JP2010201810A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット方式の印刷装置において印刷動作を継続しつつインクボトルを容易に交換する。
【解決手段】印刷装置は、ヘッドに供給されるインクを貯溜する第2インクタンク51、および、第2インクタンク51内のインクの量が補充開始量以下になった時に、第2インクタンク51内のインクの量が補充停止量となるまで内部のインクが第2インクタンク51に送出されるインクボトル56を備える。インクボトル56内のインクの量が所定のボトル交換量未満になって、インクボトル56の交換時期になっている状態において、印刷動作を継続しつつインクボトル56を他のインクボトルに交換するための準備動作として、第2インクタンク51内のインクの量が補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、インクボトル56内のインクが第2インクタンク51に送出される。これにより、印刷動作を継続しつつインクボトルを容易に交換することが可能となる。
【選択図】図4
【解決手段】印刷装置は、ヘッドに供給されるインクを貯溜する第2インクタンク51、および、第2インクタンク51内のインクの量が補充開始量以下になった時に、第2インクタンク51内のインクの量が補充停止量となるまで内部のインクが第2インクタンク51に送出されるインクボトル56を備える。インクボトル56内のインクの量が所定のボトル交換量未満になって、インクボトル56の交換時期になっている状態において、印刷動作を継続しつつインクボトル56を他のインクボトルに交換するための準備動作として、第2インクタンク51内のインクの量が補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、インクボトル56内のインクが第2インクタンク51に送出される。これにより、印刷動作を継続しつつインクボトルを容易に交換することが可能となる。
【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェット方式にて印刷を行う技術に関する。
従来より、インクの微小な液滴を吐出する複数の吐出口が配列されたヘッドを印刷媒体に沿って走査することにより、印刷媒体に印刷を行うインクジェット方式の印刷装置が用いられている。また、インクを貯溜するインクタンクとヘッドとの間にてインクを循環させつつ印刷を行う印刷装置も知られており、例えば特許文献1の装置では、プリントヘッドの下方に位置するとともに大気に開放される下方容器から、プリントヘッドの上方に位置するとともに大気に開放される上方容器にポンプにてインクを供給し、上方容器からプリントヘッドを介して下方容器へとインクを戻すことによりインクの循環が行われる。
インクの循環が行われる印刷装置では、仮にヘッド内にてインク中に気泡が発生した場合でも(例えば、ピエゾ駆動方式のヘッドでは、ピエゾの高速駆動による振動によりインク中に気泡が発生する場合がある。)、気泡をインクと共にインクタンクへと戻すことが可能となり、気泡がヘッドの吐出口まで移動して吐出口からインクが一時的に吐出されない状態が生じる(いわゆる、ノズル欠けが生じる)ことが抑制される。また、白色のインクを用いる場合によく見られる顔料の沈降等もインクの循環により改善することが可能となる。
なお、特許文献2では、キャリッジ上に設けられる第1のインクタンク、第1のインクタンク内に充填されたインクを吐出することにより印字するヘッド、および、第1のインクタンクへ補充するためのインクが充填された第2のインクタンクを備えるインクジェット記録装置が開示されている。当該装置では、印字動作中に第2のインクタンクを交換した場合、実行中の印字動作が第1のインクタンクに残留しているインクで完了できるか否かを判断し、完了できると判断されたときは第1のインクタンクへのインク供給(印字動作が一旦中止される。)は行わず優先的に印字動作を行うことにより、印字動作の完了の遅延が防止される。そして、ヘッドの印字動作完了後、第1のインクタンクへのインクの供給が実行される。
ところで、インクジェット方式の印刷装置において、ヘッドに供給されるインクを貯溜するインクタンクに交換式のインクボトルを接続し、インクタンク内のインクが所定量まで減少した際に、印刷動作を継続しつつインクボトルからインクタンクにインクを補充して、印刷を効率よく行うことが考えられるが、インクボトル内のインクが減少して交換時期となった際には、インクボトルの交換にある程度の時間を要するため、印刷動作を継続しつつインクボトルを交換することは容易ではない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、インクジェット方式の印刷装置において印刷動作を継続しつつインクボトルを容易に交換することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置であって、印刷媒体に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドに対して印刷媒体を相対的に移動する移動機構と、前記ヘッドに供給されるインクを貯溜するメインタンクと、インクを貯溜するとともに前記メインタンクに接続され、前記メインタンク内のインクの量が補充開始量以下になった時に、前記メインタンク内のインクの量が前記補充開始量よりも多い補充停止量となるまで内部のインクが前記メインタンクに送出されるインクボトルと、前記インクボトル内のインクの量がボトル交換量以下になっている状態において、印刷動作を継続しつつ前記インクボトルを他のインクボトルに交換するための準備動作として、前記メインタンク内のインクの量が前記補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、前記インクボトル内のインクを前記メインタンクに送出する制御部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷装置であって、前記インクボトル内のインクの量を検出して前記制御部に入力するセンサをさらに備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の印刷装置であって、前記インクボトル内のインクの量が前記ボトル交換量以下になったことを作業者に通知する通知部をさらに備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の印刷装置であって、前記準備動作の完了を作業者に通知する通知部をさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、前記ヘッドの近傍にてインクを貯溜して前記ヘッドに接続されるサブタンクと、前記サブタンクと前記メインタンクとを接続する供給ラインに設けられ、前記メインタンク内のインクを前記サブタンクに供給するポンプと、前記メインタンク内を減圧する減圧機構とをさらに備え、前記メインタンクが回収ラインを介して前記ヘッドに接続され、前記減圧機構が前記メインタンク内を減圧することにより、前記サブタンクから前記ヘッドを経由して前記メインタンクに至る回収流路をインクにて満たした状態で前記回収流路を介して前記サブタンクから前記メインタンクへとインクが連続的に戻される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の印刷装置であって、前記インクボトル内が大気圧とされ、前記インクボトルと前記メインタンクとの間の補充ラインに設けられるバルブを開放することにより、前記インクボトル内のインクが前記メインタンクに送出される。
請求項7に記載の発明は、インクジェット方式の印刷装置における印刷方法であって、前記印刷装置が、印刷媒体に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドと、前記ヘッドに対して印刷媒体を相対的に移動する移動機構と、前記ヘッドに供給されるインクを貯溜するメインタンクと、インクを貯溜するとともに前記メインタンクに接続されたインクボトルとを備え、前記印刷方法が、a)前記ヘッドによる印刷媒体への印刷動作を開始する工程と、b)前記印刷動作を終了する工程と、c)前記a)工程と前記b)工程との間において、前記メインタンク内のインクの量が補充開始量以下になった時に、前記メインタンク内のインクの量が前記補充開始量よりも多い補充停止量となるまで前記インクボトルから前記メインタンクへとインクを送出する工程と、d)前記a)工程と前記b)工程との間において、前記インクボトル内のインクの量がボトル交換量以下になっている状態において、前記メインタンク内のインクの量が前記補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、前記インクボトル内のインクを前記メインタンクに送出する工程と、e)前記d)工程の後、前記メインタンク内のインクの量が前記補充開始量、または、前記補充開始量よりも少なく、かつ、前記印刷動作の継続が不能となる量となる前に、前記インクボトルを他のインクボトルに交換する工程とを備える。
本発明によれば、インクジェット方式の印刷装置において印刷動作を継続しつつインクボトルを容易に交換することができる。
請求項2の発明では、インクボトルの交換時期を容易に検出することができ、請求項3の発明では、作業者が、インクボトルの交換時期となっていることを容易に確認することができ、請求項4の発明では、作業者が、インクボトルの交換可能時を容易に確認することができる。
請求項5の発明では、メインタンクの負圧を利用して、メインタンク内のインクを脱気しつつインクを循環させることができ、請求項6の発明では、インクボトルからメインタンクへのインクの送出を容易に行うことができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る印刷装置1の外観を示す斜視図である。印刷装置1は、例えばフィルム等の撥液性を有するシート状の基材9上にインクジェット方式にてカラー印刷を行うものである。
図1の印刷装置1は本体11および制御部4を備え、本体11はシート状の基材9を図1中のY方向(以下、「走査方向」ともいう。)に移動する搬送部27、および、搬送部27による移動途上の基材9に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部3を備える。搬送部27では、それぞれが図1中のX方向に長い複数のローラ271がY方向に配列されており、複数のローラ271の(+Y)側にはロール状の基材9(供給ロール)を保持する供給部272が設けられ、複数のローラ271の(−Y)側にはロール状の基材9(巻取ロール)を保持する巻取部273が設けられる。以下の説明では、単に基材9という場合は搬送途上の部位(すなわち、複数のローラ271上の基材9の部位)を指すものとする。
搬送部27の1つのローラ271aには基材9の走査方向の移動速度を検出するエンコーダ29が設けられ、制御部4がエンコーダ29の出力に基づいて巻取部273のモータの回転を制御することにより、基材9が(−Y)方向に一定速度にて移動する。実際には、供給部272が有するモータにて基材9に対して移動方向とは逆向き(すなわち、(+Y)方向)の負荷(テンション)を付与することにより、複数のローラ271上の基材9が波打つことなく滑らかに移動する。
複数のローラ271の上方(図1中の(+Z)側)には吐出部3が配置され、吐出部3は複数のローラ271を跨ぐようにして基台20に設けられるフレーム25に固定される。フレーム25上には紫外線を出射する光源39が設けられ、複数の光ファイバ(実際には、複数の光ファイバは束状となっており、図1では符号391を付して1本の太線にて示している。)を介して光源39からの光が吐出部3の内部へと導入される。
図2は吐出部3の底面図である。図2に示すように、吐出部3はそれぞれが互いに異なる色のインクを吐出する複数の(図2では、4個の)ヘッドユニット33を備え、複数のヘッドユニット33はY方向に配列されて吐出部3の本体30に固定される。図2中の最も(+Y)側のヘッドユニット33はK(ブラック)の色のインクを吐出し、Kのヘッドユニット33の(−Y)側のヘッドユニット33はC(シアン)の色のインクを吐出し、Cのヘッドユニット33の(−Y)側のヘッドユニット33はM(マゼンタ)の色のインクを吐出し、最も(−Y)側のヘッドユニット33はY(イエロー)の色のインクを吐出する。各色のインクは紫外線硬化剤を含んでおり、紫外線硬化性を有している。なお、吐出部3に、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等の他の色用のヘッドユニットがさらに設けられてもよい。
各ヘッドユニット33では、例えばピエゾ駆動方式の複数のヘッド32が図2中のX方向(Y方向およびZ方向に垂直な方向であり、以下、「幅方向」という。)に千鳥状に配列されており、各ヘッド32の下面((−Z)側の面)には複数の吐出口(一部のヘッド32においてのみ符号321を付す点にて示す。)が幅方向に配列形成される。これにより、ヘッドユニット33の全体では、配列方向である幅方向に多数の吐出口321が一定のピッチにて配列され、基材9上において走査方向の各位置にて、幅方向に一列に並ぶ複数のドットの形成が可能とされる。実際には、各ヘッドユニット33の複数の吐出口321は幅方向に関して基材9上の印刷領域の全体に亘って(ここでは、基材9の幅方向の幅のほぼ全体に亘って)設けられており、基材9が吐出部3の下方を一回通過するのみで基材9への画像の印刷が完了する(いわゆる、ワンパス印刷)。
また、図2の吐出部3には、光源39に接続される光照射部38が複数のヘッドユニット33の(−Y)側に設けられる。光照射部38では、複数の光ファイバがX方向に沿って配列されており、基材9上においてX方向に伸びる線状の領域に光照射部38により紫外線が照射される。
印刷装置1では、各ヘッドユニット33がインク循環機構5(後述の図3参照)に接続されており、インク循環機構5によりインクがヘッドユニット33に供給されるとともに、ヘッドユニット33からインクが回収される。以下の説明では、複数の色のうちの一の色のヘッドユニット33およびインク循環機構5に着目するが、他の色のものも同様の構成となっている。
図3はヘッドユニット33およびインク循環機構5の構成を示す図である。なお、図3では3個のヘッド32を図示しているが、実際のヘッドユニット33には図2のように多数のヘッド32が設けられる。
図3に示すように、ヘッドユニット33は、複数のヘッド32の上方近傍にてインクを貯溜する第1インクタンク34、第1インクタンク34から複数のヘッド32へとインクをそれぞれ導入するインク導入部である複数のインク導入管351、複数のヘッド32の上方にて第1インクタンク34と2段構造にて設けられ、複数のヘッド32からのインクが流入する内部空間を有するマニホールド本体36、並びに、複数のヘッド32とマニホールド本体36とをそれぞれ接続するとともに複数のヘッド32内のインクをマニホールド本体36へと導くインク導出部である複数のインク導出管352を備える。
インク循環機構5は、インクを貯溜する第2インクタンク51を備え、第2インクタンク51は供給ライン52を介してヘッドユニット33の第1インクタンク34に接続されるとともに、回収ライン53、並びに、ヘッドユニット33のマニホールド本体36および複数のインク導出管352を介して複数のヘッド32に接続される。供給ライン52にはポンプ54およびフィルタ521が設けられ、フィルタ521にてインク内の不要物を除去しつつポンプ54により第2インクタンク51内のインクが第1インクタンク34に供給され、第1インクタンク34にてインクが貯溜される。実際には、第2インクタンク51から第1インクタンク34へのインクの供給は断続的に(間欠的に)行われる。第2インクタンク51の内部空間の水平な面における断面積は鉛直方向にほぼ一定となっており(第1インクタンク34において同様)、当該断面積は第1インクタンク34よりも大きくされる。
また、第2インクタンク51にはポンプ、圧力調整バルブ、圧力計等を有する主減圧機構55が減圧管551を介して接続されており、印刷装置1の通常動作時には主減圧機構55により第2インクタンク51内(の気体)が大気圧より数百ミリバール(mbar)(例えば、500mbar(すなわち、5×104パスカル(Pa)))だけ低い圧力とされることにより、第1インクタンク34から複数のインク導入管351、複数のヘッド32、複数のインク導出管352、マニホールド本体36および回収ライン53を経由して第2インクタンク51に至る流路(以下、「回収流路」という。)をインクにて満たした状態で、回収流路を介して第1インクタンク34から第2インクタンク51へとインクが連続的に戻される。第2インクタンク51には、インクを貯溜するインクボトル56が電磁弁であるバルブ562を有する補充ライン561を介してさらに接続される。なお、インクボトル56の構成については後述する。
回収ライン53には、インク流量を測定するインク流量測定部532、および、インクの流量を調整する流量調整部である流量調整バルブ531が設けられており、流量調整バルブ531の内部の流路である開口の面積に応じて、第1インクタンク34から第2インクタンク51へのインクの流量が制限される。本実施の形態では、流量調整バルブ531内の流路開口の面積は変更されないため、第1インクタンク34から第2インクタンク51へのインクの流量は第2インクタンク51内の圧力(正確には、第1インクタンク34と第2インクタンク51との圧力差)に主に依存することになる。インク循環機構5では、主減圧機構55により第2インクタンク51内の圧力がほぼ一定に制御されるため、ヘッド32におけるインクの流量が時間的にほぼ一定となる。
第1インクタンク34および第2インクタンク51のそれぞれには、インクの液面の位置(すなわち、インクレベル)を検出するインクレベルセンサ341,511が設けられる。第1インクタンク34および第2インクタンク51のそれぞれでは、所定の設定液面レベル(図3中にて符号L1,L2を付す破線にて示す。)を中央として、インク補充の際の上限である補充停止レベル、および、下限である補充開始レベルが設定されている。第1インクタンク34では、インクの液面の位置が補充開始レベル以下となると、液面の位置が補充停止レベルとなるまで、ポンプ54により第2インクタンク51からインクが補充(供給)される。なお、インクボトル56から第2インクタンク51へのインク補充の詳細については後述する。
また、第2インクタンク51には図示省略のヒータおよび温度センサが設けられ、ヒータによりインクを常温よりも高い所定の設定温度(例えば45〜50℃)に加熱してインクの粘度が常温時の粘度よりも低くされる。実際には、ヘッド32にはドライバ回路が設けられており、温度が調整されたインクがヘッド32を通過することにより、ドライバ回路の冷却も行われる。これにより、印刷装置1では、別途冷却機構を設ける場合に比べて、印刷装置の製造コストが削減される。
第1インクタンク34には、ポンプ、圧力調整バルブ、圧力計等を有し、第1インクタンク34内(の気体)の圧力が調整可能な補助圧力調整機構37がエアフィルタ371を介して接続されており、補助圧力調整機構37により第1インクタンク34内が大気圧より数mbarだけ低い圧力とされる(すなわち、第1インクタンク34内が僅かに負圧にされる)。印刷装置1では、このように第1インクタンク34内が減圧された状態において、各ヘッド32の複数の吐出口におけるインクの圧力(すなわち、オリフィス面におけるインクの圧力)が負圧になり、吐出口内にインクのメニスカスが形成されて吐出口からのインクの漏れが防止される。なお、吐出口内にインクのメニスカスが形成される際の吐出口におけるインクの圧力はメニスカス圧とも呼ばれる。
以上のように、図3のインク循環機構5では、複数のヘッド32が第1および第2インクタンク34,51のそれぞれに並列して接続され、ポンプ54を駆動することによりメインタンクである第2インクタンク51内のインクが供給ライン52を介してサブタンクである第1インクタンク34に供給され、第2インクタンク51内を負圧にすることにより各ヘッド32および回収ライン53を介して第1インクタンク34から第2インクタンク51へとインクが戻される。これにより、第2インクタンク51から供給ライン52、第1インクタンク34、ヘッド32および回収ライン53を経由して第2インクタンク51へと戻る循環経路にてインクの循環を行いつつ、第2インクタンク51内の負圧を利用して、第2インクタンク51内にてインクが効率よく脱気され、ヘッド32内のインクに気泡が存在する場合に発生する吐出不良等、インクの吐出に不具合が生じることが防止される。
図4は第2インクタンク51およびインクボトル56を示す図である。既述のように、図4に示す第2インクタンク51の内部にはインクレベルセンサ511が設けられる。インクレベルセンサ511はフロート式とされ、貫通孔が形成されるとともに第2インクタンク51内のインクの液面と共に移動するフロート(浮き)512、および、フロートの貫通孔に挿入されるとともに鉛直方向に伸びるステム(ロッド)513を有する。フロート512内には磁石が設けられ、インクレベルセンサ511では、ステム513の長手方向(鉛直方向)の複数の位置を、フロート512との接点(リードスイッチ)として設定することが可能とされている。
詳細には、鉛直方向(図4の縦方向)に関して供給ライン52が第2インクタンク51に接続される位置の上方近傍となるステム513上の位置(高さ)H4に絶対下限レベルを示す接点が設定され、位置H4(以下、「絶対下限レベルH4」ともいう。後述の位置H1〜H3において同様。)から鉛直方向の上方に10ミリメートル(mm)だけ離れた位置H3に補充開始レベルを示す接点が設定され、補充開始レベルH3から上方に10mmだけ離れた位置H2に補充停止レベルを示す接点が設定され、補充停止レベルH2から上方に20mmだけ離れた位置H1に絶対上限レベルを示す接点が設定される。インクレベルセンサ511における各接点のON/OFF信号は制御部4(図1参照)に出力される。
インクレベルセンサ511では、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3よりも上方に位置している間は(正確には、インクの液面が補充開始レベルH3から離れている間は)、補充開始レベルを示す接点はOFFとなっており、第2インクタンク51から第1インクタンク34へのインクの送出に伴って液面が補充開始レベルH3(近傍)となると、当該接点がONとなる。
印刷装置1では、補充開始レベルを示す接点がONとなると、制御部4により補充ライン561のバルブ562が開放される。既述のように第2インクタンク51内は主減圧機構55により減圧され、後述するようにインクボトル56内は大気圧とされていることにより、補充ライン561を介してインクボトル56から第2インクタンク51にインクが送出される。インクボトル56から第2インクタンク51へのインクの送出は、第2インクタンク51内のインクの液面が補充停止レベルH2(近傍)となって、補充停止レベルを示す接点がONとなるまで継続される。
したがって、インクの液面が補充開始レベルH3となる際の第2インクタンク51内のインクの量を補充開始量とし、インクの液面が補充停止レベルH2となる際の第2インクタンク51内のインクの量を補充停止量とすると、インクボトル56では、第2インクタンク51内のインクの量が補充開始量以下になった時に、第2インクタンク51内のインクの量が補充開始量よりも多い補充停止量となるまで内部のインクが第2インクタンク51に送出されることとなる。
また、絶対下限レベルH4および絶対上限レベルH1は、印刷装置1の全体動作を強制的に停止するためのものであり、万一、印刷装置1の動作に異常が生じた場合に、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3よりも大幅に低下したとしても、液面が絶対下限レベルH4未満となって供給ライン52等に空気が混入することが防止され、第2インクタンク51内のインクの液面が補充停止レベルH2よりも大幅に上昇したとしても、液面が絶対上限レベルH1よりも上方となって第2インクタンク51からインクが溢れることが防止される。
また、絶対上限レベルH1から第2インクタンク51の上端部(蓋部)までの距離(図4中にて符号A1を付す矢印にて示す距離)は120mmとされ、第2インクタンク51内の圧力をおよそ一定にするための十分な空間容量が確保されている。なお、第2インクタンク51における供給ライン52の接続位置と回収ライン53の接続位置との高低差は60mm以内とされる。印刷装置1の設計によっては、インクレベルセンサ511に代えて、インクボトル56に設けられる後述の近接スイッチと同様のものが、第2インクタンク51の位置H1〜H4に設けられてもよい。
設置台560上に載置されるインクボトル56は、未使用の状態にて所定量のインクを貯溜する容器(例えば、樹脂にて形成される。)として市販されているものであり、印刷装置1では、補充ライン561の端部561aが固定されたキャップ部563がインクボトル56の上部開口に取り付けられることにより、インクボトル56から第2インクタンク51へのインクの送出が可能とされる。また、キャップ部563には外気に連通するエアフィルタ564が設けられ、エアフィルタ564を介してインクボトル56内が大気圧とされる。
インクボトル56の近傍には、鉛直方向に伸びるシャフト565が設けられ、キャップ部563は、シャフト565により鉛直方向に移動可能に支持される。また、シャフト565には、静電容量式の第1および第2近接スイッチ566,567が鉛直方向に並んで設けられる。下側の第2近接スイッチ567は、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3となっている際に、液面を補充停止レベルH2よりも高い後述の交換時停止レベルまで上昇させるために必要な量、または、これよりも僅かに多い量のインクがインクボトル56内に貯溜される際のインクの液面の位置に配置される。また、上側の第1近接スイッチ566は、下側の第2近接スイッチ567に対応する量よりも多い所定量(例えば、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3となっている際に、通常の印刷動作に並行して、液面を補充停止レベルH2まで上昇させるために必要なインクの量の5倍以下の量であり、以下、「ボトル交換量」とも呼ぶ。)のインクがインクボトル56内に貯溜される際のインクの液面の位置に配置される。
次に、印刷装置1における印刷に係る動作の流れについて図5を参照して説明する。図3の印刷装置1では、まず、主減圧機構55による第2インクタンク51内の減圧、および、ポンプ54による第1インクタンク34へのインクの供給(実際には、第1インクタンク34内のインクの液面の位置に応じて断続的に行われる。)が開始されて循環経路におけるインクの循環が開始され、続いて、インクの循環動作に並行して、図1に示す基材9を走査方向に移動しつつ吐出部3の複数のヘッドユニット33から基材9へのインクの吐出を制御することにより印刷動作が開始される(ステップS11)。
印刷動作中には、第2インクタンク51内のインクの液面の位置が繰り返し確認され(ステップS12,S14)、液面が補充開始レベルH3以下になった時に(ステップS12)、液面が補充停止レベルH2となるまで、インクボトル56から第2インクタンク51にインクが送出される(すなわち、インクの補充が行われる。)(ステップS13)。
第2インクタンク51へのインクの補充後も、第2インクタンク51内のインクの液面の位置(すなわち、第2インクタンク51へのインクの補充の要否)が繰り返し確認される(ステップS12,S14)。そして、全ての画像の印刷が完了すると(ステップS14)、基材9の走査方向への移動、および、吐出部3からのインクの吐出制御が停止されて印刷動作を終了するとともに、主減圧機構55およびポンプ54が停止されて循環経路におけるインクの循環が停止される(ステップS15)。以上のように、印刷装置1では、印刷動作の開始から終了までの間において、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3以下になった時に、第2インクタンク51に対してインクの補充が行われる。
次に、印刷動作の開始から終了までの間において行われるインクボトル56の交換に係る処理について図6.Aおよび図6.Bを参照して説明する。
制御部4では、印刷動作に並行して、図4のインクボトル56に設けられる上側の第1近接スイッチ566の出力のON/OFF状態が繰り返し確認されており(ステップS21)、インクボトル56内のインクの液面が第1近接スイッチ566の位置よりも低下して(すなわち、インクボトル56内のインクの量がボトル交換量未満となって)第1近接スイッチ566がOFFとなると(ステップS21)、制御部4に設けられる表示部41に(図1参照)、作業者に対してインクボトル56の交換準備および交換作業を促す表示が行われる(ステップS22)。
続いて、制御部4に設けられる交換開始スイッチが作業者によりONとされているか否かが確認される。ここで、交換開始スイッチは、新しいインクボトルが準備され、インクボトル56の交換準備が整った際に、作業者が印刷装置1に対して、インクボトル56の交換準備の完了を示す入力を行うためのものである。制御部4では、交換開始スイッチがONとされていない場合には(ステップS23)、インクボトル56の下側の第2近接スイッチ567がOFFとなっている(すなわち、インクボトル56内のインクの液面が第2近接スイッチ567の位置よりも低下している)か否かが確認される。第1近接スイッチ566がOFFとなった直後では、第2近接スイッチ567はOFFとはなっていないため(ステップS24)、ステップS23に戻って、交換開始スイッチがONとされているか否かが確認される。このようにして、交換開始スイッチがONとされる、または、第2近接スイッチ567がOFFとなるまで、交換開始スイッチおよび第2近接スイッチ567のON/OFF状態の確認が繰り返される(ステップS23,S24)。
このとき、既述のように、印刷装置1では、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3以下となる際に、インクボトル56から第2インクタンク51にインクが送出されるため、交換開始スイッチがONとされることなく、第2インクタンク51へのインクの補充が開始されて(または、インクの補充が複数回行われて)、インクボトル56内のインクの液面が第2近接スイッチ567よりも低下し、第2近接スイッチ567がOFFとなると(ステップS24)、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3以下となっているか否かが、インクレベルセンサ511からの出力に基づいて確認される。通常、第2インクタンク51へのインクの送出途上にて第2近接スイッチ567がOFFとなるため、第2近接スイッチ567がOFFとなった直後では、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3よりも上方となっており(ステップS25)、この場合、表示部41には、早急のインクボトルの交換作業を促す表示が行われる(ステップS26)。なお、第2近接スイッチ567がOFFとなった際には、インクボトル56から第2インクタンク51へのインクの送出は強制的に(すなわち、液面が補充停止レベルH2となる前に)停止されるため、インクボトル56では、第2インクタンク51内のインクの量を後述の交換時停止量とするためのインク量が確保される。
印刷装置1では、第2近接スイッチ567がOFFとなった以降において、交換開始スイッチがONとされる、または、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3以下となるまで、交換開始スイッチおよび補充開始レベルを示す接点のON/OFF状態の確認が繰り返される(ステップS23〜S25)。なお、2回目以降のステップS26の処理は省略される。
交換開始スイッチがONとされることなく、補充開始レベルを示す接点がONとなって、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3以下となったことが確認されると(ステップS25)、基材9の走査方向への移動、および、吐出部3からのインクの吐出制御(すなわち、印刷動作)が強制的に停止される(ステップS27)。なお、印刷装置1の設計によっては、第2近接スイッチ567がOFFとなった際に印刷動作が停止されてもよい。
実際には、第1近接スイッチ566がOFFとなった後、第2近接スイッチ567がOFFとなるまでの期間において、操作者が新しいインクボトルを保管場所から持ってくることが可能となるように、第1近接スイッチ566の位置が決定されており、通常の印刷に係る動作では、交換開始スイッチおよび第2近接スイッチ567のON/OFF状態の確認の繰り返しにおいて(ステップS23,S24)、第2近接スイッチ567がOFFとなる前に、交換開始スイッチがONとされる(ステップS23)。また、仮に、新しいインクボトルの準備に手間取って第2近接スイッチ567がOFFとなったとしても(ステップS24)、交換開始スイッチおよび補充開始レベルを示す接点のON/OFF状態の確認の繰り返しにおいて(ステップS23〜S25)、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3以下となる前に、交換開始スイッチがONとされる(ステップS23)。
交換開始スイッチがONとされると、補充ライン561のバルブ562が開放されることにより、インクボトル56から補充ライン561を介して第2インクタンク51にインクが送出される。このとき、制御部4では、第2インクタンク51内のインクの液面が位置H2となって補充停止レベルを示す接点がONとされた後、さらに所定の追加補充時間だけバルブ562が開放されることにより、第2インクタンク51内の液面が補充停止レベルH2よりも高く、絶対上限レベルH1よりも低い位置(以下、「交換時停止レベル」という。)まで上昇することとなる(ステップS28)。換言すると、インクの液面が交換時停止レベルとなる際の第2インクタンク51内のインクの量を交換時停止量として、第2インクタンク51内のインクの量が補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、インクボトル56内のインクが第2インクタンク51に送出されることとなる。
追加補充時間は、例えば、印刷装置1が設置される環境として通常想定される最高温度の場合に、第2インクタンク51内の圧力とインクボトル56内の圧力との差、および、両者の鉛直方向の位置の差(水頭差)等を考慮して、第2インクタンク51内のインクの液面が補充停止レベルH2と絶対上限レベルH1との間の中央となるように決定され、第2近接スイッチ567は、第2インクタンク51へのこのようなインクの補充が実現可能な量のインクがインクボトル56内に貯溜される(残る)ように配置される。なお、インクの粘度の低下等により、環境温度が高いほど、補充ライン561内のインクの流量が増大して交換時停止レベルは高くなる。もちろん、インクレベルセンサ511において、交換時停止レベル(すなわち、交換時停止量)を示す接点を設定することにより、交換時停止レベルが一定とされてもよい(後述の強制停止量において同様)。
第2インクタンク51内のインクが補充停止レベルH2となった後、追加補充時間が経過すると、補充ライン561のバルブ562が閉じられるとともに、表示部41にてインクボトル56の交換が可能であることを示す表示が行われる(ステップS29)。そして、操作者によりインクボトル56を新しいインクボトルに交換する作業が開始される(ステップS30)。
具体的には、図4中に二点鎖線にて示すように、キャップ部563をシャフト565に沿って上方に移動させた後、設置台560からインクボトル56が取り除かれる。続いて、新しいインクボトルの蓋が外された後、インクボトル56(設置台560から取り除かれたインクボトル56)内に残留するインクが、新しいインクボトルに移される。そして、新しいインクボトルが設置台560上に載置された後、キャップ部563を下方に移動して、キャップ部563がインクボトルの上部開口に取り付けられる。これにより、インクボトルの交換が完了し、操作者が制御部4に設けられる交換完了スイッチを押すことにより、印刷装置1に対して、インクボトルの交換完了を示す入力が行われる。なお、キャップ部563がインクボトルに取り付けられている場合にONとなるセンサを設け、当該センサがONとなり、かつ、第1および第2近接スイッチ566,567がONとなっていることにより、制御部4においてインクボトルの交換完了が自動的に認識されてもよい。
ここで、印刷装置1では、(各色成分の)全てのヘッド32における最大のインク消費量(単位時間当たりの消費量)が予め求められており、最大のインク消費量に基づいて第2インクタンク51内のインクの液面が0.5mmだけ低下するのに要する時間(以下、「追加待ち時間」という。)が既知となっている。本実施の形態では、第2インクタンク51内のインクの液面が補充開始レベルH3よりもおよそ0.5mmだけ低い位置となる際の第2インクタンク51内のインクの量が、印刷動作の継続が不能となる強制停止量として設定されている。制御部4では、上記のインクボトルの交換作業に並行して、第2インクタンク51内のインクの液面の位置が監視される。
具体的には、交換完了スイッチのON/OFF状態が確認され、交換完了スイッチがOFFであるときには(ステップS31)、後述の強制停止時刻に到達したか否かが確認される。ここで、不測の事態により、インクボトルの交換作業に長時間を要してしまう場合には、継続して行われている印刷動作による第2インクタンク51内のインクの減少により、液面が位置H3となって補充開始レベルを示す接点がONとなり、その後、液面の更なる低下により補充開始レベルを示す接点がOFFとなる。制御部4では、当該接点がOFFとなる時刻から上記の追加待ち時間だけ経過した時刻が強制停止時刻として設定されており、強制停止時刻に到達していない場合には(ステップS32)、ステップS31に戻って交換完了スイッチのON/OFF状態が確認される。
印刷装置1では、交換完了スイッチがONとされる、または、強制停止時刻に到達するまで、交換完了スイッチのON/OFF状態の確認、および、強制停止時刻となったか否かの確認が繰り返され(ステップS31,S32)、交換完了スイッチがONとされる前に、強制停止時刻に到達すると(ステップS32)、印刷装置1における印刷動作が強制的に停止される(ステップS33)。
通常のインクボトルの交換作業では、第2インクタンク51内のインクが補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、第2インクタンク51にインクが補充されていることにより、仮に、印刷装置1における最大のインク消費量にてインクが消費された場合であっても、強制停止時刻となる前に(すなわち、第2インクタンク51内のインクの量が強制停止量となる前に)、インクボトルの交換を完了することが可能とされる。交換が完了すると、操作者により交換完了スイッチがONとされ(ステップS31)、ステップS21に戻って、第1近接スイッチ566のON/OFF状態が繰り返し確認される。印刷装置1では、印刷動作が行われている間、図6.Aおよび図6.Bに示すインクボトル交換処理が継続して行われる。
以上に説明したように、印刷装置1では、インクボトル56内のインクの量がボトル交換量未満になっている状態(すなわち、インクボトル56の交換時期になっている状態)において、印刷動作を継続しつつインクボトル56を他のインクボトルに交換するための準備動作として、第2インクタンク51内のインクの量が補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、インクボトル56内のインクが第2インクタンク51に送出される。これにより、第2インクタンク51内のインクの量が、補充開始量よりも少なく、かつ、印刷動作の継続が不能となる強制停止量となる前にインクボトル56を他のインクボトルに容易に交換する、すなわち、印刷動作を継続しつつインクボトルを容易に交換することが可能となる。
また、インクボトル56内のインクの量がボトル交換量未満になった場合、および、インクボトル56の交換のための上記準備動作が完了した場合のそれぞれにおいて、その旨を作業者に通知するための表示が表示部41にて行われることにより、作業者が、インクボトルの交換時期となっていること、および、インクボトルの交換可能時を容易に確認することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記実施の形態では、静電容量式の第1近接スイッチ566がインクボトル56に設けられることにより、インクボトル56内のインクの量がボトル交換量未満になったことを検出して、表示部41における表示や、印刷動作を継続しつつインクボトル56を他のインクボトルに交換するための準備動作が行われるが、インクボトル56内のインクの量がボトル交換量と等しくなったことが検出可能なセンサ(例えば、フロート式のセンサや、光学式センサ等)が用いられる場合には、インクボトル56内のインクの量がボトル交換量以下になった場合に、表示部41における表示や上記準備動作が行われてもよい。この場合に、操作者がインクボトルの交換作業に直ぐに取りかかることができる状況にあるとき等には、印刷装置1では、操作者からの入力を待つことなく、第2インクタンク51内のインクが交換時停止量まで補充されてもよい。
また、上記実施の形態において、補充開始量を強制停止量として設定することにより、第2インクタンク51内のインクが交換時停止量まで補充された後、インクボトルの交換が完了するまでの時間が管理されてもよい。このような場合でも、印刷装置1では、第2インクタンク51内のインクの量を交換時停止量となるまで補充することにより、第2インクタンク51内のインクの量が補充開始量となる前に、インクボトル56を他のインクボトルに容易に交換することができる。
印刷装置1における交換時停止量は、適宜変更されてよい。ただし、第2インクタンク51内のインクの量が強制停止量となる前にインクボトルの交換を完了するという観点では、交換時停止量と補充開始量との差が、補充停止量と補充開始量との差の1.2倍以上(より好ましくは、1.5倍以上)となり、第2インクタンク51内の圧力変動の増大による印刷品質の低下を抑制するという観点では、交換時停止量と補充開始量との差が、補充停止量と補充開始量との差の2.8倍以下(より好ましくは、2.5倍以下)となるように、第2インクタンク51内のインクの液面が補充停止レベルとなった後の追加補充時間(または、交換時停止レベル)が決定されることが好ましい。
印刷装置1では、センサである第1近接スイッチ566がインクボトル56内のインクの量(上記実施の形態では、インクの量がボトル交換量となったこと)を検出して制御部4に入力することにより、インクボトル56の交換時期が容易に検出されるが、インクボトル56の交換時期は、例えば、インクボトル56から第2インクタンク51へと送出するインク量(インクボトル56と第2インクタンク51との間の圧力差および水頭差、並びに、バルブ562の開放時間により求められるインク量)に基づいて検出されてもよい。
印刷装置1では、インクボトル56内が大気圧とされることにより、第2インクタンク51内の負圧を利用して、インクボトル56から第2インクタンク51へのインクの送出を容易に行うことができるが、例えば、インクの脱気のためにインクボトル56内も減圧する場合や、インク循環機構におけるインクの循環に負圧を利用しない(すなわち、第2インクタンク51内を減圧しない)場合等には、第2インクタンク51とインクボトル56との間の補充ライン561にポンプが設けられてもよい。
また、ヘッド32から第2インクタンク51へとインクを戻さない(すなわち、インクを循環させない)印刷装置にて、印刷動作を継続しつつインクボトルを交換する上記手法が用いられてもよい。この場合に、印刷装置の設計によっては、第1インクタンクが省略され、第2インクタンクからヘッド32にインクが直接供給されてもよい。
インクボトル56内のインクの量がボトル交換量以下になったこと、および、準備動作が完了したことを作業者に通知する通知部は、表示部41以外に、ブザーや表示灯等により実現されてもよい。
図1の印刷装置1(いわゆる、ロールtoロール方式の印刷装置)では、基材9を走査方向に移動する搬送部27により、複数の吐出口の配列方向に交差する走査方向に基材9が吐出部3に対して一定速度にて移動するが、印刷装置1における印刷動作によっては、吐出部3を走査方向に移動する機構が設けられてもよい。また、図7に示す印刷装置1a(枚葉式の印刷装置)のように、矩形の基材9を保持するステージ21、および、ステージ21を走査方向(図7中のY方向)に移動するステージ移動機構22が設けられてもよい。このように、基材9を吐出部3に対して相対的に走査方向に移動する移動機構は様々な構成にて実現可能である。なお、図7の印刷装置1aでは、基台20上に設けられる位置検出モジュール23により、基台20に対するステージ21の位置が検出可能となっている。
印刷装置1,1aにおける印刷媒体は、シート状の基材9以外に、プラスチックにて形成される板状の部材や印刷用紙等であってもよい。
1,1a 印刷装置
4 制御部
9 基材
22 ステージ移動機構
27 搬送部
32 ヘッド
34 第1インクタンク
41 表示部
51 第2インクタンク
52 供給ライン
53 回収ライン
54 ポンプ
55 主減圧機構
56 インクボトル
561 補充ライン
562 バルブ
566 第1近接スイッチ
S11〜S15,S21,S28,S30,S33 ステップ
4 制御部
9 基材
22 ステージ移動機構
27 搬送部
32 ヘッド
34 第1インクタンク
41 表示部
51 第2インクタンク
52 供給ライン
53 回収ライン
54 ポンプ
55 主減圧機構
56 インクボトル
561 補充ライン
562 バルブ
566 第1近接スイッチ
S11〜S15,S21,S28,S30,S33 ステップ
Claims (7)
- インクジェット方式の印刷装置であって、
印刷媒体に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドと、
前記ヘッドに対して印刷媒体を相対的に移動する移動機構と、
前記ヘッドに供給されるインクを貯溜するメインタンクと、
インクを貯溜するとともに前記メインタンクに接続され、前記メインタンク内のインクの量が補充開始量以下になった時に、前記メインタンク内のインクの量が前記補充開始量よりも多い補充停止量となるまで内部のインクが前記メインタンクに送出されるインクボトルと、
前記インクボトル内のインクの量がボトル交換量以下になっている状態において、印刷動作を継続しつつ前記インクボトルを他のインクボトルに交換するための準備動作として、前記メインタンク内のインクの量が前記補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、前記インクボトル内のインクを前記メインタンクに送出する制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記インクボトル内のインクの量を検出して前記制御部に入力するセンサをさらに備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
前記インクボトル内のインクの量が前記ボトル交換量以下になったことを作業者に通知する通知部をさらに備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
前記準備動作の完了を作業者に通知する通知部をさらに備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記ヘッドの近傍にてインクを貯溜して前記ヘッドに接続されるサブタンクと、
前記サブタンクと前記メインタンクとを接続する供給ラインに設けられ、前記メインタンク内のインクを前記サブタンクに供給するポンプと、
前記メインタンク内を減圧する減圧機構と、
をさらに備え、
前記メインタンクが回収ラインを介して前記ヘッドに接続され、
前記減圧機構が前記メインタンク内を減圧することにより、前記サブタンクから前記ヘッドを経由して前記メインタンクに至る回収流路をインクにて満たした状態で前記回収流路を介して前記サブタンクから前記メインタンクへとインクが連続的に戻されることを特徴とする印刷装置。 - 請求項5に記載の印刷装置であって、
前記インクボトル内が大気圧とされ、
前記インクボトルと前記メインタンクとの間の補充ラインに設けられるバルブを開放することにより、前記インクボトル内のインクが前記メインタンクに送出されることを特徴とする印刷装置。 - インクジェット方式の印刷装置における印刷方法であって、
前記印刷装置が、
印刷媒体に向けてインクの微小液滴を吐出するヘッドと、
前記ヘッドに対して印刷媒体を相対的に移動する移動機構と、
前記ヘッドに供給されるインクを貯溜するメインタンクと、
インクを貯溜するとともに前記メインタンクに接続されたインクボトルと、
を備え、
前記印刷方法が、
a)前記ヘッドによる印刷媒体への印刷動作を開始する工程と、
b)前記印刷動作を終了する工程と、
c)前記a)工程と前記b)工程との間において、前記メインタンク内のインクの量が補充開始量以下になった時に、前記メインタンク内のインクの量が前記補充開始量よりも多い補充停止量となるまで前記インクボトルから前記メインタンクへとインクを送出する工程と、
d)前記a)工程と前記b)工程との間において、前記インクボトル内のインクの量がボトル交換量以下になっている状態において、前記メインタンク内のインクの量が前記補充停止量よりも多い交換時停止量となるまで、前記インクボトル内のインクを前記メインタンクに送出する工程と、
e)前記d)工程の後、前記メインタンク内のインクの量が前記補充開始量、または、前記補充開始量よりも少なく、かつ、前記印刷動作の継続が不能となる量となる前に、前記インクボトルを他のインクボトルに交換する工程と、
を備えることを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009050594A JP2010201810A (ja) | 2009-03-04 | 2009-03-04 | 印刷装置および印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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-
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- 2009-03-04 JP JP2009050594A patent/JP2010201810A/ja active Pending
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