JP4005834B2 - 免震構造建物の縦樋構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排水を行うために免震構造建物に取り付けられた縦樋構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、免震構造建物の縦樋構造として、特開平11−256874号公報に記載のものが知られている。
【0003】
まず、この従来の免震構造建物の縦樋構造の構成から説明する。
【0004】
図4に示す1は免震構造建物であり、基礎2とこの基礎2上に建築された建物本体3とを有し、基礎2及び建物本体3の間に免震装置4が介装されている。
【0005】
建物本体3には犬走り5が一体に形成されていると共に、建物本体3の側壁面3aには縦樋6が設けられている。
【0006】
また、犬走り5の端部下側には免震装置4が位置し、基礎2と犬走り5とがこの免震装置4を介して連結されている。
【0007】
この免震構造建物1は、免震装置4で犬走り5と基礎2とが相対移動可能にされることにより、この犬走り5と一体にされた建物本体3と基礎2とが相対的に移動することが可能にされている。
【0008】
また、犬走り5には、縦樋6の下部開口6aに面し、犬走り5の横断方向に延在されて端部7aが開放した排水溝7が設けられている。そして、基礎3には排水溝7の端部7aに面する側溝8が設けられている。
【0009】
次に、この従来の免震構造建物の縦樋構造の作用を説明する。
【0010】
このように構成された免震構造建物の縦樋構造では、雨水が軒樋等を通って建物本体3に設けられた縦樋6内に流入し、この縦樋6の下部開口6aから排水された雨水が犬走り5の排水溝7に流れ込む。
【0011】
そして、犬走り5の排水溝7の端部7aから雨水が流下して、基礎2に設けられた側溝8に排水されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の免震構造建物の縦樋構造では、建物本体3に一体に犬走り5を設けること自体、構造を複雑にして、製造コストを上昇させていた。
【0013】
さらに、この犬走り5と基礎2とが相対移動することで、建物本体3と基礎2とを相対的に移動可能にする構造は、非常にコストがかかり、住宅等の一般的な建物には採用され難いものである。
【0014】
そこで、この発明は、上記のような問題点を鑑みてされたものであり、一般的な建物でも採用することができる低コストの免震構造建物の縦樋構造を提供する
ことを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、基礎と該基礎上に建築される建物本体との間に免震装置が介装されて、前記基礎と前記建物本体とが分割ラインを挟んで相対移動する免震構造建物に取り付けられ、雨水を流下させて排水する縦樋を備えた免震構造建物の縦樋構造において、前記縦樋は、前記建物本体に固定されると共に雨水を下部開口から排出する建物側縦樋部と、前記基礎に固定されると共に前記建物側縦樋部の前記下部開口から排出された前記雨水が流入する上部開口を有する基礎側縦樋部とに分割され、 前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが対向されていると共に、前記基礎と前記建物本体とが相対移動した際に、前記分割ラインを挟んで相対移動し、前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが離間され、前記基礎側縦樋部の前記上部開口には前記建物側縦樋部の前記下部開口よりも大きな開口面積の受口部が設けられたことを特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項1の発明によれば、前記縦樋内を通過する雨水は、前記建物側縦樋部の下部開口から前記基礎側縦樋部の上部開口に流入して円滑に排水される。
【0017】
また、基礎と建物本体とが相対移動して免震装置が作動した際に、縦樋の建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが分割されているので、相対移動して免震構造建物に縦樋が干渉することがなく、免震装置の作動を阻害することがない。そして、構成が簡易であるので低コストの縦樋構造を提供することができる。
【0018】
また、建物側縦樋部の下部開口よりも開口面積の大きな受口部が基礎側縦樋部の上部開口に設けられたことにより、建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが相対移動をした際に、建物側縦樋部の下部開口と基礎側縦樋部の上部開口との水平方向の位置が相対的に変化しても、建物側縦樋部から排出された雨水を、受口部を介して全て基礎側縦樋部で受けることができ、確実に排水を行うことができる。
【0019】
さらに、請求項2に係る発明は、基礎側縦樋部の上部開口が、ゴミの混入を防止するネット部材により覆われている請求項1に記載の免震構造建物の縦樋構造を特徴としている。
【0020】
このように構成された請求項2の発明によれば、請求項1の作用効果に加え、基礎側縦樋部内にゴミが混入することを防止でき、この基礎側縦樋部や、排水溝等にゴミが詰まらずに、円滑に排水することができる。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、基礎と該基礎上に建築される建物本体との間に免震装置が介装されて、前記基礎と前記建物本体とが分割ラインを挟んで相対移動する免震構造建物に取り付けられ、雨水を流下させて排水する縦樋を備えた免震構造建物の縦樋構造において、前記縦樋は、前記建物本体に固定されると共に雨水を下部開口から排出する建物側縦樋部と、前記基礎に固定されると共に前記建物側縦樋部の前記下部開口から排出された前記雨水が流入する上部開口を有する基礎側縦樋部とに分割され、 前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが対向されていると共に、前記基礎と前記建物本体とが相対移動した際に、前記分割ラインを挟んで相対移動し、
前記建物側縦樋部の下部が前記分割ラインよりも上の位置で、建物から離れる方向に曲げられており、該曲げられた先が前記下部開口となされ、
前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが、可撓性を有する管状部材によって連結されたことを特徴としている。
【0022】
このように構成された請求項3の発明によれば、前記縦樋内を通過する雨水は、前記建物側縦樋部の下部開口から前記基礎側縦樋部の上部開口に流入して円滑に排水される。
【0023】
また、基礎と建物本体とが相対移動して免震装置が作動した際に、縦樋の建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが分割されているので、相対移動して免震構造建物に縦樋が干渉することがなく、免震装置の作動を阻害することがない。そして、構成が簡易であるので低コストの縦樋構造を提供することができる。
【0024】
更に、前記建物側縦樋部の下部が前記分割ラインよりも上の位置で、建物から離れる方向に曲げられており、該曲げられた先が前記下部開口となされ、前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが、可撓性を有する管状部材によって連結されたことにより、可撓性を有する管状部材が建物から離れた位置となるため、免震構造建物に管状部材が干渉することがなく、免震装置の作動を阻害することがない。また、建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが相対移動をした際に、建物側縦樋部の下部開口と基礎側縦樋部の上部開口との水平方向の位置が相対的に変化しても、建物側縦樋部から排出された雨水を、受口部を介して全て基礎側縦樋部で受けることができ、確実に排水を行うことができる。
【0025】
また、免震装置作動時に簡易な構成で建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが相対移動する縦樋を提供することができ、コストを抑制することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態1】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態1の免震構造建物の縦樋構造を説明する。
【0027】
この免震構造建物の縦樋構造は、まず構成から説明すると、図1に示すように、免震構造建物10に取り付けられた縦樋Tを備え、この縦樋Tが分割ラインLを挟んで建物側基礎樋部20と、基礎側縦樋部30とに分割された構成になっている。
【0028】
そして、この建物側基礎樋部20の下部開口20aと基礎側縦樋部30の上部開口30aとが前記分割ラインLを挟んで離間されると共に、両開口20a、30aが対向している。
【0029】
前記建物側縦樋部20は、免震構造建物10の建物本体11に固定ピース24を介して固定されると共に、図示しない軒樋に上部が結合連通された上縦樋部21と、この上縦樋部21の下端部に複数のクランクエルボ(継手エルボ)22を介して連結された先端縦樋部23とを備えている。
【0030】
図2に示すように、上縦樋部21及び先端縦樋部23は、それぞれ合成樹脂等で中空筒形状の直管であり、クランクエルボ22は所定角度に屈曲された中空筒形状の屈曲管である。そして、これらが相互に結合連通されている。
【0031】
また、先端縦樋部23の下端部の開口が下方に向いた下部開口20aになっている。
【0032】
そして、固定ピース24は、二又にされた先端部24aで上縦樋部21の周面に軸線方向に沿って形成された案内溝部21aの所望の位置を挟み込むと共に、周面に沿って延びる固定板24bが図示しないネジ等で上縦樋部21に固着され、他端部24cが建物本体11の側壁面11aに固着されている。
【0033】
前記基礎側縦樋部30は、下部開口31aを地中等に埋設されると共に図示しない排水管に連通された排水管カバー31と、免震構造建物10の基礎12に固定ピース35を介して固定されると共に、排水管カバー31に下部が覆われた下縦樋部32とを備えている。
【0034】
図2に示すように、排水管カバー31及び下縦樋部32は、それぞれ合成樹脂等で形成された中空筒形状の直管であり、相互に結合連通されている。
【0035】
なお、固定ピース35は、二又にされた先端部35aで下縦樋部32の周面に軸線方向に沿って形成された案内溝部32aを挟み込んで固着され、他端部35bが基礎12の側壁面12aに固着されている。
【0036】
そして、排水管カバー31は、内側形状が下縦樋部32の外側形状とほぼ同じに形成され、下縦樋部32が挿入されている。このとき、下縦樋部32の案内溝部32aに、排水管カバー31の周面に軸先方向に形成された案内突条部31bが嵌合されている。
0037】
また、下縦樋部32の上端部開口が建物側縦樋部20の下部開口20aに対向した上部開口30aになっている。なお、ここでは、下部開口20aと上部開口30aとの軸線方向が一致している。
【0038】
この上部開口30aには、ソケット33を介して受口部としての飾りマス34が設けられている。
【0039】
そして、飾りマス34は、下縦樋部32に連結された下部から徐々に拡径され、飾りマス34の開口34aの開口面積は、建物側縦樋部20の下部開口20aの開口面積よりも大きく形成されている。このとき、後述する建物本体11と基礎12との相対移動距離よりも、飾りマス34の開口34aの周縁部が下部開口20aの周縁部より突出していることが望ましい。
【0040】
なお、具体的には、建物側縦樋部20の下部開口20aの平面視における外寸が55×75mmであるのに対し、飾りマス34の開口34aの平面視における外寸が142×181mmとされている。
【0041】
また、この開口34aは、ネット部材36により覆われている。
【0042】
ネット部材36は、軟質合成樹脂製の網や格子状に成形された金属格子等により形成され、飾りマス34の開口34aに着脱自在に取り付けられている。また、ネット部材36は飾りマス34の開口34aに一体に設けられてもよい。
【0043】
一方、免震構造建物10は、地面に敷設された基礎12と、この基礎12上に建築された建物本体11とを有し、この基礎12と建物本体11との間に免震装置13が介装された構成になっている。
【0044】
そして、免震装置13は、建物本体11の下面11bに設けられた第1凹面部材14aと、基礎12の上面12bに設けられた第2凹面部材14bとを備え、この第1、第2凹面部材14a、14b間にボール部材15が転動自在に挟まれている。
【0045】
次に、この実施の形態1の免震構造建物の縦樋構造の作用について説明する。
【0046】
この免震構造建物の縦樋構造では、まず、図示しない軒樋等から雨水が上縦樋部21内に流入し、上縦樋部21からクランクエルボ22を通って、先端縦樋部23の下方に向いた開口である下部開口20aから排出される。
【0047】
そして、この排出された雨水は、下部開口20aに対向している基礎側縦樋部30の受口部である飾りマス34内に流下する。
【0048】
このとき、建物側縦樋部20の下部開口20aの開口面積が、飾りマス34の開口34aの開口面積よりも大きくされているので、流下している水が風等により側方に向かいながら流下しても開口34aで受けることができる。
【0049】
また、この開口34aがネット部材36により覆われているので、木の葉や小石等のゴミがネット部材36に引っ掛かり、基礎側縦樋部30内にゴミが混入して基礎側縦樋部材30が詰まることを防止できる。そして、円滑に排水することが可能となる。
【0050】
一方、この免震構造建物の縦樋構造を有する免震構造建物10に地震等の振動が加わった場合、免震構造建物10に水平方向の力が加わり、地面に敷設された基礎12が、地面の揺れ方向と同じ方向に移動する。
【0051】
このとき、免震装置13の第1、第2凹面部材14a、14b間でボール部材15が地面の揺れ方向と反対方向に転動する。そのため、建物本体11は、分割ラインLを挟んで、基礎12に対して地面の揺れ方向と反対方向に相対的に移動することとなる。
【0052】
このように建物本体11と基礎12とが相対移動をすると免震装置13が作動して、建物本体11に固定された建物側縦樋部20と基礎12に固定された基礎側縦樋部30とが相対移動することとなる。
【0053】
ここで、建物側縦樋部20と基礎側縦樋部30とは、分割ラインLを挟んで離間されているので、相対移動の際に建物側縦樋部20の軸線方向と、基礎側縦樋部30の軸線方向とが容易にずれることが可能となると共に、縦樋Tが建物本体11の下側部11cや基礎12の側壁面12a等と干渉する虞がない。
【0054】
そのため、簡易な構造で縦樋Tが建物本体11と基礎12との相対移動を阻害することがなくなり、コストを抑制して住宅等の一般的な建物であっても採用することが可能となる。
【0055】
さらに、飾りマス34の開口34aの開口面積は、建物側縦樋部20の下部開口20aの開口面積よりも大きくされているので、下部開口20aと上部開口30aとのそれぞれの軸線方向がずれても、下部開口20aから流下する水を飾りマス34で受けて、上部開口30a内に流入させることができる。そして、軒樋等から流入した雨水を排水溝に円滑に排水することができる。
【0056】
以下に、この免震構造建物の縦樋構造を利用して排水した場合の結果を示す。
【0057】
<実施条件>
排水量・・・最小量 2.5リットル/min
最大量 50リットル/min
下部開口20aと上部開口30aとの距離・・・40mm
下部開口20aと上部開口30aとの軸線方向のずれ距離(建物の側壁面と平行方向)・・・17mm
<結果>
(1)排水量2.5リットル/min・・・下部開口20aよりも約5mm程度外側に向かって流下するが、上部開口30a内に全排水量が流入することができる。
(2)排水量50リットル/min・・・ 下部開口20aのほぼ真下に向かって流下し、上部開口30a内に全排水量が流入することができる。
【0058】
なお、排水量が増加するにつれて下部開口20aからの排水方向は直線的になる。
【0059】
このように、免震構造建物の免震装置作動時に縦樋Tの建物側縦樋部20と基礎側縦樋部30とが相対移動をして、建物本体又は基礎に干渉せず、円滑な排水を行うことができる。
【0060】
【発明の実施の形態2】
以下、図3に基づいてこの発明の実施の形態2の免震構造建物の縦樋構造を説明する。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0061】
まず、構成から説明すると、図3(a)に示すように、この免震構造建物の縦樋構造は、免震構造建物10に取り付けられた縦樋T´の建物側縦樋部40の下部開口40aと、基礎側縦樋部50の上部開口50aとが、可撓性を有する管状部材である蛇腹管60によって連結された構成になっている。
【0062】
前記建物側縦樋部40は、図3(b)に示すように、免震構造建物10の建物本体11に固定されると共に、図示しない軒樋に上部が結合連通された上縦樋部41と、この上縦樋部41の下端部に連結された複数のクランクエルボ(継手エルボ)42とを備え、建物 側縦樋部の下部が建物から離れる方向に曲げられたものとなっている。
【0063】
そして、曲げられた先であるクランクエルボ42の下端部の開口が下方に向いた下部開口40aになっている。
【0064】
前記基礎側縦樋部50は、図3(b)に示すように、排水管カバー51を備え、この排水管カバー51の下端部の開口51aが地中に埋設されると共に図示しない排水溝に連通されている。
【0065】
また、排水管カバー51の上端部の開口が基礎側縦樋部50の上部開口50aになっている。そして、上部開口50aと建物側縦樋部40の下部開口40aとが対向されていると共に、軸線方向が一致されている。
【0066】
前記蛇腹管60は、合成樹脂等により形成された中空筒形状を呈しており、周面60aが蛇腹状に曲折されて、軸線方向に伸縮可能にされている。
【0067】
そして、一方の端部60bが建物側縦樋部40の下部開口40a内に挿入固定され、他方の端部60cが基礎側縦樋部50の上部開口50a内に挿入固定されている。
【0068】
次に、この実施の形態2の作用を説明すると、まず、図示しない軒樋等から雨水が上縦樋部41内に流入し、上縦樋部41からクランクエルボ42を通って、下部開口40aから排出される。
【0069】
そして、この排出された雨水は、下部開口40a内に挿入固定された蛇腹管60内に流入し、基礎側縦樋部50の上部開口50aから排水管カバー51を通って図示しない排水溝に排水されていく。
【0070】
一方、この免震構造建物の縦樋構造を有する免震構造建物10に地震等の振動が加わった場合では、建物本体11と基礎12とが相対移動して、免震装置13が作動し、建物本体11に固定された建物側縦樋部40と基礎12に固定された基礎側縦樋部50とが相対移動することとなる。
【0071】
ここで、建物側縦樋部40と基礎側縦樋部50とは、可撓性を有する蛇腹管60により結合されているので、建物本体11と基礎12との相対移動軌跡に応じて蛇腹管60が屈曲又は伸張する。
【0072】
そのため、建物側縦樋部40と基礎側縦樋部50との軸線方向が容易にずれることができて、免震構造建物10の免震装置13作動時に、縦樋T´が建物本体11と基礎12との相対移動を阻害することがない。
【0073】
このように、免震構造建物10に干渉しないで円滑な排水を行うことが簡易な構成によってでき、コストを抑制して、住宅等の一般的な建物でも採用可能な免震構造建物の縦樋構造となる。
【0074】
以上、この発明の実施の形態1及び2を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態1及び2に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0075】
例えば、実施の形態1において、免震装置13の作動時に、上部開口30aから下部開口20aの移動軌跡が外れない範囲であれば、あらかじめ建物側縦樋部20と基礎側縦樋部30との軸線方向がずれていてもよい。
【0076】
また、実施の形態2では、管状部材が周面を蛇腹状に形成された合成樹脂製の蛇腹管60であるが、可撓性を有していればよいので、ゴム等の軟質部材により形成された管状部材であってもよい。
【0077】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、免震装置作動時に免震構造建物の基礎及び建物本体の相対移動に伴って、縦樋の建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが相対移動し、この免震構造建物に干渉することがなくなる。そして、簡易な構成で免震装置の作動を阻害することなく円滑に排水することができ、コストを抑制することが可能となる。
【0078】
したがって、この発明は、一般的な建物でも採用することができる低コストの免震構造建物の縦樋構造を提供することができる。
【0079】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、基礎側縦樋部や排水溝にゴミが詰まることを防止でき、円滑な排水を行うことができる。
【0080】
請求項3の発明によれば、前記縦樋内を通過する雨水は、前記建物側縦樋部の下部開口から前記基礎側縦樋部の上部開口に流入して円滑に排水される。
【0081】
また、基礎と建物本体とが相対移動して免震装置が作動した際に、縦樋の建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが分割されているので、相対移動して免震構造建物に縦樋が干渉することがなく、免震装置の作動を阻害することがない。そして、構成が簡易であるので低コストの縦樋構造を提供することができる。
【0082】
更に、前記建物側縦樋部の下部が建物から離れる方向に曲げられており、該曲げられた先が前記下部開口となされ、前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが、可撓性を有する管状部材によって連結されたことにより、可撓性を有する管状部材が建物から離れた位置となるため、免震構造建物に管状部材が干渉することがなく、免震装置の作動を阻害することがない。また、建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが相対移動をした際に、建物側縦樋部の下部開口と基礎側縦樋部の上部開口との水平方向の位置が相対的に変化しても、建物側縦樋部から排出された雨水を、受口部を介して全て基礎側縦樋部で受けることができ、確実に排水を行うことができる。
【0083】
また、免震装置作動時に簡易な構成で建物側縦樋部と基礎側縦樋部とが相対移動する縦樋を提供することができ、コストを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の縦樋構造を備えた免震構造建物の要部の構成を説明する鉛直方向に沿った断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の縦樋を示した斜視図である。
【図3】 (a)この発明の実施の形態2の縦樋構造を備えた免震構造建物の要部の構成を説明する鉛直方向に沿った断面図である。
(b)この発明の実施の形態2の縦樋を示した斜視図である。
【図4】 従来の縦樋構造を備えた免震構造建物の要部の構成を説明する鉛直方向に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 免震構造建物
11 建物本体
12 基礎
13 免震装置
20 建物側縦樋部
20a 下部開口
30 基礎側縦樋部
30a 上部開口
L 分割ライン
T 縦樋

Claims (3)

  1. 基礎と該基礎上に建築される建物本体との間に免震装置が介装されて、前記基礎と前記建物本体とが分割ラインを挟んで相対移動する免震構造建物に取り付けられ、雨水を流下させて排水する縦樋を備えた免震構造建物の縦樋構造において、
    前記縦樋は、前記建物本体に固定されると共に雨水を下部開口から排出する建物側縦樋部と、前記基礎に固定されると共に前記建物側縦樋部の前記下部開口から排出された前記雨水が流入する上部開口を有する基礎側縦樋部とに分割され、 前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが対向されていると共に、前記基礎と前記建物本体とが相対移動した際に、前記分割ラインを挟んで相対移動し、
    前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが離間され、前記基礎側縦樋部の前記上部開口には前記建物側縦樋部の前記下部開口よりも大きな開口面積の受口部が設けられたことを特徴とする免震構造建物の縦樋構造。
  2. 前記受口部が、ゴミの混入を防止するネット部材により覆われていることを特徴とする請求項1に記載の免震構造建物の縦樋構造。
  3. 基礎と該基礎上に建築される建物本体との間に免震装置が介装されて、前記基礎と前記建物本体とが分割ラインを挟んで相対移動する免震構造建物に取り付けられ、雨水を流下させて排水する縦樋を備えた免震構造建物の縦樋構造において、
    前記縦樋は、前記建物本体に固定されると共に雨水を下部開口から排出する建物側縦樋部と、前記基礎に固定されると共に前記建物側縦樋部の前記下部開口から排出された前記雨水が流入する上部開口を有する基礎側縦樋部とに分割され、
    前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが対向されていると共に、前記基礎と前記建物本体とが相対移動した際に、前記分割ラインを挟んで相対移動し、
    前記建物側縦樋部の下部が前記分割ラインよりも上の位置で、建物から離れる方向に曲げられており、該曲げられた先が前記下部開口となされ、
    前記建物側縦樋部の前記下部開口と前記基礎側縦樋部の前記上部開口とが、可撓性を有する管状部材によって連結されたことを特徴とする免震構造建物の縦樋構造。
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