JP2023137998A - 筐体 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレームにパネル部材を装着する作業の簡易化を図ること。【解決手段】筐体(10)は、離間して配置される一対のフレーム(11)と、一対のフレームに装着される弾性変形可能なパネル部材(12)とを備えている。パネル部材は、主面部(21)の外縁側を基端として内方に向けられる一対の接合面部(22)を備えている。フレームは、主面部に相対する第1支持面部(11a)と、接合面部に相対する第2支持面部(11b)とを備えている。筐体は、パネル部材の弾性変形を介し、第2支持面部に接合面部を嵌合させる嵌合部(30)を備えている。【選択図】図3
Description
本発明は、パネル部材がフレームによって支持されて構成される筐体に関する。
所定の電気機器を収容する配電盤等にあっては、箱状をなす筐体を備えて構成される。かかる筐体においては、筐体の外周面を形成するパネル部材がフレームによって支持される構成が知られており、かかる構成としては、特許文献1に開示されている。
特許文献1にあっては、フレームにパネル部材を溶接したり、螺子孔に螺子をねじ込んだりすることでフレームにパネルを固定して組み立てている。このため、特許文献1にあっては、十分な溶接を行えるよう熟練した技術が必要になったり、螺子を用いることで組み立て工数が増大して作業が長時間化し、作業負担が大きくなる、という問題がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、フレームにパネル部材を装着する作業の簡易化を図ることができる筐体を提供することを目的の一つとする。
本発明における一態様の筐体は、所定方向に離間して配置される一対のフレームと、一対の前記フレームに装着される弾性変形可能なパネル部材とを備えた筐体であって、前記パネル部材は、前記筐体の外周面を形成する主面部と、前記主面部の外縁側を基端として前記筐体の内方に向けられる一対の接合面部とを備え、前記フレームは、前記主面部に相対する第1支持面部と、前記接合面部に相対する第2支持面部とを備え、前記パネル部材の弾性変形を介して前記第2支持面部に前記接合面部を嵌合させる嵌合部を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、嵌合部によって、一対のフレームに対しパネル部材を装着することができる。これにより、従来の溶接作業や螺子による締結作業等をなくすことができ、フレームにパネル部材を装着する作業の簡易化を図ることができる。しかも、パネル部材の弾性変形によって嵌合部の嵌合が可能となるので、パネル部材に押圧等の外力を加えて変形させることで嵌合部での嵌合を行うことができ、これによっても、パネル部材の装着作業の簡易化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る筐体について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る筐体の概略斜視図である。図2は、図1の分解図である。図1及び図2に示す筐体10は、内部に所定に収容空間を備え、例えば、図示省略した制御盤や遮断器等の所定の電気機器を収容空間内に収容する。筐体10は、筐体10の外形をなす直方体の各辺に沿って位置するよう組み立てられた複数本のフレーム11(図1では不図示)と、フレーム11に装着されるパネル部材12~15とを備えている。本実施の形態では、筐体10は、パネル部材として、前パネル部材12、後パネル部材13、左パネル部材14及び右パネル部材15を備えている。また、筐体10は、略フラットに形成されて組み立てられたフレーム11に支持される天板16を備えている。
図1は、第1の実施の形態に係る筐体の概略斜視図である。図2は、図1の分解図である。図1及び図2に示す筐体10は、内部に所定に収容空間を備え、例えば、図示省略した制御盤や遮断器等の所定の電気機器を収容空間内に収容する。筐体10は、筐体10の外形をなす直方体の各辺に沿って位置するよう組み立てられた複数本のフレーム11(図1では不図示)と、フレーム11に装着されるパネル部材12~15とを備えている。本実施の形態では、筐体10は、パネル部材として、前パネル部材12、後パネル部材13、左パネル部材14及び右パネル部材15を備えている。また、筐体10は、略フラットに形成されて組み立てられたフレーム11に支持される天板16を備えている。
各パネル部材12~15は、特に限定されるものでないが、鋼板等の金属板によって形成することが例示でき、後述のように意図的な外力を加えることで弾性変形可能に設けられている。各パネル部材12~15は、上下方向に延出しつつ筐体10の外周面を形成する主面部21をそれぞれ備えている。また、各パネル部材12~15は、上下方向に直交しつつ主面部21の厚さ方向にも直交する方向の両側に連なる接合面部22をそれぞれ備えている。接合面部22は、筐体10の内方に向けられている。
前パネル部材12及び後パネル部材13は、同一構造とされつつ異なる向きに設けられ、上下及び左右方向に平行な面に対して対称となっている。また、左パネル部材14及び右パネル部材15は、同一構造とされつつ異なる向きに設けられ、上下及び前後方向に平行な面に対して対称となっている。更に、左パネル部材14及び右パネル部材15は、前パネル部材12及び後パネル部材13を上下方向に延びる軸を中心に90°回転した向きとしつつ、主面部21の幅を縮小した構成と概ね同一に構成される(後述の開口35の有無を除く)。従って、各パネル部材12~15は、向きが異なるものの概ね同一構成となる一対の接合面部22を備えている。
よって、以下においては、代表例として、左右方向(所定方向、離間方向)に離間して配置される一対のフレーム11に前パネル部材12が装着される構造について図3A及び図3Bを参照して説明する。
図3Aは、第1の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の説明用断面図であり、図3Bは、図3Aの分解図である。図3A及び図3Bは、主面部21の左右方向の幅を縮小して図示しており、以降の断面図においても同様に図示する場合がある。
図3A及び図3Bに示すように、フレーム11は、アングル状に形成されている。フレーム11は、コーナー部から左右方向に向けられる第1支持面部11aと、コーナー部から前後方向に向けられる第2支持面部11bとを備えている。前パネル部材12をフレーム11に装着した状態で、第1支持面部11aは前パネル部材12の主面部21に対向して配置され、第2支持面部11bは前パネル部材12の接合面部22に対向して配置される。
前パネル部材12の主面部21は、左右両側に上下方向に延びる2本の長辺を備えている(図2参照)。接合面部22は、主面部21の長辺を形成する外縁から後方(筐体10の内方)に突出して形成されている。よって、接合面部22は、主面部21の外縁側が基端として連なり、筐体10の内方に先端を有している。接合面部22は、主面部21に対して略直角となる方向に向けられている。
接合面部22は、突出方向(前後方向)中間部にて、内方に突出するよう形成された突部23を備えている。ここで、接合面部22における内外方向は、接合面部22の厚さ方向として用い、例えば、前パネル部材12の右側に形成される接合面部22では、右方向が外方、左方向が内方とされる。本実施の形態において、突部23は、平坦な接合面部22に対してプレス加工や曲げ加工により折り曲げて形成され、接合面部22の内方に膨出しつつ外方に陥没した状態で形成される。また、突部23は、接合面部22の延出方向となる上下方向に延出して形成される(図2参照)。
突部23は、前パネル部材12をフレーム11に装着した状態で第2支持面部11bの先端面(後端面)に接する係止部23aを備えている。係止部23aは、接合面部22に対して略直角となる方向に向けられている。また、係止部23aの左右幅は、第2支持面部11bの厚みより若干大きく形成されている。
突部23は、係止部23aの内方端に連なって前後方向に向けられる接続部23bと、接続部23bの後端に連なる案内部23cとを更に備えている。案内部23cは、前後方向に対して傾斜する方向に向けられている。更に説明すると、前パネル部材12において、左側の接合面部22に形成される案内部23cと、右側の接合面部22に形成される案内部23cとが、後方から前方に向かって左右方向の離間幅が次第に小さくなるように傾斜して形成されている。
突部23の係止部23aと主面部21との相対面間距離(前後方向の距離)L1は、フレーム11の前後幅W1と略同一に形成されている(図3B参照)。これにより、図3Aに示すように、突部23の係止部23aが主面部21の内面(後面)とフレーム11の第2支持面部11bを前後方向から挟み込むよう配置される。この状態にて、フレーム11と前パネル部材12との前後方向の相対変位が規制される。ここにおいて、接合面部22に形成される突部23を含んで嵌合部30が構成され、嵌合部30によって第2支持面部11bに接合面部22を嵌合させた状態(嵌合状態)とすることができる。
ここで、図3Bに示すように、前パネル部材12が装着される左右一対のフレーム11にて、第2支持面部11bの左面との左右方向(離間方向)の距離を距離L2とする。該距離L2と、前パネル部材12における左右の接合面部22の相対面間距離(左右方向の距離)L3とは、略同一に設定されている。
これにより、図3Aに示すように、左右の接合面部22の内面によって左右一対のフレーム11が左右方向から挟み込まれるよう配置される。この状態にて、フレーム11と前パネル部材12との左右方向の相対変位が規制される。よって、嵌合部30の相対変位規制と併せ、フレーム11と前パネル部材12との前後及び左右方向の相対変位が規制される。
続いて、左右に並ぶ一対のフレーム11に前パネル部材12を装着する装着方法について、図3A及び図3Bに加えて、図4A及び図4Bを参照して以下に説明する。図4A及び図4Bは、パネル部材を装着する中途段階の状態を示す図3Aと同様の断面図である。
まず、図3Bに示すように、一対のフレーム11に対し、前パネル部材12の左右の接合面部22の内面を揃えるように配置し、フレーム11に前パネル部材12を接近させる。これにより、図4Aに示すように、左右の接合面部22の間に一対のフレーム11が配置され、フレーム11のコーナー部が突部23の案内部23cに当接する。
この状態で、前パネル部材12を後方へ押し込む動作を行う。かかる動作は、フレーム11の第1支持面部11aに前パネル部材12の主面部21を近付ける方向の接近動作になる。
かかる接近動作によって、一対のフレーム11のコーナー部に突部23の案内部23cが摺動するようになる。これにより、接近動作での押し込み力が左右方向に分力され、左右の接合面部22が左右方向に相互に離れて開くように前パネル部材12が弾性変形される。よって、左右の突部23の案内部23cは、前パネル部材12の上記弾性変形をスムースに案内している。
なお、前パネル部材12の上記弾性変形は、主として、直角となる接合面部22と主面部21との間の角度が拡大する変形や、主面部21の撓み変形とされる。
接近動作の中途段階では、図4Bに示すように、突部23の係止部23a及び接続部23bの間のコーナー部分がフレーム11の第2支持面部11bに摺動される。接近動作を継続し、突部23の係止部23aが第2支持面部11bの先端(後端)を通過すると、前パネル部材12の弾性によって、離れるように変形していた左右の接合面部22が初期形状に戻るよう形状変化する。
これにより、図3Aに示すように、突部23の係止部23aが第2支持面部11bの先端に接触し、一対のフレーム11に前パネル部材12が装着される。この状態で、フレーム11の第2支持面部11bが突部23の係止部23aと主面部21の後面とで挟み込まれた嵌合状態となり、フレーム11と前パネル部材12との前後方向の相対変位が規制される。また、左右の接合面部22の内面によって左右一対のフレーム11が左右方向から挟み込まれ、フレーム11と前パネル部材12との左右方向の相対変位が規制される。
次いで、筐体10の組み立て方法について、図1及び2に加えて、図5から図7を参照して以下に説明する。図5は、第1の実施の形態の筐体を組み立てる中途段階の状態を示す図1と同様の斜視図である。図6は、第1の実施の形態の筐体を一部横断面視した拡大斜視図である。図7は、図6を上から見た図である。
筐体10の組み立ては、上述した要領にて前パネル部材12をフレーム11に装着し、これに前後して、前後方向が逆向きとなるものの前パネル部材12と同じ要領にて後パネル部材13をフレーム11に装着する。前パネル部材12及び後パネル部材13を装着した状態は、図5に示すようになる。
ここで、図2及び図5に示すように、前パネル部材12及び後パネル部材13の主面部21には、左右両側の長辺から所定間隔を隔てて開口35が形成される。開口35は、上下方向に延出して形成され、かかる開口35を利用して左パネル部材14及び右パネル部材15が以下に述べるように装着される。
フレーム11への左パネル部材14及び右パネル部材15の装着に関する説明は、図6及び図7を参照し、代表例として、前パネル部材12と左パネル部材14とが相互に交差する部分の構造について説明する。図6及び図7に示すように、前パネル部材12に形成される開口35は、フレーム11の第1支持面部11aの右端に揃う位置に形成されている。
フレーム11へ左パネル部材14を装着するにあたり、フレーム11への前パネル部材12の装着が完了した状態となっている。よって、左パネル部材14の装着前に、フレーム11は前パネル部材12で覆われた状態(図5参照)となり、前パネル部材12の外側を覆うように左パネル部材14が装着される。かかる装着は、前パネル部材12をフレーム11に装着する要領と90°向きを変えて概ね同じ要領にて行われる。
このとき、左パネル部材14における突部23(嵌合部30)がフレーム11に嵌合できるように開口35が形成される。言い換えると、開口35内にて左パネル部材14の突部23が通過し、係止部23aがフレーム11の右端に接触した状態にて左パネル部材14が装着される。これにより、左パネル部材14の突部23の係止部23aが、主面部21の内面(右面)とフレーム11を左右方向から挟み込むよう配置される。
前パネル部材12の主面部21に対向するフレーム11の第1支持面部11aは、左パネル部材14の接合面部22に対向する第2支持面部11bとなる(図6、7にて符号を括弧書きで並記)。よって、左パネル部材14の突部23においても、フレーム11の第2支持面部11bを挟み込み、第2支持面部11bに左パネル部材14の接合面部22を嵌合させた状態(嵌合状態)とすることができる。この状態にて、フレーム11と左パネル部材14との左右方向の相対変位が規制される。
なお、前パネル部材12の接合面部22に対向するフレーム11の第2支持面部11bは、左パネル部材14の主面部21に対向する第1支持面部11aとなる(図6、7にて符号を括弧書きで並記)。
図6、7に示した嵌合構造について、左パネル部材14の前側部分を代表例として説明したが、左パネル部材14の後側、右パネル部材15の前後両側も、向きが異なるものの同様に構成される。よって、図5に示す状態から、左パネル部材14及び右パネル部材15をフレーム11(図5では不図示)に装着することができ、図1に示すように筐体10を組み立てることができる。
ここで、本実施の形態では、前パネル部材12及び後パネル部材13の左右幅の方が左パネル部材14及び右パネル部材15の前後幅に比べて大きく形成される。よって、主面部21の撓み等に起因し、前後のパネル部材12、13の方が左右のパネル部材14、15に比べて寸法誤差が生じ易くなる。本実施の形態は、寸法誤差が生じ易い前後のパネル部材12、13が外側から左右のパネル部材14、15によって抑え込まれるようになり、前後のパネル部材12、13のがたつきを防止することができる。
以上のように、上記第1の実施の形態によれば、各パネル部材12~15の弾性変形で突部23を変位し、フレーム11に対し各パネル部材12~15を装着することができる。これにより、従来の溶接作業や螺子による締結作業等をなくして筐体10を組み立てることができ、該組み立て作業の簡易化を図ることができる。
しかも、各パネル部材12~15の弾性変形によって嵌合部30での嵌合が行われるので、各パネル部材12~15に押圧等の外力を加えるだけで、各パネル部材12~15を変形させてフレーム11に装着することができる。これにより、嵌合部30を容易に嵌合させることができ、各パネル部材12~15の装着作業をより良く簡易化することができる。
次に、本発明の前記以外の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、説明する実施の形態より前に記載された実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図8を参照して説明する。図8Aは、第2の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図であり、図8Bは、図8Aの分解図である。図8A及び図8Bに示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、中間フレーム41を左右一対のフレーム11の間に設けた構成としている。
次に、本発明の第2の実施の形態について図8を参照して説明する。図8Aは、第2の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図であり、図8Bは、図8Aの分解図である。図8A及び図8Bに示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、中間フレーム41を左右一対のフレーム11の間に設けた構成としている。
第2の実施の形態の中間フレーム41は、上下方向に延出し、前パネル部材12における主面部21の後面に接触する位置に設けられる。中間フレーム41の前面(形成面)は、前パネル部材12が装着される左右一対のフレーム11における第1支持面部11aの前面と同一面上に配置される。
ここで、中間フレーム41は、角柱状に形成されているが、前面がフレーム11の第1支持面部11aの前面と同一面上に配置される限りにおいて、筒状体や、断面形状がC字状、U字状、L字状の長尺部材としてもよい。また、中間フレーム41は、左右一対のフレーム11の左右方向(離間方向)中央に配設されることが好ましいが、該中央から左右にずれた適宜な中間位置に配設してもよい。
第2の実施の形態において、前パネル部材12の主面部21は、フレーム11への装着前の状態(図8B参照)にて、後方(内方)に膨出する湾曲形状を備えている。かかる湾曲形状は、例えば、前パネル部材12の製造に用いられる鋼板のロール形状に倣って形成される。そして、図8Aに示すように、前パネル部材12がフレーム11に装着された状態にて、主面部21が中間フレーム41によって前方(外方)に押されることとなる。この状態で、主面部21は、湾曲形状から平坦に近付く方向に弾性変形し、フラットな状態に維持することができる。
このように、第2の実施の形態は、主面部21と中間フレーム41とを前後方向(主面部21の厚さ方向)にて押し合わせた状態とすることができる。これにより、主面部21に外力が加わった際に、中間フレーム41によって後方への変形を回避できる上、前方へ膨らむように変形することを抑制でき、主面部21の平滑を良好に維持することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について図9及び図10を参照して説明する。図9Aは、第3の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図であり、図9Bは、図9Aの分解図である。図9A及び図9Bに示すように、第3の実施の形態では、第2の実施の形態に対し、中間フレーム42に嵌合する補助嵌合部44を前パネル部材12に設けた構成としている。なお、第2の実施の形態に対し、第3の実施の形態の中間フレーム42は、断面形状がC字状やU字状の長尺部材に変更している。
次に、本発明の第3の実施の形態について図9及び図10を参照して説明する。図9Aは、第3の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図であり、図9Bは、図9Aの分解図である。図9A及び図9Bに示すように、第3の実施の形態では、第2の実施の形態に対し、中間フレーム42に嵌合する補助嵌合部44を前パネル部材12に設けた構成としている。なお、第2の実施の形態に対し、第3の実施の形態の中間フレーム42は、断面形状がC字状やU字状の長尺部材に変更している。
補助嵌合部44は、主面部21の後面から後方に突出する左右一対の突片部45と、各突片部45の先端(後端)側に形成される左右一対の突部46とを備えている。
図10は、第3の実施の形態における補助嵌合部の部分概略斜視図である。図10では、左側に形成される突片部45及び突部46が図示される。図10に示すように、補助嵌合部44は、主面部21を切り起こし加工することで形成され、突片部45及び突部46が上下方向に所定長さで延出する形状を備えている。よって、突片部45及び突部46の形成領域に応じて主面部21の内外に通じる面内開口48が形成される。
図9A及び図9Bに戻り、第3の実施の形態では、左側に形成される突片部45及び突部46の左側に隣接して面内開口48が形成され、右側に形成される突片部45及び突部46の右側に隣接して面内開口48が形成される。
前パネル部材12をフレーム11に装着した状態で、左右一対の突片部45は、中間フレーム42の左右両面に接する位置に形成されている。左右一対の突部46は、相互に向き合う方向に突出し、中間フレーム42の後端面に接する位置に形成されている。
補助嵌合部44において、左側の突部46の形状は、左側の接合面部22に形成された突部23と同様の断面形状に形成され、右側の突部46の形状は、右側の接合面部22に形成された突部23と同様の断面形状に形成されている。これにより、補助嵌合部44と中間フレーム42との嵌合は、嵌合部30とフレーム11との嵌合と同様の要領にて行うことができる。
更に述べると、補助嵌合部44を中間フレーム42に嵌合する際、左右の突部46先端における傾斜部分にて中間フレーム42と摺動し、左右の突片部45が離れる方向に弾性変形することを案内できる。更に、補助嵌合部44と中間フレーム42との嵌合状態で、突部46の前方部分が中間フレーム42の後端面に接触し、このとき、主面部21の後面が中間フレーム42の前面に接触する。これにより、中間フレーム42が突部46と主面部21の後面とで前後方向から挟み込まれ、前パネル部材12が前後方向にて位置決めされる。また、中間フレーム42が左右の突片部45によって左右方向から挟み込まれ、前パネル部材12が左右方向にて位置決めされる。
このように、第3の実施の形態は、中間フレーム42に補助嵌合部44が嵌合されることで、主面部21を前後方向及び左右方向にて位置決めでき、主面部21の中央での剛性を高めることができる。また、例えば、筐体10内にモータのような振動する機器があった場合、その近傍にパネル部材12~15が位置していても、主面部21が共振して振動が発生することを防止することができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について図11を参照して説明する。図11Aは、第4の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図であり、図11Bは、図11Aの分解図である。図11A及び図11Bに示すように、第4の実施の形態では、第3の実施の形態に対し、左右の突片部45及び突部46の離間距離を長くし、また、面内開口48の形成位置を変更している。
次に、本発明の第4の実施の形態について図11を参照して説明する。図11Aは、第4の実施の形態のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図であり、図11Bは、図11Aの分解図である。図11A及び図11Bに示すように、第4の実施の形態では、第3の実施の形態に対し、左右の突片部45及び突部46の離間距離を長くし、また、面内開口48の形成位置を変更している。
第4の実施の形態において、左側に形成される突片部45及び突部46の右側に隣接して面内開口48が形成され、右側に形成される突片部45及び突部46の左側に隣接して面内開口48が形成される。また、第4の実施の形態にあっては、第3の実施の形態に対し、中間フレーム50が左右一対のアングル部材に変更され、中間フレーム50は、面内開口48を閉塞する位置及び大きさに形成されている。
従って、第4の実施の形態は、第3の実施の形態と同様の作用、効果を発揮しつつ、面内開口48を閉塞して筐体10内部の閉塞性を高めることができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、向きなどについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
上記各実施の形態では、嵌合部30が突部23によって構成される場合を説明したが、上記と同様の機能を発揮できる限りにおいて変更してもよい。例を挙げると、図12A及び図12Bに示される構成に変更することができる。図12Aは、第1変形例のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図である。図12Bは、第2変形例のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図である。
図12Aに示す第1変形例では、第1の実施の形態に対し、突部52の構成を変更している。第1変形例の突部52は、接合面部22の先端側を鋭角に折り返して形成される案内部52cと、案内部52cの前端に連なって前後方向に向けられる接続部52bとを備えている。また、突部52は、接続部52bの前端に連なって左右方向に向けられる係止部52aを備えている。係止部52aは、前パネル部材12をフレーム11に装着した状態で第2支持面部11bの先端面(後端面)に接触する接触部分となる。これにより、突部52の係止部52aが主面部21の内面(後面)とフレーム11の第2支持面部11bを前後方向から挟み込み、フレーム11と前パネル部材12との前後方向の相対変位が規制される。
第1変形例では、フレーム11に前パネル部材12を装着する際、接合面部22に対する案内部52cの角度が変化し、係止部52aが左右方向に変位するように弾性変形させることができる。これにより、第1の実施の形態に比べて前パネル部材12の弾性変形する箇所を増やすことができ、フレーム11に前パネル部材12を装着する作業の容易化を図ることができる。
図12Bに示す第2変形例では、嵌合部30が突部54と穴55とを備えて構成される。突部54は、フレーム11の第2支持面部11bから外方に突出するように設けられる。穴55は、接合面部22に形成され、突部54を受容する。図12Bの突部54及び穴55によって形成される嵌合部30においても、フレーム11と前パネル部材12との前後方向の相対変位を規制でき、前パネル部材12の弾性変形によって突部54と穴55とを嵌合可能となる。
また、上記第3及び第4の実施の形態では、主面部21を切り起こし加工して補助嵌合部44を形成するとともに面内開口48を形成する場合を説明したが、これに限定されるものでなく、図13に示される構成に変更することが例示できる。図13は、第3変形例のパネル部材をフレームに装着した状態の図3Aと同様の断面図である。
図13に示す第3変形例では、補助嵌合部44を主面部21と別部材として形成し、突片部45の前端に連なって取付面部58を備えた構成とされる。補助嵌合部44は、主面部21の後面に溶接やねじ止め等によって取付面部58を取り付けた構造とされる。かかる第3変形例では、面内開口48が形成されなくなり、筐体10内部の閉塞性を良好に保つことができる。
また、第3及び第4の実施の形態において、補助嵌合部44及び中間フレーム42、50の形成位置は、左右一対のフレーム11の左右方向(離間方向)中央一箇所に配設される他、該中央から左右にずれた位置に一箇所または複数箇所配設してもよい。更に、補助嵌合部44及び中間フレーム42、50の延出方向を上下方向としたが、左右方向に変更してもよい。
また、上記実施の形態では、接合面部22に対する主面部21の角度が略直角に形成される場合を説明したが、これに限定されるものでなく、鋭角や鈍角に変更した構成としてもよい。
また、突部23は、接合面部22の上下方向(延出方向)に所定間隔を隔てて複数形成される構成としてもよい。更に、突部23が通過する開口35を形成する構成では、開口35の形成位置も突部23の形成位置に応じ、上下方向(延出方向)に所定間隔を隔てて複数形成してもよい。
10 :筐体
11 :フレーム
11a :第1支持面部
11b :第2支持面部
12 :前パネル部材(パネル部材)
13 :後パネル部材(パネル部材)
14 :左パネル部材(パネル部材)
15 :右パネル部材(パネル部材)
21 :主面部
22 :接合面部
23 :突部
23c :案内部
30 :嵌合部
35 :開口
41 :中間フレーム
42 :中間フレーム
44 :補助嵌合部
48 :面内開口
50 :中間フレーム
52 :突部
54 :突部
55 :穴
11 :フレーム
11a :第1支持面部
11b :第2支持面部
12 :前パネル部材(パネル部材)
13 :後パネル部材(パネル部材)
14 :左パネル部材(パネル部材)
15 :右パネル部材(パネル部材)
21 :主面部
22 :接合面部
23 :突部
23c :案内部
30 :嵌合部
35 :開口
41 :中間フレーム
42 :中間フレーム
44 :補助嵌合部
48 :面内開口
50 :中間フレーム
52 :突部
54 :突部
55 :穴
Claims (13)
- 所定方向に離間して配置される一対のフレームと、一対の前記フレームに装着される弾性変形可能なパネル部材とを備えた筐体であって、
前記パネル部材は、前記筐体の外周面を形成する主面部と、
前記主面部の外縁側を基端として前記筐体の内方に向けられる一対の接合面部とを備え、
前記フレームは、前記主面部に相対する第1支持面部と、前記接合面部に相対する第2支持面部とを備え、
前記パネル部材の弾性変形を介して前記第2支持面部に前記接合面部を嵌合させる嵌合部を備えていることを特徴とする筐体。 - 前記嵌合部は、前記接合面部の内方に突出して形成される突部を備え、嵌合状態で前記突部が前記主面部と前記フレームを挟み込むよう配置されることを特徴とする請求項1に記載の筐体。
- 1つの前記フレームに、相互に交差する2体の前記パネル部材が装着され、
2体の前記パネル部材のうち、少なくとも一方の前記パネル部材には、他方の前記パネル部材の前記突部が通過する開口が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の筐体。 - 前記突部は、前記嵌合部を嵌合状態とするときに、前記フレームと摺動して前記パネル部材の弾性変形を案内する案内部を備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の筐体。
- 一対の前記フレームが離間する離間方向にて、一対の前記フレームの離間距離と、一対の前記接合面部間の距離とが略同一に設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の筐体。
- 前記突部は、前記接合面部を折り曲げて形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の筐体。
- 一対の前記フレームの間に設けられる中間フレームを更に備え、
前記中間フレームは、前記第1支持面部の前面と同一面上に位置する形成面を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の筐体。 - 前記主面部は、前記パネル部材が一対の前記フレームに装着された状態で、内方に膨出する湾曲形状が前記中間フレームによって平坦に近付く方向に弾性変形することを特徴とする請求項7に記載の筐体。
- 前記パネル部材は、前記中間フレームに嵌合する補助嵌合部を備えていることを特徴とする請求項7に記載の筐体。
- 前記補助嵌合部は、前記主面部を切り起こし加工することで形成されることを特徴とする請求項9に記載の筐体。
- 前記主面部には、前記補助嵌合部に隣接して面内開口が形成され、前記中間フレームによって前記面内開口が閉塞されることを特徴とする請求項10に記載の筐体。
- 前記突部は、前記接合面部の先端側を鋭角に折り返して形成され、少なくとも前記第2支持面部への接触部分が弾性変形によって変位することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の筐体。
- 前記嵌合部は、前記第2支持面部に設けられる突部と、
前記接合面部に形成されて前記突部を受容する穴とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の筐体。
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JP2023137998A true JP2023137998A (ja) | 2023-09-29 |
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JP2022044471A Pending JP2023137998A (ja) | 2022-03-18 | 2022-03-18 | 筐体 |
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2022
- 2022-03-18 JP JP2022044471A patent/JP2023137998A/ja active Pending
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