JP2022170523A - 壁紙 - Google Patents

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Yuichi Nambu
新 太田
Arata Ota
麗奈 大田垣
Rena Otagaki
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Abstract

【課題】グロスマットな意匠感を維持しつつ、立体的な意匠感を得ることの可能な壁紙を提供する。【解決手段】壁紙10は、紙基材1の上に、基体樹脂層2と、絵柄が印刷された絵柄印刷層3と、表面保護層6とがこの順に積層され、絵柄印刷層3は同一平面をなす第一絵柄形成部3a及び第二絵柄形成部3bを有し、表面保護層6は、絵柄印刷層3上に形成された第一表面保護層4と第一表面保護層4上に部分的に形成され第一表面保護層4と互いに光沢が異なる第二表面保護層5とを有し、第二表面保護層5は、第二絵柄形成部3bと同調するように上面視で第二絵柄形成部3bと重なるように配置され、第二表面保護層5は合成樹脂ビーズ及び無機化合物のフィラーのうちの少なくとも一方を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、壁、天井等の建築物内装材等の用途に用いる壁紙に関する。
建築物の壁面装飾等に用いる化粧用シートは、表面の艶が低いことが好まれる。このため、建築物の壁面装飾等に用いる化粧用シートとしては、例えば特許文献1に開示されているグロスマット化粧用シートを用いることが多い。特許文献1に開示されているグロスマット化粧用シートは、ケミカルエンボス法を用い、表面保護層の構成を、艶消しされた層であるマット樹脂層と、艶出しされた層であるグロス樹脂層を含む構成としたものである。また、絵柄印刷層に印刷した絵柄と表面保護層の外観とが同調した意匠を得ることが可能なグロスマット化粧用シート(例えば、特許文献2参照。)等も提案されている。
特許第5742972号公報 特開2018-122574号公報
しかしながら、上述のように、ケミカルエンボス法を用いて、マット樹脂層とグロス樹脂層を含む表面保護層を得る方法にあっては、絵柄印刷層に印刷した絵柄と表面保護層の外観とが同調した意匠を得ることが困難であるという問題がある。また、絵柄印刷層と表面保護層とを同調するようにした方法にあっては、エンボス加工を行うと表面保護層の同調したグロスマット感が消失することがあり、また、エンボス加工を行わない場合には立体的な意匠感が得られないという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、グロスマットな意匠感を維持しつつ、立体的な意匠感を得ることの可能な壁紙を提供することを目的としている。
本願発明の一態様によれば、紙基材の上に、基体樹脂層と、絵柄が印刷された絵柄印刷層と、表面保護層とがこの順に積層された壁紙であって、前記絵柄印刷層は同一平面をなす第一絵柄形成部及び第二絵柄形成部を有し、前記表面保護層は、前記絵柄印刷層上に形成された第一表面保護層と当該第一表面保護層上に部分的に形成され前記第一表面保護層と互いに光沢が異なる第二表面保護層とを有し、当該第二表面保護層は、前記第二絵柄形成部と同調するように上面視で前記第二絵柄形成部と重なるように配置され、前記第二表面保護層は合成樹脂ビーズ及び無機化合物のフィラーのうちの少なくとも一方を含む壁紙が提供される。
本発明によれば、グロスマットな意匠感を維持しつつ、立体的な意匠感を得ることの可能な壁紙を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る壁紙の一例を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各厚みの比率などは現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状などが下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<構成>
図1は、本発明に係る壁紙10の一例を模式的に示す断面図である。
壁紙10は、紙基材1と、基体樹脂層2と、絵柄印刷層3と、表面保護層6と、を備え、紙基材1の上に、基体樹脂層2と、絵柄印刷層3と、表面保護層6とが、この順に積層されている。
壁紙10の厚さは、例えば、100[μm]以上1000[μm]以下の範囲内である。
(紙基材1)
紙基材1は、壁紙用の裏打紙等、紙基材として通常使用されている材料を用いて形成されている。
本実施形態では、紙基材1の材料として、坪量が50[g/m]以上100[g/m]以下の範囲内であり、且つ厚さが80[μm]以上150[μm]以下の範囲内の普通紙を用いた場合を説明する。
紙基材1の材料を、上述した構成の普通紙とすることで、壁紙10に対して、壁装材として求められる剛性を確保することが可能となる。
(基体樹脂層2)
基体樹脂層2は、紙基材1上に積層されている。なお、「紙基材1上」とは、図1中において、紙基材1の上側の面を表す。
また、基体樹脂層2は、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法等の塗工方法を用いて、紙基材1上に積層されている。
また、基体樹脂層2は、紙基材1の上側の面に、シート状、または、絵柄模様状に設けることが可能である。
基体樹脂層2は、主成分が水性エマルジョン系樹脂又は塩化ビニル樹脂からなる。基体樹脂層2となる樹脂には、無機フィラーが含有されている。
基体樹脂層2の塗布量は、80[g/m] 以上230[g/m]以下の範囲内である。なお、基体樹脂層2の主成分が塩化ビニル樹脂からなる場合には、基体樹脂層2の塗布量は、塩化ビニル系樹脂の重合度で限定される。
なお、壁紙10に防火性能を付与する観点から、紙基材1と基体樹脂層2の合計重量が、200[g/m]以下であることが望ましい。
発泡樹脂層である基体樹脂層2には、発泡剤を混合し、加熱処理によって発泡させている。なお、基体樹脂層2には、発泡剤が混合されていなくてもよい。ここでは、発泡剤が混合されている場合について説明している。
基体樹脂層2の発泡倍率は2倍以上8倍以下の範囲内に設定する。本実施形態では、一例として、基体樹脂層2の発泡倍率を、4倍以上6倍以下の範囲内に設定した場合について説明する。なお、ここでいう発泡倍率とは、(発泡前の樹脂の厚み)/(発泡後の樹脂の厚み)の値として表される。なお発泡後の樹脂の厚みとは発泡させた後、基体樹脂層2に対して厚みが変化するような加工が施される前の時点における厚みのことをいう。
基体樹脂層2の塗布量及び発泡倍率を上記の値に設定することにより、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感と、優れた表面強度を有する壁紙10を形成することが可能となる。
基体樹脂層2の材料としては、水性エマルジョンの形態で使用可能な樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂や、ポリオレフィン系樹脂を用いることが可能である。また、基体樹脂層2の材料としては、特に、エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以降の説明では、「エチレン共重合体」と記載する場合がある) のうち、少なくとも一種を用いることが好適である。
さらに、基体樹脂層2の材料としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン-メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)が、好適に使用可能である。これに加え、基体樹脂層2の材料としては、エチレンーメチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンメタクリル酸教授融合体(EMAA)、エチレン-αオレフィン共重合体が、好適に使用可能である。
なお、基体樹脂層2の材料として塩化ビニル系樹脂を用いる場合、塩化ビニル系樹脂の重合度は、600以上とすることが好ましい。これは、基体樹脂層2に用いる塩化ビニル系樹脂の重合度を600以上とすることで、壁紙10の表面強度を高くすることが可能となるためである。
以上により、基体樹脂層2は、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂のうち少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂を用いて形成されている。
また、基体樹脂層2には、可塑剤、発泡剤、安定剤(発泡安定剤)、減粘剤、その他の有機系添加剤、無機粉体を、用途に応じて適宜混合する。
無機粉体は、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、タルク、シリカ類、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、二酸化チタン等を含む。
また、無機粉体は、樹脂100部に対して、例えば、40部以上150部以下の範囲内で加える。なお、樹脂100部に対して加える無機粉体の量が150部を超えると、不燃性能が上がるものの、ボリューム感が低下するおそれがある。
以下、基体樹脂層2に混合する、発泡剤と安定剤について説明する。
(発泡剤)
発泡剤としては、例えば、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤、アゾ系、ヒドラジッド系、ニトロソ系、ADCA(アゾジカルボンアミド発泡剤)、炭酸水素ナトリウム等、公知の発泡化粧用シートで一般的に使用されている発泡剤を用いることが可能である。
なお、発泡剤としては、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が、性能(発泡倍率、強度)の観点から好ましい。
また、発泡剤として、ADCAと炭酸水素ナトリウムを用いる場合、例えば、ADCAと炭酸水素ナトリウムとを3:1~1:3の割合とするとともに、二種類の合計が塩化ビニル系樹脂100部に対して1部以上4部以下の範囲内となるように混合する。これにより、発泡倍率の確保と、発泡表面の荒れ防止が可能となる。
発泡剤の添加量としては、基体樹脂層2の厚さと発泡倍率にもよるが、樹脂100重量部に対して、1重量部以上20重量部以下の範囲内、特に、5重量部以上15重量部以下の範囲内程度が好適である。
(安定剤)
安定剤としては、例えば、二種類の安定剤(バリウム塩系と亜鉛塩系)を1:4~4:1の割合とするとともに、二種類の合計が塩化ビニル系樹脂100部に対して1部以上4部以下の範囲内となるように混合する。これにより、熱安定性の付与と、発泡厚さの増加が可能となる。
(絵柄印刷層3)
絵柄印刷層3は、絵柄が形成された第一絵柄形成部3aと、第一絵柄形成部3aどうしの間に形成された第二絵柄形成部3bと、を有する層であり、第一絵柄形成部3a及び第二絵柄形成部3bは同一平面を形成し、基体樹脂層2上に積層されている。なお、「基体樹脂層2上」とは、図1中において、基体樹脂層2の上側の面を表す。
第一絵柄形成部3aは、例えば、印刷インキ(非発泡性インキ) や水性エマルジョン樹脂を主成分とした発泡性インキ、塩化ビニルペースト樹脂を主成分とした発泡性インキ等を用いて形成されている。
また、第一絵柄形成部3aは、カレンダー成形法、コーティング法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インキジェット印刷法等を用いて、基体樹脂層2上に積層して形成されている。なお、「基体樹脂層2上」とは、図1中において、基体樹脂層2の上側の面を表す。
また、第一絵柄形成部3aは、シート状、または、絵柄模様状に設ける。なお、基体樹脂層2上において、絵柄印刷層3と同一平面上に、パールインキ柄層を印刷しても良い。
第二絵柄形成部3bは、絵柄が形成され、且つ第一絵柄形成部3aと濃度の異なるパターンを有する。
(表面保護層6)
表面保護層6は、絵柄印刷層3の上に形成された第一表面保護層4と、第一表面保護層4の上に部分的に形成された第二表面保護層5とを含む。なお、「絵柄印刷層3上」とは、図1中において、絵柄印刷層3の上側の面を表す。第一表面保護層4及び第二表面保護層5は、これらのうちの一方が艶消しされた層であるマット樹脂層からなり、他方が艶出しされた層でグロス樹脂層からなる。ここでは第一表面保護層4がマット樹脂層、第二表面保護層5がグロス樹脂層である場合について説明する。
(第一表面保護層(マット樹脂層)4)
第一表面保護層4は、絵柄印刷層3の上に形成され、絵柄印刷層3の全体を被覆するシート状の層からなる。第一表面保護層4は、第一表面保護層4を通して、絵柄印刷層3の絵柄を透視できる程度に透明または版透明な材料(樹脂)で形成されている。第一表面保護層4の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂が好ましい。熱硬化型樹脂としては、例えば、第二表面保護層5との接着性、壁紙10の変形追従性、耐擦傷性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂(バインダー)を用いるのが好ましい。ここで、熱硬化型樹脂には、シリカ粒子等の艶消剤の添加を行わない。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n ブチルを用いることができる。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
このように、第一表面保護層4は、艶消剤の添加がないため、後述の艶消剤(シリカ粒子)が添加される第二表面保護層5よりも、光の反射量を大きくし、光沢(艶)を高くすることができる。それゆえ、第二表面保護層5により、壁紙10の表面に光沢差を設け、人間の目の錯覚を利用して、視覚的に立体感を感じさせることができる。
また、第一表面保護層4は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した第一表面保護層4によって、壁紙10の耐傷性を向上できる。さらに、第一表面保護層4の光沢(艶)を第二表面保護層5の光沢(艶)よりも大きくしたため、第一表面保護層4の表面の平滑度を高めることができ、指紋(手垢)汚れが付き難くなり、壁紙10の耐汚染性を向上できる。耐汚染性の向上効果は、第一表面保護層4の塗布量が低塗布量であっても得られる。また、塗装調の絵柄表現(木目表現等)を行うことができる。また、第一表面保護層4の白濁が低減されるため、より繊細で透明感のある絵柄の意匠表現が可能になる。
(第二表面保護層(グロス樹脂層)5)
第二表面保護層5は、第一表面保護層4上に部分的に形成され、第一表面保護層4の一部を被覆する層である。第一表面保護層4の、第二表面保護層5が形成されていない領域は、第二表面保護層5が露出した状態か又は第一表面保護層4の厚みよりも薄い層が形成された状態である。つまり、第一表面保護層4と第二表面保護層5との段差により壁紙10の表面に凹凸を形成している。
第二表面保護層5は、上面視で、第二絵柄形成部3bと重なる位置に形成され、第二絵柄形成部3bと第二表面保護層5とが同調するようになっている。これにより、第二絵柄形成部3bの絵柄を、視覚と触感との両方で表現できる。
第二表面保護層5は、例えば、第一表面保護層4の上面の面積の0.1%以上の面積に形成すればよい。本実施形態では、第一表面保護層4を耐傷性や耐汚染性が高いものとしたため、第二表面保護層5の面積が小さくても、壁紙10を耐傷性や耐汚染性に優れたものとすることができる。
また、第二表面保護層5は、第二表面保護層5、第一表面保護層4を通して、絵柄印刷層3の絵柄を透視できる程度に透明または半透明な材料(樹脂)で形成されている。第二表面保護層5の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂が好ましい。熱硬化型樹脂としては、例えば、第一表面保護層4との接着性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂(バインダー)に、シリカ粒子等の艶消剤、及び合成樹脂ビーズを添加した混合物を用いるのが好ましい。艶消剤を添加することにより、第一表面保護層4の光沢(艶)を第二表面保護層5の光沢よりも高くする。なお、第二表面保護層5の面積の上限は、第一表面保護層4の上面の面積の30%以下とする。
このように、第二表面保護層5は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂、つまり、下層(第一表面保護層4)の光沢の影響を受けない樹脂で形成したため、第一表面保護層4と第二表面保護層5とで、視覚的な立体感を適切に表現できる。また、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂は、硬度が高いため、壁紙10の耐傷性を向上できる。
シリカ粒子は、熱硬化型樹脂の全質量に対し、5質量%以上含むのが好ましい。これにより、第二表面保護層5の光沢を十分に低下でき、第二表面保護層5と第一表面保護層4との光沢差を増大できる。それゆえ、第一表面保護層4の全面積に対し、第二表面保護層5の面積が小さくても、視覚的な立体感を適切に感じさせることができる。なお、シリカ粒子の上限は、熱硬化型樹脂の全質量に対し、35質量% 以下とする。
合成樹脂ビーズとしては、例えば、透明度の高いアクリル樹脂ビーズを用いることができる。これにより、第二表面保護層5の透明度を向上でき、意匠を付与するための絵柄印刷層3の絵柄をより明瞭に透視することができる。合成樹脂ビーズの平均粒径は30μm以上とする。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることができる。
また、第二表面保護層5の表面は、接触式粗さ計で測定した最大高さRmax値を30μm以上とする。これにより、触感による立体感をより適切に感じさせることができる。
なお、本実施形態では、バインダーとして、熱硬化型樹脂を用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、電離放射線硬化型樹脂を用いる構成としてもよい。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂が好ましい。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。これにより、第二表面保護層5、つまり、壁紙10の最表面層の硬度を向上でき、壁紙10の耐摩耗性や、耐擦傷性、耐溶剤性等の表面物性を向上できる。また、例えば、バインダーとして、熱硬化型樹脂と電離放射線硬化型樹脂との混合物を用いる構成としてもよい。
また、本実施形態では、第二表面保護層5として、熱硬化型樹脂に、合成樹脂ビーズを添加する例を示したが、例えば、合成樹脂ビーズに替えて、無機化合物のフィラーを添加する構成としてもよく、合成樹脂ビーズと無機化合物のフィラーとの両方を添加する構成としてもよく、合成樹脂ビーズ及び無機化合物のフィラーのうちの少なくとも一方を添加する構成であればよい。
また、第二表面保護層5の形状は、特に限定されず、丸、四角形、六角形等の規則的に並んだ定形の形状としてもよく、不定型な絵柄形状としてもよい。また、絵柄印刷層3の絵柄と同調させた形状としてもよく、このようにすることによって、絵柄をよりリアルに見せることができる。
(効果)
(1)本実施形態では、第二表面保護層5を、上面視で第二絵柄形成部3bと重なるように配置して同調させると共に、第一表面保護層4と第二表面保護層5との光沢差がより大きくなるように配置している。そのため、第一表面保護層4と第二表面保護層5との光沢差から、表面保護層6の凹凸感を出すことができ、例えば、エンボス加工等を用いなくとも立体的な意匠感を得ることができ、すなわち、第二表面保護層5と第二絵柄形成部3bとが同調したグロスマット感が消滅することなく立体的な意匠感を得ることができる。
さらに、第二表面保護層5には合成樹脂ビーズや無機化合物のフィラー等を混入するようにしたため、視覚的だけでなく、触覚的にも立体的な意匠感を与えることができる。その結果、エンボス加工を施すことなく、グロスマット同調による視覚的な立体感を維持しつつ、立体的な意匠感を付与することができる。
また、絵柄印刷層3と表面保護層6とが同調するように形成されているため、基体樹脂層2に発泡剤を添加したとしても、絵柄印刷層3と表面保護層6との同調、また、グロスマット感が消失することを抑制し、良好なグロスマット感を有する壁紙10を実現することができる。
(2)本実施形態では、絵柄印刷層3上に、透明または半透明な第一表面保護層4、第二表面保護層5を有するため、絵柄印刷層3の絵柄を透視することができる。
(3)本実施形態では、第一表面保護層4の光沢を第二表面保護層5の光沢よりも高くしたため、第一表面保護層4で凸部を表現でき、第二表面保護層5で凹部を表現でき、視覚的に立体感を感じさせることができる。さらに、第二表面保護層5に合成樹脂ビーズまたはフィラーを含むため、触感により立体感を感じさせることができる。
(4)第一表面保護層4は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を含み、第二表面保護層5は、合成樹脂ビーズまたは無機化合物のフィラーを含んでいる。さらに、第一表面保護層4の光沢は、第二表面保護層5 の光沢よりも高い。
このように、第一表面保護層4を硬度の高い樹脂で形成するとともに、第一表面保護層4の光沢を高くし、さらに、第二表面保護層5を、第一表面保護層4の上に形成しても第一表面保護層4の光沢の影響を受けずに視覚的な立体感を表現可能な樹脂で形成したため、表面に露出される第一表面保護層4によって、耐傷性及び耐汚染性を向上でき、さらに、視覚的な立体感を付与できる。これにより、触感による立体感を維持しつつ、耐傷性及び耐汚染性に優れ、かつ視覚的な立体感を有する化粧シートを提供できる。
(5)本実施形態に係る壁紙10では、第二表面保護層5は、シリカ粒子を5質量%以上35質量% 以下含んでいる。
このような構成によれば、第二表面保護層5 に含まれるシリカ粒子を5質量%以上とし、比較的多くしたため、第二表面保護層5の光沢を十分に低下でき、第二表面保護層5と第一表面保護層4との光沢差を増大できる。それゆえ、例えば、第二表面保護層5の面積が小さくても、視覚的な立体感を適切に感じさせることができる。
(6)本実施形態に係る壁紙10では、合成樹脂ビーズは、アクリル樹脂ビーズである。
このような構成によれば、第二表面保護層5の透明度を向上でき、第二表面保護層5を通して、意匠を付与するための絵柄印刷層3の絵柄をより明瞭に透視できる。
(7)本実施形態に係る壁紙10では、第二表面保護層5の表面は、接触式粗さ計で測定した最大高さR max値が30μm以上である。
このような構成によれば、触感による立体感をより適切に感じさせることができる。
(8)本実施形態に係る壁紙10では、第一表面保護層4は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を含む。
このような構成によれば、絵柄印刷層3、第二表面保護層5等の他の層との接着性や、壁紙10の変形追従性、耐傷性を向上できる。
(9)本実施形態に係る壁紙10では、第二表面保護層5は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂とシリカ粒子とを含む。
このような構成によれば、第一表面保護層4等の隣接する層との接着性や、壁紙10の変形追従性、耐傷性を向上できる。
<変形例>
上記実施形態では、第一表面保護層4に比較して第二表面保護層5が光沢が低い場合に、つまり、第一表面保護層4がマット樹脂層からなり、第二表面保護層5がグロス樹脂層となる場合について説明したが、第一表面保護層4がグロス樹脂層からなり、第二表面保護層5がマット樹脂層からなるようにしてもよい。この場合には、上記実施形態において、第一表面保護層4と第二表面保護層5とを入れ替え、第一表面保護層4としてグロス樹脂層を用い、第二表面保護層5としてマット樹脂層を用いるようにすればよい。
なお、合成ビース樹脂や無機化合物のフィラーは、グロス樹脂層に設けなくともよく、グロス樹脂層となる第一又は第二表面保護層4又は5に配合するようにしてもよい。
以下に、本実施形態の実施例及び比較例を示す。なお、本実施形態は以下に限定されるものではない。
(実施例1)
紙基材1として、塗布量65g、厚み110μmの普通紙(例えばKJ特殊製紙株式会社製の「WK665IHT」)を使用した。
基体樹脂層2は、塩化ビニル樹脂として例えば、新第一塩ビ株式会社製の「PQLT」を使用し、これに可塑剤55部、充填材150部を加え、このペーストを、塗布量が200g/mとなるように、コーティング法により紙基材1へ塗布して形成した。
絵柄印刷層3は水性インキを用いたグラビアインキで形成した。
第一表面保護層4はマット樹脂を使用し、絵柄印刷層3を形成した後、グラビア印刷により塗布量が3g/mとなるように成形した。第二表面保護層5は、合成樹脂ビーズ(例えばアクリルビーズ)を添加したグロス樹脂を使用し、第一表面保護層4を成形した後、グラビア印刷により第二絵柄形成部3bに同調させて印刷した。その後、表面温度が170℃になるように加熱し、その後冷却・乾燥させて壁紙10を形成した。
(実施例2)
基体樹脂層2の塗布量を80g/mとした以外は実施例1と同様にして形成した。
(実施例3)
基体樹脂層2の塗布量を230g/mとした以外は実施例1と同様にして形成した。
(実施例4)
第一表面保護層4にグロス樹脂、第二表面保護層5にマット樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして形成した。
(実施例5)
第一表面保護層4を設けないこと以外は実施例1と同様にして形成した。
(比較例1)
基体樹脂層2の塗布量を60g/mにしたこと以外は実施例1と同様にして形成した。
(比較例2)
基体樹脂層2の塗布量を250g/mにしたこと以外は実施例1と同様にして形成した。
(比較例3)
第二表面保護層5に合成樹脂ビーズを添加しないこと以外は実施例1と同様にして形成した。
(比較例4)
第二表面保護層5を印刷後、加熱と同時にエンボスロールにて、エンボス圧力2000kgfとして形状付与を行った以外は実施例1と同様にして形成した。
<評価方法および評価基準>
実施例1~5及び比較例1~4の壁紙それぞれを以下の方法により評価した。
(1)グロスマット意匠感
壁紙としてのグロスマットな意匠感を、10人の試験官に対し官能試験を実施した。
評価基準は次の通りである。
◎:良いとした人 9~10人
〇:良いとした人 7~8人
△:良いとした人 1~6人
×:良いとした人 0人
(2)立体的意匠感(手触り感)
壁紙としての立体的な意匠感(手触り感)を、10人の試験官に対し官能試験を実施した。
評価基準は次の通りである。
◎:良いとした人 9~10人
〇:良いとした人 7~8人
△:良いとした人 1~6人
×:良いとした人 0人
(3)不陸隠蔽性
厚さ100μm、直径20mmの円形シールを準不燃規格の石膏ボード(厚さ9.5mm)に1枚貼り、石膏ボードに貼るときの糊の塗布量が20g/m(固形分)になるように糊を塗布した壁紙を石膏ボードに施工した。そして、下地の円形シールが明確に検知できるかどうかを確認した。
評価基準は次の通りである。
〇:明確には検知できない
×:明確に検知できる
(4)不燃性能
実施例及び比較例で得た各壁紙に対して、コーンカロリーメータC3(株式会社東洋精機製作所製の燃焼試験機)を用いて、建築基準法で定められた発熱性試験法(ISO 5660)に基づく不燃材料の発熱性試験(50kW/mで20分加熱)を実施した。
評価基準は次の通りである。
○:燃焼カロリーが7.2MJ以下。
×:燃焼カロリーが7.2MJより大きい。
<評価結果>
下記の表1に評価結果を示す。
Figure 2022170523000002
実施例1~3と、比較例1、2とを対比することで、基体樹脂層2の塗布量が、80g/m以上230g/m以下であれば、不陸隠蔽性及び不燃性能において要求を満たすことが確認できた。
また、実施例1と実施例4とから、第一表面保護層4と第二表面保護層5とのどちらがマット樹脂層、グロス樹脂層であっても、いずれの要求も満たすことが確認できた。また、第一表面保護層4を設けずに、マット樹脂層からなる第二表面保護層5を設けた場合には(実施例5)、グロスマット意匠感が多少低下するが、他の要求は満たすことが確認できた。
また、第二表面保護層5に合成樹脂ビーズまた無機化合物のフィラーを添加しない場合には(比較例3)、立体的意匠感があまり得られず、さらに、第二表面保護層5を印刷した後にエンボス加工を行った場合には、十分なグロスマット意匠感及び十分な立体的意匠感が得られないことが確認された。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明の壁紙10は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1 紙基材
2 基体樹脂層
3 絵柄印刷層
3a 第一絵柄形成部
3b 第二絵柄形成部
4 第一表面保護層
5 第二表面保護層
6 表面保護層
10 壁紙

Claims (4)

  1. 紙基材の上に、基体樹脂層と、絵柄が印刷された絵柄印刷層と、表面保護層とがこの順に積層された壁紙であって、
    前記絵柄印刷層は同一平面をなす第一絵柄形成部及び第二絵柄形成部を有し、
    前記表面保護層は、前記絵柄印刷層上に形成された第一表面保護層と当該第一表面保護層上に部分的に形成され前記第一表面保護層と互いに光沢が異なる第二表面保護層とを有し、当該第二表面保護層は、前記第二絵柄形成部と同調するように上面視で前記第二絵柄形成部と重なるように配置され、
    前記第二表面保護層は合成樹脂ビーズ及び無機化合物のフィラーのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする壁紙。
  2. 前記第一表面保護層と前記第二表面保護層との段差により凹凸を表現していることを特徴とする請求項1に記載の壁紙。
  3. 前記第一表面保護層及び前記第二表面保護層のうちの一方はマット樹脂からなり他方はグロス樹脂からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁紙。
  4. 前記紙基材は、坪量が50g/m以上100g/m以下の範囲内であり且つ厚みが80μm以上150μm以下であり、
    前記基体樹脂層は、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂のうち少なくとも一つを含む熱可塑性樹脂を用いて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の壁紙。
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