JP2023146635A - ワイヤハーネスの保護構造体、及び、ワイヤハーネスの保護構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤハーネスの保護構造体、及び、ワイヤハーネスの保護構造体の製造方法を提供する。【解決手段】ワイヤハーネスの保護構造体は、ワイヤハーネス12と、プロテクタケース13と、を備える。ワイヤハーネス12は、複数の電線10が可撓性の被覆材11によって被覆される。プロテクタケース13は、複数の電線10の被覆材11によって直接覆われていない部分が内部に挿入配置される。被覆材11はプロテクタケース13の一部に跨って巻き付けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の各部の配線等に用いられるワイヤハーネスの保護構造体、及び、ワイヤハーネスの保護構造体の製造方法に関するものである。
車両のエンジンルームやインストルメントパネル等の内部には多数の電線が配線されている。このため、この種の用途では、複数の電線が被覆材で被覆されたワイヤハーネスのかたちで複数の部材間に配索されている。
ワイヤハーネスの使用形態として、ワイヤハーネスの被覆材によって覆われていない電線部分を別体のプロテクタケースの内部に収容する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
この使用形態で用いられるワイヤハーネスの保護構造体は、複数の電線の主要部が被覆材によって被覆された後に、複数の電線の被覆材によって覆われていない部分が筒状のプロテクタケースの内部に挿入して配置されている。
しかし、特許文献1に記載のワイヤハーネスの保護構造体は、複数の電線の主要部が被覆材によって被覆された後に、複数の電線の被覆材によって覆われていない部分が筒状のプロテクタケースの内部に挿入配置されるため、プロテクタケースに対するワイヤハーネスの相対位置がずれると、複数の電線の被覆材によって覆われていない部分がプロテクタケースの外部に露出する虞がある。そして、電線の被覆材によって覆われていない部分がプロテクタケースの外部に露出すると、電線が周囲の部材に直接接触する可能性が懸念される。
そこで本発明は、電線の被覆材によって被覆されていない部分がプロテクタケースの外部に露出するの確実に抑制することができるワイヤハーネスの保護構造体、及び、ワイヤハーネスの保護構造体の製造方法を提供しようとするものである。
本発明に係るワイヤハーネスの保護構造体は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係るワイヤハーネスの保護構造体は、複数の電線(例えば、実施形態の電線10)が可撓性の被覆材(例えば、実施形態の被覆材11)によって被覆されたワイヤハーネス(例えば、実施形態のワイヤハーネス12)と、複数の前記電線の前記被覆材によって直接覆われていない部分が内部に挿入配置されるプロテクタケース(例えば、実施形態のプロテクタケース13)と、を備え、前記被覆材が前記プロテクタケースの一部に跨って巻き付けられていることを特徴とする。
即ち、本発明に係るワイヤハーネスの保護構造体は、複数の電線(例えば、実施形態の電線10)が可撓性の被覆材(例えば、実施形態の被覆材11)によって被覆されたワイヤハーネス(例えば、実施形態のワイヤハーネス12)と、複数の前記電線の前記被覆材によって直接覆われていない部分が内部に挿入配置されるプロテクタケース(例えば、実施形態のプロテクタケース13)と、を備え、前記被覆材が前記プロテクタケースの一部に跨って巻き付けられていることを特徴とする。
上記の構成により、プロテクタケースに対する電線の位置ずれは、電線とプロテクタケースの一部を被覆する被覆材によって規制されることになる。
前記プロテクタケースの複数の前記電線が引き入れられる側の端部に、前記電線が載置される舌片部(例えば、実施形態の舌片部16)が延設され、前記被覆材は、前記舌片部と当該舌片部に載置された前記電線とに巻き付けられるようにしても良い。
この場合、プロテクタケースに延設された舌片部に電線を載置し、舌片部と電線の周囲に被覆材を巻き付けるだけで、コンパクトな構造のままプロテクタケースに対する電線の位置ずれを確実に規制することができる。また、舌片部上に載置された電線の周囲には、舌片部とともに被覆材が巻き付けられるため、舌片部上の電線が周囲の部材に直接接触することもない。
また、本発明に係るワイヤハーネスの保護構造体の製造方法は、複数の電線が可撓性の被覆材によって被覆されたワイヤハーネスと、複数の前記電線の前記被覆材によって直接覆われていない部分が内部に挿入配置されるプロテクタケースと、を備えたワイヤハーネスの保護構造体の製造方法であって、前記プロテクタケースの一部に前記被覆材を巻き付けた後に、前記プロテクタケースの外部に引き出されている複数の前記電線の外周に前記被覆材を連続して巻き付けることを特徴とする。
この製造方法を採用した場合には、プロテクタケースに対する電線の位置ずれを規制した状態で、ワイヤハーネスの保護構造体を容易に製造することができる。
また、前記プロテクタケースの複数の前記電線が引き入れられる側の端部に、前記電線が載置される舌片部を延設しておき、複数の前記電線を前記プロテクタケースの内部に挿入配置するとともに、前記電線の前記プロテクタケースから引き出された部分を前記舌片部に載置し、その後に、前記舌片部と当該舌片部に載置された前記電線とに前記被覆材を巻き付け、前記舌片部から外側に延びる複数の前記電線の外周に前記被覆材を連続して巻き付けるようにしても良い。
この製造方法を採用した場合には、プロテクタケースの被覆部の大型化を招くことなく、プロテクタケースと電線に対して被覆材を容易に巻き付けることができる。
本発明に係るワイヤハーネスの保護構造体は、複数の電線を被覆する被覆材がプロテクタケースの一部に跨って巻き付けられているため、プロテクタケースに対する電線の位置ずれが電線を被覆する被覆材によって規制される。したがって、本発明に係るワイヤハーネスの保護構造体を採用した場合には、電線の被覆材によって被覆されていない部分がプロテクタケースの外部に露出するの確実に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1の斜視図であり、図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
これらの図に示すように、ワイヤハーネスの保護構造体1は、複数の電線10が被覆材11によって被覆されたワイヤハーネス12と、ワイヤハーネス12の電線10のうちの被覆材11によって被覆されてない部分が挿入配置されるプロテクタケース13と、を備えている。
被覆材11は、可撓性を有し、かつ、電気絶縁性、及び、耐エッジ性(耐傷付き性)を有するテープ状の帯体によって構成されている。被覆材11の裏面には、粘着剤(接着剤)が付与されている。
図1は、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1の斜視図であり、図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
これらの図に示すように、ワイヤハーネスの保護構造体1は、複数の電線10が被覆材11によって被覆されたワイヤハーネス12と、ワイヤハーネス12の電線10のうちの被覆材11によって被覆されてない部分が挿入配置されるプロテクタケース13と、を備えている。
被覆材11は、可撓性を有し、かつ、電気絶縁性、及び、耐エッジ性(耐傷付き性)を有するテープ状の帯体によって構成されている。被覆材11の裏面には、粘着剤(接着剤)が付与されている。
プロテクタケース13は、例えば、樹脂材料や金属材料等によって形成されている。本実施形態のプロテクタケース13は、一方向に長尺に延びる長方体状に形成されている。図示の例では、プロテクタケース13は、上方側が開口した箱状のケース本体13aと、ケース本体13aの上方の開口を閉塞する蓋体13bと、を備えている。
プロテクタケース13の長手方向の端部の壁13eには、ワイヤハーネス12の複数の電線10が引き入れられる開口15が形成されている。また、端部の壁13eの開口15の縁部には、長手方向外側に向かって直線状に延びる短冊状の舌片部16が延設されている。舌片部16の延び方向と交差する断面形状は、開口15の円周の接線方向に延びる直線状、若しくは、開口15の円周に沿う円弧状に形成されている。
舌片部16には、プロテクタケース13内に引き入れられるワイヤハーネス12の複数の電線10が載置されている。上述したテープ状の被覆材11は、舌片部16と、舌片部16に載置された複数の電線に巻き付けられるとともに、舌片部16よりも外側に延びる複数の電線10の外周面に巻き付けられている。したがって、複数の電線10を被覆する被覆材11は、プロテクタケース13の一部に跨って巻き付けられている。
<ワイヤハーネスの保護構造体の製造方法>
図3は、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1の製造方法を模式的に示す斜視図である。以下、図3を参照してワイヤハーネスの保護構造体1の製造方法について説明する。
最初に、被覆材11が被覆されていない複数の電線10を開口15を通してプロテクタケース13の内部に挿入配置し、これらの電線10のプロテクタケース13の内部から引き出された部分をプロテクタケース13の舌片部16上に載置する。
この後、舌片部16と当該舌片部16に載置されている複数の電線10とにテープ状の被覆材11を巻き付ける。このとき、舌片部16の延出端まで被覆材11を巻き終わると、つづけて複数の電線10の舌片部16に載置されていない部分の外周に被覆材11を連続して巻き付ける。こうして被覆材11を複数の電線10の設定位置まで巻き付け終われると、その時点で被覆材11による電線10の被覆を終了する。
図3は、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1の製造方法を模式的に示す斜視図である。以下、図3を参照してワイヤハーネスの保護構造体1の製造方法について説明する。
最初に、被覆材11が被覆されていない複数の電線10を開口15を通してプロテクタケース13の内部に挿入配置し、これらの電線10のプロテクタケース13の内部から引き出された部分をプロテクタケース13の舌片部16上に載置する。
この後、舌片部16と当該舌片部16に載置されている複数の電線10とにテープ状の被覆材11を巻き付ける。このとき、舌片部16の延出端まで被覆材11を巻き終わると、つづけて複数の電線10の舌片部16に載置されていない部分の外周に被覆材11を連続して巻き付ける。こうして被覆材11を複数の電線10の設定位置まで巻き付け終われると、その時点で被覆材11による電線10の被覆を終了する。
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1は、複数の電線10を被覆する被覆材11がプロテクタケース13の一部に跨って巻き付けられている。このため、プロテクタケース13に対する電線10の位置ずれが電線10を被覆する被覆材11によって規制される。
したがって、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1を採用した場合には、電線10の被覆材11によって被覆されていない部分がプロテクタケース13の外部に露出するの確実に抑制することができる。
以上のように、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1は、複数の電線10を被覆する被覆材11がプロテクタケース13の一部に跨って巻き付けられている。このため、プロテクタケース13に対する電線10の位置ずれが電線10を被覆する被覆材11によって規制される。
したがって、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1を採用した場合には、電線10の被覆材11によって被覆されていない部分がプロテクタケース13の外部に露出するの確実に抑制することができる。
また、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1は、プロテクタケース13に、電線10が載置される舌片部16が延設され、被覆材11が舌片部16と、舌片部16に載置された電線10とに巻き付けられている。このため、プロテクタケース13に延設された舌片部16に電線10を載置し、舌片部16と電線10の周囲に被覆材11を巻き付けるだけで、プロテクタケース13に対する被覆材11の巻き付け部の大型化を招くことなく、プロテクタケース13に対する電線10の位置ずれを確実に規制することができる。
また、本構成では、舌片部16上に載置された電線10の周囲に、舌片部16とともに被覆材11が巻き付けられるため、舌片部16上の電線10が周囲の部材20に直接接触することもない。
また、本構成では、舌片部16上に載置された電線10の周囲に、舌片部16とともに被覆材11が巻き付けられるため、舌片部16上の電線10が周囲の部材20に直接接触することもない。
本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1の製造方法は、プロテクタケース13の一部に被覆材11を巻き付けた後に、プロテクタケース13の外部に引き出されている複数の電線10の外周に被覆材11を連続して巻き付けるようにしている。このため、この製造方法を採用した場合には、プロテクタケース13に対する電線10の位置ずれを規制した状態で、ワイヤハーネスの保護構造体1を容易に製造することができる。
特に、本実施形態のワイヤハーネスの保護構造体1の製造方法は、複数の電線10をプロテクタケース13の内部に挿入配置するとともに、電線10のプロテクタケース13から引き出された部分を舌片部16に載置し、その後に、舌片部16と舌片部16に載置された電線10とに被覆材11を巻き付け、舌片部16から外側に延びる複数の電線10の外周に被覆材11を連続して巻き付けるようにしている。このため、この製造方法を採用した場合には、プロテクタケース13の被覆部の大型化を招くことなく、プロテクタケース13と電線10に対して被覆材11を容易に巻き付けることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、プロテクタケース13に舌片部16を延設し、舌片部16とその上面に載置した電線10に対して被覆材11を巻き付けているが、プロテクタケース13には、必ずしも舌片部16を延設しなくても良い。この場合、プロテクタケース13の端部の外周面と、プロテクタケース13から引き出された電線10の外周面とに被覆材11を連続して巻き付けるようにしても良い。
例えば、上記の実施形態では、プロテクタケース13に舌片部16を延設し、舌片部16とその上面に載置した電線10に対して被覆材11を巻き付けているが、プロテクタケース13には、必ずしも舌片部16を延設しなくても良い。この場合、プロテクタケース13の端部の外周面と、プロテクタケース13から引き出された電線10の外周面とに被覆材11を連続して巻き付けるようにしても良い。
1…保護構造体
10…電線
11…被覆材
12…ワイヤハーネス
13…プロテクタケース
16…舌片部
10…電線
11…被覆材
12…ワイヤハーネス
13…プロテクタケース
16…舌片部
Claims (4)
- 複数の電線が可撓性の被覆材によって被覆されたワイヤハーネスと、
複数の前記電線の前記被覆材によって直接覆われていない部分が内部に挿入配置されるプロテクタケースと、を備え、
前記被覆材が前記プロテクタケースの一部に跨って巻き付けられていることを特徴とするワイヤハーネスの保護構造体。 - 前記プロテクタケースの複数の前記電線が引き入れられる側の端部に、前記電線が載置される舌片部が延設され、
前記被覆材は、前記舌片部と当該舌片部に載置された前記電線とに巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの保護構造体。 - 複数の電線が可撓性の被覆材によって被覆されたワイヤハーネスと、
複数の前記電線の前記被覆材によって直接覆われていない部分が内部に挿入配置されるプロテクタケースと、を備えたワイヤハーネスの保護構造体の製造方法であって、
前記プロテクタケースの一部に前記被覆材を巻き付けた後に、前記プロテクタケースの外部に引き出されている複数の前記電線の外周に前記被覆材を連続して巻き付けることを特徴とするワイヤハーネスの保護構造体の製造方法。 - 前記プロテクタケースの複数の前記電線が引き入れられる側の端部に、前記電線が載置される舌片部を延設しておき、
複数の前記電線を前記プロテクタケースの内部に挿入配置するとともに、前記電線の前記プロテクタケースから引き出された部分を前記舌片部に載置し、
その後に、前記舌片部と当該舌片部に載置された前記電線とに前記被覆材を巻き付け、前記舌片部から外側に延びる複数の前記電線の外周に前記被覆材を連続して巻き付けることを特徴とする請求項3に記載のワイヤハーネスの保護構造体の製造方法。
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