JP2023173028A - 導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルム - Google Patents

導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】導電層における伝送損失を低減しつつ、高温高湿環境下での基材に対する導電層の密着性を確保するのに適した、導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルムを提供する。【解決手段】本発明の導電層付フィルムXは、フィルム基材10(シクロオレフィン樹脂フィルム基材)と、金属酸化物層13と、金属導電層14とを厚さ方向Hにこの順で備える。金属酸化物層13および金属導電層14は、同一の金属元素を含む。金属酸化物層13は、15nm以下の厚さを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルムに関する。
フィルム状のアンテナとして、フィルムアンテナが知られている。フィルムアンテナは、例えば、基材フィルムと、当該フィルム上でパターニングされた金属導電層とを備える。このようなフィルムアンテナに関する技術については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2011-211517号公報
アンテナによって送受信される電波の高周波化が進んでいる。例えば、5G通信用の電波としては、ミリ波帯域の高周波電波が望まれている。また、電波が高周波化するほど、アンテナ(フィルムアンテナでは、パターニングされた金属導電層)を通る電波の送受信時の伝送損失は大きくなる。そのような伝送損失を低減するために、フィルムアンテナの基材フィルムとして、シクロオレフィン樹脂フィルムを用いることが考えられる。伝送損失には誘電損失と導体損失とが含まれ、誘電損失は、基材の比誘電率の1/2乗に比例する。シクロオレフィン樹脂は比誘電率が相当程度に小さいので、シクロオレフィン樹脂製の基材フィルムを備えるフィルムアンテナによると、誘電損失を低減して伝送損失を低減できる。
基材フィルムとしてシクロオレフィン樹脂フィルムを備えるフィルムアンテナは、例えば、シクロオレフィン樹脂フィルムと、その上のCu層などの金属導電層とを備える導電層付フィルムにおいて、金属導電層をパターニングすることによって製造できる。しかし、そのような導電層付フィルムでは、高温高湿環境下において、基材フィルム(シクロオレフィン樹脂フィルム)に対する金属導電層の十分な密着性を確保しにくい、という知見を本発明らは得た。密着性を確保しにくい理由は、次のとおりである。
基材フィルムとしてのシクロオレフィン樹脂フィルムとのその上のCu層などの金属導電層とを備える導電層付フィルムでは、温高湿環境下において、基材フィルムとCu層などの金属導電層との界面に、水酸化銅などの水酸化物および低級酸化物が、形成されやすい。これら水酸化物および低級酸化物は、金属導電層における基材フィルム側表面に、脆弱な薄層を形成する。その結果、基材フィルムと金属導電層(具体的には脆弱薄層)との界面での結合エネルギーが低下し、基材フィルムに対する金属導電層の密着力が低下する。
本発明は、導電層における伝送損失を低減しつつ、高温高湿環境下での基材に対する導電層の密着性を確保するのに適した、導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルムを提供する。
本発明[1]は、シクロオレフィン樹脂フィルム基材と、金属酸化物層と、金属導電層とを厚さ方向にこの順で備える導電層付フィルムであって、前記金属酸化物層と前記金属導電層とが同一の金属元素を含み、前記金属酸化物層が15nm以下の厚さを有する、導電層付フィルムを含む。
本発明[2]は、前記金属元素が、銅、銀、アルミニウムおよびニッケルからなる群より選択される少なくとも一つである、上記[1]に記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[3]は、前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材と前記金属酸化物層との間に更に硬化樹脂層を含む、上記[1]または[2]に記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[4]は、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載の導電層付フィルムを備える、フィルムアンテナ用積層フィルムを含む。
本発明の導電層付フィルムは、上記のように、シクロオレフィン樹脂フィルム基材を備える。シクロオレフィン樹脂は、比誘電率が相当程度に小さい。そのため、導電層付フィルムは、上述の誘電損失を低減して伝送損失を低減するのに適する。また、導電層付フィルムは、上記のように、シクロオレフィン樹脂フィルム基材と金属導電層との間に配置される金属酸化物層と、金属導電層とが、同一の金属元素を含み、且つ、金属酸化物層が15nm以下の厚さを有する。そのため、導電層付フィルムは、高温高湿環境下での基材に対する導電層の密着性を確保するのに適する。
本発明のフィルムアンテナ用積層フィルムは、以上のような導電層付フィルムを備える。そのため、フィルムアンテナ用積層フィルムは、導電層における伝送損失を低減しつつ、高温高湿環境下での基材に対する導電層の密着性を確保するのに適する。
本発明の導電層付フィルムの一実施形態の断面模式図である。 図1に示す導電層付フィルムの製造方法の一例を表す。図2Aは第1硬化樹脂層形成工程を表し、図2Bは第2硬化樹脂層形成工程を表し、図2Cは金属酸化物層形成工程を表し、図2Dは金属導電層形成工程を表す。 本発明の導電層付フィルムの一変形例の断面模式図である。本変形例では、導電層付フィルムは第1硬化樹脂層を備えない。 本発明の導電層付フィルムの他の変形例の断面模式図である。本変形例では、導電層付フィルムは第2硬化樹脂層を備えない。
本発明の一実施形態の導電層付フィルムXは、図1に示すように、フィルム基材10と、硬化樹脂層11(第1硬化樹脂層)と、硬化樹脂層12(第2硬化樹脂層)と、金属酸化物層13と、金属導電層14とを備える。フィルム基材10は、具体的には、硬化樹脂層11と、フィルム基材10と、硬化樹脂層12と、金属酸化物層13と、金属導電層14とを厚さ方向Hにこの順で備える。導電層付フィルムXは、厚さ方向Hと直交する方向(面方向)に広がる。また、導電層付フィルムXは、第1最表面Xaと、当該第1最表面Xaとは反対側の第2最表面Xbとを有する。このような導電層付フィルムXは、例えば、フィルムアンテナを作製するためのフィルムアンテナ用積層フィルムである。
フィルム基材10は、導電層付フィルムXの強度を確保する基材である。フィルム基材10は、第1面10aと、当該第1面10aとは反対側の第2面10bとを有する。
フィルム基材10は、可撓性を有するシクロオレフィン樹脂フィルム基材である。シクロオレフィン樹脂フィルム基材は、シクロオレフィン樹脂を最も大きな質量割合で含有するフィルムである。シクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィンを50質量%以上の割合で含むモノマー成分の共重合体である。シクロオレフィンは、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重結合を有する化合物である。オレフィン性二重結合には、(メタ)アクリロイル基およびビニル基が含まれる。シクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィンの付加重合体またはその水素添加物であってもよいし、シクロオレフィンとα-オレフィンの付加重合体またはその水素添加物であってもよい。
シクロオレフィン樹脂を形成するシクロオレフィンとしては、例えば、1環シクロオレフィン、2環シクロオレフィン、3環シクロオレフィンおよび4環シクロオレフィンが挙げられる。1環シクロオレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、および1,3-シクロヘキサジエンが挙げられる。2環シクロオレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(即ち、ノルボルネン)、5-メチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5,5-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ブチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ヘキシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-オクチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-オクタデシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-メチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-ビニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、および、5-プロペニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンが挙げられる。3環シクロオレフィンとしては、3環シクロオレフィンとしては、例えば、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(即ち、ジシクロペンタジエン)が挙げられる。4環シクロオレフィンとしては、例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(即ち、テトラシクロドデセン)が挙げられる。これらのシクロオレフィン樹脂は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
シクロオレフィンと共重合可能なα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-へキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-へキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセンが挙げられる。これらのα-オレフィンは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
シクロオレフィン樹脂の市販品としては、例えば、日本ゼオン社製の「ゼオノアフィルムZF」、「ゼオノアフィルムZF-U」、「ゼオノアフィルムZM」が挙げられ、好ましくは「ゼオノアフィルムZF」が用いられる。シクロオレフィン樹脂の市販品としては、例えば、ポリプラスチック社製の「トパス8007F-04」および「トパス8007F-600」も挙げられる。
フィルム基材10の比誘電率は、金属導電層14における電波通過時の誘電損失を低減する観点から、好ましくは2.5未満であり、より好ましくは2.2以下、更に好ましくは2以下である。フィルム基材10の比誘電率は、例えば0.5以上、1以上、または1.5以上である。フィルム基材10の比誘電率の測定方法は、実施例に関して後述するとおりである。
フィルム基材10の厚さは、導電層付フィルムXの強度を確保する観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは80μm以上である。フィルム基材10の厚さは、ロールトゥロール方式におけるフィルム基材10の取り扱い性を確保する観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
フィルム基材10の第1面10aおよび/または第2面10bは、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、およびカップリング剤処理が挙げられる。
硬化樹脂層11は、フィルム基材10の第1面10a側に配置されている。硬化樹脂層11は、本実施形態では、第1面10a上に配置されている。すなわち、硬化樹脂層11は、本実施形態では第1面10aに接する。また、硬化樹脂層11は、フィルム基材10とは反対側に表面11aを有する。表面11aが、導電層付フィルムXの一方の最表面(第1最表面Xa)である。
硬化樹脂層11は、本実施形態では、導電層付フィルムXのロール体におけるフィルム間の貼り付きを抑制するためのアンチブロッキング層である。硬化樹脂層11は、硬化性樹脂組成物(第1硬化性樹脂組成物)の硬化物である。硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂と粒子とを含有する。すなわち、硬化樹脂層11は、硬化性樹脂と粒子とを含有する。
硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂(アクリルウレタン樹脂を除く)、ウレタン樹脂(アクリルウレタン樹脂を除く)、アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、およびメラミン樹脂が挙げられる。これら硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。硬化樹脂層11の高硬度を確保する観点から、硬化性樹脂としては、好ましくは、アクリルウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。
また、硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂が挙げられる。高温加熱せずに硬化可能であるために導電層付フィルムXの製造効率向上に役立つ観点から、硬化性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が好ましい。硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合、硬化樹脂層11は、粒子を含有する紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。
粒子としては、例えば、無機酸化物粒子および有機粒子が挙げられる。無機酸化物粒子の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム、および酸化アンチモンが挙げられる。有機粒子の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル・スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、およびポリカーボネートが挙げられる。粒子としては、好ましくは無機酸化物粒子が用いられ、より好ましくは、シリカ粒子および/またはジルコニア粒子が用いられる。
粒子の平均粒子径(D50)は、硬化樹脂層11のアンチブロッキング性を確保する観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上、更に好ましくは30nm以上である。粒子の平均粒子径は、導電層付フィルムXの第1最表面Xaの平滑性を確保する観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下、特に好ましくは100nm以下である。粒子の平均粒子径(D50)は、体積基準の粒度分布におけるメジアン径(小径側から体積累積頻度が50%に達する粒径)であり、例えば、レーザー回析・散乱法によって得られる粒度分布に基づいて求められる(他の粒子の平均粒子径についても同様である)。
硬化樹脂層11(第1硬化性樹脂組成物)における粒子の含有量は、硬化樹脂層11のアンチブロッキング性を確保する観点から、硬化性樹脂100質量部あたり、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上である。硬化樹脂層11における粒子の含有量は、導電層付フィルムXの第1最表面Xaの平滑性確保の観点から、硬化性樹脂100質量部あたり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。
表面11aの表面粗さRa(JIS B 0601-2001に基づく算術平均表面粗さ)は、硬化樹脂層11のアンチブロッキング性を確保する観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、更に好ましくは5nm以上である。表面11aの表面粗さRaは、導電層付フィルムXの第1最表面Xaの平滑性確保の観点から、好ましくは20nm以下で、より好ましくは15nm以下、更に好ましくは12nm以下である。
硬化樹脂層11の厚さは、同層のアンチブロッキング性を確保する観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.8μm以上である。硬化樹脂層11の厚さは、導電層付フィルムXの薄型化の観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。
硬化樹脂層12は、フィルム基材10の第2面10b側に配置されている。硬化樹脂層12は、本実施形態では、第2面10b上に配置されている。すなわち、硬化樹脂層12は、本実施形態では第2面10bに接する。また、硬化樹脂層12は、フィルム基材10とは反対側に表面12aを有する。
硬化樹脂層12は、本実施形態では、金属導電層14の表面14aに擦り傷が形成されにくくするためのハードコート層である。硬化樹脂層12は、硬化性樹脂組成物(第2硬化性樹脂組成物)の硬化物である。第2硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。硬化性樹脂としては、例えば、硬化樹脂層11に関して上記した硬化性樹脂が挙げられる。硬化樹脂層12の高硬度の確保の観点からは、硬化性樹脂としては、好ましくは、アクリルウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。また、硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂が挙げられる。高温加熱せずに硬化可能であるために導電層付フィルムXの製造効率向上に役立つ観点から、硬化性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が好ましい。第2硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合、硬化樹脂層12は、紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。
第2硬化性樹脂組成物は、粒子を含有してもよい。すなわち、硬化樹脂層12は、粒子を含有してもよい。粒子としては、例えば、硬化樹脂層11に関して上記した粒子が挙げられる。第2硬化性樹脂組成物が硬化性樹脂としての紫外線硬化型樹脂に加えて粒子を含有する場合、硬化樹脂層12は、粒子を含有する紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。
硬化樹脂層12の厚さは、金属導電層14において充分な耐擦過性を確保する観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.8μm以上である。硬化樹脂層12の厚さは、導電層付フィルムXの薄型化の観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。
硬化樹脂層12の表面12a(金属導電層14側の表面)は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、およびカップリング剤処理が挙げられる。
金属酸化物層13は、硬化樹脂層12の表面12a側に配置されている。金属酸化物層13は、本実施形態では、表面12a上に配置されている。すなわち、金属酸化物層13は、本実施形態では表面12aに接する。また、金属酸化物層13は、硬化樹脂層12とは反対側に表面13aを有する。
金属酸化物層13を形成する金属酸化物中の金属としては、例えば、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、および、これらの合金が挙げられる。金属酸化物層13は、導電層付フィルムXにおける金属導電層14の密着性を確保する観点から、金属導電層14と同一の金属元素(共通金属元素)を含み、好ましくは、共通金属元素として銅を含む。また、共通金属元素は、金属酸化物層13の主金属であるのが好ましい。金属酸化物層13の主金属とは、金属酸化物層13中の金属元素のうち原子数割合が最も大きな金属元素とする。
金属酸化物層13の厚さは、導電層付フィルムXにおける金属導電層14の密着性を確保する観点から、15nm以下であり、好ましくは12nm以下、より好ましくは10nm以下、更に好ましくは9nm以下、特に好ましくは6nm以下である。金属酸化物層13の厚さは、導電層付フィルムXにおける金属導電層14の密着性を確保する観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、更に好ましくは3nm以上である。
金属導電層14は、金属酸化物層13の表面13a側に配置されている。金属導電層14は、本実施形態では、表面13a上に配置されている。すなわち、金属導電層14は、本実施形態では表面13aに接する。また、金属導電層14は、金属酸化物層13とは反対側に表面14aを有する。表面14aが、導電層付フィルムXの他方の最表面(第2最表面Xb)である。
金属導電層14は、導電性金属から形成された層である。導電性金属としては、例えば、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、および、これらの合金が挙げられる。金属導電層14は、高い導電性を確保する観点から、好ましくは、銅、銀、アルミニウム、およびニッケルからなる群より選択される少なくとも一つの金属元素を含み、より好ましくは銅を主金属として含む。金属導電層14の主金属とは、金属導電層14中の金属元素のうち原子数割合が最も大きな金属元素とする。
金属導電層14の厚さは、金属導電層14の低抵抗化の観点から、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは150nm以上、特に好ましくは180nm以上である。金属導電層14の厚さは、導電層付フィルムXの反りの抑制の観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは1μm以下、一層好ましくは500nm以下、より一層好ましくは300nm以下、特に好ましくは250nm以下である。
導電層付フィルムXは、ロールトゥロール方式において、例えば以下のように製造される。
まず、図2Aに示すように、フィルム基材10の第1面10a上に硬化樹脂層11を形成する(第1硬化樹脂層形成工程)。硬化樹脂層11は、第1面10a上に上述の第1硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を硬化させることによって形成できる。第1硬化性樹脂組成物が紫外線化型樹脂を含有する場合には、紫外線照射によって塗膜を硬化させる。第1硬化性樹脂組成物が熱硬化型樹脂を含有する場合には、加熱によって前記塗膜を硬化させる。
まず、図2Bに示すように、フィルム基材10の第2面10b上に硬化樹脂層12を形成する(第2硬化樹脂層形成工程)。硬化樹脂層12は、第2面10b上に上述の第2硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を硬化させることによって形成できる。第2硬化性樹脂組成物が紫外線化型樹脂を含有する場合には、紫外線照射によって塗膜を硬化させる。第2硬化性樹脂組成物が熱硬化型樹脂を含有する場合には、加熱によって前記塗膜を硬化させる。
次に、図2Cに示すように、硬化樹脂層12の表面12a上に金属酸化物層13を形成する(金属酸化物層形成工程)。具体的には、スパッタリング法により、表面12a上に金属酸化物を成膜して金属酸化物層13を形成する。こうして形成される金属酸化物層13は、スパッタ膜である。スパッタリング法は、表面13aの平滑性が高い金属酸化物層13を形成するのに好ましい。表面13aの平滑性が高いことは、金属酸化物層13上に形成される金属導電層14において、表面14aの凹凸を抑制するのに役立つ。そのため、金属酸化物層13がスパッタ膜であることは、金属導電層14において、表面14aの凹凸を抑制して、電波通過時の導体損失を低減するのに好ましい(導電層の表面凹凸が大きいほど、当該導電層の電波通過時の導体損失は大きい)。また、スパッタリング法は、反応性ガスとしての酸素ガスを用いる反応性スパッタリング法であってもよい。
次に、図2Dに示すように、金属酸化物層13の表面13a上に金属導電層14を形成する(金属導電層形成工程)。具体的には、スパッタリング法により、表面13a上に導電性金属を成膜して金属導電層14を形成する。こうして形成される金属導電層14は、スパッタ膜である。スパッタリング法は、表面14aの凹凸が抑制された金属導電層14を形成するのに好ましい。そのため、金属導電層14がスパッタ膜であることは、金属導電層14において、表面14aの凹凸を抑制して、電波通過時の導体損失を低減するのに好ましい。
以上のようにして、導電層付フィルムXを製造できる。
導電層付フィルムXは、図3に示すように、硬化樹脂層11を備えなくてもよい。このような導電層付フィルムXは、第1硬化樹脂層形成工程を実施しないこと以外は上述の製造方法と同様の方法によって製造できる。導電層付フィルムXのロール体における最表面Xa,Xb間のブロッキングを抑制する観点からは、導電層付フィルムXは、図1に示すように硬化樹脂層11を備えるのが好ましい。
導電層付フィルムXは、図4に示すように、硬化樹脂層12を備えなくてもよい。このような導電層付フィルムXは、第2硬化樹脂層形成工程を実施しないこと以外は上述の製造方法と同様の方法によって製造できる。金属導電層14の耐擦過性を確保する観点からは、導電層付フィルムXは、図1に示すように硬化樹脂層12を備えるのが好ましい。
導電層付フィルムX(図1,図3,図4)において、金属導電層14を所定のアンテナ形状にパターニングすることにより、フィルムアンテナを製造できる。フィルムアンテナにおいては、電波が高周波化するほど、アンテナ(パターニングされた金属導電層14)を通る電波の送受信時の伝送損失は大きくなる。伝送損失には誘電損失と導体損失とが含まれ、誘電損失は、フィルム基材10の比誘電率の1/2乗に比例する。
導電層付フィルムXは、上述のように、フィルム基材10としてシクロオレフィン樹脂フィルム基材を備える。シクロオレフィン樹脂は、比誘電率が相当程度に小さい。そのため、導電層付フィルムXは、金属導電層14における誘電損失を低減して伝送損失を低減するのに適する。
導電層付フィルムXは、上述のように、金属酸化物層13と金属導電層14とが同一の金属元素を含み、且つ、金属酸化物層13が15nm以下の厚さを有する。そのため、導電層付フィルムXは、高温高湿環境下での金属導電層14の密着性を確保するのに適する。具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。金属酸化物層13が厚いほど、高温高湿環境下では、フィルム基材10からの水分が金属酸化物層13側から外部に放出されにくく、基材に対する金属酸化物層13を介しての金属導電層14の密着性が低下すると考えられる。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〔実施例1〕
シクロオレフィン樹脂(COP)フィルム基材(品名「ゼオノア ZF16」,厚さ100μm,ZEON社製)の一方の面(第1面)に、硬化性組成物C1を塗布して塗膜を形成した。硬化性組成物C1は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(品名「アイカトロン Z844L」,アイカ社製)100質量部(樹脂分量)と、シリカ粒子(品名「CSZ9281」,平均一次粒子径30nm,CIKナノテック社製)10質量部と、溶媒としてのメチルイソブチルケトンとを含有する。次に、COPフィルム基材上の塗膜を乾燥させた後、紫外線照射によって当該塗膜を硬化させて、厚さ1μmの第1硬化樹脂層を形成した(第1硬化樹脂層形成工程)。
次に、第1硬化樹脂層付きCOPフィルム基材の第2面(第1面とは反対側の面)に、硬化性組成物C2を塗布して塗膜を形成した。硬化性組成物C2は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(品名「アイカトロン Z844L」,アイカ社製)100質量部(樹脂分量)と、シリカ粒子(品名「CSZ9281」,平均一次粒子径30nm,CIKナノテック社製)10質量部と、溶媒としてのメチルイソブチルケトンとを含有する。 次に、COPフィルム基材上の塗膜を乾燥させた後、紫外線照射によって当該塗膜を硬化させて、厚さ1μmの第2硬化樹脂層を形成した(第2硬化樹脂層形成工程)。
次に、スパッタリング法により、第2硬化樹脂層上に、厚さ3nmの酸化銅層を金属酸化物層として形成した(金属酸化物層形成工程)。スパッタリング法では、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置(巻取式のDCマグネトロンスパッタリング装置)を使用した。スパッタ成膜装置は、ワークフィルムを長さ方向に走行させつつ成膜プロセスを実施できる成膜室を備える。スパッタ成膜の条件は、次のとおりである。
スパッタ成膜装置の成膜室内の到達真空度が0.9×10-4Paに至るまで成膜室内を真空排気した後、成膜室内にスパッタリングガスとしてのArを導入し、成膜室内の気圧を0.4Paとした。装置内でのワークフィルムの走行速度は3.0m/分とした。ワークフィルムの走行方向に作用する張力(走行張力)は200N/mとした。ターゲットとしては、酸化銅(CuO)ターゲットを用いた。ターゲットに対する電圧印加のための電源としては、DC電源を用いた。DC電源の出力0.9kWとした。ターゲット上の水平磁場強度は40mTとした。成膜温度(CuO層が形成されるワークフィルムの温度)は40℃とした。
次に、スパッタリング法により、金属酸化物層上に、厚さ200nmのCu層を金属導電層として形成した(金属導電層形成工程)。スパッタリング法では、ロールトゥロール方式の上述のスパッタ成膜装置を使用した。スパッタ成膜の条件は、次のとおりである。
スパッタ成膜装置の成膜室内の到達真空度が0.9×10-4Paに至るまで成膜室内を真空排気した後、成膜室内にスパッタリングガスとしてのArを導入し、成膜室内の気圧を0.4Paとした。装置内でのワークフィルムの走行速度は3.0m/分とした。ワークフィルムの走行方向に作用する張力(走行張力)は200N/mとした。ターゲットとしては、Cuターゲットを用いた。ターゲットに対する電圧印加のための電源としては、DC電源を用いた。DC電源の出力78.3kWとした。ターゲット上の水平磁場強度は40mTとした。成膜温度(Cu層が形成されるワークフィルムの温度)は40℃とした。
以上のようにして、実施例1の長尺の導電層付フィルム(ロールの形態をとる)を作製した。実施例1の導電層付フィルムは、第1硬化樹脂層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、COPフィルム基材(厚さ100μm)と、第2硬化樹脂層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、CuO層(厚さ3nm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。
〔実施例2〕
金属酸化物層形成工程において形成するCuO層の厚さを3nmから6nmに変えたこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、実施例2の導電層付フィルムを作製した。
〔実施例3〕
金属酸化物層形成工程において形成するCuO層の厚さを3nmから9nmに変えたこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、実施例3の導電層付フィルムを作製した。
〔比較例1〕
金属酸化物層形成工程において形成するCuO層の厚さを3nmから20nmに変えたこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、比較例1の導電層付フィルムを作製した。
〔比較例2〕
金属酸化物層形成工程において形成するCuO層の厚さを3nmから45nmに変えたこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、比較例2の導電層付フィルムを作製した。
〔比較例3〕
金属酸化物層形成工程を実施せずに金属層形成工程を実施したこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、比較例3の導電層付フィルムを作製した。比較例3の導電層付フィルムは、第1硬化樹脂層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、COPフィルム基材(厚さ100μm)と、第2硬化樹脂層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。
〔比較例4〕
金属酸化物層形成工程において、酸化銅ターゲットを用いたスパッタリング法に代えてチタンターゲットを用いたスパッタリング法(反応性スパッタリング法)を実施したこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、比較例4の導電層付フィルムを作製した。比較例4の導電層付フィルムは、第1硬化樹脂層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、COPフィルム基材(厚さ100μm)と、第2硬化樹脂層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、酸化チタン層(厚さ3nm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。
スパッタ成膜装置の成膜室内の到達真空度が0.9×10-4Paに至るまで成膜室内を真空排気した後、成膜室内にスパッタリングガスとしてのArおよび酸素(反応性ガス)を導入し、成膜室内の気圧を0.4Paとした。また成膜室に導入されるArおよび酸素の合計導入量に対する酸素導入量の割合は約16流量%とした。装置内でのワークフィルムの走行速度は3.0m/分とした。ワークフィルムの走行方向に作用する張力(走行張力)は200N/mとした。ターゲットとしては、チタンターゲットを用いた。ターゲットに対する電圧印加のための電源としては、DC電源を用いた。DC電源の出力38.0kWとした。ターゲット上の水平磁場強度は40mTとした。成膜温度(酸化チタン層が形成されるワークフィルムの温度)は-8℃とした。
〈比誘電率〉
上記のシクロオレフィン樹脂フィルム基材の比誘電率を測定した。具体的には、まず、シクロオレフィン樹脂フィルム基材から、測定用の試料片(60mm×60mm)を切り出した。次に、シクロオレフィン樹脂フィルム基材を、主電極と対電極との間に配置した(両電極で挟んだ)。主電極および対電極としては、それぞれ、アルミニウム電極(品名「SE-70」,厚さ5mm,安藤電気社製)を用いた。そして、21℃および相対湿度55%の環境下において、測定装置(品名「precision LCR meter HP-4284A」,アジレント・テクノロジー社製)により、容量法に基づき所定周波数(1kHz,10kHz,100kHz)での試料片の比誘電率を測定した。試料片(フッ素樹脂フィルム基材)について測定された100kHzでの比誘電率は、2.4であった。
〈密着性〉
実施例1,2および比較例1~4の各導電層付フィルムについて、次のようにして金属導電層の密着性を調べた。
まず、導電層付フィルムごとに2種類の評価用のサンプルフィルム(第1・第2サンプルフィルム)を作製した。第1サンプルフィルムの作製においては、まず、導電層付フィルムからフィルム片(50mm×50mm)を切り出した。次に、フィルム片の金属導電層側の表面において、第1方向に直線的に延びる11本の平行な第1の切り込み(1mm間隔)と、第1方向と直交する第2方向に直線的に延びる11本の平行な第2の切り込み(1mm間隔)とを形成し、第1および第2の切り込みによって100個のマス目を形成した。これにより、第1サンプルフィルムを得た。各切込みは、厚さ方向において、金属導電層側の表面からフィルム基材にまで至っている。
第2サンプルフィルムは、次のこと以外は第1サンプルフィルムと同様にして作製した。導電層付フィルムから切り出したフィルム片を、85℃および相対湿度85%の恒温恒湿槽内に48時間投入した(高温高湿試験)。次に、フィルム片を、恒温恒湿槽外に取り出し、24時間、室温で放置した(この後、第1サンプルフィルムと同様に、フィルム片の金属導電層側の表面に100個のマス目を形成した)。
次に、サンプルフィルムごとに、JIS K 5600-5-6(1999)に準拠して密着性試験を実施した。具体的には、まず、サンプルフィルムの金属導電層側表面に対し、100個のマス目の全てを覆うように所定の片面粘着テープを貼り付けた。次に、第1方向に粘着テープを引きはがした。そして、粘着テープを引きはがした後のマス目を観察し、下記の基準(分類0~分類5)に基づき、金属導電層の密着性を評価した。その評価結果を表1に示す。具体的には、表1には、第1サンプルフィルムによる評価結果を初期の密着性として示し、第2サンプルフィルムによる評価結果を高温高湿48時間後の密着性として示しす。
分類0:少なくとも一部が剥がれているマス目の数が0(どのマス目にも剥がれが生じていない)
分類1:少なくとも一部が剥がれているマス目の数が5未満
分類2:少なくとも一部が剥がれているマス目の数が5以上15未満
分類3:少なくとも一部が剥がれているマス目の数が15以上35未満
分類4:少なくとも一部が剥がれているマス目の数が35以上65未満
分類5:少なくとも一部が剥がれているマス目の数が65以上
実施例1~3の各導電層付フィルムでは、金属酸化物層としての酸化銅層と、金属導電層としての銅層とが、共通金属元素として銅を含み、且つ、金属酸化物層(酸化銅層)の厚さが15nm以下である。このような導電層付フィルムにおいては、高温高湿48時間後の金属導電層の密着性について高い評価(分類1)が得られた。
これに対し、比較例1,2の各導電層付フィルムでは、金属酸化物層と金属導電層とが共通金属元素として銅を含むが、金属酸化物層の厚さが20nm以上である。比較例3の導電層付フィルムは金属酸化物層を備えない。比較例4の導電層付フィルムでは、金属酸化物層の厚さが15nm以下であるが、金属酸化物層と金属導電層とが共通金属元素を含まない。これらの導電層付フィルムにおいては、高温高湿48時間後の金属導電層の密着性について、実施例1~3の導電層付フィルムよりも、評価が低かった(評価は分類3または分類4であり、密着性は大きく低下した)。
Figure 2023173028000002
X 導電層付フィルム
Xa 第1最表面
Xb 第2最表面
H 厚さ方向
10 フィルム基材(シクロオレフィン樹脂フィルム基材)
11,12 硬化樹脂層
13 金属酸化物層
14 金属導電層

Claims (4)

  1. シクロオレフィン樹脂フィルム基材と、金属酸化物層と、金属導電層とを厚さ方向にこの順で備える導電層付フィルムであって、
    前記金属酸化物層と前記金属導電層とが同一の金属元素を含み、
    前記金属酸化物層が15nm以下の厚さを有する、導電層付フィルム。
  2. 前記金属元素が、銅、銀、アルミニウムおよびニッケルからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載の導電層付フィルム。
  3. 前記シクロオレフィン樹脂フィルム基材と前記金属酸化物層との間に更に硬化樹脂層を含む、請求項1に記載の導電層付フィルム。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の導電層付フィルムを備える、フィルムアンテナ用積層フィルム。
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