JP2023158576A - シート搬送装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置及びシート搬送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】機械学習用データの収集にかかるコストの低減を図ることができるシート搬送装置を提供する。【解決手段】シート搬送装置たるADFは、シート搬送時の動作音を集音部たる集音マイクで集音(S4)し、集音した動作音に基づいて、この動作音の特徴を定量的に表現した特徴量であるメル周波数ケプストラム係数を算出する(S5)。そして、少なくとも算出したメル周波数ケプストラム係数と、搬送結果とを紐づけてデータテーブルとして記憶部たる不揮発性メモリに記憶する(S14)。【選択図】図8
Description
本発明は、シート搬送装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置及びシート搬送システムに関するものである。
従来、シートを搬送する搬送部材と、シート搬送時の動作音を集音する集音部と、集音部が集音した動作音の特徴を定量的に表現した特徴量を抽出する特徴量抽出部と、特徴量に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する搬送異常判定部とを備えるシート搬送装置が知られている。
特許文献1には、上記シート搬送装置として、搬送異常の発生を未然に抑制する目的で、集音部が集音した動作音の特徴を定量的に表現した特徴量を、教師あり機械学習法のひとつであるサポートベクターマシンに与え、特徴量を正常搬送、原稿変形、給紙スリップの3クラスのいずれかに分類するものが記載されている。そして、サポートベクターマシンにより特徴量がシートスリップおよび原稿変形に分類したときは搬送異常とし、シートスリップに分類したときは、搬送部材の加熱を実施し、原稿変形に分類したときは、給紙カバーを開くものが記載されている。
しかしながら、機械学習に用いる膨大な学習用データの収集にコストがかかるという課題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、シートを搬送する搬送部材と、シート搬送時の動作音を集音する集音部と、前記集音部が集音した前記動作音の特徴を定量的に表現した特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記特徴量に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する搬送異常判定部と、搬送経路上のシートを検出するシート検出部と、前記シート検出部の検出結果に基づいて、搬送異常を検出する搬送異常検出部と、少なくとも前記特徴量と前記搬送異常検出部の検出結果とが紐づけられたデータテーブルを記憶する記憶部と備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、機械学習用データの収集にかかるコストの低減を図ることができる。
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成部1と、白紙供給装置40と、原稿読取装置50とを備えている。原稿読取装置50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成部1と、白紙供給装置40と、原稿読取装置50とを備えている。原稿読取装置50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
白紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセットから転写紙を送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙を分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の給紙路37に転写紙を搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、給紙カセット内の転写紙を画像形成部1内の給紙路37内に給紙する。
図2は、画像形成部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。画像形成手段としての画像形成部1は、光書込装置2、K,Y,M,C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24を備えている。また、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設されたレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の1次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15なども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュウ8、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサー10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ13は、ドクタブレード14との対向位置からスリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ12表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサー10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。なお、現像装置6として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
ドラムクリーニング装置15としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュウ20上に落下する。回収スクリュウ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡されたトナーを現像装置6に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置23によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。なお、帯電装置23としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いている。感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。この転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
この2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されており、ローラ間に挟み込んだ転写紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙に一括2次転写され、転写紙の白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
定着装置34に搬送された転写紙は、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外へと排出される。
先に示した図1において、紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙が、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150は、第1面読取手段としての第1面固定読取部151や、第1面読取手段としての移動読取部152を有している。
第1面読取手段としての移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第2コンタクトガラスの直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサー153で受光する。
第1面読取手段としての第1面固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、後述するADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサーで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第1面を走査する。
また、スキャナ150は、原稿MSの第2面を読み取る密着型イメージセンサーも有している。この密着型イメージセンサーについては後述する。
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、原稿MSを搬送するための搬送ユニット、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第1コンタクトガラス154や第2コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第2コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第1面固定読取部151やADF51内の密着型イメージセンサーに順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、コピースタートボタンを押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第1面固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第1面の画像がスキャナ150の第1面固定読取部151によって読み取られる。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。また、図6は、ADF51及びスキャナ150の電気回路の一部を示すブロック図である。ADF51は、原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。
図6に示すように、ADF51は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等からなるコントローラ904を有しており、これによって各種の機器やセンサーを制御することができる。このコントローラ904には、レジストセンサー65、原稿セットセンサー63、排紙センサー61、突き当てセンサー72、原稿幅センサー73、読取入口センサー67、長さセンサー57,58などが接続されている。また、給紙モータ191、搬送モータ192、ピックアップモータ193、排紙クラッチ194なども接続されている。また、集音部としての集音マイク201、サイドガイド位置検知センサー806、記憶部としての不揮発性メモリ807なども接続されている。
集音マイク201は、原稿の搬送時の音を取り込むものである。サイドガイド位置検知センサー806は、幅方向移動可能に設けられ、原稿載置台53上の原稿の幅方向端部に突き当てて原稿の幅方向位置を規制するサイドガイド202(図7参照)の幅方向位置を検知するものである。サイドガイド位置検知センサー806としては、測距センサーなど、公知のセンサーを用いることができる。不揮発性メモリ807は、HDD、フラッシュメモリなどを用いることができ、後述するように機械学習に用いるためのデータテーブル等が記憶されている。この不揮発性メモリ807に記憶されたデータテーブルは、定期的にコントローラ904から本体制御部901に送信され、画像形成部1の通信部907によりインターネット回線906を通じて複写機の保守センターのサーバー905に送信される。
スキャナ150は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等からなる読取制御部903を有している。これにより、スキャナ150内部の各種機器やセンサーを制御することができる。また、読取制御部903は、I/FによってADF51のコントローラ904と接続されており、読取制御部903は、コントローラ904を介して、ADF51内の各種機器やセンサーを間接的に制御することもできる。
図5において、原稿セット部Aは、原稿MSの束がセットされる原稿載置台53等を有している。また、分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。また、レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。また、ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させるものである。また、第1読取搬送部Eは、第1コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第1コンタクトガラス154の下方でスキャナの内部に配設されている第1面固定読取部151に原稿MSの第1面を読み取らせるものである。また、第2読取搬送部Fは、密着型イメージセンサー95の下で原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第2面を密着型イメージセンサー95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
原稿MSは、原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能なシートトレイたる可動原稿テーブル54の上に原稿先端部が載せられるとともに、原稿後端側が原稿載置台53の上に載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置が調整される。このようにしてセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル54の上方で揺動可能に配設されたレバー部材62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサー63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ904に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ904からI/Fを介して読取制御部903に送られる。
原稿載置台53には、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサー又はアクチュエーター・タイプのセンサーからなる第1長さセンサー57、第2長さセンサー58が保持されている。これら長さセンサーにより、原稿MSの搬送方向の長さが検知される。
可動原稿テーブル54の上に載置された原稿MSの束の上方には、カム機構によって上下方向(図中矢印c,d方向)に移動可能に支持されるピックアップローラ80が配設されている。このカム機構は、ピックアップモータ193によって駆動することで、ピックアップローラ80を上下移動させることが可能である。ピックアップローラ80が上昇移動すると、それに伴って可動原稿テーブル54が図中矢印a方向に揺動して、ピックアップローラ80が原稿MSの束における一番上の原稿MSに当接する。更に可動原稿テーブル54が上昇すると、やがてテーブル上昇センサー59によって可動原稿テーブル54の上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップモータ193が停止するとともに、可動原稿テーブル54の上昇が停止する。
複写機の本体に設けられたテンキーやディスプレイ等からなる本体操作部902に対しては、操作者によって両面読取モードか、あるいは片面読取モードかを示す読取モード設定のためのキー操作や、コピースタートキーの押下操作などが行われる。即ち、本体操作部902は、両面読取モードであるのか、あるいは片面読取モードであるのかの情報を取得するモード情報取得手段として機能している。また、読取モードには、薄紙を読み取るための薄紙モードがあり、薄紙モードでは、通常の読取モードよりも原稿MSの搬送速度を全体に遅くして原稿を搬送する。
コピースタートキーが押下されると、本体制御部901からI/Fを介してADF51のコントローラ904に原稿給紙信号が送信される。すると、ピックアップローラ80が給紙モータ191の正転によって回転駆動して、可動原稿テーブル54上の原稿MSを可動原稿テーブル54上から送り出す。
両面読取モードか、片面読取モードかの設定に際しては、可動原稿テーブル54上に載置された全ての原稿MSについて一括して両面、片面の設定を行うことが可能である。また、1枚目及び10枚目の原稿MSについては両面読取モードに設定する一方で、その他の原稿MSについては片面読取モードに設定するなどといった具合に、個々の原稿MSについてそれぞれ個別に読取モードを設定することも可能である。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ191の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ191の正転によって図中時計回りに回転駆動される分離ローラ85が当接している。当接部においては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、分離ローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは当接部に原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、ベルト又は原稿MSに連れ回る。但し、当接部に複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなることから、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、分離ローラ85によって給紙とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。
給紙ベルト84や分離ローラ85の働きによって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、突き当てセンサー72の直下を通過する際にその先端が検知される。このとき、給紙モータ191の駆動力を受けているピックアップローラ80がまだ回転駆動しているが、可動原稿テーブル54の下降によって原稿MSから離間するため、原稿MSは給紙ベルト84の無端移動力のみによって搬送される。そして、突き当てセンサー72によって原稿MSの先端が検知されたタイミングから所定時間だけ給紙ベルト84の無端移動が継続する。その後、原稿MSの先端がプルアウト従動ローラ86とこれに当接しながら回転駆動するプルアウト駆動ローラ87との当接部に突き当たる。原稿MSの先端が両ローラの当接部に突き当たった状態で、原稿MSの後端側が給紙方向に向けて送られることで、原稿MSは所定量だけ撓んだ状態になりながら、先端が当接部に位置決めされる。これにより、原稿MSのスキュー(傾き)が補正されて、原稿MSは給紙方向に沿った姿勢になる。
プルアウト駆動ローラ87は、原稿MSのスキューを補正する役割の他に、スキューが補正された原稿MSを原稿搬送方向下流側の中間ローラ対66まで搬送する役割を担っている。ピックアップローラ80と給紙ベルト84を張架する駆動ローラ82とプルアウト駆動ローラ87と中間ローラ対の駆動ローラは、ワンウェイクラッチを介して給紙モータ191に接続されている。プルアウト駆動ローラ87と中間ローラ対の駆動ローラに接続されてワンウェイクラッチは、給紙モータ191の逆転時に駆動力を伝達し、駆動ローラ82に接続されたワンウェイクラッチは、給紙モータ191の正転時に駆動力を伝達する。そのため、給紙モータ191が逆転すると、プルアウト駆動ローラ87と、中間ローラ対66の駆動ローラとが回転を開始するとともに、給紙ベルト84の無端移動が停止する。また、このとき、ピックアップローラ80の回転も停止される。
プルアウト駆動ローラ87から送り出された原稿MSは、原稿幅センサー73の直下を通過する。原稿幅センサー73は、反射型フォトセンサー等からなる紙検知部を複数有しており、これら紙検知部は原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に並んでいる。どの紙検知部が原稿MSを検知するのかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズが検知される。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサー72によって検知されてから、原稿MSの後端が突き当てセンサー72によって検知されなくなるまでのタイミングに基づいて検知される。
原稿幅センサー73によって幅方向のサイズが検知された原稿MSの先端は、ターン部Dに進入して、中間ローラ対66のローラ間の当接部に挟み込まれる。この中間ローラ対66による原稿MSの搬送速度は、後述する第1読取搬送部Eでの原稿MSの搬送速度よりも高速に設定されている。これにより、原稿MSを第1読取搬送部Eに送り込むまでの時間の短縮化が図られている。
ターン部D内を搬送される原稿MSの先端は、原稿先端が読取入口センサー67との対向位置を通過する。これによって原稿MSの先端が読取入口センサー67によって検知されると、その先端が搬送方向下流側の読取入口ローラ対(89と90との対)の位置まで搬送されるまでの間に、中間ローラ対66による原稿搬送速度が減速される。また、搬送モータ192の回転駆動の開始に伴って、読取入口ローラ対(89,90)における一方のローラ、読取出口ローラ対92における一方のローラ、第2読取出口ローラ対93における一方のローラがそれぞれ回転駆動を開始する。
ターン部D内においては、原稿MSが中間ローラ対66と読取入口ローラ対(89、90)との間の湾曲搬送路で搬送される間に上下面が逆転されるとともに、搬送方向が折り返される。そして、読取入口ローラ対(89、90)のローラ間のニップを通過した原稿MSの先端は、レジストセンサー65の直下を通過する。このとき原稿MSの先端がレジストセンサー65によって検知されると、所定の搬送距離をかけながら原稿搬送速度が減速されていき、第1読取搬送部Eの手前で原稿MSの搬送が一時停止される。また、読取制御部903にI/Fを介して一時停止信号が送信される。
一時停止信号を受けた読取制御部903が読取開始信号を送信すると、コントローラ904の制御により、原稿MSの先端が第1読取搬送部E内に到達するまで、搬送モータ192の回転が再開されて所定の搬送速度まで原稿MSの搬送速度が増速される。そして、原稿MSの先端が第1面固定読取部151による読取位置に到達するタイミングで、コントローラ904から読取制御部903に対して原稿MSの第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第1面固定読取部151による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第1面が第1面固定読取部151によって読み取られる。なお、原稿MSの先端が第1面固定読取部151による読取位置に到達するタイミングは、搬送モータ192のパルスカウントに基づいて算出される。
第1読取搬送部Eを通過した原稿MSは、後述の読取出口ローラ対92を経由した後、その先端が排紙センサー61によって検知される。片面読取モードが設定されている場合には、後述する密着型イメージセンサー95による原稿MSの第2面の読取が不要である。そこで、排紙センサー61によって原稿MSの先端が検知されると、排紙クラッチ194によって搬送モータ192の駆動力が排紙ローラ対94に繋がれ、排紙ローラ対94における図中下側の排紙ローラが図中時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサー61によって原稿MSの先端が検知されてからの搬送モータ192のパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、排紙クラッチ194によって搬送モータ192の駆動力を切って排紙ローラ対94を停止する。
一方、両面読取モードが設定されている場合には、排紙センサー61によって原稿MSの先端が検知された後、密着型イメージセンサー95に到達するまでのタイミングが搬送モータ192のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ904から読取制御部903に対して原稿MSの第2面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が密着型イメージセンサー95による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第2面が密着型イメージセンサー95によって読み取られる。
第2面読取手段としての密着型イメージセンサー95(CIS)は、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。密着型イメージセンサー95との対向位置には、原稿MSを非読取面側(第1面側)から支持する原稿支持手段としての第2読取ローラ96が配設されている。この第2読取ローラ96は、密着型イメージセンサー95による読取位置での原稿MSの浮きを防止するとともに、密着型イメージセンサー95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。本複写機では、密着型イメージセンサー95との対向位置で原稿を支持する原稿支持手段として、第2読取ローラ96を用いたが、ガイド板状のものを用いてもよい。
図7は、集音マイク201の配置に関する説明図である。(a)は、原稿のセット基準が、装置の奥側の場合のときの集音マイク201の配置を示す図であり、(b)は、原稿のセット基準が、装置の中央の場合のときの集音マイク201の配置を示す図である。(c)は、ピックアップローラ80付近を軸方向から見た図である。
図7に示すように、本実施形態では、集音マイク201は、給紙カバー98に取り付けられており、ピックアップローラ80に対して原稿搬送の上流側に配置されている。本実施形態では、原稿給紙時の動作音を集音するのが目的であるため、給紙時に駆動されるピックアップローラ80の周囲に配置している。なお、集音マイク201の配置位置は、これに限らず、給紙/分離動作の動作音を良好に集音できる箇所に適宜、配置すればよい。図中80aは、ピックアップローラ80を可動原稿テーブル54に載置された原稿に対して接離可能に保持するホルダ80aである。
図7に示すように、本実施形態では、集音マイク201は、給紙カバー98に取り付けられており、ピックアップローラ80に対して原稿搬送の上流側に配置されている。本実施形態では、原稿給紙時の動作音を集音するのが目的であるため、給紙時に駆動されるピックアップローラ80の周囲に配置している。なお、集音マイク201の配置位置は、これに限らず、給紙/分離動作の動作音を良好に集音できる箇所に適宜、配置すればよい。図中80aは、ピックアップローラ80を可動原稿テーブル54に載置された原稿に対して接離可能に保持するホルダ80aである。
ピックアップローラ80は、原稿を給送するとき、給送する原稿の真下の原稿または可動原稿テーブル54との摩擦力に抗して原稿を搬送するため、原稿がピックアップローラ80に対してスリップが生じやすい。スリップが生じることで、原稿が所定時間内に規定の位置へ搬送されず、用紙ジャムとなるおそれがある。
原稿がADF内にある程度、搬送された後に搬送異常として用紙ジャムとなった場合は、原稿の取り出しが容易でなくなり、原稿の取り出し時に原稿にしわや破れが生じ、原稿にダメージを与えるおそれがある。
また、ユーザーの不注意でステイプル針やクリップにより綴じられた複数枚の原稿MSの束を原稿載置台53にセットする場合がある。このような綴じられた原稿の束が給送されると、分離ローラ85の給紙ベルト84との当接部である分離部で用紙ジャムとなるおそれがある。また、ステイプル針やクリップなどの金属片により綴じられた複数枚の原稿MSの束の先端が分離部に進入すると、原稿の束のうち最上位の原稿は、給紙ベルト84により引き続き搬送される。しかし、2枚以降の原稿は、分離ローラ85により戻される搬送力が付与される。その結果、金属片により綴じられた箇所に大きな応力が加わり、原稿に破れや折れやしわなどが発生し、原稿にダメージを与えるおそれがある。
そのため、本実施形態では、原稿給紙時の動作音から用紙ジャムが発生するおそれがあるか否かを判定し、用紙ジャムが発生するおそれがある場合は、原稿の搬送を停止して、用紙ジャムの発生を未然に防ぎ原稿のダメージ発生を予防している。
図8は、コントローラ904によって実施される動作状態判別処理を示すフローチャートである。
本体制御部901からコントローラ904に原稿給紙信号とユーザーが本体操作部902を操作して設定した読取モードが送信されると、コントローラ904は、読取モードが通常モードか薄紙モードかを確定する(S1)。
本体制御部901からコントローラ904に原稿給紙信号とユーザーが本体操作部902を操作して設定した読取モードが送信されると、コントローラ904は、読取モードが通常モードか薄紙モードかを確定する(S1)。
次に、コントローラ904は、サイドガイド位置検知センサー806の検知結果に基づいて、原稿載置台53にセットされた原稿の幅サイズを仮決定する(S2)。次に、コントローラ904は、給紙/分離動作を開始し(S3)、同時に集音マイク201により、原稿給紙時の動作音を集音する(S4)。コントローラ904は、集音された動作音データを、順次、所定長のフレームに切り出し、音の特徴量であるメル周波数ケプストラム係数を算出する(S5)。すなわち、本実施形態では、コントローラ904が、特徴量抽出部として機能する。
メル周波数ケプストラム係数は、音声のスペクトル包絡(声道成分に由来した周波数特性)に対して、ヒトの周波数知覚特性を考慮したメル周波数で重み付けをした特徴量であり、音声認識の特徴量としてよく用いられるものである。
上記「メル周波数」は、人間には、可聴域の下限に近い音は高めに、上限に近い音は低めに聞こえるという、音高知覚があり、その人間音声知覚の特徴を考慮して変換された周波数のことである。「ケプストラム」は、音声信号(波形データ)をフーリエ変換して周波数スペクトルに変換した後、その対数を取ったものを逆フーリエ変換して時間空間に戻したものになる。「ケプストラム」は、「スペクトルの対数のフーリエ逆変換」(スペクトルのスペクトル)とも呼ばれ、スペクトルの微細な構造(細かい微妙な変化)とスペクトルのゆるやかな変化(スペクトル包絡)とに分離したものである。
上述したようにメル周波数ケプストラム係数は、声道成分に由来した周波数特性である音声のスペクトル包絡を取り出したものである。しかし、給紙作時の正常搬送時の動作音のスペクトル包絡、スリップ発生時や、綴じられた複数枚の原稿の束の搬送時等の搬送異常時の動作音のスペクトル包絡が互いに異なっている。よって、メル周波数ケプストラム係数により、正常搬送と異常搬送とを分類することが可能である。
なお、本実施形態では、動作状態判別に用いる動作音の特徴を定量的に表現した特徴量としてメル周波数ケプストラム係数を用いているが、これに限られるものではない。例えば、動作状態判別に用いる動作音の特徴量として線形予測係数等、公知の音の特徴量を用いてもよい。
算出されたメル周波数ケプストラム係数は、教師あり機械学習法のひとつであるサポートベクターマシンによる搬送異常判定部たる分類器にかけられ、動作状態が判別される(S6)。
サポートベクターマシンは、複数次元データを学習済みモデルに基づいて、複数のクラスに線形分離し分類する。つまり、本実施形態では、集音マイク201で集音した給紙の動作音の特徴量であるメル周波数ケプストラム係数を、正常搬送と異常搬送の2クラスのいずれかに分類する。サポートベクターマシンは、少ない教師データで高い汎化性能を持て、高精度に、正常搬送と異常搬送の判別を行うことができる。
サポートベクターマシンは、複数次元データを学習済みモデルに基づいて、複数のクラスに線形分離し分類する。つまり、本実施形態では、集音マイク201で集音した給紙の動作音の特徴量であるメル周波数ケプストラム係数を、正常搬送と異常搬送の2クラスのいずれかに分類する。サポートベクターマシンは、少ない教師データで高い汎化性能を持て、高精度に、正常搬送と異常搬送の判別を行うことができる。
本実施形態では、原稿厚さ、原稿の幅、原稿の搬送速度など、動作音に影響を与える搬送パラメータに応じた複数の分類器を有している。各分類器は、原稿厚さ、原稿の幅、原稿の搬送速度で分けられた複数の学習用データに基づいて得られた互いに異なる学習済みモデルによって、上記特徴量を正常搬送と異常搬送とに分類する。
動作音の音声信号(波形データ)は原稿厚さ、原稿幅、搬送速度によって周波数ごとの信号成分の強さが異なる傾向がある。例えば、薄紙の給紙の動作音は、普通紙の場合に比べて高い周波数の信号成分が強くなる傾向がある。また原稿幅が大きいほど全体的に信号成分の強さが大きくなる傾向がある。また搬送速度が速いほど高い周波数の信号成分の強さが大きくなる傾向がある。
このように、原稿厚さ、原稿幅、搬送速度によって動作音の音声信号(波形データ)が異なる。よって、原稿厚さ、原稿幅、搬送速度に応じた互いに異なる学習済みモデルを有する複数の分類器を用意することで、正常搬送と異常搬送の判別精度を高めることができる。
本実施形態では、上記ステップS1で確定した読取モードから、原稿厚さ(普通紙/薄紙)と、原稿搬送速度とが把握され、上記ステップS2で原稿幅が把握される。コントローラ904は、上記ステップS1、上記ステップS2で把握された情報から用いる分類器を決定する。
上記学習済みモデルは、後述するように、複写機の保守センターのサーバー905で、市場で使用されている複数の装置から収集されたデータテーブルに基づいて学習させた学習済みモデルである。
分類器によって、メル周波数ケプストラム係数を異常搬送(用紙ジャム)に分類したときは、用紙ジャムが発生するおそれがあるため給紙/分離動作を終了(S31)し、ユーザーに対して、原稿搬送を継続するか否かの問い合わせを行う(S32)。なお、ユーザーに対する問い合わせに関する動作については後述する。
このように、原稿給紙時の動作音に基づいて、異常搬送(用紙ジャム)の発生を予測して、原稿搬送を停止することで、用紙ジャムが発生するのを未然に防ぐことができる。また、原稿が分離部に到達する前に、原稿の搬送を停止でき、容易に原稿を取り出すことができる。よって、ADFの奥まった箇所で用紙ジャムが発生して、原稿の取り出しが容易できなくなり、原稿の取り出し時に原稿にしわや破れが生じるのを抑制することができる。また、ステープル針で綴じられた複数の原稿が分離部に進入してジャムとなるのを未然に防ぐことが可能となり、原稿の破れや折れが生じるのを抑制できる。よって、原稿の破れや折れ、しわなどなどの原稿のダメージを予防でき、原稿を保護することができる。
一方、分類器が正常搬送と判断したときは、給紙/分離動作を継続(S7)し、プルアウト動作(S9)、レジスト停止処理(S10)が行われる。このプルアウト動作(S9)の途中で、原稿幅センサー73によって原稿MSの幅方向のサイズが確定される。その後は、読取制御部903からの読取開始信号の受信を待ち(S11)、受信後(S11のY)、原稿の搬送を再開し、読取搬送処理が行われる(S12)。
ステップS7~S11の一連の搬送制御に並行して、コントローラ904は、シート検出部たる読取入口センサー67、レジストセンサー65および排紙センサー61により、所定のタイミングまでに原稿がきたか否かを監視している。そして、所定のタイミングまでに上記読取入口センサー67、レジストセンサー65および排紙センサー61が原稿を検出しなかったときは、用紙ジャムが発生したとして、原稿搬送動作を中断する(S21)。すなわち、本実施形態では、コントローラ904が搬送異常検出部としての機能を有している。
そして、排紙センサー61が所定のタイミングまでに原稿を検出し、原稿が原稿スタック台55に排出されたときは、コントローラ904は、搬送結果を「正常」と判定する(S13)。次に、ステップS5で算出したメル周波数ケプストラム係数、ステップS1で確定した読取モードに基づく原稿厚さと搬送速度、ステップS9で確定した原稿幅およびステップ13で確定した搬送結果(「正常」)を紐づけデータテーブルとして不揮発性メモリ807に記憶する(S14)。
一方、用紙ジャムが発生し、原稿搬送動作を中断(S21)したときは、コントローラ904は、搬送結果を「ジャム」と判定する(S22)。そして、ステップS5で算出したメル周波数ケプストラム係数、ステップS1で確定した原稿厚さと搬送速度、ステップS9で確定した原稿幅およびステップ22で確定した搬送結果(「ジャム」)を紐づけデータテーブルとして不揮発性メモリ807に記憶する(S14)。なお、給紙/分離動作中(S7)に未達/滞留ジャムを検出した場合等、原稿幅センサー73によって原稿MSの幅方向のサイズが確定されるまえに未達/滞留ジャムを検出した場合は、ステップS2で仮決定した原稿幅を不揮発性メモリ807に記憶する。
図9は、不揮発性メモリ807に記憶されるデータテーブルの一例を示す図である。
図9に示すように搬送された原稿ごとにメル周波数ケプストラム係数、原稿厚さ、搬送速度、原稿幅、搬送結果がテーブルの1行として、不揮発性メモリ807に記憶されていく。
図9に示すように搬送された原稿ごとにメル周波数ケプストラム係数、原稿厚さ、搬送速度、原稿幅、搬送結果がテーブルの1行として、不揮発性メモリ807に記憶されていく。
不揮発性メモリ807に記憶された図9に示すデータテーブルは、定期的にコントローラ904から本体制御部901に送信される。そして、画像形成部1の通信部907によりインターネット回線906を通じて複写機の保守センターのサーバー905に送信される(図6参照)。サーバー905には、市場で使用されている複数の装置から上記データテーブルが送られ、サーバー905には、膨大な上記データテーブルが集積される。
データテーブルには、図9に示すように、動作音の特徴量であるメル周波数ケプストラム係数とそれに対応する正解データとしての搬送結果とを有しており、機械学習に必要な学習用データが含まれる。また、このデータテーブルには、学習データを仕分けするための、原稿厚さ、原稿の幅、原稿の搬送速度などの搬送パラメータが含まれている。
装置の開発者は、このサーバー905に集積されたデータテーブルの原稿厚さ、原稿の幅、原稿の搬送速度などの動作音に影響を与える搬送パラメータに基づいて、メル周波数ケプストラム係数とそれに対応する搬送結果とからなる学習用データを区分けする。そして、区分けした学習用データを用いて、機械学習を実行し、新たな学習済みモデルを生成する。この学習済みモデルは、サーバー905に集積された多くの学習用データを用いて機械学習させて得られたものであり、学習済みモデルの正常搬送と異常搬送の区分けの性能を高めることができる。
このようにして新たに生成された学習済みモデルは、サーバー905からインターネット回線906を通じて各複写機に送られる。画像形成部1の通信部907が受信した新たに生成された学習済みモデルは、本体制御部からコントローラ904に送信され、コントローラ904が内包する分類器の学習済みモデルが、新たに生成された学習済みモデルに更新される。これにより、精度よく動作音から原稿搬送状態を判定することができる。
このように、本実施形態では、メル周波数ケプストラム係数と搬送結果とが紐付けられた学習用データを不揮発性メモリ807に記憶していく。そして、市場で使用されている複数の装置から不揮発性メモリ807の記憶された学習用データをインターネット回線を利用して収集することができる。これにより、開発元で大量の装置を用意して、長期間装置を駆動せずとも、膨大な学習用データを収集することができ、学習用データ収集のコスト低減を図ることができる。
また、上記学習用データに紐付けて、動作音に影響を及ぼす搬送パラメータ(原稿厚さ、搬送速度、原稿幅等)を不揮発性メモリ807に記憶することで、上記搬送パラメータに応じた学習済みモデルを生成することができる。これにより、上記搬送パラメータに応じた学習済みモデルによって、正常搬送か異常搬送かの判別を行うことができ、良好に動作音から、異常搬送の発生を予測することができる。なお、本実施形態では、搬送パラメータとして、原稿厚さ、搬送速度、原稿幅を用いているが、用いる搬送パラメータは、装置の構成等により適宜選択すればよい。例えば、原稿の材質や、ピックアップローラ80の状態(劣化等)等、動作音に影響を与える要素を搬送パラメータとして用いてもよい。
図10は、分類器が搬送異常と判別したときに、ユーザーに問い合わせを行う問い合わせ制御の制御フロー図であり、図11は、本体操作部902のタッチパネルなどの操作表示部に表示させる問い合わせ画面の遷移の一例について説明する図である。
図8を用いて説明したように、分類器がメル周波数ケプストラム係数を搬送異常に分類したときは、給紙/分離動作を一時停止し、ユーザーへの問い合わせ制御が実施される。
問い合わせ制御が実施されると、コントローラ904は、まず、本体制御部901を通じて本体操作部902の操作表示部に図11(a)に示すような問い合わせ画面を表示する(S41)。
図8を用いて説明したように、分類器がメル周波数ケプストラム係数を搬送異常に分類したときは、給紙/分離動作を一時停止し、ユーザーへの問い合わせ制御が実施される。
問い合わせ制御が実施されると、コントローラ904は、まず、本体制御部901を通じて本体操作部902の操作表示部に図11(a)に示すような問い合わせ画面を表示する(S41)。
図11(a)では「読み取り続行」ボタンは無効化されており、ユーザーは「中止」ボタンのみを押下できるようになっている。なお、この図11(a)では、「読み取り続行」ボタンが表示されているが、「中止」ボタンのみ表示するようにしてもよい。
ユーザーが、図11(a)に示す問い合わせ画面に表示された指示に従って原稿を原稿載置台53から取り出すと、原稿セットセンサー63は原稿の未セットを検知する。原稿セットセンサー63が原稿の未セットを検知したら、コントローラ904はタイマーを使用して計時開始する(S42)。また、本体制御部901を通じて本体操作部902のタッチパネルに表示している問い合わせ画面を、図11(b)の問い合わせ画面に更新する(S43)。
この図11(b)に示す問い合わせ画面においても、「読み取り続行」ボタンは無効化されており、ユーザーは「中止」ボタンのみを押下できるようになっている。なお、この図11(b)も、「読み取り続行」ボタンは表示せず、「中止」ボタンのみ表示するようにしてもよい。
ユーザーが図11(b)に示す問い合わせ画面に表示された指示に従って原稿がステープル綴じされていないか確認し、ステープル綴じされている場合はステープル針を外して原稿を原稿載置台53にセットする。原稿を原稿載置台53にセットすると、原稿セットセンサー63は原稿のセットを検知する。原稿セットセンサー63が原稿のセットを検知したら、コントローラ904はタイマーの計時を終了する(S44)。そして、本体制御部901を通じて本体操作部902のタッチパネルに表示している問い合わせ画面を、図11(c)に示す問い合わせ画面に更新する(S45)。
この図11(c)に示す問い合わせ画面では「読み取り続行」ボタンは有効化されており、ユーザーは「読み取り続行」と「中止」ボタンのどちからを押下できるようになっている。
この図11(c)に示す問い合わせ画面では「読み取り続行」ボタンは有効化されており、ユーザーは「読み取り続行」と「中止」ボタンのどちからを押下できるようになっている。
ユーザーが図11(c)に示す問い合わせ画面の「読み取り続行」ボタンを押下すると、コントローラ904はタイマーの計時時間が、所定時間以上か否かを確認する(S46)。このタイマーの計時時間は、ユーザーが原稿載置台53から原稿を取りしてから原稿載置台53に原稿を再セットするまでの時間である。原稿にステープル針などが無い場合は、確認後にすぐに原稿を再セットするため、上記計時時間は短く、上記所定時間未満となる。一方、原稿がステープル針等により綴じられていた場合は、原稿からステープル針等を取り外してから、原稿を原稿載置台53に再セットすることになる。そのため、原稿載置台53から原稿を取りしてから原稿載置台53に原稿を再セットするまでの時間が長くなり上記所定時間以上となる。
よって、タイマーの計時時間が所定時間以上であった場合(S46のYes)は、コントローラ904はステープル綴じされた原稿からステープル針を外したと判断する。ステープル綴じされた原稿が搬送された場合は、分離部で用紙ジャムとなるため、搬送結果を「ジャム」とする(S47)。そして、図8の制御フローにおけるステップS1で確定した原稿厚さおよび搬送速度、ステップS2で仮決定した原稿幅およびステップS47の搬送結果(「ジャム」)を紐づけて不揮発性メモリ807に記憶する(S48)。一方、タイマーの計時時間が所定時間内の場合(S46のNo)は、そのまま、問い合わせ制御を終了する。
また、ユーザーが図11(c)に示す問い合わせ画面の「読み取り続行」ボタンを押下すると、コントローラ904は、原稿の搬送を再開する。このときは、図12に示す制御フローを実行し、分類器を用いた搬送異常予測は行わずに搬送する。しかし、図12のS4に示すように、集音マイク201により動作音は集音し、バックグランドでメル周波数ケプストラム係数の算出を行う(S5)。そして、図8に示すフローと同様にメル周波数ケプストラム係数、原稿厚さ、搬送速度、原稿幅および搬送結果を紐づけたデータテーブルとして不揮発性メモリ807に記憶する(S14)。これにより、原稿搬送再開時においても、学習用データを取得することができる。
また、本実施形態では、分類器による異常搬送予測を実行するか否かをユーザーが本体操作部902を操作して設定できるようになっている。この異常搬送予測を実行しないときも上述した図12に示すフローを実施し、動作音を集音しメル周波数ケプストラム係数を算出する。そして、メル周波数ケプストラム係数と搬送結果とで構成される学習用データを取得する。
上述では、シート給送装置としてADF51に本発明を適用した例について説明したが、画像形成部1の転写紙を搬送する搬送装置に本発明を適用することもできる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
原稿MSなどのシートを搬送するピックアップローラ80などの搬送部材と、シート搬送時の動作音を集音する集音マイク201などの集音部と、集音部が集音した動作音の特徴を定量的に表現したメル周波数ケプストラム係数などの特徴量を抽出するコントローラ904などの特徴量抽出部と、特徴量に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する分類器などの搬送異常判定部と、搬送経路上のシートを検出するシート検出部(本実施形態では、読取入口センサー67、レジストセンサー65および排紙センサー61)、シート検出部の検出結果に基づいて、搬送異常を検出するコントローラ904などの搬送異常検出部と、少なくとも特徴量と搬送異常検出部による検出結果とが紐づけられたデータテーブルを記憶する不揮発性メモリ807などの記憶部と備えた。
特徴量を正常搬送または異常搬送に分類可能となるように機械学習させるためには、特徴量と正解データたる搬送結果とが紐づけられた学習用データが必要となる。従来、この学習用データは、例えば、開発者が試験室等で装置を駆動することで得ていた。機械学習による分類性能を高めるためには、膨大な学習用データが必要になる。上記のように、開発者が装置を駆動して、膨大な学習用データを得るには、長い時間装置を駆動したり、大量の装置を用意したりする必要があり、膨大な学習データを収集するのにコストがかかるという課題がある。
これに対し、態様1では、特徴量抽出部で抽出したシート搬送時の動作音の特徴を定量的に表現した特徴量と、搬送異常検出部の検出結果とが紐づけられたデータテーブルが記憶部に記憶される。このように記憶部に上記学習用データとして利用可能な特徴量と搬送結果とが紐づけられたデータテーブルが記憶されることで、市場で使用されている多くの装置から、例えば、インターネット回線を利用するなどして記憶部に記憶されているデータテーブルを開発者の元に送ることが可能となる。これにより、開発者が試験室で大量の装置を長期間駆動せずとも、膨大な上記学習データを、市場で使用されている装置から収集することが可能となる。よって、開発者が試験室で大量の装置を長期間駆動して学習用データを収集する場合に比べて、膨大な学習用データの収集のコストダウンを図ることができる。
(態様1)
原稿MSなどのシートを搬送するピックアップローラ80などの搬送部材と、シート搬送時の動作音を集音する集音マイク201などの集音部と、集音部が集音した動作音の特徴を定量的に表現したメル周波数ケプストラム係数などの特徴量を抽出するコントローラ904などの特徴量抽出部と、特徴量に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する分類器などの搬送異常判定部と、搬送経路上のシートを検出するシート検出部(本実施形態では、読取入口センサー67、レジストセンサー65および排紙センサー61)、シート検出部の検出結果に基づいて、搬送異常を検出するコントローラ904などの搬送異常検出部と、少なくとも特徴量と搬送異常検出部による検出結果とが紐づけられたデータテーブルを記憶する不揮発性メモリ807などの記憶部と備えた。
特徴量を正常搬送または異常搬送に分類可能となるように機械学習させるためには、特徴量と正解データたる搬送結果とが紐づけられた学習用データが必要となる。従来、この学習用データは、例えば、開発者が試験室等で装置を駆動することで得ていた。機械学習による分類性能を高めるためには、膨大な学習用データが必要になる。上記のように、開発者が装置を駆動して、膨大な学習用データを得るには、長い時間装置を駆動したり、大量の装置を用意したりする必要があり、膨大な学習データを収集するのにコストがかかるという課題がある。
これに対し、態様1では、特徴量抽出部で抽出したシート搬送時の動作音の特徴を定量的に表現した特徴量と、搬送異常検出部の検出結果とが紐づけられたデータテーブルが記憶部に記憶される。このように記憶部に上記学習用データとして利用可能な特徴量と搬送結果とが紐づけられたデータテーブルが記憶されることで、市場で使用されている多くの装置から、例えば、インターネット回線を利用するなどして記憶部に記憶されているデータテーブルを開発者の元に送ることが可能となる。これにより、開発者が試験室で大量の装置を長期間駆動せずとも、膨大な上記学習データを、市場で使用されている装置から収集することが可能となる。よって、開発者が試験室で大量の装置を長期間駆動して学習用データを収集する場合に比べて、膨大な学習用データの収集のコストダウンを図ることができる。
(態様2)
態様1において、データテーブルには、動作音に影響を与える搬送パラメータ(本実施形態では、シートの厚み、搬送速度およびシートの幅)も紐付けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送パラメータに基づいて、特徴量と搬送異常検出部による検出結果とが紐づけられた学習用データを分類して、機械学習を行うことが可能となる。これにより、搬送パラメータに応じた学習済みモデルを生成することが可能となる。
態様1において、データテーブルには、動作音に影響を与える搬送パラメータ(本実施形態では、シートの厚み、搬送速度およびシートの幅)も紐付けられている。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送パラメータに基づいて、特徴量と搬送異常検出部による検出結果とが紐づけられた学習用データを分類して、機械学習を行うことが可能となる。これにより、搬送パラメータに応じた学習済みモデルを生成することが可能となる。
(態様3)
態様1または2において、分類器などの搬送異常判定部が、搬送異常が発生すると判定したときは、シートの搬送を一時停止し、前記搬送異常判定部が、使用者に搬送異常の要因の除去を促す(本実施形態では、ステープル針の取り外し)問い合わせを行う。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザーなどの使用者が、問い合わせの内容に基づいて、ステープル針の取り外しなど、搬送異常の要因を除去して原稿などのシートを再セットさせることが可能となる。
態様1または2において、分類器などの搬送異常判定部が、搬送異常が発生すると判定したときは、シートの搬送を一時停止し、前記搬送異常判定部が、使用者に搬送異常の要因の除去を促す(本実施形態では、ステープル針の取り外し)問い合わせを行う。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザーなどの使用者が、問い合わせの内容に基づいて、ステープル針の取り外しなど、搬送異常の要因を除去して原稿などのシートを再セットさせることが可能となる。
(態様4)
態様3において、使用者がシートに対して異常搬送の要因を除去してシートの再搬送を指示したと判断したとき(本実施形態では、原稿たるシートを取り除いて、シートを再セットするまでの時間が所定時間以上のとき、異常搬送の要因を除去除したと判断)は、搬送異常検出部による検出結果を搬送異常として、そのとき抽出した特徴量に紐づけて前記記憶部に記憶する。
これによれば、実施形態で説明したように、用紙ジャムなどの搬送異常が発生しなかった場合でも、有用な学習用データを取得することができる。
態様3において、使用者がシートに対して異常搬送の要因を除去してシートの再搬送を指示したと判断したとき(本実施形態では、原稿たるシートを取り除いて、シートを再セットするまでの時間が所定時間以上のとき、異常搬送の要因を除去除したと判断)は、搬送異常検出部による検出結果を搬送異常として、そのとき抽出した特徴量に紐づけて前記記憶部に記憶する。
これによれば、実施形態で説明したように、用紙ジャムなどの搬送異常が発生しなかった場合でも、有用な学習用データを取得することができる。
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、コントローラ904などの搬送異常判定部による異常判定を行わないときも、集音マイク201などの集音部により動作音を集音し、コントローラ904などの特徴量抽出部により集音部が集音した前記動作音に基づいて特徴量を抽出し、抽出した特徴量と搬送異常検出部による検出結果とを紐づけて不揮発性メモリ807などの記憶部に記憶する。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送異常判定部による異常判定を行わないときも、有用な学習用データを取得することができる。
態様1乃至4いずれかにおいて、コントローラ904などの搬送異常判定部による異常判定を行わないときも、集音マイク201などの集音部により動作音を集音し、コントローラ904などの特徴量抽出部により集音部が集音した前記動作音に基づいて特徴量を抽出し、抽出した特徴量と搬送異常検出部による検出結果とを紐づけて不揮発性メモリ807などの記憶部に記憶する。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送異常判定部による異常判定を行わないときも、有用な学習用データを取得することができる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、動作音が、シートトレイに載置されたシートを給送するピックアップローラ80などの給送ローラの動作音である。
これによれば、実施形態で説明したように、シートが分離部に搬送される前に、異常判定部で異常搬送が発生するか否かを判定することが可能となり、ステイプル針で綴じられたシート束が分離部に搬送されて、破れやしわなどシートにダメージが生じるのを予防することができ、シートを保護することが可能となる。
態様1乃至5いずれかにおいて、動作音が、シートトレイに載置されたシートを給送するピックアップローラ80などの給送ローラの動作音である。
これによれば、実施形態で説明したように、シートが分離部に搬送される前に、異常判定部で異常搬送が発生するか否かを判定することが可能となり、ステイプル針で綴じられたシート束が分離部に搬送されて、破れやしわなどシートにダメージが生じるのを予防することができ、シートを保護することが可能となる。
(態様7)
原稿などの原稿シートを搬送する原稿シート搬送部を備え、原稿シート搬送部によって原稿シートを画像読取部へ搬送する自動原稿搬送装置において、原稿シート搬送部として、態様1乃至6いずれかのシート搬送装置を用いた。
これよれば、ジャムの発生を抑制できたり、折れ、しわ、破れなどのダメージが原稿に生じるのを抑制することができる。
原稿などの原稿シートを搬送する原稿シート搬送部を備え、原稿シート搬送部によって原稿シートを画像読取部へ搬送する自動原稿搬送装置において、原稿シート搬送部として、態様1乃至6いずれかのシート搬送装置を用いた。
これよれば、ジャムの発生を抑制できたり、折れ、しわ、破れなどのダメージが原稿に生じるのを抑制することができる。
(態様8)
シート搬送部によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置において、シート搬送部として態様1乃至6に記載のシート搬送装置を備える、または、態様7のADFなどの自動原稿搬送装置を備える。
シート搬送部によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置において、シート搬送部として態様1乃至6に記載のシート搬送装置を備える、または、態様7のADFなどの自動原稿搬送装置を備える。
(態様9)
態様8において、複写機の保守センターのサーバー905などの外部装置とデータの送受信を行う通信部907などの送受信部を有し、送受信部は、データテーブルを外部装置に送信するとともに、搬送異常判定部が搬送異常か否かを判定するための判定パラメータを外部装置から受信する。
これによれば、サーバー905などの外部装置により、市場で使用されている複数の装置からデータベースを受け取ることができ、膨大な学習用データを効率的に収集することができる。また、市場で使用されている複数の装置から送られてきた膨大な学習用データを機械学習させて生成した学習済みモデルなどの判定パラメータを外部装置から受信することで、受信した判定パラメータを用いて、良好に搬送異常が発生するか否かの判定を行うことができる。
態様8において、複写機の保守センターのサーバー905などの外部装置とデータの送受信を行う通信部907などの送受信部を有し、送受信部は、データテーブルを外部装置に送信するとともに、搬送異常判定部が搬送異常か否かを判定するための判定パラメータを外部装置から受信する。
これによれば、サーバー905などの外部装置により、市場で使用されている複数の装置からデータベースを受け取ることができ、膨大な学習用データを効率的に収集することができる。また、市場で使用されている複数の装置から送られてきた膨大な学習用データを機械学習させて生成した学習済みモデルなどの判定パラメータを外部装置から受信することで、受信した判定パラメータを用いて、良好に搬送異常が発生するか否かの判定を行うことができる。
(態様10)
態様9において、判定パラメータは、データテーブルに基づいて複写機の保守センターのサーバー905などの外部装置で機械学習により求めた学習済みモデルであり、搬送異常判定部は、学習済みモデルを用いて、異常搬送が発生するか否かを判定する。
これによれば、高精度に搬送異常の判定を行うことができる。
態様9において、判定パラメータは、データテーブルに基づいて複写機の保守センターのサーバー905などの外部装置で機械学習により求めた学習済みモデルであり、搬送異常判定部は、学習済みモデルを用いて、異常搬送が発生するか否かを判定する。
これによれば、高精度に搬送異常の判定を行うことができる。
1 :画像形成部
50 :原稿読取装置
51 :ADF
53 :原稿載置台
57 :第1長さセンサー
58 :第2センサー
61 :排紙センサー
63 :原稿セットセンサー
65 :レジストセンサー
67 :読取入口センサー
72 :突き当てセンサー
73 :原稿幅センサー
80 :ピックアップローラ
84 :給紙ベルト
85 :分離ローラ
86 :プルアウト従動ローラ
87 :プルアウト駆動ローラ
92 :読取出口ローラ対
93 :第2読取出口ローラ対
94 :排紙ローラ対
95 :密着型イメージセンサー
96 :第2読取ローラ
150 :スキャナ
201 :集音マイク
202 :サイドガイド
806 :サイドガイド位置検知センサー
807 :不揮発性メモリ
901 :本体制御部
902 :本体操作部
903 :読取制御部
904 :コントローラ
905 :サーバー
906 :インターネット回線
907 :通信部
MS :原稿
50 :原稿読取装置
51 :ADF
53 :原稿載置台
57 :第1長さセンサー
58 :第2センサー
61 :排紙センサー
63 :原稿セットセンサー
65 :レジストセンサー
67 :読取入口センサー
72 :突き当てセンサー
73 :原稿幅センサー
80 :ピックアップローラ
84 :給紙ベルト
85 :分離ローラ
86 :プルアウト従動ローラ
87 :プルアウト駆動ローラ
92 :読取出口ローラ対
93 :第2読取出口ローラ対
94 :排紙ローラ対
95 :密着型イメージセンサー
96 :第2読取ローラ
150 :スキャナ
201 :集音マイク
202 :サイドガイド
806 :サイドガイド位置検知センサー
807 :不揮発性メモリ
901 :本体制御部
902 :本体操作部
903 :読取制御部
904 :コントローラ
905 :サーバー
906 :インターネット回線
907 :通信部
MS :原稿
Claims (10)
- シートを搬送する搬送部材と、
シート搬送時の動作音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した前記動作音の特徴を定量的に表現した特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
前記特徴量に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する搬送異常判定部と、
搬送経路上のシートを検出するシート検出部と、
前記シート検出部の検出結果に基づいて、搬送異常を検出する搬送異常検出部と、
少なくとも前記特徴量と前記搬送異常検出部による検出結果とが紐づけられたデータテーブルを記憶する記憶部と備えたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記データテーブルには、前記動作音に影響を与える搬送パラメータも紐付けられていることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記搬送異常判定部が、搬送異常が発生すると判定したときは、シートの搬送を一時停止し、使用者に搬送異常の要因の除去を促す問い合わせを行うことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項3に記載のシート搬送装置において、
前記使用者が前記シートに対して異常搬送の要因を除去してシートの再搬送を指示したと判断したときは、前記搬送異常検出部による検出結果を搬送異常として、そのとき抽出した特徴量に紐づけて前記記憶部に記憶することを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記搬送異常判定部による異常判定を行わないときも、前記集音部により前記動作音を集音し、前記特徴量抽出部により前記集音部が集音した前記動作音に基づいて前記特徴量を抽出し、抽出した特徴量と前記搬送異常検出部による検出結果とを紐づけて前記記憶部に記憶することを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記動作音が、シートトレイに載置されたシートを給送する給送ローラの動作音であることを特徴とするシート搬送装置。 - 原稿シートを搬送する原稿シート搬送部を備え、
前記原稿シート搬送部によって原稿シートを画像読取部へ搬送する自動原稿搬送装置において、
前記原稿シート搬送部として、請求項1に記載のシート搬送装置を用いたことを特徴とする自動原稿搬送装置。 - シート搬送部によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成装置において、
前記シート搬送部として請求項1に記載のシート搬送装置を備える、または、請求項7に記載の自動原稿搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8に記載の画像形成装置において、
外部装置とデータの送受信を行う送受信部を有し、
前記送受信部は、前記データテーブルを前記外部装置に送信するとともに、前記搬送異常判定部が搬送異常か否かを判定するための判定パラメータを前記外部装置から受信することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9に記載の画像形成装置において、
前記判定パラメータは、前記データテーブルに基づいて前記外部装置で機械学習により求めた学習済みモデルであり、
前記搬送異常判定部は、前記学習済みモデルを用いて前記特徴量から搬送異常が発生するか否かを判定することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022068498A JP2023158576A (ja) | 2022-04-18 | 2022-04-18 | シート搬送装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置及びシート搬送システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022068498A JP2023158576A (ja) | 2022-04-18 | 2022-04-18 | シート搬送装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置及びシート搬送システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023158576A true JP2023158576A (ja) | 2023-10-30 |
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ID=88509486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022068498A Pending JP2023158576A (ja) | 2022-04-18 | 2022-04-18 | シート搬送装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置及びシート搬送システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023158576A (ja) |
-
2022
- 2022-04-18 JP JP2022068498A patent/JP2023158576A/ja active Pending
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