JP2005289932A - 繊維状中空無機化合物粒子及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
化粧料に配合する上で使用感等の問題がなく、幅広い処方をとる化粧料への配合が容易な繊維状中空無機化合物粒子とそれを含有することで、老化した肌であっても若々しい質感のある仕上がりが得られる化粧料を提供すること。
【課題手段】
無機化合物を構成成分とし、繊維状でかつ中空構造を持ち、その数平均長さ(L)が10〜1000μm、数平均径(D)が0.1〜30μmで、アスペクト比(L)/(D)が5〜100、中空穴の数平均外径が該数平均径の30〜95%の範囲にあることを特徴とする繊維状中空無機化合物粒子及びこれを含有することを特徴とする、化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料及び化粧料用の原料に関し、更に詳細には、繊維状中空無機化合物粒子及びそれを含有する化粧料に関する。
従来より、酸化チタン、シリカ、酸化鉄等の無機酸化物及びそれらの無機水酸化物は種々の化粧品に配合されてきた。例えば酸化チタンは、約0.3μmの粒子の場合は着色顔料に、0.1μm以下の場合は紫外線遮蔽用に、更にマイカ等鱗片状粒子に被覆されてパール顔料として使用されている。さらにこれらの無機化合物を使用した各種複合粉体も種々開発されている。これらの無機化合物は、メーキャップ化粧料のみならず、スキンケア及びサンスクリーン化粧料等、化粧料にとって欠かせない原料である。
化粧料に求められる効果として、加齢に伴う皺、シミ等の皮膚の欠点を隠蔽するなどして目立たなくする検討は以前から行なわれてきている。隠蔽性を高めると、皮膚の欠点を覆い隠すことにより、欠点は目立たなくなるが、その半面、白浮きと呼ばれる不自然な仕上がりとなる。本発明者らは、WO99/49834号公報において、不自然な仕上がりを改良するために、隠蔽性がありながらも高い透明感のある粉体とそれを配合した化粧料を提案している。その他には、光拡散効果により、小じわ等の皮膚の欠点をぼかす効果を持つ化粧料が多数提案されている。しかしながら、これら従来技術では、皺、シミ等を隠蔽する、或いはぼかすことにより仕上がりを改善することは出来るが、適度なつや、はりといった若々しさまでも再現することは出来ていない。
本発明者らは、老化した肌でも若々しい質感のある仕上がりが得られる化粧料も提案している。例えば、特開2002−20217号公報、特開2002−47120号公報において、下記式で示されるLDI値が0.5以上となる線状拡散の強い繊維状粉末を配合することにより、老化した肌であっても、若々しい肌と同様にいきいきとした質感を与えることが可能な化粧料を提案している。LDI値が0.5以上となる線状拡散の強い繊維状粉末としては、アスペクト比が高く、100〜500μmの直線部分をもつ板状粉体や平均繊維長100〜500μmの繊維状粉末であるナイロン繊維等を例示している。しかしながら前者の板状粉体では使用感触が悪化するという問題があり、後者の合成樹脂を使用した繊維状粉末ではその比重等の物理特性、及び表面特性の面から化粧料への配合に困難な面がある。

(但し、式中sは前記物質を含む光透過層の透過光画像から前記光透過層における光の拡散を画像として抽出したときの抽出画像の面積であり、pは抽出画像の周囲長を示す。)
一方、特開2002−338424号公報、特表2002−535228号公報、特開2001−172118号公報において、中空構造を有する無機化合物粒子として、球形のものが既に開示されているが、繊維状の無機化合物であって、中空構造を有するものは全く知られていない。
WO99/49834号公報 特開2002−20217号公報 特開2002−47120号公報 特開2002−338424号公報 特表2002−535228号公報 特開2001−172118号公報
従って、本発明の目的は、化粧料に配合する上で使用感等の問題がなく、幅広い処方をとる化粧料への配合が容易な繊維状中空無機化合物粒子とそれを含有することで、老化した肌であっても若々しい質感のある仕上がりが得られる化粧料を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するものであり、化粧料に配合する上で使用感等の問題がなく、幅広い処方をとる化粧料への配合が容易な繊維状中空無機化合物粒子とそれを含有することで、高い線状拡散性を発揮し、老化した肌であっても若々しい質感が得られる化粧料を提供することを目的としている。
更に、本発明の繊維状中空無機化合物粒子は、数平均長さが10〜1000μm、数平均径が0.1〜30μm、中空穴の数平均外径が該数平均径の30〜95%の範囲であり、酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機酸化物、及びそれらの水和物又は水酸化物から選ばれる1種または2種以上の無機化合物を構成成分とすることを特徴としている。
一方、本発明の化粧料は、前記した繊維状中空無機化合物を含有することを特徴とする。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)無機化合物を構成成分とし、繊維状でかつ中空構造を持ち、その数平均長さ(L)が10〜1000μm、数平均径(D)が0.1〜30μmで、アスペクト比(L)/(D)が5〜100、中空穴の数平均外径が該数平均径の30〜95%の範囲にあることを特徴とする繊維状中空無機化合物粒子。
(2)前記無機化合物が無機酸化物、及び無機水酸化物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、(1)に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(3)前記無機酸化物が酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムであることを特徴とする、(2)に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(4)前記無機水酸化物が酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムの水和物又は水酸化物であることを特徴とする、(2)に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(5)数平均長さ(L)が100〜500μm、数平均径(D)が2〜20μm、アスペクト比(L)/(D)が10〜50、中空穴の数平均外径が該数平均径の50〜90%の範囲にあることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(6)前記酸化チタンの含有量が50質量%以上であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(7)化学変化性繊維基材上に1種又は2種以上の無機酸化物又は無機水酸化物の層を形成し、前記化学変化性繊維基材を化学処理により除去して繊維状中空構造を形成することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(8)熱変化性繊維基材上に1種又は2種以上の無機酸化物又は無機水酸化物の層を形成し、前記熱変化性繊維基材を融出、又は燃焼により除去して繊維状中空構造を形成することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(9)化学変化性繊維基材上又は熱変化性繊維基材上に無機酸化物又は無機水酸化物の層を形成するに際し、前記化学変化性繊維基材又は前記熱変化性繊維基材を水に分散させ、それに金属塩水溶液と、酸又はアルカリ水溶液を加えることを特徴とする(7)又は(8)記載の繊維状中空無機化合物粒子。
(10)(1)〜(9)のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子を含有することを特徴とする、化粧料。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子を用いると、化粧料に配合する上で使用感等の問題が解決され、幅広い処方をとる化粧料への配合が容易となる。また、本発明の繊維状中空無機化合物粒子を含有することで、高い線状拡散性を発揮し、老化した肌であっても若々しい質感が得られる化粧料を提供することができる。
以下、本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において、量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(1)本発明の繊維状中空無機化合物粒子
本発明の繊維状中空無機化合物粒子は、無機化合物を構成成分とし、数平均長さ(L)が10〜1000μm、数平均径(D)が0.1〜30μm、アスペクト比(L)/(D)が5〜100、中空穴の数平均外径が該数平均径の30〜95%の範囲にあることを特徴としている。また上記の無機化合物としては、酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の無機酸化物、及びそれらの水和物又は無機水酸化物から1種または2種以上を選ぶことが可能である。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子の数平均長さ(L)は10〜1000μm、更には100〜500μmが好ましく、数平均径(D)は0.1〜30μm、更には2〜20μmの範囲にあることが好ましい。更にアスペクト比(L)/(D)は5〜100、更には10〜50が好ましい。この繊維状中空無機化合物粒子に照射された光は、その表面で一部反射され、残りは中空内部に透過する。この透過した光は中空殻内面で反射され、一部は透過して中空外にでる。中空殻内部で反射された光は更に反射及び透過を繰り返すが、その一部は中空粒子断面の開口部から収束した光として、繊維長さ方向に放射される。そのためこの繊維状中空無機化合物粒子は高い線状拡散効果を有する。
数平均長さ(L)が10μm未満の場合には、中空内部での反射光の収束効率が低いため線状拡散効果が十分ではなく、若々しい質感を得ることが出来ない場合が存する。また1000μmを超えると肌にのばす際にひっかかりが生じ使用感に大きく影響する場合がある。また数平均径(D)0.1μm未満では可視光波長に対して小さすぎるため線状拡散の効果が無い場合が存し、30μmを超えると中空内部での反射光の収束効果が低下するため線状拡散効果が低下すると共に、使用感も悪くなることがある。アスペクト比(L)/(D)は5以下では線状拡散効果が不十分で、100以上では皮膚に塗布する際の応力により折れて崩壊しやすいという問題がある。線状拡散の効果と使用感を考え合わせると、数平均長さ(L)は100〜500μm、数平均径(D)は2〜20μm、(L)/(D)は10〜50であることが好ましい。
中空穴の数平均外径が数平均径の30〜95%、更には50〜90%であることが好ましい。30%未満の場合には、中空内部を通過せずに該粒子の外に透過する光の量が増加するため線状拡散効果が劣り、95%を超えると中空殻の厚みが薄いため強度が低く崩壊しやすくなる場合がある。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子を構成する無機化合物としては、含有される化粧料の処方、及び求められる性状から最適なものを選択することが可能である。例えばある程度の隠蔽性が必要な場合は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムがよく、逆に高い透明性が求められる場合には、シリカ、アルミナおよびその水和物が好適である。更に赤色又は黄色に着色させたい場合には、酸化鉄及びその水酸化物が使用できる。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子を構成する無機化合物の選定に関して例示すると、中空内部での反射効率を上げる、つまり中空殻を内部から外部に透過する光を低減させるためには、中空殻と媒質の屈折率差が大きい方が好ましい。例えば該粒子が化粧品処方中で屈折率1.45の油分で濡れ、中空の中がこの油分で満たされる場合には、中空殻が屈折率1.45のシリカであると光は中空殻表面での反射が起こらず透過してしまい線状拡散効果は無くなるが、屈折率2.7の酸化チタンであれば中空殻と媒質である油分の界面で光が反射され線状拡散効果が得られるため好ましい。逆に該粒子外部から中空内部へ透過する光量を上げるには、媒質と中空殻の屈折率差が小さい方が好ましく、中空殻の外面と内面では相反する特性が求められる。このような観点から、中空殻外部から内部に向けて屈折率が徐々に上昇するような屈折率傾斜構造を有するのが理想的である。例えば、経済性を無視すれば、外面からシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム又は酸化亜鉛、酸化チタンとういうように多層構造にすることで線状拡散効果を高めることが可能である。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子を構成する無機化合物として酸化チタンが50質量%以上である場合の最適な形状は、数平均長さ100〜500μm、数平均径が1〜30μm、中空穴の数平均外径が該数平均径の50〜95%であり、更に好ましくは数平均長さ150〜300μm、数平均径5〜15μm、中空穴の数平均外径が該数平均径の60〜90%である。このような形状であれば、線状拡散性が高くかつ使用感にも優れる。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子の調製方法としては、特に限定されるものではないが、化学変化性繊維基材や熱変化性繊維基材等の繊維基材に無機化合物を被覆したコア・シェル構造をつくり、コアである繊維基材を除去する方法が簡便である。
化学変化性繊維基材の例としては、NCRガラス、Eガラス、Tガラス、Cガラス等のガラス繊維、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー、ケイ酸カルシウム系ウイスカー、カーボンウイスカー、セピオライト、アスベスト等の天然鉱物が挙げられる。
これら化学変化性繊維基材を用い、本発明の繊維状中空無機化合物粒子を調製する方法として、ガラス繊維に、無機化合物として酸化チタン、酸化ジルコニウムを被覆したあと、アルカリ溶液に浸漬してガラス繊維を溶解することで繊維状中空酸化チタン又は酸化ジルコニウムを得る方法が例示できる。なお、酸化チタン又は酸化ジルコニウムをガラス繊維に被覆する方法としては、まずガラス繊維を水に分散させ、酸化チタン又は酸化ジルコニウムの前駆物質である硫酸チタニル水溶液又はオルト硫酸ジルコニウム水溶液を所定量添加し、同時に水酸化ナトリウム水溶液を所定量添加することで、ガラス繊維上に前記金属の水和物を析出させ、これを必要に応じて乾燥、焼成することにより所定の厚みの酸化チタン又は酸化ジルコニウムを形成することが出来る。前駆物質としては前記した金属塩の水溶液以外に、金属アルコキシドのアルコール溶液を使用することも可能である。
熱変化性繊維基材の例としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維、パルプ等の天然繊維が挙げられる。
これら熱変化性繊維基材を用い、本発明の繊維状中空無機化合物粒子を調製する方法としては、シリカゾルに所定形状のナイロン繊維を加えシリカゾル粒子をナイロン繊維の表面に静電的に付着させた後、脱水乾燥し、500℃程度の高温、空気雰囲気下で焼成すればナイロン成分は酸化分解されるために繊維状中空シリカ粒子を得る方法が例示できる。なお、シリカ粒子をナイロン繊維表面に付着させる方法としてはメカノケミカル効果も
採用することが可能である。
上記静電的付着法を採用する場合には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム及びそれら水酸化物の1種又は2種以上の複合又は混合コロイドを使用する方法が好適である。粒子径は10〜100nmであることが好ましい。これらのコロイドの希釈液に繊維基材を加え、pHを酸、アルカリ水溶液で変化させ表面電位を適宜調節することで繊維基材に前記コロイド粒子を付着させることが出来る。繊維基材の表面電位がプラスの場合、コロイドの表面電位をマイナスに調整してやると容易に付着させることが可能である。
なお、上記メカノケミカル効果とは、固体物質に摩砕、摩擦、延伸、圧縮などの機械的エネルギーを加えることによって引き起こされる構造、反応性、吸着性などの変化をいい、当該メカノケミカル効果を採用する場合には、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及びそれらの水酸化物、又は前駆体の粉末と繊維基材をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)等を使用して付着させることが出来る。
繊維基材はここに例示したガラス繊維、ナイロン繊維に限定されるものではなく、繊維状であれば無機系、有機系に係わらず使用することが可能である。
またシリカゾルに他の無機化合物の粒子を混合して同様に調製すると、2種以上の無機化合物からなる繊維状中空無機化合物粒子を得ることが可能である。
更に、ある無機化合物を被覆又は付着させた後に各種金属塩、金属アルコキシドを用いて2種以上の無機化合物が層状に積層された繊維状中空無機化合物粒子も得ることが出来る。用いられる金属塩を例示すると、硫酸チタニル、四塩化チタン、水ガラス、水ガラス誘導体、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、オルト硫酸ジルコニウムが挙げられ、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛等の有機金属塩を使用しても問題ない。またこれらの金属塩と反応させる酸水溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の水溶液が例示され、更にアルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム等の水溶液が使用できる。また金属アルコキシドを例示すると、テトラエトキシシラン、チタンイソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド等が使用できる。これらのアルコール溶液をアルコール又はアルコール/水混合溶剤に繊維基材を加えたものに所定量加え、酸性又はアルカリ性の雰囲気下で加水分解させることにより各種無機化合物が被覆された繊維基材を得ることが可能である。
上記調製方法を採用すれば、繊維状中空無機化合物粒子の長さ、径、中空穴径は繊維基材の寸法と被覆する無機化合物との比率で決めることが可能となる。繊維基材の寸法は、数平均長さが10〜1000μm、数平均径は0.1〜30μmが好適である。
かくして得られた、繊維状中空無機化合物粒子は、更に、通常知られている方法でその表面を処理して使用することも出来る。この様な表面処理としては、ジメチルポリシロキサンやハイドロジェンメチルポリシロキサンを焼き付けるシリコーン処理、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石けんを被覆する金属石けん処理、リン脂質を被覆するリン脂質被覆処理、シランカップリング剤によるシランカップリング処理、ステアロイルグルタミン酸アルミニウム、ラウロイルリシンなどのアシル化アミノ酸乃至はその塩を被覆するアシル化アミノ酸被覆処理、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミドなどのパーフルオロアルキル基を有する化合物によるパーフルオロ処理などが好適に例示でき、かかる処理剤による処理は粉体全量に対して、1〜10質量%が好ましい。
本発明の繊維状中空無機化合物粒子の数平均長さ(L)は電子顕微鏡の150倍の拡大写真より100個の粒子の長さを測定しその平均値から求めた。数平均径(D)は同様に
電子顕微鏡の5000倍の拡大写真より20個の粒子径を測定しその平均値から求めた。中空穴の数平均外径は同様に電子顕微鏡の5000倍の拡大写真より20個の中空穴の外径を測定しその平均値から求めた。
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料には、繊維状中空無機化合物粒子が後述する通常の化粧料に配合される各種成分と共に配合される。繊維状中空無機化合物粒子の配合量は1〜90質量%が好ましく、更に好ましくは2〜40質量%である。配合量が1質量%未満の場合は、線状拡散効果が十分ではなく若々しい仕上がりが得られにくい場合が存する。また90質量%を超えると化粧料として必要な油分感、着色性等が失われることがある。
本発明の化粧料に配合される各種成分としては、例えば、オリーブ油、ナタネ油、牛脂等の油脂類、ホホバ油、カルナバロウ、キェンデリラロウ、ミツロウ等のロウ類、パラフィン、スクワラン、合成および植物性スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、α−ヒドロキシ酸、リノール酸、リノレイン酸、乳酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オクチドデカノール、ラウリルアルコール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等のアルコール類、アルキルグリセリルエーテル類、ミリスチン酸イソプロピル、パルチミン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、ラウリル酸セチル、オレイン酸デシル等のエステル類、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール類、ソルビトール、ブドウ糖、ショ糖、トレハロース、プルラン等の糖類、アルブチン、ビタミンC、アスコルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸誘導体、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、レチノイン酸及びレチノイン酸構造類縁体、メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルシリコーン油、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジメチルシリコーン油、各種変性シリコーン油等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等のフッ素油、アラビアガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ゼラチン、アルギン酸、グアーガム、アルブミン、プルラン、カルボキシビニルポリマー、セルロース及びその誘導体、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の高分子、アニオン、カチオン、ノニオン系界面活性剤類、動植物抽出物、アミノ酸及びペプチド類、ビタミン類、紫外線防御剤、殺菌・防腐剤、酸化防止剤、変性又は未変性の粘度鉱物、酢酸ブチル、アセトン、トルエンなどの溶剤、各種粒子径、粒子径分布及び形状の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ等を含有する無機酸化物又は水酸化物、各種粒子径、粒子径分布及び形状のポリアクリル酸メチル、ナイロン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタンを含有する有機粉末、群青、紺青、マンガンバイオレット、水酸化クロム、タール色素、天然色素等の色材、各種色調の雲母チタン、マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、硫酸バリウム、及びそれらと無機化合物又は有機化合物との各種複合物、水、香料など少なくとも1種以上を含んでいる。これらの成分は前述のものに限定されるものではなく、化粧品原料基準新訂版(発行 薬事日報社)及び化粧品種別配合成分規格(監修 厚生省薬務局審査課、発行
薬事日報社)に収載された原料全てを含む。これらの成分は、そのまま用いても良いし、シリコン、フッ素、金属石鹸、ラウロイルリシン、各種油剤等による表面処理物、更には複合化物、分散体として使用することも出来る。
本化粧料は常法により製造することができ、パウダー状、液状、クリーム上など各種形態で使用され、具体的にはパウダーファンデーション、アイシャドー、ルースパウダー、リキッドファンデーション、クリーム、乳液、ローション、口紅などに含有させることが
できる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
(繊維状中空酸化チタン粒子の製造)
平均長さ300μm、数平均径10μmのEガラス繊維1400g(商品名「MF20JHI−20」:旭ファイバーグラス(株)製)を濃度10質量%となるように水に加えて十分に分散し、攪拌しながら70℃に加温する。硫酸を使用してpHを2.5に調節した後、酸化チタンとして濃度20質量%の硫酸チタニル水溶液3000gを30時間かけてゆっくりと添加する。添加中のpHは水酸化ナトリウム水溶液を使用してpH2.5に維持する。添加終了後水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7まで中和した後冷却し、濾過水洗後、110℃で乾燥させた。これを500g計量し、濃度30質量%の水酸化ナトリウム水溶液49.5kgに加えて、攪拌しながら加温し、95℃で2日間保持する。冷却後、濾過、洗浄し、110℃で乾燥させた後550℃で焼成し、繊維状中空酸化チタン粒子を得た。走査型電子顕微鏡(JSM−5410LV型走査型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製)で確認したところ、この繊維状中空酸化チタン粒子の数平均長さは約200μmで、数平均径は約11μm、アスペクト比18.2、中空穴の数平均外径は約7μm(数平均径の63.6%)であった。組成分析を行なったところ、酸化チタン65質量%、酸化カルシウム35質量%であった。酸化カルシウムはガラス繊維の溶解残分である。
(繊維状中空シリカ/アルミナ粒子の製造)
平均長さ500μm、数平均径20μmのナイロン繊維200g(商品名「ナイロン0.5」:中村物産株式会社製)に平均粒子径0.1μmの球状シリカ(商品名「スフェリカスラリー120」:触媒化成工業(株)製)50gを加えて、ヘンシェルミキサー(FM20C/I:三井鉱山(株)製)にて4000回転で30分間混合した。これを水2500gに加えて攪拌し、酸化アルミニウムとして濃度10質量%の塩化アルミニウム1070g及び尿素770gを水3210gに溶かした混合液に加えてよく混合し、90℃まで緩やかに加温した。室温まで冷却後、濾過水洗し、110℃で乾燥後、更に600℃まで徐々に昇温して5時間焼成し、繊維状中空シリカ/アルミナ粒子を得た。走査型電子顕微鏡(JSM−5410LV型走査型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製)で確認したところ、この繊維状中空シリカ/アルミナ粒子の数平均長さは約500μm、数平均径は約20μm、アスペクト比25、中空穴の数平均外径は約17μm(数平均径の85.0%)であった。組成分析を行なったところ、シリカ33質量%、アルミナ67質量%であった。
(化粧料の調製)
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料であるパウダーファンデーション1を作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサー(FM20C/I:三井鉱山(株)製)で混合した後、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザー(ミツイヘンシェルFM10B:三井三池化工機株式会社製)で粉砕し、ヘンシェルミキサーに戻し、混合しながらロの成分を噴霧して被覆を行い、しかる後に、1mmヘリングボーンスクリーン(該パルベライザーの付属部品)を装着したハンマーミル(パルベライザー、型式AP:細川ミクロン株式会社製)で粉砕し、金皿に充填し、加圧成型して本発明のパウダーファンデーション1を得た。比較例として、下記配合例中、実施例1の繊維状中空酸化チタン粒子を通常の酸化チタンに置換したもの(比較例1)、通常の繊維であるナイロン繊維(20デニ
ール、平均長さ300μm)(商品名「ナイロン0.3」:中村物産株式会社製)に置換したもの(比較例2)も同様に作成した。
パウダーファンデーション1、比較例1、比較例2を用いて、50歳の女性パネラーをメークアップアーチストの手でメークアップしてもらい、この仕上がりを専門パネラー(ビューティーカウンセラー)10名にアンケートの形で評価してもらった。
評価項目は、カバー力、化粧映えの美しさ、仕上がりの若々しさであり、その評価基準はスコア1:全く感じない、スコア2:物足りない、スコア3:まあまあである、スコア4:やや良い、スコア5:良いであった。結果を出現例数として表1に示す。これより本発明の化粧料は極めてメークアップ効果の高いものであり、特に若々しい仕上がりを提供する特性を備えていることが判る。
イ)
実施例1の繊維状中空酸化チタン粒子 30 質量部
シリコーン処理チタンマイカ 5 質量部
シリコーン処理酸化鉄 10 質量部
シリコーン処理セリサイト 15 質量部
シリコーン処理マイカ 5 質量部
煙霧状シリカ 15 質量部
ロ)
オレイン酸オクチルドデシル 10 質量部
ジメチコン 10 質量部
(化粧料の調製2)
実施例3と同様に下記処方に従って、本発明のパウダーファンデーション2を作成した。比較例として、下記配合例中、実施例2の繊維状中空シリカ/アルミナ粒子を通常のシリカに置換したもの(比較例3)、中空のシリカ(球状)(商品名「マイクロバルーン」:松本油脂製薬株式会社製)に置換したもの(比較例4)も同様に作成し、実施例3と同
様に評価した。結果を表2に示す。これからも本発明の効果が確認できる。
イ)
シリコーン処理酸化チタン 30 質量部
シリコーン処理チタンマイカ 5 質量部
シリコーン処理酸化鉄 10 質量部
シリコーン処理セリサイト 15 質量部
シリコーン処理マイカ 5 質量部
実施例2の繊維状中空シリカ/アルミナ粒子 15 質量部
ロ)
オレイン酸オクチルドデシル 10 質量部
ジメチコン 10 質量部
(繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子の製造)
実施例1の硫酸チタニル水溶液の10質量%(300g)を三二酸化鉄として濃度20質量%の硫酸第一鉄水溶液に置換し、同様に処理して、オレンジ色の繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子を得た。走査型電子顕微鏡(JSM−5410LV型走査型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製)で確認したところ、この繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子の数平均長さは約200μmで、数平均径は約11μm、アスペクト比18.2、中空穴の数平均外径は約7μm(数平均径の63.6%)であった。組成分析を行なったところ、酸化チタン58質量%、三二酸化鉄7%、酸化カルシウム35質量%であった。酸化カルシウムはガラス繊維の溶解残分である。
(繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子の製造)
実施例1の硫酸チタニル水溶液の50質量%(1500g)を三二酸化鉄として濃度2
0質量%の硫酸第一鉄に置換し、焼成温度を900℃に上げて同様に処理して、赤色の繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子を得た。走査型電子顕微鏡(JSM−5410LV型走査型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製)で確認したところ、この繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子の数平均長さは約200μmで、数平均径は約11μm、アスペクト比18.2、中空穴の数平均外径は約7μm(数平均径の63.6%)であった。組成分析を行なったところ、酸化チタン33質量%、三二酸化鉄32%、酸化カルシウム35質量%であった。酸化カルシウムはガラス繊維の溶解残分である。
(化粧料の調製3)
以下に示す処方に従って、本発明のリキッドファンデーション1を作成した。即ち、処方成分を秤取り、「ハイパーミキサー」(自転・公転型混合装置:株式会社キーエンス製)に仕込み20分間混合し、本発明のリキッドファンデーション1を得た。比較例5として、下記配合例中の実施例5、6の繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子を通常の着色酸化チタン(商品名「イエローチタン」:三重顔料株式会社製)に置換したものを同様の方法にて作成した。これらを実施例3と同様に評価した。結果を表3に示す。これらの結果からも本発明の化粧料の効果が確認された。
1,3−ブタンジオール 5 質量部
メチルパラベン 0.1質量部
マルメロ1,3−ブタンジオール抽出物 0.1質量部
水 45.1質量部
アルキルアクリレート樹脂粉体 5 質量部
実施例5の繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子 10 質量部
実施例6の繊維状中空酸化チタン・酸化鉄複合粒子 2.5質量部
黄色酸化鉄 2.1質量部
赤色ベンガラ 5.1質量部
紫色ベンガラ 2.7質量部
アクリル酸アルキルコアシェル型ポリマーエマルション14.8質量部
(繊維状中空酸化チタン/酸化亜鉛層状積層粒子の製造)
実施例1で得られた繊維状中空酸化チタン粒子100gを濃度10質量%となるように水に加えて十分に分散し、攪拌しながら60℃に加熱する。濃度10質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを6.5に調整した後、酸化亜鉛として濃度10質量%の塩化亜鉛水溶液200gを5時間かけてゆっくりと添加する。添加中のpHは濃度10質量%炭酸ナトリウム水溶液を使用してpH6.5を維持する。添加終了後1時間そのまま放置し、冷却後、濾過、洗浄し、110℃で乾燥させた後500℃で焼成し、酸化亜鉛が被覆された繊維状中空酸化チタン/酸化亜鉛層状積層粒子を得た。走査型電子顕微鏡(JSM−5410LV型走査型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製)で観察したところ数平均長さは約180μmで、数平均径は約12μm、アスペクト比15、中空穴の数平均外径は約6μm(数平均径の50.0%)であった。
(化粧料の調整4)
実施例8の繊維状中空酸化チタン/酸化亜鉛層状積層粒子を用いて、実施例3と同様に化粧料(パウダーファンデーション3)を調整し、同様の評価を行った。評価結果は表4に示す。このものも実施例3の化粧料と同様の特性を有していることが判る。
イ)
実施例8の繊維状中空酸化チタン/酸化亜鉛層状積層粒子 30 質量部
シリコーン処理チタンマイカ 5 質量部
シリコーン処理酸化鉄 10 質量部
シリコーン処理セリサイト 15 質量部
シリコーン処理マイカ 5 質量部
煙霧状シリカ 15 質量部
ロ)
オレイン酸オクチルドデシル 10 質量部
ジメチコン 10 質量部
(繊維状中空酸化ジルコニウム粒子の製造)
平均長さ500μm、数平均径13μmのEガラス繊維(商品名「MF20JHI−20」:旭ファイバーグラス製)1800gを濃度20質量%となるように水に加えて十分に分散し、攪拌しながら70℃に加熱する。水酸化ナトリウム水溶液でpHを5に調節し、硫酸ジルコニール(第一希元素化学工業(株))に水を加えて溶解した酸化ジルコニウムとして10質量%の水溶液2000gを水酸化ナトリウム水溶液でpH5を維持しながら12時間かけて徐々に加えた。更に水酸化ナトリウム水溶液をpHが7になるまで添加し、冷却後、濾過、洗浄し110℃で乾燥後した。これを500g計量し、濃度30質量%の水酸化ナトリウム水溶液49.5kgに加えて、攪拌しながら加温し、95℃で2日間保持する。冷却後、濾過、洗浄し、110℃で乾燥させた後500℃で焼成し、繊維状中空酸化ジルコニウム粒子を得た。走査型電子顕微鏡(JSM−5410LV型走査型電子顕微鏡:日本電子データム(株)製)で確認したところ、この繊維状中空酸化ジルコニウム粒子の数平均長さは約400μmで、数平均径は約14μm、アスペクト比28.6、中空穴の数平均外径は約11μm(数平均径の78.6%)であった。組成分析を行なったところ、酸化ジルコニウム50質量%、酸化カルシウム50質量%であった。酸化カルシウムはガラス繊維の溶解残分である。
(化粧料の調整5)
実施例10の繊維状中空酸化ジルコニウム粒子を用いて、実施例3と同様に化粧料(パウダーファンデーション4)を調整し、同様の評価を行った。評価結果は表5に示す。このものも実施例3の化粧料と同様の特性を有していることが判る。
イ)
実施例10の繊維状中空酸化ジルコニウム粒子 30 質量部
シリコーン処理チタンマイカ 5 質量部
シリコーン処理酸化鉄 10 質量部
シリコーン処理セリサイト 15 質量部
シリコーン処理マイカ 5 質量部
煙霧状シリカ 15 質量部
ロ)
オレイン酸オクチルドデシル 10 質量部
ジメチコン 10 質量部
本発明は、化粧効果の高い化粧料に応用できる。

Claims (10)

  1. 無機化合物を構成成分とし、繊維状でかつ中空構造を持ち、その数平均長さ(L)が10〜1000μm、数平均径(D)が0.1〜30μmで、アスペクト比(L)/(D)が5〜100、中空穴の数平均外径が該数平均径の30〜95%の範囲にあることを特徴とする繊維状中空無機化合物粒子。
  2. 前記無機化合物が無機酸化物、及び無機水酸化物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  3. 前記無機酸化物が酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムであることを特徴とする、請求項2に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  4. 前記無機水酸化物が酸化チタン、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムの水和物又は水酸化物であることを特徴とする、請求項2に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  5. 数平均長さ(L)が100〜500μm、数平均径(D)が2〜20μm、アスペクト比(L)/(D)が10〜50、中空穴の数平均外径が該数平均径の50〜90%の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  6. 前記酸化チタンの含有量が50質量%以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  7. 化学変化性繊維基材上に1種又は2種以上の無機酸化物又は無機水酸化物の層を形成し、前記化学変化性繊維基材を化学処理により除去して繊維状中空構造を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  8. 熱変化性繊維基材上に1種又は2種以上の無機酸化物又は無機水酸化物の層を形成し、前記熱変化性繊維基材を融出、又は燃焼により除去して繊維状中空構造を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  9. 化学変化性繊維基材上又は熱変化性繊維基材上に無機酸化物又は無機水酸化物の層を形成するに際し、前記化学変化性繊維基材又は前記熱変化性繊維基材を水に分散させ、それに金属塩水溶液と、酸又はアルカリ水溶液を加えることを特徴とする請求項7又は8記載の繊維状中空無機化合物粒子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維状中空無機化合物粒子を含有することを特徴とする、化粧料。
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