JP2000327048A - 密封包装物品の加熱方法、密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置 - Google Patents

密封包装物品の加熱方法、密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置

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JP2000327048A
JP2000327048A JP11139800A JP13980099A JP2000327048A JP 2000327048 A JP2000327048 A JP 2000327048A JP 11139800 A JP11139800 A JP 11139800A JP 13980099 A JP13980099 A JP 13980099A JP 2000327048 A JP2000327048 A JP 2000327048A
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Hikari Kobayashi
光 小林
Hideaki Miotani
秀明 三尾谷
Hideki Furukawa
秀樹 古川
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装容器に封入された密封包装物品のマイク
ロ波照射による加熱方法であって、常圧雰囲気におい
て、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装
物品を所定温度に加熱することができる密封包装物品の
加熱方法を提供する。また、該方法の実施に用いる密封
包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置を提供す
る。 【解決手段】 包装容器内に封入された密封包装物品1
00を収容ケース71に収容し、常圧雰囲気中で収容ケ
ース71外側から密封包装物品100にマイクロ波を照
射して密封包装物品100を所定温度に加熱する。その
とき収容ケース71として、少なくとも一部、例えばケ
ース底壁の一部711A、711Bがマイクロ波透過性
材料で形成され、収容する密封包装物品全体を略隙間無
く抱き込む形状の収容空間部を有している収容ケース7
1を用いる。マイクロ波は該底壁部分711A、711
Bから導波管MP1、MP2にて照射できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装容器に封入され
た密封包装物品の加熱方法、該加熱方法の実施に用いる
密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】今日、多くの食品、医薬品等の物品が包
装容器に封入され、密封包装物品の形態で流通してい
る。このような密封包装物品のうち、例えば密封包装食
品については、密封包装された状態で加熱調理してから
出荷するものがあり、また、密封包装食品が製造元にお
いて製造され、保管され、流通し、食べられるまでの間
に、混入していることがある菌により腐敗、変質、変
色、味変わり等してはいけないから、密封包装食品の状
態で加熱殺菌してから出荷することもある。
【0003】密封包装医薬品についても、人体に悪影響
のある雑菌、ウイルス等を死滅させる等の目的で加熱殺
菌処理することがある。このような密封包装物品の加熱
処理は様々の方法でなされてきた。古くから知られてい
る加熱処理として、密封包装物品を所定温度の高圧水蒸
気や熱水に所定時間さらす方法がある。
【0004】しかしこの加熱処理は、物品の外側から内
側へ加熱が進むものであり、物品中心部まで所定温度に
加熱するのに時間を要し、その間に物品外周部分が過加
熱され、そのために変質するなどの不都合が生じる。そ
こで、短時間で物品を全体的に所定温度まで加熱する方
法としてマイクロ波照射による加熱が研究され、実用化
されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロ波照射により密封包装物品を加熱した場合、包装容器
内の圧力が上昇し、包装容器が破損する恐れがある。ま
た、所定の温度(例えば殺菌処理に必要な120℃から
140℃程度)への加熱にあたっては該密封包装物品に
おける包装容器内圧をその所定の温度まで昇温させるた
めの高圧に維持しなければならない(例えば物品の殺菌
温度に対する飽和蒸気圧以上に維持しなければならな
い)。
【0006】そのため、密封包装物品を圧縮空気等の高
圧雰囲気に配置してマイクロ波を照射しなければならな
い。その場合、加熱処理の初期において未だ密封包装物
品が十分加熱されていない段階においては外部からの圧
力で密封包装物品が変形したり、破損するようなことが
なく、しかも所定温度への加熱時には、包装容器内圧で
膨張破損するようなことがないように、適度の高圧雰囲
気に配置してマイクロ波を照射しなければならない。
【0007】従って、その高圧雰囲気を得るための大が
かりな手段が必要となり、加熱処理がそれだけ高価につ
いてしまう。また、密封包装物品を圧縮空気等の高圧雰
囲気に配置してマイクロ波を照射するにしても、例えば
密封包装食品を加熱調理や殺菌等のために加熱処理する
場合において、包装容器が複数室に分けられ、各室に異
なる食品が封入されており、各食品ごとに所定の加熱温
度が異なり、従って所定の加熱温度に到達したとき各室
ごとに内圧が異なってくるような場合には、全ての室に
対し適切である高圧外部雰囲気を設定できず、その結
果、いずれかの室について不都合が生じることになる。
【0008】例えば図8に示すように、密封包装物品が
密封包装食品9であり、その包装容器本体91に2室9
11、912が形成され、一方の室911に米と水が封
入されて米飯部91aとされ、他方の室912に例えば
液体主体のカレーが封入されて液体部91bとされ、両
室とも容器本体91にヒートシールされたフィルムから
なる蓋体92で密閉されており、かかる密封包装食品9
が図9に示すマイクロ波加熱装置10で加熱処理される
とする。
【0009】図9のマイクロ波加熱装置10は、マイク
ロ波発生装置としてマグネトロン101a、101bを
設けたマイクロ波照射室101、恒温室102、冷却室
103を順次連設し、マイクロ波照射室101には密封
包装物品搬入用の圧力補正室104を、冷却室103に
は密封包装物品搬出用の圧力補正室105を連設したも
のである。
【0010】マイクロ波照射室101、恒温室102及
び冷却室103は連通しており、図示を省略した圧縮空
気供給手段から高圧空気が供給され、所定の高圧雰囲気
に維持される。トレイ10Tに配置された密封包装食品
9は当初マイクロ波照射室101に対し図示省略のゲー
ト弁で気密に閉じられた圧力補正室104に入れられ
る。その後、該室の外部に位置する圧力調整弁が開き、
圧力補正室104とマイクロ波照射室101の圧力が等
しくなるように補正室内圧力が調整される。次いで密封
包装食品9がマイクロ波照射室101に搬入される。こ
のようにして、密封包装食品9を搭載したトレイが次々
とマイクロ波照射室101に搬入される。
【0011】マイクロ波照射室101に搬入された密封
包装食品9は図示省略のコンベアにて恒温室102へ向
け搬送され、その途中、米飯部91aにマグネトロン1
01aからマイクロ波が照射されるとともに、液体部9
1bにマグネトロン101bからマイクロ波が照射され
る。かくして恒温室102に到達したときには米飯部、
液体部がそれぞれ所定の温度まで加熱されている。この
ように所定温度に加熱された密封包装食品9は図示省略
のコンベアにて恒温室102を所定時間かけて通過し、
その間、所定温度域に保持される。恒温室102には図
示省略の加熱装置が設置されている。
【0012】恒温室102を出た密封包装食品9は冷却
室103に入り、図示省略のコンベアにて圧力補正室1
05へ搬送され、その間に図示省略の冷却装置にて所定
温度まで冷却される。かくして冷却された密封包装食品
9は、外部に対するゲート弁(図示省略)が気密に閉じ
られている圧力補正室105へ搬入され、しかるのち冷
却室103に対するゲート弁(図示省略)が閉じられる
一方、外部に対するゲート弁が開かれ、外部に取り出さ
れる。
【0013】かかる密封包装食品9の加熱処理におい
て、米飯部91aはpHの調整等により、液体部91b
と比較して最高到達温度が低く、100℃程度であるの
に対し、液体部91bは耐熱性芽胞菌が多く存在するも
のがあるため、121℃で4分以上加熱する。このよう
に加熱到達温度に差があるため、米飯部91aでは内圧
が約1kg/cm2 に達するだけであるが、液体部91
bでは内圧が約2kg/cm2 に達する。そこで内圧が
大きくかかる液体部91bが破裂しないように、マイク
ロ波照射室内等の気圧を設定する。
【0014】その結果、図8(A)に破線で示すよう
に、米飯部91aにおいて例えば蓋体部92aは過剰に
押しつけられ、そのため米飯部91aは押し固められた
ような仕上がりとなってしまい、商品価値が低下する。
また、冷却室103における冷却工程では、図8(B)
に破線で示すように、米飯部91a、液体部91bが共
に内圧の低下にともない外圧で押しつけられ、容器本体
91や蓋体92(蓋体部92a、92b)が変形する。
【0015】従って、かかる加熱処理方法では密封包装
物品における包装容器を頑丈に、また形状を工夫するな
どしなければならなず、それだけ高価につく。そこで本
発明は、包装容器に封入された密封包装物品のマイクロ
波照射による加熱方法であって、常圧雰囲気において、
包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品
を所定温度に加熱することができる密封包装物品の加熱
方法を提供することを課題とする。
【0016】また本発明は、包装容器に封入された密封
包装物品のマイクロ波照射による加熱方法であって、該
包装容器が複数の物品収容室を有し、該複数の室内に封
入された物品を少なくとも二つのグループに分けてそれ
ぞれ要求される条件で所定温度に加熱する場合において
も、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、
簡単、安価に該密封包装物品を所定温度に加熱すること
ができる密封包装物品の加熱方法を提供することを課題
とする。
【0017】さらに本発明は、包装容器に封入された密
封包装物品のマイクロ波照射による加熱に用いる密封包
装物品の収容ケースであって、該収容ケースに密封包装
物品を収容してマイクロ波照射することで、常圧雰囲気
において、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に該
密封包装物品を所定温度に加熱することができる密封包
装物品収容ケースを提供することを課題とする。
【0018】また本発明は、包装容器に封入された密封
包装物品のマイクロ波照射による加熱に用いる密封包装
物品の収容ケースであって、該包装容器が複数の物品収
容室を有し、該複数の室内に封入された物品を少なくと
も二つのグループに分けてそれぞれ要求される条件で所
定温度に加熱する場合においても、常圧雰囲気におい
て、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に該密封包
装物品を所定温度に加熱することができる密封包装物品
収容ケースを提供することを課題とする。
【0019】さらに本発明は、包装容器に封入された密
封包装物品をマイクロ波照射により加熱する密封包装物
品の加熱装置であって、常圧雰囲気において、包装容器
の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品を所定温
度に加熱することができる密封包装物品加熱装置を提供
することを課題とする。また本発明は、包装容器に封入
された密封包装物品をマイクロ波照射により加熱する密
封包装物品の加熱装置であって、該包装容器が複数の物
品収容室を有し、該複数の室内に封入された物品を少な
くとも二つのグループに分けてそれぞれ要求される条件
で所定温度に加熱する場合においても、常圧雰囲気にお
いて、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に該密封
包装物品を所定温度に加熱することができる密封包装物
品加熱装置を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、次の密封包装物品の加熱方法、密封包装物品
収容ケース及び密封包装物品加熱装置を提供する。 (1)密封包装物品の加熱方法 包装容器内に封入された密封包装物品を加熱する方法で
あって、該密封包装物品を収容ケースに収容し、常圧雰
囲気中で該収容ケース外側から該密封包装物品にマイク
ロ波を照射して該密封包装物品を所定温度に加熱する工
程を含み、前記収容ケースとして、少なくとも一部がマ
イクロ波透過性材料で形成され、収容する密封包装物品
全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有してい
る収容ケースを用いることを特徴とする密封包装物品の
加熱方法。
【0021】ここで「常圧雰囲気」とは、大気圧雰囲気
や、意図的に昇圧、減圧されておらず大気圧と略同程度
とみて差し支えない圧力雰囲気を指している。密封包装
物品における包装容器は少なくとも一部が、好ましくは
全体がマイクロ波透過性を有し、全体が物品の要求され
る加熱温度に耐え得る耐熱性を有する容器としておく。
【0022】かかるマイクロ波透過性を有するとともに
耐熱性を有する材料として、ポリオレフィン樹脂、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のほか、ポリスチレ
ン、ポリエステル類〔PBT(ポリブチレンテレフタレ
ート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等も含
む)、ポリアミド、塩化ビニリデン、エチレンビニルア
ルコール共重合体ケンカ物等の重合体の単体或いは積層
体を例示できる。
【0023】また、これら樹脂は酸素透過遮断性に優れ
ており、従ってこれらの樹脂からなる包装容器は密封性
が高い。なお、かかるマイクロ波透過性を有するととも
に耐熱性を有する材料は、本発明の実施にあたり、マイ
クロ波透過が要求される各部の材料として採用できる。
密封包装物品における包装容器の形状としては、フィル
ムで袋状に形成されていて若干の変形が可能であるも
の、合成樹脂材料を成形して得た容器本体の開口部をフ
イルム、薄板等からなる蓋体で閉じるもの等のいずれで
あってもよい。レトルトパウチ、ハム、ソーセージ等の
食品を収容できる深絞り容器等、様々の形態のものが対
象となる。
【0024】また、包装容器に複数の物品収容室があ
り、それら物品収容室に同じ物品又は異なる物品をそれ
ぞれ収容できるものでもよい。密封包装物品が包装容器
として複数の物品収容室を有するものが採用されて各物
品収容室に物品が封入されている密封包装物品であると
き、前記収容ケースは、該密封包装物品の物品収容室と
そこに封入された物品とからなる複数の物品収容部のそ
れぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を
有するものを採用すればよい。その場合、該各収容空間
部を囲む壁体の少なくとも一部をマイクロ波透過性材料
で形成することができる。
【0025】物品収容ケースにおけるマイクロ波透過性
の部分は、誘電体材料、例えばマイクロ波透過性のガラ
スその他のセラミックや合成樹脂(例えばポリテトラフ
ルオロエチレン)で形成できる。いずれにしても、収容
ケース各部は、マイクロ波照射により密封包装物品を所
定温度まで加熱するときの、該所定温度に耐え得る耐熱
性を有するものとし、さらにマイクロ波照射による密封
包装物品加熱により高まる包装容器内の圧力によっては
該包装容器が破損しないように該密封包装物品を抱き込
んでおける耐圧性を持たせる。
【0026】本発明に係る密封包装物品の加熱方法によ
ると、包装容器内に封入された密封包装物品は収容ケー
スに収容され、その状態で収容ケース外側から該ケース
のマイクロ波透過部分を介して、例えば300MHz〜
3GHz程度、より好ましくは900MHz〜3GHz
程度のマイクロ波が照射され、所定温度まで加熱され
る。
【0027】かかる所定温度は密封包装物品の種類によ
り、また加熱の目的により異なるが食品や医薬品では概
ね70℃以上である。このマイクロ波による密封包装物
品の加熱においては、密封包装物品はその全体が、収容
ケース内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれており、
加熱により密封包装物品における包装容器内圧が上昇し
ても該包装容器がその内圧で大きく膨張して破損すると
いった恐れはないことに加え、所定温度に加熱するため
に要求される包装容器内圧力が維持される。しかもこれ
らは常圧雰囲気中でのマイクロ波照射によりなし得るの
で、マイクロ波照射領域を従来のように所定の高圧雰囲
気に維持する必要はなく、そのための高価な装置も不要
である。
【0028】また、このように密封包装物品における包
装容器が破損する恐れがないので、包装容器を格別頑丈
な高価なものにする必要がなく、容器の壁厚さ、形状、
大きさ等の点で、包装対象物品に応じた適切な包装容器
を採用できる。かくして包装容器の破損の恐れなく、簡
単、安価に密封包装物品を所定温度に加熱することがで
きる。
【0029】また、前記のように、密封包装物品が包装
容器として複数の物品収容室を有するものが採用されて
各物品収容室に物品が封入されている密封包装物品であ
るときにおいて、収容ケースとして、該密封包装物品の
物品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物
品収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の
収容空間部を有するものを採用するときには、該密封包
装物品の複数の物品収容部を少なくとも二つのグループ
に分けてそれぞれのグループについて所定の条件でマイ
クロ波照射により加熱してもよい。
【0030】この場合、各グループについて、それぞれ
異なる或いは同程度の所定温度等に、要求される条件で
加熱することができる。またこの場合、マイクロ波導波
管を各グループごとの物品に対し設置する等して、かか
る密封包装物品を収容した収容ケース外側から、各グル
ープごとの物品にそれぞれマイクロ波を照射することが
できる。
【0031】しかもそのとき、密封包装物品はその全体
が、収容ケース内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれ
ており、従って各室が収容ケース内の各室の収容空間部
に略隙間無く抱き込まれており、加熱により包装容器の
各室の内圧がそれぞれ異なる値に上昇しても該包装容器
はいずれの室についても内圧で破損するといった恐れは
ないことに加え、所定温度に加熱するために要求される
各包装容器室内圧力が維持される。しかもこれらは常圧
雰囲気中でのマイクロ波照射によりなし得るので、マイ
クロ波照射領域を従来のように所定の高圧雰囲気に維持
する必要はなく、そのための高価な装置も不要である。
【0032】かくして包装容器の破損の恐れなく、簡
単、安価に密封包装物品を所定温度に加熱することがで
きる。前記マイクロ波照射により前記密封包装物品にお
ける物品を所定温度に加熱する工程における該所定温度
は例えば殺菌温度である。この場合、該物品を加熱殺菌
することができる。
【0033】かかる物品として、食品又は医薬品を例示
できる。また、前記密封包装物品における物品が食品で
ある場合、前記マイクロ波照射により該食品を所定温度
に加熱する工程における該所定温度は該食品を所定状態
に調理する調理温度でもよい。この場合該食品を加熱調
理できる。本発明に係る密封包装物品の加熱方法では、
収容ケースに収容された密封包装物品にマイクロ波を照
射して加熱するにあたり、該密封包装物品をこれを収容
している収容ケースごと外部から補助的に加熱してもよ
い。
【0034】この補助的加熱により、マイクロ波照射に
て加熱される密封包装物品の熱が収容ケースを介して外
部へ逃げることを抑制できる。換言すれば、かかる補助
的加熱により、密封包装物品の熱が収容ケースを介して
外部へ逃げない、又は逃げ難いように外部から熱保持の
ためのエネルギーを供給できる。かかる補助的加熱の加
熱温度はマイクロ波照射により到達しようとする密封包
装物品の所定温度又はそれより若干高い温度でも低い温
度でもよい。
【0035】かかる補助的加熱は、例えば、マイクロ波
照射領域に所定温度の高温の空気や水蒸気を供給するこ
と等により行える。また、本発明に係る密封包装物品の
加熱方法は、前記密封包装物品を前記マイクロ波照射に
より前記所定温度まで加熱する工程に引き続く、該密封
包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度
域で所定時間保持する恒温工程を含んでいてもよい。
【0036】例えば、密封包装物品内部を含め物品全体
の温度を均一化するために、また、密封包装物品の殺菌
のために、密封包装物品を所定温度域で所定時間(例え
ば121℃で4分間)保持することが要求される場合に
は、このようにマイクロ波照射による密封包装物品の加
熱後、密封包装物品を収容ケースごと所定温度域で所定
時間保持する恒温工程を含めればよい。
【0037】また、マイクロ波照射による密封包装物品
の加熱後、該密封包装物品をそれを収容している収容ケ
ースごと所定温度域で所定時間保持したあとに、必要に
応じ該密封包装物品を収容ケースごと冷却する冷却工程
を含めてもよい。収容ケースから密封包装物品を取り出
すときに、密封包装物品温度が高く、包装容器が内圧で
破損する恐れがあるようなときには、このような冷却工
程を付加すればよい。
【0038】冷却工程では、それには限定さないが、例
えば密封包装物品を収容ケースごと水、温水、水の噴
霧、空気等により冷却すればよい。また、恒温工程や冷
却工程を採用する場合、物品の均一加熱及び(又は)均
一冷却、食品の場合のむらし処理等のために、該恒温工
程及び冷却工程のうち少なくとも一方の工程において前
記密封包装物品をそれを収容している収容ケースごと反
転させてもよい。 (2)密封包装物品の収容ケース 包装容器内に封入された密封包装物品をマイクロ波照射
により加熱するために用いる密封包装物品収容ケースで
あって、少なくとも一部がマイクロ波透過性材料で形成
され、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む
形状の収容空間部を有していることを特徴とする密封包
装物品収容ケース。
【0039】この収容ケースは、密封包装物品の加熱方
法で説明したのと同様に、耐熱性を有するものとし、さ
らに耐圧性を持たせる。包装容器として複数の物品収容
室を有するものが採用され、各物品収容室に物品が封入
されている密封包装物品を加熱するときには、密封包装
物品収容ケースは、該複数の物品収容部のそれぞれを略
隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各
収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部がマイクロ波透
過性材料で形成されているものとすることができる。
【0040】いずれにしても物品収容ケースにおけるマ
イクロ波透過性の部分は、誘電体材料、例えばマイクロ
波透過性のガラスその他のセラミックや合成樹脂(例え
ばポリテトラフルオロエチレン)で形成できる。密封包
装物品収容ケースの一部をマイクロ波透過性材料で形成
する場合、該マイクロ波透過性材料で形成されている部
分以外の全部又は一部(大部分の場合も含む)が、熱拡
散率の大きい材料で形成されていてもよい。
【0041】熱拡散率は熱の伝わり易さを示す指標であ
り、熱拡散率の大きい材料を用いると、密封包装物品の
マイクロ波加熱に際し、収容ケース全体を速やかに昇温
させることができ、それにより密封包装物品の局部的な
加熱を防止できる。また、マイクロ波加熱に際し、外部
からも密封包装物品を収容ケースごと補助的に加熱する
とき、外部からの熱が収容ケース全体へ速やかに伝達さ
れる。さらに、密封包装物品を加熱処理後、収容ケース
ごと冷却するときにも、その冷却が速やかに行われる。
【0042】熱拡散率の大きい材料として、それには限
定されないが、熱拡散率が1.7×10-42 /sec 〜
3.3×10-62 /sec 程度のものを挙げることがで
きる。そのような材料として、熱拡散率がもともと大き
い金属を挙げることができる。例えば、銅(略1.0×
10-42 /sec )、アルミニウム(略8.36×10
-52 /sec )、黄銅(真鍮)(略2.78×10-5
2 /sec )、ニッケル(略2.08×10-52 /sec
)、鉄(略1.25×10-52 /sec )の他、チタ
ンやステンレススチール等、さらにはこれらの合金を挙
げることができる。
【0043】本発明に係る密封包装物品の収容ケースに
よると、密封包装物品が該収容ケースに収容され、その
状態で収容ケース外側から該ケースのマイクロ波透過部
分を介してマイクロ波が照射され、所定温度まで加熱さ
れる。このとき、密封包装物品はその全体が、収容ケー
ス内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれており、加熱
により密封包装物品における包装容器内圧が上昇しても
該包装容器がその内圧で大きく膨張して破損するといっ
た恐れはないことに加え、所定温度に加熱するために要
求される包装容器内圧力が維持される。しかもこれらは
常圧雰囲気中でのマイクロ波照射によりなし得るので、
マイクロ波照射領域を従来のように所定の高圧雰囲気に
維持する必要はなく、そのための高価な装置も不要であ
る。
【0044】また、包装容器を格別頑丈な高価なものに
する必要がなく、容器壁の厚さ、形状、大きさ等の点
で、包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用でき
る。かくして包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に
密封包装物品を所定温度に加熱することができる。ま
た、前記のように、密封包装物品が包装容器として複数
の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に
物品が封入されている密封包装物品であるときにおい
て、収容ケースが、該密封包装物品の物品収容室とそこ
に封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞ
れを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有す
るものであるときには、該密封包装物品の複数の物品収
容部を少なくとも二つのグループに分けてそれぞれのグ
ループについて所定の条件でマイクロ波照射により加熱
することができる。
【0045】この場合、各グループについて、それぞれ
異なる或いは同程度の所定温度等に、要求される条件で
加熱することができる。またこの場合、マイクロ波導波
管を各グループごとの物品に対し設置する等して、かか
る密封包装物品を収容した収容ケース外側から、各グル
ープごとの物品にそれぞれマイクロ波を照射することが
できる。
【0046】しかもそのとき、密封包装物品はその全体
が、収容ケース内の収容空間に略隙間無く抱き込まれて
おり、従って各室が収容ケース内の各室の収容空間部に
略隙間無く抱き込まれており、加熱により包装容器の各
室の内圧がそれぞれ異なる値に上昇しても該包装容器は
いずれの室についても内圧で破損するといった恐れはな
いことに加え、所定温度に加熱するために要求される各
包装容器室内圧力が維持される。しかもこれらは常圧雰
囲気中でのマイクロ波照射によりなし得るので、マイク
ロ波照射領域を従来のように所定の高圧雰囲気に維持す
る必要はなく、そのための高価な装置も不要である。
【0047】かくして包装容器の破損の恐れなく、簡
単、安価に密封包装物品を所定温度に加熱することがで
きる。本発明に係る密封包装物品収容ケースは、構造面
では、さらに、密封包装物品を出し入れする開口部を有
するケース本体と、該開口部を閉じる蓋体とを備えてお
り、前記蓋体は蓋体固定装置によりケース本体に取り外
し可能に固定でき、収容する密封包装物品を略隙間無く
抱き込む前記収容空間部が該蓋体とそれにより閉じられ
るケース本体とで形成されるものを例示できる。
【0048】かかる蓋体固定装置は、マイクロ波照射の
ための密封包装物品収容ケースの搬送やマイクロ波照射
等に悪影響を与えないものであれば様々のタイプのもの
を採用できるが、例えば、ケース本体の底面とケース本
体を閉じた蓋体の上面とに係合して蓋体をケース本体に
固定できる1又は2以上のコの字形状のクリップ部材か
らなるものを挙げることができる。
【0049】また、バネを介して前記蓋体が連結された
第1の部材と、該第1の部材に回動可能に連結された第
2の部材であってケース本体の所定部位に係合できる係
合部を有する第2部材とを備え、該蓋体をケース本体開
口部を閉じるように該ケース本体に設置した状態で該第
2部材の係合部をケース本体の所定部位に係合すること
で、前記蓋体を前記バネの復元力を利用して前記第1部
材でケース本体に押圧固定できるものも例示できる。
【0050】なお、密封包装物品収容ケースは、密封包
装物品を一つだけ収容できるものでも、複数個収容でき
るものでもよい。いずれにしても、密封包装物品を出し
入れする開口部を有するケース本体と、該開口部を閉じ
る蓋体とを備える収容ケースであって、密封包装物品に
おける包装容器が容器本体の開口部周囲のフランジにフ
イルム、薄板等からなる容器蓋体の周縁部をヒートシー
ルその他の手段で固定して閉じたものであるようなとき
には、該収容ケースは、そのケース本体と蓋体とで包装
容器のフランジ部を挟着できるものであることが好まし
い。 (3)密封包装物品の加熱装置 包装容器内に封入された密封包装物品を加熱する装置で
あり、密封包装物品の収容ケースであって少なくとも一
部がマイクロ波透過性材料で形成され、収容する密封包
装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有
している収容ケースの複数個を所定の経路に沿って順次
移動させる収容ケース搬送手段を有するとともに、該収
容ケース搬送経路に沿って配置され、前記収容ケースに
収容された密封包装物品を該収容ケースの外側から常圧
雰囲気中でマイクロ波照射して所定温度まで加熱するマ
イクロ波照射ステージを備えていることを特徴とする密
封包装物品加熱装置。
【0051】本発明に係る密封包装物品の加熱装置によ
ると、既述の本発明に係る密封包装物品の収容ケースを
用いて、既述の本発明に係る密封包装物品の加熱方法を
実施でき、それにより、常圧雰囲気において、包装容器
の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品を所定温
度に加熱することができる。前記収容ケースは、包装容
器として複数の物品収容室を有するものが採用されて各
物品収容室に物品が封入されている密封包装物品の該物
品収容室とそこに封入された物品とからなる複数の物品
収容部のそれぞれを略隙間無く抱き込む形状の複数の収
容空間部を有し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくと
も一部がマイクロ波透過性材料で形成されている収容ケ
ースであってもよい。また前記マイクロ波照射ステージ
は、かかる収容ケースに収容される密封包装物品の各物
品収容部にそれぞれ所定の条件でマイクロ波を照射でき
るものでもよい。
【0052】このような収容ケース及びマイクロ波照射
ステージを採用するときは、複数の物品収容室内に封入
された物品を少なくとも二つのグループに分けてそれぞ
れ異なる或いは同程度の所定温度等に、要求される条件
で加熱することができる。そしてその場合においても、
常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡
単、安価に該密封包装物品を所定温度に加熱することが
できる。
【0053】前記収容ケースに収容された密封包装物品
にマイクロ波を照射して加熱するにあたり、該密封包装
物品をこれを収容している収容ケースごと外部から補助
的に加熱するための補助的加熱手段を設けてもよい。ま
た、必要に応じ、前記密封包装物品を前記マイクロ波照
射により前記所定温度まで加熱したのち、該密封包装物
品をそれを収容している収容ケースごと所定温度域で所
定時間保持する恒温室を備えていてもよい。
【0054】前記恒温室を出た密封包装物品をそれを収
容している収容ケースごと冷却する冷却室を備えていて
もよい。かかる補助的加熱手段、恒温室、冷却室を設け
るときは、本発明に係る密封包装物品の加熱方法におい
て説明した補助的加熱を行う場合、マイクロ波加熱後に
密封包装物品を所定温度域で所定時間保持する場合、そ
の後冷却する場合とそれぞれ同様の利点が得られる。
【0055】また、恒温室や冷却室を採用する場合、物
品の均一加熱及び(又は)均一冷却、食品の場合のむら
し処理等のために、該恒温室及び冷却室のうち少なくと
も一方に前記密封包装物品をそれを収容している収容ケ
ースごと反転させるケース反転装置を設けてもよい。い
ずれにしても、密封包装物品収容ケースとして密封包装
物品を出し入れする開口部を有するケース本体と、該開
口部を閉じる蓋体とを備えたものを用い、該蓋体を蓋体
固定装置によりケース本体に取り外し可能に固定できる
ようにし、収容する密封包装物品全体を略隙間無く抱き
込む密封包装物品収容空間部が該蓋体とそれにより閉じ
られるケース本体とで形成されるようにし、前記収容ケ
ース搬送経路に臨む位置に収容ケースに密封包装物品を
搬入収容する搬入ステージと、収容ケースに収容された
密封包装物品を該収容ケースから取り出す搬出ステージ
とを設けるとともに、該搬入、搬出ステージに前記蓋体
固定装置の自動操作装置を設けてもよい。 搬入ステー
ジは搬出ステージを兼ねるステージでもよい。搬入ステ
ージが搬出ステージを兼ねるときは、かかる自動操作装
置をそのステージに設けるとよい。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1はマイクロ波加熱に供される
密封包装物品の幾つかの例を示している。図1(A)は
1例の平面図であり、図1(B)はその側面図である。
図1(C)は他の例の平面図であり、図1(D)はその
側面図である。図1(E)はさらに他の例の平面図であ
る。図1(F)はさらに他の例の側面図である。
【0057】図1(A)及び図1(B)に示す密封包装
物品Aは、包装容器81に2種類の食品81a、81b
を気密に封入した密封包装食品である。包装容器81は
本体811と蓋体812とからなっている。容器本体8
11は合成樹脂材料を成形して一体的に形成したもの
で、二つの物品収容室811a、811bを有し、該両
室の間に容器本体壁が仕切り壁状に立ち上がっている。
食品81aは室811aに、食品81bは室811bに
収容されている。蓋体812は合成樹脂フィルムからな
り、容器本体811の開口部(各室の開口部)を覆うよ
うに被せられ、容器本体811の開口部周囲のフランジ
部810及び両室間の立ち上がり壁上面にそれぞれ気密
にヒートシール接着されている。
【0058】図1(C)及び図1(D)に示す密封包装
物品Bは、包装容器82に医薬品82aを気密に封入し
た密封包装医薬品である。包装容器82は本体821と
蓋体822とからなっている。容器本体821は合成樹
脂材料を成形して一体的に形成したもので、一つの物品
収容室821aを有している。医薬品82aは室821
aに収容されている。蓋体822は合成樹脂フィルムか
らなり、容器本体821の開口部を覆うように被せら
れ、容器本体821の開口部周囲のフランジ部820に
気密にヒートシール接着されている。
【0059】図1(E)に示す密封包装物品Cは、包装
容器83に3種類の食品83a、83b、83cを気密
に封入した密封包装食品である。包装容器83は本体8
31と蓋体832とからなっている。容器本体831は
合成樹脂材料を成形して一体的に形成したもので、三つ
の物品収容室831a、831b、831cを有し、そ
れら室の間に容器本体壁が仕切り壁状に立ち上がってい
る。食品83aは室831aに、食品83bは室831
bに、食品83cは室831cにそれぞれ収容されてい
る。蓋体832は合成樹脂フィルムからなり、容器本体
831の開口部(各室の開口部)を覆うように被せら
れ、容器本体831の開口部周囲のフランジ部830及
び室間の立ち上がり壁上面にそれぞれ気密にヒートシー
ル接着されている。
【0060】図1(F)に示す密封包装物品Dは、柔軟
な袋(パウチ)形態の包装容器84に食品(又は医薬
品)84aを密封収容したものである。各容器81、8
2、83、84は気密性良好に形成され、容器本体及び
蓋体(袋状容器についてはその容器)は、マイクロ波透
過性を有するとともにマイクロ波照射による収容物品の
加熱温度に耐え得る耐熱性を有する合成樹脂材料、ここ
では例えばポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等)、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニリ
デン等の重合体であって、収容物品にとって不都合のな
い合成樹脂材料から形成される。
【0061】なお、マイクロ波照射による加熱対象とな
る密封包装物品の態様は図1に示すものに限定されるも
のではない。図2は本発明に係る、密封包装物品のマイ
クロ波加熱に用いる収容ケースの1例を示している。本
発明に係る密封包装物品のマイクロ波加熱に用いる収容
ケースは、図1に例示された密封包装物品A、B、C、
Dを含め密封包装物品の形態等に応じて、適切な形態、
構造等に形成することができる。
【0062】ここでの密封包装物品収容ケース71は、
図2(A)に示すように、密封包装物品100を出し入
れする開口部711aを有するケース本体711と、開
口部711aを閉じる蓋体712とを備えている。蓋体
712は蓋体固定装置713によりケース本体711に
取り外し可能に固定することができる。図2は密封包装
物品100として図1(A)に示す密封包装物品Aのタ
イプのものを収容する例を示している。
【0063】ケース本体711は密封包装物品100の
二つの物品収容部100a、100bをそれぞれ収容で
きる空間部を有しており、ケース本体711に蓋体71
2を被せてケース本体開口部711aを閉じたときに内
部に形成される密封包装物品収容空間部は、密封包装物
品100の全体を、その仕切り壁状の立ち上がり部分1
00cも含めて略隙間無く抱き込める形状となってい
る。
【0064】従って、密封包装物品100を収容ケース
本体711に入れ、蓋体712で閉じることで、該密封
包装物品全体を包装容器の仕切り壁状に立ち上がる部分
を含め、殆ど隙間無く抱き込むことができる。また、密
封包装物品100のフランジ部100fはケース本体7
11と蓋体712との間に挟着される。なお、図2に示
す例では、蓋体712の周縁部下面に気密シール用リン
グ状部材(ここではオーリング)712aが嵌められて
おり、これも密封包装物品のフランジ部100fの外側
で蓋体712とケース本体711との間に挟着される。
かかる気密シール用リング状部材はケース本体側に設け
てもよい。
【0065】このような気密シール用リング状部材は、
図2に示す場合のように、密封包装物品のフランジ部1
00fを蓋体と収容ケース本体との間に挟着するときに
は、それにより密封包装物品収容空間を気密にできるの
で、必ずしも要しないが、密封包装物品にそのようなフ
ランジ部がない等により、そのように密封包装物品フラ
ンジ部を挟着できないときには、設けておくことが好ま
しい。
【0066】密封包装物品収容ケース71は、その全体
をマイクロ波透過性材料で形成してもよいが、ここでは
収容ケース本体711の底壁のうち、密封包装物品10
0の物品収容部100aに対応する部分711A及び物
品収容部100bに対応する部分711Bのそれぞれを
マイクロ波透過性材料で形成し、収容ケース本体711
の他の部分及び蓋体712はマイクロ波透過性を有しな
い、しかし剛性の大きい材料で、且つ、熱拡散率の大き
い金属(銅、アルミニウム、真鍮等のいずれか)で形成
される。ここではアルミニウムで形成されている。
【0067】マイクロ波透過性を有する底壁部分711
A、711Bは、それには限定されないが、ここではマ
イクロ波透過性を有するガラス等のセラミック材料、或
いはマイクロ波透過性を有する合成樹脂、例えばポリテ
トラフルオロエチレンにより形成される。ここではポリ
テトラフルオロエチレンで形成されている。密封包装物
品収容ケース71、特に収容ケース本体711及び蓋体
712の各部には、マイクロ波照射により密封包装物品
100を所定温度まで加熱するときの、該所定温度に耐
え得る耐熱性を持たせてあり、さらにマイクロ波照射に
よる密封包装物品加熱により高まる包装容器内の圧力に
よっては該包装容器が破損しないように該密封包装物品
100を抱き込んでおける耐圧性を持たせてある。
【0068】蓋体固定装置は様々のタイプのものを採用
できるが、ここでの蓋体固定装置713は、一対のコの
字形状のクリップ部材713aからなっている。図2
(B)に示すように、各クリップ部材713aは収容ケ
ース本体711に密封包装物品100を入れ、蓋体71
2を閉じた状態で、該本体711の下面と蓋体712の
上面とに係合するように該本体及び蓋体の組み合わせ体
に側方から外嵌される。かくして、蓋体712は本体7
11に気密に固定される。
【0069】この状態で、図2(B)に鎖線で示すよう
に、収容ケース本体711の底壁部分711Aに向けて
マイクロ波導波管MP1を、底壁部分711Bに向けて
マイクロ波導波管MP2をそれぞれ配置し、例えば90
0MHz〜3GHz程度のマイクロ波を照射すること
で、収容ケース71内に収容された密封包装物品100
における物品収容部100a、100bをそれぞれ所定
温度にマイクロ波加熱できる。各導波管からのマイクロ
波出力を異ならせたり、マイクロ波照射時間を異ならせ
る等して、各物品収容部100a、100bを異なる温
度や異なる昇温状態等で加熱することも可能である。
【0070】なおマイクロ波導波管は、マイクロ波透過
性の部分に接触配置しても、それから離して配置しても
よい。このマイクロ波照射による密封包装物品100の
加熱においては、密封包装物品100はその全体が収容
ケース71内の収容空間部に略隙間無く抱き込まれてお
り、加熱により密封包装物品100の各物品収納部10
0a、100bにおいて内圧が同様に上昇しても、或い
はそれぞれ異なる値に上昇しても該密封包装物品100
の包装容器が内圧で破損するといった恐れはないことに
加え、所定温度に加熱するために要求される各物品収容
部内圧が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中での
マイクロ波照射によりなし得る。
【0071】また、密封包装物品100における包装容
器は破損する恐れがないので、密封包装物品100にお
ける包装容器を格別頑丈な高価なものにする必要がな
く、容器壁の厚さ、形状、大きさ等の点で、包装対象物
品に応じた適切な包装容器を採用できる。図3は図2に
示す物品収容ケース71に適用できる蓋体固定装置の他
の例を示している。
【0072】図3に示す蓋体固定装置714は第1部材
714aと一対の第2部材714bとを有している。第
1部材714aにはバネ714cを介して物品収容ケー
ス蓋体712が連結されている。第2部材714bはそ
の上端部が第1部材714aの図中左右の各端部に回動
可能にピン714dで連結されている。各第2部材71
4bの下端にはケース本体711の底面に係合できる係
合爪714b’が設けられている。
【0073】この蓋体固定装置714によると、収容ケ
ース本体711に密封包装物品100を入れ、第1部材
714aで支持された蓋体712をケース本体711に
被せて閉じ、その状態で第1部材714aをバネ714
cに抗して蓋体712の方へ押しつつ各第2部材714
bを回動させて係合爪714b’をケース本体711の
底面に係合させる。かくして蓋体711を閉じ位置に固
定できる。
【0074】蓋体711を開けるときは、第1部材71
4aを蓋体の方へ押して、第2部材の係合爪714b’
をケース本体711底面から離し、第2部材714bを
外側へ回動させる。かくして蓋体712を取り外すこと
ができる。以上説明した蓋体固定装置713、714は
いずれも手動操作するものであるが、蓋体固定装置を自
動操作する装置を採用することもできる。かかる自動操
作装置も様々のタイプのものを採用できる。
【0075】図4はそのような自動操作装置の1例を示
している。図4に示す自動操作装置6は、図3に示す蓋
体固定装置714を自動的に操作するものである。自動
操作装置6は、蓋体固定装置714を上昇下降させるピ
ストンシリンダ装置61と、蓋体固定装置714におけ
る第2部材714bを押す一対のピストンシリンダ装置
62とを含んでいる。
【0076】蓋体固定装置714は若干改造されてお
り、第1部材714aには磁性体材料からなる部分63
が含まれている。また、第2部材714bを第1部材7
14aに回動可能に連結するピン714d又は他の適当
な部分にバネ(図示省略)が設けられており、このバネ
で、該バネに抗する外力が作用しない限り第2部材71
4bを外側へ回動させて開かせるようになっている。
【0077】ピストンシリンダ装置61のピストンロッ
ド611には、これに交差する方向の部材612が固定
されており、該部材612に電磁石613が設けられて
いる。なお、電磁石に代えて適度の吸着力の永久磁石を
採用してもよい。一対の第2部材714bをバネ力で開
き状態にして、該電磁石613をオンし、第1部材71
4aの磁性体部分63を吸着することで、ピストンシリ
ンダ装置61にて蓋体固定装置714を昇降させること
ができる。図4(A)はこのようにして、密封包装物品
100を収容した物品収容ケース71から蓋体固定装置
714を上方へ移動させている状態を示している。
【0078】図4(A)に示すように、蓋体固定装置7
14の第1部材714aにバネ714cを介して支持さ
れた蓋体712の下方に密封包装物品100を入れた収
容ケース本体711を設置し、この状態から自動操作装
置6のピストンシリンダ装置61のピストンロッド61
1を突出させると、蓋体711で収容ケース本体711
を閉じることができる。
【0079】そこで図4(B)に示すように、さらにバ
ネ714cに抗して蓋体712をケース本体711に押
しつけつつ、各第2部材714bの外側に配置された第
2部材押圧用のピストンシリンダ装置62のピストンロ
ッド621を突出させ、それにより第2部材714bを
収容ケース71の方へ押す。このようにして第2部材7
14bの係合爪714b’を収容ケース71の底面に配
置し、しかるのちピストンシリンダ装置61における電
磁石613をオフし、ピストンロッド611を上昇させ
ると、バネ714cの復元力で蓋体712がケース本体
711に固定される。ピストンシリンダ装置62のピス
トンロッド621はそのあと後退させておけばよい。
【0080】なお、蓋体712をケース本体711に固
定するとき、必要に応じ、図4(B)に鎖線で示すよう
に、ケース本体支持台SPでケース本体711を支持し
てもよい。またその場合、ピストンシリンダ装置PC等
で台を昇降させるようにしてもよい。このような自動操
作装置は、密封包装物品を本発明に係る密封包装物品収
容ケースに収容してマイクロ波照射で加熱する場合にお
いて、複数の密封包装物品収容ケースをマイクロ波照射
領域を通過するように移動させるときに、該収容ケース
に対する密封包装物品の搬入、搬出のためのステージに
設置して使用できる。
【0081】図5は本発明に係る密封包装物品加熱方法
の実施に用いる密封包装物品加熱装置の1例の概略構成
を示す図である。図示の加熱装置は、マイクロ波照射室
1、その出口側に連設された恒温室2、恒温室2の出口
に連設された冷却室3及び冷却室3の出口とマイクロ波
照射室1の入口をつなぐ搬送室4を備えている。
【0082】冷却室3はマイクロ波照射室1の下に設け
られている。マイクロ波照射室1にはその入口近傍に密
封包装物品の搬入・搬出のためのステージS1があり、
それに続いてマイクロ波照射ステージS2が設置されて
いる。また、マイクロ波照射室1には、室内に所定温度
の高温空気を供給する補助加熱装置11が付設されてい
る。
【0083】マイクロ波照射室1内にはベルトコンベア
12が設置されている。ベルトコンベア12は搬入・搬
出ステージS1の入口に配置されたプーリ121、マイ
クロ波照射ステージS2の出口に配置されたプーリ12
2、これらプーリの下方に配置されたプーリ123、1
24と、それらプーリに巻き掛けられて搬入ステージS
1の入口側からマイクロ波照射ステージS2の出口側へ
向かって走行し、循環する無端ベルト125を含んでい
る。無端ベルト125はマイクロ波照射ステージS2の
下方においてテンション部材126により張力調節され
る。
【0084】ステージS2の出口にあるプーリ122に
は伝動装置127を介してモータ128が接続されてい
る。ベルトコンベア12の運転時、モータ128は連続
的に回転するが、伝動装置127は間欠回転伝動機構を
含んでいて、無端ベルト125を、所定距離走行した
後、所定時間停止するという走行停止を繰り返すように
駆動する。これにより無端ベルト125上の物品は所定
距離ずつ所定時間間隔で間欠的に送られる。
【0085】無端ベルト125は全体又は主たる部分が
マイクロ波透過性の材料で形成されている。また、無端
ベルト125の表面に出没可能のストッパstが所定間
隔で設けられている。図1には複数のストッパstのう
ち一部だけ示されているが、無端ベルト125の全体に
所定の等間隔で設けられている。各ストッパstは詳細
な機構の図示は所略しているが、無端ベルト125の進
行方向に向け押されると無端ベルト表面から没し、外力
が除去されると無端ベルト表面上に起き上がるものであ
る。
【0086】それには限定されないが、ここでは図1
(A)及び図1(B)に示す形態の密封包装食品Aを、
図2及び図3に示す密封包装物品収容ケース71に収容
し、該ケース71の蓋体712を図3に示す蓋体固定装
置714でケース本体711に固定したケース入り密封
包装食品Wがベルトコンベア12で搬入・搬出ステージ
S1からマイクロ波照ステージS2へ送られる。
【0087】各ケース入り密封包装食品Wはベルトコン
ベア12により間欠的に所定の等間隔で送られるが、そ
のとき各食品Wは無端ベルト125上で滑らないよう
に、ストッパstで確実に押される。マイクロ波照射ス
テージS2には、図5及び図6(A)に示すように、長
短2列にマイクロ波導波管が設置されている。長い方の
マイクロ波導波管列は無端ベルト進行方向に所定の等間
隔で配置されたマイクロ波導波管131からなり、短い
方のマイクロ波導波管列は無端ベルト進行方向に所定の
等間隔で配置されたマイクロ波導波管141からなる。
【0088】無端ベルト進行方向において下流側の半分
(6個)のマイクロ波導波管131と141は、マイク
ロ波導波管131、141が一つずつ隣り合うように配
置されている。なお図5では、側面から見ると重なって
見えるはずの各隣り合う導波管131、141を、理解
を容易にするため若干ずらして示してある。各マイクロ
波導波管131にはそれぞれマイクロ波発生器132
(図6(A)参照)が接続されており、各マイクロ波導
波管141にはそれぞれマイクロ波発生器142(図6
(A)参照)が接続されている。マイクロ波発生器13
2、142は、図5では図示を省略しているが、それぞ
れマイクロ波照射室1の外壁面に設置されており、それ
から前記の導波管が室1内へ延びている。
【0089】マイクロ波発生器132、142はここで
はマグネトロンからなり、所定出力で900MHz〜3
GHzのマイクロ波を発生させることができる。各導波
管131、141は、ケース入り密封包装食品Wが間欠
的に送られるときに一時的に停止する各位置に対応して
設けられており、導波管131は密封包装物品収容ケー
ス71のマイクロ波透過性底壁部分711Aに臨み、導
波管141はケース71のマイクロ波透過性底壁部分7
11Bに臨むように設けられている。
【0090】恒温室2には、ゴンドラ方式の縦型コンベ
ア21が設置されている。コンベア21は上下にそれぞ
れ一対ずつ設置された鎖歯車211、212を含んでい
る。これら鎖歯車211、212には一対の無端チエー
ン213が巻き掛けられており、該一対の無端チエーン
213に所定の間隔でゴンドラ214が吊り下げられて
いる。一方の鎖歯車211が図示を省略した駆動装置に
より間欠的に回転駆動されることで、各ゴンドラ214
は間欠的に移動する。ゴンドラ214はマイクロ波照射
室1の出口に臨む位置から上昇したのち、下降し、再び
上昇するように循環駆動される。
【0091】コンベア21の配置領域の背後には空気加
熱室22が設置されており、この室22は上下部分でコ
ンベア配置領域に連通している。空気加熱室22には、
空気加熱ヒータ221と、加熱された空気を空気加熱室
22とコンベア配置領域に循環させるフアン222とが
設置されている。かくして恒温室2内は食品の加熱殺菌
に要求される所定の温度に維持される。
【0092】ゴンドラ式コンベア21の下端部に対して
ピストンシリンダ装置からなるプッシャー23が設置さ
ており、ゴンドラ214に支持されてコンベア21の下
端部に到達したケース入り密封包装食品Wを該プッシャ
ーにて冷却室3へ押し出すことができる。冷却室3には
ベルトコンベア31と冷却装置32が設置されている。
なお、冷却室3における31aはコンベアの駆動装置で
ある。ベルトコンベア31は前記プッシャー23で押し
出されるケース入り密封包装食品Wを受け取る位置から
搬送室4の入口まで延びている。冷却装置32はベルト
コンベア31で搬送されるケース入り密封包装食品Wを
所定温度まで冷却するためのものである。
【0093】搬送室4には、図示を省略しているが、恒
温室3に設置したコンベアと同タイプのゴンドラ式縦型
コンベアが設置されている。該コンベアのゴンドラは図
5中搬送室4に示す矢印方向に間欠的に循環駆動され
る。該コンベアは冷却室コンベア31で送りだされてく
るケース入り密封包装食品Wをゴンドラ上に受け取って
搬入・搬出ステージS1に臨む位置へ上昇させる。該位
置にはゴンドラ上のケース入り密封包装食品Wを搬入・
搬出ステージS1へ押し出す、ピストンシリンダ装置か
らなるプッシャー41が設置さている。
【0094】なお、以上説明したマイクロ波照射室1の
ベルトコンベア12、恒温室2のゴンドラ式コンベア2
1、冷却室3のベルトコンベア31、搬送室4の図示を
省略したゴンドラ式コンベア、プッシャー23、41に
より、複数個の密封包装物品収容ケース71を所定の経
路に沿って循環移動させる収容ケース搬送装置が構成さ
れていることになる。
【0095】次に図5に示す加熱装置による密封包装食
品Aの加熱処理について説明する。先ず搬入・搬出ステ
ージS1において、ここへ到来する当初空である密封包
装物品収容ケース71に、密封包装食品Aを収容し、該
ケースの蓋体を蓋体固定装置714で固定してケース入
り密封包装食品Wとする。そのとき、間欠的加熱を行う
食品はケース71の導波管131に向けられるマイクロ
波透過性底壁部分711Aのある側に、連続的加熱を行
う食品はケース71の導波管141に向けられるマイク
ロ波透過性底壁部分711Bのある側にそれぞれ収容す
る。
【0096】かかるケース入り密封包装食品Wが順次ベ
ルトコンベア12にてマイクロ波照射ステージS2へ送
りだされ、導波管131或いは導波管131、141に
臨む位置で一時的に停止するようにしてマイクロ波照射
ステージS2を送られていく。マイクロ波照射ステージ
S2では、各導波管131からのマイクロ波照射が同時
にオン・オフにて繰り返される。オン時間、オフ時間は
予め設定されている。一方各導波管141からのマイク
ロ波照射は、導波管131によるマイクロ波照射のオン
時間・オフ時間の双方を通じて連続的になされる。
【0097】導波管131からのマイクロ波照射がオン
中はケース入り密封包装食品Wが停止させられ、該マイ
クロ波照射終了と同時にケース入り密封包装食品Wは次
へ送られる。この送りに要する時間と導波管131から
のマイクロ波照射をオフしている時間とは、送りに要す
る時間の方が該オフ時間よりずっと短くされている。か
くしてマイクロ波透過性底壁部分711Aのある側に収
容された食品は導波管131の数(図示例では12個)
だけ繰り返し間欠的にマイクロ波照射により加熱され、
所定温度に到達する。一方マイクロ波透過性底壁部分7
11Bのある側に収容された食品は最初の導波管141
に到達したのち、該導波管の数(ここでは6個)に応じ
て連続的にマイクロ波照射され、所定温度まで加熱され
る。
【0098】また、各食品はマイクロ波照射だけで所定
の温度に到達できるが、ここではマイクロ波加熱処理に
あたり、補助加熱装置11からマイクロ波照射室1に所
定温度の高温空気が供給され、これにより、マイクロ波
加熱されるケース入り密封包装食品Wからの放熱が抑制
され、各食品が一層確実に、短時間で所定温度まで加熱
される。
【0099】このマイクロ波照射によるケース入り密封
包装食品Wの加熱においては、密封包装食品Aはその全
体が収容ケース71内の収容空間に略隙間無く抱き込ま
れているので、加熱により密封包装食品Aにおける包装
容器が容器内圧の上昇で破損するといった恐れはないこ
とに加え、所定温度に加熱するために要求される各食品
収容部内圧が維持される。しかもこれらは常圧雰囲気中
でのマイクロ波照射によりなされる。
【0100】このように所定温度に加熱されたケース入
り密封包装食品Wは、マイクロ波照射室1の出口に臨む
位置で待ち受ける、恒温室2のコンベア21のゴンドラ
214に渡される。このとき該ゴンドラ214は支持部
材215にて振れ止めされ、ケース入り密封包装食品W
は円滑にゴンドラ上に押し込まれる。恒温室2のコンベ
ア21は次々とマイクロ波加熱されたケース入り密封包
装食品Wを受け取り、恒温室2内を所定の時間をかけて
移動し、その間に食品が十分殺菌される。
【0101】コンベア21の下端に到来したケース入り
密封包装食品Wはここでプッシャー23に押されて冷却
室3のベルトコンベア31上に渡される。このとき、該
ケース入り密封包装食品Wを支持しているゴンドラ21
4は図示を省略した支持部材にて振れ止めされる。かく
してベルトコンベア31に載置されたケース入り密封包
装食品Wは該コンベアの運転に伴って冷却室内を移動
し、その間に所定温度まで冷却され、引き続き搬送室4
内の図示を省略したコンベアのゴンドラに渡される。
【0102】搬送室4のコンベアに渡されたケース入り
密封包装食品Wは上昇搬送され、搬入・搬出ステージS
1に臨む位置に到り、そこでプッシャー41に押されて
ステージS1に渡される。このとき、該ケース入り密封
包装食品Wを支持しているゴンドラは図示を省略した支
持部材にて振れ止めされる。かくしてステージS1に移
動したケース入り密封包装食品Wは、蓋体固定装置71
4が解除され、収容ケース71の蓋体712が開けら
れ、収容ケース本体711から加熱処理済の密封包装食
品Aが取り出され、次の処理対象密封包装食品Aが該ケ
ース71に収容され、マイクロ波照射ステージS2へ送
りだされる。
【0103】なお、ケース入り密封包装食品Wは冷却室
3において所定温度まで冷却されているので、ステージ
S1において収容ケース71の蓋体を開けても、密封包
装食品の容器が内圧で破損する恐れはない。次に密封包
装食品Aとして、ハンバーグ250g(グレービーソー
ス50gを含む)と、米及び水からなる米飯を封入した
ものを前記の加熱装置において加熱処理する実施例につ
いて説明する。
【0104】この場合の密封包装食品Aにおける包装容
器の容器本体はポリプロピレン及びエチレンビニルアル
コール共重合体ケンカ物を積層した材料を成形して形成
し、容器蓋体も容器本体と同材料から形成した。容器各
部の厚みは0.6mmとした。ハンバーグを収容した部
分の含気量は100cc、米飯部を収容した部分の含気
量は130ccとした。なお、この含気量は、ハンバー
グ部と米飯部において容器の高さを同一にし、内容物の
形状を保持し、消費者の取扱性を向上させるために選択
されたものである。
【0105】また、かかる密封包装食品におけるハンバ
ーグ部分は、密封包装物品収容ケース71の導波管13
1に向けられるマイクロ波透過性底壁部分711Aのあ
る側に、米飯部はケース71の導波管141に向けられ
るマイクロ波透過性底壁部分711Bのある側にそれぞ
れ収容した。マイクロ波照射ステージS2における各導
波管131からのマイクロ波照射は、同時にオン・オフ
を繰り返させた。そのときオン時間30秒、オフ時間3
0秒とした。一方各導波管141からのマイクロ波照射
は、導波管131によるマイクロ波照射のオン時間・オ
フ時間の双方を通じて連続的にオンとした。
【0106】導波管131からのマイクロ波出力は1.
5kWとし、導波管141からのマイクロ波出力は0.
8kWとした。いずれの導波管131、141からも
2.5GHzのマイクロ波を照射した。かくしてハンバ
ーグ部分に対するマイクロ波照射を導波管131を用い
て30秒オン、30秒オフの繰り返しで合計12回、合
計時間6分間行う一方、米飯部については導波管141
を用いて連続して略6分間マイクロ波を照射した。かく
してハンバーグ部分を120℃に加熱した。このときハ
ンバーグ部分の容器内圧は2.8bar/cm2 であっ
た。米飯部の容器内圧は1.8bar/cm2 であっ
た。ハンバーグ部分、米飯部のいずれについても容器の
破損、変形等の不都合は生じなかった。
【0107】その後恒温室2で120℃の雰囲気中に1
0間保持し、その後冷却室3で冷却した。また前記実施
例の他、容器各部の厚みを1.0mmとした点を除いて
他は前記実施例の場合と同じ密封包装食品について前記
実施例と同じ条件でマイクロ波加熱したが、同様に良好
な結果が得られた。
【0108】なお、同じハンバーグ、米飯入り密封包装
食品(包装容器厚さ0.6mmと1.0mmのもの双
方)について、本発明に係る密封包装物品収容ケースに
収容することなく、代わりにマイクロ照射領域を殺菌圧
力維持のために2.9bar/cm2 に維持し、その他
は前記本発明に係る実施例の場合と同様にしてマイクロ
波照射加熱を行ったったところ、米飯部において容器内
圧が1.8bar/cm 2 にしか達しなかったため、該
米飯部の容器部分が変形し、加熱処理された米飯部はお
にぎり状のケーキングの状態を示した。
【0109】また、容器変形部分にマイクロ波が集中す
る現象が見られ、包装容器厚さ0.6mmの密封包装食
品については、ハンバーグソースが溜まる容器底部で過
加熱によるランナーウエー現象が見られた。また、米飯
は包装容器底部で著しく変形し、商品価値が大幅に低下
した。以上図5を参照して説明した加熱装置では、マイ
クロ波照射ステージS2において、導波管131と導波
管141からなる2列の導波管列を採用したが、これに
代えて、例えば図6(B)に示すように、12個のケー
ス入り密封包装食品Wに対し連続する導波管(所謂ラダ
ー導波管)151を設置するとともに、該12個のケー
ス入り密封包装食品Wのうち、コンベアベルト125の
進行方向において下流側の6個のケース入り密封包装食
品Wに対して連続する導波管(所謂ラダー導波管)15
2を設置し、各導波管にそれぞれ図示を省略したマイク
ロ波発生器を接続し、ケース入り密封包装食品Wを連続
的に搬送するようにし、導波管151からのマイクロ波
照射を所定時間オン、所定時間オフの繰り返しで行い、
導波管152からのマイクロ波照射を連続的に行うよう
にしてもよい。
【0110】例えば、前記実施例におけるように、導波
管131からのマイクロ波照射を30秒オン、30秒オ
フの繰り返しで行い、導波管141からのマイクロ波照
射を連続して行う場合に対応させるとすれば、導波管1
51からのマイクロ波照射を30秒オン、30秒オフの
繰り返しで行い、ケース入り密封包装食品Wの連続搬送
速度をそれに合わせて設定し、導波管152からのマイ
クロ波照射を連続して行えばよい。これにより導波管1
51にて12回、合計時間6分間のマイクロ波照射を、
導波管152にて6分間のマイクロ波照射を行える。
【0111】マイクロ波照射ステージで採用する導波
管、マイクロ波発生器は前記のものに限定されることは
なく、密封包装物品及びこれを収容するケース、加熱条
件等にに応じて相応しいものを適宜選択採用できる。ま
た、搬入・搬出ステージS1その他の搬入及び(又は)
搬出ステージには、蓋体固定装置の自動操作装置とし
て、図4に例示するもののほか、蓋体固定装置に応じて
適宜の自動操作装置を設置することができる。
【0112】また、恒温室2及び(又は)冷却室3には
必要に応じてケース入り密封包装食品Wの反転装置を設
けることができる。図7はかかる反転装置の1例をそれ
を適用するコンベア例とともに示している。図7(A)
はその平面図であり、図7(B)及び図7(C)はそれ
ぞれその側面図である。図7(B)は反転前の状態を、
図7(C)は反転後の状態を示している。
【0113】図7に示す反転装置5は、ケース入り密封
包装食品Wの恒温室2及び(又は)冷却室3における搬
送コンベアとして、例えば物品を水平搬送する2列平行
配置のベルトコンベア又はチエーンコンベア501から
なるコンベア50を採用するときに用いることができ
る。この反転装置5は、2列平行配置のコンベア501
の間に設置された反転用ケース51を含んでいる。反転
用ケース51は側面からみるとコの字形状を呈してお
り、両側面に軸棒511が突設され、これが図示省略の
軸受けにて支持されることで略180度往復回動でき
る。片方の軸棒にはケース51を往復回動させる駆動装
置52が接続されている。
【0114】該反転ケース51は、当初、コの字の下部
51aをコンベア搬送面CSより下方に位置させた状態
で開口部512をケース入り密封包装食品Wが到来する
方向に向けて配置される(図7(B)参照)。このとき
ケース下部51aから背板51cの一部にかけて設けて
ある一対のスリット51a’に一対のコンベア501が
入り込める。2列コンベア501に跨がるように配置さ
れてコンベア50で搬送されてくるケース入り密封包装
食品Wが該反転ケース51内に入ると、該ケースは駆動
装置52により図中時計方向に略180度回動される。
そして図7(C)に示すように、当初は側面から見てコ
の字形状の天井位置にあった部分51bがコンベア搬送
面CSより下方に位置する。このとき該ケース部分51
bから背板51cの一部にかけて設けてある一対のスリ
ット51b’に一対のコンベア501が入り込める。そ
してケース開口部512がケース入り密封包装食品Wの
搬送方向において下流側へ向けられる。かくしてケース
入り密封包装食品Wは180度回され、上下反転した状
態でコンベア50にて搬送されていく。その後反転ケー
ス51は当初の位置に戻され、次のケース入り密封包装
食品Wを待つ。
【0115】反転装置としてはこのほか、密封包装物品
収容ケースに設けられた歯車がコンベアに沿って設けら
れた定位置ギアにかみ合うことで該ケースが反転するも
の等、種々のタイプのものを採用できる。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、包
装容器に封入された密封包装物品のマイクロ波照射によ
る加熱方法であって、常圧雰囲気において、包装容器の
破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品を所定温度
に加熱することができる密封包装物品の加熱方法を提供
することができる。また、密封包装物品における包装容
器を格別頑丈な高価なものにする必要がなく、容器の壁
厚さ、形状、大きさ等の点で、包装対象物品に応じた適
切な包装容器を採用できるマイクロ波照射による密封包
装物品の加熱方法を提供できる。
【0117】また本発明によると、包装容器に封入され
た密封包装物品のマイクロ波照射による加熱方法であっ
て、該包装容器が複数の物品収容室を有し、該複数の室
内に封入された物品を少なくとも二つのグループに分け
てそれぞれ要求される条件で所定温度に加熱する場合に
おいても、常圧雰囲気において、包装容器の破損の恐れ
なく、簡単、安価に該密封包装物品を所定温度に加熱す
ることができる密封包装物品の加熱方法を提供すること
ができる。
【0118】さらに本発明によると、包装容器に封入さ
れた密封包装物品のマイクロ波照射による加熱に用いる
密封包装物品の収容ケースであって、該収容ケースに密
封包装物品を収容してマイクロ波照射することで、常圧
雰囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安
価に該密封包装物品を所定温度に加熱することができる
密封包装物品収容ケースを提供することができる。ま
た、密封包装物品における包装容器を格別頑丈な高価な
ものにする必要がなく、容器壁の厚さ、形状、大きさ等
の点で、包装対象物品に応じた適切な包装容器を採用し
て密封包装物品のマイクロ波照射による加熱を行える密
封包装物品収容ケースを提供できる。
【0119】また本発明によると、包装容器に封入され
た密封包装物品のマイクロ波照射による加熱に用いる密
封包装物品の収容ケースであって、該包装容器が複数の
物品収容室を有し、該複数の室内に封入された物品を少
なくとも二つのグループに分けてそれぞれ要求される条
件で所定温度に加熱する場合においても、常圧雰囲気に
おいて、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に該密
封包装物品を所定温度に加熱することができる密封包装
物品収容ケースを提供することができる。
【0120】さらに本発明によると、包装容器に封入さ
れた密封包装物品をマイクロ波照射により加熱する密封
包装物品の加熱装置であって、常圧雰囲気において、包
装容器の破損の恐れなく、簡単、安価に密封包装物品を
所定温度に加熱することができる密封包装物品加熱装置
を提供することができる。また本発明によると、包装容
器に封入された密封包装物品をマイクロ波照射により加
熱する密封包装物品の加熱装置であって、該包装容器が
複数の物品収容室を有し、該複数の室内に封入された物
品を少なくとも二つのグループに分けてそれぞれ要求さ
れる条件で所定温度に加熱する場合においても、常圧雰
囲気において、包装容器の破損の恐れなく、簡単、安価
に該密封包装物品を所定温度に加熱することができる密
封包装物品加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロ波照射加熱の対象となる
密封包装物品例を示すもので、図(A)は1例の平面
図、図(B)はその側面図であり、図(C)は他の例の
平面図、図(D)はその側面図であり、図(E)はさら
に他の例の平面図であり、図(F)はさらに他の例の側
面図である。
【図2】本発明に係る密封包装物品収容ケースの1例を
示すもので、図(A)は図1(A)に示すタイプの密封
包装物品を収容する収容ケースの分解状態の断面図であ
り、図(B)は同ケースの組み立て状態の断面図であ
り、いずれも蓋体固定装置の1例とともに示すものであ
る。
【図3】蓋体固定装置の他の例を示す図である。
【図4】蓋体固定装置の自動操作装置の1例として、図
3に示す蓋体固定装置の自動操作装置例を示すものであ
り、図(A)は蓋体固定装置を解除している状態の図、
図(B)は蓋体固定装置を働かせた状態を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る密封包装物品加熱装置の1例の概
略構成を示す図である。
【図6】図(A)は図5に示す加熱装置におけるマイク
ロ波照射ステージの概略平面図であり、図(B) は該マ
イクロ波照射ステージの変形例の概略平面図である。
【図7】ケース入り密封包装物品の反転装置の1例をそ
れを適用するコンベアとともに示す図であり、図(A)
はその平面図、図(B)は反転前の側面図、図(C)は
反転後の側面図である。
【図8】図(A)及び図(B)は、従来のマイクロ波照
射による密封包装物品加熱による該密封包装物品の変形
状態例を示す図である。
【図9】従来のマイクロ波照射による密封包装物品加熱
装置例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
A、B、C、D 密封包装物品 81、82、83、84 容器 811、821、831 容器本体 811a、811b、821a、831a、832b、
833c 物品収容部 821、831 容器本体 812、 822、832 容器蓋体 810、820、830 容器フランジ部 81a、81b、82a、83a、83b、83c、8
4a 食品 71 密封包装物品収容ケース 711 収容ケース本体 711a ケース本体開口部 712 蓋体 712a オーリング 100 密封包装物品 100a、100b 物品収容部 100c 仕切り壁状の立ち上がり部分 100f フランジ部 711A、711B ケース本体のマイクロ波透過性の
底壁部分 713 蓋体固定装置 713a クリップ部材 MP1、MP2 マイクロ波導波管 714 蓋体固定装置 714a 第1部材 714b 第2部材 714b’係合爪 714c バネ 714d 連結ピン 6 蓋体固定装置714の自動操作装置 61 ピストンシリンダ装置 611 ピストンロッド 62 ピストンシリンダ装置 621 ピストンロッド 63 磁性体材料部分 1 マイクロ波照射室 S1 搬入・搬出ステージ S2 マイクロ波照射ステージ 11 補助加熱装置 12 ベルトコンベア 121、122、123、124 プーリ 125 無端ベルト 126 テンション部材 127 伝動機構 128 モータ st ストッパ 131、141 導波管 132、142 マイクロ波発生器 2 恒温室 21 ゴンドラ方式の縦型コンベア 211、212 鎖歯車 213 無端チエーン 214 ゴンドラ 22 空気加熱室 221 空気加熱ヒータ 222 フアン 23 プッシャー 3 冷却室 31 ベルトコンベア 31a コンベアの駆動装置 32 冷却装置 4 搬送室 41 プッシャー W ケース入り密封包装食品 151、152 連続する導波管 5 反転装置 51 反転ケース 511 軸棒 512 開口部 51a、51b、51c ケース51の部分 51a’、51b’ スリット 50 搬送コンベア 501 ベルト又はチエーンからなるコンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 3/01 A23L 3/01 3/04 3/04 (72)発明者 古川 秀樹 徳島県鳴門市里浦町里浦字花面615 大塚 化学株式会社食品研究所内 Fターム(参考) 3K090 AA01 AA06 AA20 AB05 AB16 BA01 BB09 BB19 CA01 DA17 EA03 EB21 EB40 FA05 NA05 NA07 NB01 PA03 PA05 4B021 LA07 LA18 LA23 LP06 LW07 LW09 4B023 LC08 LE11 LK20 LP13 LP20 LT05 LT07 4C058 AA12 KK04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】包装容器内に封入された密封包装物品を加
    熱する方法であって、該密封包装物品を収容ケースに収
    容し、常圧雰囲気中で該収容ケース外側から該密封包装
    物品にマイクロ波を照射して該密封包装物品を所定温度
    に加熱する工程を含み、前記収容ケースとして、少なく
    とも一部がマイクロ波透過性材料で形成され、収容する
    密封包装物品全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間
    部を有している収容ケースを用いることを特徴とする密
    封包装物品の加熱方法。
  2. 【請求項2】前記密封包装物品が前記包装容器として複
    数の物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室
    に物品が封入されている密封包装物品であるとき、前記
    収容ケースとして、該密封包装物品の物品収容室とそこ
    に封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞ
    れを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有
    し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部がマイ
    クロ波透過性材料で形成されている収容ケースを採用す
    る請求項1記載の密封包装物品の加熱方法。
  3. 【請求項3】前記密封包装物品を前記マイクロ波照射に
    より前記所定温度まで加熱する工程に引き続く、該密封
    包装物品をそれを収容している収容ケースごと所定温度
    域で所定時間保持する恒温工程と、該恒温工程後、密封
    包装物品をそれを収容している収容ケースごと冷却する
    冷却工程とを含んでおり、該恒温工程及び冷却工程のう
    ち少なくとも一方の工程において前記密封包装物品をそ
    れを収容している収容ケースごと反転させる請求項1又
    は2記載の密封包装物品の加熱方法。
  4. 【請求項4】包装容器内に封入された密封包装物品をマ
    イクロ波照射により加熱するために用いる密封包装物品
    収容ケースであって、少なくとも一部がマイクロ波透過
    性材料で形成され、収容する密封包装物品全体を略隙間
    無く抱き込む形状の収容空間部を有していることを特徴
    とする密封包装物品収容ケース。
  5. 【請求項5】包装容器として複数の物品収容室を有する
    ものが採用されて各物品収容室に物品が封入されている
    密封包装物品の前記物品収容室とそこに封入された物品
    とからなる複数の物品収容部のそれぞれを略隙間無く抱
    き込む形状の複数の収容空間部を有し、該各収容空間部
    を囲む壁体の少なくとも一部がマイクロ波透過性材料で
    形成されている請求項4記載の密封包装物品収容ケー
    ス。
  6. 【請求項6】前記マイクロ波透過性材料で形成されてい
    る部分以外の全部又は一部が、熱拡散率の大きい材料で
    形成されている請求項4又は5記載の密封包装物品収容
    ケース。
  7. 【請求項7】包装容器内に封入された密封包装物品を加
    熱する装置であり、 密封包装物品の収容ケースであって少なくとも一部がマ
    イクロ波透過性材料で形成され、収容する密封包装物品
    全体を略隙間無く抱き込む形状の収容空間部を有してい
    る収容ケースの複数個を所定の経路に沿って順次移動さ
    せる収容ケース搬送手段を有するとともに、 該収容ケース搬送経路に沿って配置され、前記収容ケー
    スに収容された密封包装物品を該収容ケースの外側から
    常圧雰囲気中でマイクロ波照射して所定温度まで加熱す
    るマイクロ波照射ステージを備えていることを特徴とす
    る密封包装物品加熱装置。
  8. 【請求項8】前記収容ケースは、包装容器として複数の
    物品収容室を有するものが採用されて各物品収容室に物
    品が封入されている密封包装物品の該物品収容室とそこ
    に封入された物品とからなる複数の物品収容部のそれぞ
    れを略隙間無く抱き込む形状の複数の収容空間部を有
    し、該各収容空間部を囲む壁体の少なくとも一部がマイ
    クロ波透過性材料で形成されている収容ケースであり、
    前記マイクロ波照射ステージは、該収容ケースに収容さ
    れる密封包装物品の各物品収容部にそれぞれ所定の条件
    でマイクロ波を照射できる請求項7記載の密封包装物品
    加熱装置。
  9. 【請求項9】前記密封包装物品を前記マイクロ波照射に
    より前記所定温度まで加熱したのち、該密封包装物品を
    それを収容している収容ケースごと所定温度域で所定時
    間保持する恒温室と、 前記恒温室を出た密封包装物品をそれを収容している収
    容ケースごと冷却する冷却室と、 前記恒温室及び冷却室のうち少なくとも一方に設けられ
    た、前記密封包装物品をそれを収容している収容ケース
    ごと反転させるケース反転装置とを備えている請求項7
    又は8記載の密封包装物品加熱装置。
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