JP2023142783A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Ryosuke Nishikawa
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Abstract

【課題】印刷画質の低下を軽減できるインクジェット印刷装置を提供する。【解決手段】インクジェットヘッド11は、インクを吐出するノズルを有する。加圧タンク21および負圧タンク24は、インクジェットヘッド11に接続されている。圧力調整部5は、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力を調整する。制御部は、加圧タンク21および負圧タンク24のうちの一方のタンクのみの圧力を変動させるイベントが発生した際に、当該イベントによる一方のタンクの圧力の変動によるインクジェットヘッド11のノズル圧の変動を低減するように、他方のタンクの圧力を調整するよう圧力調整部5を制御するノズル圧変動抑制制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット印刷装置に関する。
インクを循環させつつインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインク循環式のインクジェット印刷装置が知られている。
インク循環式のインクジェット印刷装置の中には、インクジェットヘッドに対して上流側に設けられた加圧タンク、下流側に設けられた負圧タンクにそれぞれ正圧、負圧を付与してインク循環を行うものがある(特許文献1参照)。
このようなインクジェット印刷装置では、印刷を行う際、加圧タンクおよび負圧タンクを密閉状態として、加圧タンク、負圧タンクにそれぞれ正圧、負圧を付与する。これにより、加圧タンクからインクジェットヘッドへ向けてインクが流れる。インクジェットヘッドで消費されなかったインクは、負圧タンクに回収される。また、加圧タンクおよび負圧タンクの液面高さに応じて、インクポンプにより負圧タンクから加圧タンクへインクが送液される。このようにして、インク循環が行われる。
インク循環中は、循環流量を確保しつつ、インクジェットヘッドのノズル圧を適正値に保つために、加圧タンクおよび負圧タンクの圧力調整が行われる。インク循環中は、加圧タンクの圧力変動量と負圧タンクの圧力変動量とは、互いに相殺する関係にある。
特開2016-068328号公報
しかしながら、加圧タンクおよび負圧タンクのいずれか一方のみの圧力を変動させるイベントが発生すると、互いに相殺する関係にあった加圧タンクの圧力変動量と負圧タンクの圧力変動量との間にずれが生じる。これにより、インクジェットヘッドのノズル圧の変動が増大してインクの吐出が不安定になることがある。この結果、印刷画質が低下することがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、印刷画質の低下を軽減できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット印刷装置は、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに接続された加圧タンクおよび負圧タンクと、前記加圧タンクおよび前記負圧タンクの圧力を調整する圧力調整部と、前記圧力調整部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記加圧タンクおよび前記負圧タンクのうちの一方のタンクのみの圧力を変動させるイベントが発生した際に、前記イベントによる前記一方のタンクの圧力の変動による前記インクジェットヘッドのノズル圧の変動を低減するように、他方のタンクの圧力を調整するよう前記圧力調整部を制御するノズル圧変動抑制制御を行うことを特徴とする。
本発明のインクジェット印刷装置によれば、印刷画質の低下を軽減できる。
実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット印刷装置のインク循環部、インク補給部、および圧力調整部の概略構成図である。 図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットの概略構成図である。 ヘッドユニットの下方向印刷位置および水平方向印刷位置を示す図である。 図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドモジュールの概略構成図である。 液面維持制御の説明図である。 圧力制御の説明図である。 加圧タンクの圧力変動量と負圧タンクの圧力変動量との関係の一例を示す図である。 水平方向印刷の場合に行われるノズル圧変動抑制制御を含むインク補給時の動作を説明するためのフローチャートである。 ノズル圧変動抑制制御の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置のインク循環部、インク補給部、および圧力調整部の概略構成図である。図3は、図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットの概略構成図である。図4は、ヘッドユニットの下方向印刷位置および水平方向印刷位置を示す図である。図5は、図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドモジュールの概略構成図である。
以下の説明において、図2の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図2における紙面の上下左右を上下左右方向とする。上下方向は鉛直方向であり、左右方向および前後方向は、互いに直交し、かつ、いずれも上下方向に直交し、水平方向に平行な方向である。
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、ヘッドユニット2と、インク循環部3A~3Dと、インク補給部4A~4Dと、圧力調整部5と、環境温度センサ6と、制御部7とを備える。なお、インク循環部3A~3D等の符号におけるアルファベットの添え字を省略して総括的に表記することがある。
ヘッドユニット2は、図示しない搬送部により搬送される印刷媒体にインクを吐出して印刷を行う。図3に示すように、ヘッドユニット2は、インクジェットヘッド11A~11Dと、ヘッドホルダ12とを備える。なお、図3は、後述する下方向印刷位置にあるヘッドユニット2を下から見た図である。
ヘッドユニット2は、図4において実線で示す下方向印刷位置と、二点鎖線で示す水平方向印刷位置との間で回動可能である。ヘッドユニット2は、手動で回動可能でもよいし、モータ等の駆動力により回動可能に構成されていてもよい。
下方向印刷位置は、下方向印刷を行う際のヘッドユニット2の位置である。下方向印刷は、印刷媒体の水平な被印刷面に対して下方向にインクを吐出して行う印刷である。下方向印刷位置は、後述するヘッドモジュール16のノズル面16aが水平となる位置である。
水平方向印刷位置は、水平方向印刷を行う際のヘッドユニット2の位置である。水平方向印刷は、印刷媒体の水平方向に対して直交する被印刷面に対して水平方向にインクを吐出して行う印刷である。水平方向印刷位置は、ヘッドモジュール16のノズル面16aが水平方向に対して直交する位置である。
なお、特に言及しない限り、ヘッドユニット2は下方向印刷位置に配置されており、ヘッドユニット2における上下左右前後方向は、下方向印刷位置に配置されている状態におけるヘッドユニット2の上下左右前後方向であるとする。
インクジェットヘッド11A~11Dは、印刷媒体にインクを吐出して画像を印刷する。インクジェットヘッド11A~11Dは、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。インクジェットヘッド11A~11Dは、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16を備える。本実施の形態では、インクジェットヘッド11は、6個のヘッドモジュール16を備える。インクジェットヘッド11において、ヘッドモジュール16は、左右方向に沿って千鳥状に配置されている。すなわち、インクジェットヘッド11において、左右方向に沿って配列された6個のヘッドモジュール16が、前後方向における位置を交互にずらして配置されている。
ヘッドモジュール16は、インクを吐出する。図5に示すように、ヘッドモジュール16は、ノズル列17を有する。なお、図5は、ヘッドユニット2が下方向印刷位置にある状態でヘッドモジュール16を下から見た図である。
ノズル列17は、インクを吐出する複数のノズル18が左右方向に沿って直線状に所定のピッチで配列されて形成されている。ヘッドユニット2が下方向印刷位置にある状態では、ノズル列17におけるノズル18の配列方向は、水平方向(左右方向)となる。ヘッドユニット2が水平方向印刷位置にある状態では、ノズル列17におけるノズル18の配列方向は、水平方向に対して直交する方向(上下方向)となる。
ノズル18は、ヘッドモジュール16のノズル面16aに開口している。ノズル18は、ノズル面16aに対して直交する方向にインクを吐出する。
ヘッドホルダ12は、インクジェットヘッド11A~11Dを保持する。ヘッドホルダ12には、ノズル面16aに平行でノズル18の配列方向に直交する方向である前後方向に延びる回動軸19が設けられている。回動軸19を中心に、ヘッドユニット2が下方向印刷位置と水平方向印刷位置との間で回動可能となっている。すなわち、インクジェットヘッド11が、回動軸19を中心に、ノズル列17におけるノズル18の配列方向が水平方向となる位置と、ノズル18の配列方向が上下方向となる位置との間で回動可能となっている。
インク循環部3A~3Dは、インクを循環しつつ、それぞれインクジェットヘッド11A~11Dにインクを供給する。図2に示すように、インク循環部3は、加圧タンク21と、分配器22と、集合器23と、負圧タンク24と、インクポンプ25と、インク温度調整部26と、インク温度センサ27と、インク循環管28~30とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21は、インク循環管28および分配器22を介してインクジェットヘッド11に接続されている。加圧タンク21内には、インクの液面上に空気層31が形成されている。加圧タンク21は、後述の加圧連通管52を介して、後述の加圧共通気室51に連通されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11より低い位置(下方)に配置されている。
加圧タンク21には、フロート部材32と、加圧タンク液面センサ33と、インクフィルタ34とが設けられている。
フロート部材32は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達するまで、液面高さに応じて回動するように、加圧タンク21内に支持軸(図示せず)により一端側が軸支されている。フロート部材32の他端には、磁石(図示せず)が設けられている。
加圧タンク液面センサ33は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。基準高さは、加圧タンク21の上端より下方にある。加圧タンク液面センサ33は、磁気センサからなり、液面高さが基準高さに達しているときのフロート部材32の磁石を検出する。加圧タンク液面センサ33は、フロート部材32の磁石を検出している場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。加圧タンク液面センサ33は、フロート部材32の磁石を検出していない場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。
インクフィルタ34は、インク内のゴミ等を除去する。
分配器22は、インク循環管28を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器23は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器23により集められたインクは、インク循環管29を介して負圧タンク24へと流れる。
負圧タンク24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを受け取って貯留する。負圧タンク24は、集合器23およびインク循環管29を介してインクジェットヘッド11に接続されている。また、負圧タンク24は、後述するインク補給部4のインクカートリッジ46から補給されるインクを貯留する。負圧タンク24内には、インクの液面上に空気層36が形成されている。負圧タンク24は、後述の負圧連通管59を介して、後述の負圧共通気室58に連通されている。負圧タンク24は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク24には、フロート部材37と、負圧タンク液面センサ38とが設けられている。
フロート部材37、負圧タンク液面センサ38は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材32、加圧タンク液面センサ33と同様のものである。負圧タンク液面センサ38は、フロート部材37の磁石を検出している場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。負圧タンク液面センサ38は、フロート部材37の磁石を検出していない場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。基準高さは、負圧タンク24の上端より下方にある。
インクポンプ25は、負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送液する。インクポンプ25は、インク循環管30の途中に設けられている。
インク温度調整部26は、インク循環部3におけるインクの温度を調整する。インク温度調整部26は、インク循環管28の途中に設けられている。インク温度調整部26は、ヒータ41と、ヒータ温度センサ42と、ヒートシンク43と、冷却ファン44とを備える。
ヒータ41は、インク循環管28内のインクを加熱する。ヒータ温度センサ42は、ヒータ41の温度を検出する。ヒートシンク43は、放熱によりインク循環管28内のインクを冷却する。冷却ファン44は、ヒートシンク43に冷却風を送る。
インク温度センサ27は、インク循環部3におけるインクの温度を検出する。インク温度センサ27は、インク循環管28の途中に設けられている。
インク循環管28は、加圧タンク21と分配器22とを接続する。インク循環管28の一部は、ヒータ41を経由する部分とヒートシンク43を経由する部分とに分岐している。インク循環管28には、加圧タンク21から分配器22に向かってインクが流れる。インク循環管29は、集合器23と負圧タンク24とを接続する。インク循環管29には、集合器23から負圧タンク24に向かってインクが流れる。インク循環管30は、負圧タンク24と加圧タンク21とを接続する。インク循環管30には、負圧タンク24から加圧タンク21に向かってインクが流れる。インク循環管28~30と分配器22と集合器23とにより、加圧タンク21とインクジェットヘッド11と負圧タンク24との間でインクを循環させる循環経路が構成される。
インク補給部4A~4Dは、それぞれインク循環部3A~3Dにインクを補給する。図2に示すように、インク補給部4は、インクカートリッジ46と、インク補給弁47と、インク補給管48とを備える。
インクカートリッジ46は、インクジェットヘッド11による印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ46内のインクは、インク補給管48を介してインク循環部3の負圧タンク24に供給される。
インク補給弁47は、インク補給管48内のインクの流路を開閉する。負圧タンク24へインクを補給する際、インク補給弁47が開かれる。
インク補給管48は、インクカートリッジ46と負圧タンク24とを接続する。インク補給管48には、インクカートリッジ46から負圧タンク24に向かってインクが流れる。
圧力調整部5は、各インク循環部3の加圧タンク21および負圧タンク24の圧力を調整する。図2に示すように、圧力調整部5は、加圧共通気室51と、4本の加圧連通管52と、加圧大気開放弁53と、加圧大気開放管54と、加圧圧力調整弁55と、加圧圧力調整管56と、加圧圧力センサ57と、負圧共通気室58と、4本の負圧連通管59と、負圧大気開放弁60と、負圧大気開放管61と、負圧圧力調整弁62と、負圧圧力調整管63と、負圧圧力センサ64と、エアポンプ65と、エアポンプ用配管66と、流量調整管67と、エア経路切替弁68と、合流管69と、エアフィルタ70と、オーバーフローパン71とを備える。
加圧共通気室51は、各インク循環部3の加圧タンク21の圧力を等しくするための気室である。加圧共通気室51は、4本の加圧連通管52を介してインク循環部3A~3Dの加圧タンク21の空気層31と連通されている。これにより、インク循環部3A~3Dの加圧タンク21どうしが、加圧共通気室51および加圧連通管52を介して連通されている。
加圧連通管52は、加圧共通気室51と加圧タンク21の空気層31とを連通させる。4本の加圧連通管52は、インク循環部3A~3Dに1本ずつ対応して設けられている。加圧連通管52は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が加圧タンク21の空気層31に接続されている。
加圧大気開放弁53は、加圧共通気室51を介して加圧タンク21を密閉状態(大気から遮断した状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、加圧大気開放管54内の空気の流路を開閉する。加圧大気開放弁53は、加圧大気開放管54の途中に設けられている。
加圧大気開放管54は、加圧共通気室51を介して加圧タンク21を大気開放するための空気の流路を形成する。加圧大気開放管54は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が合流管69に接続されている。
加圧圧力調整弁55は、加圧共通気室51および加圧タンク21の圧力を調整するために、加圧圧力調整管56内の空気の流路を開閉する。加圧圧力調整弁55は、加圧圧力調整管56の途中に設けられている。
加圧圧力調整管56は、加圧共通気室51および加圧タンク21の圧力調整のための空気の流路を形成する。加圧圧力調整管56は、加圧大気開放管54、負圧大気開放管61、合流管69より細いパイプからなる。加圧圧力調整管56は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が合流管69に接続されている。
加圧圧力センサ57は、加圧共通気室51内の圧力を検出する。加圧共通気室51内の圧力は、インク循環部3A~3Dの加圧タンク21内の圧力と等しい。加圧共通気室51とインク循環部3A~3Dの加圧タンク21の空気層31とが連通されているためである。
負圧共通気室58は、各インク循環部3の負圧タンク24の圧力を等しくするための気室である。負圧共通気室58は、4本の負圧連通管59を介してインク循環部3A~3Dの負圧タンク24の空気層36と連通されている。これにより、インク循環部3A~3Dの負圧タンク24どうしが、負圧共通気室58および負圧連通管59を介して連通されている。
負圧連通管59は、負圧共通気室58と負圧タンク24の空気層36とを連通させる。4本の負圧連通管59は、インク循環部3A~3Dに1本ずつ対応して設けられている。負圧連通管59は、一端が負圧共通気室58に接続され、他端が負圧タンク24の空気層36に接続されている。
負圧大気開放弁60は、負圧共通気室58を介して負圧タンク24を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、負圧大気開放管61内の空気の流路を開閉する。負圧大気開放弁60は、負圧大気開放管61の途中に設けられている。
負圧大気開放管61は、負圧共通気室58を介して負圧タンク24を大気開放するための空気の流路を形成する。負圧大気開放管61は、一端が負圧共通気室58に接続され、他端が合流管69に接続されている。
負圧圧力調整弁62は、負圧共通気室58および負圧タンク24の圧力を調整するために、負圧圧力調整管63内の空気の流路を開閉する。負圧圧力調整弁62は、負圧圧力調整管63の途中に設けられている。
負圧圧力調整管63は、負圧共通気室58および負圧タンク24の圧力調整のための空気の流路を形成する。負圧圧力調整管63は、加圧大気開放管54、負圧大気開放管61、合流管69より細いパイプからなる。負圧圧力調整管63は、一端が負圧共通気室58に接続され、他端が合流管69に接続されている。
負圧圧力センサ64は、負圧共通気室58内の圧力を検出する。負圧共通気室58内の圧力は、インク循環部3A~3Dの負圧タンク24内の圧力と等しい。負圧共通気室58とインク循環部3A~3Dの負圧タンク24の空気層36とが連通されているためである。
エアポンプ65は、負圧共通気室58を介してインク循環部3A~3Dの負圧タンク24から空気を吸引するとともに、加圧共通気室51を介してインク循環部3A~3Dの加圧タンク21へ空気を送る。エアポンプ65は、エアポンプ用配管66の途中に設けられている。
エアポンプ用配管66は、エアポンプ65により負圧共通気室58から加圧共通気室51へ送られる空気の流路を形成する。エアポンプ用配管66は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が負圧共通気室58に接続されている。
流量調整管67は、負圧共通気室58から加圧共通気室51への空気の流量を抑えるための配管である。流量調整管67は、一端が負圧共通気室58に接続され、他端がエアポンプ65より負圧共通気室58側においてエアポンプ用配管66に接続されている。流量調整管67は、エアポンプ用配管66より細いパイプからなる。
エア経路切替弁68は、エアポンプ65の駆動時の使用経路を切り替えるために、エアポンプ用配管66内の空気の流路を開閉する。エア経路切替弁68は、エアポンプ用配管66の流量調整管67が接続された地点より上流側(負圧共通気室58側)の部分である上流部66aに設けられている。
エア経路切替弁68が開放状態のとき、エアポンプ65の駆動時の使用経路として、エアポンプ用配管66の上流部66aと、エアポンプ用配管66の流量調整管67が接続された地点より下流側の部分である下流部66bとからなる経路が設定される。エア経路切替弁68が閉鎖状態のとき、エアポンプ65の駆動時の使用経路として、流量調整管67とエアポンプ用配管66の下流部66bとからなる経路が設定される。
合流管69は、一端がオーバーフローパン71に接続され、他端(上端)がエアフィルタ70を介して大気に通じている。合流管69のオーバーフローパン71側の端は、通常時は、後述のオーバーフローボール72により閉鎖されている。合流管69には、加圧大気開放管54、加圧圧力調整管56、負圧大気開放管61、および負圧圧力調整管63が接続されている。これにより、加圧大気開放管54、加圧圧力調整管56、負圧大気開放管61、および負圧圧力調整管63が大気に連通される。
エアフィルタ70は、合流管69への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ70は、合流管69の上端に設置されている。
オーバーフローパン71は、例えばインク補給弁47の異常により、加圧タンク21、負圧タンク24からインクが溢れ、さらに加圧共通気室51、負圧共通気室58からもインクが溢れ出た場合に、合流管69を流れてくるインクを受け取る。
オーバーフローパン71には、オーバーフローボール72が設けられている。オーバーフローボール72は、オーバーフローパン71にインクがない場合に、オーバーフローパン71の底面に開口する合流管69の端を閉鎖し、合流管69への外部の空気の流入を防ぐものである。合流管69からオーバーフローパン71へインクが流れてくると、オーバーフローボール72は浮き上がり、オーバーフローパン71にインクが流入できる。
また、オーバーフローパン71には、フロート部材73と、オーバーフロー液面センサ74とが設けられている。フロート部材73、オーバーフロー液面センサ74は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材32、加圧タンク液面センサ33と同様のものである。
オーバーフローパン71は、廃液タンク(図示せず)に接続されており、オーバーフロー液面センサ74がオンになると、廃液タンクへインクが排出されるようになっている。
環境温度センサ6は、インクジェット印刷装置1内の環境温度を検出する。
制御部7は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部7は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
具体的には、制御部7は、インク循環部3においてインクを循環させつつ、インクジェットヘッド11からインクを吐出して印刷するようヘッドユニット2、インク循環部3、インク補給部4、および圧力調整部5を制御する。
制御部7は、水平方向印刷の場合には、インク循環中において、加圧タンク21および負圧タンク24のうちの負圧タンク24のみの圧力を変動させるイベントである、インク補給部4によるインク補給が行われた際に、ノズル圧変動抑制制御を行う。ノズル圧変動抑制制御は、インク補給が行われた際の負圧タンク24の圧力の変動によるインクジェットヘッド11のノズル圧の変動を低減するように、加圧タンク21の圧力を調整するよう圧力調整部5を制御するものである。
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
印刷ジョブが入力されると、制御部7は、液面維持制御を開始する。液面維持制御は、加圧タンク21および負圧タンク24の液面を基準高さに維持するための、加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さに応じたインクポンプ25およびインク補給弁47の制御である。
具体的には、図6に示すように、加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオンの状態では、制御部7は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁47を閉鎖する。加圧タンク液面センサ33がオンで負圧タンク液面センサ38がオフの状態でも同様に、制御部7は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁47を閉鎖する。
加圧タンク液面センサ33がオフで負圧タンク液面センサ38がオンの状態では、制御部7は、インクポンプ25をオンとし、インク補給弁47を閉鎖する。
加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオフの状態では、制御部7は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁47を開放する。
液面維持制御を開始した後、制御部7は、加圧大気開放弁53および負圧大気開放弁60を閉鎖する。これにより、加圧共通気室51を介して加圧タンク21が密閉状態となるとともに、負圧共通気室58を介して負圧タンク24が密閉状態となる。
ここで、インクジェット印刷装置1が動作しない待機中は、加圧大気開放弁53および負圧大気開放弁60は開放され、加圧圧力調整弁55および負圧圧力調整弁62は閉鎖されている。なお、加圧大気開放弁53および負圧大気開放弁60の閉鎖後に液面維持制御を開始してもよい。
次いで、制御部7は、圧力制御を開始する。圧力制御は、インク循環のために加圧タンク21および負圧タンク24にそれぞれの設定圧Pks,Pfsを生成し、それらを維持するための、エアポンプ65、加圧圧力調整弁55、および負圧圧力調整弁62の制御である。
ここで、設定圧Pks,Pfsは、インクを所定の流量で循環させつつインクジェットヘッド11のノズル圧を適正値にするための圧力値として予め設定されたものである。加圧タンク21の設定圧Pksは正圧であり、負圧タンク24の設定圧Pfsは負圧である。
圧力制御におけるエアポンプ65、加圧圧力調整弁55、および負圧圧力調整弁62の制御は、加圧圧力センサ57の検出値Pkおよび負圧圧力センサ64の検出値Pfに応じて行われる。
具体的には、図7に示すように、Pk<Pksかつ|Pf|<|Pfs|の場合、加圧圧力調整弁55および負圧圧力調整弁62が閉鎖され、エアポンプ65が駆動(オン)される。これにより、ともに密閉状態の負圧タンク24から加圧タンク21へエアポンプ65により空気が送られることで、負圧タンク24の圧力が低下し、加圧タンク21の圧力が上昇する。
Pk≧Pksかつ|Pf|<|Pfs|の場合、加圧圧力調整弁55が開放され、負圧圧力調整弁62が閉鎖される。また、エアポンプ65が駆動される。これにより、加圧圧力調整管56を介して加圧タンク21から空気が流出することで、加圧タンク21の圧力が低下する。また、密閉状態の負圧タンク24からエアポンプ65により空気が吸引されることで、負圧タンク24の圧力が低下する。
Pk<Pksかつ|Pf|≧|Pfs|の場合、加圧圧力調整弁55が閉鎖され、負圧圧力調整弁62が開放される。また、エアポンプ65が駆動される。これにより、密閉状態の加圧タンク21にエアポンプ65により空気が送られることで、加圧タンク21の圧力が上昇する。また、負圧圧力調整管63を介して負圧タンク24に空気が流入することで、負圧タンク24の圧力が上昇する。
Pk≧Pksかつ|Pf|≧|Pfs|の場合、加圧圧力調整弁55および負圧圧力調整弁62が開放され、エアポンプ65が停止(オフ)される。これにより、加圧圧力調整管56を介して加圧タンク21から空気が流出することで、加圧タンク21の圧力が低下する。また、負圧圧力調整管63を介して負圧タンク24に空気が流入することで、負圧タンク24の圧力が上昇する。
ここで、インクジェット印刷装置1の待機中は、エア経路切替弁68は開放されている。圧力制御の開始時においても、制御部7は、エア経路切替弁68を開放状態で維持している。すなわち、圧力制御の開始時において、制御部7は、エアポンプ65の駆動時の使用経路としてエアポンプ用配管66の上流部66aと下流部66bとからなる経路を設定している。
また、圧力制御の開始時は、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力は大気圧である。このため、Pk<Pksかつ|Pf|<|Pfs|になっている。したがって、制御部7は、圧力制御を開始すると、エアポンプ65の駆動を開始する。エアポンプ65の駆動により、エアポンプ用配管66の上流部66aおよび下流部66bを介して負圧共通気室58から加圧共通気室51へ空気が送られる。これにより、負圧共通気室58および負圧タンク24が減圧され、加圧共通気室51および加圧タンク21が加圧されることで、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へ向けてインクが流れ始める。
圧力制御の開始後、加圧圧力センサ57の検出値Pkおよび負圧圧力センサ64の検出値Pfに基づき、加圧タンク21および負圧タンク24に設定圧Pks,Pfsが生成されたと判断すると、制御部7は、エア経路切替弁68を閉鎖する。これにより、エアポンプ65の駆動時の使用経路が流量調整管67とエアポンプ用配管66の下流部66bとからなる経路に切り替わる。
加圧タンク21および負圧タンク24に設定圧Pks,Pfsが生成された後、制御部7は、上述の圧力制御により加圧タンク21および負圧タンク24の圧力を設定圧Pks,Pfsに維持する。この圧力維持のためにエアポンプ65が駆動されると、流量調整管67およびエアポンプ用配管66の下流部66bを介して負圧共通気室58から加圧共通気室51へ空気が送られる。
エア経路切替弁68を閉鎖した後、制御部7は、印刷ジョブの実行を開始する。具体的には、制御部7は、印刷ジョブに基づき、図示しない搬送部により搬送される印刷媒体にインクジェットヘッド11からインクを吐出させて画像を印刷させる。
印刷ジョブの実行中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク24に回収される。加圧タンク液面センサ33がオフで負圧タンク液面センサ38がオンの状態になると、液面維持制御により、インクポンプ25が負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送る。
また、加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオフになると、液面維持制御により、インク補給弁47が開放され、インクカートリッジ46から負圧タンク24へインクが補給される。
このようにして、加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さが維持されつつ、インク循環および印刷が行われる。
また、制御部7は、インク循環中は、インク温度センサ27の検出温度が適正温度範囲内を維持するように、インク温度調整部26を制御してインク温度の調整を行う。
ここで、水平方向印刷の場合には、制御部7は、インク循環中において、インク補給部4によるインク補給が行われた際に、ノズル圧変動抑制制御を行う。このノズル圧変動抑制制御については後述する。
印刷ジョブが終了すると、制御部7は、圧力制御を終了する。ここで、エアポンプ65が駆動中の場合、制御部7は、それを停止する。また、加圧圧力調整弁55および負圧圧力調整弁62の少なくともいずれかが開放されている場合、制御部7は、開放されているものを閉鎖する。
次いで、制御部7は、エア経路切替弁68を開放する。これにより、エアポンプ65の駆動時の使用経路としてエアポンプ用配管66の上流部66aと下流部66bとからなる経路が設定された状態に戻る。
次いで、制御部7は、加圧大気開放弁53および負圧大気開放弁60を開放する。これにより、加圧タンク21が加圧共通気室51を介して大気開放され、負圧タンク24が負圧共通気室58を介して大気開放される。
次いで、制御部7は、液面維持制御を終了する。これにより、一連の動作が終了し、インクジェット印刷装置1が待機状態となる。
次に、水平方向印刷においてインク循環中にインク補給部4によるインク補給が行われた際に行われるノズル圧変動抑制制御について説明する。
インク循環中は、上述のように、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力を設定圧Pks,Pfsに維持するように、図7の圧力制御により、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力が調整される。このような圧力制御が行われるインク循環中における加圧タンク21の圧力変動量と負圧タンク24の圧力変動量との関係の一例を図8に示す。図8では、負圧タンク24の圧力変動量の符号を逆転させ、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力変動の様子を重ね合わせている。また、図8では、インク補給が行われていない期間における加圧タンク21の圧力変動量と負圧タンク24の圧力変動量との関係を示している。
図8に示すように、インク補給が行われていない期間において、加圧タンク21の圧力変動量と負圧タンク24の圧力変動量とはほぼ一致しており、互いに相殺関係にある。
インク補給が行われると、負圧タンク24にインクカートリッジ46からインクが流入することで、負圧タンク24の負圧が弱くなる。これに対し、後述するノズル圧変動抑制制御を行わない場合、インク補給により加圧タンク21および負圧タンク24のうちの負圧タンク24のみの圧力が変動することで、加圧タンク21の圧力変動量と負圧タンク24の圧力変動量との相殺関係が崩れる。これは、インクジェットヘッド11のノズル圧の変動の増大を招く。
ここで、水平方向印刷の場合、ノズル列17におけるノズル18の配列方向が上下方向となっている。各ノズル18には、それぞれの高さ位置に応じた水頭圧がかかるため、高さ位置によってノズル圧が異なる。このため、水平方向印刷の場合、下方向印刷の場合よりも、ノズル圧の変動が増大するとインクの安定吐出が可能なノズル圧の範囲(安定吐出範囲)から外れるノズル18が生じやすくなる。
そこで、制御部7は、水平方向印刷の場合、インク補給時のノズル圧の変動を低減するために、ノズル圧変動抑制制御を行う。
下方向印刷の場合は、水平方向印刷の場合とは異なり、各ノズル18は同じ高さ位置にあり、ノズル18間の水頭差によるノズル圧の差はない。このため、下方向印刷の場合は、インク補給による負圧タンク24のみの圧力変動が生じても、ノズル圧が安定吐出範囲から外れるノズル18が生じるおそれは小さい。このため、下方向印刷の場合は、制御部7は、ノズル圧変動抑制制御は行わない。
図9は、水平方向印刷の場合に行われるノズル圧変動抑制制御を含むインク補給時の動作を説明するためのフローチャートである。
図9のフローチャートの処理は、水平方向印刷の際のインク循環中に加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオフの状態になったことにより開始となる。
加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオフになると、図9のステップS1において、制御部7は、インク補給弁47を開放する。これにより、インクカートリッジ46から負圧タンク24へのインクの流入が開始される。
次いで、ステップS2において、制御部7は、負圧タンク液面センサ38がオンになったか否かを判断する。負圧タンク液面センサ38がオンになっていないと判断した場合(ステップS2:NO)、制御部7は、ステップS2を繰り返す。
負圧タンク液面センサ38がオンになったと判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、制御部7は、インク補給弁47を閉鎖する。これにより、インクカートリッジ46から負圧タンク24へのインクの補給が終了する。
ここで、制御部7は、インクカートリッジ46から負圧タンク24へのインクの補給に要した時間(ステップS1でインク補給弁47を開放してからステップS3でインク補給弁47を閉鎖するまでの時間)を計測している。
次いで、ステップS4において、制御部7は、ステップS3でインク補給弁47を閉鎖することで終了したインク補給動作による負圧タンク24へのインク補給量を算出する。
具体的には、制御部7は、環境温度センサ6から環境温度を取得し、取得した環境温度に応じたインク粘度を求める。例えば、制御部7は、環境温度とインク粘度との関係を示すテーブルを保持しており、このテーブルを参照して、環境温度に応じたインク粘度を取得する。
次いで、制御部7は、インク粘度、インク補給管48の流路抵抗、負圧タンク24の圧力、およびインクカートリッジ46と負圧タンク24との間の水頭圧に基づき、インク補給動作におけるインクの流量を算出する。
ここで、負圧タンク24の圧力としては、例えば、インク補給動作の開始時における負圧圧力センサ64の検出値Pfとインク補給動作の終了時における負圧圧力センサ64の検出値Pfとの平均値を用いることができる。また、インクカートリッジ46と負圧タンク24との間の水頭圧は、例えば、負圧タンク24内の液面高さが基準高さであるときの値を用いることができる。
そして、制御部7は、インク補給動作におけるインクの流量と、インクの補給に要した時間とに基づき、負圧タンク24へのインク補給量を算出する。
次いで、ステップS5において、制御部7は、負圧タンク24へのインク補給量と同量のエアを加圧タンク21から放出するよう圧力調整部5を制御する。
具体的には、制御部7は、加圧圧力センサ57による加圧タンク21の圧力の検出値Pkとインク補給量とに基づき、インク補給量と同量のエアを加圧タンク21から放出するための加圧タンク21の大気開放時間を算出する。例えば、制御部7は、加圧タンク21の圧力と、加圧大気開放弁53を開放したときの単位時間当たりのエアの放出量との関係を示すテーブルを保持している。制御部7は、このテーブルを参照して、加圧タンク21の圧力の検出値Pkとインク補給量とに基づき、加圧タンク21の大気開放時間を算出する。
そして、制御部7は、算出した大気開放時間だけ、加圧大気開放弁53を開放するよう制御する。
上述のようにインク補給量と同量のエアを加圧タンク21から放出するように圧力調整部5の加圧大気開放弁53を制御することが、ノズル圧変動抑制制御に該当する。
このようなノズル圧変動抑制制御により、図10に示すように、インク補給により負圧タンク24の負圧が弱くなるのに応じて、加圧タンク21の正圧を弱くすることで、加圧タンク21と負圧タンク24との圧力変動量の相殺関係を維持するようにしている。これにより、インク補給が行われた際の負圧タンク24の圧力の変動によるインクジェットヘッド11のノズル圧の変動が低減する。
図9に戻り、ステップS6において、制御部7は、圧力調整部5を制御して、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力をそれぞれの設定圧Pks,Pfsに調整する。具体的には、制御部7は、加圧圧力センサ57の検出値Pk、負圧圧力センサ64の検出値Pfがそれぞれ設定圧Pks,Pfsとなるようエアポンプ65、加圧圧力調整弁55、および負圧圧力調整弁62を制御する。これにより、一連の動作が終了となり、通常のインク循環状態に戻る。
なお、水平方向印刷において上述のノズル圧変動抑制制御を行ってもノズル圧が安定吐出範囲から外れるノズル18が生じる場合には、インクジェットヘッド11において安定吐出が可能な範囲のノズル18のみを用いて印刷するようにすればよい。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部7は、水平方向印刷の場合には、インク補給が行われた際の負圧タンク24の圧力の変動によるインクジェットヘッド11のノズル圧の変動を低減するように、加圧タンク21の圧力を調整するよう圧力調整部5を制御するノズル圧変動抑制制御を行う。これにより、水平方向印刷を行う場合でも、ノズル圧が安定吐出範囲から外れてインクの吐出が不安定になるノズル18が生じることを抑制できる。この結果、印刷画質の低下を軽減できる。
また、制御部7は、下方向印刷の場合には、ノズル圧変動抑制制御を行わない。このように、ノズル18間の水頭差によるノズル圧の差がなく、インク補給が行われてもノズル圧が安定吐出範囲から外れるノズル18が生じにくい下方向印刷の場合にはノズル圧変動抑制制御を省略することで、インク循環中の圧力調整部5の制御を簡略化できる。
なお、上述した実施の形態では、下方向印刷の場合には、ノズル圧変動抑制制御を行わないこととしたが、下方向印刷の場合にも、ノズル圧変動抑制制御を行うようにしてもよい。この場合でも、ノズル圧が安定吐出範囲から外れてインクの吐出が不安定になるノズル18が生じることを抑制し、印刷画質の低下を軽減できる。
また、印刷時のインクの吐出方向(ノズル列17におけるノズル18の配列方向)に関わらず、ノズル圧変動抑制制御を行うようにしてもよい。例えば、ヘッドユニット2(インクジェットヘッド11)がノズル列17におけるノズル18の配列方向が水平方向でも鉛直方向(上下方向)でもない状態でも印刷可能とし、この状態でもノズル圧変動抑制制御を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、ノズル圧変動抑制制御において、インク補給量と同量のエアを加圧タンク21から放出したが、加圧タンク21から放出するエアはインク補給量と同量に限らない。インク補給が行われた際の負圧タンク24の圧力の変動によるノズル圧の変動を低減するように、加圧タンク21の圧力を調整するよう圧力調整部5を制御するものであればよい。
また、上述した実施の形態では、加圧タンク21および負圧タンク24のうちの負圧タンク24のみの圧力を変動させるイベントである、インク補給部4によるインク補給が行われた際に、ノズル圧変動抑制制御を行った。しかし、これに限らず、加圧タンク21および負圧タンク24のうちの一方のタンクのみの圧力を変動させるイベントが発生した際に、当該イベントによる一方のタンクの圧力の変動によるインクジェットヘッド11のノズル圧の変動を低減するように、他方のタンクの圧力を調整するよう圧力調整部5を制御するノズル圧変動抑制制御を行うものであればよい。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに接続された加圧タンクおよび負圧タンクと、
前記加圧タンクおよび前記負圧タンクの圧力を調整する圧力調整部と、
前記圧力調整部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記加圧タンクおよび前記負圧タンクのうちの一方のタンクのみの圧力を変動させるイベントが発生した際に、前記イベントによる前記一方のタンクの圧力の変動による前記インクジェットヘッドのノズル圧の変動を低減するように、他方のタンクの圧力を調整するよう前記圧力調整部を制御するノズル圧変動抑制制御を行うことを特徴とするインクジェット印刷装置。
(付記2)
前記インクジェットヘッドは、複数の前記ノズルが配列されたノズル列を有し、前記ノズルが開口するノズル面に平行で前記ノズル列における前記ノズルの配列方向に直交する方向に延びる軸を中心とする回動が可能であり、
前記制御部は、前記インクジェットヘッドが、前記配列方向が水平方向の状態では、前記ノズル圧変動抑制制御を行わないことを特徴とする付記1に記載のインクジェット印刷装置。
1 インクジェット印刷装置
2 ヘッドユニット
3,3A~3D インク循環部
4,4A~4D インク補給部
5 圧力調整部
6 環境温度センサ
7 制御部
11 インクジェットヘッド
12 ヘッドホルダ
16 ヘッドモジュール
16a ノズル面
17 ノズル列
18 ノズル
21 加圧タンク
22 分配器
23 集合器
24 負圧タンク
25 インクポンプ
28~30 インク循環管
46 インクカートリッジ
47 インク補給弁
48 インク補給管
51 加圧共通気室
52 加圧連通管
53 加圧大気開放弁
54 加圧大気開放管
55 加圧圧力調整弁
56 加圧圧力調整管
57 加圧圧力センサ
58 負圧共通気室
59 負圧連通管
60 負圧大気開放弁
61 負圧大気開放管
62 負圧圧力調整弁
63 負圧圧力調整管
64 負圧圧力センサ
65 エアポンプ
66 エアポンプ用配管
67 流量調整管
68 エア経路切替弁

Claims (2)

  1. インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに接続された加圧タンクおよび負圧タンクと、
    前記加圧タンクおよび前記負圧タンクの圧力を調整する圧力調整部と、
    前記圧力調整部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記加圧タンクおよび前記負圧タンクのうちの一方のタンクのみの圧力を変動させるイベントが発生した際に、前記イベントによる前記一方のタンクの圧力の変動による前記インクジェットヘッドのノズル圧の変動を低減するように、他方のタンクの圧力を調整するよう前記圧力調整部を制御するノズル圧変動抑制制御を行うことを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 前記インクジェットヘッドは、複数の前記ノズルが配列されたノズル列を有し、前記ノズルが開口するノズル面に平行で前記ノズル列における前記ノズルの配列方向に直交する方向に延びる軸を中心とする回動が可能であり、
    前記制御部は、前記インクジェットヘッドが、前記配列方向が水平方向の状態では、前記ノズル圧変動抑制制御を行わないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
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