JP7215078B2 - 化粧シート及び化粧部材 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シート及び化粧部材に関するものである。
従来、木質ボード、無機系ボード類、金属板等に貼り合わせて化粧材として用いられる化粧シートであって、建築内装用及び外装用、建具の表面や枠材、家電製品の表面材、床材等々の建築用資材に用いられる化粧シートが知られている。前述の用途に用いられる化粧シートには、最表面に表面保護層を設けることが一般的に行われている。その目的としては、耐候性や耐傷性及び耐汚染性の向上、表面の艶の調節等が挙げられるが、なかでも耐候性の向上は表面保護層の最も大きな役割であると言える。近年、住宅の長期保証が常識となりつつあるなかで、化粧シートの耐候性向上は大きな課題となっている。化粧シートの耐候性向上のためには表面保護層自体も耐候性に優れている必要があるため、表面保護層としてアクリル系樹脂を用いることが多く、さらに耐候性を向上させるため、表面保護層には耐候剤、すなわち紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤を添加するのが一般的である(例えば特許文献1~4)。
特開2008-238444号公報 特開2007-118584号公報 特開2005-088481号公報 特開2011-16277号公報
しかし、従来の化粧シートは、最表層に保護層(表面保護層)を設けた場合、ラッピングや折り曲げなどの後加工性が低下して、例えば曲げ加工部の表面保護層にクラックが発生し、クラック部分に紫外線や風雨を受けることで化粧シートの劣化が促進されてしまうという懸念があった。また、後加工性を維持するために化粧シートの表面保護層に柔軟性を持たせたとしても、表面保護層に柔軟性を有することによって化粧シートをロール状にした際にブロッキングが発生して生産性が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、表面保護層に柔軟性を付与して後加工性を維持しながらも、表面保護層におけるブロッキングの発生を防止して生産性を維持可能な化粧シート及び化粧部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材と、前記基材の一方の面側に、アクリル系樹脂組成物を主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤としたイソシアネート硬化型アクリル系樹脂組成物により形成した表面保護層と、を備える化粧シートであって、前記アクリル系樹脂組成物は、粒径が10μm以上20μm以下のアクリル系ビーズを3重量部以上9重量部以下含有している化粧シートであることを要旨とする。
また、本発明の他の態様は、木質系材料または金属系材料により形成された基板と、前記基板の表面側に設けられた請求項1から5のいずれか1項に記載の化粧シートと、を備える化粧部材であることを要旨とする。
本発明によれば、表面保護層に柔軟性を付与して後加工性を維持しながらも、表面保護層におけるブロッキングの発生を防止して生産性を維持可能な化粧シート及び化粧部材を提供することができる。
本発明の実施形態に係る化粧部材を表す断面図である。 本発明の実施形態に係る化粧シートを表す断面図である。 本発明の変形例の化粧シートを表す断面図である。
以下、本発明のある実施形態に係る化粧シート及び化粧部材について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している場合がある。また、各図面において、「表面」とは、化粧シートの基材における一方の面(表面、おもて面)を基準として、同じ向きの面を各層の「表面」とし、各層の「表面」と反対側の面(他方の面)を「裏面」と称する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態に係る化粧部材100は、基板11と、基板11の表面11a側に設けられた化粧シート10と、を備えている。本実施形態に係る化粧部材100には、化粧シート10を基板11に貼り付けた後に基板11を折り曲げて、所望の内装部材・外装部材(例えば、建築物の床、壁等の内装、家具、キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧)の形状とする折り曲げ加工が施されている。
なお、本実施形態では、化粧部材100に折り曲げ加工が施されている例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、化粧部材100は、3次元構造を有する基板11(例えば、ルーバー等の内装部材・外装部材の形状に形成されている基板11)に化粧シート10によりラッピング加工が施されて形成されている構成であってもよい。
(基板)
基板11の材料としては、例えば、木質系材料、金属系材料を用いることができる。木質系材料としては、例えば、木材単板、木材合板、集成材、パーティクルボード、中密度繊維板、硬質繊維板を採用することができる。また、金属系材料としては、例えば、鋼板、真鍮板、アルミニウム板、ジュラルミン板、ステンレス板を採用することができる。基板11と化粧シート10との間には、必要に応じて、例えば、接着剤層を設けてもよい。
(化粧シート)
図2に示すように、本発明の実施形態に係る化粧シート10は、基材1と、基材1の表面1a側に設けられた表面保護層5と、を有する複層構成の化粧シートを形成している。化粧シート10の厚み(総厚)は40μm以上300μm以下の範囲内であることが好ましい。
基材1、及び後述する熱可塑性樹脂層4の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、従来の化粧シートで基材に使用されていた熱可塑性樹脂と同様のものを使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体、1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、6-ナイロン、6,6-ナイロン、6,10-ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン-テトラフロロエチレン共重合体、エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用できる。
ここで、基材1や熱可塑性樹脂層4に使用可能な熱可塑性樹脂として、多数の熱可塑性樹脂を挙げたが、近年の環境問題に対する社会的な関心の高まりに鑑みれば、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩素(ハロゲン)を含有する熱可塑性樹脂を使用することは望ましくなく、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。特に、各種物性や、加工性、汎用性、経済性等の面からは、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂(非晶質又は二軸延伸)を使用することが最も望ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、既に列挙した多くの種類から、化粧シート10の使用目的等に応じて適宜選択して使用すればよい。特に、一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわち、プロピレンを主成分とする単独又は共重合体である。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等を単独又は適宜配合したり、それらに更にアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用することができる。また、プロピレン以外のオレフィン系単量体を含む共重合体であってもよく、例えば、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2~20のα-オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1又はオクテン-1のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上含有するプロピレン-α-オレフィン共重合体等を例示できる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられている低密度ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体又はその水素添加物等の改質剤を適宜添加できる。
さらに、基材1には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上の添加剤を添加してもよい。また、熱可塑性樹脂層4は、例えば、熱可塑性樹脂層4の裏面4b側に配置されているシート(例えば絵柄層)等を透視可能な程度の透明性を有する透明熱可塑性樹脂層とするのが好ましい。また透明熱可塑性樹脂層は、例えば、無色透明、有色透明または半透明とする。
また、基材1は、基板11の表面11aの色のばらつきや欠陥等を隠蔽する場合には、隠蔽性の不透明に着色されたものとするのが好ましい。具体的には、基材1は、熱可塑性樹脂(例えばポリオレフィン系樹脂)に着色剤を添加した着色熱可塑性樹脂層とするのが好ましい。
なお、本発明はこれに限られない。例えば基板11の表面11aの質感を活かす場合には、基材1は、基板11の表面11aを透視可能な程度の透明性を有するものとするのが好ましい。
表面保護層5の材料としては、例えば、表面保護層5の耐候性を向上させることを考慮すると、アクリル系樹脂組成物を主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤とした反応生成物(以下、「イソシアネート硬化型アクリル系樹脂組成物」とも呼ぶ)を用いることが好ましい。アクリル系樹脂組成物としては、例えば、アクリルポリオールを用いることができる。アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル等の通常のアクリル系モノマーに、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等の水酸基を含有するモノマーと、必要に応じてスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、バーサチック酸ビニル、エチルビニルエーテル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の共重合可能な重合性モノマーとを配合して、共重合させて得られる、側鎖に水酸基を有するアクリル系の高分子化合物を採用することができる。
また、ポリイソシアネートのイソシアネートプレポリマーとしては、例えば、表面保護層5の耐候性を考慮すると、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体を使用することができる。また、イソシアネートプレポリマーの側鎖としては、例えば、表面保護層5に柔軟性を付与することを考慮すると、ウレタン結合を使用することができる。
表面保護層5の厚みは、特に限定されるものではないが、薄すぎると効果に乏しく、厚すぎると可撓性が低下して割れ易くなる。そのため、例えば、5μm以上20μm以下の範囲内が好ましい。なお、表面保護層5には、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、滑剤、減摩剤及び艶調整剤等の各種の充填剤、つまり、機能性添加剤として各種のフィラーから選ばれる1種以上のフィラーを添加してもよい。
表面保護層5に用いるフィラーとしては、例えば、無機系フィラー、有機系フィラーを用いることができる。無機系フィラーの一例としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリコーンパウダー、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の粒子類を挙げることができる。
また、有機系フィラーの一例としては、スチレン系プラスチックピグメント、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の粒子類を挙げることができる。本実施形態において、表面保護層5には、例えば艶調整用のフィラー(マット剤)や耐傷性向上を目的とするフィラー等の添加剤として、アクリル系以外の有機系フィラーを用いてもよい。
表面保護層5には、フィラーとして上述の無機系フィラー及び有機系フィラーを単一あるいは複数組み合わせて使用することも可能である。本実施形態における表面保護層5は、アクリル系以外の有機系フィラー及び無機系フィラーを含んで形成されることが好ましい。
また、本実施形態において、表面保護層5を形成するアクリル系樹脂組成物には、ブロッキング防止剤として合成樹脂性ビーズを添加してもよい。合成樹脂性ビーズとしては、例えばポリメチル(メタ)アクリレート樹脂ビーズ等のアクリル系ビーズが挙げられる。
具体的には、アクリル系樹脂組成物に添加するアクリル系ビーズは、粒径が10μm以上20μm以下の範囲であることが好ましい。また、当該アクリル系ビーズの平均粒径は13.0μm以上17.0μm以下であると好ましい。また、アクリル系ビーズの添加量は、アクリル系樹脂組成物に対して3重量部以上9重量部以下の範囲であることが好ましい。以下、ここで挙げたアクリル系ビーズの粒径及び添加量の範囲を適正範囲と称する場合がある。ここで、上記「平均粒径」の測定方法としては、例えば、Malvern Panalytical社製Mastersizer3000測定器を用いて測定することが好ましい。また、この測定器と同様の主旨で平均粒径を測定する測定器であればこの測定器に限られない。
アクリル系ビーズを含有した表面保護層5の表面5a、すなわち化粧シート10の表面は、アクリル系ビーズを含有していない場合に比べて粗くなる。このため、例えば生産時において化粧シート10をロール状にした場合に、面々(表面保護層5の表面5a同士)、面裏(表面5aとプライマー層6)の接触面積が少なくなり密着度合が低下する。したがって、表面保護層5にアクリル系ビーズを添加することで、化粧シート10のブロッキングを防止して生産性を維持することができる。
一方で、例えばアクリル系ビーズの粒径や添加量が上述の適正範囲を超過すると、ブロッキングを防止できるものの、耐傷性や、意匠性(光沢や触感)が低減する場合がある。また、アクリル系ビーズの粒径及び添加量が上述の適正範囲未満であると、ブロッキング防止の効果が十分に発揮されない場合がある。したがって、後加工性の維持と生産性の維持とを両立するためには、アクリル系樹脂組成物に添加するアクリル系ビーズの粒径及び添加量が上述の適正範囲を満たすことが望ましい。
また、表面保護層5の主剤であるアクリル系樹脂組成物に、同じアクリル系の材質を有するビーズを添加することにより、化粧シート10の表面の光沢の変化や白濁を抑制することができる。つまり、アクリル系ビーズは艶調整用の添加剤(マット剤)としても作用する。また、アクリル系ビーズは、耐傷性向上を目的とする添加剤としても作用する。このように、アクリル系ビーズは、上述したアクリル系以外の有機系フィラーに対応する作用を奏する。
なお、表面保護層5は、例えば、後述するように、表面保護層5の裏面5b側に配置されている絵柄層2を透視可能な程度の透明性を有するものとするのが好ましい。例えば、本実施形態による化粧シート10において表面保護層5は、無色透明、有色透明または半透明であるとする。
また、アクリル系ビーズの粒径が上述の適正範囲未満であっても、添加量を増加させる(適正範囲を超過する添加量とする)ことにより、ブロッキング防止の効果を得ることができる。例えば、アクリル系ビーズの粒径が10μm未満(平均粒径は5μm)であった場合、添加量を20重量部程度まで増加させるとブロッキングを防止することができる。ただし、耐候剤を含有しないアクリル系ビーズの添加量の増加と反比例して、表面保護層5において耐候性を有する樹脂の添加量が減少し、化粧シート10の耐候性が低減する場合がある。また、アクリル系ビーズの添加量が適正範囲を超過すると、化粧シート10の表面の光沢が低減され、アクリル系ビーズの添加量が適正範囲内である場合と比較して意匠性が低減する場合がある。
また、化粧シート10は、従来の複層構成の化粧シートと同様に、基材1及び表面保護層5以外にも、例えば、絵柄層2、接着性樹脂層3、熱可塑性樹脂層4及びプライマー層6等を適宜備えるようにしてもよい。図2では、絵柄層2、接着性樹脂層3及び熱可塑性樹脂層4は、基材1と表面保護層5との層間に積層されて設けられている。より具体的には、絵柄層2が基材1側に設けられ、熱可塑性樹脂層4が表面保護層5側に設けられ、接着性樹脂層3が絵柄層2と熱可塑性樹脂層4との間に設けられている。さらに、プライマー層6は、基材1の裏面1b側に設けられている。すなわち、基材1の表面1aに、絵柄層2、接着性樹脂層3、熱可塑性樹脂層4及び表面保護層5がこの順に積層されて設けられ、基材1の裏面1bにプライマー層6が設けられた構成となっている。
なお、本実施形態に係る化粧シート10では、絵柄層2を基材1側に設け、熱可塑性樹脂層4を表面保護層5側に設け、接着性樹脂層3を絵柄層2と熱可塑性樹脂層4との間に設ける例を示したが、他の構成を採用することもできる。絵柄層2、接着性樹脂層3及び熱可塑性樹脂層4は、製造手順等に応じて任意の配列とすることができる。例えば、基材1の表面1aに絵柄層2を設けた後、接着性樹脂層3を介して、絵柄層2と熱可塑性樹脂層4の裏面4bとを接着してなる配列としてもよい。また、例えば、熱可塑性樹脂層4の裏面4bに絵柄層2を設けた後、接着性樹脂層3を介して絵柄層2と基材1の裏面1bとを接着してなる配列としてもよい。さらに、例えば、熱可塑性樹脂層4の表面4a及び裏面4bのそれぞれに絵柄層2を設けた後、接着性樹脂層3を介して裏面4bの絵柄層2と基材1の表面1aとを接着してなる配列としてもよい。
また、化粧シート10の表面には、エンボス模様15、つまりエンボス加工により形成された凹凸模様が設けられている。
絵柄層2は、化粧シート10に絵柄による意匠性を付与するために、必要に応じて設けられるものである。絵柄層2は、基材1の着色で代用できる場合には、省略も可能である。絵柄層2は、染料又は顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂とともに適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料等を用いて形成される。印刷インキ又は塗料等は、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法又はロールコート法等の各種塗工法等によって塗布される。また、バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等、或いはそれらの混合物等を用いることができるが、勿論これらに限定されるものではない。また、絵柄としては、任意の絵柄を用いることができ、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字、記号、単色無地等、或いはそれらの組み合わせ等を用いることできる。また、化粧シート10の隠蔽性を向上するために、絵柄層2と基材1との層間に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキや塗料による隠蔽層を設けてもよい。
接着性樹脂層3は、基材1と熱可塑性樹脂層4とを接着させるために、必要に応じて設けられるものである。接着性樹脂層3は、他の層が有する接着性を利用可能な場合には、省略も可能である。接着性樹脂層3に使用する接着剤の種類には、特に制限はないが、イソシアネート系硬化剤を使用する2液硬化型ウレタン系接着剤を使用することが特に望ましい。2液硬化型ウレタン系接着剤の主剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等、硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を用いることができる。
プライマー層6は、化粧部材100の基板11との接着に用いられる接着剤との密着性を向上させるために、必要に応じて施されるものである。例えば、基板11が木質系材料で形成されている場合には、接着剤として、酢酸ビニルエマルジョン系、2液硬化型ウレタン系等の接着剤が使用されるため、プライマー層6は、これらの接着剤に合わせた樹脂設計とすることが望ましい。例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を用いることができる。特に、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの配合による2液硬化型ウレタン系のプライマー剤等が好ましい。また、例えば、シリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加すると、巻取保存時のブロッキングの防止や投錨効果による接着力の向上に有効である。また、例えば基板11が金属系材料で形成されている場合には、プライマー層6は、金属基板との密着性を向上させるウレタン系プライマー層であることが望ましい。
エンボス模様15は、化粧シート10の表面(表面保護層5の表面5a)に立体的な意匠感を付与するために、必要に応じて設けられるものである。エンボス模様15としては、所望により任意の凹凸形状を用いることができ、例えば、木目導管状、石目状、布目状、抽象柄状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地状、砂目状、ヘアーライン状、平行直線群、平行曲線群或いはそれらの組み合わせ等を用いることができる。またエンボス模様15の形成方法としては、例えば、基材1の表面1aに対する熱可塑性樹脂層4の積層前、積層後又は積層と同時に行われる、ダブリングエンボス法、押出ラミネート同時エンボス法等を用いることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る化粧シート10は、基材1と、基材1の一方の面(表面1a)側に、アクリル系樹脂組成物を主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤としたイソシアネート硬化型アクリル系樹脂組成物により形成した表面保護層5と、を備える化粧シートであって、表面保護層5を形成するアクリル系樹脂組成物は、粒径が10μm以上20μm以下のアクリル系ビーズを3重量部以上9重量部以下含有している。
これにより、例えば生産時に化粧シート10をロール状にしてもブロッキングが発生せず、生産性を維持することができる。また、折曲げ加工やラッピング加工時のテンションで化粧シート10が伸びても表面保護層5にクラックが入らない化粧シート10を得ることが出来る。つまり、後加工性の維持しながらもブロッキングの発生を防止して生産性を維持可能な化粧シート10を得ることができる。また、表面保護層5の主剤であるアクリル系樹脂組成物と材質が同じアクリル系ビーズを表面保護層5に用いることで、化粧シート10の表面の光沢の変化や白濁を抑制することが出来る。
また、本実施形態に係る化粧シート10において、表面保護層5は、アクリル系以外の有機系フィラー及び無機系フィラーを含む。
これにより、化粧シート10は、フィラーによるマット調意匠の再現が可能であり、またフィラーによる機能性(例えば耐傷性能など)を表面保護層5に付与させることができる。
さらに、本実施形態に係る化粧シート10において、表面保護層5の厚みは、5μm以上20μm以下の範囲内であり、化粧シート10の厚み(総厚)は、40μm以上300μm以下の範囲内である。
これにより、製膜製に優れ、折り曲げても表面保護層5にクラックが入らない化粧シートを得ることができる。
さらに、本実施形態に係る化粧シート10において、基材1は、ポリオレフィン樹脂系で形成された着色熱可塑性樹脂であり、基材1の一方の面(表面1a)側には、絵柄層2、ウレタン系接着剤で形成した接着性樹脂層3、透明熱可塑性樹脂層である熱可塑性樹脂層4及び表面保護層5がこの順に設けられており、基材1の他方の面(裏面1b)側には、プライマー層6が備えられている。
これにより、耐久性、意匠性及び基板密着性を向上させた化粧シートを得ることができる。
さらに、本実施形態に係る化粧シート10において、表面保護層5に凹凸模様であるエンボス模様15が形成されている。
これにより、化粧シート10の表面に、例えば木目柄に対する木目導管模様や梨地状など、所望により任意の模様を施すことが可能である。
また、本実施形態に係る化粧部材100は、木質系材料または金属系材料により形成された基板11と、基板11の表面11a側に設けられた本実施形態に係る化粧シート10と、を備える。これにより、化粧シート10と基板11とが剥離し難く、長期間にわたり意匠性を維持可能な化粧部材100を提供できる。また、特に基板11が金属系材料で形成された金属基板である場合に、化粧シート10と金属基板が剥離することが無い不燃化粧部材を得ることが可能となる。
本実施形態に係る化粧部材100において、基板11は、折り曲げ加工が施されているか、または3次元構造を有しており、本実施形態に係る化粧シート10によりラッピング加工が施されているものとしてもよい。
これにより、化粧部材100を立体的とし、化粧部材100の意匠性を向上できる。また、折り曲げ加工後やラッピング加工後の表面保護層5にクラック(ひび割れ)や亀裂のない化粧部材100を得ることが可能となる。
(変形例)
なお、上記実施形態では、化粧シート10を、基材1、絵柄層2、接着性樹脂層3、熱可塑性樹脂層4、表面保護層5及びプライマー層6を備える構成とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、図3に示すように、化粧シート10を、基材1及び表面保護層5のみを備える構成としてもよい。またこの場合、表面保護層5にはエンボス模様15が形成されていなくてもよい。
以下に、本実施形態に係る実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、図2に示すように、基材1として、着色されたポリエチレン樹脂(PE)のシートを用意した。基材1の厚さは55μmとした。続いて、基材1の一方の面(表面1a)に、コロナ放電処理を施した。続いて、コロナ放電処理を施した基材1の表面1aに、ウレタン系印刷インキを塗布して絵柄層2を形成した。続いて、形成した絵柄層2の表面に、ウレタン系接着剤を塗布して接着性樹脂層3を形成した。続いて、形成した接着性樹脂層3の表面に、ポリプロピレン(PP)のフィルムを設けて透明熱可塑性樹脂層として熱可塑性樹脂層4を形成した。熱可塑性樹脂層4の厚さは70μmとした。
続いて、熱可塑性樹脂層4の表面4aに、アクリルポリオールを主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤としたイソシアネート硬化型アクリル系樹脂組成物により表面保護層5を形成した。またポリイソシアネートの添加量は、アクリル系樹脂組成物に対して10重量部とした。また、主剤であるアクリルポリオールに対して、ブロッキング防止剤としてアクリル系ビーズを6重量部添加した。このアクリル系ビーズの粒径は、添加前にMalvern Panalytical社製Mastersizer3000測定器を用いて測定した結果、10μm以上20μm以下の範囲(平均粒径は15μm)であったものである。表面保護層5の厚さは10μmとした。
続いて、基材1の裏面1bにコロナ放電処理を施した。続いて、コロナ放電処理を施した裏面1bにプライマー層6を形成した。プライマー層6の厚さは1μmとした。これにより、実施例1の化粧シート10を形成した。化粧シート10の厚み(総厚)は135μmとした。
(比較例1)
比較例1では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に対してアクリル系ビーズを添加していない。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧シート10を作製した。
(比較例2)
比較例2では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に対して添加するアクリル系ビーズを2重量部とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧シート10を作製した。
(比較例3)
比較例3では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に対して添加するアクリル系ビーズを10重量部とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧シート10を作製した。
(比較例4)
比較例4では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に対して添加するアクリル系ビーズの粒径を5μm以上9μm以下の範囲(平均粒径は5μm)とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧シート10を作製した。
(比較例5)
比較例5では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に対して添加するアクリル系ビーズの粒径を21μm以上25μm以下の範囲(平均粒径は25μm)とした。それ以外は、実施例1と同じ材料・手順で、化粧シート10を作製した。
(評価)
実施例1、比較例1~5の化粧シート10に対し、生産性評価、耐傷性評価及び意匠性(光沢、触感)評価を行った。
(ブロッキング試験(生産性評価試験))
ブロッキング試験では、化粧シート10を面々(表面保護層5の表面5a同士)、面裏(表面5aとプライマー層6)が重なるように三つ折りにし、その上に2kg/cmの重石を乗せ、40℃で3日間放置した。その後、化粧シート10の密着度合いを確認した。異常(例えば、紙切れ、裏面プライマー取られ)がなかった場合を「○」とし、表面状態に異常はないが密着度合が相対的に高い場合を「△」とし、異常があった場合を「×」とした。
(鉛筆硬度試験(耐傷性評価試験))
鉛筆硬度試験では、化粧シート10の表面保護層5について、JIS K 5600に準じた鉛筆硬度試験の硬度が3B以上であるかを判定した。すなわち、硬度3B、2B、B、HB、F、H、2H、3Hの鉛筆を用い、化粧シート10に対して鉛筆の角度を45±1°に固定して、鉛筆に1kgの荷重を付加した状態でスライドさせて表面保護層5に傷が形成されるかを判定した。傷を形成した鉛筆の硬度が3B以上であった場合を「○」とし、3B未満6B以上であった場合を「△」とし、6B未満であった場合を「×」とした。
(官能試験:意匠性(光沢)評価)
意匠性(光沢)評価のための官能試験では、試験者に化粧部材100の表面(表面保護層5の表面5a)を目視してもらい、アクリル系ビーズが添加されていない化粧シートと比較して差異を感じないと判定した人の数を計数した。試験者の総数は、10人とした。評価基準は、差異を感じないとした人が0人の場合を「×」、1~3人の場合を「△」、4~6人の場合を「○」、7~10人の場合を「◎」とした。
(官能試験:意匠性(触感)評価)
意匠性(触感)評価のための官能試験では、試験者に化粧部材100の表面(表面保護層5の表面5a)を手等で触ってもらい、アクリル系ビーズが添加されていない化粧シートと比較して差異を感じないと判定した人の数を計数した。試験者の総数は、10人とした。評価基準は、差異を感じないとした人が0人の場合を「×」、1~3人の場合を「△」、4~6人の場合を「○」、7~10人の場合を「◎」とした。
(評価結果)
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0007215078000001
表1に示すように、実施例1の化粧シート10は、生産性評価、耐傷性評価、意匠性(光沢、触感)評価のすべての評価が「○」となり、後加工性を維持しながらもブロッキングの発生を防止して生産性を維持できることを検証することができた。
一方、表1に示すように、比較例1~5の化粧シート10は、生産性評価、耐傷性評価、意匠性評価の何れかの評価結果に「△」または「×」が含まれ、課題を要する点が見受けられた。
比較例1、2及び4の化粧シート10は、耐傷性評価及び意匠性評価の結果が「◎」(比較例1、2)または「○」(比較例4)となった。しかしながら、生産性評価(ブロッキング試験)の結果が「△」または「×」となった。
具体的には、比較例1の化粧シート10は表面保護層5のアクリル系樹脂組成物にアクリル系ビーズが添加されていない。また、比較例2の化粧シート10はアクリル系樹脂組成物に添加されたアクリル系ビーズの添加量が適正範囲(3重量部以上9重量部以下の範囲)の下限値未満であり、また比較例4の化粧シート10はアクリル系樹脂組成物に添加されたアクリル系ビーズの粒径が適正範囲(10μm以上20μm以下の範囲)の下限値未満である。
このように、比較例1、2及び4の化粧シート10には、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に適正範囲を満たす粒径及び添加量のアクリル系ビーズが添加されていない。このため、比較例1、2及び4の化粧シート10は、表面保護層5の表面5a同士、または表面5aと化粧シート10の裏面であるプライマー層6との接触面積が大きくなって密着度合が高くなり、ブロッキングが発生し易かった。したがって、生産性が低下してブロッキング試験の結果が「△」または「×」となった。
これに対し、実施例1の化粧シート10では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に添加されたアクリル系ビーズの粒径が10μm以上20μm以下の範囲(平均粒径は15μm)であり、かつ添加量が6重量部であって、いずれも適性範囲内である。このため、実施例1の化粧シート10は、表面保護層5の表面5a同士、または表面5aと化粧シート10の裏面であるプライマー層6との接触面積が小さくなって密着度合が低くなり、ブロッキングが発生し難かった。したがって、生産性が維持されて生産性評価の結果が「○」となった。
また、比較例3及び5の化粧シートは、生産性評価の結果が「○」となったものの、耐傷性評価及び意匠性(光沢、触感)評価の結果が「△」または「×」となった。
具体的には、比較例3の化粧シートは、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に添加されたアクリル系ビーズの添加量が適正範囲(5重量部以上9重量部以下の範囲)を超過している。また、比較例5の化粧シート10はアクリル系樹脂組成物に添加されたアクリル系ビーズの粒径が適正範囲(10μm以上20μm)の範囲を超過している。
このため、比較例3及び5の化粧シート10では、アクリル系ビーズの粒径及び添加量が適正範囲内である場合に比べて、表面保護層5の硬度が低くなり柔軟性が適正範囲を超過して、耐傷性評価(鉛筆硬度試験)の結果が「△」(比較例3)、または「×」(比較例5)となった。
また、比較例3及び5の化粧シート10では、アクリル系ビーズの粒径及び添加量が適正範囲内である場合に比べて、表面保護層5の表面5aの粗さが顕著となっており、光沢や触感の良好さが低減されてアクリル系ビーズが添加されていない化粧シートとの比較において差異が生じ、意匠性評価における官能試験の結果が「△」となった。
これに対し、実施例1の化粧シート10では、表面保護層5のアクリル系樹脂組成物に添加されたアクリル系ビーズの粒径及び添加量が適正範囲(粒径が10μm以上20μm以下かつ添加量が5重量部以上9重量部以下の範囲)内である。このため、実施例1の化粧シート10は、表面保護層5に柔軟性を付与して後加工性を維持しながらも程度な硬度を有している。したがって、実施例1は、耐傷性評価(鉛筆硬度試験)の結果が「○」となった。
さらに実施例1の化粧シート10は、アクリル系ビーズの添加量及び粒径が上述の適正範囲内であるため、表面保護層5の表面5aの粗さが適度であって、光沢や触感がアクリル系ビーズが添加されていない化粧シートと同等であって意匠性も維持され、意匠性の官能試験の結果が「○」となった。
したがって、実施例1の化粧シート10は、比較例1~5の化粧シートよりも、生産性、耐傷性及び意匠性が良好であって、表面保護層5に柔軟性を付与して後加工性を維持しながらもブロッキングの発生を防止して生産性を維持できることが確認された。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画され得る。
1 基材
2 絵柄層
3 接着性樹脂層
4 熱可塑性樹脂層
5 表面保護層
6 プライマー層
10 化粧シート
11 基板
15 エンボス模様
1a、4a、5a 表面
1b、4b、5b 裏面

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面側に、アクリル系樹脂組成物を主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤としたイソシアネート硬化型アクリル系樹脂組成物により形成した表面保護層と、を備える化粧シートであって、
    前記アクリル系樹脂組成物は、粒径が10μm以上20μm以下のアクリル系ビーズを3重量部以上9重量部以下含有しており、
    前記アクリル系ビーズは、前記アクリル系樹脂組成物と同じアクリル系の材質で形成されており、
    前記アクリル系ビーズは、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂で形成されたビーズであること
    を特徴とする化粧シート。
  2. 前記表面保護層は、アクリル系以外の有機系フィラー及び無機系フィラーを含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記表面保護層の厚みは、5μm以上20μm以下の範囲内であり
    前記化粧シートの総厚は、40μm以上300μm以下の範囲内であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記基材は、ポリオレフィン系樹脂で形成された着色熱可塑性樹脂層であり、
    前記基材の前記一方の面側には、絵柄層、接着性樹脂層、透明熱可塑性樹脂層及び前記表面保護層がこの順に積層されて設けられており、
    前記基材の他方の面側には、プライマー層が設けられていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記表面保護層に凹凸模様が形成されていること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記アクリル系ビーズは、粒径が13μm以上17μm以下の範囲内であること
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 基材と、
    前記基材の一方の面側に、アクリル系樹脂組成物を主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤としたイソシアネート硬化型アクリル系樹脂組成物により形成した表面保護層と、を備える化粧シートであって、
    前記アクリル系樹脂組成物は、粒径が10μm以上20μm以下のアクリル系ビーズを3重量部以上9重量部以下含有しており、
    前記基材は、低密度ポリエチレン、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合ゴム、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合ゴム、またはスチレン-ブタジエン共重合体を改質剤として含んだ着色熱可塑性樹脂層であり、
    前記アクリル系ビーズは、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂で形成されたビーズであること
    を特徴とする化粧シート。
  8. 木質系材料または金属系材料により形成された基板と、
    前記基板の表面側に設けられた請求項1からのいずれか1項に記載の化粧シートと、を備えること
    を特徴とする化粧部材。
  9. 前記基板は、折り曲げ加工が施されているか、または3次元構造を有しており、前記化粧シートによりラッピング加工が施されていること
    を特徴とする請求項に記載の化粧部材。
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