JP7028677B2 - 保護具、及び、保護具の製造方法 - Google Patents

保護具、及び、保護具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内部に対象物を挿通可能な筒状の保護具、及び、そのような保護具の製造方法に関する。
従来から、ワイヤハーネスを構成する電線を収容可能な経路(空洞・空間)を内部に画成する保護具(プロテクタ)が提案されている(例えば、特許文献1~4を参照)。この種のプロテクタは、典型的には、その内部に収容した電線を外部から隔離し、周辺の部材、粉塵および水などから電線を保護する目的で用いられる。
例えば、従来のプロテクタの一つは、帯状部材の両側縁部を閉じ合わせた筒状の形状を有しており、その内部に電線を収納可能となっている。この従来のプロテクタは、筒壁の一部にスリット状の切込みを有しており、この切込みがプロテクタの湾曲に合わせて開閉することによってプロテクタの湾曲が容易となっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016-144302号公報 特開2016-135019号公報 特開2013-135504号公報 特開2008-149871号公報
しかし、上述した従来のプロテクタでは、プロテクタの湾曲に合わせて切込みが開いたとき、プロテクタの内部に収容されている電線が外部に露出し、電線が十分に外部から隔離されないこととなる。電線を確実に保護する観点から、このように電線がプロテクタから露出することは出来る限り避けることが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保護具の変形の容易さと、保護具の内部に挿通する対象物の保護性能の向上と、を両立可能な保護具、及び、そのような保護具の製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る保護具は、下記(1)~(3)を特徴としている。
(1)
内部に対象物を挿通可能な筒状の保護具であって、
前記対象物が挿通される中空部を画成する第1筒状体と、前記第1筒状体が収容される中空部を画成する第2筒状体と、を備えると共に、前記第1筒状体を覆うように前記第2筒状体が配置された多層構造を有し、
前記第1筒状体は、
該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第1スリットであって、該保護具の変形に合わせて開閉可能であるように該第1筒状体の筒壁を厚さ方向に貫通する複数の第1スリット、を有し、
前記第2筒状体は、
該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第2スリットであって、該保護具の変形に合わせて開閉可能であるように該第2筒状体の筒壁を厚さ方向に貫通する複数の第2スリット、を有し、
前記第1スリットと前記第2スリットとが前記軸線方向において互いにずれた位置に配置された状態にて、前記第1筒状体と前記第2筒状体とが分離不可に連結されている、
保護具であること。
(2)
上記(1)に記載の保護具において、
前記第1筒状体は、
前記第1スリットに対応する第1開口部が一部に設けられ且つ前記第2スリットに対応する第2開口部が他部に設けられた板材の前記一部が前記軸線周りに丸められた巻回形状を有し、
前記第2筒状体は、
前記板材の前記他部が前記第1筒状体を覆うように丸められた巻回形状を有する、
保護具であること。
(3)
上記(2)に記載の保護具において、
前記第1筒状体は、
4つの前記筒壁を有する四角筒状の形状を有すると共に、3つの前記筒壁にまたがるように延びる前記第1スリットを有し、
前記第2筒状体は、
4つの前記筒壁を有する四角筒状の形状を有すると共に、3つの前記筒壁にまたがるように延びる前記第2スリットを有し、且つ、1つの前記筒壁に前記第2スリットの開閉のためのヒンジ部を有する、
保護具であること。
上記(1)の構成の保護具によれば、第1筒状体及び第2筒状体の双方にスリットが設けられているため、保護具の変形(例えば、湾曲)が容易である。更に、第1筒状体を覆うように第2筒状体が配置された多層構造において、第1筒状体のスリットと、第2筒状体のスリットと、が軸線方向において互いにずれた位置に配置されている。そのため、保護具の変形に伴って双方のスリット(第1スリット及び第2スリット)が開いても、第1スリットが第2筒状体の筒壁によって塞がれ、第2スリットが第1筒状体の筒壁によって塞がれるため、保護具の内部に挿通された対象物が外部に露出しない。よって、本構成の保護具は、保護具の変形の容易さと、保護具の内部に挿通する対象物の保護性能の向上と、を両立可能である。
上記(2)の構成の保護具によれば、1枚の板材に第1開口部および第2開口部を設けた上でその板材を丸めることで、筒状の巻回形状を有する第1筒状体および第2筒状体を簡単に形成できる。なお、このような巻回形状を有する第1筒状体および第2筒状体に適した板材の材質として、例えば、樹脂および紙などが挙げられる。
上記(3)の構成の保護具によれば、四角筒状の第2筒状体(多層構造の外側の筒状体)は、3つの筒壁にまたがるように延びるスリットを有し、1つの筒壁にスリットの開閉のためのヒンジ部を有する。よって、このヒンジ部を中心に第2筒状体のスリットを容易に開閉できるため、ヒンジ部を有さない場合と比べ、保護具の柔軟性を向上できる。なお、ヒンジ部として、例えば、板材にあらかじめ設けられた折り目などが挙げられる。
一方、四角筒状の第1筒状体(多層構造の内側の筒状体)は、3つの筒壁にまたがるように延びる第1スリットを有し、1つの筒壁にヒンジ部を有しても有さなくてもよい。例えば、1つの筒壁にヒンジ部を有する場合、このヒンジ部を中心に第1筒状体のスリットを容易に開閉できるので、保護具の柔軟性を更に向上できる。これに対し、ヒンジ部を有さない場合、第1筒状体のスリットが比較的開き難くなるため、保護具の剛性が過度に小さくなることを抑制できる。
前述した目的を達成するために、本発明に係る保護具の製造方法は、下記(4)を特徴としている。
(4)
内部に対象物を挿通可能な筒状の保護具の製造方法であって、
前記保護具は、
前記対象物が挿通される中空部を画成し且つ該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第1スリットを筒壁に有する第1筒状体と、前記第1筒状体が収容される中空部を画成し且つ前記軸線方向において互いに離間する複数の第2スリットを筒壁に有する第2筒状体と、を有すると共に、前記第1筒状体を覆うように前記第2筒状体が配置された多層構造を有し、
該製造方法は、
幅方向と長さ方向を有する板材の一部に、前記幅方向にスリット状に延びる複数の第1開口部を前記長さ方向において互いに離間するように形成する工程と、
前記板材の他部に、前記幅方向にスリット状に延びる複数の第2開口部を前記長さ方向において互いに離間するように、且つ、前記第1開口部及び前記第2開口部が前記長さ方向において互いにずれた位置に配置されるように形成する工程と、
前記板材の前記一部を前記幅方向に沿って丸めることにより、前記複数の第1開口部によって構成された前記複数の第1スリットを有する前記第1筒状体を形成する工程と、
前記板材の前記他部を前記第1筒状体を覆うように丸めることにより、前記複数の第2開口部によって構成された前記複数の第2スリットを有する前記第2筒状体を形成する工程と、を備えた、
保護具の製造方法であること。
上記(4)の構成の保護具の製造方法によれば、製造される保護具の第1筒状体及び第2筒状体の双方にスリットが設けられているため、保護具の変形(例えば、湾曲)が容易である。更に、第1筒状体を覆うように第2筒状体が配置された多層構造において、第1筒状体のスリットと、第2筒状体のスリットと、が軸線方向において互いにずれた位置に配置されている。そのため、保護具の変形に伴って双方のスリット(第1スリット及び第2スリット)が開いても、第1スリットが第2筒状体の筒壁によって塞がれ、第2スリットが第1筒状体の筒壁によって塞がれるため、保護具の内部に挿通された対象物が外部に露出しない。よって、本構成の保護具の製造方法は、保護具の変形の容易さと、保護具の内部に挿通する対象物の保護性能の向上と、を両立可能な保護具を製造できる。
本発明によれば、保護具の変形の容易さと、保護具の内部に挿通する対象物の保護性能の向上と、を両立可能な保護具、及び、そのような保護具の製造方法を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1(a)は、本発明の実施形態に係る電線が挿通されたプロテクタが直線状に延びた状態を示す斜視図であり、図1(b)は、そのプロテクタの一部が湾曲した状態を示す斜視図である。 図2は、図1(b)に示すプロテクタの湾曲部分を拡大し且つ内部を透視して示した拡大図である。 図3(a)は、図1(b)に示すプロテクタの平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA-A線断面図である。 図4は、図1に示すプロテクタの製造に使用される平板状の板材の平面図であり、図1に示すプロテクタの展開図である。 図5(a)は、図4に示す平板状の板材の側面図であり、図5(b)は、板材を、長さ方向に延びる複数の折り目を順に利用して、幅方向の一方側から順に直角に折り曲げて巻回させていく過程の途中段階を示す図であり、図5(c)は、その巻回過程の完了段階を示す図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロテクタ1、及び、プロテクタ1の製造方法について説明する。
図1~図3に示すように、樹脂製のプロテクタ1は、内部に対象物を挿通可能な軸線方向に延びる筒状の形状を有する。図1~図3に示す例では、プロテクタ1の内部に、自動車の車体等に配索されるワイヤハーネスを構成する電線2が挿通されている。この場合、プロテクタ1は、内部に挿通された電線2を保護する保護具として用いられ得る。図1~図3に示す例では、電線2として、導体3と、導体3を覆う樹脂被覆4とで構成された一本の電線が採用されているが(特に、図3(b)参照)、電線2として、複数本の電線が撚られた撚り線などが採用されてもよい。
図1~図3に示すように、プロテクタ1は、四角筒状の第1筒状体10と、第1筒状体10を覆うように配置された四角筒状の第2筒状体20と、で構成される多層構造を有する。図3(b)に示すように、第1筒状体10は、板材の一部が軸線周りに折り曲げられた(丸められた)巻回形状を有し、第2筒状体20は、当該板材の残りの部分(他部)が第1筒状体10を覆うように軸線周りに折り曲げられた(丸められた)巻回形状を有する。第1筒状体10と第2筒状体20とは、共通する板材から構成されており、互いに分離不可に連結されている。
具体的には、図3(b)に示すように、四角筒状の軸線方向に延びる第1筒状体10は、平板状の側壁10aと、側壁10aの下端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の底壁10bと、底壁10bの側端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の側壁10cと、側壁10cの上端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の上壁10dと、で構成される。側壁10a、底壁10b、側壁10c及び上壁10dにより、電線2が挿通される中空部が画成されている。
四角筒状の軸線方向に延びる第2筒状体20は、上壁10dの側端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の側壁20eと、側壁20eの下端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の底壁20fと、底壁20fの側端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の側壁20gと、側壁20gの上端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の上壁20hと、上壁20hの側端縁から直角に折り曲げられて繋がる平板状の側壁20iと、で構成される。側壁20e及び側壁20i、底壁20f、側壁20g及び上壁20hにより、第1筒状体10が収容される(第1筒状体10を覆う)中空部が画成されている。
第2筒状体20の側壁20e及び側壁20i(2層の側壁)は、第1筒状体10の側壁10aを覆い、第2筒状体20の底壁20fは、第1筒状体10の底壁10bを覆い、第2筒状体20の側壁20gは、第1筒状体10の側壁10cを覆い、第2筒状体20の上壁20hは、第1筒状体10の上壁10dを覆っている。
図1~図3に示すように、プロテクタ1の第2筒状体20には、軸線方向の両端部を除いた中央部分において、複数(本例では、6つ)のスリット21(直線状の貫通孔)が、軸線方向にて互いに離間した位置にて設けられている。各スリット21は、上壁20h、側壁20g、及び底壁20f(即ち、連続する3つの筒壁)にまたがるように延びている。このため、各スリット21は、プロテクタ1(電線2)の湾曲に合わせて開閉可能となっている。
具体的には、図1(a)に示すように、プロテクタ1(電線2)が直線状に延びた状態では、各スリット21は閉じている。一方、図1(b)、図2及び図3(a)に示すように、プロテクタ1(電線2)が一方側へ湾曲した状態では、各スリット21は開いている。このように、プロテクタ1の一方側への湾曲に合わせて複数のスリット21が開閉することで、スリット21が設けられない場合と比べ、第2筒状体20(よって、プロテクタ1)の湾曲が容易になる。
図2(b)に示すように、プロテクタ1の第1筒状体10には、軸線方向の両端部を除いた中央部分において、複数(本例では、6つ)のスリット11(直線状の貫通孔)が、軸線方向にて互いに離間した位置にて設けられている。複数のスリット11は、複数のスリット21に対して軸線方向にて互いにずれた位置に設けられている。各スリット11は、上壁10d、側壁10c、及び底壁10b(即ち、連続する3つの筒壁)にまたがるように延びている。このため、各スリット11は、スリット21と同様、プロテクタ1(電線2)の一方側への湾曲に合わせて開閉可能となっている。
具体的には、図1(a)に示すように、プロテクタ1(電線2)が直線状に延びた状態では、各スリット11は閉じている。一方、図1(b)、図2、及び図3(a)に示すように、プロテクタ1(電線2)が一方側へ湾曲した状態では、各スリット11は開いている(図2参照)。このように、プロテクタ1の一方側への湾曲に合わせて複数のスリット11が開閉することで、スリット11が設けられない場合と比べ、第1筒状体10(よって、プロテクタ1)の一方側への湾曲が容易になる。
更に、上述のように、第1筒状体10のスリット11と、第2筒状体20のスリット21と、が軸線方向において互いにずれた位置に配置されている。そのため、プロテクタ1の一方側への湾曲に合わせて双方のスリット11,21が開いても、図2に示すように、第1筒状体10の開いたスリット11が第2筒状体20の3つの筒壁(上壁20h、側壁20g、及び底壁20f)により外側から塞がれ、第2筒状体20の開いたスリット21が第1筒状体10の3つの筒壁(上壁10d、側壁10c、及び底壁10b)により内側から塞がれる。この結果、プロテクタ1の内部に挿通された電線2が、プロテクタ1の軸線方向の延在範囲に亘って外部に露出しない。
図1(b)、図2及び図3(a)に示すように、第2筒状体20の軸線方向におけるスリット21が設けられているそれぞれの位置には、側壁20e及び側壁20i(2層の側壁)にて、スリット21の開閉のためのヒンジ状の折り目22が上下に延びるように形成されている。これにより、このような折り目22が形成されない場合と比べて、プロテクタ1の柔軟性が向上する。
以上、図1~図3を参照しながらプロテクタ1の構成について説明した。次いで、図4及び図5を参照しながら、プロテクタ1の製造方法について説明する。
先ず、図4に示すような矩形状の樹脂製の平板状の板材30が準備される。以下、説明の便宜上、図4に示すように、板材30において、長さ方向、及び幅方向を定義する。長さ方向及び幅方向は互いに直交している。長さ方向は、プロテクタ1の軸線方向に対応し、幅方向は、プロテクタ1の周方向に対応している。
次いで、板材30において、幅方向に全域に亘って、長さ方向に直線状に延びる複数本(本例では、8本)の折り目31が、幅方向にて互いに離間した位置に形成され、且つ、長さ方向の両端部を除く中央部分において、幅方向に直線状に延びる複数本(本例では、6本)の折り目32が、長さ方向において互いに離間した位置に形成される。
以下、説明の便宜上、幅方向において、複数本の折り目31によって板材30上に区画形成されるそれぞれの領域を、図4に示すように、a領域~i領域と称呼する。ここで、a領域、b領域、c領域、及び、d領域が、それぞれ、第1筒状体10における、一方側の側壁10a、底壁10b、側壁10c、及び、上壁10dに対応している。e領域、f領域、g領域、、h領域、及び、i領域が、それぞれ、第2筒状体20における、一方側の側壁20e、底壁20f、側壁20g、上壁20h、及び、一方側の側壁20iに対応している。
次いで、板材30において、長さ方向において折り目32が形成されたそれぞれの位置にて、連続する3つの領域f,g,hに亘って幅方向にスリット状に延びる開口部33(貫通孔)が形成される。開口部33は、プロテクタ1の第2筒状体20のスリット21に対応している。
次いで、板材30において、長さ方向において、折り目32が形成されたそれぞれの位置から所定距離だけずれたそれぞれの位置にて、連続する3つの領域b,c,dに亘って幅方向にスリット状に延びる開口部34(貫通孔)が形成される。ここで、所定距離は、隣接する折り目32の間の間隔の半分であることが好適である。開口部34は、プロテクタ1の第1筒状体10のスリット11に対応している。なお、上述した説明では、折り目31,32、開口部33及び開口部34が、この順に形成されているが、これらは、製造された板材30に対して同時に形成されてもよく、更には、板材30の製造時に同時に形成(成形)されていてもよい。
次いで、図5(b)に示すように、板材30を、複数の折り目31を順に利用して、幅方向のa領域~d領域までを順に直角に図中の右方に向けて折り曲げながら巻回させていく。これにより、図1~図3に示す、スリット11が形成された第1筒状体10が形成される。更に、図5(c)に示すように、板材30を、複数の折り目31を順に利用して、幅方向のf領域~i領域までを順に直角に図中の左方に向けて折り曲げながら巻回させていく。これにより、図1~図3に示す、スリット21が形成された第2筒状体20が形成される。その結果、第1筒状体10及び第2筒状体20を備えたプロテクタ1が完成する。なお、図4に示す、領域e,iにおける折り目32の部分が、完成したプロテクタ1の折り目22(図1(b)、図2及び図3(a))に対応している。
以上、本発明の実施形態に係るプロテクタ1は、第1筒状体10を覆うように第2筒状体20が配置された多層構造を有している。第1筒状体10及び第2筒状体20には、スリット11,21がそれぞれ形成されている。そのため、プロテクタ1の変形(湾曲)が容易である。更に、第1筒状体10のスリット11と、第2筒状体20のスリット21と、が軸線方向において互いにずれた位置に配置されている。そのため、プロテクタ1の変形(湾曲)に合わせて双方のスリット11,21が開いても、第1筒状体10の開いたスリット11が第2筒状体20の筒壁により外側から塞がれ、第2筒状体20の開いたスリット21が第1筒状体10の筒壁により内側から塞がれるので、内部に挿通された電線2が外部に露出しない。よって、プロテクタ1は、プロテクタ1の変形の容易さと、プロテクタ1の内部に挿通する電線2の保護性能の向上と、を両立可能である。
更に、1枚の板材30に開口部33,34を設けた上で板材30を丸めることで、プロテクタ1を簡単に形成できる。
更に、第2筒状体20は、四角筒状の形状を有し、3つの筒壁(上壁20h、側壁20g、及び底壁20f)にまたがるように延びるスリット21を有し、1つの筒壁(側壁20e,20i)にスリット21の開閉のためのヒンジ状の折り目22を有する。よって、この折り目22を中心に第2筒状体20のスリット21を容易に開閉できるので、このような折り目を有さない場合と比べ、プロテクタ1の柔軟性を向上できる。
なお、第1筒状体10では、1つの筒壁(一方側の側壁10a)にスリット11の開閉のためのヒンジ状の折り目が形成されていない(図4参照)。このため、第1筒状体10のスリット11が開閉し難くなるので、プロテクタ1の剛性が過度に小さくなることを抑制できる。他方、1つの筒壁(一方側の側壁10a)にスリット11の開閉のためのヒンジ状の折り目が形成されている場合、この折り目を中心に第1筒状体10のスリット11を容易に開閉できるので、プロテクタ1の柔軟性を更に向上できる。
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、プロテクタ1(第1筒状体10及び第2筒状体20からなる多層構造体)が、四角筒状の形状を有している。これに対し、プロテクタ1が、円筒状の形状を有していてもよいし、角部が5つ以上の多角形の筒形状を有していてもよい。
更に、上記実施形態では、第1筒状体10の複数のスリット11、及び、第2筒状体20の複数のスリット21の全てが、プロテクタ1の周方向における同じ範囲に形成されている。これにより、プロテクタ1が一方側のみに湾曲可能となっている。これに対し、第1筒状体10の軸線方向の異なる位置に配置されたスリット11が、プロテクタ1の周方向における異なる範囲に形成され、且つ、第2筒状体20の軸線方向の異なる位置に配置されたスリット21が、プロテクタ1の周方向における異なる範囲に形成されてもよい。この場合、プロテクタ1が3次元的に湾曲可能となる。また、スリット同士の間隔(スリットのピッチ)は、必ずしも全てのスリット間で同一である必要はなく、プロテクタ1に求められる柔軟性などに応じて各々のスリット間において異なっていてもよい。
更に、上記実施形態では、スリット11の開閉を容易にするためのヒンジ部として、折り目22が設けられている。これに対し、プロテクタ1は、ヒンジとしての機能を有する限り、折り目22以外のヒンジ部を有してもよい。
更に、上記実施形態では、プロテクタ1は樹脂製であるが、プロテクタ1が紙製であってもよい。更に、上記実施形態では、プロテクタ1には、電線2が挿通されているが、電線以外の長尺物が挿通されてもよい。
ここで、上述した本発明に係るプロテクタ1の実施形態、及び、その製造方法の特徴をそれぞれ以下(1)~(4)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
内部に対象物(2)を挿通可能な筒状の保護具(1)であって、
前記対象物(2)が挿通される中空部を画成する第1筒状体(10)と、前記第1筒状体(10)が収容される中空部を画成する第2筒状体(20)と、を備えると共に、前記第1筒状体(10)を覆うように前記第2筒状体(20)が配置された多層構造を有し、
前記第1筒状体(10)は、
該保護具(1)の軸線方向において互いに離間する複数の第1スリット(11)であって、該保護具(1)の変形に合わせて開閉可能であるように該第1筒状体(10)の筒壁を厚さ方向に貫通する複数の第1スリット(11)、を有し、
前記第2筒状体(20)は、
該保護具(1)の軸線方向において互いに離間する複数の第2スリット(21)であって、該保護具(1)の変形に合わせて開閉可能であるように該第2筒状体(20)の筒壁を厚さ方向に貫通する複数の第2スリット(21)、を有し、
前記第1スリット(11)と前記第2スリット(21)とが前記軸線方向において互いにずれた位置に配置された状態にて、前記第1筒状体(10)と前記第2筒状体(20)とが分離不可に連結されている、
保護具。
(2)
上記(1)に記載の保護具(1)において、
前記第1筒状体(10)は、
前記第1スリット(11)に対応する第1開口部(34)が一部に設けられ且つ前記第2スリット(21)に対応する第2開口部(33)が他部に設けられた板材(30)の前記一部が前記軸線周りに丸められた巻回形状を有し、
前記第2筒状体(20)は、
前記板材(30)の前記他部が前記第1筒状体(10)を覆うように丸められた巻回形状を有する、
保護具。
(3)
上記(2)に記載の保護具(1)において、
前記第1筒状体(10)は、
4つの前記筒壁を有する四角筒状の形状を有すると共に、3つの前記筒壁(10b,10c,10d)にまたがるように延びる前記第1スリット(11)を有し、
前記第2筒状体(20)は、
4つの前記筒壁を有する四角筒状の形状を有すると共に、3つの前記筒壁(20f,20g,20h)にまたがるように延びる前記第2スリット(21)を有し、且つ、1つの前記筒壁(20e,20i)に前記第2スリット(21)の開閉のためのヒンジ部(22)を有する、
保護具。
(4)
内部に対象物(2)を挿通可能な筒状の保護具(1)の製造方法であって、
前記保護具(1)は、
前記対象物(2)が挿通される中空部を画成し且つ該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第1スリット(11)を筒壁に有する第1筒状体(10)と、前記第1筒状体(10)が収容される中空部を画成し且つ前記軸線方向において互いに離間する複数の第2スリット(21)を筒壁に有する第2筒状体(20)と、を有すると共に、前記第1筒状体(10)を覆うように前記第2筒状体(20)が配置された多層構造を有し、
該製造方法は、
幅方向と長さ方向を有する板材(30)の一部に、前記幅方向にスリット状に延びる複数の第1開口部(34)を前記長さ方向において互いに離間するように形成する工程と、
前記板材(30)の他部に、前記幅方向にスリット状に延びる複数の第2開口部(33)を前記長さ方向において互いに離間するように、且つ、前記第1開口部(34)及び前記第2開口部(33)が前記長さ方向において互いにずれた位置に配置されるように形成する工程と、
前記板材(30)の前記一部を前記幅方向に沿って丸めることにより、前記複数の第1開口部(34)によって構成された前記複数の第1スリット(11)を有する前記第1筒状体(10)を形成する工程と、
前記板材(30)の前記他部を前記第1筒状体(10)を覆うように丸めることにより、前記複数の第2開口部(33)によって構成された前記複数の第2スリット(21)を有する前記第2筒状体(20)を形成する工程と、を備えた、
保護具の製造方法。
1 プロテクタ(保護具)
2 電線(対象物)
10 第1筒状体
11 スリット(第1スリット)
20 第2筒状体
21 スリット(第2スリット)
22 折り目(ヒンジ部)
30 板材
33 開口部(第2開口部)
34 開口部(第1開口部)

Claims (4)

  1. 内部に対象物を挿通可能な筒状の保護具であって、
    前記対象物が挿通される中空部を画成する第1筒状体と、前記第1筒状体が収容される中空部を画成する第2筒状体と、を備えると共に、前記第1筒状体を覆うように前記第2筒状体が配置された多層構造を有し、
    前記第1筒状体は、
    該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第1スリットであって、該保護具の変形に合わせて開閉可能であるように該第1筒状体の筒壁を厚さ方向に貫通する複数の第1スリット、を有し、
    前記第2筒状体は、
    該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第2スリットであって、該保護具の変形に合わせて開閉可能であるように該第2筒状体の筒壁を厚さ方向に貫通する複数の第2スリット、を有し、
    前記第1スリットと前記第2スリットとが前記軸線方向において互いにずれた位置に配置された状態にて、前記第1筒状体と前記第2筒状体とが分離不可に連結されている、
    保護具。
  2. 請求項1に記載の保護具において、
    前記第1筒状体は、
    前記第1スリットに対応する第1開口部が一部に設けられ且つ前記第2スリットに対応する第2開口部が他部に設けられた板材の前記一部が前記軸線周りに丸められた巻回形状を有し、
    前記第2筒状体は、
    前記板材の前記他部が前記第1筒状体を覆うように丸められた巻回形状を有する、
    保護具。
  3. 請求項2に記載の保護具において、
    前記第1筒状体は、
    4つの前記筒壁を有する四角筒状の形状を有すると共に、3つの前記筒壁にまたがるように延びる前記第1スリットを有し、
    前記第2筒状体は、
    4つの前記筒壁を有する四角筒状の形状を有すると共に、3つの前記筒壁にまたがるように延びる前記第2スリットを有し、且つ、1つの前記筒壁に前記第2スリットの開閉のためのヒンジ部を有する、
    保護具。
  4. 内部に対象物を挿通可能な筒状の保護具の製造方法であって、
    前記保護具は、
    前記対象物が挿通される中空部を画成し且つ該保護具の軸線方向において互いに離間する複数の第1スリットを筒壁に有する第1筒状体と、前記第1筒状体が収容される中空部を画成し且つ前記軸線方向において互いに離間する複数の第2スリットを筒壁に有する第2筒状体と、を有すると共に、前記第1筒状体を覆うように前記第2筒状体が配置された多層構造を有し、
    該製造方法は、
    幅方向と長さ方向を有する板材の一部に、前記幅方向にスリット状に延びる複数の第1開口部を前記長さ方向において互いに離間するように形成する工程と、
    前記板材の他部に、前記幅方向にスリット状に延びる複数の第2開口部を前記長さ方向において互いに離間するように、且つ、前記第1開口部及び前記第2開口部が前記長さ方向において互いにずれた位置に配置されるように形成する工程と、
    前記板材の前記一部を前記幅方向に沿って丸めることにより、前記複数の第1開口部によって構成された前記複数の第1スリットを有する前記第1筒状体を形成する工程と、
    前記板材の前記他部を前記第1筒状体を覆うように丸めることにより、前記複数の第2開口部によって構成された前記複数の第2スリットを有する前記第2筒状体を形成する工程と、を備えた、
    保護具の製造方法。
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