JP5916049B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、構成成分として(A)薄片状基質表面上に酸化チタンを主成分とする金属酸化物被覆層が形成されて成るパール顔料の表面を、粒子径200〜400nmの球状有機粉体で2.0〜10.0重量%被覆した複合粉体、(B)絹雲母の表面を、ルチル型微粒子酸化チタンで15.0〜25.0重量%被覆した複合粉体、及び(C)25℃においてペースト状である油性成分を含有する、顔に立体感を与え、たるみを隠しリフトアップした印象を与える効果と紫外線防御効果を両立しながら、さらに化粧もちに優れる固形粉末化粧料に関する。
従来、メイクアップ化粧料には、肌のシミ、ソバカス、色ムラ、くすみ、毛穴の目立ち、シワ等を隠し、肌を綺麗に見せたり、質感を変えたりする機能がある。しかし、高齢化社会を迎え、これらの機能に加えて、加齢に伴う顔や肌のたるみを隠して若々しい印象の顔に見せる機能もこれからの時代は重要になってくると考えられる。
このうち、たるみを隠して若々しい印象を与えるためには、顔に立体感を与えることが重要である。そのために、顔を上下に分け、上部と下部で色調の異なるファンデーションを用いて、上部のメイクアップ化粧料の明度が下部のものよりも高くなるように塗布して陰影をつけ、フェイスラインをすっきり見せる方法(特許文献1)、低次酸化チタンで着色された干渉色を有さない雲母チタン系顔料を配合した下地化粧料を塗布してからファンデーションを重ねることで、フェイスラインや鼻筋をすっきり見せ立体感を上げる方法(特許文献2)、微細なパール顔料と球状樹脂粉末を最適な量と最適な混合比でファンデーションや化粧下地へ配合する方法(特許文献3)等が示されている。
しかし、特許文献1のような顔の場所によって塗り分ける方法では、化粧塗膜の微妙な境目が気になり、自然な仕上がりとは言い難く、また、特許文献2の方法では、メイクアップ化粧品を組み合わせて使用しているためメイクのテクニックが必要となり、簡便にリフトアップした印象に仕上げるのは難しい。さらに、特許文献3のような方法では、パール顔料の光の正反射と球状樹脂粉末の光の拡散反射が、互いの光の特性を相殺して、十分に若々しい印象を与えるものではなかった。
さらに、小鼻から口元あたりの頬の下部において、顔のたるみによって影が発現し、この影がたるみを認識させているとして、この影を消して若返ったように見せるレフ板のような効果を持った複合粉末も特許文献4に紹介されている。
しかしながら、この複合粉末の利用では、複合化によって母体の雲母チタンの明るさが大きく低下し、また、実際に顔の影が少なくなっているものの、逆に、顔が膨張しているように見え太った印象を与えてしまっていた。
また、肌のシワや毛穴の目立ち等については、特許文献5のようにアクリル樹脂の球状微細粒子を薄片状パール顔料に40〜60重量%の濃度で被覆した複合粉体により、パール顔料のつやを抑えて、均一な乱反射の強度をコントロールすることが行われているが、肌の自然さや透明感はあるものの、やはり、顔から反射してくる光が広がるために顔がぼやけた印象で太ったように見える傾向があり、肌のたるみを逆に強調してしまっていた。
一方、メイクアップ化粧料の重要な機能の一つに、紫外線から肌を守る機能がある。このため、従来から紫外線防御効果を化粧料に持たせるために、様々な酸化チタン、酸化亜鉛をはじめとする無機系紫外線防御剤が汎用されている(非特許文献1〜3)。これらの技術の進歩は、紫外線の皮膚の老化に及ぼす影響や皮膚がんとの因果関係などから紫外線の有害性が明らかになってきた中で、一般消費者における紫外線防御への関心が高まり、より高い紫外線防御効果を有する化粧料の開発が必要となってきたことに起因する。
しかしながら、紫外線のカット効果を高めるために、無機系紫外線防御剤を増量すると、使用感や肌の仕上がりの面で弊害が出てくる。
例えば、紫外線防御効果を有する微粒子酸化チタンは分散性が悪く、凝集しやすいため、のびが悪く、高い紫外線防御効果を求めて高配合すると、塗布時ののびの滑らかさを失うという問題点があった。さらには、皮膚の上では均一に塗布されないため、隙間が空いてしまい、微粒子酸化チタンの配合量に見合った紫外線防御効果を得られないという欠点や、光を遮り肌の透明感やつやを損ねてしまうため、立体感のない(のっぺりとした)顔印象になるといった仕上がりの不自然さが目立ってくる。すなわち、肌に立体感を与えるために様々な工夫をこらしても、微粒子酸化チタンを配合することで、その効果を大きく損ねてしまうという問題があった。
こうした理由から、肌に立体感を与え、若々しい印象の顔を演出することと、紫外線防御効果を両立させることは非常に困難であった。
以上の状況を踏まえ、特に、加齢に伴う顔や肌のたるみ等が気になる年代の女性をターゲットとしたメイクアップ化粧料では、つやのある若々しい印象の顔に見せる機能を有しながら、そのつや感を損なうことなく紫外線防御効果に優れたメイクアップ化粧料の開発が望まれていた。
特開平9−208428号公報 特開平5−43417号公報 特開平2005−97218号公報 特開2003−342127号公報 特開平9−48707号公報
FRAGRANCE JOURNAL,27(5),PAGE25−30(1999) J.SOC.COSMET.CHEM.JAPAN,VOL.31,NO.4,PAGE373−384(1997) FRAGRANCE JOURNAL,28(5),PAGE26−32(2000)
従って、本発明の目的は、顔に立体感を与え、たるみを隠しリフトアップした印象を与えて、若々しく見せるメイクアップ効果を有しながら、さらに紫外線防御効果に優れる、すなわち、つや感を損なわずに紫外線から肌を守る機能を持つ固形粉末化粧料を提供することにある。
本発明者は、このような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、構成成分として(A)薄片状基質表面上に酸化チタンを含有する金属酸化物被覆層が形成されて成るパール顔料の表面を、粒子径200〜400nmの球状有機粉体で2.0〜10.0重量%(パール顔料と球状有機粉体の全重量に対する球状有機粉体の重量百分率)被覆した複合粉体、(B)絹雲母の表面に、15.0〜25.0重量%(絹雲母とルチル型微粒子酸化チタンの全重量に対するルチル型微粒子酸化チタンの重量百分率)のルチル型微粒子酸化チタンを均一に点在化した複合粉体、及び(C)25℃でペースト状の油性成分を含有する固形粉末化粧料であれば、それを塗布することによって、今まで以上に顔がリフトアップしたように見えて若々しい印象を与えながらも、紫外線防御効果、化粧もちに優れることを見出し、本発明を完成した。なお、構成成分(B)の製造方法は、(1)ビーズミルを用いて、ルチル型微粒子酸化チタンを水系溶媒又はアルコール系溶媒より選ばれる分散媒体中に均一高分散化する工程、(2)(1)の分散液体中に絹雲母を添加し、さらに均一高分散化する工程、(3)(2)の分散液体を、3流体又は4流体ノズルを用いて100μm以下の液滴とし、噴霧乾燥を行う工程の3つの工程を行い、かつ、この工程において、分散液体中の原料粉体の分散度を下記式
DLVO ≧L Woodcock
(ここで、L DLVO は、分散液体中で作用するvan der Waals引力と、電荷をもつ粒子が接近したときに起こる電気二重層の相互作用に基づく静電反発力との、2つの力によって算出される分散液体中の原料粉体間の平均表面間距離であり、L Woodcock は、分散液体中に含まれる原料粉体の固形分濃度とその粒子径とによって定まる、分散液体中の原料粉体間の平均表面間距離である。)により制御する。
すなわち、パール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体の反射特性である、立体感を生み出す反射光の明るさや高い角度依存性を、絹雲母を15.0〜25.0重量%のルチル型微粒子酸化チタンで均一に点在化した紫外線防御複合粉体が弱めることなく、紫外線防御効果を発揮する。さらには、これらの他に25℃でペースト状の油性成分を含む固形粉末化粧料は、塗布時のフィット感に優れ肌のつや感を損なわず立体感の演出と持続に優れることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の構成成分(A)の複合粉体において、薄片状基質表面上に酸化チタンを主成分とする金属酸化物被覆層が形成されて成るパール顔料とは、粒子径が1〜150μm(レーザー回折散乱法による累積粒度分布の微粒側から累積10%と累積90%に相当するD10とD90の数値幅、又は市販品のカタログ値)、厚みが5μm以下で好ましくは1μm以下のマイカ、合成マイカ、ガラスフレーク等の薄片状基質表面に、ルチル型やアナターゼ型等の結晶型を有する酸化チタンが均一に被覆された、真珠光沢を有する顔料である。また、被覆する酸化チタン層の厚みを変えて干渉色を与えるものや、酸化チタンの一部を酸化鉄に換えて被覆したもの、無水ケイ酸等をさらに重ねて被覆したものも、本発明でのパール顔料である。
このパール顔料は強い光沢を発する粉体であり、顔を明るく見せる効果を有するが、粒子径の大きなパール顔料では、肌の上で疎らに光り、肌が不均一で粗く見えてしまう。それ故、均一な塗膜で肌のキメが整っているように明るく見せるには、粒子の細かなパール顔料が、本発明の被覆される母粉体として好ましく、パール顔料の粒子径が60μm以下のもの(D90又は市販品のカタログ値で示される最大値が、60μm以下のもの)が中でも良い。
例えば市販品として、アルティミカSB−100、アルティミカSD−100(以上、日本光研工業社製)、TIMIRON STARLUSTER MP−115、TIMIRON SUPERSHEEN MP−1001、TIMIRON SUPERSILK MP−1005、TIMIRON SUPER GOLD、TIMIRON SPLENDID GOLD、XIRONA VOLCANIC FIRE、TIMIRON FINE GOLD MP−20、COLORONA RED GOLD、COLORONA BRIGHT GOLD(以上、メルク社製)、TIMICA EXTRA BRIGHT、FLAMENCO SATIN PEARL、FLAMENCO ULTRA SILK、FLAMENCO SATINA、FLAMENCO VELVET、FLAMENCO ULTRA FINE、FLAMENCO PEARL、FLAMENCO SUPER PEARL、FLAMENCO GOLD、FLAMENCO ORANGE、FLAMENCO SATIN GOLD、FLAMENCO SATIN ORANGE、FLAMENCO SUMMIT GOLD、CLOISONNE GOLD、CLOISONNE COPPER、CLOISONNE SATIN COPPER、CLOISONNE SATIN GOLD、CLOISONNE NU−ANTIQUE GOLD、DUOCROME YG、DUOCROME YR、GEMTONE TAN OPAL(以上、BASF社製)等があり、明るさを損なわないよう色調を合わせ、これらのパール顔料を、1種又は2種以上用いることができる。
本発明の構成成分(A)の複合粉体において、パール顔料表面に複合化する球状有機粉体とは、例えば、セルロース等の有機天然物からなる球状粒子と、ポリエチレン、ナイロン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、メチルシロキサン網状重合体等の有機合成物を素材とする球状のポリマー粒子である。また、後者の有機合成による球状粉体は、これら有機合成物の単一重合物又は2種以上の共重合物、さらには、異なる有機合成物が2層以上に重なり合ったコアシェル構造の粉体である。本発明では、これらの球状有機粉体を、1種又は2種以上用いることができる。
本発明では、顔全体を明るくしながら顔の凸の部分をより輝かせ肌のつや感を上げるために、粉体の複合化において、被覆によるパール顔料の明るさの低下を抑えながら、光を拡散させることなく逆に正反射を相対的に強めることを目的とする。このため、球状有機粉体の粒子径としては、用いるパール顔料の平均長径も考慮しながら、光が散乱や遮光されにくい可視光の波長よりも若干短い波長に相当する200〜400nm(動的光散乱法による平均粒子径)のものを用いる。
本発明の構成成分(A)の複合粉体において、パール顔料表面への球状有機粉体の被覆量は、2.0〜10.0重量%である。この範囲内のとき、反射特性を変化させることができ、パールの明るさを損なわない。
本発明の構成成分(A)の複合粉体に用いる球状有機粉体として市販のものを使用できる。所望の粒子径を得ることを考慮すれば、乳化重合等で粒子径を制御しやすい、ポリスチレン系の樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系の樹脂、これら2種以上の共重合体又はコアシェル構造の粉体が良い。特に、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、アクリレーツクロスポリマー、アクリレーツコポリマー、(スチレン/DVB)コポリマー(DVB:ジビニルベンゼン)が、様々な粒子径に制御しやすく、粉体や水等への分散物として市販されているものが多い。
本発明の構成成分(A)の製造方法は、(1)パール顔料と球状有機粉体を一定の構成比率で混合し、アルコール水溶液中でスラリー化したあと、噴霧乾燥する方法、(2)所望の球状有機粉体をアルコール水溶液に均一に分散した後、パール顔料を加えてスラリー化し、同様に噴霧乾燥する方法、(3)球状有機粉体の分散物を水中へ均一に分散させた後、パール顔料を加えてさらに分散し、同様に噴霧乾燥する方法、(4)球状有機粉体を少量の界面活性剤とともに水中へ均一に分散させた後、パール顔料を加えてさらに分散し、硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を少量加えて、ろ過、洗浄を行い乾燥する方法、(5)球状有機粉体の分散物を水中へ均一に分散させた後、パール顔料を加えてさらに分散し、硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を少量加えて、ろ過、洗浄を行い乾燥する方法等が挙げられるが、球状有機粉体がパール顔料に固定化されれば特には限定されない。
上記の製造方法で得られた、パール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体にさらに撥水性や撥油性を付与するために、金属石鹸処理、シリコーン処理、含フッ素化合物処理、アミノ酸処理等、各種表面処理を行って化粧料に配合しても良い。なお、これらの処理は1種又は2種以上組み合わせて用いても良い。
また、メイクアップ化粧料に配合するパール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体の量としては、特に限定しないが、0.5〜15.0重量%が好ましい。この範囲内のとき、顔全体を明るくしながら、顔の凸の部分はより輝かせ、顔の周りの部分は相対的に暗くして顔が膨張して見えることなく顔に立体感を与え、たるみを隠しリフトアップした若々しい印象が得られる。特に、より意識的に明るくしながら、頬がリフトアップしたように見せるならば、1.0重量%以上が良い。15.0重量%を超えて配合した場合は、光沢が強すぎる傾向があり金属的な肌に見える場合がある。
本願発明は、絹雲母を15.0〜25.0重量%のルチル型微粒子酸化チタンで均一に点在化した紫外線防御複合粉体とペースト状油性成分を組み合わせて、パール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体の光学的特性と紫外線防御効果を両立させた固形粉末化粧料である。
本発明の構成成分(B)の複合粉体において、母粒子となる絹雲母とは、天然に産出する微結晶含水ケイ酸アルミニウムカリウムであり、一般にはセリサイトと呼ばれるマイカの一種である。他のマイカに比べて、粉体に厚みがあり、皮膚に塗布する時よくのび、滑らかな使用感で絹糸様の光沢がある。合成マイカと比べても天然の絹雲母は、柔らかい感触で透明性も高い。本発明では、このような観点から天然の絹雲母を利用するが、特に透明性を重視して、ハンター方式による白色度(JIS Z 8722)が88.0以上のものがより好ましい。さらには、一層の滑らかさやくすみの無さから、愛知県北設楽郡東栄町で産出される振草産絹雲母が好ましく、ハンター方式による白色度が90.0以上のものが最も好ましい。市販品としてはセリサイト FSE、F100、F88、Fine Mica(いずれも三信鉱工株式会社製)等がある。
本発明の構成成分(B)の複合粉体に用いる絹雲母の平均粒子径(レーザー回折散乱法による)は、分級により15μm以下のものが好ましい。より好ましくは、7〜12μmであり、さらに好ましくは約10μmである。このとき、より高い滑らかさが得られる。
本発明の構成成分(B)の複合粉体において、絹雲母表面に複合化する子粒子は、ルチル型の微粒子酸化チタンである。ルチル型微粒子酸化チタンは、アナターゼ型微粒子酸化チタンよりも光安定性に優れ、化粧料に配合した場合に他の原料に及ぼす影響が少なく、さらに高い紫外線遮断能と透明性を有する。
本発明の構成成分(B)の複合粉体に用いるルチル型微粒子酸化チタンの一次粒子径は、高い紫外線遮断能と可視光の透過性を考慮して、10〜50nm(電子顕微鏡下にて実測した長径の平均値)のものが好ましい。
本発明では、上記のように優れた特性を有する絹雲母とルチル型微粒子酸化チタンを複合化することにより、高い紫外線遮断能を有しながら、肌の透明感やつやを損なわせない複合粉体を調製することを目的とした。この高い紫外線遮断能を持ちながら、肌の透明感やつやを損なわせない複合粉体とは、外部からの紫外線は遮断し、可視光領域の光である肌内部からの反射光や化粧料中に配合された他の粉体による反射光は透過させる粉体である。
このような粉体を実現するために、本発明ではルチル型微粒子酸化チタンを、予め透明性の高い板状の絹雲母表面に均一に点在化させた。
絹雲母上で均一に点在化されるルチル型微粒子酸化チタンの間隔が適当な場合、外部からの紫外線は遮断しながら、肌内部からの反射光や化粧料中に配合された他の粉体による反射光は透過させることができる。一方、ルチル型微粒子酸化チタンが均一に点在化されていても、子粒子の間隔が広すぎる場合は紫外線を十分に遮断することができず、逆に、子粒子の間隔が狭すぎる場合は肌内部からの反射光や化粧料中に配合された他の粉体による反射光を遮ってしまう。
また、ルチル型微粒子酸化チタンが単独で互いに凝集したり、絹雲母上で局在化している場合は、当然ながら十分な紫外線遮断能は望めない。
すなわち、高い紫外線遮断能と良好な可視光透過性を示す複合粉体を調製するには、絹雲母上のルチル型微粒子酸化チタンを均一に点在化させ、さらに子粒子間の間隔を適度に調整することが必要となる。
本発明の構成成分(B)の複合粉体は、次の(1)〜(3)の工程に従って調製することができる。
(1)ビーズミルを用いて、ルチル型微粒子酸化チタンを水系溶媒又はアルコール系溶媒より選ばれる分散媒体中に均一高分散化する。(2)(1)の分散液体中に絹雲母を添加し、さらに均一高分散化する。(3)(2)の分散液体を100μm未満の液滴とし、噴霧乾燥を行う。
なお、本発明では、上記(1)〜(3)の製造工程において、分散液体中の原料粉体の分散度を下記式
DLVO≧LWoodcock
により制御して、ルチル型微粒子酸化チタンと絹雲母の複合化を行うのが好ましい。
ここで、LDLVOは、分散液体中で作用するvan der Waals引力と、電荷をもつ粒子が接近したときに起こる電気二重層の相互作用に基づく静電反発力との、2つの力によって算出される分散液体中の原料粉体間の平均表面間距離である。Verwey,E. and J.Th.G.Overbeek 「Theory of the Stability of Lyophobic Colloids」 Elsevier,Amsterdam,Netherlands(1948)に示されるDLVO理論を基に、van der Waals引力と静電反発力の和のポテンシャルが、ボルツマン定数と絶対温度の積よりも10倍大きいときの粒子表面間距離をLDLVOとした。
Woodcockは、分散液体中に含まれる原料粉体の固形分濃度とその粒子径とによって定まる、分散液体中の原料粉体間の平均表面間距離である。Woodcock,L.V.「Proceeding of a workshop held at Zentrum fur interdisziplinare Forschung University Bielefield」 Nov.11〜13(1985),Edited by Th.Dorfmuller and G.Williams より引用した下記式
H=d[{1/(3πF)+5/6}0.5−1]
(式中、Hは粒子の平均表面間距離、dは粒子径、Fは粒子の体積分率)から算出したHを、LWoodcockとした。
また、本発明では、原料粉体として絹雲母とルチル型微粒子酸化チタンを用いるので、分散液体中において、「LDLVO≧LWoodcock」の関係式を満たすには、分散液体中の原料粉体の全固形分濃度を25重量%以下にすることが好ましい。
本発明において、ビーズミルを用いる場合、メディアとして用いる微小ビーズは、コンタミネーションを抑えるために、ジルコニアプラズマ溶融ビーズ、特にイットリウム強化型のものが好ましい。また、微小ビーズの平均粒子径は、原料粉体の絹雲母を粉砕しないようにするために100μm以下が好ましい。
本発明では、最終的に噴霧乾燥法で、噴霧時の液滴の大きさを100μm以下の液滴径に制御して、液滴から構成成分(B)の複合粉体を製造するが、紫外線遮断能が良好な複合粉体を得るためには、3流体ノズル又は4流体ノズルを用いて約10μmの液滴径に制御することが望ましい。また、この噴霧乾燥工程において、乾燥するための熱風温度は吹き出し口の温度を約250℃以下として制御するため、絹雲母は熱分解されることなく元の滑らかな使用感が維持される。
上記製造方法によって製造される、絹雲母をルチル型微粒子酸化チタンで均一に点在化した複合粉体では、母粒子である絹雲母と子粒子であるルチル型微粒子酸化チタンが、それぞれ単独で凝集することなく、母粒子表面が子粒子によって均一に被覆され子粒子が点在化した形態・形状又は構造を有する。
本発明の構成成分(B)の複合粉体において、絹雲母表面へのルチル型微粒子酸化チタンの被覆量は、15.0〜25.0重量%である。この範囲内であれば、絹雲母表面上に均一に点在化しているルチル型微粒子酸化チタンの粒子間間隔が適度であり、高い紫外線遮断能を発揮しながら、良好な可視光透過性を有することができる。
また、メイクアップ化粧料に配合する、絹雲母をルチル型微粒子酸化チタンで被覆した複合粉体の量は、0.5〜25.0重量%が好ましい。この範囲内のとき、紫外線防御効果や使用感等に優れる。
本発明の構成成分(C)である25℃でペースト状である油性成分とは、25℃で高い粘性を示す半固形の油性成分であり、医薬部外品原料規格2006(薬事日報社刊)記載の、一般試験法、融点測定法(第2法)によって、融点が25℃よりも高いと測定された油性成分をさす。
本発明では、上記ペースト状である油性成分として、通常化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができるが、ワセリン、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)が好ましい。市販品としては、例えば、コスモール168ARV(日清オイリオ社製)、YOFCOMAS(日本精化社製)、Plandool−H(日本精化社製)、Plandool−S(日本精化社製)、Plandool−G(日本精化社製)、ノムコートW(日清オイリオ社製)、クロラータムV(クローダジャパン社製)等が挙げられる。また、これらは必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。
本発明の構成成分(C)の油性成分は、固形粉末化粧料の組成中に0.1〜2.0重量%含有することが好ましい。この範囲内で、上記のパール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体と、絹雲母をルチル型微粒子酸化チタンで被覆した複合粉体とを含有すると、塗布時の肌へのフィット感を高めて、より一層リフトアップした若々しい印象を与えながら、化粧もちと紫外線防御効果ともに良好な固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明は、上記の構成成分を含有する固形粉末化粧料であり、具体的には、パウダーファンデーション、チークカラー、アイシャドウ等の化粧料である。
本発明の固形粉末化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。また、本発明の固形粉末化粧料には、前記の構成成分の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分である水、油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、アルコール、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーン油、フッ素油、多価アルコール、糖類、高分子、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、酸化防止剤、殺菌・防腐剤、染料、香料、色素、可塑剤、有機溶媒、薬剤、動植物抽出物、パール顔料、表面処理粉体、複合顔料、アミノ酸、ペプチド、ビタミン等を適宜配合することができる。
本発明の固形粉末化粧料により、顔全体を明るくしながら顔の凸の部分はより輝かせて顔に立体感を与え、たるみを隠しリフトアップした若々しい印象を得ることができる。さらに、その効果を妨げることなく、高い紫外線防御効果が得られる。すなわち、パール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体により得られる、拡散光を抑え正反射を強めて顔をリフトアップしたように見せる光の反射特性を妨げることなく、紫外線防御効果をも得ることができる。これは、凝集性が高く透明感を失わせる性質を持つ微粒子酸化チタンをあらかじめ絹雲母表面上に均一に点在化させることにより、短波長である外部からの紫外線は防ぎながら、可視光領域である肌内部からの反射光を透過させることが可能となるためである。さらに、この固形粉末化粧料は、ペースト状である油性成分を配合することにより、上記2種の複合粉体の肌へのフィット感をさらに高め、顔の立体感を演出する効果や、紫外線防御効果、及び化粧もちが極めて向上したものである。
次に、本発明の一層の理解のために、製造例、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に使用したパール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体の例を示す。
複合粉体A1(2.5重量%300nmメタクリル酸メチルクロスポリマー/粒子径5.0〜25.0μmパール顔料)
イオン交換水450gに0.01gのラウリル硫酸ナトリウムを溶解し、平均粒子径300nmの球状有機粉体であるメタクリル酸メチルクロスポリマー1.25gを約5分間超音波分散させた。その後、48.75gのパール顔料(メルク社製TIMIRON SUPERSHEEN MP−1001、厚み0.15〜0.30μm電子顕微鏡実測値)を加えて約5分間超音波分散した後、マグネティックスターラーにて撹拌しながら市販のポリ塩化アルミニウム水溶液を適量加えてさらに撹拌を約10分間続け、引き続きろ過と水洗浄を行い、乾燥後、複合粉体を得た。(なお、ここで用いた平均粒子径300nmの球状有機粉体であるメタクリル酸メチルクロスポリマーは、カタログ上0.3μmと表示されているものであり、実測定の一例として、大塚電子社製濃厚系粒子アナライザーFPAR−1000にて、粒子固形分濃度約0.4重量%、測定温度26.3℃、溶媒をイオン交換水、溶媒の屈折率1.3312、溶媒の粘度0.8584cpの測定条件で、キュムラント解析結果として平均粒子径が272.8nmと求められたものを用いた。)
複合粉体A2(10.0重量%300nmメタクリル酸メチルクロスポリマー/粒子径10.0〜60.0μmパール顔料)
イオン交換水450gに0.01gのラウリル硫酸ナトリウムを溶解し、平均粒子径300nmの球状有機粉体であるメタクリル酸メチルクロスポリマー(複合粉体A1で用いたものと同じ)5.00gを約5分間超音波分散させた。その後、45.00gのパール顔料(メルク社製TIMIRON STARLUSTER MP−115、厚み0.35〜0.45μm電子顕微鏡実測値)を加えて約5分間超音波分散した後、マグネティックスターラーにて撹拌しながら市販のポリ塩化アルミニウム水溶液を適量加えてさらに撹拌を約10分間続け、引き続きろ過と水洗浄を行い、乾燥後、複合粉体を得た。
(比較例配合用)複合粉体A3(15.0重量%300nmメタクリル酸メチルクロスポリマー/粒子径10.0〜60.0μmパール顔料)
平均粒子径300nmの球状有機粉体であるメタクリル酸メチルクロスポリマー(複合粉体A1で用いたものと同じ)7.5gを10重量%濃度のアルコール水溶液450gへ均一に分散した後、42.5gのパール顔料(メルク社製TIMIRON STARLUSTER MP−115、厚み0.35〜0.45μm電子顕微鏡実測値)を加えてスラリー化し、吹き出し温度約240℃で噴霧乾燥して複合粉体を得た。
次に、本発明に使用した、絹雲母の表面をルチル型微粒子酸化チタンで被覆した複合粉体の例を示す。
複合粉体B1(15.0重量%ルチル型微粒子酸化チタン/絹雲母)
イオン交換水250gに22.5gのルチル型微粒子酸化チタン(テイカ株式会社製MT−500H)を加え、マグネティックスターラーにて撹拌した後、湿式媒体ミル法(寿工業株式会社製UAM−015型ビーズミル)で、プラズマ溶融ビーズ(直径30μm、イットリウム(Y)強化型ZrO2製)を用いて30分間分散し、子粒子スラリーを調製した。さらに127.5gの振草産絹雲母をこの子粒子スラリーに加え、30分間分散し、混合スラリーを調製した。(子粒子スラリー投入前にビーズミル系内に存在しているイオン交換水200gを加味すると、混合スラリー調製時の固形分濃度は25重量%である。このとき、分散液体中において「LDLVO≧LWoodcock」の関係式を満たしている。)得られた混合スラリーを、噴霧乾燥機(藤崎電機株式会社製MDL−050B型、ノズルPN3005型、3流体ノズル法)にて乾燥し、サイクロン法で回収された粉体を複合粉体B1とした。
複合粉体B2(25.0重量%ルチル型微粒子酸化チタン/絹雲母)
イオン交換水350gに37.5gのルチル型微粒子酸化チタン(テイカ株式会社製MT−500H)を加え、マグネティックスターラーにて撹拌した後、湿式媒体ミル法(寿工業株式会社製UAM−015型ビーズミル)で、プラズマ溶融ビーズ(直径30μm、イットリウム(Y)強化型ZrO2製)を用いて30分間分散し、子粒子スラリーを調製した。さらに112.5gの振草産絹雲母をこの子粒子スラリーに加え、30分間分散し、混合スラリーを調製した。(子粒子スラリー投入前にビーズミル系内に存在しているイオン交換水200gを加味すると、混合スラリー調製時の固形分濃度は21重量%である。このとき、分散液体中において「LDLVO≧LWoodcock」の関係式を満たしている。)得られた混合スラリーを、噴霧乾燥機(藤崎電機株式会社製MDL−050B型、ノズルPN3005型、3流体ノズル法)にて乾燥し、サイクロン法で回収された粉体を複合粉体B2とした。
次に、本発明の固形粉末化粧料の実施例について説明する。下記表1に示す処方及び下記製法により、パウダーファンデーションを調製し、以下に示す評価方法及び判定基準により評価し、結果を併せて表1に示した。
(固形粉末化粧料処方)
Figure 0005916049
(調製方法)
成分(1)〜(23)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(23)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(24)〜(28)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスしてパウダーファンデーションを得た。
(SPF測定)
上記実施例及び比較例のパウダーファンデーションについて、SPFを測定した。測定は、日本化粧品工業連合会SPF測定法基準<2007年改訂版>に沿って行った。
(塗布後の立体感・リフトアップ感の評価)
上記実施例及び比較例のパウダーファンデーションをモデルの顔に塗布し、20〜40代の化粧品専門パネル10名により評価した。評価の際には、外部からの光が入らないよう遮光の無彩色の布地で囲まれた観察用箱の中で、左右約45度の角度から色比較・検査用D65蛍光ランプで一定の距離にてモデルの顔を照らして観察し、評価した。立体感がありリフトアップしたように見えると8人以上が判断したものを非常に良好として◎、7人又は6人がそのように見えると判断したものは良好として○、5人がそのように見えると判断したものはほぼ良好として△、4人以下であれば不良として×とした。
(肌へのフィット感の評価)
20〜40代の化粧品専門パネル10名に上記実施例及び比較例のパウダーファンデーションを使用してもらい、肌へのフィット感について以下の評価基準により評点を付し、ファンデーションごとに評点の平均点を算出し、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔フィット感〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.0以上 ◎
3.5以上4.0未満 ○
2.5以上3.5未満 △
2.5未満 ×
(化粧もちの評価)
平均気温が28℃、平均湿度が65%RHである日中に、20〜40代の化粧品専門パネル10名が、上記実施例及び比較例のパウダーファンデーションを使用し、3時間経過した時点で、以下の評価基準により評点を付し、ファンデーションごとに評点の平均点を算出し、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔化粧もち〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや不良 :2
不良 :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.0以上 ◎
3.5以上4.0未満 ○
2.5以上3.5未満 △
2.5未満 ×
表1の結果より明らかなように、本発明品の処方例1〜9のパウダーファンデーションは、比較例1〜3に比べ、塗布直後の立体感・リフトアップ感が高く、紫外線防御効果にも優れていた。さらに肌へのフィット感、並びに化粧もちに優れていた。一方、複合粉体A3を配合した比較例1ではリフトアップして見える効果が認められなかった。また、市販されている酸化チタン被覆セリサイトであるカバーリーフPC−2305(アナターゼ型酸化チタン30重量%被覆、日揮触媒化成株式会社製)を配合した比較例2は、カバー力が高く透明感の低い仕上がりであり、顔のリフトアップ感が大きく損なわれた。ペースト状の油性成分を配合していない比較例3では、フィット感が損なわれ、リフトアップ感や化粧もちについても評価が低かった。
処方例1,4,5の結果より、本発明の構成成分(A)の複合粉体の配合量は、0.5〜15.0重量%が好適である。処方例1,6,7の結果より、本発明の構成成分(B)の複合粉体の配合量は、0.5〜25.0重量%が好適である。また、処方例1,8,9の結果より、本発明の構成成分(C)のペースト状の油性成分の配合量は、0.1〜2.0重量%が好適である。
(固形粉末チークカラー(ほほ紅))
複合粉体A1と複合粉体B1と25℃でペースト状の油性成分であるマカデミアナッツ脂肪酸フィトステリルを用いて、下記処方の固形粉末チークカラーを調製した。
成分 配合量(重量%)
(1) 複合粉体A1 2.00
(2) 複合粉体B1 15.00
(3) タルク 50.00
(4) 雲母チタン 10.00
(5) 合成金雲母 5.00
(6) 無水ケイ酸 1.50
(7) ベンガラ 2.00
(8) 黄酸化鉄 0.50
(9) 酸化チタン 0.20
(10)塩化ナトリウム 0.10
(11)メチルパラベン 0.20
(12)メチルポリシロキサン 5.50
(13)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 5.00
(14)マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 2.00
(15)セスキオレイン酸ソルビタン 1.00
合計 100.00
(調製方法)
成分(1)〜(11)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(11)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(12)〜(15)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスしてチークカラーを得た。
得られた実施例2のチークカラーは顔に塗布した際に、頬部に一段と高い立体感を感じ、フィット感に優れ、化粧もちにも優れた化粧料であり、さらに紫外線防御効果にも優れていた。
(固形粉末アイシャドウ)
複合粉体A1と複合粉体B2と25℃でペースト状の油性成分である(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルを用いて、下記処方の固形粉末アイシャドウを調製した。

成分 配合量(重量%)
(1) 複合粉体A1 2.00
(2) 複合粉体B2 10.00
(3) シリコーン処理マイカ 25.00
(4) シリコーン処理タルク 15.00
(5) 雲母チタン 13.00
(6) カルミン被覆雲母チタン 5.00
(7) 合成金雲母 5.00
(8) 窒化ホウ素 5.00
(9) 球状シリコーン粉体 2.00
(10)無水ケイ酸 1.00
(11)ベンガラ 0.65
(12)黄酸化鉄 0.20
(13)酸化チタン 0.20
(14)赤色226号 0.30
(15)硫酸(AL/K) 0.10
(16)メチルパラベン 0.50
(17)メチルポリシロキサン 5.00
(18)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 8.00
(19)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル 2.00
(20)トコフェロール 0.05
合計 100.00
(調製方法)
成分(1)〜(16)をヘンシェル型ミキサーにて均一に混合し、アトマイザーにて粉砕を行った。さらに、成分(1)〜(16)の混合粉砕物と、予め加熱混合しておいた成分(17)〜(20)をヘンシェル型ミキサーに加えて均一に混合し、アトマイザー粉砕後、ふるいを通し、中皿にプレスしてアイシャドウを得た。
得られた実施例3のアイシャドウは、まぶたを明るく輝かせながら凹凸が一段とはっきりした仕上がりになり、フィット感に優れ、化粧もちにも優れた化粧料であり、さらに紫外線防御効果にも優れていた。
本発明で用いた、パール顔料を球状有機粉体で被覆した複合粉体、絹雲母表面を微粒子酸化チタンで均一に点在化した複合粉体、及びペースト状の油性成分を混合した粉体や製剤は、紫外線防御効果に優れながら、反射光の角度依存性を一段と高め、容易に輝度が高く立体感のある見え方を作り出すことができる。このため、メイクアップ化粧料ばかりでなく、装飾用塗料、道路標識用の塗料等、耐光性を持ちながら、物を目立ちやすくする場合にも適用ができる。

Claims (6)

  1. 構成成分として(A)薄片状基質表面上に酸化チタンを含有する金属酸化物被覆層が形成されて成るパール顔料の表面を、粒子径200〜400nmの球状有機粉体で2.0〜10.0重量%被覆した複合粉体、(B)下記製造方法にて絹雲母の表面に、15.0〜25.0重量%のルチル型微粒子酸化チタンを均一に点在化した複合粉体、及び(C)25℃においてペースト状である油性成分を含有する固形粉末化粧料。
    構成成分(B)の製造方法:
    (1)ビーズミルを用いて、ルチル型微粒子酸化チタンを水系溶媒又はアルコール系溶媒より選ばれる分散媒体中に均一高分散化する工程、(2)(1)の分散液体中に絹雲母を添加し、さらに均一高分散化する工程、(3)(2)の分散液体を、3流体又は4流体ノズルを用いて100μm以下の液滴とし、噴霧乾燥を行う工程の3つの工程を行い、かつ、この工程において、分散液体中の原料粉体の分散度を下記式
    DLVO ≧L Woodcock
    (ここで、L DLVO は、分散液体中で作用するvan der Waals引力と、電荷をもつ粒子が接近したときに起こる電気二重層の相互作用に基づく静電反発力との、2つの力によって算出される分散液体中の原料粉体間の平均表面間距離であり、L Woodcock は、分散液体中に含まれる原料粉体の固形分濃度とその粒子径とによって定まる、分散液体中の原料粉体間の平均表面間距離である。)により制御する。
  2. 請求項1記載の構成成分(B)の製造方法において、分散液体中の原料粉体を高分散化する際に、分散液体中の原料粉体の固形分濃度を25重量%以下とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
  3. パール顔料の粒子径が60μm以下である(レーザー回折散乱法による累積粒度分布の微粒側から累積90%に相当するD90の値が60μm以下である)請求項1又は2記載の固形粉末化粧料。
  4. 球状有機粉体がポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、アクリレーツクロスポリマー、アクリレーツコポリマー、(スチレン/DVB)コポリマーである請求項1〜3いずれか1項記載の固形粉末化粧料。
  5. 構成成分(B)の複合粉体を0.5〜25.0重量%含有する請求項1〜いずれか1項記載の固形粉末化粧料。
  6. 25℃においてペースト状である油性成分を0.1〜2.0重量%含有する請求項1〜いずれか1項記載の固形粉体化粧料。
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