JP2023105560A - 杭の施工方法、及び杭 - Google Patents
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Abstract
【課題】根固め部を所望する状態に築造することができる杭の施工方法及び杭を提供すること。【解決手段】杭の施工方法は、地盤に設けた杭穴に膨張材を混ぜた第1の固定液を注入して掘削土砂と撹拌混合し、この撹拌混合した第1の混合材による杭周面部を築造する工程と、杭穴の底部に第2の固定液を注入することで第1の混合材を押し上げながら、掘削土砂と第2の固定液を撹拌混合し、この撹拌混合した第2の混合材による根固め部を杭穴の底部に築造する工程と、杭周面部及び根固め部に既製杭を沈設する工程と、を有する。【選択図】 図2
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 1.2021年1月22日 http://www.japanpile.co.jp/ http://www.japanpile.co.jp/method/buildingtech/smart-magnum/にて発表 2.2021年1月22日 別紙記載の刊行物にて発表 3.2021年2月1日 別紙記載の刊行物にて発表 4.2021年2月21日 Smart-MAGNUM工法講習会にて発表
この発明は、例えば、地盤に設けた杭穴にソイルセメントを介して既製杭を沈設する杭の施工方法、及び杭に関する。
杭の施工方法として、例えば、プレボーリング工法が知られている。プレボーリング工法では、地盤を掘削して所定深さの杭穴を形成し、掘削土砂にセメントミルクを注入して杭穴内で撹拌混合し、撹拌混合したソイルセメントの中に既製杭を沈設する。ソイルセメントが硬化することで、既製杭と一体化されて杭が形成される。
杭が地盤から受ける許容支持力には、杭の先端に地盤から作用する先端支持力と杭周面に地盤から作用する周面摩擦力がある。杭の先端支持力を高めるため、通常、杭穴の底を所定の大きさで拡径してこの部分に既製杭の先端を囲むソイルセメントによる根固め部を設ける方法が知られている。
また、杭の周面摩擦力を高めるため、既製杭の周面部のソイルセメントに添加剤を加える方法が知られている。この場合、まず先に、杭穴の底に根固め部を築造し、根固め部の上に添加剤を加えたソイルセメントによる杭周面部を築造する。このように、根固め部を築造した後に杭周面部を築造することにより、杭周面部のソイルセメントに添加剤を確実に含ませることができる。
しかし、杭穴の底に根固め部を築造した後に、根固め部の上に杭周面部を築造すると、杭周面部のソイルセメントを撹拌混合する際に、根固め部が下方に押されて変形してしまう可能性がある。この場合、根固め部の長さが短くなってしまい、設計と異なる施工になってしまう虞がある。
また、根固め部の上に杭周面部を築造する際に、杭周面部のソイルセメントを撹拌混合することで、杭周面部のソイルセメントに含まれる石などが根固め部に入ってしまう可能性も考えられる。この場合、根固め部を所望する状態に築造することができなくなってしまう虞がある。
この発明は、根固め部を所望する状態に築造することができる杭の施工方法、及び杭を提供することを目的とする。
一態様に係る杭の施工方法は、地盤に設けた杭穴に膨張材を混ぜた第1の固定液を注入して掘削土砂と撹拌混合し、この撹拌混合した第1の混合材による杭周面部を築造する工程と、杭穴の底部に第2の固定液を注入することで第1の混合材を押し上げながら、掘削土砂と第2の固定液を撹拌混合し、この撹拌混合した第2の混合材による根固め部を杭穴の底部に築造する工程と、杭周面部及び根固め部に既製杭を沈設する工程と、を有する。
この態様の杭の施工方法によれば、杭周面部を築造した後に根固め部を築造するため、根固め部を所望する状態に築造することができる。
また、この態様の杭の施工方法は、上述した各工程の進捗状況を表示する工程をさらに有してもよい。これにより、施工者は、進捗状況をリアルタイムで確認することができ、適切な施工管理が可能となる。
また、一態様に係る杭は、地盤に設けた杭穴内で掘削土砂と固定液を撹拌混合して形成した混合材に既製杭を沈設した杭であって、混合材が、膨張材を混ぜた第1の固定液と掘削土砂を撹拌混合して杭周面部に設けた第1の混合材と、掘削土砂と第2の固定液を撹拌混合して根固め部に設けた第2の混合材と、を含む。
この態様の杭によれば、杭周面部を築造した後に根固め部を築造することができるため、根固め部を所望する状態に築造することができる。
また、一態様に係る杭は、地盤に設けた杭穴内に配置した既製杭と、膨張材を混ぜた第1の固定液と掘削土砂を杭穴内で撹拌混合した第1の混合材により既製杭の周りに形成した杭周面部と、掘削土砂と第2の固定液を杭穴内で撹拌混合した第2の混合材により既製杭の先端側の杭周面部の下方に形成した根固め部と、を有する。
この態様の杭によれば、杭周面部を築造した後に根固め部を築造することができるため、根固め部を所望する状態に築造することができる。
また、この態様の杭において、固定液は、セメントミルクであり、既製杭は、コンクリート杭であることが好ましい。
この発明によれば、根固め部を所望する状態に築造することができる杭の施工方法、及び杭を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。
図1に示すように、建築物100の杭基礎10は、例えば、地盤Gに設けた複数の杭穴1に設けた複数本の杭8を有する。杭8の種類、長さ、径、本数、レイアウトなどは、建築物100の重さや形状、地盤Gの状態などに応じて決められる。杭基礎10は、必ずしも複数本の杭8を有する必要はなく、少なくとも1本の杭8を有していればよい。
図1に示すように、建築物100の杭基礎10は、例えば、地盤Gに設けた複数の杭穴1に設けた複数本の杭8を有する。杭8の種類、長さ、径、本数、レイアウトなどは、建築物100の重さや形状、地盤Gの状態などに応じて決められる。杭基礎10は、必ずしも複数本の杭8を有する必要はなく、少なくとも1本の杭8を有していればよい。
杭8は、例えば、2本以上の既製杭を軸方向に連結した杭本体2を有する。杭本体2は、1本の既製杭により構成してもよい。既製杭として、例えば、コンクリート杭や鋼管杭などがある。本実施形態の杭基礎10に含まれる杭8の杭本体2は、2本の中空のコンクリート杭を連結した構造を有する。
杭本体2は、例えば、本実施形態のように、円筒形のストレート杭12の下端に節杭14を連結した構造や、2本の節杭14を上下に連結した構造を有する。節杭14は、ストレート杭12の杭径と略同径の軸部を有し、長手方向に離間した複数の円環状の節部16を軸部の周面上に一体に備える。
杭本体2の長さは、杭本体2の先端が地盤Gの支持層3に達する長さにすることが望ましい。このため、杭穴1も、支持層3に達する深さに形成することが望ましい。しかし、杭本体2の長さは、必ずしも、その先端が支持層3に達する長さにする必要はない。
杭本体2の長さは、連結する既製杭の長さと本数を選択することにより調節することができる。杭本体2は、例えば、3本以上の既製杭を連結した構造を有してもよい。杭本体2を構成する既製杭の種類や径などは、当該杭本体2に要求される支持力に基づいて適切に選択すればよい。
杭8は、上述した杭本体2の他に、杭本体2の先端近くを囲むように設けた根固め部4、及び杭本体2の周面を囲むように設けた杭周面部6を有する。根固め部4及び杭周面部6は、杭穴1の内壁面と杭本体2の外周面との間にソイルセメント(硬化材)を設けてソイルセメントが硬化することにより形成される。根固め部4及び杭周面部6に設けたソイルセメントが硬化すると、根固め部4及び杭周面部6がコンクリート製の杭本体2と一体化されて杭8が形成される。杭周面部6は、根固め部4の上方に連続して設けられる。
ソイルセメントは、地盤Gを掘削して杭穴1を形成した際に、杭穴1内に所定量の掘削土砂を残しておき、杭穴1内に所定量のセメントミルクを注入して、セメントミルクと掘削土砂を撹拌混合することにより形成される。そして、杭穴1内のソイルセメントに杭本体2を沈設して、ソイルセメントが硬化して杭本体2と一体化することにより、杭8が形成される。なお、杭本体2と杭穴1の間に設ける硬化材として、ベントナイトや遅延剤等の添加剤をセメントミルクに加えて掘削土砂と撹拌混合したソイルセメントなどを用いることもできる。
根固め部4は、主に杭本体2の先端(図示下端)を地盤G(杭本体2の先端が支持層3に達している場合には地盤Gの支持層3)が支える先端支持力を大きくするため、杭本体2の先端を囲むように杭穴1の底部側に設けられる。杭周面部6は、主に杭本体2の周面が地盤Gから受ける周面摩擦力を大きくするため、杭本体2の周面と杭穴1の内壁面との間に設けられる。
杭穴1は、杭本体2の外径より大きい内径の杭周掘削部22と、杭周掘削部22の下端側を部分的に拡径した拡大掘削部24を有する。所定の掘削装置によって地盤Gを掘削した軸穴の一部がそのまま杭周掘削部22となる。杭穴1は、拡大掘削部24を設けずに、その全長にわたって杭周掘削部22と同径の穴とすることもできる。拡大掘削部24は、例えば、杭穴1の全長の半分より短い長さを有し、杭穴1の底部側に設けられる。
杭本体2の外径は、ストレート杭12の場合、その横断面の直径であり、節杭14の場合、節部16の直径である。つまり、本実施形態の杭本体2の外径は、節杭14の節部16の直径となる。
杭本体2の先端は、拡大掘削部24内に配置される。根固め部4は、拡大掘削部24に設けられる。言い換えると、拡大掘削部24は、少なくとも根固め部4の長さと同じかそれ以上の長さに形成されている。杭周面部6は、本実施形態のように、杭周掘削部22と拡大掘削部24にわたって設けられてもよい。例えば、拡大掘削部24の全長にわたって根固め部4を設けて、杭周面部6を杭周掘削部22にのみ設けてもよい。
以下、図2乃至図7を参照して、上述した杭基礎10の施工方法について説明する。
まず、杭基礎10の施工状況を管理するため、図示しない施工管理装置を介して、以下に説明する各工程(ステップ2~5)の進捗状況を表示する(図2、ステップ1)。
まず、杭基礎10の施工状況を管理するため、図示しない施工管理装置を介して、以下に説明する各工程(ステップ2~5)の進捗状況を表示する(図2、ステップ1)。
施工管理装置には、掘削深度、セメントミルクの注入量、杭打機を駆動する電流値や積分電流値などの各種データが送信される。施工者は、施工管理装置を介して進捗状況をリアルタイムで確認することができ、適切な施工管理を実施することができる。施工管理装置は、例えば施工者が操作する携帯端末などであってもよい。
次に、図3(a)、(b)に示すように、杭基礎10の各杭8を施工するための複数の軸穴1’(拡大掘削部24を設ける前の穴)を地盤Gに形成する(図2、ステップ2)。
この場合、例えば、図3(a)、(b)に示す掘削装置30を備えた杭打機(図示せず)を用いて地盤Gを掘削する。地盤Gを掘削する軸穴1’の深さは、図3(b)に示すように、軸穴1’の底が少なくとも支持層3に達する深さ(レベルL0)である。
この場合、例えば、図3(a)、(b)に示す掘削装置30を備えた杭打機(図示せず)を用いて地盤Gを掘削する。地盤Gを掘削する軸穴1’の深さは、図3(b)に示すように、軸穴1’の底が少なくとも支持層3に達する深さ(レベルL0)である。
杭打機は、掘削装置30の先端に拡大ヘッド32を備えている。拡大ヘッド32は、掘削径を拡大するための可動翼を有する。拡大掘削を行わない場合、拡大ヘッド32は、拡翼機能のない掘削ヘッドになる。掘削装置30は、拡大ヘッド32の他に、複数の撹拌羽34、スクリュー36、及びスリットスクリュー38を備えている。本実施形態では、先端から、拡大ヘッド32、スリットスクリュー38、撹拌羽34、スクリュー36、撹拌羽34、スクリュー36をこの順序で備えた掘削装置30を用いた。
軸穴1’を掘削する際には、拡大ヘッド32の可動翼を閉翼状態にして、掘削装置30を鉛直方向に真っ直ぐに配置し、掘削装置30を回転させるとともに拡大ヘッド32を地盤Gに押し込む(図3(a)矢印D)。可動翼を拡翼しない状態で掘削する軸穴1’の内径は、少なくとも杭本体2の杭径より大きい径であり、杭穴1の杭周掘削部22の径となる。
地盤Gを掘削する際には、必要に応じて、掘削液を軸穴1’に注入してもよい。掘削液及び後述するセメントミルクは、拡大ヘッド32の先に吐出口を延出させた図示しない送液管を介して注入することができる。掘削液及びセメントミルクの注入量は、施工管理装置を介して表示される。掘削装置30を回転駆動する電流値なども施工管理装置を介して表示される。
図3乃至図7において、左から右に向けて時間経過を表し、拡大ヘッド32の移動軌跡を実線及び破線で示す。各図において、拡大ヘッド32の可動翼を拡翼しない閉翼状態での移動軌跡を実線で示し、拡大ヘッド32の可動翼を拡翼した拡翼状態での移動軌跡を破線で示す。
次に、図4(b)~(g)に示すように、杭穴1内で杭周面部6を築造する(図2、ステップ3)。また、ステップ3では、軸穴1’の底部側を拡大掘削して杭穴1の拡大掘削部24を形成する。以下、軸穴1’の底部側に拡大掘削部24を形成した穴を杭穴1と称する。説明を分かり易くするため、図4(b)は、図3(b)と同じ状態を図示している。
軸穴1’の掘削が終了した図4(b)の状態から、掘削装置30を引き上げつつ軸穴1’内に無水石膏(膨張材)を含むセメントミルクS1(第1の固定液)を注入する。このとき、拡大ヘッド32の可動翼を拡翼状態にして掘削装置30を回転させ、軸穴1’の下端側を拡大掘削し、軸穴1’の底部に拡大掘削部24を形成する。拡大ヘッド32の可動翼を拡翼する際の電流値は施工管理装置を介して表示される。
拡大掘削部24の長さ(拡大ヘッド32の移動距離)は、杭穴1の下端近くからレベルL2までの長さである。つまり、レベルL2は、拡大掘削部24の上端位置を示す。杭穴1に対する拡大掘削部24の長さの割合は、任意に設定可能である。例えば、本実施形態のように、杭穴1の全長の約半分の長さとすることができる。拡大掘削部24の径は、拡翼状態にした可動翼による掘削径であり、杭周掘削部22の径より大きい。拡大掘削部24の径は、拡大ヘッド32を交換することにより変更可能である。
杭周面部6を築造する場合、軸穴1’の底で拡大ヘッド32を拡翼状態にした後、軸穴1’内にセメントミルクを注入しながら掘削装置30を回転させる。そして、図4(b)~(g)に示すように、拡大掘削する長さの範囲内で拡大ヘッド32を複数回(本実施形態では3回)往復移動させる。これにより、掘削装置30の撹拌羽34及びスリットスクリュー38によってセメントミルクと掘削土砂が十分に撹拌混合され、ソイルセメント(第1の混合材)による杭周面部6が築造される。
杭周面部6を築造する際に軸穴1’に注入するセメントミルクS1の量は、掘削土砂とセメントミルクS1の混合比が、例えば2:1となるような量である。掘削土砂は、例えば、杭穴1の掘削により生じたものであってもよく、それ以外に別途用意したものであってもよい。杭周面部6のソイルセメントに、例えば、無水石膏のような膨張材を混ぜると、ソイルセメントが硬化する際のコンクリートの収縮を抑えることができ、杭周面部6による周面摩擦力を大きくすることができる。
次に、図5(h)、(i)に示すように、杭周面部6の下側に根固め部4を築造する(図2、ステップ4)。ここで説明するステップ4の工程は、杭先端部周辺の地盤が砂質・礫質地盤Gsの場合に設けた杭穴1に対する根固め部4の築造に適したものである。
この場合、ステップ3で杭周面部6を築造した後、図5(h)に示すように杭穴1の底部に配置されている拡大ヘッド32の先端からセメントミルクS1とは別のセメントミルクS2(第2の固定液)を注入する。つまり、杭周面部6のソイルセメントの下端と杭穴1の底部の間にセメントミルクS2を注入する。
そして、セメントミルクS2の注入と並行して、拡大ヘッド32の可動翼を拡翼状態にしたまま掘削装置30を回転させながら、拡大ヘッド32を杭穴1の底部L0と根固め部上端高さL1の間で複数回(本実施形態では3回)往復移動させる。これにより、杭周面部6が地表に向けて押し上げられる。
その結果、掘削土砂とセメントミルクS2が杭穴1の底部近くで撹拌混合されて、杭穴1の下端側に、杭周面部6のソイルセメントとは別のソイルセメント(第2の混合材)による根固め部4が築造される。根固め部4のソイルセメントには、セメントミルクS2、及び掘削土砂が含まれる。
杭穴1を設けた地盤Gの杭先端部周辺の地盤が粘土質地盤Gcである場合、ステップ4では、図6(h)、(i)に示すように、杭周面部6の下側に根固め部4を築造することが望ましい。
この場合、ステップ3で杭周面部6を築造した後、図4(g)に示すように杭穴1の底部に配置されている拡大ヘッド32の先端からセメントミルクS1とは別のセメントミルクS2(第2の固定液)を注入する。つまり、杭周面部6のソイルセメントの下端と杭穴1の下端の間にセメントミルクS2を注入する。
そして、セメントミルクS2の注入と並行して、拡大ヘッド32の可動翼を拡翼状態にしたまま掘削装置30を回転させ、拡大ヘッド32を杭穴1の底部近くで(本実施形態では1回だけ)往復移動させる。このとき、拡大ヘッド32を杭穴1の下端L0と根固め部上端高さL1の間で移動させる(図6(h))。
この後、図6(i)に示すように杭穴1の底部に保持させた拡大ヘッド32の先端からセメントミルクS2をさらに注入するとともに掘削装置30を回転させる。これにより、杭周面部6のソイルセメントが押し上げられ、杭穴1の下端側にセメントミルクS2の混合割合が比較的多いソイルセメントによる根固め部4が築造される。
根固め部4を築造する際に杭穴1に注入するセメントミルクS2の量は、例えば根固め部体積と同じ量である。
ステップ4で根固め部4を築造した後、図7(j)~(m)に示すように、杭穴1から掘削装置30を引き上げて、杭周面部6及び根固め部4に杭本体2を沈設する(図2、ステップ5)。
まず、拡大ヘッド32の可動翼を閉翼状態にして、図7(j)、(k)に示すように掘削装置30を杭穴1から引き上げる。このとき、掘削装置30の一部が杭穴1の内壁に接触しないように、掘削装置30の姿勢を鉛直な姿勢に保ちつつ杭穴1から引き上げる。
そして、図7(l)、(m)に示すように、杭本体2を杭穴1に挿入して、杭周面部6及び根固め部4に杭本体2を沈設する。この状態(図7(m)の状態)で、杭本体2の先端は根固め部4内に配置され、杭本体2の残りの部分が杭周面部6内に配置される。
最後に、施工管理装置による進捗状況の表示を終了する(ステップ6)。
以上のように、本実施形態によると、杭周面部6を築造した後に根固め部4を築造するようにしたため、杭周面部6の築造によって根固め部4が変形する不具合を防止することができ、根固め部4を所望する状態に築造することができる。
また、本実施形態によると、杭周面部6のソイルセメントに膨張材(例えば、無水石膏)を混ぜた周面強化型の杭8であっても、杭周面部6を先に築造して根固め部4を後に築造することができ、全ての杭を同じ施工手順で施工することができる。つまり、杭周面部6のソイルセメントに膨張材(例えば、無水石膏)を含まない標準型の杭の施工手順と同じ手順で周面強化型の杭を施工することができ、杭の種類の違いによる施工手順の間違いを無くすことができる。なお、本実施形態で説明した施工手順は、杭穴1の底部における拡大掘削を行わない場合であっても実施することができる。
また、本実施形態のように根固め部4を築造する前に杭周面部6を築造することによって、杭周面部6の築造の際に、セメントミルクS1と掘削土砂を十分に混ぜ合わせることができる。これにより、杭周面部6のソイルセメントの均一性を高めることができ、杭周面部6の品質を高めることができる。
また、杭周面部6のソイルセメントを十分に混ぜ合わせた後に、根固め部4を築造すると、杭周面部6のソイルセメントに含まれる石などの不純物が根固め部4に落ちてくる不具合を防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…杭穴、2…杭本体、3…支持層、4…根固め部、6…杭周面部、8…杭、10…杭基礎、12…ストレート杭、14…節杭、16…節部、22…杭周掘削部、24…拡大掘削部、30…掘削装置、32…拡大ヘッド、34…撹拌羽、36…スクリュー、38…スリットスクリュー、G…地盤、Gc…粘土質地盤、Gs…砂質・礫質地盤、S1、S2…セメントミルク。
Claims (5)
- 地盤に設けた杭穴に膨張材を混ぜた第1の固定液を注入して掘削土砂と撹拌混合し、この撹拌混合した第1の混合材による杭周面部を築造する工程と、
前記杭穴の底部に第2の固定液を注入することで前記第1の混合材を押し上げながら、掘削土砂と前記第2の固定液を撹拌混合し、この撹拌混合した第2の混合材による根固め部を前記杭穴の前記底部に築造する工程と、
前記杭周面部及び前記根固め部に既製杭を沈設する工程と、
を有する杭の施工方法。 - 前記各工程の進捗状況を表示する工程をさらに有する、
請求項1の杭の施工方法。 - 地盤に設けた杭穴内で掘削土砂と固定液を撹拌混合して形成した混合材に既製杭を沈設した杭であって、
前記混合材が、
膨張材を混ぜた第1の固定液と前記掘削土砂を撹拌混合して杭周面部に設けた第1の混合材と、
掘削土砂と第2の固定液を撹拌混合して根固め部に設けた第2の混合材と、
を含む杭。 - 地盤に設けた杭穴内に配置した既製杭と、
膨張材を混ぜた第1の固定液と掘削土砂を前記杭穴内で撹拌混合した第1の混合材により前記既製杭の周りに形成した杭周面部と、
掘削土砂と第2の固定液を前記杭穴内で撹拌混合した第2の混合材により前記既製杭の先端側の前記杭周面部の下方に形成した根固め部と、
を有する杭。 - 前記第1の固定液及び前記第2の固定液は、セメントミルクであり、
前記既製杭は、コンクリート杭である、
請求項3又は請求項4の杭。
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