JP2023516372A - 病原菌外壁成分基盤の生病原体模倣ナノ粒子及びその製造方法 - Google Patents

病原菌外壁成分基盤の生病原体模倣ナノ粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、病原菌の外壁成分(pathogen cell wall skeleton)を有効成分として含む病原菌外壁成分の凍結乾燥製剤、前記凍結乾燥製剤と生病原体の効能を誘導できるトル様受容体7または8アゴニストを用いて製造される様々な生病原体模倣ナノ粒子、その用途、その製造方法などに関する。【選択図】図12

Description

本発明は、病原菌外壁成分基盤の生病原体模倣ナノ粒子及びその製造方法に関し、具体的に水溶液に容易に分散される病原菌外壁成分の凍結乾燥製剤と生病原体の効能を誘導できる免疫活性化物質を用いて製造された病原菌外壁成分基盤の生病原体模倣ナノ粒子、その用途、その製造方法などに関する。
ワクチン(vaccine)とは、ヒトをはじめとする動物に後天性免疫を付与する医薬品で、死滅または弱毒化された病原体、タンパク質、合成ペプチドなどの免疫原性を誘導できる物質を用いて、微生物感染症はもちろん、悪性腫瘍(がん)、アレルギー疾患などの予防や治療に広範囲で利用されている。一般的にワクチンは、生ワクチン、弱毒化ワクチン、死ワクチン、組換えワクチンがあり、このうち生ワクチン及び弱毒化ワクチンの場合、ウイルスの製造期間が長くかかり、生産単価が高いだけでなく安全性の問題を伴っている。これにより、安全性に優れており、生産効率の良い組換えワクチンに対する研究が活発に行われたが、組換えワクチンの場合には既存のウイルス由来ワクチンに比べて免疫原性が低く、治療効率が低下するという問題点を有している(大韓民国公開特許10-2014-0041134)。このような短所を克服するため、最近、病原菌の外壁成分を用いた新しい代替医薬品の開発に対する関心が高まっているが、ほとんどの外壁成分を用いた医薬品製剤は、次のような問題点を有している。第一に、ほとんどの病原菌の外壁成分は脂溶性特性を示すため、様々な医薬品の剤形として開発するには限界がある。第二に、病原菌外壁成分を用いたワクチン成分は、不活性化死ワクチン(killed or inactivated vaccine)または弱毒化ワクチン(live attenuated vaccine)に比べて安全性(safety)は優れているが、免疫原性が弱いという致命的な限界点を持っている。したがって、効果的な免疫治療剤の開発のためには大量生産が可能であり、高い安定性及び優れた免疫原性を有するとともに、様々な剤形として製造が可能な病原菌基盤新規概念のワクチン開発が切実に必要な実情である。
本発明は、前記のような従来技術上の問題点を解決するために案出されたもので、大量生産が可能であり、高い安全性及び高い免疫原性を有するとともに、様々な剤形として製造可能な生病原体模倣ナノ粒子、その用途、その製造方法などを提供することをその目的とする。
本発明の病原菌外壁成分、及びトル様受容体7または8アゴニストを含む生病原体模倣ナノ粒子は、1次的に病原菌の外壁成分基盤の病原体認識を通じて細胞の免疫反応を活性化させ、その後、食胞作用を通じて免疫細胞の内部に伝達された後、生きている病原菌のlive/death信号に関連するトル様受容体7または8アゴニストが作動して信号伝達及び細胞性免疫反応を活性化させる作用を通じて免疫原性を増加させることができ、これを通じて高い免疫原性を有する生病原体模倣ナノ粒子を提供しうる(図1)。
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記の記載から本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者が明確に理解できるだろう。
本発明は、トル様受容体7または8アゴニスト、及び病原菌の外壁成分(pathogen cell wall skeleton)基盤のナノ分散体を有効成分として含む生病原体模倣ナノ粒子を提供する。前記トル様受容体7または8アゴニストは、活性化部位に脂質が結合して非活性化状態であることが好ましい。前記脂質は、好ましくは、脂肪酸(Fatty acids)系、ステロイド(Steroids)系、グリセリド(Glycerides)系、リン脂質(Phospholipids)系、コレステロール(Cholesterol)系、脂溶性ビタミン(Fat-soluble vitamin)などであるが、前記脂質は、トル様受容体7または8アゴニストの活性化部位に結合して不活性化状態にするとともに、トル様受容体7または8アゴニストが体内で血管に吸収されないようにする用途であるため、知られている脂質の種類であれば、制限がない。
また、前記病原菌外壁成分基盤のナノ分散体は、脂質及び膜タンパク質が除去された病原菌外壁成分が水溶液に分散している形態を意味し、前記水溶液(aqueous solution)は、溶媒を水として製造されたすべての溶液を総称し、好ましくは、緩衝溶液(buffer)、カチオン性緩衝溶液などであるが、溶媒が水であれば、制限がない。
本発明において、前記病原菌外壁成分は、種(species)と菌株(strain)によって異なり得、病原菌を物理的に破砕した後、ヌクレアーゼ(nuclease)、プロテイズ(protease)及び有機溶剤洗浄などを含む精製過程(purification process)を経て得られた不溶性残渣(insoluble residues)を総称し、一般に生体高分子(biopolymer)物質から構成されており、一例として、長鎖脂肪酸(long-chain fatty acid)、糖鎖(sugar chain)、ペプチドグリカン(peptide glycan)などを含んでもよい。しかし、一般に病原菌の外壁成分に含まれる要素であれば、これに制限されるものではない。
本発明の他の具体例において、本発明の病原菌外壁成分は、凍結乾燥されて水溶液に容易に分散されることを特徴とする。
本発明のさらに他の具体例において、前記病原菌は、疾患を誘発する微生物を総称し、好ましくは、病原性細菌(pathogenic bacteria)、ウイルス(virus)、菌類(fungi)などであり、より好ましくは、BCG(bacille Calmette-Guerin)菌株、マイコバクテリウム属細菌、ノカルディア属細菌、コリネバクテリウム属細菌、ロドコッカス属細菌、ゴルドナ属細菌、コロナウイルスなどであるが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記トル様受容体7または8アゴニストと脂質の結合は分離可能な(cleavable)形態であり、前記分離可能な形態の結合は、好ましくは、カルバメート(carbamate)、ジスルフィド(disulfide)、エステル(ester)、ペプチド(peptide)、アザイド(azide)、アミド(amide)、ヒドラゾン(hydrazone)、チオイサー(thioether)、ホスホジエステル(phosphodiester)、チオケタール(thioketal)、その組み合わせなどの方式で結合されるものであるが、腫瘍微小環境、または細胞内のエンドソーム及びリソソームの酵素及びpHに反応し、結合部位の化学的結合が切断(cleavage)される形態であるか、温度、redox potential、ROS、ATP、ultrasound、magnetic filed、lightなどの特定の刺激によって切断される形態であれば、これに制限されるものではない。前記トル様受容体7または8アゴニストは、前記切断によって活性化部位が露出されて4日以内に動力学的に機能が回復することを特徴とする。前記酵素は、細胞内に存在する様々な酵素であれば、制限されるものではないが、好ましくは、Acid phosphatase、Acid phyrophosphatase、Phosphodiesterase、Phosphoprotein phosphatase、Phosphatidic acid phosphatase、Arylsulfatase、Proteases、Cathepsins、Collagenase、Arylamidase、Peptidase、Acid ribonuclease、Acid deoxyribonuclease、Lipases、Triglyceride lipase、Phospholipase、Esterase、Carboxyesterase、Clucocerebrosidase、Galactocerebrosidase、Sphingomyelinase、Glycosidases、alpha-Glucosidase、beta-Glucosidase、beta-Galactosidase、alpha-Mannosidase、alpha-ucosidase、beta-Xylosidase、alpha-N-Acetylhexosaminidase、beta-N-Acetylhexosaminidase、Sialidase、Lysozyme、Hyaluronidase、beta-Glucuronidas eなどであってもよい。
本発明のさらに他の具体例において、前記トル様受容体7または8アゴニストは、好ましくは、イミダゾキノリン(imidazoquinoloine)系、ヒドロキシアデニン(hydroxyladenine)系、プテリドン(pteridone)系、アミノピリミジン(aminopyrimidine)系、ベンゾアゼピン(benzoazepine)系、チアオキソグアノシン(thia-oxoguanosine)系、これらの類似体(derivative)などであるが、知られているトル様受容体7または8アゴニストであれば、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記ナノ粒子は、病原菌の外壁成分基盤のナノ分散体が球状のナノ粒子を形成し、前記球状のナノ粒子にトル様受容体7または8アゴニストが結合した形態であってもよく、または結合に関係なく内包されている形態であってもよく、またはナノ粒子の表面に付着している形態であってもよく、またはナノ粒子構造の間に挟まれた形態であってもよく、または静電気的相互作用を通じて結合している形態であってもよいが、本発明のナノ粒子に含まれてもよい形態であれば、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記ナノ粒子は、好ましくは、20~500nmの直径を有し、より好ましくは、50~300nmであってもよい。
本発明のさらに他の具体例において、前記ナノ粒子は、ナノリポソーム、ナノエマルジョン、ナノマイセル、高分子ナノ粒子などの形態であってもよい。
本発明のさらに他の具体例において、前記ナノ粒子は、体液性免疫を活性化させる物質、細胞性免疫を活性化させる物質、免疫誘導剤(immunostimulatory agents)、免疫補助剤(アジュバント、adjuvant)などを細胞外壁成分の他にさらに含んでもよく、これに制限されるものではないが、好ましくは、トル様受容体7または8アゴニスト(agonist)、トル様受容体アゴニスト(toll-like receptor agonist)、サポニン、抗ウイルス性ペプチド、インフラマソームインデューサー(inflammasome inducer)、NODリガンド(NODリガンド)、CDSリガンド(cytosolic DNA sensor ligand)、STING(stimulator of interferon genes)リガンド、抗原、エマルジョン(emulsion)、アルム(Alum)、化学抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤、これらの組み合わせなどをさらに含んでもよい。
また、本発明は、前記ナノ粒子を有効成分として含む、免疫抗原補強剤(adjuvant)組成物を提供する。
また、本発明は、前記免疫抗原補強剤組成物及び抗原を含むワクチン組成物を提供する。
本発明の一実施例において、前記抗原は、好ましくは、タンパク質、組換えタンパク質、糖タンパク質、遺伝子、ペプチド、多糖類、脂質多糖類、ポリヌクレオチド、細胞、細胞溶解物(lysate)、バクテリア、ウイルス、がん抗原などであるが、一般的に知られている抗原であれば、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記ワクチン組成物は、微生物による感染性疾患、結核、がんなどの疾患を予防または治療するのに使用されてもよく、前記がんの予防または治療は、がんの増殖、転移、再発などを抑制するか、または抗がん治療療法に対する耐性を抑制することを特徴とするが、一般的に使用されるがん治療方法の一環であれば、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記がんは、膀胱がん、乳がん、大腸がん、直腸がん、肺がん、結腸がん、甲状腺がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、子宮頸部がん、脳がん、卵巣がん、腎臓がん、肝がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、舌がん、子宮がん、胃がん、骨がん、血液がんなどであってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記ワクチン組成物は、化学抗がん剤または免疫チェックポイント阻害剤をさらに含んでもよい。
また、本発明は、前記ナノ粒子を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む、疾患の予防及び/又は治療方法を提供する。
また、本発明は、前記ナノ粒子を有効成分として含む組成物の疾患の予防及び/又は治療用途を提供する。
また、本発明は、前記ナノ粒子の疾患の予防及び/又は治療に使用される薬剤を生産するための用途を提供する。
本発明の一実施例において、前記疾患は、好ましくは、感染性疾患、結核、がんなどであるが、本発明のナノ粒子を含むことにより、既存のワクチンの免疫原性を著しく向上させることができるため、既存のワクチンを用いて予防または治療できることが知られている疾患であれば、これに制限されるものではない。
また、本発明は、(a)病原菌を破砕する段階、(b)前記破砕物から脂質を除去する段階、(c)前記脂質が除去された破砕物から膜タンパク質を除去する段階、(d)前記膜タンパク質が除去された破砕物を遠心分離して病原菌の外壁成分を分離する段階、(e)前記分離された病原菌の外壁成分を凍結乾燥させて凍結乾燥製剤を製造する段階、(f)前記凍結乾燥製剤、界面活性剤及び正電荷性緩衝溶液を混合する段階、及び(g)前記(f)段階の混合物に脂質(lipid)、脂質結合体(lipid conjugates)、または活性化部位に脂質が結合したトル様受容体7または8アゴニストを添加し、超音波処理してナノ粒子を製造する段階を含む、生病原体模倣ナノ粒子(live pathogen-mimetic nano-molecules)の製造方法を提供する。
本発明の一具体例において、前記(f)段階の凍結乾燥製剤を水溶液に安定して分散させるために使用される界面活性剤としては、代表的にSDS(sodium dodecyl sulfate)、DMAB(didodecyldimethylammonium bromide)、Pluronic F68、Pluronic F127、PVA(polyvinyl alcohol)、Tween-80、Span-85、オレイン酸(Oleic acid)などとこれらの組み合わせを使用してもよいが、一般的に知られている界面活性剤の種類であれば、これに制限されるものではない。
本発明の他の具体例において、前記(f)段階の凍結乾燥製剤を水溶液に安定して分散させるために使用される正電荷性緩衝溶液としては、代表的にL-Lysine(L-Lys)緩衝溶液、L-Arginine(L-Arg)緩衝溶液、L-Histidine(L-His)緩衝溶液、L-Tyrosine(L-Tyr)緩衝溶液、L-Aspartic acid(L-Asp)緩衝溶液、L-Glutamine(L-Glu)緩衝溶液などとこれらの組み合わせを使用してもよいが、一般的に知られている正電荷性緩衝溶液の種類であれば、これに制限されるものではない。
本発明のさらに他の具体例において、前記製造方法は、(g)段階後にトル様受容体7または8アゴニスト(agonist)、トル様受容体アゴニスト(toll-like receptor agonist)、サポニン、抗ウイルス性ペプチド、インフラマソームインデューサー(inflammasome inducer)、NODリガンド(NODリガンド)、CDSリガンド(cytosolic DNA sensor ligand)、STING(stimulator of interferon genes)リガンド、抗原、エマルジョン(emulsion)、アルム(Alum)、化学抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤、これらの組み合わせ及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上をさらに添加し、混合して超音波処理する段階をさらに含んでもよい。
本発明による脂質(lipid)及び膜タンパク質が除去された病原菌の外壁成分(pathogen cell wall skeleton)を有効成分として含む病原菌外壁成分の凍結乾燥製剤、すなわち、病原菌の外壁成分基盤のナノ分散体は、一般に強い脂溶性成分を有する病原菌の外壁成分を水溶液に容易に分散させることにより、これを用いて様々な剤形の生病原体模倣ナノ粒子を製造しうる。また、さらに細胞性免疫を誘導できる様々な物質を容易に含めることにより、病原菌外壁成分を用いて体液性免疫を誘導するだけでなく、細胞性免疫もともに誘導することにより、既存のワクチンの低い免疫原性の限界点を克服しうる。また、細胞そのものを使用しないため、安定性を高めることができ、大量生産が可能である。したがって、本発明の病原菌外壁成分基盤の生病原体模倣ナノ粒子を用いることにより、感染性疾患、結核、がんなどの様々な疾患の予防または治療のためのワクチンとして効果的に使用できると期待される。
本発明の一実施例による病原菌外壁成分基盤のナノ分散体の作用機序を簡略に示す図である。 本発明の一実施例によるBCG-CWSナノ分散体を合成するとき、様々な種類の界面活性剤と正電荷性緩衝溶液を用いたときに安定化された程度を確認した図である。Aは、non-detectionを意味する。 本発明の一実施例によるBCG-CWSナノ分散体の免疫細胞活性化特性をELISAを用いて確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aを透過電子顕微鏡及びDLSを用いて分析した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成成分をそれぞれマウスの免疫細胞に処理したときに分泌されるサイトカインをELISAを用いて確認した結果を示す図である。NDは、non-detectionを意味する。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれマウスに投与した後、時間による血液内のAST及びALT変化量をELISAを用いて確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれ抗原と混合してマウスに投与した後、抗体価の変化をELISAを用いて確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれ抗原と混合してマウスに投与した後、脾臓において細胞性免疫の活性化の程度をフローサイトメトリー及びELISAを用いて確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれ抗原と混合してマウスに投与した後、血液内の抗原特異的T細胞の活性化の程度をフローサイトメトリーを用いて確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれコロナウイルス(SARS-CoV-2)組換えタンパク質と混合してマウスに投与した後、血液内の抗体価は、ELISAで、脾臓において細胞性免疫活性化の程度は、フローサイトメトリー及びELISAを用いて確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれがん細胞の抗原と混合してがん細胞が移植されたマウスに投与した後、がんの成長が抑制される程度及び生存率を確認した結果を示す図である。 本発明の一実施例によるCWS-T7/8aまたはその構成物質をそれぞれがん細胞の抗原と混合してがんの発生が誘導されたマウスに投与した後、がんの成長が抑制される程度及び生存率を確認した結果を示す図である。
本発明の脂質及び膜タンパク質が除去された病原菌の外壁成分を有効成分として含む病原菌外壁成分の凍結乾燥製剤は、強い脂溶性を有する病原菌の外壁成分を水溶液に容易に分散させることにより、様々な剤形として製造できるだけでなく、細胞性免疫を誘導できる物質、免疫活性化物質、化学抗がん剤など多様な物質を容易に含めて、ナノリポソーム、ナノマイセル、固体ナノ粒子、ナノエマルジョンなどのナノ粒子を製造しうる。したがって、本発明の脂質及び膜タンパク質が除去された病原菌の外壁成分を有効成分として含む病原菌外壁成分の凍結乾燥製剤を用いることにより、様々な形態の生病原体模倣ナノ粒子を容易に製造することができ、これを用いることにより、感染性疾患、結核、がんなどの様々な疾患の予防または治療のためのワクチンとして効果的に使用できると期待される。
本明細書において、「トル様受容体7または8アゴニスト物質(Toll-like receptor 7/8 agonist-based materials)」とは、トル様受容体7または8アゴニストとして、イミダゾキノリン(imidazoquinoloine)系、ヒドロキシアデニン(8-hydroxyladenine)系、プテリドン(pteridone)系、アミノピリミジン(2-aminopyrimidine)系、ベンゾアゼピン(benzoazepine)系、チアオキソグアノシン(7-thia-8-oxoguanosine)系からなる群から選ばれてもよく、前記イミダゾキノリン系の化合物は、WO 2018 196823、WO 2011 049677、WO 2011 027022、WO 2017 102652、WO 2019 040491などで言及されたタイプの化合物又は制薬上許容可能な塩を含み、これに限定されるものではない。前記ヒドロキシアデニン系の化合物は、WO 2012 080730、WO 2013 068438、WO 2019 036023、WO 2019 035969、WO 2019 035970、WO 2019 035971、WO 2019 035968、CN 108948016、US 2014 8846697、WO 2016 023511、WO 2017 133683、WO 2017 133686、WO 2017 133684、WO 2017 133687、WO 2017 076346、WO 2018 210298、WO 2018 095426、WO 2018 068593、WO 2018 078149、WO 2018 041763などで言及されたタイプの化合物又は制薬上許容可能な塩を含み、これに限定されるものではない。前記プテリドン系の化合物は、US 2010 0143301、WO 2016 007765、WO 2016 044182、WO 2017 035230、WO 2017 219931、WO 2011 057148、CN 1087 94486などで言及されたタイプの化合物又は制薬上許容可能な塩を含み、これに限定されるものではない。前記アミノピリミジン系化合物は、WO 2010 133885、WO 2012066335、WO 2012 066336、WO 2012 067268、WO 2013 172479、WO 2012 136834、WO 2014 053516、WO 2014 053595、US 2018 0215720、WO 2012 156498、WO 2014 076221、WO 2016 141092、WO 2018 045144、WO 2015 014815、WO 2018 233648、WO 2014 207082、WO 2014 056593、WO 2018 002319、WO 2013 117615などで言及されたタイプの化合物又は制薬上許容可能な塩を含み、これに限定されるものではない。前記ベンゾアゼピン系化合物は、WO 2007 024612、WO 2010 014913、WO 2010 054215、WO 2011 022508、WO 2011 022509、WO 2012 097177、WO 2012 097173、WO 2016 096778、WO 2016 142250、WO 2017 202704、WO 2017 202703、WO 2017 216054、WO 2017 046112、WO 2017 197624などで言及されたタイプの化合物又は制薬上許容可能な塩を含み、これに限定されるものではない。前記チアオキソグアノシン系化合物は、WO 2016 180691、WO 2016 055553、WO 2016 180743、WO 2016 091698などで言及されたタイプの化合物又は制薬上許容可能な塩を含み、これに限定されるものではない。その他にも、PCT/US2009/035563、PCT/US2015/028264、PCT/US2016/020499、WO 2015 023598、PCT/US2015/039776などで言及されたトル様受容体7または8化合物または制薬上許容可能な塩を含んでもよく、これに限定されず、当業界に従事する者が容易に推測して使用できる、例えば、イミキモド(Imiquimod)、レシキモド(Resiquimod)、ドクトリシップ(Dactolisib)、ガーディキモド(Gardiquimod)、スマニロール(Sumanirole)、モトリモド(Motolimod)、ベサトリモド(vesatolimod)、ロキソリビン(loxoribine)、SM360320、CL264、3M-003、IMDQ、Compound 54などのトル様受容体7または8アゴニストの場合をすべて含む。
本明細書において、活性化部位に脂質が結合(conjugation)された多様なトル様受容体7または8アゴニストは、国内公開特許である10-2020-0097656の方法により製造されてもよく、より詳しくは、コレステロールなどのリピド成分がトル様受容体7または8アゴニストの活性化部位であるアミン基(NH)部位とカルバメート(carbamate)、ジスルフィド(disulfide)、エステル(ester)、ペプチド(peptide)、アザイド(azide)、アミド(amide)、ヒドラゾン(hydrazone)、チオイサー(thioether)、ホスホジエステル(phosphodiester)、チオケタール(thioketal)、及びその組み合わせからなる群から選ばれたいずれか1つ以上であることを特徴とする結合を通じて製造されてもよい。その代表的な例としてカルバメート結合(反応式1)とジスルフィド結合(反応式2)を示す。
[反応式1]
Figure 2023516372000002
前記Rは、aliphaticまたはaromaticグループを含む分枝であり、-NH-、-CO-、-CONH-、-CSNH-、-COO-、-CSO-、-SONH-、-SO-、-SO-、-O-などを含んでもよい。
[反応式2]
Figure 2023516372000003
前記Rは、aliphaticまたはaromaticグループを含む分枝であり、-NH-、-CO-、-CONH-、-CSNH-、-COO-、-CSO-、-SONH-、-SO-、-SO-、-O-などを含んでもよい。
本明細書において、「トル様受容体7または8アゴニスト物質(Toll-like receptor 7/8 agonist-based materials)」とは、トル様受容体7または8アゴニストとして、single stranded ribonucleic acids(ssRNAs)、guanosine(G)-rich、uridine(U)-rich及びadenosine(A)-richオリゴヌクレオタイド、small-interferingRNA(siRNA)、microRNA(miRNA)などのナチュラルリガンド(natural ligands)などを含む。
本明細書において、「トル様受容体アゴニスト(toll-like receptor agonist)」とは、TLR-1を介して信号伝達反応を引き起こすことができるものであってもよく、一例として、トリ-アシル化された脂質ペプチド(LP)、フェノール-可溶性モジュリン(modulin)、マイコバクテリウム チュバキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)脂質ペプチド、S-(2、3-ビス(パルミトイルオキシ)-(2-RS)-プロピル)-N-パルミトイル-(R)-Cys-(S)-Ser-(S)-Lys(4)-OH、ボレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorfei)由来の脂質ペプチド、OspA脂質ペプチドのアセチル化されたアミノ末端を模倣するトリヒドロクロリド(Pam3Cys)脂質ペプチド、これらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上の物質であってもよい。または、Pam3Cys-LipなどのTLR-2アゴニストであってもよく、Poly(I:C)、Poly(ICLC)、Poly(IC12U)、ampligenなどのTLR-3アゴニストであってもよい。または、シゲラ フレキシネル(Sigella flexineri)外膜タンパク質製造物、AGP、CRX-527、MPLA、PHAD、3D-PHAD、GLAなどのようなTLR-4アゴニストであってもよく、またはフラジェリン(flagellin)、フラジェリン断片などのようなTLR-5アゴニストであってもよい。または、免疫刺激性オリヌクレオチドなどのようなTLR-9アゴニストであってもよいが、これに限定されず、当業界に従事する者が容易に推測して使用できるトル様受容体アゴニストであれば、すべて含んでもよい。
本明細書において、「サポニン(saponin)」とは、様々な植物種に存在する両親媒性配糖体(amphipathic glycoside)であり、一例としてQS21、Quil A、QS7、QS17、β-エスキン、ジギトニン、これらの組み合わせなどであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「抗ウイルス性ペプチド」とは、ウイルスの増殖を抑制できるペプチドであり、一例としてKLKなどであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「インフラマソームインデューサー」とは、TDB(trehalose-6、6-dibehenate)、NLRC4、Nalp3などであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「NODリガンド」とは、M-TriLYS(NOD2アゴニスト-合成ムラミルトリペプチド)、NOD2アゴニスト(N-glycolylated muramyldipeptid)、mDAP、MDPなどであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「CDSリガンド」とは、Poly(dA:dT)などであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「STINGリガンド」とは、cGAMP、di-AMP、di-GMPなどであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「脂質(lipid)」とは、脂肪酸(Fatty acids)系、ステロイド(Steroids)系、グリセリド(Glycerides)系、リン脂質(Phospholipids)系、コレステロール(Cholesterol)系、脂溶性ビタミン(Fat-soluble vitamin)系などであってもよいが、これに制限されるものではない。また、「脂質結合体」とは、前記脂質と結合しているすべての化合物を総称する。
また、前記さらに含んでもよい物質は、それぞれの複合免疫調節化物質であってもよく、一例として、CL401(TLR-2及びTLR-7のアゴニスト)、CL429(TLR-2及びNOD2アゴニスト)などであってもよいが、これに制限されるものではない。
本明細書において、化学抗がん剤とは、当業者に知られているがん治療に使用されている化合物であれば制限されず、その一例として、Paclitaxel、Docetaxel、5-Flurouracil、Alendronate、Doxorubicin、Simvastatin、Hydrazinocurcumin、Amphotericin B、Ciprofloxacin、Rifabutin、Rifampicin、Efavirenz、Cisplatin、Theophyline、Pseudomonas exotoxin A、Zoledronic acid、Trabectedin、Siltuximab、Dasatinib、Sunitinib、Apatinib、5,6-Dimethylxanthenone-4-acetic acid、Silibinin、PF-04136309、Trabectedin、Carlumab、BLZ945、PLX3397、Emactuzumab、AMG-820、IMC-CS4、GW3580、PLX6134、N-acetyl-l-cystein、Vitamin C、bortezomib、aspirin、salicylates、Indolecarboxamide derivatives、quinazoline analogues、Thalidomide、prostaglandin metabolites、2ME2、17-AAG、Camptothecin、Topotecan、Pleurotin、1-methylpropyl、2-imidazolyl dissulphide、Tadalafil、Sildenafil、L-AME、Nitroaspirin、Celecoxib、NOHA、Bardoxolone methyl、D,L-1-methyl-tryptophan、Gemcitabine、Axitinib、Sorafenib、Cucurbitacin B、JSI-124、Anti IL-17antibodies、Anti-glycan antibodies、Anti-VEGF antibodies、Bevacizumab、Antracycline、Tasquinimod、Imatinib、cyclophosphamideなどであるが、これに限定されるものではない。
明細書において、「免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitor)」とは、人体が持っている免疫細胞の免疫機能を活性化させてがん細胞と戦わせるがん治療方法を総称し、その一例として、anti-PD-1、anti-PD-L1、anti-CTLA-4、anti-KIR、anti-LAG3、anti-CD137、anti-OX40、anti-CD276、anti-CD27、anti-GITR、anti-TIM3、anti-41BB、anti-CD226、anti-CD40、anti-CD70、anti-ICOS、anti-CD40L、anti-BTLA、anti-TCR、anti-TIGITなどがあるが、これに制限されるものではない。
本明細書において、前記「抗原(antigen)」とは、体内で免疫反応を引き起こすすべての物質の総称であり、好ましくは、病原菌(バクテリア、ウイルスなど)、化合物質、花粉、がん細胞、エビなど、またはこれらの一部のペプチドあるいはタンパク質であり、より好ましくは、がん抗原ペプチドであるが、体内で免疫反応を引き起こすことができる物質であれば、これに制限されるものではない。前記抗原は、好ましくは、タンパク質、組換えタンパク質、糖タンパク質、遺伝子、ペプチド、多糖類、脂質多糖類、ポリヌクレオチド、細胞、細胞溶解物(lysate)、バクテリア、ウイルスなどであってもよいが、より好ましくは、がん抗原ペプチドであってもよい。前記タンパク質は、抗体、抗体の断片、構造タンパク質、調節タンパク質、転写因子、毒素タンパク質、ホルモン、ホルモン類似体、酵素、酵素の断片、輸送タンパク質、受容体(receptor)、受容体の断片、生体防御誘導物質、貯蔵タンパク質、移動タンパク質(movement protein)、エクスプロイティブタンパク質(exploitive protein)、レポータータンパク質などであってもよい。しかし、生体で抗原として作用して免疫応答を誘導できる物質であれば、これに制限されるものではない。
本明細書において、「ワクチン(vaccine)」とは、生体に免疫反応を引き起こす抗原を含有する生物学的製剤であって、がん、結核、感染症などの疾患の予防または治療のためにヒトや動物に注射又は経口投与することにより、生体に免疫を生じさせる免疫原をいう。前記動物は、ヒトまたは非ヒト動物であって、前記非ヒト動物はブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ヤギ、ヒツジなどを指すが、これに制限されるものではない。
本明細書において、「予防(prevention)」とは、本発明による組成物の投与によって感染性疾患、結核、がんなどの疾患を抑制させるか、または発症を遅延させるすべての行為を意味する。
本明細書において、「治療(treatment)」とは、本発明による組成物の投与によって感染性疾患、結核、がんなどの症状が好転するか、または有利に変更されるすべての行為を意味する。
本明細書において、「個体(individual)」とは、本発明の組成物を投与できる対象をいい、その対象には制限がない。
本明細書において、「がん(cancer)」とは、浸潤によって局部的に、そして、転移を通じて体系的に拡張できる各種の血液がん、悪性固形腫瘍などを総称する。特にこれに制限されるものではないが、がんの具体例としては、大腸がん、副腎がん、骨がん、脳がん、乳がん、気管支がん、結腸がん及び/又は直腸がん、胆嚢がん、胃腸管がん、頭部及び首のがん、腎がん、喉頭がん、肝がん、肺がん、神経組織がん、膵臓がん、前立腺がん、副甲状腺がん、皮膚がん、胃がん、甲状腺がんなどが含まれる。がんの他の例としては、腺がん、腺腫、基底細胞がん、子宮頸部異型性症及び上皮内がん、Ewing肉腫、扁平上皮がん腫、液腺細胞がん、悪性脳腫瘍、母細胞がん、腸の神経節神経腫、過多形成角膜神経がん、島細胞がん、Kaposiがん、平滑筋腫、白血病、リンパ腫、悪性がん様腫、悪性黒色腫、悪性高カルシウム血症、Marpanoidhabitusがん、髄様がん、転移性皮膚がん、粘膜神経腫、骨髄異形成症候群、骨髄腫、菌状息肉症、神経芽細胞腫、骨肉腫、骨原性及びその他の肉腫、卵巣がん、クロム親和性細胞腫、真性赤血球増加症、原発性脳腫瘍、小細胞性肺がん、潰瘍性及び乳頭状扁平上皮がん、静嚢皮腫、軟部組織肉腫、網膜芽腫、横紋筋芽細胞腫、腎細胞腫瘍または腎細胞がん、網状細胞性肉腫、及びウイルムス腫瘍が含まれる。また、星状細胞腫、胃腸基底腫瘍(gastrointestinal stromal tumor、GIST)、神経膠腫または神経膠芽腫、腎細胞がん(renal cell carcinoma、RCC)、肝細胞がん(Hepatocellular carcinoma、HCC)、膵臓神経内分泌がんなどが含まれる。
本明細書において、「ワクチン組成物(vaccine composition)」とは、カプセル、錠剤、顆粒、注射剤、軟膏剤、粉末または飲料の形態であることを特徴とすることができ、前記ワクチン組成物は、ヒトを対象とすることを特徴とすることができる。前記ワクチン組成物は、これらに限定されるものではないが、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、カプセル、錠剤、水性懸濁液などの経口型剤形、外用剤、坐剤及び滅菌注射用溶液の形態で剤形化して使用されてもよい。本発明のワクチン組成物は、薬剤学的に許容可能な担体を含んでもよい。薬剤学的に許容される担体は、経口投与時には結合剤、滑濁剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを使用してもよく、注射剤の場合には緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤などを混合して使用してもよく、局所投与用の場合には、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを使用してもよい。本発明のワクチン組成物の剤形は、上述のような薬剤学的に許容される担体と混合して様々に製造されてもよい。例えば、経口投与時には錠剤、トローチ、カプセル、エリキシール(elixir)、サスペンション、シロップ、ウエハなどの形態で製造してもよく、注射剤の場合には単位投与アンプルまたは複数回投与形態で製造してもよい。その他に、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、徐放性製剤などとして剤形化してもよい。
一方、製剤化に適した担体、賦形剤及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギン酸、ゼラチン、カルシウムフォスフェイト、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレートまたは鉱物油などが使用されてもよい。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などをさらに含んでもよい。
本発明によるワクチン組成物の投与経路は、これらに限定されるものではないが、口腔、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下や直腸が含まれる。経口または非経口投与が好ましい。本願で使用される用語の「非経口」とは、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、硬膜内、病巣内及び頭蓋骨内注射または注入技術を含む。本発明のワクチン組成物は、さらに直腸投与のための坐剤の形態で投与されてもよい。
本発明のワクチン組成物は、使用された特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、正式、投与時間、投与経路、排出率、薬物配合及び予防または治療される特定の疾患の重症を含むいくつかの要因に応じて多様に変化することができ、前記ワクチン組成物の投与量は、患者の状態、体重、疾患の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者によって適切に選ばれてもよく、1日0.0001~500mg/kgまたは0.001~500mg/kgで投与してもよい。投与は1日に1回投与してもよく、数回に分けて投与してもよい。前記投与量はいかなる面でも本発明の範囲を限定するものではない。本発明によるワクチン組成物は、丸剤、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤として剤形化されてもよい。
また、本発明によるワクチン組成物は、さらにこれまでに知られている「アジュバント(adjuvant)」をさらに含んでもよい。前記アジュバントは、一般に抗原に対する体液及び/又は細胞免疫反応を増加させる任意の物質の総称であり、当技術分野で知られているものであれば、いずれも制限なく使用してもよいが、例えば、フロイント(Freund)の完全補助剤または不完全補助剤をさらに含むことにより、その免疫性を増加させることができる。また、前記ワクチン組成物の場合には、必要に応じて初期用量に続いて任意に繰り返された抗原刺激を行うことができる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものであり、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
実施例1:病原菌外壁成分基盤のナノ分散体の製造
病原菌の外壁成分(cell wall skeleton;CWS)基盤のナノ分散体を製造できるかを確認するため、1次的にBCG(bacille Calmette-Guerin)菌株(中央ワクチン)を用いてナノ分散体を製造した。より詳しくは、リン酸塩緩衝溶液(phosphate buffered saline;PBS)に菌株を分散させた後、超音波分散機(Sonics&Materials)を用いて菌体を破砕した。次に、1000xgで3分間遠心分離して破砕した菌体を得た後、破砕した菌体に1%TritonX-100溶液を添加し、90℃で超音波分散機(Emerson)を用いて2時間超音波を加えて湯煎して脂質を分離した。次に、10,000xgで遠心分離して上澄み液を除去し、ペレット(pellet)には1%SDSを添加し、再び90℃で超音波分散機(Emerson)を用いて2時間超音波を加えて湯煎して膜タンパク質を分離した。その後、10,000xgで遠心分離して上澄み液を除去し、脂質及び膜タンパク質成分が除去されたBCG-外壁成分(BCG-CWS)を得た。得られたBCG-CWSをエタノールを用いて再分散させた後、液体窒素を用いて急速冷凍した。次に、冷凍した菌体を凍結乾燥機を用いてエタノールは除去し、粉末状で製造した。次に、粉末状で製造されたBCG-CWSを1mg/mLの濃度となるように40mMのL-(+)-Lysine溶液に添加し、超音波分散機を用いて60℃で24時間分散させてBCG-CWSナノ分散体を製造した。本発明の病原菌外壁成分基盤のナノ分散体の作用機序は、図1に簡略に示した。
一般にBCGの外壁成分は、強い疎水性性質を有しており、有機相でのみ分散される特徴を有するため、本発明の方法で製造されたBCG-CWSは、多様な界面活性剤と正電荷性緩衝溶液(buffer)に容易に分散されるかを確認するため、SDS(sodium dodecyl sulfate)、Tween、Pluronic F、PVA(polyvinyl alcohol)、Span、オレイン酸(Oleic acid)などの界面活性剤と様々な種類の正電荷性緩衝溶液にBCG-CWSナノ分散体をそれぞれ添加し、PDI(Polydispersity Index)を測定した。その結果は、図2に示した。
図2に示すように、BCG-CWSナノ分散体は、様々な界面活性剤と正電荷性緩衝溶液に容易に分散して安定性を示すことを確認した。前記結果を通じて、本発明の方法を用いると、容易に水溶液に分散される様々な病原性外壁成分基盤のナノ分散体を製造できることが確認できた。
実施例2:病原菌外壁成分基盤のナノ分散体の免疫細胞活性化特性の確認
実施例1と同じ方法で製造したBCG-CWSナノ分散体が免疫細胞活性化特性を有するかを確認するため、骨髄由来樹状細胞(bone marrow-derived dendritic cells;BMDC)にBCG-CWSナノ分散体を、1、5、10、25、及び50μg/mLの濃度でそれぞれ処理した。次に、7日間培養し、炎症性反応の代表的な指標であるTNF-α(tumor necrosis factor-α)とIL-6(interleukin-6)の分泌量をELISAキットを用いて確認した。陽性対照群としては、炎症反応を誘導することが知られているLPS(lipopolysaccharide)を処理して比較した。その結果は、図3に示した。
図3に示すように、BCG-CWSナノ分散体を処理した骨髄由来樹状細胞でTNF-αとIL-6の分泌量が増加したことを確認し、これを通じて、本発明の方法で製造された病原菌外壁成分基盤のナノ分散体が免疫細胞を効果的に活性化させることを確認した。また、本発明の方法で製造された病原菌外壁成分基盤のナノ分散体を生病原体模倣ナノ粒子として使用できることが確認できた。
実施例3:病原菌外壁成分基盤のナノ分散体を用いた生病原体模倣ナノ粒子の製造
3.1.トル様受容体7または8アゴニストとコレステロール複合体の合成
50g(0.5 molar equivalent、AmBeed.USA)のBis(2,5-dioxopyrrolidin-1-yl)(disulfanediylbis(ethane-2,1-diyl))dicarbonate)と1LのDCM(dichloromethane、ジクロロメタン、SIGMA)を常温で反応器(reactor)に添加して混合した。混合した溶液にコレステロール(Cholesterol)49g(0.55molar equivalent、AVANTI Polar lipid)とTEA(Trietylamine、トリエチルアミン、SIGMA)23g(1.0molar equivalent)を添加し、再び常温で3時間攪拌した後、1.5Lの蒸留水を添加した。500mLのDCMを用いて混合が完了した溶液から水溶性層(aqueous layer)を抽出した。高い純度を得るために前記抽出工程を3回繰り返した。次に、抽出が完了した溶液中に含まれている有機層(organic layer)は、1Lのbrine(高濃度の塩水)を用いて除去した後、100gのanhydrous NaSO(Sodium sulfate、無水硫酸ナトリウム、SIGMA)を用いて減圧乾燥した。乾燥が完了した物質は、300gのシリカゲル(silica gel)が充填されたカラムクロマトグラフィー(Column chromatography)に入れ、5~20%のEtOAcを添加したn-ヘキサン溶液を用いて抽出し、コレステロール化合物を準備した。その後、トル様受容体7または8アゴニスト(Toll-like receptor7/8agonist;TLR7/8agonist)とコレステロールを結合させるため、トル様受容体7または8アゴニストのうち1つであるレシキモド(Resiquimod)7.0gとDCM6.5g、コレステロール化合物0.6g、及びTEA0.3gを常温で反応器に添加し、10時間以上撹拌した。その後、全溶液の体積の20倍になるように蒸留水を添加した後、3.3gのDCMを用いて水溶性層を5回以上繰り返して抽出した。次に、抽出が完了した溶液に含まれている有機層は、1Lのbrineを用いて除去した後、7gのanhydrousNaSOを用いて減圧して乾燥した。乾燥した物質は、100gのシリカゲルが充填されたカラムクロマトグラフィーに添加し、10~50%のEtOAcが添加されたn-ヘキサン溶液を用いて抽出し、トル様受容体7または8アゴニストとコレステロールの結合体を合成し、これをT7/8aと命名した。
3.2.BCG-CWSナノ分散体及びトル様受容体7または8アゴニストを含む生病原体模倣ナノ粒子の製造
BCG-CWSナノ分散体及びトル様受容体7または8アゴニストを用いて生病原体模倣ナノ粒子(live pathogen-mimetic nano-molecules)を製造するため、実施例1と同じ方法で製造されたBCG-CWSナノ分散体とT7/8aを1:1比率(w:w)でクロロホルム溶液に添加して溶解させ、前記溶液を丸底フラスコに移して入れた後、回転蒸発濃縮機を用いてフィルム状になるように有機溶媒を完全に蒸発させた。次に、前記フラスコに最終濃度が1%になるようにSpan-85が添加された40mMのL-(+)-Lysine溶液をBCG-CWSナノ分散体が1mg/mLの濃度になるように添加した後、60℃で300rpmで1時間撹拌して完全に分散させた。次に、1時間安定化して、BCG-CWSナノ分散体及びトル様受容体7または8アゴニストを含む生病原体模倣ナノ粒子を製造し、CWS-T7/8aと命名した。
3.3.生病原体模倣ナノ粒子の特性の確認
DLS(dynamic light scattering)と電子顕微鏡を用いて実施例3.2と同じ方法で製造された生病原体模倣ナノ粒子の特性を確認した。その結果は、図4に示した。
図4に示すように、生病原体模倣ナノ粒子は、約120nmの平均直径を有し、負電荷を帯びていることを確認した。
3.4.生病原体模倣ナノ粒子の免疫応答活性化効果の確認
実施例3.2と同じ方法で製造された生病原体模倣ナノ粒子が免疫応答を活性化させるかを確認するため、骨髄由来樹状細胞と骨髄由来マクロファージ(Bone marrow-derived macrophage、BMDM)にCWSナノ分散体(CWS-SLM)、T7/8a、及び生病原体模倣ナノ粒子(CWS-T7/8a)をそれぞれ異なる濃度に希釈して処理した。次に、7日間培養し、炎症性反応の代表的な指標であるTNF-α、IL-6、及びIL-12の分泌量をELISAキットを用いて確認した。その後、すべての実験は少なくとも3回以上繰り返し、結果は平均値±標準偏差で示した。統計的有意性は、Student’s t-testで確認し、*はP<0.05、**はP<0.01、***はP<0.001、****はP<0.0001を表す。P<0.05であれば、統計的に有意性があると判断した。その結果は、図5に示した。
図5に示すように、免疫細胞において炎症性免疫反応に関与するサイトカインであるTNF-αとIL-6の分泌が大きく増加しただけでなく、細胞性免疫反応の重要指標であるIL-12(p70)の分泌も増加したことを確認した。前記結果を通じて、本発明の生病原体模倣ナノ粒子は、1次的に病原菌の外壁成分基盤の病原菌認識を介した細胞性免疫反応を活性化させ、その後、2次的に食胞作用を通じて免疫細胞内部に伝達され、伝達された生病原体模倣ナノ粒子のlive/death信号に関連するトル様受容体7または8アゴニストがエンドリソソーム(endo-lysosome)内でコレステロールと分離されて信号伝達及び細胞性免疫反応を活性化させる作用を通じて免疫細胞において炎症性免疫反応に関与するサイトカインが分泌されることが確認できた(図1)。
3.5.生病原体模倣ナノ粒子の毒性評価
生病原体模倣ナノ粒子の毒性を評価するため、生病原体模倣ナノ粒子、CWS-ナノ分散体、レスキモド(R848)(free drug)、及びCWS-ナノ分散体とレスキモド(R848)(free drug)をそれぞれレスキモドの濃度が25μgとなるように50μLのリン酸塩緩衝溶液(phosphate buffered saline、PBS)に添加した後、C57BL/6マウスの右脇に皮下注射した。次に、時間間隔によってマウスから血液を抽出し、12,000rpmで遠心分離して血漿を分離した。次に、ELISAを用いて分離した血漿内に含まれているAST(aspartate transaminase)とALT(alanine transaminase)の濃度を測定した。その結果は、図6に示した。
図6に示すように、free drugとしてレスキモドを処理した実験群では、初期に肝毒性の指標であるASTとALTが増加するが、CWS-ナノ分散体と生病原体模倣ナノ粒子の場合にはAST及びALTの濃度がほとんど変化しないことを確認した。
前記結果を通じて、本発明の生病原体模倣ナノ粒子は、体内でほとんど毒性を示さず、免疫細胞において炎症性免疫反応を効果的に誘導するだけでなく、細胞性免疫反応も増加させることが確認でき、これを通じて効果的な免疫活性化剤として使用可能であることが確認できた。
実施例4:生病原体模倣ナノ粒子を用いたワクチンの製造及び応用
4.1.生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンの製造
実施例3と同じ方法で製造された生病原体模倣ナノ粒子をワクチンとして用いるため、抗原タンパク質であるOvalbumin(OVA)0.2mg/mLを生病原体模倣ナノ粒子と1:1体積比で混合した後、攪拌機を通じて4℃で300rpmの速度で30分間撹拌し、生病原体模倣ナノ粒子と抗原が相互作用できるようにした。対照群としては、CWS-ナノ分散体、レスキモド、及びコレステロール-レスキモド結合体を含むリポソーム(T7/8a liposome)をそれぞれ単独でまたは混合して抗原タンパク質と反応させて準備した。
4.2.生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンの抗体生成効能の確認
実施例4.1と同じ方法で製造されたワクチンの抗原性及び効能を確認するため、C57BL/6マウスにワクチンを2週間の間隔で100μLずつ2回注射した。次に、最後に注射してから1週間後にマウスから血液と脾臓(spleen)を抽出した。次に、抽出した血液を12,000rpmで遠心分離して血漿を分離し、抗体価(IgGtiter)を測定した。その結果は、図7に示した。
図7に示すように、本発明の生病原体模倣ナノ粒子を活用して製造されたワクチンが抗原単独、または他の対照群と比較して、すべての指標において高い抗体価を示すことを確認した。
4.3.生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンのT細胞活性化効能の確認
生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンのT細胞活性化効能を確認するため、実施例4.2と同じ方法で抽出した脾臓から脾臓細胞(splenocyte)を抽出して1×10cellsとなるように6-well plate(Corning)にシーディングして培養した。次に、培養した脾臓細胞にOVA40μgを添加し、2日間培養した。次に、細胞培養液の上澄み液を得て、ELISAを用いてIFNγの濃度を測定し、フローサイトメトリー(FACS)を用いてCD4T細胞とCD8T細胞を測定した。その結果は、図8に示した。
図8に示すように、本発明の生病原体模倣ナノ粒子を活用して製造されたワクチンが抗原単独、または他の対照群と比較してIFNγ分泌量及びCD4T細胞とCD8T細胞の比率がすべて最も高いことを確認した。
4.4.生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンの抗原特異的T細胞生成効能の確認
抗原特異的T細胞の生成効能を確認するため、実施例4.2と同じ方法で抽出した血液からPercollを用いてPBMC(Peripheral Blood Monocytic Cell)を分離した。次に、OVAの作用部位として知られているSIINFEKLEと反応する蛍光抗体(Fluorescence antibody)をPBMCに処理し、フローサイトメトリーを用いて確認した。その結果は、図9に示した。
図9に示すように、本発明の生病原体模倣ナノ粒子を活用して製造されたワクチンが抗原単独、または他の対照群と比較して血液内の抗原特異的T細胞の割合が著しく高いことを確認した。
4.5.生病原体模倣ナノ粒子を活用したコロナワクチンの製造及び効能の確認
生病原体模倣ナノ粒子を活用したコロナワクチンを製造するため、SARS-CoV-2の組換えS1タンパク質(Arigo)を生病原体模倣ナノ粒子と1:1体積比で混合した後、攪拌機を通じて4℃で300rpmの速度で30分間攪拌し、生病原体模倣ナノ粒子と抗原が相互作用できるようにしてワクチンを製造した。次に、製造されたワクチンをC57BL/6マウスに2週間の間隔で100μLずつ2回注射した。最後に注射してから1週間後、マウスから血液及び脾臓を抽出し、実施例4.2及び実施例4.3と同じ方法でワクチンの効能を確認した。その結果は、図10に示した。
図10に示すように、抗原を単独で投与した対照群と比較して、すべての指標において高い抗体価を示すことを確認した。また、抗原を単独で投与した対照群では、PBSと類似したIFNγ分泌量及びCD4T細胞とCD8T細胞の割合を示すのに対して、生病原体模倣ナノ粒子を活用したコロナワクチンの場合には、IFNγ分泌量及びCD4T細胞とCD8T細胞の割合がすべて増加したことを確認した。
前記結果を通じて、本発明の生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンは、抗原のみを用いたワクチンと比較して、免疫細胞であるT細胞の割合及び抗体価を著しく増加させることができ、これを通じて本発明の生病原体模倣ナノ粒子を様々な既存ワクチンに活用し、ワクチンの効能を著しく高めることができることが確認できた。
実施例5:生病原体模倣ナノ粒子を活用した抗がん免疫治療効果の確認
生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンのがん予防効能を確認するため、実施例4.1と同じ方法で製造されたワクチンをC57BL/6マウスに1週間の間隔で100μLずつ2回注射した。次に、1週間後に5×10CellsのB16-OVAがん細胞をC57/BL6マウスに皮下注射してがんを誘発させ、がんの成長及び生存率を確認した。その結果は、図11に示した。
図11に示すように、ワクチンを接種した実験群の場合、がんの成長が阻害され、生存率も有意に増加することを確認した。
また、生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンのがん治療効能を確認するため、C57BL/6マウスに5×10CellsのB16-OVAがん細胞を皮下注射してがんを誘発させ、がんのサイズが50mmに達したとき、実施例4.1と同じ方法で製造されたワクチンを1週間の間隔で100μLずつ2回注射した。次に、がんの成長及び生存率を確認した。がんの成長は、50mmから増加したがんのサイズで測定した。その結果は、図12に示した。
図12に示すように、ワクチンを接種した実験群の場合、がんの成長が阻害され、生存率も有意に増加することを確認した。
前記結果を通じて、本発明の生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンは、がんの予防及び治療効果を示すことが確認でき、これを通じて本発明の生病原体模倣ナノ粒子を活用したワクチンを免疫抗がん剤として使用できることが確認できた。
一般的に病原菌の外壁成分は、強い疎水性性質を有しており、有機相のみに分散される特徴を有するが、本発明の方法で製造された病原菌の外壁成分基盤のナノ分散体は、脂溶性溶媒を使用せずに水溶液に容易に分散される性質を有することにより、ナノリポソーム、ナノエマルジョン、ナノマイセル、高分子ナノ粒子などの様々なナノ粒子形態で容易に製造できることが確認できた。また、前記結果を通じて、本発明の方法で製造された病原菌の外壁成分基盤のナノ分散体は、病原菌そのものの免疫細胞活性化効能をそのまま維持しているので、これを用いて様々な医薬品の剤形として製造できるだけでなく、免疫活性化治療剤として様々な疾患に幅広く適用できることが確認できた。また、本発明の病原菌の外壁成分基盤のナノ分散体にさらに多様なアジュバントを含むことにより、体液性免疫だけでなく細胞性免疫を効果的に誘導することもでき、その免疫原性効果もさらに向上させることができることが確認できた。
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を持つ者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更せずに、他の具体的な形態に容易に変形できるということが理解できるだろう。したがって、前述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
本発明の病原菌の外壁成分基盤のナノ分散体は、水溶液に容易に分散するので、様々な剤形のワクチンとして製造できるだけでなく、様々な抗原(antigen)及び/又はアジュバント(adjuvant)と混合することにより、免疫原性を著しく増加させることができるため、様々な疾患の免疫活性化治療剤として使用しうる。したがって、様々な疾患の予防または治療に使用されるワクチン分野に幅広く適用できると期待される。

Claims (21)

  1. トル様受容体7または8アゴニスト、及び病原菌の外壁成分(pathogen cell wall skeleton)基盤のナノ分散体を有効成分として含む、生病原体模倣ナノ粒子であって、
    前記トル様受容体7または8アゴニストは、活性化部位に脂質が結合して非活性化状態であることを特徴とする、生病原体模倣ナノ粒子。
  2. 前記病原菌外壁成分は、凍結乾燥した病原菌外壁成分を水溶液に分散させたことを特徴とする、請求項1に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  3. 前記トル様受容体7または8アゴニストと脂質の結合は、分離可能な(cleavable)形態であることを特徴とする、請求項1に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  4. 前記分離可能な形態の結合は、カルバメート(carbamate)、ジスルフィド(disulfide)、エステル(ester)、ペプチド(peptide)、アザイド(azide)、アミド(amide)、ヒドラゾン(hydrazone)、チオイサー(thioether)、ホスホジエステル(phosphodiester)、チオケタール(thioketal)及びその組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項3に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  5. 前記トル様受容体7または8アゴニストは、イミダゾキノリン(imidazoquinoloine)系、ヒドロキシアデニン(hydroxyladenine)系、プテリドン(pteridone)系、アミノピリミジン(aminopyrimidine)系、ベンゾアゼピン(benzoazepine)系、チアオキソグアノシン(thia-oxoguanosine)系及びこれらの類似体(derivative)からなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする、生病原体模倣ナノ粒子。
  6. 前記トル様受容体7または8アゴニストと脂質の結合は、腫瘍微小環境、または細胞内のエンドソーム及びリソソームの酵素及びpHに反応し、結合部位の化学的結合が切断(cleavage)され、トル様受容体7または8アゴニストの活性化部位が露出され、4日以内に動力学的に機能が回復することを特徴とする、請求項1に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  7. 前記ナノ粒子は、20~500nmの直径を有することを特徴とする、請求項1に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  8. 前記ナノ粒子は、ナノリポソーム、ナノエマルジョン、ナノマイセル、及び高分子ナノ粒子からなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  9. 前記ナノ粒子は、トル様受容体アゴニスト(toll-like receptor agonist)、サポニン、抗ウイルス性ペプチド、インフラマソームインデューサー(inflammasome inducer)、NODリガンド(NODリガンド)、CDSリガンド(cytosolic DNA sensor ligand)、STING(stimulator of interferon genes)リガンド、抗原、アルム(Alum)、化学抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の生病原体模倣ナノ粒子。
  10. 請求項1に記載のナノ粒子を有効成分として含む、免疫抗原強化剤(adjuvant)組成物。
  11. 請求項10に記載の免疫抗原強化剤組成物及び抗原を有効成分として含む、ワクチン組成物。
  12. 前記抗原は、タンパク質、組換えタンパク質、糖タンパク質、遺伝子、ペプチド、多糖類、脂質多糖類、ポリヌクレオチド、細胞、細胞溶解物(lysate)、バクテリア及びウイルスからなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項11に記載のワクチン組成物。
  13. 前記ワクチン組成物は、化学抗がん剤または免疫チェックポイント阻害剤をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のワクチン組成物。
  14. 前記ワクチン組成物は、がんの予防または治療用途であることを特徴とする、請求項11に記載のワクチン組成物。
  15. 前記ワクチン組成物は、がんの増殖、転移、再発または抗がん治療療法に対する耐性を抑制することを特徴とする、請求項14に記載のワクチン組成物。
  16. (a)病原菌を破砕する段階と、
    (b)前記破砕物から脂質を除去する段階と、
    (c)前記脂質が除去された破砕物から膜タンパク質を除去する段階と、
    (d)前記膜タンパク質が除去された破砕物を遠心分離して病原菌の外壁成分を分離する段階と、
    (e)前記分離された病原菌の外壁成分を凍結乾燥させて凍結乾燥製剤を製造する段階と、
    (f)前記凍結乾燥製剤、界面活性剤及び正電荷性緩衝溶液を混合する段階と、
    (g)前記(f)段階の混合物に脂質(lipid)、脂質結合体(lipid conjugates)、または活性化部位に脂質が結合したトル様受容体7または8アゴニストを添加し、超音波処理してナノ粒子を製造する段階を含む、生病原体模倣ナノ粒子の製造方法。
  17. 前記製造方法は、(g)段階後にトル様受容体7または8アゴニスト(agonist)、トル様受容体アゴニスト(toll-like receptor agonist)、サポニン、抗ウイルス性ペプチド、インフラマソームインデューサー(inflammasome inducer)、NODリガンド(NODリガンド)、CDSリガンド(cytosolic DNA sensor ligand)、STING(stimulator of interferon genes)リガンド、抗原、アルム(Alum)、化学抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上をさらに添加し、混合して超音波処理することを特徴とする、請求項16に記載の生病原体模倣ナノ粒子の製造方法。
  18. 前記(f)段階の界面活性剤は、SDS(sodium dodecyl sulfate)、DMAB(didodecyldimethylammonium bromide)、Pluronic F68、Pluronic F127、PVA(polyvinyl alcohol)、Tween-80、Span-85、オレイン酸(Oleic acid)及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項16に記載の生病原体模倣ナノ粒子の製造方法。
  19. 前記(f)段階の正電荷性緩衝溶液は、L-Lysine(L-Lys)緩衝溶液、L-Arginine(L-Arg)緩衝溶液、L-Histidine(L-His)緩衝溶液、L-Tyrosine(L-Tyr)緩衝溶液、L-Aspartic acid(L-Asp)緩衝溶液、L-Glutamine(L-Glu)緩衝溶液及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるいずれか1つ以上であることを特徴とする、請求項16に記載の生病原体模倣ナノ粒子の製造方法。
  20. 請求項1に記載のナノ粒子を有効成分として含む組成物の疾患の予防または治療用途。
  21. 請求項1に記載のナノ粒子を有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む、疾患の予防または治療方法。
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