動させて排出口37を開口させ、被殺菌物を
排出口37からシュート61を介してコンベア62に投下し、
次の工程に搬送する。なお、被殺菌物が排出口37を通過
したことを図示しない位置センサが検知することによ
り、制御手段は排出蓋36を移動させて排出口37を閉塞さ
せるとともに、第3の圧力調整弁脱気バルブ50を閉じ、
第3の圧力調整弁バルブ46を開いて再び下流側予備室38
内を加圧する。
【0034】上記実施の形態によれば、加圧下でマイク
ロ波を照射して加熱した水道水20aに被殺菌物を浸漬す
るため、マイクロ波を投下しない包装材にて包装された
レトルト食品やマイクロ波にて加熱しない容器などでも
殺菌できるとともに、容易に水道水20a を沸騰させずに
短時間で加熱でき、食品などの熱に対して変質しやすい
ものでも変質させずに殺菌処理でき、効率よく殺菌処理
できる。
【0035】また、短時間で効率よく殺菌処理すべく加
圧した状態とするので、加圧下での加熱殺菌後に被殺菌
物を取り出すと、レトルト食品などの包装物の被殺菌物
では包装材が損傷するおそれがあるが、加熱殺菌後に冷
却するためレトルト食品が損傷することはない。
【0036】さらに、加熱用液体の水道水20a および冷
却用液体の水道水20b 中に被殺菌物を浸漬するため、直
接被殺菌物の温度を検知して加熱殺菌状態および冷却状
態を検知せずとも、加熱用液体の水道水20a および冷却
用液体の水道水20b の温度を測定すれば、加熱殺菌状態
を認識でき、簡単な構造で容易に加熱殺菌できる。
【0037】そして、冷却する方法は、加熱殺菌のため
の加圧下より高い水圧の水道水20bを直接導入するた
め、別途冷却するための冷却媒体を冷却する手段が不要
で、水道水20b の水圧を利用でき、簡単な構成で容易に
安価に冷却できる。
【0038】また、殺菌処理室2内に加熱室12を区画形
成した二重構造としたため、加熱室12は簡単な構造で冷
却室13と同様に形成でき、製造性を向上できる。
【0039】さらに、殺菌処理室2の上下流側にそれぞ
れ上流側予備室30および下流側予備室38を設けたため、
容積の大きい殺菌処理室2内の加圧状態を一定とし、容
積の小さい上流側予備室30および下流側予備室38の加圧
状態を可変させるのみで、効率よく容易に被殺菌物の加
熱殺菌処理できる。
【0040】一方、位置センサを設け、被殺菌物の移動
状況を検知して蓋体5,6の開閉や加圧状態の可変など
を行う構成としたため、自動化でき、さらに容易に殺菌
処理できる。
【0041】なお、上記実施の形態において、水道水20
a ,20b を加熱用液体および冷却用液体に用いて加熱お
よび冷却を行って説明したが、加熱用液体に100℃以
上でも蒸気の発生が少ないものを用いて加熱したり、液
体窒素にて生じる冷気を吹き付けて冷却するなどいずれ
の方法でもできる。
【0042】また、殺菌処理室2の上下流側にそれぞれ
上流側予備室30および下流側予備室38を設けて説明した
が、殺菌処理室2内を適宜外気圧および加圧状態にして
殺菌処理してもできる。
【0043】さらに、ベルトコンベアを用いて被殺菌物
を搬送して説明したが、搬送する搬送手段としてはいず
れのものでもできる。
【0044】一方、上流側予備室30および下流側予備室
38に昇圧手段40を接続し、上流側予備室30および下流側
予備室38内の気圧を可変させて説明したが、別途気圧を
可変させる圧力調整手段を別途設けてもよい。
【0045】次に、本発明のマイクロ波殺菌装置の他の
実施の形態を図2を参照して説明する。
【0046】この図2に示す実施の形態は、図1に示す
実施の形態の直線状の搬送経路を略U字状にしたもので
ある。
【0047】すなわち、マイクロ波殺菌装置本体70の耐
圧構造の殺菌処理室71内にトンネル部72にて略並列状に
連結した加熱室12および冷却室13を区画形成し、これら
加熱室12および冷却室13に同方向側の一側面に入口14お
よび出口15を形成し、殺菌処理室71に入口14および出口
15に対向して開口し摺動可能な蓋体73にて略気密に開閉
される開口部74を形成し、この開口部74を覆うように、
摺動可能な開閉板75にて略気密に閉塞される投入排出口
76を開口する予備室77を設け、投入排出口76から予備室
77内、殺菌処理室71内、加熱室12内、トンネル部72内、
冷却室13内を通って再び殺菌処理室71、予備室77を介し
て投入排出口76に至る搬送経路を構成する搬送手段78を
配設している。
【0048】そして、予備室77内が外気圧状態時に開閉
板75を移動させて投入排出口76を開口させ、搬送手段78
に保持された被殺菌物を投入排出口76から予備室75内に
投入するとともに殺菌後の被殺菌物を予備室77から排出
し、開閉板75を移動させて投入排出口76を略気密に閉塞
して殺菌処理室71内と略同圧の加圧状態にした後、蓋体
73を移動させて開口部74を開口させ、予備室77内に投入
された被殺菌物を殺菌処理室71内に移動させるとともに
冷却室13からの殺菌後の被殺菌物を予備室77内に移動さ
せ、連続的に殺菌処理する。
【0049】この構成によれば、1つの予備室77で圧力
調整ができ簡単な構造で小型化でき、設置スペースの縮
小化が図れる。
【0050】次に、本発明のマイクロ波殺菌装置のさら
に他の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0051】図3および図4において、80はマイクロ波
殺菌装置本体で、このマイクロ波殺菌装置本体80は、耐
圧構造の殺菌処理室81を備えている。この殺菌処理室81
は、上面を開口した箱状で、仕切体82にて加熱室83およ
び冷却室84が区画形成されている。そして、加熱室83の
内面には、耐熱性で弾性を有した衝撃吸収性でマイクロ
波遮断性の部材85が設けられている。さらに、冷却室84
の加熱室83と反対側の側面には、弾性を有した衝撃吸収
性の図示しない部材が設けられている。
【0052】また、殺菌処理室81には、図1に示す実施
の形態と同様に、各加熱室83および冷却室84に対応して
水道水20a ,20b が導入可能に上水道管21がそれぞれ接
続されているとともに、殺菌処理室81の上面の開口縁よ
り低い位置に、加熱室83および冷却室84内に流入された
水道水20a ,20b を流出させる下水道管22がそれぞれ接
続されている。なお、上水道管21には、貯留する水道水
20a が所定量以下となった際に水道水20a を流入させる
フロート弁装置86が設けられている。また、下水道管22
にも、貯留する水道水20が所定量以上となった際に水道
水20を外部に流出させるフロート弁装置86が設けられて
いる。さらに、加熱室83および冷却室84の底部には、内
部に貯留する水道水20a ,20b を排出する排水手段87が
設けられている。また、加熱室83および冷却室84には、
貯留する水道水20a ,20b の水温を測定する温度センサ
88,88がそれぞれ設けられている。
【0053】さらに、殺菌処理室81には、加熱室83の冷
却室84と反対側の上部縁には、被殺菌物90を加熱室83に
投入させる傾斜したシュート状の投入シュート91が設け
られている。また、冷却室84の加熱室83と反対側の上部
縁には、冷却室84から被殺菌物90を排出する傾斜したシ
ュート状の排出シュート92が設けられている。
【0054】そして、殺菌処理室81には、図1に示す実
施の形態と同様に、加熱室83内に例えば家庭用電子レン
ジで用いられる2450MHz のマイクロ波を導入させる
マイクロ波発生手段17が設けられている。
【0055】一方、殺菌処理室81の上部には、上面の開
口を閉塞する下面に開口する箱状の耐圧構造の蓋体94が
上下動可能に設けられている。この蓋体94は、加熱室83
に対応して深さの深い部分と、冷却室84に対応して深さ
の浅い部分とにて段差が設けられて下方に向けて開口す
る箱状に形成されている。さらに、蓋体94の下端縁に
は、殺菌処理室81の上端縁と略気密に当接するシール部
材95が設けられているとともに、略気密に当接したこと
を検知する図示しない閉塞センサが設けられている。
【0056】また、この蓋体94の深さの深い部分の内面
には、殺菌処理室81と同様の耐熱性でマイクロ波遮断性
の部材85が設けられている。さらに、深さの深い部分の
深さの浅い部分側の側面には、殺菌処理室81の仕切体82
に対応して、下端が仕切体82の上端に当接する断熱性で
マイクロ波遮断性のシャッタである区画板97が設けられ
ている。なお、この区画体97は、常時自重により下方に
移動した状態となっている。また、この区画板97の上部
には、加熱室83側に向けて略垂直に折曲された係止部98
が設けられている。そして、蓋体94が殺菌処理室81の上
部を閉塞した際には仕切体82の上端部に区画板97の下端
部が当接して加熱室83および冷却室84が区画され、区画
板97が上方に摺動された際には加熱室83および冷却室84
が連通する連通口99を開口するようになっている。
【0057】さらに、蓋体94には、加熱室83および冷却
室84に対応して上下動自在に棒状のシャフト101 が一対
設けられている。また、これらシャフト101 ,101 の下
端部にはラッパ状のバケット102 ,102 がそれぞれ一体
的に設けられている。そして、これらバケット102 ,10
2 が貯留された加熱用液体および冷却用液体である水道
水20中に水没可能にシャフト101 ,101 が図示しない駆
動手段にて上下動する第1の搬送手段103 および第2の
搬送手段104 が構成されている。また、バケット102
は、上面が略水平で底面が加熱室83および冷却室84の配
置方向の加熱室83および冷却室84の長さ寸法と略同寸法
で、加熱室83および冷却室84の配置方向の冷却室84側で
ある下流側が下方に位置するように傾斜したシュート状
で、下流側に向けて拡開する箱状に形成されている。
【0058】そして、蓋体94が殺菌処理室81の上部を閉
塞した状態で、第1の搬送手段103が上方に移動された
際に、バケット102 の上部が区画板97の係止部98に当接
し、第1の搬送手段103 の上方への移動に伴って区画板
97が上方に移動して連通口99を開口するようになってい
る。
【0059】また、蓋体94には、昇圧手段106 が設けら
れている。この昇圧手段106 は、図1に示す実施の形態
と同様に加圧ポンプ41を有し、この加圧ポンプ41は圧力
調整弁バルブ107 を有した加圧管108 を介して蓋体94の
上部に接続されている。さらに、加圧管108 には、内部
に加圧された気体である空気を脱気する圧力調整脱気バ
ルブ109 を有した脱気手段110 が、圧力調整弁バルブ10
7 より蓋体94側に位置して設けられている。
【0060】次に、上記図3および図4に示す実施の形
態の動作を図面を参照して説明する。
【0061】まず、図3に示すように、あらかじめ加熱
室83および冷却室84内に上水道管21から水道水20a ,20
b を所定量流入されて貯留し、蓋体94は上方に移動して
殺菌処理室81の上部を開口させる。また、蓋体94に対し
て第1の搬送手段103 を下げた状態、すなわち第1の搬
送手段103 は加熱室83に対して上方に位置し、投入シュ
ート91の傾斜上に第1の搬送手段103 のバケット102 の
底面が位置するようにし、第2の搬送手段104 を蓋体94
に対して上げた状態、すなわち第2の搬送手段104 は冷
却室84に対して上方に位置し、バケット102 の加熱室83
および冷却室84の配置方向の加熱室83側である上流側の
縁が下方に位置する区画板97の下端部近傍に位置するよ
うにしておく。
【0062】そして、投入シュート91から第1の搬送手
段103 のバケット102 内に被殺菌物90を投入し、被殺菌
物90を加熱室83に位置させる。なお、加熱室83内には、
衝撃吸収性の部材85が設けられているため、被殺菌物90
がバケット102 内に投入されて加熱室83の内面に当接し
ても被殺菌物90は損傷することがない。
【0063】この後、図5に示すように、蓋体94の下端
部を殺菌処理室81の上端部に当接するまで蓋体94を下方
に移動させて殺菌処理室81の上部を略気密に閉塞する。
この蓋体94の移動により、蓋体94とともに第1の搬送手
段103 が下方に移動し、バケット102 が加熱室83内に貯
留された水道水20a 中に浸漬され、被殺菌物90が水没さ
れる。この被殺菌物90の水没の際に貯留された水道水20
a の水面が上昇するが、下水道管22のフロート装置86に
より上昇する分の水道水20a が下水道管22から排水され
る。
【0064】さらに、この状態で、加圧ポンプ41を駆動
させて殺菌処理室81内を所定の気圧、例えば3気圧(kg
f/cm2 -A)に加圧し、マイクロ波発生手段17にてマイク
ロ波を発生させ、加熱室83内の水道水20a を加熱する。
なお、マイクロ波発生手段17は、温度センサ88にて加熱
室83内の水道水20a が所定の温度となるようにマイクロ
波の発生が調整される。
【0065】そして、水道水20a が所定の温度に達して
から所定時間、例えば3〜5分経過後、マイクロ波発生
手段17からのマイクロ波の導入を停止させるとともに第
1の搬送手段103 を上方に移動させ、被殺菌物90を加熱
された水道水20a から取り出す。この被殺菌物90の取り
出しにより加熱室83内の貯留する水道水20a の水面が低
下するが、フロート弁装置86にて上水道管21から水道水
20a を流入させて所定量の水道水20a を貯留させるとと
もに、加熱された貯留する水道水20a の温度を外気圧下
で沸騰しない100℃より低い温度にする。
【0066】また、第1の搬送手段103 の上方への移動
に伴って、図6に示すように、バケット102 の上部が区
画板97の係止部98に当接し、第1の搬送手段103 の上方
への移動に伴って区画板97が上方に移動して連通口99が
開口する。そして、この連通口99の開口により第1の搬
送手段103 のバケット102 内の被殺菌物90は、第2の搬
送手段104 のバケット102 内に移動して冷却室84内に位
置する。なお、冷却室84の下流側の内側面には、図示し
ない衝撃吸収性の部材が設けられているため、被殺菌物
90が第2の搬送手段104 のバケット102 内に移動して冷
却室84の内面に当接しても被殺菌物90は損傷することが
ない。
【0067】次に、図7に示すように、第2の搬送手段
104 を下方に移動させ、バケット102 を加熱室83内に貯
留された水道水20a 中に所定時間浸漬し、被殺菌物90を
水没させて冷却する。なお、この被殺菌物90の水没の際
に貯留された水道水20b の水面が上昇するが、下水道管
22のフロート装置86により上昇する分の水道水20b が下
水道管22から排水される。
【0068】また、この被殺菌物90の所定時間の水没中
に、徐々に圧力調整弁脱気バルブ109 を開状態として脱
気手段110 にて脱気し、殺菌処理室81内の気圧を徐々に
外気圧にする。なお、この脱気速度は、被殺菌物90の冷
却速度と対応させ、被殺菌物90が冷却しきれずに外気圧
となって被殺菌物90の包装材が損傷することがないよう
に設定する。
【0069】そして、被殺菌物90が冷却され、殺菌処理
室81内が外気圧となった時点で、蓋体94を上方に移動さ
せるとともに、第2の搬送手段104 を上方に移動させ、
被殺菌物90を水道水20b から取り出す。この被殺菌物90
の取り出しにより冷却室84内の貯留する水道水20b の水
面が低下するが、フロート弁装置86にて上水道管21から
水道水20b を流入させて所定量の水道水20b を貯留させ
るとともに、被殺菌物90との熱交換により暖められた貯
留する水道水20b の温度を低下させる。
【0070】また、第2の搬送手段104 の上方への移動
により被殺菌物90を第2の搬送手段104 のバケット102
から排出シュート92に排出する。なお、この蓋体94の上
方への移動時に第1の搬送手段103 を移動させて次の被
殺菌物90の投入可能状態とする。
【0071】この図3ないし図7に示す実施の形態によ
れば、被殺菌物90を1つずつまたは1塊ずつ処理する1
バッチ(batch )で行うため、図1に示す実施の形態や
図2に示す実施の形態のように、連続的に加熱殺菌処理
を行いにくいものでも容易に効率よく処理できるととも
に、マイクロ波殺菌装置本体80を小型化でき、容易に設
置スペースの縮小化や運転コストの低減を図れる。
【0072】また、図1に示す実施の形態および図2に
示す実施の形態と同様に、安価な水道水20a ,20b を加
熱および冷却用の媒体である加熱用液体および冷気用液
体に用い、適宜上水道管21から直接補充および下水道管
22から排出するため、別途回収し加熱および冷却処理す
る必要がなく安価で容易に殺菌処理できるとともに、被
殺菌物90の浸漬および取出の際に増減する水道水20a ,
20b の補充および排出により、加熱室83内の加熱された
水道水20a を外気圧に戻す前に沸騰する温度より低い温
度に冷却できるとともに、冷却室84内の暖められた水道
水20b を容易に冷却でき、容易に殺菌処理できる。
【0073】なお、上記図3ないし図7に示す実施の形
態において、温度センサ88による水道水20a ,20b の温
度の検知、図示しない閉塞センサによる蓋体94の閉塞状
態の検知、フロート弁装置86による水量、水道水20a ,
20b 中への水没時間のタイマ制御などにて略自動的に制
御できる一方、各動作を手動にて行ってもよい。
【0074】また、第1の搬送手段103 および第2の搬
送手段104 を図示しない駆動手段にて上下方向に移動す
るシャフト101 の下端部にラッパ状のバケット102 を設
けて説明したが、加熱室83および冷却室84に貯留する加
熱用液体および冷却用液体に被殺菌物90を浸漬および取
り出し可能ないずれの構成でもできる。
【0075】
【実施例】図1に示す実施の形態の装置を用いて、加圧
しない外気圧状態で2450MHzのマイクロ波を照射し
た場合には、加熱室12内の水道水20a は沸騰して約9
9.09℃でほぼ一定となり、さらなる温度上昇が望め
なかった。また、2.3気圧(kgf/cm2 -A)の加圧下で
同様のマイクロ波を照射した場合には、水道水20a は約
125℃に、2.6気圧(kgf/cm2 -A)では約128
℃、3気圧(kgf/cm2 -A)では約132.88℃まで上
昇し、容易に短時間で加熱殺菌できる温度が得られた。
【0076】そして、皿などの食器類や衛生器具類など
の場合には、約132.88℃の水道水20a 中に3〜5
分程度水没させることにより殺菌処理できることが分か
った。
【0077】また、合成樹脂製の包装材であるフィルム
パウチに詰められた食品などのレトルト食品では、フィ
ルムパウチの膨脹を抑えるべく、2.43気圧(kgf/cm
2 -A)の加圧下で加熱殺菌処理することが好ましい。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載のマイクロ波殺菌装置によ
れば、加圧下でマイクロ波を照射して加熱した加熱室内
の液体に中に、搬送手段にて被殺菌物を浸漬して加熱殺
菌するため、例えば水分を含有しない被殺菌物やマイク
ロ波を透過しない容器に包装されたものなどいずれのも
のでも短時間で加熱殺菌できる。
【0079】請求項2記載のマイクロ波殺菌装置によれ
ば、請求項1記載のマイクロ波殺菌装置に加え、加熱さ
れた被殺菌物を減圧前に冷却手段にて冷却するため、包
装物でも破損することなく容易に加熱殺菌処理できる。
【0080】請求項3記載のマイクロ波殺菌装置によれ
ば、略気密に開閉される開口から昇圧手段にて加圧され
た殺菌処理室内に搬送手段にて搬送した被殺菌物を、マ
イクロ波発生手段からのマイクロ波にて加熱された加熱
用液体内に浸漬して加熱殺菌した後、冷却手段にて冷却
するため、簡単な構成で、例えば包装物でも破損せず、
水分を含有しない被殺菌物やマイクロ波を透過しない容
器に包装されたものなどいずれのものでも短時間で容易
に加熱殺菌できる。
【0081】請求項4記載のマイクロ波殺菌装置によれ
ば、請求項3記載のマイクロ波殺菌装置に加え、あらか
じめ昇圧手段にて加圧した殺菌処理室内の気圧と略同圧
に被殺菌物を投入した予備室を圧力調整手段にて加圧し
た後、搬送手段にて予備室から殺菌処理室内に搬送し、
加熱殺菌および冷却し、あらかじめ殺菌処理室内の気圧
と略同圧に加圧した下流側の予備室に搬送し、下流側の
予備室を圧力調整手段にて外気圧と略同圧にして取り出
すので、殺菌処理室内全体の圧力を可変させずに被殺菌
物を効率よく加熱殺菌できる。
【0082】請求項5記載のマイクロ波殺菌装置によれ
ば、請求項2ないし4記載のマイクロ波殺菌装置に加
え、加熱室内の加熱用液体にて加熱した後の被殺菌物を
加熱用液体の温度より低い温度の冷却用液体内に浸漬し
て冷却するため、加熱殺菌と同様の構造で冷却でき、簡
単な構成で製造性を向上できるとともに効率よく容易に
殺菌処理できる。
【0083】請求項6記載のマイクロ波殺菌装置によれ
ば、被殺菌物を殺菌処理室の加熱室に対応する搬送手段
に保持させ、蓋体にて殺菌処理室を閉塞し、昇圧手段に
て加圧しつつマイクロ波発生手段にて加熱室内の加熱用
液体を加熱し、この加熱用液体に搬送手段にて被殺菌物
を所定時間浸漬して加熱殺菌した後、この被殺菌物を冷
却室に対応する搬送手段に保持させ、冷却用液体内に所
定時間浸漬して冷却し、殺菌処理室を外気圧に戻して取
り出すので、例えば連続的に処理しにくいものでも効率
よく安価に殺菌処理できるとともに、小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波殺菌装置の実施の一形態を
示す説明図である。
【図2】本発明のマイクロ波殺菌装置の他の実施の一形
態を示す説明図である。
【図3】本発明のマイクロ波殺菌装置のさらに他の実施
の一形態の被殺菌物を投入および排出する状況を示す説
明図である。
【図4】同上正面図である。
【図5】同上被殺菌物を加熱用液体内に水没させる状況
を示す説明図である。
【図6】同上被殺菌物を冷却室に移動させる状況を示す
説明図である。
【図7】同上被殺菌物を冷却用液体内に水没させる状況
を示す説明図である。
【符号の説明】
1,70,80 マイクロ波殺菌装置本体 2,71,81 殺菌処理室 3 上流側開口部 4 下流側開口部 12,83 加熱室 13,84 冷却手段となる冷却室 17 マイクロ波発生手段 20a 加熱用液体である水道水 20b 冷却用液体である水道水 25 搬送手段である第1のベルトコンベア 26 搬送手段である第2のベルトコンベア 30 予備室である上流側予備室 33 搬送手段である上流側搬送手段 35 搬送手段である下流側搬送手段 38 予備室である下流側予備室 40,106 昇圧手段 74 開口部 77 予備室 78 搬送手段 82 仕切体 90 被殺菌物 94 蓋体 97 シャッタである区画板 103 搬送手段である第1の搬送手段 104 搬送手段である第2の搬送手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被殺菌物を搬送可能な搬送手段と、 この搬送手段にて搬送される前記被殺菌物が通過可能で
    略気密に開閉可能な開口を有し前記被殺菌物が浸漬可能
    に液体を貯留する加熱室と、 マイクロ波を発振させ前記液体を加熱させるマイクロ波
    発生手段と、 前記加熱室内の圧力を昇圧する昇圧手段とを具備したこ
    とを特徴とするマイクロ波殺菌装置。
  2. 【請求項2】 加熱された液体により加熱された被殺菌
    物を減圧前に冷却する冷却手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載のマイクロ波殺菌装置。
  3. 【請求項3】 被殺菌物を搬送可能な搬送手段と、 この搬送手段にて搬送される前記被殺菌物が通過可能で
    略気密に開閉可能な開口を有した殺菌処理室と、 この殺菌処理室内の圧力を昇圧する昇圧手段と、 前記殺菌処理室内に区画形成され前記被殺菌物が浸漬可
    能に加熱用液体を貯留する加熱室と、 この加熱室内にマイクロ波を発振させ前記加熱室内の加
    熱用液体を加熱させるマイクロ波発生手段と、 前記殺菌処理室内に区画形成され前記加熱用液体にて加
    熱殺菌された前記被殺菌物を冷却する冷却手段とを具備
    したことを特徴とするマイクロ波殺菌装置。
  4. 【請求項4】 殺菌処理室の上下流側にそれぞれ設けら
    れ略気密に開閉可能な開口を有した予備室と、 これら予備室内の気圧を外気および殺菌処理室内の気圧
    に可変する圧力調整手段とを備えたことを特徴とする請
    求項3記載のマイクロ波殺菌装置。
  5. 【請求項5】 冷却手段は、加熱室内のマイクロ波によ
    り加熱された加熱用液体の温度より低い温度の冷却用液
    体を貯留したことを特徴とする請求項2ないし4記載の
    マイクロ波殺菌装置。
  6. 【請求項6】 上方を開口し仕切体にて加熱用液体を貯
    留する加熱室および冷却用液体を貯留する冷却室を区画
    する殺菌処理室と、 この殺菌処理室の開口を閉塞し前記仕切体とにて前記加
    熱室および冷却室を連通および区画するシャッタを有し
    た蓋体と、 この蓋体に前記加熱室および前記冷却室に対応して被殺
    菌物を前記加熱用液体および前記冷却用液体にそれぞれ
    浸漬する昇降自在に設けられた一対の搬送手段と、 前記加熱室内にマイクロ波を発振させるマイクロ波発生
    手段と、 前記蓋体にて閉塞された殺菌処理室内の圧力を昇圧する
    昇圧手段とを具備したことを特徴とするマイクロ波殺菌
    装置。
JP8101665A 1996-04-23 1996-04-23 マイクロ波殺菌装置 Pending JPH09285282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8101665A JPH09285282A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 マイクロ波殺菌装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8101665A JPH09285282A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 マイクロ波殺菌装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09285282A true JPH09285282A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14306677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8101665A Pending JPH09285282A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 マイクロ波殺菌装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09285282A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002322873A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Samson Co Ltd 扉自動開閉式加熱殺菌装置
JP2013208058A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Kiyotsune Shino 連続加熱方法および前記方法を用いた密封食品の製造装置
JP5901519B2 (ja) * 2010-06-30 2016-04-13 マイクロ波化学株式会社 油状物質の製造方法、及び油状物質の製造装置
US9370762B2 (en) 2011-11-11 2016-06-21 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction apparatus
US9573112B2 (en) 2011-11-11 2017-02-21 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction apparatus
JP2017532029A (ja) * 2014-09-17 2017-11-02 クラフト・フーズ・グループ・ブランズ・エルエルシー マイクロ波レトルトシステム、マイクロ波レトルトシステムを用いて食品を加熱する方法、及びマイクロ波レトルト用に調合した食品
CN109691624A (zh) * 2017-10-24 2019-04-30 株式会社沙迪克 食品高温加热装置
JP2021053297A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 株式会社ソディック 水頭圧式食品加熱装置
US11224852B2 (en) 2011-06-29 2022-01-18 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction apparatus and chemical reaction method
US11229895B2 (en) 2011-11-11 2022-01-25 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction method using chemical reaction apparatus

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002322873A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Samson Co Ltd 扉自動開閉式加熱殺菌装置
US10457930B2 (en) 2010-06-30 2019-10-29 Microwave Chemical Co., Ltd. Oil-based material-producing method and oil-based material-producing apparatus
JP5901519B2 (ja) * 2010-06-30 2016-04-13 マイクロ波化学株式会社 油状物質の製造方法、及び油状物質の製造装置
US11224852B2 (en) 2011-06-29 2022-01-18 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction apparatus and chemical reaction method
US10464040B2 (en) 2011-11-11 2019-11-05 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction method
US9573112B2 (en) 2011-11-11 2017-02-21 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction apparatus
US9370762B2 (en) 2011-11-11 2016-06-21 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction apparatus
US11229895B2 (en) 2011-11-11 2022-01-25 Microwave Chemical Co., Ltd. Chemical reaction method using chemical reaction apparatus
JP2013208058A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Kiyotsune Shino 連続加熱方法および前記方法を用いた密封食品の製造装置
JP2017532029A (ja) * 2014-09-17 2017-11-02 クラフト・フーズ・グループ・ブランズ・エルエルシー マイクロ波レトルトシステム、マイクロ波レトルトシステムを用いて食品を加熱する方法、及びマイクロ波レトルト用に調合した食品
CN109691624A (zh) * 2017-10-24 2019-04-30 株式会社沙迪克 食品高温加热装置
JP2019076367A (ja) * 2017-10-24 2019-05-23 株式会社ソディック 食品高温加熱装置
US11206855B2 (en) 2017-10-24 2021-12-28 Sodick Co., Ltd. High temperature food heating device
JP2021053297A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 株式会社ソディック 水頭圧式食品加熱装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1139604A (en) Blanching, pasteurising and sterilising process and apparatus suitable therefor
AU2003227294B2 (en) Web packaging pasteurization system
US3511169A (en) Pressure cooking apparatus
KR890003699B1 (ko) 압력제어방법
JPH09285282A (ja) マイクロ波殺菌装置
US7846486B2 (en) Pasteurization or sterilization method and device for carrying out same
US3481688A (en) Method and apparatus for autoclaving product-containing flexible pouch constructions or the like
KR100242633B1 (ko) 마이크로파 살균장치
US20220095652A1 (en) Pasteurization of convenience meals in hermetically sealed containers
WO2008119991A1 (en) Retorting apparatus and method
US3311287A (en) Flexible container for microwave sterilization of foodstuffs therein
US5500238A (en) Method and devices for processing fresh foodstuffs
US3835762A (en) Device for the sterilization of food products in flexible packages
US5353695A (en) Self-expanding gasket
JP2875198B2 (ja) 高周波加熱殺菌装置および方法
JP5884982B2 (ja) 連続加熱方法
EP0885569B1 (en) An apparatus for heating prepackaged food
JP2000327048A (ja) 密封包装物品の加熱方法、密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置
JP2001009009A (ja) マイクロ波殺菌方法
JP3414010B2 (ja) パック食品の加熱調理方法及びその装置
JP2772198B2 (ja) 含気密封包装体の殺菌方法
JP4499855B2 (ja) マイクロ波加熱殺菌方法および装置
JP2003137211A (ja) 食品充填包装袋の製造方法及びその装置
US3704139A (en) Cooking and freezing products in flexible containers
SU1671229A1 (ru) Способ холодильной обработки штучных пищевых продуктов