JP2024506522A - 超音波音場操作技術 - Google Patents

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Abstract

超音波の空間変調を通じて触覚表面をレンダリングするための2つの方法、チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)による特異値分解(SVD)およびモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)を説明する。さらに、トランスデューサの配置を調整して、限られた駆動信号のセットを使用して可変焦点を可能にするアレイを生成することができる。これは、一緒に駆動すると、様々な関心点で十分に直交するフィールドのセットを生成する、相互に排他的なトランスデューサ配置のレイアウトのセットを生成することによって実現される。さらに、サンプリング位置の基本変換を使用すると、フィールドを3次元空間で並進または回転できる。これにより、少ない計算量で時空間の変調ハプティクスを生成することが可能になる。さらに、超音波を使用する空中ハプティクスは、振幅変調、またはフェーズドアレイ装置上の音場の空間位置に定義された制御点の空間変調を介して生成することができる。

Description

本出願は、以下の優先権の利益を主張する。
(1)2021年1月26日出願の米国仮特許出願第63/141,897号
(2)2021年3月4日出願の米国仮特許出願第63/156,829号
(3)2021年3月30日出願の米国仮特許出願第63/167,855号
(4)2022年1月20日出願の米国仮特許出願第63/266,972号
これらの出願はその内容全体が、引用により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は、概して、空中ハプティクスシステムで使用される音響トランスデューサ構造の改良された操作技術に関する。
超音波フェーズドアレイを使用し、任意の音場を生成することができる。これらは、触覚フィードバック、パラメトリック音響機器、音響トラッピングなどに使用することができる。触覚表面のレンダリングは、仮想現実、拡張現実、およびジェスチャコントロールなどの様々な応用領域にとって望ましい。触覚表面をレンダリングする現在方法には、単一または複数の焦点の時空間変調が含まれる。我々が解決しようとしている問題は、触覚表面をレンダリングするための代替法の開発である。
ガヴリーロフ(Gavrilov)らは、人間の神経構造を刺激する非侵襲的方法として、集束超音波を使用する可能性についての先行研究を開拓した。ガヴリーロフ(Gavrilov)、レオニード R(Leonid R)他「集束超音波を用いた受信の研究I人間の皮膚および深部受容体構造に及ぼす効果」脳研究135.2(1977):265-277、ガヴリーロフ(Gavrilov)、レオニード R(Leonid R)他「集束超音波を用いた受信の研究II動物受容体構造に及ぼす効果」脳研究135.2(1977):279-285、ガヴリーロフ(Gavrilov)、レオニード R(Leonid R)「神経構造の刺激のための集束超音波の使用」超音波22.3(1984):132-138。
ガヴリーロフ(Gavrilov)らは、集束超音波を用いて触覚を誘発することができる機構を説明した。集束超音波の非線形音響放射は、皮膚にせん断波を誘発する。このせん断波は、皮膚の特定の機械受容器を動作させる付随の変位を生じさせる。ガヴリーロフ(Gavrilov)、レオニード R(Leonid R)およびE.ツィルニコフ(E. Tsirulnikov)「神経構造に対する集束超音波の刺激効果のメカニズム: 非線形効果の役割」 非線形音響。21世紀初頭(2002):445-448。
星らは、アレイ上でボリュームの単一の高強度焦点を並進できる二次元超音波フェーズドアレイのプロトタイプを開発した。このシステムは、ユーザーが触覚フィードバックを介して仮想物体と接触することを可能にした。超音波フェーズドアレイを使用して複数の高強度焦点を生成するアルゴリズムは、医用超音波学会においてすでに開発されている。星 貴之他「空中超音波の放射圧に基づく非接触型触覚ディスプレイ」ハプティクス3.3に関するIEEE 論文(2010):155-165。
特に、イビニ(Ibinni)らの共役場法および、エビニ(Ebbini)らの擬似逆法。イビニ(Ibinni)、ムハンマド S(Mohammed S.)、およびチャールズ A.カイン(Charles A. Cain)「ハイパーサーミアフェーズアレイ加熱パターンを直接合成するためのフィールド共役法」超音波、強誘電体、および周波数制御に関するIEEE論文36.1(1989):3-9。エビニ(Ebbini)、イマッド S(Emad S.)およびチャールズ A.カイン(Charles A. Cain)「多焦点超音波フェーズドアレイパターン合成:ハイパーサーミアに最適な駆動信号分布」超音波、強誘電体、および周波数制御に関するIEEE論文36.5(1989):540-548。
コンピューター生成のホログラフィの分野の研究を引用して、ハーツバーグ(Hertzberg)らは、反復し、重み付けしたゲルヒベルク・ザクストン(Gerchb Saxton(GSW))アルゴリズムが2Dにおいて複数の高強度焦点を効率的に生成するように適応可能なことを実証した。ハーツバーグ(Hertzberg)、ヨーニ(Yoni)他「多焦点超音波神経刺激に対するパターン生成アルゴリズム」神経工学専門誌(Journal of neural engineering)7.5(2010):056002。
より安定的でより効率的なアルゴリズムを開発する試みにおいて、ロング(Long)らは、電力の反復段階で擬似逆法を拡張した。この電力の反復段階は、強め合う干渉を最大化し、弱め合う干渉を最小化するために、焦点に割り当てられるべき位相のセットを見つけることを目的とする。ロング(Long)、ベンジャミン(Benjamin)他「超音波を使用した空中の体積触覚形状のレンダリング」ACMトランザクショングラフィックス(ACM Transactions on Graphics (TOG))33.6(2014):181。
これはエビニ(Ebbini)らの重み付けの一般化された逆アルゴリズムよりも低い計算コストで、より高強度の焦点を生成した。
カップス(Kappus)らは、擬似逆の特性を利用することによって、この方法をより効率的に実装した。カップス(Kappus)、ブライアン(Brian)およびベンロング(Ben Long)「超音波フェーズドアレイの空中ハプティクスフィードバックのための時空間変調」アメリカ音響学会誌(The Journal of the Acoustical Society of America)143.3(2018):1836-1836。
マルツォ(Marzo)らは、本質的にイビニ(Ibinni)らの共役場法の反復拡張である反復逆伝播アルゴリズムを提示した。マルツォぺレズ(Marzo Perez)、アシエル(Asier)およびブルースW.ドリンクウォーター(Bruce W. Drinkwater)「ホログラフィック音響ピンセット」全米科学アカデミー(The National Academy of Sciences)出典、116(1)、84-89(2019)。さらに最近では、井上らはこの問題を半正定値計画問題として定式化し、ブロック座標降下法を用いて解決した。井上、関、牧野泰才、篠田裕之「空中超音波触覚ホログラムによる能動的触知覚」2015年IEEE世界バーチャルリアリティー学会(IEEE World Haptics Conference (WHC))。
さらに、音響トランスデューサのフェーズドアレイは焦点位置に柔軟性を有するため、個別にアドレス可能な要素を必要とする。これは、可変位相および振幅を供給される必要がある多数の個別の駆動回路を必要とする。これは、コストと洗練さを増やす。多くの用途において、このレベルの柔軟性は必要ではない。例えば、フェーズド音響アレイの1つの用途は、集束超音波の空中ハプティクスである。固定インターフェースに触覚を追加するには、3~4の選択可能な焦点位置のみ必要であり、何千もの異なる焦点位置に対応できるアレイを持つと、その機能が無駄になる。本発明は特定の誘導されたトランスデューサの配置を使用して必要な数の焦点位置のみを実現するために、最小の駆動信号を有するフェーズドアレイシステムを設計する方法を示す。
特定のレイアウトを利用して焦点を提供する2つの従来の異なる配置が存在する。
1.ボウルの幾何学中心に焦点を提供し、全てのトランスデューサが並列に駆動するボウル状配置。
2.各リングが、リングの中心上の焦点から1つまたは半分の波長で間隔を置くリング状配置。
さらに、超音波トランスデューサのフェーズドアレイから空中ハプティクスを生成するため、焦点を形成し、触覚が望ましい手または身体部分と接触しなければならない。このフィールドを生成するには、フェーズドアレイの各トランスデューサ生成される駆動(位相および振幅)値のセットが必要となる。さらに、この解は、ターゲットがアレイに対して移動する時に動的に更新しなければならない。これは、計算コストの高価なタスクである。
この問題に取り組むために存在する多くの異なる「ソルバ(solvers)」がある。ほとんどの場合、線形代数と共に、活量係数のセットを作成するために使用される、ある種のトランスデューサモデルが使用する。これは、コストのかかるレベル計算を必要とする。本発明は代わりに、メモリに保存された事前に計算した解の基本変換を使用し、より少ない計算量で同様のレベルの柔軟性を提供する。
さらに、「音場」と呼ばれる音エネルギーの連続分布は、空中の音由来の超音波システムにおける触覚フィードバック、追跡および撮像システム用の符号化波動場の生成など、様々な用途に使用することができる。
空間内に1つ以上の制御点を規定することによって、音場を制御することができる。各点には、制御点における望ましい振幅に等しい値を割り当てることができる。その後、物理的なトランスデューサのセットを制御して、制御点において望ましい振幅を示す音場を生成することができる。
超音波搬送波周波数を使用することによって、制御点を十分に小さくすることができ、結果として可聴音の影響を伴うこともない。しかしながら、広範囲の使用事例に適した電力レベルでの静音場では、検出される力が小さすぎるため人間の皮膚により検出することはできず、したがって、より顕著な触覚感覚を作り出す周波数および皮膚の移動速度を利用することによって、音場に対して皮膚を増感させる変動時間を加えなければならない。従来の方法を利用して追加の変動時間を作り出すには、時間を通してシステムを制御するための複雑なシステムを伴う。
一般には、人間の皮膚の機械受容器を刺激し強い触覚応答を生む周波数を生成するために、振幅または位置を時間内に変調しなければならない。このような適切な周波成分を誘発する方法は多数存在するが、ほとんどの場合、これは位置または振幅のいずれかを、適切な周波数に直接変調することによって実現される。
しかしながら、これは、異なる周波数における2つの時間高調波音場の和または差として生成されるビート周波数を使用することによって間接的に実現することができ、その結果、単一の周波数ωでの音場および周波数ωでの第2の音場が与えられると、オーバーレイされた際に、触覚効果を生じさせるのに適した周波数である振幅変動効果が生じる。これは次のように記述することができる。
ここで、φは、周波数ω及び位相オフセットφにより、位相および振幅を含む波動関数を定義する空間的に変化する複素数値関数である。
次に、複合システムを重ね合わせとして定義することにより、以下のとおりとなる。
ここで等振幅成分は積として記述することができ、これは差による平均値の振幅変調に等しい。
ここで、正弦波角度は以下に定義される。
例えば、この数式を利用して音響空中ハプティクスのための振幅変調を生成する場合、等振幅を有する39950Hzおよび40050Hzの音を使用して、40000Hzでの搬送波周波数の振幅変調50Hzを生成することができる。これは、強い共振特性を示すトランスデューサ、または特定の周波数で使用するために設計されたトランスデューサに特に有用であり、わずかにオフセットされた周波数で駆動し、高い効率で差音を生成することによって、単純な音の生成だけが必要となる電子機器を用いて特定の触覚効果を生成することができる。
これは、振幅変調された触覚フィードバックの単一または複数の点を生成するために以前から利用されている。
超音波の空間変調を介して触覚表面をレンダリングするための2つの方法が示されている。チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)を用いた特異値分解(Singular Value Decomposition(SVD))およびモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)。これらの方法は、医療用超音波およびヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)の文献からの既存のアルゴリズムの変形である。
さらに、音響トランスデューサの従来のフェーズドアレイは有用な方法で出力フィールドを調整するために、各素子に対して独立した駆動回路を必要とする。本発明はトランスデューサの配置における調整を可能にする方法を導入し、限られた駆動信号のセットを使用して焦点の可変を可能にするアレイを生成することができる。これは相互に排他的なトランスデューサの配置レイアウトのセットを生成することによって達成され、これらを一緒に駆動すると、様々な関心点において十分に直交するフィールドのセットが生成される。特定の相対位相で駆動すると、結果として生じるフィールドが合計されて、関心点に特定の高圧音響焦点が生成され、その他の点は最小限に抑えられる。焦点は、振幅変調または複数の周波数を使用して、一度に1つずつ、または順に活性化することができる。
さらに、事前に計算された焦点の解の活性化係数のセットをサンプリングすることによって、そのフィールドを再現することができる。次いで、サンプリング位置に対する基本変換を使用して、このフィールドを3次元空間で並進または回転させることができる。これにより、低減された計算で時空間変調ハプティックの生成が可能となる。
さらに、超音波を使用する空中ハプティクスは、振幅変調を介して、またはフェーズドアレイ装置の上の音場において、空間位置に規定された制御点の空間変調を介して生成することができる。振幅変調効果は1つまたは複数の点で差音を生成するために、以前に開示された方法を使用して生成することができるが、点の空間変調を均等に実現する方法の先行文献はない。本発明では、複数の周波数におけるフェーズドアレイと同様の効果を使用し、差音の位相を使用して空間変調された動きを模倣する複雑なパターンを生成する方法について説明する。
図面は、個別の図全体にわたり参照番号が同一または機能的に類似の要素を指し、以下の詳細な説明とともに、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、特許請求の範囲を含む概念の実施形態をさらに例示し、それらの実施形態の様々な原理および利点を説明するのに役立つ。
図1は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いてウルトラハプティクスを生成するために必要とされる活性化係数を示すプロットである。 図2は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いてウルトラハプティクスを生成するために必要とされる活性化係数を示すプロットである。 図3は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いてウルトラハプティクスを生成するために必要とされる活性化係数を示すプロットである。
図4は、振幅利用が全てのトランスデューサの振幅の合計をトランスデューサの総数で割ったものとして定義されるプロットである。
図5は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝播することで得られた測定音場を示すプロットである。 図6は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝播することで得られた測定音場を示すプロットである。
図7は、アレイシミュレーションによる相反性を使用した解フィールドを示す。
図8は、アレイシミュレーションによる擬似逆を使用した解フィールドを示す。
図9は、シミュレートされた圧力場のセットの実投影を示す。
図10は、シミュレートされた圧力場のセットの仮想投影を示す。
図11は、トランスデューサの配置を案内する解フィールドを使用した構造化された音場の生成を示す。
図12は、複数の解フィールドのトランスデューサを同時に配置するための決定のフローチャートを示す。
図13は、図12のアルゴリズムの実行例を示す。
図14は、図13の解フィールドを使用して構築した、最終的に実装したトランスデューサアレイを示す。
図15は、図14の各グループによって生成されたシミュレートされた音場の正規化された実投影のプロットを示す。
図16は、トランスデューサ配置および図14のグループ化によって生成された正規化された圧力場シミュレーションのプロットを示す。
図17は、ソース解フィールドの前回転を使用した、実装されたトランスデューサアレイの例のプロットを示す。
図18は、中央除外領域を持つレイアウトの例を示す。
図19は、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーションを示す。
図20は、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーションを示す。 図21は、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーションを示す。 図22は、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーションを示す。 図23は、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーションを示す。
図24は、256素子の解のサンプリングの例である。
図25は、オフセットした256素子の解のサンプリングの例を示す。 図26は、オフセットした256素子の解のサンプリングの例を示す。 図27は、オフセットした256素子の解のサンプリングの例を示す。 図28は、オフセットした256素子の解のサンプリングの例を示す。 図29は、オフセットした256素子の解のサンプリングの例を示す。
図30は、回転オフセットした256素子の解のサンプリングの例を示す。
図31は、zオフセット変換した256素子の解のサンプリングの例を示す。
図32は、xの変換後にzオフセット変換した256素子の解のサンプリングの例を示す。
図33は、2つの解の合計を示す256素子の解のサンプリング例を示す。
図34は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。 図35は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。 図36は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。 図37は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。 図38は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。
図39は、z=10cmの平面にハート型パターンを形成するために生成された解フィールドに基づく、グループ化されたトランスデューサのレイアウト設計を示す。
図40は、図39のデータにより生成された、実装したトランスデューサアレイを示す。
図41は、図40のデータにより生成された、z=10cmで正規化された圧力振幅のシミュレーションを示す。
図42は、図40に示すアレイの音場のシミュレーションにより生成される正規化された圧力を示す。
当業者であれば、図中の要素は簡略化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことがわかるであろう。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は本発明の実施形態の理解を向上させるために、他の関連要素に対して誇張されている場合がある。
装置および方法の構成要素は適宜、図面中の従来の記号によって表されており、本発明の実施形態の理解に関連する特定の詳細のみを示しており、本明細書の恩恵を受ける当業者には容易に明らかになる詳細で開示を不明瞭にしないようにしている。
1)触覚表面をレンダリングするアルゴリズム
I.問題の定義
本発明者らは、単一の超音波トランスデューサによって放射される遠視野の音圧場を、以下のように近似することができる。
ここで、
・ Ψq(rkq,Xq) は、単一の超音波トランスデューサにより放射される複素数値の遠視野の音圧場である。
・ rkqは、トランスデューサqからサンプル点kに向けられたベクトルである。
・ Xq=Aqeiφqは複素数の活性化係数である。
・ H(rkq) はトランスデューサをモデル化する指向性関数である。
次に、本発明者らは、独立した信号によって刺激される超音波トランスデューサのフェーズドアレイによって放射される全フィールドを、各トランスデューサによって放射されるフィールドの線形結合としてモデル化することができると仮定する。
ここで
・ rk*=rk1,rk2,…,rknは、各トランスデューサqから点kまでのベクトルのリストである。
・ r**=r11,r12,…,r1n,…,rm1,rm2,…,rmn は、各トランスデューサqから各点kまでのすべてのベクトルのリストである。
・ x=X1,X2,…,Xnは、各トランスデューサの活性化係数を含むベクトルである。
ΨDを、点r1,r2,…,rmのセットで定義された離散化された望ましいフィールドとする。この問題を形式の最適化問題として次のように定式化することができる。
であるように、
II.チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)を使用した特異値分解(SVD)
A.線形システムの定式化
上記の表記に基づいて、最小化問題を複素数値線形系軸Ax=bに対する解を見つけるものとして定式化することができる。ここでのAは複素数値の順伝播演算子であり、xは活性化係数の複素数値ベクトルであり、bはベクトルに組み込んだ複素数値の望ましいフィールドである。特に次のとおりとなる。
B.列の重み付け
線形系に対する解の数値精度を改善するために、各列の2ノルムを用いて演算子Aを正規化することができる。以下に定義される重み付け演算子
を構築することができる。
次に、以下の解を導くため新たな線形系を定義することができる。
C.行の重み付け
線形系に対する最小二乗法を見つけるために使用する標準的な技法は、誤差項の等分散性を仮定する。この線形系の場合、生成されたフィールドと望ましいフィールド間の誤差が所望のフィールド内の各点に対して同等の分散を有すると仮定することを意味する。
ここでは
この仮定が当てはまらない場合、次のように定義される重み付け演算子
により演算子Aを重み付けすることによって、解の結果を改善することができる。
対角要素Wkkは、所望のフィールドの各点が活性化係数を生成する際の影響を反映する。新たな線形系を次のように定義することができる。
この重み付け演算子により、ユーザーは生成したいフィールドに対してより多くの制御が可能となる。例えば、所望の形状の外側の領域のフィールドの値について多かれ少なかれ注意を払い、したがって、これらのフィールドの点をそれに応じて重み付けするよう選択することができる。
D.チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)
以下に、ユーザーが行の重み付けも列の重み付けも使用しないと決定したと仮定する。これにより導出は大きく変化しないことに注意する。複素数値の順伝播演算子は、次のようにある空間から別空間
への関数として解釈することもできる。この関数が与えられると、正則化は、近似逆演算子
のパラメトリックファミリーとして定義することができる。
チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)は、小径の2ノルムの最小二乗問題に対する解を見つけようとする。この問題は、次の形式の最小化問題として表すことができる。
解は、以下のように記述することができる。
E.特異値分解(SVD)の解
一般に、特異値分解またはSVDは、線形システムを解くために使用することができる。複素数値演算子Aの特異値分解(SVD)は、A=UΣVHの式で示される。線形システムAx=b の解はムーア・ペンローズ擬似逆行列(Moore-Penrose pseudoinverse)、A+を用いて次のように計算することができ、
ここで、ムーア・ペンローズ擬似逆行列(Moore-Penrose pseudoinverse)は、特異値分解(SVD)で次のように表すことができる。
次に、本発明者らは、擬似逆の識別を利用して、アルゴリズムの計算コストを低減することができる。この関係を次のとおり示す。
線形システムAx=b の解を次のように表すことができる
ここで
Aが(m×n)行列であり、AHが(n×m)行列であると仮定すると、積(AHA)+ は(n×n)行列である。このアルゴリズムでは特異値分解(SVD)の計算がボトルネックとなるため、(n×n)で特異値分解(SVD)を実行することは(m×n)行列で特異値分解(SVD)を計算するよりも著しく速度が高速化する。また、特異値分解(SVD)の計算が、O(knm2+k’n3)) ではなく、O(n3(k+k’)) でスケーリングされるので、アルゴリズムはより大きな問題に対してよりスケーリングが可能となる。
F.チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)を伴う特異値分解(SVD)
II.Dで提起したチホノフ正規化(Tikhonov Regularization)問題に対する解は、特異値分解(SVD)を用いて表現することができる。
この解は、II.Eに記述された同一性を用いて書き直すことができる。
パラメータαは、特異値の大きさの関数として、解ベクトルxαに対するAの特異値の寄与を低減する。i番目の特異値
の逆数は、関数によってスケーリングされる。
これは、より小さい特異値の逆数がより大きい特異値の逆数よりも減衰されることを意味する。(m×n)行列Aは、
のベクトルを
のベクトルにマッピングする線形変換演算子と考えることができる。特異値分解(SVD)は、線形変換演算子Aがk個の線形変換の加重和に分解できることを示す。ここでのkはAのランクである。
特異値は、これらの線形変換のそれぞれの影響を決定する。大きい特異値は対応する線形変換の寄与が大きいことを示し、逆もまた同様である。さらに、特異値の大きさは、解ベクトルxαのノルムの大きさを決定する。特異値の逆数を上記で定義された関数でスケーリングすることは、より影響の小さい線形変換の寄与をより影響の大きい線形変換よりも減衰させることによって、解ベクトルのノルムの大きさを低減する。これは、解の品質に著しく影響を及ぼすことなく、トランスデューサの電力出力を低減できるアイディアである。
このアルゴリズムはパイソン(Python)でナムパイ(numpy)を使用して実装した。非常に高速に実行されるが、ランダム化した確率的勾配降下法(SGD)アルゴリズムを使用し、コードをオープンシーエル(OpenCL)に移植して、グラフィックスプロセッサ(GPU)上で実行できるように高速化することができる。
G.チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)パラメータαの最適値
チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)パラメータαの選択は、得られる解ベクトルxαの品質と大きさに影響する。特に、解の精度と大きさとの間にはトレードオフがある。αの値が大きい場合、解xαは不正確だが、大きさは小さくなり、その逆もまた同様である。所与の問題についてαの最適値を決定するために使用できる様々な方法が存在する。例えば、不一致の原則、L曲線およびGCVがある。これらの方法は、最小化問題を解くプロセスを伴うので、一般に計算コストが高い。
この計算コストを回避するために、データベースのアプローチで合理的なα値を決定することを提案する。そのようなアプローチの例では、様々な表面の範囲に対して最適なαを決定し、次いで平均値αを見つけるプロセスを伴う。
III.モーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)
モーメンタムのアルゴリズムを用いたミニバッチ、確率的勾配降下法(SGD)を使用して、セクションIで示した最小化問題を解くことができる。ここでは、与えられた点kで誤差関数を定義することから始める。
この誤差関数であれば、最小化したい実数値の目的関数を定義することができる。
ここで、
・ Bは{1、2、…、m}の範囲から均一に選択されたbのセットであり、ここではb<mである。
・ Bの基数はb、すなわち|B|=b となる。

次に、トランスデューサの活性化係数Xqのそれぞれに関する目的関数の偏導関数を見つける。関数は複素数値パラメータの空間上で定義されるので、偏導関数を決定するためにウィルティンガー(Wirtinger)の計算を使用しなければならない。
次いで、これらの偏導関数を使用して、活性化係数の実数成分および虚数成分に関する更新式を決定することができる。
ハイパーパラメータ
は、勾配降下のステップサイズを制御する。
以上、バニラミニバッチ、確率的勾配降下法について説明した。このアルゴリズムは、目的関数を正確に計算するのではなく、目的関数の導関数を推定しているので、必ずしも最適な方向に進むとは限らない。さらに、確率的勾配降下法(SGD)では、局所最小値付近での峡谷(ravines)を移動するのが困難である。峡谷(ravines)とは、目的関数の表面がある次元において、別次元よりも急勾配を有する領域である。確率的勾配降下法(SGD)アルゴリズムは、浅い勾配に沿って直接最小値に向かって移動するのではなく、急勾配の間で振動する傾向がある。これらの問題はどちらも、モーメンタムの概念を導入することによって緩和することができる。モーメンタムは、目的関数の勾配の移動平均として定義される。モーメンタムを伴う確率的勾配降下法は最初にモーメンタムを計算し、次いでこのモーメンタムを使用して活性化係数を更新することにより機能する。
更新式は、以下のように与えられる。
ここで、
は、Xqの実数部およびXqの虚数部をそれぞれ定義する軸の方向の時間tにおけるモーメンタムを表す。ハイパーパラメータ
は、移動平均を形成するために使用される勾配の個数を、時間を遡って大まかに決定する。
A.チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)によるモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)
チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)項を目的関数に導入して、解ベクトルxの大きさを制約すると次の式が得られる。
ここで、
は、正則化の量を制御するハイパーパラメータである。
前述のように、次に、各活性化係数に関するこの目的関数の偏導関数を見つけ、以下に与えられる活性化係数の実数成分および虚数成分に関する更新式を決定することができる。
B.振幅正則化によるモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)
勾配降下法を使用する主な利点の1つは、最小化したい誤差関数をより細かく制御できることである。複素平面の半径が不明な円に活性化係数を押しこむように作用する異なる項を更新式に導入することができる。これは、所望の表面にわたって音圧を増加させることができる活性化係数の大きさを増加させるため有益である。これは、以下に与えられる新たな更新式を導く。
ここでは、
また、
は、アルゴリズムが活性化係数の大きさを増加させる程度を制御するハイパーパラメータである。
両タイプのモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)アルゴリズムをオープンシーエル(OpenCL)に実装し、グラフィックスプロセッサ(GPU)を含むラップトップ上で効率的に実行できるようにした。更新式の計算に係る計算コストを低減するために、実装が偏導関数の式に対して一次近似式を使用することに注意する。
C.代替目的関数
上述の目的関数は、複素平面z=0の原点の周りの小さな半径Rにおいてのみ微分可能であることに注意する。これは、アルゴリズムの収束保証を提供することが困難であることを意味する。実際には、アルゴリズムは十分にうまく機能する。しかし、より厳密にしたい場合には、複素平面全体で微分可能な異なる目的関数を使用することができる。まず、微分可能な誤差関数を次のように定義できる。
また、これを使用して、複素数値の目的関数を次のように定義する。
この複素数値の目的関数には、同じ絶対誤差|E(rk*,x)|を有する複数の極小値がある。同じ絶対誤差を有する無数の極小値が存在する。これは、所与の初期ベクトルの収束率を増加または減少させることができる。
IV.実施例
図1は、アレイの上方200mmの高さでウルトラハプティクスのロゴを生成するために必要とされる活性化係数と、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝播することにより得られるシミュレートされた音場とを示すプロット100のグループを示す。1枚目の図110は、パスカル(Pascals)単位の音圧レベル(SPL)のスケール115を有する圧力場の振幅のプロットを示す。2枚目の図130は、圧力場のトランスデューサ面における振幅分布のプロットを示し、スケール135は、1.0がフル駆動である駆動振幅を示す。3枚目の図120は、ラジアン(radians)単位のスケール125で圧力場の位相のプロットを示す。4枚目の図140は、ラジアン(radians)単位のスケール145で、トランスデューサ面における位相分布のプロットを示す。活性化係数は、チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)アルゴリズムを用いた特異値分解(SVD)を用いて計算した。
図2は、アレイ上200mmの高さでウルトラハプティクスのロゴを生成するために必要となる活性化係数と、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝播することによって得られるシミュレートされた音場とを示すプロット200のグループを示す。1枚目の図210は、パスカル(Pascals)単位の音圧レベル(SPL)のスケール215で圧力場の振幅のプロットを示す。2枚目の図230は、圧力場のトランスデューサ面における振幅分布のプロットを示し、スケール235は、1.0がフル駆動である駆動振幅を示す。3枚目の図220は、ラジアン(radians)単位のスケール225で、圧力場の位相のプロットを示す。4枚目の図240は、ラジアン(radians)単位のスケール245で、トランスデューサ面における位相分布のプロットを示す。チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)アルゴリズムを用いたモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)を使用して活性化係数を計算した。
図3は、アレイ上200mmの高さでウルトラハプティクスのロゴを生成するのに必要となる活性化係数と、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝播することによって得られたシミュレートされた音場とを示すプロット300を示す。1枚目の図310は、パスカル(Pascals)単位の音圧レベル(SPL)のスケール315で、圧力場の振幅のプロットを示す。2枚目の図330は圧力場のトランスデューサ面における振幅分布のプロットを示し、スケール335は、1.0がフル駆動である駆動振幅を示す。3枚目図320は、ラジアン(radians)単位のスケール325で、圧力場の位相のプロットを示す。4枚目の図340は、ラジアン(radians)単位のスケール345で、トランスデューサ面における位相分布のプロットを示す。活性化係数は、振幅正則化アルゴリズムを用いたモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)を使用して計算した。
図4は、振幅利用が全てのトランスデューサの振幅の合計をトランスデューサの総数で割ったものとして定義されるプロット400を示す。このグラフは、振幅正則化410で、モーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)のパラメータλ420がアレイの振幅利用にどのように影響するかを実証する。この結果40から、λが増加すると、予測通りアレイの振幅利用が増加することが分かる。
図5は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝播させることによって得られた、パスカル(Pascals)単位の音圧レベル(SPL)のスケール515で、測定音場510を実証するプロット500を示す。チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)アルゴリズムを用いた特異値分解(SVD)を使用して活性化係数を計算した。音響測定は、変換した3Dプリンタに取り付けられたマイクロフォンを用いて行った。
図6は、チェビシェフ指向性(Chebyshev directivity)モデルを用いて活性化係数を伝搬させることによって得られた、パスカル(Pascals)単位の音圧レベル(SPL)のスケール615で、測定音場610を示すプロット600である。活性化係数は、振幅正則化を用いたモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)を使用して計算した。音響測定は、変換された3Dプリンタに取り付けられたマイクロフォンを用いて行った。
V.追加開示
A.チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)による特異値分解(SVD)
ロング(Long)らは、線形システムを解くためのチホノフ正則化(Tikhonov Regularization)を提示した。チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)を適用するには、線形システムの拡張が必要である。これにより、行列のサイズは(m×n)から((m+n)×n))に増加する。これにより、線形システムを解く計算コストは増加する。
ここに提示したアルゴリズムは、線形システムを拡張することなくチホノフ正則化(Tikhonov Regularization)を適用することができる。これにより、線形システムを解く計算コストを増加させることなく、チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)の利点を得ることができる。
また、特異値分解(SVD)計算を(m×n)行列ではなく(n×n)行列に減らす方法を提示している。
さらに、ロング(Long)らの研究にはないチホノフ正則化(Tikhonov Regularization)パラメータの最適値を決定する方法を提示する。
B.モーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)およびチホノフ正則化(Tikhonov Regularization)
エビニ(Ebbini)らは複数の焦点を生成するために必要な活性化係数を決定するために、基本の勾配降下を使用するスケッチを提示している。
ここに提示したアルゴリズムは、モーメンタムを伴う確率的勾配降下法(SGD)およびチホノフ正則化(Tikhonov Regularization)を用いて、この方法を開発している。
確率的勾配降下法は、勾配降下より計算効率が良い。n個のトランスデューサおよびm個のフィールドの点の場合、各反復で、計算の複雑さがO(mn)からO(bn)に軽減する。
アルゴリズムの確率的性質により、極小値からの脱出の可能性が考えられる。
モーメンタムを含むことは、指数加重平均導関数を使用してパラメータ工程を計算することを伴う。これにより、アルゴリズムの確率性の一部が平滑化する。
峡谷(ravines)、つまり誤差関数がある次元において別次元よりも急な勾配を有する領域は、極小値付近によく見られる。
確率的勾配降下法(SGD)の規格では、これらの峡谷(ravines)を上下に振動させる傾向がある。モーメンタムは、アルゴリズムを局所的または大域的な最小値に向けて加速するのに役立つ。
チホノフ正則化(Tikhonov Regularization)の追加は、解の大きさを低減するのに役立つ。これはアルゴリズムに、より少ない電力を使用する活性化係数のセットを見つけることを強制するため有益である。
更新式を計算するための計算コストを低減するために、目的関数の偏導関数の式を省略した。
C.モーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)および振幅正則化
これは、正則化を除くすべての点に対して上記のように適用され得る。
エビニ(Ebbini)らは、アレイのトランスデューサの電力出力を増加させるための試行において、それらの擬似逆法(Pseudo-inverse method)に第2の計算段階を導入した。彼らは、線形システムを修正するための最適な重み付け行列を見つけるために反復法を使用する。
ここに提示したアルゴリズムは、活性化係数を複素平面の半径Rの円に向かって押すモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(SGD)の更新式に正則化項を含む。この結果、トランスデューサの電力出力が増加する。
これは、より強力な触覚表面を生成するためには有利となる可能性がある。
更新式を計算するための計算コストを低減するために、目的関数の偏導関数の式を省略する。
2)グループ化駆動信号を用いた可変焦点音響トランスデューサアレイ
I.イントロダクション
音響フェーズドアレイの基本的な動作は、入力パラメータとして所望のフィールドおよび各トランスデューサの位置を使用し、一連の駆動条件(位相および振幅)を導出することから構成される。これは、各素子に必要な位相および振幅を生成するために、駆動回路の柔軟性を必要とする。本発明はよく知られた設定を採用し、仮定を逆転させる。つまり、所望のフィールドの場合、すべてのトランスデューサが同じ駆動を有すると仮定する。次に、所望の出力を実現するためにどこに配置すべきかを決定する。言い換えれば、駆動を変える代わりにトランスデューサの配置を変え、所望のフィールドを実現する。
所与のフィールドを実現するためのトランスデューサ配置は劣決定システム(underdetermined system)であり、多くの解を可能にする。これにより、相互排他的な配置の解を使用して、複数の独立したフィールドを同時に生成することができる。適切に選択すると、独立した位相でこれらのフィールドを合計する機能を促進し、干渉パターンをカスタマイズ可能にする。例えば、複数の焦点で使用される場合、他の焦点を破壊的に減衰させながら、1つまたは複数の焦点に圧力を建設的に加えることができる解を形成することができる。その結果、グループが一緒に駆動するトランスデューサのカスタムレイアウトが得られる。各グループの相対位相、振幅、および駆動周波数が、出力フィールドを決定する。
トランスデューサ配置の決定を開始するために、本明細書では解フィールドと呼ばれる、位相値および振幅値のアレイが生成されなければならない。このフィールドは、現実世界の位置に対応する位相値および振幅値のアレイとして定義され、トランスデューサのセットがアレイで指定された位置に配置され、それらの位置に含まれる位相値および振幅値で駆動される場合、その結果のアレイの出力は、既知のフィールドに近づくことになる。従来のフェーズドアレイは、既知のトランスデューサ位置において、各所望の新たなフィールドでこれらの値を計算する。同様に、同じアルゴリズムを使用して、仮の解のアレイを生成することができる。トランスデューサが様々な場所にある場合、必要な駆動は何か。
図7には、解フィールドの例とともに、解を用いて40kHzトランスデューサの直線アレイにより生成されるフィールドのシミュレーションを示す。この解は、所望の焦点位置に配置され、z=0平面に投影された所望の相対位相で駆動するトランスデューサのフィールドをシミュレートすることを含む。結果としての複素共役を取ることによって、伝播の方向を逆転し、それにより、シミュレートしたソースに向かって収束するフィールドを作り出す解が生成される。複数の同時焦点の場合、他の焦点に比例する正しい振幅に投影しなおすために、各投影フィールドを合計前に適切にスケーリングする必要がある。すべての焦点が解の原点と等しい距離にある場合、このスケーリングは不要である。そうでなければ、サンプリングされたサブセットによって生成されたフィールドのシミュレーションを用いて相対振幅を確認し、次いでこれを用いて「ソース」トランスデューサの相対振幅を再調整する、反復技法を用いる必要がある。
具体的には、図7がアレイシミュレーションを用いた相反性を使用した例示的な解フィールドを示す一組のプロット700を示す。プロットA 710および強度スケール715はラジアン(radians)単位の位相であり、プロットB 720および強度スケール725は、振幅(1にスケーリングされた)および、[x、y]=[5、0]、[0、5]、[-5、0]、および[0、-5]cmの4つの焦点のフィールドの相反性技術によって生成された解フィールドである。プロットA 710およびB 720のxは、1.03cmピッチでの16×16の直線状に配置したシミュレーションで使用されるサンプリング値を示す。抽出されたトランスデューサの位相および駆動振幅は、プロットC 730で示されており、強度スケール735はラジアン(radians)単位で示され、陰影は振幅に比例する位相および塗りつぶされた円の半径を示す。焦点高さ(z=.1cm)におけるx-yスライス(周波数40kHzを使用してシミュレートされた)においてこのアレイによって生成された(最大値に正規化された)音場のシミュレーションがプロットD 740に、正規化された圧力の強度スケール745で示されている。シミュレーションは、x、y=0から半径5cmに4つの所望の焦点を示す。
解フィールドを作成する別の方法には、以下の式を解くことが含まれる。
(式1)
ここで、xは、アレイの各トランスデューサの複素駆動振幅を表す列ベクトルであり、Aは次のように示される。
ここでαj(Xk) はアレイ中心Xkからオフセットした位置でトランスデューサjによって生成される複素値スカラー線形音響量αを表し、これは選択された方向における音響圧力または音響粒子速度であると評価することができる。bは各関心点Xkにおける所望のスカラー線形音響量αである。この表記では、トランスデューサの総数はnである。所望のフィールド量に対する一連の駆動振幅を解くことは、以下のとおり簡単であり、
ここで、A-1はムーア・ペンローズ擬似逆行列(Moore-Penrose pseudoinverse)のAである。これは最小ノルムの解を生成する。解フィールドは、解フィールドの所望の解像度を表すピッチで分布された多くの点状トランスデューサのアレイを考慮することによって、この技法を用いて生成することができる。トランスデューサモデルαはその中央が各位置に配置された場合に、現実世界のトランスデューサによって生成されるフィールドを表す。次に、所望の焦点のセットは、bで非ゼロ値と対になった関心点として指定することにより示される。
図8に擬似逆法の例を示す。この場合、Aで考慮した仮想トランスデューサは、x、y=-.125mからx、y=.125mまで直線状に1mmピッチで配置される。各点αは、一般的な40kHz、直径1.03cmの超音波トランスデューサからの圧力出力を表すトランスデューサモデルである。z=10cmの各長軸に沿って半径5cmの4点の関心点が、bの実際の等しい圧力値で選択された。現実のアレイの解を1.03mmピッチでサンプリングすると、予想される圧力場をもたらす。
具体的には、図8は、アレイシミュレーションを用いた擬似逆を用いた例示的な解フィールドを示す一組のプロット800を示す。強度スケール815のプロットA 810は、ラジアン(radians)単位の位相であり、強度スケール825のプロットB 820は、[x、y]=[5、0]、[0、5]、[-5、0]、および[0、-5]cmにおける4つの焦点に対し擬似逆法によって生成された振幅(1にスケーリングされた)解フィールドである。プロットA 810およびB 820のxは、1.03cmピッチで16×16の直線状に配置したシミュレーションで使用されるサンプリング値を示す。抽出された変換器の位相および駆動振幅は、位相および、振幅に比例する塗りつぶされた円の半径を示す陰影でラジアン(radians)の強度スケール835を用いて、プロットC830で示される。焦点高さ(z=.1cm)におけるx-yスライス(周波数40kHzを使用してシミュレートされた)において、このアレイによって生成された(最大値に正規化された)音場のシミュレーションがプロットD 840に、正規化された圧力の強度スケール845で示されている。シミュレーションは、x、y=0から半径5cmに4つの所望の焦点を示す。
相互校正法に勝る擬似逆法の利点は、関心点間の相対圧力を容易に特定することができる点である。これは、フィールドにゼロ(null)値を指定することにも及ぶ。
フィールドの解を生成するこれら2つの実例は最も使いやすいものの一部だが、決して可能な方法はこれらだけではない。他の解決方法には、ある面から別の面へとフィールドを変換するフーリエ変換方法、シミュレートしたフィールドをチェックし、段階的に変化させる反復法、突然変異(ランダム性)を導入し最適なパフォーマンスの結果を選択し、何度も反復する遺伝的アルゴリズムを含むが、これらに限定されるものではない。解フィールドは基準を満たすように機能する。解フィールドに配置され、指定された位相および振幅で駆動するトランスデューサのセットは、所望のフィールドにアプローチするフィールドを生成する。
本発明は、個別化した駆動信号を提供するのではなく、トランスデューサのグループ化に関する。解を数学的に定式化すると、式1は、ここでは次のとおりとなる。
ここで、xはグループごとの複素駆動を表す列ベクトルであり、Aと同様に、Cは次のように示される。
ここでαj(Xk) は、アレイ中心Xkからオフセットした位置でグループjによって生成される複素値スカラー線形音響量αを表す。bは前述のように、各関心点Xkにおける所望のスカラー線形音響量αである。この表記では、列Cは単に、空間の様々な点で単一のトランスデューサ出力ではなく、むしろ、それらの点で、位置が知られているトランスデューサのグループから予測または測定された出力である。
特定のフィールドのセットと、その結果のアドレス可能な関心点の直交のセットをもたらすC行列とが、本発明の鍵となる。これはC’と言い、そのエントリは次のように定義される。
ここで下に記した文字xとyは行列のインデックスとして使用され、iは虚数部、nはシステムの基数である。この場合、αはフィールド内の実スカラー値に比例するスケーリングした値を表す。正規化は点ごとに行うことができ、各点の間でフィールド内の実数値が異なっていても問題ない。加えて、四角形C’行列を実現するために、これも関心点の数(Xk)にも等しくなければならない。この条件を満たすフィールドのセットが選択されると、システムは次の通りとなる。
(式2)
ここで、下に記した文字mはxのインデックスを指し、これは、C’の行δの複素共役と同等である。結果としてシステムは次の条件を満たす。
言い換えれば、この設定は、全ての関心点が最大化した1つを除きゼロスカラーフィールドを有する駆動の解を提供する。x’は1未満の絶対値を指定できるが、これは駆動条件を最大化する必要がないということではなく、1未満の値を指定することは正規直交性条件を示すだけであり、現実世界の装置で必要に応じて最大値スケールバックできることに注意する。フィールドおよびグループのこの配置は、Xkによって指定した位置で、一連の選択可能な圧力点をもたらす駆動の解のセットをもたらす。
この条件を満たすフィールドのセットを構築する方法の例は、各関心点(Xm)を高圧焦点にすることである。次に、C’の構築における制約を用いて解フィールドを構築する。必要とされるフィールドの数は焦点の数に等しく、スカラー値αはフィールド間の各点で均一でなければならない。
図9および図10は、C’で指定された正規直交性条件を満たす4つのシミュレートされたフィールドの例を示す。この例題では以下の形式をとり、
z=10cmで点がそれぞれ[x、y]=[3、0]、[0、3]、[-3、0]、[0、-3]として配置される。図に見られるように、各焦点の位相は、C’行によって指定される位相に従う。提示されたシミュレーションは各フィールドを生成するため、直線のトランスデューサおよび新たな駆動条件のセットを使用する。それでも、すべてのフィールドをまとめて追加することは簡単である。これは、潜水条件x’=[1,1,1,1] と同等である。結果として各焦点のフィールドは、C’の各行の合計に従い、明らかに最初の点が1、その他の点が0となる。同様に、C’の行の共役に等しい各フィールドに位相シフトを適用すると、その点が有効となり、他の点は無効となる。
このシミュレーションは単に説明のためのものであり、本発明を実現するために、各フィールドはトランスデューサの異なるグループによって同時に生成されなければならない。このようにして、フィールドは、異なる相対位相で一緒に加算され、所望に応じて各焦点を生成することができる。各グループの構築は、先に提示した方法を使用して、各所望の焦点のセットで解フィールドを最初に生成することに依存する。次のセクションで提示する方法に従い、各解フィールドがトランスデューサの配置のため考慮される。
C’行列と結果として生成される解フィールドは、完全な正規直交性を表し、理論解析を単純化する。実際には、活性化されていない点が所与のアプリケーションの感度の閾値を下回ると「オフ」になる。1点を除く全ての点をバックグラウンドに近い状態に実質的に低減する一連の駆動条件が見つかる限り、完全に正規直交ではなくとも同等に有効なCの代替定式化を使用することができる。これは、式(2)によって示される駆動パラメータに従いながら、C’をわずかに置換することで生成できる。あるいは、所与のCについて、ムーア・ペンローズ擬似逆行列(Moore-Penrose pseudoinverse)を使用し、目標出力ベクトルb’’またはx’’=C-1b’’で乗算することにより、点ごとの所望の出力を試みることができる。トランスデューサのグループ化によって生じる低減された柔軟性を考慮すると、すべての目標出力を実現できるわけではない。
具体的に、図9はC’により指定された直交性を満たす一連のシミュレートされた圧力場の、正規化された実投影例を示すプロット900のグループを示す。4つの焦点は、z=10cmで、それぞれ[x、y]=[3、0]、[0、3]、[-3、0]、[0、-3]cmに位置する。これらの圧力場のシミュレーションは、z=10cm平面のx-yスライスである。提示されたフィールドは、1.03cmピッチの40kHzトランスデューサの直線16×16アレイのシミュレーションである。活性化係数は、擬似逆法によって生成される。正規化された圧力がδ=0であることを示す強度スケール915を有するプロットA910は、したがって、すべての点が正の実圧力と同位相である。プロットB920およびD940はそれぞれδ=1および3であり、点2および4を完全に虚数と指定され、したがって、この投影ではほぼゼロである。プロットC930は、点2および点4を負の実数として指定するδ=2である。
図10は、C’により指定された直交性を満たす、シミュレートされた圧力場のセットの正規化された仮想投影例を示すプロット1000のグループを示す。正規化された圧力を示す強度スケール1015を有するプロットA1010、プロットB1020、プロットC1030、およびプロットD1040は、図9に示すものと同様であり、ここでは、実平面ではなく仮想平面に投影するだけである。これは、δ=1および3の場合の点2と点4との間の位相差を示す。これらのシミュレーションにおける他の全ての点は、現実のように段階的に調整されており、この投影では見ることができない。
II.トランスデューサの配置
解フィールドによって導かれた配置により、単一の駆動位相を使用して所望のフィールドを実現することができる。解フィールドは指定された位置に配置されたトランスデューサの理想的な駆動位相および振幅を表す。必要となるのは、位相が一致する配置のみを考慮し、事前に定義されたパターンの使用を控える(forgo)ことである。
所望の数のトランスデューサの位置を選択することは、反復プロセスである。第1に、複素解フィールドを所与の位相に投影する。これを行う方法はまず、解フィールドに単位複素数e-iΦを乗算し、Φは所望の位相であり、続いて実投影を取る。ほとんどの解フィールドでは、この投影フィールドの値が大きいほど、その位置に配置されたトランスデューサがそのフィールドに寄与することになる。擬似逆により生成されるような最小ノルムの解フィールドは、必然的にこの特性を有する。振幅情報が解フィールドに含まれていない場合、またはフィールドへのトランスデューサ寄与に対応していない場合、寄与は別々に計算されなければならず、最大値が最大寄与に対応するように、その寄与によって解フィールドを変調しなければならない。トランスデューサを配置するための単純なアルゴリズムは次に、最も寄与の高い点から開始し、トランスデューサの物理的サイズを表すフィールド内の領域を除外し、次に高い点で所望の数のトランスデューサが配置されるまで、または解フィールドの物理的範囲内にこれ以上トランスデューサのための余地がなくなるまで繰り返す、などである。最も正の値および最も負の値の両方を考慮することにより、配置をさらに最適化することができる。負の値は、位相の配置が所望のフィールドに対する破壊的干渉をもたらすトランスデューサを表す。しかし、これらのトランスデューサを逆極性に配線し、その結果生じる音場の位相を反転することにより改善することができる。ほとんどの超音波トランスデューサは逆極性に配線した際に出力を失われることはなく、したがって、最終的なプリント基板の極性に注意し、適切に配線すること以外に修正を行う必要はない。非対称のトランスデューサは逆方向に配線されるとフィールドにそれほど寄与せず、これは、現実世界のトランスデューサデータからの各駆動極性の相対性能と一致する負の値をスケーリングすることによって、最も価値のある配置点を判断するときに考慮する必要がある。
図11は、この配置技術の例を示す。z=10cmで[x、y]=[5、0]、[0、5]、[-5、0]および[0、-5]cmに4つの焦点を生成する解フィールドは、上述の擬似逆法を用いて生成される。半径1.03cmのトランスデューサは、絶対寄与が最も高いものから最も低いものまで反復的に配置される。すべてのトランスデューサが40kHzの最大振幅で同位相で(または負の寄与位置に配置されたトランスデューサでは180度位相がずれて)駆動された場合のz=10cmでのフィールドのシミュレーションが示されている。その結果の音場は、所望の焦点を再現する。
具体的には、図11は、トランスデューサ配置を案内するために解フィールドを使用する構造化音場生成の例を示すプロット1100を示す。この例では、シミュレートされたアレイからz=10cmの高さで、[x、y]=[5、0]、[0、5]、[-5、0]、および[0、-5]cmに所望の焦点を有する擬似逆法を使用して、解フィールドが生成される。プロットA1110は、解フィールドならびに円によって表される反復的に配置したトランスデューサを示す。遮光値に配置したトランスデューサは同位相で駆動し、暗い位置に配置したトランスデューサは位相がずれて駆動する。シミュレートしたトランスデューサは、全振幅で駆動する。周波数40kHzでのz=10cm平面で生じるシミュレートした圧力場は、ピーク値に対して正規化された強度スケール1125を有するプロットB1120に示される。予想通り、トランスデューサのこの配置は、解フィールドで所望の位置に4つの焦点を生成する。
この技術は、振幅を変調することができる単一のフィールドを生成する。しかし、図9および図10に示すように、C’により指定された直交のフィールドのセットを生成するトランスデューサのセットを配置することによって、機能性は向上する。複数のフィールドを生成できる単一のプリント基板(PCB)上にトランスデューサを配置するには、すべての解フィールドを同時に考慮し、どのフィールドで最も利益を得ることができるかを考慮してトランスデューサ位置に配置する必要がある。
これを実現するために、本明細書ではアキュムレータと呼ばれる動作中の全寄与を維持しながら、各フィールドに対してトランスデューサが配置される。各配置ステップで、動作の累計が最も低いグループが次に考慮される。アルゴリズムの最初などで同点の場合は、基本的な順序付けなどの事前に定義された優先順位に従わなければならない。トランスデューサの配置が決定した後、トランスデューサの物理的サイズに関連する領域は、すべての解フィールドで、その後のすべての配置から除外される。配置位置での解フィールドの大きさは、フィールドへの寄与を表し、この値が、次の配置が考慮される前にグループのアキュムレータに加えられる。このアルゴリズムは、図12のフローチャートとして表される。
図12は、複数の解フィールドにトランスデューサを同時に配置するための決定のフローチャート1200を示す。ステップ1について、アルゴリズムは、正味の寄与が最も低い解フィールドを選択する。同点の場合、アルゴリズムは事前に定義された優先順位を参照する1210。
ステップ2 1220では、アルゴリズムは、所与の位相投影(除外した位置を無視して)で最大振幅寄与を見つける。配線が逆極性の場合、最大振幅寄与は最も負の寄与にもなり得る。その場合、フィールド寄与は、寄与の絶対値を取り込む。
ステップ3 1230では、アルゴリズムは、この寄与値を対応するアキュムレータに加算する。さらに、アルゴリズムは、フィールド寄与アキュムレータ1250と連動しており、フィールド寄与アキュムレータ1250は、優先変調子(priority modifier)によって変調可能な、事前に配置されたトランスデューサの動作寄与の動作の累計である。次にこれは、ステップ1 1210と連動する。
ステップ4 1240では、アルゴリズムは、トランスデューサ配置のすべてのフィールドで最大値の周囲の領域を除外する。さらに、アルゴリズムは解フィールド1260と連動し、解フィールド1260は独立して考慮することができ、または互いの値と加算または変調することができる。次にこれは、ステップ2 1220と連動する。
所望の数のトランスデューサが配置されるか、有効な配置がなくなるまで、アルゴリズム全体が繰り返される1270。
この方法の使用例を図13に示し、図7および図8と同じ所望の焦点のセットを使用し、117トランスデューサアレイを探す。
図13は、z=10cmの高さの[x、y]=[5、0]、[0、5]、[-5、0]、および[0、-5]cmにおける一連の焦点に対し相反アプローチを使用して生成された4つの直交解フィールドを有する、図12のアルゴリズムの実行例を示すプロット1300を示す。提示したフィールドは明るい値が正、暗い値が負の実投影である。グループ1 1310、グループ2 1320、グループ3 1330、およびグループ4 1340のトランスデューサは円(直径1.03cm)で示され、配置の絶対順序は各円の真上に番号で示される。グループはその番号に基づいて優先順位付けされ、1は最も高く、4は最も低くなっている。トランスデューサは逆極性に配線することができ、暗い中央部分はこの逆の動作を表す。この実施例では、設計により117のトランスデューサを配置した。
図14は、結果として得られる出力を示す。
図14は、図13の解フィールドを使用して構築された、最終的に配置されたトランスデューサアレイを示すプロット1400を示す。グループ1 1415、グループ2 1420、グループ3 1425、およびグループ4 1430のグループ指定は、グラフ1410に示すように、どのフィールドが生成されているかを明示する。
このアレイを生成できるフィールドを図15に示す。
図15は、周波数40kHzのz=10cm平面において、図14の各グループによって生成された、シミュレートされた音場の正規化された実投影のプロット1500を示す。グループ1 1510、グループ2 1520、グループ3 1530、およびグループ4 1540はそれぞれ、独立して同位相で駆動し、シミュレートされたフィールドを形成する。これらのフィールドは図9と直接比較することができるが、ここではこれらのフィールドはすべて同時に生成され、個別に処理することができる。図9のように、グループ2および4の点2および4は、完全に虚数であり、したがってこの投影では見えない位相を有する。しかし、仮想投影では、図10と同様の位相挙動が明らかになる。
図16に示すように、これらのフィールドは同時に生成でき、その結果、選択可能な焦点となる。この図は、投影ではなく圧力場の正規化された絶対値を示しているため、位相に関係なく高圧領域が表示される。
図16は、図14に示したトランスデューサの配置およびグループ化により生成された正規化された圧力場(絶対値)のシミュレーションであるプロット1600を示す。各サブプロットで、式(2)によって指定された位相で各グループを駆動することにより、異なる点が活性化する。0~3の各デルタ値は、4つのプロット1610、1620、1630、1640でそれぞれ点1~4を活性化する。予想されるように、所望の点は活性化、他の点は無効となる。
別の構成では、アキュムレータを使用する代わりに、すべての解フィールドの中で最良の点が配置の全ラウンドで選択される。非常にバランスのとれた配置の点(原点を中心に対称な配置など)の場合、これにより効率的な配置をもたらすことができる。しかし、1つの点が寄与するのが非常に容易である一方で、他の点で寄与するのが困難となる場合には問題が生じる。これにより、1つのフィールドが他のフィールドと比べて過剰に配置され、その結果、合計されず、未選択の点をキャンセルすることとなる。
異なる所望のピーク圧力を有する焦点は、説明した配置技術を使用して生成することができる。解フィールドはそれぞれ、C’で指定された相対位相に従うと同時に、それぞれの所望のピーク圧力を強化する必要がある。例として、相対圧力が1.0および0.5の2点のアレイが望ましい場合、各解フィールドは必要な位相でそれらの圧力を生成しなければならず、この場合、第1グループは0.5および0.25の圧力を生成し、一方で第2のフィールドは0.5および-.25の圧力を生成する。位相内で合計すると、第1の点は所望の圧力で生成され、位相外で合計すると、第2の点は所望の圧力で生成される。
直交位相行列C’は、本質的に特定の投影を指定するのではなく、単に各グループ間の相対位相を指定する。ここまでの例では、実数値は実数値、虚数値は虚数値であると仮定している。実際、例えばC’の実数部分が虚数、虚数部分が負の実数となるようにシステム(および解フィールド)を回転した場合、システムは動作のシステムに構築される。すべての解フィールドは同じ量だけ回転しなければならない。これは、Φが所望の位相である場合、C’にe-iΦを乗算することと同じである。これは事実上、すべての解フィールドを同じ量だけ回転する。この回転を実行すると、新たなアレイ配置が得られ、トランスデューサのサイズとフィールドの間の相互作用の特殊性を考慮することで、より良い最終設計となる。
図17は、異なる回転の出力例を示す。
図17は、ソース解フィールドの前回転(pre-rotation)を用いた、トランスデューサアレイの例を示すプロット1700を示す。基本の解フィールドおよび目的焦点は図13と同一だが、最初に各サブ図の名称で示された複素数を乗算する。左上のプロット1710は図14と同一で変調されていない配置を示す。他のプロット1720、1730、1740は、前回転が許容された場合の配置を示す。各プロットは、指定されたグループ1 1751、グループ2 1752、グループ3 1753、およびグループ4 1754を使用する。いずれも、同様の音場を生成する。
この方法による最適化は、各アレイの構築後に評価される性能メトリックを使用して実行することができる。性能メトリックの例には、アレイフットプリント、焦点圧力の標準偏差、または絶対焦点圧力の合計があるが、これらに限定されない。広範囲の前回転位相を探すことで、最終設計に漸進な改善をもたらすことができる。
提示した配置技術は、何らかの理由でトランスデューサを配置することができない可能性がある領域を収容するのに十分に柔軟である。例えば、プリント基板(PCB)の中央には、トランスデューサの代わりにボタンまたはセンサーを含める必要のある場合がある。トランスデューサ位置が選択され、その後、その物理的位置がすべてのフィールドにおいてその後の配置から除外される場合と同様に、配置できない可能性がある領域は、配置が始まる前に除外することができる。
図18は、この変形例を示す。
図18は、グループ1 1810、グループ2 1812、グループ3 1814、およびグループ4 1816を示す中央除外領域を有するレイアウト1810の例を示すプロット1800を示す。このアレイは、図13に示す解フィールドで生成され、ここでは原点を中心とする半径3cmの円のみが除外される。この除外により、トランスデューサの中心がその領域内に存在することを防ぐ一方で、トランスデューサの端の全範囲が重なる可能性がある。トランスデューサの全幅を除外する必要がある場合、中心領域を必要量だけ増やすことができる。この方法でトランスデューサを除外すると、除外されたアレイに対する焦点圧力および効率に影響を及ぼす。
トランスデューサ配置の別の可能な改良は、トランスデューサ位置が設定された後に解決方法を使用することによって実現される。各所望の焦点にソルバアルゴリズムを実行して、各トランスデューサの最良の位相を評価することができる。完全に最適化されたアレイの場合、C’で指定された各グループの正確な駆動位相を予測する。しかしながら、これは、トランスデューサの物理的サイズによってもたらされる現実世界の制約を考慮すると起こり難い。全てのトランスデューサの各焦点の偏差は、独立して評価されなければならない。生成された偏差は、理想からの偏差が最も大きいものを最悪、偏差が最も小さいものを最高とし、それらの性能によってトランスデューサをランク付けするために使用され得る。これは、各点からの合計偏差、全ての点の独立した最悪の偏差、または他の加重和となる。ランク付け後、最悪のトランスデューサはより良い性能を実現するために、除去されるか、または位置を調整される。
別の改良の可能性は、遺伝的(genetic-style)アルゴリズムを使用して調整を行うことである。この場合、トランスデューサアレイが設定された後、トランスデューサにランダムな変位が与えられる。多数の異なる変位セットが性能を評価され、最良の性能を有するサブセットが選択される。別のラウンドのランダム変位が実行され、その後、別の選択が行われる。このプロセスは、所望の性能が実現するか、著しい進歩がなくなるまで繰り返すことができる。
トランスデューサ配置に対する別の可能な改良は、C’への順列を考慮することである。上述のように、効果的な操作には、完全な正規直交性は必要ない。位相または振幅偏移(amplitude shift)を1つまたは複数の解フィールドに他と比較して適用することは、それぞれのグループの位相または振幅を完全除去からわずかに偏移させるが、操作有効性を維持しながら、サイズまたは効率などがより望ましい属性を備えた基板をもたらす可能性がある。
さらに別の配置の改良では、配置前に解フィールドを変調することによって実現することができる。そのような変調の一つは、トランスデューサの物理的サイズをブレカーネルとして使用して、フィールドの実数部および虚数部をぼかすことである。これにより、位相変動性が高い位置の優先順位が下げられる可能性がある。これは、そのような領域に配置されたトランスデューサがそのサイズを考慮すると効果的に寄与しないため有益である。これは、使用される音の波長よりもはるかに大きいトランスデューサを設定する際に重要である。
解フィールドに対する別の可能な変調は、他の解フィールドを変調の基礎として使用することである。例えば、一つの解フィールドの絶対値が大きい位置は、最良の寄与位置を表し、そのフィールドのゼロは、寄与がほとんどないかまたは全くない位置を表す。後者の場合、別の事例に大きく寄与することなく、あるフィールドに寄与する位置を見つける可能性がある。これは、一つのフィールドの絶対値から1を引いたものを使用し、その値に別のフィールドを乗算することによって実現することができる。結果として得られる解フィールドは、第1への寄与を最小化しながら、第2に寄与する。2つ以上の変調フィールドを同時に使用することができる。この技術はトランスデューサ配置効率を最適化する可能性があるが、レイアウト合計のサイズが犠牲となる可能性がある。
この技術の別の改良は、トランスデューサ配置ごとに基礎解フィールドを変更することである。トランスデューサを配置し、グループに割り当てるとき、これは、解フィールドに因数分解することができるソースおよび位相(各所望の点で異なる)が定義される。トランスデューサ配置を取るフィールドは変更されないが、他の全てのフィールドはC’によって与えられた位相で既に決定された配置を使用して、トランスデューサ配置を考慮することができる。各反復後の新しい解フィールドは、配置されたトランスデューサをより適切に補償することができる。
本技術の別の改良では、各トランスデューサを配置した後に、性能メトリックを作成し、評価することができ、評価が低すぎる場合、別の配置を選択することができる。例えば、単純な性能メトリックは、複素加重和としての各フィールドへの寄与である。配置が1つのフィールドで最高値のみを考慮する場合、他のフィールドは無視される。すべてのフィールドへの合計寄与を考慮する性能メトリックでは、一部の配置がスキップされ、すべてのフィールドへの寄与がより高い他の配置が優先され、より効率的なアレイとなる。
提示したすべての例は、40kHzの直径1.03cmの円形トランスデューサで構成されることに注意する。これは、本発明を限定するものではない。当業者は、解フィールドおよび反復除外領域をそれぞれ単純に変更することによって、異なるトランスデューサ周波数または形状を適合させることができることを認識するだろう。さらに、提示された全ての例は、平面に配置された解フィールドを使用している。これもまた本発明を限定するものではない。解フィールドで指定された位置と、その結果として得られるトランスデューサの配置は、複数のレベルの平面を含む非平面の表面で行うことができる。この場合、解フィールドには、フィールド内の各点で必要な向きに関する情報が含まれている必要がある。
III.駆動方法
1つの用途は、空中ハプティクスである。これは、高圧超音波フィールドを使用者の手または他の身体部分に集束させることによって実現する。人間の触覚は静圧を検出することができるが、低周波振動に対してははるかに敏感である。これに関して、固定された音響焦点の静圧は、上記の例のような、適度な数の音響トランスデューサを使用するときに知覚することが難しい。代わりに、最大限の触覚感覚を実現するために、フィールドを20~300Hzの範囲で変調することができる。
変調を実行する最も基本的な方法は振幅変調である。点が選択され、式2から駆動位相が決定された後、これらの位相値の振幅を変調することができる。ゼロから始まり、滑らかな変調包絡線に従うと、可聴ノイズが少なくなり、静かな操作に適している。中央の超音波搬送波周波数の周りの駆動信号の全体の帯域幅が狭いほど、発生する可聴ノイズは少なくなる。例えば、正弦波で変調することは、帯域幅を最小化する。パルス幅変調(PWM)のスイッチング駆動信号を使用する場合、単に振幅を直線的に変換するのではなく、ローパス信号を考慮することが重要である。適切な変調幅は逆三角関数に従い、最大限の狭帯域信号を生成する。
空中ハプティクスに見られる別の変調技術は、時空間変調(STM)である。時空間変調(STM)は固定位置で振幅を変調するのではなく、高振幅の焦点を保存し、この焦点を曲線に沿って変換し、刺激の反復パターンを形成する(反復率を実効変調周波数として)。曲線が焦点スポットのサイズと比較して十分に大きい限り、曲線上の固定点に沿って実効振幅変調が達成される。本発明における多点配置は、反復パターンで一連の焦点を順次活性化することによって同じ効果を達成することができる。
一連の点を迅速に活性化することは、複数の方法で達成することができる。まず、式2から決定するδの異なる値を使用して、単にある点の活性化から別の点の活性化に切り替えることにより、所望の効果が得られる。しかし、位相の突然のシフトは、望ましくない可聴ノイズを生成する可能性が高い。ノイズの影響を軽減するために、活性化間の補間が解決策となる。ある実施形態では、各活性化の位相は、あるδから次のδにスムーズに移行し、再び戻る。これは、線形ステップ、または正弦波によって指示される大きさなどの可変ステップを使用して行うことができる。しかし、活性化の配置および選択された点に応じて、この技術は、不注意に不要な点を活性化する可能性がある。別の実施形態では、位相を変更する前に、最初に振幅をゼロに増加することによって、複数の点が活性化する。言い換えれば、あるδから開始し、振幅をゼロに増加させ、その後、異なるδを使用して再び増加させる。ある点から次の点へ順次ゼロに増加させることによって、所望の点のみが活性化することを保証する。
図19は、この駆動技術の例を示す。
図19は、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの、時間領域シミュレーション1900を示す。焦点1~6 1920 1922 1924 1926 1928 1930は[x、y]=[5、0]cmから始まり、高さz=10cmで原点の周りを等間隔で反時計回りに進む半径5cmの円に配置される。この例では、グラフ1910は各点の振幅が増加し、正弦波プロファイルでゼロに戻ることを示す。ゼロ交差において、活性化は、配列内の次の点に進む。この例のF_modは、すべての点をスキャンする周波数である。結果として、各正弦波プロファイルに使用される周波数は、この値の6倍となる。提示された曲線は各焦点の位置での圧力であり、ピーク圧力は、達成された全ての点の中で最も高いものに正規化される。これは予想される変動であり、トランスデューサの物理的なサイズによるものである。
異なる駆動周波数を考慮すると、追加の変調の可能性が利用可能となる。本発明において提示される数学的フレームワークは、単色(単一周波数)フィールドを想定している。この表記における他の周波数を考慮するために、時変関数が変調として使用される。例えば、新しい周波数 f=f0+Δf (ここで、f0は搬送波周波数である)での活性化は、次のように表すことができる。
ここで、x0は、搬送波周波数での活性化である。これは、周波数の差に関連する速度で時間とともに位相が偏流する活性化として、異なる周波数をどのように表すことができるかを示す。これを使用するには、特定の時間に異なる点が活性化するように、異なる周波数帯を一連の周波数で駆動する必要がある。例えば、複数の周波数を使用して、全ての点を連続的に活性化する最も基本的な方法は、次の式を使用する。
ここで、mはグループの数であり、nはグループの総数であり、fmodは所望の変調周波数である。なお、時間
で、式(2)を満たし、δで与えられる点が活性化される。この周波数の形状は、fmodによって与えられる周波数の規則的な反復パターンで、全ての点を順に活性化する。活性化周波数に関しては、各グループをf(δ)=f0+δfmodで駆動することと同じである。合計点が2つのシステムの場合、必要なことは2つの周波数で駆動することだけであり、相対位相のどの部分も整列する必要はない。3点以上の場合、正しい相対位相で歳差運動(precess)を行うために、すべての信号は共にゼロ(または他の値)で開始する必要がある。
図20は、このマルチ周波数駆動技術の例を示す。
図20は図19と同一の、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーションによるプロット2000を示し、ここでは多周波数技術を使用するだけである。焦点1~6 2020 2022 2024 2026 2028 2030は、グラフ2010に示される。この例では、すべてのグループは全振幅で開始し、m*f_mod(ここで、mはグループ(マイナス1)である)だけ増加する周波数でそれぞれ駆動する。提示された曲線は各焦点の位置での圧力であり、ピーク圧力は、達成された全ての点の中で最も高いものに正規化される。この駆動技術では、各圧力スパイクの幅がより広くなり、周期ごとに各点に送達されるエネルギーはより多くなることに注意する。
多周波数技術の利点の一つに、1つのグループが変調せずに単色信号を生成するだけという点がある。これは、非線形ノイズ生成の観点から理想的である。複数の周波数を混合しなければ、不要な可聴音は低減される。さらに、結果として得られる圧力の包絡線対時間は、振幅変調技術よりも広く、周期ごとに各焦点に蓄積されるエネルギーはより多くなる。
搬送波よりも低い周波数は負のΔfを有し、同じ効果を得るために使用することができる。駆動をf(δ)=f0-fmodに変更するだけで、活性化の順序が逆になる。さらに、C’に対する対称性があり、グループをカウントアップするときにΔfが正の値に、グループをカウントダウンするときに負の値に進むことができ、これらは混合することができる。Δfの正と負の両方の値を使用する例を図21に示す。
図21に示すのは図20と同一の、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーション2100であり、ここでは正および負のデルタ周波数の両方を使用する多周波数技術を使用するだけである。焦点1~6 2120 2122 2124 2126 2128 2130は、グラフ2110上に示される。この例では、グループ2および3がそれぞれ、f_modおよび2*f_modの増加する周波数で駆動され、グループ6、5、および4はそれぞれ、周波数-f_mod、-2*f_mod、および-3*f_mod駆動される。提示された曲線は、各焦点の位置での圧力であり、ピーク圧力は、達成された全ての点の中で最も高いものに正規化される。その結果は、活性化されていない点におけるわずかな差異を示す。さらに、図20と比較して、40kHz付近のより狭い帯域幅を使用する。
この場合、グループ2および3は搬送波よりも大きい周波数を有し、グループ5および6は、搬送波よりも小さい周波数を有する。これは、非活性化点の圧力にわずかな影響を与え、焦点の配置および結果として生じるトランスデューサに応じて、より良い触覚をもたらす可能性がある。
多くの用途において、すべての点を一度に活性化する必要はない。例えば、6つの点の設計では、これらの点のうちの3つの点は1つの仮想ボタンに紐づき、他の3つの点は異なる仮想ボタンに紐づく。ユーザーが最初のボタンを操作するとき、次の3つの点を作動させるエネルギーを無駄にすることは望ましくない。これは議論されるように、振幅変調を用いて達成できるが、多周波数活性化はノイズの低減および電力の増加など、多くの利点を有する。すべての焦点の組み合わせを異なる周波数で活性化することができないが、特定のサブセットは活性化できる。具体的には、整数の約数を持つ多数のグループの配置は、サブセット駆動に使用できるパターンを有する。これらの場合、それらのグループの活性化ベクトルは、次のようなパターンとなる。
例えば、偶数のグループは、n/2グループに対して正および負の活性化のパターンがある。そのグループが1/nに保持されている場合、点の半分だけが活性化される。同様に、グループが-1/nに保持される場合、他の半分が活性化される。他のグループは、必要なグループと同時に並ぶように駆動しなければならない。これは、正、負、または混合したΔfを用いて達成することができる。
図22および図23は、サブセット駆動の例を示す。
図22には図20と同一の、40kHzの実施形態における6つの点の117のトランスデューサの時間領域シミュレーション2200が示されており、ここでは3つの点の多周波数サブセット駆動の様々な配置を示しているに過ぎない。各プロットA、B、C、D2210、2212、2214、2216は、点1~6 2220 2222 2224 2226 2228 2230をグラフ化している。提示された曲線は各焦点の位置での圧力であり、ピーク圧力は、達成された全ての点の中で最も高いものに正規化される。プロットA2210はグループ1および4の活性化を1/√6に保持し、他のグループはm*f_modに保持する。プロットB2212は、グループ1および4の活性化を1/√6に保持し、グループ2および3の活性化をそれぞれf_modおよび2*f_mod、グループ6および5の活性化をそれぞれ-f_modおよび-2*f_modに保持する。プロットC2214はグループ1を1/√6に、グループ4を-1/√6に、その他のグループをm*f_modに保持する。プロットD2216は、グループ1を1/√6に、グループ4を-1/6、グループ2および3をそれぞれf_modおよび2*f_mod、グループ5および6をそれぞれ-f modおよび-2*f_modに保持する。全ての活性化組合せは適切な点を活性化するが、混合デルタ周波数を使用することによって、最大値Δfが最小化され、その結果、各点でより大きな圧力幅およびより多くのエネルギーが得られる。
図23には図20と同一で、40kHzの実施形態における6つの点の117トランスデューサの時間領域シミュレーション2300が示されており、ここでは3つの点の多周波数サブセット駆動の様々な配置を示しているに過ぎない。各プロット2310、2320、2330は、点1~6、2340、2342、2344、2346、2348、2350をグラフ化している。提示された曲線は各焦点の位置での圧力であり、ピーク圧力は、達成された全ての点の中で最も高いものに正規化される。上のグラフ2310は、グループ1、3および5を1/√6に保持し、残りをf_modで同位相で駆動する。これは、点1 2340および点4 2346を活性化する。中央のグラフ2320は、位相オフセットがe2π(m-1)/6のみである同様の周波数駆動条件であり、mはグループ番号である。これは、点2 2342および点5 2348を活性化する。下のグラフ2330は位相オフセットがe4π(m-1)/6 の位相オフセットのみである同様の周波数駆動条件であり、mはグループ番号である。これは、点3 2344および点6 2350を活性化する。
混合Δfを使用することにより、搬送波周波数の最大値α*Δf偏差がサブセットを活性化することができ、ここでαは、所与のサブセットで活性化されている点の数である。
触覚に加えて、本発明における方法を使用して配置されたトランスデューサ基板を使用して、操向可能な指向性オーディオを生成することができる。この実施形態では、活性化点が所望の可聴音を生成するような方法で変調される。各グループを特定の位相で保持し、所望の点を活性化することで、オーディオはその方向に操向される。アレイに近接する焦点は結果として得られる方向性を制限するが、触覚またはスタンドアロンとにあわせた所望の音を提供することができる。しかしながら、焦点はアレイに近接して配置される必要はなく、これは長距離指向性のオーディオ装置にとっては望ましい。その場合、所望の焦点および関連する解フィールドは、アレイから遠く離れて配置され、結果として得られるフィールドはビームに似ている。異なる点により異なるビーム方向が可能となり、操向可能なオーディオビームをもたらす。
IV.追加開示
空中ハプティクス装置は以下から構成される。
a)複数の超音波トランスデューサ
b)所望の音場
c)所望の音場から派生した解フィールド
d)解フィールドから派生した少なくとも2つの位置
e)所望の位置に配置された少なくとも2つのトランスデューサ
f)駆動信号
g)これにより、複数のトランスデューサは、駆動信号と共に駆動すると、実質的に所望の音場を生成する
空中ハプティクス装置は以下から構成される。
a)複数の超音波トランスデューサ
b)複数の駆動信号
c)1つの駆動信号に接続された少なくとも2つのトランスデューサ
d)第2の駆動信号に接続された少なくとも2つのトランスデューサ
e)複数の焦点
f)両方の駆動信号が同位相で駆動すると、少なくとも1つの焦点の圧力が増加する*
g)少なくとも1つの駆動信号が変更すると、異なる焦点圧力が増加または最大化する
3)保存溶液サンプリングを用いた音場操作
I.音場用に保存されたソリューションのサンプリング
超音波トランスデューサのフェーズドアレイを使用すると、様々な位相および振幅で各素子を駆動することにより音場を生成できる。各トランスデューサの振幅値および位相値は、活性化係数と呼ばれる。所望のフィールドに一連の活性化係数を導出することは、様々な方法で行うことができる。これらの方法の大部分で、所望のフィールドを変更するには、アルゴリズムを繰り返し、新たな一連の係数を生成しなければならない。
本発明は、音場での何らかの変化に対して、多くの係数が単純な変換を通して再利用できることを認識する。さらに、解が事前計算され、特定の解に必要な値を超えた余分な値が含まれている場合、再計算することなくフィールドを操作できる。この保存された解の中で異なる値を簡単にサンプリングできる。
例えば、原点がアレイの中心に位置する[x、y、z]=[0、0、10cm]に焦点を合わせる20×20素子の正方形コプレーナアレイの超音波フィールドを取り上げる。このフィールドを生成するために生成される400の活性化係数がある。次に、16×16素子のみの装置を取り上げる。20×20に対して生成された解を取り、中心の16×16値のみを使用する場合、アレイは[x、y、z]=[0、0、10cm]焦点を生成する。ここで、中心の16×16値の代わりに、xで1ずつサンプリングされるトランスデューサをオフセットする。これを列で表現すると、列2~18の係数を使用する代わりに、列1~17を使用する。これは以前と同一の焦点を生成するが、座標システムは変化しており、アレイ中央の原点の代わりに、1つのトランスデューサ素子のピッチによって変位される。このピッチが例えば1cmの場合、16×16アレイは、サンプリングを変更した反対方向に変位した1cmの焦点を生成する。実際には、焦点は、新しい解を計算する必要なく、1cmだけ並進している。同じ解から異なる保存値をサンプリングするだけでよい。
これをさらに一歩進めると、保存された解は、現実的なアレイである必要はない。任意の小さなピッチを有する解を生成し、保存することができる。次いで、1つの全素子のピッチにより並進する代わりに、サンプリングされた解は、はるかに小さなステップで並進することができ、所望のフィールドのより忠実な並進が可能となる。
まず、既知の方法を用いてはじめの解を生成する。この例では、解が40kHzの超音波で[x、y、z]=[0、0、.1]mに焦点を提供し、ピッチは1mmである。その正確なフィールドを生成するために、この例では10.3cmピッチの正方形アレイである実アレイのピッチで解がサンプリングされる。
図24は、256の素子の解サンプリング2400の例を示す。事前に生成された解は、強度スケール2415(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA2410と、強度2425(正規化された振幅)のグラフB2420に示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]に焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA2410およびB2420の「x」によって示される。ラジアン(radians)単位の強度スケール2435を有するグラフC2430は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを介して結果として生じる活性化を示す。正規化された圧力での強度スケール2445を有するグラフD2440は、最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。予想通り、焦点は[0、0、10cm]に現れる。焦点の両側へのグレーティングローブは、40kHz(STPで8.5mm)の波長に対するピッチ1.03cmの結果である。
フィールドの変換は、サンプリング位置を反対方向に同じ量だけ変換することによって行うことができる。この例を図25、26、27に示す。
図25は、オフセット2500で256の素子の解サンプリングの例を示す。事前に生成された解は、強度スケール2515(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA2510と、強度スケール2525(正規化された振幅)のグラフB2520で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]に焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA2510およびB2520の「x」によって示される。この場合、それらはx方向に-4cmだけオフセットされる。ラジアン(radians)単位の強度スケール2535のグラフC2530は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。正規化された圧力での強度スケール2445のグラフD2440は、最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。予想通り、焦点は[4cm、0、10cm]に現れる。
図26は、オフセット2600で256の素子の解サンプリングの例を示す。事前に生成された解は、強度スケール2615(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA2610と、強度スケール2625(正規化された振幅)のグラフB2620で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]に焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA2610およびB2620の「x」によって示される。この場合、それらはx方向に-4cmだけオフセットされる。ラジアン(radians)単位の強度スケール2635のグラフC2630は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。正規化された圧力での強度スケール2645のグラフD2640は、(図25のように)x=0でのx―z断面の代わりに、z=10cmにおけるx―y断面を示す。
図27は、オフセット2700を使用した256の素子の解サンプリングの例を示す。事前に生成された解は、強度スケール2715(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA2710と、強度スケール2725(正規化された振幅)のグラフB2720で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]に焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフAおよびBの「x」によって示される。この場合、それらはx-y方向に-4cmだけオフセットされる。ラジアン(radians)単位の強度スケール2735のグラフC2730は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。正規化された圧力での強度スケール2745のグラフD2740は、z=10cmで最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。予想通り、焦点は[4、4、10]cmに現れる。
図28および29は、8つの同時焦点を生成する、より洗練されたソリューションの使用例を示す。
図28は、オフセット2800を使用した256の素子の解サンプリングの例を示す。事前に生成された解は、強度スケール2815(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA2810と、強度スケール2825(正規化された振幅)のグラフB 2820で示される。これらは、1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対してx、y=0から3cmの半径で8つの焦点のリングを作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA2810およびB2820の「x」によって示される。ラジアン(radians)単位の強度スケール2835のグラフC2830は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。正規化された圧力での強度スケール2845のグラフD2840は、z=10cmで最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。これは、8つの焦点フィールドを再現する。
図29は、オフセット2900で256の素子の解サンプリングの例を示す。事前に生成された解は、強度スケール2915(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA2910と、強度スケール2925(正規化された振幅)のグラフB2920で示される。これらは、1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対してx、y=0から3cmの半径で8つの焦点のリングを作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA2910およびB2920の「x」によって示される。この場合、x値はx方向に-4cmだけオフセットされる。ラジアン(radians)単位の強度スケール2935のグラフC2930は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。正規化された圧力での強度スケール2945のグラフD 2940は、z=10cmで最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。これは、8つの焦点フィールドを再現するが、x方向に4cmオフセットされる。アレイの原点から離れた点は、より極端な角度のために圧力を失い始める。
回転は並進と同様に、事前に生成された解をサンプリングするために等しく有効な座標変換である。単一の焦点のような解は、半径方向に対称とすることができ、原点を中心に一回転しても結果として生じるフィールドは変化しない。しかし、その場合、回転の後に並進が続くと、それに応じてフィールドの変化がはっきりと表れる。この例を図30に示す。
図30は、オフセット3000で256の素子の解サンプリングの例を示す。事前に生成された解は、強度スケール3015(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA3010と、強度スケール3025(正規化された振幅)のグラフB3020で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]で焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA 3010およびB 3020の「x」によって示される。この場合、それらは、45度(時計回り)回転し、負のx方向に4cmだけオフセットされる。ラジアン(radians)単位の強度スケール3035のグラフC3030は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。正規化された圧力での強度スケール3045のグラフD3040は、z=10cmで最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。予想通り、焦点は[4/√2、-4/√2、10]cmに現れ、原点から4cmの距離を維持し、サンプリングされた回転の反対方向に回転する。
並進と同様に、フィールド内の回転は、サンプリングの回転とは反対方向に生じる。
[x、y]=[0、0]を中心とする単一焦点を含む解のサブクラスは、z軸に沿って解平面(solution plane)を変化させる方法でサンプリングすることができる。トランスデューサごとの変換は次のとおりとなる。
式中、xおよびyは変換前トランスデューサの座標であり、zoldは元の解平面のz値であり(単一焦点の例の焦点z位置など)、znewは所望の新しい解平面であり、xnewおよびynewは解をサンプリングするための新しいx座標およびy座標である。この変換は、次の式に示す円柱座標において、おそらくより容易に理解できる。
ここで、rは変換前の半径座標rnewであり、原点からサンプルまでの新しい半径である。
rnewは、通常の円柱座標からデカルト座標への変換によりx座標とy座標に変換できる。
図31は、このzオフセット変換を使用し、焦点位置をz=10cmからz=15cmに移動させる例3100を示す。グラフD3140は、z=15cmについての新たに生成された解との比較を示す。焦点位置から離れると差があるが、焦点で生成される圧力はほぼ同一であることに注意する。このzオフセット変換の品質は、保存された解のピッチに依存する。zが元の焦点位置からさらに調整されると、サンプリングされた点は互いに近づく。この差が保存されたピッチに近づくと、結果として焦点品質が低下する。z焦点値の大きなダイナミックレンジが望ましい場合、1つの解決策は元の解を非常に細かいピッチで保存し、それによって、サンプリングされた解の品質を非常に細かいサンプリングの間隔で維持することである。別の解決策は、距離が近づいたときに、より広い範囲に焦点を合わせるように設計された、異なる保存された解に移行することである。新しいトランスデューサ位置への移行技術、ならびに完全に新しい解決策について、以下で説明する。
具体的には、図31は、zオフセット変換で256の素子の解サンプリングの例3100を示す。事前に生成された解は、強度スケール3115(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA3110と、強度スケール3125(正規化された振幅)のグラフB 3120で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]で焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA3110およびB3120の「x」によって示される。この場合、サンプリングは、znewを15cmとして、x2 new+y2 new=z2 new-z2 old+x2+y2によって調整される。ラジアン(radians)単位の強度スケール3135のグラフC3130は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。この場合、グラフB3120の解によって説明されるように、振幅は少なくとも1つのトランスデューサが完全駆動であり、残りがその値に比例するように再スケーリングされる。グラフD3140は、x、y=0でz軸に沿った正規化された圧力のプロットである。実線3144は、サンプリングされた解のシミュレーションである(本発明)。破線3142は、比較のためz=15cmに向けられた新しい解を示す。差は観察されるが、焦点位置(z=15cm)での偏差は最小である。
znewがzoldよりも小さい方が望ましい場合、zオフセット変換は未定義の解を生成する可能性がある。結果として、この技術の適用は、この問題を回避するためにznew>zoldのみに焦点を当てるべきである。所望のz焦点位置がアレイに近づくと、より小さいzを有する新たな解に移行することができる。これが実用的でない場合、ある実施形態では、未定義のサンプル位置を有するトランスデューサが保存された解の原点で見出される保存された位相および振幅を使用する。別の実施形態では、未定義のサンプル位置を有するトランスデューサが無効となる。平面内のすべての変換(並進または回転)は、z変換を適用する前に実行しなければならず、次いでその後の並進または回転をzオフセット変換に入力する必要がある。
図32は、zオフセット変換3200が後に続く変換の例を示す。z-オフセット変換には並進よりも多くの計算が必要であり、いくつかのハードウェア実装を迅速に実行する機能を超える可能性がある。計算コストの安価なzオフセット変換後に可能な操作は、1つのトランスデューサから隣接するトランスデューサに解をオフセットすることである。これにより、オフセットz平面のトランスデューサのピッチによって、結果として生じるフィールドを移動させる。これは、1つのピッチ単位または多くのピッチ単位のシフト、または回転もしくはミラーリングを含むシフトで実行することができる。エッジ付近のトランスデューサ、または何らかの形でシフトの解を持たないトランスデューサは、無効化されるか、新しい検索位置の計算または直接計算を介して新しい解を生成する。
図32は、xの変換とそれに続くzオフセット変換を用いた256の素子の解サンプリングの例3200を示す。事前に生成された解は、強度スケール3215(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA3210と、強度スケール3225(正規化された振幅)のグラフB3220で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]で焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA3210およびB3220の「x」によって示される。この場合、サンプリングは、最初にxを-4cm変換し、znewを15cmとして、x2 new+y2 new=z2 new-z2 old+x2+y2によって調整される。ラジアン(radians)単位の強度スケール3235のグラフC3230は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。この場合、グラフB3320の解によって説明されるように、振幅は少なくとも1つのトランスデューサが完全駆動であり、残りがその値に比例するように再スケーリングされる。グラフD3240は、x、y=0でz軸に沿った正規化された圧力のプロットである。正規化された圧力の強度スケール3245のグラフD3240は、最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。予想通り、焦点は[4cm、0、15cm]に現れる。
トランスデューサの位置および保存された解は主に直線座標の文脈で論じられてきたが、これは必須事項ではない。2次元空間にマッピングされる限り、任意の座標系を使用することができる。このようにして、特定の解では、対称性を利用して計算、メモリ使用量、またはその両方を低減することができる。例えば、単一の焦点に対する解は半径方向に対称であり、原点からの半径のみの関数として保存することができる。各トランスデューサの位置を(上記の変換のいずれかによって)変換した後、原点からの半径が駆動位相および振幅を決定する。これにより、解のメモリストレージが低減されるが、ハードウェアの実装が最速ではない可能性がある。別の実施形態では、解は直線座標に保持されるが、1つの象限のみが保存される。解はx軸とy軸の両方に関して対称であるため、負のx座標または負のy座標を正の座標にマッピングすることは比較的容易であり、それによってメモリ使用量を低減する。
特定のトランスデューサレイアウトを使用し、変換を単純化することができる。直線状の配置は、1つのトランスデューサのオフセットがすべてに適用されるため、xまたはyの並進を単純化するが、zの変化にはより多くの計算を必要となる。
原点から等しい半径に多くのトランスデューサを配置すると、1つの半径並進が複数のトランスデューサに適用されるため、xおよびyがゼロとなる場合のzの変化を単純化することができる。
サンプリングされた解の振幅は、解の可能な振幅のみを表す。例えば、いずれのトランスデューサも最大駆動されていない場合、少なくとも1つのトランスデューサがフルスケールで駆動される点まで解をスケールアップすることができる。このスケーリング係数はサンプリング値のアレイを検索し、解から最大駆動を見つけることによって発見することができる。フィールドの形状を保持するために、残りのトランスデューサは、同様の係数によりスケーリングすることができる。
スケーリングの別の適用は、フィールドを変調することである。最大値の解アレイを検索した後、可能な振幅の範囲が決定する。より少ない総振幅が望ましい場合、例えば、フィールドの振幅変調が望ましい場合、全ての活性化係数は、時変関数によって一緒にスケーリングすることができる。これは、固定されたサンプリング配置で起こることもあり、またサンプリングされた位置が調整されるときに動的に起こることもある。
別の実施形態では、解の振幅は無視され、振幅を固定値(例えばフル駆動)のままにしながら、解の位相のみがサンプリングされる。単一焦点の解の場合、これにより任意の焦点位置を保持されるが、サンプリングされた位置に適用される変換に応じて、フィールドが焦点から離れるように変更される可能性がある。しかし、すべてのトランスデューサが同じ振幅を取り込むので、振幅変調は大幅に単純化される。
サンプリングされた活性化係数の2つ(またはそれ以上)のセットを(複素フェーザ表記法を使用して)合計し、すべての出力フィールドを同時に生成することができる。これが機能するには、まず、合計された係数が全てのトランスデューサの最大駆動下にある必要がある。最大値を超えた場合、解をスケーリングするか(最大値、またはそれ以上で)、クリッピングする必要がある(最大駆動を超えるすべての値は位相を保持しながら最大値に設定される)。次に、最初の解により生成されたフィールドが意味のある方法で他の解に干渉し、変更を加えないということを保証するものではない。単一焦点の解の例を使用すると、空間的に異なる2つの焦点を生成するためにサンプリングされ、各焦点の互いの空間的関係およびアレイの物理的レイアウトに応じて、1つの焦点のフリンジフィールド(fringing field)が第2の焦点を減らすことも増やすことも可能である。焦点位置の他の配置では、意図したものを超えて一方または両方の焦点の圧力を建設的に妨げ、増加させることができる。ある実施形態でこれは無視され、多くの配置でまれに干渉が起こることがある。
図33は、位相回転をせず、同時に生成された2つの解の例示的なシミュレーション3300を示す。別の実施形態では、アレイ出力をシミュレートすることができ、干渉を引き起こす点の考えられるすべての組み合わせを予測し、回避することができる。別の実施形態では、干渉の場合、1つまたは複数の解の位相が回転し、干渉を回避または軽減する。干渉の原因となる位置、および使用する回転値は、動作中に保存および参照することができる。別の実施形態では、機械学習モデルを音響シミュレーションまたは実データを使用して訓練し、干渉の可能性のある位置と、各解の干渉を改善するために必要とされる戻し位相および振幅を予測する。
図33は、2つの解の合計を示す、256の素子の解サンプリングの例3300を示す。事前に生成された解は、強度スケール3315(ラジアン(radians)単位での位相)のグラフA3110と、強度スケール3325(正規化された振幅)のグラフB3320で示される。これらは1mmピッチでサンプリングされ、40kHzでアレイの中心に対して[x、y、z]=[0、0、10cm]で焦点を作るように生成される。256の素子のシミュレートされたアレイはピッチが1.03cmであり、サンプリング値は、グラフA3310およびB3320の「x」によって示される。この場合、サンプリングは、最初にxを+2cm変換し、znewを13cmとして、x2 new+y2 new=z2 new-z2 old+x2+y2によって調整される。もう一方の解(図示せず)は、zオフセット変換なしで-4cmだけ並進した直線状のサンプリングである(図25および26と同様)。これら2つのサンプリングされた解は、それぞれ正規化係数.65および.35で合計される(複素フェーザ表記により)。ラジアン(radians)単位の強度スケール3335のグラフC3330は、陰影により示される位相および、内側を塗りつぶされた円の半径によって示される振幅のサンプリングを示す。この場合、振幅は少なくとも1つのトランスデューサが完全駆動であり、残りがその値に比例するように再スケーリングされる。正規化された圧力の強度スケール3345のグラフD3340は、最大値=1.0に正規化されて得られた、シミュレートされたフィールドの圧力のx-z断面を示す。予想通り、焦点は[-2cm、0、13cm]および[4cm、0、10cm]に現れる。
合計されたフィールド間の考えられる干渉を管理するための他の方法も存在する。干渉を軽減するための鍵は、主要な関心点での各フィールドの出力を予測することである。すべての関心点ですべてのフィールド推定することで、結果を合計して最終フィールドを予測することができる。関心点は、焦点、アレイの近くの既知の物体の点、反射面、または類似のものを含む。すべての活性化係数の位相を同じ量だけ回転させることによって、解に保存されたものとは異なる位相によって、任意の1つのフィールドを駆動することができる。これは、生成されたフィールドのすべての点に同じ量だけ影響を与え、各関心点の合計も同様に影響を受ける。これにより、問題は2つの別々の問題に分かれる。すなわち、1 任意の関心点でフィールドを推定するにはどうすればよいか、および 2 干渉を最小限に抑えるため個々のフィールドの解の位相を選択するにはどうすればよいか。
フィールドの推定には、多くの解決策がある。ある実施形態では、各トランスデューサの音場の数学的モデルを使用し、各関心点に対する各トランスデューサの素子の寄与を推定する。これらすべての寄与の合計に、それぞれの活性化係数(すべて複素フェーザ表記)を乗算したものが、関心点のフィールドの推定値となる。本発明の別の実施形態では、対話量(interactive volume)の各位置に焦点をあてたときのフィールドの完全なシミュレーションがメモリに保存され、その後、各焦点位置の各関心点で参照される。保存された解の解像度が低く、より高い解像度が必要とされる場合、補間を使用する必要のある場合がある。別の実施形態では、個々のトランスデューサのモデルではなく、焦点の周りのフィールドの数学的モデルが使用される。このモデルはアレイからのステアリング方向および距離を含み、測定データを検証することができる。さらに別の実施形態では同様の計算を実行し、シミュレーションおよび/または実験データを用いて訓練される機械学習モデルを使用する。
各関心点でフィールドが推定された後、位相オラクルアルゴリズを使用して、位相を回転し、各解の振幅をスケーリングし、出力を最適化することができる。各解の活性化の位相および各関心点の結果として生じる位相の電力反復が1つの方法である。他の方法が文献に存在する。
サンプリングされた係数の1つのセットから別のセットへの移行は、可聴アーチファクトを引き起こす音場の急激な変化を回避するように注意する必要がある。この移行は、1つの解内の変換と、異なる変換を含む可能性がある完全に異なる保存された解への移行との両方を含むことに注意する。ある実施形態では、システムが複素フェーザ領域の各係数の変化の大きさを制限する。所望の変化がこの大きさよりも大きい場合、システムは所望の値に達するまで、許容される最大量だけ活性化係数をステップする。所望の変化が以前の所望の値に達する前に変調された場合、システムは最後の状態から新しい方向にステップを開始する。別の実施形態では、このステップは、補間値が変調の最小帯域幅を含むように動的にサイズ設定される。この例は、移行の開始および終了がゼロ時間微分値に近づく正弦波プロファイルである。別の実施形態では、比例積分微分(PID)型コントローラフレームワークを使用して、各係数の移行を管理する。別の実施形態では、活性化係数の実数部および虚数部が任意のアーキテクチャのローパス周波数フィルタに供給される。このフィルタの出力が駆動係数として使用される。別の実施形態では、次にサンプリングされる解の値を解内の特定の最大距離内に制限することによって、保存された解自体が移行速度の減速材として使用される。所望の解が現在の位置から1ステップ以上離れている場合、距離制限の範囲内で所望の値に最も近い値を選択する。例えば、解がデカルト座標にある場合、変化を2次元解内の隣接するセルに制限することができ、ステップ方向は最大の差分ベクトルの方向に沿って進む。この方向は、所望の解の各変化によって更新される。さらに別の実施形態では、駆動の振幅が(線形または可変ステップランプを介して)ゼロに低減され、その後新しい位相で再び増加し、これにより急激な移行を回避する。この方法は増加に時間を要し、この期間中はフィールドの大きさがより小さくなるため、最も極端である。この技法は他のものと組み合わせて使用することができ、必要とされる平均変化度などのいくつかの基準が入力されたときにのみ利用することができる。
新しいフィールドに変更するには、ほとんどの場合、すべてのトランスデューサに新しい駆動条件が必要となる。すべてのトランスデューサが同時に変更されるとき(同じ音響サイクルなどで)、変更するフィールドが一斉に作用して、可聴アーチファクトが生成される。この効果を軽減するために、システムは音響サイクルごとに変更を受信するトランスデューサの数を制限することができる。ある実施形態では、音響サイクルごとに1つのトランスデューサのみが変更される。このトランスデューサはフィールドの変更(大きさの変更など)を、ランダムに、または他の測定基準で最大化するように選択することができる。別の実施形態では、システムは、変更が許容されるトランスデューサの数をある値nに制限しており、ここでのnはシステムのトランスデューサの総数よりも少ない。トランスデューサの選択はランダム、または品質基準を用いて行うことができる。品質基準の例は、複素駆動の差分の和の大きさである。もう一つは、nの最大規模の変化である可能性がある。サンプリングの変化は、すべてのトランスデューサが新しいサンプリングのセットを選択する前に移行する機会を有するよう制限することができるが、これは必須ではない。しかし、要求された変化が係数の変化が許容されるよりも速く蓄積する場合、フィールドはもはや所望のように表れず、予測が困難となる可能性があるが、優先的に均一なノイズとなる傾向がある。
使用される解の密度は、メモリとフィールド精度の間のバランスである。保存された解フィールドの密度が高くなるほど、システムはフィールドをより細かく操作できるようになる。これには、上述のすべての変換が含まれる。特に、zオフセット変換で解を変調すると、必然的にサンプリングされた値が互いにより近くにグループ化される。サンプリングされた間隔が解のピッチよりもはるかに大きい限り、生成されるフィールドは理想に近くなる。サンプリングが複数のトランスデューサに同じ値を与え始める場合、システムは均一なビーム挙動に向かう傾向がある。ある実施形態では、隣接する解の値の補間を使用して、高解像度をシミュレートすることができる。別の実施形態では、損失圧縮を使用して保存された解のメモリ使用量を低減し、保存された解はリアルタイムで、または使用前にメモリに解凍される。
独立時間変数を有する一連の基底関数を使用し、最小二乗システムを解いてトランスデューサ駆動条件の非可逆圧縮を達成することは、この場合メモリおよび復号の複雑さといった、さらなるトレードオフを達成するための別の方法と見なされるかもしれない。一連の基底関数を、A行列を形成するために、いくつかの時点でサンプリングし、所与のトランスデューサの意図した駆動条件はbベクトルを形成し、線形システムAx=b がオフラインで解かれるときに、一連の圧縮された係数xは、その和が元の駆動条件に近似する一連の関数に再構成できる。この線形システムは、以下のように記述することができる。
ここで、m個の基底関数f1(t),…,fm(t) 、N個のトランスデューサ駆動条件のサンプルがあり、検討中のトランスデューサ駆動条件の少なくとも一部はα(t)である。
時間内に繰り返される(ただし、搬送周波数よりもゆっくりと反復する)高調波フィールドが最も有用であるため、これらは、周期的境界条件を有する基底関数として表すことができ、例えば、一連の正弦波、鋸歯状波、または異なる周波数を有する方形波を可能にする、単純な三角法またはウェーブレット分解を有することができ、徐々に和を評価することによりアレイに適用される一連のトランスデューサ駆動条件を再構成することができる。この種の実装は一般に、異なる係数が存在するため乗算が必要となるが、三角関数のためのCORDIC、鋸歯波のための加算または減算カウンタ、とりわけ方形波生成のためのビット単位の操作などの、基底関数の特定の選択を利用するために他の方法が使用され得る。
少なくとも1つのトランスデューサ(またはすべてのトランスデューサ)が最大駆動となるようサンプリングされた解を正規化すると、アレイから可能なフィールドに最大圧力が生成される。しかしながら、より低い圧力が望ましい場合、システムはアレイ活性化係数をより低い値で正規化することができる。いくつかの例では、焦点の解で生成される圧力を制御するなど、特定の圧力が望ましい。これらの場合、フルパワーの解の1つまたは多数の関心点での圧力を推定しなければならず、その後、スケーリング係数として使用して、解の振幅を所望の値まで比例的にスケーリングすることができる。フィールド推定の様々な方法を上述したが、全て文脈において使用することができる。しかし、関心点が低減された自由度に続く場合には、他の解決策が存在する。
低減された自由度の一例は、システムが単一焦点の解での圧力制御のみを必要とする場合である。ある実施形態では、すべての並進およびzオフセット変換の結果としての焦点圧力が、事前にシミュレートまたは測定され、装置上に保存される。この解のサンプリングは、サンプリングされた解を所望の圧力にスケーリングするために使用するスケーリング値を提供する。焦点の解の圧力の解像度は、ラムダが使用される超音波の波長である場合、ラムダ/10より高い必要はない。メモリが問題である場合、より低い解像度を使用することができ、サンプリングを回転、または補間することができる。別の実施形態では、メモリに保存される唯一の圧力は、並進または変換を伴わないデフォルトの解の圧力である。解が再サンプリングされると、アレイの原点からのデフォルトの距離からのオフセットが計算され、デフォルトの圧力が新しい距離の逆数でスケーリングされる。例えば、元の解が距離r0で圧力P0を有する場合、新しい距離rでの圧力Pの妥当な近似は、
によって示される。このアプローチは、単一焦点の解またはより複雑なフィールドの解に作用する。別の実施形態では、代替方程式が、実際のデータまたはシミュレートされたデータへの多項式またはより高度な適合などのシミュレーションまたは実験に、よりよく適合する圧力推定値として使用される。別の実施形態では、機械学習モデルは実データまたはシミュレートされたデータを用いて訓練され、元の解からの所与のオフセットに対する圧力を予測し、その後、解をスケーリングするために使用される。
多点の解の和の場合、各解の圧力推定値を使用し、合計する前に各解をスケーリングして適切なレベルを保証する。例えば、一方の解が圧力1(スケール単位)であり、他方の圧力が圧力0.5であり、各解を同一の圧力にすることが望ましい場合、解は、第1の解の2倍の振幅で第2の解を重み付けすることになる。このようにして、結果として得られる出力は同様となる。
要約すると、本発明は、制御された方法で出力フィールドを操作する、音響フェーズドアレイ内の保存された解をサンプリングする方法を提供する。これにより、計算要件が低減し、単純な音響フェーズドアレイシステムの柔軟性が向上する。
II.追加開示
1.音響フェーズドアレイシステムは以下のものから構成される。
既知の位置および向きの複数のトランスデューサ
メモリ
メモリに保存されている駆動位相のセット
保存された駆動位相の各トランスデューサのマッピング
保存された駆動位相の第2の個別のマッピング
電子潜水回路
電子駆動回路は最初のマッピングを使用して、指定された位相でトランスデューサに電力を供給する
電子駆動ユニットは次に、2番目のマッピングを使用して、指定された位相でトランスデューサに電力を供給する
2)振幅はメモリの位相と並んで保存され、マッピングに含まれる1に記載のシステム。
マッピングの様々な変換を伴う従属請求項
圧力推定およびスケーリングを含む従属請求項
複数点の可能性を含む従属請求項とその合計方法
解の補間を含む従属請求項
複数の解をメモリに保存する従属請求項
移行技術を伴う従属請求項
4.多重搬送波周波数を用いた時空間変調
I.イントロダクション
空間変調は、比較的高い音圧の制御点が移動するための空間を通る経路を生成することによって生成される。この方法で、触覚は、開いた経路または閉じた経路の両方に沿って生成される。位相が曲線に沿って漸進的に変化する単一の搬送波周波数でフェーズドアレイから回折パターンを生成することによって、複数の搬送波周波数を有するフェーズドアレイによって同様のパターンが生成される場合、経路に沿った位相移動により、移動する高音圧領域の創発的な効果を生み出すことができる。
ビート周波数の方程式に戻り参照する。
ここで、1および2は、原点を中心としたコサインの対称性により交換可能である。
各ケースにおいて、フェーズドアレイは、空間的に定義された複素値関数φk(x) を生成すると仮定され、これらは位相で制御されるため、φkはこの関数に吸収され、したがって、0に設定されることがある。次いで、低周波数成分の位相角度は、以下のように記述できる。
ここで(ω12)t は低周波数における位相角度の累進部として記述でき、arg(φ1(x))-arg(φ2(x)) は、低周波数での各空間位置に対する位相オフセットを示す。
ほとんどの実施形態では、両方の搬送周波数は差が小さい高周波数であると予想されるため、絶対振幅(|φ2(x)|-|φ1(x)|)cos(ρ2) との差に比例する成分など、高周波のみの成分は無視することができる。しかし、ここでの目的は、低周波成分cos1/212) の効果を最大化することである。したがって、最も効率的なアプローチは2つある。まず、各|φk(x)| を最大化し、同時にそれらの差を最小限に抑える(差により、変調されない無駄な高周波信号が発生するため)。次に空間的に隣接する位置が位相ρ’で異なることを確認して、各低周波期間にわたって動きを生み出す。
所望の移動速度v(x)を与えられたターゲットフィールドを記述する1つの方法は、位相角度をアイコナール方程式の形式で記述することである。
これは、移動する線または面を生成する多次元で達成できる可能性があり、初期条件は触覚が存在する時間を示すことができ、高速行進などのアルゴリズムと組み合わせた微分方程式の定式化を使用して解くことができる可能性がある。
同様に、簡単なシナリオの場合、見かけの低周波運動の方向および大きさとして∇ρ’を構築するのは簡単であり、低周波変調で見かけの運動を伴う高音圧点を生成するために使用できる一連の位相を生成するためのソルバアルゴリズムを必要としない。これは、例えば、閉曲線および所望の数の点をとり、一定の移動速度のために、曲線の長さを決定し、総曲線の長さだけ移動した曲線のセグメントを分割し、所望の2π回転の数を乗算することによって、曲線に沿った各点で必要となる位相を生成する一連の制御点を生成するなど、ヒューリスティックによって達成することができる。一般に、同様の振幅の大きさおよび移動位相の連続した一連の点をペイントすると、見かけの移動を伴う高音圧の点が生成される。
II.音源の解決
点のセットを振幅および位相で設定すると、これらの点を生成するには、音源として作用することを意図した「位相プレート」または空間の一部の領域が、指定されたフィールドを作成するために解決される仮想音源を配置する必要がある。これは、「解フィールド」とも呼ばれている。これを達成するための一つの方法は、反復的に再重み付けされた二次最大化を使用することである。
一連の単位振幅およびゼロ位相源を使用すると、Ψ(x,y,z) として音源からの線形複素数値音響出力(圧力または媒体用粒子速度など)の列ベクトルを作る任意の位置(x,y,z) で評価することができる。
空間的に定義された複素数値の重み関数w(x,y,z) (目標点で最初に1に初期化される)を使用すると、目標点のソース寄与の基底ベクトルが再重み付けされ、次のとおりとなる。
ここで、上線は複素共役の演算を示し、vqは音源関数の実際の重み付けであり、音源が過度に利用されている場合または過少に利用されている場合に、使用される各音源の比率を制御するために使用することができる。次いで、列ベクトルは、m個の制御点に対し次のように定義される。
ここで、mの合計は、必要に応じて連続積分に置き換えることができる。
次いで、線形性を使用して、ベクトルを導く各ソース(xq)を「駆動する」複素活性化値よって成分ごとに乗算される。
ここでnは音源の数である。そのような入力xベクトルを用いて固定周波数で音響トランスデューサのアレイを駆動して、行列Mで符号化された音量を最大化することは、線形代数問題として表現されるため、その意図は次のとおりとなる。
これは、問題の記述が優性固有ベクトル(ここでは以下の通りx)の定義でもあるように、行列Mの優性固有ベクトルを使用することによって解くことができる。
これは、問題の記述が固有ベクトル(ここではx)の定義でもあるように、行列Mの優性固有ベクトルを使用することによって解くことができる。行列Mの構築は次のように記述することができる。
そのため、
したがって、反復法は、各反復で優性固有ベクトルを決定し、出力ベクトルを重み付けして正しい振幅レベルを平均し、次に重み更新方程式を使用して、各制御点間の振幅を再重み付けすることによって得られる。
ここで、Ψ’r(xj,yj,zj) は所望の複素数値の線形音量の合計であり、Ψ’t(xj,yj,zj) は次のような反復tでの解によって生成される合計である。
したがって、この反復的に再重み付けされた最大化方法は、簡単にゼロ制御点を生成することはできないが、ビート周波数で見かけの移動を伴う高音響出力点を生成するため、この複数周波数方法のフィールドを生成するのに非常に適している。
2つの周波数が十分に近い場合、解は両方の音源システムに再利用されるが、各搬送波周波数については個別の解が常に取得される可能性がある。
図34に示すように、閉曲線の運動を構築するには、位相の巻き数が整数値のみとるため、いくつかの制限がかかる。
具体的には、図34は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場3400の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。これにより、ハート型の閉曲線の周りを走行する触覚点が生成される。ここでは、同様の差分周波数を使用して、皮膚に異なる知覚の移動速度を生成するための4つの異なる位相巻き数が提示される。左上3410は2πを完了し、右上3420は4πを完了し、左下3430は8πを完了し、右下3440は12πを完了し、各々が差分周波数のそれぞれ1、1/2、1/4、および1/6の曲線を完了する点の触覚周波数に対応する。位相角度の線形の陰影は、振幅の結果の判断を歪めることがあることに注意する。
図35は、開いた曲線を扱う場合、制限がより少なくなり、同じフィールド内で非対称性、複数の曲線セグメント、および異なる速度が可能であることを示す。
具体的には、図35は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場3500の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。ここでは、移動は連続曲線(左上3510)に制限される必要はなく、対称である必要はなく(右上3520)、2πの丸め倍数である必要はなく(左下3530、16π/6)、不連続曲線の各セグメントが同じ点速度である必要はない(右下3540)ことを示す。
図36は、∇ρ’の方向を操作することで異なる方向への移動が可能となることを示す。
具体的には、図36は搬送波周波数のうちの1つから生成された音場3600の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。ここでは、生成された点の見かけの移動方向を自由に選択できることも示す。左感覚3610が放射状に生成されるが、右感覚3620は、中心点を通って互いに交差する2つの直交線を有する。
図37は、後の多くの図に示されるように、フィールドの中心に4つの高音圧領域を持つ小さなハート型の同様のシナリオをもたらす、様々な異なるフィールドのパーティション構成を示す。図38は、単純な制御点ではない波面および他の特徴が構築される可能性があるため、この方法が単純な経路に限定されないことを示す。
具体的には、図37は搬送波周波数のそれぞれから生成された音場3700の一部分を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。左列3710、3720、3730は第1の周波数であり、右列3740、3750、3760は第2の周波数であり、上部3710、3740、中央3720、3750、および下部3730、3760行にわたる各位相構成を減算すると、小さいハート型の周りを移動する同様の4点のシステムが生成される。
図38は、搬送波周波数の1つから生成された3810、3820の一部分を有する音場300を示し、陰影は振幅および位相角度に線形に比例する。これらは、このアプローチが制御点に限定されず、より高次元の位相の特徴を作り出すことができることを示す。
上述の「位相プレート」または解フィールドを使用してフェーズドアレイを生成する方法は、同様の振幅および位相の位置にトランスデューサを配置することである。これは他にも、具体的には2021年3月4日に出願された米国特許出願第63/156,829号に記載されており、その全体が参考文献により本明細書に組み込まれている。
複素数値の解から始め、最初に特定の位相に対して投影が行われる。次に、トランスデューサは最大値から始まり、順に低い値に進み、配置される。トランスデューサが配置されると、トランスデューサのサイズおよび他のトランスデューサに対する最小間隔に基づく除外領域が形成される。この除外領域の解フィールドの値は、次の配置では考慮されない。複数の解フィールドが同時に考慮される場合、形成された除外領域は、全てのフィールドに適用される。フィールドは、各関連のフィールドに配置された各トランスデューサの解フィールド値の合計に基づいて、配置の優先順位付けがされる。所与の投影に基づいて配置し、全てのトランスデューサを同位相で駆動することにより、解フィールドに基づいて所望の音場が生成される。
図39は、z=10cmでハート型の高圧領域を形成するために生成された解フィールドを使用して配置されたトランスデューサレイアウトの構造を示す。図33に示すように、この解から得られるフィールドは、搬送波周波数で形状の周りを移動する1つ以上の高圧領域を有する高圧の形状を生成する。同様の曲線に沿ってこれらの高圧領域の速度および方向を変化させる解を生成する様々な方法が存在する。例えば、より多くの位相巻線を追加すると前記領域の移動は遅くなるが、さらに追加する。図39が示す例は、y軸に沿って解フィールドをミラーリングすることで移動を変化させる。フィールドの対称性により、高圧領域の移動のヘリシティ(helicity)を逆転させる。
具体的には、図39は、z=10cmの平面にハート型パターンを形成するために生成された解フィールドに基づく、グループ化されたトランスデューサレイアウト設計3900を示す。これは図34の左上のシミュレーション3410に対応する。提示された解フィールドは、明るい値が正、暗い値が負である実投影である。グループ1 3910およびグループ2 3920のそれぞれのトランスデューサは、円で示されている。この特定の視覚化における解フィールドの範囲のために切り捨てられる。この特定の視覚化では、解フィールドの範囲により、一部の円が切り取られる。フィールドはy軸を中心にミラーリングされ、合計されたときに個別の高圧点をもたらす反対側のヘリシティのフィールドを生成する。
図40は、図39の解フィールドグループ1 4012およびグループ2 4014によって生成された、配置されたトランスデューサアレイ4000を示す。
図41は、図40に示すように40kHzで、グループ1 4110およびグループ2 4120のそれぞれによって生成されたz=10cmでの正規化された圧力振幅のシミュレーションを示す。各プロットでハート型がはっきりと見える。各グループは独立して、同位相で駆動され、各フィールドを形成する。振幅は、明確にするために実投影ではなく、示されている。
これら2つのフィールドを同時に生成すると、図42の左上のように、ハート型に4つの高圧点が生じる。各グループの相対的な位相を調整すると、4つの点がハート型の周りで歳差運動(precess)する。これは、安定した相対位相を調整し、100Hzなどの人間の皮膚が最も敏感である周波数で繰り返すことにより、時空間の触覚をもたらすことができる。1つの方法は、分母の2つが50Hzの変調を生成するが、低周波正弦波の正と負の両方の部分によるエンベロープの変調は、図42に示すように明確ではないので、100Hzで見かけの運動を有する高音圧領域を生成するため、1つのグループは搬送波周波数以上で50Hz、1つのグループを50Hz以下で駆動することによって実現することができる。40kHzなどの超音波搬送周波数に対する相対的に小さい差は、連続的に滑らかに変化する相対位相を提供しながら、ハート型の解を維持する。
具体的には、図42は、z=10cmで40kHzの図40に示すアレイの音場シミュレーションによって生成された正規化された圧力場4200を示し、各プロット4210、4220、4230、4240上のグループ1とグループ2との間に相対位相を有する。左上の図4210に示す4点は、位相が進むにつれて、時計回りにハート型の周りを滑らかに移動する。
5)結論
前述の明細書では、特定の実施形態について説明した。しかし、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに様々な修正および変更を加えることができると理解するだろう。したがって、本明細書および図面は限定的な意味ではなく例示的なものとみなされるべきであり、すべてのそのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
さらに、本書では第1および第2、上および下などの関係用語は、あるエンティティまたはアクションを別のエンティティまたはアクションと区別するためにのみ使用され、そのようなエンティティまたはアクション間のいかなる実際の関係や順序を必ずしも必要または暗示するものではない。「構成する(comprises)」、「構成している(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」という用語、またはそれらの他の表現は、それらの構成要素のみが含まれるのではなく、明示的に列挙されていない他の要素をも含む。そのようなプロセス、方法、物品、装置に固有のものではない他の要素を含む構成要素のリストを有する、含むまたは含有するプロセス、方法、物品、装置などに、非排他的に及ぶことを意図している。「構成する...(comprises)」、「有する...(has)」、「含む...(includes)」、「含有する...(contains)」によって表される表現は、さらなる制約がなければ、構成要素を有する、含む、または含有するプロセス、方法、物品、装置における追加的な同一要素の存在を排除するものではない。用語「a」および「an」は本明細書に明示的な記載がない限り、1つまたは複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」またはそれらの他の表現は、当業者に理解されるように近いものとして定義される。本明細書で使用される用語「結合された」は、接続されているとして定義されるが、必ずしも直接的である必要はなく、必ずしも機械的である必要もない。特定の方法で「構成される(configured)」装置または構造は少なくともその方法で構成されるが、列挙されていない方法で構成されてもよい。
本明細書の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように示されている。これは、特許請求の範囲を解釈または限定するために使用されるものではないことを理解した上で提示されている。さらに、前述の詳細な説明では、本明細書を簡素化する目的で、様々な特徴が様々な実施形態にまとめられている。本明細書の方法は、請求項の実施形態が各請求項において明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項に示すように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴にあるわけではない。したがって、以下の特許請求の範囲は本明細書の詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別々に請求される主題として独立している。
図9および図10は、C’で指定された正規直交性条件を満たす4つのシミュレートされたフィールドの例を示す。この例題では以下の形式をとり、
z=10cmで点がそれぞれ[x、y]=[3、0]、[0、3]、[-3、0]、[0、-3]として配置される。図に見られるように、各焦点の位相は、C’行によって指定される位相に従う。提示されたシミュレーションは各フィールドを生成するため、直線のトランスデューサおよび新たな駆動条件のセットを使用する。それでも、すべてのフィールドをまとめて追加することは簡単である。これは、駆動条件x’=[1,1,1,1] と同等である。結果として各焦点のフィールドは、C’の各行の合計に従い、明らかに最初の点が1、その他の点が0となる。同様に、C’の行の共役に等しい各フィールドに位相シフトを適用すると、その点が有効となり、他の点は無効となる。
1.音響フェーズドアレイシステムは以下のものから構成される。
既知の位置および向きの複数のトランスデューサ
メモリ
メモリに保存されている駆動位相のセット
保存された駆動位相の各トランスデューサのマッピング
保存された駆動位相の第2の個別のマッピング
電子駆動回路
電子駆動回路は最初のマッピングを使用して、指定された位相でトランスデューサに電力を供給する
電子駆動ユニットは次に、2番目のマッピングを使用して、指定された位相でトランスデューサに電力を供給する
2)振幅はメモリの位相と並んで保存され、マッピングに含まれる1に記載のシステム。
マッピングの様々な変換を伴う従属請求項
圧力推定およびスケーリングを含む従属請求項
複数点の可能性を含む従属請求項とその合計方法
解の補間を含む従属請求項
複数の解をメモリに保存する従属請求項
移行技術を伴う従属請求項

Claims (2)

  1. チホノフ正規化(Tikhonov Regularization)を使用した特異値分解(SVD)およびモーメンタムを伴うミニバッチ確率的勾配降下法(MSGDM)を備えることを特徴とする装置。
  2. トランスデューサの配置を調整し、限られた駆動信号のセットを使用して可変焦点を可能にするアレイを生成することを特徴とする方法。


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