JP2023529765A

JP2023529765A - 紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料及びこれを含有する化粧料組成物

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Publication number: JP2023529765A
Application number: JP2022533566A
Authority: JP
Inventors: ヒョンデジョ; ゾングンキム; ジュンピルファン; ミンジョンクォン; セボムチェ; アヨンバック; ジェキョンユ; イェスルイ
Original assignee: コスメッカコリアシーオー．、エルティーディー．
Priority date: 2021-05-04
Filing date: 2022-04-07
Publication date: 2023-07-12
Also published as: WO2022234962A1; KR20220151058A; KR20230052866A; US20240156697A1; CN115304933A

Abstract

【課題】本発明は、紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料及びこれを含有する化粧料組成物に関する。【解決手段】白色顔料を含むコア部と、前記コア部の外角面にコートされ、前記白色顔料が含まれた無機溶液を含む表面コート材とを含むことを特徴とする。また、前記白色顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、タルク、マイカ、ホウケイ酸塩からなる群より選ばれた少なくとも１種以上であることを特徴とする。本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料は、高屈折率の白色顔料に白色顔料を再コート処理する工程により、顔料の表面が改質され、結果として紫外線遮断能力を上昇させる。【選択図】図３

Description

本発明は、紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料及びこれを含有する化粧料組成物に関し、より詳しくは、高屈折率の白色顔料に白色顔料を再コート処理する工程により、顔料の表面が改質され、結果として紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料及びこれを含有する化粧料組成物に関する。

化粧品において使用される紫外線遮断剤は、大きく、有機性紫外線遮断剤と無機性紫外線遮断剤とに分けられる。

有機性紫外線遮断剤は、共鳴構造や共役構造などを有する有機物質の化学構造に基づいて、紫外線のような光の波長は吸収するが、皮膚トラブルのような皮膚刺激を誘発することがあるため、使用に制限的であり、時間の経過により、皮膚から分泌される皮脂又は油分などにより洗い落とされて、持続力に影響を与える。一方、無機性紫外線遮断剤は、無機鉱物を用いて、光自体を遮蔽する遮断膜を形成して紫外線を散乱するが、塗布に際して塗り性が低いため、きつく、白濁現象により、不自然な皮膚が演出される。

このような紫外線遮断剤の不都合を克服するために、近年は、新たな紫外線遮断剤の開発が行われると共に、紫外線遮断剤の効果を極大化させる紫外線遮断上昇剤が注目されている。このような素材は、有機性紫外線遮断剤の安定化に寄与するか、無機性紫外線遮断剤をムラなく分散させるなどの役割を果たす。

しかし、現在、市販される多くの上昇剤は、有機性構造を有する上昇剤であり、無機性の上昇剤は、殆ど無い実情である。

これに、本出願人は、二酸化チタンのような屈折率の高い白色顔料に、二酸化チタンなどの白色顔料を再コートした複合顔料である無機性素材を用いた無機性の紫外線遮断上昇剤を開発した。

大韓民国公開特許公報第10-2007-0110532号大韓民国登録特許公報第10-0602731号

本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、第一の目的は、既存の二酸化チタンのような高屈折率の白色顔料をコアとして用い、コアに、再度、二酸化チタンなどの白色顔料を再コートして、無機鉱物の表面における乱反射により光の移動経路を制御して、紫外線遮断の効果を上昇させることである。

また、本発明の第二の目的は、一般の白色顔料の過度な隠蔽力を補正して、適正な隠蔽力を付与し、且つ、自然な光彩とスキントーンの表現が可能な紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を含有する化粧料組成物を提供することである。

更に、本発明の第三の目的は、白色顔料からなるコアの最外角に顔料を再コートすることで、給油量などの相乗効果により、皮膚から分泌される皮脂などを吸収して、紫外線遮断効果の持続力を提供する紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を含有する化粧料組成物を提供することである。

前記目的を達成するために、本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料は、白色顔料を含むコア部と、前記コア部の外角面にコートされ、前記白色顔料が含まれた無機溶液を含む表面コート材とを含むことを特徴とする。

前記白色顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、タルク(滑石)、マイカ、ホウケイ酸塩からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。

前記白色顔料は、無機性複合顔料の総重量に対して、２０重量％～９０重量％であり、無機溶液は、無機性複合顔料の総重量に対して、１０重量％～８０重量％である。

前記表面コート材は、コア部に均一又は不均一にコートされる。

前記コア部及び表面コート材の表面の多重回折と乱反射の減少による共鳴効果、及び反射光と透過反射光の重畳及び干渉により、紫外線遮断の相乗効果を有する。

前記コア部及び表面コート材の表面の多重回折と屈折及び乱反射の減少による光の制御により、皮膚自体のトーンが自然に具現されるブライトニング効果を有する。

前記表面コート材の外角には、疎水性、親水性、又は皮膚親和性を有し、顔料の分散性を上げるように、シリコン及びシラン、フッ素系化合物、金属石鹸系化合物、天然界面活性剤、高分子、炭化水素類高分子、高級脂肪酸、高級アルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上の疎水性物質でコートするか、又は、ポリオール(Polyol)、ポリオキシエチレン(Polyoxyethylene)、アミノ酸系複合物からなる群より選ばれた少なくとも１種以上の親水性物質でコートされる。

ここで、疎水性物質のシリコン及びシランは、ジメチコン(Dimethicone)、シクロメチコン(Cyclomethicone)、ジシロキサン(Disiloxane)、シクロシロキサン(Cyclosiloxane)、トリエトキシカプリリルシラン(Triethoxycaprylylsilane)からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。フッ素系化合物は、ポリフルオロアルキルホスフェートエーテル(Polyfluoro Alkylphosphate Ether)、パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル(Perfluoro Polymethylisopropyl Ether)からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。金属石鹸系化合物は、ステアリン酸カルシウム(Calcium Stearate)、ステアリン酸ナトリウム(Sodium Stearate)、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium Stearate)からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。天然界面活性剤は、レシチン、水添レシチンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。高分子は、コラーゲン、セルロース、キサンタンガムからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。炭化水素類高分子は、ラウロイライシン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。高級脂肪酸は、ステアリン酸(Stearic Acid)、ミリスチン酸(Myristic Acid)、パルミチン酸(Palmitic Acid)からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。高級アルコールは、セチルアルコール(Cetyl Alcohol)、ミリスチルアルコール(Myristyl Alcohol)、ステアリルアルコール(Stearyl Alcohol)からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。

また、親水性物質のポリオールは、グリセリン(Glycerin)、ブチレングリコール(Butylene Glycol)、ジプロピレングリコール(Dipropylene Glycol)、プロパンジオール(Propanediol)からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。ポリオキシエチレンは、PEG-10、PEG-40からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。アミノ酸系複合物は、リシン、アルギニン、グリシンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。

また、本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料は、反射光と透過反射光の重畳及び干渉により、隠蔽力及び自然な皮膚トンを具現するだけでなく、給油量の増加により、化粧がより長時間持続される。

また、本発明による化粧料組成物は、紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を有効性分として含むことを特徴とする。

更に、本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料の製造方法は、(ａ) 二酸化チタンを分散して、白色顔料を製造するステップと、(ｂ) 分散した白色顔料に、四塩化チタン水溶液とアルカリ水溶液を添加及び撹拌して、加水分解反応させ、水酸化チタン複合顔料を得るステップと、(ｃ) 前記ステップ(ｂ)が完了した溶液を冷却及び洗浄した後、６００～８５０ ℃で焼結して、酸化物を形成するステップとを含む。

前記ステップ(ａ)は、蒸溜水に二酸化チタンを添加し、６０～９０℃で撹拌して、白色顔料を製造する。

前記ステップ(ｂ)は、四塩化チタンを精製水で溶解させて、１０～４０重量％の四塩化チタン水溶液を製造し、製造された四塩化チタン水溶液と１０～３０重量％の水酸化ナトリウム水溶液を、分散した白色顔料に添加及び撹拌して、加水分解反応させ、水酸化チタン複合顔料を得る。

本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料の製造方法は、(ａ) 蒸溜水に二酸化チタンを添加し、６０～９０℃で撹拌し、二酸化チタンを分散して、白色顔料を製造するステップと、(ｂ) 分散した白色顔料に、四塩化チタン水溶液とアルカリ水溶液を添加及び撹拌して、加水分解反応させ、水酸化チタン複合顔料を得るステップと、(ｃ) 前記ステップ(ｂ)が完了した溶液を３０分間撹拌した後、３０分間静置し、静置後に発生した白色沈殿物を蒸溜水で洗浄してろ過した後、６０～１００℃で乾燥させて、水酸化チタン複合粉体を得、前記水酸化チタン複合粉体を６００～８５０℃で焼結して、白色顔料の表面に、無機顔料の酸化物を形成するステップと、(ｄ) 前記複合顔料が、疎水性、親水性、又は皮膚親和性を有し、前記酸化物の水相部又は油相部における分散性を上げるように、シリコン及びシラン、フッ素系化合物、金属石鹸系化合物、天然界面活性剤、高分子、炭化水素類高分子、高級脂肪酸、高級アルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上の疎水性物質でコートするか、又は、ポリオール、ポリオキシエチレン、アミノ酸系複合物からなる群より選ばれた少なくとも１種以上の親水性物質でコートするステップとを含むことを特徴とする。

ここで、疎水性物質のシリコン及びシランは、ジメチコン、シクロメチコン、ジシロキサン、シクロシロキサン、トリエトキシカプリリルシランからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。フッ素系化合物は、ポリフルオロアルキルホスフェートエーテル、パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。金属石鹸系化合物は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。天然界面活性剤は、レシチン、水添レシチンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。高分子は、コラーゲン、セルロース、キサンタンガムからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。炭化水素類高分子は、ラウロイライシン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。高級脂肪酸は、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。高級アルコールは、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。

また、親水性物質のポリオールは、グリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。ポリオキシエチレンは、PEG-10、PEG-40からなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。アミノ酸系複合物は、リシン、アルギニン、グリシンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上である。

更に、本発明による化粧料組成物は、前記製造方法で製造された紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を有効性分として含有することを特徴とする。

前記無機性複合顔料は、化粧料組成物の総重量に対して、０.１重量％～２０重量％を含むことを特徴とする。

本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料は、二酸化チタンのような屈折率の高い白色顔料に、二酸化チタンなどの白色顔料を再コートした無機性素材を用いるので、無機鉱物表面での多重回折効果及び共鳴効果により乱反射を減らして、皮膚表面に達する光の移動経路と反射率を制御することで、紫外線遮断の効果を上昇させる。

また、本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料は、乱反射の減少により、自然な光彩とスキントーン表現の効果があり、自然な外観演出を可能にする。

更に、本発明による紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を含有する化粧料組成物は、既存の無機性紫外線遮断剤の不都合である塗り性と白濁度を大きく改善しており、最外角コートにより、一般の二酸化チタンと比較して優れた給油力で、皮膚から分泌され皮脂などを吸収するので、化粧品を皮膚で長時間持続させて、紫外線遮断効果を更に長く維持させる。

図１は、本発明の一実施例による無機性複合顔料の製造工程の模式図である。図２は、本発明の一実施例による二酸化チタン顔料からなるコア部と、コア部の外角部に、二酸化チタンからなる表面コート材がコートされた形態の複合顔料の模型図、及び外角部における光の移動経路を示す図である。図３は、本発明の一実施例による無機性複合顔料の表面において、光の多重回折効果により乱反射が減少し、皮膚表面に達する光の制御により、紫外線遮断及び皮膚色が発現されることを示す図である。図４は、本発明の一実施例による無機性複合顔料の製造例５の走査電子顕微鏡(SEM)及び透過電子顕微鏡(TEM)のイメージを示す図である。図５は、本発明の一実施例による無機性複合顔料を適用するに際して、紫外線遮断指数を、比較例と比較した図である。

以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を具体的に説明する。本発明の実施例は、様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が、後述する実施例に限定されるものではない。本実施例は、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。そこで、図面に示されている各要素の形状は、明らかな説明を強調するために、誇張されることがある。

図１は、本発明の一実施例による無機性複合顔料の製造工程の模式図であり、図２は、本発明の一実施例による二酸化チタン顔料からなるコア部と、コア部の外角部に、二酸化チタンからなる表面コート材がコートされた形態の複合顔料の模型図、及び外角部における光の移動経路を示す図であり、図３は、本発明の一実施例による無機性複合顔料の表面において、光の多重回折効果により乱反射が減少し、皮膚表面に達する光の制御により、紫外線遮断及び皮膚色が発現されることを示す図であり、図４は、本発明の一実施例による無機性複合顔料の製造例５の走査電子顕微鏡(SEM)及び透過電子顕微鏡(TEM)のイメージを示す図であり、図５は、本発明の一実施例による無機性複合顔料を適用するに際して、紫外線遮断指数を、比較例と比較した図である。

＜製造例＞
蒸溜水に二酸化チタンを添加し、６０～９０℃で撹拌し、二酸化チタンを分散して、白色顔料を製造し、分散した白色顔料に、四塩化チタン溶液のような無機溶液とアルカリ水溶液を用いて、加水分解により、水酸化チタン複合顔料を得た。完了した溶液を３０分間撹拌した後、３０分間静置し、静置後に発生した白色の沈殿物を、蒸溜水で洗浄しろ過した後、６０～１００℃で乾燥して、水酸化チタン複合粉体を得た。このように精製された水酸化チタン複合粉体を６００～８５０℃で焼結して、白色顔料の表面に、無機顔料の酸化物を形成した。

以後、複合顔料が疎水性、親水性、又は皮膚親和性を有し、前記酸化物の水相部又は油相部における分散性を上げるように、シリコン及びシラン、フッ素系化合物、金属石鹸系化合物、天然界面活性剤、高分子、炭化水素類高分子、高級脂肪酸、高級アルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上の疎水性物質でコートするか、ポリオール、ポリオキシエチレン、アミノ酸系複合物からなる群より選ばれた少なくとも１種以上の親水性物質でコート処理した。

このような製造工程により製造した無機性複合顔料の製造例は、下記表１の通りである。

前記製造方法により作られた無機性複合顔料に対して、走査電子顕微鏡(SEM)及び透過電子顕微鏡(TEM)により、複合顔料の表面にコート面が形成されることを確認した。そのうち、製造例５の表面に形成されたコート面の結果を図４に示している。

図４に示しているように、コートされた複合顔料は、一般の二酸化チタン顔料と比較して、広く且つ不均一な表面を形成した。

このようにコートされた複合顔料のコア部及び表面コート材の広く且つ不均一な表面により、多重回折と乱反射の減少による共鳴効果、及び反射光と透過反射光の重畳及び干渉現象による紫外線遮断の相乗効果を有することになる。

また、コートされた複合顔料のコア部及び表面コート材の表面の多重回折と屈折、及び乱反射の減少による光の制御により、自然なスキン自体のトーンが行われるブライトニング効果を有することになる。

ここで、白色顔料は、無機性複合顔料の総重量に対して、２０重量％～９０重量％、望ましくは、３０重量％～９０重量％である。前記白色顔料の含量が２０重量％未満の場合、隠蔽力が形成されず、９０重量％超えの場合、使用感改善及び白濁現象がひどく生じるという不都合がある。

また、無機溶液は、無機性複合顔料の総重量に対して、１０重量％～８０重量％、望ましく１０重量％～７０重量％である。前記無機溶液の含量が１０重量％未満の場合、使用感が荒く、透明度改善がなされず、８０重量％超えの場合、過度な透明度により、隠蔽力が形成されないという不都合がある。

＜剤型実施例＞
本発明による無機性複合顔料を含有する紫外線遮断剤を、通常の製造工程で製造した結果は、下記表２の通りである。

前記剤型実施例で製造された無機性複合顔料を含有する紫外線遮断剤において、複合顔料の紫外線遮断の相乗効果を確認するために、ＵＶ遮断テストを行った。紫外線遮断の確認のために、HelioScreen LabsのHELIOPLATE HD6(サイズ:４.７ｃｍ×４.７ｃｍ)に、紫外線遮断剤２８.６ｍｇを塗布した後、３０分後の紫外線遮断能力を、Labsphere Inc.のSunscreen AnalyzerであるUV-2000S装置を用いて確認した。試験結果は、図５の通りである。紫外線遮断指数は、ＳＰＦと表記した。

図５から、紫外線遮断剤が製造された無機性複合顔料を含有した場合、紫外線遮断指数が上昇することを確認した。

ここで、無機性複合顔料は、紫外線遮断剤の総重量に対して、０.１重量％～２０重量％、望ましくは、０.５重量％～１０重量％である。前記無機性複合顔料の含量が０.１重量％未満では、紫外線遮断効果が顕著に落ち、使用感改善及び隠蔽力においても、効果がわずかであり、紫外線遮断の相乗効果も期待できなくなる。また、２０重量％超えの場合は、油分感の不足によりマットすることになり、重くてきつい使用感を与える。

たとえ、本発明が前述した好適な実施例に関して説明されているが、本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、他の様々な修正や変形が可能である。そのため、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考えられるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれたものと解析されるべきである。

Claims

白色顔料を含むコア部と、
前記コア部の外角面にコートされ、前記白色顔料が含まれた無機溶液を含む表面コート材とを含むことを特徴とする紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記白色顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、タルク、マイカ、ホウケイ酸塩からなる群より選ばれた少なくとも１種以上であることを特徴とする請求項１に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記白色顔料は、無機性複合顔料の総重量に対して、２０重量％～９０重量％であり、
前記無機溶液は、無機性複合顔料の総重量に対して、１０重量％～８０重量％であることを特徴とする請求項１に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記表面コート材は、前記コア部に均一又は不均一にコートされることを特徴とする請求項１に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記コア部及び前記表面コート材の表面の多重回折と乱反射の減少による共鳴効果、及び反射光と透過反射光の重畳及び干渉により、紫外線遮断の相乗効果を有することを特徴とする請求項１に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記コア部及び前記表面コート材の表面の多重回折と屈折及び乱反射の減少による光の制御で、皮膚自体のトーンが自然に具現されるブライトニング効果を有することを特徴とする請求項１に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記表面コート材の外角には、シリコン及びシラン、フッ素系化合物、金属石鹸系化合物、天然界面活性剤、高分子、炭化水素類高分子、高級脂肪酸、高級アルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上の疎水性物質でコートするか、又は
ポリオール、ポリオキシエチレン、アミノ酸系複合物からなる群より選ばれた少なくとも１種以上の親水性物質がコートされることを特徴とする請求項１に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記シリコン及びシランは、ジメチコン、シクロメチコン、ジシロキサン、シクロシロキサン、トリエトキシカプリリルシランからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記フッ素系化合物は、ポリフルオロアルキルホスフェートエーテル、パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記金属石鹸系化合物は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記天然界面活性剤は、レシチン、水添レシチンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記高分子は、コラーゲン、セルロース、キサンタンガムからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記炭化水素類高分子は、ラウロイライシン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記高級脂肪酸は、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸からなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記高級アルコールは、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であることを特徴とする請求項７に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
前記ポリオールは、グリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記ポリオキシエチレンは、PEG-10、PEG-40からなる群より選ばれた少なくとも１種以上であり、
前記アミノ酸系複合物は、リシン、アルギニン、グリシンからなる群より選ばれた少なくとも１種以上であることを特徴とする請求項７に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料。
請求項１乃至９のいずれか一項に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を有効性分として含有する化粧料組成物。
前記無機性複合顔料は、化粧料組成物の総重量に対して、０.１重量％～２０重量％を含むことを特徴とする請求項１０に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を有効性分として含有する化粧料組成物。
(ａ)二酸化チタンを分散して、白色顔料を製造するステップと、
(ｂ)分散した白色顔料に、四塩化チタン水溶液とアルカリ水溶液を添加及び撹拌して、加水分解反応させ、水酸化チタン複合顔料を得るステップと、
(ｃ)前記ステップ(ｂ)が完了した溶液を冷却及び洗浄した後、焼結して、酸化物を形成するステップとを含むことを特徴とする紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料の製造方法。
前記ステップ(ａ)は、蒸溜水に二酸化チタンを添加し、６０～９０℃で撹拌して、白色顔料を製造することを特徴とする請求項１２に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料の製造方法。
前記ステップ(ｂ)は、四塩化チタンを精製水で溶解させて、１０～４０重量％の四塩化チタン水溶液を製造し、製造された四塩化チタン水溶液と１０～３０重量％の水酸化ナトリウム水溶液を、分散した白色顔料に添加及び撹拌して、加水分解反応させ、水酸化チタン複合顔料を得ることを特徴とする請求項１２に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料の製造方法。
(ａ)蒸溜水に二酸化チタンを添加し、６０～９０℃で撹拌し、二酸化チタンを分散して、白色顔料を製造するステップと、
(ｂ)分散した白色顔料に、四塩化チタン水溶液とアルカリ水溶液を添加及び攪拌して、加水分解反応させ、水酸化チタン複合顔料を得るステップと、
(ｃ)前記ステップ(ｂ)が完了した溶液を３０分間撹拌した後、３０分間静置し、静置後に発生した白色の沈殿物を蒸溜水で洗浄してろ過した後、６０～１００℃で乾燥させて、水酸化チタン複合粉体を得、前記水酸化チタン複合粉体を６００～８５０℃で焼結して、白色顔料の表面に、無機顔料の酸化物を形成するステップと、
(ｄ)前記酸化物に、シリコン及びシラン、フッ素系化合物、金属石鹸系化合物、天然界面活性剤、高分子、炭化水素類高分子、高級脂肪酸、高級アルコールからなる群より選ばれた少なくとも１種以上の疎水性物質をコートするか、又は、ポリオール、ポリオキシエチレン、アミノ酸系複合物からなる群より選ばれた少なくとも１種以上の親水性物質をコートするステップとを含むことを特徴とする紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料の製造方法。
請求項１２乃至１５のいずれか一項に記載の製造方法で製造された紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を有効性分として含有する化粧料組成物。
前記無機性複合顔料は、化粧料組成物の総重量に対して、０.１重量％～２０重量％を含むことを特徴とする請求項１６に記載の紫外線遮断能力を上昇させる無機性複合顔料を有効性分として含有する化粧料組成物。