JP2023125191A - バレル研磨方法及び緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨石自体の研磨力を低下させたり、コストを増大させたりすることなく、研磨石の摩耗を低減する。【解決手段】バレル研磨方法は、バレル槽10内にワーク11と研磨石12と水13と緩衝材14とを投入し、研磨石12によってワーク11を研磨する方法であって、緩衝材14のメジアン径(D50)を、1.2μm~2000μmとし、緩衝材14の投入量を、水に対して2wt%~30wt%とする。緩衝材14が、ワーク11と研磨石12との衝突時や、研磨石12同士の衝突時に緩衝作用を発揮するので、研磨石12が摩耗し難い。研磨石12の配合調整や大幅な工程変更が不要なので、コストが増大しない。コストを増大させることなく研磨石12の摩耗を低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、バレル研磨方法及び緩衝材に関するものである。
特許文献1には、バレル槽にワークと研磨石とを装入して、ワークを研磨するバレル研磨方法が開示されている。バレル研磨では、バレル槽に回転運動や振動を与えることによって、ワークと研磨石とで相対運動差を生じさせ、ワークを研磨石で研磨する。研磨石で研磨することによって、ワークの面取りやバリ取り、下地処理、光沢向上など所望の仕上げ加工を行うことができる。
特開2003-225854号公報
研磨石は、ワークを研磨すればするほど自らも摩耗する。研磨石の摩耗が進むと、研磨石の重量が減少してワークへの押し付け力が低下するため、研磨力が低下する。また、研磨後の排水には研磨石の摩耗粉が含まれるため、環境保全のため薬剤やフィルターでの廃水処理が必要となるのであるが、研磨石の摩耗量が多いと、薬剤の使用量やフィルターの交換回数が増えることになる。さらに、研磨後のワークに研磨石の摩耗粉が付着して汚れとなった場合には、研磨工程の後に超音波洗浄などの洗浄工程を行う必要があるが、研磨石の摩耗量が多いと、洗浄工程に要する時間が長くなる。
研磨石の摩耗量を低減する手段としては、バレル槽の回転速度を低下させる等によってワークと研磨石の相対運動差を小さくする方法が考えられる。しかし、この方法では、ワークに対する研磨石の押付力が弱まって研磨力が低下し、所望の面取り量やバリ取り量が得られないため、実用的ではない。研磨力を低下させずに研磨石の摩耗を低減する方法としては、研磨石の配合設計を大幅に見直すことが考えられる。しかし、大きさや硬さ等が異なる複数種類の研磨石の配合を調整するためには、莫大な回数の試作や長期に亘る準備期間が必要になるだけでなく、生産工程の変更も行わなければならないため、多大なコストが必要となる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、研磨石自体の研磨力を低下させたり、コストを増大させたりすることなく、研磨石の摩耗を低減することを目的とする。
本発明は、
バレル槽内にワークと研磨石と水と緩衝材とを投入し、前記研磨石によって前記ワークを研磨するバレル研磨方法であって、
前記緩衝材のメジアン径(D50)を、1.2μm~2000μmとし、
前記緩衝材の投入量を、前記水に対して2wt%~30wt%とする。
緩衝材が、ワークと研磨石との衝突時や、研磨石同士の衝突時に緩衝作用を発揮するので、研磨石が摩耗し難い。研磨石の配合調整や大幅な工程変更が不要なので、コストが増大しない。コストを増大させることなく研磨石の摩耗を低減することができる。
実施形態1のバレル槽にワークと研磨石と水と緩衝材とコンパウンドを投入している様子をあらわす概略図 ワークの拡大斜視図 研磨石の拡大斜視図 緩衝材が研磨石同士の間に介在している様子を拡大してあらわした概略図
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1~図4を参照して説明する。本実施形態1のバレル研磨方法は、遠心バレル研磨機(図示省略)を構成するバレル槽10を用いて実行される。研磨に際しては、図1に示すように、バレル槽10内に、複数のワーク11と、複数の研磨石12と、所定量の水13と、粉粒体からなる緩衝材14と、コンパウンド15とが投入される。緩衝材14とコンパウンド15は、別々にバレル槽10に投入してもよく、緩衝材14とコンパウンド15を同梱したものを纏めてバレル槽10に投入してもよい。ワーク11は、少なくとも1つの平面(曲率が0の面)を有する形状のものでもよく、平面を有しない形状のものでもよい。
バレル槽10に投入したワーク11と研磨石12と水13と緩衝材14とコンパウンド15を、マスと定義する。バレル槽10にマスを投入したら、バレル槽10を公転及び自転させることによって、バレル槽10内でマスを流動させる。マスの流動によって、研磨石12とワーク11との間で相対的な運動差が生じ、研磨石12がワーク11の表面に衝突することによって、ワーク11の表面が研磨される。研磨は、主として、ワーク11の平面部11Sや曲率の小さい曲面部の平滑化や、角部11Eの面取りや、バリ取りを目的として行われる。
研磨が行われている間、図4に示すように、ワーク11と研磨石12の表面の微細な凹部に緩衝材14が入り込む。この緩衝材14の存在によって、研磨石12がワーク11に衝突したときに、研磨石12の凸部がワーク11の凹部に入り込み難くなり、ワーク11の凸部が研磨石12の凹部に入り込み難くなる。これにより、研磨石12の凸部がワーク11の凹部の内面との衝突によって過剰に削られることと、研磨石12の凹部の内面がワーク11の凸部との衝突によって過剰に削られることが抑制されるので、研磨石12が摩耗し難い。研磨石12同士が衝突した場合も、同様に、一方の研磨石12の凸部が他方の研磨石12の凹部に入り込み難くなるので、研磨石12が摩耗し難い。緩衝材14の粒径が図4のものよりも大きい場合は、研磨石12の凸部とワーク11の凸部とが衝突し難くなり、研磨石12の凸部がワーク11の凸部によって過剰に削られることが抑制されるので、研磨石12が摩耗し難い。研磨石12の凸部同士の衝突も生じ難くなるので、研磨石12が摩耗し難い。このように、緩衝材14が、ワーク11と研磨石12との衝突時や、研磨石12同士の衝突時に緩衝作用を発揮するので、研磨石12の摩耗が抑制される。
緩衝材14の材料としては、有機繊維質材料又は合成樹脂材料のいずれかが用いられる。有機繊維質材料としては、木粉や、コーンコブ、クルミ、桃の種等がある。合成樹脂材料としては、スチロール樹脂(ポリスチレン)、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。緩衝材14の大きさに関しては、メジアン径が1.2μm~0.1mmの粉体と、メジアン径が0.1mm~2mmの粒体を用いることができる。比較的メジアン径の大きい粒体からなる緩衝材14は、研磨後に回収して再使用することができる。特に、耐摩耗性の高いウレタン樹脂製の緩衝材14が、回収と再使用を繰り返すことができるので、好ましい。これらの材料は、市販されていて入手がし易く、コストに関しても比較的安価である。緩衝材14は、研磨石12よりも硬度が低く、ワーク11よりも硬度が低い。緩衝材14の新モース硬度は、5以下であることが好ましい。
緩衝材14の材料は、弾性を有するものが好ましい。弾性を有する材料は、緩衝材14を水13と混合しない単体の状態で弾性変形し得る材料と、緩衝材14を水13に混合しない単体の状態では弾性変形しないが、緩衝材14を水13と混合させてスラリー状にしたときに弾性変形し得る材料の両方を含む。弾性を有する緩衝材14を用いることによって、緩衝材14と研磨石12とが弾性的に衝突するので、衝突時の衝撃が緩和され、十分な緩衝効果を得ることができ、研磨石12の摩耗を抑制することができる。
バレル研磨では、ワーク11の表面が、全体に亘って概ね均等に研磨される。そのため、ワーク11の角部11Eの面取りやバリ取りを主目的として研磨を行う場合は、角部11Eやバリ部以外の非研磨対象領域(平面部11Sや曲率の小さい曲面部)を無駄に削ることになる。しかし、緩衝材14を用いたバレル研磨方法によれば、下記のように、非研磨対象領域の研磨量を低減することができる。
ワーク11の非研磨対象部位である平面部11Sや曲率の小さい曲面部では、緩衝材14が広範囲に亘って密に並んだ状態で非研磨対象部位を覆っている。そのため、研磨石12が非研磨対象部位に対して斜め方向から緩衝材14に衝突したときに、衝突された緩衝材14は、隣接する緩衝材14の存在によって位置ずれがし難く、非研磨対象部位は緩衝材14によって覆われた状態に保たれ易い。このように、非研磨対象部位は、緩衝材14によって覆われた状態に保持され易いので、研磨石12による研磨が進み難い。また、緩衝材14による緩衝抑制効果が高いので、研磨石12の摩耗も抑制される。
一方、ワーク11の研磨対象である角部11Eやバリ部も、緩衝材14で覆われている。しかし、角部11Eやバリ部では、研磨石12が緩衝材14に衝突したときに、緩衝材14が角部11Eやバリ部の先端から弾き飛ばされ、角部11Eやバリ部が露出するので、研磨石12が、角部11Eやバリ部に対して直接、接触して削ることになる。したがって、角部11Eやバリ部では、非研磨対象部位よりも研磨が進む。
本実施形態の緩衝材14を用いた研磨方法によれば、ワーク11の角部11Eやバリ部を研磨対象とする研磨においては、角部11Eやバリ部を研磨石12によって効果的に研磨することができるとともに、非研磨対象である平面部11Sや曲率の小さい曲面部に対しては、緩衝材14によって無駄な研磨を抑制し、ワーク11の材料ロスや研磨石12の無駄な消費を最小限に抑えることができる。
本願の発明者は、研磨石12の摩耗量に関して、緩衝材14の種類、大きさ及び投入量が、どの程度の影響を及ぼすかを実験によって検証し、実験結果を表1にあらわした。実験では、株式会社チップトン製の遠心バレル研磨機HS-1-4Vを用いた。使用するバレル槽10の容量は、1Lである。バレル槽10の回転数は、260rpmであり、研磨時間は30分である。
ワーク11は、15mm×15mm×20mmの直方体(図2参照)であり、ワーク11の材料は、SS400である。研磨石12は、株式会社チップトン製のGT-4である。研磨石12は、一辺が10mmで、高さが8mmの正三角柱(図3参照)であり、研磨石12の材料はセラミックスである。バレル槽10に投入する水13の量は、0.25Lである。コンパウンド15は、株式会社チップトン製の粉体コンパウンドCO-56である。コンパウンド15の投入量は、水13に対して1wt%である。即ち、バレル槽10内における水13とコンパウンド15との重量比(コンパウンド15の重量/水13の重量)は、0.01である。
実験に用いた緩衝材14は、木粉、スチロール樹脂製の粉粒体、コーンコブ(コーン)、アクリル樹脂製の粉粒体を使用した。以下の説明において、緩衝材14の投入量は、バレル槽10内への水13の投入量に対する緩衝材14の投入量の割合をあらわす。緩衝材14の投入量=(緩衝材14の重量/水13の重量)×100である。実験における緩衝材14の投入量は、0~30wt%である。
表1において、摩耗率は、研磨石12の研磨前の重量に対する研磨後の摩耗量の比率(研磨石12の研磨前の重量と研磨後の重量との差/研磨石12の研磨前の重量)である。摩耗率割合は、緩衝材14無しの条件(比較例A)の摩耗率を1としたときの、各実施例又は各比較例の摩耗率の割合(各実施例又は各比較例の摩耗率/比較例Aの摩耗率)である。摩耗率評価は、摩耗率割合が0.8以下を「◎(特に良好)」とし、摩耗率割合が0.9以下を「〇(良好)」とした。緩衝材14が無い場合の摩耗率割合のばらつきは、±10%程度であるため、摩耗率割合が0.9より大きい例は、通常のバラツキ範囲内として「×(不良)」とした。摩耗率評価が「◎」又は「○」の例を実施例と表記し、摩耗率評価が「×」の例を比較例と表記した。
R量は、ワーク11の角部11EのR量(角部11Eにおける四半円弧形の部位の半径)の測定値である。測定機器は、東京精密製コンターレコードの1600GRを用いた。R量割合は、緩衝材14無しの条件(比較例A)のR量を1とした時の、各実施例のR量の割合(各実施例のR量/比較例AのR量)である。緩衝材14が無い場合のR量割合のばらつきは、±5%程度であるため、R量評価は、R量割合が0.95より大きいと、通常のバラツキ範囲内として「〇(良好)」とした。R量割合が0.95以下を「×(不良)」とした。
Figure 2023125191000002
Figure 2023125191000003
緩衝材14が木粉、スチロール及びコーンのいずれかであり、緩衝材14のメジアン径(D50)が250μmである場合、緩衝材14の投入量を1wt%とした比較例B,C,Dの摩耗率評価は、「×」である。緩衝材14の投入量を2wt%とした実施例1,9,16の摩耗率評価は、「〇」である。緩衝材14の投入量を3wt%~30wt%とした実施例2~8,実施例10~15,実施例17~23の摩耗率評価は、「◎」である。
緩衝材14がアクリルで、緩衝材14の投入量を3wt%とした場合、緩衝材14のメジアン径が0.15μmである比較例Eの摩耗率評価は、「×」である。緩衝材14のメジアン径が1.20μm~10.00μmである実施例24~28の摩耗率評価は、「〇」である。緩衝材14のメジアン径が50.00μmである実施例29の摩耗率評価は、「◎」である。
緩衝材14がアクリルで、緩衝材14の投入量を3wt%とした場合、緩衝材14のメジアン径が2000.00μmである実施例30の摩耗率評価は、「○」である。緩衝材14のメジアン径が3000.00μmである比較例Fの摩耗率評価は、「×」である。
緩衝材14がアクリルで、緩衝材14のメジアン径が1.20μmである場合、緩衝材14の投入量を5wt%とした実施例31と、緩衝材14の投入量を9wt%とした実施例32の摩耗率評価は、「〇」である。緩衝材14の投入量を20wt%以上とした実施例33~36の摩耗率評価は、「◎」である。
緩衝材14がアクリルで、緩衝材14のメジアン径が2000.00μmである場合、緩衝材14の投入量を7wt%とした実施例37の摩耗率評価は、「〇」である。緩衝材14の投入量を8wt%~20wt%とした実施例38~41の摩耗率評価は、「◎」である。
緩衝材14の投入量を20wt%とした実施例7と、緩衝材14の投入量を30wt%とした実施例8との間では、摩耗率に大きな差がない。緩衝材14の投入量を20wt%とした実施例22と、緩衝材14の投入量を30wt%とした実施例23との間でも、摩耗率に大きな差がない。したがって、緩衝材14の材料コストの観点から、緩衝材14の投入量は20wt%以下が好ましい。
緩衝材14が木粉の場合、緩衝材14の投入量を5wt%とした実施例4と、緩衝材14の投入量を6wt%とした実施例5のR量評価は、「○」である。緩衝材14がスチロールの場合、緩衝材14の投入量を4wt%とした実施例11と、緩衝材14の投入量を5wt%とした実施例12のR量評価は、「○」である。緩衝材14がコーンの場合、緩衝材14の投入量を5wt%とした実施例19と、緩衝材14の投入量を6wt%とした実施例20のR量評価は、「〇」である。緩衝材14がアクリルの場合、緩衝材14の投入量を20wt%とした実施例33と、緩衝材14の投入量を28wt%とした実施例34のR量評価は、「〇」である。緩衝材14がアクリルの場合、緩衝材14の投入量を7wt%とした実施例37と、緩衝材14の投入量を8wt%とした実施例38と、緩衝材14の投入量を9wt%とした実施例39のR量評価は、「〇」である。
緩衝材14のメジアン径の大きさに関しては、緩衝材14のメジアン径が0.15μmの比較例Eと、メジアン径が3000μmの比較例Fの摩耗率評価は、「×」であった。緩衝材14のメジアン径が1.2μm~2000μmの実施例1~41の摩耗率評価は、「〇」または「◎」であった。緩衝材14のメジアン径が1.2μmよりも小さいと、十分な緩衝効果が発揮できない。緩衝材14のメジアン径が2000μmよりも大きいと、緩衝材14が、ワーク11と研磨石12、または研磨石12同士の間に介在し難い。この結果から、緩衝材14のメジアン径は、1.2μm~2000μmが好ましい。
研磨後は、研磨済みのワーク11と研磨石12を選別した上で、ワーク11の研磨粉や研磨石12の摩耗粉等のスラッジを排水し、バレル槽10内を洗浄する。緩衝材14のメジアン径が1000μmよりも大きい場合は、洗浄工程において研磨石12のみを、篩(ふるい)やフィルター等の選別手段によって選別し、回収することができる。回収した緩衝材14を、再使用することによって、ランニングコストを低減することができる。したがって、緩衝材14のメジアン径は、1000μm~2000μmがさらに好ましい。
バレル槽10に投入する緩衝材14の投入量に関しては、2wt%~30wt%にすることが好ましい。緩衝材14の投入量が2wt%よりも少ないと、十分な緩衝効果が発揮されない。緩衝材14の投入量が30wt%よりも多いと、緩衝材14が研磨後のワーク11に汚れとして残留し易い。
本実施形態1のバレル研磨方法は、バレル槽10内にワーク11と研磨石12と水13と緩衝材14とを投入し、前記研磨石12によってワーク11を研磨する。緩衝材14のメジアン径(D50)は、1.2μm~2000μmに設定している。また、緩衝材14の投入量は、水13に対して2~30wt%に設定している。即ち、バレル槽10内の水13に対する緩衝材14の重量比(緩衝材14の重量/水13の重量)は、0.02~0.30である。大きさと投入量を上記のように設定した緩衝材14を用いることによって、ワーク11と研磨石12との衝突時や、研磨石12同士の衝突時に、緩衝材14が高い緩衝作用を発揮するので、研磨石12が摩耗し難い。
緩衝材14の大きさと緩衝材14の投入量を上記の範囲に設定したことによって、研磨石12自体の研磨力を低下させることなく、研磨石12の摩耗を抑制することができる。研磨石12による研磨力と研磨石12の摩耗低減とを両立させるために、大きさや硬さ等が異なる複数種類の研磨石12の配合調整を行う必要がないので、莫大な回数の試作や長期に亘る準備期間が不要であり、生産工程の変更も不要である。したがって、研磨石12の配合調整に起因するコストの増大を回避することができる。本実施例によれば、研磨石12自体の研磨力を低下させたり、コストを増大させたりすることなく研磨石12の摩耗を低減することができる。
バレル研磨において木粉やスチロールを添加剤として用いた場合、板状のワーク11が他のワーク11やバレル槽10の内壁に貼り付くことを防止する効果が期待できるが、貼り付き防止を目的とした添加材の水に対する添加量は、1wt%~2wt%が好適である。水に対する添加材の添加量を2wt%よりも多くすることは、貼り付き防止効果が過剰となるために、コストの観点から好ましくない。本実施形態のバレル研磨方法に用いる緩衝材14は、貼り付き防止用の添加材とは異なり、水13に対する投入量(添加量)を2wt%以上としている。
緩衝材14の投入量が多くなるほど、緩衝材14による干渉効果が高くなるが、緩衝材14の投入量が20wt%を超えた領域では、緩衝材14の増量分に対する緩衝効果のアップ率が小さくなる。したがって、緩衝材14の使用量を勘案すると、緩衝材14の投入量を20wt%以下にするのが好ましい。
緩衝材14の投入量が3wt%より少ないと、研磨石12の摩耗を低減する効果が低い。緩衝材14の投入量を3wt%以上にすると、研磨石12の摩耗を低減する効果が高くなる。緩衝材14の投入量が6wt%よりも多いと、ワーク11の角部11Eやバリ部では、研磨石12が衝突したときに緩衝材14が弾き飛ばされずに残り易くなり、角部11Eにおける面取り量やバリ部におけるバリ取り量が減少し易くなる。緩衝材14の投入量を6wt%以下にすると、ワーク11の角部11Eやバリ部では、研磨石12が衝突したときに緩衝材14が弾き飛ばされ易いので、角部11Eやバリ部の摩耗効果が高くなる。よって、緩衝材14の投入量は、3wt%~6wt%が好ましい。
コンパウンド15として、潤滑性を有する材料からなるものを用いることができる。この場合、ワーク11の平面部11Sでは、研磨石12がコンパウンド15によって滑り易くなるので、ワーク11における研磨石12との接触面積が増加する。これにより、ワーク11の平面部11Sにおける研磨効率が向上する。
コンパウンド15として、ワーク11に対してエッチング機能を発揮する材料からなるものを用いることができる。エッチング機能を発揮するコンパウンド15を投入すると、ワーク11の表面が、エッチングによって脆く削られ易くなったり、溶けて削られ易くなるので、ワーク11の表面における研磨効率が向上する。また、砥粒を含有するコンパウンド15を用いた場合には、砥粒によって、ワーク11の表面における研磨効率が向上する。
緩衝材14が、木粉のように樹脂成分を含む材料からなる場合は、コンパウンド15は、脂肪酸塩を含有しない材料が好ましい。緩衝材14が樹脂成分を含む場合は、樹脂成分の影響によってバレル槽10内の水13のpHが低下する。もし、コンパウンド15に脂肪酸塩が含有されていると、pHの低下によってコンパウンド15から遊離脂肪酸が発生する。遊離脂肪酸は、油性であるため、ワーク11や研磨石12や緩衝材14の表面に汚れとして付着することが懸念される。脂肪酸塩を含有しないコンパウンド15を用いることによって、ワーク11や研磨石12や緩衝材14の表面に遊離脂肪酸の汚れが付着することを防止できる。
研磨石12は、図3に示すように、平面部12Sを有する形状であることが好ましい。研磨石12が、例えば球形のように平面部12Sを有しない形状である場合は、他の研磨石12との衝突時には必ず点接触となるため、緩衝材14が弾き飛ばされ易くなり、研磨石12の摩耗低減効果が得られ難い。これに対し、研磨石12が平面部12Sを有する形状であると、研磨石12同士が衝突したときに、平面部12S同士が面当たりする。この場合、平面部12S同士の間に緩衝材14が介在し易くなるので、研磨石12の摩耗低減効果が高くなる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
緩衝材は、木粉、コーンコブ、クルミ以外の有機繊維質材料であってもよい。
緩衝材は、スチロール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂以外の合成樹脂材料であってもよい。
緩衝材は、有機繊維質材料及び合成樹脂材料以外の材料であってもよい。
緩衝材の硬度は、研磨石と同じでもよい。
緩衝材の硬度は、ワークと同じでもよい。
緩衝材の新モース硬度は、5より高くてもよい。
緩衝材は弾性を有しない材料でもよい。
コンパウンドを投入せずにワークを研磨してもよい。
コンパウンドは、潤滑性を有しない材料からなるものでもよい。
コンパウンドは、エッチング機能を発揮しない材料からなるものでもよい。
コンパウンドは、砥粒を含有していなくてもよい。
コンパウンドは、脂肪酸塩を含有する材料であってもよい。
コンパウンドは、粉状のものに限らず、液体状のものであってもよい。
緩衝材は、平面部を有しない形状のものであってもよい。
10…バレル槽
11…ワーク
12…研磨石
12S…研磨石の平面部
13…水
14…緩衝材
15…コンパウンド

Claims (12)

  1. バレル槽内にワークと研磨石と水と緩衝材とを投入し、前記研磨石によって前記ワークを研磨するバレル研磨方法であって、
    前記緩衝材のメジアン径(D50)を、1.2μm~2000μmとし、
    前記緩衝材の投入量を、前記水に対して2wt%~30wt%とするバレル研磨方法。
  2. 前記緩衝材の投入量を、前記水に対して2wt%~20wt%とする請求項1に記載のバレル研磨方法。
  3. 前記緩衝材の投入量を、前記水に対して3wt%~6wt%とする請求項1に記載のバレル研磨方法。
  4. 前記緩衝材は、有機繊維質材料又は合成樹脂材料のいずれかである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバレル研磨方法。
  5. 前記緩衝材は、木粉、コーンコブ、クルミ、スチロール樹脂、ウレタン、アクリル樹脂のいずれかである請求項4に記載のバレル研磨方法。
  6. 前記緩衝材は、前記研磨石よりも硬度が低い請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバレル研磨方法。
  7. 前記緩衝材は、前記ワークよりも硬度が低い請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のバレル研磨方法。
  8. 前記緩衝材の新モース硬度が、5以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のバレル研磨方法。
  9. 前記緩衝材のメジアン径(D50)を、1000μm~2000μmとする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のバレル研磨方法。
  10. 前記緩衝材が、樹脂成分を含む材料からなり、
    前記バレル槽に、脂肪酸塩を含有しない材料からなるコンパウンドを投入する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のバレル研磨方法。
  11. 前記研磨石は、平面部を有する形状である請求項1~10のいずれか1項に記載の研磨石の摩耗を抑制するバレル研磨方法。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載のバレル研磨方法に用いる緩衝材。
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