JP2023175986A - 鋼管柱の継手構造 - Google Patents

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Kenichi Tahara
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Abstract

Figure 2023175986000001
【課題】鋼管柱を繋ぐ継手構造において、溶接部分を極力少なくしつつ、強度を保つことを目的とする。
【解決手段】鋼管柱の継手構造は、第1の鋼管柱の一端に設けられた第1のダイアフラムと、第1のダイアフラムに固定された第1のフランジと、第2の鋼管柱の一端に設けられた第2のダイアフラムと、第2のダイアフラムに固定された第2のフランジと、第1の添え板とを含み、第1の鋼管柱と第2の鋼管柱とが材軸方向に沿って上下に配置され、第1のフランジと第2のフランジとが第1の添え板でボルト接合され、第1のフランジ及び第2のフランジの一方に、ハンドホールとして用いることのできる第1の貫通孔が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明の一実施形態は、建造物に用いられる鋼管柱の継手構造に関する。
建造物の施工現場において、鉄骨部材を接合する方法として溶接接合とボルト接合が用いられている。溶接接合は、原理的に十分な強度を確保することができる反面、高度な技能と作業時間を要し、接合強度については作業者の技量が影響を与える。これに対し、ボルト接合は、工期の短縮を図ることができ、作業者の技量の影響を受けにくく、品質管理が容易であるという利点を有する。ボルト接合の方式は様々であり、例えば、鋼管柱とH型鋼とを接合する方式、鋼管柱同士を接合する方式が開示されている(特許文献1、2参照)。
特開平5-179702号公報(特許第3146209号) 特開2004-293196号公報(特許第4038449号)
鉄骨部材をボルト接合する場合、H型鋼のような解放された断面形状を有する部材であれば容易にボルト接合をすることができる。しかし、角形鋼管柱のような管状の部材をボルト接合で繋ぐ場合、閉じた断面形状を有しているため施工が容易でないという問題がある。また、ボルト接合の施工を容易にするために鋼管柱の一部を加工することも考えられるが、それによって継手部分の強度が低下することが懸念される。
本発明の目的の一つは、このような課題を解決するための鋼管柱の継手構造を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造は、第1の鋼管柱の一端に設けられた第1のダイアフラムと、第1のダイアフラムに固定され、第1の鋼管柱の材軸方向と平行に配置され、第1の貫通孔を有する第1のフランジと、第2の鋼管柱の一端に設けられた第2のダイアフラムと、第2のダイアフラムに固定され、第2の鋼管柱の材軸方向と平行に配置され、第2の貫通孔を有する第2のフランジと、第1のダイアフラムに固定され、第1の鋼管柱の材軸方向と平行に配置され、第1のフランジに隣接する第3のフランジと、第2のダイアフラムに固定され、第2の鋼管柱の材軸方向と平行に配置され、第2のフランジに隣接する第4のフランジと、第1の添え板、及び第2の添え板と、を含む。第1の鋼管柱と第2の鋼管柱とが上下方向に配置され、第1のフランジ及び第4のフランジ、並びに第2のフランジ及び第3のフランジが、材軸方向に並置される。第1のフランジ及び第4のフランジが第1の添え板でボルト接合され、第2のフランジ及び第3のフランジが第2の添え板でボルト接合され、第1の貫通孔と第2の貫通孔とが、斜かい状に配置されている。
本発明の一実施形態に係る鋼管の継手構造によれば、上下に配置される第1の鋼管柱と第2の鋼管柱のそれぞれにダイアフラムと、それぞれのダイアフラムに固定される貫通孔を有するフランジを複数設け、少なくとも一組の貫通孔を斜かい状に配置することで、ボルト接合の施工を容易にすると共に、継手部の強度の低下を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、(A)は展開図を示し、(B)は2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の正面図を示す。 図2に示す鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示し、(A)は第1の鋼管柱側の断面構造を、(B)は第2の鋼管柱側の断面構造を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、(A)は展開図を示し、(B)は2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の正面図を示す。 図5に示す鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示し、(A)は第1の鋼管柱側の断面構造を、(B)は第2の鋼管柱側の断面構造を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、(A)は展開図を示し、(B)は2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 図8に示す鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示し、(A)はD1線に対応する断面構造を、(B)はD2線に対応する断面構造を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、(A)は展開図を示し、(B)は2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の正面図を示す。 図11に示す鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、(A)は展開図を示し、(B)は2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 図13に示す鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示し、(A)はD3線に対応する断面構造を、(B)はD4線に対応する断面構造を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図であり、(A)は展開図を示し、(B)は2つの鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部を示す。 図15に示す鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示し、(A)は第1の鋼管柱側の断面構造を、(B)は第2の鋼管柱側の断面構造を示す。 本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造におけるボルト接合部の断面構造を示し、(A)は第1の鋼管柱側の断面構造を、(B)は第2の鋼管柱側の断面構造を示す。
以下、本発明の実施形態の内容を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様を含み、以下に例示される実施形態の内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、それはあくまで一例であって、本発明の内容を限定するものではない。また、本明細書において、ある図面に記載されたある要素と、他の図面に記載されたある要素とが同一又は対応する関係にあるときは、同一の符号(又は符号として記載された数字の後にa、b等を付した符号)を付して、繰り返しの説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有しない。
[第1の実施形態]
本発明の一実施形態に係る鋼管柱の継手構造は、第1の鋼管柱と第2の鋼管柱とがボルト接合部によって接合された構造を有する。以下、その継手構造を詳細に説明する。
図1(A)は本実施形態に係る鋼管柱の継手構造の展開図を示し、図1(B)はその斜視図を示す。なお、図1(A)において、ボルト及びナット等の締結部材は省略されている。なお、図1(A)及び(B)は、第1の鋼管柱102及び第2の鋼管柱112が角形鋼管柱である場合を示す。
以下の説明では、便宜上、第1の鋼管柱102が4つの面を有し、各面を時計回りに第1面11、第2面12、第3面13、及び第4面14と符号を付けて示し、第2の鋼管柱112も同様に、各面を時計回りに第1面21、第2面22、第3面23、及び第4面24と符号を付けて示す。また、特に断りのない限り、鋼管柱を立てたとき、その材軸方向において、第1の鋼管柱102は下側に配置され、第2の鋼管柱112は上側に配置されるものとする。
図1(A)に示すように、第1の鋼管柱102の一端に第1のダイアフラム104が設けられ、第2の鋼管柱112の一端に第2のダイアフラム114が設けられる。第1のダイアフラム104及び第2のダイアフラム114は、それぞれ第1の鋼管柱102及び第2の鋼管柱112に溶接される。
第1のダイアフラム104には、第1のフランジ106a、106b、第3のフランジ108a、108bが取り付けられる。第1のフランジ106a、106bは略同一の形状を有し、第1のダイアフラム104に立設され、所定の間隔で対向するように配置される。第3のフランジ108a、108bは、第1のダイアフラム104に立設され、第1のフランジ106a、106bが対向する方向と交差する方向に向けられ、所定の間隔で対向するように配置される。図1(A)は、第1のフランジ106aが第11面に、第1のフランジ106bが第13面に、第3のフランジ108aが第12面に、第3のフランジ108bが第14面に対応して配置される態様を示す。このようなフランジの配置により、第1のダイアフラム104上には、第1のフランジ106a、第1のフランジ106b、第3のフランジ108a、及び第3のフランジ108bにより囲まれる領域が形成される。
第1のフランジ106aは平板状であり、第1の貫通孔120及び複数のボルト孔110を有している。第1のフランジ106aを縦方向に見たとき、第1の貫通孔120は第1のダイアフラム104側に配置される。すなわち、第1の貫通孔120は、第1のフランジ106aが第1のダイアフラム104と接する一辺と、複数のボルト孔110が設けられる領域との間の領域に配置される。第1のフランジ106bは、第1のフランジ106aと同じ形態を有し、複数のボルト孔に加え第3の貫通孔124が設けられる。一方、第3のフランジ108a、108bには、第1の貫通孔120及び第3の貫通孔124に相当する貫通孔は設けられず、複数のボルト孔110のみが設けられる。
第2のダイアフラム114には、第2のフランジ116a、116b、第4のフランジ118a、118bが取り付けられる。第2のフランジ116a、116bは略同一の形状を有し、第2のダイアフラム114に立設され、所定の間隔で対向するように配置される。第4のフランジ118a、118bは、第2のダイアフラム114に立設され、第2のフランジ116a、116bが対向する方向と交差する方向に向けられ、所定の間隔で対向するように配置される。図1(A)は、第2のフランジ116aが第22面に、第2のフランジ116bが第24面に、第4のフランジ118aが第21面に、第4のフランジ118bが第23面に対応して配置される態様を示す。このようなフランジの配置により、第2のダイアフラム114上には、第2のフランジ116a、第2のフランジ116b、第4のフランジ118a、及び第4のフランジ118bにより囲まれる領域が形成される。
第2のフランジ116aは平板状であり、第2の貫通孔122及び複数のボルト孔110を有している。第2のフランジ116aを縦方向に見たとき、第2の貫通孔122は第2のダイアフラム114側に配置される。すなわち、第2の貫通孔122は、第2のフランジ116aが第2のダイアフラム114と接する一辺と、複数のボルト孔110が設けられる領域との間の領域に配置される。第2のフランジ116bは、第2のフランジ116aと同じ形態を有し、複数のボルト孔に加え図示されない第4の貫通孔126が設けられる。一方、第4のフランジ118a、118bには、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126に相当する貫通孔は設けられず、複数のボルト孔110のみが設けられる。
第1の貫通孔120、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び図示されない第4の貫通孔126の大きさに限定はない。これらの貫通孔はハンドホールとして用いられるため、作業者が工具等を入れてボルト接合の施工を行うことのできる孔径を有することが好ましい。これらの貫通孔の形状に限定はなく、図1(A)に示すように円形であってもよいし、楕円形、矩形、又は任意の多角形であってもよい。また、それぞれのフランジに設けられるボルト孔110は、締結具であるボルトを挿通可能な口径を有し、フランジを貫通する貫通孔であり、複数個が適宜設けられる。
第1の添え板130a、130bは、第1のフランジ106a、第2のフランジ116a、第3のフランジ108a、及び第4のフランジ118aの外側に配置され、第2の添え板140a、140bは、第1のフランジ106a、第2のフランジ116a、第3のフランジ108a、及び第4のフランジ118aの内側に配置される。第1の添え板130a、130b及び第2の添え板140a、140bは、各フランジ面に設けられたボルト孔110に対応するようにボルト孔111が設けられる。
第1のフランジ106aに対応する位置に第4のフランジ118aが配置され、第2のフランジ116aに対応する位置に第3のフランジ108aが配置される。同様に、第1のフランジ106bに対応する位置に第4のフランジ118bが配置され、第2のフランジ116bに対応する位置に第3のフランジ108bが配置される。
第1のフランジ106a、106b及び第2のフランジ116a、116bは、第3のフランジ108a、108b及び第4のフランジ118a、118bに対し、材軸方向の長さが長くなるように形成されている。別言すれば、第1のフランジ106aは、第1の貫通孔120が設けられることにより複数のボルト孔110が設けられる領域が、第3のフランジ108aにおいて複数のボルト孔110が設けられる領域よりも高いところに位置している。また、第2のフランジ116aは、第2の貫通孔122が設けられることにより複数のボルト孔110が設けられる領域が、第4のフランジ118aにおいて複数のボルト孔110が設けられる領域よりも低いところに位置している。このような位置関係は、第1のフランジ106bと第3のフランジ108bとの関係、第2のフランジ116bと第4のフランジ118bとの関係についても同様である。
図1(B)は、第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112が上下方向に配置されて繋ぎ合わせることによって、第1のボルト接合部100a、第2のボルト接合部100bが形成される態様を示す(図示されないが、背面側には第3のボルト接合部100c、第4のボルト接合部100dが形成される)。第1のボルト接合部100aは、第1のフランジ106aと第4のフランジ118aとが、第1の添え板130aと第2の添え板140aとによって挟まれてボルト及びナットによって締結されることで形成される。第1のボルト接合部100aでは、第1の添え板130aは第1のフランジ106a及び第4のフランジ118aの外側面と当接され、第2の添え板140aは第1のフランジ106a及び第4のフランジ118aの内側面と当接される。同様に、第2のボルト接合部100bは、第2のフランジ116aと第3のフランジ108aとが、第1の添え板130bと第2の添え板140bとによって挟まれてボルト及びナットによって締結されることで形成される。第1の添え板130bは第3のフランジ108及び第2のフランジ116の外側面に当接され、第2の添え板140bは第3のフランジ108及び第2のフランジ116の内側面に当接される。
第1の鋼管柱102及び第2の鋼管柱112は鉄鋼材料で形成される。第1のダイアフラム104、第2のダイアフラム114、第1のフランジ106a、106b、第2のフランジ108a、108b、第3のフランジ108a、108b、第4のフランジ118a、118b、第1の添え板130a、130b、第2の添え板140a、140bも同様に鉄鋼材料で形成される。例えば、鉄鋼材料として構造用圧延鋼材が用いられる。なお、図1(A)は、外側に配置される第1の添え板130a、130bと、内側に配置される第2の添え板140a、140bとを示すが、ボルト接合部の強度が十分保てる場合には、内側又は外側に当接させる添え板を省略することもできる。
図2は、本実施形態に係る鋼管柱の継手構造の正面図を示す。図2は、第1の鋼管柱102の第1面11及び第2の鋼管柱112の第1面21に第1のボルト接合部100aが形成され、同様に、第2面12及び第2面22に第2のボルト接合部100bが形成され、第4面14及び第4面24に第4のボルト接合部100dが形成されることを示す(図示されないが、第3面13及び第3面23には第3のボルト接合部100cが形成される)。第1のボルト接合部100aにおいて、第1の添え板130a及び第2の添え板(140a:図示せず)は、第1のフランジ106a及び第4のフランジ118aの両方に当接し、第1の貫通孔120を覆わない大きさを有する。このような構成は、第2のボルト接合部100b、第3のボルト接合部(100c:図示せず)、及び第4のボルト接合部100dについても同様である。
図1(A)及び(B)を参照して説明したように、第1のフランジ106aにボルト孔110が形成される領域と、第3のフランジ108aにボルト孔110が形成される領域とは高さが異なり、第2のフランジ116aにボルト孔110が形成される領域と、第4のフランジ108aにボルト孔110が形成される領域とは高さが異なる。そのため、第1のボルト接合部100a(及び図示されない第3のボルト接合部100c)と、第2のボルト接合部100b及び第4のボルト接合部100dとの高さは異なっている。そして、第1の貫通孔120は、第1のボルト接合部100aの下側に位置しており(図示されないが、第3の貫通孔124も同様)、第2の貫通孔122は第2のボルト接合部の上側に位置し、第4の貫通孔126も第4の貫通孔126は第4のボルト接合部100dの上側に位置している。
このように、隣接する面に形成されるボルト接合部及び貫通孔の高さを異ならせ、斜かい状に配置することとで、鋼管柱の各面に配置される貫通孔の全てが同じ高さに配置されないことにより、鋼管柱に働く軸力や、剪断力や、曲げ応力に対しする耐力を高めることができる。
図2に示すように、例えば、第1のボルト接合部100aに対して、第1の貫通孔120が下側に配置され、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126が隣接する面で同じ高さに配置される。このように、一つのボルト接合部に対して、高さが異なる複数の貫通孔が配置されることにより、作業者は、第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112とを継ぎ合わせる作業が容易となる。すなわち、作業者は、施工をするに当たって、高さ及び向きが異なる複数の貫通孔から工具等を入れて、ボルト接合の作業を容易に行うことができる。例えば、第1のボルト接合部100aを施工する場合、作業者は、第1の貫通孔120のみならず、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126からも工具等を挿入して作業を行うことができる。この場合において、第1の貫通孔120に対し、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126は異なる高さ及び異なる向きに配置されていることにより、鋼管柱の内部に様々な角度から工具等を差し入れることが可能となり、作業の自由度を高めることができる。
図3(A)は、図2において矢印A1、A2で挟む部位を断面視したときの断面構造を示し、図3(B)は、図2において矢印B1、B2で挟む部位を断面視したときの断面構造を示す。
図3(A)に示すように、第1のダイアフラム104の面上に、第1のフランジ106aと第1のフランジ106bが対向するように配置され、第3のフランジ108aと第3のフランジ108bとが対向するように配置される。このようなフランジの配置により、第1の鋼管柱102の第1面11側に第1の貫通孔120が配置され、第3面13側に第3の貫通孔124が配置される。また、第1の鋼管柱102の第2面12側に第2のボルト接合部100bが形成され、第4面14側に第4のボルト接合部100dが形成される。また、図3(B)に示すように、第2のダイアフラム114の面上に、第2のフランジ116aと第2のフランジ116bとが対向するように配置され、第4のフランジ118aと第4のフランジ118bとが対向するように配置される。このようなフランジの配置により、第2の鋼管柱112の第2面22側に第2の貫通孔122が配置され、第4面24側に第4の貫通孔126が配置される。また、第2の鋼管柱112の第1面21側に第1のボルト接合部100aが形成され、第3面23に第3のボルト接合部100cが形成される。
図3(A)に示すように、第2のボルト接合部100bは、第1の添え板130b、と第2の添え板140bが第3のフランジ108aを挟み、ボルト孔110、111にボルト150が挿通されナット152により締結することで形成される。第3のフランジ108aは、ボルト孔110が形成されることにより、その部分の断面積が他の部分の断面積と比較して小さくなるが、第1の添え板130b、第2の添え板140bが設けられることにより、断面積の減少を補い剪断強度の低下を抑制することができる。第1の添え板130a及び第2の添え板140bの板厚は適宜設定することができる。このような構成は、第1のボルト接合部100a、第3のボルト接合部100c、第4のボルト接合部100dについても同様である。
図3(A)及び(B)を合わせて参照すれば明らかなように、第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112との継手部分には、ボルト接合部に挟まれるように4方向に貫通孔が配置される。このような継手構造において、貫通孔が設けられるフランジに対して貫通孔を設けないフランジの材軸方向の長さを異ならせ、この2種類のフランジをボルト接合することで、図1(B)及び図2に示すように、貫通孔の位置、及びボルト接合の位置を斜かい状に配置することができる。具体的には、第1の鋼管柱102の側に、材軸方向の長さの異なる第1のフランジ106a、106bと第3のフランジ108a,108bとを設け、第2の鋼管柱112の側に、材軸方向の長さが異なる第2のフランジ116a、116bと第4のフランジ118a、118bとを設け、これらのフランジを咬み合うように配置してボルト接合を形成することで、第1の貫通孔120及び第3の貫通孔124と、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126との高さを異ならせることができる。継手部分に設けられるフランジがこのような構成を有することにより、第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112と繋ぐためのボルト接合の施工性を高めることができる。
本実施形態によれば、第1の貫通孔120、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126をハンドホールとして用い、フランジが配置される継手部分の内側からボルトをセットし,ボルト締めを行うことで2つの鋼管柱を施工現場で接合することができる。ボルト接合は溶接接合より技能的に易しく、手順を守ることで品質も安定させることができる。そして、ハンドホールとして用いることのできる複数の貫通孔を(開孔の方向を異ならせて)斜かい状に配置することで、施工現場における溶接量を極力少なくし、ボルト接合の作業性を向上させ、接合部分の強度が他の部分と同等かそれ以上の強度を有する継手構造を得ることができる。
なお、本実施形態では、鋼管柱の各面に対応してフランジが配置される態様を示すが、フランジの配置はこれに限定されず、隣接する2つの面を架け渡すようにフランジが配置されてもよい。例えば、第1の鋼管柱102においては、第1面11と第2面12とに架け渡されるように第1のフランジ106aが配置されてもよい。このような配置は、他の実施形態においても同様である。
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態に対し、貫通孔が設けられたフランジの配置が異なる態様を示す。以下においては、第1の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図4(A)は、本実施形態に係る鋼管柱の継手部の展開図を示し、図4(B)は鋼管柱の継手部の斜視図を示す。なお、図4(A)において、ボルト、ナット等の締結具は省略されている。
図4(A)に示すように、第1のダイアフラム104上に、第1面11に対応して第1の貫通孔120を有する第1のフランジ106aが設けられ、第2面12に対応して第2の貫通孔122を有する第1のフランジ106bが設けられた構造を有する。また、図4(A)には示されないが、第3面13に対応して第3のフランジ108aが設けられ、第4面14に対応して第3のフランジ108bが設けられた構造を有する。一方、第2の鋼管柱112の側では、第1面21に対応して第4のフランジ118aが設けられ、第2面22に対応して第4のフランジ118bが設けられた構造を有する。なお、第2の鋼管柱112の側には、第3面23に対応して第3の貫通孔124を有する第2のフランジ116aが設けられ、第4面24に対応して第4の貫通孔126を有する第2のフランジ116bが設けられた構造を有する。
すなわち、本実施形態においては、第1のフランジ106aと第1のフランジ106bとが、第1の鋼管柱102の隣接する2つの面に対応するように配置され、第2のフランジ116aと第2のフランジ116bとが、第2の鋼管柱112の隣接する2つの面に対応するように配置されている。そして、第1のフランジ106a及び第1のフランジ106bと、第2のフランジ116a及び第2のフランジ116bと、が上下に直列に重ならないように配置されている。
別言すれば、第1のフランジ106a及び第1のフランジ106bと、第2のフランジ116a及び第2のフランジ116bとは、それぞれL字を形成するように配置されている。そして、図4(B)に示すように、第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112とを繋ぐとき、この2つのL字型の構造が咬み合うように配置される。その結果、第1面11及び第1面21の側、並びに第2面12及び第2面22の側では、同じ高さに第1のボルト接合部100a、第2のボルト接合部100bが配置され、第1の貫通孔120及び第2の貫通孔122は、これらのボルト接合部の下側に配置される。なお、図4(B)では示されないが、第3面13及び第3面23の側、並びに第4面14及び第4面24の側では、第2のフランジ116a及び第2のフランジ116bにより、図示される手前側とはボルト接合部と貫通孔の配置が、逆転した構造が形成される。
図5は、本実施形態に係る鋼管柱の継手構造の正面図を示す。鋼管柱の第1面11及び第1面21の側に第1のボルト接合部100aが形成され、第2面12及び第2面22の側に第2のボルト接合部100bが形成され、第4面14及び第4面24の側に第4のボルト接合部100dが形成される(図示されないが、第3面13及び第3面23の側には第3のボルト接合部100cが形成される)。
図5に示すように、第1の貫通孔120と第2の貫通孔122とは、隣接する2つの面に同じ高さで配置される。別言すれば、第1のボルト接合部100aの下側に第1の貫通孔120が配置され、第2のボルト接合部100bの下側に第2の貫通孔122が配置される。また、図5では明示されないが、第4の貫通孔126は、図示されない第3の貫通孔124と同じ高さで配置される。そして、第4の貫通孔126は、第4のボルト接合部100dの上側に配置される。
図6(A)は、図5において矢印A3、A4で挟む部位を断面視したときの断面構造を示し、図6(B)は、図5において矢印B2、B4で挟む部位を断面視したときの断面構造を示す。
図6(A)に示すように、第1のダイアフラム104の面上に、第1のフランジ106aと第1のフランジ106bがL字型に配置され、第3のフランジ108aと第3のフランジ108bとが逆L字型に配置される。このようなフランジの配置により、第1の鋼管柱102の第1面11側に第1の貫通孔120が配置され、第2面12側に第2の貫通孔122が同じ高さで配置される。また、第1の鋼管柱102の第3面13側に第3のボルト接合部100cが形成され、第4面14側に第4のボルト接合部100dが同じ高さで形成される。また、図6(B)に示すように、第2のダイアフラム114の面上に、第2のフランジ116aと第2のフランジ116bとが逆L字型に配置され、第4のフランジ118aと第4のフランジ118bとがL字型に配置される。このようなフランジの配置により、第2の鋼管柱112の第3面23側に第3の貫通孔124が配置され、第4面24側に第4の貫通孔126が同じ高さで配置される。また、第2の鋼管柱112の第1面21側に第1のボルト接合部100aが形成され、第2面22に第2のボルト接合部100bが同じ高さに形成される。図6(A)及び(B)に示すように、断面視によれば、鋼管柱の4つの面にそれぞれ貫通孔が配置され、ボルト接合部が形成される。
このように、本実施形態に係る鋼管柱の継手構造は、隣接する2つの面に同じ高さの貫通孔を設け、この隣接する2つの面に対向する他の隣接する2つの面に同じ高さの貫通孔を設け、隣接する2つの面と、他の隣接する2つの面との間で、貫通孔の高さが異なる構造を有する。このような貫通孔の配置によれば、例えば、両腕を使ってボルト接合を施工するときの作業性を向上させることができる。そして、このような一組の貫通孔を、高さを異ならせて斜かい状に配置することで、各面にボルト接合を形成するときの作業性を向上させることができ、施工現場における溶接量を極力少なくし、ボルト接合の作業性を向上させ、接合部分の強度が他の部分と同等かそれ以上の強度を有する継手構造を得ることができる。また、鋼管柱の各面に配置される貫通孔の全てが同じ高さに配置されないことにより、継手部分の強度の低下を抑制することができる。
[第3の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態に対し、貫通孔が設けられるフランジの構成が異なる態様を示す。以下においては、第1の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図7(A)は、本実施形態に係る鋼管柱の継手部の展開図を示し、図7(B)及び図8は鋼管柱の継手部の斜視図を示す。また、図7(B)及び図8に示すD1線及びD2線に対応する断面構造を図9(A)と(B)にそれぞれ示す。なお、図7(A)において、ボルト、ナット等の締結具は省略されている。
図7(A)に示すように、第1の鋼管柱102の側には、第1面11に対応して第1のフランジ106aが設けられ、第12面、第13面、第14面に対応して第3のフランジ108a、108b、108cが設けられる第1のフランジ106aには第1の貫通孔120が設けられ、第3のフランジ108a、108b、108cにはボルト孔110のみが設けられ、ハンドホールを形成する貫通孔は設けられていない。第2の鋼管柱112側には、第21面に対応して第4のフランジ118aが設けられ、第22面、第23面、及び第24面に対応して第2のフランジ116a、116b、116cが設けられる。第2のフランジ116aには第2の貫通孔122が設けられ、図示しないが、第2のフランジ116bには第3の貫通孔124が設けられ、第2のフランジ116cには第4の貫通孔126が設けられる。第4のフランジ118aは、ボルト孔110のみが設けられ、ハンドホールを形成する貫通孔は設けられていない。
図7(B)は、このような配置を有する第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112とをボルト接合で繋いだ状態を示す。図7(B)は、第1の鋼管柱102の第1面11及び第2面12、並びに第2の鋼管柱112の第1面21及び第2面22側からみた斜視図である。これに対し図8は、第1の鋼管柱102の第3面13及び第4面14、並びに第2の鋼管柱112の第3面23及び第4面24側からみた斜視図を示す。
図7(B)及び図8に示すように、第1の貫通孔120は、第1の鋼管柱102に近い側に配置されるのに対し、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126は、第2の鋼管柱112に近い側に配置される。このように、本実施形態では、第1の貫通孔120に対し、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126が異なる高さに配置される。別言すれば、第1の貫通孔120に対し、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126の組は斜かい状に配置される。
図9(A)に示すように、第1のダイアフラム104側には、第1の貫通孔120と、第2のボルト接合部100b、第3のボルト接合部100c、及び第4のボルト接合部100dとが配置される。一方、図9(B)に示すように、第2のダイアフラム114側には、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126と、第1のボルト接合部100aとが配置される。このように、本実施形態においては、3つの面に設けられる貫通孔を同じ高さとし、他の1つの面に設けられる貫通孔の高さを異ならせた構造を有する。本実施形態におけるように、同じ高さに3つの貫通孔を配置することで、複数人で施工に当たる場合でも、互いに干渉することなく同時に作業を行うことができる。この場合において、少なくとも一つの貫通孔の高さを異ならせることで、異なる角度から工具等を挿入することができ、ボルト接合の作業性を高めることができる。第1の貫通孔120に対し、第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126はそれぞれ斜かい状に配置されることにより、各面にボルト接合を形成するときの作業性を向上させることができ、施工現場における溶接量を極力少なくし、ボルト接合の作業性を向上させ、接合部分の強度が他の部分と同等かそれ以上の強度を有する継手構造を得ることができる。また、鋼管柱の各面に配置される貫通孔の全てが同じ高さに配置されないことにより、継手部分の強度の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態は、第1の鋼管柱102の側に第1の貫通孔120を設け、第2の鋼管柱112の側に第2の貫通孔122、第3の貫通孔124、及び第4の貫通孔126を設ける構造を示すが、このような貫通孔の配置を上下反転させた構造としても、同様の作用効果を得ることができる。
[第4の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態で示す鋼管柱の継手構造において、さらに補強板を設けた一例を示す。以下においては、第1の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図10(A)は本実施形態に係る鋼管柱の継手構造における継手部分の展開図を示し、図10(B)は本実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図を示す。なお、図10(A)において、ボルト及びナット等の締結部材は省略されている。
図10(A)及び(B)に示すように、第1の補強板144a(ウエブとも呼ばれる)が、第1のフランジ106a、106b、第3のフランジ108a、108bで囲まれた領域に設けられる。第1の補強板144aは、第1の鋼管柱102の材軸方向と平行な方向に立てられ、少なくとも、第1のフランジ106aと第1のフランジ106bの内側と接するように設けられる。また、第1の補強板144aは、第3のフランジ108a及び第3のフランジ108bと内接するように、平面視において十字型の形状を有していてもよい。第2の鋼管柱112の側においても、同様の構造を有する第2の補強板144bが設けられる。
なお、第1の補強版144a及び第2の補強板144bを設けることで、第2の添え板140a、140bは補強板と干渉する。そのため、本実施形態においては、第2の添え板140a、140bが補強板と重ならないように、2つに分割された構造を有する。
図11は、本実施形態に係る鋼管柱の継手構造の正面図を示す。第1の鋼管柱102の側には、第1の貫通孔120(及び図示されない第3の貫通孔124)が設けられる部位と同じ高さに第1の補強板144aが設けられる。また、第2の鋼管柱112の側には、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126が設けられる部位と同じ高さに第2の補強板144bが設けられる。
第1の補強板144aは、一方の端部が第1のフランジ106aの第1の貫通孔120が設けられる位置と当接するように配置される(図示されない第1のフランジ106aに対しても同様である)。また、第1の補強板144aが十字型の形状を有する場合は、第3のフランジ108a、108bとも当接するように設けられる。第2の補強板144bは、一方の端部が第2のフランジ116aの第2の貫通孔122が設けられる位置に当接し、他方の端部が第2のフランジ116bの第4の貫通孔126が設けられる位置と当接するように設けられる。また、第2の補強板144bが十字型の形状を有する場合は、第4のフランジ118a、118bとも当接するように設けられる。第1の補強板144a及び第2の補強板144bは、当接するそれぞれのフランジと溶接により固定される。
このように、第1のフランジ106a、106bの貫通孔が設けられる位置に、第1の補強板144aを架け渡すように設けることで、その部位の強度を高めることができる。すなわち、第1のフランジ106a、106bにおいて、第1の貫通孔120、第3の貫通孔124が設けられる部位の強度を補うことができる。同様に、第2のフランジ116a、116bの貫通孔が設けられる位置に、第2の補強板144bを架け渡すように設けることで、その部位の強度を高めることができる。
第1の補強板144aは、第1の貫通孔120(及び図示されない第3の貫通孔124)と重なる位置に切欠き部146aが設けられていてもよく、第2の補強板144bは、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126と重なる位置に切欠き部146bが設けられていてもよい。切欠き部146a、146bの形状は任意であるが、例えば、それぞれの貫通孔と略同一の直径を有する半円状の形状を有していてもよい。第1の補強板144a、第2の補強板144bに切欠き部146a、146bを設けることで、それぞれの貫通孔の一部を塞がないようにすることができる。それにより、それぞれの貫通孔から工具等を挿入して作業する場合においても、補強板が邪魔をせず、作業性が低下しないようにすることができる。
図12(A)は、図11において矢印A5、A6で挟む部位を断面視したときの断面構造を示し、図12(B)は、図10において矢印B5、B6で挟む部位を断面視したときの断面構造を示す。
図12(A)に示すように、第1のフランジ106aから第1のフランジ106bの内側の側面を架け渡すように第1の補強板144aが設けられる。また、図示されるように第1の補強板144aが、平面視で十字型の形状を有する場合は、第3のフランジ108aから第3のフランジ108bの内側の側面を架け渡すように第1の補強板144aが設けられる。第1の補強板144aは、第1の貫通孔120及び第3の貫通孔124と重なる位置に設けられる。第1の補強板144aの端部には、貫通孔の一部を塞がないように切欠き部146aが設けられる。図12(B)に示す第2の補強板144bも同様の構成を有し、第2の貫通孔122及び第4の貫通孔126と重なる端部に第2の切欠き部146bが設けられる。
図12(A)及び(B)に示すように、フランジが設けられる部位に補強板を設けることで、その部位の強度を高めることができる。特に、フランジに貫通孔を設ける場合において、補強板を設けることで、貫通孔を設けたことによる強度(剛性)の低下を補うことができる。本実施形態に係る鋼管柱の他の構成は、第1の実施形態に係るものと同様であり、同様の作用効果を奏することができる。なお、本実施形態は、第2乃至第3の実施形態の構成と適宜組み合わせて実施することができる。
[第5の実施形態]
本実施形態は、第4の実施形態で示す補強板の構成において、さらに補強板同士を繋ぐ添え板を設けた構成を示す。以下においては、第4の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図13(A)は本実施形態に係る鋼管柱の継手構造における継手部分の展開図を示し、図13(B)は本実施形態に係る鋼管柱の継手構造の斜視図を示す。なお、図13(A)において、ボルト及びナット等の締結部材は省略されている。
図13(A)に示すように、第3の添え板132及び第4の添え板142が、第1の補助板144a及び第2の補助板144bの位置に合わせて配置される。第1の補助板144a及び第2の補助板144bに対し、第3の添え板132は一方の面に配置され、第4の添え板142は他方の面に配置される。第1の補強板144a及び第2の補強板144bと、第3の添え板132及び第4の添え板142とはボルト接合するためのボルト孔が設けられている。第3の添え板132及び第4の添え板142は、第1の補強板144aと第2の補強板144bの両方に亘る長さを有する。図13(B)は、第1の鋼管柱102と第2の鋼管柱112とをボルト接合で繋いだ状態を示す。第3の添え板132及び第4の添え板142は、フランジに囲まれた内部に配置されるため、貫通孔からは視認可能であるものの、それ以外は外観に現れない構造を有する。
図130(B)に示すD3線及びD4線に対応する断面構造を、図14(A)と(B)にそれぞれ示す。図14(A)は、第1の鋼管柱102側の構造を示し、図14(B)は、第2の鋼管柱112側の構造を示す。第1の補強板144a及び第2の補強板144bは、第3の添え板132と第4の添え板142とで挟まれてボルト締めされる。第1の補強板144a及び第2の補強板144bが、平面視で十字型の形状を有する場合、各面に対応して添え板を設け、ボルト締めで固定することができる。
本実施形態で示すように、上下に配置される補強板に添え板を当て、ボルト及びナット等の締結具で固定することで、鋼管柱の継手構造の強度を高めることができる。この場において、補強板を囲むフランジに貫通孔が設けられていることで、補強板を添え板で連結する作業を容易に行うことができる。
[第6の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態に対し、フランジの構成が異なる態様を示す。以下においては、第1の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図15(A)は、本実施形態に係る鋼管柱の継手部の展開図を示し、図15(B)は鋼管柱の継手部の斜視図を示す。また、図15(B)に示すD5線及びD6線に対応する断面構造を、図16(A)と(B)にそれぞれ示す。なお、図15(A)において、ボルト、ナット等の締結具は省略されている。以下の説明においては、図15(A)及び(B)、並びに図16(A)及び(B)を参照して説明するものとする。
本実施形態において、第1の貫通孔120が設けられる第1のフランジ106aは、第1の鋼管柱102の肉厚より大きな板厚を有し、第2の貫通孔122が設けられる第2のフランジ116aは、第2の鋼管柱112の肉厚より大きな板厚を有する。このように、貫通孔が設けられるフランジの板厚を、鋼管柱の肉厚より大きくすることで、貫通孔が設けられ、またボルト孔が設けられたたことによる剪断力、曲げ応力、軸応力に対する強度(剛性)の低下を補うことができる。
なお、第2のフランジ116aの板厚に対し、第3のフランジ108aの板厚は相対的に薄くなっている。第1の添え板130b及び第2の添え板140bで、第2のフランジ116aと第3のフランジ108aを挟んだとき、板厚の差によって隙間ができないように第3のフランジ108aの背面にスペーサ134bが設けられている。スペーサ134bは、第2のフランジ116aと第3のフランジ108aとの板厚の差と同程度の厚さを有し、ボルト孔が設けられており、第3のフランジ108aと第4の添え板140bとの間に挟まれて隙間が出来ないようにボルト接合を形成することができる。図16(A)及び(B)に示すように、スペーサは各ボルト接合部に設けられる(第1のボルト接合部100aにスペーサ134a、第2のボルト接合部100bにスペーサ134b、第3のボルト接合部100cにスペーサ134c、第4のボルト接合部100dにスペーサ134dが配置される)。
なお、貫通孔が設けられない第3のフランジ108及び第4のフランジ118についても、同様に板厚を大きくすることによってボルト孔が設けられたことによる剪断力,曲げ応力,軸応力に対する強度(剛性)の低下を補うことができる。
本実施形態に係る鋼管柱の継手構造は、フランジの厚さが厚くなったこと以外は第1の実施形態と同様である。したがって、上記の効果に加え、第1の実施形態と同様の有利な効果を得ることができる。なお、本実施形態は、第2乃至第5の実施形態と適宜組み合わせて実施することができる。
[第7の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態に対し、ダイアフラムの構成が異なる態様について示す。以下においては、第1の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図17(A)及び(B)は、図3(A)及び(B)に対応する図面であり、角形鋼管柱のボルト接合部の断面構造を示す。本実施形態において、第1のダイアフラム104に貫通孔148aが設けられ、第2のダイアフラム114に貫通孔148bが設けられている。貫通孔148a及び貫通孔148bの大きさ及び平面視における形状は任意である。このように、第1のダイアフラム104及び第2のダイアフラム114の一方及び両方に貫通孔が設けられることで、継手部分の強度を維持しつつ、重量を低減することができる。
また、本実施の形態に示す角型鋼管柱をコンクリート充填鋼管構造(Concrete Filled Steel Tube,CFTともいう。)に応用することができる。貫通孔148a、148bを介して、繋ぎ合わされた第1の鋼管柱102及び第2の鋼管柱112の内側にコンクリートが充填される。この結果、第1の鋼管柱102及び第2の鋼管柱112の断面積を小さくしても強靱な構造を形成することができる。
本実施形態に係る鋼管柱の継手構造は、ダイアフラムの構造以外は第1の実施形態と同様である。したがって、上記の効果に加え、第1の実施形態と同様の有利な効果を得ることができる。なお、本実施形態は、第2乃至第6の実施形態と適宜組み合わせて実施することができる。
100・・・ボルト接合部、102・・・第1の鋼管柱、104・・・第1のダイアフラム、106・・・第1のフランジ、108・・・第3のフランジ、112・・・第2の鋼管柱、114・・・第2のダイアフラム、116・・・第2のフランジ、118・・・第4のフランジ、110・・・ボルト孔、111・・・ボルト孔、120・・・第1の貫通孔、122・・・第2の貫通孔、124・・・第3の貫通孔、126・・・第4の貫通孔、130・・・第1の添え板、132・・・第3の添え板、134・・・スペーサ、140・・・第2の添え板、142・・・第4の添え板、144・・・補強板、146・・・切欠き部、148・・・貫通孔、150・・・ボルト、152・・・ナット

Claims (10)

  1. 第1の鋼管柱の一端に設けられた第1のダイアフラムと、前記第1のダイアフラムに固定された第1のフランジと、
    第2の鋼管柱の一端に設けられた第2のダイアフラムと、前記第2のダイアフラムに固定された第2のフランジと、
    第1の添え板と、
    を含み、
    前記第1の鋼管柱と前記第2の鋼管柱とが材軸方向に沿って上下に配置され、
    前記第1のフランジと前記第2のフランジとが前記第1の添え板でボルト接合され、
    前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの一方に、ハンドホールとして用いることのできる第1の貫通孔が設けられている
    鋼管柱の継手構造。
  2. 前記第1のフランジが前記第1の鋼管柱の材軸方向と平行に配置され、前記第2のフランジが前記第2の鋼管柱の材軸方向と平行に配置されている、
    請求項1に記載の鋼管柱の継手構造。
  3. 前記第1のダイアフラムに固定された第3のフランジと、
    前記第2のダイアフラムに固定された第4のフランジと、
    第2の添え板と、を有し、
    前記第3のフランジと前記第4のフランジとが前記第2の添え板でボルト接合され、
    前記第3のフランジ及び前記第4のフランジの一方に、ハンドホールとして用いることのできる第2の貫通孔が設けられている
    請求項1に記載の鋼管柱の継手構造。
  4. 前記第3のフランジが前記第1の鋼管柱の材軸方向と平行に配置され、前記第4のフランジが前記第2の鋼管柱の材軸方向と平行に配置されている、
    請求項3に記載の鋼管柱の継手構造。
  5. 前記第1の貫通孔が前記第1のフランジに設けられ、前記第2の貫通孔が前記第4のフランジに設けられ、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、前記材軸方向における高さが異なっている、
    請求項3に記載の鋼管柱の継手構造。
  6. 前記第1の貫通孔が前記第1のフランジに設けられ、前記第2の貫通孔が前記第3のフランジに設けられ、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは、前記材軸方向における高さが同じである、
    請求項3に記載の鋼管柱の継手構造。
  7. 前記第1のフランジは、複数のボルト孔が設けられた第1の領域を有し、前記第1のダイアフラムに固定された一端と前記第1の領域との間に第1の貫通孔が設けられ、
    前記第4のフランジは、複数のボルト孔が設けられた第2の領域を有し、前記第2のダイアフラムに固定された一端と前記第2の領域との間に前記第2の貫通孔が設けられ、
    前記第1のフランジと前記第4のフランジとが隣り合う面に配置されている
    請求項3に記載の鋼管柱の継手構造。
  8. 前記第1のフランジは、複数のボルト孔が設けられた第1の領域を有し、前記第1のダイアフラムに固定された一端と前記第1の領域との間に前記第1の貫通孔が設けられ、
    前記第3のフランジは、複数のボルト孔が設けられた第3の領域を有し、前記第1のダイアフラムに固定された一端と前記第3の領域との間に前記第2の貫通孔が設けられ、
    前記第1のフランジと前記第3のフランジとが隣り合う面に配置されている
    請求項3に記載の鋼管柱の継手構造。
  9. 前記第1のフランジ及び前記第2のフランジにおいて、前記第1の貫通孔が設けられた一方のフランジは、前記第1の貫通孔が設けられない他方のフランジに比べて大きな板厚を有し、
    前記第1の貫通孔が設けられない他方のフランジには、前記ボルト接合された領域に重なるように第1のスペーサが設けられている、
    請求項1に記載の鋼管柱の継手構造。
  10. 前記第3のフランジ及び前記第4のフランジにおいて、前記第2の貫通孔が設けられた一方のフランジは、前記第2の貫通孔が設けられない他方のフランジに比べて大きな板厚を有し、
    前記第2の貫通孔が設けられない他方のフランジには、前記ボルト接合された領域に重なるように第2のスペーサが設けられている、
    請求項3に記載の鋼管柱の継手構造。
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