JPH0545393B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本発明は、焼肉鉄板などを洗浄するためのシヨ
ツト材（メデイアの一種）による洗浄法に関する
ものである。 〔従来の技術とその課題〕 周知のとおり、一般の洗浄には、水洗または水
圧によるもの、液体や粉体の洗剤を用いるもの、
ブラシやスボンジを用いて物理的に行うもの、超
音波振動を用いるものなどや、これらの組合せた
ものが知られている。また、特殊な洗浄に、バレ
ル仕上げにおけるコンパウンドによるワーク表面
の汚染や油脂の除去が行われている。 ところで、前記バレル仕上げ加工に類するボー
ルバニツシング加工には金属の球形または異形の
ものを用いているが、最近、これに似たシヨツト
材を、被洗浄物である焼肉鉄板などに向け多数個
連続して投擲し、表面の炭化物や油脂などの汚れ
を除去する洗浄方式が開発されている。 そして、かかる洗浄方式で金属球のみを用いた
シヨツト材を使用したところ、焼肉鉄板に凹凸が
発生し、いわゆるハダ荒れを生じ、この焼肉鉄板
を再度焼肉のため使用すると、このハダ荒れ面に
汚れが付着しやすくなる、という問題があつた。 そこで、かかる洗浄方式について、例えば時開
昭62−236527号公報には次のような提案が開示さ
れている。この公報によれば、添付図面の概念図
に示すように、被洗浄物である焼肉鉄板１を回転
する保持回転体２にセツトし、この焼肉鉄板１の
板面に向け多数のシヨツト材３を洗剤液とともに
連続して投擲し、焼肉鉄板１の油脂などの汚れを
除去する洗浄方式が開示されている。かかる方式
の場合、シヨツト材３の投擲は高速回転するシヨ
ツト装置４によつて行われ、このシヨツト装置４
は連続供給されるシヨツト材３を、翼形フアンの
ような多数の羽根によつて遠心力を付与し投擲す
るものである。投擲されたシヨツト材３は焼肉鉄
板１に当つた後、網板５上に集められ、洗剤液と
分離した後、コンベア６によつてシユート７に運
ばれ、再びシヨツト装置４に供給されるようにな
つている。そして、このシユート７には新しい洗
剤液８が供給され、シヨツト材３とともに焼肉鉄
板１へスプレーされる。 そして、網板５上に集められたシヨツト材３
は、水シヤワー１０によつて洗われ、このシヤワ
ー水と、使用済の洗剤液とは傾斜パン９を流下
し、排液１１として排出される。 ここにおいて、前掲の公報では、かかる洗浄方
式に用いられるシヨツト材３は、研磨材を混入し
た合成樹脂製のシヨツト材で構成し、しかも、こ
の研磨材の混合量を変えたシヨツト材３を２種以
上用意して、これらの２種以上のシヨツト材３を
混合して同時に用いている。その結果、焼肉鉄板
１に付着した様々な汚れ、すなわち強固に付着し
た炭化物に対しては研磨材の混入量の多いシヨツ
ト材が有効に働き、付着力の弱い油脂などに対し
ては研磨材の混合量の少ないシヨツ材が有効に作
用して、全体として効率よくこれらの汚れを除去
できる、とされている。 しかしながら、これらの２種以上のシヨツト材
３は、研磨材の混入した合成樹脂製の一種のメデ
イアであること、また、これらのシヨツト材３は
循環使用されることから長時間使用している間
に、崩壊したり摩耗したりして消耗する。そのた
め、これらのシヨツト材３は補充する必要が生じ
るが、これらの２種以上のシヨツト材のうち、何
れのシヨツト材が多く消耗されたのか判別でき
ず、その補充に難点があつた。なお、その補充量
を誤れば、洗浄が期待どおりおこなわれない、と
いう難点があつた。 〔課題を解決するための手段〕 そこで本発明はかかる難点を解消しようとして
創作されたもので、その要旨とするところは、炭
化物および油脂の付着した被洗浄物に、洗剤液と
共にシヨツト材をシヨツト装置により投擲し、こ
れを回収して再び投擲しながら洗浄を行う洗浄法
において、前記シヨツト材を、研削性を増すため
の粒度大の研磨材と、これより粒度小の油脂落し
のための研磨材との２種の研磨材を、バインダー
としての合成樹脂に混合して約３mmφ程度の小片
状の略粒ぞろいさせたシヨツト材で構成し、該シ
ヨツト材１種のみを投擲することを特徴とするシ
ヨツト材による洗浄法にある。 〔実施例〕 本発明の構成を実施例により詳細に説明する。 本実施例のシヨツト材３は、代表例としては３
mmφの大きさのペレツト状のものであり、従来例
と同様、添付図面に示す洗浄装置に用いるもので
ある。 先ず、本実施例の創作過程について述べる。 〔一般のシヨツト材の定性的条件〕 (1) (i) 比重が２以上（但し、比重が極端に大で
あると、ボールバニツシング加工となるので
避けること）であること。 (ii) 耐摩耗性、耐衝撃性があること。 (iii) 親水性があること。 (iv) 研磨性があること。 (2) 以上(1)の条件を満たすために、比較的低比重
の金属（アルミ）球（前述のボールバニツシン
グ加工と同様なもの）が用いられている（公
知）が、これにより新たに発生する問題点は次
のとおりであつた。 (i) アルミの微粉が、真黒な排水となつて流出
する。 (ii) アルミ粉が油脂とともに、焼肉鉄板１の表
面（殊に裏面）に付着し、再度これを洗浄す
る必要が生じる。 (iii) 衝撃が強いため、被洗浄物が変形するおそ
れがあり、また、衝撃音が高い。 (iv) 洗剤との結合で水素爆発するおそれがあ
る。 (3) そこで金属球単位のシヨツト材の代りに合成
樹脂に研磨材を混合したシヨツト材（公知）を
用いると、これには更に次のような問題があ
る。 (i) 研削力を上げるためには粗い研磨材を必要
とするが、研磨材が粗ければ衝撃により内部
から崩壊を生じ易くなり、シヨツト材の消耗
量が多くなる。 (ii) 投擲速度を得るためにシヨツト材の比重を
上げようとすれば、研磨材の混入量を多くす
ることになるが、その結果、シヨツト材が脆
くなり、シヨツト材の消耗量が多くなる。 (iii) 前掲の公報のように、研磨材の混入量を異
にしたシヨツト材を２種以上用いると、前述
のような問題が発生する。 (4) そこで本実施例では、粒度の異なる２種類の
研磨材を組合せて混入した合成樹脂製の単品シ
ヨツト材に想致し、これにより、前述の諸条件
に合致させること、および諸問題を解消するこ
とに達した。 〔シヨツト材の定量的条件〕 (i) シヨツト材３を、合成樹脂として各種の樹脂
を試験した結果、耐衝撃力のあるポリアミド樹
脂（ナイロン）を選び、研磨材として前述の背
景からアルミナ系の研磨材を選びこれらで構成
し、洗浄作業には、このシヨツト材を８Kg使用
した。 (ii) 図面に示す保持回転体２に、焼肉鉄板１を４
〜６枚セツトした。 (iii) 洗剤液および湯のシヤワーを当時に吹付け
た。 (iv) 焼肉鉄板１の洗浄完了時間を３分とした。か
かる洗浄を同一のシヨツト材３により４時間行
つた。 以上の事柄に立つて、研磨材の粒度を異にした
各種のシヨツト材の摩耗量、つまりシヨツト材の
消耗量を測定した。 すなわち、代表的な試験結果は、次表のとおり
である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、研磨材を混入した合成樹脂製
のシヨツト材において、この研磨材を粒度大・小
のもので構成したシヨツト材としたので、粒度の
大の研磨材で研削材を向上させ、粒度の小の研磨
材で油脂落しの洗浄を行うと共に、樹脂との結合
力を維持させ、シヨツト材の崩壊を防ぎ、全体と
して洗浄効果を上げ、かつ消耗化を防ぐことがで
きる。しかも、合成樹脂のシヨツト材であるた
め、金属製シヨツト材単品と違い、被洗浄物の表
面が凹凸形成することなく磨かれるため、この被
洗浄物を再度使用するときもその表面に汚れが付
着しにくい。 殊に、前記構成のシヨツト材１種の投擲による
洗浄法であるため、しばしば補充を必要とするシ
ヨツト材の補充に際し、全体の量が減れば、その
減つた分だけ機械的に補充すれば足り、しかもこ
の補充によつても、洗浄効果は標準どおり行つこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシヨツト材を用いた洗浄方式の概念図
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炭化物および油脂の付着した被洗浄物に、洗
   剤液と共にシヨツト材をシヨツト装置により投擲
   し、これを回収して再び投擲しながら洗浄を行う
   洗浄法において、 前記シヨツト材を、研削性を増すための粒度大
   の研磨材と、これより粒度小の油脂落しのための
   研磨材との２種の研磨材を、バインダーとしての
   合成樹脂に混合して約３mmφ程度の小片状の略粒
   ぞろいさせたシヨツト材で構成し、該シヨツト材
   １種のみを投擲することを特徴とするシヨツト材
   による洗浄法。