JP2023541759A - 空中超音波場の特徴 - Google Patents

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Abstract

空中ハプティック押圧力を生成するために適用される音響放射圧力の合成波のエネルギ流束の所望の量を特定する方法であって、存在する高調波歪みを同時に低減する効果を有する方法を記載する。更に、行数および列数が、制御点数のみに依存する比較的小さな行列の合計部分の形で、必要な位置における音場寄与の概要のみを伝えるための方法が記載される。更に、超音波スピーカのフェーズドアレイは、アレイの用途に応じ、通常、特定の方向に向けられるか、または特定の点に集束される、比較的大きな量の音響エネルギを生成することができる。更に、システムを通常よりも強く駆動可能とするために、各制御点への駆動信号を支配する複素数値線形系を2回解く。更に、高精度で空中ハプティックを達成するために、生成される放射圧力を正確にモデル化する必要がある。【選択図】図1

Description

先行出願
本出願は、以下の5つの出願による恩恵を主張するものであり、それらの全ては、参照によりその全体が組み込まれる。
(1)2020年6月23日出願の米国特許仮出願第63/043,093号、
(2)2020年8月14日出願の米国特許仮出願第63/065,997号、
(3)2020年8月18日出願の米国特許仮出願第63/067,314号、
(4)2021年6月14日出願の米国特許仮出願第63/210,486号、および
(5)2021年6月15日出願の米国特許仮出願第63/210,619号。
本発明は、概ね、超音波場において有用かつ固有の特徴を確立する際の改善された技術に関する。
超音波フェーズドアレイシステムを含むフェーズドアレイは、重ね合わせの原理に基づいて機能する。重ね合わせは、波を表す線形量が合算されて、強め合う干渉および弱め合う干渉の領域を生成するときに生じる。最新の超音波システムは、これらの量を直接的に使用し、音場内の点の線形関数値を制御する。得られたサンプルを複素数値方程式の線形系に使用し、トランスデューサの作動について解くことが可能であり、このとき、トランスデューサは、所望の点(制御点として知られる)における所望の線形フィールド値を生成する。
迅速に何度も解き、解の値に対応する駆動信号を生成してトランスデューサに供給することにより、フェーズドアレイ内のトランスデューサ要素によって生成された超音波搬送波に波形を変調することができる。これは、解の値が変化すると、搬送波の音響圧力の量も変化するからである。
このような変調は、市販のデバイスによって利用可能な2つの重要な非線形効果を有する。音響放射力として知られる第1のものは、波のエネルギに比例し、波が妨げられたときに生成される力を指す。この力は、超音波が空気中を伝わっているときの手の表面など、音響インピーダンスの急激な変化が存在するときに最大となる。生成された力は、空中でのハプティックフィードバックに使用することができる。「超音波からの音」として知られる第2のものは、パラメトリックスピーカアレイの主要な動作メカニズムであり、波のエネルギに比例する効果も有する。この効果は、超音波の発生源として可聴音が存在しなかったときに、超音波アレイによって可聴音が一見発せられたかのようにする要因となる。
これらの効果の両方を高精度に制御することは、副次的作用として生成される可聴ノイズが制御されるか、またはほとんどもしくは全くない、再現可能な空中ハプティックを生成するために必要である。しかしながら、デバイスの運動量およびエネルギは非線形量であり、多くの幾何学的パラメータに依存するので、直接制御することはできない。従って、システムの「ユーザ」から所望のレベルの波エネルギを取得し、線形音響量の等価レベルに変換し、次に、直接求めることができない波エネルギの量と等価であることがすでに確立されていることを考慮し、線形法を使用してこの線形レベルを解く方法を開発することは、商業的に有意義なことである。
更に、いくつかの離散点に離散化された超音波場の問題に対するソリューションを考えるとき、フェーズドトランスデューサアレイ技術を介したそのような場の再現は、各トランスデューサに必要な出力場を解くことによって達成することができる。この解は、基準周波数が与えられると、各トランスデューサに必要な位相および振幅として解釈可能な一連の複素数として表すことができる。このデータから、トランスデューサへの入力信号は、トランスデューサにおける所与の振幅および位相を有した正弦波信号の特性を実質的な部分が有する信号として推測することができる。これらの複素数値の係数を演算する方法を考えると、デバイスを作動させるために、これらをデバイスに転送する必要があり、トランスデューサの位置および方向に関する情報を演算場所に転送して作業を行う必要があると考えるのが合理的である。これにより、トランスデューサで必要な演算が非常に少なくなり、複雑な係数をインポートして、生成された場を表すのに十分なデータをエクスポートするだけでよいことになる。但し、これらのデバイスとの通信は、トランスデューサの数に応じてスケーリングされ、数が比較的大きい場合に過多となる。これに加えて、各トランスデューサによって生成される場の合成は、ある程度集中した場所で達成する必要があり、これもまた望ましくない。
各トランスデューサによって生成される場のサンプルを局所的に決定し、これらを、それぞれが全てのトランスデューサ要素からの出力で構成される基底関数の共通の定義として使用することによって、基底関数ごとの複素数値係数のみの通信を達成することができる。これは、ハードウェア内のトランスデューサに近い計算と、ユーザインターフェース部分に存在するソフトウェアとの両方が、基底関数の定義を理解しているからである。これらは、個々の基底関数と、それらの複素数値線形重ね合わせとを定義するのに十分な情報を通信するだけでよく、これにより、各変換要素を駆動する基底関数定義複素数値係数の複素数値線形重ね合わせが定義される。但し、このシステムが機能するためには、トランスデューサに近いハードウェアシステムと、システムのユーザインターフェース部分に存在するソフトウェアとの両方が、基底関数を個々のトランスデューサ情報に展開する方法を理解する必要がある。これにより、通信伝送容量を節約するために、トランスデューサに近いハードウェアシステムとソフトウェア部分との両方において演算が重複することになる。これは、低伝送容量を達成するために余分な計算電力およびリソースを使用するが、システムコストの低減には、通信および演算の両方を最小限に低減する必要があるので、明らかに依然として最適ではない。
システムのトランスデューサ数に対する伝送容量の要件の依存性を排除する方法が必要であるが、機能が重複することは明らかに望ましくない。この制限を克服して、音場の分散シミュレーションを可能にすると共に、出力場について解くために、通信するトランスデューサ要素数に依存しない音場寄与の概要のみを必要とすることは、商業的に価値がある。
更に、空中超音波フェーズドアレイを使用して、任意の音場を生成することができる。これらは、ハプティックフィードバック、パラメトリックオーディオ、音響浮上などに使用することができる。説得力のある効果を達成するためには、比較的高いレベルの超音波エネルギが必要とされる場合が多い。超音波場の領域内の物体、マイクロフォン、動物、および/または人は、これらのレベルに敏感である可能性がある。多くの場合、超音波が他の場所に向けられたとしても、周縁の(意図しない)場が、依然として問題を引き起こす可能性がある。以下に提示するのは、場の残りによって生成される効果を実質的に変更することなく、特に超音波を欠く場における点または領域、即ち「ヌル」を生成するためのいくつかの方法/戦略である。敏感なオブジェクトの位置がある程度分かっている場合は、超音波からそのオブジェクトを保護するために、ヌルのポイントまたは領域をそのオブジェクトの方に向けることが可能である。
この方法の特に魅力的な用途は、パラメトリックオーディオに対するものである。これは、空気の非線形特性を介した可聴音への超音波の復調である。これにより、オーディオのビーム状の投射が生成される。生成された可聴音は、超音波と同じ方向に導かれる。高レベルの超音波は、悪い方向にマイクロフォンと相互作用する可能性があり、鼓膜における非線形性を介し、哺乳類の耳であっても知覚される可能性がある。これにより、パラメトリックオーディオがマスクされたり、歪んだりして、エクスペリエンスの品質が低下する可能性がある。
全ての音波は回折を受ける。これは、波が、それらの波長に関連する長さのスケールで広がる作用である。約40「kHz」の超音波といった短波長音は、その波長である8.6「mm」にほぼ等しい特徴を伝播し、維持することができる。一方、通常の音は、はるかに長い波長(中央のハ音、261「Hz」は、1.3「m」の波長λを有する)の波からなり、それは容易に放散する。パラメトリックオーディオは、超音波の短波長を利用し、しっかりと封じ込めた音の放出領域を作り出すことによって、音のビームを形成する。音が生成されれば、普通に放散する。これにより、関連する超音波を伝えることなくパラメトリックオーディオを伝達する可能性が開かれる。近隣の高レベルの超音波を用いて、超音波のない比較的小さな領域を生成することにより、「ギャップ」を、超音波が埋めずにパラメトリックオーディオが埋める状況を作り出すことができる。
更に、「音場」と呼ばれる音エネルギの連続的な分布は、空中でのハプティックフィードバック、超音波システムからの音、および追跡システム用の符号化波の生成を含む、様々な用途に使用することができる。
空間内に1つまたは複数の制御点を定義することによって、音場を制御することができる。各点には、制御点における所望の振幅に相当する値を割り当てることができる。次に、トランスデューサの物理的なセットを制御し、制御点において、所望の振幅を示す音場を生成することができる。
物理的デバイスであるトランスデューサ要素は、物理的制限を有する。音場を生成する場合、各要素については、超過することができない最大出力が存在する。システムの数学的構造は、ソリューションに物理デバイスの電力制限を遵守させる上で重荷となり、多くの場合、適正なソリューションの方法は、非物理的な駆動条件が生成される。
グレーティングローブが問題となるようにトランスデューサが配置される場合、トランスデューサの振幅をアポダイズする(アレイのエッジに向かって振幅のテーパセットを生成する)ことによって、制御点に対するグレーティングローブの影響を低減することが可能である。これにより、必然的にアレイの効率が低下し、利用可能な最大出力電力が制限される。複数の点の場合も、トランスデューサ要素の数が制御点の数よりも大きいときには、相対振幅の生成が常に可能であるが、点の数が増加するにつれて効率は低下し、最大出力が低下する。
従って、既存の方法を使用して供給することができる電力よりも多くの出力電力がデバイスに必要とされる場合に、出力レベルを漸増的に上昇させるように機能する、これらの効率の低下を阻止する方法は、商業的に価値がある。
単一の点の場合、全てのトランスデューサを同じ電力で駆動し、それらの位相のみに影響を与えることも可能である。このとき、トランスデューサの集団駆動振幅を変調し、制御点における信号に対して同様の変調を生成することができる。但し、このソリューションは、アポダイゼーションおよび/または複数の点の利点が必要とされるときには役立たない。
より高い効率または出力電力が所望される場合、トランスデューサの駆動を、ソリューションによって表されるものよりも高いレベルに押し上げることでソリューションの精度を下げるか、またはアポダイゼーションの利点および/または複数の点の使用ができないかのいずれかである。
更に、超音波フェーズドアレイシステムを含むフェーズドアレイは、重ね合わせの原理に基づいて機能する。重ね合わせは、波を表す線形量が合算されて、強め合う干渉および弱め合う干渉の領域を生成するときに生じる。最新の超音波システムは、これらの量を直接的に使用して、音場内の点の線形関数値を制御する。得られたサンプルを、複素数値方程式の線形系において使用し、トランスデューサの作動について解くことが可能であり、トランスデューサは、所望の点(制御点として知られる)において所望の線形フィールド値を生成する。
これらの点を制御するための線形値についての扱いやすい解は、自由音場条件の仮定の下でのみ演算可能であるので、これらの同じ条件は、多くの場合、バルク音響媒体の仮定の正当化として誤って使用されてきた。超音波フェーズドアレイを使用した空中ハプティック、および、それ以外で、超音波フェーズドアレイを使用し、音響特性の異なる2つの材料を分離する境界(空気と人体部分との間の境界など)に力を加える状況の場合、バルクシナリオを念頭に置いて開発されたソリューションが前述の境界面での音響力の正確な再現に不可欠な詳細部分を必然的に省略する程度に、境界条件が、問題のシナリオを変更する。
本明細書では、1つまたは複数の高音響インピーダンス境界における1つまたは複数の力ベクトルの再現を生成するシステムを詳細に説明する。
存在する高調波歪みを同時に低減する効果を有した、空中ハプティック押圧力を生成するために適用される音響放射圧力の合成波のエネルギ流束の所望の量を特定する方法を説明する。
更に、行数および列数が制御点の数のみに依存する比較的小さい行列の合計部分の形で、必要な位置における音場寄与の概要のみを伝える方法を説明する。
更に、超音波スピーカのフェーズドアレイは、アレイの用途に応じて、通常、特定の方向に向けられるか、または特定の点に集束される、比較的大きな量の音響エネルギを生成することができる。特定のオブジェクト(例えば、マイクロフォン)は、音場によって干渉される可能性があり、その機能が低下する可能性がある(図10A、図10B、および図10Cを参照)。高強度超音波の影響を低減する1つの方法は、強度が周囲の音場よりも著しく低い「静穏」領域を生成することである。オブジェクトの周囲に低圧領域(例えば、いくつかの低圧焦点、または低圧体積)を生成することによって、オブジェクトが受ける音響強度を大幅に低減することができる。このソリューションにより、アレイのパフォーマンスに大きな影響を与えることなく、これらの静穏領域を作成することができる。
更に、通常よりも強力にシステムを駆動できるようにするために、各制御点への駆動信号を支配する複素数値線形系を2回解く。各トランスデューサからの駆動がどの程度必要であるかを決定し、1度目に解いている際に発生した駆動におけるオーバーシュートによって各トランスデューサがスケールバックされた更なる時間を決定すると、2度目に解いて得られた解における電力が、トランスデューサ全体に、より均一に分配される。
システムは、最も強く駆動される基底関数の部分に使用される係数をスケールバックする。これは、直観に反するものであって、高効率トランスデューサの有効性を低下させ、全体的な出力を増加させる。ソリューションの方法では、効果の低い部分をあまり使用しないため、出力要件がより均等に分散されるので、これが機能する。
更に、ほとんどのソリューションの方法は、バルク媒体において所定の非線形効果を生成することを意図している。パラメトリックオーディオの生成など、いくつかの例において、これは、自由音場バルク媒体の使用が許容可能なモデリング手法である音響媒体を介して加えられる物体力を表すので、正当と認めることが可能である。しかし、境界との相互作用を表すために物体力モデルが使用されている場合、それは必ずしも現実を反映するとは限らない。
高い精度で空中ハプティックを達成するには、生成される放射圧力を正確にモデル化する必要がある。学術文献における放射圧力のモデル化は、一般的に以下の2つの方法論のうちの1つを用いて行われる。
第1のアプローチは、電磁波への類推によるものである。この場合、放射圧力は、音響ポインティングベクトルに沿って作用する力であると考えられる。これは、音響ポインティングベクトルの観点から見たものであるので、エネルギ流束密度、即ち音響的には音響強度Iが、力の大きさを表すのは当然のことである。
第2のアプローチは、音響泳動について記述された学術論文において取り上げられており、定在波または特別に構築された干渉パターンを用いて、音響媒体中に物体を浮揚させる。音響泳動の分野では、放射圧力が、時間平均2次圧力pによって定義されるスカラポテンシャルであると考えられる。このとき、スカラポテンシャルとして、ポテンシャル場の負の勾配は、力ベクトルの方向および大きさを表す。
第1のアプローチを用いて放射力を記述する学術論文は、p=0であることを示すことができる遠距離音場条件を想定しているので、第2のアプローチを無視する。第2のアプローチを用いて放射力を記述するものは、音響ポインティングベクトルが、定在波においてゼロに打ち消されるか、または音響泳動干渉パターンの最適化に役立つ可能性のある自由度をほとんど生成せずに無視される傾向があるかのいずれかであるので、第1のアプローチを無視する。
これらのアプローチはいずれも、単純化する仮定の両方が、音響フェーズドアレイハードウェアを使用して人間に見掛けのハプティック力を生成することについて誤っているため、空中ハプティックシステムの放射圧力の現象を十分に記述していない。
ポインティングベクトルは、同じ方向の線形に関連する力ベクトルに直接変換できると仮定する。このとき、これは(誤って)力の成分に分割されると想定される可能性があり、従って、任意の単位ベクトル方向
が与えられ、従って、バルク媒体において、所定の方向における放射圧力は、その同じ方向
におけるエネルギ束密度に直接関連するものとすることができる。この
が、エネルギ流束ベクトル(音響強度)Iを切断する非物理的表面に対する法線ベクトルとして与えられる場合、この非物理的表面を横切る点で作用する力である
が、この同じ位置で物理的表面上に生成される力であることを正当化するものとして与えられる。前述したように、これは物体力ではなく、バルクでは作用せず、このシナリオでは遠距離音場挙動を想定しているので、これは全体像ではなく、フォーカシング空中ハプティックデバイス(フォーカシングの動作は近距離音場挙動を意味する)の場合は、せいぜい近似値である。
本明細書では、生成される見掛けのハプティック圧力を最も良く表すものについて解くためにスカラ線形音響量を決定することを説明する。
添付の図面は、以下の詳細な説明と共に、同様の参照番号が、個々の図の全てにわたって同一または機能的に類似の要素を指すものであり、本明細書に組み込まれて、その一部を形成し、特許請求される発明を包含する概念の実施形態を更に例示し、それら実施形態の様々な原理および利点を説明するものである。
図1は、変調されたパラメトリックオーディオ応答のプロットを示す。
図2は、全高調波歪のプロットを示す。
図3は、全高調波ひずみと、その高調波のプロットとを示す。
図4は、全高調波ひずみと、その高調波のプロットとを示す。
図5A、図5B、および図5Cは、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図6A、図6B、および図6Cは、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図7A、図7B、図7C、および図7Dは、トランスデューサのアレイの周りの空間におけるヌル点の配置を示す。
図8Aおよび図8Bは、3D間隔配置のための静穏ゾーンの効率を示す。
図9は、単一焦点の圧力のプロットを示す。
図10A、図10B、および図10Cは、記録された人間の音声のスペクトログラムを示す。
図11A、図11B、図11C、および図11Dは、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図12Aおよび図12Bは、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図13Aおよび図13Bは、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図14Aおよび図14Bは、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図15は、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図16は、音場における低圧領域シミュレーションを示す。
図17は、焦点基底関数を操作するアルゴリズムの各段階を示す。
図18は、等確率トランスデューサ駆動振幅のプロットを示す。
図19A、図19B、および図19Cは、変換行列の出力を示す。
図20は、遠距離音場波の表面放射圧力に関連する波の図を示す。
図21は、近距離音場波の表面放射圧力に関連する波の図を示す。
当業者は、図中の要素が、簡略化および明瞭化のために示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解するはずである。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解の向上を補助するために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
装置および方法の構成要素は、図面中に一般的な記号によって表され、本発明の実施形態の理解に関連する特定の詳細のみを示しており、本明細書の説明の恩恵を受ける当業者にとって容易に明らかとなるような細部で開示が不明瞭とならないようにしている。
I.音響力を記述するためのエネルギ比例界面
超音波空中ハプティックデバイスから受ける皮膚のたわみ、および最終的には触感は、空気と皮膚との間の界面で見出される非線形音響放射力によって決定される。無限平面に入射する平面波の場合、これは、
によって与えられ(Fluid Mechanics 3rd edition, Landau and Lifshitz, pp. 255-256)、式中、θおよびθは、それぞれ波の反射角および屈折角であり、Rは反射係数、
は、入射音波における時間平均エネルギ密度である。垂直入射の場合、圧力は、
に減少し、式中、ρおよびcは、流体1および流体2のそれぞれにおける音の密度および速度を示す。人間の手は、明らかに「無限平面」ではないが、超音波波長よりはるかに長い(25kHzの超音波の波長は、常温常圧で約1.4cmであり、周波数が高くなるにつれて減少する)。手のひらに焦点を合わせるとき、非線形圧力が印加されている領域は、通常、直径が約1波長であるが、焦点を合わせている距離に対するアレイのサイズに応じて、3波長程度の大きさとなり得る。従って、上記の近似は、ほとんどの空中ハプティックシナリオにおいて、基本的に正しいはずである。
これは、ハプティック効果を生成するために皮膚が受ける音響力が、線形圧力ではなく、音波内のエネルギ密度によって決定されることを示している。
従来の超音波空中ハプティックデバイスは、超音波トランスデューサのフェーズドアレイからの線形音圧を制御し、ハプティック効果を生成する。これは、ハプティック効果を生成するのに効果的であるが、実際のシステムで発生する基本的な物理現象を反映していない。本明細書では、ユーザが受ける物理的な力を正確に制御するために、超音波音場のエネルギを制御する方法を提示する。
体積要素中の音波内のエネルギ密度は、粒子速度および圧力の両方を伴い(Fundamentals of Acoustics 4th ed. Kinsler et al., eq (5.8.7))、
であって、式中、ρおよびcは、流体の音の密度および速度であり、uは要素内の平均粒子速度であり、pは圧力である。単色平面波の場合、時間平均エネルギ密度は、
に減少させることが可能であり、式中、Pは、音圧波の線形振幅を表す。この量は、音響強度、即ちIとも称され、この式は、音響波の曲率半径が、波長よりもはるかに大きい場合に有効である。このとき、空中ハプティックデバイスにおいて音響放射圧力の指定を望む場合、線形圧力ではなく、Pに比例する場について解くべきであることは明らかである。
特定の音場解についての、アレイ内の各トランスデューサの正しい位相および振幅(活性化係数とも称する)の構築は、多くの様々な方法で行うことができる。そのような方法の1つは、ロング(Long)らによる、超音波を用いた空中での体積ハプティック形状のレンダリング(ACM Transactions on Graphics (Proceedings of SIGGRAPH Asia) Vol 33, Num 6, Art 181, 2014)を参照されたい。ほとんどの場合、最初に、対象となる点または領域に対する各トランスデューサの寄与を推定することが含まれる。超音波フェーズドアレイの最も一般的な解には、圧力マイクロフォンを用いた実際のデバイスでの測定と、その測定に合致する数学的モデルの構築との両方が単純であることから、音圧が含まれる。式1を使用して、標準的な圧力モデルを音響強度に変換し、同じ音場解技術を利用することができる。
強度に加え、空中ハプティックにおいて重要なもう1つの量は、エネルギの伝播方向である。音響点音源の場合、この方向は、音源からまっすぐに離れていく。実際の音源は、近距離音場(数波長よりも近く)では、これから逸脱し、遠距離音場では点音源挙動に近づく。どちらの場合も、注意深い測定および適切なモデリングによってカバーすることができる。
次に、特定の方向における非線形圧力について解くために、伝搬方向とエネルギの所望の方向との間の3次元ベクトルドット積を構築することによって、各トランスデューサの寄与が補正される。これにより、トランスデューサからの寄与が適切に調整され、所望の方向に寄与することができるエネルギの量が反映される。これにより、例えば、使用者の手のひらの法線に非線形音響圧力を向けることが可能となり、それによって知覚される触覚を最大化することができる。
に比例するもう1つの非線形量は、パラメトリックオーディオである。これは、空気中の不可聴超音波の非線形混合による可聴音の生成である。ベルクテイ(Berktay(1974))は、2つの整列した平面波の一次寄与を(遠距離音場で)
と導出し、式中、Pは、各平面波の入力超音波レベル(この場合、等しいが、分離することが可能)であり、Sは、断面積であり、Rは、アレイからの距離であり、βは、非線形係数である。収束する音場についても、上記のものと同様の重要な寄与項が存在し、Pに比例することを示すことができる。
ソリューションが正しく実行されたことを示すために、結果として得られるパラメトリックオーディオにおけるその効果を測定することができる。図1は、正方形の256素子フェーズドアレイから50cm離れた位置で測定されたオーディオ出力を示しており、所定の変調周波数について、1.9メートルの距離でアレイの中心からまっすぐに垂直に焦点を投射している。この距離では、焦点が空中ハプティックを生成するのに十分な非線形圧力を有さないが、パラメトリックオーディオへの非線形寄与は、距離の全体にわたって建設的に構築され、適切なマイクロフォンで容易に測定可能になる。強度に比例する変調エンベロープを構築することにより(そして、法線方向における各トランスデューサからの寄与のみを含むことにより)、この方式は、より多くのエネルギを非線形項に注入することができ、この場合は、パラメトリックオーディオである。この余分な3dBまでのオーディオは、より短い範囲で手に焦点を投射するときに、非線形力の同様のゲインを反映する。より高いハプティックの強度、およびその結果として生じるヘッドルームにより、標準的な圧力解に比べてトランスデューサのより効率的な使用が可能となる。このことを利用し、より多様なハプティック効果を生成したり、従来の圧力解析によって生成されるハプティックのためのトランスデューサの数(従ってコスト)を低減したりすることができる。
図1を参照すると、変調パラメトリックオーディオ応答と題したグラフ100が示されている。x軸110は、ヘルツ単位の周波数であり、y軸は、db単位の音圧レベルである。点線140は、圧力解のプロットであり、実線130は、Iドットn解である。図1は、超音波フェーズドアレイから50cmのところでの、その周波数で変調されたときのベースバンドオーディオの測定SPLを示している。アレイのソリューションは、アレイに垂直な方向で垂直面の中心となる1.9mの位置に焦点を設定する。破線の曲線140は、変調の振幅が正のままとなるように、純粋な正弦波オフセットによって変調される。実線の曲線130は、その代わりに、トランスデューサごとに、アレイに垂直なベクトルを有して点在する強度を、同じオフセット変調トーンに設定する。これにより、法線方向の強度が、場およびその結果として生じるパラメトリックオーディオに対する非線形寄与のより良好な近似となるので、より高い出力がもたらされる。
図2を参照すると、THD(全高調波歪み)と題したグラフ200が示されている。x軸210は、ヘルツ単位の周波数であり、y軸220は、パーセント単位のTHDである。破線の曲線240は、圧力解を示し、実線の曲線230は、Iドットn解である。図2は、図1と同じセットアップの入力周波数に対する歪み率(測定された入力周波数の大きさを、最初の10個の高調波の和で割ったもの)を示している。圧力解は、その変調技術に固有の低周波数での、より高い歪みを示している。アレイに垂直な法線ベクトルによって点在する強度を解くことにより、場に対する非線形寄与のより良い近似が表される。より高い周波数では、トランスデューサの機械的性質に固有の位相シフトが、効果を減じ始める。
ソリューションは、任意の変調周波数の歪み成分にも影響する。従来の線形圧力ソリューションは、
のような変調方式をもたらし、式中、ωは、超音波搬送周波数であり、ωは、ベースバンド変調周波数である。パラメトリックオーディオ生成に存在する推定周波数は、超音波圧力を2乗した後、依然として超音波である項を省略することによって推定することができる。線形変調の場合、これは、
である。
第2項は、入力変調周波数の2倍であり、入力信号には存在せず、測定可能な歪みを表す。より高次の因子も、実際のシステムに存在するが、この項に比べて大幅に減少する。この測定値を、図3に示す。
図3を参照すると、歪み率圧力解と題したグラフ300が示されている。x軸310は、ヘルツ単位の周波数である。y軸320は、パーセントである。実線330は、最初の10個の高調波の和であるTHDである。他の曲線は、最初の3つの高調波を示している。破線340は次数1であり、一点鎖線350は次数2である。点線360は次数3である。予想のとおり、全体的な高調波歪みは、1次によって支配される。
一方、P変調ソリューションは、
のようになり(法線方向の寄与のみを使用する場合、トランスデューサごとにわずかな変動を伴う)、結果として得られるパラメトリックオーディオは、
によって推定され、式中、「…」における項は、いずれも超音波である。残っている可聴スペクトルの唯一の項は、入力変調である。これは、図4に示された歪みに1次優位性がないことによって示されている。
図4を参照すると、歪み率Iドットn解と題したグラフ400、即ち、アレイに垂直な法線ベクトルにより点在する強度の歪み率が、変調周波数に対して示されている。x軸410は、ヘルツ単位の周波数である。y軸420は、パーセントである。実線430は、最初の10個の高調波の和であるTHDである。他の曲線は、最初の3つの高調波を示している。破線440は次数1であり、一点鎖線450は次数2である。点線460は次数3である。圧力解と比較して、歪みは減少し、多くの次数で構成されており、1次によって支配されていない。
空中ハプティックの歪みが少ないということの利点は2つある。第1に、入力をより代表する非線形力を生成することにより、ハプティック設計者は、ハプティックのより一層の制御ができるようになる。例えば、実際のボタンまたは接触ベースのハプティックアクチュエータなど、別のシステムにおいて証明された所与の力対時間プロファイルは、本発明を使用する空中ハプティックデバイスによって、より忠実に適用し、再現することができる。第2に、超音波ベースの空中ハプティックデバイスは、ハプティックのみが所望される場合であっても、常にパラメトリックオーディオを生成し、歪みを低減することによって、アレイは、変調された周波数スペクトルを、はるかに狭い範囲に含めることができる。図1に示すように、超音波から音へのパラメトリックオーディオ変換は、より高い周波数において、より効率的である一方、空中ハプティックは、より低い周波数(典型的には200Hz未満)において効果的である。非線形変調項を低く保つことができるほど、生成されるパラメトリックオーディオは少なくなる。
更なる開示には以下を含む。
1.空中ハプティックデバイスであって、
A.既知の相対位置を有するトランスデューサのセット、
B.少なくとも1つの共通の焦点を有するトランスデューサから複数の超音波を生成すること、
C.所望のハプティック力対時間、
D.共通焦点で生成される非線形音響力が、所望のハプティック力対時間となるように、超音波の生成を変調すること、
から構成される空中ハプティックデバイス。
2.所望の力の方向を含む、1項に記載の方法。
3.超音波の変調により、所望の方向に所望の非線形音響力が実質的に生成される、2項に記載の方法。
II.サービスとしての空中ハプティックのための行列加算
空中ハプティックのための行列加算は、実現するためにより多くの伝送容量を必要とするが、そのようなシステムのスケーラビリティおよび再構成可能性は、これを重要なアーキテクチャステップにする多くの現実世界の商用アプリケーションにおいて非常に望ましいものである。
これを実現するために、基底関数演算は、完全にハードウェア側に存続し、情報がハードウェアデバイスから取得され、演算は抽象的な形で完了する。演算の特質と、空中ハプティックの分野においてシステムを許容可能とするために必要な待ち時間とにより、このシステムは、まず第一に高速相互接続を使用して実行されることが期待されるが、次世代のワイヤレスシステムは、遠隔演算設備を用いてこれを達成することができるように、十分に短い待ち時間で、十分な伝送容量を提供することができる。
これを機能させるには、コントローラデバイスと、変換要素を物理的に含み得る個々のハードウェアデバイスとの間に、短待ち時間クエリ応答システムを作成する必要がある。これは、一般的なコンピュータネットワークを介して実行することができる。これらのハードウェアデバイスの接続に必要な高伝送容量ネットワークシステムは、組み込みの低電圧差動信号(LVDS)通信チャネル、高速有線ネットワークシステム、または次世代ワイヤレスネットワークによって表すことができるが、これらに限定されない。
必要な最初のクエリ応答は、所定のクエリされた音響特性についての制御点数の正方形の行列である。これらの特性は、音響圧力、媒体の音響粒子速度(x、y、およびzの速度方向に別個の行列を生成する可能性がある)、および所定の方向ベクトルにおける粒子速度のうちの1つまたは複数である。これらの行列は、複素数値である。メタデータは、例えば、発散および収束の両方の集束シナリオ、またはベッセルビーム生成を可能にするように、トランスデューサ場の評価を構成するための要求に含めることができる。
これらの行列は、コントローラによって受信されると、複数のハードウェアデバイスを一度に制御可能にするように合算されてもよく、使用されるハードウェアデバイスが合算内に存在する。この時点で、いずれかのコントローラは、意図された位相(適用可能な場合)、意図された振幅および波形ダイナミックレンジなどの制御点特性を記述するデータを取得し、それを行列の解ベクトルに処理することができる。これは、コントローラデバイスで実現してもよいし、別のシステムにエクスポートして処理されてもよい。
解ベクトルが取得されると、利用可能なハードウェアを介した作成のために、各ハードウェアデバイスに送ることができる。但し、第2の推測解ベクトルを実行し、この推測解ベクトルを駆動するために最悪の場合のトランスデューサに必要な電力レベルを返す第2のモードも必要である。これは、各デバイスで波形が常にスムーズに再生されることを確実にするために、制限システムに通知するのに使用することができる。
各デバイスにおいて、基底関数の定義には、x、y、およびz成分(音響放射力ベクトルの作用方向を知るために必要なポインティングベクトル方向を定義する)を有して制御点に垂直なx、y、およびz方向における制御点の位置、中心時間および時間半径によって定義され得る時間ウインドウ関数、複素数値アポダイゼーション係数を含めることができるが、これらに限定されない。
シミュレーションクエリは、点の音響量、即ち、音響圧力、媒体の音響粒子速度(x、y、およびz速度方向で個別の値を生成する可能性がある)、および所定の方向ベクトルにおける粒子速度のうちの1つまたは複数の定量化の形で、デバイスに提示することができる。これらの量は複素数値である。
例えば、温度、湿度、および気圧などの局所的な条件に関するデータを収集するために、別のクエリを個々のハードウェアシステムに提示してもよい。次に、このデータは、どの周波数、波長、およびどの期間を使用するか(ならびに、各ハードウェアの場所で予想されるもの、およびどのハードウェアを使用するか)についての決定を行う前に、制御デバイスによって統合してもよい。
A.音響フェーズドアレイの問題の数学的背景
これを数学で記述すると、α)は、変換ベクトルχによってトランスデューサ要素qからオフセットされた位置で測定される複素数値のスカラ線形音響量αを記述するために使用することが可能であり、これは、それぞれのjについて選択された方向における音響圧力または音響粒子速度であると評価することができ、行列Aは、以下のように記述してもよい。
これは、行列Aが正方形ではなく、自由度が制約よりも大きいため、「最小ノルム」系と呼ばれる。無限に多くの解が存在するため、最も迅速な解は、最小のノルムを有する解xの最小の「量」を用いて正解を達成するものであるので、これは「最小ノルム」である。これを達成するために、いくつかの線形代数を使用して、最小ノルム系Ax=bから正方系を作成する。
このAAは、このときN列N行となっており、多くの場合、トランスデューサの数が非常に多いことを考慮すると、これは同等に大きい行列であって、いずれの解法でも、それを反転させなければならないので、これは効率的な方法ではない。よりアクセスしやすいアプローチは、同様の方法論を適用する前に、置換Az=xを作成することである。
今度は、C=AAが、単なるm列m行であるので、この結果は、処理する線形方程式のセットがはるかに小さくなる。ベクトルzは、Aを生成できる限り、いつでもxに変換することができる。
しかしながら、これで終わりではない。このアプローチは、記号的操作の偶然の設定ではなく、個々のトランスデューサ要素xの駆動を記述する複素数値ベクトルから、はるかに低い次元zへの変数の変更は、更なる意味を有する。zの各複素数値成分は、個々のトランスデューサ場の全てから焦点を生成する焦点関数を事前に乗算する複素数値駆動係数と見なすことができ、焦点は、個々の制御点のそれぞれと同じ位置にある。従って、m個の制御点については、m個のそのような集束関数が存在し、それらは、この空間内の点が、これらm個の「集束点」の可能な構成に対応する複素ベクトル空間
を定義するものと見なすことができる。
B.C行列の分割
最適な最小ノルム解がC行列の形成に使用されない可能性を考慮するため、これは、制御点インデックスを表すr、およびトランスデューサインデックスを表すqを用い、各トランスデューサおよび制御点についての追加の重み付けによって、σr,qと表すことが可能である。これは、Bz=xを代入することによって、トランスデューサ要素についての励起ベクトルとして使用される最終的なxベクトルを再重み付けするものと見なすことが可能であり、このとき、
であり、×は、成分ごとの乗算を示す。
および
のセットを定義すると、この調整されたC行列は、
と表すことができるが、各要素のドット積は、例えば、
のような合計として記述することができる。
トランスデューサ要素の互いに素なセットへのアクセスを有する複数のデバイスが存在する場合で、グローバルトランスデューサセットが、q∈{1, ... ,N,N+1, ... ,N, ... ,N=N}のように番号付けされ得るようなM個のデバイスが存在する場合、デバイス1は、トランスデューサ1,...,Nを駆動し、デバイス2は、トランスデューサN+1,...,Nを駆動し、デバイスM-1は、トランスデューサNM-1+1,...,Nを駆動し、行列C内の各ドット積は、
と記述することができる。これは、C行列自体が、トランスデューサ要素ごとに、
の形で記述することができることを意味し、
が得られる。
これは、個々のトランスデューサについてのC行列が、単一の集中位置(または、より良好なフォールトトレランスのために分散位置において繰り返される演算)において解かれるべきトランスデューサの分散システムのより完全な表現を連続的に構築するために、総和リダクション演算子を利用する再帰的または階層的プロセスによって一緒に収集され得ることを意味する。但し、行列Bは、生成されたzベクトルを取り、トランスデューサ励起を再構成する必要があるので、Bを行列の互いに素な集合として表現することも必要であり、この場合、所定のトランスデューサqについてのB行列は、
と記述することができる。従って、トランスデューサ要素qに対応する励起ベクトルの要素は、
と記述される。従って、xベクトルの各部分は、トランスデューサ要素を駆動するために必要なだけであって、ローカルに記憶することができるので、トランスデューサ励起を得るために個々のトランスデューサ要素またはそれらの重みに関する情報をグローバルに通信する必要はなく、システムの各サブセットのC行列のみを通信する必要がある。C行列は小さいので、待ち時間が注意深く管理されている限り、C行列を解いてzベクトルを生成するプラットフォームを柔軟に選択することが可能であり、これには、エッジコンピューティング、モバイルデバイス、リモートサーバなどを含めることができるが、これらに限定されない。
また、A行列の具体化は、既知の方向における音響媒体の音響圧力または粒子速度などの線形音響量を生成するように構成することもできる。これらは線形量であるので、A行列の互いに素な部分を適用し、計算された量のみを伝達することによって演算することができる。次に、システムについてのC行列を演算するために必要なものと同様の総和リダクションプロセスを介し、なんらかの所定の音響量は、任意の線形量αが
のように求めることができるように、xベクトルの部分の同期された適用から演算することが可能であり、このとき、
は、最終的なシミュレートされた線形音響量場に対する、トランスデューサqの寄与である。これは、制御デバイスが通信している可能性のある1つまたは複数のプラットフォームの能力および制約を正確に測定できるように、システムに制御および確実性の追加の層を与えるのに有用である。
III.空中超音波場におけるヌル領域
特定の点/線/面/体積を考慮して任意の音場を生成するために、様々な励起ソルバが存在する。これらの多くは、所望の圧力分布を指定する可能性を与える。ヌル点(所望の圧力がゼロまたは比較的小さい値を有する点)、ヌル線、ヌル面、またはヌル体積を敏感な位置に配置することにより、そこで感知される超音波の振幅を緩和することができる。
A.ヌル点、面、体積
一実施形態では、行列Aを構築するために、各トランスデューサの数学的モデルを使用することができる。この行列において、各列は、空間内の一意の位置に対応し、各行は、その位置におけるトランスデューサの複素音響出力である。数学的モデルは、実数単位、または各トランスデューサの出力に相関する単位とすることができる。この構成を用い、各トランスデューサの駆動位相および振幅についての解を求める問題を、式
に定義することができる。式中、xは、各トランスデューサの複素活性化を含む列ベクトルであり、bは、Aの列において定義された各物理的位置における所望の複素出力である。これは、bを得るxの可能な値が多数存在する不確定な線形系である。
この連立方程式に対する1つの解は、
によって明示的に与えられる解を用いて、Aで表されるAのムーア・ペンローズ逆行列によって与えられる。
これは、線形系に対する最小2乗解であり、超音波アレイに有用な多くの有益な特性を有し、活性化の総規模の最小化を含むことができる。このアプローチは、良好な効果を得るべく、空中ハプティックのための動的高圧点を生成するために適用されていた(Long et al. Siggraph 2014)。しかし、この方法論は、単に高圧領域を作り出すだけで、より柔軟であって、bにおける各エントリは、高圧または低圧の両方の任意の値とすることが可能であり、ムーア・ペンローズ逆行列は、その場を近似する解をもたらす。bのいくつかの値を実質的に小さい値に設定することによって、場に「ヌル」点を作成することができる。
本発明の一実施形態において、我々は超音波によって引き起こされる可能性のあるあらゆる影響を軽減するために、敏感な物品/動物/人の近くに配置されたヌル点を有するムーア・ペンローズ活性化解を使用する。
敏感なオブジェクトの周囲に複数のヌル点を配置すると、そのオブジェクトの圧力を更に下げることができる。1つの例示的な構成では、中心ヌルの周りに、円またはプラス(即ち、+)の形状で、複数のヌル点を配置することにより、この領域を拡大することができる。
図5A、図5B、および図5Cを参照すると、音場内に低圧領域を生成するためにヌル点ソルバを使用するシミュレーション500が示されている。図は、原点を中心とし、z軸に沿って配向した正方形の直線配置の256素子アレイからの40kHz超音波を使用する3つの超音波フェーズドアレイシミュレーションを示している。各トランスデューサの活性化の解を求めるために、実験的に測定されたトランスデューサ出力に一致する単純な振動ディスクモデルが使用される。活性化係数は、最適位相についてのべき乗法と、それに続くムーア・ペンローズ逆行列とによって解が求められる。このアルゴリズムは、別の所(ブライアン・キャッパス(Brian Kappus)およびベン・ロング(Ben Long)、超音波フェーズドアレイからの空中ハプティックフィードバックのための時空変調、ICSV25、広島、2018年7月8日~12日)で詳細に述べられている。
図5Aでは、ヌルを使用していない。x-z平面510A、x-y平面510B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール510Cが示されている。焦点は、[x、y,z]cm=[0,0,+20]に配置され、座標系の原点は、アレイの中心にあり、アレイは、正のz方向に配向される。
図5Bでは、x=-5「cm」、y=0「cm」、z=40「cm」に1つのヌルがある。x-z平面520A、x-y平面520B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール520Cが示されている。[-5,0,+40]で単一のヌルが生成され、この点において、圧力は、200Paから20Pa未満まで減少される。
図5Cでは、5つのヌルが、z=40「cm」面にあり、1つ目がx=5「cm」、y=0「cm」、z=40「cm」にあり、他の4つは、+x、-x、+y、および-yの方向に1「cm」だけオフセットされ、「プラス」モチーフを形成する。これによって、より大きな有効ヌル領域を実現する。x-z平面530A、x-y平面530B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール530Cが示されている。これは、より大きなヌル領域を達成するために複数のヌル点を使用することの効果を示している。この場合、ヌル点は、5つの点のクラスタであり、1つは所望のヌルを中心とし、他の4つは0.1cmだけ「プラス」オフセットを形成する。これにより、中心の圧力ヌルが低くなり、20Pa未満のヌル領域が大きくなる。これは、オブジェクトがより大きい場合、またはオブジェクトの位置に不確実性がある場合に使用することができる。
いずれの場合も、焦点([0,0,+20]にある)の振幅は、実質的に影響を受けない。この例では、ヌル領域において高感度マイクロフォンなどのデバイスを遮蔽しながら、空中ハプティックフィードバックのために焦点を使用可能とする。
より複雑な配置も可能である。図6を参照すると、[+5,0,+30]、[-5,0,+30]、[0,+5,+30]、[0,-5,+30]に4つの焦点のクラスタを有するシミュレーション600が示されている。これらは、ハプティックまたはパラメトリックオーディオ用に変調することができる。別のシミュレーション例は、より洗練された音場でヌル点ソルバを使用してヌルを達成する。この場合、場は、x,y,z(「cm」)=[+5,0,+30]、[-5,0,+30]、[0,+5,+30]、[0,-5,+30]に4つの高圧点を作成する。対象となる平面は、z=40「cm」である。
図6Aには、x-z平面610A、x-y平面610B(z=40「cm」で図示)、および任意単位の圧力スケール610Cが示されている。ヌルは使用していない。
図6Bには、x-z平面620A、x-y平面620B(z=40「cm」で図示)、および任意単位の圧力スケール620Cが示されている。1つのヌル点が[0,0,+40]にある。
図6Cには、x-z平面630A、x-y平面630B(z=40「cm」で図示)、および任意単位の圧力スケール630Cが示されている。これは、[0,0,+40]を中心として3「mm」の間隔を有した「プラス」配置の5つのヌルを有する。5つのヌルのクラスタは、より大きな低圧領域を作り出すことができる。前述のように、複数の点を加えることによって、高圧場に著しく影響を及ぼすことなく、ヌル領域のサイズが増大する。
上述のヌルの特定のセットは、単一の可能なソリューションを表す。他にも多くのソリューションが存在する。ターゲット位置の周りのいくつかのヌルポイントの間隔は、使用される音の波長に依存し得る。搬送波波長を変化させる能力を有したシステムでは、それに応じてヌル点を調整することができる。ヌルの可能な体積配列としては、直線、六角形、正多角形、および正多面体が含まれるが、これらに限定されない。
ヌル領域をターゲット位置の真上にクラスタ化することに加えて、別の構成では、ヌルがアレイとターゲットとの間に配置される。これにより、ヌル点の位置を超えて広がる「シャドウ」領域が作成される。別の構成では、ヌル点をターゲット位置の周りに配置することができる。どちらの方法も、アレイのレイアウトおよび配置に応じて、より少ないヌルを使用し、より大きい有効な低圧領域を得ることができる。
ターゲット位置の周りのクラスタ化およびターゲットのシャドウイングを含む可能なヌル配置が、図7A~図7Dに示されている。図7A~図7Dは、トランスデューサのアレイの周りの空間内に低圧(ヌル)領域を生成するためのヌル点配置の更なる例として、3Dグラフ1300を示している。
図7Aでは、グラフ1310Aが、トランスデューサの上方に焦点1310Cを有したトランスデューサのグループ配置を示している。また、所望のヌル領域1310Bの周りのヌル点1310Dの立方パッキングの例も示されている。
図7Bでは、グラフ1320Aが、トランスデューサの上方に焦点1320Cを有したトランスデューサのグループ配置を示している。また、所望のヌル領域1320Bの周りのヌル点1320Dの球面パッキングの例も示されている。
図7Cでは、グラフ1330Aが、トランスデューサの上方に焦点1330Cを有したトランスデューサのグループ配置を示している。また、所望のヌル領域1330Bの周りのヌル点1330Dの六角形パッキングの一例も示されている。
図7Dでは、グラフ1340Aが、トランスデューサの上方に焦点1340Cを有したトランスデューサのグループ配置を示している。アレイと所望のヌル領域1340Bとの間のヌル点1340Dの直線的パック面も示されている。
より複雑な形状を有した別のヌル配置も可能である。可能な方法の例としては、ヌル点(数が経時的に変化し得る)の予め定義された均一な分布を有する球体をパッキングすること、葉序螺旋、またはそれ以外で非論理的な角度増分により生成される螺旋を使用し、スケーリングファクタに応じて中心の周りに均一または不均一な密度とし得る球体表面パッキングを生成すること、充填すべき所望の体積(予め定義され得るか、または追跡システムまたはメッシュ化された点群データから入力を取得し得る)のメッシュを生成すること、および荷電粒子状の反発機構を使用し、これらのメッシュまたはその他の体積形状のパッキングを生成することであって、これは静的であるか、もしくは動的であってもよく、また、このとき、不均一な密度を可能にするためにヌル点の空間位置の関数として更にパラメータ化し得る各ヌル点の「電荷」を変化させることによって、パッキング密度を不均一にすることができることが挙げられるが、これらに限定されない。追跡システムから取得したメッシュデータは、動的であってもよく、いずれの場合も、ヌル点の数は、時間の経過と共に動的に変化させてもよい。
いくつかのヌル点が音場に導入される場合、それらの物理的分離およびそれらの数は、必要とされる「静穏領域」の寸法に応じて変更することができる。「パッキング構成」は、所定の体積内の平均音圧を抑制するためにヌルを使用することの有効性に影響を及ぼす。この有効性を推定するメトリックを定義することができる。例示的なメトリックは、音圧閾値未満の所定の体積のパーセンテージである。図8は、ムーア・ペンローズ(Moore-Penrose)の逆行列を用いた256素子超音波アレイのシミュレーションにより、この効果を示しており、z=15cmの高圧点と、[x,y,z]=[30,0,30]のターゲットの周りにクラスタ化されたヌルのセットとを生成している。これは、ヌルの数、それらの物理的間隔、およびそれらの空間的配置形状が、事前定義されたメトリックに影響を及ぼすことを示している。実際、間隔および数の両方を任意に増加させると、所望の低圧を有した体積に悪影響を及ぼす可能性があり、ヌル点位置の適切な配置を試験して選択するために注意を払う必要がある。この例では、評価体積として、6λ体積を使用しているが、評価体積および/または形状は、アプリケーションに固有である。
図8Aおよび図8Bを参照すると、一連のグラフ1400が示されている。メトリックは、6λ体積(x=-30「cm」、y=0「cm」、z=+30「cm」を中心とする)のパーセンテージで作成され、圧力は6.3「Pa」を超え、ヌルの数およびそれらの空間的分離を変化させた。1125「Pa」の圧力で、x=0「cm」、y=0「cm」、z=+15「cm」に、単一の焦点が生成された。
図8Aは、静穏領域効率(即ち、圧力閾値未満の体積のパーセンテージ)間の関係を示す直線的な3D空間配置を有したプロット1430を示している。x軸1410は、ヌル点分離/λである。y軸1420は、ヌル数である。キー1435は、圧力閾値未満の体積のパーセンテージである。3D空間配置についての静穏領域効率(即ち、圧力閾値未満の体積のパーセンテージ)の関係が示されている。
図8Bは、静穏領域効率(即ち、圧力閾値未満の体積のパーセンテージ)の関係を示す六角形3D空間配置を有したプロット1460を示している。x軸1440は、ヌル点分離/λである。y軸1450は、ヌル数である。キー1470は、圧力閾値未満の体積のパーセンテージである。
ヌル圧力点の使用についての重要な考慮事項は、一般的な音場、具体的には空中ハプティックなどの用途に使用される制御点に対するそれらの効果である。集束超音波の重要なパラメータは、焦点圧力である。図9は、焦点圧力の損失なしに、有効な静穏領域を生成可能であることを示すグラフ1500である。x軸1510は、ヌル点分離/λである。y軸1520は、ヌル数である。キー1535はdbである。プロット1530は、1125「Pa」の要求圧力で、x=0「cm」、y=0「cm」、z=+15「cm」に生成された単一焦点の圧力を示す。図中の各点は、ヌル点数およびヌル点分離の特定の組み合わせを表している。
低圧容積の場合と同様に、いくつかの構成は、焦点圧力に影響を及ぼすことによって性能を低下させる可能性があり、この場合も、最大限の性能を得るためには、シミュレーションおよび/または慎重な選択を実行する必要がある。ヌル点の数が、一般的にトランスデューサの数よりも少ない場合、所望の焦点圧力は、ヌル点を含むことによって影響を受けない。比較的多数のヌル点が使用されると、所望の焦点圧力が低下する可能性がある。
別の構成では、特定のセットアップの実験的測定を使用して、ヌル性能を改善することができる。少なくとも1つのマイクロフォンをターゲットヌル位置に配置し、これを使用してヌル配置の性能を評価することができる。ヌル点の配置および所望の圧力を調整することが可能であり、マイクロフォンの測定値を性能メトリックとして使用することができる。最小降下の勾配を含む任意の数の探索アルゴリズムを使用し、実験的に最適な解に近づくことができる。更に、少なくとも1つのマイクロフォンを、様々な高圧焦点または領域に配置して、焦点性能に対するヌル配置の影響を同時に評価することができる。
本発明の1つの用途では、ヌルを使用し、高感度マイクロフォンを、過度の超音波圧力から遮蔽することができる。本発明の別の構成では、高感度マイクロフォンのうちの少なくとも1つが、その信号または受信した超音波の量に関連する何らかのメトリックを、超音波アレイ、または当該アレイを制御するデバイスに送り返すことができる。このようにして、この信号をフィードバックとして使用し、高感度マイクロフォンにおける超音波圧力の最適な低減のために、ヌル配置を動的に調整することができる。
特定のターゲットの適切な場所にヌルを配置することが重要である。人の頭部やハンドヘルドデバイスなど、ターゲットが動いている場合、そのターゲットを追跡することが重要である。追跡データに従ってヌル点の位置を調整することにより、必要とされる最小限の数のヌル点でヌル領域の有効性を維持することができる。一構成では、ターゲット位置を、ヌル位置ベクトルの行列に追加することが可能であり、その結果、ターゲットに追従するヌル配置が得られる。シャドウ配置の場合、追跡されるターゲット位置は、一連のヌル点位置を構築するために、距離および法線の両方とすることができる。別の構成では、追跡されるターゲットが、一部のヌルを移動させることができるが、残りのものを移動させることができず、残るいくつかのヌル領域が、新しいターゲットを生じさせることが予想される。必要に応じ、ヌル点、面、または体積を、動的に追加、削除、および移動することが可能な、複数の追跡ターゲットを存在させることができる。
追跡されるオブジェクトは、ヌル領域を追加するために敏感であると識別される必要はない。一構成では、(ハプティックのための)手として識別されないような、ある閾値、例えば、毎秒1cmよりも速い速度で移動しているような、場における任意のオブジェクトが、ヌル領域のためのターゲットとして識別される。これにより、手の識別、および移動追跡に対する追跡要件が軽減され、頭部および/またはマイクロフォンなどの特定の敏感なターゲットの識別よりもはるかに単純となる。オブジェクトが、移動によってターゲットとして区分されれば、移動を停止しても追跡することが可能となる。別の構成では、移動によって識別されたターゲットオブジェクトが、事前に指定された量の相互作用から離れるまで、ターゲットと見なされ続ける。
本発明の別の構成では、ヌルを含まない所望の高強度焦点によって生成される場を最初にシミュレートすることにより、ヌルの配置を生成することができる。低圧が望まれる焦点から離れ、シミュレートされた情報を使用して、ヌルの理想的な配置を生成することができる。一例として、ターゲット低圧領域内のフリンジ場の最高圧ピークに、優先的にヌルを配置することができる。別の構成では、シミュレートされたヌルのない場を、ヌル点の正確な配置を調整するための重み付け関数として使用することができる。
場のシミュレーションを使用して、ヌル点の配置を調整することもできる。例えば、十分な演算能力が利用可能であれば、フェーズドアレイの更新サイクルごとに、有効性についてヌルの異なる配置を評価することが可能であり、最も有効なものみを、放射のためのアレイ制御に渡すことができる。例えば、所定の場について、場が評価されるメトリック点のセットを定義することができる。これらは、所望のヌル点、所望の高圧点、または場におけるその他のいずれか重要な点/線/面/体積に配置することができる。場の演算の各サイクルにおいて、高圧焦点およびヌルの両方についての初期位置が選択され(これは前のサイクルに基づくか、または全く新しいものとすることができる)、次に、場が、メトリック点において評価され、品質メトリックに関連付けられる。このメトリックは、単純に、所望の圧力、2乗圧力、または非線形圧力もしくは粒子速度など、より高度なものからの、シミュレートされた圧力の絶対差とすることができる。次に、ヌル点および高圧点が調整され、場、および結果として得られる品質メトリックが再度評価される。ヌル点位置のこのような調整を演算する1つの方法は、空間軸に沿ったヌルの空間的配置の変化に関する品質メトリックの偏導関数を演算することによって達成することができる。このような調整によって、許容可能なメトリックが達成されるか、または最大数の評価が行われると、最善の解を生成するように引き渡される。位置の調整は、静的(設定された数の可能性)または適応的とすることが可能であり、場が経時的に変化するにつれて、ヌル点の位置が更新される。音場は、空間周波数において帯域制限されるので、全ての偏導関数は、サブ波長スケールで動作する有限差分スキームによって演算することができる。これは、適応的方法が、例えば、各点について各方向の小さな調整を試し、次に、最も急な降下の勾配に沿って進めることができることを意味する。
本発明の別の構成では、点の代わりにヌル面または体積を考慮することができる。このセットアップでは、ヌル面または体積が選択された後、トランスデューサ活性化係数に対するその影響を推定し、適用することができる。1つの構成では、場が、ヌル面または体積なしでシミュレートされる。次に、面における圧力または体積内の圧力は、位相反転されていると見なされる。次に、この反転された圧力体積または面が、ソースとしてシミュレートされ、その結果得られる圧力が、アレイに戻るように伝えられる。このシミュレーションは、従来の離散的または連続的な方法を用いて達成することができる。これにより、各トランスデューサ位置における音響圧力および位相のセットが得られる。このとき、これらの値は、元のトランスデューサ活性化係数の部分的または完全な摂動として使用することができる。この摂動の適用は、直接和、部分和、加重和、またはその他の何らかの解法によって行うことができる。
上記のシミュレーションは、領域が、反射のない無限体積内にあるとみなしている。これは、多くの場合、大きな開放空間において良好な近似となるが、より密閉された空間においては、超音波の反射が、所望のヌル領域における圧力に対して大きく寄与する。アレイの周辺の領域が、3D走査などによって注意深く測定される場合、この情報を使用して、領域のシミュレーションを通知することができる。音響シミュレーションに反射が含まれる場合、これを使用して、トランスデューサごとの基底関数(トランスデューサモデルとも呼ばれる)、または反復トランスデューサ基底関数を修正することができる。トランスデューサモデルに含まれる場合、行列Aのムーア・ペンローズ逆行列は、反射を補償することができる。別の構成では、基底関数を修正しないままとすることが可能であり、代わりに、反射を含む出力シミュレーションに基づいて、ヌル点の位置および/または振幅を調整することができる。ステレオカメラからの3D点群または飛行時間センサなどの追跡情報を含めることにより、相互作用体積の現在の状態を動的に更新することで、反射のシミュレーションを更に改善することができる。
別の構成では、純粋に反射をシミュレートする代わりに、実験データを取得して、所定のアレイ配置の環境を特徴付けることが可能であり、このデータは、トランスデューサモデルまたは場のシミュレーションに含まれる。これは、空の相互作用体積の測定、またはアレイの前に立って手を伸ばしている人などの意図された使用事例シナリオを含む多くの測定である場合がある。一構成では、相互作用の体積がマイクロフォンによって走査され、トランスデューサモデルが、ある相互作用距離まで、このデータに適合される。この測定は反射を含むので、モデルは、より正確にヌルを再現する。
ヌルの配置、振幅、および位相は、モデリングに含まれる因子の数に応じて演算が困難となり得る。特に、相互作用体積の周りを移動する人々からの動的に変化する反射を含めることは困難である。機械学習は、これらのタイプの問題に特に適しており、演算の複雑さを低減するために使用することができる。1つの構成では、フィードバックとしてマイクロフォンを使用し、教師あり学習のシナリオを構築することができる。ヌルのターゲット位置および非ゼロ圧力位置を含む任意の数を、環境に配置することができる。加えて、限定はしないが、環境の動的点群を含め、環境に関する情報を、入力として使用することができる。次に、ヌル点位置、ならびにターゲットの位相および振幅を出力するように、ニューラルネットがセットアップされる。このセットアップのトレーニングには、様々な環境条件での、様々なゼロおよび非ゼロ点配置および駆動条件についてのマイクロフォン出力の捕捉が含まれる。これは、実際のマイクロフォンおよび点群データ、または純粋にシミュレートされたデータとすることができることに留意されたい。このトレーニングされた機械学習システムは、完全な音響シミュレーションよりもはるかに少ない計算能力で、最善の推測ヌル点配置を動的に出力することができる。
図10A、図10B、および図10Cを参照すると、スペクトログラム1600が示されている。各スペクトログラムについて、x軸は時間、y軸は周波数であって、色が濃いほど、図10Aは、超音波が存在しないMEMSマイクロフォンで記録された人間の音声1610の信号を、より多く示す。図10Bは、高強度超音波で記録された人間の音声1620を示しており、マイクロフォンが過負荷で、話された音声を拾うことができないことを明らかにしている。図10Cは、球状にパックされたヌル圧力点によって囲まれたハプティック焦点付近で、高強度超音波を用いて記録された人間の音声1630を示している。従って、ヌル点がマイクロフォンの圧力を低下させないと、図10Bに記録された音声を理解することができない。図10Aと同一ではないが、図10Cの音声は理解可能である。
B.ヘリシティ
音響学の関係におけるヘリシティは、角運動量を搬送する進行波である。
各トランスデューサの角度位置に関連する位相シフトを加えることによって、音場にヘリシティを与えることができる。
式中、Xは、所定のトランスデューサについて、所望の場を形成するための元の活性化係数、φは、任意の開始軸に対するアレイ上のトランスデューサの角度(ラジアン単位)、mは、ヘリシティであって、mは、正味の角運動量を与えるだけでなく、以前に焦点を有した任意の領域においてヌルを生成することもできる。この領域の大きさは、ヘリシティの値に関連している。ヘリシティの整数値は、多くの場合、任意の場で、より良好に作用するが、分数のmとすることも可能である。ヌル点と同様に、場のシミュレーションを用いて、ヘリシティの値を動的に調整することができる。
この技術は、主に、パラメトリックオーディオのような、厳密に回避する必要のある敏感な物体に音響圧力が向けられる用途において有益である。ビームまたは点の中心は、敏感なターゲットに直接配置することが可能であり、ヘリシティを追加することによって、ターゲットは、低減された量の超音波を受け取る。
図11~図14は、ヘリシティを用いて40kHzで動作する256素子の超音波アレイのシミュレーション例を示している。図11A、図11B、図11C、図11D、図12A、および図12Bでは、ヘリシティが、ビームまたは平面波に適用される。ヘリシティによって生成される超音波場の穴は、ビームの操作に従う。図13および図14では、ヘリシティが、集束場に適用される。ビームソリューションと同様に、ヘリシティによって形成されるヌル領域は、操作されるときに焦点に追従する。どちらの場合も、ヌル領域は明確に定義され、mの増加に伴って拡大され、敏感なターゲット上に配置することができる。
図11A、図11B、図11C、および図11Dを参照すると、ヘリシティを使用し、平面波の中心にヌル領域を生成するシミュレーション700が示されている。
図11Aは、x-z平面710A、x-y平面710B(z=40「cm」で図示)、および任意単位の圧力スケール710Cを示している。これは、40「kHz」トランスデューサの16「cm」エッジアレイからの基本平面から形成される。
図11Bは、x-z平面720A、x-y平面720B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール720Cを示している。これは、m=1のヘリシティを加えることによって形成される。
図11Cは、x-z平面730A、x-y平面730B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール730Cを示している。これは、m=2のヘリシティを加えることによって形成される。
図11Dは、x-z平面740A、x-y平面740B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール740Cを示している。これは、m=3のヘリシティを加えることによって形成される。
図12Aおよび図12Bを参照すると、ヘリシティを使用し、平面波の中心にヌル領域を生成するシミュレーション800が示されている。これは、40「kHz」トランスデューサの16「cm」エッジアレイからの基本平面から形成される。
図12Aは、x-z平面810A、x-y平面810B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール810Cを示している。操作されるビームにはヘリシティが付加されない。
図12Bは、x-z平面820A、x-y平面820B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール820Cを示している。これは、40「kHz」トランスデューサの16「cm」エッジアレイからの基本平面から形成される。ここでは、ヘリシティが付加される(m=2)。
図13Aおよび図13Bを参照すると、ヘリシティを付加し、操作焦点にヌル領域を開くシミュレーション900が示されている。
図13Aは、x-z平面910A、x-y平面910B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール910Cを示している。ここでは、x=+5「cm」、y=0「cm」、z=+40「cm」に単一の焦点がある。
図13Bは、x-z平面920A、x-y平面920B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール920Cを示している。ここでは、ヘリシティを付加して、焦点の中心にヌルを生成する(m=2)。
図14Aおよび図14Bを参照すると、ヘリシティを付加し、ベッセルビームにヌル領域を開くシミュレーション1000が示されている。
図14Aは、x-z平面1010A、x-y平面1010B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール1010Cを示している。ここでは、操作されるベッセルビームがある。
図14Bは、x-z平面1020A、x-y平面1020B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール1020Cを示している。ここでは、ヘリシティが付加されて、ビームの中心にヌルが開かれている(m=2)。
C.アレイ分割とヌル面
ヌル領域を生成する別の方法は、アレイを2つ以上の同様の領域に分割し、一方の場の位相を他方に対して反転させることである。場がほぼ類似している場合、これは、場の中央を通って突出するヌル線を形成する。これは、ヌル領域が、一方の次元では高い精度を有するが、他方の次元では精度が高くないときに使用することができる。分割は真ん中である必要はないが、各領域から生成される音響圧力は一致する必要がある。これは、より多くのトランスデューサを有する領域ほど、補償のために、その振幅を低減させる必要があることを意味する。2つのビームのそれぞれをわずかに離して角度を付けることにより、ヌル線の幅を増加させることができる。
図15および図16は、40kHzで動作し、配列分割を使用してヌル面を作成する、256素子超音波アレイの例示的なシミュレーションを示している。どちらの場合も、ヌル面が明確に定義されており、必要に応じて敏感なターゲットに向けることができる。
図15を参照すると、x-z平面1110A、x-y平面1110B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール1110Cを有したシミュレーション1100が示されている。アレイを半分に分割し、それぞれの位相をずらして駆動すると、y軸に沿ってヌル線が開く。
図16を参照すると、x-z平面1210A、x-y平面1210B(z=40cmで図示)、および任意単位の圧力スケール1210Cを有したシミュレーション1200が示されている。分割アレイの各半分の場を、原点から3度離れるように角度付けして、ヌル領域を広げることが示されている。
D.ヌル部分空間
劣決定線形系
を考え、このとき、
は0個または∞個の解を有することになる。これは、前述の解法と同じ出発点である。
LSQ、最小2乗解は、
と表すことが可能であり、このとき、ν∈ker(A)であり、
は、Aのヌル空間である。
前のセクションと同様に、位置x'、y'、およびz'に、j個のヌル点のセットを選択することから始め、
と表す。
次に、複素数値線形系A=bを構築することが可能であり、このとき、
および
とすると、
であって、上述のように、Ψは、アレイ中の各要素の基底関数またはトランスデューサモデルである。
ベクトルxは、行列Aのヌル空間にある。
ここで、制御点位置における所望の振幅とヌル点位置における所望の振幅とを生成する複素活性化係数を見出すという問題を、擬似線形プログラムとして定式化することができる。
このとき、
は、制約
に従う。
この制約は、解くべき新たな劣決定線形系を特定する。
再度、ムーア・ペンローズ逆行列に頼り、最小ノルム解を次のように求める。
ベクトルvは、元の解ベクトルAbを、Aのヌル空間、ker(A)にシフトするのに必要な最小摂動と考えることができる。この摂動により、ヌル点条件
が、元の解ベクトルAbの最小の変化で満たされることが確実となる。
今や、完全解を、
と表すことができ、これは、
と表すことも可能であって、式中、上付き文字Hは、エルミート共役を表す。
この方法の利点は、ヌルの固定配置の場合には、
が変化せず、事前に演算することができることである。Abは、変化して、ハプティック点およびパラメトリックオーディオビームを含む任意の場を生成することが可能であり、上記の式を使用してヌルを追加し、放射前に活性化係数を変更することができる。特に、多くのヌルの配置は、従来の解法が演算上困難な可能性がある系に追加することができる。これにより、低遅延応答に必要な時間内に必要な行列反転を実行できないローエンドハードウェアへの組み込みが可能となる。
この方法により新しい解(x)が生成されると、一部のエントリは、デバイスによって可能な最大駆動よりも大きくなるなど、実現不可能な駆動値をもたらす可能性がある。1つのソリューションは、全ての値を同じ量だけ増減し、各位相値を保存することである。これにより、場が同じ量だけ拡縮され、ゼロ以外の値(増減された値)およびヌルの両方が保持される。もう1つの選択肢は、大きい値を最大駆動にクリップし、残部をそのままにすることである。これは、非ゼロ点およびヌルの両方に影響を与える可能性があり、ヌル適用の利点を維持するように注意する必要がある。
実際には、単一の
行列に限定されない。実際、多くの異なるヌル配列(およびそれらに関連する
行列)をデバイスに記憶し、適切なときに適用することができる。活性化係数の急激な変化によって引き起こされる可聴アーチファクトを回避するために、行列を切り換えるときには注意を払わなければならない。1つの構成では、各行列値を、それぞれの間で線形補間することにより、2つを、その間で遷移させることができる。別の構成では、出力がゼロ付近まで低減され、ヌル空間アレイが切り換えられた後、出力を増加させて正常に戻す。別の構成では、アレイが切り換えられた後に、各トランスデューサ係数がローパスフィルタ処理されて、オーディオを生成する可能性が高い高周波数成分が除去される。次に、このフィルタリングは、ある時間の後に、オフに切り換えられるか、または緩やかに取り除かれる。
ここまでの説明では、ヌル空間配列の事前演算に焦点を当てているが、ホストまたはデバイスで新たなヌル空間配列を演算できない理由はない。ヌル空間点の数に応じ、これは、1つの音響サイクルと比較してかなりの時間を要する可能性がある。演算は、全てを一度に行う必要はなく、使用されていないプロセッサを利用し、演算が進むにつれて結果をメモリに記憶することができる。終了すると、前述の方法を使用して、ヌル空間配列を導入することができる。
別の構成では、ムーア・ペンローズ逆行列を取得する前に、基底関数Ψにヌル空間補正を適用することが有益となり得る。このようにして、点が空間内で変換されるときに、活性化係数へのスムーズな遷移を行うことができるため、パラメトリックオーディオなどの潜在的な音響アーチファクトを最小限に抑えることができる。
E.反復ヌル空間ソリューション
ヌル空間ソリューションは、ヌル点の静的配置を系に追加可能にする。但し、いくつかの追加の演算により、上述の方法を、反復更新手順として再定式化し、ヌル点を追加可能にすることができる。前のセクションの推論に従い、単一のヌル点
を指定することから開始し、対応する更新を構築する。
階数1の行列のムーア・ペンローズ逆行列は、
と表すことができる。
複素活性化係数の式、
は、このとき、
の形で表すことができる。
そして、
となり、上記式を因数分解すると、
が得られ、式中、Iは、Abと一致する次元の単位行列である。
この手順は、追加のヌル点について繰り返すことができるので、ヌル点を場に追加するための反復更新スキームを提供する。
F.更なる開示
マイクロフォン/耳を遮蔽するためにヌルを使用することは、新規である。
ヌル改善法の多くは、反射のシミュレーションおよび測定を含み、新規である。
特にヘリシティを用いて低圧領域を生成し、マイク/耳を遮蔽することは、新規である。
アレイを分割し、位相をずらして各セクションを駆動し、その間にヌル領域を生成することは、新規である。
多数のヌル配列は、新規である(様々なパッキング配列)。
ヌルシャドウ(アレイと領域との間にヌルを配置することによって領域を遮蔽する)は、新規である。
ヌル部分空間解法は、新規である。
IV.トランスデューサゲイン制御を介して適用されるフェーズドアレイ基底関数の予歪
A.縮小表現-焦点ごとの基底関数の使用
従来、線形系は、複素数値のトランスデューサ生成場と、それらの駆動係数との線形結合の観点から記述される。これにより行列が生成され、m個の制御点およびN個のトランスデューサの場合、行列AはN列m行であり、各制御点j∈{1, ... ,m}の位置において各トランスデューサq∈{1, ... ,N}によって生成された複素数値信号からなる。以前の研究(1-US)では、この行列Aに正則化を加えることによって電力効率を増加させたが、正則化によって行列のサイズが増加することから、系を解くための演算要件が大幅に増加する。
α)を使用し、変換ベクトルχによってトランスデューサ要素qからオフセットされた位置で測定された複素数値のスカラ線形音響量αを記述すると、選択された方向における音響圧力または音響粒子速度であると評価することが可能であり、行列Aを、
と記述することができる。
これは、音響的にアクティブなトランスデューサ要素の数よりも少ない数の制御点について、複素数値線形系に配置することが可能であり、サンプルベクトルb={αC1), ... ,αCm)}は、所望の総線形スカラ複素数値音響量を表し、振幅は、音響量の所望の振幅であり、位相は、位相オラクル(ユーザが影響を受けた可能性があるもの)から取得されたものである。Ax=bとして記述されるこのような線形系では、xベクトルが、各トランスデューサ要素の初期フィールド係数であり、実際のトランスデューサ要素を駆動するために使用可能であって、結果として、所望の音場の再現が得られる。次に、これをループで解いて、経時的に変化する系を提供することができる。
これは、行列Aが正方形ではなく、自由度数が制約よりも大きいため、「最小ノルム」系と呼ばれる。無限に多くの解が存在するため、最も迅速な解は、最小のノルムを有する解xの最小の「量」を用いて正しい解を達成するものであるので、これは「最小ノルム」である。これを達成するために、いくつかの線形代数を使用して、最小ノルム系Ax=bから正方形の系を作成する。
このAAは、N列N行であり、多くの場合にトランスデューサの数が非常に多いことを考慮すると、これは同等に大きい行列であり、どの解法も、それを反転させなければならないので、これは効率的な方法ではない。より利用しやすいアプローチは、同様の方法論を適用する前に、置換Az=xを作成することである。
今度は、C=AAが、単なるm列m行となるので、この結果は、処理すべき線形方程式のはるかに小さいセットとなる。ベクトルzは、Aを生成可能である限り、いつでもxに変換することができる。
但し、これで終わりではない。このアプローチは、単なる偶然の記号操作のセットではなく、個々のトランスデューサ要素xの駆動を記述する複素数値ベクトルから、はるかに低い次元のzへの変数の変更は、更なる意味を有する。zの各複素数値成分は、個々のトランスデューサ場の全てから焦点を生成する焦点関数を事前に乗算する複素数値駆動係数と見なすことが可能であり、焦点は、個々の制御点のそれぞれと同じ位置に配置される。従って、m個の制御点については、そのような集束関数がm個存在し、それらは、この空間内の点がこれらm個の「集束点」の可能な構成に対応している複素ベクトル空間
を定義するものと見なすことができる。
B.ダイナミックレンジング-波形が再現可能であることを確保するメカニズム
ハードウェアを使用して可能とはならない任意の制御点で、ユーザが波形を生成しようとしないようにするためには、音響出力のレベルを制限することが重要である。これは、brangeと呼ばれる第2のbベクトルを使用することによって達成される。このベクトルbrangeの成分は、ユーザが任意の時点で求めることができる最大のものとして定義される。その結果として得られる解zrangeは、ハードウェアに最も負担がかかるソリューションである。zrangeは、複素ベクトル空間
における点であり、これは、トランスデューサからの音響出力に線形に関連しているので、これは、最も極端な外れ値であるはずである。これは、Aによる事前乗算によって評価され、xrangeを生成する。このxrangeは、最悪の場合のパフォーマンスを、デバイスの実際の能力に関連付ける方法を示すので、xrangeにおける全てのトランスデューサからの最大振幅駆動は、これらが線形であるため、各ポイントの最大出力割り当てを分割するために使用される。次に、位相オラクル(使用すべき位相の最善のセットを予測するアルゴリズム)をbrangeに適用して、最悪の場合の位相相互作用が確実に捕捉される。これにより、未定義の動作を引き起こす可能性のある非現実的な出力をデバイスが生成するよう要求されることがなくなる。
図17に示すのは、説明したアルゴリズムの段階の図1800である。図a)1810は、トランスデューサアレイおよび制御点位置のセットを示す。図b)は、各トランスデューサ駆動からなる3つの焦点基底関数1820,1830,1840を決定することを示し、ここでは、各点に対する各トランスデューサの有用性によって重み付けがなされる。図c)1850は、1)点同士の相互作用を考慮せずに(対角線のみのC行列を使用して)解くことにより、トランスデューサ活性化において、フェーザがどのようにキャンセルするか、および各駆動のおおよその振幅についての推定が得られることを示す。これらの振幅のいくつかは、可能な最大値(点線)よりも大きく、これは、アレイ全体の解を小さくする必要があることを意味する。2)対数空間における折り畳みレベル(破線)を考慮すると、トランスデューサごとのスケーリング係数を見出すために、対数振幅を折り畳みレベルで折り畳むことができる。図d)1860は、トランスデューサにスケーリング係数を適用することを示しており、全てのトランスデューサは、このとき、1)実空間および2)対数空間において見ることができる折り畳みレベル以下にあるが、点が相互作用しないと仮定しても、場は、もはや正確に生成されない。図e)は、この解が、各トランスデューサ駆動で構成される焦点基底関数に再度分解されることを示しているが、このとき、個々のトランスデューサエントリは、先に見出されたスケーリング1870、1880、1890によって拡縮される。図f)1895は、これらの新たな焦点基底関数が、余分な相互作用を考慮して、完全な解で現在使用されていることを示している。トランスデューサごとの駆動の最大振幅が低減され、可能な最大トランスデューサ駆動振幅(点線)を超えることが必要なくなり、再スケーリングされたトランスデューサ振幅バーのグループの相対的な大きさは、以前の縮小を補償するように駆動の絶対量が変化しているが、ほとんど同じままであることに留意されたい。トランスデューサからの各制御点への寄与の割合(円内の塗りつぶされた扇形部分)は、他の解から著しく変化している。
C.エルミート対称性の破れ
AAのエルミート対称性により、各基底関数に対する成分トランスデューサの寄与は、それらがどれだけ有用に寄与し得るかによって重み付けされる。これは、電力を節約し、トランスデューサが効果的かつ効率的である場合のみ当該トランスデューサが使用されるのを確実にする上で有用であるが、この対称性により、グレーティングローブエイリアシングアーチファクトに対処するために、フェーズドアレイの単純な幾何学的形状に依存しないアポダイゼーションが生成される状況において、所定のハードウェアシステムから、より多くの出力が必要とされる場合、これは役に立たない。
AAの対称性は、乗算によって生成された「有用性」の重み付けを取り消すことによって破ることができる。これは、音波の順方向伝搬演算子を、音波の逆方向伝搬演算子から分離するものと見なすことができ、行列AAは、2つの演算子を強制的に同じように振る舞わせ、行列の対称性を破るだけで、これを防ぐ。幸いなことに、対称性は、A(空間内を進行する波の物理的挙動を記述する-順方向伝搬演算子)と、A(基底関数の定義を、Az=xと記述する-逆方向伝搬演算子)とを異ならせることによって破ることができる。但し、この差は混乱を招き、管理するのが困難な場合があり、対称性を破ることで、前述の利点の全てが、すぐになくなる可能性がある。
本明細書に記載する方法は、対称性を破る必要がなく、エルミート対称行列および対称的にスケーリングされていない行列の両方に対し、等しく効果的に機能する。
D.ランダムフェーザの統計的分布-トランスデューサ駆動に対する影響
各基底関数におけるアポダイゼーションおよびトランスデューサごとの適切な使用法の生成の問題を除いて、ランダム位相総和の基本的な統計的挙動-各トランスデューサへの逆伝搬のフェーザ寄与から、どのように任意の数の制御点が構築されるかをモデル化するために必要-は、一貫した出力および効率的なトランスデューサの使用を生成する能力に反するように作用する。
次に、brangeを使用して制限シナリオを生成するプロセスは、一連のランダムフェーザまたは複素数の合計として極値トランスデューサ駆動係数を生成するために、大まかにモデル化することができる。合計が、使用される出力の100%を超える場合、これは、トランスデューサアレイ全体の駆動を縮小しなければならない量である。従って、ランダムフェーザ総和分布の任意の極値サンプルと、制限シナリオにおけるトランスデューサ駆動効率との間には、近似的であれば、明確な同形関係が存在する。
トランスデューサ駆動係数または活性化係数の合計のモデル化は、
となり、このとき、α~N(0,σ)およびb~N(0,σ)(平均値がゼロの正規分布ランダム変数)、ならびにr=|x|≧0である。その場合、確率密度関数は、正確に、
であり、累積密度関数は、正確に、
であるので、和がr以上の振幅を有する確率は、
となるはずである。単位分散σ=1と仮定し、百分順位を求めることにより、図18に示すように、等確率の「トランスデューサ駆動振幅」をプロットすることができる。
図18には、「振幅の大きさの平均および百分順位」と題されたグラフ1700が示されている。x軸1710は、合計されたフェーザの数(m)1710である。y軸1720は、最終的なフェーザ和(r)の大きさである。平均は、長破線1760である。中央値第50百分順位は、点線1750である。中央値第90百分順位は、実線1730である。中央値第99百分順位は、短破線1740である。これらの線は、正規分布成分を有するm個の複素数の和の振幅分布である。
トランスデューサアレイは、個々の総和を表す数百の個々のトランスデューサを有することが多い。これは、それぞれのトランスデューサが、分布からの抽出を表しているので、平均と比較して、はるかに大きな振幅(大きなmの場合は、何倍も大きい振幅となることが多い)で駆動されるトランスデューサ要素がわずかに存在する可能性が高い。これらの外れ値要素に対応するために、アレイ全体の振幅を縮小しなければならない場合、この小さなサブセットによって、全体的な効率が大幅に低下する。従って、少なくともこれらのトランスデューサは、振幅分布を「調整」するために、予歪をターゲットとすることが重要である。
E.2つの線形系の解法
2ステップ近似法は、先ず、前述のように系を解くことによって進めることができる。
次に、「折り畳み」fが指定される。対数を使用して効率的に処理を適用することができることから、これを、対数空間における対称点と見なすことができるので、これは「折り畳み」と呼ばれる。これは、歪みが適用される最小値である。そして、対角行列は、
のように定義され、このとき、対角要素の各々は
のように定義することが可能であり、式中、x'range,qは、q番目のトランスデューサに対応するベクトルx'rangeの要素である。このベクトルには、トランスデューサごとのゲインや歪みが適用されない。
予歪基底関数についての第2の系は、
および
のように適用することが可能であり、このとき、トランスデューサごとの利得行列Bは、利得制御なしで解くときに生成された過度に大きいトランスデューサ振幅に対応、即ち「緩和」するために歪みを適用する。新たなxrangeベクトルを検査すると、ピークトランスデューサ振幅は、前述の統計的議論から示されるように、このステップなしで見られるものから大幅に低減される。
なお、個々の点をスキップし(即ち、この方法を、全ての焦点基底関数に適用しない)、異なる利得係数または「折り畳み」値を異なる基底関数に適用することが可能であることにも留意されたい。
F.折り畳み値の動的決定
最大振幅を有するトランスデューサが平均より何倍も大きいことを、初期セクションにおけるトランスデューサ駆動フェーザが、どのように示すかについて例示するフェーザ分布のプロットとして、「折り畳み」値fも動的に選択され得る。「折り畳み」値は、トランスデューサ利得の再スケーリングが適用されて、この値によって表されるレベルを超えて駆動される全てのトランスデューサを、正確にこの値とするので、1よりも大きくてもよい。これは、全て相対的なものであるため、1より大きい値は、デバイスの物理的限界により、システム全体のスケールダウンが必要となるということを意味するに過ぎず、物理的限界が確実に満たされるようにするために、このようなシステム全体のスケーリングステップが別々に適用されることに留意されたい。
トランスデューサ振幅の分布の挙動を近似的に追跡することによって、折り畳みレベルは、極端な振幅がどこにあるかを追跡し、それらを排除することができる。これを簡単に行うために、トランスデューサの折り畳みレベルを平均値に設定することができる。これは、算術平均または幾何平均のいずれかとすることが可能であり、幾何平均は、一般に算術平均よりも小さいため、より積極的な制限となる。算術平均を、各トランスデューサ駆動振幅の平均として計算し得る場合、幾何平均の対数は、トランスデューサ駆動振幅の各対数の平均である。分布からの他の指標が適切でない主な理由は、単純に平均値を計算するのが簡単だからである。
この平均を使用することにより、全てが再スケーリングされるわけではないことが確実となる。前述の例示的なフェーザ分布が、ほとんどの設定において合理的な近似であると仮定すると、平均と中央値とは近くなり、トランスデューサごとの利得の生成および適用に関与するトランスデューサ振幅のおよそ半分となる。これは、基底関数の全ての形が除去されるわけではないことを意味し、少数のトランスデューサに、わずかな変化が生じ、過度に駆動されるわずかなトランスデューサに、大きな変化が生じるだけである。
G.第1の線形系の近似
解かれる第1の線形系は、機能的である必要はない。単に、合計したときに個々のトランスデューサの複素数値の駆動係数を構成する基底関数の相対駆動およびパワーを表す必要があるだけである。このため、第1の解法では、制御点間の相互作用が各トランスデューサの総駆動振幅にわずかな影響しか与えないと予想して、音場におけるクロス項を無視することができる。この場合、主対角線から離れる行列C=AAの全ての要素をゼロにすることと等価であり、各制御点に必要な基底関数および係数は、多くの単一行単一列の1×1行列として、個別に解くことができる。非ゼロの単一要素行列の反転は、単純に数値の逆数として表すことができるので、これは、線形系を解く必要がないことを意味する。このとき、これは、
であり、式中、brange,jは、ユーザが必要とする最大出力を表すことが意図される制御点における複素数値のスカラ線形音響量に対応するベクトルbrangeの成分である。
なお、この方法は、「範囲」の系に適用する必要はないことに留意されたい。これは、意図するトランスデューサ駆動に直接適用できるが、経時的にループ内で繰り返し使用される場合に、効率の変動によって、過剰な信号ノイズが発生する可能性がある。
H.変換行列
別の実施形態では、本明細書から「変換行列」Tと呼ばれる行列を使用して解く基底を変更することができる。これは、
を解くことによって適用され、式中、x'は、xとは異なる新たな活性化解を表し、b'は、異なる出力目標である。Tは、トランスデューサの数に等しい次元の正方行列でなければならない。解は、擬似逆行列x'=(AT)b'を取ることによって生成される。
この解が有用となる1つの方法は、b'を現実の単位に関係付けることである。これは、トランスデューサ関数α)に関連する単位を使用するbに、不定単位を使用するb'を関連付けることによって達成することができる。これは劣決定問題であるため、x'に更に制約を加える余地がある。特に、当初の問題を新たなソリューション
に強制適用することができる。これにより、bとb'との間に、次の関係を記述することができる。
式中、Aは、Aの擬似逆行列である。従って、変換行列は、元の出力目標を実質的に維持しながら、活性化解を変更することができる。
任意の行列をTとして使用することができるが、純粋な対角変換行列は、それらの効果を理解し、予測するのが最も容易である。例えば、一部のエントリについては1.0に近い値を有し、他のエントリについては0.0に近い値を有する変換行列は、1.0の値に対応するトランスデューサを強調し、他のエントリについては減衰させる。これの可能な用途は、1.0近くの値の位置を周期的に変更することによって、使用中のトランスデューサを回転させることであり、それによって、平均的なトランスデューサの全体的なデューティサイクルが減少し、アレイの寿命が延長する可能性がある。
低頻度で変更される変換行列ではなく、この方法の別の有用な実施形態は、TをAの関数とすることである。これにより、アレイのアポダイゼーションを動的に変更することができる(図19)。可能な関数としては、プロセスにおいて演算子を適用しながら、Aの対角エントリから対角行列を形成することが挙げられるが、これに限定されない。例えば、Aの対角エントリの絶対値の2乗(または、より大きい値)を取得し、それらの値を対角エントリTに使用する(他の全てを0のままにする)ことは、トランスデューサ関数α)の大きさの2乗(または、より大きい値)に基づいて、各トランスデューサの出力を重み付けする効果を有する。これにより、使用される指数に関連するアレイのアポダイゼーションが増加する。別の可能な演算子は、所定の閾値を超える対角値については、1.0、閾値未満の値については小さい値(0.1など)といった閾値関数である。この例は、図3に示されている。このアプローチの利点は、閾値関数の計算が簡単なことであり、閾値を超えるトランスデューサがない場合、解は元のAと実質的に同様となり、状況によってトランスデューサの活性化が所定の閾値を超える場合にのみ、変換が大きく適用される。
変換行列を使用する手順は、以下のとおりである。
1.通常通りAを演算し、
2.Tを決定し、
3.b'=ATAbからb'を演算し、そして
4.x'=(AT)b'からx'を演算する。
上記の方程式は、完全な解を意味するが、擬似逆行列(ムーア・ペンローズ逆行列としても知られる)は、行列が可逆である場合には、真の逆行列のみであることに留意されたい。これは、この定式化では保証されない。その結果、最終的な解x'は、Ax'=bを正確に満たさない可能性があり、結果として、bにおいて所望の圧力を再現することができなくなる。一般に、変換行列が極端でないほど(大きさおよびTにおけるエントリ間の類似性において)、結果として得られる解は、制約bの達成に近付く。Tの所与の定式化が十分な成果を達成しない場合、反復的な推測およびチェック法により、解を改善することができる。これは、最初にx'を計算し、次に乗算Ax'を実行し、結果をbと比較することによって行われる。結果として得られる各要素における平均比例差を計算することが可能であり、x'を適切にスケーリングすることができる(最大活性化を最大限の駆動以下に保つように注意)。複数の反復ステップを実行して、パフォーマンスを更に改善することができる。
図19A、図19B、および図19Cを参照すると、10.3cmピッチを有する40kHzトランスデューサの256素子直線アレイを使用した変換行列を用いる例示的な出力1900が示されている。左の3つの数字1910、1930、1950の単位はmmであり、右の数字1920、1940、1960の単位はmである。キー1925、1945、1965は、最大駆動(1.0)に対するトランスデューサ駆動の振幅である。
右の3つの数字1920、1940、1960は、様々なTマトリクスの構成についての、トランスデューサごとの活性化振幅を示す一方、左の3つの数字1910、1930、1950は、z=20cmでのシミュレーション圧力を示し、白色は、暗色よりも高い圧力となっている。解は、[x,y,z]=[8,0,20]cmに高圧点を生成しようとしている。図19Aは、変換行列を使用しない正規圧力解を示している。図19Bは、TをAの対角要素として定義し、大きさが2乗されるときの、Tの効果を示す。図19Cは、Tのもう1つの適用を示しており、この場合で、Tは、最初にAの対角要素を取り、次に、エントリの絶対値が0.7より大きい場合には、Tの対応する値を1.0とし、そうでない場合には、Tの対応する値を0.1とするように、出力を閾値処理する。各列においてアポダイゼーションが極端になるにつれて、結果として生じる焦点圧力は、わずかに減少するだけであるが、ほぼx=-0.125mmにおけるグレーティングローブは、はるかに大きく減少する。
V.空中ハプティックシステムの運動量テンソル補正
A.線形音響量の生成のためのフェーズドアレイ駆動の解
従来、線形系は、複素数値のトランスデューサによって生成された場と、それらの駆動係数との線形結合の観点から記述される。これにより行列が生成され、m個の制御点およびN個のトランスデューサの場合、行列AはN列m行であり、各制御点j∈{1, ... ,m}の位置において各トランスデューサq∈{1, ... ,N}によって生成された複素数値信号からなる。
α)を使用し、変換ベクトルχによってトランスデューサ要素qからオフセットされた位置で測定された複素数値のスカラ線形音響量αを記述すると、選択された方向における音響圧力または音響粒子速度であると評価することが可能であり、行列Aを、
と記述することができる。
これは、音響的にアクティブなトランスデューサ要素の数よりも少ない数の制御点について、複素数値線形系に配置することが可能であり、サンプルベクトルb={αC1), ... ,αCm)}は、所望の総線形スカラ複素数値音響量(
または
のいずれか)を表し、このとき、振幅は、音響量の所望の振幅(
または
のいずれか)であり、位相は、位相オラクル(ユーザが影響を受けた可能性があるもの)から取得されたものである。Ax=bとして記述されるこのような線形系では、xベクトルが、各トランスデューサ要素の初期フィールド係数であり、実際のトランスデューサ要素を駆動するために使用可能であって、結果として所望の音場の再現が得られる。次に、これをループで解いて、経時的に変化する系を提供することができる。
これは、行列Aが正方形ではなく、自由度数が制約よりも大きいため、「最小ノルム」系と呼ばれる。無限に多くの解が存在するため、最も迅速な解は、最小のノルムを有する解xの最小の「量」を用いて正しい解を達成するものであるので、これは「最小ノルム」である。これを達成するために、いくつかの線形代数を使用して、最小ノルム系Ax=bから正方形の系を作成する。
このAAは、N列N行であり、多くの場合にトランスデューサの数が非常に多いことを考慮すると、これは同等に大きい行列であり、どの解法も、それを反転させなければならないので、これは効率的な方法ではない。より利用しやすいアプローチは、同様の方法論を適用する前に、置換Az=xを作成することである。
今度は、C=AAが、単なるm列m行となるので、この結果は、処理すべき線形方程式のはるかに小さいセットとなる。ベクトルzは、Aを生成可能である限り、いつでもxに変換することができる。
但し、これで終わりではない。このアプローチは、単なる偶然の記号操作のセットではなく、個々のトランスデューサ要素xの駆動を記述する複素数値ベクトルから、はるかに低い次元のzへの変数の変化は、更なる意味を有する。zの各複素数値成分は、個々のトランスデューサ場の全てから焦点を生成する焦点関数を事前に乗算する複素数値駆動係数と見なすことが可能であり、焦点は、個々の制御点のそれぞれと同じ位置に配置される。従って、m個の制御点については、そのような集束関数がm個存在し、それらは、この空間内の点がこれらm個の「集束点」の可能な構成に対応している複素ベクトル空間
を定義するものと見なすことができる。
B.ダイナミックレンジング-波形が再現可能であることを確保するメカニズム
ハードウェアを使用して可能とはならない任意の制御点で、ユーザが波形を生成しようとしないようにするためには、音響出力のレベルを制限することが重要である。これは、brangeと呼ばれる第2のbベクトルを使用することによって達成される。このベクトルbrangeの成分は、ユーザが任意の時点で求めることができる最大のものとして定義される。その結果として得られる解zrangeは、ハードウェアに最も負担がかかるソリューションである。zrangeは、複素ベクトル空間
における点であり、これは、トランスデューサからの音響出力に線形に関連しているので、これは、最も極端な外れ値であるはずである。これは、Aによる事前乗算によって評価され、xrangeを生成する。このxrangeは、最悪の場合のパフォーマンスを、デバイスの実際の能力に関連付ける方法を示すので、xrangeにおける全てのトランスデューサからの最大振幅駆動は、これらが線形であるため、各ポイントの最大出力割り当てを分割するために使用される。次に、位相オラクル(使用すべき位相の最善のセットを予測するアルゴリズム)をbrangeに適用して、最悪の場合の位相相互作用が確実に捕捉される。これにより、未定義の動作を引き起こす可能性のある非現実的な出力をデバイスが生成するよう要求されることがなくなる。
C.制御点の関係
制御点は、搬送波の振幅および位相の両方を指定する。多くの用途では、位相は重要ではないので、空間内の制御点で利用可能な振幅を最大にするように選択することができる。
制御点の活性化Yを複素値として表すと、
と記述することができる。
トランスデューサ基底セットを介した制御点の活性化が、他の制御点に与える影響を見出すには、制御点の位相を基準点に設定する必要があり、最も適切なのは、単位振幅およびゼロ位相である。この単位振幅およびゼロ位相の活性化を、Y'c0=1と示し、次に、α=[α), ... ,α), ... ,α)]のセットを定義すると、Y'c0を生成するために必要とされるトランスデューサ駆動は、
と記述することが可能であり、このとき、Yc0は、制御点活性化Y'c0を生成するために必要とされるN個のトランスデューサ活性化Yc0=[Y'1;c0, ... ,Y'q;c0, ... ,Y'N;c0]のベクトルである。
トランスデューサY'q;c0の活性化係数が与えられると、音場内の別の点γに対するその影響は、α'q;c0γ)=Y'q;c0αqγ)として見出すことができる。これにより、所定の振幅
および位相
で1つの点を活性化することによる、場にある別の点に及ぼす全体的な影響は、単位振幅効果のスケーリングとして見出すことが可能であり、これは、全てのトランスデューサにわたって合計すると、
となる。
D.制御点の関係の行列
このα'Ω;c0γ)の記述から、右からの乗算が、ある点における音場への、全ての制御点の活性化
の適用となるように、行列を構築することができる。そして、位相φ, ... ,φを変化させることによって、この効率を最大化することが目的となる。振幅は、l'から取り出されて、行列内に配置され、
を残して、最終的な固有系の行列
を生成することができる。対角行列が、
と定義されるとすれば、
である。この場合、固有問題Rl=λlのステートメントは、λが最大のときの振幅のこの構成で制御点を駆動するための最良の位相の基準を満たすことは明らかであり、このとき、lは、行列Rの支配的な固有ベクトルを記述する。
E.支配的な固有ベクトルの取得-べき乗法
位相オラクルは、主に、べき乗法の実行で構成され、これは、行列の最大固有値に対応する支配的な固有ベクトルを見出すための単純な方法である。固有問題が、Rl=λlのように記述されている場合、それは、
のように記述することが可能であり、このとき、linputは、支配的な固有ベクトルと直交してはならず、λは、他の固有値よりも厳密に大きくなければならない。Rは、複素数値の行列であり、linputは、複素数値のベクトルであるので、最終ベクトルbおよびbrangeのj番目の成分は、位相のみが、支配的な固有ベクトルの結果から取得されるので、
のように記述することができる。そのため、
は、この例示的な位相オラクルの結果である。
要約すると、本開示では、空中ハプティックシステムが人体部分に及ぼすハプティック力を導出するために使用される既存の方法は、誤った物理的仮定に基づくものであることが示される。更に、空中ハプティックシステムを修正して、人体部分の境界を含む問題シナリオを、正しい力ベクトルが生成されるように線形系として定式化可能な自由場系に減縮する方法が提供される。
F.音響量の導出
理想気体の状態方程式を取ると、
であり、式中、ρは密度、pは圧力、Rは理想気体定数、Tは温度である。一定の体積の場合、3つの変数は、全て、系のエントロピに依存する。
音響学は、状態方程式に摂動展開を適用することによって数学的に記述されることが多い。音響学は、一般に、基礎となる媒体のエントロピを変化させないゆらぎに関係しているため、状態方程式におけるエントロピ変化に関連する自由度を凍結する等エントロピ摂動展開が一般に選択される。この場合、添え字のゼロが、静止状態の系の状態を示すとすれば、圧力は、
のように等エントロピ的に密度に関係付けることが可能であり、式中、γは比熱である。
音響物理学の方程式を導出するために、それは、
と記述することが可能であり、式中、ダッシュ付きの量は、摂動を表す。項をまとめて、テイラー展開を使用すると、
となり、このとき、音速の2乗
を代入すると、
非粘性かつ断熱的であるが圧縮可能な流体の、この閉じた体積についての質量および運動量の平衡方程式(流体力学のオイラー方程式から取られるものとして)を、
と記述することが可能であり、式中、uは媒体の速度である。静止状態の流体(添え字0)の摂動の1次効果(添え字1)を考慮し、1次よりも高い項、またはゼロに評価される項を無視すると、以下のようになる。
1次質量平衡方程式の時間に関する導関数を取ると、
が得られ、次に、1次運動量平衡方程式および圧力と密度との摂動の関係の両方を代入すると、次のように密度の波動方程式が得られる。
更に、1次運動量平衡方程式の時間微分を取り、圧力と密度との摂動の間の関係を代入し、最後に1次質量平衡方程式を代入すると、速度の波動方程式が以下のように得られる。
全ての正弦波が波動方程式の解であるため、一般的な複素指数として空間と時間との解を書くと、次のような線形音響摂動のセットが得られる。
ここで、慣例により、ω=2πfは、角周波数を表し、最終的に、単一の周波数ωについての量の各々を、高調波である空間内の複素数値場として記述することができることを意味する。
このとき、静止流体を記述しないか、または波動方程式の解に属さず、従って、非線形音響として記述される、ρ、p、またはuの任意の更なる部分として、2次摂動を定義することができる。
静止流体の摂動の2次効果(添え字2)を考慮し、2次よりも高い項、1次方程式に属する項、またはゼロである項を無視すると、新たな2次運動量平衡方程式
が得られ、uを含む項が、あたかもゼロでないかのように除去された場合、流体は、静止状態で開始することができない。次に、1次運動量方程式、および圧力と密度との間の摂動の関係を使用して、方程式を書き換えることができる。
積の法則を使用し、平方に関して2つの項を、
と書き換えることが可能であり、次に、波の周期にわたって時間平均を行い、積分して勾配を除去すると、
が得られ、式中、角括弧は時間平均を、
と示し、式中、τは、振動挙動を無視してもよいように定義される。
G.運動量およびエネルギ流束の導出
非粘性かつ断熱的であるが圧縮可能な流体の体積に対する運動量およびエネルギ保存方程式は、体積がソースまたはシンクを有さない場合、保存形式(ゼロ右側を有する)で、
と記述することが可能であり、このとき、E=ρ(u・u/2+e)であって、eは理想気体の内部エネルギであり、運動量流束テンソルΠおよびエネルギ流束ベクトルεは、
と記述することが可能であって、式中、Iは、恒等テンソルであり、
は、外積を示す。
この媒体中の音場について時間平均したときの運動量流束テンソルΠの一般成分を考慮し、再び2次よりも高い項またはゼロを切り捨てると、
が得られ、式中、jおよびkは、空間インデックスであり、δjkは、クロネッカーのデルタを表す。
エネルギ流束ベクトルεを考慮すると、ここでも、音場について時間平均し、2次よりも高い項またはゼロを切り捨てて、次式が得られる。
内部エネルギe1の摂動は、静止している流体の内部エネルギeについての小さな変動であるので、基本的な熱力学的関係de=Tds-pdVを用いて、一定のエントロピで導関数を取り、
が得られ(ds=0およびdV=1/ρなので)、次に、結果を
のように書き換える。しかし、〈ρ〉は質量流束であり、場は音響であるので、この時間平均はゼロでなければならず、最終的に、エネルギ流束ベクトルが、音響強度Iと等価となる。
H.音響におけるポテンシャルエネルギおよび運動エネルギ、ならびに運動量流束におけるそれらの役割
音場によって摂動される流体の総エネルギを考慮し、内部エネルギeは、状態方程式から導かれる熱力学的量であるので、それは、密度収率の関数でなければならないことが分かり、
が得られ、次に、2次より高い項またはゼロを切り捨てた後に、(ρe)(ρ+ρ)についてのテイラー展開が可能となり、
が得られ、このとき、導関数は、テイラー展開に従ってρ0で評価される。前述と同じ熱力学的関係を用い、導関数
を求め、次にρを代入し、ρで評価すると、
が得られ、式中、ρは、静止状態の体積の内部エネルギ、ρは、密度の摂動であり、従って、波の周期にわたる体積の質量の変化であるので、時間平均化し、音場に関連する項のみを与えると、体積中の音場の総エネルギは、
となり、式中、E'は、音響波に関するエネルギを表す。
明らかに、第2項は、運動エネルギであり、従って、第1項は、ポテンシャルエネルギでなければならない。
式中、KEは、運動エネルギの省略形であり、PEは、ポテンシャルエネルギの省略形である。
次に、2次圧力は、直ちに、
のように書き換えることができる。
更に、一般的な運動量流束テンソル要素は、
と考えることができる。
I.平担面との運動量交換
2つの音響媒体を隔てる表面には、一般的に3つの別個の音場が存在する。これらは、表面に入射し、表面から反射され、表面を通って屈折される波を表す。入射場(第2の媒体なしで、自由場条件および音響源が与えられるような場)における各体積要素を考慮すると、境界の位置において、反射場および屈折場も、境界における別個の自由場系として評価することが可能であり、このとき、反射場は第1の媒体にのみ存在し、第2の媒体のみで屈折する。これらの、概念的に相互作用せず、かつ非物理的な自由場は、境界が2つの媒体の特性および保存された量を尊重し、定量的な挙動をもたらすように構成される。
一般性を失うことなく、座標系は、2つの音響媒体を分離する平面が、単一の単位x成分を有するようして、表面がx=0を占めるように固定することができる。この場合、運動量流束の<Π>xx成分のみが考慮される必要があり、それは、これが、力が作用し得る唯一の方向であるからであって、音場についての運動量流束が、以下のように生じる。
2つの音場の重ね合わせは、音響圧力pおよび媒体粒子速度u={ux,1,uy,1}の成分を、空間高調波場を定義する複素数p,ul,x,ul,yとして表し、それらを加算することによって得ることができる。実数部のみが、tの任意の値で物理的に有意であるので、例えばpの時間平均は、複素数値の高調波場値(a+ib)に対して、次のように表すことができる。
従って、2つの音響自由場系の圧力および粒子速度の値を合計して、場の量の2乗についての時間平均値を生成することができる。
入射音場および反射音場は、いずれも第1の媒体中に存在するので、重ね合わせの原理を使用してそれらを合計することができる。反射波は、このプロセス中に変換を受ける。これは2つの部分ならなり、第1の部分は、第2の媒体への何らかの透過の存在に起因して振幅が減衰し、境界からの反射で位相オフセットが生じると仮定しているため、これは、反射波の複素係数exp(μ+iν)でモデル化され、従って、exp(μ)は、減衰波の振幅(入射波に対して1の比率として表され得る)であり、νは、反射中に受ける位相シフトの角度である。第2の変化は、粒子速度が表面全体にわたって反射され、速度ux,1のx成分を無効にし、従って、加算する前にul,xも無効になるため、この成分は、重ね合わせ場において減少することになる。次に、この重なった入射音場および反射音場についての運動量流束は、入射音場のみの複素数値の圧力および粒子速度に関して、以下のように記述することができる。
透過波の同様の振幅変化および位相シフトを、exp(μ'+iν')と仮定すると、屈折を受けた波は、以下のように見出すことができる
従って、透過波の位相シフトν'は、運動量流束に影響を及ぼさない。角度θは、スネルの法則を用いて得ることができる。
異なる材料について2つの自由場を構成することは、界面上の保存量が一致する限り有効であり、従って、この仮定を使用し、同じ点(起点など)で2つの自由場を評価することができる。第1の材料aからの運動量流束を左側に配置し、第2の材料bを右側に配置すると、見掛けの圧力pappは、
となり、従って、
この場合、見掛けの圧力という用語は、この量を、自由場条件を仮定する圧力の別の表現と区別するために使用され、ここでの圧力は、表面の存在に依存する。
一般的な場合には、全ての空間において同じ値を有さない、空間的に変化する運動量流束領域が含まれる。それらは、無限小の表面上に、その場所でのみ有効な圧力である無限小の力を得るために、点ごとに評価されるようにしてもよく、または、より大きな領域にわたって統合し、重ね合わせの前に必要に応じて反射場を調整して、その領域に力を生成するようにしてもよい。
J.遠距離音場近似
図20を参照すると、遠距離音場波に対する表面放射圧力の問題に関与する3つの波の図2000が示されている。入射波(α)2010、反射波(β)2020、および屈折波(γ)2030は、全体的に定義される単純な速度ポテンシャルによって表すことができる。多くの場合、反射波(β)2020または屈折波(γ)2030は、振幅ゼロとなり得るが、3つ全てが関与する問題は、一般性を失うことなく考慮することができる。2つの材料における表面法線2060に関する波の伝播方向によって形成される角度θ2040およびθ2050も示されている。
波源間の時間差が、波の周期と比較して小さい場合、波は、遠距離音場にあると考えられる。このとき、波は、平面波として近似することが可能であり、以下を意味する。
〈ρE'〉についての式に代入すると、この近似によって、ポテンシャルエネルギの項と運動エネルギの項とが等しくなることがわかる。
平面波は、進む際に、そのエネルギを搬送するので、これは、
を意味し、この場合、運動量流束テンソル要素は、時間平均エネルギ流束、音響ポインティングベクトル、または音響強度〈ε〉に関して、
のように記述することが可能であり、電磁場に対する等価な結果をシャドウイングする。
ランダウ(Landau)およびリフシッツ(Lifshitz)(Fluid Mechanics 3 rd edition, Landau and Lifshitz, pp. 255-256)によれば、無限平面分離音響媒体を隔てる無限平面に入射し、当該無限平面から反射し、当該無限平面を通って屈折する波を表す3つの別個の平面波を、速度ポテンシャルとして与えることができる。
これらの定義から、波面法線ベクトルは、以下のように記述できることが明らかである。
ポテンシャルエネルギと運動エネルギとの等価性を利用し、pappの式に代入すると、
となり、これはランダウ(Landau)およびリフシッツ(Lifshitz)の結果と同等である。
この単純な結果は、運動量流束が、材料aによってホストされる場の全体に対して一定であるので、可能となる。
K.完全反射体近似
図21を参照すると、音響源の位相アレイの近距離音場における集束波の表面放射圧力の問題に関与する3つの波2110,2120,2130の図2100が示されている。この図は、反射波が、反射の際に位相を変更されない場合からの0度位相オフセットを示している。入射波(α)2110、反射波(β)2120、および屈折波(γ)2130は、音響源要素2170のフェーズドアレイをレイトレースすることによって描写され、それぞれがモノポール速度ポテンシャル源によって表される。異なる波長を有する別のドメインに交差すると、球面収差により、新たな材料における焦点領域を大きく歪ませることに留意されたい。2つの材料における表面法線2160に関して波の伝播方向が形成する角度θ2140およびθ2150も示されている。
音響近距離場が、代わりに完全反射体に入射する場合、この複雑な場合であっても、方程式は、
のように単純化され、従って、この場合、非線形項の出現は、反射の位相角に完全に依存する。反射が0°位相シフトを受ける場合、これも、以下のように単純化することができる。
代わりに、反射が180°位相シフトされる場合、代わりに、以下のように単純化される。
L.線形音響量への変換
点圧力を使用し、表面上の力についてのより広い解がどのように振る舞うかを推測可能な場合の1つの有用な例は、アレイの近距離音場において、フォーカシングを受ける音響フェーズドアレイシステムの場合である。焦点が、既知のプロファイルを有する場合、隣接する波動場が同様の特性を有するという仮定の下で、ピークの見掛け圧力測定値から、他の力を推測することができる。
上記の計算における
項は、音響波面ベクトルと表面法線ベクトルとが差を有することによるものであり、その差は角度θとして測定される。法線ベクトル
を、波方向ベクトルではなく、表面法線ベクトルに帰属させ、
に関して解くと、uが、定義上、波面法線ベクトルに平行であるので、
であることが明らかになる。次に、
と定義すると、運動量流束差は、

と記述することが可能となり、従って、反射における0°位相シフトの場合、線形系が達成するための目標振幅として必要とされる法線ベクトル
に沿った媒体粒子速度の部分の振幅
は、
によって、表面上の所望の見掛け圧力に関連付けることが可能であり、これに代えて、180°位相シフトの場合は、
によって、表面への所望の見掛け圧力に関連付けることができる。
同様に、変換定数を圧力に関して記述することが可能であって、
が得られ、この場合、運動量流束の差
が生じる。従って、反射における0°位相シフトの場合、音響圧力の振幅は、これが、解き得るもう1つの線形音響量であり、線形系が達成する音響圧力の目標振幅を、
によって、あるいは、180°位相シフトの場合は、
によって、表面への所望の見掛け圧力に関連付けることができるので、必要であることになる。
M.変換定数の値の演算
最後に、変換定数cu,n/p、cu/p、cp/u,n、およびcp/uを生成し、解くべき
または
の値を見出す必要がある。定数は、時間平均量を乗算するための係数として使用されるので、それらは純粋に実数とすることができる。これを達成するためのいくつかの異なる方法があり、「1次」波のみを使用する1つの効率的な近似は、A行列の構築における量の合計を使用して見出すことができる(A行列に存在する線形音響量をαとして使用)。
ここで、「1次」波とは、他の制御点j'≠j,j'∈{1, ... ,m}による重ね合わせが、この計算で考慮されないことを意味する。1次波への影響は、純粋に位置の関数であるので、これは演算するのに効率的である。あるいは、解かれた場の特性を、単純な線形系構築の場合のように、解ベクトルを使用して問い合わせてもよい。
ここで、Az=xは、明らかに順方向ステップと逆方向ステップとが対称である必要はないが、式
は、k番目の基底関数についてのトランスデューサ駆動係数を導出することを意図している。更に、これは、適切な量をシミュレートする作業であり、従って、音響量に適した任意のシミュレーションモデルを使用することができる。
但し、これらのそれぞれは、zを定義するために必要とされ、必然的に、これは、前の反復からのzベクトルを使用して演算されるか、または反復的な改善プロセスとして演算されるかのいずれかであるので、循環参照である。これらの比率には、所望の力を生成するためにフェーズドアレイから生成される動的音場内の他の位置で可聴ノイズを潜在的に生成し得る高周波変動を除去するために、それらに適用されるフィルタリングが適用されてもよい。
N.変換定数の一般的な使用
次に、これらの変換定数を使用して、単位間で相互変換することが可能であり、見掛けの圧力を、線形系と、相対トランスデューサ駆動で構成される基底関数とを使用して解くことが可能なスカラ線形音響量に関して記述することができる。このとき、これらは、トランスデューサ駆動係数に変換することができる。同様に、これは、様々なソース単位間で、可解のスカラ線形音響量に相互変換するために使用することが可能であり、表面力ベクトルによって駆動される制御点を、他の超音波使用事例のための異なる単位によって駆動される制御点に加えて、整合させることができる。
相互変換され得るソース単位は、時間平均可能な量に限定されるが、このカテゴリには、本明細書に記載する時間平均運動量流束の差、ゴルコフ(Gor'kov)ポテンシャルによる時間平均力、時間平均2乗圧力、媒体の時間平均2乗音響粒子速度(スカラ速度)、方向に沿った時間平均2乗速度(有効なcosθスケーリングを伴う)、時間平均波エネルギ流束(ポインティング(Poynting))ベクトル、音響圧力の時間平均振幅、媒体の音響粒子速度ベクトルの空間成分の時間平均振幅、および所定の方向ベクトルに沿った媒体の音響粒子速度ベクトルの時間平均振幅が含まれるが、これらに限定されない。
次に、これらの変換定数を使用し、フェーズドアレイに送られる制御点に与えられる値に変換を適用可能なインターフェースを作成することができる。制御点のそれぞれのタイプまたは意図を示すことによって、適切な変換を自動的に推定することができる。
更に、目標のスカラ線形音響量を、混合し、整合させることができる。トランスデューサの駆動係数は、
および
の両方で同等に使用することができるので、同じ行列内で、それらを切り替えることが可能であり、例えば、A行列
を、効果的に作ることができる。このとき、
であり、従って、スカラ線形音響量は、同じ行列内で混在させることができる(但し、数値的安定性のために、スケール係数が必要となることがある)。これは、異なる量の自然アポダイゼーション(順方向ステップと逆方向ステップとの対称性によって暗示される最小ノルムによる)が、2つの量で発生するという点で有用である。スカラ線形音響量
は、波面が
から離れるにつれて、関数における減衰に起因する更なる暗黙のアポダイゼーションを有し、最小ノルムであるプロセスは、
から離れて使用される電力が無駄であるとみなすが、これは、pユニットには当てはまらない。しかしながら、前述のものを含む、より複雑な適応スキームは、ユニットの暗黙のアポダイゼーションを回避することが可能であり、このような作用の影響を低減することができる。
O.追加の開示
1.方法であって、
(a)既知の相対位置および向きを有するトランスデューサアレイから音場を生成するステップと、
(b)少なくとも1つの制御点を定義するステップであって、当該制御点は、
(i)トランスデューサアレイに対して既知の空間関係を有し、
(ii)制御点活性化係数を有し、
(iii)前記制御点活性化係数の種類を表す指標を有し、
(iv)任意選択の方向ベクトルを有する、
ステップとを備え、
(c)前記制御点のそれぞれについて、ソース単位は、前記種類から推定され、前記ソース単位の量からスカラ線形音響量に変換するために単位変換が適用される、
方法。
2.スカラ線形音響量からなるベクトルが、少なくとも1つの音響圧力を含む、1項に記載の方法。
3.スカラ線形音響量からなるベクトルが、作用方向ベクトルに沿った媒体の、少なくとも1つの粒子速度を含む、1項に記載の方法。
4.複素波動場サンプル行列を演算する、1項に記載の方法であって、
(a)第1のインデックスの制御点位置における前記第1のインデックスのスカラ線形音響量を定義し、
(b)第2のインデックスのスカラ線形音響量と共に、予め設定された振幅とゼロ位相オフセットとを使用して、前記第2のインデックスの制御点位置における作動が定義される、
方法。
5.前記複素波動場サンプル行列を使用し、制御点活性化係数の位相角を更に調整して最終的なフェーザベクトルを生成するために使用される固有ベクトルを演算する、4項に記載の方法。
6.前記最終的なフェーザベクトルは、集束活性化係数の線形結合を解くために使用される、5項に記載の方法。
7.前記集束活性化係数は、トランスデューサ活性化係数に変換可能である、6項に記載の方法。
8.音響波が、超音波を含む、7項に記載の方法。
9.前記音場は、空中ハプティックフィードバックシステムによって生成される、7項に記載の方法。
10.方法であって、
(a)既知の相対位置および向きを有するトランスデューサアレイからの音場を生成するステップと、
(b)少なくとも1つの制御点を定義するステップであって、当該制御点は、
(i)前記トランスデューサアレイに対して既知の空間関係を有し、
(ii)制御点活性化係数を有する、
ステップとを備え、
(c)前記少なくとも1つの制御点は、対応する作用方向ベクトルに沿った見掛けのハプティック圧力として示され、
(d)前記見掛けのハプティック圧力として示される各制御点について、運動量流束の差からスカラ線形音響量への変換が適用される、
方法。
11.スカラ線形音響量からなるベクトルが、少なくとも1つの音響圧力を含む、10項に記載の方法。
12.スカラ線形音響量からなるベクトルが、前記作用方向ベクトルに沿った媒体の、少なくとも1つの粒子速度を含む、10項に記載の方法。
13.複素波動場サンプル行列を演算する、10項に記載の方法であって、
(a)第1のインデックスの制御点位置における前記第1のインデックスのスカラ線形音響量を定義し、
(b)第2のインデックスのスカラ線形音響量と共に、予め設定された振幅とゼロ位相オフセットとを使用して、前記第2のインデックスの制御点位置における作動が定義される、
方法。
14.前記複素波動場サンプル行列を使用し、前記制御点活性化係数の位相角を更に調整して最終的なフェーザベクトルを生成するために使用される固有ベクトルを演算する、13項に記載の方法。
15.前記最終的なフェーザベクトルは、集束活性化係数の線形結合を解くために使用される、段落14に記載の方法。
16.前記集束活性化係数は、トランスデューサ活性化係数に変換可能である、15項に記載の方法。
17.音響波が、超音波を含む、16項に記載の方法。
18.前記音場は、空中ハプティックフィードバックシステムによって生成される、16項に記載の方法。
VI.結び
前述のとおり、本明細書では、特定の実施形態を説明してきた。しかし、当業者は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更および変形を行えることを理解する。従って、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えるべきであり、そのような変更は、いずれも、本開示の範囲内に含まれることを意図するものである。
更に、本明細書において、第1および第2、上下などの関係を示す用語は、1つの実在物または動作を、別の実在物または動作から区別するためにのみ使用され得るものであって、そのような実在物または動作の相互間の実際のそのような関係または順序を、必ずしも必要とするものではなく、また暗示するものでもない。用語「備える」、「備えている」、「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」、またはそれ以外でそれらのなんらかの変形は、非排他的な包含を含むことを意図するものであって、列挙された要素を、備える、有する、含む、含有する、プロセス、方法、物品、または装置は、それら要素のみを含むものではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に対して明示的に列挙されていないか、または本来備わっている別の要素を含み得るものである。「~を備える」、「~を有する」、「~を含む」、「~を含有する」が後に続く要素は、更なる制約がなければ、当該要素を備え、有し、含み、含有するプロセス、方法、物品、または装置における更なる同一要素の存在を排除するものではない。用語「a」および「an」は、本明細書に別段の明示的記載がない限り、1つまたは複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」、またはそれ以外でそれらのなんらかの類似形式は、当業者が理解するように近いものとして定義される。本明細書で使用するとき、用語「結合された」は、接続されたものとして定義されるが、必ずしも直接的である必要はなく、必ずしも機械的である必要もない。特定の方法で「構成される」デバイスまたは構造は、少なくともそのように構成されるが、列挙されていない方法で構成されてもよい。
本開示の要約は、読む者が技術的開示の本質を迅速に確認できるようにするために提供される。要約書は、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するためには使用されないとの理解のもとで提出される。更に、前述の詳細な説明では、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が種々の実施形態にまとめられている。この開示の方法は、特許請求の範囲の実施の形態が、各請求項において明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲に示すように、本発明の主題は、開示された単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって詳細な説明に組み込まれ、各請求項は個別に請求される主題として独立している。

Claims (20)

  1. 空中ハプティックデバイスであって、
    (a)相対位置が既知のトランスデューサのセットと、
    (b)少なくとも1つの共通焦点を有して前記トランスデューサのセットから生成される複数の超音波と、
    (c)所望のハプティック力対時間の予め設定された関数と、を備え、
    (d)前記少なくとも1つの共通焦点において生成される非線形音響力が、所望のハプティック力対時間の前記予め設定された関数となるように、超音波の生成を変調する、
    空中ハプティックデバイス。
  2. 所望のハプティック力対時間の前記予め設定された関数は、所望の力の所望の方向を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記超音波の生成を変調することにより、実質的に前記所望の方向に前記非線形音響力を生成する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記超音波の生成の変調は、前記非線形音響力を音響圧力の2乗として推定することによって定められる、請求項1に記載の方法。
  5. 音場を生成する方法であって、
    複数の制御点を含む制御点セットを構築し、前記制御点のそれぞれは、制御点振幅と、トランスデューサアレイからの既知の相対位置および向きとを有し、
    前記制御点のそれぞれは、(a)少なくとも1つのトランスデューサアレイタイルであって、それぞれが、(i)局所演算ユニットと、(ii)局所的にアドレス指定可能なトランスデューサのセットとを備える少なくとも1つのトランスデューサアレイタイルと、(b)少なくとも1つの広域演算ユニットとを備え、
    前記局所演算ユニットのそれぞれは、前記局所的にアドレス指定可能なトランスデューサのセットから生成されたときに、各制御点のそれぞれが、前記制御点セット内の他の制御点に対して及ぼす合計の効果を含む波動場サンプル行列を演算し、
    前記局所演算ユニットのセットは、前記波動場サンプル行列のセットに対する総和リダクション演算を介して前記波動場サンプル行列を結合し、結果として得られる全波動場サンプル行列を、前記少なくとも1つの広域演算ユニットに伝え、
    前記広域演算ユニットのそれぞれは、前記制御点セットおよび前記全波動場サンプル行列を使用し、制御点係数のセットを演算してブロードキャストし、
    前記局所演算ユニットのそれぞれは、前記制御点係数のセットを使用し、局所的に設けられたトランスデューサについてのトランスデューサ活性化係数を演算し、
    演算された前記トランスデューサ活性化係数を使用し、前記局所的に設けられたトランスデューサを作動させる、
    方法。
  6. 前記広域演算ユニットは、変更された全波動場サンプル行列のべき乗反復を使用し、支配的固有ベクトルを見出し、前記支配的固有ベクトルが、前記制御点セットの位相を通知する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記広域演算ユニットは、線形連立方程式を使用し、前記制御点係数のセットを決定する、請求項2に記載の方法。
  8. 前記広域演算ユニットは、クラウド内でホストされる仮想デバイスである、請求項7に記載の方法。
  9. 相対位置が既知のトランスデューサのセットと、
    前記トランスデューサのアレイに対する少なくとも1つの高圧力関心点と、
    前記トランスデューサのアレイに対する少なくとも1つの低圧力関心点と、
    前記少なくとも1つの高圧力関心点における所望の圧力と、
    前記少なくとも1つの高圧力関心点、および/または前記少なくとも1つの低圧力関心点において、所望の圧力を生成する位相および振幅駆動条件のセットと、
    超音波音響圧力が、前記少なくとも1つの高圧力関心点では実質的に変化しないままで、前記少なくとも1つの低圧力関心点で低減されるような駆動条件と、
    を備える、超音波フェーズドアレイ。
  10. 場におけるゼロ圧力点を考慮することによって、前記駆動条件の変更が行われる、請求項9に記載の方法。
  11. ヘリシティを加えることによって、前記駆動条件の変更が演算される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記トランスデューサのアレイを複数のサブアレイとして扱うことによって、前記駆動条件の変更が演算される、請求項9に記載の方法。
  13. 既知の相対位置および向きを有するトランスデューサアレイから音場を生成する方法であって、
    少なくとも1つの制御点を定義するステップであり、各制御点のそれぞれが、(a)焦点基底関数の第1のセットに属した対応する焦点基底関数を定義するために用いられる、トランスデューサアレイに対する既知の空間関係と、(b)制御点振幅とを有する、ステップと、
    トランスデューサ係数から構成される焦点基底関数の前記第1のセットを用いて制御点セットに対応する音場を生成するために必要な、推定可能なトランスデューサ活性化を演算して、推定可能なトランスデューサ活性化振幅の第1のセットを生成するステップと、
    前記推定可能なトランスデューサ活性化振幅の統計的特性と組み合わせて、前記トランスデューサについての前記推定可能なトランスデューサ活性化振幅を使用し、焦点基底関数の前記第1のセットのトランスデューサ係数のそれぞれを調整して、焦点基底関数の第2のセットを生成するステップと、
    焦点基底関数の前記第2のセットを用いて前記音場を生成するために必要とされるトランスデューサ活性化を演算するステップと、
    トランスデューサ活性化の前記第2のセットを使用して、前記トランスデューサアレイを駆動するステップと、
    を備える、方法。
  14. トランスデューサ係数のそれぞれに適用される前記調整は、トランスデューサごとの利得の形のスケーリングである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記平均値は、推定可能なトランスデューサ活性化振幅の前記第1のセットの統計的特性内にある、請求項13に記載の方法。
  16. 推定可能なトランスデューサ活性化振幅の前記第1のセットの統計的特性は、分布の百分順位に対する分位関数の推定評価によって得られる、請求項13に記載の方法。
  17. 既知の相対的な位置および向きを有するトランスデューサアレイから音場を生成する方法であって、
    既知の相対位置および向きを有するトランスデューサアレイからの音場を生成するステップと、
    少なくとも1つの制御点を定義するステップであって、前記制御点が、(a)前記トランスデューサアレイに対して既知の空間関係を有し、(b)制御点活性化係数を有する、ステップと、を備え、
    前記少なくとも1つの制御点は、制御点位置を起点とする表面法線ベクトルに実質的に平行な、対応する作用方向ベクトルに沿ったハプティック圧力として示され、
    ハプティック圧力として示される制御点のそれぞれについて、運動量流束の差からスカラ線形音響量への変換が適用される、
    方法。
  18. 前記スカラ線形音響量は、音響圧力である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記スカラ線形音響量は、作用方向ベクトルに沿った音響媒体の粒子速度である、請求項17に記載の方法。
  20. 前記音場は、空中ハプティックフィードバックシステムによって生成される、請求項17に記載の方法。
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