JP2023175234A - 水田排水システム、排水継手部材、および水田排水システムの施工方法 - Google Patents
水田排水システム、排水継手部材、および水田排水システムの施工方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】排水管部の連結口部が横方と上方とのいずれに開口された場合にあっても、容易に施工することができ、該施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる水田排水システムおよび排水継手部材を提案する。【解決手段】両端に被連結口部25と第一流入口部26とを有する継手胴部と第二流入口部27を有する突管部とを備えた排水継手部材3が、排水管部2の連結口部11を横方へ開口された場合に、被連結口部25を該連結口部11に連結させて、第一流入口部26を上限貯留水位Sより低い位置から流水可能且つ第二流入口部27を該上限貯留水位S以上の位置から流水可能に設置される一方、該連結口部11を上方へ開口された場合に、第一流入口部26を上限貯留水位S以上の位置から流水可能かつ第二流入口部27を上限貯留水位Sより低い位置から流水可能に設置される。【選択図】図1
Description
本発明は、水田と排水路との境にある畦畔に設置される水田排水システムと、該水田排水システムに用いられる排水継手部材と、該水田排水システムの施工方法とに関する。
近年、豪雨により発生する洪水災害を防止・軽減する取り組みとして、水田に一時的に雨水を貯留することで河川の急激な増水を抑制できる所謂「田んぼダム」が提案されている。田んぼダムには、例えば特許文献1のように、水田を区画する畦畔に、該水田の水位を調整するための貯留量調整装置が配設されている。
この貯留量調整装置は、上方開口する有底箱状の枡本体と、該枡本体内に配設されて該枡本体を前後に区画する貯留量調整板とを備えたものあり、該貯留量調整板が、該枡本体を構成する前側壁と該前側壁に対向配設された後側壁との間に配設されている。枡本体は、前側壁が後側壁よりも低い所定高さで設けられており、後側壁の下部に、排水路に連通する排水管が連結されている。そして、貯留量調整板の下部には、前後の区画を連通する流入口が設けられている。かかる貯留量調整装置は、降雨により水田の水位が枡本体の前側壁を越えると、枡本体の前側の区画に流入して、流水口から後側の区画を介して排水管に流れる。この場合には、流水口が小径であることから、排水路に流れる水量を抑制できる。さらに、水田の水位が貯留量調整板の高さを越えると、枡本体の後側の区画に直接流入し、排水管を介して排水路に流れる。このように水田の水位に応じて、排水管に流れる流量を調整できることから、急激な増水による洪水災害の発生を抑制できる。
前述した特許文献1の貯留量調整装置は、枡本体の後側壁に排水管が連結される構成であるから、横方へ開口された開口部を有する排水管に連結される。ところが、排水管は、水田から排水路に亘って配設されるものであるから、水田と排水路との位置関係や配設場所などに応じて、連結可能な開口部が横方へ開口された状態で施工される場合と上方へ開口された状態で施工される場合とがある。そのため、上方へ開口する開口部を有する排水管が施工された場合には、前記した従来の貯留量調整装置を当該開口部に直接連結できないことから、当該開口部に連結可能な専用の構成とするか、該排水管の配設場所などを変更して開口部を横方へ開口させるようにする等が必要であった。前者の場合には、施工の際に、横方の開口部に対応する構成と上方の開口部に対応する構成とを準備する必要があるため手間がかかるという問題があり、後者の場合には、施工作業が煩雑化して、該施工作業に要する時間とコストが増大するという問題があった。
本発明は、横方と上方とのいずれに開口する開口部が設けられた場合にも容易に施工でき、施工作業に要する手間と費用との増加を抑制し得る水田排水システム、排水継手部材、および該水田排水システムの施工方法を提案するものである。
本発明の第一は、水田部と、該水田部の水が排水される排水路部との境界部に設けられる水田排水システムであって、前記境界部に配設され、横方または上方へ開口する連結口部を上流側に有し、且つ該連結口部に連通して前記排水路部に臨む排水口部を下流側に有する排水管部と、一端に前記排水管部の連結口部と連結される被連結口部を有し且つ他端に該被連結口部と連通する第一流入口部を有する継手胴部、および該継手胴部の外周部から突設されて、前記被連結口部に連通する第二流入口部を有する突管部を具備する排水継手部材とを備え、前記排水管部の前記連結口部が上方へ開口してなる場合には、前記排水継手部材の被連結口部が前記排水管部の連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記水田部に設定された上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位より低い位置から該水田部の水を流入可能に設置される一方、前記排水管部の前記連結口部が横方へ開口してなる場合には、前記排水継手部材の被連結口部が前記排水管部の連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置されてなるものであることを特徴とする水田排水システムである。
ここで、横方は、水平方向だけでなく、該水平方向から上下にある程度の角度で傾斜した方向を含む範囲であっても良い。同様に、上方は、鉛直方向の上方だけでなく、該鉛直方向からある程度の角度で傾斜した方向を含む範囲であっても良い。
かかる構成にあっては、上限貯留水位よりも低い水位の場合に、第一流入口と第二流入口とのいずれか一方(該上限貯留水位より低い位置から流入可能とした一方)から、水田の水を流入できると共に、該上限貯留水位以上の水が貯まった場合には、第一流入口と第二流入口との両方から流入できるようにしたものである。本構成では、排水管部の連結口部が横方へ開口された場合と上方へ開口された場合とのいずれであっても、同一の排水継手部材を取り付けできることから、前述した従来構成に比して施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。そして、このように排水管部が、連結口部を横方と上方とのいずれに開口させて配設された場合にも、容易に設置できることから、該排水管部を、水田部と排水路部との位置関係や配設場所などに適した状態で配設することができる。したがって、本構成は、様々な水田部に容易に施工できる。
前述した本発明の水田排水システムにあって、排水継手部材は、第一流入口部と第二流入口部とが同一形態に設けられる共に、第一流入口部と第二流入口部とのいずれか一方に連結されて、水の流入量を抑制する流入量抑制部材を備えてなり、前記排水管部の連結口部が上方へ開口してなる場合には、前記流入量抑制部材が第二流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第二流入口部に水田部の水が流入される一方、前記排水管部の連結口部が横方へ開口してなる場合には、前記流入量抑制部材が第一流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第一流入口部に水田部の水が流入されるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、上限貯留水位より低い位置から流入させる水の流入量を流入量抑制部材によって抑制するものであり、水田部を所謂田んぼダムとして用いることができる。すなわち、本構成は、水田の水位が該上限貯留水位より低い状態で排水路部へ排水する排水量を抑制する一方、該上限貯留水位以上の状態で該排水路部への排水量を増加させる。さらに、本構成では、第一流入口部と第二流入口部とが同一形態であることから、同一の流入量抑制部材を取り付けでき、施工に要する手間やコスト等を一層低減できる。
本発明の第二は、水田部と該水田部から水が排水される排水路部との境界部に配設されて該水田部から該排水路部へ排水する排水管部の、横方または上方へ開口する上流側の連結口部に取り付けられるものであって、一端に、前記排水管部の連結口部と連結される被連結口部を有し、且つ他端に、該被連結口部と連通する第一流入口部を有する継手胴部と、前記継手胴部の外周部から突設され、前記被連結口部に連通する第二流入口部を有する突管部とを備え、前記排水管部の前記連結口部が上方へ開口してなる場合には、前記継手胴部の被連結口部が当該連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記水田部に設定された上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位より低い位置から該水田部の水を流入可能に設置される一方、前記排水管部の前記連結口部が横方へ開口してなる場合には、前記継手胴部の被連結口部が当該連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置されてなるものであることを特徴とする排水継手部材である。尚ここで、横方と上方とは、前述した第一発明と同様に用いられる。
かかる構成にあっては、前述した第一発明の水田排水システムに適用されるものであり、横方へ開口された連結口部と上方へ開口された連結口部とのいずれを有する排水管部が配設されている場合にも、該連結口部に容易に連結でき、前記水田排水システムを構成できる。すなわち、前述した水田排水システムを新たに施工する際に、連結口部を横方と上方とのいずれに開口するように排水管部を設置しても、本発明の排水継手部材を容易に連結でき、また、既存の排水管部を用いて前記水田排水システムを構成する際には、既存の排水管部が横方と上方とのいずれに開口する連結口部を有していても、本構成の排水継手部材を容易に連結できる。こうしたことから、本発明の構成によれば、水田排水システムの施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。
前述した本発明の排水継手部材にあって、第一流入口部と第二流入口部とが同一形態に設けられてなり、前記第一流入口部と第二流入口部とのいずれか一方に連結されて、水の流入量を抑制する流入量抑制部材を備え、前記排水管部の連結口部が上方へ開口してなる場合には、前記流入量抑制部材が第二流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第二流入口部に水田部の水が流入される一方、前記排水管部の連結口部が横方へ開口してなる場合には、前記流入量抑制部材が第一流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第一流入口部に水田部の水が流入されるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、水田部を田んぼダムとして利用できる前述の水田排水システムに適用されるものであり、第一流入口部と第二流入口部とのいずれにも同一の流入量抑制部材を取り付けできるから、施工に要する手間やコスト等を一層低減できる。
前述した本発明の排水継手部材にあって、流入量抑制部材は、略円錐形状に突成され、先端部に第一流入口部および第二流入口部に比して小径の流入細口部が設けられた円錐突部を備え、前記円錐突部の外周面に所定間隔をおいて複数の標線が設けられたものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、流入量抑制部材の円錐突部を所望の標線で切断することによって、流入細口部の口径を拡大できることから、該流入細口部を介して流入する水の流量を適宜設定できる。これにより、田んぼダムとして利用する水田部に応じて、上限貯留水位より低い位置から流入させる水の流量を設定することができる、
本発明の第三は、水田部と、該水田部の水が排水される排水路部との境界部に設けられる水田排水システムの施工方法であって、前記境界部に配設されて前記水田部から前記排水路部へ排水する排水管部における、下流端部よりも上流側の部分に、横方または上方へ開口する連結口部を形成する連結口部形成工程と、一端に前記連結口部と連結される被連結口部を有し且つ他端に該被連結口部と連通する第一流入口部を有する継手胴部と、該継手胴部の外周部から突設されて、前記被連結口部に連通する第二流入口部を有する突管部とを具備する排水継手部材を、前記排水管部に連結させて設置する継手設置工程とを備え、前記連結口部形成工程において前記排水管部の前記連結口部が上方へ開口してなる場合に、前記継手設置工程では、当該連結口部に前記排水継手部材の被連結口部を連結させる第一工程と、前記第一流入口部を、前記水田部に設定された上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置すると共に、前記第二流入口部を、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置する第二工程とを実行する一方、 前記連結口部形成工程において前記排水管部の前記連結口部が横方へ開口してなる場合に、前記継手設置工程では、当該連結口部に前記排水継手部材の被連結口部を連結させる第一工程と、前記第二流入口部を、前記上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置すると共に、前記第一流入口部を、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置する第二工程とを実行することを特徴とする水田排水システムの施工方法である。尚ここで、横方と上方とは、前述した第一発明と同様に用いられる。
かかる施工方法にあっては、前述した第一発明の水田排水システムを施工する方法であり、連結形成工程によって横方と上方とのいずれに開口する連結口部を形成した場合でも、該水田排水システムを適正に施工できる。すなわち、本施工方法によれば、横方と上方とのいずれかに開口する連行口部を有する排水管部を新たに設置して前記水田排水システムを施工することができ、また、既存の排水管部に横方または上方へ開口する連結口部を形成して前記水田排水システムを施工することもできる。さらに、本施工方法は、継手設置工程によって、横方と上方とのいずれに開口する連結口部にも、同一の排水継手部材を連結することから、前記水田排水システムの施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。
前述した本発明の水田排水システムの施工方法にあって、排水継手部材は、第一流入口部と第二流入口部とが同一形態に設けられる共に、第一流入口部と第二流入口部とのいずれか一方に連結されて、水の流入量を抑制する流入量抑制部材を備えてなるものであり、 連結口部形成工程において排水管部の連結口部が上方へ開口してなる場合には、継手設置工程の第二工程で、第二流入口部に前記流入量抑制部材を連結する一方、前記連結形成工程において前記排水管部の連結口部が横方へ開口してなる場合には、継手設置工程の第二工程で、第一流入口部に前記流入量抑制部材を連結する方法が提案される。
かかる施工方法にあっては、水田部を田んぼダムとして利用できる前述の水田排水システムを施工する方法であり、継手設置工程の第二工程によって第一流入口部と第二流入口部とのいずれにも同一の流入量抑制部材を取り付けて施工できる。これにより、前記水田排水システムの施工に要するコスト等を一層低減できる。
本発明の水田排水システムにあっては、排水管部が横方と上方とのいずれに開口された連結口部を有する場合にも、同一の排水継手部材を容易に取り付けできることから、施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。
本発明の排水継手部材にあっては、前述の水田排水システムを構成でき、該水田排水システムの施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。
本発明の水田排水システムの施工方法にあっては、前述の水田排水システムを施工でき、該施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。
本発明にかかる水田排水システムを具体化した実施例を、以下で詳細に説明する。尚、本実施例の水田排水システム1は、水田部101から排水路部102へ水を流すためのものであるから、水田部側を上流、排水路部側を下流として説明する。
図1に、本実施例の水田排水システム1を示す。水田排水システム1は、水田部101を豪雨時に所謂田んぼダムとして利用するためのものであり、該水田部101と排水路部102との境にある畦畔部103に設けられる。ここで、排水路部102は、水田部101で余剰の水を下流の河川などに流すためのものであり、例えばコンクリートにより断面略U字形状に形成されている。水田部101には、前記田んぼダムとして利用される場合における上限貯留水位Sが予め設定されている。水田部101は、豪雨時に、前記上限貯留水位Sまで水が貯留されることによって下流の河川への排水量を抑制する前記田んぼダムとして機能する。尚、本実施例にあって、畦畔部103が、本発明にかかる境界部に相当する。
水田排水システム1は、排水管部2と排水継手部材3とが連結されてなるものであり、上流側(水田部101側)に該排水継手部材3が設置され、下流側(排水路部102側)に該排水管部2が設置される。
排水管部2は、上流端で開口された連結口部11と下流端で開口された排水口部12とが連通された断面円形の管状を成し、前述したように畦畔部103に埋設されている。排水管部2は、排水口部12が、前記排水路部102の側壁部102aに貫通された貫通孔(図示せず)に内嵌されており、該排水口部12が該排水路部102の内部に臨むように設けられている。尚、本実施例の排水管部2は、上流の連結口部11から下流の排水口部12に亘って略一様な内径となっている。
こうした排水管部2は、水田部101と排水路部102との位置関係や配設場所などに応じて、図1に示すように連結口部11が水田部101の側部で横方へ開口された構造を成す場合と、図6に示すように連結口部11が水田部101の底部で上方へ開口された構造を成す場合とがある。排水管部2がいずれの構造の場合であっても、後述するように、連結口部11に排水継手部材3が連結されて、本実施例の水田排水システム1が構成される。ここで、図1の排水管部2は、連結口部11が略水平方向に沿って横方へ開口されており、図6の排水管部2は、連結口部11が略鉛直方向に沿って上方へ開口されている。
排水継手部材3は、図2に示す継手本体21と、図3に示す流入量抑制部材31とにより構成される。ここで、継手本体21と流入量抑制部材31とは、樹脂材料により形成される。この樹脂材料としては、塩化ビニル樹脂またはポリプロピレン樹脂などが適用できる。塩化ビニル樹脂のなかで、硬質塩化ビニル樹脂を、継手本体21と流入量抑制部材31とを形成する樹脂材料として好適に用いることができる。
継手本体21は、図2に示すように、断面円形の直管状を成す継手胴部22と、該継手胴部22の外周部から突設された突管部23とを備え、該突管部23が継手胴部22の軸線方向Lと直交する方向へ突出されている。
継手胴部22は、一端で開口された被連結口部25と他端で開口された第一流入口部26とが連通されている。この被連結口部25が前記排水管部2の連結口部11に内嵌される外径により形成されており、該被連結口部25が連結口部11に内嵌されて連結されることによって、排水継手部材3が排水管部2の上流側に取り付けられる。さらに、第一流入口部26が後述する流入量抑制部材31の流入基口部36に外嵌されるフランジ形状により形成されており、該第一流入口部26が該流入基口部36に外嵌されて連結されることによって、継手本体21に流入量抑制部材31が取り付けられる。
継手本体21の突管部23は、継手胴部22と同じ内径で断面円形の直管状に形成されており、前記軸線方向Lと直交する方向へ開口する第二流入口部27が設けられている(換言すれば、第一流入口部26と第二流入口部27とが、互いに直行する方向へ開口されている)。この第二流入口部27は、継手胴部22の第一流入口部26と同じ内径で形成されており、該継手胴部22の被連結口部25(および第一流入口部26)と連通されている。さらに、第二流入口部27が、第一流入口部26と同様に、後述する流入量抑制部材31の流入基口部36に外嵌されるフランジ形状により形成されており、該第二流入口部27が該流入基口部36に外嵌されて連結されることによって、継手本体21に流入量抑制部材31が取り付けられる。
流入量抑制部材31は、断面円形の直管状を成す主体部32と、該主体部32の上流側に連成された略円錐形状の円錐突部33とを備えてなる。主体部32は、前記継手胴部22と同じ内径で形成されており、下流端で開口された流入基口部36を備える。円錐突部33は、上流方へ向かって徐々に縮径されており、上流端で開口された流入細口部37が前記流入基口部36に比して小径で形成される。こうした流入量抑制部材31は、流入基口部36が継手本体21の第一流入口部26と第二流入口部27とに内嵌される外径により形成されており、該流入基口部36が第一流入口部26または第二流入口部27に内嵌されることによって、継手本体21に取り付けられ、流入細口部37が流入基口部36を介して該第一流入口部26または第二流入口部27に連通される。
さらに、流入量抑制部材31の円錐突部33は、その外表部に、主体部32の軸線方向(図示せず)に所定間隔をおいて複数の標線38が設けられている。各標線38は、円錐突部33を周回する溝状に形成されている。これにより、標線38に沿って円錐突部33を切断し易くなっている。円錐突部33は、所望の標線38で切断されることによって、流入細口部37の内径を変えることができ、該流入細口部37から流入される流水量を所望の流水量に設定できる。
ここで、流水量は、例えば、許容放水量として、水田部101の面積(貯留集水面積)と放流比流量(基本単位貯留放流量)とにより求めることができる。そして、この許容放水量に基づいて、放流係数、重力加速度、および水頭高さを用いて、流入細口部37の開口面積を求める。こうして各水田部101に適した流水量(許容放水量)と流入細口部37の開口面積とが得られる。尚、こうした許容放水量と流入細口部37の開口面積とを求める手法は、従来から公知の手法を適用できることから、詳細は省略する。
また、本実施例の流入量抑制部材31は、前記主体部32に持ち手部39が設けられている。
次に、本実施例の水田排水システム1の施工状態を説明する。ここで、水田排水システム1は、排水管部2の連結口部11が横方へ開口された場合と、該連結口部11が上方へ開口された場合とについて、夫々説明する。
図1に示すように、排水管部2の連結口部11が横方へ開口された場合にあっては、該連結口部11に排水継手部材3の被連結口部25が連結されて、該排水継手部材3が該排水管部2に取り付けられる。そして、排水管部2に取り付けられた排水継手部材3は、水田部101の内部に露出して設置される。ここで、排水管部2は、連結口部11が水田部101に向かって横方へ開口された状態で設置されており、排水継手部材3が、第一流入口部26を横方かつ第二流入口部27を上方へ向けた状態で取り付けられる。そして、排水継手部材3は、図4,5に示すように、継手本体21の第一流入口部26に流入量抑制部材31の流入基口部36が連結されて、該流入量抑制部材31が該継手本体21に取り付けられている。
排水継手部材3は、排水管部2に取り付けられた状態で、図1に示すように、流入量抑制部材31の流入細口部37が、前記した上限貯留水位Sよりも低い位置に配置され、且つ第二流入口部27が該上限貯留水位Sよりも高い位置に配置されるように、水田部101の内部に設置される。
このように排水管部2と排水継手部材3とが設置された水田排水システム1では、水田部101の水位が前記上限貯留水位Sより低い状態で、該水田部101の水が排水継手部材3の流入細口部37から流入し、該排水継手部材3から排水管部2を介して排水路部102へ排水される。一方、水田部101の水位が前記上限貯留水位Sを越えると、該水田部101の水が排水継手部材3の第二流入口部27から流入し、排水管部2を介して排水路部102へ排水される。
ここで、流入量抑制部材31は、流入細口部37が継手胴部22の内径(第二流入口部27)に比して小径であることから、水田部101から流入する水の流水量を抑制する所謂オリフィスとして機能する。これにより、雨天の際に、水田部101に貯留する水が前記上限貯留水位Sを越えるまでは、流入細口部37から流入した水が排水路部102へ排水されることから、該排水路部102へ排水される水量を抑制できる。そして、流入細口部37の流水量に比して水田部101に貯留する雨量が多くなる雨天(例えば、豪雨)の際には、上限貯留水位Sを越えるまで、水田部101に雨水が貯留する。さらに、上限貯留水位S以上に水が貯まると、第二流入口部27から流入する。これにより、上限貯留水位Sより低い水位の状態に比して、排水路部102へ排水される水量が増加することから、水田部101に貯留される水量の増加を抑制できる。
このように水田排水システム1は、水田部101を所謂田んぼダムとして利用するためのものであり、豪雨の際に、下流の河川へ流れる水量を抑制し、下流域での洪水災害を防止・軽減することができる。
一方、図6に示すように、排水管部2の連結口部11が上方へ開口された場合にあっては、該連結口部11に排水継手部材3の被連結口部25が連結されて、該排水継手部材3が該排水管部2に取り付けられる。そして、排水管部2に取り付けられた排水継手部材3は、水田部101の内部に露出して設置される。ここで、排水管部2は、連結口部11が上方へ開口された状態で設置されており、排水継手部材3が、第一流入口部26を上方かつ第二流入口部27を横方へ向けた状態で取り付けられる。そして、排水継手部材3は、図7に示すように、継手本体21の第二流入口部27に流入量抑制部材31の流入基口部36が連結されて、該流入量抑制部材31が該継手本体21に取り付けられている。
排水継手部材3は、図6に示すように、排水管部2に取り付けられた状態で、流入量抑制部材31の流入細口部37が、前記した上限貯留水位Sよりも低い位置に配置され、且つ第一流入口部26が該上限貯留水位Sよりも高い位置に配置されるように、水田部101の内部に設置される。
このように排水管部2の連結口部11が上方へ開口された水田排水システム1では、該連結口部11が横方へ開口された前記構成(図1)と同様に、水田部101の水位が前記上限貯留水位Sより低い状態で、該水田部101の水が排水継手部材3の流入細口部37から流入し、排水路部102へ排水される。一方、水田部101の水位が前記上限貯留水位Sを越えると、該水田部101の水が排水継手部材3の第一流入口26から流入し、排水路部102へ排水される。
こうした図6の水田排水システム1にあっても、図1の構成と同様に、流入量抑制部材31がオリフィスとして機能することから、雨天の際に、水田部101に貯留する水が前記上限貯留水位Sを越えるまで、排水路部102へ排水される水量を抑制できる。さらに、上限貯留水位S以上に水が貯まると、第一流入口26から流入することから、排水路部102へ排水される水量が増加し、水田部101に貯留される水量の増加を抑制できる。
このように図6の水田排水システム1にあっても、水田部101を田んぼダムとして利用でき、豪雨の際に洪水災害を防止・軽減できる。
本実施例の水田排水システム1は、横方に開口する連結口部11を備えた排水管部2(図1)と上方に開口する連結口部11を備えた排水管部2(図6)とのいずれの場合にあっても、排水継手部材3の継手胴部22を横臥又は起立させて被連結口部25を前記連結口部11に連結させることで施工できる。これにより、排水管部2を、水田部101と排水路部102との位置関係や配設場所等に適するように、連結口部11が横方または上方へ開口された状態で設置できると共に、横方または上方のいずれに開口された連結口部11にも同一の排水継手部材3を連結でき、施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。
次に、本実施例の水田排水システム1の施工方法を説明する。
本実施例では、畦畔部103に配設されている既存の排水管部2を用いて水田排水システム1を施工する方法について説明する。この施工方法では、連結口部形成工程、継手設置工程の第一工程、継手設置工程の第二工程を実行する。
本実施例では、畦畔部103に配設されている既存の排水管部2を用いて水田排水システム1を施工する方法について説明する。この施工方法では、連結口部形成工程、継手設置工程の第一工程、継手設置工程の第二工程を実行する。
連結口部形成工程では、例えば、水田部101の側部や底部を掘り起こして、畦畔部103に埋設された既存の排水管部2の上流端部を露出させ、該排水管部2の上流端部を所定位置で切断して、横方または上方へ開口する連結口部11を形成する。ここで、排水管部2の上流部位が横方向に沿って配設されている場合には、当該上流部位を切断することによって、横方へ開口する連結口部11が形成される(図1参照)。一方、排水管部2の上流部位が上下方向に沿って配設されている場合には、当該上流部材を切断することによって、上方へ開口する連結口部11が形成される(図6参照)。
前記連結口部形成工程で排水管部2に横方へ開口する連結口部11を形成した場合には、継手設置工程の第一工程で、排水継手部材3の継手本体21を、第一流入口部26を水田部101の内部に向け且つ第二流入口部27を上方へ向けて継手胴部22を横臥させ、被連結口部25を該連結口部11に連結させる。これにより、継手本体21を排水管部2に取り付ける。次の第二工程では、継手本体21の第一流入口部26に、流入量抑制部材31の流入基口部36を連結させて、該継手本体21に該流入量抑制部材31を取り付ける(図4,5参照)。ここで、流入量抑制部材31の円錐突部33を所望の標線38で切断することによって、流入細口部37を所望の流水量を流入する口径とできる。こうして流入量抑制部材31を取り付けた後に、排水継手部材3の流入細口部37を前記上限貯留水位Sより低い位置に配置すると共に、該排水継手部材3の第二流入口部27を該上限貯留水位S以上の高さ位置に配置する。このように排水継手部材3を水田部101の内部に露出して設置することによって、図1に示す本実施例の水田排水システム1が施工される。
また、前記連結口部形成工程で排水管部2に上方へ開口する連結口部11を形成した場合には、排水継手部材3の継手本体21を、第二流入口部27を水田部101の内部に向け且つ第一流入口部26を上方へ向けて継手胴部22を起立させ、被連結口部25を該連結口部11に連結させる。これにより、継手本体21を排水管部2に取り付ける。次の第二工程では、継手本体21の第二流入口部27に、流入量抑制部材31の流入基口部36を連結させて、該継手本体21に該流入量抑制部材31を取り付ける(図7参照)。流入量抑制部材31の円錐突部33を所望の標線38で切断して、流入細口部37を所望の口径に設定できる。この後に、排水継手部材3の流入細口部37を前記上限貯留水位Sより低い位置に配置すると共に、該排水継手部材3の第一流入口部26を該上限貯留水位S以上の高さ位置に配置する。このように排水継手部材3を水田部101の内部に露出して設置することによって、図6に示す本実施例の水田排水システム1が施工される。
このように本実施例の施工方法にあっては、前述した実施例の水田排水システム1を、既存の排水管部2を用いて施工できる方法であり、既存の排水管部2の配設形態に応じて連結口部11を横方と上方とのいずれに開口形成した場合でも、同一の排水継手部材3を用いて施工できるため、施工に要する手間、時間、およびコストを低減できる。そして、この施工方法で水田排水システム1を施工することによって、水田部101を田んぼダムとして利用できる。
本発明は、前述した実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、前述の実施例における各部の寸法形状は、適宜変更することができる。
前述した実施例の排水継手部材は、継手本体の継手胴部を直管状としたが、これに限らず、例えば、該継手胴部が円弧形の管状や、屈曲部(又は湾曲部)を有する管状など出会っても良い。いずれの形状の継手胴部を有するものであっても、第一流入口部と第二流入口部とが互いの開口方向を直交または略直交させて設けることにより、本実施例と同様に施工でき、同様の作用効果を奏し得る。
前述した実施例の排水継手部材は、第一流入口部と第二流入口部との開口方向を互いに直交させた構成としたが、これに限らず、該開口方向が所定角度で互いに交差させた構成とすることもできる。例えば、第二流入口部が第一流入口部に対して約45度や約60度で傾けた方向へ開口された構成とすることもできる。こうした構成にあっても、第一流入口部と第二流入口部との一方を、上限貯留水位より低い位置から流水するように設置し、他方を該上限貯留水位以上の位置から流水するように設置することにより、実施例と同様の作用効果を奏し得る。
前述した実施例の水田排水システムは、上限貯留水位以上の高さ位置に第一流入口部または第二流入口部を配置した構成であるが、これに限らず、該第一流入口部または第二流入口部に管状の介装部材を連結させて、該介装部材を介して上下貯留水位以上の高さ位置から水が流入されるようにしても良い。同様に、流入量抑制部材が管状の介装部材を介して第一流入口部または第二流入口部に連結される構成とすることもできる。
前述した実施例の水田排水システムは、排水継手部材を水田部の内部に露出して設置した構成であるが、これに限らず、該排水継手部材を畦畔部に埋設することも可能である。
前述した実施例の水田排水システムは、継手本体と流入量抑制部材とが連結されてなる排水継手部材を備えた構成としたが、これに限らず、継手本体のみで構成された排水継手部材(継手本体)が配設されたものであっても良い。かかる構成は、水田部を前記田んぼダムとして利用することができないものの、排水管部の連結口部が横方と上方とのいずれに開口されている場合にあっても、同一の排水継手部材を連結して施工できるため、実施例と同様に施工の手間、時間、およびコストを低減できる。
前述した実施例の水田排水システムの施工方法は、排水管部の連結口部に継手本体を連結させる第一工程の後に、該継手本体に流入量抑制部材を連結させる第二工程を行うようにしたが、これに限らず、第二工程の後に、第一工程を行うようにしても良い。すなわち、継手本体に流入量抑制部材を連結させて流入量抑制部材を形成した後に、この流入量抑制部材を排水管部に連結させる。
前述した実施例の水田排水システムの施工方法は、既存の排水管部を用いたが、これに限らず、新規に排水管部を設置して施工することもできる。
1 水田排水システム
2 排水管部
3 排水継手部材
11 連結口部
12 排水口部
21 継手本体
22 継手胴部
23 突管部
25 被連結口部
26 第一流入口部
27 第二流入口部
31 流入量抑制部材
32 主体部
33 円錐突部
36 流入基口部
37 流入細口部
38 標線
101 水田部
102 排水路部
102a 側壁部
103 畦畔部(境界部)
L 軸線方向
S 上限貯留水位
2 排水管部
3 排水継手部材
11 連結口部
12 排水口部
21 継手本体
22 継手胴部
23 突管部
25 被連結口部
26 第一流入口部
27 第二流入口部
31 流入量抑制部材
32 主体部
33 円錐突部
36 流入基口部
37 流入細口部
38 標線
101 水田部
102 排水路部
102a 側壁部
103 畦畔部(境界部)
L 軸線方向
S 上限貯留水位
Claims (7)
- 水田部と、該水田部の水が排水される排水路部との境界部に設けられる水田排水システムであって、
前記境界部に配設され、横方または上方へ開口する連結口部を上流側に有し、且つ該連結口部に連通して前記排水路部に臨む排水口部を下流側に有する排水管部と、
一端に前記排水管部の連結口部と連結される被連結口部を有し且つ他端に該被連結口部と連通する第一流入口部を有する継手胴部、および該継手胴部の外周部から突設されて、前記被連結口部に連通する第二流入口部を有する突管部を具備する排水継手部材と
を備え、
前記排水管部の前記連結口部が上方へ開口してなる場合には、
前記排水継手部材の被連結口部が前記排水管部の連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記水田部に設定された上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位より低い位置から該水田部の水を流入可能に設置される一方、
前記排水管部の前記連結口部が横方へ開口してなる場合には、
前記排水継手部材の被連結口部が前記排水管部の連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置されてなるものであることを特徴とする水田排水システム。 - 排水継手部材は、
第一流入口部と第二流入口部とが同一形態に設けられる共に、
第一流入口部と第二流入口部とのいずれか一方に連結されて、水の流入量を抑制する流入量抑制部材を備えてなり、
前記排水管部の連結口部が上方へ開口してなる場合には、
前記流入量抑制部材が第二流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第二流入口部に水田部の水が流入される一方、
前記排水管部の連結口部が横方へ開口してなる場合には、
前記流入量抑制部材が第一流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第一流入口部に水田部の水が流入されるものであることを特徴とする請求項1に記載の水田排水システム。 - 水田部と該水田部から水が排水される排水路部との境界部に配設されて該水田部から該排水路部へ排水する排水管部の、横方または上方へ開口する上流側の連結口部に取り付けられるものであって、
一端に、前記排水管部の連結口部と連結される被連結口部を有し、且つ他端に、該被連結口部と連通する第一流入口部を有する継手胴部と、
前記継手胴部の外周部から突設され、前記被連結口部に連通する第二流入口部を有する突管部と
を備え、
前記排水管部の前記連結口部が上方へ開口してなる場合には、
前記継手胴部の被連結口部が当該連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記水田部に設定された上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位より低い位置から該水田部の水を流入可能に設置される一方、
前記排水管部の前記連結口部が横方へ開口してなる場合には、
前記継手胴部の被連結口部が当該連結口部に連結されると共に、前記第一流入口部が、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置され、且つ前記第二流入口部が、該上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置されてなるものであることを特徴とする排水継手部材。 - 第一流入口部と第二流入口部とが同一形態に設けられてなり、
前記第一流入口部と第二流入口部とのいずれか一方に連結されて、水の流入量を抑制する流入量抑制部材を備え、
前記排水管部の連結口部が上方へ開口してなる場合には、
前記流入量抑制部材が第二流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第二流入口部に水田部の水が流入される一方、
前記排水管部の連結口部が横方へ開口してなる場合には、
前記流入量抑制部材が第一流入口部に連結されて、該流入量抑制部材を介して該第一流入口部に水田部の水が流入されるものであることを特徴とする請求項3に記載の排水継手部材。 - 流入量抑制部材は、
略円錐形状に突成され、先端部に第一流入口部および第二流入口部に比して小径の流入細口部が設けられた円錐突部を備え、
前記円錐突部の外周面に所定間隔をおいて複数の標線が設けられたものであることを特徴とする請求項4に記載の排水継手部材。 - 水田部と、該水田部の水が排水される排水路部との境界部に設けられる水田排水システムの施工方法であって、
前記境界部に配設されて前記水田部から前記排水路部へ排水する排水管部における、下流端部よりも上流側の部分に、横方または上方へ開口する連結口部を形成する連結口部形成工程と、
一端に前記連結口部と連結される被連結口部を有し且つ他端に該被連結口部と連通する第一流入口部を有する継手胴部と、該継手胴部の外周部から突設されて、前記被連結口部に連通する第二流入口部を有する突管部とを具備する排水継手部材を、前記排水管部に連結させて設置する継手設置工程と
を備え、
前記連結口部形成工程において前記排水管部の前記連結口部が上方へ開口してなる場合に、前記継手設置工程では、
当該連結口部に前記排水継手部材の被連結口部を連結させる第一工程と、
前記第一流入口部を、前記水田部に設定された上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置すると共に、前記第二流入口部を、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置する第二工程と
を実行する一方、
前記連結口部形成工程において前記排水管部の前記連結口部が横方へ開口してなる場合に、前記継手設置工程では、
当該連結口部に前記排水継手部材の被連結口部を連結させる第一工程と、
前記第二流入口部を、前記上限貯留水位以上の高さ位置から該水田部の水を流入可能に設置すると共に、前記第一流入口部を、前記上限貯留水位より低い位置から前記水田部の水を流入可能に設置する第二工程と
を実行することを特徴とする水田排水システムの施工方法。 - 排水継手部材は、
第一流入口部と第二流入口部とが同一形態に設けられる共に、
第一流入口部と第二流入口部とのいずれか一方に連結されて、水の流入量を抑制する流入量抑制部材を備えてなるものであり、
連結口部形成工程において排水管部の連結口部が上方へ開口してなる場合には、継手設置工程の第二工程で、第二流入口部に前記流入量抑制部材を連結する一方、
前記連結形成工程において前記排水管部の連結口部が横方へ開口してなる場合には、継手設置工程の第二工程で、第一流入口部に前記流入量抑制部材を連結することを特徴とする請求項6に記載の水田排水システムの施工方法。
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