JP2023138918A - 熱可塑性樹脂及びそれを含む光学レンズ - Google Patents

熱可塑性樹脂及びそれを含む光学レンズ Download PDF

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宣之 加藤
Noriyuki Kato
克吏 西森
Katsusato Nishimori
篤志 茂木
Atsushi Mogi
健太朗 石原
Kentaro Ishihara
章子 村田(鈴木)
Murata, (Suzuki) Akiko
淳広 佐藤
Atsuhiro Sato
駿 石川
Shun ISHIKAWA
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Abstract

【課題】使用に耐える耐熱性を保持しつつ、屈折率やアッベ数などの光学特性に優れた熱可塑性樹脂及びそれを用いた光学レンズを提供すること。【解決手段】上記課題は、下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位(A)を含む熱可塑性樹脂によって解決することができる。TIFF2023138918000065.tif42170(式中、R1は、独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、R2は、独立して水素原子、炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、aは、独立して0又は1~3の整数を示し、R3は、独立して-OH、-O-(CH2)n-OH、又は-O-(CH2)m-COOR4の基を示し、R4は水素原子、炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアルカリ金属原子を示し、n及びmは、独立して1~4の整数を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂及びそれを含む光学レンズに関する。より詳細には、本発明は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、又はポリエステル樹脂、及びそれを含む光学レンズに関する。
カメラ、フィルム一体型カメラ、ビデオカメラ等の各種カメラの光学系に使用される光学レンズの材料として、光学ガラスあるいは光学用樹脂が使用されている。光学ガラスは、耐熱性、透明性、寸法安定性、耐薬品性等に優れるが、材料コストが高く、成形加工性が悪く、生産性が低いという問題点を有している。
一方、光学用樹脂からなる光学レンズは、射出成形により大量生産が可能であるという利点を有しており、カメラレンズ用高屈折率材料としてポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル樹脂等が使用されている。
光学用樹脂を光学レンズとして用いる場合、屈折率やアッベ数などの光学特性に加えて、耐熱性、透明性、低吸水性、耐薬品性、低複屈折、耐湿熱性等が求められる。特に近年、高屈折率及び高耐熱性を有する光学レンズが求められており、様々な樹脂の開発が行われている(特許文献1~5)。
特開2018-2893号公報 特開2018-2894号公報 特開2018-2895号公報 特開2018-59074号公報 WO2017/078073
本発明は、使用に耐える耐熱性を保持しつつ、屈折率やアッベ数や光弾性係数などの光学特性に優れた熱可塑性樹脂及びそれを用いた光学レンズを提供することを課題とする。
本発明者らは、従来の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン化合物中に特定のアリール基又はアラルキル基を導入した特定の構造を有するモノマーを原料とすることにより、屈折率やアッベ数や光弾性係数などの光学特性に優れ、かつ、耐熱性にも優れた熱可塑性樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
<1> 下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位(A)を含む熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000001
(式中、Rは、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、Rは、各々独立して水素原子、炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、aは、各々独立して0又は1~3の整数を示し、Rは、各々独立して-OH、-O-(CH-OH、又は-O-(CH-COORの基を示し、Rは水素原子、炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアルカリ金属原子を示し、n及びmは、各々独立して1~4の整数を示す。)
<2> 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(1A)で表されるモノマーである、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000002
(式中、R、R及びaは一般式(1)と同じ定義である。)
<3> 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(5)で表されるモノマーである、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000003
<4> 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(1B)で表されるモノマーである、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000004
(式中、R、R及びaは一般式(1)と同じ定義であり、nは独立して1~4の整数を示す。)
<5> 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(15)で表されるモノマーである、上記<1>に記載の熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000005
<6> 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、又はポリエステル樹脂である、上記<1>から<5>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
<7> 前記熱可塑性樹脂が、下記一般式(6)で表されるモノマー由来の構成単位(B)及び/又は下記一般式(7)で表されるモノマー由来の構成単位(C)を含む、上記<1>から<6>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000006
(一般式(6)中、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリールオキシ基、及び、-C≡C-Rからなる群より選択され、
は置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、又は、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基を表し、
Xは、単結合であるか、又は置換基を有してもよいフルオレン基を表し、
A及びBは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキレン基を表し、
m及びnは、それぞれ独立に、0~6の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表す。)
Figure 2023138918000007
(一般式(7)中、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルコキシル基、及び、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基からなる群より選択され、
は、単結合、置換基を有してもよいフルオレン基、又は下記式(8)~(14)で表される構造式のうちいずれかであり、
Figure 2023138918000008
(式(8)~(14)中、
61、R62、R71及びR72は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数6~30のアリール基を表すか、あるいは、R61及びR62、又はR71及びR72が互いに結合して形成する、置換基を有してもよい炭素数1~20の炭素環又は複素環を表し、
r及びsは、それぞれ独立して、0~5000の整数を表す。)
A及びBは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキレン基を表し、
p及びqは、それぞれ独立に、0~4の整数を表し、
a及びbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表す。)
<8> 前記一般式(6)及び一般式(7)において、前記A及びBが、それぞれ独立に、炭素数2又は3のアルキレン基を表す、上記<7>に記載の熱可塑性樹脂である。
<9> 前記熱可塑性樹脂が、少なくとも、BPEF,BNE,BNEF及びDPBHBNAのいずれかに由来する構成単位を含む、上記<7>又は<8>に記載の熱可塑性樹脂である。
<10> 前記熱可塑性樹脂が、更に、下記のモノマー群から選択される少なくとも一つのモノマーに由来する構成単位を含む、上記<1>から<9>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000009
(上記式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又は炭素数2~5のアルキレングリコールを表す。)
<11> 前記熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、10,000~100,000である、上記<1>から<10>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
<12> 前記熱可塑性樹脂の屈折率(nD)が、1.600~1.700である、上記<1>から<11>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
<13> 前記熱可塑性樹脂のアッベ数(ν)が、22.0~26.0である、上記<1>から<12>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
<14> 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が、70~200℃である、上記<1>から<13>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
<15> 前記熱可塑性樹脂の光弾性係数が、25~45である、上記<1>から<14>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂である。
<16> 上記<1>~<15>のいずれかに記載の熱可塑性樹脂を含む、光学レンズである。
本発明によれば、使用に耐える耐熱性を保持しつつ、屈折率やアッベ数や光弾性係数などの光学特性に優れた熱可塑性樹脂及びそれを含む光学レンズを提供することができる。
以下、本発明について合成例や実施例等を例示して詳細に説明するが、本発明は例示される合成例や実施例等に限定されるものではなく、本発明の内容を大きく逸脱しない範囲であれば任意の方法に変更して行うこともできる。
<熱可塑性樹脂>
本発明の一実施形態は、下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位(A)を含む熱可塑性樹脂である。
Figure 2023138918000010
式中、Rは、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、Rは、各々独立して水素原子、炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、aは、各々独立して0又は1~3の整数を示し、Rは、各々独立して-OH、-O-(CH-OH、又は-O-(CH-COORの基を示し、Rは、各々独立して水素原子、炭素原子数1~6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又はアルカリ金属原子を示し、n及びmは、各々独立して1~4の整数を示す。
(一般式(1)中のR
一般式(1)中のRは、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示すが、中でも、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~13のアラルキル基が好ましく、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~11のアラルキル基がより好ましく、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基がさらに好ましく、各々独立して炭素原子数6~10のアリール基が特に好ましい。
炭素原子数6~14のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられるが、中でも、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
炭素原子数7~17のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、ナフタレン-1-イル-メチル基、ナフタレン-2-イル-メチル基、1-メチル-1-(1-ナフチル)エチル基、1-メチル-1-(2-ナフチル)エチル基、アントラセン-9-イル-メチル基、フェナントレン-9-イル-メチル基等が挙げられるが、中でも、ベンジル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、ナフタレン-1-イル-メチル基、ナフタレン-2-イル-メチル基が好ましく、ベンジル基、ナフタレン-1-イル-メチル基、ナフタレン-2-イル-メチル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
一般式(1)中のRとしては、2つのR共にフェニル基であることが特に好ましい。
(一般式(1)中のR
一般式(1)中のRは、各々独立して水素原子、炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示すが、中でも、各々独立して水素原子、炭素原子数6~10のアリール基又は炭素原子数7~13のアラルキル基が好ましく、各々独立して水素原子、炭素原子数6~10のアリール基又は炭素原子数7~11のアラルキル基がより好ましい。
炭素原子数6~14のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられるが、中でも、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
炭素原子数7~17のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、ナフタレン-1-イル-メチル基、ナフタレン-2-イル-メチル基、1-メチル-1-(1-ナフチル)エチル基、1-メチル-1-(2-ナフチル)エチル基、アントラセン-9-イル-メチル基、フェナントレン-9-イル-メチル基等が挙げられるが、中でも、ベンジル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、ナフタレン-1-イル-メチル基、ナフタレン-2-イル-メチル基が好ましく、ベンジル基、ナフタレン-1-イル-メチル基、ナフタレン-2-イル-メチル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
一般式(1)中のaは、各々独立して0又は1~3の整数を示すが、各々独立して0、1又は2が好ましく、各々独立して0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。一般式(1)中のaが1~3の整数を示す場合は、Rのオルソ位に少なくとも1つのRが結合していることが好ましい。
(一般式(1)中のR
一般式(1)中のRは、各々独立して-OH、-O-(CH-OH、又は-O-(CH-COORの基を示す。
一般式(1)におけるRが-OHである場合の化合物は、一般式(1A)で表される化合物(化合物1A)である。
Figure 2023138918000011
式中、R、R及びaは一般式(1)と同じ定義である。
一般式(1)におけるRが-O-(CH-OHである場合の化合物は、一般式(1B)で表される化合物(化合物1B)である。
Figure 2023138918000012
式中、R、R、a及びnは一般式(1)と同じ定義である。
一般式(1B)中のnは、各々独立して1~4の整数を示すが、中でも、2~4の整数が好ましく、2又は3がより好ましく、2が特に好ましい。
一般式(1)におけるRが-O-(CH-COORである場合の化合物は、一般式(1C)で表される化合物(化合物1C)である。
Figure 2023138918000013
式中、R、R、a、m及びRは一般式(1)と同じ定義である。
一般式(1C)中のRは、各々独立して水素原子、炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又はアルカリ金属原子を示すが、中でも、各々独立して水素原子又は炭素原子数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、リチウム原子、カリウム原子、ナトリウム原子が好ましく、各々独立して水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、各々独立して水素原子又はエチル基が特に好ましい。
一般式(1C)中のmは、各々独立して1~4の整数を示すが、中でも、1又は2が好ましく、1が特に好ましい。
本発明における、一般式(1)で表される1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン化合物のうち、化合物1Aの具体例を示す。
Figure 2023138918000014
Figure 2023138918000015
Figure 2023138918000016
<モノマーの製造方法-1>
本発明における一般式(1)で表される1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン化合物については、その製造における出発原料、製造方法について特に制限はない。
化合物1Aの製造方法は、下記反応式で例示するとおり、一般式(2)で表されるフェノール化合物とα,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノールを反応させる製造方法が挙げられる。
式中、R、R及びaは一般式(1)の定義と同じである。
一般式(2)で表されるフェノール化合物として、具体的には、例えば、2-フェニルフェノール、2-(1-ナフチル)フェノール、2-(2-ナフチル)フェノール、2-(9-アントラセニル)フェノール、2-(9-フェナントリル)フェノール、2,6-ジフェニルフェノール、2-ベンジルフェノール、2-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(1-ナフチルメチル)フェノール、2-(2-ナフチルメチル)フェノール、2-(9-アントラセニルメチル)フェノール、2-(9-フェナントリルメチル)フェノール、2-フェニル-6-ベンジルフェノール、2-フェニル-6-(1-メ チル-1‐フェニルエチル)フェノール、2-フェニル-6-(1-ナフチルメチル)フェノール、2-フェニル-6-(2-ナフチルメチル)フェノール、2-(1-ナフチル)-6-ベンジルフェノール、2-(1-ナフチル)-6-(1-メチル-1‐フェニルエチル)フェノール、2-(1-ナフチル)-6-(1-ナフチルメチル)フェノール、2-(1-ナフチル)-6-(2-ナフチルメチル)フェノール、2-(2-ナフチル)-6-ベンジルフェノール、2-(2-ナフチル)-6-(1-メチル-1‐フェニルエチル)フェノール、2-(2-ナフチル)-6-(1-ナフチルメチル)フェノール、2-(2-ナフチル)-6-(2-ナフチルメチル)フェノール等が挙げられる。
上記製造方法において、一般式(2)で表されるフェノール化合物の使用量としては、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノール1モルに対して、5~12モルの範囲であることが好ましく、7~10モルの範囲であることがより好ましく、8モルであることがさらに好ましい。
上記製造方法は、酸触媒の存在下で実施することが好ましい。好ましい酸触媒としては、濃塩酸、硫酸、塩酸ガス等が挙げられ、中でも塩酸ガスを反応液中に飽和するまで使用することがより好ましい。
反応は通常、溶媒の存在下に行われる。溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はない。化合物1Aは、種々の溶媒に易溶であるため、各種溶媒を使用することが可能である。中でも、一般式(2)で表されるフェノール化合物に対する溶解性が良好なアルコール類が好ましく、炭素数1~10のアルコールがより好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールがさらに好ましく、メタノールが特に好ましい。これらの溶媒は単独又は組み合わせて用いることができる。
また、溶媒の使用量は反応に支障なければ特に制限はないが、通常、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノールに対し1~5重量倍の範囲で用いることが好ましく、1~3重量倍の範囲で用いることがより好ましく、1~2重量倍の範囲で用いることがさらに好ましい。
上記製造方法は、大気雰囲気下、あるいは、不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよいが、反応生成物の着色等を抑制するために、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
反応温度は、通常20~40℃の範囲であり、25~30℃の範囲であることが好ましい。
反応圧力は常圧条件下で行ってもよく、また、加圧条件下でも、あるいは減圧条件下で行ってもよいが、常圧条件下で行うことが好ましい。
得られた反応終了混合物は、常法に準じて、分離・精製することにより反応混合物から化合物1Aを得ることができる。例えば、反応終了液に、酸触媒を中和するために、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液等のアルカリ水溶液を加えて、酸触媒を中和する。中和した反応混合液を静置し、必要に応じて水と分離する溶媒を加えて、水層を分離除去する。必要に応じて得られた油層に蒸留水を加え、撹拌して水洗した後、水層を分離除去する操作を1回乃至複数回繰り返し行い中和塩を除去する。得られた油層から残存原料や溶媒を留去することにより残液として目的物である化合物1Aを得ることができる。
本発明における、一般式(1)で表される1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン化合物の化合物1Bの具体例を示す。
Figure 2023138918000018
Figure 2023138918000019
Figure 2023138918000020
Figure 2023138918000021
<モノマーの製造方法-2>
化合物1Bの製造方法としては、一般式(1A)で表される化合物とアルキレンオキシ化剤を反応させる製造方法が挙げられる。アルキレンオキシ化剤として、一般式(3)で表されるカーボネート類を使用した場合の反応式を例示する。
式中、R、R、a及びnは一般式(1)の定義と同じである。
上記製造方法において、一般式(1A)で表される化合物1Aは、上述の製造方法-1により得られた化合物を用いることができる。アルキレンオキシ化剤としては、例えば、エチレンカーボネート等の一般式(3)で表されるカーボネート類や、2-クロロエタノール、3-クロロ-1-プロパノールなどのハロゲン化アルコールを、目的化合物に応じて用いることができる。
上記製造方法において、アルキレンオキシ化剤として一般式(3)で表されるカーボネート類を使用する場合について、以下説明する。
化合物1Aとカーボネート類の原料モル比は、化合物1A/カーボネート類が、通常は1/2~1/5程度の範囲であり、好ましくは1/2~1/4程度の範囲であり、さらに好ましくは1/2~1/3程度の範囲である。
上記製造方法において、反応時に塩基性触媒を使用することが好ましく、その塩基性触媒としては、一般に公知のものを用いることができる。具体的には、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、水酸化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属塩、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のトリオルガノホスフィン化合物、1-メチルイミダゾール等のアミン触媒、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メトキシナトリウム、フェノキシナトリウム等のアルカリ触媒を例示できる。これらの塩基性触媒は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
この塩基性触媒の使用量としては、一般式(1A)で表される化合物1Aの0.001~10重量%であり、好ましくは0.01~1重量%である。
カーボネート類を過剰量使用することで反応を無溶媒で行うことも可能であるが、経済性や操作性の観点から、通常は有機溶媒を用いて行うことが好ましい。
反応溶媒を用いる場合、反応不活性な各種公知の溶媒を使用することができる。かかる反応溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、1,2-ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ブタノール、エチレングリコール等の脂肪族アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒等が挙げられる。
反応溶媒の使用量に関しては特に制限はないが、化合物1Aに対して、0.5~10重量倍の範囲であることが好ましく、0.5~5重量倍の範囲であることがより好ましい。
上記製造方法は、大気雰囲気下、あるいは、不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよいが、反応生成物の着色等を抑制するために、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
反応温度は反応が進行する温度であれば特に限定はされないが、通常は加熱下に行われる。例えば、100℃~250℃で行われ、好ましくは溶媒の還流下で行われる。
反応時間は、反応温度、使用するカーボネート類、塩基性触媒の量と種類等によるが、通常は3~24時間程度にて行われる。当該反応においては、炭酸ガスの発生がおさまった時点を反応終了の目安とすることができる。
得られた反応終了混合物は、常法に準じて、分離・精製することにより、反応混合物から化合物1Bを得ることができる。
塩基性触媒を用いる場合は、これに酸含有水(例えば、塩酸、硫酸)や酢酸、プロピオン酸等を加えて中和する。後述の加水分解工程を行った後にこの中和工程を行ってもよい。
この反応では、カーボネート類を過剰量加えているため、反応終了後も反応液中にカーボネート類が残存しているため、この状態で加熱等処理を行うと、副反応が進行し、目的化合物である化合物1Bの純度及び収量が低下する恐れがあることから、水を添加してカーボネート類の加水分解工程を行うことが好ましい。使用する水の量としては、上記反応で使用したカーボネート類の量に対して、1~10モル倍の範囲である。
温度としては、反応液の沸点未満であればよいが、通常、室温から反応液の沸点未満の範囲である。具体的には、下限は10℃以上、より好ましくは20℃以上である。上限は使用する溶媒の沸点にもよるが、150℃以下であることが好ましい。
その後、必要に応じて水と分離する溶媒を加えてから、油層を複数回水洗し、水層を分離除去し、得られた油層から減圧下で溶媒等の低沸点物を留出させて除去し、水洗、晶析、ろ過、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による分離、乾燥等の後処理操作を行うことができる。さらに純度を高めるため、常法に準じて、さらに、蒸留や再結晶、カラムクロマトグラフィーによる精製を行ってもよい。
本発明における、化合物1Bのうち、下記式(15)で表される1,3-ビス[1-メチル-1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼンの結晶は、結晶性を有する固体として取り扱うことができることから、熱可塑性樹脂の工業的な製造に当り、取り扱い性や輸送性に優れるため、非常に有用である。
Figure 2023138918000023
本発明における、一般式(1)で表される1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン化合物の化合物1Cの具体例を示す。
Figure 2023138918000024
Figure 2023138918000025
Figure 2023138918000026
Figure 2023138918000027
Figure 2023138918000028
Figure 2023138918000029
Figure 2023138918000030
Figure 2023138918000031
Figure 2023138918000032
<モノマーの製造方法-3>
化合物1Cの製造方法としては、下記反応式で例示するとおり、一般式(1A)で表される化合物と、一般式(4)で表されるハロゲン化カルボン酸又はそのエステルを反応させて、目的とする一般式(1C)で表される化合物を得る製造方法が挙げられる。
Figure 2023138918000033
式中、R、R、R、a及びmは一般式(1)の定義と同じであり、Xはハロゲン原子を示す。
上記製造方法-3において、一般式(1A)で表される化合物1Aは、上述の製造方法-1により得られた化合物を用いることができる。
一般式(4)中のXは、ハロゲン原子であり、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であることが好ましい。
一般式(4)で表されるハロゲン化カルボン酸又はそのエステルの使用量は、化合物1Aに対する仕込みモル比として、理論値(2.0)以上であれば、特に限定されるものではないが、通常2モル以上を使用し、好ましくは2.1~3.0モル使用し、より好ましくは2.2~2.8モル使用する。
上記製造方法-3においては、化合物1Aを塩基によりフェノキシド化して、求核性を高めて一般式(4)で表されるハロゲン化カルボン酸又はそのエステルと反応を行うことが好ましい。このような塩基としては、特に限定されないが、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物のほか、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基などが好適に使用することができる。中でも、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムが好ましい。この塩基の使用量は化合物1A1モルに対して、2.0~2.5モル倍が好ましく、2.05~2.15モル倍がより好ましい。
また、上記製造方法-3においては、反応効率を向上させるために、アルカリ金属ヨウ化物やアンモニウムヨウ化物などのヨウ化物塩の存在下で反応を行うことが好ましい。具体的には、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化テトラアルキルアンモニウム、ヨウ化テトラアリールアンモニウム、ヨウ化テトラアリールアルキルアンモニウムなどが挙げられる。これらは、単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。ヨウ化物塩の使用量は、化合物1Aに対して、0.02~0.2重量倍の範囲が好ましく、0.02~0.1重量倍の範囲がより好ましく、0.02~0.05重量倍の範囲がさらに好ましい。
上記製造方法-3において使用できる溶媒として、非プロトン性極性溶媒を用いることが好ましい。
具体的には、例えば、ジエチルケトン(炭素原子数5)、メチルイソブチルケトン(炭素原子数6)、メチルアミルケトン(炭素原子数7)、メチルヘキシルケトン(炭素原子数8)等の炭素原子数5~8の鎖状脂肪族ケトン、アセトニトリル、プロパンニトリル等の炭素数が2~6の鎖状ニトリル系溶媒、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
反応に使用する溶媒量としては、化合物1Aに対して、1.5~5重量倍の範囲が好ましく、1.5~3.5重量倍の範囲がより好ましく、1.5~2.5重量倍の範囲がさらに好ましい。
上記製造方法は、大気雰囲気下、あるいは、不活性ガス雰囲気下のいずれで行ってもよいが、反応生成物の着色等を抑制するために、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下が好ましい。
反応温度は、通常50~160℃の範囲である。
反応圧力は、通常、常圧条件下で行われるが、使用する溶媒の沸点によっては、反応温度が前記範囲内になるように、加圧条件下又は減圧条件下で行ってもよい。
反応時間は、反応温度等の反応条件により異なるが、通常1~30時間程度で終了する。
得られた反応終了混合物は、常法に準じて、分離・精製することにより、反応混合物から化合物1Cを得ることができる。例えば、水洗、晶析、ろ過、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による分離などの後処理操作を行うことができる。さらに純度を高めるため、常法に準じて、さらに、蒸留や再結晶、カラムクロマトグラフィーによる精製を行ってもよい。
一般式(1C)で表される化合物のうち、一般式(1C)中のRがアルカリ金属である金属塩は、一般式(1C)中のRがアルキル基であるエステル化合物を、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等アルカリ金属水酸化物といった塩基を用いて加水分解反応をさせることにより、製造することができる。
一般式(1C)で表される化合物のうち、一般式(1C)中のRが水素原子であるカルボン酸化合物はこの金属塩を含む反応液を酸性とすることで製造することもできる。その際、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩を一時的に分取してもよい。また、金属塩を分取せずに、金属塩を含む反応液を酸性としてカルボン酸化合物を製造する場合は、エステル由来のアルコールを反応系中から留去する工程を加えて、その後、反応液を酸性とすることが、高純度なカルボン酸化合物を得る上で好適である。また、一般式(1C)で表される化合物のうち、一般式(1C)中のRがアルキル基であるエステル化合物を得る場合は、良好な反応収率で製造する観点から、反応液中の水分量を、化合物1Aに対して0.01重量%以上3.0重量%以下の範囲とすることが好ましい。この水分量の上限値は、2.0重量%以下の範囲がより好ましく、1.5重量%以下の範囲がさらに好ましく、1.0重量%以下の範囲が特に好ましい。
本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂等、特に制限はないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂又はポリエステル樹脂であることが好ましく、下記式で表される構成単位(A)を含むことがより好ましい。
Figure 2023138918000034
式中、R、R、及びaは一般式(1)の定義と同じである。
本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂において、全構成単位に占める上記式で表される構成単位(A)の割合は特に限定されないが、全構成単位中1~80モル%であることが好ましく、1~60モル%であることがより好ましく、5~50モル%であることが特に好ましい。
つまり、本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、上記式で表される構成単位(A)以外にも、一般的にポリカーボネート樹脂やポリエステルカーボネート樹脂の構成単位として用いられる脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位や芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位を含むことができる。
具体的には、脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、様々なものが挙げられるが、特に、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、1,3-アダマンタンジメタノール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2-(5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2-メチルプロパン-1-オール、イソソルビド、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、様々なものを挙げることができるが、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、及びビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビスフェノキシエタノールフルオレン等を挙げることができる。
また、本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、下記一般式(6)で表されるモノマー由来の構成単位(B)を含むことが好ましい。
Figure 2023138918000035
一般式(6)において、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリールオキシ基、及び、-C≡C-Rからなる群より選択される。Rは置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、又は、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基を表す。
及びRは、好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数6~12のアリール基である。
一般式(6)において、Xは、単結合であるか、又は置換基を有してもよいフルオレン基を表す。Xは、好ましくは、単結合、又は、合計炭素数が12~20の置換基を有してもよいフルオレン基である。
一般式(6)において、A及びBは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキレン基であり、好ましくは、炭素数2又は3のアルキレン基である。
一般式(6)において、m及びnは、それぞれ独立に、0~6の整数であり、好ましくは0~3の整数であり、より好ましくは0又は1である。
一般式(6)において、a及びbは、それぞれ独立に、0~10の整数であり、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは1又は2である。
構成単位(B)の具体例として、2,2’-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)-1,1’-ビナフタレン(BNE),DPBHBNA等に由来するものが挙げられる。
Figure 2023138918000036
また、本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、下記一般式(7)で表されるモノマー由来の構成単位(C)を有することが好ましい。
Figure 2023138918000037
一般式(7)において、R及びRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルコキシル基、及び、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基からなる群より選択される。
及びRは、好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、置換基を有してもよい炭素数6~12のアリール基である。
一般式(7)において、Yは、単結合、置換基を有してもよいフルオレン基、又は下記式(8)~(14)で表される構造式のうちいずれかであり、好ましくは、単結合、又は、下記式(8)で表される構造式である。
Figure 2023138918000038
式(8)~(14)中、R61、R62、R71及びR72は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数6~30のアリール基を表すか、あるいは、R61及びR62、又はR71及びR72が互いに結合して形成する、置換基を有してもよい炭素数1~20の炭素環又は複素環を表す。
式(8)~(14)において、r及びsは、それぞれ独立して、0~5000の整数である。
上記一般式(7)において、A及びBは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキレン基であり、好ましくは、炭素数2又は3のアルキレン基である。上記一般式(7)において、p及びqは、それぞれ独立に、0~4の整数であり、好ましくは0又は1である。また、上記一般式(7)において、a及びbは、それぞれ独立に、0~10の整数であり、好ましくは0~5の整数であり、より好ましくは0~2の整数であり、例えば、0又は1である。
構成単位(C)の具体例として、BPEF(9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン)、BPPEF(9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)フルオレン)、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)ナフタレン-2-イル]フルオレン(BNEF)、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジクロロエチレン、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールP-AP(4,4’-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールP-CDE(4,4’-シクロドデシリデンビスフェノール)、ビスフェノールP-HTG(4,4’-(3,3,5-トリメチルシクロへキシリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールP-MIBK(4,4’-(1,3-ジメチルブチリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールPEO-FL(ビスフェノキシエタノールフルオレン)、ビスフェノールP-3MZ(4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルシクロヘキシル]フェノール)、ビスフェノールOC-FL(4,4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール)、ビスフェノールZ、BP-2EO(2,2’-[[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルビス(オキシ)ビスエタノール)、S-BOC(4,4’-(1-メチルエチリデン)ビス(2-メチルフェノール))、TrisP-HAP(4,4’,4’’-エチリデントリスフェノール)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン(BPAP)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロドデカン(HPCD)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン(BCFL)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン(BPBP)、1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン(BPM)等に由来するものが挙げられる。これらの中でも、構成単位(C)として、BPEF、BNEF、又はBCFLに由来するものが好ましく挙げられる。
Figure 2023138918000039
本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、構成単位(A)を必須とするが、構成単位(B)を含み構成単位(C)を含まないポリマー、構成単位(C)を含み構成単位(B)を含まないポリマーの他にも、構成単位(B)と構成単位(C)とを有する共重合体、構成単位(B)を有するポリマーと構成単位(C)を有するポリマーとの混合物、これらの組み合わせであってもよい。構成単位(C)を含み構成単位(B)を含まないポリマーとして、例えば、下記の式(I-1)~(I-3)の構成単位を有するものが挙げられ、構成単位(B)と構成単位(C)とを有する共重合体として、例えば、下記の式(II-1)~(II-4)の構成単位を有するものが挙げられる。
Figure 2023138918000040
(式(I-1)中、m及びnは、それぞれ、1~10の整数であり、好ましくは1~5の整数であり、より好ましくは1であり、
式(I-3)の繰り返し単位数は、1~10の整数であり、好ましくは1~5の整数であり、より好ましくは1である。)
また、複数の種類の構成単位を有するポリマーとして、m及びnの値が例えば100以上と大きいブロック共重合体、及び、ランダム共重合体のいずれもが採用できるものの、ランダム共重合体が好ましく、より好ましくは、m及びnの値が1であるランダム共重合体が用いられる。
Figure 2023138918000041
(式(II-1)~(II-4)中、m及びnは、それぞれ独立して、1~10の整数であり、好ましくは1~5の整数であり、より好ましくは1である。)
また、複数の種類の構成単位を有するポリマーとして、m及びnの値が例えば100以上と大きいブロック共重合体、及び、ランダム共重合体のいずれもが採用できるものの、ランダム共重合体が好ましく、より好ましくは、m及びnの値が1であるランダム共重合体が用いられる。
共重合体において、構成単位(B)と構成単位(C)とのモル比は、1:99~99:1であることが好ましく、10:90~90:10であることがより好ましく、15:85~85:15であることがさらに好ましく、30:70~70:30であることが特に好ましい。また、混合物においては、構成単位(B)を有するポリマーと構成単位(C)を有するポリマーとの質量比が、1:99~99:1であることが好ましく、10:90~90:10であることがより好ましく、15:85~85:15であることがさらに好ましく、30:70~70:30であることが特に好ましい。
本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、更に、下記のモノマー群から選択される少なくとも一つのモノマーに由来する構成単位を含むものも好ましい。
Figure 2023138918000042
(上記式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又は炭素数2~5のアルキレングリコールを表す。)
また、本発明の一実施形態の熱可塑性樹脂は、下記一般式(16)で表されるモノマー由来の構成単位(D)を有することが好ましい。この場合、一般式(16)で表されるモノマー由来の構成単位(D)の含有量は、全構成単位中、1~50モル%であることが好ましく、1~30モル%であることがより好ましい。
Figure 2023138918000043
一般式(16)において、
は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し;
およびRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、または芳香族基を含んでいてもよい炭素数1~20の置換基を表し;
j3およびj4は、それぞれ独立に、0~4の整数を表し;
tは、0または1の整数を表す。
上記一般式(16)において、Lは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。Lは、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1~5のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2または3のアルキレン基であることがさらに好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。Lのアルキレン基の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基およびこれらの組合せが挙げられ、これらの基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
およびRは、存在する場合、それぞれ独立に、ハロゲン原子、または芳香族基を含んでいてもよい炭素数1~20の置換基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、芳香族基を含んでいてもよい炭素数1~20の置換基としては、メチル基、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ベンゾチエニル基などが挙げられる。ナフチル基としては、1-ナフチル基、2-ナフチル基などが挙げられ、チエニル基としては、2-チエニル基、3-チエニル基などが挙げられる。また、ベンゾチエニル基としては、2-ベンゾ[b]チエニル基、3-ベンゾ[b]チエニル基などが挙げられる。これらの基は、さらに置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば上記でLのアルキレン基の置換基として記載したものが挙げられるが、それに限定されるものではない。
j3およびj4は、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。j3およびj4は、0~2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
tは、0または1の整数を表し、1であることが好ましい。
一般式(16)で表されるモノマーは、好ましくは以下の式(16’)で表される構造を有する。
Figure 2023138918000044
本発明の好ましい一実施形態のポリカーボネート樹脂には、製造時に副生成物として生じ得るフェノール系化合物などのアルコール系化合物や、反応せずに残存したジオール成分又は炭酸ジエステルが不純物として存在している場合がある。
不純物であるフェノール系化合物などのアルコール系化合物や炭酸ジエステルは、成形体としたときの強度低下や、臭気発生の原因ともなり得るため、これらの含有量は極力少ない程好ましい。
残存するフェノール系化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量%に対して、好ましくは3000質量ppm以下、より好ましくは1000質量ppm以下、特に好ましくは300質量ppm以下である。
残存するジオール成分の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量%に対して、好ましくは1000質量ppm以下、より好ましくは100質量ppm以下、特に好ましくは10質量ppm以下である。
残存する炭酸ジエステルの含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量%に対して、好ましくは1000質量ppm以下、より好ましくは100質量ppm以下、特に好ましくは10質量ppm以下である。
特に、フェノール、t-ブチルフェノールなどの化合物の含有量が、少ないことが好ましく、これらの化合物が上記範囲内であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂中に残存するフェノール系化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂から抽出したフェノール系化合物を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析する手法により測定することができる。
ポリカーボネート樹脂中に残存するアルコール系化合物の含有量についても、ポリカーボネート樹脂から抽出したアルコール系化合物を、ガスクロマトグラフィーを用いて分析する手法により測定することができる。
ポリカーボネート樹脂中に残存するジオール成分、炭酸ジエステルの含有量も、ポリカーボネート樹脂からこれらの化合物を抽出し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析する手法により測定することができる。
フェノール系化合物などの副生アルコール系化合物、ジオール成分及び炭酸ジエステルの含有量は、検出されないほど低減してもよいが、生産性の観点から、効果を損なわない範囲で、わずかに含有していてもよい。また、わずかな量であれば、樹脂溶融時に可塑性を良好とすることもできる。
残存するフェノール系化合物、ジオール成分又は炭酸ジエステルのそれぞれの含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量%に対して、例えば、0.01質量ppm以上、0.1質量ppm以上、又は1質量ppm以上であってもよい。
残存するアルコール系化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量%に対して、例えば、0.01質量ppm以上、0.1質量ppm以上、又は1質量ppm以上であってもよい。
なお、ポリカーボネート樹脂中のフェノール系化合物などの副生アルコール系化合物、ジオール成分及び炭酸ジエステルの含有量は、重縮合の条件や装置の設定を適宜調整することで、上記範囲となるように調節することは可能である。また、重縮合後の押出工程の条件によっても調節可能である。
例えば、フェノール系化合物などの副生アルコール系化合物の残存量は、ポリカーボネート樹脂の重合に用いる炭酸ジエステルの種類や、重合反応温度および重合圧力等に関係する。これらを調整することでフェノール系化合物などの副生アルコール系化合物の残存量を低減し得る。
例えば、炭酸ジエチルなどの炭酸ジアルキルを用いてポリカーボネート樹脂を製造した場合、分子量が上がりにくく、低分子量のポリカーボネートとなり、副生するアルキルアルコール系化合物の含有量が高くなる傾向にある。このようなアルキルアルコールは揮発性が高く、ポリカーボネート樹脂中に残存すると、樹脂の成形性が悪化する傾向にある。また、フェノール系化合物などの副生アルコール系化合物の残存量が多いと、樹脂の成形時に、臭気の問題が生じる可能性や、コンパウンド時に樹脂骨格の開裂反応が進行して分子量の低下が生じる可能性がある。したがって、得られたポリカーボネート樹脂中の残存する副生アルコール系化合物の含有量が、ポリカーボネート樹脂(100質量%)に対して、3000質量ppm以下であることが好ましい。残存するアルコール系化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量%に対して、好ましくは3000質量ppm以下、より好ましくは1000質量ppm以下、特に好ましくは300質量ppm以下である。
<熱可塑性樹脂の物性>
(1)屈折率(nD)
本発明の一実施形態において、熱可塑性樹脂は高屈折率であることが特徴の一つであり、屈折率は、1.600~1.700であることが好ましく、1.626~1.700であることがより好ましく、1.630~1.650であることが特に好ましい。本発明において屈折率は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
(2)アッベ数(ν)
本発明の一実施形態において、熱可塑性樹脂のアッベ数は、22.0~26.0であることが好ましく、23.0~26.0であることがより好ましく、23.0~24.7であることが特に好ましい。本発明においてアッベ数は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
(3)ガラス転移温度(Tg)
本発明の一実施形態において、熱可塑性樹脂は、高耐熱性であることが特徴の一つであり、ガラス転移温度(Tg)は、70~200℃であることが好ましく、100~200℃であることがより好ましく、100~150℃であることが更に好ましく、125~150℃であることが更により好ましく、125~145℃であることが更により好ましく、125~140℃であることが特に好ましい。本発明においてガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
(4)ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)
本発明の一実施形態において、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、10,000~100,000であることが好ましく、10,000~80,000であることがより好ましく、10,000~60,000であることが特に好ましい。
(5)光弾性係数
本発明の一実施形態において、熱可塑性樹脂は、光弾性係数が低いことが特徴の一つであり、光弾性係数は、25~45であることが好ましく、25~38であることがより好ましく、30~38であることが特に好ましい。本発明において光弾性係数は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明の別の実施形態は、上述した熱可塑性樹脂と添加剤とを含む熱可塑性樹脂組成物である。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、本実施形態の所望とする効果を損なわない範囲で、上述した構成単位(A)を含む本発明の熱可塑性樹脂以外の樹脂を併用することができる。そのような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアセタール樹脂及びメチルメタクリレート-スチレン共重合樹脂からなる群より選択される少なくとも1つの樹脂が挙げられる。これらは種々既知のものを用いることができ、1種を単独で又は2種以上を併用して熱可塑性樹脂組成物に加えることができる。
[酸化防止剤]
熱可塑性樹脂組成物は、上記添加剤として酸化防止剤を含むことが好ましい。
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。
フェノール系酸化防止剤として、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジンe-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、4,4’,4’’-(1-メチルプロパニル-3-イリデン)トリス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、6,6’-ジ-tert-ブチル-4,4’-ブチリデンジ-m-クレゾール、オクラデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9-ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキソスピロ[5.5]ウンデカン、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、好ましくは、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
ホスファイト系酸化防止剤として、2-エチルヘキシルジフェニルフォスファイト、イソデシルジフェニルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、3,9-ビス(オクタデシルオキシ)-2,4,8,10-テトラオキシ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’-メチルエンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルフォスファイト、トリス(2,4-ジtert-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、テトラ-C12-15-アルキル(プロパン-2,2-ジイルビス(4,1-フェニルエン))ビス(フォスファイト)、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられ、好ましくは、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカンである。
酸化防止剤として、上述のいずれか1種類のみを用いても、2種類以上の混合物を用いてもよい。
熱可塑性樹脂組成物において、酸化防止剤は、樹脂組成物の全重量を基準として1重量ppm~3000重量ppm含まれることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物における酸化防止剤の含有量は、より好ましくは50重量ppm~2500重量ppmであり、さらに好ましくは100重量ppm~2000重量ppmであり、特に好ましくは150重量ppm~1500重量ppmであり、より一段と好ましくは200重量ppm~1200重量ppmである。
[離型剤]
熱可塑性樹脂組成物は、上記添加剤として離型剤を含むことが好ましい。
離型剤として、エステル化合物、例えば、グリセリン脂肪酸のモノ・ジグリセリド等のグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のグリコール脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステル、脂肪族多価アルコールと脂肪族カルボン酸とのフルエステルあるいはモノ脂肪酸エステル等が挙げられる。離型剤として、脂肪族多価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステルを用いる場合、モノエステル、フルエステル等、いずれも採用できるが、例えばモノエステル等のフルエステル以外であってもよい。
離型剤の具体例として、以下のものが挙げられる。
すなわち、ソルビタン ステアレート、ソルビタン ラウレート、ソルビタン オレート、ソルビタン トリオレート、ソルビタン トリベヘネート、ソルビタン ステアレート、ソルビタン トリステアレート、ソルビタン カプリレート等のソルビタン脂肪酸エステル;
プロピレングリコール モノステアレート、プロピレングリコール モノオレート、プロピレングリコール モノベヘネート、プロピレングリコール モノラウレート、プロピレングリコール モノパルミテート等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;
ステアリル ステアレート等の高級アルコール脂肪酸エステル;
グリセリン モノステアレート、グリセリン モノ12-ヒドロキシステアレート等のグリセリン モノヒドロキシステアレート、グリセリン モノオレート、グリセリン モノベヘネート、グリセリン モノカプリレート、グリセリン モノカプレート、グリセリン モノラウレート等のモノグリセライド:グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリセリンモノ・ジオレート等のモノ・ジグリセライド:を含む、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド;
グリセリン ジアセトモノ ラウレート等のグリセリン脂肪酸エステルアセチル化モノグリセライド;
クエン酸脂肪酸 モノグリセライド、コハク酸脂肪酸 モノグリセライド、ジアセチル酒石酸脂肪酸 モノグリセライド等のグリセリン脂肪酸エステル有機酸モノグリセライド;
ジグリセリン ステアレート、ジグリセリン ラウレート、ジグリセリン オレート、ジグリセリン モノステアレート、ジグリセリン モノラウレート、ジグリセリン モノミリステート、ジグリセリン モノオレート、テトラグリセリン ステアレート、デカグリセリン ラウレート、デカグリセリン オレート、ポリグリセリン ポリリシノレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物において、離型剤は、樹脂組成物の全重量を基準として1重量ppm~5000重量ppm含まれることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物における離型剤の含有量は、より好ましくは50重量ppm~4000重量ppmであり、さらに好ましくは100重量ppm~3500重量ppmであり、特に好ましくは500重量ppm~13000重量ppmであり、より一段と好ましくは1000重量ppm~2500重量ppmである。
[その他の添加剤]
熱可塑性樹脂組成物には、上述の酸化防止剤及び離型剤以外にも、その他の添加剤を加えてもよい。例えば、熱可塑性樹脂組成物が含み得る添加剤として、配合剤、触媒失活剤、熱安定剤、可塑剤、充填剤、紫外線吸収剤、防錆剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、滑剤、染料、顔料、ブルーイング剤、核剤、透明化剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物における酸化防止剤及び離型剤以外のその他の添加剤の含有量は、好ましくは10重量ppm~5.0重量%であり、より好ましくは100重量ppm~2.0重量%であり、さらに好ましくは1000重量ppm~1.0重量%であるが、これには限定されない。
上述の添加剤は、透過率に悪影響を与える可能性があり、過剰に添加しないことが好ましく、例えば、合計の添加量は上述の範囲内である。
<光学部材>
本発明の熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と略す)は、光学部材に好適に用いることができる。本発明の一実施形態において、本発明の樹脂組成物を含む光学部材が提供される。本発明の一実施形態において、光学部材には、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、レンズ、プリズム、光学膜、基盤、光学フィルター、ハードコート膜等が含まれるが、これらに限定されない。本発明の樹脂組成物は、高流動でキャスト法による成形が可能であるため、特に薄型の光学部材の製造に好適である。本発明の好ましい実施形態において、本発明の樹脂組成物を用いて製造される光学部材は、光学レンズであってよい。本発明の別の好ましい実施形態において、本発明の樹脂組成物を用いて製造される光学部材は、光学フィルムであってよい。
本発明の樹脂組成物を含む光学部材を射出成形で製造する場合、シリンダー温度260~350℃、金型温度90~170℃の条件にて成形することが好ましい。さらに好ましくは、シリンダー温度270~320℃、金型温度100~160℃の条件にて成形することが好ましい。シリンダー温度が350℃より高い場合では、樹脂組成物が分解着色し、260℃より低い場合では、溶融粘度が高く成形が困難になりやすい。また、金型温度が170℃より高い場合では、樹脂組成物からなる成形片が金型から取り出すことが困難になりやすい。他方、金型温度が、90℃未満では、成形時の金型内で樹脂が早く固まり過ぎて成形片の形状が制御しにくくなったり、金型に付された賦型を十分に転写することが困難になったりしやすい。
<光学レンズ>
本発明の一実施形態において、樹脂組成物は、光学レンズに好適に用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いて製造される光学レンズは、高屈折率であり、耐熱性に優れるため、望遠鏡、双眼鏡、テレビプロジェクター等、従来、高価な高屈折率ガラスレンズが用いられていた分野に用いることができ、極めて有用である。
例えばスマートフォンのレンズでは、構成単位(A)を含む熱可塑性樹脂から成形されたレンズと、式(II-1)~(II-4)のいずれかの構成単位を含む樹脂、あるいは、
Figure 2023138918000045
(上記式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又は炭素数2~5のアルキレングリコールを表す。)
上記式のいずれかのモノマーに由来する構成単位を含む樹脂から成形されたレンズとを、重ね合わせてレンズユニットとして用いることができる。
本発明の光学レンズは、必要に応じて非球面レンズの形を用いることが好適に実施される。非球面レンズは、1枚のレンズで球面収差を実質的にゼロとすることが可能であるため、複数の球面レンズの組み合わせで球面収差を取り除く必要が無く、軽量化及び成形コストの低減化が可能になる。したがって、非球面レンズは、光学レンズの中でも特にカメラレンズとして有用である。
また、本発明の光学レンズは、成形流動性が高いため、薄肉小型で複雑な形状である光学レンズの材料として特に有用である。具体的なレンズサイズとして、中心部の厚みが0.05~3.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.05~2.0mm、さらに好ましくは0.1~2.0mmである。また、直径が1.0mm~20.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.0~10.0mm、さらに好ましくは、3.0~10.0mmである。また、その形状として片面が凸、片面が凹であるメニスカスレンズであることが好ましい。
本発明の光学レンズは、金型成形、切削、研磨、レーザー加工、放電加工、エッチングなど任意の方法により成形される。この中でも、製造コストの面から金型成形がより好ましい。
<光学フィルム>
本発明の一実施形態において、樹脂組成物は、光学フィルムに好適に用いることができる。特に、本発明のポリカーボネート樹脂を用いて製造される光学フィルムは、透明性及び耐熱性に優れるため、液晶基板用フィルム、光メモリーカード等に好適に使用される。
光学フィルムへの異物の混入を極力避けるため、成形環境も当然低ダスト環境でなければならず、クラス6以下であることが好ましく、より好ましくはクラス5以下である。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。得られた樹脂の物性値は、以下の方法及び装置に基づいて測定した。
1)重量平均分子量(Mw)
得られた樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレン換算で算出した。使用装置、カラム、及び測定条件は以下の通りである。
・GPC装置:東ソー(株)製、HLC-8420GPC
・カラム:東ソー(株)製、TSKgel SuperHM-M ×3本
東ソー(株)製、TSKgel guardcolumn SuperH-H ×1本
東ソー(株)製、TSKgel SuperH-RC ×1本
・検出器:RI検出器
・標準ポリスチレン:東ソー(株)製、標準ポリスチレンキット PStQuick C
・試料溶液:0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
・溶離液:テトラヒドロフラン
・溶離液流速:0.6mL/min
・カラム温度:40℃
2)ガラス転移温度(Tg)
JIS K7121-1987に基づき示差熱走査熱量分析計により、10℃/分の昇温プログラムにて測定した。
示差熱走査熱量分析計:ティー・エイ・インスツルメント社製(TA Instruments)DSC2500
3)屈折率(nD)
JIS B 7071-2:2018に基づき、ポリカーボネート樹脂を成形してVブロックを得て試験片とした。23℃にて屈折率計(島津製作所製KPR-3000)を用いて屈折率を測定した。
4)アッベ数(ν)
屈折率測定で用いたものと同様の試験片(Vブロック)を用い、屈折率計を用い、23℃下での波長486nm、589nm、656nmの屈折率を測定し、下記式を用いてアッベ数を算出した。
屈折率計:島津製作所製KPR-3000
ν=(nD-1)/(nF-nC)
nD:波長589nmでの屈折率
nC:波長656nmでの屈折率
nF:波長486nmでの屈折率
5)光弾性係数
得られた樹脂をジクロロメタンに溶解し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液をバット上に広げ、溶媒を蒸発し、厚さ0.1mmのフィルムを得てこれをサンプル片とした。
エリプソメータにより、光弾性係数を測定した。
測定方法:波長633nmでの荷重変化に対する複屈折の変化を測定することにより光弾性係数を算出した。
エリプソメータ:日本分光株式会社製 エリプソメータ M-220
[合成例1]
1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼンの製造
Figure 2023138918000046
還流器を備えた1000mLの4つ口フラスコに2-フェニルフェノール157.7g(0.93モル)、メタノール21.0gを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで完全に置換した後、内温35℃で、フラスコ内を塩酸ガスで完全に置換した。
一方、別のガラス容器に、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノール30.0g(0.15モル)と2-フェニルフェノール53.0g(0.31モル)、メタノール37.5gを仕込み、65℃に加温して溶液Aを調製した。
4つ口フラスコの内温30℃を維持しながら塩酸ガスを吹き込み、上記溶液Aを滴下ロートにより2時間かけて滴下した。滴下終了後から内温を25℃に下げて、一晩撹拌を続けた。
反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液で反応液の中和を行い、分離した水層を取り除いた。トルエンを192.5g、水を45.0g添加して、内温65℃で30分間撹拌した後、静置し、分離した水層を取り除いた。その後、得られた油層の水洗操作を内温75℃で2回繰り返し、中和により生成した塩化ナトリウムを除去した。
その後、フラスコ内のトルエン及び2-フェニルフェノールを、加熱減圧条件下で蒸留(最終フラスコの内温270℃、内圧0.6kPa)により留去した。その後、フラスコ内の残渣を取り出した。冷却して得られた固体は無色透明であった。
以下のNMR分析により、得られた固体は目的物であることを確認した。
<NMR分析>
測定装置:フーリエ変換核磁気共鳴AVANCE III HD 400(BRUKER製)
測定サンプルを重水素化クロロホルム(CDCl)に溶解し、13C-NMR及びH-NMRスペクトルを測定した。
H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl)δ<ppm>:1.75(s、6H)、5.32(s、1H)、7.10-7.55(m、9H).
13C-NMR(400MHz、溶媒:CDCl)δ<ppm>:31.09、42.60、115.43、123.97、127.39、127.69、127.75、127.85、128.48、129.23、129.26、137.73、148.29、150.19、150.37.
原料であるα,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノールに対する、得られた固体は目的物の収率は、89モル%であった。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は91.9%であった。
[合成例2]
1,3-ビス[1-メチル-1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼンの製造
Figure 2023138918000047
還流器を備えた500mLの4つ口フラスコに3-フェニルフェノール52.6g(0.31モル)、メタノール11.8gを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで完全に置換した後、内温35℃で、フラスコ内を塩酸ガスで完全に置換した。
一方、別のガラス容器に、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノール15.0g(0.08モル)と3-フェニルフェノール26.0g(0.15モル)、メタノール18.8gを仕込み、65℃に加温して溶液Aを調製した。
4つ口フラスコの内温30℃を維持しながら塩酸ガスを吹き込み、上記溶液Aを滴下ロートにより1.5時間かけて滴下した。滴下終了後から内温を25℃に下げて、一晩撹拌を続けた。
反応終了後、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、水酸化ナトリウム水溶液で反応液の中和を行い、分離した水層を取り除いた。トルエンを96.2g、水を22.5g添加して内温65℃で30分間撹拌した後、静置し、分離した水層を取り除いた。その後、得られた油層の水洗操作を内温75℃で2回繰り返し、中和により生成した塩化ナトリウムを除去した。 その後、フラスコ内のトルエン及び3-フェニルフェノールを、加熱減圧条件下で蒸留(最終フラスコの内温220℃、内圧0.5kPa)により留去した。得られた蒸留残渣36.9g中に合成例1で合成した1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼン(以下、「化合物A」という。)が含まれていることを確認した。化合物Aのα,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノールに対する粗収率は94モル%であった。
その後、フラスコ内に、エチレンカーボネート15.3g(0.17モル)、水酸化カリウム1.6g(0.03モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド1.2g(0.004モル)、メチルイソブチルケトン110.7gを添加し、フラスコ内を窒素で置換した後、フラスコ内の液温を115℃に加温し、115℃から116℃を維持しながら5時間撹拌を行った。
反応後、フラスコ内の液温を85℃まで下げ、反応液に純水22.9gを加えて、残存するエチレンカーボネートの加水分解処理を行った。その後、12%塩酸水8.8gを添加し、中和した後、水層を分離した。得られた油層に純水を添加して撹拌した後、水層を分離する水洗操作を5回繰り返して、中和により生成した塩化カリウムを除去した。
その後、シクロヘキサン73.6gを添加し、フラスコ内の液を25℃まで冷却すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して、溶媒を含む結晶44.6gを取得した。得られた結晶は、NMR分析により、目的物である1,3-ビス[1-メチル-1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼン(以下、「化合物B」という。)であることを確認した。使用した化合物Aの量に対する化合物Bの収率は、77モル%であった。
続けて、還流器を備えた500mlの4つ口フラスコに、得られた化合物Bの結晶44.3g(化合物Bとして34.0g)、とメチルイソブチルケトン132.9gを加え、フラスコ内の液温を75℃に加熱して、撹拌することにより固体を完全に溶解させた。その後、シクロヘキサン88.6gを添加し、フラスコ内の液を25℃まで冷却すると、結晶が析出した。析出した結晶を濾別して、減圧下に加熱して乾燥し、化合物Bの白色の結晶を取得した。
H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl)δ<ppm>:1.75(s、6H)、2.22(t、1H)、3.80―3.83(q、2H)、4.03-4.05(t、2H)、6.87-6.89(d、1H)、7.12―7.55(m、10H)。
13C-NMR(400MHz、溶媒:CDCl)δ<ppm>:30.99、42.59、61.41、70.32、112.94、123.78、126.22、126.97、127.19、127.63、128.12、129.31、129.56、1、30.47、138.88、143.94、150.30、153.25。
高速液体クロマトグラフィー測定による純度は98.8%であった。
[合成例3]
<1,3-ビス[1-メチル-1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-エチル]ベンゼン(化合物γ)の製造>
Figure 2023138918000048
還流器を備えた500mLの4つ口フラスコにビスフェノールM50.0g(0.14モル)、エチレンカーボネート30.7g(0.35モル)、水酸化カリウム3.2g(0.06モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド2.3g(0.007モル)、メチルイソブチルケトン150.1gを添加し、フラスコ内を窒素で置換した後、フラスコ内の液温を115℃に加温し、115℃から116℃を維持しながら9時間撹拌を行った。
反応後、フラスコ内の液温を83℃まで下げ、反応液に純水46.0gを加えて、残存するエチレンカーボネートの加水分解処理を行った。その後、12%塩酸水溶液14.9gを添加し、中和した後、水層を分離した。得られた油層に純水を添加して撹拌した後、水層を分離する水洗操作を4回繰り返して、中和により生成した塩化カリウムを除去した。
水洗した油層を常圧蒸留によりフラスコ内から109.5g液を留出させた。そして、フラスコ内の液温を16℃まで冷却後、フラスコ内にシクロヘキサン134.1gを添加して結晶を析出させ、その後5℃まで冷却した。析出している結晶を濾別して、溶媒を含む化合物γの結晶を70.7g(固形分として50.5g)取得した。化合物γの純度は88.3%だった。使用したビスフェノールMに対する化合物γの収率は80%だった。
続けて、得られた結晶をメチルイソブチルケトンに溶解後、シクロヘキサンを添加し、晶析、濾別する操作を繰り返した。最後に減圧乾燥により付着溶媒を除去して、白色の結晶を取得した。化合物γを純度96.9%で取得した。得られた結晶は、NMR分析により、目的物の構造であることを確認した。
H-NMR(400MHz、溶媒:CDC1)δ<ppm>:1.60(s、12H)、2.30-2.33(t、2H)、3.93-3.97(dd、4H)、4.05-4.07(t、4H)、6.75-6.78(dt、4H)、6.93(t、1H)、7.04-7.08(m、6H)、7.16-7.19(dd、1H)。
13C-NMR(400MHz、溶媒:CDC1)δ<ppm>:30.99、42.54、61.66、69.32、113.91、123.73、126.40、127.50、127.93、143.60、150.46、156.41。
得られた化合物を測定サンプルとして、下記分析方法により測定した屈折率は1.593であった。
得られた化合物 γの結晶の示差走査熱量分析をした結果、吸熱ピークのオンセット温度は72.0℃であった。
<屈折率>
測定装置:屈折率計(京都電子工業(株)製:RA-500)
測定サンプルのテトラヒドロフラン溶液(濃度30%、20%、10%溶液)を作製し、屈折率計で屈折率を測定した。得られた結果から、濃度と屈折率の関係を導き、濃度100%時の値を外挿法により算出し、この値を測定サンプルの屈折率とした。
[合成例4]
<1,3-ビス[1-メチル-1-(4-(エトキシカルボニルメトキシ)-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼン(化合物1C-1)の製造>
Figure 2023138918000049
還流器を備えた1Lの4つ口フラスコに2-フェニルフェノール128.6g(0.76モル)、メタノール28.9gを仕込み、フラスコ内を窒素ガスで完全に置換した後、内温25℃で、フラスコ内を塩酸ガスで完全に置換した。
一方、別のガラス容器に、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノール36.7g(0.19モル)と2-フェニルフェノール64.3g(0.38モル)、メタノール44.4gを仕込み、65℃に加温して溶液Aを調製した。
4つ口フラスコの内温30 ℃を維持しながら塩酸ガスを吹き込み、上記溶液Aを滴下ロートにより1.5時間かけて滴下した。滴下終了後から内温を25℃に下げて、一晩撹拌を続けた。
反応終了後、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、水酸化ナトリウム水溶液で反応液の中和を行い、分離した水層を取り除いた。トルエンを239.2g、水を55.1g添加して、内温75℃で30分間撹拌した後、静置し、分離した水層を取り除いた。その後、得られた油層の水洗操作を内温75 ℃ で3回繰り返し、中和により生成した塩化ナトリウムを除去した。
その後、フラスコ内のトルエン及び2-フェニルフェノールを、加熱減圧条件下で蒸留(最終フラスコの内温220℃、内圧0.5kPa)により留去した。得られた蒸留残渣92.9g 中に、合成例1における1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼンが含まれていることを確認した。原料であるα,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジメタノールに対する、得られた固体の収率は、79モル%であった。
その後、フラスコ内に、炭酸カリウム49.7g(0.36モル)、ヨウ化カリウム4.7g(0.03モル)、メチルイソブチルケトン297.9gを添加し、フラスコ内を窒素で置換した後、フラスコ内の液温を85℃、内圧45kPaの、加熱減圧条件下で留分91.2gを回収し、系内の水分を除去した。
系内を窒素で復圧した後、滴下ロートを用いてクロロ酢酸エチル45.7g(0.37モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後から液温80℃、内圧35~40kPaの範囲で加熱と減圧を行い、溶媒を留去しながら20時間攪拌をして、反応を行った。反応後の液は193.3gであった。その反応液を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、化合物1C-1が含まれていることを確認した。1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼンに対する、得られた固体の収率は47モル%であった。
分取液体クロマトグラフィーにより、反応液から化合物1C-1を分離して、淡黄色の樹脂状固体を取得した。
NMR分析により、得られた固体は目的物の化合物1C-1であることを確認した。
H-NMR(400MHz、溶媒:CDCl)δ<ppm>:1.27(t、6H)、1.64(s、12H)、4.21(q、4H)、4.52(s、4H)、6.69(d、2H)、7.02-7.07(m、4H)、7.15-7.20(m、4H)、7.28-7.33(m、2H)、7.36-7.40(m、4H)、7.53-7.56(m、4H)。
13C-NMR(400MHz、溶媒:CDC1)δ<ppm>:14.14、30.91、42.53、61.17、65.87、111.99、124.13、125.30、126.85、126.92、127.55、127.94、129.61、129.64、130.26、138.45、144.30、150.03、152.56、169.12。
得られた化合物1C-1高速液体クロマトグラフィー測定による純度は97.0%であった。
得られた化合物1C-1を測定サンプルとして、上記分析方法により測定した屈折率は1.583であった。
得られた固体の示差走査熱量分析をした結果、ピークが観測されず、非晶質であることが明らかになった。
<参考データ>
従来公知の1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン化合物(化合物α、β、γ)の、上記分析方法による屈折率を表1に示す。
Figure 2023138918000050
(実施例1)
原料として、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)16.694g(0.0381モル)、合成例1で得られた4-(1-{3-[1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)-イソプロピル]フェニル}-イソプロピル)-2-フェニルフェノール(別名:1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼン、略称:BisOPP-M)8.1361g(0.0163モル)、ジフェニルカーボネート(DPC)12.000g(0.0560モル)及び2.5×10-2モル/リットルの炭酸水素ナトリウム水溶液20μl(5.0×10-7モル、即ち、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、9.2×10-6モル)を撹拌機及び留出装置付きの300mL反応器に入れ、系内を窒素フロー条件とした。この反応器を200℃に加熱したオイルバスに浸けエステル交換反応を開始した。140分かけて240℃まで昇温するとともに0kPaまで減圧し、30分間保持した後、反応系内に窒素ガスを導入し、101.3kPaに戻し、ポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
(実施例2)
原料の仕込み量を表3に示した通りとした以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
(比較例1)
合成例1で得られた1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)エチル]ベンゼン(略称:BisOPP-M)8.1361g(0.0163モル)の代わりに、1,3-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)ベンゼン(略称:BPM)5.6527g(0.0163モル)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
(実施例3~4、比較例2)
原料の仕込み量を表5に示した通りとした以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表4に示す。
(実施例5)
(工程1)
9w/w%の水酸化ナトリウム水溶液500mlに、合成例1で得られたBisOPP-M 36.1g、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン(略称、BCFL) 63.9g、即ち、BisOPP-M:BCFL=30:70(モル%)を入れ、さらにハイドロサルファイト0.5gを加えて溶解した。この溶液に、ジクロロメタン300ml及びトリエチルベンジルアンモニウムクロリド(TEBAC:富士フイルム和光純薬株式会社製)0.1gを加え、撹拌しながら、溶液温度を20℃に設定し、さらにホスゲン47.8gを30分かけて吹き込んだ。
(工程2)
ホスゲンの吹き込み終了後、ジクロロメタン50mlに溶解したp-tert-ブチルフェノール(PTBP)1.45gを加え、7分間激しく撹拌して乳化させたのち、重合触媒として0.5mlのトリエチルアミンを加え、30分間重合させた。
(後工程)
重合液を水層と有機層に分離し、有機層をリン酸で中和し、洗液のpHがpH=7.0になるまで純水で水洗を繰り返した。この精製されたポリカーボネート樹脂から、有機溶媒を蒸発留去することにより、ポリカーボネート樹脂粉末を得た。このポリカーボネート樹脂粉末を120℃で24時間乾燥させ、溶媒を完全に留去させた。得られた樹脂の物性を表6に示す。
(比較例3)
BisOPP-MをBPM 28.2g、BCFLを71.8g、即ち、BPM:BCFL=30:70(モル%)に替え、ホスゲンを37.6g、PTBTを2.04gに替える以外は、実施例5と同様にしてポリカーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表6に示す。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表されるモノマー由来の構成単位(A)を含む熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000056
    (式中、Rは、各々独立して炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、Rは、各々独立して水素原子、炭素原子数6~14のアリール基又は炭素原子数7~17のアラルキル基を示し、aは、各々独立して0又は1~3の整数を示し、Rは、各々独立して-OH、-O-(CH-OH、又は-O-(CH-COORの基を示し、Rは水素原子、炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はアルカリ金属原子を示し、n及びmは、各々独立して1~4の整数を示す。)
  2. 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(1A)で表されるモノマーである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000057
    (式中、R、R及びaは一般式(1)と同じ定義である。)
  3. 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(5)で表されるモノマーである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000058
  4. 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(1B)で表されるモノマーである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000059
    (式中、R、R及びaは一般式(1)と同じ定義であり、nは独立して1~4の整数を示す。)
  5. 前記一般式(1)で表されるモノマーが、下記式(15)で表されるモノマーである、請求項1に記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000060
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、又はポリエステル樹脂である、請求項1から6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、下記一般式(6)で表されるモノマー由来の構成単位(B)及び/又は下記一般式(7)で表されるモノマー由来の構成単位(C)を含む、請求項1から6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000061
    (一般式(6)中、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリールオキシ基、及び、-C≡C-Rからなる群より選択され、
    は置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基、又は、O、N及びSから選択される1つ以上のヘテロ環原子を含む、置換基を有してもよい炭素数6~20のヘテロアリール基を表し、
    Xは、単結合であるか、又は置換基を有してもよいフルオレン基を表し、
    A及びBは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキレン基を表し、
    m及びnは、それぞれ独立に、0~6の整数を表し、
    a及びbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表す。)
    Figure 2023138918000062
    (一般式(7)中、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルコキシル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5~20のシクロアルコキシル基、及び、置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基からなる群より選択され、
    は、単結合、置換基を有してもよいフルオレン基、又は下記式(8)~(14)で表される構造式のうちいずれかであり、
    Figure 2023138918000063
    (式(8)~(14)中、
    61、R62、R71及びR72は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数6~30のアリール基を表すか、あるいは、R61及びR62、又はR71及びR72が互いに結合して形成する、置換基を有してもよい炭素数1~20の炭素環又は複素環を表し、
    r及びsは、それぞれ独立して、0~5000の整数を表す。)
    A及びBは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~5のアルキレン基を表し、
    p及びqは、それぞれ独立に、0~4の整数を表し、
    a及びbは、それぞれ独立に、0~10の整数を表す。)
  8. 前記一般式(6)及び一般式(7)において、前記A及びBが、それぞれ独立に、炭素数2又は3のアルキレン基を表す、請求項7に記載の熱可塑性樹脂。
  9. 前記熱可塑性樹脂が、少なくとも、BPEF,BNE,BNEF及びDPBHBNAのいずれかに由来する構成単位を含む、請求項7又は8に記載の熱可塑性樹脂。
  10. 前記熱可塑性樹脂が、更に、下記のモノマー群から選択される少なくとも一つのモノマーに由来する構成単位を含む、請求項1から9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
    Figure 2023138918000064
    (上記式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又は炭素数2~5のアルキレングリコールを表す。)
  11. 前記熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、10,000~100,000である、請求項1から10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  12. 前記熱可塑性樹脂の屈折率(nD)が、1.600~1.700である、請求項1から11のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  13. 前記熱可塑性樹脂のアッベ数(ν)が、22.0~26.0である、請求項1から12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  14. 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が、70~200℃である、請求項1から13のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  15. 前記熱可塑性樹脂の光弾性係数が、25~45である、請求項1から14のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  16. 請求項1~15のいずれかに記載の熱可塑性樹脂を含む、光学レンズ。
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