JP2023110559A - 移動式クレーンの制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】反復実施するための操作が簡単な移動式クレーンの制御システムを提供する。【解決手段】移動式クレーンの制御システムSは、吊荷による荷重を検出する荷重検出手段としての起伏支持力検出センサ55と、クレーン装置としての小型クレーン20の状態を検出する状態検出手段(51~54)と、小型クレーン20の状態を記憶する状態記憶手段61と、小型クレーン20の動作を制御する制御手段としてのコントローラ70と、を備え、状態記憶手段61は、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて判断した、吊荷の地切り時の小型クレーン20の第1状態と、吊荷の荷降ろし時の小型クレーン20の第2状態と、を記憶するとともに、コントローラ70は、スイッチ操作によって、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、小型クレーン20の状態変化を反復実施できるようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は、積載形トラッククレーンを含む移動式クレーンの制御システムに関するものである。
従来から、積載形トラッククレーンを含む移動式クレーンでは、積み荷を吊り上げたり、荷降ろししたりする際に、クレーン装置によって同様の動作を反復して実施する場面も多く見られる。
そのため、このような反復実施の労力を軽減するために、様々な自動化技術が開発されている。例えば、特許文献1の高所作業車では、クレーンの一連の操作をあらかじめ教示しておいて、後でクレーンの動作を再生(又は逆再生)することのできるティーチングプレイバック装置が提案されている。
特開2001-130896号公報
しかしながら、特許文献1を含む従来の技術では、オペレータがティーチングモードに切り替えたうえで、一連の動作を機械側に記憶させ、さらにティーチングモードを終了した後に、動作を再生する必要があった。したがって、反復実施するための操作全体が煩雑となり、使い勝手の優れないものとなっていた。
そこで、本発明は、反復実施するための操作が簡単な移動式クレーンの制御システムを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の移動式クレーンの制御システムは、吊荷による荷重を検出する荷重検出手段と、前記クレーン装置の状態を検出する状態検出手段と、前記クレーン装置の状態を記憶する状態記憶手段と、前記クレーン装置を制御する制御手段と、を備え、前記状態記憶手段は、前記荷重検出手段からの検出信号に基づいて判断した、吊荷の地切り時の前記クレーン装置の第1状態と、吊荷の荷降ろし時の前記クレーン装置の第2状態と、を記憶するとともに、前記制御手段は、スイッチ操作によって、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、前記クレーン装置の状態変化を反復実施できるようになっている。
このように、本発明の移動式クレーンの制御システムは、状態記憶手段は、荷重検出手段からの検出信号に基づいて判断した、吊荷の地切り時のクレーン装置の第1状態と、吊荷の荷降ろし時のクレーン装置の第2状態と、を記憶するとともに、制御手段は、スイッチ操作によって、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、クレーン装置の状態変化を反復実施できるようになっている。このような構成の移動式クレーンの制御システムであれば、スイッチ操作だけで同様の動作を反復実施することができる、操作が簡単な移動式クレーンの制御システムとなる。
積載形トラッククレーンの側面図である。 積載形トラッククレーンの油圧系・制御系の全体のブロック図である。 移動式クレーンの制御システムの制御系のブロック図である。 遠隔操作端末の正面図である。 移動式クレーンの制御システムの制御手順を示すフローチャートである。 動作モードの説明図である。(a)は最短モードであり、(b)は旋回優先モードであり、(c)は最速モードである。 スイッチの割り当ての説明図である。(i)は優先度1の説明であり、(ii)は優先度2の説明であり、(iii)は優先度3の説明であり、(iv)は優先度4の説明である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る移動式クレーンの制御システム(S)は、移動式クレーン、高所作業車、ホイルローダー、油圧ショベル等の作業車両に適用することができる。移動式クレーンとしては、(狭義の)トラッククレーン、(車両)積載形トラッククレーン、及びレッカー形トラッククレーンを含む、(広義の)トラッククレーン;(狭義の)ホイールクレーン、及びラフテレーンクレーンを含む、(広義の)ホイールクレーン;クローラクレーン;鉄道クレーン;浮クレーン;などに本発明を適用することができる。以下、積載形トラッククレーンを例に挙げて説明するが、他の作業車両にも本発明に係る移動式クレーンの制御システム(S)を適用することができる。
(積載形トラッククレーンの全体構成)
まず、積載形トラッククレーンCRの構成について説明する。図1に示すように、積載形トラッククレーンCRは、汎用トラック10の運転室11と荷台12との間の車両フレーム13に、クレーン装置としての小型クレーン20が搭載されたものである。
クレーン装置としての小型クレーン20は、車両フレーム13上に固定されたベース21と、ベース21に対して旋回可能に設けられたポスト22と、ポスト22の上端部に起伏可能に設けられたブーム23と、を備えている。ポスト22にはウインチ28が内蔵されている。ウインチ28からブーム23の先端部までワイヤロープが導かれて、ブーム23の先端部の滑車を介してフック24に掛け回されている。これらのポスト22、ブーム23、フック24からクレーン装置が構成される。
さらに、小型クレーン20は、ベース21の左右両側にアウトリガ装置25、26を備えている。以下では、クレーン装置(ポスト22、ブーム23、フック24)とアウトリガ装置25、26とをまとめて「作業機」と称することとする。そして、小型クレーン20には、これらの作業機を操作するためのレバー群27がベース21の左右両側に設けられている。
(油圧系・制御系の構成)
次に、図2、図3のブロック図を用いて、移動式クレーンの制御システムSの油圧系・制御系の構成について説明する。図2に示すように、小型クレーン20の油圧系は、主に、油圧バルブユニット31と、油圧バルブユニット31にタンク32内から作動油を供給する油圧ポンプ33と、油圧ポンプ33と油圧バルブユニット31を接続する主油路34と、油圧バルブユニット31とタンク32を接続する戻油路35と、油圧バルブユニット31に接続された複数の油圧アクチュエータ41~46とから構成されている。
油圧ポンプ33は、PTO30を介してエンジン(Eng)の回転動力を取り出すことによって回転駆動される。油圧バルブユニット31には、油圧アクチュエータ群として、伸縮シリンダ41、ウインチモータ42、起伏シリンダ43、旋回モータ44、およびアウトリガ用のジャッキシリンダ45、46が接続されている。
油圧バルブユニット31を構成する各切換制御弁(不図示)には、それぞれレバーが取り付けられており、レバーを手動操作することによって、油圧ポンプ33から供給される圧油の方向および流量を切り換えることができるようになっている。各切換制御弁に取り付けられたレバーは、レバー群27としてベース21の左右両側に配置されている(図1参照)。
さらに、切換制御弁には、レバーとは別にそれぞれパイロットシリンダ(不図示)が取り付けられており、そのパイロットシリンダの動作によっても、油圧ポンプ33から供給される圧油の方向および流量を切り換えることができるようになっている。
各パイロットシリンダには、電磁弁が付設されており、電磁弁は公知のコンピュータ等で構成された制御手段としてのコントローラ70に接続されている。電磁弁は、コントローラ70からの制御信号に基づいて動作することで、パイロットシリンダを駆動し、切換制御弁を切り換えるようになっている。このようにして、コントローラ70は作業機の動作を制御する。そして、本実施例のコントローラ70は、状態記憶手段61としての記憶装置(メモリ、SSD、HDD等)をさらに備えている。なお、状態記憶手段61は、コントローラ70とは別に配置することもできる。
また、制御手段としてのコントローラ70には、センサ群として、ブーム長さ検出センサ51と、ワイヤ長さ検出センサ52と、ブーム角度検出センサ53と、旋回角度検出センサ54と、荷重検出手段としての起伏支持力検出センサ55と、が接続されている。さらに、コントローラ70は、後述する遠隔操作端末80との間で情報を送受信するための通信部70aを有している。
(制御系)
次に、図3のブロック図を用いて、本実施例の移動式クレーンの制御システムSの制御系の構成について説明する。上述してきたように、移動式クレーンの制御システムSは、荷重検出手段としての起伏支持力検出センサ55と;クレーン装置としての小型クレーン20の状態検出手段としてのブーム長さ検出センサ51、ワイヤ長さ検出センサ52、ブーム角度検出センサ53、及び旋回角度検出センサ54と;クレーン装置としての小型クレーン20の状態記憶手段61であるメモリ、SSD、HDD等と;クレーン装置としての小型クレーン20の動作を制御する制御手段としてのコントローラ70と;を備えている。
このうち、状態記憶手段61は、荷重検出手段としての起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて判断した、吊荷の地切り時のクレーン装置(小型クレーン20)の第1状態と、吊荷の荷降ろし時のクレーン装置(小型クレーン20)の第2状態と、を記憶する。
この場合、地切りや荷降ろしの判断手法については、特に限定されるものではない。一例として、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて、所定の荷重以上の荷重となった場合に、地切りされたと判定することができる(例えばA地点)。また、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて、所定の荷重以下の荷重となった場合に、荷降ろしされたと判定することができる(例えばB地点)。
そして、第1状態として、地切り時においてセンサ群から受信した情報-具体的には、ブーム長さ、ブーム角度、及び旋回角度-を記憶する。同様に、第2状態として、荷降ろし時においてセンサ群から受信した情報-具体的には、ブーム長さ、ブーム角度、及び旋回角度-を記憶する。これらに加えて、状態記憶手段61は、第1状態及び第2状態として、ワイヤ長さ、をさらに記憶することもできる。
また、制御手段としてのコントローラ70は、スイッチ操作によって、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、クレーン装置(小型クレーン20)の状態変化を反復実施できるようになっている。
例えば、フック取出スイッチ89をONにすると、第1状態(A地点)から第2状態(B地点)へと小型クレーン20が所定の動作モードに従って動作する。逆に、フック格納スイッチ90をONにすると、第2状態(B地点)から第1状態(A地点)へと小型クレーン20が所定の動作モードに従って動作する。
ここにおいて、第1状態-第2状態間の移動経路(状態変化の途中の態様)としての動作モードについては後述する。また、フック取出スイッチ89とフック格納スイッチ90への、動作の向きの割り当て手法(決まり)についても後述する。
(遠隔操作端末)
制御手段としてのコントローラ70は、遠隔操作端末80と双方向に無線通信又は有線通信可能となっており、遠隔操作端末80を操作することによっても、作業機を動作させることができるようになっている。
図3、図4に示すように、遠隔操作端末80の上部には、各種のスイッチやレバー等の操作用スイッチ81~90と、上段中央に液晶ディスプレイである表示部91と、が配置されている。操作用スイッチは、下段に、旋回選択スイッチ81、起伏選択スイッチ82、ウインチ選択スイッチ83、および伸縮選択スイッチ84;上段の左右に、電源スイッチ85、ホーンスイッチ86;中段に、ナビスイッチ87、モード選択スイッチ88、フック取出スイッチ89、フック格納スイッチ90を有している。なお、遠隔操作端末80は、前述したコントローラ70との間で情報を送受信するための通信部80aを有している。
このうち、中段の左右両端に配置されている、フック取出スイッチ89(左側)とフック格納スイッチ90(右側)は、それぞれ1度押して保持する(押しっぱなしにする)ことで、フック24を取り出す際と、フック24を格納する際と、に使用される。そして、本実施例の移動式クレーンの制御システムSでは、これらのフック取出スイッチ89及びフック格納スイッチ90に対して、通常とは異なる操作手法で操作することによって、所定の規則に従って、動作の向き―第1状態から第2状態へ/第2状態から第1状態へ―が割り当てられる(割り当て規則については後述する)。
(フローチャート)
次に、図5に示すフローチャートを用いて、移動式クレーンの制御システムSの制御手順について説明する。
(初期記憶工程:ステップS11~S17)
オペレータはPTO30をON(ステップS11)にした後、作業前に、作業内容に適した動作モードをあらかじめ選択しておく(ステップS12)。この選択は、例えば、運転室11内に設置された選択手段(不図示)によって行うことができる。(なお、動作モードの設定は、毎回する必要はなく、1度設定すると、記憶され、変更したい場合に、ステップS12がなされる。)
そして、オペレータは、実際の作業において、レバー群27や遠隔操作端末80を用いて、小型クレーン20を動作させて地点Aにおいて吊荷を吊り上げる(ステップS13)。具体的には、ウインチ選択スイッチ83を巻上側に倒すことでワイヤロープを巻上げる。そうすると、状態記憶手段61は、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて地切りを判定し、同時に地点Aでの第1状態(ブーム長さ、ブーム角度、及び旋回角度)を記憶する(ステップS14)。
その後、オペレータは、レバー群27や遠隔操作端末80を用いて、小型クレーン20を動作させて吊荷を移動する(ステップS15)。その後、オペレータは、実際の作業において、レバー群27や遠隔操作端末80を用いて、小型クレーン20を動作させて地点Bにおいて吊荷を荷降ろしする(ステップS16)。具体的には、ウインチ選択スイッチ83を巻下側に倒すことでワイヤロープを巻下げる。そうすると、状態記憶手段61は、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて荷降ろしを判定し、同時に地点Bでの第2状態(ブーム長さ、ブーム角度、及び旋回角度)を記憶する(ステップS17)。
(第2状態から第1状態へ:ステップS21~S34)
そして、フック格納スイッチ90をONにすると、第2状態から第1状態への状態変化が開始される(ステップS21)。具体的には、フック格納スイッチ90を二度押し・保持する。そうすると、この時点でヘッド(ブーム先端)-フック間距離が記憶される(ステップS22)。
その後、あらかじめ選択された動作モードで小型クレーン20が動作する(ステップS23)。この動作モードについては後述する。ここにおいて、ヘッド(ブーム先端)-フック間距離は、記憶された値に保持される。すなわち、コントローラ70は、ブーム先端とフックの距離を自動的に略一定に保持するようにウインチモータ42を制御する。
ただし、コントローラ70は、さらに手動操作によるウインチ28の巻上巻下動作(ウインチ選択スイッチ83を用いる)を併用可能とすることができる(ステップS29)。なお、移動中は、遠隔操作端末80のトリガを引くことによって、通常よりも速く移動する「高速モード」で移動できるようにされていることが好ましい。
そして、地点A(第1状態)に到着すれば(ステップS24のYES)、クレーンの動作は自動停止する。その後、フック格納スイッチ90をOFFにする(ステップS25)。さらに、オペレータは、レバー群27や遠隔操作端末80を用いて、小型クレーン20を動作させて別の位置(地点A′)に移動させて(ステップS26)、吊荷を吊り上げる(ステップS27)。
そうすると、状態記憶手段61は、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて地切りを判定し、同時に地点A′での第1状態(ブーム長さ、ブーム角度、及び旋回角度)を記憶する(ステップS28)。その後、ステップS41へ続く。
一方、地点A(第1状態)に到着しておらず(ステップS24のNO)、クレーンの作動中にフック格納スイッチ90がOFFになると(ステップS31のNO)、クレーンの動作は停止する。その後、オペレータは、レバー群27や遠隔操作端末80を用いて、小型クレーン20を動作させて別の位置(地点A″)に移動させて(ステップS32)、吊荷を吊り上げる(ステップS33)。なお、フック格納スイッチ90をOFFにした後に(ステップS31のNO)、再度フック格納スイッチ90をONにした場合は、ステップS22に戻る。
そうすると、状態記憶手段61は、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて地切りを判定し、同時に地点A″での第1状態(ブーム長さ、ブーム角度、及び旋回角度)を記憶する(ステップS34)。その後、ステップS41へ続く。
(第1状態から第2状態へ:ステップS41~S54(不図示))
そして、今度は、フック取出スイッチ89をONにすると(ステップS41)、第1状態(A′地点又はA″地点)から第2状態(B地点)への状態変化が開始される。この後、ステップS21~S34に記載した手順と略同様の手順が実行される(ステップS41~S54(不図示))。
(動作モードについて)
次に、図6(a)~(c)を用いて、第1状態-第2状態間の移動経路として、3つの動作モードについて説明する。これらの動作モードは、作業前に、あらかじめオペレータが選択して設定しておく。そして、既存のフック取出スイッチ89又はフック格納スイッチ90を操作(通常とは異なる操作)することで、状態記憶手段61に記憶されている第1状態又は第2状態へと導く制御が実行される。
すなわち、作業の時点では、動作モードの切替操作は不要であり、既存のスイッチに対して、通常の操作手法(入れ方;押し方)とは異なる操作手法によって、既存の動作モード(フック取出/フック格納)か、状態変化の反復実施か、を判定して作動させる。この場合、異なる操作手法としては、例えば、二度押し保持、又は、他のスイッチとの併用操作とすることができる。
まず、図6(a)に示す最短モードについて説明する。最短モードでは、ブーム先端が、第1状態と第2状態を結ぶ直線に沿って移動する。図示したように、地切り位置と荷降ろし位置が、積載形トラッククレーンCRを跨ぐ位置にある場合には、ブーム23は旋回とともに、起伏しながら、いったん縮んだ後に伸びることになる。最短モードは、直線的にユーザに向かってくる動きであるため、周辺の障害物と干渉(接触、衝突)しないか否かを判断しやすい。
次に、図6(b)に示す旋回優先モードについて説明する。作業半径が小さい方から大きい方へ移動させる場合における旋回優先モードでは、単独の旋回動作が最初に実行され、その後、伸縮動作や起伏動作が実行される。図示したように、地切り位置と荷降ろし位置が、積載形トラッククレーンCRを跨ぐ位置にある場合には、ブーム23は初期のブーム長さ・起伏角度を保持した状態で旋回し、その後に伸縮・起伏することになる。旋回優先モードは、一番荷振れのリスクが高い旋回動作を単独で先に動かすことによって、旋回動作を慎重に、その後の動作を安心して操作できる。なお、作業半径が大きい方から小さい方へ移動させる場合における旋回優先モードでは、上記とは逆に、旋回動作は最後に実行される。
次に、図6(c)に示す最速モードについて説明する。最速モードでは、旋回動作、伸縮動作、起伏動作、及び、巻上巻下動作、を同時並行的に実行して、状態変化に要する時間を最短にする。図示したように、地切り位置と荷降ろし位置が、積載形トラッククレーンCRを跨ぐ位置にある場合には、ブーム23は旋回とともに、起伏し、伸縮することになる。最速モードは、旋回/伸縮/ウインチ/起伏の4連を同時に動かすことで、最速に目標位置まで動かすことができる。
(スイッチの割り当てについて)
次に、図7(i)~(iv)を用いて、スイッチの割り当て手法について説明する。ここでは、スイッチの割り当ての規則として、最も高い優先度1から順に条件を満たすが否か判定されて、スイッチが割り当てられる。
・図7(i)優先度1:
作業半径Rの大小に応じて、表のスイッチを割り当てる。すなわち、作業半径Rが小さい方への動作にはブーム格納スイッチ90が割り当てられ、作業半径Rが大きい方への動作にはブーム取出スイッチ89が割り当てられる。
・図7(ii)優先度2:
同じ作業半径Rならば、旋回中心を基準とし、荷台真後ろ後方角度θをゼロ度とし、旋回角度|θ|(絶対値;最大値180度)で判断する。すなわち、旋回角度|θ|が小さい方への動作にはブーム格納スイッチ90が割り当てられ、旋回角度|θ|が大きい方への動作にはブーム取出スイッチ89が割り当てられる。
・図7(iii)優先度3:
同じ作業半径Rかつ同じ旋回角度|θ|ならば、反復操作直前のフック位置からの距離に対して、表のスイッチが割り当てられる。すなわち、距離が遠い方への動作にはブーム格納スイッチ90が割り当てられ、距離が近い方への動作にはブーム取出スイッチ89が割り当てられる。
・図7(iv)優先度4:
同じ作業半径Rかつ同じ旋回角度|θ|かつ反復操作直前のフック位置からの距離も同じ場合には、作動しない。すなわち、この場合には、反復操作は実行できない。
(効果)
次に、本実施例の移動式クレーンの制御システムSの奏する効果を列挙して説明する。
(1)上述してきたように、本実施例の移動式クレーンの制御システムSは、吊荷による荷重を検出する荷重検出手段としての起伏支持力検出センサ55と、クレーン装置としての小型クレーン20の状態を検出する状態検出手段(51~54)と、小型クレーン20の状態を記憶する状態記憶手段61と、小型クレーン20の動作を制御する制御手段としてのコントローラ70と、を備え、状態記憶手段61は、起伏支持力検出センサ55からの検出信号に基づいて判断した、吊荷の地切り時の小型クレーン20の第1状態と、吊荷の荷降ろし時の小型クレーン20の第2状態と、を記憶するとともに、コントローラ70は、スイッチ操作によって、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、小型クレーン20の状態変化を反復実施できるようになっている。このような構成であれば、スイッチ操作だけで同様の動作を反復実施することができる、操作が簡単な移動式クレーンの制御システムSとなる。
さらに、オペレータによる操作内容を記憶するものではないため第1状態-第2状態間の移動経路は関係ない。したがって、位置の微調整に要した操作をいちいち記憶する必要もなく、シンプルな移動経路になる。加えて、移動経路に沿った動作中に、1)手動操作によるウインチ28の巻上巻下動作(ウインチ選択スイッチ83を用いる)を併用することが可能であり、2)動作をやめて、(モード変更することなく)各アクチュエータを個別に作動させる操作をすることも可能となる。
(2)また、状態記憶手段61は記憶された第1状態とは異なる状態で地切りされると第1状態を更新し、かつ/又は、記憶された第2状態とは異なる状態で荷降ろしされると第2状態を更新するようになっている。このように、第1状態や第2状態が自動的に更新されれば、反復実施するための状態に関する記憶データを更新させるために、オペレータが特別な操作をする必要はない。さらに、開始位置(例えば、地切り位置)のみ、終了位置(例えば、荷降ろし位置)のみを、(一方だけ)独立して変更できる。
(3)また、制御手段としてのコントローラ70は、小型クレーン20の状態変化の反復実施において、ブーム先端とフックの距離を自動的に略一定に保持するようにウインチを制御することができる。このような構成であれば、移動の途中において周囲の障害物との干渉を予測しやすい。
(4)さらに、制御手段としておコントローラ70は、小型クレーン20の状態変化の反復実施において、さらに手動操作によるウインチ28の巻上巻下動作(ウインチ選択スイッチ83を用いる)を併用可能としている。このような構成であれば、移動の途中において障害物と干渉しそうになると、オペレータが補正(巻上操作)できる。
(5)また、制御手段としてコントローラ70は、小型クレーン20の状態変化の反復実施において、荷役作業の途中であっても複数の動作モードを選択できるようになっている。このような構成であれば、オペレータの好みや、現場の状況や用途に臨機応変に対応して動作モードを変更できる。
(6)さらに、動作モードとして、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、ブーム先端が直線的に移動する最短モードを有する。この最短モードは、直線的にユーザに向かってくる動きであるため、周辺の障害物と干渉(接触、衝突)しないか否かを判断しやすい。
(7)また、動作モードとして、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、単独の旋回動作を実行する旋回優先モードを有する。この旋回優先モードは、一番荷振れのリスクが高い旋回動作を単独で動かすことによって、旋回動作を慎重に操作できる。
(8)さらに、動作モードとして、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、旋回動作、伸縮動作、起伏動作、及び、巻上巻下動作、を同時に実行して、状態変化に要する時間を最短にする最速モードを有する。この最速モードは、旋回/伸縮/ウインチ/起伏の4連を同時に動かすことで、最速に目標位置まで動かすことができる。
(9)また、フック取出スイッチ89及びフック格納スイッチ90をさらに備え、第1状態と第2状態のいずれかのうち、作業半径Rが小さい方への状態変化にはフック格納スイッチ90を割り当てるとともに、作業半径Rが大きい方への状態変化にはフック取出スイッチ89を割り当てて、各スイッチを、通常のフック取出操作及びフック格納操作とは異なる押し方で押すことによって、小型クレーン20の状態変化を反復実施するようになっている。このような構成であれば、既存のフック取出スイッチ89及びフック格納スイッチ90と略同様の感覚で操作できる。そのため、操作性に優れるうえ、誤って逆向きの動作を選択することもなくなる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、反復実施用のスイッチは、4つの動作スイッチ(旋回/伸縮/ウインチ/起伏)とは、別のスイッチとすることが好ましい。このようにすれば、反復実施の最中に、4つの動作を併用することが可能となる。
CR:積載形トラッククレーン(移動式クレーン);
S:異動式クレーンの制御システム;
10:汎用トラック; 11:運転室;
12:荷台; 13:車両フレーム;
20:小型クレーン;
21:ベース; 22:ポスト; 23:ブーム; 24:フック;
25、26:アウトリガ装置; 27:レバー群; 28:ウインチ;
30:PTO; 31:油圧バルブユニット; 32:タンク;
33:油圧ポンプ; 34:主油路; 35:戻油路;
41:伸縮シリンダ;
42:ウインチモータ;
43:起伏シリンダ;
44:旋回モータ;
45:ジャッキシリンダ;
51:ブーム長さ検出センサ;
52:ワイヤ長さ検出センサ;
53:ブーム角度検出センサ;
54:旋回角度検出センサ;
55:起伏支持力検出センサ;
61:状態記憶手段;
70:コントローラ;
80:遠隔操作端末;
81:旋回選択スイッチ;
82:起伏選択スイッチ;
83:ウインチ選択スイッチ;
84:伸縮選択スイッチ;
85:電源スイッチ;
86:ホーンスイッチ;
87:ナビスイッチ;
88:モード選択スイッチ;
89:フック取出スイッチ;
90:フック格納スイッチ;
91:表示部

Claims (9)

  1. クレーン装置を備える移動式クレーンの制御システムであって、
    吊荷による荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記クレーン装置の状態を検出する状態検出手段と、
    前記クレーン装置の状態を記憶する状態記憶手段と、
    前記クレーン装置の動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記状態記憶手段は、前記荷重検出手段からの検出信号に基づいて判断した、吊荷の地切り時の前記クレーン装置の第1状態と、吊荷の荷降ろし時の前記クレーン装置の第2状態と、を記憶するとともに、
    前記制御手段は、スイッチ操作によって、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、前記クレーン装置の状態変化を反復実施できるようになっている、移動式クレーンの制御システム。
  2. 前記状態記憶手段は記憶された第1状態とは異なる状態で地切りされると第1状態を更新し、かつ/又は、記憶された第2状態とは異なる状態で荷降ろしされると第2状態を更新するようになっている、請求項1に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  3. 前記制御手段は、前記クレーン装置の状態変化の反復実施において、ブーム先端とフックの距離を自動的に略一定に保持するようにウインチを制御する、請求項1又は請求項2に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  4. 前記制御手段は、前記クレーン装置の状態変化の反復実施操作中において、ウインチの巻上巻下動作を併用可能としている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  5. 前記制御手段は、前記クレーン装置の状態変化の反復実施において、複数の動作モードを選択できるようになっている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  6. 前記動作モードとして、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、ブーム先端が直線的に移動する最短モードを有する、請求項5に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  7. 前記動作モードとして、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、単独の旋回動作を実行する旋回優先モードを有する、請求項5又は請求項6に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  8. 前記動作モードとして、第1状態から第2状態へ、かつ/又は、第2状態から第1状態へ、旋回動作、伸縮動作、起伏動作、及び、巻上巻下動作、を同時に実行して、状態変化に要する時間を最短にする最速モードを有する、請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載された、移動式クレーンの制御システム。
  9. フック取出スイッチ及びフック格納スイッチをさらに備え、
    第1状態と第2状態のいずれかのうち、作業半径が小さい方への状態変化にはフック格納スイッチを割り当てるとともに、作業半径が大きい方への状態変化にはフック取出スイッチを割り当てて、
    各スイッチを、通常のフック取出操作及びフック格納操作とは異なる押し方で押すことによって、前記クレーン装置の状態変化を反復実施するようになっている、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載された、移動式クレーンの制御システム。
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