JP2023182302A - セラミックスヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】アウタークール(インナーホット)、アウターホットなどの均熱でない温度分布を実現できるセラミックスヒータを提供する。【解決手段】セラミックスヒータ100は、円板状のセラミックス基材110と、セラミックス基材110に埋設されたヒータ電極122とを備えている。セラミックス基材110の外周部には、環状凸部152が設けられ、環状凸部152の内側には、複数の凸部156が設けられている。環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1と、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2とが互いに異なっている。【選択図】 図2

Description

本発明は、シリコンウェハ等の基板を保持して加熱するセラミックスヒータに関する。
特許文献1には、ウェハなどの基板を保持して加熱するセラミックスヒータが開示されている。特許文献1に記載のセラミックスヒータは、基板が載置されるセラミックス基材(第1基体)と、セラミックス基材の上面から上方に突出する環状の凸部(環状支持部)と、環状の凸部の内側に設けられた複数の突起とを備える。特許文献1のセラミックスヒータにおいては、載置するウェハの温度分布としてフラットな温度分布を実現することを目的としている。
特開2009-256789号公報
近年、半導体製造プロセスにおいて、処理する基板の温度分布は多種多様であり、例えば、アウタークール(インナーホット)、アウターホットなどの均熱でない温度分布を実現できるセラミックスヒータが求められている。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、アウタークール(インナーホット)、アウターホットなどの均熱でない温度分布を実現できるセラミックスヒータを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、 上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有する円板状のセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に埋設された、又は前記セラミックス基材の前記下面に配置された発熱体と、を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
前記セラミックス基材の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
前記環状の凸部の上面の中心線平均粗さRa1と、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2とが互いに異なることを特徴とするセラミックスヒータが提供される。
上記構成によれば、環状の凸部の上面の中心線平均粗さRa1と、複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2とが互いに異なっている。これにより、セラミックスヒータに載置されるウェハ(基板)と環状の凸部との密着性と、ウェハと複数の凸部との密着性とを、互いに異なる状態にすることができる。その結果、ウェハの内側領域と外側領域との間に温度差を設けることができ、いわゆるアウターホットの状態またはインナーホット(アウタークール)の状態を実現することができる。
図1は、セラミックスヒータ100の斜視図である。 図2は、セラミックスヒータ100の概略説明図である。 図3は、電極120の概略説明図である。 図4は、ヒータ電極122の概略説明図である。 図5は、セラミックスヒータ100の一部拡大図である。 (a)~(e)は、セラミックス基材110の製造方法の流れを示す図である。 (a)~(d)は、セラミックス基材110の別の製造方法の流れを示す図である。 図8は、実施例1~5の結果をまとめた表である。 図9は、実施例6~9及び比較例の結果をまとめた表である。
<セラミックスヒータ100>
本発明の実施形態に係るセラミックスヒータ100について、図1、2を参照しつつ説明する。本実施形態に係るセラミックスヒータ100は、シリコンウェハなどの半導体ウェハ(以下、単にウェハ10という)の加熱に用いられるセラミックスヒータである。なお、以下の説明においては、セラミックスヒータ100が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向5が定義される。図1に示されるように、本実施形態に係るセラミックスヒータ100は、セラミックス基材110と、電極120(図2参照)と、シャフト130と、給電線140、141(図2参照)とを備える。
セラミックス基材110は、直径12インチ(約300mm)の円形の板状の形状を有する部材であり、セラミックス基材110の上には加熱対象であるウェハ10が載置される。なお、図1では図面を見やすくするためにウェハ10とセラミックス基材110とを離して図示している。図1に示されるように、セラミックス基材110の上面111には、環状の凸部152(以下、単に環状凸部152という)と、複数の凸部156とが設けられている。なお、図1においては、図面を見やすくするために、図2と比べて複数の凸部156の数を減らして図示している。また、図2に示されるように、セラミックス基材110の内部には、後述の第1ガス流路164が形成されている。セラミックス基材110は、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成することができる。
図1、2に示されるように、環状凸部152は、セラミックス基材110の上面111の外周部(外縁部)に配置された円環状の凸部であり、上面111から上方に突出している。図2に示されるように、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたとき、環状凸部152の上面152aはウェハ10の下面と当接する。つまり、環状凸部152は、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたときに、上下方向5においてウェハ10と重なる位置に配置されている。セラミックス基材110の上面111の、環状凸部152の内側には、複数の凸部156が設けられている。複数の凸部156はいずれも円柱形状を有している。複数の凸部156のうちの1つは、上面111の略中心に配置されている。残りの凸部156は、等間隔に並んだ4重の同心円の円周上に並んでいる。また、各同心円の円周上において、凸部156は等間隔で並んでいる。なお、凸部156が配置される位置及び/又は数は、用途、作用、機能に応じて適宜設定される。
環状凸部152の高さは、5μm~2mmの範囲にすることができる。同様に、複数の凸部156の高さも、5μm~2mmの範囲にすることができる。本実施形態において、環状凸部152の高さ及び複数の凸部156の高さは同じである。なお、本明細書において、環状凸部152の高さ及び複数の凸部156の高さは、セラミックス基板110の上面111からの上下方向の長さとして定義される。なお、セラミックス基板110の上面111が平坦でなく、例えば段差を有している場合には、セラミックス基板110の上面111のうち、最も高い位置を基準にして、そこからの上下方向の長さとして定義される。
環状凸部152の上面152aの幅は、一定の幅であることが望ましく、0.1mm~10mmにすることができる。複数の凸部156の上面156aは、直径0.1mm~5mmの円形であることが好ましい。また、複数の凸部156の、各凸部の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にすることができる。
環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1は0.001μm以上1.6μm以下にすることができる。なお、中心線平均粗さは、表面の凹凸を、その中心線からの偏差の絶対値の平均で表したものである。同様に、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2は0.001μm以上1.6μm以下にすることができる。なお、ガスの気密性の観点から、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1は0.4μm以下であることが好ましい。また、ウェハ10にパーティクルが付着することを抑制する観点から、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2は0.4μm以下であることが好ましい。なお、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1及び複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2は、0.2μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。なお、中心線平均粗さRa1及びRa2を0.0001μm未満とすることは製造上困難であるため、通常は中心線平均粗さRa1及びRa2を0.0001μm以上としている。
環状凸部152の中心線平均粗さRa1の測定は、触針式または光学式の表面粗さ計を使用する。測定個所は、環状凸部152の上面152aの周方向に90度ごとに等配される位置(4ヶ所)とした。そして周方向に走査したときの中心線平均粗さの平均値をRa1とした。複数の凸部156の中心線平均粗さRa2の測定は、同様の表面粗さ計を使用する。測定個所として、セラミックス基材の外径または環状凸部の外径に対して半径の1/2に近接し、かつ、周方向に90度ごとに等配される位置に近接する凸部156を4ヶ所選択した。そして該当する凸部156の上面156aを任意の方向に走査したときの中心線平均粗さの平均値をRa2とした。なお、凸部156の径が極小である場合は、凸部156を形成する前の上記4ヶ所に対応するセラミック基材110の上面111の中心線平均粗さで代用した。
研削砥石、研磨粒子の番手や加工条件、ブラスト加工の条件を適宜変更することにより、所望の中心線平均粗さに調整することができる。また、所望の中心線粗さに調整する工程は、凸部を形成するブラスト加工の前であってもよいしブラスト加工後であってもよい。
本実施形態においては、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1は0.2μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2は0.1μmである。複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は2である。
上述のように、セラミックス基板110の上面111において、複数の凸部156は4つの同心円の円周上に並んでいる。図2に示されるように、上面111の、複数の凸部156が配置された最も内側の同心円と内側から2番目の同心円との間には、第1ガス流路164の開口164aが開口している。第1ガス流路164は、開口164aを備えるガス流路であり、セラミックス基材110の内部に形成されている。第1ガス流路164は、開口164aから下方に延びている。後述のように、第1ガス流路164の下端は、シャフト130の内部に形成された第2ガス流路168の上端に接合されている。
第1ガス流路164は、セラミックス基材110の上面111とウェハ10の下面とによって画定される空間(間隙)にガスを供給するための流路として用いることができる。例えば、ウェハ10とセラミックス基材110との間の伝熱のための伝熱ガスを供給することができる。伝熱ガスとして、例えば、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガスや、窒素ガスなどを用いることができる。伝熱ガスは、第1ガス流路164を通じて、100Pa~40000Paの範囲内で設定された圧力で供給される。また、環状凸部152の上面152aとウェハ10の下面との隙間から、環状凸部152の内側の間隙にプロセスガスが侵入してくる場合には、第1ガス流路164を介して、ガスを排気することができる。この際、排気圧を調整することによって間隙の外側の圧力と、間隙の内側の圧力の差圧を調節することができる。これにより、ウェハ10をセラミックス基材110の上面に向けて吸着させることができる。
図2に示されるように、セラミックス基材110の内部には、電極120が埋設されている。電極120は、ヒータ電極122と、静電吸着用電極124とを含んでいる。静電吸着用電極124はヒータ電極122の上方に埋設されている。
図3に示されるように、静電吸着用電極124は2つの半円形状の電極124a、124bが所定の間隔を隔てて向かい合うように配置されており、全体として略円形の形状を有している。本実施形態において、静電吸着用電極124の外径は292mmである。電極124a及び電極124bにそれぞれ所定の電圧(例えば、±500V)を印加することにより、ウェハ10を静電吸着することができる。
図4に示されるように、ヒータ電極122は帯状に裁断された金属製のメッシュや箔である。ヒータ電極122の外径は298mmである。ヒータ電極120はセラミックス基材110の側面から露出しない。ヒータ電極120の略中央には、給電線140(図2参照)と接続される端子部121が設けられている。ヒータ電極122はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金のワイヤーを織ったメッシュや箔等の耐熱金属(高融点金属)により形成されている。タングステン、モリブデンの純度は99%以上であることが好ましい。ヒータ電極122の厚さは0.15mm以下である。なお、ヒータ電極122の抵抗値を高くして、セラミックスヒータ100の消費電流を低減させるという観点からは、ワイヤーの線径を0.1mm以下、ヒータ電極122の厚さを0.1mm以下にすることが好ましい。また、帯状に裁断されたヒータ電極122の幅は2.5mm~20mmであることが好ましく、5mm~15mmであることがさらに好ましい。本実施形態においては、ヒータ電極122は、図4に示される形状に裁断されているがヒータ電極122の形状はこれには限られず、適宜変更しうる。なお、セラミックス基材110の内部にはヒータ電極122に加えて、あるいは、ヒータ電極122に代えて、セラミックス基材110の上方にプラズマを発生させるためのプラズマ電極が埋設されていてもよい。
図1、2に示されるように、セラミックス基材110の下面113には、シャフト130が接続されている。シャフト130は中空の略円筒形状の円筒部131と、2つの大径部132、133とを有する。大径部132は円筒部131の上方に設けられており(図2参照)、大径部133は円筒部131の下方に設けられている(図1参照)。大径部132、133は、円筒部131の径よりも大きな径を有している。以下の説明において、円筒部131の長手方向をシャフト130の長手方向6として定義する。図1に示されるように、セラミックスヒータ100の使用状態において、シャフト130の長手方向6は上下方向5と平行である。
図2に示されるように、セラミックス基材110の下面113に、シャフト130との接合のための凸部114(以下、接合用凸部114と呼ぶ。本発明の凸部に対応する。)が設けられている。接合用凸部114の形状は、接合されるシャフト130の上面の形状と同じであることが好ましく、接合用凸部114の直径は100mm以下であることが好ましい。接合用凸部114の高さ(下面113からの高さ)は、0.2mm以上であればよく、5mm以上であることが好ましい。特に高さの上限に制限はないが、製作上の容易さを勘案すると、接合用凸部114の高さは20mm以下であることが好ましい。また、接合用凸部114の下面114Bは、セラミックス基材100の下面113に平行であることが好ましい。接合用凸部114の下面114Bの中心線平均粗さRaは1.6μm以下であればよい。なお、接合用凸部114の下面114Bの中心線平均粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。
円筒部131の上面は、セラミックス基材110の接合用凸部114の下面114Bに固定されている。なお、シャフト130は、セラミックス基材110と同じように、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成されてもよい。あるいは、断熱性を高めるために、セラミックス基材110より熱伝導率の低い材料で形成されてもよい。
図2に示されるように、シャフト130は中空の円筒形状を有しており、その内部(内径より内側の領域)には長手方向6(図1参照)に延びる貫通孔が形成されている。シャフト130の中空の部分(貫通孔)には、ヒータ電極122に電力を供給するための給電線140と、静電吸着用電極124に電力を供給するための給電線141とが配置されている。なお、図2においては、給電線140、141はそれぞれ1つずつしか図示されていないが、実際には複数の給電線140及び複数の給電線141が配置されている。給電線140の上端は、ヒータ電極122の中央に配置された端子部121(図3参照)に電気的に接続されている。給電線140は、不図示のヒータ用電源に接続される。これにより、給電線140を介してヒータ電極122に電力が供給される。同様に、給電線141を介して、静電吸着用電極124に電力が供給される。
また、図2に示されるように、シャフト130の円筒部131には、上下方向5に延びる第2ガス流路168が形成されている。上述のように、第2ガス流路168の上端は第1ガス流路164の下端に接続されている。
次に、セラミックスヒータ100の製造方法について説明する。以下では、セラミックス基材110及びシャフト130が窒化アルミニウムで形成される場合を例に挙げて説明する。
まず、セラミックス基材110の製造方法について説明する。なお、説明を簡略化するために、セラミックス基材110の内部には、電極120としてヒータ電極122のみが埋設されているものとする。図6(a)に示されるように、窒化アルミニウム(AlN)粉末を主成分とする造粒粉Pをカーボン製の有床型501に投入し、パンチ502で仮プレスする。なお、造粒粉Pには、5wt%以下の焼結助剤(例えば、Y)が含まれることが好ましい。次に、図6(b)に示されるように、仮プレスされた造粒粉Pの上に、所定形状に裁断されたヒータ電極122を配置する。なお、ヒータ電極122は、加圧方向に垂直な面(有床型501の底面)に平行になるように配置される。このとき、Wのペレット又はMoのペレットをヒータ電極122の端子121(図4参照)の位置に埋設してもよい。
図6(c)に示されるように、ヒータ電極122を覆うようにさらに造粒粉Pを有床型501に投入し、パンチ502でプレスして成形する。次に、図6(d)に示されるように、ヒータ電極122が埋設された造粒粉Pをプレスした状態で焼成する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。次に、図6(e)に示されるように、端子121を形成するために、ヒータ電極122までの止まり穴加工を行う。なお、ペレットを埋設した場合には、ペレットまでの止まり穴加工を行えばよい。さらに、第1ガス流路164の一部となる貫通孔を形成する。これにより、内部に第1ガス流路164が形成されたセラミックス基材110を作製することができる。この場合、ヒータ電極122が第1ガス流路164から露出しないように、予めヒータ電極122に所定の開口部を設けることが好ましい。
なお、セラミックス基材110は以下の方法によっても製造することができる。図7(a)に示されるように、窒化アルミニウムの造粒粉Pにバインダーを加えてCIP成型し、円板状に加工して、窒化アルミニウムの成形体510を作製する。次に、図7(b)に示されるように、成形体510の脱脂処理を行い、バインダーを除去する。
図7(c)に示されるように、脱脂された成形体510に、ヒータ電極122を埋設するための凹部511を形成する。成形体510の凹部511にヒータ電極122を配置し、別の成形体510を積層する。なお、凹部511は予め成形体510に形成しておいてもよい。次に、図7(d)に示されるように、ヒータ電極122を挟むように積層された成形体510をプレスした状態で焼成し、焼成体を作製する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。焼成体を作製した後の工程は、上述の工程と同様であるので、説明を省略する。
このようにして形成されたセラミックス基材110の上面111に対して研削を行い、ラップ加工を行う。さらに、上面111に対してサンドブラスト加工を行うことにより、上面111に複数の凸部156及び環状凸部152を形成する。このとき、複数の凸部156の高さは同じになるように加工される。また、環状凸部152の上面152aも所定の形状に加工される。なお、複数の凸部156、環状凸部152を形成するための加工方法は、サンドブラスト加工が好適であるが、他の加工方法を用いることもできる。さらに、セラミックス基材110の下面113に円筒加工を行い、下面113から突出した接合用の凸部114を形成する。
次に、シャフト130の製造方法及びシャフト130とセラミックス基材110との接合方法について説明する。まず、バインダーを数wt%添加した窒化アルミニウムの造粒粉Pを静水圧(1MPa程度)で成形し、成形体を所定形状に加工する。このとき、成形体に第2ガス流路168となる貫通孔を形成する。なお、シャフト130の外径は、30mm~100mm程度である。シャフト130の円筒部131の端面にはフランジ部133がなくてもよい(図5参照)。円筒部131の長さは例えば、50mm~500mmにすることができる。成形体を所定形状に加工した後、成形体を窒素雰囲気中で焼成する。例えば、1900℃の温度で2時間焼成する。そして、焼成後に焼結体を所定形状に加工することによりシャフト130が形成される。円筒部131の上面とセラミックス基材110の接合用凸部114とを、1600℃以上、1MPa以上の一軸圧力下で、拡散接合により固定することができる。この場合には、セラミックス基材110の接合用凸部114の下面114Bの中心線平均粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。また、フランジ部133の上面と接合用凸部114の下面114Bとを、接合剤を用いて接合することもできる。接合剤として、例えば、10wt%のYを添加したAlN接合材ペーストを用いることができる。例えば、フランジ部133の上面と接合用凸部114の下面114Bとの界面に上記のAlN接合剤ペーストを15μmの厚さで塗布し、上面111に垂直な方向(シャフト130の長手方向6)に5kPaの力を加えつつ、1700℃の温度で1時間加熱することにより、接合することができる。あるいは、円筒部131の上面と接合用凸部114の下面114Bとを、ねじ止め、ろう付け等によって固定することもできる。
以下、本発明について実施例1~9を用いて更に説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例に限定されない。なお、図8、9には、実施例1~9及び比較例の結果をまとめた表が示されている。
[実施例1]
実施例1のセラミックスヒータ100(図2参照)について説明する。実施例1においては、5wt%の焼結助剤(Y)を添加した窒化アルミニウム(AlN)を原料として、上述の作製方法により直径300mm、厚さ25mmのセラミックス基材110を作製した。なお、ヒータ電極122として、モリブデンメッシュ(線径0.1mm、メッシュサイズ#50、平織り)を図4の形状に裁断したものを作製し、このようなヒータ電極122をセラミックス基材110に埋設した。同様に、図3に示される形状の静電吸着用電極124をセラミックス基材110に埋設した。
セラミックス基材110の上面111に、内径292mm、外径298mm、幅3mmの環状凸部152を形成した。環状凸部152の上面152aとセラミックス基材110の上面111との間の、上下方向5の長さ(環状凸部152の高さ)は150μmである。さらに、セラミックス基材110の上面111に、直径2mmの円柱形状の複数の凸部156を形成した。複数の凸部156の上面156aと、セラミックス基材110の上面111との間の、上下方向5の長さ(複数の凸部156の高さ)は150μmである。上述のように、複数の凸部156は同心円状に配置されており、各凸部間の距離は10mm~20mmの範囲とした。
第1ガス流路164の開口164aの直径は3mmである。開口164aの中心は、セラミックス基材110の中心から30mmの位置にある。
実施例1では、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1を0.2μmとし、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2を0.1μmとした。このとき、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は2である。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、以下の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。セラミックスヒータ100に直径300mmの温度評価用のシリコンウェハを載置し、セラミックスヒータ100のヒータ電極122に不図示の外部電源を接続した。プロセスチャンバ内の圧力を1Pa以下に減圧した後、プロセスチャンバ内に、プロセスガスとして窒素ガスを10Paの圧力で供給した。第1ガス流路164にヘリウムガスを流した。第1ガス流路164を流れるヘリウムガスの圧力を1333Pa(10Torr)に調節した。実施例1において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であった。そして、定常状態でシリコンウェハの上面の温度が500℃となるように外部電源の出力電力を調整した。その後、温度評価用のシリコンウェハの温度分布を赤外線カメラで計測し、内側領域(径250mm以内の領域)の平均温度と外側領域(径250mm~300mmの領域)の平均温度との温度差Δを評価した。なお、温度評価用のシリコンウェハは、直径300mmのシリコンウェハの上面に厚さ30μmの黒体膜をコーティングしたものである。黒体膜とは、放射率(輻射率)が90%以上である膜であり、例えば、カーボンナノチューブを主原料とする黒体塗料をコーティングすることにより成膜することができる。
実施例1においては、内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は498.5℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは1.5℃であった。実施例1においては、内側領域の平均温度が外側領域の平均温度よりも高いインナーホットの状態を実現できた。
[実施例2]
実施例2のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が1.6μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.4μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例2では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は4であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例2において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は1.0sccmであった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は497.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは3.0℃であった。実施例2においては、内側領域の平均温度が外側領域の平均温度よりも高いインナーホットの状態を実現できた。
[実施例3]
実施例3のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が1.6μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.05μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例3では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は32であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例3において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は1.0sccmであった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は495.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは5.0℃であった。実施例3においては、内側領域の平均温度が外側領域の平均温度よりも高いインナーホットの状態を実現できた。
[実施例4]
実施例4のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が1.6μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が1.2μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例4では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は1.3であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例3において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は1.0sccmであった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は499.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは1.0℃であった。実施例4においては、内側領域の平均温度が外側領域の平均温度よりも高いインナーホットの状態を実現できた。
[実施例5]
実施例5のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が2.4μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.4μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例5では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は6であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例5において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は2.1sccmであった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は496.5℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは3.5℃であった。実施例5においては、内側領域の平均温度が外側領域の平均温度よりも高いインナーホットの状態を実現できた。
[実施例6]
実施例6のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.1μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.2μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例6では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.5であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例6において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は502.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは2.0℃であった。実施例6においては、外側領域の平均温度が内側領域の平均温度よりも高いアウターホットの状態を実現できた。
[実施例7]
実施例7のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.4μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が1.6μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例7では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.25であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例7において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は503.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは3.0℃であった。実施例7においては、外側領域の平均温度が内側領域の平均温度よりも高いアウターホットの状態を実現できた。
[実施例8]
実施例8のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.05μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が1.6μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例8では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.03であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例8において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は505.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは5.0℃であった。実施例8においては、外側領域の平均温度が内側領域の平均温度よりも高いアウターホットの状態を実現できた。
[実施例9]
実施例9のセラミックスヒータ100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が1.2μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が1.6μmである点を除いて、実施例1のセラミックスヒータ100と同様である。実施例9では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.75であった。
このような形状のセラミックスヒータ100をプロセスチャンバに設置し、セラミックスヒータ100に実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順でセラミックスヒータ100の温度評価を行った。実施例9において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.6sccmであった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は501.0℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは1.0℃であった。実施例9においては、外側領域の平均温度が内側領域の平均温度よりも高いアウターホットの状態を実現できた。
[比較例]
比較例のセラミックスヒータは、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.4μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.4μmである。このように、比較例においては、実施例1~9と異なり、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1と、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2とが同じである。比較例では、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は1である。
このような形状のセラミックスヒータをプロセスチャンバに設置し、比較例のセラミックスヒータに実施例1と同様の温度評価用シリコンウェハを載置した。そして、実施例1と同様の手順で比較例のセラミックスヒータの温度評価を行った。比較例において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であった。内側領域の平均温度は500℃であり、外側領域の平均温度は500℃であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは0℃であった。比較例においては、内側領域の平均温度と外側領域の平均温度とが同じであり、インナーホットまたはアウターホットの状態を実現することはできなかった。
<実施形態の作用効果>
上記実施形態及び実施例1~9において、セラミックスヒータ100は、円板状のセラミックス基材110と、セラミックス基材110に埋設されたヒータ電極122とを備えている。セラミックス基材110の外周部には、セラミックス基材110の上面111よりも上方に突出する環状凸部152が設けられ、セラミックス基材110の、環状凸部152の内側には、セラミックス基材110の上面111よりも上方に突出する複数の凸部156が設けられている。比較例においては、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1と、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2とが同じであった。そのため、ウェハ10と環状凸部152との密着性と、ウェハ10と複数の凸部156との密着性とに差は無かったと考えられる。その結果、比較例においては、ウェハ10の内側領域と外側領域との間に温度差がなく、いわゆるアウターホットの状態またはインナーホットの状態を実現することができなかった。これに対して、上記実施形態及び実施例1~9においては、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1と、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2とが互いに異なっている。これにより、ウェハ10と環状凸部152との密着性と、ウェハ10と複数の凸部156との密着性とが異なる状態になっていたと考えられる。その結果、ウェハ10の内側領域と外側領域との間に温度差を設けることができ、いわゆるアウターホットの状態またはインナーホットの状態を実現することができた。
実施例1~5と実施例6~9とを比較すると、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1を、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2よりも大きくすることにより、ウェハ10の内側領域の平均温度を、ウェハ10の外側領域の平均温度よりも高くすることができ、いわゆるインナーホットの状態を実現することができる。また、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1を、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2よりも小さくすることにより、ウェハ10の外側領域の平均温度を、ウェハ10の内側領域の平均温度よりも高くすることができ、いわゆるアウターホットの状態を実現することができる。
実施例1~5に示されるように、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2を、1.3≦Ra1/Ra2≦32にすることができる。この場合には、ウェハ10の内側領域の平均温度を500.0℃にしたときに、外側領域の平均温度を495.0℃~499.0℃にすることができ、確実にインナーホットの状態を実現することができる。
実施例6~9に示されるように、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2を、0.03≦Ra1/Ra2≦0.8にすることができる。この場合には、ウェハ10の内側領域の平均温度を500.0℃にしたときに、外側領域の平均温度を501.0℃~505.0℃にすることができ、確実にアウターホットの状態を実現することができる。
上記実施形態及び実施例1~9において、セラミックス基板110の下面113には、シャフト130が接合されている。これにより、セラミックスヒータ100の断熱性を向上させることができる。
本発明の別の効果として、静電吸着されたウェハ10の、静電吸着後のウェハ10の残留吸着の抑制があげられる。一般に環状凸部152の上面152aの面積は、複数の凸部156の上面156aの面積より相対的に大きく、環状凸部152で残留吸着が発生する。環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さを大きくすることによって、残留吸着を抑制することができる。上記実施例1~5において、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が大きい。そのため、温度分布の調節効果と同時に基板の残留吸着力抑制効果を発揮させることができる。
<変更形態>
上述の実施形態は、あくまで例示に過ぎず、適宜変更しうる。例えば、セラミックス基材110、シャフト130の形状、寸法は上記実施形態のものには限られず、適宜変更しうる。環状凸部152の高さ、幅等の寸法、環状凸部152の上面152aの断面形状は適宜変更しうる。
複数の凸部156の高さ、上面156aの形状は適宜変更しうる。例えば、複数の凸部156の上面156aの形状は必ずしも円形でなくてもよく、任意の形状にすることができる。なお、その場合においても、直径0.1mm~5mmの円と同程度の面積を有することが好ましい。また、上記説明において、複数の凸部156は同心円状に分布するように配置されていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、複数の凸部156が、正三角形、正四角形の各頂点の位置に分布するように、格子状に連続的に配列されてもよく、複数の凸部156がランダムな位置に分布するように配置されていてもよい。その場合であっても、複数の凸部156の、各凸部の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にあることが好ましい。
上記実施形態においては、ヒータ電極122として、モリブデン、タングステン、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金を用いていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、モリブデン、タングステン以外の金属又は合金を用いることもできる。また、電極120は発熱体としてのヒータ電極122を含んでいた。しかしながら、電極120は必ずしも発熱体としてのヒータ電極122を含む必要は無く、例えば、発熱体として高周波電極を含んでいてもよい。
上記実施形態においては、セラミックスヒータ100はセラミックス基材110に埋設されたヒータ電極122を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、ヒータ電極122はセラミックスヒータ100のセラミックス基材110に埋設されていなくてもよい。例えば、ヒータ電極122又は高周波電極がセラミックス基材110の裏面113に貼付されていてもよい。
上記実施形態においては、シャフト130は大径部132、133を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、必ずしもシャフト130は大径部132、133を備えていなくてもよい。また、シャフト130の円筒部131に、上下方向5に延びる第2ガス流路168が形成されていなくてもよい。例えば、第2ガス流路168に代えて、円筒部131の中空の領域(給電線140が設けられている領域)に、別途ガスの配管を設けることもできる。
以上、発明の実施形態及びその変更形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが請求の範囲の記載からも明らかである。
明細書、及び図面中において示した製造方法における各処理の実行順序は、特段に順序が明記されておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるので無い限り、任意の順序で実行しうる。便宜上、「まず、」「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するわけではない。
100 基板保持部材
110 セラミックス基材
120 電極
130 シャフト
140 給電線
152 環状凸部
156 複数の凸部

Claims (6)

  1. 上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有する円板状のセラミックス基材と、
    前記セラミックス基材に埋設された、又は前記セラミックス基材の前記下面に配置された発熱体と、を備え、
    前記セラミックス基材は、
    前記セラミックス基材の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
    前記セラミックス基材の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
    前記環状の凸部の上面の中心線平均粗さRa1と、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2とが互いに異なることを特徴とするセラミックスヒータ。
  2. 前記環状の凸部の前記上面の前記中心線平均粗さRa1が、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2よりも大きい請求項1に記載のセラミックスヒータ。
  3. 前記環状の凸部の前記上面の前記中心線平均粗さRa1と、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2との比Ra1/Ra2が、
    1.3≦Ra1/Ra2≦32
    を満たす請求項2に記載のセラミックスヒータ。
  4. 前記環状の凸部の前記上面の前記中心線平均粗さRa1が、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2よりも小さい請求項1に記載のセラミックスヒータ。
  5. 前記環状の凸部の前記上面の前記中心線平均粗さRa1と、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2との比Ra1/Ra2が、
    0.03≦Ra1/Ra2≦0.8
    を満たす請求項4に記載のセラミックスヒータ。
  6. さらに、前記セラミックス基材の前記下面に接合された筒状のシャフトを備える請求項1~5のいずれか一項に記載のセラミックスヒータ。
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