JP2023104904A - 畜肉スープおよび魚粉を含有する液体調味料 - Google Patents

畜肉スープおよび魚粉を含有する液体調味料 Download PDF

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【課題】畜肉由来のスープおよび魚粉を含有する液体調味料において、容器に充填した後、長期間保管しても、味の劣化が起こりにくく、良好な品質で保存できる調味料を開発する。【解決手段】畜肉由来のスープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料において、原料としてウルメイワシ枯節を50~85%(w/w)含む魚粉を、調味料液部における畜肉スープ由来窒素1%あたりの配合量として5~100g含有する容器詰液体調味料は、畜肉に由来する臭みが抑制されているだけでなく、容器充填後に常温で長期間保管した後も、味の劣化が進みにくい。【選択図】なし

Description

本願発明は、長期間保管に適した、畜肉スープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料に関する。
近年、家庭用の麺類や鍋料理の味付けに用いる調味料として、様々なフレーバーの製品が開発され、販売されている。中でも、従来ラーメンやつけ麺等の外食でよく用いられてきた、豚骨や鶏ガラなどの畜肉由来のスープを含む濃厚な風味の調味料には、一定の人気がある。
従来、畜肉由来のスープを含む調味料等における風味改善の方法としては、特定の旨味成分等を含有する酵母エキスを有効成分とする、豚骨スープや鶏ガラスープの風味増強剤(特許文献1)、膜透過醤油を含有する抽出液で抽出処理を行うことを特徴とする鶏ガラスープの製造方法(特許文献2)などがある。
また、これらの畜肉由来のスープに、煮干や魚節の粉末を加え、さらに複雑な香りや味を楽しむ調味料も使用されている。煮干や魚節の粉末を加えた調味料の特許としては、0.5mm以上5mm以下の魚節粉末の含有量を、液体調味料の塩分含有量7質量%当り0.5質量%以上5質量%以下含むことで、生臭味がなくて食感及び外観にも優れ、しかも加熱工程を経ても魚節の香味や旨味を充分に味わうことができる液体調味料(特許文献3)などが知られる。
特開2012-161268号公報 特開2018-88862号公報 特開2006-340724号公報 特許第6823849号公報
上記のような畜肉スープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料は、調理してすぐに喫食に供される外食とは異なり、容器に充填した後も一定期間、良好な品質で保存できることが求められる。一方、畜肉由来のスープや、煮干・魚節の魚粉を含む液体調味料において、長期間保管による品質の変化をどのように防ぐか、従来十分に検討されていない。
なお、ウルメイワシを原料として用いた枯節の用途として、当該ウルメイワシ枯節およびカツオ節を抽出原料とするだしを、醤油含有調味料に配合することで、醤油含有調味料の旨味やだし感、コク、まろやかさを増強し、かつ口に入れた後の風味の持続時間を長期化させる方法が知られるが(特許文献4)、ウルメイワシ枯節を魚粉として用いることや、当該魚粉を液体調味料に配合したときの効果については検討されていない。
本願発明の課題は、畜肉由来のスープおよび魚粉を含有する液体調味料において、容器に充填した後、長期間保管しても、味の劣化が起こりにくく、良好な品質で保存できる調味料を開発することにある。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、畜肉由来のスープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料において、原料としてウルメイワシ枯節を50~85%(w/w)含む魚粉を、調味料液部における畜肉スープ由来窒素1%あたりの配合量として5~100g含有する容器詰液体調味料は、畜肉に由来する臭みが抑制されているだけでなく、容器充填後に常温で長期間保管した後も、味の劣化が進みにくいことを見出し、本願発明を完成させた。
本願発明の魚粉入り液体調味料は、魚介に由来するだしの風味が良好で、畜肉に由来する臭みが抑制されているだけでなく、容器充填後に常温で長期間保管した後も、畜肉スープに由来する生臭みや酸味、塩カドの発生や、魚介に由来するだしの良好な香りの減衰といった味の劣化が進みにくいものである。
図1は、実施例4で行った官能評価結果のうち、調味料No.5~8における「ウルメイワシの風味の強さ」について、平均評点を示す。 図2は、実施例4で行った官能評価結果のうち、調味料No.5~8における「鰹の風味とウルメイワシの風味」のバランスについて、平均順位を示す。 図3は、実施例6で行った官能評価結果のうち、調味料No.9~12における「畜肉エキス由来の生臭さ」について、平均評点を示す。 図4は、実施例6で行った官能評価結果のうち、調味料No.9~12における「魚介由来のだしの香りの好ましさ」について、平均評点を示す。 図5は、実施例6で行った官能評価結果のうち、調味料No.9~12における「対照品と比べたときの評価」について、平均評点を示す。
本願発明の容器詰液体調味料は、畜肉スープおよび魚粉を含有する。
本願発明の液体調味料に用いる畜肉スープとは、豚、鶏、牛、羊、馬、アヒル、ガチョウなどから選ばれる1種または2種以上の家畜・家禽に由来する、ガラや肉を原料として抽出されたスープを言う。中でも豚に由来するものや、豚および鶏に由来するものであることが好ましい。また、これらのガラを、水、アルコール、食用油脂等の溶媒中で加熱することでスープを抽出し、当該抽出液を適宜濃縮する等の製法によって得られるエキス類やオイル類を、一部または全部含んでいても良い。通常のガラスープを水から抽出する際には、ガラ1kgに対して抽出液1L~5Lを加え、3~18時間程度加熱すればよい。
本願発明の液体調味料における畜肉スープの配合量は、求める食味に応じて適宜決定すればよいが、例えば、本願発明の液体調味料液部における畜肉スープ由来の窒素量として、0.005%~5%となる範囲から決定することができ、より具体的には、0.005%、0.01%、0.03%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.8%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%から選ばれる任意の配合量であってもよく、前記各配合量のうち、任意の2つの数値の間の配合量とすることも可能である。
本願発明の液体調味料は魚節類を原料とする魚粉を含む。魚節は、原料魚肉を煮熟した後、これを焙乾・燻乾することで得られる「荒節」と、荒節の表面のタールや脂肪を削り落とした後、カビを植菌(カビ付け)し、乾燥させる工程を経て作られる「枯節」に大別されるが、本願発明で用いるウルメイワシ由来の魚節としては、枯節を使用する。
本願発明の魚節は、魚粉の原料として、ウルメイワシ枯節を50~85%、好ましくは60~80%使用する。ウルメイワシの配合量が当該範囲より少ないと、カツオの風味が強くなりすぎ、上品でなくなるという問題が、当該範囲より多いと枯節由来の生臭さが出てきて重たく感じるという問題が生じる。
本願発明の魚粉は、前記ウルメイワシ枯節の他に、カツオ、ソウダガツオ、マグロ、サバ、アジ、トビウオ、マイワシ、カタクチイワシ等に由来する魚節や煮干のうち、1種または2種以上を原料として使用することができる。中でも、カツオおよび/またはソウダガツオを使用することが好ましく、カツオおよびソウダガツオに由来する魚粉を併用することがさらに好ましい。カツオとソウダガツオの配合重量比としては、1:9~9:1の範囲から選ぶことができ、2:8~8:2であることが好ましく、3:7~7:3であることがさらに好ましい。これらの魚粉は、原料となる魚節や煮干しを公知の方法で粉砕することにより、得ることができる。
本願発明の液体調味料は、魚粉の原料として前記ウルメイワシ枯節を50~85%含む魚粉を、調味料液部における畜肉スープ由来窒素1%あたりの配合量が5~100g、好ましく10~50g、さらに好ましくは25~35gとなるように含有させたものである。具体的には、前記ウルメイワシ枯節を50~85%含む魚粉を、調味料液部における畜肉スープ由来窒素1%あたりの配合量5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100gとなるように配合することが可能であり、前記各配合量のうち、任意の2つの数値の間の配合量とすることも可能である。魚粉の配合量を当該範囲内に設定することにより、液体調味料における畜肉由来の臭みを抑制することができるだけでなく、長期間保管時における風味の劣化をよく抑えることが可能になる。
本願発明の液体調味料は、前記畜肉スープおよび魚粉のほかに、原料として、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、白醤油などの醤油類、食用酢酸、醸造酢、穀物酢、米酢、果実酢、黒酢、バルサミコ酢等の食酢類、食塩などの食用塩類、砂糖、ぶどう糖、液糖、水あめ等の糖類、にんにく、長ねぎ、玉ねぎ、生姜、エシャロット、唐辛子等の香味野菜・香辛料類、ゆず、かぼす、すだち、レモン、グレープフルーツ、だいだい、夏みかん、河内晩柑、みかん、いよかん、八朔、甘夏、オレンジなどの柑橘類、りんご、梨、柿、パイナップル、パッションフルーツ、さくらんぼ、ざくろ、ベリー類などから選ばれる1種または2種以上の果実に由来する果汁、味噌、魚醤、みりんなどの発酵調味料、食用エタノール、清酒、ワイン、焼酎、泡盛などのアルコール類、海藻類、きのこ類等の畜肉・魚節以外に由来する抽出されるだし、たんぱく加水分解物などの調味料、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどのうまみ調味料、昆布エキス、酵母エキス等の畜肉・魚節以外に由来するエキス類、好ましくは常温で液状である植物性や動物性に由来する油脂類、寒天や澱粉、ペクチン、各種ガム類等の増粘剤、香料、酸味料、乳化剤、ごま、くるみ、ナッツ等の種実類やその破砕物等などを、その目的とする風味等に応じて適宜配合することができる。
本願発明の液体調味料は、上記原料を適宜配合することで得ることができる。また、必要に応じ、増粘剤を増粘する目的や、充填時の殺菌目的のために一時的に加熱する工程を有してもよい。
得られた液体調味料は、容器に充填する。充填に用いる容器としては、PETボトルや各種の樹脂ボトル、アルミや樹脂のパウチや袋、バッグインボックス、ガラスびんなど、公知のものを使用することができる。
本願発明で得られた容器詰液体調味料は、容器から注出してそのまま調味に用いてもよく、水や湯等で適宜希釈して喫食に供しても良い。調理用途としては、茹でたうどんや中華麺等に和えて用いたり、ラーメンや鍋料理のつゆに用いたり、野菜や肉、魚介と和えて惣菜の調味料として用いるなど、各種の調理においてきわめて好適である。
本願発明で得られた容器詰液体調味料は、常温で長期間(例えば、25~35℃で14~56日以上)保管したとき、前記魚粉を含有しない液体調味料等と比較して、味の劣化が起こりにくいことを特徴とする。味の劣化とは、畜肉スープに由来する生臭みや酸味、塩カドの発生や、魚介に由来するだしの良好な香りの減衰を指す。
以下、本願発明を実施例等により説明するが、本願発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
(実施例1:調味料の調製)
下記表に示す原料を配合し、魚粉入り液体調味料No.1~No.4を調製した。増粘剤は、事前に水中で加熱し、粘度を付与してから用いた。No.1は、魚粉を含まない。No.2~No.4は、液全体に対し魚粉を、それぞれ3.3%、5.5%、7.7%(w/v)含んでいる。
魚粉の原料としては、ウルメイワシ枯節、カツオ節、ソウダガツオ節を、カツオ節:ソウダガツオ節:ウルメイワシ枯節の重量比3:3:16(ウルメイワシ枯節の配合率73%)となるように混合したものを使用した。畜肉スープとしては、ポークエキス、ポークオイル、チキンエキスを使用し、液部の畜肉スープ由来の窒素含有量は0.2%(w/v)であった。したがって、調味料液部における畜肉スープ由来窒素1%あたりの魚粉配合量は、No.1~No.4で、それぞれ0g、16.5g、27.5g、38.5gとなる。
Figure 2023104904000001
(実施例2:保管試験および官能評価)
上記調製したNo.1~No.4の調味料を、ポリエチレンフィルムとアルミを蒸着したラミネートフィルム袋に40gずつ充填し、密封した後、75℃で10分加熱殺菌した。各容器詰調味料を、25℃または35℃の環境下に静置し、各試験区とした。また味の劣化がほぼ生じない対照として、5℃環境下での保管区も準備した。保管開始から14日、28日、42日、56日後の各調味料について、それぞれ官能評価を実施した。
官能評価では、各試験区の調味料を喫食したときの味の劣化の度合いについて評価した。味の劣化とは、畜肉スープに由来する生臭みや酸味、塩カドの発生や、魚介に由来するだしの良好な香りの減衰を指す。
具体的には、味の劣化がほぼ生じていないと思われる5℃保管区の調味料を対照(評点5点)としたときの、各試験区の調味料の食味の劣化の度合いについて、下記指標に基づいて5点~1点の間で評点をつけた。評価は、訓練された社内パネラー3名により行い、評点について事前に十分共有を行った上で実施した。
(評価指標)
5点:対照と同様で、味の劣化は生じていない。
4点:対照と若干の差異はあるが、味の劣化は弱く、製造当初の風味を十分に有している
3点:対照と差異があり、味の劣化が感じられるが、製品として許される範囲である
2点:対照と差異がはっきりしており、味の劣化が生じていて製品として許されない範囲である
1点:味の劣化が著しく、全く製品に適さない。
結果を下記表に示す。表中の数値は、各パネラーによる評点の平均値である。
Figure 2023104904000002
調製直後の調味料についてそれぞれの食味を比較した結果、魚粉の配合なしのNo.1と比較して、魚粉を配合したNo.2~No.4では、畜肉に由来する臭みが抑制されていた。
また、保管試験による官能評価において、魚粉の配合なしの調味料(No.1)では、25℃、35℃のいずれでも、保管によって魚粉を配合した調味料(No.2~No.4)を比較すると、No.2~No.4の調味料の方が、いずれの温度帯においても官能評価点が高かった。
また、魚粉を配合したNo.2~No.4試験区の個々の調味料についてさらに詳細に比較すると、魚粉の配合量の少ないNo.2では、長期間保管すると、畜肉系のエキスの風味の変化がやや目立ちやすくなっていた。一方で、魚粉の配合量の多いNo.4では、だし感が弱まり苦味が出ている、色の濃化が気になるというコメントが見られた。
No.3の配合による調味料は、畜肉に由来する臭みが抑制されているだけでなく、容器充填後に常温で長期間保管した後も上記のような畜肉系エキスの風味の変化や、だし感の減弱は、No.2、No.4の調味料と比べても感じられず、すぐれた食味を有していた。
(実施例3:調味料の調製(2))
魚粉における好ましいウルメイワシ枯節の配合量についてさらに検討するため、表1のNo.3に示す配合による、魚粉入り液体調味料No.5~No.8を調製した。ただし、魚粉としては、ウルメイワシ枯節およびカツオ節を、それぞれ重量比30:70(No.5)、60:40(No.6)、80:20(No.7)、90:10(No.6)となるように混合したものを使用した。
(実施例4:官能評価(2))
調製したNo.5~8の魚粉入り液体調味料についての官能評価を実施した。官能評価では、各試験区の調味料を喫食したときの「ウルメイワシの風味の強さ」について、5点~1点の間で評点をつけた。また、「鰹の風味とウルメイワシの風味」のバランスについて、バランスが良好と思われるものから順に、1~4位の順位付けを行った。評価は、訓練された社内パネラー11名により行い、評点について事前に十分共有を行った上で実施した。
評価結果を下記表3および図1、2に示す。表中の数値について、「ウルメイワシの風味の強さ」については、評点の平均を、「鰹とウルメの風味バランス」については、順位の平均を表している。したがって、「ウルメイワシの風味の強さ」では、数値が大きいほど好ましい評価であったことを、「鰹とウルメの風味バランス」では、数値が小さいほど順位が高く、バランスがすぐれていたことを示す。
Figure 2023104904000003
ウルメイワシの風味について、魚粉全体におけるウルメイワシ枯節の配合量が30%であるNo.5では、平均評点は中間である3点を下回った。ウルメイワシの配合量がそれぞれ60、80、90%であるNo.6、7、8は、いずれも3点以上であった。また興味深いことに、ウルメイワシの配合量が最も多いNo.8(配合量90%)よりも、No.7(配合量80%)のほうがウルメイワシの風味が良好に感じられるとの結果であった。
さらに、鰹とウルメの風味バランスについても、No.7が最も好ましいという結果であり、以下No.6、No.5、No.8の順となっていた。ウルメイワシ枯節の配合量が最も多いNo.8が、最も平均順位が低い結果となった。
畜肉スープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料において、とくに魚粉の原料としてウルメイワシの枯節を60%、80%用いた液体調味料(No.6、7)では、魚介に由来するだしの風味のバランスが良く、ウルメイワシの風味も良好に感じられた。ウルメイワシの割合が30%のNo.5や、割合が90%のNo.8では、生臭みが感じられるなど、一部不適な風味を有していた。
(実施例5:調味料の調製(3))
魚粉における好ましいウルメイワシ枯節の配合量について検討するため、表1のNo.1~4に示す配合に対応する、魚粉入り液体調味料No.9~No.12を調製した。ただし、魚粉としては、ウルメイワシ枯節およびカツオ節を、重量比80:20となるように混合したものを使用した。
(実施例6:保管試験および官能評価)
上記調製したNo.9~No.12の調味料を、約75℃で加熱殺菌した後PETボトルに約350gずつ充填し、打栓して密封した。各容器詰調味料を、25℃または35℃の環境下に静置し、各試験区とした。また味の劣化がほぼ生じない対照として、5℃環境下での保管区も準備した。保管開始から56日後の各調味料について、それぞれ官能評価を実施した。
官能評価では、各試験区の調味料を喫食したときの「畜肉エキス由来の生臭さ」、「魚介由来のだしの香りの強さ」、「対照である5℃保管品と比べたときの評価」について、5点(生臭くない/魚介だしの香りが好ましい/対照品に近く好ましい)~1点(生臭い/魚介だしの香りが好ましくない/対照品に比べ好ましくない)の間で評点をつけた。
また、35℃保管の4試験区について、「畜肉エキスの生臭さが弱い順」、「魚介由来のだしの香りが良い順」に、1~4位の順位付けを行った。評価は、訓練された社内パネラー9名により行い、評点について事前に十分共有を行った上で実施した。
評価結果を下記表4~7、図3~5に示した。すなわち、表4(畜肉エキス由来の生臭さ:評点)、5(魚介由来のだしの香りの好ましさ:評点)、6(対照品と比べたときの評価:評点)、7(順位付け)に示す。表中の数値について、表4~6については評点の平均を、表7については順位の平均を表している。したがって表4~6では、数値が大きいほど好ましい評価であったことを、表7では、数値が小さいほど順位が高く、評価が高かったことを示す。
Figure 2023104904000004
上記表4の結果によれば、魚粉を含まないNo.9の調味液では、25℃または35℃での保管後、畜肉エキスの生臭さが増し、評点が低くなっているのに対し、魚粉を添加したNo.10~12は、No.9と比較して点数が高く、生臭さの少ない、すなわち風味劣化が抑えられた調味料となっていた。とくに、No.11の調味料は、35℃、56日保管後も劣化による畜肉由来の生臭さが生じず、すぐれた風味を呈した。
Figure 2023104904000005
上記表5の結果によれば、魚粉を含まないNo.9の調味液では、25℃または35℃での保管後、魚介だしの好ましい風味が減衰し、評点が低くなっていたのに対し、魚粉を添加したNo.10~12は、No.9と比較して点数が高く、魚介だしの風味が保管後も良好に感じられる、風味劣化の抑えられた調味料となっていた。とくに、No.11の調味料は、35℃、56日保管後も魚介だしの好ましい風味がよく感じられ、すぐれた風味を呈した。
Figure 2023104904000006
上記表6の結果も表4、5に示す結果と同様の傾向を示した。すなわち、対照(5℃保管品)と比べたときの総合的な好ましさの評価としても、魚粉を含まなないNo.9の調味液では評点が大きく減衰するのに対し、魚粉を添加したNo.10~12は、N.9と比べて評点が高く、風味の劣化が抑えられることが明らかになった。
Figure 2023104904000007
上記、畜肉エキスの生臭さが弱い順、また魚介だしの香りの良さの良い順に順位づけした結果についても、No.9が最も平均順位が低く、No.11が最も平均順位が高い結果となった。

Claims (4)

  1. 畜肉スープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料において、魚粉の原料としてウルメイワシの枯節を一部または全部用いることを特徴とする、容器詰液体調味料。
  2. 前記魚粉の原料のうちウルメイワシの枯節を50~85%用いる、請求項1記載の容器詰液体調味料。
  3. 前記魚粉を、調味料液部における畜肉スープ由来窒素1%あたりの配合量として5~100g含有する、請求項1記載の容器詰液体調味料。
  4. 畜肉由来のスープおよび魚粉を含有する容器詰液体調味料において、魚粉の原料としてウルメイワシの枯節を一部または全部用いることにより、長期間保管した際の風味の劣化を抑制する方法。
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