JP2023517926A - ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含むダプトマイシン製剤 - Google Patents

ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含むダプトマイシン製剤 Download PDF

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Abstract

一態様では、ダプトマイシンを含む薬学的に許容される固体組成物の製造方法は、水溶液を乾燥して、固体組成物を形成する工程を含み、水溶液は、(i)水と、(ii)ダプトマイシンと、(iii)水性組成物の総体積の約1.2重量%~約9.0重量%の量のソルビトールと、(iv)水性組成物の総体積の約0.6重量%~約9.5重量%の量のマンニトールとを含む。乾燥は、約-25℃~約50℃で約15時間~約120時間、最も好ましくは約15℃で約20時間の昇華乾燥と、任意に、先行および/または後続の1つ以上の追加の乾燥工程とを含むことができる。他の態様は、ダプトマイシンを含有する固体組成物、および、固体組成物を再構成することによって作製された薬学的に許容される製品を投与する工程を含む細菌感染を治療する方法である。

Description

優先権主張
本出願は、2020年3月12日に出願された「DAPTOMYCIN FORMULATIONS CONTAINING A COMBINATION OF SORBITOL AND MANNITOL」と題する米国仮特許出願第62/988,734号および2020年9月25日に出願された「DAPTOMYCIN FORMULATIONS CONTAINING A COMBINATION OF SORBITOL AND MANNITOL」と題する米国仮特許出願第63/083,434号に対する優先権および利益を主張し、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれ、依拠される。
本開示は、一般に、ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含有するダプトマイシン製剤、およびそのような製剤を製造および使用する方法に関する。
ダプトマイシン(図1)は、バンコマイシン耐性腸球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、およびペニシリン耐性肺炎球菌を含むグラム陽性生物によって引き起こされる全身性で生命を脅かす感染症の治療に使用されるリポペプチド抗生物質である。ダプトマイシンは、土壌腐生菌ストレプトマイセス・ローゼオスポラス(Streptomyces roseosporus)に含まれる天然化合物である。化合物は、滅菌水で再構成し、次いで静脈内投与することができる凍結乾燥ケーキとして提供することができる。
当技術分野におけるコンセンサスは、スクロースが保管中の凍結乾燥ダプトマイシンの化学的安定性を高めるための好ましい賦形剤であるということである。また、マンニトールなどのポリオールはスクロースと組み合わせて使用され得るが、マンニトールなどのポリオール自体(スクロースなし)は、凍結乾燥ダプトマイシンの化学的安定性をスクロースほど効果的に高めるとは考えられていない。
本明細書において後に開示される実験例に示されるように、本発明者らは驚くべきことに、ソルビトールとマンニトールの組み合わせが、特にその特定の重量パーセンテージおよびダプトマイシンに対する特定のモル重量比が、室温以上で、例えば約25℃で少なくとも1ヶ月、例えば約25℃で少なくとも6ヶ月効果的に保管できる有利なダプトマイシン生成物を提供するために使用できることを発見した。さらに、そのような保管後、本明細書に開示されるソルビトールとマンニトールの組み合わせを含むダプトマイシン製剤は、一次ダプトマイシン不純物、不純物D7(図2)の形成によって測定されるように、典型的に好ましい賦形剤(スクロース)を含むダプトマイシン製剤と実質的に同様のダプトマイシン安定性を予想外に有することができる。
ソルビトールのTg’値が比較的低いため、そのような製剤ではソルビトールを避けるべきであるというのが一般的な理解であるため、これらの結果は予想外である。しかし逆に、本発明者らは、ソルビトール含有製剤が、驚くべきことに、比較的低いTg’値にもかかわらず、迅速かつ効果的にフリーズドライできることを発見した。例えば、Springer Science&Business Media、2004年、CostantinoおよびPikal編による「Lyophilization of Biopharmaceuticals」には、ソルビトールなどの非常に低いTg’を持つ賦形剤の凍結乾燥は、ケーキの崩壊を促進する傾向があるため避けるべきであることが開示されている。しかし、本発明者らは、ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含むダプトマイシン製剤のTg’値が非常に低い(約-40℃)が、製剤の製造可能性には影響しないことを発見した。
さらに、この点に関して、本発明者らは予想外にも、ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含むダプトマイシン製剤が、予想よりも高い温度で実質的な安定性の損失なしにフリーズドライできることを発見した。結果として、これらの本発明のダプトマイシン製剤は、1週間未満、例えば約48時間以下で迅速かつ効果的に(例えばケーキの崩壊なしに)フリーズドライすることができる。例えば、特定の非限定的な実施形態では、ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含有するダプトマイシン製剤を、昇華乾燥を含む乾燥プロセスによって安定なケーキにフリーズドライした。前記昇華乾燥は、約-25℃~約50℃の温度で約15時間~約120時間、好ましくは約5℃~約30℃で約16時間~約25時間、より好ましくは約8℃~約25℃で約17時間~約30時間、さらにより好ましくは約10℃~約20℃で約18時間~約25時間、最も好ましくは約15℃で約20時間であり、任意に、1つ以上の追加の乾燥工程が先行および/または後続する。
ソルビトールの非常に低いTg’は、そのような製剤の非効率的で商業的に非実用的な乾燥時間を示唆していたからであるので、この結果は驚くべきものであった。ソルビトールとマンニトールの組み合わせによって提供されるダプトマイシン製剤のこの予想外の製造可能性により、商業的に費用対効果の高い乾燥プロセスおよびダプトマイシンケーキの有益な安定性が有利に可能になる。実際、ソルビトールのTg’を超えるフリーズドライ温度では、ダプトマイシンケーキが崩壊すると予想されていた。
さらに、ソルビトールはマンニトールの異性体であり、マンニトールと類似した化学構造を有する。したがって、ソルビトールとマンニトールの組み合わせが、マンニトール単独では達成できないスクロースとほぼ同等の安定性を達成するとは予想されなかったため、これらの結果も驚くべきものである。
さらに、この点に関して、本明細書に開示されているソルビトールとマンニトールの組み合わせは、約25℃での保管から生じる不純物D7の量を、個々の効果に基づいて組み合わせで予想される量と比較して、驚くほど減少させた。したがって、図3に示され測定されるように、ダプトマイシンの予想外のレベルの安定性を達成する。これについては、後で詳しく説明する。不純物D7は、ダプトマイシンの凍結乾燥ケーキで増加する主な不純物であり、ソルビトールとマンニトールの組み合わせは、通常好ましい賦形剤であるスクロースを含むダプトマイシン製剤と比較して、実質的に同程度まで、保管中にD7の形成を防ぐことができる。
したがって、本開示の一態様は、ソルビトールとマンニトールの組み合わせを含む固体ダプトマイシン製剤であり、固体ダプトマイシン製剤は、図3に示すように測定され、25℃で6か月間保管した後、不純物D7の増加が約1.00%以下であり、例えば、不純物D7の増加は、25℃で6ヶ月保管した後に約0.90%以下、または25℃で6ヶ月保管した後に約0.80%以下であり、好ましくは不純物D7の増加は25℃で6ヶ月保管した後に約0.70%以下であり、より好ましくは不純物D7の増加は25℃で6ヶ月保管した後に約0.60%以下であり、さらにより好ましくは不純物D7の増加は25℃で6ヶ月間保管した後に約0.50%以下であり、またより好ましくは不純物D7の増加は25℃で6ヶ月間保管した後に約0.40%以下であり、最も好ましくは不純物D7の増加は25℃で6ヶ月間保管した後に約0.30%以下である。
本開示の一態様では、ダプトマイシンを含む薬学的に許容される固体組成物の製造方法が提供される。この方法は、水溶液を乾燥して、固体組成物の総重量の約1.0重量%以下の含水量を有する固体組成物を形成する工程を含み、水溶液は、(i)水、(ii)ダプトマイシン、(iii)水溶液の総体積の約3.0重量%~約6.0重量%の量のソルビトール、および(iv)水溶液の総体積の約3.0重量%~約5.0重量%の量のマンニトールを含む。得られた固体組成物は、本開示の別の態様である。
本開示の別の態様では、ダプトマイシンを含む薬学的に許容される固体組成物が提供される。薬学的に許容される固体組成物は、ダプトマイシンおよびソルビトールとマンニトールとの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ソルビトールは、好ましくは、固体組成物の総重量の約6.2重量%~約45.3重量%であり、マンニトールは、固体組成物の総重量の約3.1重量%~約47.5重量%であり、ソルビトールとマンニトールとの合計は、固形組成物の全重量の約31.0重量%~約59.4重量%であることが好ましい。
本開示のさらに別の態様では、細菌感染を有する対象において細菌感染を治療する方法が提供される。この方法は、有効量の薬学的製品を対象に投与する工程を含む。この薬学的製品は、ダプトマイシンおよびマンニトールとソルビトールとの組み合わせを含む。
図1はダプトマイシンの化学構造を示す。 図2はダプトマイシン不純物D7の化学構造を示す。 図3はダプトマイシン不純物D7の量を決定するための方法論を示す。 図4は、本開示によるダプトマイシンを含む固体組成物を作製する方法の一実施形態の非限定的な例のフローチャートである。 図5Aは、本明細書に開示される実施例1Aにおける試験品および実験研究の結果を示す。 図5Bは、本明細書に開示される実施例1Aにおける試験品および実験研究の結果を示す。 図6Aは、本明細書に開示される実施例1Bの実験研究における第1の生成物温度ランの凍結乾燥サイクルプロセスパラメータを示す(濃い青色の線は棚温度であり;オレンジ色の線はチャンバ圧力であり;黄色、水色、および緑色の線は3つの製剤の生成物温度であり;灰色の線は水蒸気の量を示すピラニ測定値である)。 図6Bは、本明細書に開示される実施例1Bの実験研究における第2の生成物温度ランの凍結乾燥サイクルプロセスパラメータを示す(濃い青色の線は棚温度であり;オレンジ色の線はチャンバ圧力であり;黄色、水色、および緑色の線は3つの製剤の生成物温度であり;灰色の線は水蒸気の量を示すピラニ測定値である)。 図6Cは、本明細書に開示される実施例1Bの実験研究における第3の生成物温度ランの凍結乾燥サイクルプロセスパラメータを示す(濃い青色の線は棚温度であり;オレンジ色の線はチャンバ圧力であり;黄色、水色、および緑色の線は3つの製剤の生成物温度であり;灰色の線は水蒸気の量を示すピラニ測定値である)。 図7は、本明細書に開示される実施例2における試験品および実験研究の結果を示す。 図8は、本明細書に開示される実施例2における試験品および実験研究の結果を示す。 図9は、本明細書に開示される実施例3における試験品および実験研究の結果を示す。 図10は、本明細書に開示される実施例3における試験品および実験研究の結果を示す。 図11は、本明細書に開示される実施例3における試験品および実験研究の結果を示す。 図12は、本明細書に開示される実施例4における試験品および実験研究の結果を示す。 図13は、本明細書に開示される実施例4における試験品および実験研究の結果を示す。 図14は、本明細書に開示される実施例4における試験品および実験研究の結果を示す。 図15は、本明細書に開示される実施例4における試験品および実験研究の結果を示す。 図16は、本明細書に開示される実施例4における試験品および実験研究の結果を示す。 図17は、本明細書に開示される実施例4における試験品および実験研究の結果を示す。 図18は、実施例4からのいくつかの試験品を示す表であり、25℃で6ヶ月間保管した後の不純物D7の増加が、保管開始時の量に対して約1.00%以下の増加に制限されていた。この表は、同様に25℃で6ヶ月間保管した後の不純物D7の増加を約1.00%以下に抑えるために、これらの試験品から合理的に補間された実施形態も示している。この表には、固体ケーキについて計算された成分量が含まれている(これらの計算では、固体ケーキの約1.0重量%までの水分は除外されている)。 図19は、ダプトマイシン製剤N11の3つのバッチについて18ヶ月の長期データ(25℃で保管)を調査した実施例5の研究からの不純物D7および総不純物の結果を示す表であり、これは本開示によって提供される実施形態を代表するものである。
定義
いくつかの定義を以下に提供する。それにもかかわらず、定義は以下の「実施形態」の欄にある場合があり、上記の見出し「定義」は、「実施形態」の欄でのそのような開示が定義ではないことを意味するものではない。
固体組成物について本明細書で表される重量パーセンテージは、別段の表示がない限り、固体組成物の総重量に対する参照成分の重量によるものである。例えば、固体組成物の3.0重量%である成分は、全固体組成物の100g当たり3.0gの成分に相当する。水性組成物について本明細書で表される重量パーセンテージは、特に明記しない限り、水性組成物の総体積に対する参照成分の重量によるものである。例えば、水性組成物の3.0重量%である成分は、全水性組成物の100mL当たり3.0gの成分に相当する。
本明細書でpHに言及する場合、値は、標準装置を用いて25℃で測定したpHに対応する。
本明細書で使用される「約、ほぼ(about)」、「約、ほぼ(approximately)」、および「実質的に(substantially)」は、数字のある範囲内の数を指すと理解され、例えば、参照数の-10%~+10%の範囲、好ましくは参照数の-5%~+5%、より好ましくは参照数の-1%~+1%、さらに好ましくは参照数の-0.1%~+0.1%、最も好ましくは参照数の-0.01%~+0.01%である。
本明細書におけるすべての数字の範囲は、範囲内のすべての整数、整数または分数を含むと理解されるべきである。さらに、これらの数字の範囲は、その範囲内の任意の数または数のサブセットに向けられた請求項をサポートするものとして解釈されるべきである。例えば、1~10までの開示は、1~8まで、3~7まで、1~9まで、3.6~4.6まで、3.5~9.9までなどの範囲をサポートすると解釈されるべきである。
本開示および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「温度(a temperature)」または「温度(the temperature)」への言及は、2つ以上の温度を含む。
「含む(comprise)」、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」という言葉は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。同様に、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、および「有する(having)」という用語は、そのような解釈が文脈から明確に禁止されていない限り、すべて包括的であると解釈されるべきである。さらにこの点に関して、これらの用語は、述べられた特徴の存在を特定するが、追加のまたはさらなる特徴の存在を排除するものではない。
それにもかかわらず、本明細書に開示される組成物および方法は、本明細書に具体的に開示されていない要素を欠いている可能性がある。したがって、「含む(comprising)」という用語を使用する実施形態の開示は、(i)特定された構成要素または工程、および追加の構成要素または工程を有する実施形態の開示、(ii)特定された構成要素または工程「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態の開示、並びに(iii)特定された構成要素または工程「からなる(consisting of)」実施形態の開示である。本明細書に開示される任意の実施形態は、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わせることができる。
「Xおよび/またはY」の文脈で使用される「および/または」という用語は、「X」もしくは「Y」、または「XおよびY」と解釈されるべきである。同様に、「XまたはYの少なくとも1つ」は、「X」もしくは「Y」、または「XおよびY」と解釈されるべきである。
本明細書で使用される用語「例」および「など」は、特に用語のリストが後に続く場合、単に例示的および説明的であり、排他的または包括的であると見なされるべきではない。
「対象(subject)」または「個体(individual)」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。本明細書で使用される場合、「有効量」は、欠乏を予防するか、個体の疾患または医学的状態を治療するか、より一般的には、症状を軽減するか、疾患の進行を管理するか、或いは、個人に対して栄養的、生理学的、または医学的利益をもたらす量である。
「治療(treatment)」および「治療する(treat)」という用語には、予防的(prophylactic)または予防的(preventive)な治療(対象となる病的状態または障害の発症を予防および/または遅らせる)と、治癒的な(curative)、治療的な(therapeutic)または疾患修飾性の治療との両方が含まれ、また、診断された病的状態または障害を治癒、減速、症状の軽減、および/またはその進行を止める治療的な(therapeutic)手段;ならびに、疾病に罹患する危険性のある患者または疾病に罹患した疑いのある患者、および病気になっているか疾病または病状に苦しんでいると診断された患者の治療が含まれる。「治療」および「治療する」という用語は、対象が完全に回復するまで治療されることを必ずしも意味しない。「治療」および「治療する」という用語は、疾病に苦しんでいないが、不健康な状態を発症しやすい個人の健康の維持および/または促進も指す。「治療」および「治療する」という用語はまた、1つ以上の一次予防または治療的な(therapeutic)手段の増強または増強を含むことを意図している。非限定的な例として、治療は、患者、介護者、医師、看護師、または別の医療専門家によって実施することができる。
本明細書で使用される「単位剤形」という用語は、ヒトおよび動物の対象に対する単位用量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、薬学的に許容される希釈剤(diluent)、担体、または媒体と組み合わせて、所望の効果を生み出すのに十分な量で本明細書に開示される組成物の所定量を含む。単位剤形の仕様は、使用される特定の化合物、達成される効果、および宿主内の各化合物に関連する薬力学に依存する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、対象に投与された場合に実質的な有害なアレルギー反応または免疫学的反応を引き起こさない物質を指す。
特定の成分に関して使用される「実質的になし」という用語は、存在する成分のいずれかが約2.0重量%未満、例えば約1.0重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、より好ましくは約0.1重量%未満を構成することを意味する。
Tgという用語は、乾燥状態の組成物のガラス転移温度を指し、通常は内部水分含有量と製剤の両方に影響される。Tg’(Tg-プライム)という用語は、フリーズ濃縮状態での組成物のガラス転移温度を指し、通常、製剤のみに影響される。
特に明記しない限り、ダプトマイシンおよび不純物D7などの構造類似化合物の量は、ダプトマイシンを含む水性再構成液体溶液の超高性能液体クロマトグラフィー(Ultra Performance Liquid Chromatography(UPLC))分析を用いて、Agilent 1290またはWaters Hクラスの紫外線(UV)検出器を有する超高性能液体クロマトグラフィー装置(ultra high performance liquid chromatography instrument)を用いて測定された。Waters Empower 3ソフトウェアを使用してピーク面積を測定した。特に明記しない限り、固体ダプトマイシン調製物の純度は、500mgの固体ダプトマイシン調製物を10mLの水で再構成して再構成溶液を形成し、次に図3に記載されたパラメータを使用してUPLCにより222nmで再構成サンプルの吸光度を測定することによって決定した。ダプトマイシン不純物(不純物D7など)の面積%は、以下の式を使用して計算した。
Figure 2023517926000002
Ai=サンプル溶液内の個々の関連物質の調整されたピーク面積応答
Au=サンプル溶液中のダプトマイシンのピーク面積応答
実施形態
本開示の一態様は、ダプトマイシンを含む固体組成物を作製する方法である。固体組成物は、その後、水性の薬学的に許容される希釈剤(例えば、滅菌水および/または静菌水、好ましくは0.9重量%の塩化ナトリウムを含む)で再構成して、非経口投与用の薬学的製品を形成することができる。非経口投与の非限定的な例には、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、関節内、滑膜内、眼球内、髄腔内、局所、および吸入が含まれる。例えば、固体組成物は、約0.9重量%の塩化ナトリウム約10mLで再構成した後の、静脈内投与用の約500mgのダプトマイシンを含む凍結乾燥ケーキであり得る。
図4は、ダプトマイシンを含む固体組成物を作製する方法200の実施形態の非限定的な例のフローチャートを一般的に示す。方法200のいくつかの実施形態は、示された工程のすべてを含むことができるが、方法200の他の実施形態は、示された工程の1つまたはすべてを省略することができ、各工程は、別段の指示がない限り任意である。本開示は、図4に示される方法200の特定の実施形態に限定されない。
ダプトマイシンを含む固体組成物を作製する方法は、ダプトマイシン、ソルビトール、およびマンニトールの水性組成物を、水性組成物から水の少なくとも一部を除去する少なくとも1つの工程、例えば1つ以上の凍結乾燥、フリーズドライ、噴霧乾燥、流動床乾燥、噴霧冷却、沈殿または結晶化(例えば、方法200の工程210)などの工程にかけることを含む。「凍結乾燥(lyophilisation)」および「フリーズドライ(freeze-drying)」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。「水性組成物から水の少なくとも一部を除去する少なくとも1つの工程」は、以後「乾燥」工程と参照されるが、この用語は、すべての水が必ずしも除去されることを意味しない。
さらに、本開示は、乾燥工程210の特定の実施形態に限定されず、乾燥工程210は、液体組成物を本明細書に開示される含水量を有する固体組成物に変換するための任意の薬学的に許容されるプロセスを使用することができる。さらにこれに関して、当業者は、乾燥工程の1つ以上のパラメータが、固体組成物の所望の含水量、例えば、時間、温度、圧力、または乾燥工程210の段数のうちの1つ以上に基づいて選択できることを認識するであろう。以下により詳細に議論されるように、固体組成物の好ましい水分含有量は、固体組成物の全重量の約1.0重量%以下の水分であり、当業者は、固体組成物の総重量の約1.0重量%以下など、本明細書に開示される含水量を達成するのに適した凍結乾燥条件を容易に決定することができる。乾燥工程210中に組成物に適用される温度は、本明細書では「棚温度(shelf temperature)」と称され;乾燥工程210中の組成物自体の温度は、本明細書では「生成物温度(product temperature)」と称される。
乾燥工程210は、好ましくは、ダプトマイシン、ソルビトール、およびマンニトールの組成物中の氷を昇華によって除去する昇華乾燥を含み、任意に、実質的にすべての氷を除去する。昇華乾燥は、当技術分野では一次乾燥として知られていることがある。
組成物に加えられる熱が少なくとも部分的に昇華相変化に使用されるため、昇華乾燥中の生成物温度は典型的に棚温度よりも低い。氷の昇華が実質的にまたは完全に完了すると、生成物温度は通常上昇し、棚温度に近づく。したがって、本明細書に開示される昇華乾燥は、生成物温度が棚温度にほぼ等しいときに実質的に完了する。そのような実施形態では、昇華乾燥の完了後の任意の乾燥は、昇華乾燥に続く追加の乾燥として特徴付けられる。
さらにこれに関して、いくつかの実施形態は、昇華乾燥の後に1つ以上の追加の乾燥工程を任意に含む。1つ以上の後続の乾燥工程は、組成物から水、例えば、昇華乾燥後に残っている水および/または組成物の他の成分に結合している水を除去することができる。昇華乾燥に続くこのような乾燥は脱離として知られ、後続の乾燥は、固体組成物が目標水分量、好ましくは長期保管に適した水分量になるまで行うことができる。いくつかの実施形態では、後続の乾燥は、昇華乾燥に使用される棚温度と同じかまたはそれよりも高い棚温度で実施される。それにもかかわらず、いくつかの実施形態では、昇華乾燥の後に任意の後続の乾燥を行わない。
例えば、いくつかの実施形態では、乾燥工程210が昇華乾燥と、任意の1つ以上の先行の乾燥工程と、任意の1つ以上の後続の乾燥工程とを含むように、昇華乾燥は、任意にその前のおよび/またはその後の1つ以上の追加の乾燥工程を含む。例えば、特定の非限定的な実施形態では、昇華乾燥により組成物の含水量がより低い含水量に調整され、昇華乾燥に続く1つ以上の追加の乾燥工程により、組成物の含水量が目標の含水量に調整される。昇華乾燥の工程は、複数の異なる温度のそれぞれが所望の範囲内にある限り、組成物を一定の温度および/または複数の異なる温度にさらすことができる。
例えば昇華乾燥は、約-25℃~約50℃、好ましくは約5℃~約30℃、より好ましくは約8℃~約25℃、さらにより好ましくは約10℃~約20℃、最も好ましくは約15℃の温度で、約15時間~約120時間、好ましくは約16時間~約25時間、より好ましくは約17時間~約30時間、さらにより好ましくは約18時間~約25時間、最も好ましくは約20時間で行うことができる。
これらの温度は、組成物に適用される温度であり(上記の「棚温度」)、組成物自体の温度(上記の「生成物温度」)は、昇華乾燥中に組成物に適用される温度よりも低く、例えば、上に開示された昇華乾燥の例示的な温度よりも低く、昇華乾燥終了時にほぼ棚温度に達する。いくつかの実施形態では、昇華乾燥中の生成物温度は約-30℃~約40℃であるが、典型的には棚温度を超えない。
好ましくは、乾燥工程210は、(i)昇華乾燥を含むプロセス、(ii)昇華乾燥および1つ以上の先行の乾燥工程を含むプロセス、(iii)昇華乾燥および1つ以上の後続の乾燥工程を含むプロセス、および(iv)昇華乾燥、1つ以上の先行の乾燥工程、および1つ以上の後続の乾燥工程を含むプロセスからなる群より選択されるプロセスである。
一実施形態において、水性組成物は、例えば水性組成物の乾燥を行う前に約-14℃未満(約-40℃など)の温度で約2時間さらすことにより、乾燥を行う前に水性組成物の凝固点以下の温度で凍結することができる。そのような実施形態では、生成物温度は、通常、昇華乾燥中の棚温度よりも低くなる。
好ましくは、固体組成物は凍結乾燥粉末であり、例えば、実質的に均一な色(例えば、淡黄色から薄茶色)および実質的に均一なテクスチャーを有する実質的に均質なケーキの形態である。しかし、本開示は、固体組成物の特定の形態に限定されず、固体組成物の形態は、当業者によって薬学的に許容されることが知られている任意のものであり得る。
好ましくは、水溶液は、乾燥工程の前に、例えばポリエーテルスルホン(PES)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)のフィルターによって濾過される(例えば、方法200の工程206)。水性溶液(濾過されたまたは濾過されていない)は、乾燥工程の前に1つ以上のバイアル(例えば、ガラスバイアル)に充填され得(例えば、方法200の工程208)、例えば乾燥工程が水性組成物のバイアルに対して行われる。乾燥工程(例えば、方法200の工程210)の1つ以上のパラメータは、固体組成物の所望の含水量、例えば乾燥工程の時間、温度、または圧力の1つ以上に基づいて選択することができる。
好ましくは、水性組成物は、水性組成物の乾燥工程の前および/または乾燥工程中に、約4.5~約8.0、好ましくは約6.0~約7.5、より好ましくは約6.7~約7.3、最も好ましくは約7.0のpHを有する。したがって、方法のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのpHを調整する工程(例えば、方法200の工程204)、例えば、水酸化ナトリウム(例えば、1N NaOHまたは5N NaOH)などの塩基の添加および/または塩酸などの酸(例:1N HCl)などの酸の添加を含む。特定の非限定的な例において、少なくとも1つのpHを調整する工程は、5N水酸化ナトリウムを使用してpHを約6.0に調整し、次いで1N水酸化ナトリウムを使用してpHを約7.0に調整し、次いで必要に応じて、意図せずpHが高くなりすぎた場合は、1N塩酸を使用してpHを下げて約7.0に調整する。しかしながら、本開示は、任意のpHを調整する工程の特定の実施形態に限定されず、任意のpHを調整する工程は、当業者によって薬学的に許容されることが知られている任意のものであり得る。
水性組成物の非限定的な例は、約80~約130mg/mL、好ましくは約90~約120mg/mL、より好ましくは約100~約110mg/mL、最も好ましくは約105mg/mLの量でダプトマイシンを含むことができる。さらにこれに関して、水性組成物の非限定的な例は、水性組成物の総体積の約8.0~約13.0重量%、好ましくは約9.0~約12.0重量%、より好ましくは約10.0~約11.0重量%、最も好ましくは約10.5重量%の量でダプトマイシンを含むことができる。
いくつかの実施形態では、方法は、水性組成物を乾燥工程に供する前に、水性組成物を調製する工程(例えば、方法200の工程202)を含む。例えばこの方法は、液体(例えば、純水および/または超純水)へダプトマイシンを添加し、およびダプトマイシンが溶解した後、溶解したダプトマイシンをすでに含む液体へソルビトールおよびマンニトールを添加することを含むことができる。好ましい実施形態では、この方法は、ソルビトールおよびマンニトールを液体(例えば、純水および/または超純水)に添加し、ソルビトールおよびマンニトールが溶解した後、溶解したソルビトールと溶解したマンニトールすでに含有する液体にダプトマイシンを添加することを含む。別の好ましい実施形態では、この方法は、ダプトマイシン、ソルビトール、およびマンニトールを一緒に乾燥混合し、次いで乾燥混合物を液体(例えば、純水および/または超純水)に添加することを含む。しかし、本開示は、水性組成物が調製される特定のプロセスに限定されず、水性組成物が調製されるプロセスは、当業者によって薬学的に許容されることが知られている任意のものであり得る。
水性組成物を調製するこれらの工程の少なくとも一部は、任意に、約2℃~約8℃、例えば約5℃で、または追加または代替として、周囲条件、すなわち約25℃の温度で、約1気圧の圧力で実施することができる。好ましくは、混合は、一定の攪拌で、例えば各混合する工程について少なくとも約15分間攪拌して実施される。
上記のように、水性組成物はソルビトールとマンニトールの組み合わせを含む。水性組成物の非限定的な例は、水性組成物の総体積に対して、約1.2重量%~約9.0重量%、好ましくは約3.5重量%~約5.5重量%、より好ましくは約4.0重量%~約5.0重量%、さらにより好ましくは約4.5重量%~約5.0重量%、最も好ましくは約5.0重量%の量でソルビトールを含むことができる。水性組成物の非限定的な例は、水性組成物の総体積に対して、約0.6重量%~約9.5重量%、好ましくは約3.5重量%~約5.0重量%、より好ましくは約4.0重量%~約5.0重量%、さらにより好ましくは約4.5重量%~約5.0重量%、最も好ましくは約5.0重量%の量でマンニトールを含むことができる。
本方法で使用される水溶液のいくつかの実施形態は、約1:4~約1:13、好ましくは約1:5~約1:13のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比を有することができ、およびソルビトール:マンニトールの重量比が20:80~40:60、例えば約30:70である。
本方法で使用される水溶液の他の実施形態は、約1:4~約1:9、好ましくは約1:5~約1:8.5のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比を有することができ、およびソルビトール:マンニトールの重量比は、40:60を超えて90:10まで、好ましくは40:60を超えて約80:20まで、より好ましくは約50:50~約70:30、例えば約50:50、約60:40、または約70:30である。
いくつかの実施形態では、水性組成物は、ダプトマイシン、ソルビトールとマンニトールとの組み合わせ、滅菌水、水酸化ナトリウムおよび/または塩酸などの任意のpH調整剤、並びに、1つ以上のクエン酸塩、ヒスチジン、リン酸塩、トリプトファン、マレイン酸塩、または炭酸塩などの任意の緩衝剤から本質的になる(またはからなる)ことができる。さらにこれに関して、水性組成物のいくつかの実施形態は緩衝剤を含むが、好ましい実施形態は緩衝剤を実質的に含まない。
好ましくは、水性組成物は、ソルビトールおよびマンニトールに加えて、実質的に糖を含まず、および/または、他のポリオールを実質的に含まず、いくつかの実施形態では、ソルビトールおよびマンニトールが水性組成物中の唯一のポリオールである。
水性組成物を固体組成物に乾燥した後、方法は、固体組成物を保管する工程をさらに含むことができる(例えば、方法200の工程212)。例えば、固体組成物は、約25℃~約30℃の温度で約1ヶ月~約24ヶ月の期間、または約40℃で約1週間~約2週間の温度で保管することができる。例えば、この方法は、固体組成物を約25℃の温度で約6ヶ月間保管する工程をさらに含むことができる。保管は光への曝露を含むことができ、本明細書に開示される固体組成物の特性は、そのような光への曝露によって実質的に変化しない可能性がある(例えば、外観、再構成時間、色、pH、ダプトマイシン濃度、および/または不純物)。
保管後、固体組成物を再構成し、非経口的に投与することができる。例えば、固体組成物は、約25mg/mL~約200mg/mLのダプトマイシン濃度を有する非経口投与可能な薬学的製品に再構成することができる。好ましくは、約500mgの固体組成物が約10mLの滅菌水または静菌水に25℃で約2分以内に溶解し、および/または約350mgの固体組成物が約10mLの滅菌水または静菌水に25℃で約1分以内に溶解する。
本開示の別の態様は、ダプトマイシンおよびソルビトールとマンニトールとの組み合わせを含む固体組成物であり、非限定的な例として、上記で開示された方法のいずれかによって得られる固体組成物である。いくつかの実施形態では、固体組成物は、固体組成物の総重量の約1.0%以下、好ましくは固体組成物の総重量の約0.9%以下、より好ましくは固体組成物の総重量の約0.8%以下、さらにより好ましくは固体組成物の総重量の約0.7%以下、最も好ましくは固体組成物の総重量の約0.5%以下、例えば総重量の約0.2%以下または固体組成物の総重量の約0.1%以下の含水量を有することができる。
好ましくは、固体組成物は凍結乾燥ケーキなどの単位剤形であり、単位剤形は約350mg~約600mgのダプトマイシン、好ましくは約450mg~約550mgのダプトマイシン、より好ましくは約475mg~約525mgのダプトマイシン、最も好ましくは約500mgのダプトマイシンを含むことができる。
固体組成物の好ましい実施形態において、ソルビトールは、薬学的に許容される固体組成物の総重量の約6.2重量%~約45.3重量%であり、マンニトールは、薬学的に許容される固体組成物の総重量の約3.1重量%~約47.5重量%である。これらの実施形態において、ソルビトールおよびマンニトールの合計は、好ましくは、薬学的に許容される固体組成物の総重量の約31.0重量%~約59.4重量%である。
例えば、固体組成物のいくつかの実施形態は、約1:4~約1:13、好ましくは約1:5~約1:13のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比を有することができ、ソルビトール:マンニトールの重量比は20:80~40:60、例えば約30:70である。このような実施形態では、ソルビトールは、好ましくは固体組成物の総重量の約6.2重量%~約22.1重量%、より好ましくは固体組成物の総重量の約9.3重量%~約22.1重量%であり、マンニトールは、好ましくは固体組成物の総重量の約18.6重量%~約47.5重量%、より好ましくは固体組成物の総重量の約18.6重量%~約41.6重量%である。これらの実施形態において、ソルビトールおよびマンニトールの合計は、好ましくは、固体組成物の総重量の約31.0重量%~約59.4重量%である。
別の例として、固体組成物の他の実施形態は、約1:4~約1:9、好ましくは約1:5~約1:8.5のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比を有することができる。またソルビトール:マンニトールの重量比は、40:60を超えて90:10まで、好ましくは40:60を超えて約80:40まで、より好ましくは約50:50~約70:30まで、例えば約50:50、約60:40または約70:30である。そのような実施形態では、ソルビトールは、好ましくは固体組成物の総重量の約12.4重量%~約45.3重量%、より好ましくは固体組成物の総重量の約15.5重量%~約35.2重量%である。またマンニトールは、好ましくは固体組成物の総重量の約3.1重量%~約25.2重量%、より好ましくは固体組成物の総重量の約9.3重量%~約25.2重量%である。これらの実施形態において、ソルビトールおよびマンニトールの合計は、好ましくは、固体組成物の全重量の約31.0重量%~約50.3重量%である。
いくつかの実施形態では、固体組成物は、ダプトマイシン、ソルビトールとマンニトールとの組み合わせ、残留滅菌水、水酸化ナトリウムおよび/または塩酸などの任意のpH調整剤、並びに、一つ以上のクエン酸塩、ヒスチジン、リン酸塩、またはトリプトファンなどの任意の緩衝剤から本質的になるか、またはそれらからなる。さらにこれに関して、固体組成物のいくつかの実施形態は緩衝剤を含むが、好ましい実施形態は、ソルビトールおよびマンニトールに加えて緩衝剤を実質的に含まない。
好ましくは固体組成物は、ソルビトールおよびマンニトールに加えて、実質的に糖を含まず、および/または他のポリオールを実質的に含まず、いくつかの実施形態では、ソルビトールおよびマンニトールが固体組成物中の唯一のポリオールである。
本開示の別の態様は、細菌感染を有する対象において細菌感染を治療する方法である。この方法は、本明細書に開示される組成物のいずれかの有効量を対象に投与する工程を含む。この方法は、投与する工程の前に、本明細書に開示される固体組成物の1つを、好ましくは、1つ以上の、滅菌水、滅菌塩化ナトリウムまたは静菌水などの薬学的に許容される希釈剤中で再構成する工程を含むことができる。本明細書に開示される方法および組成物によって治療することができる細菌感染症の非限定的な例には、グラム陽性菌、例えば、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ亜種エクイシミリス(Streptococcus dysgalactiae subsp.equisimilis)、およびエンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)によって引き起こされる皮膚および皮膚構造感染症ならびに血流感染症が含まれる。
以下の非限定的な例は、マンニトールとソルビトールの組み合わせによって安定化されたダプトマイシンの概念を支持する。
実施例1A
ダプトマイシンの濃度、およびマンニトール、ソルビトール、ラクトース、β-シクロデキストリンのスルホブチルエーテル(SBE-β-CD)などの賦形剤の添加がダプトマイシンの安定性に及ぼす影響を検討する研究を行った。この点に関して、毎回、製剤はUPLCによって解析し、その条件は図3に記載されている。
試験品は、pH6.8のダプトマイシン525mgのフリーズドライケーキを含む10mLまたは20mLのバイアルで構成された。APIと賦形剤の濃度は、製剤によって異なっていた。この研究では、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、およびSBE-β-CD(すなわち、CAPTISOL(登録商標))を使用した(図5A)。バイアルをフリーズドライヤーに入れ、凍結乾燥した。
製剤B7、B8、およびB9のガラス転移温度が決定された。ガラス転移温度は、それぞれ29、37、および38℃であった。25℃で安定性が高く、40℃で安定性が低い理由は、サンプルが40℃で保管されたときにガラス転移温度を超えたためであると仮定された。したがって、5℃で試験されるサンプルは、5℃で1.5か月後に30℃で保管するために移動され、サンプルが30℃でまだ安定しているかどうかを確認した。30℃のサンプルの安定性は、25℃のサンプルと同等であった。
SBE-β-CDサンプル(B11~B13)は、25℃でわずか2ヶ月後に2%のD7の増加を示したので、2ヶ月後に研究から除外された。不純物D7の増加を25℃で最もよく低減した製剤は、製剤B7、B8、およびB9であり、製剤B7はD7が0.2%しか増加しなかった(図5B)。
実施例1B
非常に低いTg’値を有することが見出されたソルビトールおよびマンニトールを含む製剤を検討する研究、およびフリーズドライヤー内の生成物温度を調査する研究を行い、実質的な安定性を失うことなく凍結乾燥サイクルをどれだけ迅速に実施できるかを決定した。具体的には、先の実施例(図5A)で論じたような製剤B7(5%ソルビトール、5%マンニトール)、B8(2.5%ソルビトール、5%マンニトール)、およびB9(5%ソルビトール、0%マンニトール)のサンプルを5mLの水で再構成し、溶解させた。次に、サンプルをフリーズドライして、生成物温度ランを行った。ケーキの崩壊を観察し、画像を撮影した。次に、大気圧に開いたバイアルを備えたピペットを使用して、サンプルを5mLの水で再構成した。再構成時間を記録し、必要に応じて画像を撮影した。
第1の生成物温度ラン(図6A)では、製品を5℃の棚温度で装填し、60分間保持した。次に凍結するために、棚温度を0.5℃/minで-40℃まで傾斜を付け、4時間保持した。次に、昇華乾燥のために、100mTorrの真空を適用し、棚温度を0.5℃/minで-5℃まで傾斜を付け、3つの製剤すべての生成物温度が約-5℃(約28時間)に達するまで保持した。さらに追加で乾燥させるために、棚温度を0.5℃/minで40℃まで傾斜を付け、360分間保持した。
第1の生成物温度ラン(図6A)について決定された、一次乾燥の大部分の間で維持される生成物温度である臨界生成物温度は、製剤B7については-22.2℃までであり、製剤B9について-23.0℃までであった。生成物温度が約-22.5℃の場合、すべての製剤で許容できるケーキが得られ、崩壊は見られなかった。再構成時間は、製剤B7、B8、およびB9でそれぞれ約2分、3分、および4分であった。
第2の生成物温度ラン(図6B)では、製品を5℃の棚温度で装填し、60分間保持した。次に凍結するために、棚温度を0.5℃/minで-40℃まで傾斜を付け、4時間保持した。次に、昇華乾燥とそれに続く追加の乾燥のために、100mTorrの真空を適用し、棚温度を0.5℃/minで40℃まで傾斜を付け、17時間保持した。昇華乾燥は、40℃での17時間の保持が終了する数時間前に完了した。
第2の生成物温度ラン(図6B)の昇華乾燥中に決定された臨界生成物温度は、製剤B7、B8、およびB9についてそれぞれ-12.2℃、-14.1℃、および-13.5℃であった。生成物温度が約-13℃の場合、すべての製剤で許容できるケーキが得られ、崩壊は見られなかった。再構成時間は、製剤B7、B8、およびB9でそれぞれ約1.75分、4分、および4分であった。
第3の生成物温度ラン(図6C)では、製品を5℃の棚温度で装填し、60分間保持した。次に凍結するために、棚温度を0.5℃/minで-40℃まで傾斜を付け、4時間保持した。次に、昇華乾燥のために、100mTorrの真空を適用し、棚温度を0.5℃/minで-25℃まで傾斜を付け、3つの製剤すべての生成物温度が約-25℃(製剤B7およびB8では約100時間)に達するまで保持した。さらに追加で乾燥するため、棚温度を0.5℃/minで40℃まで傾斜を付け、360分間保持した。製剤B9は、他のサンプルよりも先に-25℃の棚温度に達し、その結果、B7およびB8よりも早く昇華乾燥を完了した。
第3の生成物温度ラン(図6C)の一次乾燥中に決定された臨界生成物温度は、製剤B7、B8、およびB9について、それぞれ-28.5℃、-28.4℃、および-30.0℃であった。生成物温度が約-29℃の場合、すべての製剤で許容できるケーキが得られ、崩壊は見られなかった。再構成時間は、製剤B7、B8、およびB9でそれぞれ約1.75分、4分、および4分であった。
結論として、一次乾燥中の臨界生成物温度が約-12℃に達しても、一次乾燥中の臨界生成物温度による製品外観の違いはなかった。崩壊は見られなかった。
実施例2
ダプトマイシン/ソルビトール/マンニトールの開発安定性ユニットを調製し、保管中および再構成後の凍結乾燥サンプルの安定性を試験する研究を行った。試験品は、さまざまなpHおよび賦形剤濃度のダプトマイシン製剤で構成される。試験品の製剤を図7に示す。製剤を10mLバイアルに充填し、フリーズドライした。バイアルを逆さにして、25℃、30℃、および40℃で保管した。結果を図8に示す。
実施例3
ソルビトールとマンニトールの好ましい組み合わせを含む凍結乾燥ダプトマイシン製剤(製剤B7:105mg/mLのダプトマイシン、5%のソルビトール、5%のマンニトール、pH6.8)の安定性に対する異なる水分レベルの効果を調査する研究を行った。二次乾燥温度は、安定性のために望ましい水分レベルが得られるように選択した。
具体的には、ソルビトールとマンニトールは、5℃に制御されたジャッキ付き容器内の約250mLの水に溶解した。ダプトマイシンを115分間にわたって溶液に溶解した(6.1℃で初期pH4.26)。NaOHを添加し、溶液を水で最終体積500mLにした(最終pHは21.9℃で6.81であった)。溶液を濾過し、バイアルに5mLの溶液を満たし、トレイの中央に置いた。トレイの残りは、4.63mLの水で再構成し、溶解させたプラセボバイアルで満たされた。バイアルをフリーズドライヤーに入れ、凍結乾燥した。
サンプルを5つの残留水分レベルにグループ分けし、25℃と30℃で12か月間安定状態に置かれた。各時点、すなわち、初期、1か月、2か月、3か月、6か月、および12か月で、再構成、外観、pH、およびHPLCアッセイを測定または実行した。追加の水分分析は、25℃および30℃で12か月間保管されたサンプルに対して実行した。
製剤の特徴付けのために、ダプトマイシンのバイアルの水分レベルを近赤外分光法(NIR)によりゼロ時間と1ヶ月の試験間隔で分析した。NIRからの平均水分レベルの結果を図9の表に示す。
水分が安定性に及ぼす影響を判断するために、水分の結果を、カールフィッシャー滴定(KF)により、T0、25℃で1か月および12か月の保管で測定した。T0および1ヶ月保管時に試験されたダプトマイシンサンプルを、NIRによって決定された値と比較した(図10)。図11は、12か月の試験による25℃の安定性データを示す。凍結乾燥製品または再構成製品のいずれにおいても、外観上の問題はなかった。さらに、25℃で12か月間、pHと再構成時間に大きな変化はなかった。
不純物D7の増加は、残留水分レベルが高いほど著しく高くなる。結論として、D7の形成を減らすには、製品の残留水分を約1.0%以下に制御するべきである。
実施例4
ソルビトール、スクロース、およびマンニトールの量を変え、またpHを変更したダプトマイシン製剤を調査する研究を行った。具体的には、試験品と対照品を25℃、30℃、および40℃で保管した。次に、0、1、2、3、および6か月の時点で、5mLの蒸留水を使用してサンプルを再構成し、試験した。この点に関して、毎回、製剤をUPLCによって解析した。その条件は図3に記載する。各試験品は、105mg/mLダプトマイシンを含む溶液であった。賦形剤は、図12および13の表に概説されているように変化した。図14の表に別段の記載がない限り、pHは6.8に調整した。
安定性を試験するために、対照品と試験品を25℃で6ヶ月間保管した。製剤N1~N25を5mLの水で再構成し、関連物質について試験した。25℃で6か月間保管された製剤サンプルN1~N25についての不純物D7を測定した。
25℃での1ヶ月、2ヶ月、および3ヶ月の保管から選択された結果を図15の表に示す。25℃での6ヶ月の保管からの結果の完全なセットを図16の表に示す。この完全な表から選択された結果を図17の表(すべて不純物D7に関する)に示す。図15、17において、製剤N11は、本発明の非限定的な例示的実施形態の代表であり、アスタリスクによって識別され、製剤N21は、糖アルコールなしでスクロースを使用する対照製剤の代表であり、プラス記号によって識別される。
25℃で6ヶ月にわたる不純物D7の変化に関して、ソルビトールの存在は増加を制御するために重要であった。ソルビトール/マンニトール混合物は、マンニトール単独またはソルビトール単独よりも良好に機能した。製剤N25に見られるように、不純物D7はより高いpHでより急速に形成されるが、この量は、100%マンニトール/ソルビトールを含有する製剤および薬に対するポリオールの比率が高い製剤よりも依然として少ない。異性体ポリオールであるソルビトールとマンニトールの組み合わせは、いずれかの賦形剤単独よりも驚くほど優れた結果をもたらす。
凍結乾燥製剤の安定性に影響を与える別の要因は、薬に対する賦形剤の比率であった。薬に対する賦形剤のレベルが低すぎると、適切な安定化が得られなかった(製剤N5、N9、N13、N17)。薬に対する賦形剤のレベルが高すぎると、薬製品の分解に寄与するガラス転移温度Tg(製剤N12、N16、N20;図12参照)に影響を及ぼした。製剤N13とN17のTg’は高かったため、ガラス転移温度は製剤の安定性の唯一の指標ではないが、6か月後の25℃での全不純物増加は2%近くであった。
結論として、製剤N1~N20は、薬に対する賦形剤のモル比1.3、5.0、8.5、13.0で105mg/mLのダプトマイシンで製剤化した。ソルビトール濃度レベルは、0%、30%、50%、70%、および100%(賦形剤の総量に対して、残りはマンニトール)であった。サンプルを25℃で保管し、6か月間試験した。各サンプルを5mLの水で再構成し、不純物を試験した。統計分析を行った。マンニトールとソルビトールの両方を含む製剤は、マンニトールまたはソルビトールのいずれか単独よりも、不純物D7に関してダプトマイシン薬品をより安定化させた。凍結乾燥製剤の安定性に影響を与える別の要因は、薬に対する賦形剤の比率であった。薬に対する賦形剤の比率が低すぎると、十分な安定化が得られなかった。薬に対する賦形剤の比率が高すぎると、薬製品の分解に寄与するガラス転移温度Tgが低下した。
図18は、実施例4からのいくつかの試験品を示す表であり、実施例4は、25℃で6ヶ月間保管した後の不純物D7の増加を、保管開始時の量に対して約1.00%以下の増加に制限した(例えば、N6、N8、N10、N11、N14およびN15)例である。同様に25℃で6か月間保管した後の不純物D7の増加を約1.00%以下に制限するために、これらの試験品から合理的に補間された実施形態もある。表には、乾燥ケーキについて計算された成分量が含まれる(約1.0重量%までの水分を除く)。
実施例5
ダプトマイシン製剤N11の3つのバッチについて18ヶ月の長期データ(25℃保管)を調査する研究を行い、この製剤が前の実施例で以前に検討されていたので、本開示によって提供される実施形態を代表するものである。具体的には、各バッチは、105mg/mLダプトマイシン、5%マンニトール、および5%ソルビトールの製剤を有し、バイアルに充填し、凍結乾燥した(両方の賦形剤パーセンテージ=g/溶液100mL、本明細書の段落[0017]で定義したとおり)。不純物D7および総不純物の平均値を、3つのバッチのそれぞれについて、図19の表に要約する(両方の不純物量=%w/w、本明細書の前の段落[0032]で定義したとおり)。
驚くべきことに、結果は、ダプトマイシン製剤N11の長期的挙動が、すでに上で論じた短期的研究で見られたものと少なくとも同じか、それよりも優れていることを示す。例えば、図17において、ダプトマイシン製剤N11は、保管開始時の量と比較して、25℃での6ヶ月の保管でD7が0.27%増加し、対照では1.82%増加した。図19に示されるように、実施例5の3つのバッチにおける最初の6ヶ月でのD7の変化は、保管開始時の量に対して、それぞれ0.21、0.14および0.16%であった。18か月間の保管では、D7の変化は、保管開始時の量と比較して、それぞれ0.50、0.45、および0.44%であった。このデータは、ダプトマイシン製剤N11が有効期間にわたって製品中の不純物形成を効果的に制御することを示している。
本明細書に開示された現在好ましい実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者には明らかであろう。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、また意図した利点を損なうことなく行うことができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。

Claims (35)

  1. ダプトマイシンを含む薬学的に許容される固体組成物の製造方法であって、前記方法は、水溶液を乾燥して、前記固体組成物の総重量に対して約1.0重量%以下の水分含有量を有する前記固体組成物を形成する工程を含み、前記水溶液は、(a)水と、(b)ダプトマイシンと、(c)前記水溶液の総体積の約1.2重量%~約9.0重量%の量のソルビトールと、(d)前記水溶液の総体積の約0.6重量%~約9.5重量%の量のマンニトールとを含む、方法。
  2. ソルビトールが前記水溶液の総体積の約4.0重量%~約5.0重量%であり、マンニトールが前記水溶液の総体積の約4.0重量%~5.0重量%である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶液のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:4~約1:13であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が20:80~40:60である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記水溶液のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:5~約1:13であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が約30:70である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記水溶液のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:4~約1:9であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が40:60を超えて90:10までである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記水溶液のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:4~約1:8.5であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が約50:50~約70:30である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記水溶液の乾燥が凍結乾燥を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記水溶液の乾燥前に、前記水溶液のpHを約4.5~約8.0に調整する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記水溶液の乾燥前に、前記水溶液のpHを約7.0に調整する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記水溶液が、ソルビトールおよびマンニトールに加えて、糖を実質的に含まないおよび/または他のポリオールを実質的に含まない、請求項1に記載の方法。
  11. 前記水溶液が実質的に緩衝剤を含まない、請求項1に記載の方法。
  12. 前記水溶液が、ダプトマイシン、ソルビトール、マンニトールおよび水から本質的になる、請求項1に記載の方法。
  13. 前記水溶液が水酸化ナトリウムおよび塩化水素をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記方法は、前記水溶液の乾燥前に、前記水溶液を調製する工程を含み、前記水溶液を調製する工程は、
    (a)ダプトマイシンを水に撹拌しながら溶解し、続いてソルビトールおよびマンニトールをさらに撹拌しながら水に溶解する工程と、
    (b)ソルビトールおよびマンニトールを水に撹拌しながら溶解し、続いてダプトマイシンをさらに撹拌しながら水に溶解する工程と、
    (c)ソルビトールおよびマンニトールをダプトマイシンと乾式混合して乾燥混合物を形成し、続いて撹拌下で前記乾燥混合物を水に溶解する工程と、
    からなる群より選択されるプロセスを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記薬学的に許容される固形組成物は、前記水溶液の乾燥後、25℃で6ヶ月間保管した後、超高性能液体クロマトグラフィーを用いてダプトマイシンおよび全不純物のピーク面積で割った不純物D7のピーク面積により測定して、保管開始時の前記薬学的に許容される固形組成物の不純物D7の初期量に対して、約1.00%以下の不純物D7の増加量を有する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記薬学的に許容される固形組成物は、前記水溶液の乾燥後、25℃で6ヶ月間保管した後、超高性能液体クロマトグラフィーを用いてダプトマイシンおよび全不純物のピーク面積で割った不純物D7のピーク面積により測定して、保管開始時の前記薬学的に許容される固形組成物の不純物D7の初期量に対して、約0.30%以下の不純物D7の増加量を有する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記乾燥が、約-25℃~約50℃の温度で約15時間~約120時間の昇華乾燥を含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記昇華乾燥の温度が約10℃~約20℃であり、前記昇華乾燥の時間が約18時間~約25時間である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記乾燥が、(i)前記昇華乾燥を含むプロセス、(ii)前記昇華乾燥および1つ以上の先行の乾燥工程を含むプロセス、(iii)前記昇華乾燥および1つ以上の後続の乾燥工程を含むプロセス、(iv)前記昇華乾燥、1つ以上の先行の乾燥工程、および1つ以上の後続の乾燥工程を含むプロセス、からなる群より選択されるプロセスである、請求項17に記載の方法。
  20. 請求項1~19のいずれか1項に記載の方法によって製造された薬学的に許容される固体組成物。
  21. ダプトマイシンおよびソルビトールとマンニトールとの組み合わせを含み、約1.0重量%以下の水分含量を有する薬学的に許容される固体組成物であって、ソルビトールは前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約6.2重量%~約45.3重量%であり、マンニトールは前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約3.1重量%~約47.5重量%であり、ソルビトールとマンニトールの合計は前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約31.0重量%~約59.4重量%である、薬学的に許容される固体組成物。
  22. ダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:4~約1:13、ソルビトール:マンニトールの重量比が20:80~40:60である、請求項21に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  23. ダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:5~約1:13であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が約30:70である、請求項22に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  24. ソルビトールは前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約6.2重量%~約22.1重量%であり、マンニトールが前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約18.6重量%~約47.5重量%であり、ソルビトールとマンニトールの合計は、固体組成物の総重量の約31.0重量%~約59.4重量%である、請求項22に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  25. 前記水溶液のダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:4~約1:9であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が40:60を超えて90:10までである、請求項22に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  26. ダプトマイシン:(ソルビトール+マンニトール)のモル比が約1:4~約1:8.5であり、ソルビトール:マンニトールの重量比が約50:50~約70:30である、請求項25に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  27. ソルビトールは前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約15.5重量%~約45.3重量%であり、マンニトールは前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約3.1重量%~約25.2重量%であり、およびソルビトールとマンニトールの合計は前記薬学的に許容される固体組成物の総重量の約31.0重量%~約50.3重量%である、請求項25に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  28. 前記薬学的に許容される固形組成物は、前記水溶液の乾燥後、25℃で6ヶ月間保管した後、超高性能液体クロマトグラフィーを用いてダプトマイシンおよび全不純物のピーク面積で割った不純物D7のピーク面積により測定して、保管開始時の前記薬学的に許容される固形組成物の不純物D7の初期量に対して、約1.00%以下の不純物D7の増加量を有する、請求項21に記載の方法。
  29. 前記薬学的に許容される固形組成物は、前記水溶液の乾燥後、25℃で6ヶ月間保管した後、超高性能液体クロマトグラフィーを用いてダプトマイシンおよび全不純物のピーク面積で割った不純物D7のピーク面積により測定して、保管開始時の前記薬学的に許容される固形組成物の不純物D7の初期量に対して、約0.30%以下の不純物D7の増加量を有する、請求項21に記載の方法。
  30. ソルビトールおよびマンニトールに加えて、糖を実質的に含まないおよび/または他のポリオールを実質的に含まない、請求項21に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  31. 緩衝剤を実質的に含まない、請求項21に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  32. ダプトマイシン、ソルビトール、マンニトール、および約1.0重量%以下の水分含有量から本質的になる、請求項21に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  33. 水酸化ナトリウムおよび塩化水素をさらに含む、請求項21に記載の薬学的に許容される固体組成物。
  34. 細菌感染症を有する対象において細菌感染症を治療する方法であって、
    前記方法は、
    薬学的製品を調製する工程であって、前記薬学的製品を調製する工程は、請求項20の前記薬学的に許容される固体組成物または請求項21の前記薬学的に許容される固体組成物の少なくとも1つを、薬学的に許容される希釈剤中で再構成する工程を含む、工程と;
    有効量の前記薬学的製品を対象に投与する工程と、
    を含む、方法。
  35. 前記投与が静脈内投与を含む、請求項34に記載の方法。
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