JP2023109949A - 青果物の包装体、保存装置及び保存方法 - Google Patents

青果物の包装体、保存装置及び保存方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023109949A
JP2023109949A JP2023085993A JP2023085993A JP2023109949A JP 2023109949 A JP2023109949 A JP 2023109949A JP 2023085993 A JP2023085993 A JP 2023085993A JP 2023085993 A JP2023085993 A JP 2023085993A JP 2023109949 A JP2023109949 A JP 2023109949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetables
fruits
fruit
carbon dioxide
inner body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023085993A
Other languages
English (en)
Inventor
英毅 渡辺
Hideki Watanabe
博治 板谷
Hiroji Itaya
尚生 小池
Hisao Koike
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Publication of JP2023109949A publication Critical patent/JP2023109949A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Packaging Frangible Articles (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Abstract

【課題】青果物の鮮度を制御しつつ、より長期間保存することのできる青果物の包装体、保存装置、及び保存方法を提供することを目的とする。【解決手段】 青果物を収容する内装体と、該内装体を収容する外装体と、を有し、前記内装体及び/又は外装体の少なくとも一部に、23℃における酸素透過度が、2×103~7×105cc/m2・day・atmであり、23℃における二酸化炭素透過度が、4×103~7×105cc/m2・day・atmであり、前記酸素透過度に対する前記二酸化炭素透過度の比が、10以下であるガス透過制御フィルムを備える、青果物の包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、青果物の包装体、保存装置及び保存方法に関する。
青果物は収穫後、流通過程にのり、食卓へ届けられる。一般的に青果物は熟したものほ
ど美味しく、栄養価も高い傾向にある。そこで、特許文献1には、従来から行われている
青果物の流通過程における追熟処理を省略し、収穫後の新鮮な青果物をできるだけ早く購
入者・消費者の手元に到達させるとともに、購入者・消費者が自らの嗜好などに合わせて
簡便に熟成を行って、適宜食べ頃の青果物を入手することを可能にすることを目的として
、所定のガス雰囲気下において、雰囲気温度を変化させることによって農産物を熟成させ
る熟成方法が開示されている。
一方で、青果物は熟期が短いものが少なくなく、保存方法が確立されている青果物であ
れば、通年に亘り入手することができるが、傷みやすい青果物は保存方法が充分に確立さ
れているとはいえない。特に青果物は、肉や魚と比較して水分率が高く、また、細胞膜の
水透過係数が動物より低いため、凍結をすると細胞が破壊されやすく、肉や魚に用いるよ
うな凍結保存に適さない。また、保冷庫を用意したとしても、その鮮度を長期間保持する
ことは容易ではなく、収穫から消費されるまでの期間が長い場合には、鮮度を保持するこ
とが困難である。
そこで、包装袋により青果物鮮度を保持する技術が知られている(特許文献2)。
特開2004-159519号公報 特開2015-037972号公報
青果物の鮮度をより長期間保持することができる青果物の保存方法が確立されれば、新
たな価値を創出することができる。例えば、数日間しか鮮度保持ができない青果物を、保
存技術により十数日間鮮度保持ができるとすれば、青果物をより新鮮な状態で消費者に届
けることが可能となるし、鮮度低下により廃棄せざるを得ない青果物の量を減少させるこ
とも想定される。また、保存技術が確立されれば、輸送に日数がかかる地域へ青果物を供
給することも可能となり、比較的に美味しいとされる日本の青果物の輸出量も増大すると
考えられる。さらに、従来入手が困難な時期にも青果物が入手できるとすれば、新たな需
要創出も期待できる。
ところで、一般的に青果物は、収穫後も呼吸をつづけており、その呼吸が活発に行われ
る条件下に置かれることにより劣化し、鮮度が低下しやすいとされる。青果物の呼吸は、
大気よりも適度な低酸素、高二酸化炭素環境下である場合に抑制されることが知られてい
る。しかし、特許文献2のように、貫通孔を設けたフィルムからなる青果物鮮度保持包装
袋では、貫通孔を介して酸素及び二酸化炭素が自由に(非選択的に)通過し得るため、酸
素濃度を低下させ、かつ二酸化炭素濃度を増加させるという制御が十分に行われるとは言
い難い状況にある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、青果物の鮮度を制御しつつ、より
長期間保存することのできる青果物の包装体、保存装置、及び保存方法を提供することを
目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、所定の気体透過性を有
する内装体と外装体とを用いることにより、内装体内の青果物の呼吸をより正確に制御す
ることができ、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
青果物を収容する内装体と、
該内装体を収容する外装体と、を有し、
前記内装体及び/又は外装体の少なくとも一部に、23℃における酸素透過度が、2×
103~7×105cc/m2・day・atmであり、23℃における二酸化炭素透過度
が、4×103~7×105cc/m2・day・atmであり、前記酸素透過度に対する
前記二酸化炭素透過度の比が、10以下であるガス透過制御フィルムを備える、
青果物の包装体。
〔2〕
前記ガス透過制御フィルムの23℃における水蒸気透過度が、2~200g/day・
2である、
前項〔1〕に記載の青果物の包装体。
〔3〕
前記内装体と前記外装体の間の空間に、酸素吸収剤を備える、
前項〔1〕又は〔2〕に記載の青果物の包装体。
〔4〕
前記内装体と前記外装体の間の空間に、二酸化炭素発生剤を備える、
前項〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の青果物の包装体。
〔5〕
前記酸素吸収剤として、青果物を備える、
前項〔3〕に記載の青果物の包装体。
〔6〕
前記二酸化炭素発生剤として、青果物を備える、
前項〔4〕に記載の青果物の包装体。
〔7〕
青果物を収容する内装体と、該内装体を収容する外装体とを有する、青果物の包装体の
内装体内の空間の気体組成の経時的な変化に基づいて、前記内装体内に収容された前記青
果物の鮮度を経時的に記録する記録部と、
該記録部により記録された、前記青果物の鮮度に基づいて、前記内装体内の温度及び/
又は外装体外の気体組成を経時的に制御する制御部と、を備える
青果物の保存装置。
〔8〕
前項〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の青果物の包装体の内装体内の空間の気体組
成の経時的な変化に基づいて、前記内装体内に収容された前記青果物の鮮度を経時的に記
録する記録工程と、
該記録部により記録された、前記青果物の鮮度に基づいて、前記内装体内の温度及び/
又は外装体外の気体組成を経時的に制御する制御工程と、を備える
青果物の保存方法。
本発明によれば、青果物の鮮度を制御しつつ、より長期間保存することのできる青果物
の包装体、保存装置、及び保存方法を提供することができる。
本実施形態の青果物の包装の概略図である。 保存状態における内装体内の気体組成の経時変化を模式的に示すグラフである。 実施例1の保存状態における各部の気体組成の経時変化を示すグラフである。 比較例1の保存状態における各部の気体組成の経時変化を示すグラフである。 比較例2の保存状態における各部の気体組成の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が
可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略
する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づ
くものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
なお、本明細書における用語の定義を以下に示す。
「青果物」とは、野菜と果物の総称である。
「保存」とは、青果物を収穫してから青果物が小売店において顧客に提供されるまで、
又は、青果物を収穫してから青果物が飲食店において顧客に提供されるまでの間において
、青果物が所定の容器内に収容されている状態をいい、流通過程も保存に含まれる。
「呼吸」とは、青果物が、気孔等から酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出することをい
う。呼吸の際には、青果物が保持する水分も放出され得る。
〔青果物の包装体〕
本実施形態の青果物の包装体は、青果物を収容する内装体と、該内装体を収容する外装
体と、を有し、内装体及び/又は外装体の少なくとも一部に、23℃における酸素透過度
が、2×103~7×105cc/m2・day・atmであり、23℃における二酸化炭
素透過度が、4×103~7×105cc/m2・day・atmであり、酸素透過度に対
する二酸化炭素透過度の比が、10以下であるガス透過制御フィルムを備える。
青果物が呼吸をすることで内装体内の酸素濃度は減少し、二酸化炭素濃度は上昇する。
仮に、内装体が完全な密封系であれば経時的に内装体内は酸欠状態となり、青果物の呼吸
が妨げられ、その結果、青果物はガス障害を発生し、成熟の異常、組織の褐変、組織中の
アセトアルデヒドやエタノールの蓄積、味覚の変質といった弊害が発生する。また、一方
で、内装体が比較的に酸素及び二酸化炭素が自由に通過可能な開放系であれば、青果物の
呼吸は妨げられないが、包装をしない場合と同程度に青果物の代謝が進行するため、鮮度
を保持したままより長期間保存することは困難となる。これに対して、本実施形態の包装
体は、所定の透過特性を有する内装体内に青果物を収容することにより、内装体内を青果
物の呼吸が阻害されすぎない程度の低酸素及び高二酸化炭素状態に維持し、かつ、内装体
を覆う外装体を有することにより、内装体内の気体と内装体と外装体により囲われる空間
(以下、「バッファー空間」ともいう)に存在する気体が交換可能なように構成される。
平衡を保つため、内装体内の二酸化炭素はガス透過制御フィルムを介してバッファー空間
へ移動し、バッファー空間内の酸素は内装体内へ移動する傾向にある。青果物を酸欠状態
にせず、かつ低呼吸状態(冬眠状態)にするためには、酸素及び二酸化炭素の濃度調整が
重要であるが、このように内装体と外装体を備えることにより、内装体のみを用いて一重
包装の状態で酸素及び二酸化炭素が一定とみなせる外気におく場合と比較して、二酸化炭
素を保存したい青果物毎の適正な濃度に維持することが可能となる。
図1に、本実施形態の青果物の包装体の概略図を示す。本実施形態の青果物の包装体1
00は、青果物を収容する内装体101と、該内装体を収容する外装体102と、を有す
る。内装体の気体透過度に応じて、内装体101内の気体は、バッファー空間103内の
気体と交換可能である。本実施形態においては、内装体101及び/又は外装体102は
二酸化炭素の透過度が酸素の透過度の比よりも10以下透過しやすくなるように構成され
る。これにより、図2に模式的に示すとおり、時間の経過とともに消費された酸素は内装
体の酸素透過度の値に応じて一定の平衡値に達し、また、時間の経過とともに排出された
二酸化炭素も内装体の二酸化炭素透過度の値に応じて一定の平衡値に達し、これにより青
果物を酸欠状態にせず、かつ低呼吸状態(冬眠状態)とすることができる。
〔内装体〕
内装体は、1又は複数の青果物を収容するためのものであり、青果物は内装体の中で鮮
度を保持された状態で保存される。
内装体は、外装体との組み合わせにより内装体内の酸素と二酸化炭素の濃度調整が図ら
れるようなものであれば特に制限されず、所定のガス透過制御フィルムを備えていてもよ
い。その場合、内装体は、ガス透過制御フィルムを一部に含むものであっても、全体をガ
ス透過制御フィルムで構成したものであってもよい。また、ガス透過制御フィルムを一部
に含む場合には、その他の部分は気体透過性が低いものが好ましい。さらに、内装体を構
成する部材として、温度計、酸素濃度計、及び/又は二酸化炭素濃度計が設けられていて
もよいし、内装体内に、これら計器が設置される態様としてもよい。
ガス透過制御フィルム以外の内装体を構成する材質としては、特に制限されないが、例
えば、ガス透過制御フィルム以外の樹脂フィルムや樹脂製の箱などの樹脂材や、木材、ボ
ール紙などの紙材や不織布等の繊維構造体が挙げられる。保存する青果物の呼吸速度や蒸
散量等の性質、並びに当該性質を考慮した内装体と外装体との組み合わせという観点から
、用いる内装体を適宜選定することができる。以下、ガス透過制御フィルムについて説明
する。
(酸素透過度)
ガス透過制御フィルムの23℃における酸素透過度は、2×103~7×105cc/m
2・day・atmであり、好ましくは2.5×103~4×105cc/m2・day・a
tmであり、より好ましくは3×103~2×105cc/m2・day・atmである。
23℃における酸素透過度が、2×103cc/m2・day・atm以上であることによ
り、内装体内の酸欠状態を防止することができ、最低限の酸素をバッファー空間より内装
体内に供給できる。また、23℃における酸素透過度が、7×105cc/m2・day・
atm以下であることにより、内装体内の酸素濃度を、呼吸抑制が可能となる、青果物毎
に適切な酸素濃度とすることができる。23℃における酸素透過度は、用いる樹脂の種類
及び組成、構造により調整することができる。また、23℃における酸素透過度は、JI
S K 7126に記載の方法により測定することができ、不織布や孔を有するフィルム
は、酸素透過度が既知の基材フィルムと貼りあわせた上で測定することができる。
(二酸化炭素透過度)
ガス透過制御フィルムの23℃における二酸化炭素透過度は、4×103~7×105
c/m2・day・atmであり、好ましくは5×103~4×105cc/m2・day・
atmであり、より好ましくは6×103~2×105cc/m2・day・atmである
。23℃における二酸化炭素透過度が、4×103cc/m2・day・atm以上である
ことにより、内装体より二酸化炭素がバッファー空間へ透過し、二酸化炭素濃度を低減さ
せ、ガス障害を抑制することができる。また、23℃における二酸化炭素透過度が、7×
105cc/m2・day・atm以下であることにより、内装体内の二酸化炭素をより高
濃度で保持でき、呼吸を抑制し、青果物の鮮度を保持することができる。23℃における
二酸化炭素透過度は、用いる樹脂の種類及び組成、構造により調整することができる。ま
た、23℃における二酸化炭素透過度は、JIS K 7126に記載の方法により測定
することができ、不織布や孔を有するフィルムは、二酸化炭素素透過度が既知の基材フィ
ルムと貼りあわせた上で測定することができる。
ガス透過制御フィルムの酸素透過度に対する二酸化炭素透過度の比は、10以下であり
、好ましくは1.0~9.0であり、より好ましくは1.5~5.0である。酸素透過度
に対する二酸化炭素透過度の比が、10以下であることにより、内装体内を低酸素濃度に
維持し、適宜、二酸化炭素を排出することができる。また、酸素透過度に対する二酸化炭
素透過度の比が、1.0以上であることにより、酸素濃度を適宜維持し、酸欠によるガス
障害を防止する事ができる。
さらに、前述の酸素透過度に対する二酸化炭素透過度の比は、内装体と外装体の組み合
わせで、考えることができる(以下、「酸素透過度に対する二酸化炭素透過度の比」を単
に「比率」ともいう)。例えば、内装体の比率が1.0~4.0の場合、外装体の比率4
.0~10と組み合わせて、バッファー空間の酸素濃度低めに制御し、結果として、内装
体内の酸素濃度を低濃度で制御することができる。
逆に、内装体の比率が4.0~10.0の場合、外装体の比率に1.0~4.0を用い
る事で、内装体内の二酸化炭素を排出し、高濃度二酸化による障害を抑制ならびに適切な
二酸化炭素濃度を維持することができる。
さらに、青果物の最適保存ガス濃度と呼吸速度、仕込み量、容積の関係から、内装体が
1.0~3.0、外装体が1.1~5.0の組み合わせや、その逆の組み合わせ用いるこ
ともできる。
(水蒸気透過度)
ガス透過制御フィルムの23℃における水蒸気透過度は、好ましくは2~200g/d
ay・m2であり、より好ましくは3~50g/day・m2であり、さらに好ましくは4
~30g/day・m2である。23℃における水蒸気透過度が2g/day・m2以上で
あることにより、内装体内に結露水が溜まりにくく、結果として、とろけ等の青果物変質
を抑制することができる。また、23℃における水蒸気透過度が200g/day・m2
以下であることにより、青果物からの過剰な蒸散を抑制し、その結果、乾燥を防止するこ
とができる。23℃における水蒸気透過度は、用いる樹脂の種類及び組成、構造により調
整することができる。また、23℃における水蒸気透過度は、JIS K 7129によ
り測定することができる。不織布や孔を有するフィルムは、水蒸気透過度が既知の基材フ
ィルムと貼りあわせた上で測定することができる。
(構成)
ガス透過制御フィルムは、単層フィルム、内側層と外側層とを有する2層フィルム、内
側層と中間層と外側層とを有する3層フィルムなどの積層フィルムであってもよい。ガス
透過制御フィルムが単層フィルムである場合に当該層を構成する樹脂としては、特に制限
されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。このような樹脂を用いることにより、酸素透過性、
二酸化炭素透過性、及び水蒸気透過性を調整することができる。このなかでも、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい
。なお、樹脂としては、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂のうち、ポリプロピレン系フィルムは、例えば、酸素透過度2×
103~7×103cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過度7×103~4×104
cc/m2・day・atmを有し、ポリエチレン系フィルムは、例えば、酸素透過度3
×103~3×104cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過度1×104~8×10
4cc/m2・day・atmを有する。また、ポリスチレン系フィルムは、例えば、酸素
透過度2×104~1×105cc/m2・day・atm、二酸化炭素透過度4×104
5×105cc/m2・day・atmを有する。上記は一例であり、各樹脂からなるフィ
ルムの酸素透過度及び二酸化炭素透過度は上記に限定されるものではなく、樹脂の分子量
若しくはモノマー比率、又は、フィルムの厚さ層の構成などにより酸素透過度及び二酸化
炭素透過度は適宜調整することができる。
また、ポリエステル系フィルムは、例えば、水蒸気透過度20~40g/day・m2
を有し、ポリアミド系フィルムは、例えば、水蒸気透過度100~200g/day・m
2を有する。
また、レーザー加工や針孔加工等による微孔や開孔加工によるパンチ穴を設けることに
よって(まとめて、「孔」ともいう。)、ガス透過制御フィルムの酸素透過度及び二酸化
炭素透過度を制御してもよい。微孔の孔径は、好ましくは0.5~100μmであり、よ
り好ましくは1~10μm又は15~80μmである。この微孔の孔径は、単独であって
も、大小の孔径の微孔を組み合わせて用いてもよい。また、パンチ穴の孔径は、好ましく
は1~10mmである。このような孔を設けることにより、ポリエステル系フィルムやポ
リアミド系フィルムも酸素透過度2×103cc/m2・day・atm以上、二酸化炭素
透過度4×103cc/m2・day・atm以上として用いることができる。
さらに、ガス透過制御フィルムは、単層フィルム又は積層フィルムに紙や不織布等の繊
維構造体を部分的に貼りあわせたものであってもよいし、繊維構造体をガス透過制御フィ
ルムとして用いたものであってもよい。
繊維構造体を用いたガス透過制御フィルムのフラジール通気度は、好ましくは0.1~
800cm3/cm2・secであり、より好ましくは0.3~500cm3/cm2・se
cであり、さらに好ましくは1~30cm3/cm2・secである。フラジール通気度が
0.1cm3/cm2・sec以上であることにより、内装体内とのガス透過を促進させ、
ガス障害を抑制できる傾向にある。また、フラジール通気度が800cm3/cm2・se
c以下であることにより、内装体内の青果物の乾燥抑制や鮮度保持がより向上する傾向に
ある。フラジール通気度は、繊維径や繊維の密度で調整することができる。また、フラジ
ール通気度は、JIS L 1096のA法に準じ、圧力差125Paで測定することが
できる。
上記繊維構造体として用い得る不織布としては、短繊維不織布と長繊維不織布を用いる
ことができる。短繊維不織布としては、特に制限されないが、例えば、ケミカルボンド不
織布(CB)、サーマルボンド不織布(TB)、ニードルパンチ不織布(NP)、スパン
レース不織布(SL)などが挙げられる。また、長繊維不織布としては、特に制限されな
いが、例えば、スパンボンド不織布(SB)、メルトブロー不織布(MB)などが挙げら
れる。不織布を構成する繊維としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン系樹
脂繊維、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などを原材料と
する繊維が挙げられる。
また、ガス透過制御フィルムが積層フィルムである場合には、少なくとも一つの層が上
記単層フィルムである場合と同様の構成を有することが好ましい。以下、単層フィルム又
は積層フィルムの各層を構成する樹脂種について説明する。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレン等のポリエチレン
;ホモポリプロピレン、及びランダムポリプロピレン等のポリプロピレン;エチレン-ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール
共重合体等のオレフィン系共重合体が挙げられる。
ポリエチレンを用いたフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、上記ポリエチ
レンからなるフィルムのほか、シュリンクフィルムなどに用いられる架橋及びまたは非架
橋ポリエチレンフィルムが挙げられる。
また、ポリプロピレンを用いたフィルムとしては、特に限定されないが、例えば、上記
ポリプロピレンからなるフィルムのほか、延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリプロ
ピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
(ポリエステル系樹脂)
ポリエステル系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4-シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン-2,6-ナフタレートが挙げ
られる。
(ポリアミド系樹脂)
ポリアミド系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリカプロアミド(ナイロ
ン6)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロ
ン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリウンデカメチレンアジ
パミド(ナイロン116)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリ
パラキシリレンアジパミド(ナイロンPXD6)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイ
ロン410)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリデカメチレンア
ジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリ
ヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン
1012)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリテトラメチレ
ンテレフタルアミド(ナイロン4T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ナイロン
5T)、ポリ-2-メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ナイロンM-5T)、ポリ
ヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン6T(H))ポリノナメチレン
テレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10
T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリドデカメチレン
テレフタルアミド(ナイロン12T)、ポリビス(3-メチル-4-アミノヘキシル)メ
タンテレフタルアミド(ナイロンPACMT)、ポリビス(3-メチル-4-アミノヘキ
シル)メタンイソフタルアミド(ナイロンPACMI)、ポリビス(3-メチル-4-ア
ミノヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3-メチル-4
-アミノヘキシル)メタンテトラデカミド(ナイロンPACM14)等が挙げられる。
(ポリスチレン系樹脂)
ポリスチレン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリスチレン単独重合体
、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合体、ア
クリロニトリル・エチレンプロピレンゴム・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチ
レン共重合体、シンジオタクチックポリスチレン(結晶性ポリスチレン)が挙げられる。
(引張弾性率)
ガス透過制御フィルムの引張弾性率は、好ましくは1GPa以上であり、より好ましく
は1.5~5GPaであり、さらに好ましくは2.0~4GPaである。引張弾性率が1
GPa以上であることにより、青果物を包装した場合、直接接触する部分が少なくなり、
特に、にらやホウレンソウ等の葉物野菜やブロッコリーやアスパラガス等の呼吸速度が早
く蒸散量が多い青果物の保存において、結露水によるとろけの発生を抑制することができ
る。なお、引張弾性率は、JIS K 7127に準拠し、速度200mm/minで、
2%歪み時の値として測定することができる。このような引張弾性率を有するフィルムと
しては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム、二軸延伸ポリアミドフィルムの単層フィルム、又は、これらフィルムを少なくとも一
層含む積層フィルムが好適に用いられる。
(その他の添加剤)
ガス透過制御フィルムを構成する層は、必要に応じて、公知の可塑剤、熱安定剤、着色
剤、有機系滑剤、無機系滑剤、界面活性剤、加工助剤等その他の添加剤を含んでいてもよ
い。また、結露水対応として、防曇剤を含有してもよい。
ガス透過制御フィルムの製造方法としては、公知のフィルム成形方法を用いることがで
きる。例えば、樹脂組成物を、押出機などを用いて、溶融混練によって押し出し、単層も
しくは多層の円環状ダイまたはスリット状の吐出口部をもつTダイなどを用いてシート状
に押し出し、インフレ―ション法やキャスト法で、ガス透過制御フィルムを成形すること
ができる。また、この後、バブル法、ロール延伸法、テンター法により延伸をしたフィル
ムをガス透過制御フィルムとして用いてもよい。さらに、未延伸又は延伸フィルムをドラ
イラミ法やウェットラミ法など公知の方法で多層化してもよいし、これらフィルムに対し
て、部分的に不織布や紙などの繊維構造体を貼りあわせたり、孔を設けたりしたものをガ
ス透過制御フィルムとして用いてもよい。
〔外装体〕
外装体としては、酸素及び二酸化炭素が一定とみなせる外気と、バッファー空間の気体
の交換が容易に生じない程度に構成されたものであり、少なくとも包装体の使用状態にお
いて、外気の二酸化炭素濃度よりもバッファー空間の二酸化炭素濃度を高く維持できるも
のであれば、その気体透過性については特に制限されない。外装体は上記ガス透過制御フ
ィルムを一部に含むものであってもよい。
ガス透過制御フィルム以外の外装体を構成する材質としては、特に制限されないが、例
えば、ガス透過制御フィルム以外の樹脂フィルムや樹脂製の箱などの樹脂材や、木材、ボ
ール紙などの紙材や不織布等の繊維構造体が挙げられる。保存する青果物の呼吸速度や蒸
散量等の性質、並びに当該性質を考慮した内装体と外装体との組み合わせという観点から
、用いる外装体を適宜選定することができる。
外装体の23℃における酸素透過度は、好ましくは2×103~7×105cc/m2
day・atmであり、より好ましくは、内装体との組み合わせに応じて、2×103
1×104、1×104~1×105、1×105~7×105cc/m2・day・atmで
あり、さらに好ましくは3×103~8×103、2×104~8×104、2×105~5
×105cc/m2・day・atmである。23℃における酸素透過度が、2×103
c/m2・day・atm以上であることにより、バッファー空間に必要最低限の酸素を
透過させ、内装体内の酸欠を間接的に抑制することができる。また、23℃における酸素
透過度が、7×105cc/m2・day・atm以下であることにより、青果物の呼吸抑
制に適した酸素濃度への制御をより適切に行うことができる。23℃における酸素透過度
は、用いる材質、厚み、構造により調製することができる。また、23℃における酸素透
過度は、JIS K 7126に記載の方法により測定することができる。
外装体の23℃における二酸化炭素透過度は、好ましくは4×103~7×105cc/
2・day・atmである、より好ましくは内装体との組み合わせに応じて、5×103
~2×104、2×104~1×105、1×105~5×105cc/m2・day・atm
であり、さらに好ましくは6×103~1×104、4×104~8×104、2×105
4×105cc/m2・day・atmである。23℃における二酸化炭素透過度が、4×
103cc/m2・day・atm以上であることにより、バッファー空間の二酸化炭素を
外気に透過させ、内装体内の高濃度二酸化炭素によるガス障害を抑制することができる。
また、23℃における二酸化炭素透過度が、7×105cc/m2・day・atm以下で
あることにより、バッファー空間の二酸化炭素濃度を保持することで間接的に内装体内の
二酸化炭素濃度を保持し、青果物の呼吸を抑制することができる。23℃における二酸化
炭素透過度は、用いる材質、構造により調製することができる。また、23℃における二
酸化炭素透過度は、JIS K 7126に記載の方法により測定することができる。
以下、外装体の酸素透過度と二酸化炭素透過度の組み合わせを例示する。外装体の酸素
透過度と二酸化炭素透過度は、上述した内装体で用いる樹脂の特性により調整してもよい
し、また、外装体に孔を設けたり、織布、不織布、紙材などの比較的に透過性の良い素材
を適宜組み合わせることにより調整してもよい。
前述した内装体と外装体を組み合わせることで、多様な青果物の鮮度保持に対応するこ
とが可能となる。例えば、本実施形態の包装体は一般的に呼吸速度が早いとされる、茎類
(アスパラガス、タケノコ等)、つぼみ類(ブロッコリー、カリフラワー、みょうが等)
、実類(各種果実、イチゴ、スイートコーン、トマト、枝豆、ピーマン、なす、きゅうり
、さやいんげん、オクラ等)、葉類(にら、ほうれんそう、こまつな、青梗菜、レタス、
ねぎ、たまねぎ等)に好適に用いられる。また、保存中の湿度の影響でカビが生えやすい
、根菜類(イモ類、れんこん、等)においても防カビの観点から好適に用いられる。
〔バッファー空間〕
バッファー空間は、内装体と外装体の間の空間をいう。バッファー空間には、バッファ
ー空間及び内装体内の酸素及び二酸化炭素の比率をより恣意的に調整するために、酸素吸
収剤又は二酸化炭素発生剤を備えてもよい。
酸素吸収剤としては、酸化反応または吸着などにより空気中の酸素を除去する機能を有
している物質を用いたものであれば特に制限されない。このような物質としては、例えば
、鉄粉、亜鉛、錫粉等の還元性金属粉;活性酸化鉄、酸化第一鉄、四三酸化鉄、酸化セリ
ウム、酸化チタン等の金属低位酸化物;炭化鉄、ケイ素鉄、鉄カルボニル、水酸化第一鉄
等の還元性金属化合物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、亜硫酸塩、炭酸
塩などの無機系化合物、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エルカ酸、及びこれらの塩類
;没食子酸;トコフェロールと電子供与物質との組み合わせ;多価フェノールを骨格内に
有する高分子化合物、例えば多価フェノール含有フェノール・アルデヒド樹脂;グルコー
ス、フラクトース、ガラクトース、マルトーズ、セロビオース等の糖類と電子供与物質、
特に塩基性物質或いはグルコースオキシターゼ等の糖類酸化酵素との組み合わせなどの有
機系化合物で例示される従来公知の任意の酸素吸収物質を用いることができる。また、本
実施形態においては、酸素吸収剤として、青果物が挙げられる。ここで、酸素吸収剤とし
て青果物を用いる場合には、包装体内には内装体に収容される青果物と、バッファー空間
に収容される青果物の2種を用いることとなる。このようにして、呼吸性能の異なる青果
物を酸素吸収剤として用いることにより、同時に2種類の青果物の保存が可能となる。こ
れらの酸素吸収剤を小袋等の形状に製袋した通気性のある袋に充填して用いる事や、内装
体や外装体の制御フィルムに直接練り込むとかコーティングすることもできる。
二酸化炭素発生剤としては、反応などにより空気中に二酸化炭素を放出する機能を有し
ている物質を用いたものであれば特に制限されない。このような物質としては、例えば、
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩の他、炭酸アンモニウム
および重炭酸アンモニウムが挙げられる。また、本実施形態においては、二酸化炭素発生
剤として、青果物が挙げられる。ここで、二酸化炭素発生剤として青果物を用いる場合に
は、包装体内には内装体に収容される青果物と、バッファー空間に収容される青果物の2
種を用いることとなる。このようにして、呼吸性能の異なる青果物を二酸化炭素発生剤と
して用いることにより、同時に2種類の青果物の保存が可能となる。これらの二酸化炭素
発生剤を小袋等の形状に製袋した通気性のある袋に充填して用いる事や、内装体や外装体
の制御フィルムに直接練り込むとかコーティングすることもできる。なお、青果物は、酸
素吸収剤及び二酸化炭素発生剤の両方を兼ねるものとして捉えることもできる。
なお、青果物の低呼吸状態(冬眠状態)に関する酸素及び二酸化炭素のバランスは、青
果物の種類に応じて異なり、この範囲においては本実施形態の包装体を適宜調整すること
ができる。
〔青果物の保存装置〕
本実施形態の青果物の保存装置は、青果物を収容する内装体と、該内装体を収容する外
装体とを有する、上記青果物の包装体の内装体内の空間の気体組成の経時的な変化に基づ
いて、包装体内に収容された青果物の鮮度を経時的に記録する記録部と、記録部により記
録された、青果物の鮮度に基づいて、内装体内の温度及び/又は包装体外の気体組成を経
時的に制御する制御部と、を備える。
記録部は、内装体内の空間の気体組成の経時的な変化に基づいて、内装体内に収容され
た青果物の鮮度を経時的に記録するものである。記録部が記録する気体種としては、特に
制限されないが、例えば、酸素ガス、二酸化炭素ガス、水蒸気ガス、炭酸ガス、窒素ガス
、及びエチレンガスからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。これら気
体は、青果物の呼吸、代謝、蒸散により保存期間中に変化し得る。その変化量や所定の気
体組成下に青果物が置かれた時間(例えば、低酸素濃度、高二酸化炭素濃度下に置かれた
時間)から、青果物の鮮度を推定することができる。なお、内装体内の気体組成は、一般
的な酸素濃度計及び二酸化炭素濃度計等の計器により測定することができる。
またこのほかにも、記録部は、青果物の鮮度をより正確に把握する観点から、内装体内
の温度も経時的に記録することが好ましい。さらに、記録部は、赤外光を青果物に照射し
て、赤外光吸収スペクトルを経時的に記録することにより、青果物の糖度及び/又は呼吸
酵素を検出し、それに基づき青果物の鮮度を経時的に記録するものであってもよいし、果
物の可視光透過光量で鮮度を検出し、それを経時的に記録するものであってもよいし、青
果物の外観上の色の変化を色差計やカメラを用いて検出し、それを経時的に記録するもの
であってもよいし、指示薬を用いて青果物が放出するガス種及び/又はガス量を検出する
ものであってもよい。
同じ低酸素濃度、高二酸化炭素濃度下であっても、青果物の鮮度の低下度合いは青果物
の種類によって異なる。そのため、青果物の鮮度の推定は、いくつかの条件下で保存した
場合の青果物の鮮度の変化データを予め用意し、そのデータとの相対比較により行うこと
ができる。
また、記録部は、青果物の鮮度をより正確に把握する観点から、バッファー空間内の空
間の気体組成の経時的な変化をも記録し、内装体内に収容された青果物の鮮度を経時的に
記録するものであってもよい。
制御部は、記録部により記録された青果物の鮮度に基づいて、内装体内の温度及び/又
は外装体外の気体組成を経時的に制御すものである。制御部が行う制御は、青果物の鮮度
をより保持した状態で保存するために行うものであり、例えば、青果物の呼吸が少なくな
るような状態、即ち低酸素及び高二酸化炭素の雰囲気下で、かつ低温にすることにより、
青果物の鮮度低下を遅らせることができる。
制御部が内装体内の温度及び/又は外装体外の気体組成を経時的に制御する方法として
は、特に制限されないが、例えば、包装体を収容する保存部を用いる場合には、制御部が
保存部内の温度及び/又は気体組成を経時的に制御してもよい。保存部には、保存部に対
して所定の気体種を供給する吸気機構と、保存部から内部の空気を排出する排気機構が接
続されていてもよい。この場合、保存部10の中の雰囲気は、吸気機構及び排気機構によ
り制御される。また、保存部は、保存部内の温度を調整するための冷却装置及び/又は加
熱装置を有していてもよい。
また、制御部は、青果物の鮮度をより正確に保持する観点から、記録部により記録され
た、青果物の鮮度に基づいて、バッファー空間内の温度及び/又は気体組成を経時的に制
御するものであってもよい。
なお、記録部に記録されるデータを検出するための各種検出器の構成は、特に制限され
ず、各検出器の検出方法に適するように構成することができる。具体的には、赤外光を青
果物に照射しその赤外光吸収スペクトルを検出する検出器は、赤外光照射部と、赤外光検
出部とを有することができる。また、可視光を青果物に照射しその透過光量を検出する検
出器は、可視光照射部と、可視光検出部とを有することができる。さらに、青果物の外観
上の色の変化を検出する検出器は、色差計やカメラ等を備えることができる。また、指示
薬を用いて青果物が放出するガス種及び/又はガス量を検出する検出器は、指示薬を保持
する指示薬保持部と、当該指示薬の変化を検知する検知部を有することができる。
各種検出器は、それぞれ検出した青果物の鮮度に関するデータを記録部に記録できるよ
う記録部と接続されており、また、青果物の鮮度に関するデータを記録する記録部は、保
存部内の温度を経時的に制御する制御部と接続される。各種検出器が検出するデータは、
青果物の鮮度に関するデータという点で共通しており、本実施形態においては、1種の検
出器及びそれに相応する記録部を有していてもよいし、2種以上の検出器及びそれに相応
する記録部を有していてもよい。
〔青果物の前処理方法〕
本実施形態を用いて保存する青果物は、保存処理を行う前に、殺菌等の前処理を行うこ
とができる。殺菌方法としては、液体、気体、または、光や熱を用いて殺菌することがで
きる。
前処理においては、殺菌剤、防カビ剤、天然系抽出物、合成保存料等を用いてもよい。
殺菌剤としては、特に限定されないが、例えば、次亜塩素酸水、次亜塩素酸Na、次亜塩
素酸Ca、電解次亜水、二酸化塩素、O3等を用いることができる。また、防カビ剤とし
ては、特に限定されないが、例えば、アゾキシストロビン、イマサザル、オルトフェニル
フェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、ジフェニル、チアベンダゾール、フ
ルジオキソニル等を用いることができる。さらに、天然系抽出物としては、特に限定され
ないが、例えば、カワラヨモギ抽出物(カピリン)、カラシ抽出物(イソチオシアヌレー
ト)、ヒノキチオール抽出物(β―ツヤプリシン)等を用いることができる。また、合成
保存料としては、特に限定されないが、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、亜硫酸
Na、次亜硫酸Na、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸K、ピロ亜硫酸Na等を用いることができ
る。
光を用いる殺菌方法として、赤外線や紫外線を用いる方法、特に、UV-C波長帯と言
われる、波長200-300nmの紫外線、好ましくは、250-280nmの紫外線に
よって、殺菌処理を行うことができる。この際、光源としては水銀灯や放電光源、LED
を用いることができ、さらに、必要に応じて、パルス照射や連続照射を行うことができる
。上記添加剤による殺菌よりも、照射による上記殺菌方法の方が好ましく、殺菌効果の点
からUV-C波長帯を有する紫外線による殺菌がより好ましい。具体的には、青果物をト
レーに載せ、照射しながら、殺菌することができる。
〔青果物の保存方法〕
本実施形態の青果物の保存方法は、青果物の内装体内の空間の気体組成の経時的な変化
に基づいて、内装体内に収容された青果物の鮮度を経時的に記録する記録工程と、記録さ
れた青果物の鮮度に基づいて、内装体内の温度及び/又は外装体外の気体組成を経時的に
制御する制御工程と、を有する。
記録工程は、内装体内の空間の気体組成の経時的な変化に基づいて、内装体内に収容さ
れた青果物の鮮度を経時的に記録する工程である。またこのほかにも、記録工程において
は、青果物の呼吸をより正確に把握する観点から、内装体内の温度も経時的に記録するこ
とが好ましい。さらに、記録工程では、赤外光を青果物に照射して、赤外光吸収スペクト
ルを経時的に記録することにより、青果物の糖度及び/又は呼吸酵素を検出し、それに基
づき青果物の鮮度を経時的に記録してもよいし、果物の可視光透過光量で鮮度を検出し、
それを経時的に記録してもよいし、青果物の外観上の色の変化を色差計やカメラを用いて
検出し、それを経時的に記録してもよい。
制御工程は、記録工程により記録された青果物の鮮度に基づいて、内装体内の温度及び
/又は外装体外の気体組成を経時的に制御すものである。制御工程において行う制御は、
青果物の鮮度をより保持した状態で保存するために行うものであり、例えば、青果物の呼
吸が少なくなるような状態、即ち低酸素及び高二酸化炭素の雰囲気下で、かつ低温にする
ことにより、青果物の鮮度低下を遅らせることができる。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。す
なわち、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものでは
ない。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実
施例によって何ら限定されるものではない。
糖類の測定方法:
アスパラガスの搾汁液を、遠心分離、ろ過し、ろ液を王子計測社バイオセンサーにより
、スクロース、グルコース、フルクトース含量を測定し、アスパラガス単位重量あたりの
糖含量を求めた。なお、アスパラガスの糖度は収穫から徐々に低下するため、糖度の測定
によりアスパラガスの保存性を評価することができる。
袋内ガス濃度の測定方法:
ダンセンサー(モコン社製 チェックポイント)を用い、針式で測定。
〔実施例1〕
アスパラガス 1kgを内装体(二軸延伸ポリプロピレンフィルム 厚み20μm 袋
サイズ28cm×35cm 孔径5mm 孔数2 酸素透過度=1.4×105cc/
2・day・atm 二酸化炭素透過度=1.5×105cc/m2・day・atm、
比率=1.1)、外装体(サンテックC-Eフィルム 厚み14μm、フィルム面積37
cm×41cm、孔なし 酸素透過度=2.3×104cc/m2・day・atm、二酸
化炭素透過度=1.2×105cc/m2・day・atm 比率=5.4)で包装し、1
5℃×7日間保存した。図3に、保存状態における各部の気体組成の経時変化を示すグラ
フを示す。保存開始から7日後の酸素濃度は4%となり、二酸化炭素濃度は9%となり、
おおよそ定常状態となった。また、保存開始から7日後の糖類の残存量は78%であった
〔実施例2〕
PEをラミネトートしたコートボール紙(目付160g/m2、酸素透過度=7.6×
103cc/m2・day・atm 二酸化炭素透過度=1.7×103cc/m2・day
・atm、比率=4.5)から、内寸194mm×60mm×259mmの箱を作成し、
この箱を内装体として、実施例1の外装体を用いて、実施例1と同様に、アスパラガス1
kgを15℃×7日間保存した。保存開始から7日後の酸素濃度は7%、二酸化炭素濃度
は11%となった。また、保存開始から7日後の糖類の残存量は68%であった。
〔実施例3〕
実施例1の内装体を用い、実施例2の箱を外装体として、実施例1と同様に、アスパラ
ガス1kgを15℃×7日間保存した。保存開始から7日後の酸素濃度は10%、二酸化
炭素濃度は9%となった。また、保存開始から7日後の糖類の残存量は59%であった。
〔比較例1〕
アスパラガス 1kgを外装体を用いず実施例1と同じ内装体のみで包装し、15℃×
7日間保存した。図4に保存状態における各部の気体組成の経時変化を示すグラフを示す
。保存開始から7日後の酸素濃度は19%となり、二酸化炭素濃度は2%となった。また
、保存開始から7日後の糖類の残存量は11%であった。
〔比較例2〕
孔のないこと以外は、実施例1と同じ二軸延伸ポリプロピレンフィルムを内装体として
用意した。アスパラガス 1kgを外装体を用いず、用意した内装体のみで包装し、15
℃×7日間保存した。図5に保存状態における各部の気体組成の経時変化を示すグラフを
示す。保存開始から4日後の酸素濃度は0.3%となり、二酸化炭素濃度は22.5%と
なった。保存開始から4日で包装体内は、酸欠となり、異臭の発生が確認された。そのた
め、この時点で試験を中止した。
本発明の青果物の包装体、保存装置及び保存方法は、青果物の鮮度を制御しつつ、保存
する技術として産業上の利用可能性を有する。
100…包装体、101…内装体、102…外装体、103…バッファー空間

Claims (8)

  1. 青果物を収容する内装体と、
    該内装体を収容する外装体と、を有し、
    前記内装体及び/又は外装体の少なくとも一部に、23℃における酸素透過度が、2×
    103~7×105cc/m2・day・atmであり、23℃における二酸化炭素透過度
    が、4×103~7×105cc/m2・day・atmであり、前記酸素透過度に対する
    前記二酸化炭素透過度の比が、10以下であるガス透過制御フィルムを備える、
    青果物の包装体。
  2. 前記ガス透過制御フィルムの23℃における水蒸気透過度が、2~200g/day・
    2である、
    請求項1に記載の青果物の包装体。
  3. 前記内装体と前記外装体の間の空間に、酸素吸収剤を備える、
    請求項1又は2に記載の青果物の包装体。
  4. 前記内装体と前記外装体の間の空間に、二酸化炭素発生剤を備える、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の青果物の包装体。
  5. 前記酸素吸収剤として、青果物を備える、
    請求項3に記載の青果物の包装体。
  6. 前記二酸化炭素発生剤として、青果物を備える、
    請求項4に記載の青果物の包装体。
  7. 青果物を収容する内装体と、該内装体を収容する外装体とを有する、青果物の包装体の
    内装体内の空間の気体組成の経時的な変化に基づいて、前記内装体内に収容された前記青
    果物の鮮度を経時的に記録する記録部と、
    該記録部により記録された、前記青果物の鮮度に基づいて、前記内装体内の温度及び/
    又は外装体外の気体組成を経時的に制御する制御部と、を備える
    青果物の保存装置。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載の青果物の包装体の内装体内の空間の気体組成の経
    時的な変化に基づいて、前記内装体内に収容された前記青果物の鮮度を経時的に記録する
    記録工程と、
    該記録部により記録された、前記青果物の鮮度に基づいて、前記内装体内の温度及び/
    又は外装体外の気体組成を経時的に制御する制御工程と、を備える
    青果物の保存方法。
JP2023085993A 2017-06-21 2023-05-25 青果物の包装体、保存装置及び保存方法 Pending JP2023109949A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017121666 2017-06-21
JP2017121666 2017-06-21
JP2018097748A JP2019006500A (ja) 2017-06-21 2018-05-22 青果物の包装体、保存装置及び保存方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018097748A Division JP2019006500A (ja) 2017-06-21 2018-05-22 青果物の包装体、保存装置及び保存方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023109949A true JP2023109949A (ja) 2023-08-08

Family

ID=65029341

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018097748A Pending JP2019006500A (ja) 2017-06-21 2018-05-22 青果物の包装体、保存装置及び保存方法
JP2023085993A Pending JP2023109949A (ja) 2017-06-21 2023-05-25 青果物の包装体、保存装置及び保存方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018097748A Pending JP2019006500A (ja) 2017-06-21 2018-05-22 青果物の包装体、保存装置及び保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2019006500A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7422522B2 (ja) * 2019-11-11 2024-01-26 旭化成株式会社 包装体
JP6826681B1 (ja) * 2020-03-04 2021-02-03 住友ベークライト株式会社 カット野菜の鮮度保持方法
TW202318977A (zh) * 2021-08-20 2023-05-16 日商三菱瓦斯化學股份有限公司 蔬果包裝體及蔬果之鮮度保持方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01296940A (ja) * 1988-05-23 1989-11-30 Natl Food Res Inst 青果物の貯蔵方法
JPH07114628B2 (ja) * 1990-03-12 1995-12-13 株式会社ニチレイ 栗の貯蔵法
JP3230853B2 (ja) * 1992-03-24 2001-11-19 大日本印刷株式会社 青果物鮮度保持包装用フィルム
JP3328978B2 (ja) * 1993-01-22 2002-09-30 凸版印刷株式会社 ガス透過性調整方法
JPH09221175A (ja) * 1996-02-19 1997-08-26 Oji Paper Co Ltd 青果物包装用紙及び包装容器
JPH11292174A (ja) * 1998-04-13 1999-10-26 Toyobo Co Ltd 青果物用段ボール箱包装体
JP2003274849A (ja) * 2002-03-27 2003-09-30 Sumitomo Bakelite Co Ltd 青果物の包装体
JP4532054B2 (ja) * 2002-06-21 2010-08-25 レンゴー株式会社 防湿紙及びこれを用いた防湿段ボール
JP2005168333A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Fukuoka Prefecture 褐変抑制されているカット野菜包装体
JP2010246475A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Sharp Corp 食品保存庫
US20140223866A1 (en) * 2011-09-30 2014-08-14 Dole Food Company, Inc. Method of controlling shelf life of packaged produce
JP2014112007A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Panasonic Corp 保存装置および冷蔵庫

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019006500A (ja) 2019-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023109949A (ja) 青果物の包装体、保存装置及び保存方法
JP6993120B2 (ja) 青果物の保存装置及び保存方法
JP2008173012A (ja) イチゴ入り包装体
KR102366347B1 (ko) 청과물의 포장체, 보존 장치 및 보존 방법
JP6826681B1 (ja) カット野菜の鮮度保持方法
JPH02175140A (ja) 青果物の鮮度保持フィルム
JP2022132509A (ja) 青果物を収納した包装体、及び青果物の鮮度保持方法
JP6674407B2 (ja) 青果物の鮮度保持性能に優れた包装体、及び青果物の鮮度保持方法
JP6728104B2 (ja) 青果物の包装体、及び青果物の鮮度保持方法
JP2020048419A (ja) セレウス菌増殖の抑制方法、青果物の鮮度保持用に好適な包装容器、及びそれを用いた包装体、並びに青果物の鮮度保持方法
JP2020048415A (ja) 菌増殖の抑制方法、青果物の鮮度保持用に好適な包装容器、及びそれを用いた包装体、並びに青果物の鮮度保持方法
JP5116944B2 (ja) リンゴの包装体及びリンゴの包装体の保存方法
JP2019006425A (ja) 青果物の包装体、保存装置及び保存方法
JP6694846B2 (ja) レタスを含む青果物の鮮度保持性能に優れた包装体、及びレタスを含む青果物の鮮度保持方法
JP6695822B2 (ja) 青果物の鮮度保持性能に優れた包装体、及び青果物の鮮度保持方法
JP2024040221A (ja) 柑橘類鮮度保持コンテナ用カバーおよび柑橘類鮮度保持方法
JP6674408B2 (ja) キャベツを含む青果物の鮮度保持性能に優れた包装体、及びキャベツを含む青果物の鮮度保持方法
JP2018167894A (ja) 青果物の鮮度保持用の包装体、及び青果物の鮮度保持方法
JP2020055548A (ja) ブロッコリーを含む青果物包装体及び当該青果物の鮮度保持方法
JP3216401U (ja) 野菜の包装体
JP4515954B2 (ja) 青果物保存用シート、前記シートを使用した青果物保存用品および前記シートを使用した青果物保存方法
JP6636979B2 (ja) キャベツを含む青果物の鮮度保持性能に優れた包装体、及び青果物の鮮度保持方法
JP2020055549A (ja) ブロッコリーを含む青果物包装体及び当該青果物の鮮度保持方法
JP2019006426A (ja) 青果物の包装体、保存装置及び保存方法
JP6577506B2 (ja) 青果物の鮮度保持に適した包装体、及び青果物の鮮度保持方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230530