JP2023131557A - 基板保持部材 - Google Patents

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Tetsuo Kitabayashi
浩正 下嶋
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Abstract

【課題】基板の外縁部の変形を抑制できるとともに、基板との密着性の不均一性を抑制することができる基板保持部材を提供する。【解決手段】基板保持部材100は、セラミックス基材110を備えている。セラミックス基材110の上面111には、上面111の外周部に配置された環状の環状凸部152と、環状凸部152の内側に配置された複数の第1凸部157とが設けられている。環状凸部152は、第1部分153と、第1部分153よりも径方向の内側に向かって延びる第2部分154とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、シリコンウェハ等の基板を保持する基板保持部材に関する。
特許文献1には、ウェハなどの基板を保持する静電チャックが開示されている。特許文献1に記載の静電チャックは、基板が載置される基体と、基体の上面から突出して基板を支持する複数の凸部(突起)と、基体の外周縁部の上面から環状に突出して基板を支持する環状凸部(シールリング)とを備える。
特開2009-111243号公報
特許文献1に記載の静電チャックにおいては、シールリングは円環形状を有しており、シールリングの幅は一定である。なお、静電チャックに載置される基板は必ずしも完全に平坦な円板形状であるとは限られない。例えば、基板の全面又は外縁部が反っていたり撓んだりしたりする場合がある。このような基板を、一定の幅を有する円環状のシールリングで支持する場合には、シールリングと基板との接触面積が円周方向全体にわたって一様とはならないことがある。それに起因して、基板の外縁部の一部から局所的ガスの流入、流出が生じて、プロセスガスの圧力制御不良が発生することがある。また、基体にヒータが内蔵されている場合には、基板とシールリングとの接触面における熱の伝わりが一様でない場合がありうる。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、基板の外縁部の変形を抑制できるとともに、基板との密着性の不均一性を抑制することができる基板保持部材を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有するセラミックス基材を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の前記上面の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
前記環状の凸部は、
円周方向に沿って延びる第1部分と、
前記第1部分から、径方向の外側又は内側に向かって延びる第2部分とを有し、
前記第2部分の中心角βは、
10°≦β
であることを特徴とする、基板保持部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有するセラミックス基材を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の前記上面の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の第1凸部と、を備え、
前記環状の凸部は、円周方向の所定の間隔ごとに、円周方向とは異なる方向に延びる複数の周期部分を有することを特徴とする、基板保持部材が提供される。
上記第1の態様においては、セラミックス基材の外周部に環状の凸部が設けられているので、基板をセラミックス基材の上面に向かって吸着させたとき、基板の外縁部が変形することを抑制することができる。但し、環状の凸部が真円の円環状の形状を有している場合、基板と環状の凸部とが均一に密着しないことがある。これに対して、上記第1の態様においては、環状の凸部に第2部分が形成されている。これにより、基板と環状の凸部との接触面積を増やして、基板と環状の凸部との密着性の不均一性を改善することができる。
上記第2の態様においては、セラミックス基材の外周部に環状の凸部が設けられているので、基板をセラミックス基材の上面に向かって吸着させたとき、基板の外縁部が変形することを抑制することができる。但し、上述のように、環状の凸部が真円の円環状の形状を有している場合、基板と環状の凸部とが均一に密着しないことがある。これに対して、上記第2の態様においては、環状の凸部は、円周方向の所定の間隔ごとに、円周方向とは異なる方向に延びる複数の周期部分を有している。そのため、基板と環状の凸部との接触面積を増やして、基板と環状の凸部との密着性の不均一性を改善することができる。
図1は、基板保持部材100の概略説明図である。 図2は、電極120の概略説明図である。 図3は、基板保持部材100の一部分を示した概略説明図である。 (a)~(e)は、セラミックス基材110の製造方法の流れを示す図である。 (a)~(d)は、セラミックス基材110の別の製造方法の流れを示す図である。 図6は、比較例の基板保持部材100Aの図3相当図である。 図7は、実施例2の基板保持部材100の図3相当図である。 図8は、実施例3の基板保持部材100の図3相当図である。 図9は、実施例4の基板保持部材100の図3相当図である。 図10は、実施例5の基板保持部材100の図3相当図である。 図11は、静電吸着用電極124の概略説明図である。 図12は、シャフト130を有する基板保持部材100の概略外観図である。 実施例1~6及び比較例の結果をまとめた表である。 基板保持部材100の製造方法を示すフローチャートである。
<基板保持部材100>
本発明の実施形態に係る基板保持部材100について、図1、2を参照しつつ説明する。本実施形態に係る基板保持部材100は、シリコンウェハなどの半導体ウェハ(以下、単にウェハ10という)の加熱に用いられるセラミックスヒータである。なお、以下の説明においては、基板保持部材100が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向5が定義される。図1に示されるように、本実施形態に係る基板保持部材100は、セラミックス基材110と、電極120と、シャフト130と、給電線140とを備える。
セラミックス基材110は、直径12インチ(約300mm)の円形の板状の形状を有する部材であり、セラミックス基材110の上には加熱対象であるウェハ10が載置される。図1に示されるように、セラミックス基材110の上面111には、環状の凸部152(以下、単に環状凸部152という)と、複数の凸部156とが設けられている。セラミックス基材110の内部には、後述の第1ガス流路164が形成されている。セラミックス基材110は、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成することができる。
図1に示されるように、環状凸部152は、セラミックス基材110の上面111の外周部(外縁部)に配置された略円環状の凸部であり、上面111から上方に突出している。図1に示されるように、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたとき、環状凸部152の上面152aはウェハ10の下面と当接する。つまり、環状凸部152は、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたときに、上下方向5においてウェハ10と重なる位置に配置されている。環状凸部152には、円周方向に沿って延びる第1部分153と、第1部分153よりも径方向の内側に配置された、第2部分154とを含んでいる。環状凸部152に設けられた第2部分154の数は、1つであってもよく、2以上であってもよい。本実施形態においては、環状凸部152には3つの第2部分154が設けられている。
セラミックス基材110の上面111の、環状凸部152の内側には、複数の凸部156が設けられている。複数の凸部156はいずれも円柱形状を有している。複数の凸部156は、それぞれが正四角形の頂点の位置に配置されるように、正四角形配置されている。なお、凸部156が配置される位置及び/又は数は、用途、作用、機能に応じて適宜設定される。図1においては、複数の凸部156は全て、環状凸部152の内側に配置されている。本明細書においては、複数の凸部156のうち、環状凸部152の内側に配置されているものを第1凸部157と呼ぶ。また、複数の凸部156のうち、環状凸部152の外側に配置されているものを、第2凸部158と呼ぶ(図10参照)。
環状凸部152の高さ(上面111からの上下方向5の長さ)は、5μm~2mmの範囲にすることができる。同様に、複数の凸部156の高さも、5μm~2mmの範囲にすることができる。なお、図2に示されるように、環状凸部152の高さを、複数の凸部156の高さと同じにすることができる。例えば、本実施形態においては、環状凸部152及び複数の凸部156の高さはいずれも150μmである。また、環状凸部152の上面152aと、複数の凸部156の上面156aとの上下方向5の高さ位置が同一であってもよい。あるいは、環状凸部152の上面152aの上下方向5の高さ位置が、複数の凸部156の上面156aの高さ位置より10μm程度低くてもよく、高くてもよい。なお、この場合には、セラミックス基材110の上面111からの環状凸部152の上面152aの上下方向5の高さ位置と、複数の凸部156の上面156aの上下方向5の高さ位置が異なっている場合がある。
環状凸部152の第1部分153及び第2部分154は、一定の幅であることが望ましく、0.1mm~10mmにすることができる。環状凸部152の上面152aの表面粗さRaは1.6μm以下にすることができる。複数の凸部156の上面156aの表面粗さRaは1.6μm以下にすることができる。なお、環状凸部152の上面152a、及び、複数の凸部156の上面156aの表面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。例えば、本実施形態においては、環状凸部152の第1部分153及び第2部分154の幅は3mmであり、環状凸部152の上面152a、及び、複数の凸部156の上面156aの表面粗さRaは0.4μmである。
複数の凸部156の上面156aは、直径0.1mm~5mmの円形であることが好ましい。また、複数の凸部156の、各凸部156の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にすることができる。例えば、本実施形態においては、複数の凸部156の上面156aは、直径2mmの円形であり、複数の凸部156の離間距離は10mmである。
図1に示されるように、上面111には、第1ガス流路164の開口164aが開口している。第1ガス流路164は、開口164aを備えるガス流路であり、セラミックス基材110の内部に形成されている。第1ガス流路164は、開口164aから下方に延びている。後述のように、第1ガス流路164の下端は、シャフト130の内部に形成された第2ガス流路168の上端に接合されている。
第1ガス流路164は、セラミックス基材110の上面111とウェハ10の下面とによって画定される空間(間隙)にガスを供給するための流路として用いることができる。例えば、ウェハ10とセラミックス基材110との間の伝熱のための伝熱ガスを供給することができる。伝熱ガスとして、例えば、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガスや、窒素ガスなどを用いることができる。伝熱ガスは、第1ガス流路164を通じて、100Pa~40000Paの範囲内で設定された圧力で供給される。また、環状凸部152の上面152aとウェハ10の下面との隙間から、環状凸部152の内側の間隙にプロセスガスが侵入してくる場合には、第1ガス流路164を介して、ガスを排気することができる。この際、排気圧を調整することによって間隙の外側の圧力と、間隙の内側の圧力の差圧を調節することができる。これにより、ウェハ10をセラミックス基材110の上面に向けて吸着させることができる。
図1に示されるように、セラミックス基材110の内部には、電極120(本発明の発熱体の一例)が埋設されている。図2に示されるように、電極120は帯状に裁断された金属製のメッシュや箔である。電極120の外径は298mmである。電極120はセラミックス基材110の側面から露出しない。電極120の略中央には、給電線140(図1参照)と接続される端子部121が設けられている。電極120はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金のワイヤーを織ったメッシュや箔等の耐熱金属(高融点金属)により形成されている。タングステン、モリブデンの純度は99%以上であることが好ましい。電極120の厚さは0.15mm以下である。なお、電極120の抵抗値を高くして、基板保持部材100の消費電流を低減させるという観点からは、ワイヤーの線径を0.1mm以下、電極120の厚さを0.1mm以下にすることが好ましい。また、帯状に裁断された電極120の幅は2.5mm~20mmであることが好ましく、5mm~15mmであることがさらに好ましい。本実施形態においては、電極120は、図2に示される形状に裁断されているが電極120の形状はこれには限られず、適宜変更しうる。なお、セラミックス基材110の内部には電極120に加えて、あるいは、電極120に代えて、ウェハ10をクーロン力により上面111に引き付けるための静電チャック電極及びセラミックス基材110の上方にプラズマを発生させるためのプラズマ電極のうち少なくとも一方が埋設されていてもよい。
図1に示されるように、セラミックス基材110の下面113には、シャフト130が接続されている。シャフト130は中空の略円筒形状の円筒部131と、円筒部131の下方に設けられた大径部132(図12参照)を有する。大径部132は、円筒部131の径よりも大きな径を有している。以下の説明において、円筒部131の長手方向をシャフト130の長手方向6として定義する。図1に示されるように、基板保持部材100の使用状態において、シャフト130の長手方向6は上下方向5と平行である。
なお、セラミックス基材110の下面113に、シャフト130との接合のための凸部114(以下、接合用凸部114と呼ぶ)を設けることができる(図12参照)。接合用凸部114の形状は、接合されるシャフト130の上面の形状と同じであることが好ましく、接合用凸部114の直径は100mm以下であることが好ましい。接合用凸部114の高さ(下面113からの高さ)は、2mm以上であればよく、5mm以上であることが好ましい。特に高さの上限に制限はないが、製作上の容易さを勘案すると、接合用凸部114の高さは20mm以下であることが好ましい。また、接合用凸部114の下面は、セラミックス基材100の下面113に平行であることが好ましい。接合用凸部114の下面の表面粗さRaは1.6μm以下であればよい。なお、接合用凸部114の下面の表面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。
円筒部131の上面は、セラミックス基材110の下面113(接合用凸部114が設けられている場合には、接合用凸部114の下面)に固定されている。なお、シャフト130は、セラミックス基材110と同じように、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成されてもよい。あるいは、断熱性を高めるために、セラミックス基材110より熱伝導率の低い材料で形成されてもよい。また、円筒部131の上面に、円筒部131の下方に設けられた大径部132と同様な拡径部が設けられてもよい。
図1に示されるように、シャフト130は中空の円筒形状を有しており、その内部(内径より内側の領域)には長手方向6に延びる貫通孔が形成されている。シャフト130の中空の部分(貫通孔)には、電極120に電力を供給するための給電線140が配置されている。給電線140の上端は、電極120の中央に配置された端子部121(図2参照)に電気的に接続されている。給電線140は、不図示のヒータ用電源に接続される。これにより、給電線140を介して電極120に電力が供給される。
また、図1に示されるように、シャフト130の円筒部131には、上下方向5に延びる第2ガス流路168が形成されている。上述のように、第2ガス流路168の上端は第1ガス流路164の下端に接続されている。
次に、基板保持部材100の製造方法について説明する。以下では、セラミックス基材110及びシャフト130が窒化アルミニウムで形成される場合を例に挙げて説明する。
まず、セラミックス基材110の製造方法について説明する。図4(a)に示されるように、窒化アルミニウム(AlN)粉末を主成分とする造粒粉Pをカーボン製の有床型501に投入し、パンチ502で仮プレスする。なお、造粒粉Pには、5wt%以下の焼結助剤(例えば、Y)が含まれることが好ましい。次に、図4(b)に示されるように、仮プレスされた造粒粉Pの上に、所定形状に裁断された電極120を配置する。なお、電極120は、加圧方向に垂直な面(有床型501の底面)に平行になるように配置される。このとき、Wのペレット又はMoのペレットを電極120の端子121(図2参照)の位置に埋設してもよい。
図4(c)に示されるように、電極120を覆うようにさらに造粒粉Pを有床型501に投入し、パンチ502でプレスして成形する。次に、図4(d)に示されるように、電極120が埋設された造粒粉Pをプレスした状態で焼成する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。次に、図4(e)に示されるように、端子121を形成するために、電極120までの止まり穴加工を行う。なお、ペレットを埋設した場合には、ペレットまでの止まり穴加工を行えばよい。さらに、第1ガス流路164の一部となる貫通孔を形成する。これにより、内部に第1ガス流路164が形成されたセラミックス基材110を作製することができる。この場合、電極120が第1ガス流路164から露出しないように、予め所定のニゲを設けておく。
なお、セラミックス基材110は以下の方法によっても製造することができる。図5(a)に示されるように、窒化アルミニウムの造粒粉Pにバインダーを加えてCIP成型し、円板状に加工して、窒化アルミニウムの成形体510を作製する。次に、図5(b)に示されるように、成形体510の脱脂処理を行い、バインダーを除去する。
図5(c)に示されるように、脱脂された成形体510に、電極120を埋設するための凹部511を形成する。成形体510の凹部511に電極120を配置し、別の成形体510を積層する。なお、凹部511は予め成形体510に形成しておいてもよい。次に、図5(d)に示されるように、電極120を挟むように積層された成形体510をプレスした状態で焼成し、焼成体を作製する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。焼成体を作製した後の工程は、上述の工程と同様であるので、説明を省略する。
このようにして形成されたセラミックス基材110の上面111に対して研削を行い、研磨加工を行う。さらに、上面111に対してサンドブラスト加工を行うことにより、上面111に複数の凸部156及び環状凸部152を形成する。なお、複数の凸部156、環状凸部152を形成するための加工方法は、サンドブラスト加工が好適であるが、他の加工方法を用いることもできる。セラミックス基材110の下面113には、下面113から突出した接合用の凸部114が設けられてもよい(図12参照)。
次に、シャフト130の製造方法及びシャフト130とセラミックス基材110との接合方法について説明する。まず、バインダーを数wt%添加した窒化アルミニウムの造粒粉Pを静水圧(1MPa程度)で成形し、成形体を所定形状に加工する。なお、シャフト130の外径は、30mm~100mm程度である。シャフト130の円筒部131の端面には円筒部131の外径より大きい径を有するフランジ部133が設けられてもよい(図12参照)。円筒部131の長さは例えば、50mm~500mmにすることができる。このとき、成形体に第2ガス流路168となる貫通孔を形成する。その後、成形体を窒素雰囲気中で焼成する。例えば、1900℃の温度で2時間焼成する。そして、焼成後に焼結体を所定形状に加工することによりシャフト130が形成される。円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113とを、1600℃以上、1MPa以上の一軸圧力下で、拡散接合により固定することができる。この場合には、セラミックス基材110の下面113の表面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。また、円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113とを、接合剤を用いて接合することもできる。接合剤として、例えば、10wt%のYを添加したAlN接合材ペーストを用いることができる。例えば、円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113との界面に上記のAlN接合剤ペーストを15μmの厚さで塗布し、上面111に垂直な方向(シャフト130の長手方向6)に5kPaの力を加えつつ、1700℃の温度で1時間加熱することにより、接合することができる。あるいは、円筒部131の上面とセラミックス基材110の下面113とを、ねじ止め、ろう付け等によって固定することもできる。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて更に説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例及び比較例に限定されない。
[比較例]
比較例の基板保持部材100A(図6参照)について説明する。比較例においては、5wt%の焼結助剤(Y)を添加した窒化アルミニウム(AlN)を原料として、上述の作製方法により直径300mm、厚さ20mmのセラミックス基材110を作製した。なお、電極120として、モリブデンメッシュ(線径0.1mm、メッシュサイズ#50、平織り)を図2の形状に裁断したものを作製し、このような電極120をセラミックス基材110に埋設した。セラミックス基材110の上面111に、内径292mm、外径298mm、幅3mm、上面111からの高さ150μmの環状凸部152を形成した。なお、図6に示されるように、比較例の基板保持部材100Aにおいて、環状凸部152には、第2部分154は形成されていない。さらに、セラミックス基材110の上面111に、直径2mm、上面111からの高さ150μmの円柱形状の複数の凸部156(第1凸部157)を形成した。上述のように、複数の凸部156は正四角形配置されており、各凸部間の距離は10mmとした。このように、比較例の基板保持部材100Aは、環状凸部152の高さが150μmであり、複数の凸部156の高さが150μmである。つまり、環状凸部152の高さと複数の凸部156の高さは同じである。言い換えると、環状凸部152の上面152aの上下方向5の位置(高さ位置)と、凸部156の上面156aの上下方向5の高さ位置とが同じである。なお、環状凸部152の上面152a及び凸部156の上面156aの表面粗さRaは、いずれも0.4μmとした。
第1ガス流路164の開口164aの直径は3mmである。開口164aの中心は、セラミックス基材110の中心から30mmの位置にある。
このような形状の基板保持部材100Aをプロセスチャンバに設置した。プロセスチャンバ内に、プロセスガスとしてアルゴンガスを26600Pa(200Torr)の圧力で供給した。さらに、第1ガス流路164を通じて、アルゴンガスを6650Pa(50Torr)の圧力に調節した。
そして、以下の手順で基板保持部材100Aの温度評価を行った。まず、セラミックス基材110の上に温度評価用のシリコンウェハを載せ、基板保持部材100の電極120に不図示の外部電源を接続した。そして、定常状態でシリコンウェハの上面の温度が約400℃となるように外部電源の出力電力を調整した。そして、上記の圧力でプロセスガスと伝熱ガスとしてのアルゴンガスの圧力を調節した。その後、温度評価用のシリコンウェハの、外縁から1mmの領域を除く直径298mmの領域の温度分布を赤外線カメラで計測した。温度評価用のシリコンウェハの、直径298mmの領域における、最高温度と最低温度の差を温度差Δとした。また、温度評価用のシリコンウェハの、環状凸部152と上下方向に重なる位置に、局所的な高温部(ヒートスポット)が発生するかどうかを評価した。なお、温度評価用のシリコンウェハの平均温度に対して、3.0℃以上高温になる領域があった場合に、ヒートスポットが発生したと判断した。温度評価用のシリコンウェハは、直径300mmのシリコンウェハの上面に厚さ30μmの黒体膜をコーティングしたものである。黒体膜とは、放射率(輻射率)が90%以上である膜であり、例えば、カーボンナノチューブを主原料とする黒体塗料をコーティングすることにより成膜することができる。比較例において、第1ガス流路164に流れるアルゴンガスのガス流量は2.1sccmであった。なお、アルゴンガスのガス流量はマスフローメータで調節した。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは3.8℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる環状の領域の一部に、ヒートスポットが発生した。
[実施例1]
図1、3に示されるように、実施例1の基板保持部材100は、環状凸部152の一部に略矩形状の第2部分154が形成されていることを除いて、比較例の基板保持部材100Aと同じ形状を有する。第2部分154は、比較例においてヒートスポットが発生した部分をカバーするように設けられている。
実施例1において、比較例と同じ圧力でアルゴンガスを調節した。実施例1において、第1ガス流路164に流れるアルゴンガスのガス流量は0.8sccmであり、圧力制御に問題の無い流量であった。なお、アルゴンガスのガス流量はマスフローメータで調節した。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは2.5℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる環状の領域に、ヒートスポットの発生は認められなかった。
[実施例2]
実施例2の基板保持部材100は、環状凸部152の形状が異なる点を除いて、実施例1の基板保持部材100と同様である。図7に示されるように、実施例2の基板保持部材100の環状凸部152には、第2部分154が円周方向に周期的に並んでいる。なお、第1部分153の円周方向の長さと、第2部分154の円周方向の長さはほぼ同じである。つまり、環状凸部152において、第1部分153の中心角αと、第2部分の中心角βとが同じである。言い換えると、環状凸部152は、円周方向に周期的に並んだ矩形波形の周期部分155を有している。また、実施例1と同じ圧力でアルゴンガスを調節した。実施例2において、第1ガス流路164を流れるアルゴンガスのガス流量は1.1sccmであった。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは2.1℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる領域に、ヒートスポットの発生は認められなかった。
[実施例3]
実施例3の基板保持部材100は、環状凸部152の形状と、複数の凸部156の配置が異なることを除いて、実施例1の基板保持部材100と同様である。図8に示されるように、実施例3の環状凸部152は円周方向に周期的に並んだ波形の周期部分155を有する。周期部分155は、中心角6°ごとに繰り返されている。波形の環状凸部152の、中心から最も遠い部分の径は298mmであり、中心に最も近い部分の径は288mmである。なお、環状凸部152の幅は2mmである。複数の凸部156(第1凸部157)は、同心円状に配置されている。複数の第1凸部157の最外周に位置する最外周凸部157aは、中心角6°ごとに配置されている。
実施例3においても、実施例1と同じ圧力でアルゴンガスを調節した。実施例3において、第1ガス流路164を流れるアルゴンガスのガス流量は0.8sccmであった。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは2.0℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる環状の領域に、ヒートスポットの発生は認められなかった。
[実施例4]
実施例4の基板保持部材100は、環状凸部152の形状が異なることを除いて、実施例3の基板保持部材100と同様である。図9に示されるように、実施例4の環状凸部152は円周方向に周期的に並んだ周期部分155を有する。1つの周期部分155は、S字型の部分と、S字型の部分を鏡映反転させた逆S字型の部分とを有している。各周期部分155がこのような形状を有しているため、図9に示されるように、環状凸部152は半径方向を横切る仮想線(直線)と複数の箇所で交差する。なお、周期部分155bは、中心角6°ごとに繰り返されている。実施例3と同様に、環状凸部152の、中心から最も遠い部分の径は298mmであり、中心に最も近い部分の径は288mmである。なお、環状凸部152の幅は2mmである。実施例3と同様に、複数の凸部156(第1凸部157)は、同心円状に配置されている。複数の凸部157の最外周に位置する最外周凸部157aは、中心角6°ごとに配置されている。
実施例4においても、実施例1と同じ圧力でアルゴンガスを調節した。実施例4において、第1ガス流路164を流れるアルゴンガスのガス流量は1.3sccmであった。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは2.3℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる環状の領域に、ヒートスポットの発生は認められなかった。
[実施例5]
実施例5の基板保持部材100は、環状凸部152の形状と、複数の凸部156の配置が異なることを除いて、実施例3の基板保持部材100と同様である。図10に示されるように、実施例5の環状凸部152は円周方向に周期的に並んだ三角波形状の周期部分155を有する。周期部分155は、中心角6°ごとに繰り返されている。三角波形状の環状凸部152の、中心から最も遠い部分の径は298mmであり、中心に最も近い部分の径は288mmである。なお、環状凸部152の幅は2mmである。複数の凸部156は、環状凸部152の内側に配置された複数の第1凸部157と、環状凸部152の外側に配置された複数の第2凸部158とを有している。複数の第1凸部157は同心円状に配置されている。複数の第1凸部157の最外周に位置する最外周凸部157aは、中心角6°ごとに配置されている。同様に、複数の第2凸部158も中心角6°ごとに配置されている。
実施例5においても、実施例1と同じ圧力でアルゴンガスを調節した。実施例5において、第1ガス流路164を流れるアルゴンガスのガス流量は0.8sccmであった。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは1.9℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる環状の領域に、ヒートスポットの発生は認められなかった。
[実施例6]
実施例6の基板保持部材100は、環状凸部152の高さが30μmであることと、図2に示される電極120に加えて、図11に示される静電吸着用電極124をセラミックス基材110の上面より深さ1mmの位置に埋設したことと、環状凸部152及び複数の凸部156(第1凸部157)の高さを15μmとしたこととを除いて、実施例3の基板保持部材100と同様である。図11に示されるように、静電吸着用電極124は2つの半円形状の電極124a、124bが所定の間隔(5mm)を隔てて向かい合うように配置されており、全体として略円形の形状を有している。静電吸着用電極124の外径は294mmである。実施例6においては、電極124aに+500V、電極124bに-500Vの電圧を印加し、ウェハ10を静電吸着した。実施例6の基板保持部材100においては、不図示のヒータ電源により約50Wのヒータ電力が供給された。また、実施例6においては、プロセスチャンバ内に、プロセスガスとして窒素ガスを10Paの圧力で供給した。第1ガス流路164にヘリウムガスを流した。第1ガス流路164を流れるヘリウムガスの圧力を665Pa(5Torr)に調節した。実施例6において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.6sccmであった。温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価すると、温度差Δは1.0℃であった。また、温度評価用シリコンウェハの、上下方向において環状凸部152と重なる環状の領域に、ヒートスポットの発生は認められなかった。
<実施例及び比較例のまとめ>
図13は、上述の実施例1~6及び比較例の結果をまとめた表を示している。
上述のように、実施例1~6の基板保持部材100は、環状凸部152の内側に開口する開口164aを有する第1ガス流路164を備えている。これにより、第1ガス流路164を流れるガスの流量及び/又は圧力を調整することができる。例えば、実施例1~5のように、セラミックス基材110の上面111と、環状凸部152と、ウェハ10とに囲まれた空隙の圧力(実施例1~5では6650Pa)を、プロセスチャンバ内のプロセスガスの圧力(実施例1~5では26600Pa)よりも低く設定することができる。基板保持部材110の上面111と、環状凸部152と、ウェハ10とに囲まれた空隙の圧力を、プロセスチャンバ内のプロセスガスの圧力よりも低くすることができるので、これらの差圧によりウェハ10をセラミックス基材110の上面111に向かって吸着させてウェハ10を保持することができる。あるいは、実施例6のように、基板保持部材100が静電吸着用電極124を備えている場合には、静電気力によりウェハ10をセラミックス基材110の上面111に向かって吸着させてウェハ10を保持することができる。
ここで、比較例のように、環状凸部152に第2部分154又は周期部分155が形成されていない場合を考える。比較例のように、環状凸部152が円環状の形状を有している場合、基板保持部材100の構造等に起因して、ウェハ10と環状凸部152とが均一に密着しないことがある。なお、ウェハ10と環状凸部152とが均一に密着しないことに関連する基板保持部材100の構造等として、電極120のパターン、静電吸着用電極124の形状、基板保持部材100が載置される減圧容器の環境、排気口の位置、ウェハ10を載置するためのリフトピンの配置等があげられる。ウェハ10と環状凸部152とが均一に密着しない場合には、ウェハ10と環状凸部152とで画定される空間(バックガス空間)とプロセスチャンバとの間で局所的なガスのリークが生じることがある。また、ウェハ10と環状凸部152とが均一に密着しないことに起因して、ウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一が生じる恐れがある。そのため、比較例においては、温度評価用シリコンウェハの温度分布を評価したときに、環状凸部152に沿ったヒートスポット領域が発生したと考えられる。
これに対して、実施例1においては、比較例における環状凸部152のヒートスポットが発生した領域を避けるように、第2部分154が形成されている。これにより、ウェハ10と環状凸部152との接触面積を増やして、ウェハ10と環状凸部152との密着性を改善することができる。その結果、上述のような局所的なガスのリークを抑制し、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一を抑制することができる。
また、実施例2~6においては、環状凸部152はその全周にわたって周期的に設けられた周期部分155を有している。これにより、ウェハ10と環状凸部152との接触面積を増やして、ウェハ10と環状凸部152との密着性を改善することができる。その結果、上述のような局所的なガスのリークを抑制し、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一を抑制することができる。
<実施形態の作用効果>
上記実施形態及び実施例1、2において、基板保持部材100は、セラミックス基材110を備えている。セラミックス基材110の上面111には、上面111の外周部に配置され、且つ、上面111よりも上方に突出した環状の環状凸部152と、環状凸部152の内側に配置され、且つ、上面111よりも上方に突出した複数の凸部156とが設けられている。環状凸部152は、円周方向に沿って延びる第1部分153と、第1部分153よりも径方向の内側に位置する第2部分154を有している。第2部分154は、第1部分153から径方向の内側に向かって延びる部分を有している。また、第2部分154の中心角βは、β≧10°である。なお、第2部分154が複数ある場合には、第2部分154の中心角βは、複数の第2部分154の中心角を合計した角度である。
セラミックス基材110の外周部に環状凸部152が設けられているので、ウェハ10をセラミックス基材110の上面に向かって吸着させたとき、ウェハ10の外縁部が変形することを抑制することができる。但し、上述のように、環状凸部152が真円の円環状の形状を有している場合、基板保持部材100の構造等に起因して、ウェハ10と環状凸部152とが均一に密着しないことがある。これに対して、上記実施形態及び実施例1、2においては、第2部分154が形成されている。これにより、ウェハ10と環状凸部152との接触面積を増やして、ウェハ10と環状凸部152との密着性の不均一性を改善することができる。その結果、上述のような局所的なガスのリークを抑制し、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一を抑制することができる。
なお、図14に示すように、基板保持部材100を製造する際に、環状凸部152のどの位置に幅狭部分153を形成すればよいかについては、以下のようにして決定することができる。
上述の比較例のように、まず第2部分154を備えていない基板保持部材100Aを用意して(S10)、基板保持部材100Aに温度評価用のシリコンウェハを保持した状態で温度評価用のシリコンウェハの温度分布を測定する(図13:S20)。測定された温度分布に基づいて、環状凸部152のどの位置でヒートスポットが発生しているかを特定する(S30)。そして、例えば、実施例1のように、環状凸部152の、ヒートスポットが発生している位置に対応する領域に第2部分154を形成する(S40)。これにより、ヒートスポットの発生を抑制することができ、ウェハ10の温度分布を一様にすることができる。
上記実施例2~6においても、基板保持部材100は、セラミックス基材110を備えている。セラミックス基材110の上面111には、上面111の外周部に配置され、且つ、上面111よりも上方に突出した環状の環状凸部152と、環状凸部152の内側に配置され、且つ、上面111よりも上方に突出した複数の凸部156とが設けられている。環状凸部152は、円周方向の所定の間隔ごとに、円周方向とは異なる方向に延びる複数の周期部分155を有している。そのため、上述のように、ウェハ10と環状凸部152との接触面積を増やして、ウェハ10と環状凸部152との密着性の不均一性を改善することができる。その結果、上述のような局所的なガスのリークを抑制し、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一を抑制することができる。
また、ウェハ10が平坦な形状ではなく反りのある形状を有していることがある。そのような場合には、比較例のような円環形状の環状凸部152では、環状凸部152の上面152aのすべての領域で、環状凸部152の上面152aとウェハ10とが一様に密着することが困難となる。特にウェハ10は外縁部で撓みやすいため、吸着力が円周方向にのみ働く比較例のような円環形状の環状凸部152では、環状凸部152の上面152aとウェハ10とが一様に密着せずに、口を開くリスクが大きかった。これに対して、実施例2~6のように、環状凸部152がその全周にわたって周期的に設けられた周期部分155を有している場合には、多様な反りのウェハ10であってもウェハ10の外縁部の吸着力を確保できる。その結果、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一を抑制することができる。
上記実施例3~6において、環状凸部152の内側に配置された第1凸部157のうち、径方向の最も外側に位置する複数の最外周凸部157aは、周期部分155と同じ周期で円周方向に並んで配置されている。このように、環状凸部152の周期部分155の周期性と、複数の第1凸部157(最外周凸部157a)の配置の周期性とを関連付けることにより、ウェハ10の外縁部の平面度矯正の効果を上げることができる。その結果、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一をさらに抑制することができる。
実施例5において、セラミックス基材110には、環状凸部152の外側に配置された複数の第2凸部158が設けられている。このように、環状凸部152の外側に第2凸部158が設けられていることにより、ウェハ10の外縁部の平面度矯正の効果を上げることができる。その結果、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一をさらに抑制することができる。
実施例4において、環状凸部152の周期部分155は、環状凸部152の中心から径方向に延びる仮想線を複数回横切るような形状(ラビリンス形状)を有している。これにより、環状凸部152とウェハ10の外縁部との接触面積が増える。その結果、ガスのリークに起因するウェハ10の温度の不均一やウェハ10の平坦度の不均一を抑制することができる。
実施例6において、セラミックス基材110は、静電吸着用電極124を含んでいる。この場合には、ウェハ10と静電吸着用電極124との間に静電吸着力が作用し、ウェハ10を吸着することができる。また、環状凸部152を上記実施形態及び実施例1~6のような形状にすることにより、静電チャックを用いたプロセスでのウェハ10の温度分布の均熱性を高め、局所的なヒートスポットの発生を抑制することができる。
実施例1~5において、セラミックス基材110はヒータ電極としての電極120を含んでいる。この場合には、ウェハ10と環状凸部152とで画定される空間(バックガス空間)の圧力をプロセスガスの圧力より低くすることによって差圧による吸着力が作用し、ウェハ10を吸着することができる。環状凸部152を上記実施形態及び実施例1~6のような形状にすることで発熱抵抗体を有するヒーターを用いたプロセスでのウェハ10の温度分布の均熱性を高め、局所的なヒートスポットの発生を抑制することができる。
上記実施形態及び実施例1~6において、セラミックス基材110の下面113に筒状のシャフト130を接合することができる。これにより、基板保持部材100の断熱性が向上し、ウェハ10の温度分布の均熱性が向上する。
<変更形態>
上述の実施形態は、あくまで例示に過ぎず、適宜変更しうる。例えば、セラミックス基材110、シャフト130の形状、寸法は上記実施形態のものには限られず、適宜変更しうる。また、環状凸部152の高さ、幅等の寸法、形状、上面の表面粗さRaの大きさは適宜変更しうる。また、複数の凸部156の高さ、上面156aの形状、上面156aの表面粗さRaの大きさは適宜変更しうる。さらに、環状凸部152の第2部分154の位置、数、形状(中心角βの大きさ、周方向の長さなど)、環状凸部152の上面152aの表面粗さRaなども適宜変更しうる。また、環状凸部152における第1部分153の長さと第2部分154の長さの比も、第2部分154の中心角βが10°≦βである限りにおいて、適宜変更しうる。
また、第2部分154は第1部分153よりも径方向の内側に位置することに限られず、第1部分153よりも径方向の外側に位置していてもよい。また、第2部分154の形状は、図1、3、7に示されるような矩形状の形状には限られず、適宜変更しうる。例えば、図8~10に示される環状凸部152の周期部分155のような形状にすることができる。
例えば、複数の凸部156の上面156aの形状は必ずしも円形でなくてもよく、任意の形状にすることができる。なお、その場合においても、直径0.1mm~5mmの円と同程度の面積を有することが好ましい。また、上記説明において、複数の凸部156は同心円状に、又は、隙間無く敷き詰められた正四角形の頂点位置に分布するように配置されていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、複数の凸部156がランダムな位置に分布するように配置されていてもよい。その場合であっても、複数の凸部156の、各凸部の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にあることが好ましい。
上記実施形態においては、電極120として、モリブデン、タングステン、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金を用いていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、モリブデン、タングステン以外の金属又は合金を用いることもできる。また、電極120は発熱体としてのヒータ電極であったが、電極120は必ずしも発熱体としてのヒータ電極である必要は無く、例えば、静電吸着用電極又は高周波電極であってもよい。
上記実施形態においては、基板保持部材100は電極120を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、基板保持部材100は必ずしも電極120を備えていなくてもよい。また、基板保持部材100が電極120を備えている場合であっても、電極120は基板保持部材100のセラミックス基材110に埋設されていなくてもよい。例えば、電極120がセラミックス基材110の裏面113に貼付されていてもよい。
上記実施形態においては、基板保持部材100はシャフト130を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、基板保持部材100は必ずしもシャフト130を備えていなくてもよい。また、基板保持部材100がシャフト130を備えている場合であっても、シャフト130の円筒部131に、上下方向5に延びる第2ガス流路168が形成されていなくてもよい。例えば、第2ガス流路168に代えて、円筒部131の中空の領域(給電線140が設けられている領域)に、別途ガスの配管を設けることもできる。
以上、発明の実施形態及びその変更形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが請求の範囲の記載からも明らかである。
明細書、及び図面中において示した製造方法における各処理の実行順序は、特段に順序が明記されておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるので無い限り、任意の順序で実行しうる。便宜上、「まず、」「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するわけではない。
100 基板保持部材
110 セラミックス基材
120 電極
130 シャフト
140 給電線
152 環状凸部
153 第1部分
154 第2部分
155 周期部分
156 複数の凸部

Claims (9)

  1. 上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有するセラミックス基材を備え、
    前記セラミックス基材は、
    前記セラミックス基材の前記上面の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
    前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
    前記環状の凸部は、
    円周方向に沿って延びる第1部分と、
    前記第1部分から、径方向の外側又は内側に向かって延びる第2部分とを有し、
    前記第2部分の中心角βは、
    10°≦β
    であることを特徴とする、基板保持部材。
  2. 前記第2部分は、前記第1部分から、前記径方向の内側に向かって延びる請求項1に記載の基板保持部材。
  3. 上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有するセラミックス基材を備え、
    前記セラミックス基材は、
    前記セラミックス基材の前記上面の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
    前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の第1凸部と、を備え、
    前記環状の凸部は、円周方向の所定の間隔ごとに、円周方向とは異なる方向に延びる複数の周期部分を有することを特徴とする、基板保持部材。
  4. 前記複数の第1凸部のうち、径方向の最も外側に位置する複数の最外周凸部は、前記所定の間隔ごとに、前記円周方向に並んでいる請求項3に記載の基板保持部材。
  5. 前記セラミックス基材は、さらに、前記セラミックス基材の前記上面の、前記環状の凸部の外側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の第2凸部を有する請求項3又は4に記載の基板保持部材。
  6. 前記環状の凸部は、前記環状の凸部の中心から径方向に延びる仮想線を複数回横切るような形状を有している請求項1~5のいずれか一項に記載の基板保持部材。
  7. 前記セラミックス基材は、静電吸着用電極を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の基板保持部材。
  8. 前記セラミックス基材は、発熱抵抗体を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の基板保持部材。
  9. さらに、前記セラミックス基材の前記下面に接合された筒状のシャフトを備える請求項1~8のいずれか一項に記載の基板保持部材。


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