JP2023181904A - 導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023181904000001
【課題】導電層における伝送損失を低減しつつ、フィルム間の貼り付きを抑制するのに適した、導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の導電層付フィルムXは、帯電防止層11と、フィルム基材10(フッ素樹脂フィルム基材)と、導電層12とを厚さ方向Hにこの順で備える。帯電防止層11は、フィルム基材10よりも、大きな比誘電率を有する。帯電防止層11と導電層12との間の動摩擦係数は1.5以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルムに関する。
フィルム状のアンテナとして、フィルムアンテナが知られている。フィルムアンテナは、例えば、基材フィルムと、当該フィルム上でパターニングされた導電層とを備える。このようなフィルムアンテナに関する技術については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2011-211517号公報
アンテナによって送受信される電波の高周波化が進んでいる。例えば、5G通信用の電波としては、ミリ波帯域の高周波電波が望まれている。また、電波が高周波化するほど、アンテナ(フィルムアンテナでは、パターニングされた導電層)を通る電波の送受信時の伝送損失は大きくなる。そのような伝送損失を低減するために、フィルムアンテナの基材フィルムとして、フッ素樹脂フィルムを用いることが考えられる。伝送損失には誘電損失と導体損失とが含まれ、誘電損失は、基材の比誘電率の1/2乗に比例する。フッ素樹脂は比誘電率が相当程度に小さいので、フッ素樹脂製の基材フィルムを備えるフィルムアンテナによると、誘電損失を低減して伝送損失を低減できる。
基材フィルムとしてフッ素樹脂フィルムを備えるフィルムアンテナは、フッ素樹脂フィルムとその上の導電層とを備える導電層付フッ素樹脂フィルムにおいて、導電層をパターニングすることによって製造できる。導電層フッ素樹脂フィルムは、例えば、ロールトゥロール方式において、フッ素樹脂フィルム上に導電層を形成することによって製造できる。
しかし、導電層付フッ素樹脂フィルムのロール体では、径方向に隣り合う導電層付フッ素樹脂フィルム間が貼り付きやすい。同フィルム間において、表面平滑性に起因する貼り付きに加えて、静電作用に起因する貼り付きが、生じやすいからである。このような知見を本発明らは得た。静電作用に起因する貼り付きが生じやすい理由は、次のとおりである。
導電層付フッ素樹脂フィルムが巻き回される時、径方向に隣り合う導電層付フッ素樹脂フィルム間において、フッ素樹脂フィルム表面と導電層表面とがミクロスケールで擦れる。これにより、導電層から、比誘電率が相当程度に小さいフッ素樹脂フィルムへの、電子移動が生じる。そのため、フッ素樹脂フィルム表面はマイナスに帯電し、導電層表面はプラスに帯電する(摩擦帯電)。その結果、径方向に隣り合う導電層付フッ素樹脂フィルムにおけるフッ素樹脂フィルム表面と導電層表面との間が、静電作用によって貼り付く。
本発明は、導電層における伝送損失を低減しつつ、フィルム間の貼り付きを抑制するのに適した、導電層付フィルムおよびフィルムアンテナ用積層フィルムを提供する。
本発明[1]は、帯電防止層と、フッ素樹脂フィルム基材と、導電層とを厚さ方向にこの順で備える導電層付フィルムであって、前記帯電防止層が、前記フッ素樹脂フィルム基材よりも、大きな比誘電率を有し、前記帯電防止層と前記導電層との間の動摩擦係数が1.5以下である、導電層付フィルムを含む。
本発明[2]は、前記帯電防止層の比誘電率が2.2以上である、上記[1]に記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[3]は、前記導電層が金属層である、上記[1]または[2]に記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[4]は、前記金属層が、銅、銀、アルミニウムおよびニッケルからなる群より選択される少なくとも一つを主金属として含む、上記[3]に記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[5]は、前記帯電防止層が紫外線硬型性樹脂の硬化物層である、上記[1]から[4]のいずれか一つに記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[6]は、前記フッ素樹脂フィルム基材と前記導電層との間に更に硬化樹脂層を備える、上記[1]から[5]のいずれか一つに記載の導電層付フィルムを含む。
本発明[7]は、上記[1]から[6]のいずれか一つに記載の導電層付フィルムを備えるフィルムアンテナ用積層フィルムを含む。
本発明の導電層付フィルムは、上記のように、フッ素樹脂フィルム基材を備える。フッ素樹脂は、比誘電率が相当程度に小さい。そのため、導電層付フィルムは、上述の誘電損失を低減して伝送損失を低減するのに適する。また、導電層付フィルムは、上記のように、帯電防止層と、フッ素樹脂フィルム基材と、導電層とを厚さ方向にこの順で備え、帯電防止層がフッ素樹脂フィルム基材よりも大きな比誘電率を有する。このような導電層付フィルムによると、同フィルムが巻き回された状態において、フッ素樹脂フィルム基材(比誘電率が相当程度に小さい)の表面と導電層の表面とが擦れることを回避できる。このような導電層付フィルムは、静電作用に起因する上述の貼り付きを抑制するのに適する。加えて、導電層付フィルムは、上記のように、帯電防止層と導電層との間の動摩擦係数が1.5以下である。このような導電層付フィルムは、巻き回された状態において、帯電防止層の表面と導電層の表面との摩擦を低減するのに適する。当該摩擦の低減は、導電層から帯電防止層への電子移動の抑制に役立つので、静電作用に起因する上述の貼り付きを抑制するのに役立つ。したがって、本発明の導電層付フィルムは、導電層における伝送損失を低減しつつ、フィルム間の貼り付きを抑制するのに適する。
本発明のフィルムアンテナ用積層フィルムは、以上のような導電層付フィルムを備える。そのため、フィルムアンテナ用積層フィルムは、導電層における伝送損失を低減しつつ、フィルム間の貼り付きを抑制するのに適する。
本発明の導電層付フィルムの一実施形態の断面模式図である。 図1に示す導電層付フィルムの製造方法の一例を表す。図2Aは用意工程を表し、図2Bは第1硬化樹脂層形成工程を表し、図2Cは導電層形成工程を表す。 本発明の導電層付フィルムの一変形例の断面模式図である。
本発明の一実施形態の導電層付フィルムXは、図1に示すように、フィルム基材10と、帯電防止層11と、導電層12とを備える。導電層付フィルムXは、具体的には、帯電防止層11と、フィルム基材10と、導電層12とを厚さ方向Hにこの順で備える。導電層付フィルムXは、厚さ方向Hと直交する方向(面方向)に広がる。また、導電層付フィルムXは、第1最表面Xaと、当該第1最表面Xaとは反対側の第2最表面Xbとを有する。このような導電層付フィルムXは、例えば、フィルムアンテナを作製するためのフィルムアンテナ用積層フィルムである。
フィルム基材10は、導電層付フィルムXの強度を確保する基材である。フィルム基材10は、第1面10aと、当該第1面10aとは反対側の第2面10bとを有する。
フィルム基材10は、可撓性を有するフッ素樹脂フィルム基材である。フィルム基材10(フッ素樹脂フィルム基材)の材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとの共重合体(FEP)、および、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)が挙げられる。これらの材料は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。フィルム基材10の材料としては、好ましくは、PFA、FEP、またはETFEが用いられる。
フィルム基材10の比誘電率は、帯電防止層11の比誘電率より小さい。フィルム基材10の比誘電率は、導電層12における電波通過時の誘電損失を低減する観点から、好ましくは2.5未満であり、より好ましくは2.3以下、更に好ましくは2.1以下である。フィルム基材10の比誘電率は、例えば1.5以上、1.7以上、または1.9以上である。フィルム基材10の比誘電率の測定方法は、実施例に関して後述するとおりである。
フィルム基材10の厚さは、導電層付フィルムXの強度を確保する観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは80μm以上である。フィルム基材10の厚さは、ロールトゥロール方式におけるフィルム基材10の取り扱い性を確保する観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
フィルム基材10の第1面10aおよび/または第2面10bは、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、およびカップリング剤処理が挙げられる。
帯電防止層11は、フィルム基材10の第1面10a側に配置されている。帯電防止層11は、本実施形態では、第1面10a上に配置されている。すなわち、帯電防止層11は、本実施形態では第1面10aに接する。また、帯電防止層11は、フィルム基材10とは反対側に表面11aを有する。表面11aが、導電層付フィルムXの一方の最表面(第1最表面Xa)である。
帯電防止層11は、フィルム基材10の表面10aの帯電を防止する層であり、フィルム基材10よりも大きな比誘電率を有する。帯電防止層11の比誘電率は、導電層付フィルムXのロール体において帯電防止層11と導電層12との擦れに因る電子移動を抑制する観点から、好ましくは2.2以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは2.7以上である。帯電防止層11の比誘電率は、導電層12における電波通過時の誘電損失を低減する観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3.5以下である。帯電防止層11の比誘電率の測定方法は、実施例に関して後述するとおりである。また、フィルム基材10と帯電防止層11との比誘電率の差は、導電層付フィルムXのロール体において帯電防止層11と導電層12との擦れに因る電子移動を抑制する観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1以上である。
帯電防止層11は、硬化性樹脂組成物(第1硬化性樹脂組成物)の硬化物である。硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。すなわち、帯電防止層11は、硬化性樹脂を含有する。
硬化性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂(アクリルウレタン樹脂を除く)、ウレタン樹脂(アクリルウレタン樹脂を除く)、アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、およびメラミン樹脂が挙げられる。これら硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。帯電防止層11の帯電防止性の確保と高硬度の確保との観点から、硬化性樹脂としては、好ましくは、アクリルウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。
また、硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂が挙げられる。高温加熱せずに硬化可能であるために導電層付フィルムXの製造効率向上に役立つ観点から、硬化性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が好ましい。硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合、帯電防止層11は、紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。
硬化性樹脂組成物は、粒子を含有してもよい。すなわち、帯電防止層11は、粒子を含有してもよい。帯電防止層11が粒子を含有することは、導電層付フィルムXのロール体における帯電防止層11の表面と導電層12の表面との摩擦を低減するのに好ましい。硬化性樹脂組成物が硬化性樹脂としての紫外線硬化型樹脂に加えて粒子を含有する場合、帯電防止層11は、粒子を含有する紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。粒子としては、例えば、無機酸化物粒子および有機粒子が挙げられる。無機酸化物粒子の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウム、および酸化アンチモンが挙げられる。有機粒子の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル・スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、およびポリカーボネートが挙げられる。粒子としては、好ましくは無機酸化物粒子が用いられ、より好ましくは、シリカ粒子および/またはジルコニア粒子が用いられる。
粒子の平均粒子径(D50)は、導電層付フィルムXのロール体における帯電防止層11の表面と導電層12の表面との摩擦を低減する観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上、更に好ましくは30nm以上である。粒子の平均粒子径は、導電層付フィルムXの第1最表面Xaの平滑性確保の観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、更に好ましくは120nm以下、特に好ましくは100nm以下である。粒子の平均粒子径(D50)は、体積基準の粒度分布におけるメジアン径(小径側から体積累積頻度が50%に達する粒径)であり、例えば、レーザー回析・散乱法によって得られる粒度分布に基づいて求められる(他の粒子の平均粒子径についても同様である)。
帯電防止層11(第1硬化性樹脂組成物)における粒子の含有量は、導電層付フィルムXのロール体における帯電防止層11の表面と導電層12の表面との摩擦を低減する観点から、硬化性樹脂100質量部あたり、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上である。帯電防止層11における粒子の含有量は、導電層付フィルムXの第1最表面Xaの平滑性確保の観点から、硬化性樹脂100質量部あたり、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。
表面11aの表面粗さRa(JIS B 0601-2001に基づく算術平均表面粗さ)は、導電層付フィルムXのロール体における帯電防止層11の表面と導電層12の表面との摩擦を低減する観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上、更に好ましくは5nm以上である。表面11aの表面粗さRaは、導電層付フィルムXの第1最表面Xaの平滑性確保の観点から、好ましくは20nm以下で、より好ましくは15nm以下、更に好ましくは12nm以下である。
帯電防止層11の厚さは、同層の帯電防止性を確保する観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.8μm以上である。帯電防止層11の厚さは、導電層付フィルムXの薄型化の観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。
導電層12は、フィルム基材10の第2面10b側に配置されている。導電層12は、本実施形態では、第2面10b上に配置されている。すなわち、導電層12は、本実施形態では第2面10bに接する。また、導電層12は、フィルム基材10とは反対側に表面12aを有する。表面12aが、導電層付フィルムXの他方の最表面(第2最表面Xb)である。
導電層12は、導電材料から形成された層である。導電材料としては、例えば、金属および金属酸化物が挙げられる。金属としては、例えば、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、チタン、および、これらの合金が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)、およびアンチモンスズ複合酸化物(ATO)が挙げられる。導電層12は、高い導電性を確保する観点から、好ましくは金属層であり、より好ましくは、銅、銀、アルミニウム、およびニッケルからなる群より選択される少なくとも一つを主金属として含み、更に好ましくは銅を主金属として含む。
導電層12の厚さは、導電層12の低抵抗化の観点から、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは150nm以上、特に好ましくは180nm以上である。導電層12の厚さは、導電層付フィルムXの反りの抑制の観点から、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは250nm以下である。
導電層付フィルムXにおいて、帯電防止層11と導電層12との間の動摩擦係数は、導電層付フィルムXのロール体における帯電防止層11の表面と導電層12の表面との摩擦を低減する観点から、1.5以下であり、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下である。動摩擦係数は、導電層付フィルムXのロール体の巻き緩みを抑制する観点から、好ましくは0.1以上である。当該動摩擦係数は、具体的には、帯電防止層11の表面11aと導電層12の表面12aとの間の動摩擦係数である。そのような動摩擦係数の測定方法は、実施例に関して後述するとおりである。帯電防止層11と導電層12との間の動摩擦係数の調整方法としては、例えば、帯電防止層11の表面粗さの調整が挙げられる。帯電防止層11の表面粗さの調整方法としては、例えば、帯電防止層11の表面をプラズマ処理すること、および、帯電防止層11に粒子を配合することが、挙げられる。帯電防止層11と導電層12との間の動摩擦係数の調整方法としては、帯電防止層11および/または導電層12の表面弾性率の調整も挙げられる。
導電層付フィルムXは、ロールトゥロール方式において、例えば以下のように製造される。
まず、図2Aに示すように、フィルム基材10を用意する。
まず、図2Bに示すように、フィルム基材10の第1面10a上に帯電防止層11を形成する。帯電防止層11は、第1面10a上に上述の第1硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を硬化させることによって形成できる。第1硬化性樹脂組成物が紫外線化型樹脂を含有する場合には、紫外線照射によって塗膜を硬化させる。第1硬化性樹脂組成物が熱硬化型樹脂を含有する場合には、加熱によって前記塗膜を硬化させる。
次に、図2Cに示すように、フィルム基材10の第2面10b上に導電層12を形成する。具体的には、スパッタリング法により、第2面10b上に導電材料を成膜して導電層12を形成する。こうして形成される導電層12は、スパッタ膜である。スパッタリング法は、表面12aの凹凸が抑制された導電層12を形成するのに好ましい。そのため、導電層12がスパッタ膜であることは、導電層12において、表面12aの凹凸を抑制して、電波通過時の導体損失を低減するのに好ましい(導電層の表面凹凸が大きいほど、当該導電層の電波通過時の導体損失は大きい)。
以上のようにして、導電層付フィルムXを製造できる。
導電層付フィルムXは、図3に示すように、フィルム基材10と導電層12との間に更に硬化樹脂層13を備えてもよい。図3に示す導電層付フィルムXにおいて、硬化樹脂層13は、フィルム基材10の第2面10b側に配置され、本変形例では第2面10bに接する。また、導電層12は、本変形例では硬化樹脂層13に接する。このような硬化樹脂層13は、例えば、導電層12の表面12aに擦り傷が形成されにくくするためのハードコート層である。
硬化樹脂層13は、硬化性樹脂組成物(第2硬化性樹脂組成物)の硬化物である。第2硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。硬化性樹脂としては、例えば、帯電防止層11に関して上記した硬化性樹脂が挙げられる。硬化樹脂層13の高硬度の確保の観点からは、硬化性樹脂としては、好ましくは、アクリルウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。また、硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂が挙げられる。高温加熱せずに硬化可能であるために導電層付フィルムXの製造効率向上に役立つ観点から、硬化性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が好ましい。第2硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂が紫外線硬化型樹脂である場合、硬化樹脂層13は、紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。
第2硬化性樹脂組成物は、粒子を含有してもよい。すなわち、硬化樹脂層13は、粒子を含有してもよい。粒子としては、例えば、帯電防止層11に関して上記した粒子が挙げられる。第2硬化性樹脂組成物が硬化性樹脂としての紫外線硬化型樹脂に加えて粒子を含有する場合、硬化樹脂層13は、粒子を含有する紫外線硬化型樹脂の硬化物層である。
硬化樹脂層13の厚さは、導電層12において充分な耐擦過性を発現させる観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、更に好ましくは0.5μm以上、特に好ましくは0.8μm以上である。硬化樹脂層13の厚さは、導電層付フィルムXの薄型化の観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。
硬化樹脂層13の導電層12側の表面は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、およびカップリング剤処理が挙げられる。
図3に示す導電層付フィルムXは、フィルム基材10の第2面10b上に導電層12を形成する前に硬化樹脂層13を形成し、当該硬化樹脂層13上に導電層12を形成することにより、製造できる。硬化樹脂層13は、フィルム基材10の第2面10b上に第2硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を硬化させることによって形成できる。第2硬化性樹脂組成物が紫外線化型樹脂を含有する場合には、紫外線照射によって前記塗膜を硬化させる。第2硬化性樹脂組成物が熱硬化型樹脂を含有する場合には、加熱によって前記塗膜を硬化させる。
導電層付フィルムX(図1,図3)において、導電層12を所定のアンテナ形状にパターニングすることにより、フィルムアンテナを製造できる。フィルムアンテナにおいては、電波が高周波化するほど、アンテナ(パターニングされた導電層12)を通る電波の送受信時の伝送損失は大きくなる。伝送損失には誘電損失と導体損失とが含まれ、誘電損失は、フィルム基材10の比誘電率の1/2乗に比例する。
導電層付フィルムXは、上述のように、フィルム基材10としてフッ素樹脂フィルム基材を備える。フッ素樹脂は、比誘電率が相当程度に小さい。そのため、導電層付フィルムXは、導電層12における誘電損失を低減して伝送損失を低減するのに適する。
また、導電層付フィルムXは、上述のように、帯電防止層11と、フィルム基材10と、導電層12とを厚さ方向Hにこの順で備え、帯電防止層11がフィルム基材10よりも大きな比誘電率を有する。このような導電層付フィルムXによると、同フィルムが巻き回されたロール体において、フィルム基材10(比誘電率が相当程度に小さい)の表面10aと導電層12の表面12aとが擦れることを回避できる。このような導電層付フィルムXは、ロール体において、第1最表面Xaと第2最表面Xbとが静電作用に起因して貼り付くのを抑制するのに適する。導電層付フィルムXのロール体において帯電防止層11と導電層12との擦れに因る電子移動を抑制する観点から、帯電防止層11の比誘電率は、好ましくは2.2以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは2.7以上である。
加えて、導電層付フィルムXは、上述のように、帯電防止層11と導電層12との間の動摩擦係数が1.5以下である。このような導電層付フィルムXは、ロール体において、帯電防止層11の表面11aと導電層12の表面12aとの摩擦を低減するのに適する。当該摩擦の低減は、導電層付フィルムXのロール体において、導電層12から帯電防止層11への電子移動の抑制に役立つので、第1最表面Xaと第2最表面Xbとが静電作用に起因して貼り付くのを抑制するのに役立つ。
以上のように、導電層付フィルムXは、導電層12における伝送損失を低減しつつ、フィルム間の貼り付きを抑制するのに適する。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〔実施例1〕
フッ素樹脂フィルム基材(品名「AF-0100B1」,パーフルオロアルコキシアルカン,厚さ100μm,ダイキン工業社製)の一方の面(第1面)に、硬化性組成物C1を塗布して塗膜を形成した。硬化性組成物C1は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(品名「アイカトロン Z844L」,アイカ社製)100質量部(樹脂分量)と、シリカ粒子(品名「CSZ9281」,平均一次粒子径30nm,CIKナノテック社製)10質量部と、溶媒としてのメチルイソブチルケトンとを含有する。次に、フッ素樹脂フィルム基材上の塗膜を乾燥させた後、紫外線照射によって当該塗膜を硬化させて、厚さ1μmの帯電防止層を形成した。以上のようにして、帯電防止層付きフッ素樹脂フィルム基材を作製した(第1樹脂層形成工程)。
スパッタリング法により、帯電防止層付きフッ素樹脂フィルム基材の第2面(第1面とは反対側の面)上に、厚さ200nmのCu層を導電層として形成した(導電層形成工程)。スパッタリング法では、ロールトゥロール方式のスパッタ成膜装置(巻取式のDCマグネトロンスパッタリング装置)を使用した。スパッタ成膜装置は、ワークフィルムとしての帯電防止層付きフッ素樹脂フィルム基材を長さ方向に走行させつつ成膜プロセスを実施できる成膜室を備える。スパッタ成膜の条件は、次のとおりである。
スパッタ成膜装置の成膜室内の到達真空度が0.9×10-4Paに至るまで成膜室内を真空排気した後、成膜室内にスパッタリングガスとしてのArを導入し、成膜室内の気圧を0.4Paとした。装置内でのワークフィルムの走行速度は3.0m/分とした。ワークフィルムの走行方向に作用する張力(走行張力)は200N/mとした。ターゲットとしては、Cuターゲットを用いた。ターゲットに対する電圧印加のための電源としては、DC電源を用いた。DC電源の出力78.3kWとした。ターゲット上の水平磁場強度は40mTとした。成膜温度(Cu層が形成されるワークフィルムの温度)は40℃とした。
以上のようにして、実施例1の長尺の導電層付フィルム(ロールの形態をとる)を作製した。実施例1の導電層付フィルムは、帯電防止層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、フッ素樹脂フィルム基材(厚さ100μm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。実施例1の導電層付フィルムでは、帯電防止層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第1最表面であり、Cu層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第2最表面である。
〔実施例2〕
次のこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、実施例2の導電層付フィルムを作製した。第1樹脂層形成工程と導電層形成工程との間で、帯電防止層付きフッ素樹脂フィルム基材の第2面上にハードコート層を形成し、導電層形成工程では、ハードコート層上に導電層を形成した。ハードコート層形成工程は、具体的には、次のとおりである。
帯電防止層付きフッ素樹脂フィルム基材の第2面(第1面とは反対側の面)に、硬化性組成物C2を塗布して塗膜を形成した。硬化性組成物C2は、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(品名「アイカトロン Z844L」,アイカ社製)100質量部(樹脂分量)と、シリカ粒子(品名「CSZ9281」,平均一次粒子径30nm,CIKナノテック社製)10質量部と、溶媒としてのメチルイソブチルケトンとを含有する。次に、フッ素樹脂フィルム基材上の塗膜を乾燥させた後、紫外線照射によって当該塗膜を硬化させて、厚さ1μmのハードコート層を形成した。
実施例2の導電層付フィルム(ロールの形態をとる)は、帯電防止層(厚さ1μm,シリカ粒子含有)と、フッ素樹脂フィルム基材(厚さ100μm)と、ハードコート層(厚さ1μm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。実施例2の導電層付フィルムでは、帯電防止層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第1最表面であり、Cu層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第2最表面である。
〔比較例1〕
第1樹脂層形成工程を実施しなかったこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、比較例1の導電層付フィルムを作製した。比較例1の導電層付フィルム(ロールの形態をとる)は、フッ素樹脂フィルム基材(厚さ100μm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。比較例1の導電層付フィルムでは、フッ素樹脂フィルム基材におけるCu層とは反対側の表面が第1最表面であり、Cu層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第2最表面である。
〔比較例2〕
第1樹脂層形成工程を実施しなかったこと以外は実施例2の導電層付フィルムと同様にして、比較例2の導電層付フィルムを作製した。比較例2の導電層付フィルム(ロールの形態をとる)は、フッ素樹脂フィルム基材(厚さ100μm)と、ハードコート層(厚さ1μm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。比較例2の導電層付フィルムでは、フッ素樹脂フィルム基材におけるハードコート層とは反対側の表面が第1最表面であり、Cu層におけるハードコート層とは反対側の表面が第2最表面である。
〔比較例3〕
次のこと以外は実施例1の導電層付フィルムと同様にして、比較例3の導電層付フィルムを作製した。第1樹脂層形成工程において、硬化性樹脂組成物C1の代わりに硬化性樹脂組成物C3を用いた。硬化性樹脂組成物C3は、シリカ粒子を含有しないこと以外は硬化性樹脂組成物C1と同じである。
比較例3の導電層付フィルムは、硬化樹脂層(厚さ1μm)と、フッ素樹脂フィルム基材(厚さ100μm)と、Cu層(厚さ200nm)とを、厚さ方向にこの順で備える。比較例3の導電層付フィルムでは、硬化樹脂層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第1最表面であり、Cu層におけるフッ素樹脂フィルム基材とは反対側の表面が第2最表面である。
〈比誘電率〉
上記のフッ素樹脂フィルム基材の比誘電率を測定した(第1の測定)。具体的には、まず、フッ素樹脂フィルム基材から、測定用の試料片(60mm×60mm)を切り出した。次に、フッ素樹脂フィルム基材を、主電極と対電極との間に配置した(両電極で挟んだ)。主電極および対電極としては、それぞれ、アルミニウム電極(品名「SE-70」,厚さ5mm,安藤電気社製)を用いた。そして、21℃および相対湿度55%の環境下において、測定装置(品名「precision LCR meter HP-4284A」,アジレント・テクノロジー社製)により、容量法に基づき所定周波数(1kHz,10kHz,100kHz)での試料片の比誘電率を測定した。試料片(フッ素樹脂フィルム基材)について測定された100kHzでの比誘電率は、2.1であった(表1における比較例1,2の欄に値を示す)。
一方、上記の帯電防止層の比誘電率を測定した(第2の測定)。具体的には、まず、対電極としてのCuフィルム(厚さ100μm)上に試料片としての帯電防止層を形成した。その形成方法は、フッ素樹脂フィルム基材の代わりにCuフィルムを用いたこと以外は、実施例1における第1樹脂層形成工程に関して上述したのと同様である。次に、対電極(Cuフィルム)上の帯電防止層の上に、主電極としてのアルミニウム電極(SE-70)を配置した。そして、第1の測定に関して上述したのと同様に、試料片の比誘電率を測定した。試料片(帯電防止層)について測定された100kHzでの比誘電率は、2.7であった(表1における実施例1,2の欄に値を示す)。
また、上記の硬化樹脂層の比誘電率を測定した(第3の測定)。具体的には、まず、対電極としてのCuフィルム(厚さ100μm)上に試料片としての硬化樹脂層を形成した。その形成方法は、フッ素樹脂フィルム基材の代わりにCuフィルムを用いたこと以外は、比較例3における第1樹脂層形成工程に関して上述したのと同様である。次に、対電極(Cuフィルム)上の帯電防止層の上に、主電極としてのアルミニウム電極(SE-70)を配置した。そして、第1の測定に関して上述したのと同様に、試料片の比誘電率を測定した。試料片(硬化樹脂層)について測定された100kHzでの比誘電率は、2.7であった(表1における比較例3の欄に値を示す)。
〈動摩擦係数〉
実施例1,2および比較例1~3の各導電層付フィルムにおける第1最表面と第2最表面との間の動摩擦係数を測定した。具体的には次のとおりである。
まず、導電層付フィルムから、第1試料フィルム(100mm×100mm)と第2試料フィルム(100mm×100mm)とを切り出した。次に、自動摩擦摩耗解析装置(型番「TSf-503」,協和界面科学製)の固定ステージに第1試料フィルムを設置した。具体的には、第1試料フィルムの第2最表面が露出するように、第1試料フィルムの第1最表面側を、両面テープを介して固定ステージに固定した。次に、同装置の可動ステージ(固定ステージに対向する)に第2試料フィルムを設置した。具体的には、第2試料フィルムの第1最表面が露出するように、第2試料フィルムの第2最表面側を、両面テープを介して可動ステージに固定した。そして、同装置により、第1試料フィルムの第2最表面と、第2試料フィルムの第1最表面とを面接触させつつ、第1・第2試料フィルムを面方向に相対移動させることにより、両表面間の動摩擦係数を測定した。本測定において、相対移動速度(固定ステージに対する可動ステージの移動速度)を1.7mm/秒とし、移動距離を30mmとし、両表面間に作用させる荷重を200gとした。その結果を表1に示す。
〈密着性〉
実施例1,2および比較例1~3の各導電層付フィルム(幅1000mm×長さ100m)のロール体におけるフィルム間の貼り付きの有無を調べた。具体的には、導電層付フィルムのロール体から導電層付フィルムを全長にわたって繰り出した。繰り出し作業において、実施例1,2の各導電層付フィルムのロール体では、貼り付きは生じておらず、ロール体から導電層付フィルムをフィルム自重によって繰り出すことができた。これに対し、比較例1~3の各導電層付フィルムのロール体では、貼り付きが生じており、ロール体から導電層付フィルムをフィルム自重で繰り出すことができなかった。比較例1~3の各導電層付フィルムのロール体からの繰り出しには、フィルムに対して手で張力をかける必要があった。以上のように、実施例1,2の各導電層付フィルムでは貼り付きは生じていなかったのに対し、比較例1~3の各導電層付フィルムでは貼り付きが生じていた。これらの結果を表1に示す。
Figure 2023181904000002
X 導電層付フィルム
Xa 第1最表面
Xb 第2最表面
H 厚さ方向
10 フィルム基材(フッ素樹脂フィルム基材)
11 帯電防止層
11a,12a 表面
12 導電層
13 硬化樹脂層

Claims (7)

  1. 帯電防止層と、フッ素樹脂フィルム基材と、導電層とを厚さ方向にこの順で備える導電層付フィルムであって、
    前記帯電防止層が、前記フッ素樹脂フィルム基材よりも、大きな比誘電率を有し、
    前記帯電防止層と前記導電層との間の動摩擦係数が1.5以下である、導電層付フィルム。
  2. 前記帯電防止層の比誘電率が2.2以上である、請求項1に記載の導電層付フィルム。
  3. 前記導電層が金属層である、請求項1に記載の導電層付フィルム。
  4. 前記金属層が、銅、銀、アルミニウムおよびニッケルからなる群より選択される少なくとも一つを主金属として含む、請求項3に記載の導電層付フィルム。
  5. 前記帯電防止層が紫外線硬化型樹脂の硬化物層である、請求項1に記載の導電層付フィルム。
  6. 前記フッ素樹脂フィルム基材と前記導電層との間に更に硬化樹脂層を備える、請求項1に記載の導電層付フィルム。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の導電層付フィルムを備える、フィルムアンテナ用積層フィルム。
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