JP2023159860A - トナー用ポリエステル樹脂及びトナー - Google Patents

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Yosuke Matsui
正太郎 秦
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Abstract

【課題】環境負荷が低く、耐湿熱保存性及び低温定着性に優れたトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを提供する。【解決手段】カルボン酸成分とアルコール成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂であって、前記カルボン酸成分が、テルペン基及び水添テルペン基から選ばれた少なくとも1種を環状骨格として有する環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルを含有し、前記アルコール成分がジオールを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂及びトナーに関する。
近年、地球温暖化抑制等の環境保護の観点から、従来の石油原料由来のプラスチックから環境負荷の少ないバイオマス原料由来のプラスチックへの転換が積極的に図られている。例えば、日本バイオプラスチック協会では、原材料、製品に含まれるバイオマスプラスチック組成中のバイオマス由来成分の全体量に対する割合が、25質量%以上のプラスチック製品を「バイオマスプラ」として認証し、定められた認証マークの使用を認可している。また、トナーについてもバイオマス原料を用いたものが望まれており、トナーを構成するバインダー樹脂についてもバイオマス原料を用いたものが望まれている。
環境負荷の低いポリエステル樹脂として、特許文献1には、重合時にライスワックスなどの天然ワックスを添加して得られたポリエステル樹脂が提案されている。また、特許文献2には、植物由来の1,3-プロパンジオールを含む多価アルコールとおよび多価カルボン酸を重縮合したポリエステル樹脂が提案されている。
しかしながら、特許文献1のように樹脂中に天然ワックスを導入する場合は、得られるポリエステル樹脂のガラス転移温度が低下するため、バイオマス度をさらに上げてトナーに適用する場合、十分な保存安定性を有するトナーを得ることができない。また、引用文献2のように分子量の小さい1,3-プロパンジオールとテレフタル酸を主成分として使用した場合、得られるポリエステル樹脂のエステル基濃度や極性が上がり、高温高湿条件下においては、保存安定性が低下し、トナー中に含まれる低極性のワックスや結晶性ポリエステル樹脂の分散性が悪化するという問題がある。
特開平11-295919号公報 特開2011-248341号公報
本発明は、環境負荷が低く、耐湿熱保存性及び低温定着性に優れたトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを提供することを目的とする。
本発明者は、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
カルボン酸成分とアルコール成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂であって、前記カルボン酸成分が、テルペン基及び水添テルペン基から選ばれた少なくとも1種を環状骨格として有する環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルを含有し、前記アルコール成分がジオールを含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂及びトナー用ポリエステル樹脂を含むトナーである。
本発明により、環境負荷が低く、耐湿熱保存性及び低温定着性に優れたトナー用ポリエステル樹脂およびトナーを提供することができる。
以下、本発明のトナー用ポリエステル樹脂及びトナーについて説明する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、カルボン酸成分とアルコール成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂であって、カルボン酸成分が、テルペン基及び水添テルペン基から選ばれた少なくとも1種を環状骨格として有する環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルを含有し、アルコール成分がジオールを含有する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、テルペン基及び水添テルペン基から選ばれた少なくとも1種を環状骨格として有する環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルが含まれる。
上記の環状ジカルボン酸またはその無水物は、一般にテルペン類と、不飽和ジカルボン酸および/または不飽和酸無水物の環化付加反応により合成される。また、上記環状ジカルボン酸またはその無水物のアルキルエステルは、上記環化付加反応の原料として、テルペン類と不飽和ジカルボン酸および/または不飽和酸無水物のアルキルエステルを用いることで合成できる。あるいは、環状ジカルボン酸またはこれらの無水物とアルコールを原料とし、適当な試剤を使用したエステル化反応により得ることもできる。上記テルペン類としては、特に制限はないが、具体的にはα-テルピネン、d-リモネン、フェランドレン、アロオシメン、カンフェン、ターピノーレン、ターピネオール、カルボンなど(いずれも市販試薬として入手可能のもの)を用いることができる。テルペン類は、1種単独または2種以上を併用して使用してもよい。
上記不飽和ジカルボン酸および/または不飽和酸無水物としては、特に制限はないが、具体的にはフマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、無水フタル酸、フタル酸など(いずれも市販試薬として入手可能のもの)を用いることができる。不飽和ジカルボン酸および/または不飽和酸無水物は1種単独または2種以上を併用して使用してもよい。また、上記アルキルエステルの具体例としてはマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル等である。
上記環化付加反応により得られたテルペン基を環状骨格として有する環状ジカルボン酸またはその無水物もしくはこれらのアルキルエステルのテルペン基については、必要に応じ水添されてもよい。
また、カルボン酸成分として、上記以外のジカルボン酸、モノカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸がさらに含まれていてもよい。
上記以外のジカルボン酸としては、炭素数2~50のアルカンジカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数4~50のアルケンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸及びグルタコン酸等)、並びに炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。
また、これらのジカルボン酸の、酸無水物、低級アルキル(炭素数1~4)エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。ジカルボン酸は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
モノカルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸及び芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。モノカルボン酸は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族モノカルボン酸としては、鎖式飽和モノカルボン酸、鎖式不飽和モノカルボン酸及び脂環式モノカルボン酸等が挙げられる。
鎖式飽和モノカルボン酸としては、炭素数2~30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2-エチルヘキサン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びリグノセリン酸等)等が挙げられる。
鎖式不飽和モノカルボン酸としては、炭素数3~30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エレオステアリン酸、8,11-エイコサジエン酸、5,8,11-エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸及びネルボン酸等)等が挙げられる。
脂環式モノカルボン酸としては、炭素数4~14の脂環式モノカルボン酸(例えば、シクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸及びシクロヘプタンカルボン酸等)等が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、炭素数7~36の芳香族モノカルボン酸が挙げられ、具体的には、安息香酸、ビニル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、t-ブチル安息香酸、クミン酸、ナフトエ酸、ビフェニルモノカルボン酸及びフロ酸等が挙げられる。
また、これらのモノカルボン酸の、酸無水物、低級アルキル(炭素数1~4)エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9~20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)及び炭素数6~36の脂肪族(脂環式を含む)トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸及びデカントリカルボン酸等)等が挙げられる。
また、3価以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物、低級アルキル(炭素数1~4)エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよい。3価以上のポリカルボン酸は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分としては、ジオールが含まれる。
ジオールとしては、脂肪族ジオール及び芳香族ジオール等が挙げられる。ジオールは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ジオールとしては、鎖式脂肪族ジオール及び脂環式脂肪族ジオールが挙げられる。
鎖式脂肪族ジオールとしては、炭素数2~30のアルキレングリコール(例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等);
アルキレンエーテルグリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);
ポリラクトンジオール(例えばポリ-ε-カプロラクトンジオール等);ポリブタジエンジオール;ポリエステルジオール;及びポリカーボネート、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
脂環式脂肪族ジオールとしては、炭素数6~24の脂環式ジオール(例えば1,4-シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);
前記脂環式ジオールのAO付加物(付加モル数2~100)[例えば1,4-シクロヘキサンジメタノールのEO10モル付加物等]等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)のAO(EO、PO及びBO等)付加物(付加モル数2~100)(例えばビスフェノールA・EO付加物(付加モル数2~4モル)及びビスフェノールA・PO付加物(付加モル数2~4モル)等)等が挙げられる。
さらに、アルコール成分として、上述のジオールのほか、モノアルコール、3価以上のポリオールが含まれていてもよい。
モノアルコールとしては、脂肪族モノオール及び芳香族モノオール等が挙げられる。モノアルコールは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族モノオールとしては、鎖式飽和モノオール及び鎖式不飽和モノオール等が挙げられる。
鎖式飽和モノオールとしては、炭素数1~30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノオール(例えば、メタノール、エタノール、1-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、2,2-ジメチル-1-プロパノール、ヘキサノール、4-メチル-1-ペンタノール、2,3-ジメチル-2-ブタノール、ヘプタノール、3-エチル-3-ペンタノール、オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ノナノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、デカノール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコール等)、及び炭素数1~30の直鎖又は分岐の鎖式飽和モノオールに炭素数2~4のアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記する場合がある。)[例えば、エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記する場合がある。)、プロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」をPOと略記する場合がある。)及びブチレンオキサイド(以下、「ブチレンオキサイド」をBOと略記する場合がある。)等]を付加したもの(付加モル数1~20モル)等が挙げられる。
鎖式不飽和モノオールとしては、炭素数2~30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノオール(例えば、アリルアルコール、2-ブテン-1-オール、2-ペンテン-1-オール、2-ヘキセン-1-オール、2-ヘプテン-1-オール、2-オクテン-1-オール、2-ノネン-1-オール、2-デセン-1-オール、2-ドデセノール、パルミトレイルアルコール、オレイルアルコール及びリノレイルアルコール等)、及び炭素数2~30の直鎖又は分岐の鎖式不飽和モノオールに炭素数2~4のAO(例えば、EO、PO及びBO等)を付加したもの(付加モル数1~20モル)等が挙げられる。
芳香族モノオールとしては、炭素数6~30の芳香族モノオール(芳香脂肪族アルコール(例えば、ベンジルアルコール等)等)、及び炭素数6~30の芳香族モノオールに炭素数2~4のAO(例えば、EO、PO及びBO等)を付加したもの(付加モル数1~20モル)等が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、炭素数3~36の3価以上の多価脂肪族アルコール、多価脂肪族アルコールのAO付加物(付加モル数2~120)、トリスフェノール(トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2~30)、ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2~30)、アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物など]等が挙げられる。
炭素数3~36の3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物並びに糖類(ショ糖等)及びそのメチルグルコシド等が挙げられる。
アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物の具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン及びポリグリセリン等が挙げられる。
前記環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルは、耐湿熱保存性と低温定着性の観点から、下記式(1)及び/又は(2)によって表される化合物であることが好ましい。
[一般式(1)中、Rは、RとR´は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。RとR´は同じでも異なっていてもよい。]
ここで、アルキル基としては、例えば、炭素数1~4のアルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基及びtert-ブチル等)が挙げられる。
前記環状ジカルボン酸またはこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルの合計重量割合は、耐湿熱保存性と低温定着性の観点から、前記カルボン酸成分の合計重量を基準として10~100重量%であることが好ましい。
また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂には、非晶性ポリエステルが含まれているが、結晶性ポリエステルがさらに含まれていてもよい。
なお、「非晶性」とは、示差走査熱量計を用いて試料の転移温度測定を行った場合に、吸熱ピークのピークトップ温度が存在しないことを意味する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、公知のポリエステル樹脂の製造法と同様にして製造することができる。例えば、アルコール成分及びカルボン酸成分を、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150~280℃、より好ましくは160~250℃、さらに好ましくは170~235℃で重縮合反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは2~40時間である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、アルコール成分及びカルボン酸成分を触媒の存在下で縮合重合させることにより製造することができる。
前記触媒としては、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド(チタンテトラブトキシド)、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006-243715号公報に記載の触媒{チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}及び特開2007-11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これら触媒の中で好ましくはチタン含有触媒であり、更に好ましくは特開2006-243715号公報に記載の触媒及び特開2007-11307号公報に記載の触媒である。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂のSP値は10.0~11.5(cal/cm1/2であることが好ましく、より好ましくは10.2~11.4(cal/cm1/2である。SP値が上記範囲内であれば、結晶性ポリエステルとの相溶性が良好となり、低温定着性に優れる。
なお、SP値とは、溶解性パラメータのことであり、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものであり、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(非晶性ポリエステル)、及び結晶性ポリエステルのSP値は、使用したアルコール成分から水酸基を、カルボン酸成分からカルボキシル基の水素を除いた構造のSP値を求め、モル分率に基づいて相加平均することにより計算することができる。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147~154頁)」
また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂、及び、後述する結晶性ポリエステルのSP値は、末端の官能基を除く構造のSP値のことである。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下Tgと略記する)は、好ましくは20~90℃であり、更に好ましくは40~80℃である。20℃以上であれば耐湿熱保存性に優れ、90℃以下であれば低温定着性に対する阻害が少ない。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の酸価は、好ましくは0~75mgKOH/gであり、より好ましくは7~24mgKOH/gである。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の水酸基価は、好ましくは0~120mgKOH/gであり、より好ましくは3~70mgKOH/gである。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の数平均分子量(以下Mnと略記する場合がある)は、好ましくは1,000~1,000,000であり、より好ましくは2,000~8,000である。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の重量平均分子量(以下Mwと略記する場合がある)は、好ましくは4,000~10,000,000であり、より好ましくは4,000~15,000である。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、バインダー樹脂を含有させることができる。バインダー樹脂としては、他のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂として使用される他のポリエステル樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分とを含有する成分を重縮合して得られた結晶性ポリエステルを使用することができる。「結晶性」とは示差走査熱量測定(DSC測定ともいう)において、DSC曲線が吸熱ピークのピークトップ温度(融点)を有することを意味する。
アルコール成分としては、ジオール及び3価以上のポリオールが挙げられ、カルボン酸成分としては、ジカルボン酸及び3価以上のポリカルボン酸が挙げられる。
ジオールとしては、炭素数2~20の直鎖脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,15-ペンタデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,19-ノナデカンジオール及び1,20-エイコサンジオール等)、炭素数6~36の脂環式ジオール〔1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,1-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、5-ノルボルネン-2,3-ジメタノール、水素添加ビスフェノールA、スピログリコール、イソソルバイド及び上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記することがある。)付加物等〕、及び芳香族ジオール(1,3-ベンゼンジメタノール,1,4-ベンゼンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2-メチルビスフェノールA、2,6-ジメチルビスフェノールA、2,2’-ジエチルビスフェノールF及び上記芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物)等が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、多価脂肪族アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、及びポリグリセリン、糖類及びそのエステル化物、例えばショ糖、及びメチルグルコシド等)、トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2~30)、ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2~30)並びにアクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物等]等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、炭素数2~50の直鎖脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸及び1,18-オクタデカンジカルボン酸等)、炭素数8~36の脂環式ジカルボン酸(1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等)、及び炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等)等が挙げられる。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9~20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)が挙げられる。
アルコール成分とカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基のモル比{[OH]/[COOH]}として、好ましくは1/2~2/1であり、より好ましくは1/1.3~1.5/1、さらに好ましくは1/1.2~1.4/1である。上記水酸基は、アルコール成分由来の水酸基である。
結晶性ポリエステルは、本発明のトナー用ポリエステル樹脂と同様に公知のポリエステル製造方法と同様にして製造することができる。
結晶性ポリエステルのSP値は10.0~11.5(cal/cm1/2であることが好ましく、より好ましくは10.0~11.2(cal/cm1/2であり、さらに好ましくは、10.0~11.0(cal/cm1/2である。SP値が上記範囲内であれば本発明のトナー用ポリエステル樹脂との相溶性が良好となり、低温定着性に優れる。
結晶性ポリエステルの融点(Tm)は60~100℃であり、好ましくは65~95℃であり、より好ましくは65~85℃である。
結晶性ポリエステルの100℃での粘度は10~10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは400~7000mPa・sである。
結晶性ポリエステルの吸熱量は、好ましくは5~101.5J/gであり、より好ましくは40~101.2J/gである。
結晶性ポリエステルの酸価は、好ましくは0~75mgKOH/gであり、より好ましくは1~35mgKOH/gである。
結晶性ポリエステルの水酸基価は、好ましくは0~120mgKOH/gであり、より好ましくは5~21mgKOH/gである。
結晶性ポリエステルの数平均分子量(以下Mnと略記する場合がある)は、好ましくは1,000~1,000,000であり、より好ましくは2,000~50,000である。
結晶性ポリエステルの重量平均分子量(以下Mwと略記する場合がある)は、好ましくは8,000~10,000,000であり、より好ましくは6,000~15,000である。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステルの重量比[非晶性ポリエステル:結晶性ポリエステル]は97:3~70:30であることが好ましく、95:5~85:15であることがより好ましい。
上記トナー用ポリエステル樹脂は樹脂粒子を構成する。
前記樹脂粒子における前記トナー用ポリエステル樹脂の含有量は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは30~97重量%であり、より好ましくは42~96重量%、更に好ましくは50~95重量%である。
樹脂粒子は、必要により公知の、樹脂微粒子、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤などの種々の添加剤等を混合することができる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、及びスチレン-スチレンスルホン酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
ビニル樹脂は、低温定着性、耐熱保存安定性の観点及び微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点から好ましくはスチレン-アルキル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン-アルキル(メタ)アクリレート-(メタ)アクリル酸共重合体及びアルキル(メタ)アクリレート共重合体であり、更に好ましくはスチレン-アルキル(メタ)アクリレート及びスチレン-アルキル(メタ)アクリレート-(メタ)アクリル酸共重合体共重合体である。
なお、樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を構成単量体として含む共重合体を用いることもできる。前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジビニルベンゼン、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートなどが挙げられる。
樹脂微粒子の含有量は、樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは0.1~10重量%である。
樹脂微粒子は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、
(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、
(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、
(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合
反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
着色剤としては黒色着色剤、青色着色剤、赤色着色剤及び黄色着色剤からなる群より選ばれる1種類以上を含有することが好ましい。着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは1~40重量部、より好ましくは2~15重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、磁性粉の含有量は、トナー用ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは20~150重量部、より好ましくは30~120重量部である。
離型剤としては、天然ワックス(蜜ろう、カルナバワックス及びモンタンワックス等)、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラタム等)、合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス及び酸化ポリプロピレンワックス等)、及び合成エステルワックス(炭素数10~30の脂肪酸と炭素数10~30のアルコールから合成される脂肪酸エステル等)等が挙げられ、これらの離型剤からなる群より選ばれる1種類以上を含有することが好ましい。離型剤の含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは0~30重量%、より好ましくは0.5~20重量%、さらに好ましくは1~10重量%である。
上記離型剤を使用する際必要により、変性ワックスを併用してもよい。変性ワックスは、離型剤にビニルポリマー鎖がグラフトしたものである。変性ワックスに用いられる離型剤としては上記離型剤と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。変性ワックスのビニルポリマー鎖を構成するビニルモノマーとしては、スチレン、メタクリル酸エステル等が挙げられる。ビニルポリマー鎖はビニルモノマーの単独重合体でもよいし、共重合体でもよい。前記変性ワックスの含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは0~15重量%、より好ましくは0.5~10重量%、さらに好ましくは1~5重量%である。
荷電制御剤としては、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよく、例えば、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニ
ウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、0~20重量%であってよく、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~7.5重量%である。
流動化剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ、脂肪酸金属塩、シリコーン樹脂粒子及びフッ素樹脂粒子等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。トナーの帯電性の観点からシリカが好ましい。また、シリカは、トナーの転写性の観点から疎水性シリカであることが好ましい。流動化剤の含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂の合計100重量部に対して、0~10重量%であってよく、好ましくは0~5重量%、より好ましくは0.1~4重量%である。
また、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤などの添加剤の合計重量は樹脂粒子の重量に基づき、3~70重量%であってよく、好ましくは4~58重量%、より好ましくは5~50重量%である。
樹脂粒子の体積平均粒径(D50)は、好ましくは1~15μmであり、更に好ましくは2~10μm、特に好ましくは3~7μmである。上記範囲とすることで低温定着性が良好となる。
樹脂粒子の製造方法については特に制限はなく、公知の混練粉砕法、特公昭36-10231号公報、特開昭59-53856号公報、特開昭59-61842号公報に記載されている懸濁重合法、単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法、コアセルベーション法、特開昭62-106473号公報や特開昭63-186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る乳化凝集法、単分散を特徴とする分散重合法、非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後水中で樹脂粒子化する溶解懸濁法やエステル伸長重合法により得られたものであってもよいし、超臨界状態の二酸化炭素中で分散する方法により製造してもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り「部」は重量部を示す。
トナー用ポリエステル樹脂に含まれる結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂、ならびにトナー等の各物性値については次の方法により測定した。
[測定方法]
<融点(Tm)>
示差走査熱量計(TA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて30℃から10℃/分の条件で180℃まで第1回目の昇温を行い、続いて180℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で180℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を融点とした。
<吸熱量>
上記融点の測定と同様の測定条件で観測される第2回目の昇温過程のDSC曲線で、吸熱ピークの吸熱開始温度以下のベースライン上の最もピークに近い点と吸熱ピークの終点温度以上のベースライン上の最もピークに近い点とを結ぶ直線を引くことにより、上記吸熱ピークのピークトップ温度をもつ吸熱ピークにおける吸熱量を算出した。
<酸価及び水酸基価>
JIS K0070に規定の方法で測定した。ただし、酸価の測定溶媒はアセトン、メタノール及びトルエンの混合溶媒(アセトン:メタノール:トルエン=12.5:12.5:75)、水酸基価の測定溶媒はTHFとした。
<数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)>
樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、それを試料溶液として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定した。
装置:HLC-8120〔東ソー(株)製〕
カラム:TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度:40℃
試料溶液:0.25重量%のTHF溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
溶液注入量:100μL
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)
<ガラス転移温度(Tg)>
示差走査熱量計(TA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて、ASTM D3418-82に規定の方法(DSC法)で測定した。
ガラス転移温度の測定条件は以下の通り
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で-35℃まで冷却
(4)-35℃で10分間保持
(5)20℃/分で150℃まで昇温
(6)(5)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析しガラス転移温度を求めた。
<分散液の固形分濃度及び揮発分>
樹脂粒子又は樹脂微粒子等の沈澱が起こらないよう注意しながら、乾燥前の試料2.00gをはかりとり、120℃で1時間の条件で乾燥し、乾燥後の試料を取り出し重量を小数点第2位まで測定し、(乾燥後の試料の重量/乾燥前の試料の重量)×100から固形分濃度(重量%)を算出し、{(乾燥前の試料の重量-乾燥後の試料の重量)/乾燥前の試料の重量}×100から揮発分(重量%)を算出した。
<樹脂微粒子分散液の体積基準のメジアン径>
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒子径分布測定装置「SZ-100」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
樹脂微粒子分散液をイオン交換水で100倍希釈して25℃に温調後、ディズポーサブルセル(四面透明)に充填した。次に、測定モードを粒子径測定モードにし、体積基準のメジアン径を測定した。
<樹脂粒子の体積平均粒径(D50)(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)>
コールターカウンター[商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]を用いて測定した。
まず、電解水溶液であるISOTON-II(ベックマン・コールター社製)100~150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1~5mL加えた。さらに測定試料を2~20mg加え、試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1~3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして50μmアパーチャーを用いて、樹脂粒子の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、樹脂粒子の体積平均粒径(D50)(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)を求めた。
<製造例1>[フマル化α-テルピネンの合成]
電磁撹拌装置を備えた1Lのオートクレーブに、α-テルピネン420部およびフマル酸286部を仕込み、撹拌しながら昇温して、170~180℃で12時間反応した。反応後、未反応のα-テルピネンを減圧留去し、フマル化α-テルピネン560部を得た。
<製造例2>[水素化フマル化α-テルピネンの合成]
電磁撹拌装置を備えた1Lのオートクレーブに、上記で得られたフマル化テルピネン250部、2-プロパノール493部、および粉末状の5%パラジウムカーボン触媒2.5部を仕込んだ。次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス15kg/cmの圧力をかけながら導入した。そして、撹拌を開始すると、内温が27℃から32℃へ上昇した。吸収された水素を補うことで圧力を15~20kg/cmに保ちながら4時間反応させた。その後、得られた懸濁液をブフナーロートで吸引ろ過を行い、触媒をろ別した。その後、ろ液を減圧濃縮することにより、水素化フマル化α-テルピネン243部を得た。
<製造例3>[無水マレイン化α-テルピネンの合成]
攪拌機、加熱冷却装置及び温度計を備えた反応容器に、無水マレイン酸256重量部を仕込み、145℃で融解後、p-トルエンスルホン酸6重量部を加え、300回転/分で均一化した。145℃で温調下にα-ピネン500重量部を0.5時間かけて滴下後、145℃で3時間反応させた。得られた褐色粘調液体を減圧蒸留(7mmHg)して225℃の流出分を回収して、無水マレイン化α-テルピネン549部を得た。
<製造例4>[非晶性ポリエステル(L-1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール246部、製造例1で得たフマル化α-テルピネン666部、コハク酸59部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸29部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-1)を得た。
<製造例5>[非晶性ポリエステル(L-2)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール259部、製造例3で得た無水マレイン化α-テルピネン652部、コハク酸62部及び縮合触媒としてp-トルエンスルホン酸2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸27部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-2)を得た。
<製造例6>[非晶性ポリエステル(L-3)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール245部、製造例2で得た水素化フマル化α-テルピネン668部、コハク酸58部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸29部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-3)を得た。
<製造例7>[非晶性ポリエステル(L-4)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物562部、製造例1で得たフマル化α-テルピネン408部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸30部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-4)を得た。
<製造例8>[非晶性ポリエステル(L-5)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物647部、製造例1で得たフマル化α-テルピネン37部、テレフタル酸287部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸29部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-5)を得た。
<製造例9>[非晶性ポリエステル(L-6)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物596部、トリメチロールプロパン9部、製造例1で得たフマル化α-テルピネン184部、テレフタル酸181部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸29部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-6)を得た。
<製造例10>[非晶性ポリエステル(L-7)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール26部、ビスフェノールA・EO2モル付加物506部、製造例1で得たフマル化α-テルピネン438部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸30部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-7)を得た。
<製造例11>[非晶性ポリエステル(L-8)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール162部、ネオペンチルグリコール120部、トリメチロールプロパン9部、製造例1で得たフマル化α-テルピネン325部、テレフタル酸356部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、200℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸27部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(L-8)を得た。
<比較製造例1>[比較用非晶性ポリエステル(LR-1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール381部、テレフタル酸534部、コハク酸61部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸25部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(LR-1)を得た。
<比較製造例2>[比較用非晶性ポリエステル(LR-2)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物677部、テレフタル酸294部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃まで0.5~2.5kPaの減圧下で昇温しながら、生成する水を留去しながら反応させ、酸価が2mgKOH/g未満になった時点で無水トリメリット酸29部を入れ、さらに、0.5~2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が18mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル(LR-2)を得た。
製造例4~11で得られた非晶性ポリエステル(L-1)~(L-8)及び比較製造例1~2で得られた比較用結晶性ポリエステル(LR-1)~(LR-2)の組成及び物性を表1に示す。
<製造例12>[結晶性ポリエステル(C-1)の合成]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に1,6-ヘキサンジオール434部、セバシン酸686部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら8時間反応させた。その後、0.001~0.026MPaの減圧下、水を除去しながら反応させ、結晶性ポリエステル(C-1)を得た。該樹脂のMnは4500、Mwは15000、融点(Tm)は68℃、吸熱量は101.1J/g、酸価は1mgKOH/g、水酸基価は21mgKOH/g、SP値は10.0(cal/cm1/2であった。なお、本発明におけるSP値は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算した。
<製造例13>[結晶性ポリエステル分散液(CDO-1)の製造]
冷却管、攪拌機、加熱冷却装置及び温度計の付いた反応容器中に、結晶性ポリエステル(C-1)10部及び酢酸エチル90部を投入し、78℃に昇温して同温度で3時間撹拌した後、1時間かけて30℃まで冷却して結晶性ポリエステル(C-1)を微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、結晶性ポリエステル分散液(CDO-1)を得た。結晶性ポリエステル分散液(CDO-1)の「LA-920」で測定した体積基準のメジアン径は0.25μmであった。
<製造例14>[樹脂微粒子の水性分散液(OW-1)の製造]
攪拌機、加熱冷却装置及び温度計をセットした反応容器に、水790部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム(三洋化成工業製、エレミノールJS-20)5部を仕込み、200回転/分で撹拌して均一化した。これを加熱して、系内温度75℃まで昇温させた後、10%過硫酸アンモニウム水溶液5部を加えてから、スチレン89.6部、ブチルアクリレート49.0部、及びメタクリル酸61.4部からなるモノマー混合液を2時間かけて滴下した。滴下後、75℃で10時間熟成させることで樹脂微粒子を含む微粒子分散液(OW-1)1000部を得た。微粒子分散液に含まれる微粒子の体積基準のメジアン径は0.047μmであった。また微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂を単離した。該樹脂分のMnは30900、Mwは321000、Tgは60℃、酸価は200mgKOH/gであった。
<製造例15>[変性ワックス(WD-1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、キシレン454重量部、低分子量ポリエチレン「サンワックスLEL-400」[軟化点:128℃、三洋化成工業(株)製]150重量部を投入し、窒素置換後撹拌下170℃に昇温し、同温度でスチレン595重量部、メタクリル酸メチル255重量部、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34重量部及びキシレン119重量部の混合溶液を3時間かけて滴下し、更に同温度で30分間保持した。次いで0.039MPaの減圧下でキシレンを留去し、変性ワックスを得た。変性ワックスのグラフト鎖のSP値は10.35(cal/cm1/2、Mnは1,900、Mwは5,200、Tgは56.9℃であった。
<製造例16>[離型剤分散液(WO-1)の製造]
冷却管、攪拌機、加熱冷却装置及び温度計の付いた反応容器中に、パラフィンワックス「HNP-9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精蝋(株)製]10部、製造例15で得た変性ワックス(WD-1)5部及び酢酸エチル85部を投入し、78℃に昇温して同温度で3時間撹拌した後、1時間かけて30℃まで冷却して離型剤を微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液(WO-1)を得た。離型剤分散液(WO-1)の「LA-920」で測定した体積基準のメジアン径は0.25μmであった。
<製造例17>[着色剤分散液(PO-1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、カーボンブラック「MA100」[三菱化学(株)製]20部と着色剤分散剤「ソルスパーズ28000」[アビシア(株)製]4部、及び酢酸エチル56部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって顔料を微分散して、着色剤分散液(PO-1)を得た。着色剤分散液(PO-1)の「LA-920」で測定した体積基準のメジアン径は0.2μmであった。
<実施例1> [トナー(T-1)の作製]
製造例14で得た水性分散液(OW-1)、製造例4で得た非晶性ポリエステル(L-1)、製造例17で得た着色剤分散液(PO-1)、製造例16で得た離型剤分散液(WO-1)及び製造例13で得た結晶性ポリエステル分散液(CDO-1)を用い、以下の方法(溶解懸濁法)によりトナー(T-1)を得た。
ビーカーにイオン交換水330部、樹脂微粒子の水性分散液(OW-1)30部、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム「エレミノールMon-7」[三洋化成工業製]52部及び酢酸エチル28部を投入し、均一に混合させた水溶液を得た。次いで別のビーカーに非晶性ポリエステル(L-1)90部、着色分散液(PO-1)32部、離型剤分散液(WO-1)40部及び結晶性ポリエステル分散液(CDO-1)100部を混合し、非晶性ポリエステルが溶解した樹脂分散液を作製した。この分散液を先ほど作成した水溶液に全量加えてTKオートホモミキサーで2分間撹拌して混合液を得た。次いでこの混合液を攪拌機および温度計を備えた反応器に移し、50℃で濃度が0.5重量%以下となるまで酢酸エチルを留去して複合化工程を行い樹脂粒子の水性樹脂分散体を得た。次いで樹脂粒子を濾過と水による洗浄を3回繰り返したあと、濾別し、40℃の送風循環式乾燥機で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-1)を含む樹脂粒子を得た。ついで、樹脂粒子100部と疎水性シリカ「アエロジルR-972」[日本アエロジル製]1部とをサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T-1)を得た。
<実施例2> [トナー(T-2)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例5で得た非晶性ポリエステル(L-2)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-2)を含むトナー(T-2)を得た。
<実施例3> [トナー(T-3)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例6で得た非晶性ポリエステル(L-3)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-3)を含むトナー(T-3)を得た。
<実施例4> [トナー(T-4)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例7で得た非晶性ポリエステル(L-4)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-4)を含むトナー(T-4)を得た。
<実施例5> [トナー(T-5)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例8で得た非晶性ポリエステル(L-5)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-5)を含むトナー(T-5)を得た。
<実施例6> [トナー(T-6)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例9で得た非晶性ポリエステル(L-6)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-6)を含むトナー(T-6)を得た。
<実施例7> [トナー(T-7)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例10で得た非晶性ポリエステル(L-7)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-7)を含むトナー(T-7)を得た。
<実施例8> [トナー(T-8)の製造]
非晶性ポリエステルを製造例11で得た非晶性ポリエステル(L-8)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(L-8)を含むトナー(T-8)を得た。
<比較例1> [トナー(TR-1)の製造]
非晶性ポリエステルを比較製造例1で得た非晶性ポリエステル(LR-1)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(LR-1)を含むトナー(TR-1)を得た。
<比較例2> [トナー(TR-2)の製造]
非晶性ポリエステルを比較製造例2で得た非晶性ポリエステル(LR-2)に変更する以外は実施例1と同様に製造し、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(LR-2)を含むトナー(TR-2)を得た。
実施例及び比較例のトナー(T-1)~(T-8)及び(TR-1)~(TR-2)の低温定着性、耐湿熱保存性を以下の方法で評価した。それぞれのトナーの配合量、物性及び評価結果を表2に示す。
<低温定着性>
トナーを紙面上に0.8mg/cmとなるように均一に載せる。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cmの条件で通した時のコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性のこの評価条件では115℃以下が好ましいとされる。
◎:105℃以下
○:106~115℃
△:116~125℃
×:126℃以上
<耐湿熱保存性>
トナー(T-1)~(T-8)、(TR-1)~(TR-2)を、40℃、相対湿度80%の雰囲気で20時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で耐湿熱保存性を評価した。
[評価基準]
○:ブロッキングが発生しない。
△:ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する。
×:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
本発明のポリエステル樹脂(L-1)~(L-8)を含む実施例1~8のトナー(T-1)~(T-8)は低温定着性、耐湿熱保存性のいずれも優れた性能を示した。
一方で、非晶性ポリエステル(LR-1)および(LR-2)を使用したトナー(TR-1)および(TR-2)は、低温定着性、耐湿熱保存性が不良となった。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、低温定着性と耐湿熱保存性とを高い水準で両立させることができ、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナーに用いる樹脂として極めて有用である。

Claims (5)

  1. カルボン酸成分とアルコール成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂であって、前記カルボン酸成分が、テルペン基及び水添テルペン基から選ばれた少なくとも1種を環状骨格として有する環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルを含有し、前記アルコール成分がジオールを含有することを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂。
  2. 前記環状ジカルボン酸又はこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルが下記式(1)及び/又は(2)によって表される化合物である請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂。
    [一般式(1)中、RとR´は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。RとR´は同じでも異なっていてもよい。]
  3. 前記環状ジカルボン酸またはこれらの無水物もしくはこれらのアルキルエステルの合計重量割合が、前記カルボン酸成分の合計重量を基準として10~100重量%である請求項1又は2に記載のトナー用ポリエステル樹脂。
  4. 請求項1又は2に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。
  5. 請求項3に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。
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