JP2023171555A - 基板処理の条件設定支援方法、基板処理システム、記憶媒体及び学習モデル - Google Patents

基板処理の条件設定支援方法、基板処理システム、記憶媒体及び学習モデル Download PDF

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裕一朗 桾本
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Keishi Hamada
隆史 羽山
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Abstract

【課題】基板処理の処理条件を設定する作業の簡素化に有効な条件設定支援方法を提供する。【解決手段】基板処理の条件設定支援方法は、基板への処理液の供給を含んで基板処理装置により実行された基板処理の処理条件と、当該基板処理の品質に関する実績データとを含むデータセットを機械学習装置に入力することと、複数組のデータセットに基づく機械学習により機械学習装置が生成したモデルであって、処理条件の入力に応じて基板処理の品質に関する予測データを出力する学習モデルに基づいて、基板処理の推奨処理条件を導出することとを含む。【選択図】図8

Description

本開示は、基板処理の条件設定支援方法、基板処理システム、記憶媒体及び学習モデルに関する。
特許文献1には、基板の表面に感光性被膜を形成し、当該感光性被膜の露光処理後に当該感光性被膜の現像処理を行う装置が開示されている。
特開2017-73522号公報
本開示は、基板処理の処理条件を設定する作業の簡素化に有効な条件設定支援方法を提供する。
本開示の一側面に係る基板処理の条件設定支援方法は、基板への処理液の供給を含んで基板処理装置により実行された基板処理の処理条件と、当該基板処理の品質に関する実績データとを含むデータセットを機械学習装置に入力することと、複数組の前記データセットに基づく機械学習により機械学習装置が生成したモデルであって、処理条件の入力に応じて基板処理の品質に関する予測データを出力する学習モデルに基づいて、基板処理の推奨処理条件を導出することとを含む。
本開示によれば、基板処理の処理条件を設定する作業の簡素化に有効な条件設定支援方法を提供することができる。
一つの例示的実施形態に係る基板処理システムの構成を示す模式図である。 塗布ユニットの概略構成を例示する模式図である。 現像ユニットの概略構成を例示する模式図である。 処理後検査装置の概略構成を例示する模式図である。 処理中検査装置の概略構成を例示する模式図である。 制御装置及び機械学習装置の機能的な構成を例示するブロック図である。 制御装置及び機械学習装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。 制御装置が実行する条件設定支援手順を例示するフローチャートである。 制御装置が更に実行する条件設定支援手順を例示するフローチャートである。 機械学習装置が実行する条件設定支援手順を例示するフローチャートである。 機械学習装置が更に実行する条件設定支援手順を例示するフローチャートである。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔基板処理システム〕
基板処理システム1は、基板の表面に感光性被膜を形成し、露光処理後の当該感光性被膜に現像処理を施すシステムである。処理対象の基板は、例えば半導体のウェハWである。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
図1に例示するように、基板処理システム1は、塗布・現像装置2と、制御装置100とを備える。塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6とを備える。
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのウェハW(基板)の導入及び塗布・現像装置2内からのウェハWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ウェハW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームA1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のウェハWを収容する。受け渡しアームA1は、未処理のウェハWをキャリアCから取り出し、処理後のウェハWをキャリアCに戻す。
処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。処理モジュール11,12,13(処理部)は、ウェハWの表面Waに成膜液(成膜用の処理液)を塗布して被膜を形成する成膜処理を行う。例えば処理モジュール11,12,13は、塗布ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。
処理モジュール11は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウェハWの表面上に下層膜を形成する。処理モジュール11の塗布ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をウェハW上に塗布する。処理モジュール11の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール12は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。処理モジュール12の塗布ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液を下層膜の上に塗布する。処理モジュール12の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール13は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール13の塗布ユニットU1は、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール13の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
図2に例示するように、塗布ユニットU1は、回転保持部50と、成膜液供給部60とを有する。回転保持部50は、ウェハWを保持して回転させる。例えば回転保持部50は、保持部51と、回転駆動部52とを有する。保持部51は、水平に配置されたウェハWを支持し、例えば真空吸着等により保持する。回転駆動部52は、例えば電動モータ等を動力源として、鉛直な軸線まわりに保持部51を回転させる。これにより、保持部51に保持されたウェハWも回転する。
成膜液供給部60は、保持部51に保持されたウェハWの表面Waに成膜液を供給する。例えば成膜液供給部60は、ノズル61と、液源62とを有する。ノズル61は、保持部51に保持されたウェハWの上方に配置され、下方に処理液を吐出する。液源62は、ノズル61に処理液を圧送する。
図1に戻り、処理モジュール14(処理部)は、ウェハWの表面Waにおいて露光処理が施されたレジスト膜(感光性被膜)に現像用の処理液を供給する現像処理を行う。例えば処理モジュール14は、現像ユニットU3と、熱処理ユニットU4と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。処理モジュール14は、現像ユニットU3及び熱処理ユニットU4により、露光後のレジスト膜の現像処理を行う。現像ユニットU3は、露光済みのウェハWの表面上に現像液(現像用の処理液)を塗布した後、これをリンス液(リンス用の処理液)により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU4は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
図3に例示するように、現像ユニットU3は、回転保持部20と、現像液供給部30と、リンス液供給部40とを有する。回転保持部20は、ウェハWを保持して回転させる。例えば回転保持部20は、保持部21と、回転駆動部22とを有する。保持部21は、水平に配置されたウェハWを支持し、例えば真空吸着等により保持する。回転駆動部22は、例えば電動モータ等を動力源として、鉛直な軸線まわりに保持部21を回転させる。これにより、保持部21に保持されたウェハWも回転する。
現像液供給部30は、保持部21に保持されたウェハWの表面Waに現像液を供給する。例えば現像液供給部30は、ノズル31と、ノズル移送部32と、液源33とを有する。ノズル31は、保持部21に保持されたウェハWの上方に配置され、下方に現像液を吐出する。ノズル移送部32は、電動モータ等を動力源としてノズル31を水平方向に移動させる。液源33は、ノズル31に現像液を圧送する。
リンス液供給部40は、保持部21に保持されたウェハWの表面Waにリンス液を供給する。例えばリンス液供給部40は、ノズル41と、ノズル移送部42と、液源43とを有する。ノズル41は、保持部21に保持されたウェハWの上方に配置され、下方にリンス液を吐出する。ノズル移送部42は、電動モータ等を動力源としてノズル41を水平方向に移動させる。液源43は、ノズル41にリンス液を圧送する。
図1に戻り、インタフェースブロック6は、ウェハW上に形成されたレジスト膜の露光処理を行う露光装置(不図示)との間でウェハWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置に接続される。受け渡しアームA8は、露光処理前のウェハWを露光装置に渡し、露光処理後のウェハWを露光装置から受け取る。
処理ブロック5とキャリアブロック4との間には収容部U10が設けられている。収容部U10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されており、各セルにウェハWを収容可能である。収容部U10は、キャリアブロック4と処理ブロック5との間におけるウェハWの受け渡し等に用いられる。収容部U10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、収容部U10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。処理ブロック5とインタフェースブロック6との間には収容部U11が設けられている。収容部U11も、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されており、各セルにウェハWを収容可能である。収容部U11は、処理ブロック5とインタフェースブロック6との間におけるウェハWの受け渡し等に用いられる。
制御装置100は、例えば以下の手順で塗布・現像処理を実行するように塗布・現像装置2を制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のウェハWを収容部U10に搬送するように受け渡しアームA1を制御し、このウェハWを処理モジュール11用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次に制御装置100は、収容部U10のウェハWを処理モジュール11内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御する。また、制御装置100は、このウェハWの表面上に下層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、下層膜が形成されたウェハWを収容部U10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール12用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次に制御装置100は、収容部U10のウェハWを処理モジュール12内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御する。また、制御装置100は、このウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ウェハWを収容部U10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWを処理モジュール13用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
次に制御装置100は、収容部U10のウェハWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御する。また、制御装置100は、このウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ウェハWを収容部U11に搬送するように搬送アームA3を制御する。
次に制御装置100は、収容部U11のウェハWを露光装置3に送り出すように受け渡しアームA8を制御する。その後制御装置100は、露光処理が施されたウェハWを露光装置3から受け入れて、収容部U11における処理モジュール14用のセルに配置するように受け渡しアームA8を制御する。
次に制御装置100は、収容部U11のウェハWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このウェハWのレジスト膜に現像処理を施すように現像ユニットU3及び熱処理ユニットU4を制御する。その後制御装置100は、ウェハWを収容部U10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWをキャリアC内に戻すように昇降アームA7及び受け渡しアームA1を制御する。以上で塗布・現像処理が完了する。
なお、基板処理システムの具体的な構成は、以上に例示したものに限られない。基板処理システムは、基板への処理液の供給を含む基板処理を行う処理部と、これを制御可能な制御装置100とを備えていればどのようなものであってもよい。
〔条件設定支援システム〕
基板処理システム1は、条件設定システム7を更に備える。条件設定システム7は、品質検査装置70を有する。また、条件設定システム7の少なくとも一部は上記制御装置100によって構成される。すなわち条件設定システム7は、品質検査装置70と制御装置100とを有する。品質検査装置70は、塗布・現像装置2が行う基板処理の品質に関する情報を検出する。
制御装置100は、予め設定された処理条件に従って、ウェハWへの処理液の供給を含む基板処理を塗布・現像装置2(基板処理装置)に実行させることと、処理条件に従った基板処理の品質に関する実績データを品質検査装置70から取得することと、基板処理の処理条件と、当該基板処理の実績データとを含むデータセットを機械学習装置200に入力することと、処理条件の入力に応じて基板処理の品質に関する予測データを出力するように、複数組のデータセットに基づく機械学習により機械学習装置200が生成した学習モデルに基づいて、基板処理の推奨処理条件を導出することとを実行するように構成されている。予測データは、例えば上記実績データを予測するデータである。実績データは、基板処理の品質に関係する限りいかなるデータであってもよい。基板処理後の基板の品質のデータは、基板処理の品質に関係する。また、基板処理の途中における処理液の供給状態も、基板処理の品質に関係する。
条件設定システム7は、機械学習装置200を更に備えてもよい。機械学習装置200は、上記データセットを取得することと、複数組のデータセットに基づく機械学習により、上記学習モデルを生成することと実行するように構成されている。機械学習装置200は、制御装置100と同じ筐体に収容されていてもよいし、制御装置100から離れた位置に設置されていてもよい。制御装置100から離れた位置に設置される場合、機械学習装置200は例えばローカルエリアネットワークを介して制御装置100に接続される。機械学習装置200は、所謂インターネット等のワイドエリアネットワークを介して制御装置100に接続されていてもよい。以下、各部の構成を詳細に説明する。
(品質データ検出装置)
品質検査装置70は、例えば図4に示す処理後検査部80を有する。処理後検査部80は、基板処理後の基板の品質に関する情報を検出する。一例として、処理後検査部80は、現像処理後のウェハWの表面に形成されたレジストパターンの線幅に関する情報を検出する。例えば処理後検査部80は、レジストパターンの線幅の違いを色相、明度及び彩度の少なくともいずれかの違いとして認識可能な画像情報を検出する。
具体的に、処理後検査部80は、保持部83と、リニア駆動部84と、撮像部81と、投光・反射部82とを含む。保持部83は、ウェハWを水平に保持する。リニア駆動部84は、例えば電動モータなどを動力源とし、水平な直線状の経路に沿って保持部83を移動させる。撮像部81は、ウェハW表面の画像データを取得する。撮像部81は、保持部83の移動方向において処理後検査部80内の一端側に設けられており、当該移動方向の他端側に向けられている。
投光・反射部82は、撮像範囲に投光し、当該撮像範囲からの反射光を撮像部81側に導く。例えば投光・反射部82は、ハーフミラー86及び光源87を有する。ハーフミラー86は、保持部83よりも高い位置において、保持部83の移動範囲の中間部に設けられており、下方からの光を撮像部81側に反射する。光源87は、ハーフミラー86の上に設けられており、ハーフミラー86を通して下方に照明光を照射する。
処理後検査部80は、次のように動作してウェハWの表面の画像データを取得する。まず、リニア駆動部84が保持部83を移動させる。これにより、ウェハWがハーフミラー86の下を通過する。この通過過程において、ウェハW表面の各部からの反射光が撮像部81に順次送られる。撮像部81は、ウェハW表面の各部からの反射光を結像させ、ウェハW表面の画像データを取得する。これにより、レジストパターンの画像情報が検出される。
処理後検査部80は、成膜処理後のウェハWの表面に形成された被膜の膜厚に関する情報を検出してもよい。例えば処理後検査部80は、被膜の膜厚の違いを色相、明度及び彩度の少なくともいずれかの違いとして認識可能な画像情報を検出する。当該画像情報も、図4に例示する構成にて検出可能である。
品質検査装置70は、図5に示す処理中検査部90を更に有してもよい。処理中検査部90は、基板処理中の処理液の供給状態に関する情報を検出する。一例として、処理中検査部90は、現像処理中の現像液の供給状態に関する情報を検出する。例えば処理中検査部90は、液はね検出部91と、液盛り検出部92と、液だれ検出部93とを含む。
液はね検出部91は、現像液の供給中における液はねの発生状態に関する情報を検出する。例えば液はね検出部91は、照射部94と撮像部95とを含む。照射部94は、例えばノズル31等に固定されており、ウェハWの上方において水平方向にレーザ光を照射する。照射部94の設置高さは、表面Waからはね上がった液滴が到達可能な高さに設定されている。撮像部95は、照射部94からのレーザ光の照射範囲の画像データを取得する。液はねが生じると、はねた液滴によってレーザ光の散乱等が生じ、撮像部95が取得する画像データに変化が生じる。このため、撮像部95が取得する画像データは、液滴の発生状態に関する情報を含む。
液盛り検出部92は、表面Wa上における現像液の液膜の形成状態に関する情報を検出する。例えば液盛り検出部92は、撮像部96を含む。撮像部96は、保持部21に保持されたウェハWの表面Waの画像データを取得する。撮像部96が取得する画像データは、液膜の形成状態に関する情報を含む。
液だれ検出部93は、ノズル31からの現像液の液だれ発生状態に関する情報を検出する。液だれとは、予め設定された現像液の供給期間外においてノズル31から現像液が落下する現象を意味する。例えば液だれ検出部93は、撮像部97を含む。撮像部97は、ノズル31及びその下方の画像データを取得する。撮像部97が取得する画像データは、液だれの発生状態に関する情報を含む。
処理中検査部90は、成膜処理中の成膜液の供給状態に関する情報を検出してもよい。この場合も、上述した液はね検出部91、液盛り検出部92及び液だれ検出部93等と同様の構成によって、塗布ユニットU1における成膜液の供給状態に関する情報を検出することが可能である。
(制御装置及び機械学習装置)
図6に示すように、制御装置100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、処理条件保持部111と、処理制御部112と、データ取得部113と、データ入力部114と、推奨条件導出部115とを有する。
処理条件保持部111は、予め設定された処理条件を記憶する。例えば処理条件保持部111は、処理モジュール14による現像処理条件を記憶する。現像処理条件は、熱処理ユニットU4による熱処理条件と、現像ユニットU3による液処理条件とを含む。現像ユニットU3による液処理条件は、現像液の供給、リンス液の供給及び乾燥(回転による振り切り乾燥)等のシーケンスを含む。また、上記現像ユニットU3による液処理条件は、各シーケンスにおけるウェハWの回転速度、現像液の供給量、現像液の供給時間、リンス液の供給量、リンス液の吐出時間、及び振り切り乾燥時間等を含む。ノズル移送部32によりノズル31を移動させながら現像液を供給する場合、現像ユニットU3による液処理条件は、現像液の供給中におけるノズル31の移動開始位置、移動速度、移動終了位置等を更に含んでいてもよい。
処理条件保持部111は、処理モジュール11,12,13による成膜処理条件を記憶していてもよい。成膜処理条件は、塗布ユニットU1による液処理条件と、熱処理ユニットU2による熱処理条件とを含む。塗布ユニットU1による液処理条件は、成膜液の供給等のシーケンスを含む。また、塗布ユニットU1による液処理条件は、各シーケンスにおけるウェハWの回転速度、成膜液の供給量、成膜液の供給時間等を含む。
処理制御部112は、処理条件保持部111が記憶する処理条件に従って処理部に基板処理を実行させる。例えば処理制御部112は、処理条件保持部111が記憶する現像処理条件に従って処理モジュール14に現像処理を実行させる。一例として、処理制御部112は、予め設定された熱処理条件に従って露光処理後のウェハWに熱処理(例えば上記PEB)を施すように熱処理ユニットU4を制御する。その後処理制御部112は、予め設定された液処理条件に従ってウェハWに現像処理を施すように現像ユニットU3を制御する。その後処理制御部112は、予め設定された熱処理条件に従ってウェハWに熱処理(例えば上記PB)を施すように熱処理ユニットU4を制御する。
処理制御部112は、処理条件保持部111が記憶する成膜処理条件に従って処理モジュール11,12,13に成膜処理を実行させてもよい。一例として、処理制御部112は、予め設定された液処理条件に従ってウェハWの表面Waに成膜液を塗布するように塗布ユニットU1を制御する。その後処理制御部112は、予め設定された熱処理条件に従ってウェハWに熱処理を施すように熱処理ユニットU2を制御する。
データ取得部113は、処理条件に従った基板処理の品質に関する実績データを取得する。データ取得部113は、複数項目の実績値を含む実績データを取得してもよい。複数項目の実績値は、基板処理の後におけるウェハWの品質を示す処理後項目と、基板処理の途中における処理液の供給状態を示す処理中項目との実績値を含んでいてもよい。複数項目の実績値は、複数の同種の実績値を含む実績データを取得してもよい。複数の同種の実績値とは、理想的には同じ値となるべき複数の実績値を意味する。複数の同種の実績値の具体例としては、複数個所において取得された複数の実績値が挙げられる。
例えばデータ取得部113は、処理後項目の一例として、現像処理によりウェハWの表面Waに形成されたレジストパターンの線幅の実績値(以下、「線幅実績値」という。)を示す実績値を取得する。具体的に、データ取得部113は、処理後検査部80により検出された情報に基づいて線幅実績値を取得する。データ取得部113は、処理後検査部80により検出された情報に基づいて、表面Wa上の複数個所における線幅実績値を取得してもよい。
データ取得部113は、処理中項目の一例として、現像処理中の現像液の供給状態を示す実績値を取得する。具体的に、データ取得部113は、処理中検査部90により検出された情報に基づいて、現像液の液はね、液膜の形成不良及び液だれの有無の実績値を取得する。
データ取得部113は、処理後項目の一例として、成膜処理によりウェハWの表面Waに形成された被膜の膜厚の実績値(以下、「膜厚実績値」という。)を示す実績値を取得してもよい。具体的に、データ取得部113は、処理後検査部80により検出された情報に基づいて膜厚実績値を取得してもよい。データ取得部113は、処理後検査部80により検出された情報に基づいて、表面Wa上の複数個所における膜厚実績値を取得してもよい。
データ取得部113は、処理中項目の一例として、成膜処理中の成膜液の供給状態を示す実績値を取得してもよい。具体的に、データ取得部113は、処理中検査部90により検出された情報に基づいて、成膜液の液はね、液膜の形成不良及び液だれの有無の実績値を取得してもよい。
データ入力部114は、処理条件と、当該処理条件に対応する実績データとを含むデータセットを機械学習装置200のモデル生成部214(後述)に入力する。データ入力部114は、上記処理中項目の実績値に基づいて、モデル生成部214に入力するデータセットを選択してもよい。例えばデータ入力部114は、処理液の供給状態が不良であるデータセットを、モデル生成部214への入力対象から除外してもよい。処理液の供給状態が不良であることの具体例としては、上記液はね、液膜の形成不良及び液だれの少なくともいずれかが生じることが挙げられる。
推奨条件導出部115は、複数組のデータセットに基づく機械学習によりモデル生成部214が生成した学習モデルに基づいて、基板処理の推奨処理条件を導出する。後述するように、学習モデルは、処理条件の入力に応じて基板処理の品質に関する予測データを出力するように生成される。推奨処理条件は、学習モデルと、予測データの所定の評価条件とに基づいて、採用を推奨すべきと判断される処理条件である。
例えば推奨条件導出部115は、より細分化された機能モジュールとして、評価条件入力部121と探索結果取得部122とを含む。評価条件入力部121は、予測データの評価条件を機械学習装置200の条件探索部216(後述)に入力する。評価条件は、予測データが許容レベルであるか否かを判定する条件である。
評価条件入力部121は、複数項目の予測値を評価する評価条件を条件探索部216に入力してもよい。評価条件入力部121は、複数項目の少なくとも一部における予測値のばらつきに関する条件を含む評価条件を条件探索部216に入力してもよい。例えば評価条件は、予測データの評価スコアの導出手法と、評価スコアの許容レベルとを含む。
一例として、評価条件入力部121は、表面Wa上の複数箇所における上記線幅の予測値(以下、「線幅予測値」という。)を評価する評価条件を条件探索部216に入力する。当該評価条件は、上記評価スコアの導出手法の一例として、複数箇所の少なくとも一部(例えば全箇所)における線幅予測値のばらつきの算出式(例えば標準偏差の算出式)を含む。当該評価条件は、上記評価スコアの許容レベルとして、上記算出式により算出されるばらつきの許容上限値を含む。
評価条件入力部121は、表面Wa上の複数箇所における上記膜厚の予測値を評価する評価条件を条件探索部216に入力してもよい。当該評価条件は、上記評価スコアの導出手法の一例として、複数箇所の少なくとも一部(例えば全箇所)における膜厚予測値のばらつきの算出式(例えば標準偏差の算出式)を含む。当該評価条件は、上記評価スコアの許容レベルとして、上記算出式により算出されるばらつきの許容上限値を含む。
探索結果取得部122は、条件探索部216が導出した推奨処理条件を取得して処理条件保持部111に保存する。後述するように、推奨処理条件は、複数組のデータセットと、学習モデルと、評価条件入力部121が入力した評価条件とに基づいて導出される。
ここで、処理制御部112は、推奨処理条件に従って処理部に基板処理を更に実行させてもよい。データ取得部113は、推奨処理条件に従った基板処理の品質に関する追加実績データを更に取得してもよい。データ入力部114は、推奨処理条件と追加実績データとを含む追加データセットをモデル生成部214に更に入力してもよい。推奨条件導出部115は、追加データセットに基づいてモデル生成部214が更新した学習モデルに基づいて推奨処理条件を更新してもよい。学習モデルを更新するとは、追加データセットを加えた複数組のデータセットに基づいて新たな学習モデルを生成することを意味する。推奨処理条件を更新するとは、モデル生成部214が更新した学習モデルに基づいて新たな推奨処理条件を導出することを意味する。
この場合に、制御装置100は、条件評価部116と、反復管理部117とを更に備えてもよい。条件評価部116は、推奨処理条件の採用可否を評価する。反復管理部117は、条件評価部116による評価結果が採用可となるまで、少なくとも以下を反復させる。
i) 処理制御部112が推奨処理条件に従って処理部に基板処理を更に実行させる。
ii) データ取得部113が追加実績データを更に取得する。
iii) データ入力部114が追加データセットをモデル生成部214に更に入力する。
iv) 追加データセットに基づいてモデル生成部214が更新した学習モデルに基づいて推奨条件導出部115が推奨処理条件を更新する。
条件評価部116による推奨処理条件の評価方法に特に制約はない。例えば条件評価部116は、所定の評価条件に基づく上記追加実績データの評価結果に基づいて推奨処理条件の採用可否を評価する。当該評価条件は、上述した予測データの評価条件と同じであってもよい。例えば評価条件は、追加実績データの評価スコアの導出手法と、評価スコアの許容レベルとを含む。
一例として、条件評価部116は、表面Wa上の複数箇所における上記線幅実績値を所定の評価条件に基づいて評価する。当該評価条件は、上記評価スコアの導出手法の一例として、複数箇所の少なくとも一部(例えば全箇所)における線幅実績値のばらつきの算出式(例えば標準偏差の算出式)を含む。当該評価条件は、上記評価スコアの許容レベルとして、上記算出式により算出されるばらつきの許容上限値を含む。
評価条件入力部121は、表面Wa上の複数箇所における上記膜厚実績値を所定の評価条件に基づいて評価してもよい。当該評価条件は、上記評価スコアの導出手法の一例として、複数箇所の少なくとも一部(例えば全箇所)における膜厚実績値のばらつきの算出式(例えば標準偏差の算出式)を含む。当該評価条件は、上記評価スコアの許容レベルとして、上記算出式により算出されるばらつきの許容上限値を含む。
条件評価部116は、最新の推奨処理条件と過去の推奨処理条件(例えば前回の推奨処理条件)との差が許容レベルであるか否かに基づいて最新の推奨処理条件の採用可否を評価してもよい。反復管理部117による反復処理によって、推奨処理条件は徐々に一条件に収束することが想定される。最新の推奨処理条件と過去の推奨処理条件との差を許容レベルまで縮小させることによって、収束結果に近い推奨処理条件を採用することが可能となる。
条件評価部116は、最新の追加実績データと過去の追加実績データとの差が許容レベルであるか否かに基づいて最新の推奨処理条件の採用可否を評価してもよい。条件評価部116は、最新の追加実績データの評価スコアと過去の追加実績データの評価スコアとの差が許容レベルであるか否かに基づいて最新の推奨処理条件の採用可否を評価してもよい。
制御装置100は、実績データ補正部118を更に有してもよい。実績データ補正部118は、データ入力部114がデータセットをモデル生成部214に入力する前に、当該データセットの実績データから、塗布・現像装置2の処理部による基板処理とは別の要因に起因する成分を除外する。例えば実績データ補正部118は、上記複数個所の線幅実績値から、露光処理に起因するばらつき成分を除外する。具体的に、実績データ補正部118は、予め調査された露光処理に特有のばらつきパターンを複数個所の線幅実績値から除外する。
機械学習装置200は、機能モジュールとして、探索演算部211と、データ取得部212と、データ保持部213と、モデル生成部214と、モデル保持部215と、条件探索部216とを有する。探索演算部211は、機械学習装置200における機械学習のエンジンである。例えば探索演算部211は、予め設定された学習条件に基づく遺伝的アルゴリズムによって解の探索を行う。当該学習条件は、第一世代の個体と、個体の評価スコアの導出手法と、評価スコアの許容レベルとを含む。
探索演算部211は、第一世代の複数の個体を取得し、各個体の評価スコアを算出する。その後、探索演算部211は、評価スコアが許容レベルから遠い個体を淘汰させつつ、複数の個体を交叉、逆位、及び突然変異等の演算により次世代の複数の個体に進化させる。以後、探索演算部211は、個体の評価スコアの導出、個体の淘汰、及び個体の進化を繰り返すことで、評価スコアが許容レベルである個体を導出する。
データ取得部212は、上記データセット及び追加データセットをデータ入力部114から取得する。データ保持部213は、データ取得部212が取得したデータセットを学習用のデータベースとして蓄積する。
モデル生成部214は、データ保持部213が蓄積した複数組のデータセットに基づく機械学習により上記学習モデルを生成する。モデル生成部214は、遺伝的プログラムにより上記学習モデルを探索する演算プロセスを含む機械学習により学習モデルを生成してもよい。例えばモデル生成部214は、処理条件の入力に応じて複数項目の予測値をそれぞれ出力する複数のモデル式を含む学習モデルを生成する。各モデル式の生成において、モデル生成部214は、モデル式の導出用の上記学習条件を設定し、当該学習条件に従ったモデル式の導出を探索演算部211に要求する。
例えばモデル生成部214は、処理条件の入力に応じて予測値を生成する複数の仮モデル式を生成し、これらを上記第一世代の複数の個体とする。仮モデル式は、各種演算子とランダムな数値を要素として数式を木構造で表したものである。モデル生成部214は、仮モデル式に基づく予測値と実績値との乖離を示す乖離スコアを上記学習条件における評価スコアとし、その導出手法を定める。例えばモデル生成部214は、少なくとも以下の手順を含む導出手法を定める。
a1)複数組のデータセットの処理条件を仮モデル式に入力して複数の予測値を導出すること。
a2)複数の予測値と複数組のデータセットの実績値との乖離を示す乖離スコアを導出すること。
乖離スコアは、複数の予測値と複数組のデータセットの実績値との乖離を示す限りどのような値であってもよい。乖離スコアの具体例としては、予測値と実績値との差の二乗和、又は当該二乗和の平方根等が挙げられる。モデル生成部214は、乖離スコアについて予め設定された上限値を上記学習条件における評価スコアの許容レベルとする。
探索演算部211は、仮モデル式の乖離スコアの導出、仮モデル式の淘汰、及び仮モデル式の進化を繰り返すことで、乖離スコアが上限値以下となるモデル式を導出する。モデル生成部214は、探索演算部211により導出されたモデル式を取得してモデル保持部215に保存する。以上の手順にて、モデル生成部214が各モデル式をモデル保持部215に保存することで、複数のモデル式を含む学習モデルがモデル保持部215に生成される。
条件探索部216は、データ保持部213が記憶する複数組のデータセットと、モデル保持部215が記憶する学習モデルと、評価条件入力部121が入力した評価条件とに基づいて推奨処理条件を導出する。条件探索部216は、遺伝的アルゴリズムにより推奨処理条件を探索する演算プロセスを含む探索処理により推奨処理条件を導出してもよい。例えば条件探索部216は、推奨処理条件の導出用の上記学習条件を設定し、当該学習条件に従った推奨処理条件の導出を探索演算部211に要求する。
例えば条件探索部216は、データ保持部213が記憶する複数組のデータセットの処理条件を第一世代の複数の個体とする。各処理条件は、複数項目の条件を木構造で表したものである。
条件探索部216は、少なくとも以下の手順を含むように上記学習条件における評価スコアの導出手法を定める。
b1)複数組のデータセットの処理条件をモデル保持部215が記憶する学習モデルに入力して予測データを導出すること。
b2)評価条件入力部121が入力した評価条件における導出手法に従って予測データの評価スコアを導出すること。
条件探索部216は、評価条件入力部121が入力した評価条件における許容レベルを上記学習条件における評価スコアの許容レベルとする。
探索演算部211は、処理条件の評価スコアの導出、処理条件の淘汰、及び処理条件の進化を繰り返すことで、評価スコアが許容レベルである推奨処理条件を導出する。条件探索部216は、探索演算部211により導出された推奨処理条件を取得して探索結果取得部122に出力する。
図7は、制御装置100及び機械学習装置200のハードウェア構成を例示するブロック図である。制御装置100は、回路190を含む。回路190は、少なくとも一つのプロセッサ191と、メモリ192と、ストレージ193と、表示デバイス194と、入力デバイス195と、入出力ポート196と、通信ポート197とを含む。ストレージ193は、コンピュータによって読み取り可能な不揮発型の記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)である。例えばストレージ193は、予め設定された処理条件に従って塗布・現像装置2に基板処理を実行させることと、処理条件に従った基板処理の品質に関する実績データを品質検査装置70から取得することと、基板処理の処理条件と、当該基板処理の実績データとを含むデータセットを機械学習装置200に入力することと、複数組のデータセットに基づいて機械学習装置200が生成した上記学習モデルに基づいて、基板処理の推奨処理条件を導出することとを制御装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。例えば、ストレージ193は、上記機能モジュールを構成するためのプログラムを記憶する記憶領域と、処理条件保持部111に割り当てられる記憶領域とを含む。
表示デバイス194は、推奨処理条件の表示等に用いられる。表示デバイス194及び入力デバイス195は、制御装置100のユーザインタフェースとして機能する。表示デバイス194は、例えば液晶モニタ等を含み、ユーザに対する情報表示に用いられる。入力デバイス195は、例えばキーボード等であり、ユーザによる入力情報を取得する。表示デバイス194及び入力デバイス195は、所謂タッチパネルとして一体化されていてもよい。入力デバイス195は、処理条件及び評価条件の入力等に用いられる。
メモリ192は、ストレージ193からロードしたプログラム及びプロセッサ191による演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ191は、メモリ192と協働して上記プログラムを実行することで、塗布・現像装置2の制御を実行する。入出力ポート196は、プロセッサ191からの指令に応じて表示デバイス194及び入力デバイス195との間で電気信号の入出力を行う。通信ポート197は、プロセッサ191からの指令に応じ、機械学習装置200との間でネットワーク通信を行う。
機械学習装置200は、回路290を含む。回路290は、プロセッサ291と、メモリ292と、ストレージ293と、通信ポート294とを含む。ストレージ293は、コンピュータによって読み取り可能な不揮発型の記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)である。例えばストレージ293は、上記データセットを取得することと、複数組のデータセットに基づく機械学習により、上記学習モデルを生成することとを機械学習装置200に実行させるためのプログラムを記憶している。例えばストレージ293は、上記機能モジュールを構成するためのプログラムを記憶するための記憶領域と、データ保持部213及びモデル保持部215に割り当てられる記憶領域とを含む。
メモリ292は、ストレージ293からロードしたプログラム及びプロセッサ291による演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ291は、メモリ292と協働して上記プログラムを実行することで、上記学習モデルの生成を実行する。通信ポート294は、プロセッサ291からの指令に応じ、制御装置100との間でネットワーク通信を行う。
〔条件設定支援手順〕
続いて、条件設定支援方法の一例として、制御装置100及び機械学習装置200がそれぞれ実行する条件設定支援手順を説明する。制御装置100が実行する条件設定支援手順は、推奨処理条件の導出手順と、推奨処理条件のブラッシュアップ手順とを含む。機械学習装置200が実行する条件設定支援手順は、学習モデルの生成手順と、推奨処理条件の探索手順とを含む。以下、各手順を具体的に例示する。
(推奨処理条件の導出手順)
制御装置100による推奨処理条件の導出手順は、予め設定された処理条件に従って、ウェハWへの処理液の供給を含む基板処理を塗布・現像装置2に実行させることと、処理条件に従った基板処理の品質に関する実績データを取得することと、基板処理の処理条件と、当該基板処理の実績データとを含むデータセットを機械学習装置200に入力することと、複数組のデータセットに基づいて機械学習装置200が生成した上記学習モデルに基づいて推奨処理条件を導出することとを含む。推奨処理条件を導出することは、予測データの評価条件を機械学習装置200に入力することと、複数組のデータセットと、学習モデルと、評価条件とに基づいて機械学習装置200が導出した推奨処理条件を取得することとを含んでもよい。
図8に例示するように、制御装置100は、まずステップS01,S02,S03を実行する。ステップS01では、処理制御部112が、処理条件保持部111が記憶する処理条件に従った基板処理を塗布・現像装置2に開始させる。ステップS02では、データ取得部113が、上記処理中項目の実績値を取得する。データ取得部113は、複数の処理中項目の実績値を取得してもよい。例えばデータ取得部113は、処理中検査部90により検出された情報に基づいて、現像液の液はね、液膜の形成不良及び液だれの有無の実績値を取得する。データ取得部113は、処理中検査部90により検出された情報に基づいて、成膜液の液はね、液膜の形成不良及び液だれの有無の実績値を取得してもよい。ステップS03では、処理制御部112が、処理条件に従った基板処理が完了したか否かを確認する。
ステップS03において基板処理が完了していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS02に戻す。以後、基板処理が完了するまで処理中項目の実績値の取得が継続される。ステップS03において基板処理が完了していると判定した場合、制御装置100はステップS04を実行する。ステップS04では、データ入力部114が、処理中項目の実績値に基づいて、処理液の供給状態に不良が生じなかったかを確認する。
ステップS04において処理液の供給状態に不良が生じなかったと判定した場合、制御装置100はステップS05,S06,S07を実行する。ステップS05では、データ取得部113が、上記処理後項目の実績値を取得する。データ取得部113は、複数の処理後項目の実績値を取得してもよい。例えばデータ取得部113は、処理後検査部80により検出された情報に基づいて、表面Wa上の複数個所における上記線幅実績値を取得する。データ取得部113は、処理後検査部80により検出された情報に基づいて、表面Wa上の複数個所における上記膜厚実績値を取得してもよい。ステップS06では、実績データ補正部118が、複数の処理後項目の実績値から、基板処理とは別の要因に起因する成分を除外する。ステップS07では、データ入力部114が、処理条件と、当該処理条件に対応する実績データ(複数の処理後項目の実績値)とを含むデータセットを機械学習装置200に入力する。
次に、制御装置100はステップS08を実行する。ステップS04において処理液の供給状態に不良が生じたと判定した場合、制御装置100は、ステップS05,S06,S07を実行せずにステップS08を実行する。ステップS08では、データ入力部114が、機械学習装置200における機械学習に必要な数のデータセットの入力が完了したか否かを確認する。
ステップS08において機械学習に必要な数のデータセットの入力が完了していないと判定した場合、制御装置100はステップS09を実行する。ステップS09では、処理制御部112が、処理条件を変更する。例えば処理制御部112は、入力デバイス195へのユーザの入力等に基づいて処理条件を変更する。その後、制御装置100は処理をステップS01に戻す。以後、機械学習に必要な数のデータセットの入力が完了するまでは、処理条件の変更と、基板処理の実行と、データセットの入力とが繰り返される。
ステップS08において、機械学習に必要な数のデータセットの入力が完了していると判定した場合、制御装置100はステップS11,S12,S13,S14を実行する。ステップS11では、評価条件入力部121が、機械学習装置200からの学習完了通知を待機する。ステップS12では、評価条件入力部121が、予測データの評価条件を設定する。例えば評価条件入力部121は、入力デバイス195へのユーザの入力等に基づいて上記予測データの評価条件を設定する。ステップS13では、評価条件入力部121が、ステップS12で設定した評価条件を機械学習装置200に入力する。ステップS14では、探索結果取得部122が、複数組のデータセットと、学習モデルと、評価条件入力部121が入力した評価条件とに基づいて機械学習装置200が導出した推奨処理条件を取得して処理モジュール11に保存する。以上で推奨処理条件の導出手順が完了する。
(推奨処理条件のブラッシュアップ手順)
制御装置100による推奨処理条件のブラッシュアップ手順は、推奨処理条件に従って塗布・現像装置2に基板処理を更に実行させることと、推奨処理条件に従った基板処理の品質に関する追加実績データを更に取得することと、推奨処理条件と追加実績データとを含む追加データセットを機械学習装置200に更に入力することと、追加データセットに基づいて機械学習装置200が更新した学習モデルに基づいて推奨処理条件を更新することとを含む。このブラッシュアップ手順は、推奨処理条件を評価することを更に含んでもよく、推奨処理条件に従って塗布・現像装置2に基板処理を更に実行させることと、追加実績データを更に取得することと、追加データセットを機械学習装置200に更に入力することと、追加データセットに基づいて機械学習装置200が更新した学習モデルに基づいて推奨処理条件を更新することと、を推奨処理条件の評価結果が所定のレベルに達するまで反復してもよい。
図9に例示するように、制御装置100は、まずステップS21,S22,S23,S24,S25を実行する。ステップS21では、処理制御部112が、処理条件保持部111が記憶する推奨処理条件に従った基板処理を塗布・現像装置2に実行させる。ステップS22では、データ取得部113が、上記処理後項目の追加実績値を取得する。データ取得部113は、複数の処理後項目の追加実績値を取得してもよい。ステップS23では、実績データ補正部118が、複数の処理後項目の追加実績値から、基板処理とは別の要因に起因する成分を除外する。ステップS24では、条件評価部116が推奨処理条件を評価する。ステップS25では、反復管理部117が、ステップS24における評価結果に基づいて、推奨処理条件を採用可か否かを確認する。
ステップS25において推奨処理条件を採用可能でないと判定した場合、制御装置100はステップS26,S27,S28を実行する。ステップS26では、データ入力部114が、処理条件と、当該処理条件に対応する追加実績データ(複数の処理後項目の追加実績値)とを含む追加データセットを機械学習装置200に入力する。ステップS27では、探索結果取得部122が、機械学習装置200からの学習モデルの更新完了通知を待機する。ステップS28では、探索結果取得部122が、追加データセットに基づき機械学習装置200が更新した推奨処理条件を取得して処理モジュール11に保存する。その後、制御装置100は処理をステップS21に戻す。以後、推奨処理条件が採用可となるまで、追加実績データの取得と、推奨処理条件の更新とが繰り返される。
ステップS25において推奨処理条件を採用可能であると判定した場合、制御装置100は処理を完了する。以上で推奨処理条件のブラッシュアップ手順が完了する。
(学習モデルの生成手順)
機械学習装置200による学習モデルの生成手順は、上記データセットを取得することと、複数組のデータセットに基づく機械学習により学習モデルを生成することとを含む。機械学習により学習モデルを生成することは、遺伝的プログラムにより学習モデルを探索する演算プロセスを含んでもよい。処理条件の入力に応じて複数項目の予測値をそれぞれ出力する複数のモデル式を含む学習モデルを生成してもよい。
図10に例示するように、機械学習装置200は、まずステップS31,S32,S33を実行する。ステップS31では、データ取得部212が、データ入力部114からのデータセットの入力を待機する。ステップS32では、データ取得部212が、入力されたデータセットをデータ保持部213に蓄積する。ステップS33では、データ保持部213が、データ保持部213に蓄積されたデータセットの数が機械学習に必要な数に達したか否かを確認する。
ステップS33において、蓄積されたデータセットの数が機械学習に必要な数に達していないと判定した場合、制御装置100は処理をステップS31に戻す。以後、機械学習に必要な数のデータセットが蓄積されるまで、データセットの取得が繰り返される。
ステップS33において、蓄積されたデータセットの数が機械学習に必要な数に達していると判定した場合、制御装置100はステップS34,S35,S36を実行する。ステップS34では、モデル生成部214が、いずれかの予測値に対応するモデル式の導出用の上記学習条件を設定し、当該学習条件に従ったモデル式の導出を探索演算部211に要求する。例えばモデル生成部214は、処理条件の入力に応じて予測値を生成する複数の仮モデル式を生成し、これらを上記第一世代の複数の個体とする。また、モデル生成部214は、上記乖離スコアを評価スコアとしてその導出手法を定め、上記乖離スコアの上限値を評価スコアの許容レベルとする。ステップS35では、探索演算部211が、上記学習条件に従って、各仮モデル式の乖離スコアを算出する。ステップS36では、探索演算部211が、上記学習条件に従って、乖離スコアが上記上限値以下の仮モデル式が存在するか否かを確認する。
ステップS36において、乖離スコアが上限値以下の仮モデル式が存在しないと判定した場合、機械学習装置200はステップS37を実行する。ステップS37では、探索演算部211が、乖離スコアが上限値の超過が大きい仮モデル式を淘汰させつつ、複数の仮モデル式を交叉、逆位、及び突然変異等の演算により次世代の複数の仮モデル式に進化させる。その後、機械学習装置200は処理をステップS35に戻す。以後、乖離スコアが上限値以下となる仮モデル式が導出されるまで、仮モデル式の乖離スコアの導出、仮モデル式の淘汰、及び仮モデル式の進化が繰り返される。
ステップS36において、乖離スコアが上限値以下の仮モデル式が存在すると判定した場合、機械学習装置200はステップS38,S39を実行する。ステップS38では、探索演算部211が、乖離スコアが最も良好な(最も小さい)仮モデル式を選択し、これを学習モデルの一つのモデル式としてモデル保持部215に保存する。ステップS39では、モデル生成部214が、学習モデルを構成するための全てのモデル式(すなわち、複数項目の予測値の導出に必要とされる全てのモデル式)の導出が完了したか否かを確認する。
ステップS39において全てのモデル式の導出が完了していないと判定した場合、機械学習装置200はステップS41を実行する。ステップS41では、モデル生成部214が、導出対象のモデル式を変更する。換言すると、モデル生成部214は、モデル式による予測対象の項目を変更する。その後、機械学習装置200は処理をステップS34に戻す。以後、全てのモデル式の導出が完了するまで、学習条件の設定とこれに基づくモデル式の導出とが繰り返される。
ステップS39において全てのモデル式の導出が完了していると判定した場合、機械学習装置200は学習モデルの生成を完了する。以上で学習モデルの生成手順が完了する。
(推奨処理条件の探索手順)
機械学習装置200による推奨処理条件の探索手順は、複数組のデータセットと、学習モデルと、予測データの評価条件とに基づいて基板処理の推奨処理条件を導出することを含む。推奨処理条件を導出することは、遺伝的アルゴリズムにより推奨処理条件を探索する演算プロセスを含んでもよい。複数組のデータセットと、複数のモデル式と、複数項目の予測値を評価する評価条件とに基づいて推奨処理条件を導出してもよい。例えば、複数項目の予測値のばらつきに関する条件を含む評価条件に基づいて推奨処理条件を導出してもよい。
図11に例示するように、機械学習装置200は、まずステップS51,S52を実行する。ステップS51では、条件探索部216が、評価条件入力部121からの評価条件の入力を待機する。ステップS52では、条件探索部216が、推奨処理条件の導出用の上記学習条件を設定し、当該学習条件に従った推奨処理条件の導出を探索演算部211に要求する。例えば条件探索部216は、データ保持部213が記憶する複数組のデータセットの処理条件を第一世代の複数の個体とする。また、条件探索部216は、評価条件入力部121が入力した評価条件に基づいて評価スコアの導出手法及び評価スコアの許容レベルを定める。
続いて、機械学習装置200は、ステップS53,S54,S55を実行する。ステップS53では、探索演算部211が、モデル保持部215が記憶する学習モデルに各処理条件を入力して予測データを導出する。ステップS54では、探索演算部211が、予測データの評価スコアを導出する。ステップS55では、探索演算部211が、評価スコアが許容レベルである処理条件が存在するか否かを確認する。
ステップS55において、評価スコアが許容レベルである処理条件が存在しないと判定した場合、機械学習装置200はステップS56を実行する。ステップS56では、探索演算部211が、評価スコアが許容レベルから遠い処理条件を淘汰させつつ、複数の処理条件を交叉、逆位、及び突然変異等の演算により次世代の複数の処理条件に進化させる。その後、機械学習装置200は処理をステップS53に戻す。以後、評価スコアが許容レベルとなる処理条件が導出されるまで、処理条件の評価スコアの導出、処理条件の淘汰、及び処理条件の進化が繰り返される。
ステップS55において、評価スコアが許容レベルである処理条件が存在すると判定した場合、機械学習装置200はステップS57,S58を実行する。ステップS57では、探索演算部211が、評価スコアが最も良好な値の処理条件を推奨処理条件とする。ステップS58では、条件探索部216が、探索演算部211により導出された推奨処理条件を取得して探索結果取得部122に出力する。以上で推奨処理条件の探索手順が完了する。
推奨処理条件を導出することは、上述の遺伝的アルゴリズムにより推奨処理条件を探索する演算プロセスに限定されない。たとえば、ステップS55において、評価スコアが許容レベルとなるまで、処理条件の変更と評価スコアの導出とを繰り返す演算プロセスによっても推奨処理条件を導出することが可能である。
〔具体例〕
一例として、現像ユニットU3における現像処理の処理条件の設定支援手順を具体的に例示する。現像ユニットU3における現像処理の処理条件は、例えばウェハWの回転速度、現像液の供給量、現像液の供給時間、リンス液の供給量、リンス液の吐出時間、振り切り乾燥時間、ノズル31の移動開始位置、ノズル31の移動速度、及びノズル31移動終了位置等を含む。このうち、推奨処理条件が必要とされる項目は、例えば現像液の供給中におけるウェハWの回転速度、及びノズル31の移動速度である。この場合に、上記ステップS01~S09においては、ウェハWの回転速度及びノズル31の移動速度を変化させながら、機械学習装置200にデータセットを入力することが繰り返される。
例えば、ステップS01~S09では、ウェハWの回転速度を200rpmとした状態で、ノズル31の移動速度が15mm/s、20mm/s、25mm/sとされ、次に、ウェハWの回転速度を250rpmとした状態で、ノズル31の移動速度が15mm/s、20mm/s、25mm/sとされ、次に、ウェハWの回転速度を300rpmとした状態で、ノズル31の移動速度が15mm/s、20mm/s、25mm/sとされる。これらの処理条件のいずれかで実行されるステップS04において、処理液の供給状態に不良が生じたと判定された場合、当該処理条件に対応するデータセットは機械学習装置200への入力対象から除外される。この場合、機械学習に必要な数のデータセットを得るために、ステップS09によって処理条件の更なる変更が行われる。例えば、回転速度300rpmかつ移動速度25mm/sの処理条件で現像液の液はねが生じたと判定された場合、回転速度が290rpmに変更され、再度、回転速度290rpmかつ移動速度25mm/sの条件での実績データが取得される。
ステップS05においては、例えば、n箇所に分割されたウェハWの分割領域のそれぞれにおける線幅の平均値が、n個の線幅実績値として取得される。この場合におけるデータセットを以下に例示する。
処理条件:ウェハWの回転速度=200rpm、ノズルの移動速度=15mm/s
実績データ:W1=23nm、W2=28nm、W3=31nm、・・・Wn=24nm(Wi:分割領域iにおける線幅平均値)
このデータセットに基づいて機械学習装置200において生成される学習モデルは、例えばウェハWの回転速度及びノズルの移動速度の入力に応じて、n箇所の分割領域における線幅平均値の予測値を出力するものとなる。ステップS12では、上記評価スコアの算出式として、例えばn個の線幅予測値の標準偏差の算出式が設定され、上記許容レベルとして、標準偏差の許容値が設定される。このように設定された評価条件に基づいて、機械学習装置200においては、ウェハWの回転速度及びノズル31の移動速度の推奨値(例えば、ウェハWの回転速度=234rpm、ノズル31の移動速度=22rpm)が上記推奨処理条件として導出される。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、本実施形態に係る基板処理の条件設定支援方法は、ウェハWへの処理液の供給を含んで塗布・現像装置2により実行された基板処理の処理条件と、当該基板処理の品質に関する実績データとを含むデータセットを機械学習装置200に入力することと、複数組のデータセットに基づく機械学習により機械学習装置200が生成したモデルであって、処理条件の入力に応じて基板処理の品質に関する予測データを出力する学習モデルに基づいて、基板処理の推奨処理条件を導出することとを含む。
この条件設定支援方法によれば、機械学習により生成された学習モデルに基づいて推奨処理条件が導出されるため、適切な処理条件を効率よく探索することができる。従って、基板処理の処理条件を設定する作業の簡素化に有効である。
基板処理の条件設定支援方法は、推奨処理条件に従って塗布・現像装置2に基板処理を更に実行させることと、推奨処理条件に従った基板処理の品質に関する追加実績データを更に取得することと、推奨処理条件と追加実績データとを含む追加データセットを機械学習装置200に更に入力することと、追加データセットに基づいて機械学習装置200が更新した学習モデルに基づいて推奨処理条件を更新することとを含んでいてもよい。この場合、推奨処理条件と追加実績データのフィードバックにより推奨処理条件が更新される。したがって、より適切な処理条件を効率よく探索することができる。
基板処理の条件設定支援方法は、推奨処理条件を評価することを更に含み、推奨処理条件に従って塗布・現像装置2に基板処理を更に実行させることと、追加実績データを更に取得することと、追加データセットを機械学習装置200に更に入力することと、追加データセットに基づいて機械学習装置200が更新した学習モデルに基づいて推奨処理条件を更新することと、を推奨処理条件の評価結果が所定のレベルに達するまで反復してもよい。この場合、繰り返し処理によって、より適切な処理条件を効率よく探索することができる。
推奨処理条件を導出することは、予測データの評価条件を機械学習装置200に入力することと、複数組のデータセットと、学習モデルと、評価条件とに基づいて機械学習装置200が導出した推奨処理条件を取得することとを含んでいてもよい。この場合、推奨処理条件の探索も機械学習装置200で行うため、適切な処理条件を更に効率よく探索することができる。
基板処理の条件設定支援方法では、複数項目の実績値を含む実績データを取得し、処理条件の入力に応じて複数項目の予測値をそれぞれ出力する複数のモデル式を含む学習モデルを生成する機械学習装置200にデータセットを入力し、複数項目の予測値を評価する評価条件を機械学習装置200に入力してもよい。この場合、評価条件を複数項目に展開することで処理の品質をより適切に評価し、より適切な処理条件を探索することができる。
基板処理の条件設定支援方法では、複数項目の少なくとも一部における予測値のばらつきに関する条件を含む評価条件を機械学習装置200に入力してもよい。この場合、複数項目を効率よく評価できるため、より適切な処理条件を効率よく探索することができる。
基板処理の条件設定支援方法では、基板処理の後におけるウェハWの品質を示す処理後項目と、基板処理の途中における処理液の供給状態を示す処理中項目との実績値を含む実績データを取得し、処理中項目の実績値に基づいて、機械学習装置200に入力するデータセットを選択してもよい。この場合、処理中の異常を処理中のデータとして直接的にとらえることで、処理後の品質に基づく推奨処理条件の探索範囲を絞り込むことができる。したがって、適切な処理条件をより効率よく探索することができる。
基板処理の条件設定支援方法は、データセットを機械学習装置200に入力する前に、当該データセットの実績データから、基板処理とは別の要因に起因する成分を除外することを更に含んでいてもよい。この場合、より適切な処理条件を探索することができる。
基板処理は、ウェハWの表面Waにおいて露光処理が施された感光性被膜に現像液を供給する現像処理を含んでもよく、現像処理によりウェハWの表面Waに形成されたパターンの線幅の実績値を含む実績データを取得してもよい。基板処理が現像処理を含んでいる場合、好適な処理条件を導出するためには多大な労力を要する傾向がある。このため、上記の条件設定支援方法によれば、適切な処理条件を効率よく探索でき、有効性が顕著である。
基板処理は、ウェハWの表面Waに成膜液を塗布して被膜を形成する成膜処理を含んでもよく、成膜処理によりウェハWの表面Waに形成された被膜の膜厚の実績値を含む実績データを取得してもよい。基板処理が成膜処理を含んでいる場合も、基板処理の品質は、処理条件に対して非常にセンシティブであるため、好適な処理条件を導出するためには多大な労力を要する傾向がある。このため、上記の条件設定支援方法によれば、適切な処理条件を効率よく探索でき、有効性が顕著である。
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、処理対象の基板は半導体ウェハに限られず、例えばガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)などであってもよい。
2…塗布・現像装置(基板処理装置)、11,12,13,14…処理モジュール(処理部)、112…処理制御部、113…データ取得部、114…データ入力部、115…推奨条件導出部、121…評価条件入力部、122…探索結果取得部、214…モデル生成部、W…ウェハ、Wa…表面。

Claims (21)

  1. 基板への処理液の供給を含んで基板処理装置により実行された基板処理の処理条件と、当該基板処理の品質に関する実績データとを含むデータセットを機械学習装置に入力することと、
    複数組の前記データセットに基づく機械学習により前記機械学習装置が生成したモデルであって、前記処理条件の入力に応じて前記基板処理の品質に関する予測データを出力する学習モデルに基づいて、前記基板処理の推奨処理条件を導出することとを含む、基板処理の条件設定支援方法。
  2. 前記推奨処理条件に従って前記基板処理装置に前記基板処理を更に実行させることと、
    前記推奨処理条件に従った前記基板処理の品質に関する追加実績データを更に取得することと、
    前記推奨処理条件と前記追加実績データとを含む追加データセットを前記機械学習装置に更に入力することと、
    前記追加データセットに基づいて前記機械学習装置が更新した前記学習モデルに基づいて前記推奨処理条件を更新することとを含む、請求項1記載の基板処理の条件設定支援方法。
  3. 前記推奨処理条件を評価することを更に含み、
    前記推奨処理条件に従って前記基板処理装置に前記基板処理を更に実行させることと、前記追加実績データを更に取得することと、前記追加データセットを前記機械学習装置に更に入力することと、前記追加データセットに基づいて前記機械学習装置が更新した前記学習モデルに基づいて前記推奨処理条件を更新することと、を前記推奨処理条件の評価結果が所定のレベルに達するまで反復する、請求項2記載の基板処理の条件設定支援方法。
  4. 前記推奨処理条件を導出することは、
    前記予測データの評価条件を前記機械学習装置に入力することと、
    前記複数組のデータセットと、前記学習モデルと、前記評価条件とに基づいて前記機械学習装置が導出した前記推奨処理条件を取得することとを含む、請求項1~3のいずれか一項記載の基板処理の条件設定支援方法。
  5. 複数項目の実績値を含む前記実績データを取得し、
    前記処理条件の入力に応じて前記複数項目の予測値をそれぞれ出力する複数のモデル式を含む前記学習モデルを生成する前記機械学習装置に前記データセットを入力し、
    前記複数項目の予測値を評価する前記評価条件を前記機械学習装置に入力する、請求項4記載の基板処理の条件設定支援方法。
  6. 前記複数項目の少なくとも一部における予測値のばらつきに関する条件を含む前記評価条件を前記機械学習装置に入力する、請求項5記載の基板処理の条件設定支援方法。
  7. 前記基板処理の後における前記基板の品質を示す処理後項目と、前記基板処理の途中における前記基板への処理液の供給状態を示す処理中項目との実績値を含む前記実績データを取得し、
    前記処理中項目の実績値に基づいて、機械学習装置に入力するデータセットを選択する、請求項1~6のいずれか一項記載の基板処理の条件設定支援方法。
  8. 前記データセットを前記機械学習装置に入力する前に、当該データセットの前記実績データから、前記基板処理とは別の要因に起因する成分を除外することを更に含む、請求項1~7のいずれか一項記載の基板処理の条件設定支援方法。
  9. 前記基板処理は、前記基板の表面において露光処理が施された感光性被膜に現像液を供給する現像処理を含み、
    前記現像処理により前記基板の表面に形成されたパターンの線幅の実績値を含む前記実績データを取得する、請求項1~8のいずれか一項記載の基板処理の条件設定支援方法。
  10. 前記基板処理は、前記基板の表面に成膜液を塗布して被膜を形成する成膜処理を含み、
    前記成膜処理により前記基板の表面に形成された前記被膜の膜厚の実績値を含む前記実績データを取得する、請求項1~8のいずれか一項記載の基板処理の条件設定支援方法。
  11. 基板への処理液の供給を含む基板処理用に設定された処理条件と、当該処理条件に従った前記基板処理の品質に関する実績データとを含むデータセットを取得することと、
    複数組の前記データセットに基づく機械学習により、前記処理条件の入力に応じて前記基板処理の品質に関する予測データを出力する学習モデルを生成することとを含む、基板処理の条件設定支援方法。
  12. 前記複数組のデータセットと、前記学習モデルと、前記予測データの評価条件とに基づいて前記基板処理の推奨処理条件を導出することを更に含む、請求項11記載の基板処理の条件設定支援方法。
  13. 前記機械学習により前記学習モデルを生成することは、遺伝的プログラムにより前記学習モデルを探索する演算プロセスを含み、
    前記推奨処理条件を導出することは、遺伝的アルゴリズムにより前記推奨処理条件を探索する演算プロセスを含む、請求項12記載の基板処理の条件設定支援方法。
  14. 前記実績データが複数項目の実績値を含む前記データセットを取得し、
    前記処理条件の入力に応じて前記複数項目の予測値をそれぞれ出力する複数のモデル式を含む前記学習モデルを生成し、
    前記複数組のデータセットと、前記複数のモデル式と、前記複数項目の予測値を評価する前記評価条件とに基づいて前記推奨処理条件を導出する、請求項12又は13記載の基板処理の条件設定支援方法。
  15. 前記複数項目の予測値のばらつきに関する条件を含む前記評価条件に基づいて前記推奨処理条件を導出する、請求項14記載の基板処理の条件設定支援方法。
  16. 基板への処理液の供給を含む基板処理を行う処理部と、
    予め設定された処理条件に従って前記処理部に前記基板処理を実行させる処理制御部と、
    前記処理条件に従った前記基板処理の品質に関する実績データを取得するデータ取得部と、
    前記処理条件と前記実績データとを含むデータセットをモデル生成部に入力するデータ入力部と、
    前記処理条件の入力に応じて前記基板処理の品質に関する予測データを出力するように、複数組の前記データセットに基づく機械学習により前記モデル生成部が生成した学習モデルに基づいて、前記基板処理の推奨処理条件を導出する推奨条件導出部とを備える、基板処理システム。
  17. 前記モデル生成部を更に備える、請求項16記載の基板処理システム。
  18. 前記推奨条件導出部は、
    前記予測データの評価条件を条件探索部に入力する評価条件入力部と、
    前記複数組のデータセットと、前記学習モデルと、前記評価条件とに基づいて条件探索部が導出した前記推奨処理条件を取得する探索結果取得部とを有する、請求項16又は17記載の基板処理システム。
  19. 前記条件探索部を更に備える、請求項18記載の基板処理システム。
  20. 請求項1~15のいずれか一項記載の基板処理の条件設定支援方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  21. 基板への処理液の供給を含んで、基板処理装置により実行される基板処理の処理条件の入力に応じて、前記基板処理の品質に関する予測データを出力することを装置に実行させるように、前記基板処理の処理条件と、当該処理条件に従った前記基板処理の品質に関する実績データとをそれぞれが含む複数組のデータセットに基づく機械学習により生成された学習モデル。

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