JP3216401U - 野菜の包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでありながら、長時間に渡って鮮度を保つことが可能な非結球性葉物野菜の包装体を提供する。【解決手段】野菜の包装体は、被包装体である非結球性葉物野菜1と、非結球性葉物野菜1に巻き付けた吸水シート2と、非結球性葉物野菜1の茎または根を覆う塩水を含んだ保水部3と、非結球性葉物野菜1、吸水シート2、および保水部3を内包する透明な包装5とを備えたものである。運搬時や保管時に包装5内部の空気を抜き、包装体の容積を小さくするために、小さな空気孔を設けても良い。【選択図】図1

Description

本考案は、非結球性葉物野菜に適した包装体に関するものである。
野菜は収穫から店頭に並ぶまでに例えば1日等の時間が掛かるため、商品価値を落とさないよう、鮮度を保つことが必要である。しかし、野菜は収穫後も生命活動を行っており、酸素呼吸等により、自らを消耗させている。このことが、野菜の鮮度を保つことを困難にしている。
そこで、ガ−レ−式透気度が 0.1〜 10,000 秒/ 100 ml である常圧で水を通さない通気性の脱酸素剤包装材料(A)を用いて脱酸素剤を包装してなる脱酸素剤包装体の一部に接着層(C)を介して吸水性シート(B)をシールしてなる野菜類の鮮度保持剤および保存方法が提案されている。(例えば、特許文献1)。
特開平5−338675
特許文献1に記載された野菜類の鮮度保持剤および保存方法によって、酸化による褐変を防止し、かつ野菜類に付着した水分、ドリップによる野菜類の腐敗を防止することができる。しかし、脱酸素剤包装材料、脱酸素剤、接着層、および吸水性シートといった様々な高価なものを必要とするため、一般的に廉価である野菜の包装として使用することは、コスト的に非現実的である。
本考案においては、低コストでありながら、長時間に渡って鮮度を保つことが可能な非結球性葉物野菜の包装体を提供することを目的としている。
本考案に係る野菜の包装体は、
被包装体である非結球性葉物野菜と、
上記非結球性葉物野菜に巻き付けた吸水シートと、
上記非結球性葉物野菜の茎または根を覆う塩水を含んだ保水部と、
上記非結球性葉物野菜、上記吸水シート、および上記保水部を内包する透明な包装と、
を備えたことを特徴とするものである。
また、本考案に係る野菜の包装体は、
上記包装が空気孔を有する
ことを特徴とするものである。
また、本考案に係る野菜の包装体は、
外形形状が略円錐形であることを特徴とするものである。
本考案に係る野菜の包装体は、特に、非結球性葉物野菜の包装に適したものである。
まず、ビニール等の包装で野菜を略密閉状態にすることで、包装体内部を高湿度に保ち、野菜の呼吸活動を抑えることで、劣化を抑制している。
また、吸水シートで野菜をくるむことで、包装内壁に水滴が形成されることを防止している。葉に水滴が付くと、葉が溶けたような状態になり、商品価値が低下するが、吸水シートを用いることで、これを防止できる。
しかしながら、野菜の呼吸活動を抑えることは、野菜の健康状態に対して、適切とは言えない。例えば、葉が茶化する一因となる。そこで、茎あるいは根に塩水を含んだ保水部を設けることで、塩分と水分を野菜に供給し、細胞を活性化させることで、茶化等の問題を克服した。塩水の殺菌効果も寄与していると考えられる。
そして、ビニール袋等の包装に小さな通気孔を設けることで、運搬時や保管時には包装内部の空気が抜け、小容積な包装体になることで、運搬コストや保管コストを低減できる。
また、包装体の外形形状を略円錐形とすることで、複数の包装体をさらに低容積で運搬や保管ができる。特に、非結球性葉物野菜の株は略円錐形であるため、自然な形状として包装可能であり、店頭に並べた際にもディスプレイ性に優れている。
さらに、野菜に巻き付けた吸水シートとビニール袋等の包装との摩擦係数が大きいため、包装作業において、シール時に、ビニール袋等の包装から野菜が滑り落ちることが無くなり、包装作業が容易になる。
そして、最大の特長は。以上の多くの考案の効果を低コストで実現できることである。
本考案に係る野菜の包装体の全体斜視図である。
本考案に係る野菜の包装体に関して、以下において、図面を用いて説明する。なお、以下の説明は本考案に関する良好な一例を開示するものであり、本考案が当該実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態.
<野菜の包装体の構成>
図1を用いて、本実施の形態の野菜の包装体の構成を説明する。
本考案に係る野菜の包装体は、被包装体である非結球性葉物野菜1と、上記非結球性葉物野菜1に巻き付けた吸水シート2と、上記非結球性葉物野菜の茎または根を覆う塩水を含んだ保水部3と、上記非結球性葉物野菜、上記吸水シート、および上記保水部を内包し、空気孔5aが設けられた透明な包装5とを備えたものである。
また、包装体の外形形状は、非結球性葉物野菜が自然な形で納まる略円錐形が最適である。
<非結球性葉物野菜>
葉物野菜は、葉を食する野菜であり、ホウレンソウ 、キャベツ、レタス、サンチェ、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイといった野菜である。
葉物野菜は、大別して、結球性葉物野菜と非結球性葉物野菜に分類される。結球性葉物野菜は、キャベツや結球レタスのように略球形の野菜である。一方、非結球性葉物野菜は、茎から葉が広がった野菜である。
本実施の形態の野菜の包装体は、特に、非結球性葉物野菜の包装体として適したものである。収穫に際して、根を残す場合と、根を茎の一部から切り落とす場合があるが、どちらのお場合でも、本実施の形態の野菜の包装体は適用できる。
<吸水シート>
吸水性を持つシートであり、例えば、キッチンペーパー等で良い。
<保水部>
保水性を持つ材質であり、野菜の根や茎を覆うように当接して使用する。おむつや生理用品に使用される吸水性ポリマーや災害時の簡易トイレに使用される高吸水性樹脂が好適である。ただし、図1に示した野菜の包装体においては、低コスト化するために、吸水シート3を厚く重ねた態様で保水部にしている。そして、茎の部分でひもや糸等の締付部4で縛り、保水部3と吸水シート2とを略独立させている。そして、保水部4には生理的食塩水程度の濃度の塩水を含ませている。
<包装>
透明なビニール袋等であり、野菜等を内包したのち、開口部をシールしたり、紐で縛ったりして、内部を略密閉空間にしている。ただし、運搬時や保管時に包装内部の空気を抜き、包装体の容積を小さくするために、小さな空気孔5aを設けても良い。
<包装の方法>
まず、非結球性葉物野菜1の下部(茎や根から例えば半分程度)に給水シート2を巻きつける。この際に、茎や根の付近には、吸水シート2が重なるようにする。そして、締付部4で縛り、保水部3を作る。保水部3を食塩水に浸す。最後に、包装5に入れ、包装5の開口部をシールする。以上の手順で、非結球性葉物野菜1の自然な形を反映した略円錐形の包装体が出来上がる。
なお、保水部3として吸水性ポリマーや高吸水性樹脂を用いる場合には、予め食塩水に浸した吸水性ポリマーや高吸水性樹脂で茎や根をくるみ、その後に、吸水シート2を巻き付ければ良い。
<検証実験>
本実施例の野菜の包装体の効果を検証するための実験を行った。
非結球性葉物野菜1として茎の一部から切り取ったリーフレタスを、吸水シート2として市販のキッチンペーパーを使用した。また、保水部3は図1に示すように、吸水シート2を重ねた態様にした。包装5としては、市販のビニール袋に5mm径の空気孔を3個開けたものを使用した。また、包装5開口部は紐で縛って閉じた。
包装体としては、次の3種を準備した。
・包装体A 上記段落に記載した構成で、保水部3を塩水に浸したもの
・包装体B 上記段落に記載した構成で、保水部3を塩水に浸さなかったもの
・包装体C 吸水シート2や保水部3を用いず、リーフレタスを市販のビニール袋に直接入れ、開口部を紐で縛って閉じたもの
これら3種の包装体を18℃の冷暗庫に保管し、3時間ごとに状態を観察した。
包装体Aの野菜は、保管後30時間まで変化はなかった。33時間経過時に葉の一部に茶化が見られたが、その後、42時間経過時まで茶化の顕著な拡大は無かった。
包装体Bの野菜は、保管後18時間まで変化はなかった。21時間経過時に葉の一部に茶化が見られ、その後、茶化が広がっていった。。
包装体Cにおいては、保管後3時間経過時に、包装の内側に水滴が付き、6時間経過時には、葉の一部が水滴により溶けたような状態になった。この状態は時間経過とともに顕著になった。そして、15時間経過時に葉の一部に茶化が見られ、その後、茶化が広がっていった。
以上のように、保水部3を塩水に浸すことで葉の茶化を抑制できることが分かった。また、吸水シート2により、包装の内側に水滴が付くことを防止できることが検証できた。
なお、非結球性葉物野菜1として、リーフレタス以外に、コマツナ、ミズナ、ホウレンソウについても同様の検証実験を行い、ほぼ同様の結果が得られた。
<本考案のまとめ>
以下、本考案の特長を列挙する。
本考案に係る野菜の包装体は、特に、非結球性葉物野菜の包装に適したものである。
まず、ビニール等の包装で野菜を略密閉状態にすることで、包装体内部を高湿度に保ち、野菜の呼吸活動を抑えることで、劣化を抑制している。
また、吸水シートで野菜をくるむことで、包装内壁に水滴が形成されることを防止している。葉に水滴が付くと、葉が溶けたような状態になり、商品価値が低下するが、吸水シートを用いることで、これを防止できる。
しかしながら、野菜の呼吸活動を抑えることは、野菜の健康状態に対して、適切とは言えない。例えば、葉が茶化する一因となる。そこで、茎あるいは根に塩水を含んだ保水部を設けることで、塩分と水分を野菜に供給し、細胞を活性化させることで、茶化等の問題を克服した。塩水の殺菌効果も寄与していると考えられる。
そして、ビニール袋等の包装に小さな通気孔を設けることで、運搬時や保管時には包装内部の空気が抜け、小容積な包装体になることで、運搬コストや保管コストを低減できる。
また、包装体の外形形状を略円錐形とすることで、複数の包装体をさらに低容積で運搬や保管ができる。特に、非結球性葉物野菜の株は略円錐形であるため、自然な形状として包装可能であり、店頭に並べた際にもディスプレイ性に優れている。
さらに、野菜に巻き付けた吸水シートとビニール袋等の包装との摩擦係数が大きいため、包装作業において、シール時に、ビニール袋等の包装から野菜が滑り落ちることが無くなり、包装作業が容易になる。
そして、最大の特長は。以上の多くの考案の効果を低コストで実現できることである。
1 非結球性葉物野菜
2 吸水シート
3 保水部
4 締付部
5 包装

Claims (3)

  1. 被包装体である非結球性葉物野菜と、
    上記非結球性葉物野菜に巻き付けた吸水シートと、
    上記非結球性葉物野菜の茎または根を覆う塩水を含んだ保水部と、
    上記非結球性葉物野菜、上記吸水シート、および上記保水部を内包する透明な包装と、
    を備えた野菜の包装体。
  2. 上記包装は空気孔を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の野菜の包装体。
  3. 外形形状が略円錐形である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の野菜の包装体。

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