JP2018004861A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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寛 長澤
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陽平 大野
佑介 滝ヶ浦
Yusuke Takigaura
佑介 滝ヶ浦
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Noboru Ueda
昇 上田
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【課題】本発明の課題は、低温定着性、定着後の画像の強度及び耐熱保管性に優れ、かつ、低光沢画像を形成でき、さらに、光沢度の安定性にも優れる画像を形成できる静電荷像現像用トナーを提供することである。【解決手段】本発明の静電荷像現像用トナーは、非晶性ポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して50質量%以上含有し、結晶性樹脂が、それぞれ重量平均分子量の異なる特定の結晶性樹脂(C)と結晶性樹脂(D)の2種の樹脂を含有し、トナー粒子が含有する、テトラヒドロフランに可溶な成分のCHN分析を行った際の窒素(N)元素量が特定の関係を満たすことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。より詳しくは、本発明は、低温定着性、定着後の画像の強度及び耐熱保管性に優れ、かつ、低光沢画像を形成でき、さらに、光沢度の安定性にも優れる画像を形成できる静電荷像現像用トナーに関する。
近年、プリントスピードの高速化、紙種の拡大、環境負荷低減等の目的から、トナー画像定着時の熱エネルギーの低減が求められている。このように、トナー画像定着時の熱エネルギーを低減するため、トナーの低温定着性を向上させることができる技術が求められており、その達成手段の一つとして、シャープメルト性に優れる結晶性ポリエステル等の結晶性樹脂を結着樹脂に用いる方法がある。
例えば、特許文献1では、結晶性ポリエステル樹脂をウレタン結合又はウレア結合で伸長した樹脂と非晶性樹脂を含む結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーが提案されている。このように、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを混合して用いることにより、熱定着時に結晶性ポリエステル樹脂の融点を超えるときに結晶部分が融解し、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とが相溶化することで低温定着化を図りつつ、ウレタン結合又はウレア結合を導入することで、高温での貯蔵弾性率の低下を抑制させる設計としている。
しかし、特許文献1に開示されたようなトナーにおいては、高温のオフセットを抑制することは可能になるものの十分ではない。さらに熱定着時に結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とが相溶し樹脂全体の溶融粘度が一時に低下し、画像の光沢度が過度に高くなりギラツキが発生するという問題がある。
そこで、光沢度が過度に高くなることを抑制する(光沢度の安定性を向上させる)技術として、特許文献2や特許文献3が提案されている。
特許文献2では、分子量の異なるウレタン結合又はウレア結合を有する結晶性樹脂を用いることで、低温定着と高温オフセットの抑制の両立が可能になるとされている。
しかしながら、このようなトナーにおいては、得られる画像が光沢度の高いものとなってしまい、文字画像においてはギラツキによって文字が読みにくくなるという問題がある。さらに、当該トナーは、結晶性樹脂が主成分であるために十分な熱量が供給されない高速機においては、かえって低温定着性が悪化してしまうという問題もあった。
特許文献3では、非晶性樹脂及び非晶性樹脂と非相溶である高分子量の結晶性樹脂を含有するトナーとすることで、定着画像のギラツキを抑制し、視認性に優れるトナーが開示されている。
しかし、このようなトナーにおいては、依然として定着画像の光沢レベルとしては高光沢の領域であり、文字などの画像の視認性は十分ではない。また、紙種による定着温度の変更やプロセススピードの変更は、高温側のオフセットウィンドウ(加熱部材の表面温度の幅)が広がったことで可能となったが、結晶性樹脂として高分子量の樹脂のみを使用しているために、特に、高速機においては絡み合いを解きながら溶融するのに時間がかかることもあって、最低定着温度の拡大は十分ではなかった。
また、特許文献1から3に記載されたトナーの低温定着性をさらに上げるために、低分子量成分を更に低分子量とした場合には、トナーの耐熱保管性の低下や定着後の画像の弾性が不十分となり、画像強度の低下が起こることがあった。
すなわち、高速機においても、低温定着性と低光沢の画像を形成する特性(低光沢性)を両立するのは困難であり、十分な低光沢性を確保するには至っていない。
特開2015−14644号公報 特開2015−38629号公報 特開2014−174502号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、低温定着性、定着後の画像の強度及び耐熱保管性に優れ、かつ、低光沢画像を形成でき、さらに、光沢度の安定性にも優れる画像を形成できる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、非晶性ポリエステル樹脂を主成分とし、さらに、トナー粒子が含有する、テトラヒドロフランに可溶な成分のうち高分子量、中分子量及び低分子量の成分が含有する窒素(N)元素量(質量%)を本発明に係る関係式(1)及び(2)を満たす関係とすることで、結着樹脂に含有されるウレタン構造又はウレア構造の量を好適に制御でき、この結果、低温定着性及び定着後の画像の強度と耐熱保管性に優れ、かつ低光沢でありながら、その光沢度の安定性にも優れる画像を形成するトナーを提供できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーであって、
前記非晶性ポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して50質量%以上含有し、
前記結晶性樹脂が、それぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(C)(低分子量体)と結晶性樹脂(D)(高分子量体)の2種の樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂(D)が少なくともウレタン結合又はウレア結合と、結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂を含有し、
前記トナー粒子が含有する、テトラヒドロフランに可溶な成分を、ゲル浸透クロマトグラフィーで分子量70000以上の成分Fr(H)と、分子量70000未満から結着樹脂に由来するピークトップまでの成分Fr(M)と、ピークトップから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大が開始するまでの成分Fr(L)と、に分画した各成分のCHN分析を行った際の窒素(N)元素量(質量%)を、A(H)、A(M)及びA(L)とするとき、下記関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
関係式(1) 2.0≦A(H)/A(M)
関係式(2) A(L)<A(H)
2.前記窒素(N)元素量A(H)が、0.5〜3.0質量%の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記窒素(N)元素量A(H)が、1.0〜2.0質量%の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記窒素(N)元素量A(L)が、1.0質量%以下であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
5.前記結晶性樹脂(D)が、ウレタン重合セグメント及びウレア重合セグメントの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルセグメントと、が結合してなるウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
6.前記結晶性樹脂(C)が、ウレタン結合又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
7.前記窒素(N)元素量A(L)及び前記窒素(N)元素量A(M)が、下記関係式(3)を満たすことを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
関係式(3) 0.9≦A(L)/A(M)≦2.0
8.前記結晶性樹脂(D)の重量平均分子量が、120000〜250000の範囲内であることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
9.前記結晶性樹脂(C)の重量平均分子量が、15000〜35000の範囲内であることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
10.示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、30J/g以下であることを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
11.示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、20J/g以下であることを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
12.前記非晶性ポリエステル樹脂を、全結着樹脂に対して60〜80質量%の範囲内で含有していることを特徴とする第1項から第11項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明の上記手段により、低温定着性、定着後の画像の強度及び耐熱保管性に優れ、かつ、低光沢画像を形成でき、さらに、光沢度の安定性にも優れる画像を形成できる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように考えている。
図1は、HLC−8320GPCを用いて得られる、トナー粒子が含有するテトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう。)に可溶な成分のクロマトグラムを模式的に示した図である。
本発明においては、図1に示すように、分子量70000以上の成分をFr(H)とし、分子量70000未満から結着樹脂に由来するピークトップTbまでの成分をFr(M)とし、ピークトップTbから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大開始点Bwまでの成分をFr(L)とする。なお、ピークトップTbとはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定された結着樹脂に由来するピークの内、クロマトグラムのシグナルが最大であるピークの極大点における分子量のことを指す。
Fr(H)が含有する窒素(N)元素の量(A(H))は、結晶性樹脂(D)(高分子量体)中のN量(ウレタン結合又はウレア結合の量)を主に反映すると考える。このため、他の樹脂に比較的高分子量の成分が含まれている場合には、A(H)が少ない側に動く向きに影響を受けると考えられる。
一方、Fr(M)及びFr(L)が含有するN元素の量(A(M)及びA(L))は、結晶性樹脂(C)(低分子量体)中のN量を主に反映すると考える。
ここで、本発明のトナーにおいては、A(H)、A(M)及びA(L)について、関係式(1)及び(2)を満たす。
すなわち、本発明のトナーは、トナー粒子が含有する結晶性樹脂のうち高分子量成分に、凝集エネルギーの大きい(すなわち、N原子を含有する)ウレタン構造又はウレア構造(すなわちウレタン結合又はウレア結合を有する構造)を多く導入するものである。これにより、加熱溶融して定着する際に、トナー全体の弾性を維持することができると考える。そして、この結果、本発明のトナーは、定着後の画像において、過度に光沢が上昇することを抑制できたと考える。
一方で、本発明のトナーは、定着に寄与する樹脂のうち中分子量から低分子量の成分において、ウレタン構造又はウレア構造のうち、特に、連続したブロックポリマー状のウレタン構造又はウレア構造を少なくしている。これにより、本発明のトナーは、低温定着性を維持しながら、低光沢の画像を形成できたと考える。
また、非晶性ポリエステル樹脂を、全結着樹脂に対して50質量%以上含有することで、定着時の熱エネルギーが小さい場合においても結晶性樹脂の成分が十分に溶融し、それぞれの機能を発揮することができる。
本発明に係るトナー粒子が含有するTHF可溶成分のクロマトグラムの模式図
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーであって、前記非晶性ポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して50質量%以上含有し、前記結晶性樹脂が、それぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(C)(低分子量体)と結晶性樹脂(D)(高分子量体)の2種の樹脂を含有し、前記結晶性樹脂(D)が少なくともウレタン結合又はウレア結合と、結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂を含有し、前記トナー粒子が含有する、THFに可溶な成分を、ゲル浸透クロマトグラフィーで分子量70000以上の成分Fr(H)と、分子量70000未満から結着樹脂に由来するピークトップまでの成分Fr(M)と、ピークトップから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大が開始するまでの成分Fr(L)と、に分画した各成分のCHN分析を行った際の窒素(N)元素量(質量%)を、A(H)、A(M)及びA(L)とするとき、上記関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、本発明は低温定着性、定着後の画像の強度及び耐熱保管性に優れ、かつ、低光沢画像を形成でき、さらに、光沢度の安定性にも優れる画像を形成できるという効果を得られる。
本発明の実施態様としては、前記窒素(N)元素量A(H)が、0.5〜3.0質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、光沢の制御が十分となり、また、低温定着性に劣ることを回避できる。
本発明の実施態様としては、前記窒素(N)元素量A(H)が、1.0〜2.0質量%の範囲内であることが好ましい。このような範囲内にウレタン結合又はウレア結合に由来するN原子があることにより、適度な弾性を有する高分子量成分(すなわち、結晶性樹脂)となり、ひいては、光沢制御と低温定着を高いレベルで両立したトナーの提供が可能になる。
本発明の実施態様としては、前記窒素(N)元素量A(L)が、1.0質量%以下であることが好ましい。1.0質量%以下であれば、十分な低温定着性を有するトナーが得られる。
本発明の実施態様としては、前記結晶性樹脂(D)が、ウレタン重合セグメント及びウレア重合セグメントの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルセグメントと、が結合してなるウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。これにより、高温での弾性と低温での柔軟性を両立することがより容易になる。
本発明の実施態様としては、前記結晶性樹脂(C)が、ウレタン結合又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有することが好ましい。これにより、ブリードアウトを抑制し熱的な安定性に優れ、かつ、折り定着性に優れたトナーとすることができる。
本発明の実施態様としては、前記窒素(N)元素量A(L)及び前記窒素(N)元素量A(M)が、上記関係式(3)を満たすことが好ましい。これにより、低温定着性が阻害されることを回避でき、トナー保管時の熱的な安定性が向上する。
本発明の実施態様としては、前記結晶性樹脂(D)の重量平均分子量が、120000〜250000の範囲内であることが、光沢の制御を十分に行うことができ、また、低温定着性を阻害することを回避できるため好ましい。
本発明の実施態様としては、前記結晶性樹脂(C)の重量平均分子量が、15000〜35000の範囲内であることが好ましい。これにより、保管時の熱的な安定性に優れ、かつ、低温定着性が十分なトナーを提供できる。
本発明の実施態様としては、示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、30J/g以下であることが好ましい。これにより、高速機において十分な熱量が供給されない場合でも、結晶性樹脂の溶融が十分となり、低温定着が可能なトナーを提供できる。
本発明の実施態様としては、示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、20J/g以下であることが好ましい。これにより、高速機において十分な熱量が供給されない場合でも、結晶性樹脂の溶融が十分となり、低温定着が可能なトナーを提供できる。
本発明の実施態様としては、前記非晶性ポリエステル樹脂を、全結着樹脂に対して60〜80質量%の範囲内で含有していることが好ましい。これにより、より好適な低温定着性を有するトナーを提供できる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
なお、本発明において、「静電荷像現像用トナー」(以下、単に「トナー」ともいう。)とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
≪静電荷像現像用トナーの概要≫
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーであって、
前記非晶性ポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して50質量%以上含有し、
前記結晶性樹脂が、それぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(C)(低分子量体)と結晶性樹脂(D)(高分子量体)の2種の樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂(D)が少なくともウレタン結合又はウレア結合と、結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂を含有し、
前記トナー粒子が含有する、テトラヒドロフランに可溶な成分を、ゲル浸透クロマトグラフィーで分子量70000以上の成分Fr(H)と、分子量70000未満から結着樹脂に由来するピークトップまでの成分Fr(M)と、ピークトップから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大が開始するまでの成分Fr(L)と、に分画した各成分のCHN分析を行った際の窒素(N)元素量(質量%)を、A(H)、A(M)及びA(L)とするとき、下記関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
関係式(1) 2.0≦A(H)/A(M)
関係式(2) A(L)<A(H)
[トナー粒子]
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂と、離型剤と、を含有する。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナー母体粒子と、このトナー母体粒子に、外添剤を添加したものであることが好ましい。なお、本発明のトナーでは、トナー母体粒子に外添剤を添加せず、トナー母体粒子そのものをトナー粒子としてもよい。
《結着樹脂》
本発明に係る結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂を含有する。なお、本発明に係る結着樹脂は、本発明の効果発現を阻害しない範囲内で、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。
<非晶性ポリエステル樹脂>
本発明において、非晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して50質量%以上含有される。すなわち、本発明に係る結着樹脂100質量部のうち、50質量部以上は非晶性ポリエステル樹脂である。このように、非晶性ポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して50質量%以上含有すれば、高速機においても、結晶性樹脂に対して加熱定着時に十分な熱量が供給され、この結果、結晶性樹脂の溶融が十分となり、ひいては、低温定着性が悪化することを回避できる。
なお、本発明に係るトナーにおいては、非晶性ポリエステル樹脂を、全結着樹脂に対して60〜80質量%の範囲内で含有していることが好ましい。すなわち、本発明に係る結着樹脂100質量部のうち、60〜80質量部の範囲内が非晶性ポリエステルであることが好ましい。80質量%以下であれば、結晶性樹脂の割合を十分にでき、より好適な低温定着性を得ることができる。
非晶性ポリエステル樹脂としては、離型剤や着色剤の分散性の制御を容易にできることから、ハイブリッド樹脂であることが好ましく、具体的には、モノマーの選択肢が多いことから、非晶性のポリエステル分子鎖に分子結合させる構造として非晶性のビニルセグメントを用いた樹脂であることが好ましく、中でも、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂(ハイブリッド樹脂)を用いることが好ましい。ここで、「スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂」とは、非晶性のポリエステル分子鎖(以下、非晶性ポリエステルセグメントとも称する。)に、スチレン−アクリル共重合体分子鎖(以下、スチレン−アクリル共重合体セグメントとも称する。)を分子結合させた構造のポリエステル分子より構成される樹脂(ハイブリッド樹脂)のことである。すなわち、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂は、スチレン−アクリル共重合体セグメントが非晶性ポリエステルセグメントに分子結合した共重合体構造を有する樹脂である。
また、非晶性ポリエステル樹脂は、このようなポリエステル分子鎖にスチレン−アクリル共重合体分子鎖を分子結合させた構造のスチレン−アクリル変性ポリエステルを含有する樹脂、すなわち、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂とそのほかの樹脂とを分子結合させるなどした樹脂であってもよい。
ここで、非晶性ポリエステル樹脂として用いられるスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂は、以下の点で後述のウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂と明確に区別される。すなわち、非晶性のスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂を構成する非晶性ポリエステルセグメントは、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を構成する結晶性ポリエステル樹脂セグメントとは異なり、明確な融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(T)を有する非晶性の分子鎖である。このようなことは、トナーについて示差走査熱量測定(DSC)を行うことによって確認できる。また、非晶性ポリエステルセグメントを構成する単量体(化学構造)は、結晶性ポリエステル樹脂セグメントを構成する単量体(化学構造)とは異なるため、例えば、NMR等の分析によっても区別することができる。
非晶性ポリエステルセグメントは、多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分によって形成される。
多価アルコール成分としては、特に限定されるものではないが、帯電性やトナー強度の観点から、芳香族ジオール又はその誘導体であることが好ましく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。
これらの中でも、特にトナーの帯電均一性を向上させるという観点から、多価アルコール成分としてはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とプロピレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。これらの多価アルコール成分は1種単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
多価アルコール成分と縮合させる多価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;フマル酸、無水マレイン酸、アルケニルコハク酸などの脂肪族カルボン酸類;及びこれらの酸の低級アルキルエステル、酸無水物などが挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
非晶性ポリエステル樹脂は、その可塑性を制御しやすいという観点から、数平均分子量(Mn)は、2000〜10000の範囲内にあることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(T)は、20〜70℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移温度(T)は、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418−82に規定された方法(DSC法)に従って測定することができる。測定には、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)等を用いることができる。
(非晶性ポリエステルセグメントの形成方法)
非晶性ポリエステルセグメントの形成方法は特に制限されず、公知のエステル化触媒を利用して、多価カルボン酸及び多価アルコールを重縮合する(エステル化する。)ことにより非晶性ポリエステルセグメントを形成することができる。
非晶性ポリエステルセグメントの形成の際に使用可能な公知のエステル化触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等の第2族元素を含む化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及びアミン化合物等が挙げられる。具体的には、スズ化合物としては、酸化ジブチルスズ、オクチル酸スズ、ジオクチル酸スズ、これらの塩等などを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどなどのチタンキレートなどを挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。更にアルミニウム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネートなどを挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
重合温度は特に限定されるものではないが、150〜250℃であることが好ましい。また、重合時間は特に限定されるものではないが、0.5〜10時間とすると好ましい。重合中には、必要に応じて反応系内を減圧にしても良い。
(スチレン−アクリル共重合体セグメント)
スチレン−アクリル共重合体セグメントは、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。ここでいうスチレン単量体は、CH=CH−Cの構造式で表されるスチレンのほかに、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルのほかに、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステルを含むものである。
スチレン−アクリル共重合体セグメントの形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、特開2016−31460号公報の段落0073〜0077などに記載のものを好適に使用できるが、本発明で使用されるスチレン−アクリル共重合体セグメントの形成に使用可能なものはこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル単量体」とは、「アクリル酸エステル単量体」と「メタクリル酸エステル単量体」を総称したもので、例えば、「(メタ)アクリル酸メチル」は「アクリル酸メチル」と「メタクリル酸メチル」を総称したものである。
これらのアクリル酸エステル単量体又はメタクリル酸エステル単量体は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。すなわち、スチレン単量体と2種以上のアクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種以上のメタクリル酸エステル単量体とを用いて共重合体を形成すること又はスチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成することのいずれも可能である。
スチレン−アクリル共重合体セグメント中のスチレン単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレン−アクリル共重合体セグメントの全量に対し、40〜90質量%の範囲内であると好ましい。また、スチレン−アクリル共重合体セグメント中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、スチレン−アクリル共重合体セグメントの全量に対し、10〜60質量%の範囲内であると好ましい。このような範囲内とすることにより、ハイブリッド樹脂の可塑性を制御することが容易となる。
更に、スチレン−アクリル共重合体セグメントは、スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体のほか、非晶性ポリエステルセグメントに化学的に結合するための化合物もまた付加重合されてなると好ましい。具体的には、非晶性ポリエステルセグメントに含まれる、多価アルコール由来のヒドロキシ基[−OH]又は多価カルボン酸由来のカルボキシ基[−COOH]とエステル結合する化合物を用いると好ましい。したがって、スチレン−アクリル共重合体セグメントは、スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して付加重合可能であり、かつ、カルボキシ基[−COOH]又はヒドロキシ基[−OH]を有する化合物を更に重合してなると好ましい。
このような化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。
スチレン−アクリル共重合体セグメント中の上記化合物に由来する構成単位の含有率は、スチレン−アクリル共重合体セグメントの全量に対し、0.5〜20質量%の範囲内であると好ましい。
スチレン−アクリル共重合体セグメントの形成方法は、特に制限されず、公知の重合開始剤を使用して単量体を重合する方法が挙げられる。このような重合剤開始剤としては、具体的には、例えば、例えば、特開2016−31460号公報の段落0081などに記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂の製造方法)
スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。具体的には、例えば、例えば、特開2016−31460号公報の段落0060〜0068などに記載の方法を使用することができるが、これに限定されない。
<結晶性樹脂>
本発明においては、結晶性樹脂として、それぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(C)(低分子量体)と結晶性樹脂(D)(高分子量体)の2種の樹脂を含有する。
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
〈結晶性樹脂(C)(低分子量体)〉
本発明に係る結晶性樹脂(C)としては、主鎖に柔軟な構造を有しているために低温定着性に優れることから、結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましいが、中でも、ウレタン結合又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有することが好ましく、特に、ウレタン結合又はウレア結合と結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂であることが好ましい。
一般に、結晶性樹脂は、低温定着性に優れるが、低分子量の成分がブリードアウトすることにより、トナー保管時の熱的な安定性が低下することがある。
しかしながら、ウレタン結合又はウレア結合を有していることで、ブリードアウトを抑制し熱的な安定性に優れるトナーとすることができる。
さらに定着後の画像では凝集力の強いウレタン結合又はウレア結合を有していることに加えて、高分子量成分のウレタン結合又はウレア結合と相互作用することで、低分子量の結晶性成分が存在することによる界面からの割れも抑制することが可能になり、折り定着性に優れるトナーとなると考える。
前記結晶性樹脂(C)の重量平均分子量は、15000〜35000の範囲内であることが好ましい。15000以上であれば、保管時の熱的な安定性に優れるトナーとすることができる。35000以下であれば、トナー全体の弾性を低下させる作用が小さくなることを回避でき、トナーの低温定着性を十分にできる。
〈結晶性樹脂(D)(高分子量体)〉
結晶性樹脂(D)は、少なくともウレタン結合又はウレア結合と、結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂を含有する。このように、結晶性樹脂(D)含有されるウレタン結合やウレア結合は凝集エネルギーが大きいため、トナーを定着させる際に加熱溶融させた時に弾性を維持することができる。また、ウレタン結合又はウレア結合を、一定量以上導入することで、非晶性ポリエステル樹脂と非相溶とすることができる。なお、関係式(1)及び(2)を満たすようにすれば、ウレタン結合又はウレア結合を、一定量以上導入できるものと考える。
また、前記結晶性樹脂(D)の重量平均分子量は、120000〜250000の範囲内であることが好ましい。結晶性樹脂(D)のMwが120000以上であることで光沢の制御を十分に行うことができる。また、250000以下であれば、低温定着性を阻害することを回避できる。
結晶性樹脂(D)は、具体的には、ウレタン重合セグメント及びウレア重合セグメントの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルセグメントと、が結合してなるウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。例えば、低分子量のポリオール又はポリアミンとジイソシアネートとが反応して生成した、弾性の高いウレタン重合セグメント及びウレア重合セグメントと、柔軟な構造を持つ結晶性ポリエステルセグメントからなる高分子量成分を用いることで、高温での弾性と低温での柔軟性を両立することがより容易になる。
〈ウレタン結合又はウレア結合と結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂〉
結晶性樹脂(C)及び結晶性樹脂(D)に使用可能なウレタン結合又はウレア結合と結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂(以下、「ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂」ともいう。)としては、ウレタン重合セグメント又はウレア重合セグメント(以下、これらをまとめて「ウレタン/ウレア重合セグメント」ともいう。)と、結晶性ポリエステルセグメントとが結合してなるブロック共重合体からなる結晶性樹脂が挙げられる。
なお、本発明に係る結晶性樹脂(C)及び結晶性樹脂(D)としてウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、関係式(1)及び(2)を満たすよう、それぞれの樹脂において、ウレタン/ウレア重合セグメントと結晶性ポリエステルセグメントとの割合を適宜調節することで調整することができる。
[ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の融点]
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の融点は、40〜100℃であることが好ましく、より好ましくは50〜85℃である。
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の融点が上記の範囲にあることにより、十分な低温定着性が確実に得られる。
ここで、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の融点とは、上述のウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂単独の示差走査熱量測定において、1回目の昇温過程における吸熱ピークのピーク温度である。
また、上述のウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂単独の示差走査熱量測定において、2回目の昇温過程における吸熱ピークのピーク温度は、50〜85℃の範囲であることが好ましい。
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の2回目の昇温過程における吸熱ピークのピーク温度が上記の範囲にあることにより、低温定着性と耐熱保管性とを確実に両立して得られる。
[ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂のイオン性解離基量]
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂のイオン性解離基量は、5〜20mgKOH/gとされる。
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂のイオン性解離基量が20mgKOH/g以下であることによって、後述のトナーの製造におけるウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液調製工程において形成するウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の微粒子の平均粒径が適度に大きなものとなる結果、凝集、融着工程においてウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子同士の凝集の進行を抑制することができる。したがって、トナー粒子中におけるウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の取り込み量を所期の十分な量とすることができるとともに、凝集、融着工程における微粒子の急凝集を抑制することができるために、トナーの平均粒径を確実に制御することができる。一方、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂のイオン性解離基量が5mgKOH/g以上であることによって、後述のトナーの製造におけるウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子分散液調製工程において形成するウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系媒体への分散安定性を十分に得ることができて、当該ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂微粒子の意図しない凝集や沈降などが引き起こされることを抑止することができる。
本発明において、イオン性解離基とは、カルボン酸基及びスルホン酸基をいう。
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂のイオン性解離基量は、JIS K 0070−1992の酸価の測定方法に準拠して行われる。具体的には、この酸価の測定方法の溶媒として、例えば、テトラヒドロフランやトルエンなど樹脂を溶解又は膨潤する溶媒を選択して用いる。この溶媒にウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を溶解し、常法に従い、水酸化カリウムを用い中和滴定を行い、中和の終点に達するまでに用いられた水酸化カリウムの上記樹脂のグラムあたりの質量で示される。単位はmgKOH/gである。
なお、溶媒としては、アセトン:水=1:1の混合溶媒も使用できるが、テトラヒドロフランやトルエンなど樹脂を溶解又は膨潤する溶媒を使用することが、高分子量のウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合であっても溶媒に当該樹脂が析出してしまうことがないため、好ましい。
[GPCによる分子量測定方法]
GPCによる分子量(重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn))の測定は、以下のように行うことができる。すなわち、装置「HLC−8320GPC」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgel SuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてTHFを流速0.2mL/minで流し、測定試料(例えば、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成することで分子量を求めることができる。また、検出器には屈折率検出器を用いることができる。
また、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を構成するウレタン/ウレア重合セグメントのGPCによって測定される分子量分布から算出された数平均分子量(Mn)は、結晶性樹脂(E)(低分子量体)においては300〜3000であることが好ましく、より好ましくは400〜2000、さらに好ましくは500〜1500であり、結晶性樹脂(D)(高分子量体)においては500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜7000、さらに好ましくは1500〜5000である。
ウレタン/ウレア重合セグメントのGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてウレタン/ウレア重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
また、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を構成する結晶性ポリエステルセグメントのGPCによって測定される分子量分布から算出された数平均分子量(Mn)は結晶性樹脂(E)(低分子量体)においては1000〜5000であることが好ましく、より好ましくは1500〜4000、さらに好ましくは2000〜3500であり、結晶性樹脂(D)(高分子量体)においては1500〜20000であることが好ましく、より好ましくは3500〜15000、さらに好ましくは4500〜10000である。
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂を構成する結晶性ポリエステルセグメントの数平均分子量(Mn)が1000以上であることによって、十分な結晶性が得られることによって所期のシャープメルト性と融点以下での熱的安定性が得られる。一方、数平均分子量(Mn)が20000以下であることによって、溶融粘度が適度に小さくなることによって同様に十分なシャープメルト性が得られる。
結晶性ポリエステルセグメントのGPCによる分子量分布測定は、測定試料として結晶性ポリエステルセグメントを用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
[ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の合成方法]
ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂は、あらかじめ、結晶性ポリエステルセグメントとなる、両末端にヒドロキシ基を有するプレポリマー(後述の結晶性ポリエステルジオールなど)、及び、末端にイソシアネート基を有するポリウレタンセグメントを、それぞれ合成し、両者を混合して反応させる(合成反応A)ことによって、合成することができる。
また、ウレタン/ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂は、まず、結晶性ポリエステルセグメントとなる、両末端にヒドロキシ基を有するプレポリマー(後述の結晶性ポリエステルジオールなど)を合成し、次いで、当該プレポリマーの両末端のヒドロキシ基に多価イソシアネート化合物のみ、又は、多価イソシアネート化合物及び多価アルコール、多価イソシアネート及び多価アミンを反応させる(合成反応B)ことによってウレタン/ウレア重合セグメントを形成することにより、合成することもできる。
上記の合成反応Aは、両末端にヒドロキシ基を有するプレポリマー及び末端にイソシアネート基を有するポリウレタン重合セグメント又はポリウレア重合セグメントをともに溶解することができる溶媒中で行うことが反応の均一性を上げることができる点で好ましい。同様に、上記の合成反応Bは、両末端にヒドロキシ基を有するプレポリマーと、多価イソシアネート化合物と、多価アルコール又は多価アミンを溶解することができる溶媒中で行うことが反応の均一性を上げることができる点で好ましい。このような反応溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒を挙げることができる。反応溶媒は、副反応を防ぐために脱水精製したものであることが好ましい。
また、上記の合成反応A、Bは、合成反応を促進するために加温下で行うことが好ましい。反応温度としては、溶媒の沸点によっても異なるが、50〜80℃とすることが好ましい。
[結晶性ポリエステルセグメント]
結晶性ポリエステルセグメントは、結晶性を有するポリエステルからなるものであれば限定されないが、特に、結晶性ポリエステルジオールからなることが好ましい。
結晶性ポリエステルジオールは、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する多価カルボン酸及び1分子中にヒドロキシ基を2個以上含有する多価アルコールにより形成され、その両末端にヒドロキシ基を有する結晶性のものであって、具体的には示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
多価カルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸としては、結晶性ポリエステルセグメントに優れた結晶性が得られるという観点から、好ましくはカルボキシ基を含めた主鎖の炭素数が4〜14、特に好ましくは主鎖の炭素数が6〜10である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、n−ドデシルコハク酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸;ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの無水物又は炭素数1〜3のアルキルエステルなどが挙げられる。
結晶性ポリエステルジオールを形成するための多価カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸の含有量が80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上である。多価カルボン酸における脂肪族カルボン酸の含有量が80構成モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステルジオールの結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られる。
多価アルコールとしては、脂肪族ジオールを用いることが好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを併用してもよい。
多価アルコールとしては、結晶性ポリエステルセグメントに優れた結晶性が得られるという観点から、脂肪族ジオールの中でも、主鎖の炭素数が2〜15である直鎖型の脂肪族ジオールを用いることが好ましく、特に、主鎖の炭素数が2〜10である脂肪族ジオールを用いることが好ましい。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオールなどの脂肪族ジオール:グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。
結晶性ポリエステルジオールを形成するための多価アルコールとしては、脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上である。多価アルコールにおける脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることにより、結晶性ポリエステルジオールの結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られる。
結晶性ポリエステルジオールの製造方法としては、特に制限はなく、上述の多価カルボン酸と多価アルコールとを触媒下で反応させる一般的なポリエステルの重合法を用いて製造することができ、例えば直接重縮合やエステル交換法を、モノマーの種類によって使い分けて製造することが好ましい。
結晶性ポリエステルジオールの製造に使用することのできる触媒としては、例えばチタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタン触媒や、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドなどのスズ触媒などが挙げられる。
上記の多価カルボン酸と多価アルコールとの使用比率は、多価アルコールのヒドロキシ基[OH]と多価カルボン酸のカルボキシ基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
多価カルボン酸と多価アルコールとの使用比率が上記の範囲にあることにより、両末端にヒドロキシ基を有する結晶性ポリエステルジオールを得ることができる。
[ウレタン重合セグメント]
ウレタン重合セグメントは、多価アルコールと多価イソシアネートとから得られるものである。
ウレタン重合セグメントを形成するために用いることのできる多価アルコールとしては、上述と同様のものを用いることができる。
ウレタン重合セグメントを形成するための多価アルコールは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタン重合セグメントを形成するために用いることのできる多価イソシアネートとしては、炭素数6〜20(ただしNCO基中の炭素は除く)の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、及びこれらのジイソシアネートの変性物などが挙げられる。
ウレタン重合セグメントを得るためのジイソシアネート成分としては、上記のジイソシアネートとともに3価以上のポリイソシアネートを用いてもよい。
ウレタン重合セグメントを形成するための多価イソシアネートは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネートは、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α、α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ジイソシアネートの変性物としては、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレシイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基による変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、ウレタン変性TDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなどが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
[ウレア重合セグメント]
ウレア重合セグメントは、多価アミンと多価イソシアネートとから得られるものである。
ウレア重合セグメントを形成するために用いることのできる多価イソシアネートとしては、上述と同様のものを用いることができる。
ウレア重合セグメントを形成するための多価イソシアネートは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレア重合セグメントを形成するために用いることのできる多価アミンとしては、例えば、脂肪族アミン類、芳香族アミン類が挙げられ、中でも炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また必要により、3価以上のアミン類を使用してもよい。
このような、多価アミンとしては、具体的には、例えば、特開2015−14644号公報の段落0042〜0043に記載が挙げられるが、これに限定されない。
<THFに可溶な成分>
トナー粒子が含有する、THFに可溶な成分を、ゲル浸透クロマトグラフィーで分子量70000以上の成分Fr(H)と、分子量70000未満から結着樹脂に由来するピークトップまでの成分Fr(M)と、ピークトップから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大が開始するまでの成分Fr(L)と、に分画した各成分のCHN分析を行った際の窒素(N)元素量(質量%)を、A(H)、A(M)及びA(L)とするとき、下記関係式(1)及び(2)を満たす。
関係式(1) 2.0≦A(H)/A(M)
関係式(2) A(L)<A(H)
ここで、Fr(H)とFr(M)を分画する溶出時間は、検量線測定用の標準ポリスチレン試料として、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成し求めることができる。
なお、本発明に係るTHFに可溶な成分とは、主に、トナーに含有される結着樹脂及び離型剤であると考えられる。
なお、トナー中のTHF不溶分の量にもよるが、Fr(H)を通常の分子量分析を行った際の重量平均分子量(Mw)は100000以上であることが好ましく、150000以上であることがさらに好ましい。100000以上である場合には、トナー中に十分な量の高分子量体が存在し、低光沢の画像を形成できる。150000以下であれば、低光沢を実現するのに十分な弾性をもった高分子量成分が、十分な量存在することになる。
結晶性樹脂(D)にTHF不溶分が多い場合にはFr(H)のMwは小さくなることがあるが、Fr(H)には不溶分となる成分の組成が反映されるものとなる。
〈好ましい窒素(N)元素量〉
本発明に係るトナーにおいては、窒素(N)元素量A(H)が、0.5〜3.0質量%の範囲内であることが好ましい。N元素量A(H)が0.5質量%以上であれば、高分子量成分に含まれるウレタン結合又はウレア結合の量が十分であり、光沢の制御が十分となる。また、N元素量A(H)が3.0質量%以下であれば、結晶性樹脂(D)(高分子量体)の弾性が大きくなりすぎず、低温定着性に劣ることを回避できる。
更に好ましくは、N元素量A(H)が、1.0〜2.0質量%の範囲内である。このような範囲内にウレタン結合又はウレア結合に由来するN原子があることにより、適度な弾性を有する高分子量成分(すなわち、結晶性樹脂(D))となり、ひいては、光沢制御と低温定着を高いレベルで両立したトナーの提供が可能になる。
なお、低温定着性に寄与する低分子量成分にウレタン結合又はウレア結合が過剰に存在することを回避すれば、高分子量成分のウレタン結合又はウレア結合との相互作用が大きくなりすぎることを抑制でき、この結果、非晶性ポリエステル樹脂との相互作用が小さくなってしまうことを回避できる。このような観点から、窒素(N)元素量A(L)は、1.0質量%以下であることが好ましい。1.0質量%以下であれば、十分な低温定着性が得られる。
また、窒素(N)元素量A(L)及び前記窒素(N)元素量A(M)は、下記関係式(3)を満たすことが、Fr(M)の範囲にある分子にウレタン結合又はウレア結合が多く含有されることを回避でき、好ましい。この理由は下記のように考えている。
すなわち、Fr(M)の範囲にある分子にウレタン結合又はウレア結合が多く含有されることを回避できれば、トナー全体の弾性が高くなりすぎることを抑制でき、この結果、低温定着性が阻害される懸念を解消できると考える。一方で低分子量成分(Fr(L)の範囲にある分子)ではウレタン結合又はウレア結合が比較的多く存在していても低温定着性への影響は少なく、トナー保管時の熱的な安定性への効果が期待できる。これらの観点から、関係式(3)を満たすことで、低温定着性が阻害されることを回避でき、かつ、トナー保管時の熱的な安定性が向上するため好ましい。
関係式(3) 0.9≦A(L)/A(M)≦2.0
〈THFに可溶な成分の分析方法〉
分取GPCにて高分子量成分、中分子量成分、低分子量成分に分画して元素分析を行う。分析の方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、分取HPLC装置としてリサイクル分取HPLC LC−908型(日本分析工業社製)を用いて分画した各成分の窒素(N)元素量を、vario MICRO cube(Elementar社製)によって測定すればよい。
《離型剤》
離型剤には、公知の種々のワックスを用いることができる。当該ワックスの例には、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックス;及び、ベヘン酸ベヘネートなどのエステル系ワックス;が含まれる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス;マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス;カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが含まれる。
離型剤は、結晶性ポリエステルとの相互作用を有さないことが好ましい。なお、当該相互作用は、例えば相溶である。
また、離型剤は、低温定着時の離型性の観点から、融点の低い、具体的には融点が60〜100℃であることが好ましい。また、離型剤は、結晶性ポリエステルの融点Tに対して、(T−10℃)〜(T+20℃)程度の融点を有することが好ましい。
トナー母体粒子における離型剤の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。トナー粒子における離型剤の含有割合が上記範囲であることは、分離性及び定着性の両立の観点から好ましい。
離型剤のトナー粒子への導入方法としては、後述のトナーの製造方法の凝集、融着工程において、離型剤のみよりなる微粒子を非晶性ポリエステル樹脂の微粒子、結晶性ポリエステル樹脂の微粒子などとともに水系媒体中で凝集、融着する方法が挙げられる。離型剤微粒子は、離型剤を水系媒体に分散させた分散液として得ることができる。離型剤微粒子の分散液は、界面活性剤を含有する水系媒体を離型剤の融点より高い温度に加熱し、溶融した離型剤溶液を加えて機械的撹拌などの機械的エネルギーや超音波エネルギーなどを付与して微分散させた後、冷却することによって調製することができる。
《着色剤》
本発明に係るトナーは、着色剤を含有することが好ましい。当該着色剤は、1種でもそれ以上でもよい。
本発明に係るトナーのうち、ブラックトナーの着色剤は、導電性黒色着色剤を含む。当該導電性黒色着色剤の例には、カーボンブラック及び磁性体粒子が含まれる。カーボンブラックの例には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びランプブラックが含まれる。磁性体粒子の磁性体の例には、鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属;これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物;二酸化クロム;及び、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金;が含まれ、熱処理により強磁性を示す合金の例には、マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズなどのホイスラー合金が含まれる。なお、ブラックトナーの着色剤は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、非導電性の黒色着色剤を含んでいてもよい。
マゼンタトナーは、マゼンタ又はレッド用の着色剤を含有する。マゼンタ又はレッド用の着色剤の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238及び同269が含まれる。
また、イエロートナーは、オレンジ又はイエロー用の着色剤を含有する。オレンジ又はイエロー用の着色剤の例には、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180及び同185が含まれる。
さらに、シアントナーは、グリーン又はシアン用の着色剤を含有する。グリーン又はシアン用の着色剤の例には、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66及びC.I.ピグメントグリーン7が含まれる。
上記ブラックトナー及び上記有彩色トナーにおける上記着色剤の添加量は、適宜に、そして独立して決めることができ、例えば画像の色再現性を確保する観点から、1〜30質量%であることが好ましく2〜20質量%であることがより好ましい。また、着色剤の粒子の大きさは、体積平均粒径で、例えば10〜1000nmの範囲内であることが好ましく、50〜500nmの範囲内であることがより好ましく、80〜300nmの範囲内であることがさらに好ましい。当該体積平均粒径(体積基準のメジアン径)は、例えば、「UPA−150」(日機装社製))によって測定することができる。
《その他の内添剤》
荷電制御剤には、荷電制御剤として公知の種々の化合物を用いることができる。トナー粒子における荷電制御剤の含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。
《外添剤》
上記トナーは、上記トナー母体粒子に加えて、その表面に付着している外添剤を有し得る。当該外添剤は、トナーの流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するためにトナー母体粒子に外添される。外添剤の例には、流動化剤、クリーニング助剤が含まれる。外添剤は、1種でもそれ以上でもよい。外添剤がその表面に付着したトナー母体粒子(トナー粒子)は、一成分現像剤を構成し得る。
トナー粒子における外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜3質量部である。
外添剤の例には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウムなどの無機化合物の粒子;スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子;及び、高級脂肪酸の金属塩の粒子など滑剤;が含まれる。当該外添剤は、必要に応じて公知のシランカップリング剤やシリコーンオイルなどの表面処理剤によって疎水化処理されていてもよい。
《トナー粒子の好ましい体積平均粒径及び平均円形度》
トナー粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、3〜8μmであることが好ましく、より好ましくは5〜8μmである。当該体積平均粒径は、例えば後述する乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成などによって制御することができる。上記体積平均粒径が上記の範囲にあることは、転写効率の向上、ハーフトーンの画質向上、及び、細線やドットなどの画質の向上、の観点から好ましい。
トナー粒子のd50は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出される。具体的には、測定試料(トナー粒子)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が上記d50として求められる。
上記トナー粒子の平均円形度は、帯電特性の安定性及び低温定着性の観点から、0.930〜1.000であることが好ましく、0.950〜0.995であることがより好ましい。上記平均円形度が上記の範囲であることは、トナー粒子の耐破砕性の向上、それによる摩擦帯電付与部材の汚染の抑制、それによるトナーの帯電性の安定及び画質の向上の観点から好ましい。
上記平均円形度は、「FPIA−2100」(シスメックス株式会社製)を用いて測定される。具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(シスメックス株式会社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。下記式中、L0は、粒子投影像の周囲長を表し、L1は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を表す。
式:円形度=L1/L0
トナー粒子の軟化点は、低温定着性の観点から、80〜120℃であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃である。上記軟化点は、下記に示すフローテスターによって測定される。具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、試料(トナー粒子)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm(3.75MPa)の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを上記軟化点とする。
[トナーの好ましい吸熱量]
本発明のトナーは、示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、30J/g以下であることが好ましく、更に好ましくは、20J/g以下である。これにより、高速機において十分な熱量が供給されない場合でも、結晶性樹脂の溶融が十分となり、低温定着が可能なトナーを提供できる。
[トナーの製造方法]
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できるが、乳化重合凝集法や乳化凝集法を好適に採用できる。
また、本発明に係るトナーの製造方法として好ましく用いられる乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液に貧溶媒を滴下して転相乳化を行ったのちに脱溶媒することで、樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と着色剤分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーの製造方法として、乳化凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)着色剤の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(4)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー母体粒子を乾燥する工程
(6)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
≪現像剤≫
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散した分散型キャリア等用いてもよい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)としては、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)は、例えば湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置ヘロス(HELOS)(SYMPATEC社製)により測定することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明に係るトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、当該トナー粒子をコア粒子として当該コア粒子とその表面を被覆するシェル層とを備えるコア・シェル構造のような多層構造のトナー粒子であってもよい。シェル層は、コア粒子の全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)等の公知の観察手段によって、確認することができる。
コア・シェル構造の場合は、コア粒子とシェル層でガラス転移点、融点、硬度等の特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤等を含有し、ガラス転移点(T)が比較的低いコア粒子の表面に、ガラス転移点(T)が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェル層を形成することができる。シェル層は、公知の非晶性樹脂を含有することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[非晶性ポリエステル樹脂[A1]の合成]
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
多価カルボン酸として
・フマル酸:3.9質量部
・テレフタル酸:25.5質量部
多価アルコールとして
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO):56.8質量部
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物(BPA−EO):5.1質量部
を仕込み、反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてジブチルスズオキシドを、多価カルボン酸全量に対して0.006質量%となる量を投入し、さらに、生成される水を留去しながら反応系の温度を同温度(190℃)から6時間かけて240℃に上昇させ、240℃に到達した時点でトリメリット酸0.9質量部を添加した後、さらに240℃に維持した状態で酸価が24mgKOH/gとなるまで脱水縮合反応を継続して重合反応を行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂[A1]を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂[A1]は、数平均分子量(Mn)が5700、重量平均分子量(Mw)が34600、ガラス転移点(T)が63℃であった。
<酸価の測定法>
(試薬の準備)
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶解し、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を調製した。JIS特級水酸化カリウム7gをイオン交換水5mLに溶解し、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとした。炭酸ガスに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を調製した。標定はJIS K0070−1992の記載に従って行った。
(本試験)
粉砕した試料(トナー)2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(トルエン:エタノールが体積比で2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解した。次いで、指示薬として調製したフェノールフタレイン溶液を数滴加えて、調製した水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。なお、滴定の終点は指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時とした。
(空試験)
試料を用いない(すなわち、トルエン/エタノール(トルエン:エタノールが体積比で2:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記本試験と同様の操作を行った。
本試験と空試験の滴定結果を下記酸価算出のための式に代入して酸価を算出した。
酸価算出のための式:A=[(B−C)×f×5.6]/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:空試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
C:本試験時の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)
f:0.1mol/リットルの水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
[非晶性ポリエステル樹脂[A2]の合成]
非晶性ポリエステル樹脂[A1]の合成において、使用する多価カルボン酸及び多価アルコールの量を、表1のとおり変更し、240℃の反応を酸価が0.2mgKOH/gとなるまでを行うこととしたほかは、同様にして、非晶性ポリエステル樹脂[A2]を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂[A2]は、数平均分子量(Mn)が2100、重量平均分子量(Mw)が9500、ガラス転移点(T)が55℃であった。
[非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]の調製]
撹拌動力を与えるアンカー翼の備えられた反応容器に、メチルエチルケトン240質量部、イソプロピルアルコール(IPA)60質量部を添加し、窒素を送気して系内の空気を置換した。次いで、系内のオイルバス装置により60℃に加熱しながら非晶性ポリエステル樹脂[A1]300質量部をゆっくりと添加し、撹拌しながら溶解させた。次いで、これに10%アンモニア水20質量部を添加したのち、定量ポンプを用い、撹拌しながらこれに脱イオン水1500質量部を投入した。乳化系内が乳白色を呈し、かつ、撹拌粘度が低下することにより、乳化が行われたことを確認した。
その後、遠心力に基づく差圧によって乳化液を汲み上げ、反応槽内の壁上に濡れ壁を形成する撹拌翼、還流装置及び真空ポンプによる減圧装置が備えられたセパラブルフラスコへ乳化系を移送し、反応槽内の壁温度58℃の条件で減圧下撹拌を継続しながら溶媒及び分散媒を留去し、分散液が1000質量部に達した時点を終点とし、反応槽内圧を常圧にして、撹拌しながら常温まで冷却し固形分率30%の非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]を得た。
この非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]において分散する樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は162nmであった。
[非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD2]の調製]
非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]の調製において、非晶性ポリエステル樹脂[A1]の代わりに非晶性ポリエステル樹脂[A2]を用いたことの他は同様にして、非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD2]を調製した。
Figure 2018004861
[ウレタン/ウレア変性非晶性ポリエステル樹脂[B1]の合成]
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
・非晶性ポリエステル樹脂[A2]:411質量部
・脱水メチルエチルケトン:411質量部
を仕込み60℃で1時間撹拌した。この溶液に
・イソホロンジイソシアネート:89質量部
・脱水メチルエチルケトン:89質量部
のジイソシアネートの溶液を加え、還流させながら12時間反応させた。反応後の溶液にテトラブトキシチタネートをジイソシアネートの0.5%となる量を加え、還流下6時間反応させた後、一部を抜き取り、溶媒を除去してウレタン/ウレア変性非晶性ポリエステル樹脂[B1]を得た。
得られたウレタン/ウレア変性非晶性ポリエステル樹脂[B1]は、数平均分子量(Mn)が55600、重量平均分子量(Mw)が198000であった。
Figure 2018004861
[ウレタン/ウレア変性非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[BD1]の調製]
非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]の調製において、非晶性ポリエステル樹脂[A1]300質量部をメチルエチルケトン240質量部、イソプロピルアルコール(IPA)60質量部に溶解させた溶液の代わりに、ウレタン/ウレア変性非晶性ポリエステル樹脂[B1]の合成の反応後の溶液600質量部を用いたことの他は同様にして、ウレタン/ウレア変性非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[BD1]を調製した。
[低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C1]の合成]
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
多価カルボン酸として
・セバシン酸:169.0質量部
多価アルコールとして
・1,6−ヘキサンジオール:97.0質量部
を仕込み、反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてTi(OBu)を、多価カルボン酸全量に対して0.006質量%となる量を投入し、さらに、生成される水を留去しながら反応系の温度を同温度から6時間かけて240℃に上昇させ、さらに240℃に維持した状態で脱水縮合反応を継続して重合反応を行うことにより、低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C1]を得た。
得られた低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C1]は、数平均分子量(Mn)が3500、重量平均分子量(Mw)が20500、融点(T)が60℃であった。低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C1]の分子量及び融点は、上述のとおりに測定した。
[低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C2]〜[C6]の合成]
低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C1]の合成において、使用するモノマーの種類及び量を表3のとおり変更したほかは同様にして反応を行うことで、低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C2]〜[C6]を得た。
Figure 2018004861
[低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[CD1]の調製]
結晶性ポリエステル樹脂[C1]300質量部を溶融させて溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分15質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態の低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C1]の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した、濃度0.37質量%の希アンモニア水700質量部を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分35質量部の移送速度で移送した。そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cmの条件で運転することにより、体積基準のメジアン径が200nm、固形分率が30質量%の低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[CD1]を調製した。
[高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D1]の合成]
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
・1,6−ヘキサンジオール:62.0質量部
・ジメチロールプロパン:3.0質量部
・脱水メチルエチルケトン:65.0質量部
を仕込み60℃で30分撹拌した。この溶液に
・1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート:110.0質量部
・脱水メチルエチルケトン:110.0質量部
のジイソシアネートの溶液を加え、還流させながら6時間反応させた。
上記反応させた溶液に
・結晶性ポリエステル樹脂[C2]:480.0質量部
・脱水メチルエチルケトン:480.0質量部
を75℃で1時間撹拌し溶解させた溶液を加え、還流させながら12時間反応させた。反応後の溶液にテトラブトキシチタネートをジイソシアネートの0.5%となる量を加え、還流下6時間反応させた後、一部を抜き取り、溶媒を除去して高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D1]を得た。
得られた高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D1]は、数平均分子量(Mn)が55600、重量平均分子量(Mw)が198000であった。
[高分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1]の調製]
高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D1]のメチルエチルケトン溶液の温度を70℃に降温し、70℃を維持した状態で高分子量結晶性ポリエステル樹脂の固形分に対して7質量%の10%アンモニア水を添加したのち、定量ポンプを用い、撹拌しながらこれに固形分の3倍の70℃の脱イオン水を投入した。
その後、遠心力に基づく差圧によって乳化液を汲み上げ、反応槽内の壁上に濡れ壁を形成する撹拌翼、還流装置及び真空ポンプによる減圧装置が備えられたセパラブルフラスコへ乳化系を移送し、反応槽内の壁温度58℃の条件で減圧下撹拌を継続しながら溶媒及び分散媒を留去し、分散液が30質量%となる量に達した時点を終点とし、反応槽内圧を常圧にして、撹拌しながら常温まで冷却し固形分率30%の高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D1]の微粒子の水系分散液(高分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1])を得た。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1]において分散する樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は182nmであった。
[結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD2]〜[DD9]の調製]
高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D1]の合成において、使用する多価アルコール、ジイソシアネート及び低分子量結晶性ポリエステル樹脂(表4及び後述の表5には「結晶性樹脂(C)」と記載。)の種類及び量を表4のとおりに変更し、多価アルコール、ジイソシアネート、低分子量結晶性ポリエステルの各溶液の濃度が50質量%となるように脱水メチルエチルケトンの量を変更した以外は同様にして、反応を行うことで高分子量結晶性ポリエステル樹脂[D2]〜[D9]及びその50質量%のメチルエチルケトン溶液を得た。
得られた溶液を高分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1]の調製と同様に、乳化後に脱溶媒することで、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD2]〜[DD9]を得た。
Figure 2018004861
[ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E1]の合成]
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
・1,6−ヘキサンジオール:62.0質量部
・ジメチロールプロパン:3.0質量部
・脱水メチルエチルケトン:65.0質量部
を仕込み60℃で30分撹拌した。この溶液に
・1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート:140.0質量部
・脱水メチルエチルケトン:140.0質量部
のジイソシアネートの溶液を加え、還流させながら6時間反応させた。この溶液に
・低分子量結晶性ポリエステル樹脂[C5]:1500.0質量部
・脱水メチルエチルケトン:1500.0質量部
を75℃で1時間撹拌し溶解させた溶液を加え、還流させながら12時間反応させた。反応後の溶液に、テトラブトキシチタネートをジイソシアネートの0.5%となる量を加え、還流下6時間反応させた後、一部を抜き取り、溶媒を除去してウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E1]を得た。
得られたウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E1]は、数平均分子量(Mn)が3800、重量平均分子量(Mw)が25200であった。
[ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[ED1]の調製]
ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E1]のメチルエチルケトン溶液の温度を70℃に降温し、70℃を維持した状態で樹脂の固形分に対して7質量%の10%アンモニア水を添加したのち、定量ポンプを用い、撹拌しながらこれに固形分の3倍の70℃の脱イオン水を投入した。
その後、遠心力に基づく差圧によって乳化液を汲み上げ、反応槽内の壁上に濡れ壁を形成する撹拌翼、還流装置及び真空ポンプによる減圧装置が備えられたセパラブルフラスコへ乳化系を移送し、反応槽内の壁温度58℃の条件で減圧下撹拌を継続しながら溶媒及び分散媒を留去し、分散液が30質量%となる量に達した時点を終点とし、反応槽内圧を常圧にして、撹拌しながら常温まで冷却し固形分率30%のウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E1]の微粒子の水系分散液(ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[ED1])を得た。
このウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[ED1]において分散する樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は176nmであった。
[ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[ED2]の調製]
ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E1]の合成において、使用する多価アルコール、ジイソシアネート及び低分子量結晶性ポリエステル樹脂の種類及び量を表5のとおり変更し、多価アルコール、ジイソシアネート、低分子量結晶性ポリエステルの各溶液の濃度が50質量%となるように脱水メチルエチルケトンの量を変更した以外は同様にして、反応を行うことでウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂[E2]及びその50質量%のメチルエチルケトン溶液を得た。
得られた溶液を、ウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[ED1]と同様に乳化後に脱溶媒することでウレタン/ウレア変性低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[ED2]を得た。
Figure 2018004861
[離型剤微粒子の水系分散液[W]]
「ニッサンエレクトールWEP−3」(日油株式会社製、融点(T):73℃、「ニッサンエレクトール」及び「WEP」はいずれも同社の登録商標)50質量部、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム5質量部及びイオン交換水195質量部を混合し、90℃に加熱して、ホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーを用いて分散処理を行うことにより、離型剤微粒子の水系分散液[W]を調製した。離型剤微粒子の水系分散液[W]中の離型剤微粒子の体積基準のメジアン径d50は170nmであった。なお、「ニッサンエレクトールWEP−3」はベヘン酸ベヘニル(BB)を主成分とする精製品である。
[着色剤微粒子の水系分散液[Cy]の調製]
ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1510質量部に添加して溶解させた。この溶液を撹拌しながら、「C.I.ピグメントブルー18:3」400質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製、「クレアミックス」は同社の登録商標)を用いて分散処理することにより、固形分が20質量%である着色剤微粒子の水系分散液である水系分散液Bkを調製した。水系分散液Bk中の着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメジアン径d50)を「マイクロトラックUPA−150」(日機装株式会社製)を用いて測定したところ、160nmであった。
[トナー[1]の製造]
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を備えた反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]2500質量部(固形分で750質量部)、高分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1]233質量部(固形分で70質量部)、着色剤微粒子の水系分散液[Cy]300質量部(固形分で60質量部)、離型剤微粒子の水系分散液[W]450質量部(固形分で90質量部)及びイオン交換水3500質量部を投入し、撹拌しながら、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10(20℃)に調整した。
次いで、塩化マグネシウム160質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を10質量部/分の速度で添加した。5分間放置した後、低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[CD1]600質量部(固形分で180質量部)を25質量部/分の速度で添加した。その後5分放置した後に昇温を開始し、60分間かけて70℃まで昇温し、凝集反応を開始した。この凝集反応の開始後、定期的にサンプリングを行い、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて凝集粒子の体積基準のメジアン径を測定し、必要に応じて撹拌速度を低下させながら、体積基準のメジアン径d50が6.3μmになるまで撹拌を継続しながら凝集させた。
そして、体積基準のメジアン径d50が6.3μmになった時点で、撹拌速度を再び上げ、塩化ナトリウム300質量部をイオン交換水1200質量部に溶解させた水溶液を添加し、系の温度を80℃として撹拌を継続し、フロー式粒子像解析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)による測定で円形度が0.946に達した時点で、6℃/分の条件で30℃にまで冷却して反応を停止させることにより、着色粒子の分散液を得た。冷却後の着色粒子の粒径は6.1μm、円形度は0.946であった。
このようにして得られた着色粒子の分散液をバスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40」(松本機械(株)製)を用いて固液分離し、ウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が15μS/cmになるまで洗浄と固液分離を繰り返し、洗浄後のケーキを、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に少しずつ供給し、温度40℃、湿度20%RHの気流を吹き付けることによって水分量が2.0質量%程度となるまで乾燥処理し、24℃に冷却した。その後「振動流動層装置」(中央化工機社製)に移し、トナー温度が40℃の状態で2時間乾燥させることによって、水分量が0.5%以下であるトナー粒子[1X]を得た。
得られたトナー粒子[1X]に、疎水性シリカ1質量%及び疎水性酸化チタン1.2質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)により回転翼周速24mm/sec、20分間混合した後、400メッシュの篩を用いて粗大粒子を除去する外添剤処理を施すことにより、トナー[1]を製造した。
[トナー[2]〜[14]の製造]
トナー[1]の製造において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[CD1]、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1]の代わりに、それぞれ、表6に従ったものを用いたことの他は同様にして、トナー[2]〜[14]を得た。
<トナー[15]の作製>
・非晶性ポリエステル樹脂A3(三洋化成工業株式会社製、EXL−003、T61℃、Mw5500、主成分:ビスフェノールA及びその付加物、芳香族系多価脂肪酸):700質量部
・結晶性ポリエステル樹脂D10(T66℃、Mw110000、成分:セバシン酸49モル%、1,6−ヘキサンジオール49モル%、及びヘキサメチレンジイソシアネート2モル%(ウレタン付加物)):300質量部
・「ニッサンエレクトールWEP−3」(日油株式会社製):90質量部
・帯電制御剤(オリエント化学工業株式会社製:E−84):10質量部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー18:3)60質量部
をヘンシェルミキサーにて混合し、得られた混合物を連続2本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業株式会社製)により混練し、混練物を得た。
なお、使用した連続2本オープンロール型混練機は、ロール外径が0.14m、有効ロール長0.8mのものであり、運転条件は、加熱ロールの回転数が34rpm(周速度:4.8m/分間)、冷却ロールの回転数が29rpm(周速度:4.1m/分間)、ロール間隙が0.2mmとした。ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、加熱ロールの原料投入側の温度を125℃、混練物排出側の温度を75℃、冷却ロールの原料投入側の温度35℃及び混練物排出側の温度を30℃に設定した。また、原料混合物の供給速度は5kg/時間とした。
次いで、得られた前記混練物を空気中で冷却したのち、アトマイザーにて粗粉砕し、最大径が2mm以下の粗粉砕物を得た。
得られた前記粗粉砕物を、粉砕時の風圧を0.5MPaに調整した衝突式ジェットミル「IDS5型」(日本ニューマチック株式会社製)にて微粉砕し、更にその微粉砕物を気流式分級機「DS5型」(日本ニューマチック株式会社製)にて分級し、体積中位粒径(D50)6.5±0.3μmのシアントナー粒子15Xを得た。
得られたシアントナー粒子15Xに対し、トナー[1]の製造と同様の外添剤処理を施すことにより、トナー[15]を製造した。
[トナー[16]の製造]
トナー[1]の製造において、非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[AD1]、低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[CD1]、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液[DD1]の代わりに、それぞれ、表6に従ったものを用いたことと、低分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液を、非晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液と高分子量結晶性ポリエステル樹脂微粒子の水系分散液と同時に加えて反応させた以外は同様にして、トナー[16]を得た。
Figure 2018004861
[評価]
(1)トナーの吸熱量の算出
トナー粒子を試料として、DSCにて、10℃/分の昇温速度で室温から150℃まで加熱して(1回目の昇温過程)温度と熱量との関係を求め、次に、10℃/分の降温速度で0℃まで冷却し、再度これを10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱して(2回目の昇温過程)データを採取した。0℃及び150℃にてそれぞれ5分間ずつ維持した。1回目の昇温過程での結晶性樹脂及び離型剤に由来する階段状ではないピークの吸熱量を足し合わせたものをトナーの吸熱量とした。
(2)THFに可溶な成分
<THFに可溶な成分の分画>
試料とするトナー約1gを秤量し、円筒濾紙(例えば、No.86Rサイズ28×100mm東洋濾紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかけた。溶媒として、テトラヒドロフラン(THF)200mLを用いて12時間抽出した。このとき、THFの抽出サイクルが約4〜5分に1回になるような還流速度で抽出を行った。
抽出終了後、得られた抽出液を一晩放置し、析出物が無いことを確認した。析出物が生じていた場合や分取HPLCでピークのテーリングがみられた場合には、THFを用いて析出物やテーリングがみられなくなるまで希釈し一晩放置することで、希釈溶液を得た。前記抽出液又は前記希釈溶液を分取HPLCを用いて分子量70000の成分を得て乾燥し、秤量し樹脂成分Fr(H)を得た。
引き続き分子量70000から結着樹脂に由来するピークトップまでの樹脂成分Fr(M)、ピークトップから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大が開始するまでの樹脂成分Fr(L)を得た。
ここで、結着樹脂に由来する複数のピークが存在する場合には、結着樹脂に由来するピークの中で最もクロマトグラムのシグナルが高いピークのピークトップでFr(M)とFr(L)を分割した。
使用した装置は下記のとおりである。
・分取HPLC装置:リサイクル分取HPLC LC−908型(日本分析工業社製)
・分取カラム:JAIGEL−MH(日本分析工業社製)
なお、標準ポリスチレン試料は前述したGPC測定法用いたものと同様のものを使用した。
<分画した各成分のCHN分析>
分画した各成分(Fr(H)、Fr(M)及びFr(L))における、CHN分析を行った際の窒素(N)元素量A(H)、A(M)及びA(L)は、vario MICRO cube(Elementar社製)を使用して測定した。
具体的には、燃焼炉 950℃、還元炉 550℃、ヘリウム 流量200mL/min、酸素流量25〜30mL/minの条件でCHN同時測定を行い、2回測定した値の平均値とした。なお、本測定方法でN元素の量が0.5質量%未満であった場合は、さらに微量窒素分析装置ND−100型(三菱化学株式会社製)により測定を行った。電気炉温度は(横型反応炉)熱分解部分800℃、触媒部分900℃、測定条件は、メインO流量300mL/min、O流量300mL/min、Ar流量400mL/min、感度Lowとし、ピリジン標準液で作成した検量線をもとに定量を行った。
上記のようにして測定されたA(H)、A(M)及びA(L)は、表6に記載した。
(3)低温定着性
「bizhub PRESS 1250」(コニカミノルタ株式会社製、「bizhub」は同社の登録商標)を、通紙時の定着ニップ直後の加熱ベルトの温度を測定可能とし、かつ用紙の坪量に関わらず定着の線速を調整可能に改造した改造機を用いて、トナー[1]〜[16]のそれぞれについて、常温常湿(温度20℃、湿度50%RH)の環境下において、通紙速度570mm/秒の速度で坪量209gのA4サイズのコート紙を縦送りで搬送し、当該コート紙上に搬送方向に対して垂直方向に10mm幅のベタ黒帯状画像を有するA4画像を100枚連続プリントして定着させる定着実験を、定着温度を90℃、95℃・・・と5℃刻みで210℃まで増加させるよう設定して行った。
各定着温度での定着実験において、スタート時の温度低下が起こった際の定着温度の最低温度で印刷された画像で定着性の評価を行い、当該最低温度をその設定温度での定着温度とした。定着オフセットによる画像汚れが目視で確認されない上記画像のうち、最低の定着温度の画像の定着温度を最低定着温度とした。結果は表7に示す。なお、評価基準は下記のとおりである。
優:135℃未満
良:135℃以上145℃未満
可:145℃以上150℃未満
不可:150℃以上
次いで、各定着温度の定着実験において最低温度で印刷されたプリント物を、折り機で上記ベタ画像に対して、折った後にベタ画像同士が接触する向きに谷折りとなるように折り、これに0.35MPaの圧縮空気を吹き付け、折り目を下記の基準1に示す5段階にランク付けし、ランク3となる画像が得られた定着実験における最低温度を、折り定着温度として評価した。結果は表7に示す。
(基準1)
ランク5:全く剥離なし
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
ランク1:大きな剥離あり
(折り定着温度の基準)
優:135℃未満
良:135℃以上150℃未満
可:150℃以上160℃未満
不可:160℃以上
(4)光沢度及びその安定性
トナー[1]〜[16]のそれぞれについて、上記改造機を用い、低温定着性の試験により定着オフセットによる画像汚れが目視で確認されない状態となったときの定着温度の設定値+10℃を設定定着温度として画像を採取し、当該設定定着温度における最低温度での画像と100枚目の画像との75°光沢度を測定しその差の絶対値(G.U)を求め、当該絶対値に基づいて以下の基準により光沢度の安定性を評価した。
(光沢度の安定性の基準)
◎:光沢度の差が5未満、目視では全く問題ないレベル(合格)
○:光沢度の差が5以上10未満、実用上問題のないレベル(合格)
△:光沢度の差が10以上13未満、原稿の画像の種類によっては並べて比較をすると光沢差が確認できるが、許容可能なレベル(合格)
×:光沢度の差が13以上、実用上問題があるレベル(不合格)
また、100枚目の画像における光沢度をそのトナーの光沢度とした。
なお、光沢度の合格基準は下記のとおりである。
・48〜53%(合格:最良)
・42〜56%(合格:良)
・35〜60%(合格:可)
・35%未満又は60%より大きい(不合格:不可)
なお、75°光沢度は、光沢計「GMX−203」(村上色彩技術研究所杜製)を用いて測定角型を選択し、JIS Z 8741に準拠して、形成されたトナー像の中央部及び四隅の5点について75°光沢度を測定し、その算術平均値により算出されたものである。
(5)耐熱保管性(通過率)
トナー[1]〜[16]のそれぞれについて、トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、振とう機「タップデンサーKYT−2000」(セイシン企業株式会社製)を用いて室温で600回振とうした後、蓋を開けた状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、当該ガラス瓶中のトナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながら全量をのせて、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン株式会社製)にセットし、当該篩を押さえバー及びノブナットで固定し、送り幅1mmとなる振動強度で10秒間振動させ、篩を通過したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式によりトナーの篩通過率を算出した。得られた篩通過率に基づいてトナーの高温保存性の評価を行った。当該篩通過率が80%以上であるものを合格と判断した。下記式中、Wは、篩上に計量したトナーの質量(g)を表し、Wは、篩上に残存したトナーの質量(g)を表す。
式:篩通過率(%)={(W−W)/W}×100
Figure 2018004861
表7より、本発明に係るトナーは、低温定着性、定着後の画像の強度及び耐熱保管性に優れ、かつ、低光沢画像を形成でき、さらに、光沢度の安定性にも優れる画像を形成できることが示された。
なお、トナー8、9については、結晶性樹脂(D)の分子量が120000より小さいが、N比率が高い成分が入っているため、トナーの弾性が維持され、この結果、光沢が良好であるが、分子量が低いために(A(M)の領域に入ってきたために)定着下限温度、折り定着温度がその他の本発明に係るトナーに比べ劣っている。
また、トナー13は、本発明に係るトナーよりも定着下限温度、折り定着温度が悪い。これは、高分子結晶性ポリエステル樹脂[D10]に、定着性に影響を及ぼすFr(M)の領域の分子量も含まれており、その導入量が(例えば、トナー9よりも)増えたために、定着性が悪化したと考えられる。これはA(M)が大きくなることによりA(H)/A(M)が2以下となっていることにも反映されているものと考える。
Fr(H) 分子量70000以上の成分
Fr(M) 分子量70000未満からピークトップTbまでの成分
Fr(L) ピークトップTbから増大開始点Bwまでの成分
Tb ピークトップ
Bw シグナルの増大開始点

Claims (12)

  1. 結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記非晶性ポリエステル樹脂を全結着樹脂に対して50質量%以上含有し、
    前記結晶性樹脂が、それぞれ重量平均分子量の異なる結晶性樹脂(C)(低分子量体)と結晶性樹脂(D)(高分子量体)の2種の樹脂を含有し、
    前記結晶性樹脂(D)が少なくともウレタン結合又はウレア結合と、結晶性ポリエステルセグメントを有する樹脂を含有し、
    前記トナー粒子が含有する、テトラヒドロフランに可溶な成分を、ゲル浸透クロマトグラフィーで分子量70000以上の成分Fr(H)と、分子量70000未満から結着樹脂に由来するピークトップまでの成分Fr(M)と、ピークトップから離型剤に由来するクロマトグラムのシグナルの増大が開始するまでの成分Fr(L)と、に分画した各成分のCHN分析を行った際の窒素(N)元素量(質量%)を、A(H)、A(M)及びA(L)とするとき、下記関係式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    関係式(1) 2.0≦A(H)/A(M)
    関係式(2) A(L)<A(H)
  2. 前記窒素(N)元素量A(H)が、0.5〜3.0質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記窒素(N)元素量A(H)が、1.0〜2.0質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記窒素(N)元素量A(L)が、1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記結晶性樹脂(D)が、ウレタン重合セグメント及びウレア重合セグメントの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルセグメントと、が結合してなるウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記結晶性樹脂(C)が、ウレタン結合又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記窒素(N)元素量A(L)及び前記窒素(N)元素量A(M)が、下記関係式(3)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
    関係式(3) 0.9≦A(L)/A(M)≦2.0
  8. 前記結晶性樹脂(D)の重量平均分子量が、120000〜250000の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記結晶性樹脂(C)の重量平均分子量が、15000〜35000の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、30J/g以下であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 示差走査熱量測定(DSC)における1回目の昇温過程における吸熱量が、20J/g以下であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 前記非晶性ポリエステル樹脂を、全結着樹脂に対して60〜80質量%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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