JP2023105564A - 製パン練込用油脂組成物 - Google Patents

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Kanako Satouchi
紘介 伊沢
Kosuke Izawa
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Masahisa Watachi
一樹 加治屋
Kazuki Kajiya
秀将 山▲崎▼
Hidemasa Yamazaki
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Abstract

【課題】パン生地への油脂混合性が良好で、パン生地のべたつきが抑えられ、且つ、ソフトでしとりがあり、且つ、歯切れのよいパン製品を得ることが可能である製パン練込用油脂組成物を提供すること。【解決手段】糖分解酵素を含有し、油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満である製パン練込用油脂組成物である。前記製パン練込用油脂組成物は、エステル交換油脂を油相中に40~100質量%含有することが好適であり、またエステル交換油脂としてパーム分別軟部油を70~100質量%含む油脂配合物(1)をエステル交換したエステル交換油脂(1)を含有することが好適である。【選択図】なし

Description

本発明は製パン練込用油脂組成物に関する。
一般的に焼成後のベーカリー製品は、貯蔵・保管中に、老化現象と呼ばれる経時的な劣化に伴って、その食感が変化し、パサパサとした食感となったり、口溶けが悪化したりすることが知られており、この現象を抑制するための手法の一つとして、ベーカリー生地中に各種酵素を含有させ、分散させることが従来検討されている。
例えば、耐酸性を有するα-アミラーゼと耐熱性を有するα-アミラーゼを併せて含有させたベーカリー生地を調製する方法(特許文献1)やマルトテトラオース生成酵素を含有させたベーカリー生地を調製する方法(特許文献2)、乳化剤とアミラーゼ類、特定のトリグリセリド組成を有する可塑性油脂組成物を含有するベーカリー生地(特許文献3)、トランスグルコシダーゼを含有する生地を調製する方法(特許文献4)、至適温度が異なる2種のアミラーゼを併用したベーカリー用油脂組成物(特許文献5)や、異なる2種のアミラーゼとアルギン酸エステルを含有する油脂組成物(特許文献6)、4糖生成アミラーゼを含有するベーカリー用油脂組成物(特許文献7)などの方法が開示されている。
しかし、特許文献1~3の方法では、パン生地の場合は生地がべとつき、作業性が低下しやすいという問題に加え、得られるベーカリー製品の物性が過度にソフトなものとなるために保形性が低下し、ケービングが発生しやすく、また、フィリング材を分散あるいは充填して焼成したり、焼成後にフィリング材を挟んだりトッピングした場合に、フィリング材の重量によるつぶれが生じやすい問題があった。また、その食感についても、ねちゃつきやすくなるために歯切れが悪化したり、良好な口溶けが得られなかったりする場合があった。また、特許文献4の方法では、パン生地の場合は生地の伸展性が劣り、作業性が低下しやすいという問題に加え、得られるベーカリー製品の食感が過度にもっちりしたものとなり、歯切れが悪化したり、良好な口溶けが得られなかったりする場合があった。
また、特許文献5や6の場合は、得られるベーカリー製品はやはりソフト性が強く、歯切れが悪化したり、良好な口溶けが得られなかったりする場合があることに加え、特に特許文献5の場合は得られるベーカリー製品の保形性が低下し、ケービングや、フィリング材の重量によるつぶれについての問題が残るものであった。また、特許文献7の場合はソフトで歯切れ・口溶けに優れたベーカリー製品を得ることができるが、多加水パンなど、パンの配合によっては保形性が低下し、ケービングを起こすおそれがあった。
特公平07-110193号公報 特開平11-266773号公報 特開2016-189724号公報 国際公開第2005/096839号 特開2017-029005号公報 特開2016-054680号公報 特開2019-071872号公報
したがって、本発明の目的は、パン生地への油脂混合性が良好で、パン生地のべたつきが抑えられ、且つ、ソフトでしとりがあり、且つ、歯切れのよいパン製品を得ることが可能である製パン練込用油脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、糖分解酵素を含有する油脂組成物の油相を高融点とし、さらに油脂組成物を低比重とすることで、上記目的が達成可能であることを見出した。
すなわち本発明は、糖分解酵素を含有し、油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満である製パン練込用油脂組成物を提供するものである。
本発明の製パン練込用油脂組成物は、ソフトでしとりがあり、且つ、歯切れが良好であるパン類を、生地のべたつきを抑えながら製造することができる。また、調温せずとも、低温域からの幅広い温度域で使用可能であり、パン生地に均質にすばやく練り込まれるなど、パン生地への油脂混合性が良好である。
以下、本発明の製パン練込用油脂組成物について詳述する。
本発明の製パン練込用油脂組成物は糖分解酵素を含有する。
本発明の製パン練込用油脂組成物で使用することのできる糖分解酵素としては一般的にベーカリー生地に使用可能なものを特に制限なく使用することができる。糖分解酵素の具体例としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、ペントサナーゼ、プルラナーゼ等の細胞壁分解酵素、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、マルトース生成α-アミラーゼ、3糖生成アミラーゼ、4糖生成アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ、アミログルコシダーゼ等の澱粉分解酵素等を挙げることができ、また、市販の酵素製剤を用いることもできる。
本発明の製パン練込用油脂組成物では、上記糖分解酵素の1種または2種以上を使用することができる。
本発明の製パン練込用油脂組成物では、本発明の高い効果、特にソフト性としとりに優れ、且つ、老化耐性の高いパン製品が得られる点で、上記糖分解酵素としてα-アミラーゼを使用することが好ましい。
ここで、α-アミラーゼについて述べる。
α-アミラーゼとは澱粉を基質として、そのα-1,4グルコシド結合をランダムに切断する酵素である。
なお、本発明で用いられるα-アミラーゼの由来は特に限定されず、動植物、カビ、細菌等から得られたものを用いることが出来る。
α-アミラーゼとしては市販のα-アミラーゼ製剤を使用することができ、例えばα-アミラーゼ製剤としては、クライスターゼL1、ビオザイム(登録商標)A、(以上アマノエンザイム社製)、ビオテックス(登録商標)L#3000、ビオテックス(登録商標)TS、スピターゼ(登録商標)HS、スピターゼ(登録商標)CP-40FG、スピターゼ(登録商標)CP3、スピターゼ(登録商標)L、スピターゼ(登録商標)XP-404、ネオスピターゼPK-2、T-50(以上、ナガセケムテックス社製)、グリンドアミル(登録商標)A(ダニスコジャパン社製)、BAN、ファンガミル(登録商標)(以上、ノボザイムズジャパン社製)、フクタミラーゼ(登録商標)30、フクタミラーゼ(登録商標)50、フクタミラーゼ(登録商標)10L、リクィファーゼL45(以上、エイチビィアイ社製)、VERON Soft+、VERONVERON M4、Sternzyme A6003(以上、樋口商会社製)、ユニアーゼ(登録商標)BM-8(ヤクルト薬品工業社製)、ソフターゲン(登録商標)・3H(タイショウテクノス社製)、ベイクザイムAN301(登録商標)、MatL Classic(登録商標)、Mycolase(登録商標)、ベイクザイム(登録商標)P500(DSM社製)、スミチームAS(登録商標)、スミチームL(登録商標)(以上、新日本化学工業社製)等が挙げられる。
また、本発明で用いられるα-アミラーゼの至適温度は、ソフトなパンを得られるという理由から、20~90℃であることが好ましいが、至適温度が好ましくは30~60℃、より好ましくは40~60℃のα-アミラーゼと、至適温度が65~85℃、より好ましくは70~85℃のα-アミラーゼを併用することが好ましい。
なお、α-アミラーゼの使用量は、ベーカリー生地で使用する澱粉類100質量部に対し、使用する酵素の活性にもよるが、0.0001質量部~0.1質量部、より好ましくは0.0005質量部~0.01質量部程度である。
また、本発明の製パン練込用油脂組成物では、パン生地の作業性、パン製品のソフト性や耐老化性を保ったまま、より歯切れのよいパンを得るためには、上記糖分解酵素としてマルトオリゴ糖生成型アミラーゼを使用することが好ましい。
マルトオリゴ糖生成型アミラーゼは、デンプン等のα-グルカンを基質として、ある特定の重合度でグルコースがα-1,4結合したマルトオリゴ糖を生成する作用を有するα-アミラーゼをいう。マルトオリゴ糖とは、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース等をいう。
上記マルトオリゴ糖生成型アミラーゼの例は、マルトースを生成するβ-アミラーゼ、マルトース生成α-アミラーゼ、マルトトリオースを生成する3糖生成アミラーゼ、マルトテトラオースを生成する4糖生成アミラーゼなどが挙げられるが、上記効果が高い点で、本発明の製パン練込用油脂組成物では、マルトース生成α-アミラーゼ、及び/又は、4糖生成アミラーゼを使用することが好ましい。
また、マルトオリゴ糖生成型アミラーゼの使用量は、ベーカリー生地で使用する澱粉類100質量部に対し、使用する酵素の活性にもよるが、0.0001質量部~0.1質量部、より好ましくは0.001質量部~0.025質量部程度である。
ここで、上記マルトース生成α-アミラーゼについて述べる。
本発明で用いることのできるマルトース生成α-アミラーゼとしては、α-1,4グルコシド結合を切断してマルトースを生成する作用を有するα-アミラーゼであれば特に限定されるものではなく、該酵素が含有される酵素製剤を使用することもできる。
マルトース生成α-アミラーゼ製剤としては、例えばノバミル10000BG、ノバミル3D BG、オプティケーキフレッシュ50 BG(Novozymes A/S、デンマーク)、コクラーゼ(登録商標)(三菱化学フーズ社製)、グリンドアミル(登録商標)MAX-LIFE100(ダニスコジャパン社製)等が挙げられる。
本発明においては、上記マルトース生成α-アミラーゼの中でも、酵素の至適温度が60℃以上である高温耐熱性マルトース生成α-アミラーゼが好ましい。高温耐熱性マルトース生成α-アミラーゼの至適温度は、好ましくは40~95℃、より好ましくは50~95℃、最も好ましくは60~90℃である。
なお、マルトース生成α-アミラーゼの使用量は、マルトオリゴ糖生成α-アミラーゼとしてマルトース生成α-アミラーゼのみを使用する場合、ベーカリー生地で使用する澱粉類100質量部に対し、使用する酵素の活性にもよるが、0.0001質量部~0.1質量部、より好ましくは0.001質量部~0.02質量部程度である。
以下、4糖生成アミラーゼについて述べる。
本発明で用いることのできる4糖生成アミラーゼとしては、澱粉を含めた多糖類や糖類中のα-1,4グルコシド結合をマルトテトラオース単位で切断する作用を有するα-アミラーゼであれば、特に限定されるものではなく、該酵素が含有される酵素製剤を使用することもできる。
市販の4糖生成アミラーゼ酵素製剤としては、例えばPOWERFresh 3050、POWERFresh 3150、POWERFresh 4150 (Danisco社)、デナベイクExtra(ナガセケムテックス社)などが挙げられる。
また、本発明で用いられる4糖生成アミラーゼの至適温度は、加熱処理に伴って生地中の澱粉がα化していく過程で作用することが好ましいため、30~90℃であることが好ましく、40~80℃であることがより好ましく、最も好ましくは45~75℃である。
なお、4糖生成アミラーゼの使用量は、マルトオリゴ糖生成型アミラーゼとして4糖生成アミラーゼのみを使用する場合、ベーカリー生地で使用する澱粉類100質量部に対し、使用する酵素の活性にもよるが、0.0001質量部~0.1質量部、より好ましくは1質量部~25質量部程度である。
本発明の製パン練込用油脂組成物では、上記糖分解酵素としてヘミセルラーゼを使用することが好ましい。ヘミセルラーゼを使用することによって、ベーカリー生地、特にパン生地において、グルテンの形成を阻害するヘミセルラーゼを分解し、グルテン形成に関与する水の割合を増加させることが可能となる。それにより、内相骨格をしっかりとしたものとすることができ、ケービングが抑制され、さらにフィリング材の重量によるつぶれがないベーカリー製品を得ることが可能となる。さらに、得られるベーカリー製品の歯切れやボリューム感を向上させること可能となる。
ここで、ヘミセルラーゼについて述べる。
ヘミセルラーゼとはヘミセルロースを基質として加水分解する酵素の総称である。
へミセルロースとは、陸上植物細胞の細胞壁を構成する多糖類のうち、セルロースとペクチン以外のものであり、水溶性のものと不溶性のものがあるが、具体的には例えばキシラン、アラビノキシラン、アラビナン、マンナン、ガラクタン、キシログルカン、グルコマンナン等が挙げられる。
そのため、ヘミセルラーゼは具体的には、キシランを分解するキシラナーゼ、アラビノキシランを分解するアラビノキシラナーゼ等に分類することができるが、実態としてはこれらの活性を混合して有するものであることが多く、実際に市販されている酵素製品もこれらの活性を混合して有するものである場合が多い。
本発明では、上記ヘミセルラーゼの中でも、ベーカリー製品がパンの場合、べたつきが少ないパン生地が得られる点、及びくちゃつきがなく、歯切れのよいパンが得られる点で、アラビノキシランを主基質とし、且つ、不溶性アラビノキシランへの基質親和性と水溶性アラビノキシランへの基質親和性との比(分解活性比:不溶性アラビノキシラン/水溶性アラビノキシラン)が10以上であるヘミセルラーゼを使用することが好ましい。
なお、本発明で用いられるヘミセルラーゼの由来は特に限定されず、動植物、カビ、細菌等から得られたものを用いることができる。
ヘミセルラーゼとしては市販のヘミセルラーゼ製剤を使用することができ、例えば 市販のヘミセルラーゼ製剤としては、ヘミセルラーゼ「アマノ」(天野製薬株式会社)、ベイクザイムBXP5001BG、ベイクザイムHS2000、ベイクザイムIConc(DMS株式会社)、エンチロンLQ(洛東化成工業社製)、ヘミセルラーゼM(以上、エイチビィアイ社製)、スミチーム(登録商標)X(新日本化学工業社製)、グリンドアミル(登録商標)H121(ダニスコジャパン社製)等が挙げられる。
また、本発明で用いられるヘミセルラーゼの至適温度は、20~90℃であることが好ましく、特にベーカリー生地がパン生地の場合、ミキシング中に、ヘミセルロースに作用させ、好ましいグルテン形成を図る目的から、25~50℃であることがより好ましく、最も好ましくは25~40℃である。
なお、ヘミセルラーゼの使用量は、ベーカリー生地で使用する澱粉類100質量部に対し、使用する酵素の活性にもよるが、0.0001質量部~0.1質量部、より好ましくは0.0005質量部~0.01質量部程度である。
なお、本発明の製パン練込用油脂組成物は、上記の糖分解酵素の他にも、製菓製パン改良効果を有する酵素を含有させることが可能であり、例えば糖転移酵素、リパーゼ、プロテアーゼ等が挙げられる。
本発明の製パン練込用油脂組成物は、油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満であることが必要である。
油相の融点がこのように高融点、且つ、低比重であることにより、パン生地への油脂組成物の添加・混合時に、油脂が融解しない状態で微細に粉砕された油脂組成物が均質に生地中に分散した形で練り込まれ、且つ、糖分解酵素をパン生地の段階で作用させず、ホイロ工程以降に作用させることで、糖分解酵素の働きを抑制することなく、パン生地のべたつきを抑えることが可能となるのである。
これは、パン生地への添加・混合時に油脂組成物が融解してしまうと、中にふくまれる糖分解酵素が澱粉等に直接接触して、パン生地の段階から糖分解酵素が作用してしまい、生地がべたついてしまうところ、高融点且つ低比重とすることで、ミキシング時に油脂組成物が微細に破砕され、この微細に粉砕された油脂組成物が均質に生地中に分散した形で練り込まれるのである。
そして、パン生地のホイロの温度は通常32~38℃であるため、油相の融点をその温度以上とすることで26℃前後であるパン生地の段階では糖分解酵素が油脂組成物中に包まれた状態で存在することにより作用しないが、ホイロ時以降に徐々に生地温度が上昇し、油脂が融解して糖分解酵素が効き始めるというものである。そのため生地の分割、丸目、成形時に生地がべたつくことがないというものである。
更に、油相の融点が高いことにより、パン生地のべたつきが抑えられる。そのため、得られるパンも内相膜が薄く、ソフトでしっとりした食感でありながら、パンクラム構造がしっかりしていてつぶれにくく、歯切れの良好でありねちゃつきのない食感のパンとなる。
本発明の製パン練込用油脂組成物は、油相の融点は上述のように36℃以上が必要であるが、好ましくは37℃以上、より好ましくは38℃以上である。
なお、油相の融点の上限値に関しては、好ましくは47℃以下、より好ましくは44℃以下である。
なお、本発明において油相とは、上記油脂のほか、油溶性の成分もあわせたものとする。本発明の製パン練込用油脂組成物において、油相の融点とは上昇融点であり、日本油化学会制定の基準油脂分析試験法に記載の方法により測定することができる。
本発明の製パン練込用油脂組成物の比重は上述のように0.9未満であることが必要であるが、好ましくは0.4~0.84、さら好ましくは0.5~0.8、最も好ましくは0.60~0.75である。
製パン練込用油脂組成物の比重は、容積法により測定することができる。具体的には、一定容積の計量カップに油脂組成物を充填し、該カップ内の油脂組成物の質量を測定し、その質量を計量カップの容積で除して得られる数値を製パン練込用油脂組成物の比重とする。なお、製パン練込用油脂組成物の比重は20℃において測定するものとする。
本発明の製パン練込用油脂組成物は油脂を含有する。本発明の製パン練込用油脂組成物で用いることができる油脂は、食用の油脂であればよく、特に制限なく用いることができる。
上記油脂としては特に制限されず、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、ハイエルシン菜種油、キャノーラ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、落花生油、ゴマ油、オリーブ油、カカオ脂、サル脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに完全水素添加、分別及びエステル交換から選択された1種又は2種以上の処理を施した加工油脂や、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等が挙げられる。本発明では、これらの食用油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明の製パン練込用油脂組成物は、パン生地へ油脂混合性が良好である点、特に、低温時の油脂分散性を良好なものとすることができる点で、エステル交換油脂を油相中に40~100質量%含有することが好ましく、60~100質量%含有することがより好ましく、75~100質量%含有することが更に好ましい。
上記エステル交換は、常法に従って行うことができ、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂、ケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明においては、上記油脂として、パーム分別軟部油を70~100質量%含む油脂配合物(1)をエステル交換したエステル交換油脂(1)を使用することが、適度な硬さの油脂とすることができる点に加え、本発明の効果の点、特に、パン生地への油脂混合性を良好なものとすることができる点で好ましい。また、上記エステル交換油脂(1)を使用すると、得られるパンの体積が大きく、歯切れが良好なパンとすることが可能である点でも好ましい。
ここで、上記エステル交換油脂(1)について説明する。
上記エステル交換油脂(1)に用いられる上記油脂配合物(1)は、ヨウ素価52~70のパーム分別軟部油を、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%用いることで得ることができる。
上記パーム分別軟部油は、アセトン分別やヘキサン分別等の溶剤分別、ドライ分別等の無溶剤分別等の方法によって、パーム油を分別した際に得られる低融点部であり、通常、ヨウ素価が52~70のものである。本発明に用いられるパーム分別軟部油としては、ヨウ素価が52以上のパームオレインを使用することが好ましく、ヨウ素価が54以上のパームオレインを使用することがより好ましい。
なお、本発明の主旨である36℃以上の融点とする目的で、ヨウ素価は65未満であることが好ましく、より好ましくは60未満である。
上記油脂配合物(1)は、必要に応じ、上記パーム分別軟部油以外の油脂を含有してもよい。上記油脂配合物に必要に応じ配合する、上記パーム分別軟部油以外の油脂は、求める油脂組成物の硬さに応じ適宜選択することができ、具体的には、大豆油、キャノーラ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂等の常温で固体の油脂も用いることができ、更に、これらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる。
本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、上記エステル交換油脂(1)を得るためのエステル交換反応は、選択的エステル交換であってもよく、また、非選択的エステル交換、すなわちランダムエステル交換であってもよいが、上記油脂混合性が良好である点で非選択的エステル交換であることが好ましい。
上記エステル交換は、常法に従って行うことができ、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂、ケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明の製パン練込用油脂組成物における、上記エステル交換油脂(1)の含有量は、油相中に、好ましくは40~100質量%、より好ましくは51~100質量%、更に好ましくは55~95質量%である。
更に、本発明では、上記油脂として、パーム極度硬化油脂を30~60質量%含有し、脂肪酸組成において炭素数14以下の脂肪酸含量が10質量%未満である油脂配合物(2)をエステル交換したエステル交換油脂(2)を使用することが、より微細に砕けやすく、結果として油脂分散性をより高いものにすることができる点で好ましい。更に、耐熱性が向上するため、高温側の温度域で使用しやすくなる点でも好ましい。そしてこれらの効果がパンの口溶けを悪化させることなく得られる点で好ましく、またパン生地のべたつきが抑えられる点でも好ましい。
本発明で使用するパーム極度硬化油脂とは、パーム油、パーム分別軟部油、パーム分別中部油、パーム分別硬部油などのパーム系油脂に対し、ヨウ素価が10以下、好ましくは5以下、より好ましくは1未満となるまで水素添加し、実質的に構成成分である不飽和脂肪酸をほぼ完全に飽和することによって得られる極度硬化油である。
このパーム極度硬化油脂は、極度硬化油指の中でも、脂肪酸組成における炭素数18の飽和脂肪酸含量と炭素数16の飽和脂肪酸含量がほぼ50質量%ずつである点で極めて特徴的な油脂である。
本発明において、上記油脂配合物(2)中の上記パーム極度硬化油脂の含有量は30~60質量%、好ましくは30~50質量%、より好ましくは30~40質量%である。パーム極度硬化油脂の含量が30質量%未満であると、上記の効果が得られにくくなる。
また、60質量%を超えると、油脂添加混合時に微細に砕けることなく、大きな塊のままとなってしまうおそれがあることに加え、得られるパンの口溶けが悪化するおそれがある。
また、本発明においては、上記油脂配合物(2)に含まれる炭素数14以下の脂肪酸の含有量は10質量%未満であることが必要であり、好ましくは5質量%未満である。油脂配合物中10質量%を越えると、微細に割れにくくなり、上記の効果が得られにくくなる。
上記油脂配合物(2)に含まれる、上記パーム極度硬化油脂以外の油脂としては、食用に適する油脂であればよく、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の常温で固体の油脂も用いることができ、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を使用することもできる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできるが、好ましくは上記油脂配合物に含まれる炭素数14以下の脂肪酸の含有量が10質量%未満となるように用いる。
また、本発明においては、上記油脂配合物(2)の脂肪酸組成において、炭素数16の飽和脂肪酸含量を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは30~70質量%、更に好ましくは40~60質量%とすることで、より微細に砕けやすくすることができ、結果として油脂分散性を高めることが可能である点で好ましい。
そのため、上記パーム極度硬化油脂以外の油脂として、カカオ脂、魚油、牛脂、豚脂、パーム油、更に、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂などの、炭素数16の飽和脂肪酸を多く含む油脂を使用することが好ましい。
また、本発明においては、上記油脂配合物(2)の脂肪酸組成において、炭素数18の飽和脂肪酸含量/炭素数16の飽和脂肪酸含量の値が、好ましくは1未満、より好ましくは0.6未満とすることにより、より微細に砕けやすくすることができ、結果として油脂分散性を高めることが可能である点で好ましい。
そのため、上記パーム極度硬化油脂以外の油脂として、パーム油、パーム分別油などの、パルミチン酸を多く含み、且つ、パルミチン酸よりステアリン酸含量が少ない油脂を使用することが好ましい。
すなわち、本発明では、パーム極度硬化油脂以外の油脂として、パーム油、及び/又は、パーム分別油を使用することが好ましい。
また、上記エステル交換油脂(2)を得るためのエステル交換反応は、選択的エステル交換であってもよく、また、非選択的エステル交換、すなわちランダムエステル交換であってもよいが、上記油脂混合性が良好である点で非選択的エステル交換であることが好ましい。
上記エステル交換は、常法に従って行うことができ、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂、ケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明の製パン練込用油脂組成物における、上記エステル交換油脂(2)の含有量は、油相中に好ましくは3~50質量%、より好ましくは3~40質量%、更に好ましくは5~35質量%である。
なお、本発明では、上記エステル交換油脂(2)を上記エステル交換油脂(1)と併用する場合、エステル交換油脂(1)100質量部に対して、エステル交換油脂(2)を7~100質量部使用することが好ましく、より好ましくは10~66質量部、更に好ましくは10~55質量部使用する。この範囲内で使用することにより、エステル交換油脂(1)の効果をより高いものとすることができる。
更に、本発明では、その全構成脂肪酸組成における炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20~60質量%であり、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30~70質量%である油脂配合物(3)をエステル交換したエステル交換油脂(3)を使用することが、油脂混合性、特に10℃以下の低温、更には5℃以下の低温での油脂混合性を良好なものとすることが可能である点で特に好ましい。
ここで、上記エステル交換油脂(3)について具体的に説明する。
上記エステル交換油脂(3)に用いられる上記油脂配合物(3)は、その構成脂肪酸中に炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂、及びその構成脂肪酸中に炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂を用いて、上記構成脂肪酸組成となるように配合することにより得ることができる。
上記の炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂において、炭素数14以下の飽和脂肪酸の含有量は、その構成脂肪酸中に好ましくは30~100質量%、より好ましくは65~100質量%である。
また、上記の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂において、炭素数16以上の飽和脂肪酸の含有量は、その構成脂肪酸中に好ましくは30~100質量%、より好ましくは70~100質量%である。
上記の炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂としては、例えば、パーム核油、ヤシ油、ババス油、並びにこれらに対し硬化、分別及びエステル交換のうちの1種又は2種以上の操作を施した油脂を挙げることができ、これらの中の1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、好ましくは、パーム核油又はヤシ油を使用する。
上記の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂としては、例えば、パーム油、大豆油、菜種油、豚脂、牛脂、並びにこれらに対し硬化、分別及びエステル交換のうちの1種又は2種以上の操作を施した油脂を挙げることができ、これらの中の1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、好ましくは、パーム硬化油、大豆硬化油又は菜種硬化油、より好ましくは、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油又は菜種極度硬化油を使用する。
上記油脂配合物(3)において、上記の炭素数14以下の飽和脂肪酸を含有する油脂は、上記油脂配合物(3)の全構成脂肪酸組成における炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が好ましくは20~60質量%、より好ましくは40~60質量%となるように配合される。ここで、上記炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20質量%未満であると、低温での油脂分散性の改良効果が得られにくい。
また炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が60質量%超であると、融点が低くなりやすく油脂混合性が低下する。
また、上記油脂配合物(3)において、上記の炭素数16以上の飽和脂肪酸を含有する油脂は、上記油脂配合物(3)の全構成脂肪酸組成における炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が好ましくは30~70質量%、より好ましくは30~50質量%となるように配合される。炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30質量%未満であると、融点が低くなりやすく油脂混合性が低下する。
また、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が70質量%超であると、低温での油脂分散性の改良効果が得られにくい。
また、上記エステル交換油脂(3)を得るためのエステル交換反応は、選択的エステル交換であってもよく、また、非選択的エステル交換、すなわちランダムエステル交換であってもよいが、上記油脂混合性が良好である点で非選択的エステル交換であることが好ましい。
上記エステル交換は、常法に従って行うことができ、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂、ケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明の製パン練込用油脂組成物における、上記エステル交換油脂(3)の含有量は、油相中に好ましくは5~90質量%、より好ましくは5~30質量%、更に好ましくは5~20質量%である。
なお、本発明では上記エステル交換油脂(1)とエステル交換油脂(3)を併用することが、より広い温度域での油脂混合性の改良効果が得られる点で特に好ましい。
また、エステル交換油脂(1)とエステル交換油脂(3)の比率は、エステル交換油脂(1)100質量部に対してエステル交換油脂(3)を5~50質量部使用することが好ましく、より好ましくは5~30質量部使用する。
この範囲内で使用することにより、エステル交換油脂(1)の効果、特に低温での油脂分散性を向上させることが可能となる。
本発明の製パン練込用油脂組成物では、本発明の高い効果を得るために、上記エステル交換油脂(1)、(2)及び(3)以外のエステル交換油脂の含有量は、本発明の製パン練込用油脂組成物の油相中に、好ましくは25質量%未満、より好ましくは10質量%未満、更に好ましくは5質量%未満とする。
また、本発明の製パン練込用油脂組成物では、本発明の高い効果を得るために、上記エステル交換油脂(1)、(2)及び(3)以外の油脂の含有量は、本発明の製パン練込用油脂組成物の油相中に、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
また、本発明の製パン練込用油脂組成物では、25℃において液状である油脂、すなわち、融点25℃以下の油脂の含有量が20質量%未満、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であることが、油脂が微細に砕けやすく、結果的に油脂分散性が高くできる点で好ましい。また生地のべたつきが防止され、更にはクラム構造がしっかりしていてつぶれにくいパンが得られる点で好ましい。
25℃において液状である油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、ヤシ油、パーム核油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他パーム分別軟部油、パームスーパーオレインなどの固体の油脂の分別軟部油や、各種油脂や脂肪酸のエステル交換などの加工油脂が挙げられる。
本発明の製パン練込用油脂組成物における油脂の含有量は、製パン練込用油脂組成物中、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70~100質量%である。
なお、本発明の製パン練込用油脂組成物においては、後述のその他の成分が油脂を含有する場合、その成分に含まれる油脂を含めるものとする。
本発明の製パン練込用油脂組成物は、生地中に容易に分散させることが可能になると共に、本発明の効果が得られやすくなる点で、油脂を分散相とする水中油型乳化物等の油脂組成物ではなく、油脂を連続相とする油脂組成物の形態をとることが好ましい。
本発明の製パン練込用油脂組成物が、油脂を連続相とする油脂組成物の形態をとる場合、水分を含有するマーガリンやファットスプレッドの形態をとるものであってもよく、また、水分を実質的に含有しないショートニングの形態をとるものであってもよい。
本発明の製パン練込用油脂組成物が油脂を連続相とし、水分を含有する乳化物である場合、その乳化型が、水を分散相とする油中水型であってもよく、油脂が分散した水を分散相とする油中水中油型等の二重乳化以上の多重乳化型であってもよい。
本発明の製パン練込用油脂組成物の性状は、流動状やペースト状などの物性であってもよいが、製パン時の練り込みにおける混合性が良好である点で、可塑性油脂組成物であることが好ましい。
ここで可塑性油脂組成物とは、油相のみ、又は油相と水相の乳化物を急冷可塑化して得られる油脂組成物であり、その配合油脂に応じた温度域において可塑性を有していれば可塑性油脂組成物として扱うものである。
本発明の製パン練込用油脂組成物の水分含有量は、特に制限はないが、水分を含有するマーガリンやファットスプレッドのような形態をとる場合においては、好ましくは10~50質量%である。また、水分を実質的に含有しないショートニングのような形態をとる場合においては、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
なお、本発明の製パン練込用油脂組成物における水分含有量は、例えば、常圧乾燥減量法により測定することができる。
本発明の製パン練込用油脂組成物は、乳化剤の使用量が少ない場合、更には乳化剤を使用しない場合であっても十分な効果が得られるものである。しかしながら、本発明の製パン練込用油脂組成物は、乳化剤を0.1~5質量%含有することが好ましく、0.2~2質量%含有することがより好ましい。本発明の製パン練込用油脂組成物における乳化剤の含有量が上述の範囲であると、製パン練込用油脂組成物が粘りのある物性となることにより、パン生地への油脂混合性を高めると同時に、おそらくは混合時の気相の抜けを抑え、より高い本発明の効果が得られ、更には製パン練込用油脂組成物の保存中の物性の安定化及び得られるパンの老化抑制の効果をも得ることができる。
上記乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド、レシチン、リゾレシチンを用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお本発明の製パン練込用油脂組成物は、必要により、その他の材料を含有していてもよい。その他の材料として、上白糖・グラニュー糖・ブドウ糖・果糖・蔗糖・麦芽糖・乳糖・液糖・水飴・オリゴ糖・還元糖・はちみつ等の糖類、コーンスターチ・タピオカ澱粉・馬鈴薯澱粉・小麦澱粉・米澱粉・モチ米澱粉などの澱粉や加工澱粉、キサンタンガム・アルギン酸ナトリウム・グアーガム・ローカストビーンガム・カラギーナンなどの増粘安定剤、卵類、β-カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム・乳清ミネラルなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、無機塩類、食塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを用いることができる。その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り任意の量を使用することができるが、上記製パン練込用油脂組成物中、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
次に上記の製パン練込用油脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の製パン練込用油脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、最終的に糖分解酵素が油脂組成物中に含有され、比重が0.9未満になるものであれば公知の方法で製造することができる。
具体的な酵素の添加方法としては、本発明の製パン練込用油脂組成物がマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの油脂を連続相とする油脂組成物である、可塑性油脂組成物の形態をとる場合は、可塑性油脂組成物の製造の過程で、油相中に上述の酵素を別個に、或いは前もって複数の酵素を混合したものを直接分散してから、急冷可塑化により可塑性油脂組成物を製造することができ、水相を含有する場合は水相に上述の酵素を別個に、或いは前もって複数の酵素を混合したものを分散させてから、油相と共に急冷可塑化することにより、可塑性油脂組成物を製造することができる。
また、可塑性油脂組成物の製造の過程で、急冷可塑化後に上述の酵素、若しくは上記の酵素が含有された水溶液を添加、混合する方法によることもできる。
本発明では、高い酵素活性を有し、且つ、保存時の酵素活性の低下が防止される点で、急冷可塑化後に、酵素、若しくは上記の酵素が含有された水溶液を添加、混合する方法であることが好ましい。
また、具体的な、比重を0.9未満とする方法としては、得られた油脂組成物をクリーミングして比重が0.9未満となるように含気させる方法でもよいが、油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で窒素、空気等を含気させる方法によることが好ましい。特に、冷却後のまだ流動状を呈する間に含気させることが好ましい。その場合は、連続式の含気装置を使用して連続的に注入する方法であることが好ましい。
なお、通常のショートニングやマーガリンに起泡したホイップクリームやメレンゲを混合してもよく、また、クリーミングしたショートニングに水相を添加する方式などの方法によって製造することもできる。
更に、本発明のパン生地について述べる。
本発明のパン生地は、本発明の製パン練込用油脂組成物を含有するものである。具体的にはパン生地を製造する際に本発明の製パン練込用油脂組成物を練り込んでなるものである。
本発明でいうパン生地の種類としては、澱粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地であれば特に制限されず、食パン生地、フランスパン生地、バラエティブレッド生地、ブリオッシュ生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地、マフィン生地、ピザ生地、スコーン生地、蒸しパン生地、ワッフル生地、イングリッシュマフィン生地、バンズ生地、イーストパイ生地等のパン生地を挙げることができる。
本発明のパン生地における上記本発明の製パン練込用油脂組成物の含有量は、通常のパン生地製造時の添加量と特に変わることなく、パン生地の種類に応じて適宜決定することができるが、パン生地で使用する澱粉類100質量部に対し、好ましくは1~45質量部、更に好ましくは3~25質量部である。ここで含有量が1質量部よりも少ないと本発明の効果が得られがたく、45質量部よりも多いとパン生地がべたつきやすい。
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉及び胚芽などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉及び松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉及び米澱粉などの澱粉並びにこれらの澱粉に酵素処理、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理及びグラフト化処理から選択される1以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用する。
また小麦粉類は、強力粉のみ又は強力粉と薄力粉の併用が好ましい。
本発明のパン生地の水分含有量は、パン生地で使用する澱粉類100質量部に対し、好ましくは30~150質量部、更に好ましくは50~100質量部である。
上記の水としては、天然水や水道水の他に、パン生地で用いる水分を含む材料中の水分も含むものとする。水分を含む材料としては、牛乳、濃縮乳、クリームなどの乳や乳製品、卵類、液糖などが挙げられる。また乳化物を使用する場合には、上記水の含有量とは、該乳化物に含まれる水分をも含む。
本発明のパン生地で用いるイーストとしては、ドライイースト、生イースト、冷蔵パン用イースト、冷凍パン用イースト等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明のパン生地におけるイーストの含有量は、特に制限されるものではないが、澱粉類100質量部に対し、生イーストの場合は、好ましくは1.5~10質量部、ドライイーストの場合は、好ましくは0.5~4質量部である。
本発明のパン生地は必要によりその他の材料を含有している場合がある。本発明のパン生地に用いられるその他の材料としては、例えば、アルギン酸・アルギン酸塩・キサンタンガム・グアーガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・ペクチン・カルボキシメチルセルロース・寒天・グルコマンナンなどの食物繊維、上記の本発明の製パン練込用油脂組成物以外の練り込み用油脂組成物、ロールイン油脂、フラワーペースト、バタークリーム、糖類や甘味料、澱粉、増粘安定剤、β-カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、全卵、生卵黄、生卵白、殺菌全卵、殺菌卵黄、殺菌卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などの卵類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチンなどの乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、上記澱粉類100質量部に対して合計で200質量部以下となる範囲で用いることができる。
上記の「本発明の製パン練込用油脂組成物以外の練り込み用油脂組成物」としては、例えば、比重が0.9以上の油脂組成物、糖分解酵素を含有しない油脂組成物、バター、粉末油脂組成物などが挙げられる。
上記の本発明の製パン練込用油脂組成物以外の練り込み用油脂組成物を使用する場合の含有量は、本発明のパン生地で使用する澱粉類100質量部に対して、好ましくは0~30質量部、更に好ましくは0~10質量部、最も好ましくは0~5質量部である。
また、上記の糖類や甘味料としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、転化糖液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、甘草などが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
更に本発明のパン生地の製造方法について説明する。
本発明のパン生地の製造方法は、澱粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に、糖分解酵素を含有し、油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満である製パン練込用油脂組成物を添加し、更に混捏するものである。
本発明のパン生地の製造方法においては、速成法、ストレート法、中種法、液種法、サワー種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法、冷凍生地法等の製パン法を適宜選択することができる。
上記冷凍生地法は、混涅直後に冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する玉生地冷凍法、成型後に生地を冷凍する成型冷凍法、最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法等の種々の方法が採用できる。
得られた本発明のパン生地は、通常のパンと同様に、フロアタイム、分割、ベンチタイム、成形、ホイロ後に、焼成などの加熱工程を経ることにより、パンを得ることができる。
最後に本発明のパンについて説明する。
本発明のパンは、本発明のパン生地の焼成品であり、上記パン生地を焼成してなるものである。
なお、焼成温度や時間などの各種条件は通常のパン同様、適宜選択可能である。
また、上記焼成は蒸し焼きを含むものである。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は質量基準である。
<エステル交換油脂の調製>
(製造例1:ランダムエステル交換油脂A)
ヨウ素価が65のパームスーパーオレイン(パーム分別軟部油を更に分別して得られた軟部油、融点25℃)100質量部を四口フラスコに入れ、液温110℃で真空下30分加熱した。この後、対油0.2質量%の割合でランダムエステル交換触媒のナトリウムメトキシドを加えて、液温を85℃に調整して更に真空下で1時間加熱してランダムエステル交換反応を行った後、クエン酸を添加してナトリウムメトキシドを中和した。次に、白土を加え漂白(白土量は対油3質量%、処理温度85℃)を行い、白土を濾別した後、脱臭(250℃、60分間、吹込み水蒸気量対油5質量%)を行って、下記の実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂A(以下、単にIE-Aと記載する場合がある)を得た。
(製造例2:ランダムエステル交換油脂B)
ヨウ素価が55のパーム分別軟部油(融点25℃)を、製造例1と同様にして、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、及び漂白・脱臭の精製処理を行い、下記の実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂B(以下、単にIE-Bと記載する場合がある)を得た。
(製造例3:ランダムエステル交換油脂C)
パーム核油75質量部(融点27℃)と、パーム油に対し、ヨウ素価が1以下となるまで水素添加を施した、パーム極度硬化油(融点58℃)25質量部を溶融した状態で混合し、混合油脂とした。この混合油脂を、製造例1と同様にして、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、及び漂白・脱臭の精製処理を行い、下に述べる実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂C(以下、単にIE-Cと記載する場合がある)を得た。
(製造例4:ランダムエステル交換油脂D)
パーム核油50質量部と、パームステアリン50質量部を溶融した状態で混合し、混合油脂とした。この混合油脂を、製造例1と同様にして、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、及び漂白・脱臭の精製処理を行い、下に述べる実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂D(以下、単にIE-Dと記載する場合がある)を得た。
(製造例5:ランダムエステル交換油脂E)
パーム核油50質量部と、パーム油に対し、ヨウ素価が1以下となるまで水素添加を施した、パーム極度硬化油50質量部を溶融した状態で混合し、混合油脂とした。この混合油脂を、製造例1と同様にして、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、及び漂白・脱臭の精製処理を行い、下に述べる実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂E(以下、単にIE-Eと記載する場合がある)を得た。
(製造例6:ランダムエステル交換油脂F)
ヨウ素価52のパーム油65質量部と、パーム油に対し、ヨウ素価が1以下となるまで水素添加を施した、パーム極度硬化油35質量部を溶融した状態で混合し、混合油脂とした。この混合油脂を、製造例1と同様にして、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、及び漂白・脱臭の精製処理を行い、下に述べる実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂F(以下、単にIE-Fと記載する場合がある)を得た。
(製造例7:ランダムエステル交換油脂G)
ヨウ素価52のパーム油を、製造例1と同様にして、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、及び漂白・脱臭の精製処理を行い、下に述べる実施例・比較例に用いられるランダムエステル交換油脂G(以下、単にIE-Gと記載する場合がある)を得た。
<製パン練込用油脂組成物の製造1>
上記のようにして得られたIE-A、IE-B、IE-F,IE-G、パーム油(ヨウ素価52)及び、液状油(大豆油)を用いて、下記の表1に示す配合に基づいて、混合油脂を調製した。なお、表中の数字は質量部を表す。
次に得られた混合油脂82質量部に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5質量部とレシチン0.5質量部を混合・溶解した油相と、水16質量を混合・溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度-20℃/分以上)にかけた後、まだ流動状を呈する間に酵素液(α-アミラーゼ:ファンガミルUltra WF G 0.1質量部を水0.9質量部に溶解した水溶液)1質量部を添加・混合し、さらに連続式の含気装置を使用して比重0.75となるように窒素ガスを分散し、油中水型可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物A~Hを得た。
油相の融点を表1に記載した。
<製パン試験1>
比較例1~4、実施例1~4で得られた製パン練込用油脂組成物A~Hを使用し、下記の配合と製法によりワンローフ食パンA~Hを製造した。
製パン試験では、後述のとおり、製パン時の油脂混合性(油脂分散性)、生地べたつき、得られたパンの外観、内相、食感の評価を行った。
(配合)
中種配合
強力粉70質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、水40質量部
本捏配合
強力粉30質量部、上白糖8質量部、脱脂粉乳2質量部、食塩1質量部、水24質量部、製パン練込用油脂組成物6質量部
(製法)
上記の中種配合の全原料をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにセットし、フックを使用して低速3分、中速1分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=24℃)を得た。この中種生地を恒温保管庫にて28℃、相対湿度80%にて4時間の発酵を行った。
上記の発酵を行った中種生地、及び、本捏配合の製パン練込用油脂組成物以外の材料を添加し、たて型ミキサーでフックを使用して、低速3分、中速2分、高速1分ミキシングした後、本捏配合の製パン練込用油脂組成物(15℃に調温)を添加して、低速3分、中速2分、高速1分ミキシングし、パン生地(捏ね上げ温度=27℃)を得た。得られたパン生地を取り出し、20分フロアタイムをとり、分割し(390g)、丸め、20分ベンチタイムを取った後、モルダーを使用してワンローフ成形し、ワンローフ型にいれ、38℃、相対湿度80%、45分のホイロを取った後、190℃のオーブンで25分焼成してワンローフ食パンを得た。
<油脂混合性の評価方法及び評価基準>
本捏時、製パン練込用油脂組成物を添加後のミキシング時間及び油脂の練り込まれ状況を目視により観察し、下記の評価基準に従って評価を行ない、結果を表2に記載した。
(パン生地への油脂分散性1:ミキシング時間評価基準)
◎:低速2分未満の段階で油脂が練り込まれた。
○+:低速2分以上3分以内の段階で油脂が練り込まれた。
○:中速1分以下の段階で油脂が練り込まれた。
△:中速1分超2分以下の段階で油脂が練り込まれた。
×:中速2分の段階で油脂が練り込まれなかった。
(パン生地への油脂分散性2:練り込まれ状況)
◎:微細に砕けながら、塊状になることなく生地に均質に練り込まれた。
○+:やや大きめに砕けながら徐々に微細となり、塊状になることなく生地に均質に練り込まれた。
○-:やや塊状になることもあるが、ほぼペースト状となり、生地に均質に練り込まれた。
○=:塊状になって転がりながらも、徐々に生地に練り込まれ、均質に練り込まれた。
△:塊状になって壁面に付着し、その後徐々に練り込まれ、均質な生地となった。
×:塊状になって転がり、そのまま生地中に取り込まれ、生地中に塊が残ってしまった。
××:生地が滑って、中速2分でも均質に練り込まれることはなかった。
K:砕けることなくペースト状となって生地に均質に練り込まれた。
<生地べたつきの評価方法及び評価基準>
分割後の丸め時のパン生地のべとつきについて、下記の評価基準に従って評価を行ない、結果を表2に記載した。
◎:べたつきなし
○:わずかにべたつきあり
△:ややべたつきあり
×:べたつきあり
××:非常にべたつく
<パンの評価方法及び評価基準>
焼成当日のワンローフ食パンについて、外観及び内相について下記の基準にて評価し、結果を表2に記載した。
また、焼成1日後のワンローフ食パンについて、食感(ソフト性、しっとり感、及び歯切れ)を、パネラー21名にて下記の基準にて評価し、その一番多かった回答を評価結果とし、表2に記載した。なお同数の場合は一番上の評価を評価結果とした。
(外観)
◎:高い浮きを示し、浮きも均質であり、焼色も良好である。
○+:やや浮きが少ないが、浮きは均質であり、焼色も良好である。
○:高い浮きを示すが、やや不均質な浮きであり、焼色もややムラがある。
△:高さが不足気味で、浮きも不均質で、焼色もややムラがある。
×:高さが不足し、浮きも不均質であり、焼色もムラがある。
(内相)
◎:気泡膜が薄く均一でありながら、クラム構造がしっかりしている。
○:気泡膜が薄く均一であるが、ややクラム構造が弱い。
○-:気泡膜がやや厚く不均一であるが、クラム構造はしっかりしている。
△:気泡膜が薄いが、クラム構造が弱いため、やや目が詰まっている。
×:気泡膜が不均一で、目が詰まっている。
×:気泡膜が厚く、不均一で、目が詰まっている。
(ソフト性)
◎:非常にソフト
○+:ソフト
○:ややソフト
△:やや硬い
×:硬い
(しっとり感)
◎:非常に良好
○+:良好
○:やや良好
△:ややぱさつき感がある
×:ぱさついている
(歯切れ)
◎:歯切れが非常によい
○+:歯切れがよい
○:やや歯切れがよい
△:やや歯切れが悪く、ねちゃつきを感じる
×:歯切れが悪く、ねちゃつく
××:非常に歯切れが悪く、非常にねちゃつく
製パン試験1の結果、比重0.75の製パン練込用油脂組成物は、融点36℃以上で油脂混合性、生地評価、パン評価が共に高いことが確認された。特に融点が高いほど得られるパンの内相が良好なものとなり、歯切れも高い評価となることが示された。油脂混合性については、ミキシング時間は融点36℃~42℃で優れていたが、融点45℃では若干長くなる傾向がみられた。練り込まれ状況については、生地に均一に練り込まれる点では同一であったが、融点36℃未満では可塑性油脂の状態のままペースト状となってそのまま練り込まれるのに対し、融点36℃以上では破砕されながら練り込まれていくという明確な違いが見られた。
<製パン練込用油脂組成物の製造2>
製パン試験1において、油脂混合性が優れた評価であった実施例2で得られた製パン練込用油脂組成物Fの油脂配合を基準として、油脂組成物の比重による効果を比較した。
窒素ガスを分散する際に、下記の表3に示す比重とした以外は、製パン練込用油脂組成物の製造1と同様の配合及び製法で、可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物F、I~Hを得た。
<製パン試験2>
比較例5、実施例5~8で得られた製パン練込用油脂組成物I~Mを使用し、製パン試験1と同様の配合及び製法でワンローフ食パンI~Mを製造した。そして製パン試験1と同様の油脂混合性、生地べたつき及びパンの評価を行い、結果を表4に記載した。
製パン試験2の結果、比重0.9未満、特に比重0.45~0.83で、油脂混合性、生地評価、パン評価が共に高いことが確認された。それに対して比重0.9超であると、油脂分散性が極めて悪く、得られるパンの品質も大変低いものであった。
<製パン練込用油脂組成物の製造3>
製パン試験1において、油脂混合性が優れた評価であった実施例2で得られた製パン練込用油脂組成物Fの融点を基準として、エステル交換油脂の効果を比較した。
上記のようにして得られたIE-B、IE-F、パーム油(ヨウ素価52)及び、パームステアリン(ヨウ素価36)を用いて、下記の表3に示す油脂配合に基づいて調製した混合油脂を使用した以外は、製パン練込用油脂組成物の製造1と同様の配合及び製法で、可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物N~Rを得た。
油相の融点を表5に記載した。
<製パン試験3>
実施例9~13で得られた製パン練込用油脂組成物N~Rを使用し、製パン試験1と同様の配合及び製法でワンローフ食パンN~Rを製造した。そして製パン試験1と同様の油脂混合性、生地べたつき及びパンの評価を行い、結果を表6に記載した。
製パン試験3の結果、エステル交換油脂を使用しない製パン練込用油脂組成物(実施例9)に比べ、高融点部分にエステル交換油脂を使用した製パン練込用油脂組成物(実施例10)、低融点部分にエステル交換油脂を使用した製パン練込用油脂組成物(実施例12)は油脂混合性もパンの評価も更に高くなることがわかる。そして配合油脂のすべてにエステル交換油脂を使用した製パン練込用油脂組成物(実施例11、13)は油脂混合性が改良されることに加え、パンの食感が優れることがわかる。中でも低融点部と高融点部に共にエステル交換油脂を使用した実施例13の製パン練込用油脂組成物は特に優れていることがわかる。
<製パン練込用油脂組成物の製造4>
製パン試験3においては、IE-Bをエステル交換油脂のメインとして使用したが、それ以外のエステル交換油脂を使用した場合の効果を確認した。
上記のようにして得られたIE-A、IE-E、パームステアリン及び、IE-Fを用いて、下記の表7に示す油脂配合に基づいて調製した混合油脂を使用した以外は、製パン練込用油脂組成物の製造1と同様の配合及び製法で、可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物S~Uを得た。
油相の融点を表7に記載した。
<製パン試験4>
実施例14~16で得られた製パン練込用油脂組成物S~Uを使用し、製パン試験1と同様の配合及び製法でワンローフ食パンS~Uを製造した。そして製パン試験1と同様の油脂混合性、生地べたつき及びパンの評価を行い、結果を表8に記載した。
<製パン練込用油脂組成物の製造5>
製パン試験1~4は15℃で調温した場合の試験であったが、冷蔵庫から取り出してすぐに使用する場合を想定して、5℃で調温した場合にも良好な油脂混合性を有する製パン練込用油脂組成物を得ることを目的とし、製パン試験1において、油脂混合性及びパンの総合的な評価が共に高かった実施例3で得られた製パン練込用油脂組成物用Gを基準配合とし、中融点油脂や低融点油脂を配合した。
上記のようにして得られたIE-B、IE-C、IE-F及び、液状油(大豆油)を用いて、下記の表9に示す油脂配合に基づいて調製した混合油脂を使用した以外は、製パン練込用油脂組成物の製造1と同様の配合及び製法で、可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物V~Xを得た。
油相の融点を表9に記載した。
<製パン試験5>
実施例17~24で得られた製パン練込用油脂組成物V~ZCを使用し、製パン練込用油脂組成物の調温の温度を15℃から5℃に変更した以外は製パン試験1と同様の配合及び製法でワンローフ食パンV~ZCを製造した。そして製パン試験1と同様の油脂混合性、生地べたつき及びパンの評価を行い、結果を表10に記載した。
製パン試験5の結果、実施例17の製パン練込用油脂組成物Vと実施例18の製パン練込用油脂組成物W、実施例20の製パン練込用油脂組成物Yを比較するとわかるように、ラウリン系エステル交換油脂を少量添加することで、油脂混合性を劇的に改良でき、パンの評価も高めることができることがわかった。
実施例17の製パン練込用油脂組成物Vと実施例19の製パン練込用油脂組成物Xを比較するとわかるように、液状油を使用して融点を下げても大幅な改良効果は得られないことから、上述のラウリン系エステル交換油脂の添加効果は、単なる融点の減少による効果ではないことがわかる。
また、低温での練込性を改善するための方法として、ラウリン系エステル交換油脂を主体とした配合とした実施例21の製パン練込用油脂組成物Z、高融点のラウリン系エステル交換油脂を使用した実施例22の製パン練込用油脂組成物ZA、反対に低融点の豚脂を使用した製パン練込用油脂組成物ZB、液状油を使用した実施例22の製パン練込用油脂組成物ZCを使用した場合と比較するとわかるように、低融点のラウリン系エステル交換油脂IE-Cを使用した場合が、油脂混合性、パン外観、内相、食感が最も改良されていることがわかる。
<製パン練込用油脂組成物の製造6>
製パン試験1~5は糖分解酵素としてα-アミラーゼ:ファンガミルUltra WF Gを使用した場合の試験であったが、他の糖分解酵素を使用した場合の効果を確認することを目的とし、製パン試験1において、油脂混合性及びパンの総合的な評価が共に高かった実施例2で得られた製パン練込用油脂組成物Fで使用したα-アミラーゼ:ファンガミルUltra WF G含有酵素液に代えて、下記の表11に記載した酵素液を使用した以外は、製パン練込用油脂組成物の製造1と同様の配合及び製法で、可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物AA~AFを得た。
<使用した酵素剤>
上記の実施例では、下記の酵素を用いた。
〔糖分解酵素〕
・マルトース生成α-アミラーゼ(1):ノバミル10000BG
(至適温度65~85℃)
・マルトース生成α-アミラーゼ(2):ノバミル3D
(至適温度75~85℃)
・4糖生成アミラーゼ:デナベイクExtra
(至適温度45~75℃)
・α-アミラーゼ:ファンガミルUltra WF G
(至適温度40~60℃)
・ヘミセルラーゼ(アラビノキシラナーゼ):ベイクザイムBXP5001BG
(至適温度25~40℃)
〔その他の酵素〕
・グルコースオキシダーゼ:グリンドアミルS757
・糖転移酵素:グライコトランスフェラーゼ「アマノ」
(至適温度45~55℃)
<製パン試験6>
実施例25~30で得られた製パン練込用油脂組成物AA~AFを使用した以外は製パン試験1と同様の配合及び製法でワンローフ食パンAA~AFを製造した。そして製パン試験1と同様の油脂混合性、生地べたつき及びパンの評価を行い、結果を表12に記載した。
製パン試験6の結果、α-アミラーゼに代えて各種糖分解酵素を使用した場合であっても、油脂混合性、生地のべたつき、パン外観、内相、食感が改良されていることがわかる。
<製パン練込用油脂組成物の製造7>
製パン試験1~5は糖分解酵素としてα-アミラーゼ:ファンガミルUltra WF Gを使用した場合の試験であったが、α-アミラーゼと他の酵素を併用した場合の効果を確認することを目的とし、製パン試験1において、油脂混合性及びパンの総合的な評価が共に高かった実施例2で得られた製パン練込用油脂組成物Fで使用したα-アミラーゼ:ファンガミルUltra WF G含有酵素液に代えて、下記の表13に記載した酵素液を使用した以外は、製パン練込用油脂組成物の製造1と同様の配合及び製法で、可塑性油脂組成物である製パン練込用油脂組成物BA~BFを得た。
製パン試験7の結果、α-アミラーゼに加えて各種糖分解酵素を使用した場合であっても、油脂混合性、生地のべたつき、パン外観、内相、食感が改良されていることがわかる。特に、ヘミセルラーゼやグルコースオキシダーゼとの併用が特に優れていることがわかる。

Claims (10)

  1. 糖分解酵素を含有し、油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満である製パン練込用油脂組成物。
  2. 上記糖分解酵素がα-アミラーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の製パン練込用油脂組成物。
  3. エステル交換油脂を油相中に40~100質量%含有する請求項1又は2記載の製パン練込用油脂組成物。
  4. パーム分別軟部油を70~100質量%含む油脂配合物(1)をエステル交換したエステル交換油脂(1)を含有する請求項1~3のいずれか一項に記載の製パン練込用油脂組成物。
  5. パーム極度硬化油脂を30~60質量%含有し、脂肪酸組成において炭素数14以下の脂肪酸含量が10質量%未満である油脂配合物(2)をエステル交換したエステル交換油脂(2)を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載の製パン練込用油脂組成物。
  6. 全構成脂肪酸組成における炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が20~60質量%であり、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30~70質量%である油脂配合物(3)をエステル交換したエステル交換油脂(3)を含有する請求項1~5のいずれか一項に記載の製パン練込用油脂組成物。
  7. 融点25℃以下の油脂の含有量が20質量%未満である請求項1~6のいずれか一項に記載の製パン練込用油脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の製パン練込用油脂組成物を含有するパン生地。
  9. 請求項8記載のパン生地の焼成品であるパン。
  10. 澱粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に、糖分解酵素を含有し、油相の融点が36℃以上且つ比重が0.9未満である製パン練込用油脂組成物を添加し、更に混捏するパン生地の製造方法。


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