JP2024027989A - 特徴量推定方法、推定プログラム、及び、特徴量推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の表面における形状特徴量の推定精度を向上させる特徴量推定方法、推定プログラム及び特徴量推定装置を提供する。【解決手段】半導体製造用の処理が施された後の基板の表面における形状特徴量を推定する方法であって、複数のパラメータを有する複数の事前処理条件のそれぞれに従って、事前処理が施された基板の表面における形状特徴量の実測データに基づいて、対象パラメータと形状特徴量との関係を表す複数の回帰モデルを生成することと、複数の回帰モデルのそれぞれについて、形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出することと、複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価することと、指標値の算出結果と、設定方法の適性の評価結果とに基づいて、複数の回帰モデルの中から選択モデルとして選択することと、選択モデルを利用して、対象パラメータの任意の値に対応する形状特徴量の推定値を算出することと、を含む。【選択図】図11

Description

本開示は、特徴量推定方法、推定プログラム、及び、特徴量推定装置に関する。
特許文献1には、予測膜厚を算出するように構成された予測部と、予測膜厚に基づいて、基板の処理に関する指示情報を出力する出力部と、を備える情報処理装置が開示されている。
特開2021-132183号公報
本開示は、基板の表面における形状特徴量の推定精度の向上に有用な特徴量推定方法、推定プログラム、及び、特徴量推定装置を提供する。
本開示の一側面に係る特徴量推定方法は、半導体製造用の所定の処理が施された後の基板の表面における形状の特徴を表す形状特徴量を推定する方法である。この特徴量推定方法は、所定の処理に関する複数のパラメータを有する複数の事前処理条件のそれぞれに従って、所定の処理に対応する事前処理が施された基板の表面における形状特徴量の実測データに基づいて、複数のパラメータに含まれる1以上の対象パラメータと形状特徴量との関係を表す複数の回帰モデルを生成することと、複数の回帰モデルのそれぞれについて、形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出することと、複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価することと、指標値の算出結果と、設定方法の適性の評価結果とに基づいて、複数の回帰モデルの中から、1つの回帰モデルを選択モデルとして選択することと、選択モデルを利用して、1以上の対象パラメータの任意の値に対応する形状特徴量の推定値を算出することと、を含む。
本開示によれば、基板の表面における形状特徴量の推定精度の向上に有用な特徴量推定方法、推定プログラム、及び、特徴量推定装置が提供される。
図1は、基板処理システムの一例を示す模式図である。 図2は、塗布現像装置の一例を示す模式図である。 図3は、液処理ユニットの一例を示す模式図である。 図4は、液処理の一例を示すフローチャートである。 図5は、液処理を実行する際の回転速度の時間変化の一例を示すグラフである。 図6は、制御装置の機能構成の一例の示すブロック図である。 図7は、制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図8は、回帰モデルの生成方法の一例を示すフローチャートである。 図9は、複数の事前処理条件の一例と実測データの一例とを示す表である。 図10(a)は、ワークの表面に設定された測定箇所の一例を示す模式図である。図10(b)は、回帰モデルの一例を説明するための図である。 図11は、膜厚の推定方法の一例を示すフローチャートである。 図12は、事前条件の設定に関する各種の例を示すグラフである。 図13は、事前条件の設定に関するデータの偏りの評価方法の一例を説明するためのグラフである。 図14は、事前条件の設定に関するデータの偏りの評価方法の一例を説明するためのグラフである。 図15は、回帰モデルの選択の様子を模式的に示す図である。 図16は、形状特徴量の推定方法の検証結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[基板処理システム]
図1に示される基板処理システム1(基板処理装置)は、ワークWに対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象のワークWは、例えば基板、あるいは所定の処理が施されることで膜及び回路等が形成された状態の基板である。ワークWに含まれる基板は、一例として、シリコンを含むウェハである。ワークW(基板)は、円形に形成されていてもよい。処理対象のワークWは、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)などであってもよく、これらの基板等に所定の処理が施されて得られる中間体であってもよい。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
基板処理システム1は、塗布現像装置2と、露光装置3と、制御装置100と、を備える。露光装置3は、ワークW(基板)に形成されたレジスト膜(感光性被膜)を露光する装置である。具体的には、露光装置3は、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。以下、基板処理装置の一例として、塗布現像装置2の構成を説明する。図1及び図2に示されるように、塗布現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6とを備える。
キャリアブロック4は、塗布現像装置2内へのワークWの導入及び塗布現像装置2内からのワークWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ワークW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のワークWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからワークWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からワークWを受け取ってキャリアC内に戻す。
処理ブロック5は、半導体製造用の1以上の基板処理(所定の処理)をワークWに施す。処理ブロック5により実行される1以上の基板処理は、表面Waにレジスト膜等の処理液の膜を形成する処理(所定の処理)、及び、露光後のレジスト膜に対して現像を行う処理(所定の処理)を含む。処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。
処理モジュール11は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール11は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりワークWの表面上に下層膜を形成する。液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をワークW上に塗布する。熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール12は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール12は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液(レジスト)を下層膜の上に塗布する。熱処理ユニットU2は、被膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール13は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール13は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。液処理ユニットU1は、上層膜形成用の処理液をレジスト膜の上に塗布する。熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール14は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理及び現像処理に伴う熱処理を行う。液処理ユニットU1は、露光済みのワークWの表面上に現像液を供給した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
塗布現像装置2は、測定ユニット18を有する。測定ユニット18は、半導体製造用の基板処理が施された後のワークWの表面Waにおける形状の特徴を表す特徴量(以下、「形状特徴量」という。)を測定するユニットである。半導体製造用の基板処理(所定の処理)は、処理液の膜を形成する処理であってもよく、又は、現像処理及び加熱処理を含む処理であってもよい。ワークWの表面Waにおける形状の特徴は、表面Waに形成されている処理液の膜(例えば、レジスト膜)の形状の特徴に相当する。形状特徴量は、例えば、レジスト膜等の処理液の膜を形成する処理が施された後のワークWの表面Waにおける処理液の膜の厚さ(膜厚)である。あるいは、形状特徴量は、現像処理及び加熱処理を含む処理が施された後のワークWの表面Wa上のレジスト膜における線幅である。以下では、形状特徴量が膜厚(レジスト膜の厚さ)である場合を例に本開示の内容を説明する。
測定ユニット18は、ワークWの表面Waにおける複数の測定箇所それぞれの膜厚を測定してもよい。測定ユニット18は、例えば、ワークWの表面WaにおいてワークWの中心を通る1つのライン上に設定された複数の測定箇所それぞれの膜厚を測定する(図10(a)参照)。あるいは、測定ユニット18は、ワークWの表面Wa全体において、点在するように設定された複数の測定箇所それぞれの膜厚を測定してもよい。本開示において、ワークWの表面Waにおける複数の測定箇所それぞれでの膜厚の測定値の集合を「膜厚分布」と称する。測定ユニット18は、いかなる方式で膜厚を測定してもよい。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でワークWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でワークWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたワークWを露光装置3に渡す。搬送装置A8は、露光装置3からワークWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
(液処理ユニット)
続いて、処理モジュール12の液処理ユニットU1の一例について詳細に説明する。液処理ユニットU1は、ワークWを回転させつつ当該ワークWの表面Waに向けて処理液を吐出することを含む処理を行う。また、液処理ユニットU1は、塗布処理後にワークWを回転させてワークWの表面Wa上の処理液の膜を乾燥させることを含む処理を行う。処理液を吐出することを含む処理、及び、乾燥させる処理等の液処理の一部の処理を、「単位処理」と称する場合がある。液処理ユニットU1が行う液処理は、各種の単位処理を含む。液処理ユニットU1は、図3に示されるように、回転保持部20と、処理液供給部30と、を有する。
回転保持部20は、制御装置100の動作指示に基づいて、ワークWを保持して回転させる。回転保持部20は、例えば、保持部22と、回転駆動部24と、を有する。保持部22は、表面Waを上にして水平に配置されたワークWの中心部を支持し、当該ワークWを例えば真空吸着等により保持する。回転駆動部24は、例えば電動モータ等の動力源を含むアクチュエータであり、鉛直な軸線Axまわりに保持部22を回転させる。これにより、保持部22上のワークWが回転する。保持部22は、ワークWの中心が軸線Axに略一致するようにワークWを保持してもよい。保持部22は、例えば、制御装置100の動作指示に応じた回転速度でワークWを回転させる。
処理液供給部30は、制御装置100の動作指示に基づいて、ワークWの表面Waに向けて処理液を吐出することで、当該表面Waに処理液を供給する。処理液は、レジスト膜を形成するための溶液(レジスト)である。処理液供給部30は、例えば、ノズル32と、液供給部34と、供給路36と、開閉バルブ38と、を有する。ノズル32は、保持部22に保持されたワークWの表面Waに処理液を吐出する。ノズル32は、例えば、ワークWの上方に配置され、処理液を下方に吐出する。液供給部34は、制御装置100の動作指示に基づいて、供給路36を介してノズル32に処理液を供給する。液供給部34は、例えばポンプ等により処理液をノズル32に向けて送り出す。
開閉バルブ38は、ノズル32と液供給部34との間の供給路36に設けられる。開閉バルブ38は、制御装置100の動作指示に基づいて、供給路36の開閉状態を開状態と閉状態とに切り替える。開閉バルブ38は、例えばエアオペレーションバルブである。開閉バルブ38は、制御装置100からの開指令を受けると、供給路36の開閉状態を閉状態から開状態に遷移させる。これにより、ノズル32からの処理液の吐出が開始する。開閉バルブ38は、制御装置100からの閉指令を受けると、供給路36の開閉状態を開状態から閉状態に遷移させる。これにより、ノズル32からの処理液の吐出が停止する。
制御装置100は、塗布現像装置2を制御する1以上のコンピュータ装置である。制御装置100には、入出力デバイス102が接続されていてもよい(図2参照)。入出力デバイス102は、オペレータ等のユーザからの指示を示す入力情報を制御装置100に入力すると共に、制御装置100からの情報をユーザに出力するための装置である。入出力デバイス102は、入力デバイスとして、キーボード、操作パネル、又はマウスを含んでいてもよく、出力デバイスとして、モニタ(例えば液晶ディスプレイ)を含んでいてもよい。入出力デバイス102は、入力デバイス及び出力デバイスが一体化されたタッチパネルであってもよい。制御装置100及び入出力デバイス102が一体化されていてもよい。
基板処理装置の具体的な構成は、以上に例示した基板処理システム1の構成に限られない。基板処理装置は、半導体製造用の基板処理を実行する処理ユニット、及び、この処理ユニットを制御可能な制御装置を備えていればどのようなものであってもよい。
[塗布現像手順]
制御装置100は、例えば以下の手順で、1枚のワークWに対する塗布現像処理を実行するように塗布現像装置2を制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のワークWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このワークWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール11内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このワークWの表面Wa上に下層膜を形成するように、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、下層膜が形成されたワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール12用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール12内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このワークWの下層膜上にレジスト膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このワークWのレジスト膜上に上層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU11に搬送するように搬送装置A3を制御する。
次に制御装置100は、棚ユニットU11のワークWを露光装置3に送り出すように搬送装置A8を制御する。その後制御装置100は、露光処理が施されたワークWを露光装置3から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
次に制御装置100は、棚ユニットU11のワークWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御し、このワークWのレジスト膜の現像を行うように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。レジスト膜の現像が行われることで、ワークWの表面には、レジストパターンが形成される。
その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWをキャリアC内に戻すように搬送装置A7及び搬送装置A1を制御する。以上により1枚のワークWについての塗布現像処理が完了する。制御装置100は、後続の複数のワークWのそれぞれについても、上述と同様に塗布現像処理を塗布現像装置2に実行させる。
(液処理手順)
続いて、図4及び図5を参照して、処理モジュール12において行われる液処理手順の一例を説明する。この液処理手順(液処理方法)では、回転保持部20の保持部22にワークWが支持された状態において、図4に示されるように、制御装置100は、ステップS01を実行する。ステップS01では、例えば、制御装置100が、保持部22に保持されているワークWの回転速度を変更するように回転駆動部24を制御する。図5には、ステップS01以降におけるワークWの回転速度の制御例が示されている。制御装置100は、例えば、図5に示されるように、停止しているワークWの回転を回転速度ω1まで加速させるように回転駆動部24を制御する。回転速度ω1は、液処理手順の実行前に定められている。
次に、制御装置100は、ステップS02を実行する。ステップS02では、例えば、制御装置100が、ノズル32からの処理液(レジスト)の吐出を開始するように処理液供給部30を制御する。制御装置100は、例えば、回転速度ω1で回転しているワークWの表面Waに向けての処理液の吐出が開始されるように開閉バルブ38に開指令を出力する。開閉バルブ38により供給路36の開閉状態が閉状態から開状態に切り替わることにより、処理液の吐出が開始される。制御装置100は、液処理手順の実行前に定められた吐出開始タイミングに従って、ステップS02を実行してもよい。
次に、制御装置100は、ステップS03を実行する。ステップS03では、例えば、制御装置100が、処理液の吐出が開始されてから第1設定時間ts1が経過するまで待機する。これにより、第1設定時間ts1の間の少なくとも一部において、ワークWが回転速度ω1で回転しつつ、処理液がワークWの表面Waに向けて吐出される。第1設定時間ts1(又は、処理液の吐出を継続する時間)は、例えば、ワークWの表面Wa上に処理液の液膜が形成できる程度の量の処理液が供給されるように設定されており、液処理手順の実行前に定められている。
次に(第1設定時間ts1の経過後に)、制御装置100は、ステップS04を実行する。ステップS04では、例えば、制御装置100が、ノズル32からの処理液の吐出を停止するように処理液供給部30を制御する。制御装置100は、例えば、ワークWの表面Waに向けての処理液の吐出が停止するように開閉バルブ38に閉指令を出力する。開閉バルブ38により供給路36の開閉状態が開状態から閉状態に切り替わることにより、処理液の吐出が停止する。
次に、制御装置100は、ステップS05を実行する。ステップS05では、例えば、制御装置100が、保持部22に保持されているワークWの回転速度を変更するように回転駆動部24を制御する。制御装置100は、図6に示されるように、例えば、ワークWの回転を回転速度ω1から回転速度ω2まで減速させるように回転駆動部24を制御する。回転速度ω2は、液処理手順の実行前に定められており、その設定値は、回転速度ω1の設定値と異なっている。回転速度ω2は、回転速度ω1よりも小さくてもよい。
次に、制御装置100は、ステップS06を実行する。ステップS06では、例えば、制御装置100が、ワークWが回転速度ω2で回転し始めてから第2設定時間ts2が経過するまで待機する。これにより、第2設定時間ts2の間、ワークWが回転速度ω2で回転する。第2設定時間ts2は、第1設定時間ts1と異なっていてもよく、同じであってもよい。
次に(第2設定時間ts2の経過後に)、制御装置100は、ステップS07を実行する。ステップS07では、例えば、制御装置100が、保持部22に保持されているワークWの回転速度を変更するように回転駆動部24を制御する。制御装置100は、図6に示されるように、例えば、ワークWの回転を回転速度ω2から回転速度ω3まで加速させるように回転駆動部24を制御する。回転速度ω3は、液処理手順の実行前に定められており、回転速度ω1と同じであってもよく、異なっていてもよい。
次に、制御装置100は、ステップS08を実行する。ステップS08では、例えば、制御装置100が、ワークWが回転速度ω3で回転し始めてから第3設定時間ts3が経過するまで待機する。これにより、第3設定時間ts3の間、ワークWが回転速度ω3で回転する。第3設定時間ts3は、ワークWに供給された処理液の膜が表面Wa上に形成される程度に設定されており、液処理手順の実行前に定められている。
第3設定時間ts3が経過すると、例えば、制御装置100は、ワークWの回転を停止するように回転保持部20を制御する。以上により、処理対象のワークWに対する一連の液処理手順が終了する。この液処理手順の実行後に、制御装置100は、処理対象のワークWを熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、処理液(レジスト液)の膜が形成された状態のワークWに加熱処理を施すように熱処理ユニットU2を制御する。これにより、ワークWの表面Waにおいてレジスト膜が形成される。
[制御装置の詳細]
続いて、制御装置100の一例について詳細に説明する。制御装置100(特徴量推定装置)は、上記液処理手順を含む膜形成処理等の基板処理を実行するように塗布現像装置2を制御する機能に加えて、膜厚等の形状特徴量を推定する機能を有する。制御装置100は、ワークWの生産を行う生産段階において、各種の基板処理を実行するように塗布現像装置2を制御する。制御装置100は、生産段階に移行する前の準備段階において、生産段階での基板処理に関する制御条件を設定(調節)するために、膜厚等の形状特徴量を推定する処理を実行する。準備段階では、制御装置100が設けられた基板処理システム1において、生産段階での基板処理(例えば、上記液処理手順を含む膜形成処理)に対応する事前処理が実行されてもよい。準備段階での処理は、例えば、塗布現像装置2を初めて稼働する際に、又は、制御条件を変更して稼働を再開する際に実行される。
制御装置100は、機能上の構成として(以下、「機能モジュール」という。)として、例えば、図6に示されるように、条件記憶部112と、動作指示部114と、入力情報取得部118と、データ取得部122と、モデル生成部124と、モデル選択部126と、推定値算出部128と、条件変更部142と、を有する。これらの機能モジュールが実行する処理は、制御装置100が実行する処理に相当する。
条件記憶部112は、ワークWに対する基板処理での制御条件を記憶する機能モジュールである。条件記憶部112は、例えば、ワークWに対する上記液処理手順での制御条件を記憶する。液処理手順での制御条件においては、複数のパラメータが設定されている(複数のパラメータそれぞれの値が定められている)。複数のパラメータそれぞれは、液処理手順での制御内容の少なくとも一部を規定する。液処理手順を規定する複数のパラメータは、例えば、処理液の吐出を継続する時間(又は、第1設定時間ts1)、処理液を吐出する際のワークWの回転速度ω1、処理液の吐出完了後の回転速度ω2、回転速度ω2で回転させる時間(第2設定時間ts2)、乾燥を行う際の回転速度ω3、及び、回転速度ω3で回転させる時間(第3設定時間ts3)を含む。
動作指示部114は、条件記憶部112が記憶する制御条件に従って、ワークWに対して基板処理を施すように塗布現像装置2を制御する機能モジュールである。動作指示部114は、例えば、条件記憶部112が記憶する液処理手順での制御条件に従って、上述したステップS01~S08を含む液処理手順を実行するように液処理ユニットU1を制御する。入力情報取得部118は、ユーザからの指示を示す入力情報を入出力デバイス102から取得する機能モジュールである。
データ取得部122は、準備段階において、事前処理が施されたワークWの表面Waにおける膜厚を測定することで得られた実測データを取得する機能モジュールである。事前処理で用いられるワークWは、生産段階において基板処理が施されるワークWと同種のものであってもよい。準備段階では、複数の事前処理条件のそれぞれに従って(各事前処理条件に従って)、基板処理に対応する事前処理が実行される。液処理手順を含む膜形成処理に対応する事前処理では、上述のステップS01~S08と同様の処理と熱処理ユニットU2での加熱処理とが実行される。
複数の事前処理条件のそれぞれは、上記制御条件に対応する条件であり、制御条件と同種の複数のパラメータ(膜形成処理に関する複数のパラメータ)を有する。複数の事前処理条件では、複数のパラメータのうちの1以上のパラメータの設定値が、互いに異なっている。複数の事前処理条件は、複数回の事前処理を実行する前に、ユーザによって定められてもよい。データ取得部122は、測定ユニット18から、複数回の事前処理それぞれについて、事前処理後の膜厚分布の実測データを取得してもよい。膜厚分布の実測データには、ワークWの表面Waにおける複数の測定箇所の膜厚の測定値が含まれる。
モデル生成部124は、準備段階において、データ取得部122により取得された実測データに基づいて、複数の回帰モデルを生成する機能モジュールである。複数の回帰モデルそれぞれは、制御条件(事前処理条件)に含まれる複数のパラメータのうちの任意に選択された1以上のパラメータ(以下、「対象パラメータ」という。)と膜厚との関係を表すモデルである。1以上の対象パラメータは、ユーザが、複数のパラメータの中から任意に選択可能となっている。複数の回帰モデルそれぞれは、1以上の対象パラメータの入力値に応じて、膜厚の推定値を出力するように生成された回帰式である。複数の回帰モデル(回帰式)は、1次のモデルと、2次以上の高次のモデルとを含んでもよい。一例では、モデル生成部124は、複数の回帰モデルとして、1次の回帰モデル、2次の回帰モデル、及び、3次の回帰モデルを生成する。モデル生成部124は、ワークWの表面Waにおける複数箇所それぞれについて(箇所ごとに)、複数の回帰モデルを生成する。上記複数箇所は、測定ユニット18において膜厚が測定される複数の測定箇所に相当する。
モデル選択部126は、準備段階において、モデル生成部124によって生成された複数の回帰モデルの中から、膜厚の推定値の算出に用いる1つの回帰モデルを選択する機能モジュールである。以下、モデル選択部126によって選択される対象の回帰モデルを「選択モデル」と称する。モデル選択部126は、複数の箇所それぞれについて(箇所ごとに)、複数の回帰モデルの中から選択モデルを選択してもよい。モデル選択部126は、複数の回帰モデルそれぞれについて、膜厚の推定結果の信頼度を表す指標値を算出し、複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価する。そして、モデル選択部126は、指標値の算出結果と、上記設定方法の適性の評価結果とに基づいて、複数の回帰モデルの中から選択モデルを選択する。指標値の算出手順、及び、設定方法の適性の評価手順の具体例については後述する。
推定値算出部128は、選択モデル(1つの回帰モデル)を利用して、1以上の対象パラメータの任意の値に対応する膜厚の推定値を算出する機能モジュールである。推定値算出部128によって膜厚の推定値の算出に用いられる選択モデルは、モデル選択部126によって選択された1つの回帰モデルである。1以上の対象パラメータの任意の値は、入出力デバイス102を介してユーザによって入力されてもよい。推定値算出部128は、1以上の対象パラメータの任意の値を選択モデルに入力して得られる出力結果を、膜厚の推定値として算出する。推定値算出部128は、ワークWの表面Waにおける複数の測定箇所それぞれについて、対応する選択モデルを用いて膜厚の推定値を算出することで、膜厚分布の推定結果(以下、「推定膜厚分布」という。)を演算してもよい。推定値算出部128は、1以上の対象パラメータの複数の任意の値それぞれについて、推定膜厚分布を推定してもよい。推定値算出部128は、膜厚の推定値、又は、推定膜厚分布を入出力デバイス102に出力してもよい。
条件変更部142は、条件記憶部112に記憶されている制御条件を変更(更新)する機能モジュールである。条件記憶部112には、制御条件を構成する複数のパラメータそれぞれの基準値が予め記憶されていてもよい。条件変更部142は、例えば、入出力デバイス102を介したユーザの指示に応じて、制御条件を変更する。オペレータ等のユーザが、推定値算出部128によって出力された推定膜厚分布を確認した後に、制御条件を変更するための指示を行ってもよい。一例では、ユーザは、対象パラメータの値が異なる複数の推定膜厚分布の中から、要求される性能(例えば、膜厚の均一性)に最も適した推定膜厚分布を抽出し、抽出された推定膜厚分布が得られる対象パラメータの値を制御装置100に入力する。ユーザによる確認に代えて、制御装置100が、対象パラメータの値が異なる複数の推定膜厚分布の中から、要求される性能に最も適した推定膜厚分布を自律的に抽出して、その分布が得られる対象パラメータの値を推奨値として出力してもよい。
制御装置100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。制御装置100は、例えば、図7に示される回路150を有する。回路150は、一つ又は複数のプロセッサ152と、メモリ154と、ストレージ156と、入出力ポート158と、タイマ162と、を有する。ストレージ156は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。記憶媒体は、上記液処理手順、及び、後述する特徴量推定手順を含む基板処理方法を制御装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。
メモリ154は、ストレージ156の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ152による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ152は、メモリ154と協働して上記プログラム(推定プログラム)を実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。入出力ポート158は、プロセッサ152からの指令に従って、回転保持部20、処理液供給部30、測定ユニット18、及び入出力デバイス102等との間で電気信号の入出力を行う。
制御装置100が複数の制御用コンピュータで構成される場合、各機能モジュールがそれぞれ、個別の制御用コンピュータによって実現されていてもよい。制御装置100は、条件記憶部112及び動作指示部114を含む制御用コンピュータと、データ取得部122、モデル生成部124、モデル選択部126、及び、推定値算出部128を含む制御用コンピュータ(特徴量推定装置)とで構成されてもよい。あるいは、これらの各機能モジュールがそれぞれ、2つ以上の制御用コンピュータの組み合わせによって実現されていてもよい。これらの場合、複数の制御用コンピュータは、互いに通信可能に接続された状態で、基板処理方法を連携して実行してもよい。
制御装置100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御装置100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
[特徴量推定方法]
制御装置100は、準備段階において、膜厚等の形状特徴量を推定するための一連の処理(特徴量推定方法)を実行する。この一連の処理には、例えば、複数回の事前処理で得られた実測データから回帰モデルを生成する一連の処理と、膜厚分布を推定する一連の処理とが含まれる。最初に、回帰モデルを生成する一連の処理の一例について説明する。回帰モデルを生成する一連の処理では、ユーザによって、膜厚分布の変化を確認して、制御条件での値を設定(調節)したい1以上の対象パラメータが予め設定されていてもよい。以下では、1以上の対象パラメータが2つの対象パラメータである場合を例示する。例えば、1つの対象パラメータ(以下、「第1パラメータ」という。)が処理液の吐出を継続する時間であり、他の1つの対象パラメータ(以下、「第2パラメータ」という。)が処理液の吐出中におけるワークWの回転速度である。
(回帰モデルの生成)
図8は、回帰モデルを生成する一連の処理を示すフローチャートである。この一連の処理では、制御装置100が、最初に、ステップS21を実行する。ステップS21では、例えば、入力情報取得部118が、事前処理用の複数のワークWそれぞれに対して、事前処理を実行する際の事前処理条件を示すユーザ指示を取得する。入力情報取得部118は、複数回の事前処理についての複数の事前処理条件を示す情報を取得する。各事前処理条件では、第1パラメータの値及び第2パラメータの値が定められている。事前処理条件において、第1パラメータ及び第2パラメータ以外のパラメータの値は、生産段階で用いる制御条件での設定値と同じ値に設定されている。
ステップS21では、複数の事前処理条件の間で第1パラメータの値及び第2パラメータの値の少なくとも一方が異なるように、複数の事前処理条件がユーザにより設定される。すなわち、複数の事前処理条件のうちの任意の2つの条件では、第1パラメータの値及び第2パラメータの値のどちらか一方が異なるか、第1パラメータの値及び第2パラメータの値の双方が異なる。ここで、k回目に実行する事前処理での第1パラメータの値を「p1k」と定義し、k回目に実行する事前処理での第2パラメータの値を「p2k」と定義する。kは、1からNまでの整数であり、Nは2以上の整数である。複数の事前処理条件には、(p11,p21)、(p12,p22)、・・・、及び(p1N,p2N)が含まれる。Nは、事前処理を実行する回数に相当する。
p1kそれぞれの値、及びp1kの最小値と最大値との幅である設定範囲は、ユーザによって任意に設定される。p1kは、2以上の異なる値を含んでいる。p1kは全て異なる値に設定されてもよく、p1kの一部が同じ値に設定されてもよい。p2kそれぞれの値、及びp2kの最小値と最大値との幅である設定範囲は、ユーザによって任意に設定される。p2kは、2以上の異なる値を含んでいる。p2kは全て異なる値に設定されてもよく、p2kの一部が同じ値に設定されてもよい。p1k及びp2kの設定の一例が図9に示されている。
次に、制御装置100は、ステップS22,S23を実行する。ステップS22では、例えば、制御装置100が、対象パラメータの値の初期設定を行う。一例では、制御装置100は、第1パラメータ及び第2パラメータを(p11,p21)に設定する。ステップS23では、例えば、動作指示部114が、ステップS22で設定された事前処理条件に従って、事前処理用のワークWに対して液処理が施されるように、液処理ユニットU1を制御する。1回目の事前処理では、第1パラメータがp11に設定され、第2パラメータがp21に設定された状態で液処理ユニットU1における液処理が実行される。ステップS23では、第1パラメータ及び第2パラメータの値を除いて、上記ステップS01~S08と同様の一連の処理が実行される。
次に、制御装置100は、ステップS24,S25を実行する。ステップS24では、例えば、動作指示部114が、生産段階での熱処理と同じ条件で、ステップS23の液処理が施された後の事前処理用のワークWに対して熱処理を施すように、熱処理ユニットU2を制御する。ステップS25では、例えば、データ取得部122が、ステップS24での熱処理が施された後の事前処理用のワークWの表面Waに形成されたレジスト膜に関する膜厚分布を測定した結果を、実測データとして測定ユニット18から取得する。
次に、制御装置100は、ステップS26を実行する。ステップS16では、例えば、制御装置100が、全ての事前処理条件での事前処理が終了したか否かを判断する。ステップS26において、全ての事前処理条件での事前処理が終了していないと判断された場合(ステップS26:NO)、制御装置100が実行する処理は、ステップS27に進む。ステップS27では、例えば、制御装置100が、対象パラメータの値を変更する。1回目の事前処理が実行された後では、制御装置100が、第1パラメータ及び第2パラメータを(p12,p22)に設定する。
以降、制御装置100は、N回の事前処理が行われるまで、ステップS23~S27の一連の処理を、複数の事前処理用のワークWに対して繰り返し実行する。以上のように、制御装置100は、事前処理条件ごとに、事前処理用のワークWに対して、上記液処理手順及び熱処理を含む膜形成処理に対応する事前処理を施す。そして、制御装置100は、事前処理条件ごとに(1回の事前処理ごとに)、事前処理後のワークWの表面Waにおける線幅分布の実測データを取得する。
ステップS26において、全ての事前処理条件での事前処理が終了したと判断された場合(ステップS26:YES)、制御装置100が実行する処理は、ステップS28に進む。ステップS28では、例えば、モデル生成部124が、ステップS25を繰り返すことで得られる膜厚分布の実測データに基づいて、レジスト膜を形成する膜形成処理後のワークWの表面Waにおける膜厚分布を予測するための複数の回帰モデルを生成する。モデル生成部124は、測定ユニット18による膜厚の測定箇所ごとに、複数の回帰モデルを生成する。
図8に示される一連の処理では、制御装置100は、第1パラメータ及び第2パラメータの設定値を変化させながら、複数回(N回)の事前処理を実行する。制御装置100のデータ取得部122は、1回の事前処理を実行する度に、測定ユニット18から膜厚分布の測定結果を取得する。複数の事前処理の間では、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方の値が異なるので、得られる膜厚分布の実測データが異なる。図9には、事前処理ごとの第1パラメータ及び第2パラメータの値の一例と膜厚分布の測定結果の一例とが表で示されている。複数の事前処理条件それぞれに従った事前処理が実行された後に、モデル生成部124は、それぞれのモデルが予め設定された1以上の対象パラメータと膜厚との関係を表すように複数の回帰モデルを生成してもよい。
図10(a)及び図10(b)には、複数の回帰モデルの一例を説明するための模式図が示されている。モデル生成部124は、ワークWの表面Waにおける複数の測定箇所それぞれについて、当該測定箇所での膜厚の予測値を算出可能な複数の回帰モデルを生成する。1つの測定箇所に着目した場合、複数の回帰モデルは、その測定箇所での膜厚の推定値を算出するように構築される。1つの測定箇所に対応付けられた複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっている。モデル生成部124は、事前処理後(準備段階で実行されるレジスト膜を形成する膜形成処理後)に測定された膜厚分布での測定箇所ごとに、当該測定箇所における膜厚の実測値(複数の実測値)に基づいて、回帰モデルを生成する。
図10(a)において、「Pi」は各測定箇所を示しており、各測定箇所を表すPiは、ワークWの表面WaにおいてワークWの中心CPを通る1つの直線状のラインL上に設定されている。ラインL上において、複数の測定箇所は、互いに等間隔に設定されている。「Pi」における「i」は、1からM(Mは、2以上の整数)までの数を表す。図10(a)に示される例では、iは1~13であり、7番目の測定箇所が中心CPに一致する。なお、ラインL上において設定される複数の測定箇所の個数は、13に限られず、表面Waにおける膜厚の変化の傾向が観測できる程度に設定される。
図10(b)において、「F1i(X1,X2)」は、各測定箇所Piに対応する1次の回帰モデルを表す。「F2i(X1,X2)」は、各測定箇所Piに対応する2次の回帰モデルを表し、「F3i(X1,X2)」は、各測定箇所Piに対応する3次の回帰モデルを表す。「X1」は第1パラメータを表し、「X2」は第2パラメータを表す。モデル生成部124は、測定箇所Piごとに、第1パラメータ及び第2パラメータに応じた膜厚(膜厚の予測値)の変化を表す1次の回帰式、2次の回帰式、及び、3次の回帰式を生成する。
図10(b)に示されるグラフでは、1つの測定箇所Piにおいて、事前処理ごとに計測された膜厚の複数の測定値が、黒丸印で示されている。モデル生成部124は、測定箇所Piごとに、当該測定箇所Piでの膜厚の複数の測定値と、それらの測定値が得られた第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれの値(p1k,p2k)とに基づいて、回帰分析を行うことで回帰式(回帰平面)を生成する。モデル生成部124は、いかなる方式で回帰分析を行ってもよい。モデル生成部124は、例えば、リッジ回帰(リッジ回帰分析)により、互いに異なる次数を有する複数の回帰モデルを生成する。
(膜厚分布の推定)
図11は、膜厚分布を推定する一連の処理を示すフローチャートである。この一連の処理では、例えば、制御装置100が、ステップS31を実行する。ステップS31では、例えば、入力情報取得部118が、推定膜厚分布を算出する第1パラメータ及び第2パラメータの値を予測条件として取得する。一例では、ユーザは、第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれについて、複数の事前処理条件での設定範囲(最小値から最大値までの範囲)内から、推定膜厚分布を確認したい値を決定して、入出力デバイス102を介して、その値を制御装置100に入力する。
次に、制御装置100は、ステップS32を実行する。ステップS32では、例えば、モデル選択部126が、上述のステップS21で取得された複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価する。複数の事前処理条件の設定方法とは、複数の事前処理条件における対象パラメータの複数の値についての設定方法を意味する。設定方法の適性の評価では、上述した回帰分析(機械学習)で得られる回帰モデルを利用して、複数の事前処理条件の対象パラメータの設定範囲において、精度よく推定値を算出できる性質が評価される。モデル選択部126は、設定方法の適性を評価する際に、設定方法がどの程度適正であるかを複数段階に評価してもよい。一例ではモデル選択部126は、設定方法の適性を評価する際に、設定方法が適正であるか否かを判定してもよい。設定方法が適正か否かとは、回帰モデルを利用して、複数の事前処理条件の対象パラメータの設定範囲において、精度よく推定値を算出できるか否かを意味する。例えば、モデル選択部126は、回帰モデルを生成する際に利用される複数の事前処理条件において、第1パラメータの複数の値、及び第2パラメータの複数の値の選択のされ方が、回帰モデルを利用して精度良く推定値を算出できるものか否かを判定する。対象パラメータの設定範囲(膜厚分布を推定したい下限から上限までの範囲)は、ユーザによって定められてもよい。以下、設定方法の適性の評価において、設定方法が適正か否かを判定する場合を例に説明する。
図12には、複数の事前処理条件での第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれの値の設定方法が互いに異なる3つのデータ群が示されている。図12に示されるグラフにおいて、プロットされた1つの黒丸が、1つの事前処理条件での第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれの値を表している。図12において(I)で示される2次元のグラフでは、設定範囲の全体において偏りなくデータが点在しており、データ群が対称性を有している(X1及びX2それぞれの軸の中央の線に関して線対称である)。一方、(II)及び(III)で示される2次元のグラフでは、設定範囲において、(I)で示されるグラフに比べて、ある特定の領域においてデータが存在しない空白領域がある。設定範囲において空白領域があるデータ群を用いて回帰モデルを生成し、その空白領域において、その回帰モデルを利用して膜厚を推定しようとすると、推定値が実測値に対して大きくずれてしまうおそれがある。
一例では、2以上の対象パラメータが設定されている場合、モデル選択部126は、以下の3つの評価(評価1、評価2、及び、評価3)を行って、上記設定方法が適正か否かを判定する。モデル選択部126は、3つの評価のうちのいずれか1つの結果が、評価判定の基準を満たさない場合に、上記設定方法が適正でないと判定してもよい。そして、モデル選択部126は、3つの評価の全て結果が評価判定の基準を満たす場合に、上記設定方法が適正であると判定してもよい。
評価1:2以上の対象パラメータの値の組合せの個数が、所定数以上であるか。
評価2:対象パラメータごとの複数の値について、データの偏りを表す評価値が所定条件を満たすか。
評価3:2以上の対象パラメータの間の規則性を表す評価値が所定条件を満たすか。
上記評価1では、モデル選択部126が、2以上の対象パラメータの設定値の組合せの個数(上述の例では、N)が、所定数以上であるか否かを判定する。モデル選択部126は、上記組合せの個数が所定数以上である場合に、評価判定の基準を満たすと判定し、上記組合せの個数が所定数よりも小さい場合に、評価判定の基準を満たさないと判定する。所定数は、予め定められており、一例では7~15である。
上記評価2では、モデル選択部126は、対象パラメータごとに、複数の事前処理条件における当該パラメータの複数の設定値について、データの偏りの程度を表す評価値を算出する。以下、データの偏りの程度を表す評価値を、説明の便宜のために「第1評価値a1」と表記する。そして、モデル選択部126は、第1評価値a1の算出結果に基づいて、上記設定方法が適正か否かを判定する。一例では、モデル選択部126は、第1評価値a1が所定の第1閾値以下である場合に、評価判定の基準を満たすと判定し、第1評価値a1が第1閾値よりも大きい場合に、評価判定の基準を満たさないと判定する。
図13には、図12に示される3種類のデータ群に対応する、第2パラメータ(X2)に関するヒストグラムが示されている。図13に示されるヒストグラムでは、横軸が、第2パラメータを表し、縦軸がデータの数を表す。モデル選択部126は、ヒストグラム上での個数の最大値から、ヒストグラム上での個数の平均値を減算した値を、第1評価値a1として算出してもよい。図13において、(I)で示されるヒストグラムでは、個数の最大値が3であり、個数の平均値が2.6(=13/5)である。(II)で示されるヒストグラムでは、個数の最大値が8であり、個数の平均値が約2.2(=13/6)である。(III)で示されるヒストグラムでは、個数の最大値が5であり、個数の平均値が1.8(=9/5)である。
モデル選択部126は、第2パラメータについて、第1評価値a1が第1閾値以下であるか否かを判定する。第1閾値は、予め定められており、一例では0.8~2.0である。モデル選択部126は、第1パラメータについても同様に、第1評価値a1を算出して、第1閾値以下であるか否かを判定する。モデル選択部126は、第1パラメータ及び第2パラメータの双方について、第1評価値a1が第1閾値以下である場合に、評価判定の基準を満たすと判定してもよい。モデル選択部126は、第1パラメータ及び第2パラメータのいずれか一方について、第1評価値a1が第1閾値よりも大きい場合に、評価判定の基準を満たさないと判定してもよい。図12及び図13に示される例では、(I)のデータ群が、評価2での評価判定の基準を満たすと判定され、(II)及び(III)のデータ群が、評価2での評価判定の基準を満たさないと判定される。
上記評価3では、モデル選択部126は、複数の事前処理条件における2以上の対象パラメータそれぞれの複数の設定値について、2以上の対象パラメータの間の規則性の評価値を算出する。モデル選択部126は、例えば、複数の事前処理条件における第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれの複数の設定値について、第1パラメータ及び第2パラメータの間の規則性の評価値を算出する。以下では、2以上の対象パラメータの間の規則性の評価値を、説明の便宜のために「第2評価値a2」と表記する。第2評価値a2は、2以上の対象パラメータの間に、どの程度の規則性があるか(どの程度の相関があるか)を表す。そして、モデル選択部126は、第2評価値a2の算出結果に基づいて、上記設定方法が適正か否かを判定する。
第2評価値a2は、2以上の対象パラメータの設定範囲において、それらの対象パラメータそれぞれの複数の設定値が、グラフ上にプロットした際の対称性の度合いを表す。規則性がないほど(相関がないほど)、対称性の度合いが高くなる。モデル選択部126は、2以上の対象パラメータの間の相関行列を作成したうえで、その相関行列の行列式を求めることで、第2評価値a2を算出する。なお、モデル選択部126は、相関行列の行列式を演算すればよく、相関行列の行列式を演算することに、相関行列を作成することが含まれる。第2評価値a2は、上記相関行列の行列式の演算結果である。
2以上の対象パラメータが第1パラメータ及び第2パラメータである場合、第2評価値a2は、次の式(1)で表される相関行列の行列式を演算することで算出される。
Figure 2024027989000002
上記式(1)に含まれる行列式(相関行列)において、r12及びr21は、第1パラメータの複数の設定値と、第2パラメータの複数の設定値との間の相関係数である。第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれの複数の設定値に関する対称性の度合いが大きいほど、相関係数が0に近づく。その結果、対称性の度合いが大きいほど、第2評価値a2が1に近づく。反対に、対称性の度合いが小さいほど、相関係数が1に近づき、第2評価値a2が0に近づく。
モデル選択部126は、第2評価値a2が所定の第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、予め定められており、一例では0.9~1.0である。第2閾値が1.0に設定される場合には、モデル選択部126は、第2評価値a2が1であるか否かを判定する。モデル選択部126は、第2評価値a2が第2閾値以上である場合に、評価判定の基準を満たすと判定してもよい。モデル選択部126は、第2評価値a2が第2閾値よりも小さい場合に、評価判定の基準を満たさないと判定してもよい。図12及び図13に示される例では、(I)及び(III)のデータ群が、評価3での評価判定の基準を満たすと判定され、(II)のデータ群が、評価3での評価判定の基準を満たさないと判定される。
図12に示される例において、以上の評価1~3での判定をまとめると、(I)のデータ群では、評価1~3の全てにおいて評価判定の基準を満たすと判定されるので、モデル選択部126は、複数の事前処理条件の設定方法が適正であると判定する。(II)のデータ群では、評価2及び評価3において評価判定の基準を満たさないと判定されるので、モデル選択部126は、複数の事前処理条件の設定方法が適正でないと判定する。(III)のデータ群では、評価3において評価判定の基準を満たさないと判定されるので、モデル選択部126は、複数の事前処理条件の設定方法が適正でないと判定する。
1つの対象パラメータが設定されている場合(1つの対象パラメータと膜厚との関係を表す回帰モデルを生成する場合)、モデル選択部126は、評価3での判定を行わずに、評価1及び評価2での判定を行うことで、上記設定方法が適正か否かを判定してもよい。1つの対象パラメータが設定される場合の評価1での判定において、判定可否に用いる所定数は、3~6であってもよい。
1つの対象パラメータが設定される場合の評価2での判定では、モデル選択部126は、上述の判定方法(第1評価値a1を用いた判定方法)とは異なり、次の判定方法に従って、設定方法が適正か否かを判定してもよい。モデル選択部126は、対象パラメータの複数の設定値の中に、最小値、1/4値、中央値、3/4値、及び最大値の全てが含まれている場合に、設定方法が適正であると判定してもよい。モデル選択部126は、対象パラメータの複数の設定値の中に、最小値、1/4値、中央値、3/4値、及び最大値のいずれか1つが含まれない場合に、設定方法が適正でないと判定してもよい。1/4値とは、最小値に対して、(最大値-最小値)/4を加算して得られる値である。3/4値とは、最小値に対して、3×(最大値-最小値)/4を加算して得られる値である。
図14には、複数の事前処理条件での第2パラメータの値の設定方法が互いに異なる3つのデータ群が示されている。図14に示される例では、第2パラメータのみが対象パラメータとして設定されている。図14において、(I)及び(II)で示されるデータ群では、最小値、1/4値、中央値、3/4値、及び最大値が全て含まれている。そのため、モデル選択部126は、設定方法が適正であると判定する。一方、(III)で示されるデータ群では、1/4値、及び3/4値が含まれていない。そのため、モデル選択部126は、設定方法が適正でないと判定する。図14において、最小値、1/4値、中央値、3/4値、及び最大値のいずれかに該当するデータが黒丸で表され、上記5種の値のいずれにも該当しないデータが白抜きの丸で表されている。
モデル選択部126は、評価1、評価2、及び、評価3のうちの少なくとも2つの評価において判定基準を満たすと判定した場合に、設定方法が適正であると判定してもよい。複数の事前処理条件の設定方法が適正か否かの判定方法は、上述の例に限られない。2以上の対象パラメータが設定される場合において、モデル選択部126は、評価1、評価2、及び、評価3のうちの少なくとも1つ又は2つの評価手法によって、設定方法が適正か否かを判定してもよい。
図11に戻り、ステップS32の実行後に、制御装置100は、ステップS33を実行する。ステップS33では、例えば、モデル選択部126が、ステップS32での評価結果が適正であるか否かを判断する。評価結果が適正でないと判断される場合(ステップS33:NO)、制御装置100が実行する処理は、ステップS34に進む。ステップS34では、例えば、モデル選択部126が、ステップS28で生成された複数の回帰モデルの中から、膜厚の推定に用いる回帰モデル(上記選択モデル)の候補となる1以上の候補モデルを絞り込む。
ステップS34で絞り込まれる1以上の候補モデルの個数は、ステップS28で生成された複数の回帰モデルの個数よりも少ない。この場合、モデル選択部126は、ステップS34において、複数の回帰モデルの中から、複数の回帰モデルの個数よりも少ない1以上の候補モデルに選定する処理を行う。モデル選択部126は、例えば、複数の回帰モデルのうちの次数が高い1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを1以上の候補モデルに設定する。一例では、モデル選択部126は、複数の回帰モデルのうちの2次及び3次の回帰モデルを除外したうえで、1次の回帰モデルを候補モデルに設定する。モデル選択部126は、全ての測定箇所それぞれにおいて、複数の回帰モデルを1以上の候補モデルに絞り込む(例えば、1次の回帰モデルだけを候補モデルに設定する)。
一方、ステップS33において、評価結果が適正であると判断される場合(ステップS33:YES)、制御装置100が実行する処理は、ステップS35に進む。ステップS35に進む場合、モデル選択部126は、複数の回帰モデルをそのまま、1以上の候補モデルに設定する。この場合、モデル選択部126は、複数の回帰モデルの中から、全てのモデルを1以上の候補モデルとして選定する。一例では、モデル選択部126は、1次、2次、及び、3次の回帰モデルをそのまま3つの候補モデルに設定する。モデル選択部126は、全ての測定箇所それぞれにおいて、複数の回帰モデルから絞込みを行わずに、複数の回帰モデルをそのまま複数の候補モデルに設定する。
以上のステップS32~S34では、モデル選択部126は、複数の事前処理条件の設定方法が適正か否かの判定結果に基づいて、複数の回帰モデルの中から、上記選択モデルの候補となる1以上の候補モデルを選定する。モデル選択部126は、設定方法が適正でないと判定された場合に、複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを1以上の候補モデルに設定する。モデル選択部126は、設定方法が適正か否かの判定結果において、設定方法が適正でないと判定された場合に、複数の回帰モデルのうちの次数が高い1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを1以上の候補モデルに設定してもよい。一例では、モデル選択部126は、設定方法が適正か否かの判定結果において、設定方法が適正でないと判定された場合に、複数の回帰モデルのうちの2次及び3次の回帰モデルを除外したうえで、1次の回帰モデルを候補モデルに設定する。また、モデル選択部126は、設定方法が適正であると判定された場合に、複数の回帰モデル(例えば、1次、2次、及び3次の複数の回帰モデル)をそのまま1以上の候補モデルに設定してもよい。
次に、制御装置100は、ステップS35を実行する。ステップS35では、例えば、モデル選択部126が、1以上の候補モデルそれぞれについて、形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出する。モデル選択部126は、測定箇所ごとに(複数の測定箇所それぞれについて)、指標値を算出する。ステップS34が実行された場合には、モデル選択部126は、測定箇所ごとに、絞り込まれた1以上の候補モデルそれぞれについて指標値を算出する。ステップS34が実行されていない場合には、モデル選択部126は、測定箇所ごとに、ステップS28で生成された複数の回帰モデルそれぞれについて指標値を算出する。
ステップS35で算出される指標値は、例えば、AIC(赤池情報量基準)である。指標値としてのAICは、候補モデルごとに、複数の事前処理条件の対象パラメータの複数の設定値を候補モデルにそれぞれ入力した際の予測値と実測データでの測定値との平均2乗誤差(MSE)と、モデルの次数とに基づいて算出される。次数が高いほど、複数の設定値に対するモデルのフィッティング(fitting:適合度)は良くなる(平均2乗誤差は小さくなる)が、過学習のリスクが大きくなる。AICでは、複数の事前処理条件における複数の設定値に対するモデルのフィッティングの良さと、次数が増えることに伴う過学習のリスクとが総合的に考慮されて算出される。AICでは、値が小さいほど推定結果の信頼度が高いモデルであることを意味する。なお、AICは指標値の一例であって、モデル選択部126は、AICに代えて、有限修正AIC(c-AIC)等のその他のモデル選択基準を用いてもよい。
次に、制御装置100は、ステップS36を実行する。ステップS36では、例えば、モデル選択部126が、ステップS28で生成された複数の回帰モデルの中から、ステップS35での指標値の算出結果と、ステップS32での設定方法が適正か否かの判定結果とに基づいて、1つの回帰モデルを選択モデルとして選択する。モデル選択部126は、測定箇所ごとに(複数の測定箇所それぞれについて)、指標値の算出結果と上記設定方法が適正か否かの判定結果とに基づき選択モデルを決定する。モデル選択部126は、ステップS35での指標値の算出結果に基づいて、1以上の候補モデルの中から選択モデルを選択する。モデル選択部126は、例えば、ステップS32での判定結果により選定された1以上の候補モデルのうちの、指標値により最も信頼度が高いと判断された回帰モデルを選択する。一例では、モデル選択部126は、1以上の候補モデルのうちの、AICが最も小さい回帰モデルを選択モデルとして選択する。
図15には、測定箇所ごとに、1次、2次、及び、3次の回帰モデルの中から、1つのモデルが選択される様子が模式的に示されている。任意の2以上の測定箇所の間において、複数の回帰モデルそれぞれの指標値の算出結果が異なり、選択されるモデルの次数が互いに異なる場合もある。なお、ステップS34において1つの候補モデルに選定される(絞り込まれる)場合には、ステップS35の処理が省略されてもよい。そして、モデル選択部126は、ステップS36において、1つの候補モデルを、そのまま選択モデルに設定してもよい。
次に、制御装置100は、ステップS37を実行する。ステップS37では、例えば、推定値算出部128が、ステップS36で選択された回帰モデルを用いて、ステップS31で取得した予測条件(1以上の対象パラメータの値)に対応する膜厚の推定値を算出する。推定値算出部128は、複数の測定箇所それぞれについて、その箇所で決定された選択モデルに予測条件で定める1以上の対象パラメータの値(例えば、第1パラメータ及び第2パラメータそれぞれの値)を入力することで、膜厚の推定値を算出する。これにより、ワークWの表面Waにおける膜厚の変動を表す膜厚分布の推定結果が得られる。
次に、制御装置100は、ステップS38を実行する。ステップS38では、例えば、推定値算出部128が、ステップS37で算出した推定膜厚分布を入出力デバイス102に出力する。ステップS38の実行により、ユーザが、ステップS31での予測条件に対応した推定膜厚分布を確認することができる。以上により、膜厚分布を推定する一連の処理が終了する。ユーザは、目的とする膜厚分布が得られるまで、予測条件を変化させながら、ステップS31~S38の一連の処理を制御装置100に繰り返し実行させてもよい。推定値算出部128は、予測膜厚分布において、表面Waにおける面内均一性の指標を更に算出して、その指標を入出力デバイス102に出力してもよい。推定値算出部128は、複数の予測条件の中から、面内均一性の指標が最も高い予測膜厚分布が得られる1以上の対象パラメータの値を抽出して、入出力デバイス102に出力してもよい。
ステップS31~S38の一連の処理が実行された後に、ユーザ、又は、制御装置100自身の処理によって、生産段階での液処理手順に用いる1以上の対象パラメータの値が設定されてもよい。一例では、条件変更部142は、入出力デバイス102を介したユーザの入力に応じて、又は、推定値算出部128により抽出された対象パラメータの値に従って、条件記憶部112に記憶されている制御条件を変更する。
[モデル選択の検証結果]
図16には、複数の回帰モデルの中から、推定結果の信頼度を表す指標値を用いて回帰モデルを選択した上で算出された推定膜厚分布の検証結果を表すグラフが示されている。推定膜厚分布の検証では、比較例として、全ての測定箇所において1次、2次、又は、3次の回帰モデルのいずれか1つの回帰モデルを用いて推定膜厚分布を算出した結果を用意した。そして、測定箇所ごとに、1次、2次、及び3次の回帰モデルの中から、AICが小さいモデルを用いて推定膜厚分布を算出して、比較例での結果と比較した。1次、2次、及び、3次の回帰モデルについては、同じ複数の事前処理条件から、リッジ回帰分析により生成した。第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方が異なる3つの条件(条件1、条件2、及び、条件3)それぞれで、予測膜厚分布を算出したうえで、予測膜厚分布と実測の膜厚分布と比較した。予測膜厚分布と実測膜厚分布との比較では、複数の測定箇所における予測値と実測値その差分の平均を、平均誤差として算出した。
図16に示されるグラフでは、「ΔRidge_1」は、全ての測定箇所において1次の回帰モデルを用いて予測膜厚分布を得たうえで、算出された平均誤差を示している。「ΔRidge_2」は、全ての測定箇所において2次の回帰モデルを用いて予測膜厚分布を得たうえで、算出された平均誤差を示している。「ΔRidge_3」は、全ての測定箇所において3次の回帰モデルを用いて予測膜厚分布を得たうえで、算出された平均誤差を示している。「ΔAIC」は、測定箇所ごとに、AICが小さいモデルを利用して予測膜厚分布を得たうえで、算出された平均誤差を示している。
図16における検証結果から、測定箇所ごとにAICが小さいモデルを選択して予測膜厚分布を算出した場合、全ての測定箇所において同じ次数の回帰モデルを利用して予測膜厚分布を算出する場合に比べて、平均誤差が基本的には小さくなっていることがわかる。なお、条件2において、全ての測定箇所において1次の回帰モデルを利用した場合の平均誤差が小さくなっているが、他の条件1,3では、平均誤差が大きくなっている。そのため、測定箇所ごとにAICを用いてモデルを選択する場合の方が、安定して平均誤差が小さいことがわかる。
[変形例]
図8及び図11のそれぞれに示される上述の一連の処理は一例であり、適宜変更可能である。上記一連の処理において、制御装置100は、一のステップと次のステップとを並列に実行してもよく、上述した例とは異なる順序で各ステップを実行してもよい。制御装置100は、いずれかのステップにおいて、上述した例とは異なる内容の処理を実行してもよい。
制御装置100は、膜厚に代えて、現像処理及び現像に伴う加熱処理を含む所定の処理が施された後のワークWの表面Waにおける線幅の分布を、形状特徴量の分布として予測してもよい。この場合、制御条件(事前処理条件)を構成する複数のパラメータは、例えば、現像処理での現像液の吐出開始タイミング、現像液の吐出を継続する時間、静止現像する際のパドルを維持する時間、現像中に供給される現像液以外の調整液の吐出開始タイミング、及び、調整液の吐出を継続する時間を含む。
測定箇所ごとの選択モデルの選択結果において、互いに隣り合う測定箇所で選択されたモデルの次数の差が大きい場合に、選択モデルの調節が行われてもよい。モデル選択部126は、1つの測定箇所(第1測定箇所)で選択されたモデルの次数と、その測定箇所と隣り合う測定箇所(第2測定箇所)で選択されたモデルの次数との差(以下、「次数差」という。)を算出してもよい。モデル選択部126は、次数差に基づいて、当該差を縮小するために互いに隣り合う測定箇所のいずれか一方で選択されたモデルの修正が必要か否かを判定してもよい。
一例では、1次、2次、及び3次の回帰モデルが生成される場合、モデル選択部126は、次数差が2である場合に、モデルの修正が必要であると判定し、次数差が0又は1である場合に、モデルの修正が必要ではないと判定する。モデル選択部126は、モデルの修正が必要であると判定した場合に、その判定結果を入出力デバイス102に出力してもよい。この場合、モデル選択部126は、判定結果の出力後のユーザの入力に基づいて、いずれかの測定箇所での選択されたモデルを変更してもよい。モデル選択部126は、モデルの修正が必要であると判定した場合に、互いに隣り合う測定箇所で選択された一対のモデルのうち次数が高いモデル(例えば、3次の回帰モデル)を、次数が低いモデル(例えば、2次の回帰モデル)に変更してもよい。
制御装置100は、複数の事前処理条件における設定方法が適正となるように、複数の事前処理条件を補完するための補完条件を算出してもよい。制御装置100は、いずれか1つの対象パラメータ(第1パラメータ)について、複数の事前処理条件における、その対象パラメータの複数の設定値の設定範囲において、分布密度が相対的に小さい領域があるか否かを判定する。そして、制御装置100は、分布密度が相対的に小さい領域があった場合に、上記設定方法が適正と判定されるように、その領域に含まれる値又は範囲を補完条件として算出する。
複数の事前処理条件における設定方法が適正でないと判定された場合でも、複数の事前処理条件のうちの特定の領域に予測条件(ユーザが推定したい対象パラメータの値)が含まれる場合には、回帰モデルの絞込みが行われなくてもよい。制御装置100は、例えば、ユーザが推定したい対象パラメータの値が、複数の事前処理条件における、その対象パラメータの複数の設定値の設定範囲において、分布密度が相対的に大きい領域内にあるか否かを判定する。そして、制御装置100は、推定したい対称パラメータの値が、分布密度が相対的に大きい領域内に含まれる場合に、測定箇所ごとに、1次、2次、及び3次の回帰モデルの中から、指標値に基づきモデルを選択したうえで、推定膜厚分布を算出してもよい。
制御装置100は、制御対象の塗布現像装置2とは別の塗布現像装置2において、複数の事前処理条件に従う複数回の事前処理が実行されて得られる形状特徴量の実測データを、複数の実施処理条件の設定内容と共に取得してもよい。データ取得部122、モデル生成部124、モデル選択部126、及び、推定値算出部128を含むコンピュータが、特徴量推定装置を構成してもよい。特徴量推定装置を構成するコンピュータは、基板処理システム1とは独立して設けられて、塗布現像装置2を制御する機能を有していなくてもよい。
制御装置100は、設定方法の適性の評価において、適正か否かの判定に代えて、3段階以上に適性(適正さの度合い)を評価してもよい。3段階以上の適性の評価結果には、適正でないとの評価(判定)が含まれてもよい。この場合、評価の段階ごとに、回帰モデルの絞込み方法が定められていてもよい。以上に説明した種々の例のうちの1つの例において、他の例において説明した事項の少なくとも一部が適用されてもよい。
[実施形態の効果]
以上に説明した特徴量推定方法は、半導体製造用の所定の処理が施された後のワークWの表面Waにおける形状の特徴を表す形状特徴量を推定する方法である。この特徴量推定方法は、所定の処理に関する複数のパラメータを有する複数の事前処理条件のそれぞれに従って、所定の処理に対応する事前処理が施されたワークWの表面Waにおける形状特徴量の実測データに基づいて、複数のパラメータに含まれる1以上の対象パラメータと形状特徴量との関係を表す複数の回帰モデルを生成することと、複数の回帰モデルのそれぞれについて、形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出することと、複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価することと、指標値の算出結果と、設定方法の適性の評価結果とに基づいて、複数の回帰モデルの中から、1つの回帰モデルを選択モデルとして選択することと、選択モデルを利用して、1以上の対象パラメータの任意の値に対応する形状特徴量の推定値を算出することと、を含む。
回帰モデルを用いて形状特徴量の推定値を算出する方法として、複数の事前処理条件の設定方法に関係なく、また、ユーザが指定する1種類の回帰モデルを利用して、形状特徴量を推定する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ワークWの表面Waにおいて形状特徴量を算出する箇所、又は、推定したいパラメータの値によっては、回帰モデルの推定精度が低い場合がある。これに対して、上記方法では、複数の事前処理条件の設定方法の適性が評価され、且つ、推定結果の信頼度を表す指標値が算出されたうえで、それらの結果に基づきモデルが選択される。そして、選択されたモデルが利用されて、推定値が算出される。そのため、設定方法の適性が、モデルによる推定精度が低いと想定されるものである場合に利用可能なモデルを制限でき、また、推定結果の信頼度が高いモデルを利用することができる。従って、上記方法は、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、実測データには、ワークWの表面Waにおける複数の測定箇所の形状特徴量の測定値が含まれてもよい。上記方法では、複数の測定箇所に含まれる測定箇所ごとに、複数の回帰モデルの生成、指標値の算出、及び、指標値の算出結果と設定方法の適性の評価結果とに基づく選択モデルの選択が実行されてもよい。全ての測定箇所について、ユーザが指定する1種類の回帰モデルを利用して、形状特徴量の推定値を算出することも考えられる。しかしながら、測定箇所ごとに、その測定箇所の特性に応じて実測値との誤差が小さくなる種類の回帰モデルが異なる場合がある。上記方法では、測定箇所ごとに、設定方法の適性の評価結果と指標値の算出結果とに基づきモデルの選択が行われるので、測定箇所ごとの特性に合わせた回帰モデルの選択ができる。従って、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、選択モデルを選択することは、設定方法の適性の評価結果に基づいて、複数の回帰モデルの中から、選択モデルの候補となる1以上の候補モデルを選定することと、指標値の算出結果に基づいて、1以上の候補モデルの中から選択モデルを選択することと、を含んでもよい。この場合、上記設定方法の適性が、モデルによる推定精度が低いと想定されるものである場合に、複数の回帰モデルの中から、一部のモデルに選定されるようにすることで、推定値を算出する際に利用されるモデルが制限される。そのため、設定方法の適性が、モデルによる推定精度が低いと想定されるものである場合に、誤差がより大きくなると想定されるモデルの利用を除外できる。従って、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっていてもよい。1以上の候補モデルを選定することは、設定方法の適性の評価結果において、設定方法が適正でないと判定された場合に、複数の回帰モデルのうちの次数が高い1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを1以上の候補モデルに設定することを含んでもよい。この場合、上記設定方法が適正でない場合に、利用可能なモデルが、次数が低いモデルに制限される。次数が高いモデルでは、上記設定方法が適正でない場合に、次数が低いモデルに比べて、実測値との間に誤差が大きくなる傾向がある。上記方法では、設定方法が適正でない場合に、次数が高いモデルの利用を除外できるので、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、設定方法の適性を評価することは、1以上の対象パラメータに含まれるパラメータごとに、複数の事前処理条件における当該パラメータの複数の設定値について、データの偏りの程度を表す評価値を算出することと、評価値の算出結果に基づいて、設定方法が適正か否かを判定することと、を含んでもよい。1以上の候補モデルを選定することは、設定方法が適正でないと判定された場合に、複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを1以上の候補モデルに設定することと、設定方法が適正であると判定された場合に、複数の回帰モデルをそのまま1以上の候補モデルに設定することと、を含んでもよい。対象パラメータの複数の設定値について、データの偏りの程度が大きいと、ある予測条件では、その偏りに起因して回帰モデルによる推定値と実測値との間の誤差が大きくなってしまう可能性がある。上記方法では、データの偏り程度が小さいときに利用可能なモデルの種類に制限をかけずに、データの偏りの程度が大きいときに利用可能なモデルの種類を制限することができる。そのため、データの偏りが大きく、設定方法が適正でない場合に、誤差が大きくなると想定されるモデルの利用を除外できるので、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、1以上の対象パラメータは、2以上の対象パラメータであってもよい。設定方法の適性を評価することは、複数の事前処理条件における2以上の対象パラメータそれぞれの複数の設定値について、2以上の対象パラメータの間の規則性の評価値を算出することと、評価値の算出結果に基づいて、設定方法が適正か否かを判定することと、を含んでもよい。1以上の候補モデルを選定することは、設定方法が適正でないと判定された場合に、複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを1以上の候補モデルに設定することと、設定方法が適正であると判定された場合に、複数の回帰モデルをそのまま1以上の候補モデルに設定することと、を含んでもよい。2以上の対象パラメータの複数の設定値について、1つのパラメータの設定値が、他のパラメータの設定値に対して相関が強い等の規則性を有すると、ある予測条件では、その規則性に起因して回帰モデルによる推定値と実測値との間の誤差が大きくなってしまう可能性がある。上記方法では、2以上の対象パラメータの間に規則性がないときに利用可能なモデルの種類に制限をかけずに、規則性があるときに利用可能なモデルの種類を制限することができる。そのため、規則性を有し、設定方法が適正でない場合に、誤差が大きくなると想定されるモデルの利用を除外できるので、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっていてもよい。特徴量推定方法は、測定箇所ごとの選択モデルの選択結果において、第1測定箇所で選択されたモデルの次数と、第1測定箇所と隣り合う第2測定箇所で選択されたモデルの次数との差に基づいて、当該差を縮小するために第1測定箇所又は第2測定箇所で選択されたモデルの修正が必要か否かを判定することを更に含んでもよい。互いに隣り合う測定箇所において、次数の差が大きい一対の回帰モデルを利用すると、それらの測定箇所での推定値の誤差が大きい場合がある。上記方法では、次数の差が大きい場合に、モデルの修正が必要であると判定でき、次数の差を縮小するように、一度選択されたモデルを変更することができる。そのため、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、1以上の対象パラメータに含まれる第1パラメータについて、複数の事前処理条件における第1パラメータの複数の設定値の設定範囲において、分布密度が相対的に小さい領域があった場合に、当該領域に含まれる第1パラメータの値又は範囲を補完条件として算出すること、を更に含んでもよい。この場合、算出された補完条件に従って、追加で事前処理を行うことで、適正であると判定される条件の設定方法で生成された回帰モデルに更新することができる。そのため、ワークWの表面Waにおける形状特徴量の推定精度の向上に更に有用である。
以上に説明した特徴量推定方法において、複数の回帰モデルを生成することは、複数の事前処理条件それぞれに従った事前処理が実行された後に、予め設定された1以上の対象パラメータと形状特徴量との関係を表すように複数の回帰モデルを生成することを含んでもよい。この場合、予め設定された特定のパラメータについて、複数の回帰モデルが生成される。そのため、その特定のパラメータの任意の値に対応する形状特徴量の推定値をユーザが把握することができる。
[付記]
本開示は、以下の付記1~9の方法、及び、付記10のプログラムを含んでいる。
<付記1>
半導体製造用の所定の処理が施された後の基板の表面における形状の特徴を表す形状特徴量を推定する特徴量推定方法であって、
前記所定の処理に関する複数のパラメータを有する複数の事前処理条件のそれぞれに従って、前記所定の処理に対応する事前処理が施された基板の表面における前記形状特徴量の実測データに基づいて、前記複数のパラメータに含まれる1以上の対象パラメータと前記形状特徴量との関係を表す複数の回帰モデルを生成することと、
前記複数の回帰モデルのそれぞれについて、前記形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出することと、
前記複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価することと、
前記指標値の算出結果と、前記設定方法の適性の評価結果とに基づいて、前記複数の回帰モデルの中から、1つの回帰モデルを選択モデルとして選択することと、
前記選択モデルを利用して、前記1以上の対象パラメータの任意の値に対応する前記形状特徴量の推定値を算出することと、を含む特徴量推定方法。
<付記2>
前記実測データには、基板の表面における複数の測定箇所の前記形状特徴量の測定値が含まれ、
前記複数の測定箇所に含まれる測定箇所ごとに、前記複数の回帰モデルの生成、前記指標値の算出、及び、前記指標値の算出結果と前記設定方法の適性の評価結果とに基づく前記選択モデルの選択が実行される、付記1に記載の特徴量推定方法。
<付記3>
前記複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっており、
前記特徴量推定方法は、前記測定箇所ごとの前記選択モデルの選択結果において、第1測定箇所で選択されたモデルの次数と、前記第1測定箇所と隣り合う第2測定箇所で選択されたモデルの次数との差に基づいて、当該差を縮小するために前記第1測定箇所又は前記第2測定箇所で選択されたモデルの修正が必要か否かを判定することを更に含む、付記2に記載の特徴量推定方法。
<付記4>
前記選択モデルを選択することは、
前記設定方法の適性の評価結果に基づいて、前記複数の回帰モデルの中から、前記選択モデルの候補となる1以上の候補モデルを選定することと、
前記指標値の算出結果に基づいて、前記1以上の候補モデルの中から前記選択モデルを選択することと、を含む、付記1~3のいずれか1つに記載の特徴量推定方法。
<付記5>
前記複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっており、
前記1以上の候補モデルを選定することは、前記設定方法の適性の評価結果において、前記設定方法が適正でないと判定された場合に、前記複数の回帰モデルのうちの次数が高い1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを前記1以上の候補モデルに設定することを含む、付記4に記載の特徴量推定方法。
<付記6>
前記設定方法の適性を評価することは、
前記1以上の対象パラメータに含まれるパラメータごとに、前記複数の事前処理条件における当該パラメータの複数の設定値について、データの偏りの程度を表す評価値を算出することと、
前記評価値の算出結果に基づいて、前記設定方法が適正か否かを判定することと、を含み、
前記1以上の候補モデルを選定することは、
前記設定方法が適正でないと判定された場合に、前記複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを前記1以上の候補モデルに設定することと、
前記設定方法が適正であると判定された場合に、前記複数の回帰モデルをそのまま前記1以上の候補モデルに設定することと、を含む、付記4又は5に記載の特徴量推定方法。
<付記7>
前記1以上の対象パラメータは、2以上の対象パラメータであり、
前記設定方法の適性を評価することは、
前記複数の事前処理条件における前記2以上の対象パラメータそれぞれの複数の設定値について、前記2以上の対象パラメータの間の規則性の評価値を算出することと、
前記評価値の算出結果に基づいて、前記設定方法が適正か否かを判定することと、を含み、
前記1以上の候補モデルを選定することは、
前記設定方法が適正でないと判定された場合に、前記複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを前記1以上の候補モデルに設定することと、
前記設定方法が適正であると判定された場合に、前記複数の回帰モデルをそのまま前記1以上の候補モデルに設定することと、を含む、付記4~6のいずれか1つに記載の特徴量推定方法。
<付記8>
前記1以上の対象パラメータに含まれる第1パラメータについて、前記複数の事前処理条件における前記第1パラメータの複数の設定値の設定範囲において、分布密度が相対的に小さい領域があった場合に、前記領域に含まれる前記第1パラメータの値又は範囲を補完条件として算出すること、を更に含む、付記1~7のいずれか1つに記載の特徴量推定方法。
<付記9>
前記複数の回帰モデルを生成することは、前記複数の事前処理条件それぞれに従った前記事前処理が実行された後に、予め設定された前記1以上の対象パラメータと前記形状特徴量との関係を表すように前記複数の回帰モデルを生成することを含む、付記1~8のいずれか1つに記載の特徴量推定方法。
<付記10>
付記1~9のいずれか1つに記載の特徴量推定方法をコンピュータに実行させるための推定プログラム。
1…基板処理システム、W…ワーク、2…塗布現像装置、U1…液処理ユニット、U2…熱処理ユニット、100…制御装置、122…データ取得部、124…モデル生成部、126…モデル選択部、128…推定値算出部。

Claims (13)

  1. 半導体製造用の所定の処理が施された後の基板の表面における形状の特徴を表す形状特徴量を推定する特徴量推定方法であって、
    前記所定の処理に関する複数のパラメータを有する複数の事前処理条件のそれぞれに従って、前記所定の処理に対応する事前処理が施された基板の表面における前記形状特徴量の実測データに基づいて、前記複数のパラメータに含まれる1以上の対象パラメータと前記形状特徴量との関係を表す複数の回帰モデルを生成することと、
    前記複数の回帰モデルのそれぞれについて、前記形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出することと、
    前記複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価することと、
    前記指標値の算出結果と、前記設定方法の適性の評価結果とに基づいて、前記複数の回帰モデルの中から、1つの回帰モデルを選択モデルとして選択することと、
    前記選択モデルを利用して、前記1以上の対象パラメータの任意の値に対応する前記形状特徴量の推定値を算出することと、を含む特徴量推定方法。
  2. 前記実測データには、基板の表面における複数の測定箇所の前記形状特徴量の測定値が含まれ、
    前記複数の測定箇所に含まれる測定箇所ごとに、前記複数の回帰モデルの生成、前記指標値の算出、及び、前記指標値の算出結果と前記設定方法の適性の評価結果とに基づく前記選択モデルの選択が実行される、請求項1に記載の特徴量推定方法。
  3. 前記選択モデルを選択することは、
    前記設定方法の適性の評価結果に基づいて、前記複数の回帰モデルの中から、前記選択モデルの候補となる1以上の候補モデルを選定することと、
    前記指標値の算出結果に基づいて、前記1以上の候補モデルの中から前記選択モデルを選択することと、を含む、請求項1に記載の特徴量推定方法。
  4. 前記複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっており、
    前記1以上の候補モデルを選定することは、前記設定方法の適性の評価結果において、前記設定方法が適正でないと判定された場合に、前記複数の回帰モデルのうちの次数が高い1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを前記1以上の候補モデルに設定することを含む、請求項3に記載の特徴量推定方法。
  5. 前記設定方法の適性を評価することは、
    前記1以上の対象パラメータに含まれるパラメータごとに、前記複数の事前処理条件における当該パラメータの複数の設定値について、データの偏りの程度を表す評価値を算出することと、
    前記評価値の算出結果に基づいて、前記設定方法が適正か否かを判定することと、を含み、
    前記1以上の候補モデルを選定することは、
    前記設定方法が適正でないと判定された場合に、前記複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを前記1以上の候補モデルに設定することと、
    前記設定方法が適正であると判定された場合に、前記複数の回帰モデルをそのまま前記1以上の候補モデルに設定することと、を含む、請求項3又は4に記載の特徴量推定方法。
  6. 前記1以上の対象パラメータは、2以上の対象パラメータであり、
    前記設定方法の適性を評価することは、
    前記複数の事前処理条件における前記2以上の対象パラメータそれぞれの複数の設定値について、前記2以上の対象パラメータの間の規則性の評価値を算出することと、
    前記評価値の算出結果に基づいて、前記設定方法が適正か否かを判定することと、を含み、
    前記1以上の候補モデルを選定することは、
    前記設定方法が適正でないと判定された場合に、前記複数の回帰モデルのうちの1以上のモデルを除外したうえで、残りのモデルを前記1以上の候補モデルに設定することと、
    前記設定方法が適正であると判定された場合に、前記複数の回帰モデルをそのまま前記1以上の候補モデルに設定することと、を含む、請求項3又は4に記載の特徴量推定方法。
  7. 前記複数の回帰モデルの次数は、互いに異なっており、
    前記特徴量推定方法は、前記測定箇所ごとの前記選択モデルの選択結果において、第1測定箇所で選択されたモデルの次数と、前記第1測定箇所と隣り合う第2測定箇所で選択されたモデルの次数との差に基づいて、当該差を縮小するために前記第1測定箇所又は前記第2測定箇所で選択されたモデルの修正が必要か否かを判定することを更に含む、請求項2に記載の特徴量推定方法。
  8. 前記1以上の対象パラメータに含まれる第1パラメータについて、前記複数の事前処理条件における前記第1パラメータの複数の設定値の設定範囲において、分布密度が相対的に小さい領域があった場合に、前記領域に含まれる前記第1パラメータの値又は範囲を補完条件として算出すること、を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の特徴量推定方法。
  9. 前記複数の回帰モデルを生成することは、前記複数の事前処理条件それぞれに従った前記事前処理が実行された後に、予め設定された前記1以上の対象パラメータと前記形状特徴量との関係を表すように前記複数の回帰モデルを生成することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の特徴量推定方法。
  10. 請求項1~4のいずれか一項に記載の特徴量推定方法をコンピュータに実行させるための推定プログラム。
  11. 半導体製造用の所定の処理が施された後の基板の表面における形状の特徴を表す形状特徴量を推定する特徴量推定装置であって、
    前記所定の処理に関する複数のパラメータを有する複数の事前処理条件のそれぞれに従って、前記所定の処理に対応する事前処理が施された基板の表面における前記形状特徴量の実測データに基づいて、前記複数のパラメータに含まれる1以上の対象パラメータと前記形状特徴量との関係を表す複数の回帰モデルを生成するモデル生成部と、
    前記複数の回帰モデルの中から、1つの回帰モデルを選択モデルとして選択するモデル選択部と、
    前記選択モデルを利用して、前記1以上の対象パラメータの任意の値に対応する前記形状特徴量の推定値を算出する推定値算出部と、を備え、
    前記モデル選択部は、
    前記複数の回帰モデルのそれぞれについて、前記形状特徴量の推定結果の信頼度を表す指標値を算出することと、
    前記複数の事前処理条件の設定方法の適性を評価することと、
    前記指標値の算出結果と、前記設定方法の適性の評価結果とに基づいて、前記選択モデルを選択することと、を実行する特徴量推定装置。
  12. 前記実測データには、基板の表面における複数の測定箇所の前記形状特徴量の測定値が含まれ、
    前記モデル生成部は、前記複数の測定箇所に含まれる測定箇所ごとに、前記複数の回帰モデルを生成し、
    前記モデル選択部は、前記測定箇所ごとに、前記指標値を算出し、且つ、前記測定箇所ごとに、前記指標値の算出結果と前記設定方法の適性の評価結果とに基づいて、前記選択モデルを選択する、請求項11に記載の特徴量推定装置。
  13. 前記モデル選択部は、
    前記設定方法の適性の評価結果に基づいて、前記複数の回帰モデルの中から、前記選択モデルの候補となる1以上の候補モデルを選定することと、
    前記指標値の算出結果に基づいて、前記1以上の候補モデルの中から前記選択モデルを選択することと、を実行する、請求項11又は12に記載の特徴量推定装置。
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