JP2023143397A - 壁紙、壁紙の製造方法 - Google Patents

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祐一 南部
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Abstract

【課題】グロスマットな意匠性と立体的な意匠性を得るとともに、抗菌性能を有することが可能な壁紙と、壁紙の製造方法を提供する。【解決手段】基材層1と、基材層1に積層された基体樹脂層2と、基体樹脂層2に積層され、且つ絵柄が印刷された絵柄印刷層3と、絵柄印刷層3に積層された表面保護層6を備える壁紙であって、基体樹脂層2及び表面保護層6のうち少なくとも一方に抗菌剤が添加され、表面保護層6は、絵柄印刷層3の上に形成された第一表面保護層4と、第一表面保護層4の上へ部分的に形成され、且つ第一表面保護層4と互いに光沢が異なる第二表面保護層5を有し、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち一方は、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成され、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち他方は、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、壁、天井等の建築物内装材等の用途に用いる壁紙と、壁紙の製造方法に関する。
建築物の壁面装飾等に用いる化粧用シートは、表面の艶が低いことが好まれる。このため、建築物の壁面装飾等に用いる化粧用シートとしては、例えば、特許文献1に開示されているグロスマット化粧用シートを用いることが多い。
特許文献1に開示されているグロスマット化粧用シートは、ケミカルエンボス法を用い、表面保護層の構成を、艶消しされた層であるマット樹脂層と、艶出しされた層であるグロス樹脂層を含む構成としたものである。
特許第5742972号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、絵柄印刷層に印刷した絵柄と表面保護層の外観とが同調した意匠を得ることが困難であるという問題がある。さらに、近年では、建築物の壁面装飾等に用いる化粧用シートを用いて形成される壁紙、すなわち、人が接触する可能性が高い壁紙に、抗菌性能が要求されている。
本発明は、上述した問題点を鑑み、グロスマットな意匠性と立体的な意匠性を得るとともに、抗菌性能を有することが可能な壁紙と、壁紙の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材層と、基体樹脂層と、絵柄印刷層と、表面保護層とを備える壁紙である。基体樹脂層は、基材層の一方の面に積層された層である。絵柄印刷層は、基体樹脂層の基材層と対向する面と反対側の面に積層され、且つ絵柄が印刷された層である。表面保護層は、絵柄印刷層の基体樹脂層と対向する面と反対側の面に積層された層である。また、基体樹脂層及び表面保護層のうち少なくとも一方には、抗菌剤が添加されている。さらに、表面保護層は、絵柄印刷層の上に形成された第一表面保護層と、第一表面保護層の上へ部分的に形成され、且つ第一表面保護層と互いに光沢が異なる第二表面保護層とを有する。そして、第一表面保護層及び第二表面保護層のうち一方は、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成されている。また、第一表面保護層及び第二表面保護層のうち他方は、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成されている。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材層と、基体樹脂層と、絵柄印刷層と、表面保護層とを備える壁紙の製造方法である。壁紙の製造方法では、基体樹脂層を基材層の一方の面に積層し、絵柄印刷層を、基体樹脂層の基材層と対向する面と反対側の面に積層し、且つ絵柄を印刷する。さらに、表面保護層を、絵柄印刷層の基体樹脂層と対向する面と反対側の面に積層し、基体樹脂層及び表面保護層のうち少なくとも一方に、抗菌剤を添加する。また、表面保護層を、絵柄印刷層の上に形成された第一表面保護層と、第一表面保護層の上へ部分的に形成され、且つ第一表面保護層と互いに光沢が異なる第二表面保護層とにより形成する。さらに、第一表面保護層及び第二表面保護層のうち一方を、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成し、第一表面保護層及び第二表面保護層のうち他方を、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成する。
本発明によれば、グロスマットな意匠性と立体的な意匠性を得るとともに、抗菌性能を有することが可能な壁紙と、壁紙の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態における壁紙の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第一実施形態)
以下、図1を参照して、壁紙10の構成について説明する。
図1に示すように、壁紙10は、基材層1と、基体樹脂層2と、絵柄印刷層3と、表面保護層6を備える。
壁紙10の厚さは、例えば、100[μm]以上1000[μm]以下の範囲内である。
<基材層>
基材層1は、壁紙用の裏打紙等、基材層として通常使用されている材料を用いて形成されている。
第一実施形態では、基材層1が、一例として、坪量が[50g/m]以上[100g/m]以下の範囲内であり、厚さが80[μm]以上150[μm]以下の範囲内である紙(普通紙)を用いて形成されている場合について説明する。
<基体樹脂層>
基体樹脂層2は、基材層1の一方の面(図1では、基材層1の上面)に積層されている。
また、基体樹脂層2は、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法等の塗工方法を用いて、基材層1に積層されている。
また、基体樹脂層2は、シート状、又は、絵柄模様状に設けることが可能である。
基体樹脂層2の材料としては、水性エマルジョンの形態で使用可能な樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂や、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂を用いることが可能である。また、基体樹脂層2の材料としては、特に、エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以降の説明では、「エチレン共重合体」と記載する場合がある)のうち、少なくとも一種を用いることが好適である。
さらに、基体樹脂層2の材料としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン-メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)が、好適に使用可能である。これに加え、基体樹脂層2の材料としては、エチレンーメチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-αオレフィン共重合体が、好適に使用可能である。
なお、基体樹脂層2の材料として塩化ビニル系樹脂を用いる場合、塩化ビニル系樹脂の重合度は、600以上とすることが好ましい。これは、基体樹脂層2に用いる塩化ビニル系樹脂の重合度を600以上とすることで、壁紙10の表面強度を高くすることが可能となるためである。
以上により、基体樹脂層2は、水性エマルジョン系樹脂、塩化ビニル樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂のうち少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂を、主成分として用いて形成されている。
基体樹脂層2の塗布量は、例えば、80[g/m]以上230[g/m]以下の範囲内である。なお、基体樹脂層2の主成分として塩化ビニル樹脂を用いる場合には、基体樹脂層2の塗布量は、塩化ビニル系樹脂の重合度で限定される。
なお、壁紙10に防火性能を付与する観点から、基材層1と基体樹脂層2の合計重量は、200[g/m]以下であることが望ましい。
発泡樹脂層である基体樹脂層2には、発泡剤を混合し、加熱処理によって発泡させている。なお、基体樹脂層2には、発泡剤が混合されていなくてもよい。ここでは、発泡剤が混合されている場合について説明している。
基体樹脂層2の発泡倍率は、2倍以上8倍以下の範囲内に設定する。第一実施形態では、一例として、基体樹脂層2の発泡倍率を、4倍以上6倍以下の範囲内に設定した場合について説明する。なお、「発泡倍率」とは、(発泡前の樹脂の厚さ)/(発泡後の樹脂の厚さ)の値として表される。また、「発泡後の樹脂の厚さ」とは、発泡させた後、基体樹脂層2に対して厚さが変化するような加工が施される前の時点における、樹脂の厚さを示す。
基体樹脂層2の塗布量及び発泡倍率を上記の値に設定することにより、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感と、優れた表面強度を有する壁紙10を形成することが可能となる。
また、基体樹脂層2には、可塑剤、発泡剤、安定剤(発泡安定剤)、減粘剤、その他の有機系添加剤、無機粉体を、用途に応じて適宜混合することが可能である。
無機粉体は、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、タルク、シリカ類、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、二酸化チタン等を含む。
また、無機粉体は、樹脂100部に対して、例えば、40部以上150部以下の範囲内で加える。なお、樹脂100部に対して加える無機粉体の量が150部を超えると、不燃性能が上がるものの、ボリューム感が低下するおそれがある。
さらに、基体樹脂層2には、抗菌剤が添加されている。
基体樹脂層2に添加する抗菌剤は、無機系の抗菌剤又は有機系の抗菌剤である。第一実施形態では、一例として、基体樹脂層2の添加する抗菌剤を、無機系の抗菌剤とした場合について説明する。
無機系の抗菌剤は、銀を抗菌性ゼオライトにイオン結合させた銀系ゼオライト抗菌剤である。
基体樹脂層の100質量部に対する銀系ゼオライト抗菌剤の質量比は、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲内である。
また、基体樹脂層2は、無機フィラーを含む。
以下、基体樹脂層2に混合する、発泡剤と安定剤について説明する。
(発泡剤)
発泡剤としては、例えば、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤、アゾ系、ヒドラジッド系、ニトロソ系、ADCA(アゾジカルボンアミド発泡剤)、炭酸水素ナトリウム等、公知の発泡化粧用シートで一般的に使用されている発泡剤を用いることが可能である。
なお、発泡剤としては、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が、性能(発泡倍率、強度)の観点から好ましい。
また、発泡剤として、ADCAと炭酸水素ナトリウムを用いる場合、例えば、ADCAと炭酸水素ナトリウムとの混合比を3:1~1:3の割合とするとともに、二種類の合計が塩化ビニル系樹脂100部に対して1部以上4部以下の範囲内となるように混合する。これにより、発泡倍率の確保と、発泡表面の荒れ防止が可能となる。
発泡剤の添加量としては、基体樹脂層2の厚さと発泡倍率にもよるが、樹脂100重量部に対して、1重量部以上20重量部以下の範囲内、特に、5重量部以上15重量部以下の範囲内程度が好適である。
(安定剤)
安定剤としては、例えば、二種類の安定剤(バリウム塩系と亜鉛塩系)の混合比を1:4~4:1の割合とするとともに、二種類の合計が塩化ビニル系樹脂100部に対して1部以上4部以下の範囲内となるように混合する。これにより、熱安定性の付与と、発泡厚さの増加が可能となる。
<絵柄印刷層>
絵柄印刷層3は、基体樹脂層2の基材層1と対向する面と反対側の面(図1では、基体樹脂層2の上面)に積層されており、絵柄が印刷された層である。
また、絵柄印刷層3は、同一の平面を形成する第一絵柄形成部3aと、第二絵柄形成部3bとを有する。
第一絵柄形成部3aは、例えば、印刷インキ(非発泡性インキ)や水性エマルジョン樹脂を主成分とした発泡性インキ、塩化ビニルペースト樹脂を主成分とした発泡性インキ等を用いて形成されている。
また、第一絵柄形成部3aは、カレンダー成形法、コーティング法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インキジェット印刷法等を用いて、基体樹脂層2に積層して形成されている。
また、第一絵柄形成部3aは、シート状、又は、絵柄模様状に設ける。なお、基体樹脂層2上において、絵柄印刷層3と同一平面上に、パールインキ柄層を印刷しても良い。
また、第一絵柄形成部3aには、絵柄(例えば、木目柄)が形成されている。
第二絵柄形成部3bは、第一絵柄形成部3aと同様の材料や方法を用いて、隣り合う第一絵柄形成部3aの間に形成されている。
また、第二絵柄形成部3bは、絵柄(例えば、木目柄)が形成されており、第一絵柄形成部3aと濃度の異なるパターンを有する。
<表面保護層>
表面保護層6は、絵柄印刷層3の基体樹脂層2と対向する面と反対側の面(図1では、絵柄印刷層3の上面)に積層された層である。
また、表面保護層6は、第一表面保護層4と、第二表面保護層5を有する。
第一実施形態では、一例として、第一表面保護層4が、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成されたマット樹脂層であり、第二表面保護層5が、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成されたグロス樹脂層である場合について説明する。
また、表面保護層6には、抗菌剤が添加されている。第一実施形態では、一例として、表面保護層6のうち、第二表面保護層5に抗菌剤が添加されている場合について説明する。
表面保護層6(第二表面保護層5)に添加する抗菌剤は、例えば、無機化合物に銀イオンが担持された銀系抗菌剤である。
無機化合物としては、例えば、ジルコニウム又はジルコニウムの塩を用いる。特に、無機化合物としては、リン酸ジルコニウムが好ましく、人体への安全性、抗菌速度、抗菌性能の持続性を向上させることが可能である。
表面保護層6(第二表面保護層5)の100質量部に対する銀系抗菌剤の質量比は、例えば、0.5質量部以上1.0質量部以下の範囲内である。
銀系抗菌剤の粒子の形状は、球体状である。なお、銀系抗菌剤の粒子の形状は、球体状に限定するものではなく、例えば、楕円体、多面体状等としてもよい。
銀系抗菌剤の平均粒径は、例えば、0.1[μm]以上20.0[μm]以下の範囲内である。
<第一表面保護層(マット樹脂層)>
第一表面保護層4は、絵柄印刷層3の上に形成されており、絵柄印刷層3の全体を被覆するシート状の層である。
また、第一表面保護層4は、第一表面保護層4を通して、絵柄印刷層3の絵柄を透視することが可能な程度な透明性を有する材料(樹脂)で形成されている。
第一表面保護層4の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂が好ましい。熱硬化型樹脂としては、例えば、第二表面保護層5との接着性、壁紙10の変形追従性、耐擦傷性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂(バインダー)を用いるのが好ましい。ここで、熱硬化型樹脂には、シリカ粒子等の艶消剤の添加を行わない。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることが可能である。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることが可能である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものを用いることが可能である。この場合、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることが可能である。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることが可能である。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートを用いることが可能である。また、多価イソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネートを用いることが可能である。また、多価イソシアネートとしては、例えば、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環式)イソシアネートを用いることが可能である。
また、イソシアネートとしては、上述した各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることが可能である。付加体又は多量体として、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等を用いることが可能である。なお、イソシアネートにおいて、脂肪族(又は脂環式)イソシアネートは、耐候性や耐熱黄変性が良好となる点で好ましく、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることが可能である。
上述したように、第一表面保護層4には、艶消剤を添加していないため、後述する艶消剤(シリカ粒子)が添加される第二表面保護層5よりも、光の反射量を増加させて、光沢(艶)を高くすることが可能となる。したがって、第一表面保護層4と第二表面保護層5により、壁紙10の表面に光沢差を設けることで、人間の目の錯覚を利用して、視覚的に立体感を感じさせることが可能となる。
また、第一表面保護層4は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した第一表面保護層4によって、壁紙10の耐傷性を向上させることが可能となる。さらに、第一表面保護層4の光沢(艶)を、第二表面保護層5の光沢(艶)よりも大きくしたため、第一表面保護層4の表面の平滑度を高めることが可能となり、指紋(手垢)汚れが付き難くなり、壁紙10の耐汚染性を向上させることが可能となる。耐汚染性の向上効果は、第一表面保護層4の塗布量が低塗布量であっても、得ることが可能である。また、塗装調の絵柄表現(木目表現等)を行うことが可能である。また、第一表面保護層4の白濁が低減されるため、より繊細で透明感のある絵柄の意匠表現が可能になる。
<第二表面保護層(グロス樹脂層)>
第二表面保護層5は、第一表面保護層4の上へ部分的に形成され、第一表面保護層4と互いに光沢が異なり、第一表面保護層4の一部を被覆する層である。
具体的に、第二表面保護層5は、第一表面保護層4のうち、壁紙10の厚さ方向から見て、第二絵柄形成部3bと重なる位置に配置されている。
第一表面保護層4のうち、第二表面保護層5が形成されていない領域は、第二表面保護層5が露出した状態、又は、第一表面保護層4の厚さよりも薄い層が形成された状態である。
したがって、壁紙10の表面(図1では、壁紙10の上面)には、第一表面保護層4と第二表面保護層5との段差により、凹凸が形成されている。
また、第二表面保護層5には、第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄と同一の輪郭により形成された絵柄が印刷されている。
第二表面保護層5に印刷された絵柄を形成する輪郭は、第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄を形成する輪郭と、壁紙10の厚さ方向から見て同調している。
なお、上述した「同調」とは、例えば、以下の条件Iから条件IIIのうちいずれかを満足することを示す。
条件I:第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄を形成する輪郭の線と、第二表面保護層5に印刷された絵柄を形成する輪郭の線が、壁紙10の厚さ方向から見て、少なくとも一部が互いに重なっている。
条件II:第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄を形成する輪郭の線と、第二表面保護層5に印刷された絵柄を形成する輪郭の線が、壁紙10の厚さ方向から見て、全てが互いに重なっている。
条件II:第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄を形成する輪郭の線と、第二表面保護層5に印刷された絵柄を形成する輪郭の線が、壁紙10の厚さ方向から見て、一部が互いに重なっているとともに、位置がずれている。
また、第二表面保護層5は、例えば、第一表面保護層4の面積に対し、0.1[%]以上の面積に形成すればよい。第一実施形態では、第一表面保護層4を、耐傷性や耐汚染性が高いものとしたため、第二表面保護層5の面積が第一表面保護層4の面積に対して小さい場合であっても、壁紙10の耐傷性や耐汚染性を向上させることが可能となる。
また、第二表面保護層5は、第一表面保護層4と第二表面保護層5を通して、絵柄印刷層3の絵柄を透視することが可能な程度な透明性を有する材料(樹脂)で形成されている。
第二表面保護層5の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂が好ましい。熱硬化型樹脂としては、例えば、第一表面保護層4との接着性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂(バインダー)に、シリカ粒子等の艶消剤、及び合成樹脂ビーズを添加した混合物を用いるのが好ましい。第二表面保護層5に艶消剤を添加することにより、第一表面保護層4の光沢(艶)を、第二表面保護層5の光沢よりも高くすることが可能となる。なお、第二表面保護層5の面積は、第一表面保護層4の面積を100[%]とした場合、30[%]以下を上限とする。
すなわち、第二表面保護層5は、合成樹脂ビーズ7を含む。
上述したように、第二表面保護層5は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂、すなわち、下層(第一表面保護層4)の光沢の影響を受けない樹脂で形成したため、第一表面保護層4と第二表面保護層5によって、視覚的な立体感を適切に表現することが可能となる。また、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂は、硬度が高いため、壁紙10の耐傷性を向上させることが可能となる。
シリカ粒子は、熱硬化型樹脂の全質量に対し、5質量[%]以上含むのが好ましい。これにより、第二表面保護層5の光沢を十分に低下させることが可能となり、第二表面保護層5と第一表面保護層4との光沢差を増大させることが可能となる。したがって、第一表面保護層4の全面積に対し、第二表面保護層5の面積が小さい場合であっても、視覚的な立体感を適切に感じさせることが可能となる。なお、シリカ粒子の上限は、熱硬化型樹脂の全質量に対して、35質量[%]以下とする。
合成樹脂ビーズ7としては、例えば、透明度の高いアクリル樹脂ビーズを用いることが可能である。これにより、第二表面保護層5の透明度を向上させることが可能となり、意匠性を付与する層である絵柄印刷層3の絵柄を、より明瞭に透視することが可能となる。合成樹脂ビーズ7の平均粒径は、30[μm]以上とする。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることが可能である。
また、第二表面保護層5の表面(図1では、第二表面保護層5の上面)は、接触式粗さ計で測定した最大高さRmax値を、30[μm]以上とする。これにより、触感による立体感をより適切に感じさせることが可能となる。
なお、第一実施形態では、バインダーとして熱硬化型樹脂を用いる例を示したが、他の構成を採用することも可能である。例えば、バインダーとして電離放射線硬化型樹脂を用いる構成としてもよい。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂が好ましい。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用することが可能である。これにより、第二表面保護層5、すなわち、壁紙10の最表面を形成する層の硬度を向上させることが可能となり、壁紙10の耐摩耗性や、耐擦傷性、耐溶剤性等の表面物性を向上させることが可能となる。また、例えば、バインダーとして、熱硬化型樹脂と電離放射線硬化型樹脂との混合物を用いる構成としてもよい。
また、第一実施形態では、第二表面保護層5として、熱硬化型樹脂に、合成樹脂ビーズ7を添加する例を示したが、例えば、合成樹脂ビーズ7に替えて、無機化合物のフィラーを添加する構成としてもよい。また、例えば、合成樹脂ビーズ7と無機化合物のフィラーとの両方を添加する構成としてもよい。すなわち、合成樹脂ビーズ7及び無機化合物のフィラーのうちの少なくとも一方を、表面保護層6に添加する構成としてもよい。
また、第二表面保護層5の形状は、特に限定されず、丸、四角形、六角形等の規則的に並んだ定形の形状としてもよく、不定型な絵柄形状としてもよい。また、絵柄印刷層3の絵柄と同調させた形状としてもよい。第二表面保護層5の形状を上述した形状とすることで、絵柄をよりリアルに見せることが可能となる。
<壁紙の製造方法>
壁紙10の製造方法について説明する。
壁紙10を製造する際には、基体樹脂層2及び表面保護層6のうち少なくとも一方に抗菌剤を添加し、表面保護層6を、第一表面保護層4と第二表面保護層5とにより形成する。これに加え、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち一方を、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成し、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち他方を、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成する。
また、表面保護層6は、エンボス加工を用いずに形成する。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の壁紙10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基体樹脂層2及び表面保護層6のうち少なくとも一方に抗菌剤が添加されている。これに加え、第一表面保護層4及び第二表面保護層6のうち一方は、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成され、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち他方は、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成されている。
その結果、エンボス加工を用いることなく、グロスマットな意匠性と立体的な意匠性を得るとともに、抗菌性能を有することが可能な壁紙10を提供することが可能となる。
(2)基体樹脂層2に添加する抗菌剤は、無機系の抗菌剤又は有機系の抗菌剤である。
その結果、基体樹脂層2に抗菌性能を保持させることが可能となる。
(3)基体樹脂層2に添加する無機系の抗菌剤は、銀を抗菌性ゼオライトにイオン結合させた銀系ゼオライト抗菌剤であり、基体樹脂層2の100質量部に対する銀系ゼオライト抗菌剤の質量比は、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲内である。
その結果、基体樹脂層2に抗菌性能を保持させることが可能となるとともに、基体樹脂層2の100質量部に対する銀系ゼオライト抗菌剤の質量比が1.0質量部を超える場合と比較して、生産性の低下を抑制することが可能となる。
(4)表面保護層6に添加する抗菌剤は、無機化合物に銀イオンが担持された銀系抗菌剤である。
その結果、表面保護層6に抗菌性能を保持させることが可能となる。
(5)表面保護層6の100質量部に対する銀系抗菌剤の質量比は、0.5質量部以上1.0質量部以下の範囲内である。
その結果、表面保護層6の100質量部に対する銀系抗菌剤の質量比を0.5質量部以上とすることで、優れた抗菌機能を発現しつつ、抗菌剤の添加量を低減することが可能となる。これに加え、表面保護層6の100質量部に対する銀系抗菌剤の質量比を1.0質量部以下とすることで、表面保護層6を良好に形成することが可能となり、表面物性を維持することが可能となる。
(6)表面保護層6に添加する銀系抗菌剤の粒子の形状は、球体状である。
その結果、表面保護層6に添加する銀系抗菌剤の粒子の形状が球体状ではない場合と比較して、表面保護層6の抗菌性能を向上させることが可能となる。
(7)表面保護層6に添加する銀系抗菌剤の平均粒径は、0.1[μm]以上20.0[μm]以下の範囲内である。
その結果、表面保護層6に添加する銀系抗菌剤の平均粒径が0.1[μm]以上20.0[μm]以下の範囲内から逸脱している場合と比較して、表面保護層6の抗菌性能を向上させることが可能となる。
(8)絵柄印刷層3は、同一の平面を形成する第一絵柄形成部3aと第二絵柄形成部3bとを有する。さらに、第二表面保護層5は、壁紙10の厚さ方向から見て第二絵柄形成部3bと重なる位置に配置され、第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄と同一の輪郭により形成された絵柄が印刷されている。これに加え、第二絵柄形成部3bに印刷された絵柄を形成する輪郭と、第二表面保護層5に印刷された絵柄を形成する輪郭とが、壁紙10の厚さ方向から見て同調している。
その結果、第一表面保護層4と第二表面保護層5との光沢差から、表面保護層6の凹凸感を出すことが可能となり、例えば、エンボス加工等を用いなくとも、立体的な意匠感を得ることが可能となる。したがって、第二表面保護層5と第二絵柄形成部3bとが同調したグロスマット感が消滅することなく、立体的な意匠感を得ることが可能となる。また、第二絵柄形成部3bの絵柄を、視覚と触感との両方で表現することが可能となる。
さらに、絵柄印刷層3と表面保護層6とが同調するように形成されているため、基体樹脂層2に発泡剤を添加した場合であっても、グロスマット感が消失することを抑制して、良好なグロスマット感を有する壁紙10を提供することが可能となる。
(9)第二表面保護層5は、合成樹脂ビーズ及び無機化合物のフィラーのうち少なくとも一方を含む。
その結果、視覚的だけでなく、触覚的にも立体的な意匠感を得ることが可能となり、エンボス加工等を施すことなく、グロスマット同調による視覚的な立体感を維持しつつ、立体的な意匠感を付与することが可能となる。
(10)基材層1は、坪量が50[g/m]以上100[g/m]以下の範囲内であり、且つ厚さが80[μm]以上150[μm]以下の範囲内である紙を用いて形成されている。
その結果、壁紙10に対して、壁装材として求められる剛性を確保することが可能となる。
(11)基体樹脂層2は、水性エマルジョン系樹脂、塩化ビニル樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂のうち少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂を用いて形成されている。
その結果、基体樹脂層2を、一般的な材料を用いて形成することが可能となる。
(12)基体樹脂層2は、重合度が600以上の塩化ビニル樹脂を含む熱可塑性樹脂を用いて形成されている。
その結果、壁紙10の表面強度を高くすることが可能となる。
(13)基体樹脂層2は、無機フィラーを含む。
その結果、基体樹脂層2の強度を向上させることが可能となる。
(14)基体樹脂層2の塗布量は、坪量が80[g/m]以上230[g/m]以下の範囲内である。
その結果、壁紙10に対して、壁装材として求められる剛性を確保することが可能となる。
第一実施形態の壁紙10の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(15)基体樹脂層2及び表面保護層6のうち少なくとも一方に抗菌剤を添加し、表面保護層6を、第一表面保護層4と第二表面保護層5とにより形成する。これに加え、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち一方を、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成し、第一表面保護層4及び第二表面保護層5のうち他方を、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成する。
その結果、グロスマットな意匠性と立体的な意匠性を得るとともに、抗菌性能を有することが可能な壁紙10の製造方法を提供することが可能となる。
(16)表面保護層6を、エンボス加工を用いずに形成する。
その結果、エンボス加工を用いることなく、グロスマットな意匠性と立体的な意匠性を得るとともに、抗菌性能を有することが可能な壁紙10の製造方法を提供することが可能となる。
(第一実施形態の変形例)
(1)第一実施形態では、第一表面保護層4がマット樹脂層であり、第二表面保護層5がグロス樹脂層である場合について説明したが、第一表面保護層4をグロス樹脂層とし、第二表面保護層5がマット樹脂層としてもよい。
(2)第一実施形態では、第二表面保護層5が合成樹脂ビーズ7を含む構成としたが、第一表面保護層4が合成樹脂ビーズ7や無機化合物のフィラーを含む構成としてもよい。
第一実施形態を参照しつつ、以下、実施例1から12の壁紙と、比較例1の壁紙について説明する。
(実施例1)
基材層として、塗布量が65[g/m]であり、厚さが110[μm]の普通紙(例えば、KJ特殊製紙株式会社製の「WK665IHT」)を使用した。
基体樹脂層は、塩化ビニル樹脂に、可塑剤55質量部、充填材150質量部、銀系ゼオライト抗菌剤0.35質量部を加えて形成したペーストを、塗布量が200[g/m]となるように、コーティング法により基材層へ塗布して形成した。なお、塩化ビニル樹脂として、例えば、新第一塩ビ株式会社製の「PQLT」を用いた。
絵柄印刷層は、水性インキを用いたグラビアインキで形成した。
第一表面保護層は、マット樹脂を使用し、絵柄印刷層を形成した後に、グラビア印刷により塗布量が3[g/m]となるように形成した。
第二表面保護層は、合成樹脂ビーズ(例えば、アクリルビーズ)を添加したグロス樹脂を使用し、第一表面保護層を成形した後に、グラビア印刷により第二絵柄形成部に同調させて印刷した。その後、表面温度が170[℃]となるように加熱し、その後、冷却・乾燥させて、実施例1の壁紙を形成した。
(実施例2)
基材層として、塗布量が65[g/m]であり、厚さが110[μm]の普通紙(例えば、KJ特殊製紙株式会社製の「WK665IHT」)を使用した。
基体樹脂層は、塩化ビニル樹脂に、可塑剤55質量部、充填材150質量部を加えて形成したペーストを、塗布量が200[g/m]となるように、コーティング法により基材層へ塗布して形成した。なお、塩化ビニル樹脂として、例えば、新第一塩ビ株式会社製の「PQLT」を用いる。
絵柄印刷層は、水性インキを用いたグラビアインキで形成した。
第一表面保護層は、マット樹脂100質量部に対して1質量部の銀-亜鉛系抗菌剤を添加し、絵柄印刷層を形成した後に、グラビア印刷により塗布量が3[g/m]となるように形成した。
第二表面保護層は、合成樹脂ビーズ(例えば、アクリルビーズ)を添加したグロス樹脂100質量部に対して1質量部の銀-亜鉛系抗菌剤を添加し、第一表面保護層を成形した後に、グラビア印刷により第二絵柄形成部に同調させて印刷した。その後、表面温度が170[℃]となるように加熱し、その後、冷却・乾燥させて、実施例2の壁紙を形成した。
(実施例3)
銀系ゼオライト抗菌剤の添加量を0.1質量部とした点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例3の壁紙を形成した。
(実施例4)
銀系ゼオライト抗菌剤の添加量を1質量部とした点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例4の壁紙を形成した。
(実施例5)
銀-亜鉛系抗菌剤の添加量を0.5質量部とした点を除き、実施例2と同様に形成して、実施例5の壁紙を形成した。
(実施例6)
第一表面保護層と第二表面保護層に、それぞれ、1質量部の銀-亜鉛系抗菌剤を添加した点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例6の壁紙を形成した。
(実施例7)
第一表面保護層に1質量部の銀-亜鉛系抗菌剤を添加した点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例7の壁紙を形成した。
(実施例8)
第二表面保護層に1質量部の銀-亜鉛系抗菌剤を添加した点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例8の壁紙を形成した。
(実施例9)
銀系ゼオライト抗菌剤の添加量を0.08質量部とした点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例9の壁紙を形成した。
(実施例10)
銀系ゼオライト抗菌剤の添加量を1.2質量部とした点を除き、実施例1と同様に形成して、実施例10の壁紙を形成した。
(実施例11)
銀-亜鉛系抗菌剤の添加量を0.3質量部とした点を除き、実施例2と同様に形成して、実施例11の壁紙を形成した。
(実施例12)
銀-亜鉛系抗菌剤の添加量を1.2質量部とした点を除き、実施例2と同様に形成して、実施例12の壁紙を形成した。
(比較例1)
抗菌剤を添加せずに形成した点を除き、実施例1と同様に形成して、比較例1の壁紙を形成した。
(性能評価、評価結果)
実施例1から12の壁紙と、比較例1の壁紙に対し、それぞれ、抗菌性能、生産性、グロスマット意匠感、立体的意匠感(手触り感)、不陸隠蔽性、不燃性能の性能評価を行った。
<抗菌性能>
壁紙工業会制定の規格「抗菌壁紙性能規定」に準拠した試験により、抗菌性能を評価した。
抗菌性能は、生菌数(CFU/cm)の値が0.63より低いものを「○」と評価し、生菌数(CFU/cm)の値が0.63以上0.70以下の範囲内であるものを「△」と評価し、生菌数(CFU/cm)の値が0.70を超えているものを「×」と評価した。
<生産性>
生産性は、壁紙を実際に生産した際に、しわやよれなどが発生せずに生産されたものを「〇」と評価し、生産に適さなかったものを「×」と評価した。
<グロスマット意匠感>
壁紙としてのグロスマットな意匠感を、10人の試験官に対して官能試験を実施し、グロスマット意匠感を評価した。
グロスマット意匠感は、良いとした人が9~10人の場合を「◎」と評価し、良いとした人が7~8人の場合を「〇」と評価し、良いとした人が1~6人の場合を「△」と評価し、良いとした人が0人の場合を「×」と評価した。
<立体的意匠感>
壁紙としての立体的な意匠感(手触り感)を、10人の試験官に対して官能試験を実施して、立体的意匠感を評価した。
立体的意匠感は、良いとした人が9~10人の場合を「◎」と評価し、良いとした人が7~8人の場合を「〇」と評価し、良いとした人が1~6人の場合を「△」と評価し、良いとした人が0人の場合を「×」と評価した。
<不陸隠蔽性>
厚さが100[μm]であり、直径が20[mm]の円形シールを、準不燃規格の石膏ボード(厚さ9.5[mm])に1枚貼り、糊の塗布量が20[g/m](固形分)となるように塗布した壁紙を石膏ボードに施工する。そして、下地のシールを明確に検知することが可能であるか否かを目視で確認することで、不陸隠蔽性を評価した。
不陸隠蔽性は、明確には検知することが不可能な場合を「〇」と評価し、明確に検知することが可能である場合を「×」と評価した。
<不燃性能>
壁紙に対し、コーンカロリーメータC3(東洋精機製の燃焼試験機)を用いて、建築基準法で定められた発熱性試験法(ISO5660)に基づく不燃材料の発熱性試験(50[kW/m]で20分加熱)を実施して、不燃性能を評価した。
不燃性能は、燃焼カロリーが7.2[MJ]以下の場合を「〇」と評価し、燃焼カロリーが7.2[MJ]よりも大きい場合を「×」と評価した。
Figure 2023143397000002
上述した方法を用いて、各種の性能を評価した結果、実施例1から12の壁紙は、全ての評価試験に対して、優れた性能を示した。一方、比較例1の壁紙は、全ての評価試験に対しては、優れた性能を示すことが不可能であった。
1…基材層、2…基体樹脂層、3…絵柄印刷層、3a…第一絵柄形成部、3b…第二絵柄形成部、4…第一表面保護層、5…第二表面保護層、6…表面保護層、7…合成樹脂ビーズ、10…壁紙

Claims (16)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に積層された基体樹脂層と、
    前記基体樹脂層の前記基材層と対向する面と反対側の面に積層され、且つ絵柄が印刷された絵柄印刷層と、
    前記絵柄印刷層の前記基体樹脂層と対向する面と反対側の面に積層された表面保護層と、を備える壁紙であって、
    前記基体樹脂層及び前記表面保護層のうち少なくとも一方に、抗菌剤が添加され、
    前記表面保護層は、前記絵柄印刷層の上に形成された第一表面保護層と、前記第一表面保護層の上へ部分的に形成され、且つ前記第一表面保護層と互いに光沢が異なる第二表面保護層と、を有し、
    前記第一表面保護層及び前記第二表面保護層のうち一方は、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成され、
    前記第一表面保護層及び前記第二表面保護層のうち他方は、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成されている壁紙。
  2. 前記基体樹脂層に添加する抗菌剤は、無機系の抗菌剤又は有機系の抗菌剤である請求項1に記載した壁紙。
  3. 前記無機系の抗菌剤は、銀を抗菌性ゼオライトにイオン結合させた銀系ゼオライト抗菌剤であり、
    前記基体樹脂層の100質量部に対する前記銀系ゼオライト抗菌剤の質量比は、0.1質量部以上1.0質量部以下の範囲内である請求項2に記載した壁紙。
  4. 前記表面保護層に添加する抗菌剤は、無機化合物に銀イオンが担持された銀系抗菌剤である請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  5. 前記表面保護層の100質量部に対する前記銀系抗菌剤の質量比は、0.5質量部以上1.0質量部以下の範囲内である請求項4に記載した壁紙。
  6. 前記銀系抗菌剤の粒子の形状は、球体状である請求項4又は請求項5に記載した壁紙。
  7. 前記銀系抗菌剤の平均粒径は、0.1μm以上20.0μm以下の範囲内である請求項6に記載した壁紙。
  8. 前記絵柄印刷層は、同一の平面を形成する第一絵柄形成部と第二絵柄形成部とを有し、
    前記第二表面保護層は、前記壁紙の厚さ方向から見て前記第二絵柄形成部と重なる位置に配置され、且つ前記第二絵柄形成部に印刷された絵柄と同一の輪郭により形成された絵柄が印刷され、
    前記第二絵柄形成部に印刷された絵柄を形成する輪郭と、前記第二表面保護層に印刷された絵柄を形成する輪郭とが、前記壁紙の厚さ方向から見て同調している請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  9. 前記第二表面保護層は、合成樹脂ビーズ及び無機化合物のフィラーのうち少なくとも一方を含む請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  10. 前記基材層は、坪量が50g/m以上100g/m以下の範囲内であり、且つ厚さが80μm以上150μm以下の範囲内である紙を用いて形成されている請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  11. 前記基体樹脂層は、水性エマルジョン系樹脂、塩化ビニル樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂のうち少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂を用いて形成されている請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  12. 前記基体樹脂層は、重合度が600以上の塩化ビニル樹脂を含む熱可塑性樹脂を用いて形成されている請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  13. 前記基体樹脂層は、無機フィラーを含む請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  14. 前記基体樹脂層の塗布量は、坪量が80g/m以上230g/m以下の範囲内である請求項1から請求項13のうちいずれか1項に記載した壁紙。
  15. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に積層された基体樹脂層と、
    前記基体樹脂層の前記基材層と対向する面と反対側の面に積層され、且つ絵柄が印刷された絵柄印刷層と、
    前記絵柄印刷層の前記基体樹脂層と対向する面と反対側の面に積層された表面保護層と、を備える壁紙の製造方法であって、
    前記基体樹脂層及び前記表面保護層のうち少なくとも一方に、抗菌剤を添加し、
    前記絵柄印刷層を、同一の平面を形成する第一絵柄形成部と第二絵柄形成部とにより形成し、
    前記表面保護層を、前記絵柄印刷層の上に形成された第一表面保護層と、前記第一表面保護層の上へ部分的に形成され、且つ前記第一表面保護層と互いに光沢が異なる第二表面保護層とにより形成し、
    前記第一表面保護層及び前記第二表面保護層のうち一方を、艶消しされた樹脂であるマット樹脂を用いて形成し、
    前記第一表面保護層及び前記第二表面保護層のうち他方を、艶出しされた樹脂であるグロス樹脂を用いて形成する壁紙の製造方法。
  16. 前記表面保護層を、エンボス加工を用いずに形成する請求項15に記載した壁紙の製造方法。
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