JP2024068979A - 静電チャック - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の温度ばらつきを抑制し、基板と環状の凸部との接触界面における表面粗さ相当の隙間から、冷却ガス等が外部へ漏洩することを抑制し、基板を静電吸着させるための静電吸着の電圧を切った後に残る残留吸着を抑制することができる静電チャックを提供する。【解決手段】静電チャック100は、円板状のセラミックス基材110と、セラミックス基材110に埋設された静電吸着電極124とを備えている。セラミックス基材110の外周部には、環状凸部152が設けられ、環状凸部152の内側には、複数の凸部156が設けられている。環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1は、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2よりも小さく、且つ、上面152aの面積S1と上面156aの面積の総和S2との比S1/S2が、0.05≦S1/S2≦30を満たしている。【選択図】 図2

Description

本発明は、シリコンウェハ等の基板を保持する静電チャックに関する。
特許文献1には、シリコンウェハなどの基板を吸着して保持する静電チャックが開示されている。特許文献1に記載の静電チャックは、基板が載置されるセラミックス製の基材と、基材の外周部分において上面から上方に突出する環状の凸部(シールリング部)と、環状の凸部の内側に設けられた複数の突起とを備える。特許文献1の静電チャックにおいては、特にシールリング部における接触ムラに起因する基板の温度ばらつきを抑制することを目的としている。
特開2009-111243号公報
近年、基板の温度ばらつきを抑制することに限られず、基板と環状の凸部との接触界面における表面粗さ相当の隙間から、冷却ガス等が外部へ漏洩することを抑制すること、及び、基板を静電吸着させるための静電吸着の電圧を切った後に残る残留吸着を抑制することが求められている。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、基板の温度ばらつきを抑制することと、基板と環状の凸部との接触界面における表面粗さ相当の隙間から、冷却ガス等が外部へ漏洩することを抑制することと、基板を静電吸着させるための静電吸着の電圧を切った後に残る残留吸着を抑制することとに寄与するための技術を提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有する円板状のセラミックス基材と、
前記セラミックス基材に埋設された、又は前記セラミックス基材の前記下面に配置された静電吸着用電極と、を備え、
前記セラミックス基材は、
前記セラミックス基材の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
前記セラミックス基材の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
前記環状の凸部の上面の中心線平均粗さRa1が、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2よりも小さく、
前記環状の凸部の前記上面の面積S1と前記複数の凸部の前記上面の面積の総和S2との比S1/S2が、
0.05≦S1/S2≦30
を満たすことを特徴とする静電チャックが提供される。
上記構成によれば、環状の凸部の上面の中心線平均粗さRa1が、複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2よりも小さく、且つ、環状の凸部の上面の面積S1と複数の凸部の上面の面積の総和S2との比S1/S2が、0.05≦S1/S2≦30を満たしている。これにより、基板の温度ばらつきを抑制することができ、基板と環状の凸部との接触界面における表面粗さ相当の隙間から、冷却ガス等が外部へ漏洩することを抑制することができ、基板を静電吸着させるための静電吸着の電圧を切った後に残る残留吸着を抑制することができる。
図1は、静電チャック100の斜視図である。 図2は、静電チャック100の概略説明図である。 図3は、電極120の概略説明図である。 図4は、ヒータ電極122の概略説明図である。 (a)~(e)は、セラミックス基材110の製造方法の流れを示す図である。 (a)~(d)は、セラミックス基材110の別の製造方法の流れを示す図である。 図7は、基台300に静電チャック100を載置した状態を示す説明図である。 図8は、実施例1~5の結果をまとめた表である。 図9は、実施例6及び比較例1~4の結果をまとめた表である。
<静電チャック100>
本発明の実施形態に係る静電チャック100について、図1、2を参照しつつ説明する。本実施形態に係る静電チャック100は、シリコンウェハなどの半導体ウェハ(以下、単にウェハ10という)を吸着して保持するための基板保持部材である。なお、以下の説明においては、静電チャック100が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向5が定義される。図1に示されるように、本実施形態に係る静電チャック100は、セラミックス基材110と、電極120(図2参照)と、シャフト130と、給電線140、141(図2参照)とを備える。
セラミックス基材110は、直径12インチ(約300mm)の円形の板状の形状を有する部材であり、セラミックス基材110の上にはウェハ10が載置される。なお、図1では図面を見やすくするためにウェハ10とセラミックス基材110とを離して図示している。図1に示されるように、セラミックス基材110の上面111には、環状の凸部152(以下、単に環状凸部152という)と、複数の凸部156とが設けられている。なお、図1においては、図面を見やすくするために、図2と比べて複数の凸部156の数を減らして図示している。また、図2に示されるように、セラミックス基材110の内部には、後述の第1ガス流路164が形成されている。セラミックス基材110は、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成することができる。
図1、2に示されるように、環状凸部152は、セラミックス基材110の上面111の外周部(外縁部)に配置された円環状の凸部であり、上面111から上方に突出している。図2に示されるように、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたとき、環状凸部152の上面152aはウェハ10の下面と当接する。つまり、環状凸部152は、ウェハ10がセラミックス基材110の上に載置されたときに、上下方向5においてウェハ10と重なる位置に配置されている。セラミックス基材110の上面111の、環状凸部152の内側には、複数の凸部156が設けられている。複数の凸部156はいずれも円柱形状を有している。複数の凸部156のうちの1つは、上面111の略中心に配置されている。残りの凸部156は、等間隔に並んだ4重の同心円の円周上に並んでいる。また、各同心円の円周上において、凸部156は等間隔で並んでいる。なお、凸部156が配置される位置及び/又は数は、用途、作用、機能に応じて適宜設定される。
環状凸部152の高さは、5μm~50μmの範囲にすることができる。同様に、複数の凸部156の高さも、5μm~50μmの範囲にすることができる。なお、本明細書において、環状凸部152の高さ及び複数の凸部156の高さは、セラミックス基板110の上面111からの上下方向の長さとして定義される。なお、セラミックス基板110の上面111が平坦でなく、例えば段差を有している場合には、セラミックス基板110の上面111のうち、最も高い位置を基準にして、そこからの上下方向の長さとして定義される。
本実施形態において、環状凸部152の高さと複数の凸部156の高さとを同じにすることができる。あるいは、環状凸部152の高さを複数の凸部156の高さよりも高くすることができる。この場合には、環状凸部152と複数の凸部156との高さの差を10μm以下にすることが好ましい。また、環状凸部152の高さを複数の凸部156の高さよりも低くすることができる。この場合には、環状凸部152と複数の凸部156との高さの差を3μm以下にすることが好ましい。環状凸部152の高さが、複数の凸部156の高さよりも3μmを超えて低くなると、セラミックス基材110の上にウェハ10を載置したときに、ウェハ10の下面と環状凸部152の上面152aとの間の空隙が大きくなり、リークが大きくなる。
環状凸部152の上面152aの幅は、一定の幅であることが望ましく、0.1mm~10mmにすることができる。複数の凸部156の上面156aは、直径0.1mm~5mmの円形であることが好ましい。また、複数の凸部156の、各凸部の離間距離(ピッチ)は、1.5mm~30mmの範囲にすることができる。
環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1は0.01μm以上0.4μm以下にすることができる。なお、中心線平均粗さは、表面の凹凸を、その中心線からの偏差の絶対値の平均で表したものである。同様に、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2は0.4μm以上0.8μm以下にすることができる。なお、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1は、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対して0.2μm以上小さいことが好ましい。
環状凸部152の中心線平均粗さRa1の測定は、触針式または光学式の表面粗さ計を使用する。測定個所は、環状凸部152の上面152aの周方向に90度ごとに等配される位置(4ヶ所)とした。そして周方向に走査したときの中心線平均粗さの平均値をRa1とした。複数の凸部156の中心線平均粗さRa2の測定は、同様の表面粗さ計を使用する。測定個所として、セラミックス基材の外径または環状凸部の外径に対して半径の1/2に近接し、かつ、周方向に90度ごとに等配される位置に近接する凸部156を4ヶ所選択した。そして該当する凸部156の上面156aを任意の方向に走査したときの中心線平均粗さの平均値をRa2とした。なお、凸部156の径が極小である場合は、凸部156を形成する前の上記4ヶ所に対応するセラミック基材110の上面111の中心線平均粗さで代用した。
研削砥石、研磨粒子の番手や加工条件、ブラスト加工の条件を適宜変更することにより、所望の中心線平均粗さに調整することができる。また、所望の中心線粗さに調整する工程は、凸部を形成するブラスト加工の前であってもよいしブラスト加工後であってもよい。
上述のように、セラミックス基板110の上面111において、複数の凸部156は4つの同心円の円周上に並んでいる。図2に示されるように、上面111の、複数の凸部156が配置された最も内側の同心円と内側から2番目の同心円との間には、第1ガス流路164の開口164aが開口している。第1ガス流路164は、開口164aを備えるガス流路であり、セラミックス基材110の内部に形成されている。第1ガス流路164は、開口164aから下方に延びている。後述のように、第1ガス流路164の下端は、シャフト130の内部に形成された第2ガス流路168の上端に接合されている。
第1ガス流路164は、セラミックス基材110の上面111とウェハ10の下面とによって画定される空間(間隙)にガスを供給するための流路として用いることができる。例えば、ウェハ10とセラミックス基材110との間の伝熱のための伝熱ガスを供給することができる。伝熱ガスとして、例えば、ヘリウム、アルゴンのような不活性ガスや、窒素ガスなどを用いることができる。伝熱ガスは、第1ガス流路164を通じて、100Pa~40000Paの範囲内で設定された圧力で供給される。また、環状凸部152の上面152aとウェハ10の下面との隙間から、環状凸部152の内側の間隙にプロセスガスが侵入してくる場合には、第1ガス流路164を介して、ガスを排気することができる。この際、排気圧を調整することによって間隙の外側の圧力と、間隙の内側の圧力の差圧を調節することができる。これにより、ウェハ10をセラミックス基材110の上面に向けて吸着させることができる。
図2に示されるように、セラミックス基材110の内部には、電極120が埋設されている。電極120は、ヒータ電極122と、静電吸着用電極124とを含んでいる。静電吸着用電極124はヒータ電極122の上方に埋設されている。
図3に示されるように、静電吸着用電極124は2つの半円形状の電極124a、124bが所定の間隔(例えば、5mm)を隔てて向かい合うように配置されており、全体として略円形の形状を有している。静電吸着用電極124の外径は282mm~298mmとすることができる。本実施形態において、静電吸着用電極124は、モリブデンメッシュ(線径0.1mm、メッシュサイズ#50、平織り)により形成されている。電極124a及び電極124bにそれぞれ所定の電圧(例えば、±500V)を印加することにより、ウェハ10を静電吸着することができる。
図4に示されるように、ヒータ電極122は帯状に裁断された金属製のメッシュや箔である。ヒータ電極122の外径は298mmである。ヒータ電極120はセラミックス基材110の側面から露出しない。ヒータ電極120の略中央には、給電線140(図2参照)と接続される端子部121が設けられている。ヒータ電極122はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金のワイヤーを織ったメッシュや箔等の耐熱金属(高融点金属)により形成されている。タングステン、モリブデンの純度は99%以上であることが好ましい。ヒータ電極122の厚さは0.15mm以下である。なお、ヒータ電極122の抵抗値を高くして、静電チャック100の消費電流を低減させるという観点からは、ワイヤーの線径を0.1mm以下、ヒータ電極122の厚さを0.1mm以下にすることが好ましい。また、帯状に裁断されたヒータ電極122の幅は2.5mm~20mmであることが好ましく、5mm~15mmであることがさらに好ましい。本実施形態においては、ヒータ電極122は、図4に示される形状に裁断されているがヒータ電極122の形状はこれには限られず、適宜変更しうる。なお、セラミックス基材110の内部にはヒータ電極122に加えて、あるいは、ヒータ電極122に代えて、セラミックス基材110の上方にプラズマを発生させるためのプラズマ電極が埋設されていてもよい。
図1、2に示されるように、セラミックス基材110の下面113には、シャフト130が接続されている。シャフト130は中空の略円筒形状の円筒部131と、2つの大径部132、133とを有する。大径部132は円筒部131の上方に設けられており(図2参照)、大径部133は円筒部131の下方に設けられている(図1参照)。大径部132、133は、円筒部131の径よりも大きな径を有している。以下の説明において、円筒部131の長手方向をシャフト130の長手方向6として定義する。図1に示されるように、静電チャック100の使用状態において、シャフト130の長手方向6は上下方向5と平行である。
図2に示されるように、セラミックス基材110の下面113に、シャフト130との接合のための凸部114(以下、接合用凸部114と呼ぶ。本発明の凸部に対応する。)が設けられている。接合用凸部114の形状は、接合されるシャフト130の上面の形状と同じであることが好ましく、接合用凸部114の直径は100mm以下であることが好ましい。接合用凸部114の高さ(下面113からの高さ)は、0.2mm以上であればよく、5mm以上であることが好ましい。特に高さの上限に制限はないが、製作上の容易さを勘案すると、接合用凸部114の高さは20mm以下であることが好ましい。また、接合用凸部114の下面114Bは、セラミックス基材100の下面113に平行であることが好ましい。接合用凸部114の下面114Bの中心線平均粗さRaは1.6μm以下であればよい。なお、接合用凸部114の下面114Bの中心線平均粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。
円筒部131の上面は、セラミックス基材110の接合用凸部114の下面114Bに固定されている。なお、シャフト130は、セラミックス基材110と同じように、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素等のセラミックス焼結体により形成されてもよい。あるいは、断熱性を高めるために、セラミックス基材110より熱伝導率の低い材料で形成されてもよい。
図2に示されるように、シャフト130は中空の円筒形状を有しており、その内部(内径より内側の領域)には長手方向6(図1参照)に延びる貫通孔が形成されている。シャフト130の中空の部分(貫通孔)には、ヒータ電極122に電力を供給するための給電線140と、静電吸着用電極124に電力を供給するための給電線141とが配置されている。なお、図2においては、給電線140、141はそれぞれ1つずつしか図示されていないが、実際には複数の給電線140及び複数の給電線141が配置されている。給電線140の上端は、ヒータ電極122の中央に配置された端子部121(図3参照)に電気的に接続されている。給電線140は、不図示のヒータ用電源に接続される。これにより、給電線140を介してヒータ電極122に電力が供給される。同様に、給電線141を介して、静電吸着用電極124に電力が供給される。
また、図2に示されるように、シャフト130の円筒部131には、上下方向5に延びる第2ガス流路168が形成されている。上述のように、第2ガス流路168の上端は第1ガス流路164の下端に接続されている。なお、上記の説明においては、セラミックス基材110にシャフト130が設けられている場合について説明した。しかしながら、静電チャック100において、セラミックス基材110にシャフト130が設けられていない場合もあり得る。
次に、静電チャック100の製造方法について説明する。以下では、セラミックス基材110及びシャフト130が窒化アルミニウムで形成される場合を例に挙げて説明する。
まず、セラミックス基材110の製造方法について説明する。なお、説明を簡略化するために、セラミックス基材110の内部には、電極120として静電吸着用電極124のみが埋設されているものとする。図5(a)に示されるように、窒化アルミニウム(AlN)粉末を主成分とする造粒粉Pをカーボン製の有床型501に投入し、パンチ502で仮プレスする。なお、造粒粉Pには、5wt%以下の焼結助剤(例えば、Y)が含まれることが好ましい。次に、図5(b)に示されるように、仮プレスされた造粒粉Pの上に、所定形状に裁断された静電吸着用電極124を配置する。なお、静電吸着用電極124は、加圧方向に垂直な面(有床型501の底面)に平行になるように配置される。このとき、Wのペレット又はMoのペレットを静電吸着用電極124の不図示の端子の位置に埋設してもよい。
図5(c)に示されるように、静電吸着用電極124を覆うようにさらに造粒粉Pを有床型501に投入し、パンチ502でプレスして成形する。次に、図5(d)に示されるように、静電吸着用電極124が埋設された造粒粉Pをプレスした状態で焼成する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。次に、図5(e)に示されるように、端子を形成するために、静電吸着用電極124までの止まり穴加工を行う。なお、ペレットを埋設した場合には、ペレットまでの止まり穴加工を行えばよい。さらに、第1ガス流路164の一部となる貫通孔を形成する。これにより、内部に第1ガス流路164が形成されたセラミックス基材110を作製することができる。この場合、静電吸着用電極124が第1ガス流路164から露出しないように、予め静電吸着用電極124に所定の開口部を設けることが好ましい。
なお、セラミックス基材110は以下の方法によっても製造することができる。図6(a)に示されるように、窒化アルミニウムの造粒粉Pにバインダーを加えてCIP成型し、円板状に加工して、窒化アルミニウムの成形体610を作製する。次に、図6(b)に示されるように、成形体610の脱脂処理を行い、バインダーを除去する。
図6(c)に示されるように、脱脂された成形体610に、静電吸着用電極124を埋設するための凹部611を形成する。成形体610の凹部611に静電吸着用電極124を配置し、別の成形体610を積層する。なお、凹部611は予め成形体610に形成しておいてもよい。次に、図6(d)に示されるように、静電吸着用電極124を挟むように積層された成形体610をプレスした状態で焼成し、焼成体を作製する。焼成の際に加える圧力は、1MPa以上であることが好ましい。また、1800℃以上の温度で焼成することが好ましい。焼成体を作製した後の工程は、上述の工程と同様であるので、説明を省略する。
このようにして形成されたセラミックス基材110の上面111に対して研削を行い、ラップ加工を行う。さらに、上面111に対してサンドブラスト加工を行うことにより、上面111に複数の凸部156及び環状凸部152を形成する。このとき、複数の凸部156の高さは同じになるように加工される。また、環状凸部152の上面152aも所定の形状に加工される。なお、複数の凸部156、環状凸部152を形成するための加工方法は、サンドブラスト加工が好適であるが、他の加工方法を用いることもできる。さらに、セラミックス基材110の下面113に円筒加工を行い、下面113から突出した接合用の凸部114を形成する。
次に、シャフト130の製造方法及びシャフト130とセラミックス基材110との接合方法について説明する。まず、バインダーを数wt%添加した窒化アルミニウムの造粒粉Pを静水圧(1MPa程度)で成形し、成形体を所定形状に加工する。このとき、成形体に第2ガス流路168となる貫通孔を形成する。なお、シャフト130の外径は、30mm~100mm程度である。シャフト130の円筒部131の端面にはフランジ部133がなくてもよい。円筒部131の長さは例えば、50mm~500mmにすることができる。成形体を所定形状に加工した後、成形体を窒素雰囲気中で焼成する。例えば、1900℃の温度で2時間焼成する。そして、焼成後に焼結体を所定形状に加工することによりシャフト130が形成される。円筒部131の上面とセラミックス基材110の接合用凸部114とを、1600℃以上、1MPa以上の一軸圧力下で、拡散接合により固定することができる。この場合には、セラミックス基材110の接合用凸部114の下面114Bの中心線平均粗さRaは0.4μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましい。また、フランジ部133の上面と接合用凸部114の下面114Bとを、接合剤を用いて接合することもできる。接合剤として、例えば、10wt%のYを添加したAlN接合材ペーストを用いることができる。例えば、フランジ部133の上面と接合用凸部114の下面114Bとの界面に上記のAlN接合剤ペーストを15μmの厚さで塗布し、上面111に垂直な方向(シャフト130の長手方向6)に5kPaの力を加えつつ、1700℃の温度で1時間加熱することにより、接合することができる。あるいは、円筒部131の上面と接合用凸部114の下面114Bとを、ねじ止め、ろう付け等によって固定することもできる。
以下、本発明について実施例1~6を用いて更に説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例に限定されない。なお、図8、9には、実施例1~6及び比較例1~4の結果をまとめた表が示されている。なお、以下に説明する実施例1~6及び比較例1~4の静電チャック100は、シャフト130と接続用凸部114とは備えておらず、電極120が埋設されたセラミックス基材110により構成されている。
[実施例1]
実施例1の静電チャック100(図2参照)について説明する。実施例1においては、5wt%の焼結助剤(Y)を添加した窒化アルミニウム(AlN)を原料として、上述の作製方法により直径300mm、厚さ25mmのセラミックス基材110を作製した。なお、ヒータ電極122として、モリブデンメッシュ(線径0.1mm、メッシュサイズ#50、平織り)を図4の形状に裁断したものを作製し、このようなヒータ電極122をセラミックス基材110に埋設した。同様に、静電吸着用電極124として、モリブデンメッシュ(線径0.1mm、メッシュサイズ#50、平織り)を図3に示される形状に裁断したものを作製し、このような静電吸着用電極124をセラミックス基材110に埋設した。
セラミックス基材110の上面111に外径298mm、幅0.4mmの環状凸部152を形成した。環状凸部157の上面157aの面積S1は374mmであった。環状凸部152の上面152aとセラミックス基材110の上面111との間の、上下方向5の長さ(環状凸部152の高さ)は15μmである。なお、環状凸部152と静電吸着用電極124とは、上下方向5において互いに重なっていない。なお、環状凸部157の上面157aの面積S1は、環状凸部157の上面157aと側面の角部にR面取り加工がなされていないとしたときの、上面157aの面積として算出される。具体的には、環状凸部157の上面157aと環状凸部157の側面との交差領域、すなわち、環状凸部157の上面157aを延長した仮想面と環状凸部157の側面との交線によって囲まれる領域の面積が、上面157aの面積として算出される。
セラミックス基材110の上面111に、直径2mmの円柱形状の凸部156を1092個形成した。凸部156の上面156aと、セラミックス基材110の上面111との間の、上下方向5の長さ(凸部156の高さ)は15μmである。複数の凸部156は正三角形の頂点に配置されるように並べられた。各凸部間の距離(ピッチ)は16.7mmであった。複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2は3431mmであった。また、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は0.11であった。
第1ガス流路164の開口164aの直径は3mmである。開口164aの中心は、セラミックス基材110の中心から30mmの位置にある。
実施例1では、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1を0.2μmとし、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2を0.4μmとした。このとき、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.5であった。
このような形状の静電チャック100について、以下の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。
ヘリウムリーク量評価において、静電チャック100をプロセスチャンバ内に配置し、プロセスチャンバ内の圧力を1Pa以下に減圧した。その後、プロセスチャンバ内に、プロセスガスとして窒素ガスを10Paの圧力で供給し、第1ガス流路164にヘリウムガスを流した。第1ガス流路164を流れるヘリウムガスの圧力を1333Pa(10Torr)に調節した。このとき、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量が2sccm以下であった場合は、ヘリウムリーク量の評価を「○(良好)」とした。また、ガス流量が2sccmを超えた場合には、ヘリウムリーク量の評価を「×(不良)」とした。ヘリウムリーク量の評価が良好である場合には、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスなどの冷却ガスがプロセスチャンバに漏出することを抑制できるため、プロセスチャンバ内のプロセスガスの環境を乱すことを抑制できる。実施例1において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は1.1sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。
残留吸着評価において、静電チャック100にウェハ10を載置し、静電吸着用電極124に±500Vの電圧を印加して、ウェハ10を1分間静電吸着した。その後、静電吸着用電極124に印加する電圧を0Vにした。電圧を0Vにしたときから5秒後に、不図示のリフトピンを上昇させて静電チャック100からウェハ10を離脱させた。リフトピンの上昇を開始してからウェハ10を離脱させるまでの離脱時間Toffが、Toff≦10秒である場合には、ウェハ10をスムーズに離脱させることができたとして、残留吸着の評価を「○(良好)」とした。離脱時間Toffが10秒<Toff≦20秒である場合には、残留吸着の評価を「△(可)」とし、離脱時間ToffがToff>20秒である場合、又は、ウェハ10が跳ねたり割れたりした場合には、残留吸着の評価を「×(不可)」とした。残留吸着の評価が良好又は可である場合には、例えば、静電チャック100を用いてウェハ10を搬送する場合において、残留吸着に起因する搬送不良が発生することを抑制することができる。実施例1においては、離脱時間Toff<3秒であり、残留吸着の評価は「○」であった。
基板温度分布評価において、静電チャック100を、ヒータを内蔵した基台300(図7参照)に接合し、プロセスチャンバ内に配置した。静電チャック100に直径300mmの温度評価用のシリコンウェハを載置し、基台300に内蔵されたヒータに不図示の外部電源を接続した。プロセスチャンバ内の圧力を1Pa以下に減圧した後、プロセスチャンバ内に、プロセスガスとして窒素ガスを10Paの圧力で供給した。第1ガス流路164にヘリウムガスを流した。第1ガス流路164を流れるヘリウムガスの圧力を1333Pa(10Torr)に調節した。そして、基台300の温度が200℃となるように外部電源の出力電力を調整した。その後、温度評価用のシリコンウェハの温度分布を赤外線カメラで計測し、内側領域(径280mm以内の領域)の平均温度と外側領域(径280mm~298mmの領域)の平均温度との温度差ΔTを評価した。温度差ΔTがΔT≦5℃である場合、基板温度分布の評価を「○(良好)」とした。また、温度差ΔTがΔT>5℃である場合、基板温度分布の評価を「×(不可)」とした。なお、温度評価用のシリコンウェハは、直径300mmのシリコンウェハの上面に厚さ30μmの黒体膜をコーティングしたものである。黒体膜とは、放射率(輻射率)が90%以上である膜であり、例えば、カーボンナノチューブを主原料とする黒体塗料をコーティングすることにより成膜することができる。
実施例1においては、内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは2.1℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[実施例2]
実施例2の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.05μmであり、複数の凸部156の直径が0.5mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が214mmであった点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。実施例2では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は1.74であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.13であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。実施例2において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは10秒であり、残留吸着の評価は「△」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは0.3℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[実施例3]
実施例3の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.1μmであり、環状凸部152の上面152aの幅が1mmであり、環状凸部157の上面157aの面積S1は933mmであった。複数の凸部156の数が4012個であって、各凸部156間の距離(ピッチ)が8.7mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が12604mmであって、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が1.2μmであった。これらの点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。実施例3では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は0.07であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.083であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。実施例3において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.16sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは3秒未満であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは2.0℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[実施例4]
実施例4の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.4μmであり、環状凸部152の上面152aの幅が4mmであり、環状凸部157の上面157aの面積S1は3695mmであった。複数の凸部156の直径が0.5mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が214mmであって、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.6μmであった。これらの点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。実施例4では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は17.2であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.67であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。実施例4において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.4sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは5秒であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは2.8℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[実施例5]
実施例5の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.4μmであり、環状凸部152の上面152aの幅が6mmであり、環状凸部157の上面157aの面積S1は5504mmであった。複数の凸部156の直径が0.5mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が214mmであって、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.6μmであった。これらの点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。実施例5では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は25.7であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.67であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。実施例5において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.32sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは7秒であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは4.1℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[実施例6]
実施例6の静電チャック100は、環状凸部152と静電吸着用電極124とが、上下方向5において互いに重なっている点を除いて、実施例5の静電チャック100と同様である。実施例6では、実施例5と同様に、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は25.7であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.67であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。実施例5において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.27sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは7秒であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは4.1℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[比較例1]
比較例1の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1と、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2とが同じであり、いずれも0.4μmであった。複数の凸部156の直径が1mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が858mmであった。これらの点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。比較例1では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は0.44であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は1であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。比較例1において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は4.1sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「×」であった。離脱時間Toffは3秒未満であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは0.3℃であり、基板温度分布の評価は「○」であった。
[比較例2]
比較例2の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.01μmであり、環状凸部152の上面152aの幅が8mmであり、環状凸部157の上面157aの面積S1は7288mmであった。複数の凸部156の直径が0.5mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が214mmであって、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.4μmであった。これらの点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。比較例2では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は34.0であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.025であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。比較例2において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.1sccm未満であり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは972秒であり、残留吸着の評価は「×」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは7.3℃であり、基板温度分布の評価は「×」であった。
[比較例3]
比較例3の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.4μmであり、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.6μmであった。これらの点を除いて、比較例2の静電チャック100と同様である。比較例3では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は34.0であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.67であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。比較例3において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.3sccm未満であり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは9秒であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは5.4℃であり、基板温度分布の評価は「×」であった。
[比較例4]
比較例4の静電チャック100は、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.15μmであり、環状凸部152の上面152aの幅が1mmであり、環状凸部157の上面157aの面積S1は933mmであった。複数の凸部156の直径が4mmであって、複数の凸部156の個数が4012個であって、各凸部156間の距離(ピッチ)が8.7mmであって、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2が50416mmであって、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2が0.4μmであった。これらの点を除いて、実施例1の静電チャック100と同様である。比較例4では、複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2に対する環状凸部157の上面157aの面積S1の比S1/S2は0.02であった。また、複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2に対する環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1の比Ra1/Ra2は0.38であった。
このような形状の静電チャック100に対して、実施例1と同様の手順でヘリウムリーク量評価、残留吸着評価、基板温度分布評価を行った。比較例4において、第1ガス流路164を流れるヘリウムガスのガス流量は0.4sccmであり、ヘリウムリーク量の評価は「○」であった。離脱時間Toffは3秒未満であり、残留吸着の評価は「○」であった。内側領域の平均温度と外側領域の平均温度との温度差Δは5.6℃であり、基板温度分布の評価は「×」であった。
<実施形態の作用効果>
上記実施形態及び実施例1~6において、静電チャック100は、円板状のセラミックス基材110と、セラミックス基材110に埋設された静電吸着用電極124とを備えている。セラミックス基材110の外周部には、セラミックス基材110の上面111よりも上方に突出する環状凸部152が設けられ、セラミックス基材110の、環状凸部152の内側には、セラミックス基材110の上面111よりも上方に突出する複数の凸部156が設けられている。
実施例1~6及び比較例2~4と、比較例1とを比較すると、環状の凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が、前記複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2よりも小さい場合には、ガスリークが抑制されて、ヘリウムリーク量の評価を「○」にすることができることがわかった。さらに、実施例1~6と比較例2~4とを比較すると、中心線平均粗さRa1が、中心線平均粗さRa2よりも小さいことに加えて、面積比S1/S2が、0.05≦S1/S2≦30を充足する場合には、さらに、残留吸着の評価と基板温度分布の評価も「○」にすることができることがわかった。つまり、実施例1~6と、比較例1~4とを比較すると、環状の凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が、前記複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2よりも小さく、且つ、環状の凸部152の上面152aの面積S1と複数の凸部156の上面156aの面積の総和S2との比S1/S2が、0.05≦S1/S2≦30を満たす場合には、ヘリウムリーク量の評価と、残留吸着の評価と、基板温度分布の評価を全て「○」(良好)にすることができることがわかった。
実施例5と実施例6とを比較すると、静電吸着用電極124が環状凸部152の少なくとも一部と、上下方向5において重なるように配置されている場合には、静電吸着用電極124と環状凸部152とが上下方向5において重なっていない場合と比べて、さらにガスリークを抑制できることがわかった。静電吸着用電極124が環状凸部152の少なくとも一部と、上下方向5において重なるように配置されている場合には、環状凸部152の上面152aとウェハ10との密着性が向上すると考えられる。その結果、ガスリークが抑制されると考えられる。
実施例2、3と実施例1、4~6とを比較すると、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1と複数の凸部156の上面156aの中心線平均粗さRa2との比Ra1/Ra2がRa1/Ra2≦0.13であって、且つ、環状凸部152の上面152aの中心線平均粗さRa1が0.4未満である場合には、ガスリークを0.2sccm以下に抑制できることがわかった。
実施例1~6の静電チャック100において、上記実施形態と同様に、セラミックス基板110の下面113に、シャフト130を接合することができる。これにより、静電チャック100の断熱性を向上させることができる。
<変更形態>
上述の実施形態は、あくまで例示に過ぎず、適宜変更しうる。例えば、セラミックス基材110、シャフト130の形状、寸法は上記実施形態のものには限られず、適宜変更しうる。環状凸部152の高さ、幅等の寸法、環状凸部152の上面152aの断面形状は適宜変更しうる。
複数の凸部156の高さ、上面156aの形状は適宜変更しうる。例えば、複数の凸部156の上面156aの形状は必ずしも円形でなくてもよく、任意の形状にすることができる。なお、その場合においても、直径0.1mm~5mmの円と同程度の面積を有することが好ましい。また、上記説明において、複数の凸部156は同心円状又は正三角形状に分布するように配置されていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、複数の凸部156が、正四角形の各頂点の位置に分布するように、格子状に連続的に配列されてもよく、複数の凸部156がランダムな位置に分布するように配置されていてもよい。その場合であっても、複数の凸部156の、各凸部の離間距離は、1.5mm~30mmの範囲にあることが好ましい。
上記実施形態においては、ヒータ電極122として、モリブデン、タングステン、モリブデン及び/又はタングステンを含む合金を用いていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、モリブデン、タングステン以外の金属又は合金を用いることもできる。また、電極120は発熱体としてのヒータ電極122を含んでいた。しかしながら、電極120は必ずしも発熱体としてのヒータ電極122を含む必要は無い。
上記実施形態においては、静電チャック100はセラミックス基材110に埋設された静電吸着用電極124を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、静電吸着用電極124は静電チャック100のセラミックス基材110に埋設されていなくてもよい。例えば、静電吸着用電極124がセラミックス基材110の裏面113に貼付されていてもよい。また、静電吸着用電極124の形状、厚さ、材質等は上記実施形態の例には限られず、適宜変更しうる。例えば、上記実施形態において、静電吸着用電極124は、モリブデンメッシュにより形成されていたが、本発明はそのような態様には限られず、モリブデン以外の金属又は合金の箔、メッシュなどを用いることができる。
上記実施形態においては、シャフト130は大径部132、133を備えていたが、本発明はそのような態様には限られず、必ずしもシャフト130は大径部132、133を備えていなくてもよい。また、シャフト130の円筒部131に、上下方向5に延びる第2ガス流路168が形成されていなくてもよい。例えば、第2ガス流路168に代えて、円筒部131の中空の領域(給電線140が設けられている領域)に、別途ガスの配管を設けることもできる。
以上、発明の実施形態及びその変更形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが請求の範囲の記載からも明らかである。
明細書、及び図面中において示した製造方法における各処理の実行順序は、特段に順序が明記されておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるので無い限り、任意の順序で実行しうる。便宜上、「まず、」「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するわけではない。
100 静電チャック
110 セラミックス基材
120 電極
130 シャフト
140 給電線
152 環状凸部
156 複数の凸部

Claims (3)

  1. 上面、前記上面と上下方向において対向する下面を有する円板状のセラミックス基材と、
    前記セラミックス基材に埋設された、又は前記セラミックス基材の前記下面に配置された静電吸着用電極と、を備え、
    前記セラミックス基材は、
    前記セラミックス基材の外周部に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する環状の凸部と、
    前記セラミックス基材の、前記環状の凸部の内側に配置され、且つ、前記セラミックス基材の前記上面よりも上方に突出する複数の凸部と、を備え、
    前記環状の凸部の上面の中心線平均粗さRa1が、前記複数の凸部の上面の中心線平均粗さRa2よりも小さく、
    前記環状の凸部の前記上面の面積S1と前記複数の凸部の前記上面の面積の総和S2との比S1/S2が、
    0.05≦S1/S2≦30
    を満たすことを特徴とする静電チャック。
  2. 前記静電吸着用電極は、前記環状の凸部の少なくとも一部と前記上下方向において重なるように配置されている請求項1に記載の静電チャック。
  3. さらに、前記セラミックス基材の前記下面に接合された筒状のシャフトを備える請求項1又は2に記載の静電チャック。
JP2022179701A 2022-11-09 2022-11-09 静電チャック Pending JP2024068979A (ja)

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