JP5516019B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
る技術に関する。
を正確な位置に噴射することによって、高画質の画像を印刷することが可能である。また
、この技術を利用して、インクの代わりに各種の液体を基板に向けて噴射すれば、電極や
、センサ、バイオチップなどを製造することも可能である。
する。また、時間内に多くの液体を噴射可能とするために、液体を複数の噴射ヘッドに供
給して、それらの噴射ヘッドから同時に液体を噴射可能とした液体噴射装置も開発されて
いる。
を噴射する為には、噴射ヘッドに供給される液体の圧力を適正な圧力に保っておく必要が
ある。ところが、液体を噴射ヘッドに供給するための通路で圧力損失が生じる影響で、噴
射ヘッド内の圧力を一定に保っておくことは難しい。そこで、噴射ヘッドの上流側に圧力
調整弁を設けておき、噴射ヘッド内の圧力が所定圧力を下回った場合には、圧力調整弁を
開いて必要量の液体を供給することで、噴射ヘッド内の圧力を適切な圧力に調整する技術
が提案されている。(特許文献1)
装置を構成する部品点数が増加してしまうという問題があった。すなわち、複数の噴射ヘ
ッド内の圧力を適切な圧力に保つ目的で、噴射ヘッド毎に圧力調整弁を設けることとすれ
ば、複数の噴射ヘッド内の圧力を厳密に管理することが可能な反面、圧力調整弁の設置数
が多くなってしまう。その結果、液体噴射装置が大型化したり、あるいは装置の故障に対
する信頼性が低下するという問題があった。
噴射ヘッド内の圧力を適切な圧力に保ちながら、液体噴射装置の部品点数が増加すること
を抑制可能な技術の提供を目的とする。
採用した。すなわち、
複数の噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ノズルから噴射する液体を収容した液体収容部と、
前記液体収容部と前記複数の噴射ヘッドとの間に設けられると共に、該噴射ヘッド側の
液体の圧力が低下すると開弁して、該液体貯留部側から液体を取り込んで該噴射ヘッド側
に供給することにより、該噴射ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記圧力調整弁の下流側で、該圧力調整弁からの液体を前記複数の噴射ヘッドに供給す
る液体供給通路と
を備えることを要旨とする。
弁に対して複数の噴射ヘッドが設けられている。尚、圧力調整弁に複数の噴射ヘッドが設
けられる態様としては、1つの圧力調整弁に複数の噴射ヘッドの全てが設けられる態様に
限られず、例えば、噴射ヘッドの数よりも少ない数の圧力調整弁を設けておき、これらの
圧力調整弁に対して、複数の噴射ヘッドが分散して設けられる態様も含まれる。そして、
複数の噴射ヘッドの何れかで液体が噴射されると、噴射ヘッド側の液体の圧力が低下する
ことで圧力調整弁が開弁して、噴射ヘッドで噴射した分の液体が液体貯留部側から供給さ
れる。その結果、噴射ヘッド側の液体の量が一定量に保たれることで、複数の噴射ヘッド
内の圧力を適切な圧力に保つことが可能となっている。
の圧力を適切な圧力に保つことが十分に可能である。従って、噴射ヘッド毎に圧力調整弁
を設ける必要が無いので、液体噴射装置の部品点数が増加することを抑制することができ
る。その結果、液体噴射装置の大型化を抑制したり、あるいは故障の可能性や装置の組み
立てミスの可能性を低減することが可能となる。
ヘッドに供給する液体を貯めておく液体貯留部を設けておくと共に、複数の噴射ヘッド内
の液体を液体貯留部に還流可能に構成することとしてもよい。
の噴射ヘッドに供給されることで、複数の噴射ヘッド内の圧力を適切な圧力に保つことが
できる。また、複数の噴射ヘッドから液体貯留部に液体を還流させることで、複数の噴射
ヘッドと液体貯留部との間で液体を循環させることが可能であり、これにより噴射ヘッド
内に生じた気泡を液体貯留部へと分離させることができる。その結果、気泡が噴射ヘッド
内に溜まることで、噴射ノズルから液体を適切に噴射することが困難となる事態を回避可
能となる。
い。すなわち、圧力調整弁の下流側に、複数の噴射ヘッドに供給する液体を貯めておく液
体貯留部を設けておくと共に、複数の噴射ヘッド内の液体を液体貯留部に還流可能とする
。更に、噴射ノズルに負圧を作用させることで噴射ヘッド内の液体を噴射ノズルから排出
させる吸引クリーニングを実行可能に構成することとしてもよい。
すなわち、液体収容部からの液体が圧力調整弁を介して複数の噴射ヘッドに供給されるこ
とで、複数の噴射ヘッド内の圧力を適切な圧力に保つことができ、また、複数の噴射ヘッ
ドと液体貯留部との間で液体を循環させることで、噴射ヘッド内の気泡を液体貯留部に分
離することが可能である。更に、吸引クリーニングを行った場合には、圧力調整弁を介さ
ずに、液体貯留部から液体を吸い出して、噴射ノズルから排出させることができる。詳細
には後述するが、圧力調整弁の内部機構は複雑となっている為、圧力調整弁を液体が通過
する際には少なからず流路抵抗が発生する。従って、上述したように、圧力調整弁を介さ
ずに、液体貯留部内の液体を吸引可能とすれば、液体を吸引した際の流速を落とさずに吸
引クリーニングを行うことができる。その結果、噴射ヘッド内で性状が劣化した液体を効
果的に排出させることが可能となる。
わち、本発明の液体噴射装置で採用される圧力調整弁は、
前記液体貯留部に接続された第1液体室と、
前記第1液体室から隔壁によって隔てられて、前記噴射ヘッドに接続された第2液体室
と、
前記隔壁を穿って設けられ、前記第1液体室と前記第2液体室とを連通させる連通穴と
、
前記連通穴の前記第1液体室側の開口部に設けられた弁座と、
前記連通穴内に摺動可能に挿入されており、該連通穴内を前記第2液体室側に向かって
摺動すると、前記第1液体室側の端部が前記弁座に当接することで該連通穴を封止する弁
体と、
前記弁体を前記第2液体室の方向に付勢する付勢手段と、
前記第2液体室内の液体圧力が減少すると、前記弁体を前記第1液体室の方向に摺動さ
せることで、該弁体の前記端部を前記弁座から離間させる離間手段と
を備えることとしても良い。
ても、その液体圧力によって弁体の端部が弁座に押し付けられて連通穴を封止するので、
第1液体室内の圧力変動が第2液体室に及ぶことがない。その一方で、第2液体室内の液
体圧力が低下すると弁体が第1液体室に向かって摺動し、第1液体室側の弁体の端部が弁
座から離間する。このため、第1液体室から第2液体室へと液体が供給されるので、第2
液体室内の液体圧力を速やかに回復させることができる。その結果、第2液体室内の液体
圧力を、一定の圧力範囲に保つことができ、常に安定した圧力で噴射ヘッドに液体を供給
することが可能となる。
例を説明する。
A.ラインプリンターの構成:
B.本実施例のインク供給方法:
C.変形例:
図1は、ラインプリンター1を例に用いて本実施例の液体噴射装置の大まかな構造を示
した説明図である。図示されているように、本実施例のラインプリンター1は、大まかに
は箱型の外形形状をしており、上面には、モニターパネル2や、ユーザーが操作するため
の操作パネル3などが設けられている。また、ラインプリンター1の前面には、インクカ
ートリッジを交換するためのカートリッジ交換扉4や、印刷用紙を装填するための給紙扉
5が設けられており、更に、向かって右側面には、印刷された印刷用紙が排出される排紙
口6が設けられている。
搭載されている。先ず、ラインプリンター1のほぼ中央の位置には、印刷用紙にインクを
噴射するヘッドユニット30が設けられている。ヘッドユニット30の下方には、ヘッド
ユニット30にインクを供給するインク供給部60が設けられており、インク供給部60
には、インクが充填されたインクカートリッジ62が装着される。尚、本実施例のライン
プリンター1では、黒インク(Kインク)、シアンインク(Cインク)、マゼンタインク
(Mインク)、イエローインク(Yインク)の4色のインクを印刷に使用することが可能
であり、このことに対応して、インク供給部60には、各色のインクが充填された4つの
インクカートリッジ62が装着されるようになっている。
セット10が設けられており、給紙カセット10の右端の上面に接する位置に、給紙ロー
ラー20が設けられている。更に、給紙ローラー20の奥側には給紙モーター22が接続
されており、給紙モーター22を駆動して給紙ローラー20を回転させると、給紙カセッ
ト10から印刷用紙が1枚ずつ、ヘッドユニット30に向かって搬送されるようになって
いる。尚、図1では、印刷用紙の搬送経路が太い破線で示されている。
、この空きスペースの下方には、キャップ40や、吸引ポンプ50、廃液タンク52など
が設けられている。本実施例のラインプリンター1では、ヘッドユニット30内のインク
が、時間の経過などによって性状が劣化した場合には、ヘッドユニット30を右側の空き
スペースへ移動させた後に、ヘッドユニット30の底面側にキャップ40を押し当てた状
態で吸引ポンプ50を作動させることで、性状の劣化したインクを吸い出すことが可能と
なっている。また、吸引ポンプ50によって吸い出されたインクは、廃液タンク52に溜
められる。
インプリンター1に電力を供給するための電源ユニット70や、ラインプリンター1の各
種の動きを制御する制御ユニット80などが搭載されている。
ず、給紙カセット10に複数枚の印刷用紙を装填すると、印刷用紙は図示しないバネによ
って押し上げられて、上方に設けられた給紙ローラー20に押し付けられる。給紙ローラ
ー20は、金属製の細長い円柱を長さ方向に半分に割って形成した略半円形断面の細長い
部材であり、円周部分に対応する側面はゴム材料によって形成されている。この給紙ロー
ラー20の一端には給紙モーター22が接続されており、給紙モーター22によって駆動
されて給紙ローラー20が回転することにより、給紙カセット10から印刷用紙が1枚ず
つ、ヘッドユニット30に向かって送り出される。
られている。ガイドローラー24は、図示しないモーターによって駆動されて回転するこ
とにより、印刷用紙をガイドしながら、ヘッドユニット30へと搬送する。
れており、ヘッドユニット30の底面側(すなわち、印刷用紙に面する側)には、インク
を噴射する複数の噴射ヘッドが設けられている(図2を参照)。また、ヘッドユニット3
0には、インク供給部60のインクカートリッジ62が図示しない流路を介して接続され
ており、インクカートリッジ62内に収容されたインクが、ヘッドユニット30の下面側
に設けられた複数の噴射ヘッドから噴射される。
す説明図である。図示されるように、本実施例のヘッドユニット30の底面には、略矩形
形状をした噴射ヘッド32が、6つずつを一組として4組(合計24個)設けられている
。また、各組の6つの噴射ヘッド32は、3つずつ二列に並べられるとともに、互いの列
の噴射ヘッド32が互い違いとなるように配列されている。更に、各噴射ヘッド32には
、インクを噴射する複数の噴射ノズルが列状に設けられている。尚、こうした噴射ノズル
が設けられている噴射ヘッド32の下側の面を「ノズル面」と呼ぶことがあるものとする
。
2が一体となって1つの噴射ユニット33を構成している。上述したように、本実施例の
ヘッドユニット30には、24個の噴射ヘッド32が設けられているから、結局、4つの
噴射ユニットが設けられており、各噴射ユニット33が、Yインクを噴射する噴射ユニッ
ト33y、Mインクを噴射する噴射ユニット33m、Cインクを噴射する噴射ユニット3
3c、Kインクを噴射する噴射ユニット33kとなっている。
印刷用紙を背面から支持するプラテンが設けられている(図示は省略)。給紙ローラー2
0およびガイドローラー24によって搬送されてきた印刷用紙はプラテン上を搬送され、
この間にヘッドユニット30の底面に設けられた複数の噴射ヘッド32からインクが噴射
されて印刷用紙に画像が印刷されていく。こうして画像が印刷された印刷用紙は、ヘッド
ユニット30の下流側に設けられたガイドローラー24によって進行方向を下方に曲げら
れた後、廃液タンク52の下側を通って排紙口6からラインプリンター1の外部に排出さ
れる。ここで、本実施例のラインプリンター1では、ヘッドユニット30に設けられた複
数の噴射ヘッド32に対して、次のような構成のインク供給システムを用いてインクを供
給している。
図3は、本実施例のラインプリンター1に採用されたインク供給システムの構成を示し
た説明図である。尚、図1および図2を用いて前述したように、本実施例のラインプリン
ター1には、C(シアン)インク、M(マゼンタ)インク、Y(イエロー)インク、K(
ブラック)インクの4種類のインクが搭載されており、それらのインクは、インクの種類
毎に設けられた噴射ユニット33の噴射ヘッド32に供給されている。尚、それぞれのイ
ンク供給システムの構成は全く同様であるため、図3では、代表として1つの噴射ユニッ
ト33についてのみ表示されている。
おり、このことと対応して、図3には6つの噴射ヘッド32が表示されている。これら6
つの噴射ヘッド32に対して、インクカートリッジ62からのインクが供給されることに
なる。インクカートリッジ62内のインクを噴射ヘッド32に供給するための経路は、次
のようにして構成されている。先ず、インクカートリッジ62は、インク通路110およ
び切替弁100を介して循環ポンプ102に接続されており、循環ポンプ102からは、
インク通路112を介してサブタンク114に接続されている。詳細には後述するが、サ
ブタンク114は、噴射ヘッド32に供給されるインクが貯められると共に、インクに混
入した気泡を分離する機能を有している。
120の詳細についても後述するが、圧力調整弁120は、下流側(噴射ヘッド32側)
の圧力が低下すると自動的に開弁してインクを取り込むことで、噴射ヘッド32に対して
常に適切な圧力でインクが供給されるように調整する機能を有している。そして、圧力調
整弁120の下流側でインク供給通路116が分岐した後、噴射ヘッド32に接続されて
いる。図3では、サブタンク114から噴射ヘッド32までのインク供給通路116が、
太い実線で表示されている。従って、循環ポンプ102を作動させ、圧力調整弁120を
強制開放することにより、インクカートリッジ62内のインクを吸い出してサブタンク1
14に供給し、サブタンク114から圧力調整弁120を介して噴射ヘッド32にインク
を供給することが可能となっている。
り、あるいは外部の空気を巻きこんで気泡が発生するなどして、複数の噴射ヘッド32の
何れか1つでも気泡が混入すると、その噴射ヘッド32では適切にインクを噴射すること
ができなくなる。そこで、本実施例のラインプリンター1では、次のような経路を用いて
噴射ヘッド32内のインクを循環させることにより、インク中に混入した気泡を除去する
ことも可能になっている。すなわち、6つの噴射ヘッド32の各々には、インク循環通路
118が設けられており、各噴射ヘッド32からのインク循環通路118は合流して、切
替弁100に接続される。図3では、噴射ヘッド32から切替弁100までのインク循環
通路118が、太い破線で表示されている。
ヘッド32からのインク循環通路118と、循環ポンプ102に続くインク通路112と
を連通させ、この状態で循環ポンプ102を駆動させる。すると、噴射ヘッド32内のイ
ンクがインク循環通路118を介して循環ポンプ102によって吸い出され、インク通路
112を経由してサブタンク114に供給される。こうして噴射ヘッド32からインクが
吸い出されることで噴射ヘッド32内の圧力が低下すると、後述するメカニズムによって
圧力調整弁120が開弁し、サブタンク114からインク供給通路116を介して噴射ヘ
ッド32にインクが供給される。その結果、サブタンク114と噴射ヘッド32との間で
インクが循環する。サブタンク114は、噴射ヘッド32や、インクの通路(インク供給
通路116、インク循環通路118、インク通路112)、などに比べて通路断面が大き
く、インクの流れが緩やかな場所となっている。従って、サブタンク114内では、イン
クと共に流されてきた気泡が上方へと浮き上がって、インクと気泡とが分離される。
クが、圧力調整弁120を介して複数の噴射ヘッド32に供給されるようになっている。
このため、噴射ヘッド32でインクが噴射されると、噴射した分のインクがサブタンク1
14から供給され、その結果、圧力調整弁120から噴射ヘッド32までのインクの圧力
は、常に一定圧力に調整されるようになっている。以下では、このような機能を有する圧
力調整弁120について説明する。
整弁120の中心を通る縦断面をとることによって、圧力調整弁120の内部構造が示さ
れている。本実施例の圧力調整弁120には、噴射ヘッド32に接続された圧力室121
と、サブタンク114に接続された圧力室122の2つの圧力室が設けられている。これ
ら2つの圧力室の間を隔てる隔壁には、通路が貫通しており、この通路には、通路とほぼ
同じ径の通路軸123が通路内で摺動可能に設けられている。通路軸123の側面には、
複数本の通路溝124が設けられており、通路溝124の一端は、圧力室121側に開口
するとともに、他端は圧力室122側に開口している。
ス部材125は、通路軸123を取り巻くように設けられた支持バネ126によって、圧
力室121の底面側から一定の高さに持ち上げられている。また、ベース部材125は、
圧力室121の一側面(図4では上面側)を構成する薄いフィルム膜127のほぼ中央位
置に接着されている。
いる。封止弁128は、圧力室122の底面側から封止バネ129によって押し上げられ
ており、通常は、封止弁128の上方に設けられた突出部分が、圧力室122の上面に押
し付けられることで、圧力室122側から通路軸123の周囲を密閉するようになってい
る。
示した説明図である。前述したように、圧力調整弁120には、インク供給通路116を
介してサブタンク114からインクが供給されている(図3を参照)。このとき、圧力調
整弁120の圧力室122(サブタンク114側の圧力室)には、サブタンク114内の
インクが水頭差によって供給されている。また、圧力室122側に設けられた封止弁12
8は封止バネ129によって押し付けられているので、通路溝124は封止弁128によ
って閉鎖された状態となっている。従って、この状態では、圧力室122から通路溝12
4を介して圧力室121にインクが供給されることはない。
インクが圧力室121から噴射ヘッド32に供給される。その結果、噴射ヘッド32から
インクを噴射するに従って、圧力室121内の圧力が低下する。ここで、圧力室121の
上面側はフィルム膜127によって構成されているので、圧力室121内の圧力低下に応
じてフィルム膜127が引き下げられ、その結果、図5(b)に示されるように、フィル
ム膜127に設けられたベース部材125および通路軸123が、支持バネ126の反発
力に逆らって移動する。すると、通路軸123に押されて封止弁128が開口し、通路軸
123に設けられた通路溝124を介して、2つの圧力室(サブタンク114側の圧力室
122および噴射ヘッド32側の圧力室121)が連通状態となる。その結果、図5(c
)中に太い破線の矢印で示したように、通路溝124を介して、サブタンク114側の圧
力室122から、噴射ヘッド32側の圧力室121へとインクが供給される。
、フィルム膜127が元の状態に戻り、それと共にベース部材125および通路軸123
も元の位置まで復帰する。その結果、図5(a)に示すように、再び封止弁128によっ
て圧力室122側の通路軸123の周囲は密閉されて、圧力室122から圧力室121へ
のインクの供給が終了する。
、圧力室121内のインク量が所定量よりも少なくなることで圧力室121のインクの供
給圧力が低下すると、一時的に封止弁128が開弁する。これにより、圧力室122から
インクが供給され、圧力室121のインク圧力が回復する。結局、噴射ヘッド32から噴
射された分だけのインクが供給されて、噴射ヘッド32にインクを供給する圧力が一定に
保たれることになる。
ド32にインクを供給する圧力を厳密に管理する目的で、噴射ヘッド32ごとに圧力調整
弁120を設けることも考えられるが、これでは圧力調整弁120の設置数が増加してし
まう。そこで、本実施例では、前述したインクの供給システムのように、1つの圧力調整
弁120からインク供給通路116を分岐させて、各噴射ヘッド32に接続する構成を採
用している(図3を参照)。そして、1つの圧力調整弁120から各噴射ヘッド32に接
続する構成であっても、複数の噴射ヘッド32にインクを供給する圧力を十分、一定に保
つことが可能である。以下ではこの点について補足して説明する。
説明図である。本実施例のように複数の噴射ヘッド32が設けられたラインプリンター1
では、印刷中、常に全ての噴射ヘッド32からインクを噴射しているわけではない。従っ
て、あるタイミングでは、例えば、図6(a)に示されるように、図中の左端の噴射ヘッ
ド32からインクが噴射される。このとき、前述したように、圧力調整弁120では、圧
力室121内の圧力が低下して封止弁128が開口することで(図5(c)を参照)、左
端の噴射ヘッド32で噴射された分のインクが圧力室121に供給される。図中には、噴
射した分のインクが圧力調整弁120の圧力室121に供給される様子が斜線を付した矢
印によって示されている。
ヘッドと、左から6番目の噴射ヘッド32とからインクが噴射されることもあり、このと
きはこれら2つの噴射ヘッド32が噴射したインクの合計分が圧力室121に供給される
。更に、図6(c)に示されるように、図中の左から2番目、4番目、そして5番目の噴
射ヘッドからインクが噴射された場合には、これらの3つの噴射ヘッド32で噴射したイ
ンクの合計分が圧力室121に供給される。以下、インクを噴射する噴射ヘッド32の数
が増えた場合にも、同様にして噴射ヘッド32で噴射したインクの合計分が圧力室121
に供給されることとなる。
21に対して、噴射ヘッド32で噴射した分のインクが適宜、補充されることで、複数の
噴射ヘッド32に供給されるインク圧力を一定に保つことができる。その結果、複数の噴
射ヘッド32に対して1つの圧力調整弁を設けた構成であっても、複数の噴射ヘッド32
の間でのインクの噴射量のバラつきを抑制して高画質な画像を印刷することが可能となっ
ているのである。
を設ける必要がないため、圧力調整弁120の動作圧力のバラツキに起因して、噴射ヘッ
ド32間でのインクの供給圧力のバラツキを抑制することができる。加えて、それぞれの
噴射ヘッド32で圧力調整弁120を共用することができるので、部品点数が減少して、
故障の可能性や製造時の組み立てミスが減少すると共に、製造コストも抑制することがで
き、更に加えて装置全体が大型化することを抑制可能となる。
上述した実施例では、圧力調整弁120は、サブタンク114と、複数の噴射ヘッド3
2との間に設けるものと説明した。しかし、噴射ヘッド32に供給する液体の圧力を一定
に保つ点からは、圧力調整弁120は噴射ヘッド32の上流側にあれば良く、従って、以
下に示すように、圧力調整弁120をサブタンク114とインクカートリッジ62との間
に設けることとしてもよい。尚、変形例では、上述した本実施例と共通する構成部分につ
いては、本実施例と同じ符番を付すことにより、その構成部分についての詳細な説明は省
略することとする。
た説明図である。図示した変形例のインクの供給システムでは、図3を用いて前述したイ
ンクの供給システムに対して、圧力調整弁120の位置を、サブタンク114とインクカ
ートリッジ62との間に移動した構成となっている。この様なインクの供給システムを採
用した場合、噴射ヘッド32で噴射された分のインクがサブタンク114を介して圧力調
整弁120の圧力室121(サブタンク側の圧力室)から供給され、これに伴って、圧力
室121内の圧力が低下することで、圧力室122(インクカートリッジ62側の圧力室
)から圧力室121に噴射ヘッド32で噴射された分のインクが供給される。従って、前
述したインクの供給システム(図3を参照)と同様に、複数の噴射ヘッド32に供給する
インクの圧力を一定に保つことが可能である。このことに加えて、図7に示したインクの
供給システムによれば、噴射ノズルから性状が劣化したインクを吸引するメンテナンス動
作(吸引クリーニング)を行う場合に、噴射ヘッド32を通過するインクの流速を確保し
易いという利点がある。以下ではこの点について説明する。
噴射ヘッド32を通過するインクの流速が確保し易い理由を示した説明図である。尚、図
8には、ヘッドユニット30の底面にキャップ40を当接させた状態で、吸引ポンプ50
を作動させることにより、吸引クリーニングを行っている状態でのインク供給システム内
の様子が示されている。
と共に、噴射ヘッド32の上流側から噴射ヘッド32内にインクが吸い込まれる。このと
き、サブタンク114の上流側に圧力調整弁120を配置したインクの供給システム(図
7を参照)では、サブタンク114に貯められたインクを、圧力調整弁120を経由せず
に、直接、噴射ヘッド32に吸い込むことが可能となる。前述したように、本実施例の圧
力調整弁120は、内部に複雑な構造を有していることから(図3を参照)、インクが圧
力調整弁120内を通過する場合には、少なからず流路抵抗が発生する。従って、図8に
示されるように、圧力調整弁120を経由せずに、サブタンク114から噴射ヘッド32
にインクを吸引可能とすれば、サブタンク114から噴射ヘッド32までの流路抵抗を極
力抑えることで、吸引クリーニング時のインクの流速を確保することができる。その結果
、性状が劣化したインクを噴射ヘッド32からより効果的に排出させることが可能となる
。
その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
33…噴射ユニット、 40…キャップ、 50…吸引ポンプ、
60…インク供給部、 62…インクカートリッジ、 100…切替弁、
102…循環ポンプ、 110…インク通路、 112…インク通路、
114…サブタンク、 116…インク供給通路、 118…インク循環通路、
120…圧力調整弁、 121…圧力室、 122…圧力室、
123…通路軸、 124…通路溝、 125…ベース部材、
126…支持バネ、 127…フィルム膜、 128…封止弁、
129…封止バネ
Claims (3)
- 複数の噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ノズルから噴射する液体を収容した液体収容部と、
前記液体収容部と前記複数の噴射ヘッドとの間に設けられると共に、該噴射ヘッド側の液体の圧力が低下すると開弁して、該液体収容部側から液体を取り込んで該噴射ヘッド側に供給することにより、該噴射ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記液体収容部と前記圧力調整弁との間に設けられて、前記複数の噴射ヘッドに供給する液体を貯めておく液体貯留部と、
前記圧力調整弁の下流側で、該圧力調整弁からの液体を前記複数の噴射ヘッドに供給する液体供給通路と、
前記複数の噴射ヘッド内の液体を吸い出すことによって前記液体貯留部へと還流させる液体還流手段と
を備える液体噴射装置。 - 複数の噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ノズルから噴射する液体を収容した液体収容部と、
前記液体収容部と前記複数の噴射ヘッドとの間に設けられると共に、該噴射ヘッド側の液体の圧力が低下すると開弁して、該液体収容部側から液体を取り込んで該噴射ヘッド側に供給することにより、該噴射ヘッド内の液体の圧力を調整する圧力調整弁と、
前記液体収容部と前記圧力調整弁との間に設けられると共に、液体収容部に収容された液体を前記噴射ヘッドに供給するポンプと、
前記圧力調整弁の下流側に設けられて、前記複数の噴射ヘッドに供給される液体を貯めておく液体貯留部と、
前記複数の噴射ヘッド内の液体を吸い出すことによって前記ポンプの上流へと還流させる液体還流手段と
を備える液体噴射装置。 - 請求項1または2に記載の液体噴射装置であって、
前記噴射ノズルに負圧を作用させて前記複数の噴射ヘッド内の液体を吸引することにより、該噴射ヘッド内の液体を該噴射ノズルから排出させる吸引クリーニング手段と、
を備える液体噴射装置。
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