JP2023103866A - 医療システム - Google Patents
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Abstract
【課題】湾曲可能ユニットの装着をより確実に行うことが可能な医療システムを提供する。
【解決手段】医療システムは、駆動源と、前記駆動源に接続された第1部材と、を有する駆動ユニットと、湾曲可能な湾曲部と、前記湾曲部を湾曲させる線状体と、前記線状体に接続された第2部材と、を有し、前記駆動ユニットに対して着脱可能な湾曲可能ユニットと、前記駆動源を制御する制御部と、を備える。前記第1部材及び前記第2部材は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された状態において、前記長手方向に関して一体に移動するように係合可能である。前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される場合に、前記長手方向における前記第2部材の位置に応じて、前記駆動源により、前記第1部材を前記第2部材に対して係合可能となる前記長手方向の位置に向けて移動させる。
【選択図】図19
【解決手段】医療システムは、駆動源と、前記駆動源に接続された第1部材と、を有する駆動ユニットと、湾曲可能な湾曲部と、前記湾曲部を湾曲させる線状体と、前記線状体に接続された第2部材と、を有し、前記駆動ユニットに対して着脱可能な湾曲可能ユニットと、前記駆動源を制御する制御部と、を備える。前記第1部材及び前記第2部材は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された状態において、前記長手方向に関して一体に移動するように係合可能である。前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される場合に、前記長手方向における前記第2部材の位置に応じて、前記駆動源により、前記第1部材を前記第2部材に対して係合可能となる前記長手方向の位置に向けて移動させる。
【選択図】図19
Description
本発明は、湾曲変形可能な湾曲可能ユニットを有する医療システムに関する。
カテーテルユニット等の湾曲変形可能な湾曲可能ユニットを有する医療装置として、駆動源を備えたベースユニット(アクチュエータ本体部)に対して湾曲可能ユニットを着脱可能とした構成が知られている。特許文献1には、カテーテルユニットをアクチュエータ本体部に対し回転させることでカテーテルユニットの着脱が可能な構成が開示されている。この文献によると、カテーテルユニット側にカテーテルの駆動ワイヤと連結されたロッドを設け、該ロッドがアクチュエータ本体部側の駆動ステージに設けられた溝に嵌合することで、駆動源の駆動力によりカテーテルの湾曲制御が可能となる。
上記文献に記載の構成において、カテーテルユニットの製造公差等の理由で、カテーテルユニットをアクチュエータ本体部に装着する前の時点でのロッドの位置にはバラつきが存在する。ロッドの位置ずれにより、カテーテルユニットの装着時に想定外の箇所でロッドがアクチュエータ本体部側の部材と干渉すると、ロッドが駆動ステージの溝に嵌合できず、或いは装置の一部が破損する可能性がある。
上記文献では、駆動ステージの溝の端部を面取り形状とすることで、ロッドの長手方向における位置ずれを吸収して溝との嵌合を容易にしている。しかしながら、ロッド位置が大きくずれていた場合は、面取り形状によって対応可能な範囲を超えてしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的の一つは、湾曲可能ユニットの装着をより確実に行うことが可能な医療システムを提供することである。
本発明の一態様は、駆動源と、前記駆動源に接続された第1部材と、を有する駆動ユニットと、湾曲可能な湾曲部と、前記湾曲部を湾曲させる線状体と、前記線状体に接続された第2部材と、を有し、前記駆動ユニットに対して着脱可能な湾曲可能ユニットと、前記駆動源を制御する制御部と、を備えた医療システムであって、前記第2部材は、第1被当接部と第2被当接部とを有し、前記第1部材は、前記第1被当接部に当接して前記第2部材を前記線状体の長手方向の一方側に押圧するための第1当接部と、前記第2被当接部に当接して前記第2部材を前記長手方向の他方側に押圧するための第2当接部と、を有し、前記第1部材及び前記第2部材は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された状態において、前記第1当接部が前記第1被当接部と当接し且つ前記第2当接部が前記第2被当接部と当接することで前記長手方向に関して一体に移動するように係合可能であり、前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される場合に、前記長手方向における前記第2部材の位置に応じて、前記駆動源により、前記第1部材を前記第2部材に対して係合可能となる前記長手方向の位置に向けて移動させる、ことを特徴とする医療システムである。
本発明によれば、湾曲可能ユニットの装着をより確実に行うことができる。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、配置などは、本技術が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものである。
〔実施例1〕
<医療システム及び医療装置>
図1、図2を用いて、医療システム1A及び医療装置1について説明する。図1は、医療システム1Aの全体図である。図2は医療装置1及び支持台2を示す斜視図である。
<医療システム及び医療装置>
図1、図2を用いて、医療システム1A及び医療装置1について説明する。図1は、医療システム1Aの全体図である。図2は医療装置1及び支持台2を示す斜視図である。
医療システム1Aは、医療装置1と、医療装置1を取付ける支持台2と、医療装置1を制御する制御部3(制御装置、コントローラ)を備える。本実施例において、医療システム1Aは、表示装置としてのモニタ4を備える。
医療装置1は、湾曲可能体としてのカテーテル11を備えるカテーテルユニット(湾曲可能ユニット)100と、ベースユニット(駆動ユニット、被装着ユニット)200を備える。カテーテルユニット100は、ベースユニット200に対して着脱可能に構成されている。
本実施例において、医療システム1A及び医療装置1の使用者は、対象の内部にカテーテル11を挿入することにより、対象の内部の観察、対象の内部からの各種検体の採取、対象の内部に対する処置などの作業を行うことができる。一つの実施形態として、使用者は、カテーテル11を対象としての患者の内部に挿入できる。具体的には、患者の口腔もしくは鼻腔を介して気管支に挿入することにより、肺組織の観察、採取、切除等の作業を行うことができる。
カテーテル11は、上記作業を行うための医療器具をガイドするガイド(シース)として用いることができる。医療器具(ツール)の例としては、内視鏡、鉗子、アブレーション装置などが挙げられる。また、湾曲可能体自身が上記の医療器具としての機能を有していてもよく、その場合、湾曲可能体は筒状に限らず例えば円柱状であってもよい。
本実施例において、制御部3は、演算装置3a、入力装置3bを含む。入力装置3bは、カテーテル11を操作するための命令や入力を受ける。演算装置3aは、カテーテルを制御するためのプログラムや各種データを記憶するストレージ、ランダムアクセスメモリ、プログラムを実行するための中央処理装置を含む。また、制御部3は、モニタ4に画像を表示するための信号を出力する出力部を備えていてもよい。
図2に示すように、本実施例では、医療装置1は、医療装置1のベースユニット200と支持台2を連結するケーブル5と支持台2とを介して、制御部3に電気的に接続される。なお、医療装置1と制御部3がケーブルで直接接続されていてもよい。医療装置1と制御部3が無線で接続されていてもよい。
医療装置1は、ベースユニット200を介して支持台2に取外し可能に装着される。より具体的には、医療装置1は、ベースユニット200の取付け部(接続部)200aが、支持台2の移動ステージ(受け部)2aに取外し可能に装着される。医療装置1の取付け部200aが移動ステージ2aから取り外された状態であっても、制御部3によって医療装置1を制御可能なように、医療装置1と制御部3の接続は維持される。本実施例においては、医療装置1の取付け部200aが移動ステージ2aから取り外された状態であっても、医療装置1と支持台2は、ケーブル5によって接続されている。
使用者は、医療装置1が支持台2から取り外された状態(医療装置1が、移動ステージ2aから取り外された状態)で医療装置1を手動で移動させ、対象の内部にカテーテル11を挿入することができる。
使用者は、カテーテル11が対象に挿入され、支持台2に医療装置1が取付けられた状態で、医療装置1を使用することができる。具体的には、医療装置1が移動ステージ2aに取付けられた状態で、移動ステージ2aが移動することにより、医療装置1が移動する。そして、カテーテル11を対象に挿入する方向に移動する動作、カテーテル11を対象から引き抜く方向に移動する動作が行われる。移動ステージ2aの移動は、制御部3によって制御される。
医療装置1は、カテーテル11を駆動するためのワイヤ駆動部(線状部材駆動部、ライン駆動部、本体駆動部)300を備える。本実施例において、医療装置1は、制御部3によって制御されたワイヤ駆動部300によって、カテーテル11を駆動するロボットカテーテル装置である。
制御部3は、ワイヤ駆動部300を制御し、カテーテル11を屈曲する動作を行うことができる。本実施例では、ワイヤ駆動部300は、ベースユニット200に内蔵されている。より具体的には、ベースユニット200は、ワイヤ駆動部300を収納するベース筐体200fを備える。つまり、ベースユニット200は、ワイヤ駆動部300を備えている。ワイヤ駆動部300とベースユニット200を合わせて、カテーテル駆動装置(ベース装置、本体)と呼ぶことができる。
カテーテル11の延伸方向について、対象に挿入されるカテーテル11の先端が配置される端部を、遠位端と呼ぶ。カテーテル11の延伸方向について、遠位端の反対側を近位端と呼ぶ。
カテーテルユニット100は、カテーテル11の近位端側をカバーする近位端カバー16を有する。近位端カバー16はツール穴16aを有する。カテーテル11には、ツール穴16aを介して、医療器具を挿入することができる。
上述したように、本実施例において、カテーテル11は、医療器具を対象の内部の所望の位置にガイドするためのガイド装置としての機能を有する。
例えば、カテーテル11に内視鏡を挿入した状態で、対象の内部の目標の位置までカテーテル11を挿入する。このとき、使用者の手動操作、移動ステージ2aの移動、ワイヤ駆動部300によるカテーテル11の駆動の少なくともいずれか一つが用いられる。カテーテル11が目標の位置に到達した後、ツール穴16aを介してカテーテル11から内視鏡が引き抜かれる。そして、ツール穴16aから医療器具を挿入し、対象の内部からの各種検体の採取、対象の内部に対する処置などの作業が行われる。
後述するように、カテーテルユニット100は、カテーテル駆動装置(ベース装置、本体)、より具体的にはベースユニット200に対して取外し可能に装着される。医療装置1が使用された後に、使用者は、ベースユニット200からカテーテルユニット100を取外し、新たなカテーテルユニット100をベースユニット200に取付けて、再び医療装置1を使用することができる。つまり、カテーテルユニット100は、ディスポーザブルなユニットとして使用することができる。ここで、ディスポーザブルとは一度の施術において使用されたカテーテルユニット100は、使用後に廃棄されるという意味である。これにより、カテーテルユニット100の再使用を防止し、常に医療装置1を清潔な状態に保つことができる。
図2に示すように、医療装置1は、操作部400を有する。本実施例において、操作部400は、カテーテルユニット100に備えられる。操作部400は、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の固定、ベースユニット200からのカテーテルユニット100の取外しが行われる際に、使用者によって操作される。
カテーテル11に挿入される内視鏡とモニタ4とを接続することにより、モニタ4に内視鏡によって撮影された画像を表示させることができる。また、モニタ4と制御部3を接続することにより、医療装置1の状態、医療装置1の制御に関連する情報をモニタ4に表示させることができる。例えば、対象の内部におけるカテーテル11の位置や、対象の内部におけるカテーテル11のナビゲーションに関連する情報を、モニタ4に表示させることができる。モニタ4と制御部3及び内視鏡は、有線接続されていてもよく、無線接続されていてもよい。また、モニタ4と制御部3は、支持台2を介して接続されていてもよい。
<カテーテル>
図3を用いて、湾曲可能体としてのカテーテル11について説明する。図3はカテーテル11の説明図である。図3(a)はカテーテル11の全体を説明するための図である。図3(b)はカテーテル11の拡大図である。
図3を用いて、湾曲可能体としてのカテーテル11について説明する。図3はカテーテル11の説明図である。図3(a)はカテーテル11の全体を説明するための図である。図3(b)はカテーテル11の拡大図である。
カテーテル11は、湾曲部(湾曲体、カテーテル本体)12と、湾曲部12を湾曲させるように構成された湾曲駆動部(カテーテル駆動部)13を備える。湾曲駆動部13は、後述する連結装置21を介してワイヤ駆動部300の駆動力を受けて、湾曲部12を湾曲させるように構成される。
カテーテル11は、対象に対するカテーテル11の挿入方向に沿って延伸されている。カテーテル11の延伸方向(長手方向)は、湾曲部12の延伸方向(長手方向)、後述する第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)の延伸方向(長手方向)と同じである。
湾曲駆動部13は、湾曲部12に接続された複数の駆動ワイヤ(駆動ライン、線状部材、線状アクチュエータ)を含む。具体的には、湾曲駆動部13は、第1駆動ワイヤW11、第2駆動ワイヤW12、第3駆動ワイヤW13、第4駆動ワイヤW21、第5駆動ワイヤW22、第6駆動ワイヤW23、第7駆動ワイヤW31、第8駆動ワイヤW32、第9駆動ワイヤW33を含む。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、被保持部(被保持軸、ロッド)Waを含む。具体的には、第1駆動ワイヤW11は第1被保持部Wa11を含む。第2駆動ワイヤW12は第2被保持部Wa12を含む。第3駆動ワイヤW13は第3被保持部Wa13を含む。第4駆動ワイヤW21は第4被保持部Wa21を含む。第5駆動ワイヤW22は第5被保持部Wa22を含む。第6駆動ワイヤW23は第6被保持部Wa23を含む。第7駆動ワイヤW31は第7被保持部Wa31を含む。第8駆動ワイヤW32は第8被保持部Wa32を含む。第9駆動ワイヤW33は第9被保持部Wa33を含む。
本実施例において、第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)のそれぞれは、同一形状である。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、可撓性を有するワイヤ体(ライン体、線状体)Wbを含む。ここでワイヤ体Wbとは、これを介して接続されている物体の押し引きが可能となる部材であって、ある程度の剛性をもっている。一方で、湾曲部12を湾曲させることができるように、直線形状から変形可能な部材である。具体的には、第1駆動ワイヤW11は第1ワイヤ体Wb11を含む。第2駆動ワイヤW12は第2ワイヤ体Wb12を含む。第3駆動ワイヤW13は第3ワイヤ体Wb13を含む。第4駆動ワイヤW21は第4ワイヤ体Wb21を含む。第5駆動ワイヤW22は第5ワイヤ体Wb22を含む。第6駆動ワイヤW23は第6ワイヤ体Wb23を含む。第7駆動ワイヤW31は第7ワイヤ体Wb31を含む。第8駆動ワイヤW32は第8ワイヤ体Wb32を含む。第9駆動ワイヤW33は第9ワイヤ体Wb33を含む。
本実施例において、第1~第3ワイヤ体(Wb11~Wb13)のそれぞれは、同一形状である。第4~第6ワイヤ体(Wb21~Wb23)のそれぞれは、同一形状である。第7~第9ワイヤ体(Wb31~Wb33)のそれぞれは、同一形状である。本実施例では、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)は、長さを除き、同一形状である。
第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)は、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)の近位端において、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)に固定されている。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)は、ワイヤガイド17を介して、湾曲部12に挿入され、固定されている。
本実施例において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれのワイヤ体Wbの材質は金属である。ただし、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれのワイヤ体Wbの材質は樹脂でもよい。第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれのワイヤ体Wbの材質が、金属及び樹脂を含んでいてもよい。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のうち、任意の一つを、駆動ワイヤWと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、第1~第9ワイヤ体(Wb11~Wb33)の長さを除き、同一形状である。
本実施例において、湾曲部12は、可撓性を有し、医療器具を挿入するための通路Htを備える管状の部材である。
湾曲部12の壁面には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを通すための複数のワイヤ穴が備えられる。具体的には、湾曲部12の壁面には、第1ワイヤ穴Hw11、第2ワイヤ穴Hw12、第3ワイヤ穴Hw13が備えられている。さらに湾曲部12の壁面には、第4ワイヤ穴Hw21、第5ワイヤ穴Hw22、第6ワイヤ穴Hw23が備えられている。さらに湾曲部12の壁面には、第7ワイヤ穴Hw31、第8ワイヤ穴Hw32、第9ワイヤ穴Hw33が備えられている。第1~第9ワイヤ穴Hw(Hw11~Hw33)のそれぞれは、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対応する。符号Hwの後の数字は、対応する駆動ワイヤの数字を示す。例えば、第1駆動ワイヤW11は、第1ワイヤ穴Hw11に挿入される。
第1~第9ワイヤ穴(Hw11~Hw33)のうち、任意の一つを、ワイヤ穴Hwと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9ワイヤ穴(Hw11~Hw33)のそれぞれは、同一形状である。
湾曲部12は、中間領域12a、湾曲領域12bを有する。湾曲領域12bは、湾曲部12の遠位端に配置されており、湾曲領域12bには、第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、第3ガイドリングJ3が配置される。湾曲領域12bとは、湾曲駆動部13によって第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、第3ガイドリングJ3を移動させることにより、湾曲部12の屈曲の大きさや方向を制御することができる領域を言う。図3(b)は、第1~第3ガイドリング(J1~J3)を覆う湾曲部12の一部を省略して描かれている。
本実施例では、湾曲部12は、複数の補助リング(不図示)を備える。湾曲領域12bにおいて、第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、第3ガイドリングJ3は湾曲部12の壁面に固定されている。本実施例では、複数の補助リングは、第1ガイドリングJ1と第2ガイドリングJ2の間、第2ガイドリングJ2と第3ガイドリングJ3の間に配置される。
医療器具は、通路Ht、第1~第3ガイドリング(J1~J3)、複数の補助リングによって、カテーテル11の先端までガイドされる。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、中間領域12aを通って第1~第3ガイドリング(J1~J3)のそれぞれに固定されている。
具体的には、第1駆動ワイヤW11、第2駆動ワイヤW12、第3駆動ワイヤW13は、第1ガイドリングJ1に固定されている。第4駆動ワイヤW21、第5駆動ワイヤW22、第6駆動ワイヤW23は、第1ガイドリングJ1、複数の補助リングを貫通して、第2ガイドリングJ2に固定されている。第7駆動ワイヤW31、第8駆動ワイヤW32、第9駆動ワイヤW33は、第1ガイドリングJ1、第2ガイドリングJ2、複数の補助リングを貫通して、第3ガイドリングJ3に固定されている。
医療装置1は、湾曲駆動部13をワイヤ駆動部300によって駆動することにより、カテーテル11の延伸方向に交差する方向に向けて、湾曲部12を湾曲させることができる。具体的には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを湾曲部12の延伸方向に移動させることにより、第1~第3ガイドリング(J1~J3)を介して、湾曲部12の湾曲領域12bを、延伸方向に交差する方向に湾曲させることができる。
使用者は、手動又は移動ステージ2aによる医療装置1の移動、及び湾曲部12の湾曲の少なくともいずれか一つを用いることにより、カテーテル11を対象の内部の目的の部分まで挿入することができる。
なお、本実施例においては、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)によって、第1~第3ガイドリング(J1~J3)を移動して、湾曲部12を屈曲させるが、本技術はこの構成に限定されない。第1~第3ガイドリング(J1~J3)のいずれか1つ、又は2つと、それに固定される駆動ワイヤを省略してもよい。
例えば、カテーテル11が、第7~第9駆動ワイヤ(W31~W33)と第3ガイドリングJ3を有し、第1~第6駆動ワイヤ(W11~W23)と、第1~第2ガイドリング(J1~J2)が省略された構成を有していてもよい。また、カテーテル11が、第4~第9駆動ワイヤ(W21~W33)と第2~第3ガイドリング(J2~J3)を有し、第1~第3駆動ワイヤ(W11~W13)と、第1ガイドリングJ1が省略された構成を有していてもよい。
また、カテーテル11が1つのガイドリングを二つの駆動ワイヤで駆動する構成であってもよい。この場合も、ガイドリングの数は一つでもよく、一つより多くてもよい。
<カテーテルユニット>
図4を用いて、カテーテルユニット100について説明する。
図4はカテーテルユニット100の説明図である。図4(a)は、後述するワイヤカバー14がカバー位置にある状態のカテーテルユニット100の説明図である。図4(b)は、ワイヤカバー14が露出位置にある状態のカテーテルユニット100の説明図である。
図4を用いて、カテーテルユニット100について説明する。
図4はカテーテルユニット100の説明図である。図4(a)は、後述するワイヤカバー14がカバー位置にある状態のカテーテルユニット100の説明図である。図4(b)は、ワイヤカバー14が露出位置にある状態のカテーテルユニット100の説明図である。
カテーテルユニット100は、湾曲部12、湾曲駆動部13を有するカテーテル11、カテーテル11の近位端を支持する近位端カバー16、を有する。カテーテルユニット100は、複数の駆動ワイヤとしての第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を覆い、保護するためのカバー(ワイヤカバー)14を備える。
カテーテルユニット100は、ベースユニット200に対して、着脱方向Dに沿って着脱可能である。カテーテルユニット100のベースユニット200に対する装着方向、カテーテルユニット100のベースユニット200からの取外し方向は、着脱方向Dと平行である。
近位端カバー(枠体、湾曲部筐体、カテーテル筐体)16は、カテーテル11の一部を覆うカバーである。近位端カバー16は、湾曲部12の通路Htに医療器具を挿入するためのツール穴16aを有する。
ワイヤカバー14には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを通すための複数の露出穴(ワイヤカバー穴、カバー穴)が備えられている。ワイヤカバー14には、第1露出穴14a11、第2露出穴14a12、第3露出穴14a13、第4露出穴14a21、第5露出穴14a22、第6露出穴14a23、第7露出穴14a31、第8露出穴14a32、第9露出穴14a33が備えられている。第1~第9露出穴(14a11~14a33)のそれぞれは、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対応する。符号14aの後の数字は、対応する駆動ワイヤの数字を示す。例えば、第1駆動ワイヤW11は、第1露出穴14a11に挿入される。
第1~第9露出穴(14a11~14a33)のうち、任意の一つを、露出穴14aと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9露出穴(14a11~14a33)のそれぞれは、同一形状である。
ワイヤカバー14は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を覆うカバー位置(図14(a)参照)と、カバー位置から退避したカバー退避位置(図14(b)参照)とに移動できる。カバー退避位置は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を露出させる露出位置と呼ぶこともできる。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付ける前には、ワイヤカバー14はカバー位置に位置する。カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けると、ワイヤカバー14は、着脱方向Dに沿って、カバー位置から露出位置に移動する。
ワイヤカバー14が露出位置にあるとき、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)の第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)が露出される。その結果、湾曲駆動部13と後述する連結装置21との連結が許容される。ワイヤカバー14が露出位置にあるとき、第1~第9露出穴(14a11~14a33)から第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)の第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)及びワイヤ体Wbの一部が突出する。より具体的には、第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)は、後述する取付け方向Daに向けて、第1~第9露出穴(14a11~14a33)から突出する。
図4(b)に示すように、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、所定の半径を有する円(仮想円)に沿って並べられ、ワイヤガイド17により支持される。
本実施例では、カテーテルユニット100は、キーシャフト(キー、カテーテル側キー)15を有する。本実施例では、キーシャフト15は、着脱方向Dに向けて延びている。ワイヤカバー14には、キーシャフト15が貫通するシャフト穴14bが備えられる。キーシャフト15は、後述するキー受け部22と係合可能である。キーシャフト15がキー受け部22と係合することにより、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)が並べられる円(仮想円)の周方向について、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の移動が、所定の範囲で制限される。
本実施例では、着脱方向Dに見たときに、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)は、キーシャフト15を囲むように、キーシャフト15の外側に配置されている。言い換えれば、キーシャフト15は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)が並べられる円(仮想円)の内側に配置される。
本実施例では、カテーテルユニット100は、操作部400を備える。操作部400は、近位端カバー16、湾曲駆動部13に対して移動可能(回転可能)に構成されている。操作部400は、回転軸400rの周りに回転可能である。操作部400の回転軸400rは、着脱方向Dに向けて延びている。
カテーテルユニット100がベースユニット200に取付けられた状態で、操作部400は、ベースユニット200に対して移動可能(回転可能)に構成されている。より具体的には、操作部400は、ベース筐体200f、ワイヤ駆動部300、後述する連結装置21に対して移動可能(回転可能)に構成されている。
<ベースユニット>
図5を用いて、ベースユニット200及びワイヤ駆動部300について説明する。
図5はベースユニット200及びワイヤ駆動部300の説明図である。図5(a)は、ベースユニット200の内部構造を示す斜視図である。図5(b)は、ベースユニット200の内部構造を示す側面図である。図5(c)は、ベースユニット200を着脱方向Dに沿って見た図である。
図5を用いて、ベースユニット200及びワイヤ駆動部300について説明する。
図5はベースユニット200及びワイヤ駆動部300の説明図である。図5(a)は、ベースユニット200の内部構造を示す斜視図である。図5(b)は、ベースユニット200の内部構造を示す側面図である。図5(c)は、ベースユニット200を着脱方向Dに沿って見た図である。
上述のように、医療装置1は、ベースユニット200と、ワイヤ駆動部300を有する。本実施例において、ワイヤ駆動部300は、ベース筐体200fに収納され、ベースユニット200の内部に備えられる。言い換えれば、ベースユニット200は、ワイヤ駆動部300を備える。
ワイヤ駆動部300は、複数の駆動源(アクチュエータ)として複数のモータを有する。本実施例では、ワイヤ駆動部300は、第1駆動源M11、第2駆動源M12、第3駆動源M13、第4駆動源M21、第5駆動源M22、第6駆動源M23、第7駆動源M31、第8駆動源M32、第9駆動源M33を備える。
第1~第9駆動源(M11~M33)のうち、任意の一つを、駆動源Mと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれは、同一構成である。
ベースユニット200は、連結装置21を備える。連結装置21は、ベース筐体200fに収納されている。連結装置21は、ワイヤ駆動部300に接続されている。連結装置21は、複数の連結部を有する。本実施例では、連結装置21は、第1連結部21c11、第2連結部21c12、第3連結部21c13、第4連結部21c21、第5連結部21c22、第6連結部21c23、第7連結部21c31、第8連結部21c32、第9連結部21c33を備える。
第1~第9連結部(21c11~21c33)のうち、任意の一つを、連結部21cと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれは、同一構成である。
複数の連結部のそれぞれは、複数の駆動源のそれぞれに接続され、複数の駆動源のそれぞれによって駆動される。具体的には、第1連結部21c11は、第1駆動源M11に接続され、第1駆動源M11によって駆動される。第2連結部21c12は、第2駆動源M12に接続され、第2駆動源M12によって駆動される。第3連結部21c13は、第3駆動源M13に接続され、第3駆動源M13によって駆動される。第4連結部21c21は、第4駆動源M21に接続され、第4駆動源M21によって駆動される。第5連結部21c22は、第5駆動源M22に接続され、第5駆動源M22によって駆動される。第6連結部21c23は、第6駆動源M23に接続され、第6駆動源M23によって駆動される。第7連結部21c31は、第7駆動源M31に接続され、第7駆動源M31によって駆動される。第8連結部21c32は、第8駆動源M32に接続され、第8駆動源M32によって駆動される。第9連結部21c33は、第9駆動源M33に接続され、第9駆動源M33によって駆動される。
後述するように、連結装置21には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を含む湾曲駆動部13が連結される。湾曲駆動部13は、連結装置21を介してワイヤ駆動部300の駆動力を受け、湾曲部12を湾曲させる。
駆動ワイヤWは、被保持部Waを介して連結部21cに連結される。複数の駆動ワイヤのそれぞれは、複数の連結部のそれぞれに連結される。
具体的には、第1駆動ワイヤW11の第1被保持部Wa11は、第1連結部21c11に連結される。第2駆動ワイヤW12の第2被保持部Wa12は、第2連結部21c12に連結される。第3駆動ワイヤW13の第3被保持部Wa13は、第3連結部21c13に連結される。第4駆動ワイヤW21の第4被保持部Wa21は、第4連結部21c21に連結される。第5駆動ワイヤW22の第5被保持部Wa22は、第5連結部21c22に連結される。第6駆動ワイヤW23の第6被保持部Wa23は、第6連結部21c23に連結される。第7駆動ワイヤW31の第7被保持部Wa31は、第7連結部21c31に連結される。第8駆動ワイヤW32の第8被保持部Wa32は、第8連結部21c32に連結される。第9駆動ワイヤW33の第9被保持部Wa33は、第9連結部21c33に連結される。
ベースユニット200は、ベースフレーム25を有する。ベースフレーム25には、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを通すための複数の挿入穴が備えられている。ベースフレーム25には、第1挿入穴25a11、第2挿入穴25a12、第3挿入穴25a13、第4挿入穴25a21、第5挿入穴25a22、第6挿入穴25a23、第7挿入穴25a31、第8挿入穴25a32、第9挿入穴25a33が備えられている。第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のそれぞれは、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対応する。符号25aの後の数字は、対応する駆動ワイヤの数字を示す。例えば、第1駆動ワイヤW11は、第1挿入穴25a11に挿入される。
第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のうち、任意の一つを、挿入穴25aと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のそれぞれは、同一形状である。
ベースフレーム25には、ワイヤカバー14が挿入される取付け開口25bが備えられる。取付け開口25bの底部に、第1~第9挿入穴(25a11~25a33)が配置されている。
さらに、ベースユニット200は、モータフレーム200b、第1ベアリングフレーム200c、第2ベアリングフレーム200d、第3ベアリングフレーム200eを備える。モータフレーム200b、第1ベアリングフレーム200c、第2ベアリングフレーム200d、第3ベアリングフレーム200eは、互いに連結(締結)されている。
ベースフレーム25は、キーシャフト15を受け入れるキー受け部(キー穴、ベース側キー、本体側キー)22を有する。キーシャフト15とキー受け部22が係合することにより、カテーテルユニット100がベースユニット200に対して誤った位相で取付けられることが防止される。
キーシャフト15とキー受け部22が係合することにより、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれが並べられる円(仮想円)の周方向について、ベースユニット200に対するカテーテルユニット100の移動が、所定の範囲で制限される。
その結果、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、対応する第1~第9挿入穴(25a11~25a33)のそれぞれ、対応する第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに係合する。言い換えれば、駆動ワイヤWが、対応する挿入穴25aと異なる挿入穴25a、対応する連結部21cと異なる21cに係合することが防止される。
使用者は、キーシャフト15とキー受け部22とを係合させることで、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに正しく連結できる。従って、使用者は、カテーテルユニット100をベースユニット200に容易に装着できる。
本実施例において、キーシャフト15は、着脱方向Dに交差する方向に突出した凸部を有し、キー受け部22は凸部が挿入される凹部を備える。周方向において、凸部と凹部が係合する位置が、駆動ワイヤWが対応する挿入穴25a及び対応する連結部21cと係合する位置である。
なお、キーシャフト15をベースユニット200とカテーテルユニット100のいずれか一方に配置し、キー受け部22をいずれか他方に配置することができる。例えば、キーシャフト15をベースユニット200側に配置し、キー受け部22をカテーテルユニット100側に配置してもよい。
ベースユニット200は、ジョイント係合部28jを備えるジョイント28を有する。ベースフレーム25は、ロック突起26aを備えるロック軸26を有する。これらの機能については、後述する。
<モータと駆動ワイヤの連結>
図6を用いて、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の連結について説明する。
図6を用いて、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の連結について説明する。
図6は、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の説明図である。図6(a)は、駆動源M、連結部21c、駆動ワイヤWの斜視図である。図6(b)は、連結部21c、駆動ワイヤWの拡大図である。図6(c)は、ワイヤ駆動部300、連結装置21、湾曲駆動部13の連結を示す斜視図である。
本実施例において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれと第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが連結される構成は、同一である。また、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれと第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれが接続される構成は、同一である。従って、以下の説明では、一つの駆動ワイヤW、一つの連結部21c、一つの駆動源Mを用いて、これらが接続される構成について説明する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、駆動源Mは、出力軸Maと、出力軸Maを回転方向Rmに回転させるモータ本体Mbを有する。出力軸Maの表面には、螺旋状の溝が備えられている。出力軸Maは、所謂ネジ形状を有する。モータ本体Mbは、モータフレーム200b(図5(a、b))に固定されている。
連結部21cは、出力軸Maに接続されたトラクタ21ct、トラクタ21ctを支持するトラクタ支持軸21csを有する。トラクタ支持軸21csは、連結ベース21cbに接続されている。
連結部21cは駆動ワイヤWの被保持部Waを押圧するための第1回転体21cpを有する。駆動ワイヤWはベースフレーム25の挿入穴25a(図6(c))を通って連結部21cに連結される。詳細は後述するが、第1回転体21cpの回転により、被保持部Waが連結ベース21cbに対して固定された状態(ロック状態、係合状態)と、被保持部Waの連結ベース21cbに対する固定が解除された状態(解除状態)と、が切り替わる。
被保持部Waを連結ベース21cbに対して固定した状態は、駆動ワイヤWの長手方向に関して被保持部Waの連結ベース21cbに対する相対移動が規制された状態である。被保持部Waの連結ベース21cbに対する固定を解除した状態は、長手方向に関して被保持部Waの連結ベース21cbに対する相対移動が許容される状態である。
第1回転体21cpは、後述する内歯ギア29と噛み合うギア部21cgと、駆動ワイヤWの被保持部Waを押圧するための押圧部としてのカム21ccと、を有する。カム21ccは、被保持部Waを連結ベース21cbに対して固定するように被保持部Waを押圧する押圧位置と、被保持部Waの連結ベース21cbに対する固定を解除するように被保持部Waから退避する退避位置と、に移動可能である。つまり、カム21ccが移動することにより、被保持部Waを連結ベース21cbに対して固定及び固定解除することができる。
連結部21cは、第1ベアリングB1、第2ベアリングB2,第3ベアリングB3によって支持されている。第1ベアリングB1は、ベースユニット200の第1ベアリングフレーム200cに支持されている。第2ベアリングB2は、ベースユニット200の第2ベアリングフレーム200dに支持されている。第3ベアリングB3は、ベースユニット200の第3ベアリングフレーム200eに支持されている。従って、出力軸Maが回転方向Rmに回転したときに、連結部21cは、出力軸Maの周りに回転することが規制される。なお、第1ベアリングB1、第2ベアリングB2、第3ベアリングB3は、いずれも、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに対して設けられる。
連結部21cが出力軸Maの周りに回転することが規制されているため、出力軸Maが回転すると、出力軸Maの螺旋状の溝によって、トラクタ21ctに出力軸Maの回転軸方向に沿った力が作用する。その結果、連結部21cは、出力軸Maの回転軸線方向に沿って移動する(Dc方向)。出力軸Maの回転軸線方向は、連結部21cにおける駆動ワイヤWの延伸方向(長手方向)と実質的に平行である。連結部21cがDc方向の一方側又は他方側に移動することにより、駆動ワイヤWが長手方向の一方側又は他方側に移動して、湾曲部12が湾曲する。
つまり、出力軸Maとトラクタ21ctは、駆動源Mから伝えられた回転運動をねじにより直線運動に変換させる、所謂送りねじを構成している。本実施例において、出力軸Maとトラクタ21ctは滑りネジであるが、ボールねじでも良い。
図6(c)に示すように、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けることで、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれと第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが連結される。
制御部3は、第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれを、互いに対して独立して制御できる。つまり、第1~第9駆動源(M11~M33)のうちの任意の駆動源は、その他の駆動源が停止した状態か否かに関わらず、独立して動作又は停止することができる。言い換えれば、制御部3は、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを、互いに対して独立して制御することができる。その結果、第1~第3ガイドリング(J1~J3)のそれぞれが互いに対して独立して制御され、湾曲部12の湾曲領域12bは、任意の方向に屈曲することができる。
<カテーテルユニットの装着>
図7を用いて、カテーテルユニット100を、ベースユニット200に装着する動作について説明する。
図7を用いて、カテーテルユニット100を、ベースユニット200に装着する動作について説明する。
図7は、カテーテルユニット100の装着の説明図である。図7(a)は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される前の図である。図7(b)は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された後の図である。
本実施例において、カテーテルユニット100の着脱方向Dは、操作部400の回転軸400rの方向と同じである。また、着脱方向Dは、連結部21cにおける各駆動ワイヤWの延伸方向(長手方向)と同じである。着脱方向Dのうち、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付ける方向を、取付け方向Daと呼ぶ。着脱方向Dのうち、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外す方向(取付け方向Daの反対方向)を、取外し方向Ddと呼ぶ。
図7(a)に示すように、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される前の状態では、ワイヤカバー14はカバー位置に位置する。このとき、第1~第9被保持部(Wa11~Wa33)がワイヤカバー14の第1~第9露出穴(14a11~14a33)から突出しないように、ワイヤカバー14が第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)を覆っている。
キーシャフト15とキー受け部22とが係合し、カテーテルユニット100をベースユニット200に対して取付け方向Daに移動すると、カテーテルユニット100がベースユニット200に取付けられる。カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けることにより、ワイヤカバー14は露出位置へと移動する。本実施例では、ワイヤカバー14はベースフレーム25に当接することで、カバー位置から露出位置に移動する(図7(b)参照)。
より具体的には、カテーテルユニット100を取付ける際、ワイヤカバー14は、ベースフレーム25に当接して停止する。この状態で、カテーテルユニット100を取付け方向Daに移動することにより、カテーテルユニット100において、ワイヤカバー14がワイヤカバー14以外の部分に対して相対的に移動する。その結果、ワイヤカバー14は、カバー位置から露出位置に移動する。
ワイヤカバー14がカバー位置から露出位置に移動する一方で、駆動ワイヤWの被保持部Waがワイヤカバー14の露出穴14aから突出し、ベースフレーム25の挿入穴25aに挿入される。そして、被保持部Waが連結部21cの連結ベース21cbに係合される(図6(b)参照)。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けただけの状態では、カテーテルユニット100をベースユニット200に対して取外し方向Ddに移動して、カテーテルユニット100を取り外すことができる。また、後述するように、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けただけの状態では、駆動ワイヤWと連結部21cは固定されていない状態である。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた状態で、操作部400を操作することにより、カテーテルユニット100がベースユニット200から離脱する(取り外される)ことが防止される。さらに、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた状態で、操作部400を操作することにより、駆動ワイヤWが連結部21cに固定され、湾曲駆動部13が連結装置21を介してワイヤ駆動部300に連結される。
<湾曲駆動部の連結及び連結解除>
図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14を用いて、駆動ワイヤWを連結部21cに対して固定及び解放するための構成(連結装置21による湾曲駆動部13の連結及び連結解除のための構成)について説明する。
図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14を用いて、駆動ワイヤWを連結部21cに対して固定及び解放するための構成(連結装置21による湾曲駆動部13の連結及び連結解除のための構成)について説明する。
図8は、カテーテルユニット100とベースユニット200の連結を説明するための図である。図8(a)は、カテーテルユニット100とベースユニット200の断面図である。図8(a)は、カテーテルユニット100とベースユニット200を、回転軸400rに沿って切断した断面図である。図8(b)は、ベースユニット200の断面図である。ベースユニット200を、連結部21cを通り回転軸400rに直交する仮想平面で切断した断面図である。
図8以降の各図において、操作部400の回転軸400rの軸線方向をZ方向として図示する。本実施例において、Z方向は、カテーテルユニット100の着脱方向D及び連結部21cにおける各駆動ワイヤWの延伸方向(長手方向)と実質的に平行である。また、Z方向とそれぞれ直交し且つ互いに直交する方向をX方向及びY方向として図示している。必要な場合は、図示した矢印の方向を基準に+又は-の符号をつけて各方向の一方側と他方側を区別する。例えば、+Z方向はベースユニット200に対してカテーテルユニット100が位置する側であり、-Z方向はその反対側(カテーテルユニット100に対してベースユニット200が位置する側)である。
図9は、カテーテルユニット100とベースユニット200の連結を説明するための分解図である。図10、図11、図12、図13、図14は、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定について説明するための図である。
図8(a)、図9に示すように、ベースユニット200は、ジョイント28(中間部材、第2伝達部材)と、ジョイント28を介して操作部400と連動する移動ギア(連動ギア、伝達部材、第1伝達部材)としての内歯ギア29と、を有する。
ジョイント28は、複数の伝達部28cを有し、内歯ギア29は、複数の被伝達部29cを有する。複数の伝達部28cは複数の被伝達部29cと係合しており、ジョイント28が回転した場合、内歯ギア29にジョイント28の回転が伝達される。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けると、操作部400に備えられた係合部400jが、ジョイント28のジョイント係合部28jと係合する。操作部400が回転軸400rの周りで回転した場合、ジョイント28を介して内歯ギア29に操作部400の回転が伝達される。即ち、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた状態において、操作部400、ジョイント28、内歯ギア29は同方向に一体的に回転する。
内歯ギア29は、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれを、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを固定する状態と第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれを解放する状態とを切替えるための複数の歯部を有する。内歯ギア29の複数の歯部(作用部、切替ギア部)のそれぞれは、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが有する第1回転体21cpのギア部21cgと係合する。
具体的に本実施例の内歯ギア29は、第1歯部29g11、第2歯部29g12、第3歯部29g13、第4歯部29g21、第5歯部29g22、第6歯部29g23、第7歯部29g31、第8歯部29g32、第9歯部29g33を備える(図8(b))。第1~第9歯部(29g11~29g33)のそれぞれは、回転軸400rを中心とする円(仮想円)上で、互いに隙間を空けて形成されている。
第1歯部29g11は、第1連結部21c11のギア部21cgと噛み合う。第2歯部29g12は、第2連結部21c12のギア部21cgと噛み合う。第3歯部29g13は、第3連結部21c13のギア部21cgと噛み合う。第4歯部29g21は、第4連結部21c21のギア部21cgと噛み合う。第5歯部29g22は、第5連結部21c22のギア部21cgと噛み合う。第6歯部29g23は、第6連結部21c23のギア部21cgと噛み合う。第7歯部29g31は、第7連結部21c31のギア部21cgと噛み合う。第8歯部29g32は、第8連結部21c32のギア部21cgと噛み合う。第9歯部29g33は、第9連結部21c33のギア部21cgと噛み合う。
第1~第9歯部(29g11~29g33)のうち、任意の一つを、歯部29gと呼ぶことができる。本実施例において、第1~第9歯部(29g11~29g33)のそれぞれは、同一構成である。
本実施例において、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれと第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれが連結される構成は、同一である。また、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれと第1~第9歯部(29g11~29g33)のそれぞれが接続される構成は、同一である。従って、以下の説明では、一つの駆動ワイヤW、一つの連結部21c、一つの歯部29gを用いて、これらが接続される構成について説明する。
上述したジョイント28及び内歯ギア29の構成により、操作部400を回転させることにより、内歯ギア29が回転する。内歯ギア29が回転することにより、第1~第9連結部(21c11~21c33)それぞれが動作する。即ち、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれにおいて、ギア部21cgが内歯ギア29によって移動されることにより、第1回転体21cpが回転し、カム21ccが後述する押圧位置と退避位置とに移動する。
操作部400は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された状態で、固定位置(ロック位置)と、取外し位置とに移動することができる。また、後述するように、操作部400は、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された状態で、解除位置に移動することができる。操作部400の回転方向(回転軸400rの周りの回転方向)について、解除位置は、固定位置と取外し位置の間に位置される。操作部400が取外し位置に位置された状態で、ベースユニット200にカテーテルユニット100が取付けられる。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた直後の状態では、駆動ワイヤWの連結部21cへの固定(ロック)が解除された状態である。この状態を、連結部21cの解除状態と呼ぶ。なお、駆動ワイヤWが連結部21cへ固定(ロック)された状態を、連結部21cのロック状態と呼ぶ。
図10、図11、図12、図13、図14、図15を用いて、駆動ワイヤWを連結部21cへ固定する際の動作について説明する。なお、図10(a)、図11~図13、図14(a)及び図15は、Z方向に垂直な仮想平面におけるカテーテルユニット100及びベースユニット200の断面図である。図10(a)、図11~図13、図14(a)及び図15では、注目する1組の駆動ワイヤW及び連結部21cについて、操作部400の回転軸400rに対して該駆動ワイヤWが位置する側を+Y方向としている。また、図10(b)及び図14(b)は、注目する1組の駆動ワイヤW及び連結部21cを通るY-Z平面におけるカテーテルユニット100及びベースユニット200の断面図である。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた後、かつ操作部400を操作する前の状態では、カテーテルユニット100は、ベースユニット200から取り外すことができる。以下、カテーテルユニット100がベースユニット200から取り外すことが可能な状態を、取外し可能状態と呼ぶ。
図10(a)、図10(b)は、取外し可能状態における内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図10(a)は、操作部400が取外し位置に位置された状態における、内歯ギア29と連結部21cの位置関係を示している。図10(b)は、図10(a)のB-B線におけるカテーテルユニット100及びベースユニット200の断面図である。
連結ベース21cbは、カム保持部21ce(図6(b)も参照)と、駆動ワイヤWの被保持部Waを支持する複数のロッド支持面21cdと、を有する。第1回転体21cpに設けられたカム21ccは、保持面21ccaと、押圧面21ccbと、を有する。複数のロッド支持面21cdは、Z方向(駆動ワイヤWの長手方向)と交差する方向の内、被保持部Waが連結ベース21cbと係合される方向(図中-Y方向)を除いて被保持部Waの移動を規制しつつ被保持部Waを支持する。即ち、本実施例の複数のロッド支持面21cdは、Z方向に見た状態で、-Y方向側(連結ベース21cbにおける後述の凸部21ci側)に開放された略C字状(コ字状)の凹形状を構成する。また、複数のロッド支持面21cdは、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付ける際に、被保持部Waが連結部21cの内部空間に進入する空間を形成するようにZ方向に延びている。
図10(a)に示すように、取外し可能状態(操作部400が取外し位置にある状態)では、第1回転体21cpは、保持面21ccaが連結ベース21cbのカム保持部21ceに係合した位置で保持されている。具体的には、保持面21ccaはカム保持部21ceが嵌合する凹部であり、カム21ccの弾性により保持面21ccaからカム保持部21ceが離脱することが規制されるため、第1回転体21cpの回転が防がれる。また、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb1は、互いの間に距離Laのクリアランスをあけた位置で停止している。
操作部400の回転方向において、操作部400が取外し位置から解除位置及び固定位置に向かう方向をロック方向R1(固定方向)と呼び、操作部400が固定位置から解除位置及び取外し位置に向かう方向を解除方向R2と呼ぶ(図8(b)も参照)。操作部400は、解除位置から解除方向R2に回転して、取外し位置に移動する。操作部400は、解除位置からロック方向R1に回転して、固定位置に移動する。
カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた状態、且つ、操作部400が取外し位置にある状態では、連結部21cは解除状態であり、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定が解除されている。このとき被保持部Waは連結ベース21cbに設けられたロッド支持面21cdによって支持されているが、図10(a)中の-Y方向側はロッド支持面21cdに支持されていない。これにより被保持部Waは-Y方向にのみ移動可能に支持されている。
図10(b)に示すように、被保持部Waは凹部Wcを有し、連結ベース21cbは凹部Wcに嵌合可能(係合可能)な凸部21ciを有する。凸部21ciは、駆動ワイヤWの延伸方向(長手方向、Z方向)と交差する方向に突出した凸形状である。凹部Wcは、駆動ワイヤWの延伸方向(長手方向、Z方向)と交差する方向に凹んだ凹形状である。
凹部Wcに凸部21ciが嵌合した状態では、被保持部Wa及び連結ベース21cbはZ方向に相対移動しない状態となり、被保持部Waは連結ベース21cbと一体に移動する。即ち、被保持部Wa及び連結ベース21cbは、凹部Wcに凸部21ciが嵌合することで、駆動源Mの駆動力を駆動ワイヤWに伝達可能となるように互いに係合された係合状態となるように構成される。なお、本実施例における連結部21cのロック状態とは、カム21ccが押圧位置に位置し且つ被保持部Wa及び連結ベース21cbが係合状態にあることを指す。
操作部400が取外し位置にあるとき、カム21ccは、被保持部Waとクリアランスをもった退避位置にある。即ち、図10(b)に示すように、被保持部Waの凹部Wcは、連結ベース21cbの凸部21ciから+Y方向に離間した位置にある。つまり、被保持部Waの固定は解除された状態(被保持部Waと連結ベース21cbの非係合状態)である。そのため、操作部400が取外し位置にある状態でベースユニット200に対してカテーテルユニット100を取外し方向Ddに動かした場合には、連結ベース21cbから被保持部Waを引き抜くことができる。
図11は、操作部400を取外し位置から解除位置までロック方向R1に回転させたときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図11は、操作部400が解除位置にある状態における内歯ギア29と連結部21cの状態を示している。
操作部400を取外し位置(図10(a、b))からロック方向R1に回転させると、内歯ギア29が操作部400と連動してロック方向R1(図中時計回り)に回転する。そして、操作部400は、解除位置に移動する。
なお、操作部400を回転させた場合であっても、キーシャフト15とキー受け部22が係合しているため、カテーテルユニット100の全体(操作部400を除く)は、ベースユニット200に対して回転することが規制されている。つまり、操作部400は、カテーテルユニット100の操作部400を除く部分とベースユニット200とが停止した状態で、それらに対して回転可能である。
内歯ギア29が図中時計回りに回転することで、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb1(第1の歯)の間のクリアランスは、距離Laから距離Lbに減少するものの、歯Zb1と接触していない。そのため、第1回転体21cpのカム21ccは、図10(a)と同じ退避位置に位置する。即ち、操作部400が取外し位置から解除位置に移動しても、カム21ccは、退避位置に留まる。また、連結部21cは、図10(a)に示された状態と同じ状態(解除状態)に保たれている。
ギア部21cgの歯Zb2(第2の歯)は、内歯ギア29の歯部29gの歯先円(点線)との間に距離Lzのクリアランスを空けた位置に配置されている。そのため、内歯ギア29は歯Zb2に干渉することなく回転可能である。
図11に示した状態から、操作部400をロック方向R1にさらに回転させると、内歯ギア29が図中時計回りにさらに回転する。そのときの内歯ギア29と連結部21cの状態を図12に示す。
図12は、操作部400を解除位置からロック方向R1に回転させたときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。操作部400を解除位置からロック方向R1に回転させると、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb1が接触する。一方、カム21ccは退避位置に位置したままであり、連結部21cは図10、図11に示された状態と同じ解除状態に保たれている。
図13は、操作部400を図12の状態からさらにロック方向R1に回転したときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図12の状態から操作部400をロック方向R1にさらに回転させたことで、内歯ギア29が図中時計回りにさらに回転している。
内歯ギア29が図12の状態から図13の状態に移動することで、内歯ギア29は第1回転体21cpのギア部21cgを押圧し、第1回転体21cpを図中時計回りに回転させる。第1回転体21cpが回転すると、カム21ccの保持面21ccaと連結ベース21cbのカム保持部21ceとの係合が解除される。つまり、内歯ギア29は、保持面21ccaがカム保持部21ceから離脱するように、カム211cの弾性力に抗して第1回転体21cpを回転させる。そして、第1回転体21cpのカム21ccが被保持部Waに接触し、被保持部Waはカム21ccから力を受け始める。つまり、カム21ccは、退避位置から押圧位置へ向けて移動し始める。
図14(a)は、操作部400を図13の状態からロック方向R1に回転したときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図13の状態から操作部400をロック方向R1にさらに回転させると、内歯ギア29が図中時計回りにさらに回転している。
内歯ギア29が図13の状態から図14(a)の状態に移動することで、内歯ギア29はギア部21cgを図中時計回りにさらに回転させる。ギア部21cgが回転するときの押圧面21ccbの回転軌跡は、図13の状態における被保持部Waの位置(点線)とオーバーラップしている。そのため、ギア部21cgが回転すると、押圧面21ccbは被保持部Waと干渉しながら(被保持部Waを押圧しながら)回転する。ここで、被保持部Waは、連結ベース21cbに設けられたロッド支持面21cdにより-Y方向に移動可能且つ他の方向への移動を規制された状態で支持されている。そのため、被保持部Waは押圧面21ccbに押されて-Y方向に移動する。
図14(b)は、図14(a)のB-B線におけるカテーテルユニット100及びベースユニット200の断面図であり、内歯ギア29と連結部21cの状態を表す。被保持部Waが-Y方向に移動するとき、ワイヤガイド17に支持された可撓性部材であるワイヤ体Wbは弾性変形する。具体的には、ワイヤガイド17に支持されているワイヤ体支持端Wbaを支点として片持ち梁の状態となったワイヤ体Wbが、先端側の被保持部Waが-Y方向に変位するように撓む。なお、図14(a)において、破線の円はカム21ccに押圧される前の被保持部Waの位置(図10(a)参照)を表す。
また、被保持部Waが-Y方向に移動したとき、被保持部Waに設けられた凹部Wcと連結ベース21cbに設けられた凸部21ciが係合する。これにより、被保持部Waが連結ベース21cbに対してZ方向に相対移動不能な状態、即ち連結部21cのロック状態となる。言い換えると、カム21ccは、被保持部Waを連結ベース21cbに対して固定するように被保持部Waを押圧している。
本実施例における被保持部Wa及び連結ベース21cbの係合形状を具体的に説明する。図14(b)に示すように、連結ベース21cbの凸部21ciは、+Z方向側の面である第1斜面21ci1と-Z方向側の面である第2斜面21ci2とを有する。被保持部Waの凹部Wcは、+Z方向側の面である第1斜面Wc1と-Z方向側の面である第2斜面Wc2とを有する。
連結ベース21cbの第1斜面21ci1は、法線方向がZ方向に関して+Z方向側を向くようにZ方向に対して交差する面である。連結ベース21cbの第2斜面21ci2は、法線方向がZ方向に関して-Z方向側を向くようにZ方向に対して交差する面である。被保持部Waの第1斜面Wc1は、法線方向がZ方向に関して-Z方向側を向くようにZ方向に対して交差する面である。被保持部Waの第2斜面Wc2は、法線方向がZ方向に関して+Z方向側を向くようにZ方向に対して交差する面である。なお、被保持部Waの凹部Wcは、略円柱状の被保持部Waの外周部に環状に形成された溝形状であり、第1斜面Wc1及び第2斜面Wc2は、駆動ワイヤWの軸線を中心とする円錐状の曲面である。
連結ベース21cb(第1部材)及び被保持部Wa(第2部材)の係合状態において、凸部21ciの第1斜面21ci1は凹部Wcの第1斜面Wc1と当接し、凸部21ciの第2斜面21ci2は凹部Wcの第2斜面Wc2と当接する。係合状態において、駆動源Mの駆動力により連結ベース21cbが+Z方向に駆動される場合、連結ベース21cbの第1斜面21ci1(第1当接部)が被保持部Waの第1斜面Wc1(第1被当接部)を+Z方向に押圧する。これにより、連結ベース21cbと共に被保持部Waが+Z方向に移動する。また、係合状態において、駆動源Mの駆動力により連結ベース21cbが-Z方向に駆動される場合、連結ベース21cbの第2斜面21ci2(第2当接部)が被保持部Waの第2斜面Wc2(第2被当接部)を-Z方向に押圧する。これにより、連結ベース21cbと共に被保持部Waが-Z方向に移動する。このように、連結ベース21cb(第1部材)及び被保持部Wa(第2部材)の係合状態においては、連結ベース21cb及び被保持部Waが+Z方向及び-Z方向に関して一体に移動する。
被保持部Waの第1斜面Wc1は、第1当接部としての第1斜面21ci1に当接されることで駆動ワイヤWの長手方向の一方側(+Z方向)の力を連結ベース21cbから受けることが可能な第1被当接部の例である。また、被保持部Waの第2斜面Wc2は、第2当接部としての第2斜面21ci2に当接されることで駆動ワイヤWの長手方向の他方側(-Z方向)の力を連結ベース21cbから受けることが可能な第2被当接部の例である。本実施例では、連結ベース21cb(第1部材)と被保持部Wa(第2部材)との間の機械的な係合(物理的接触)によって駆動源Mの駆動力を駆動ワイヤWに伝達するため、低コストで信頼性の高い駆動伝達を実現できる。
ところで、カム21ccの押圧面21ccbの回転軌跡は、ロック状態における被保持部Waの位置に対してもオーバーラップしている。即ち、ロック状態において、押圧面21ccbの回転軌跡と被保持部Waとが干渉する幅の分、カム21ccは弾性変形させられている。そのため、ロック状態において、カム21ccの弾性力によって押圧面21ccbが被保持部Waを押し付けることで、被保持部Waは連結ベース21cbに強く固定される。
内歯ギア29の歯Za1がギア部21cgの歯Zb1から離れたとき、内歯ギア29からギア部21cgへの駆動力の伝達が終了する。このときカム21ccは弾性変形しているため、固定されている被保持部Waから反力f1を受ける状態になる。第1回転体21cpの回転半径方向で、カム21ccに作用する反力f1は、第1回転体21cpの回転中心21cpcから離れた位置に作用しているため、第1回転体21cpは図14(a)において時計回りに回転する。このとき、第1回転体21cpは、時計回りに回る内歯ギア29によって回転させられる方向と、同じ方向に向けて付勢される。
図15は、操作部400が図14の(a)状態からロック方向R1に回転したときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。図15は、操作部400が固定位置に位置するときの内歯ギア29と連結部21cの状態を示す図である。
図14(a)に示す状態から、操作部400がロック方向R1に回転すると、第1回転体21cpに設けられたカム21ccが被保持部Waから受ける反力f1により、第1回転体21cpはさらに図中時計回り方向に回転する。そして、図15に示すように、第1回転体21cpは、歯Zb1に設けられた突き当て面Zb1aが連結ベース21cbに設けられた被突き当て面21cf(図6(b)も参照)と接触するまで回転する。つまり、第1回転体21cpは突き当て面Zb1aと被突き当て面21cfが同一平面上に並んだ状態になり停止する。
このとき、第1回転体21cpのカム21ccは、押圧面21ccbにより被保持部Waを連結ベース21cbに向けて-Y方向に押圧する押圧位置に位置する。即ち、カム21ccは、内歯ギア29の歯Za1がギア部21cgの歯Zb1から離間した後に、被保持部Waから押圧面21ccbが受ける反力f1によって押圧位置に移動し、押圧位置に保持されるように構成される。
また、押圧位置に位置するカム21ccにより被保持部Waと連結ベース21cbの係合が維持されるため、連結部21cはロック状態にある。
図14(b)に示すように、押圧位置に位置するカム21ccにより被保持部Waが押圧された状態では、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciが係合する。これにより、被保持部Waが連結ベース21cbに対して固定される。
この固定方法によれば、カム21ccの弾性力による被保持部Waの押圧方向と、駆動ワイヤWの駆動方向(Dc方向、Z方向)とが垂直の関係にある。そのため、駆動ワイヤWの駆動時に、カム21ccの弾性力に抗して被保持部Waの固定を緩めるような力が生じ難く、被保持部Waを連結ベース21cbに対して安定して固定することができる。そして、被保持部Waがロック状態の連結部21cから離脱しにくくすることができる。
なお、内歯ギア29の歯Za1とギア部21cgの歯Zb2は、互いの間に距離Lcのクリアランスが生じる位置で停止している。
駆動ワイヤWと連結部21cの固定を解除する際には、固定位置に位置する操作部400を、解除方向R2に回転させる。このとき、内歯ギア29は、図15に示す状態から、図中反時計回りに回転する。内歯ギア29が反時計回りに回転すると、ギア部21cgの歯Zb4に、内歯ギア29の歯Za3が当接し、第1回転体21cpが反時計回りに回転させられる。
内歯ギア29がさらに反時計回りに回転することで、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定が解除される。このときの内歯ギア29と第1回転体21cpの動作は、上述した動作と逆の動作である。つまり、上述した駆動ワイヤWを連結部21cによって固定する際の動作とは逆の動作により、連結部21cによる駆動ワイヤWの固定が解除される。
上記の動作は、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれで行われる。即ち、操作部400が取外し位置から固定位置に移動する過程で、操作部400の移動(回転)により、第1~第9連結部(21c11~21c33)が解除状態からロック状態になる。操作部400が固定位置から取外し位置に移動する過程で、操作部400の移動(回転)により、第1~第9連結部(21c11~21c33)がロック状態から解除状態になる。
第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれが第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによって固定された状態を第1状態と呼ぶ。第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによる第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対する固定が解除された状態を第2状態と呼ぶ。
操作部400の移動に連動して、第1状態と第2状態とが切替えられる。つまり、取外し位置と固定位置との間における操作部400の移動に連動して、第1状態と第2状態とが切替えられる。
上述したように、内歯ギア29は、伝達部材としてのジョイント28を介して、操作部400と連動するように構成されている。内歯ギア29とジョイント28は、操作部400の移動に連動して第1状態と第2状態とが切り替わるように、操作部400と連動する連動部としての機能を有する。
具体的には、内歯ギア29とジョイント28は、カテーテルユニット100がベースユニット200に取付けられた状態で、操作部400の移動と連動して、第1回転体21cpの一部(カム21cc)を、被保持部Waに対して移動させる。カム21ccが移動することで、連結部21cのロック状態と、解除状態とが切替えられる。
なお、内歯ギア29が操作部400から直接移動される構成であってもよい。その場合、内歯ギア29が連動部としての機能を有する。
<操作部の移動>
図16、図17、図18を用いて、操作部400の移動について説明する。図16は、操作部400の動作を説明するための説明図である。図16(a)は、操作部400が取外し位置にある状態を示す図である。図16(b)は、操作部400が解除位置にある状態を示す図である。図16(c)は、操作部400が固定位置にある状態を示す図である。
図16、図17、図18を用いて、操作部400の移動について説明する。図16は、操作部400の動作を説明するための説明図である。図16(a)は、操作部400が取外し位置にある状態を示す図である。図16(b)は、操作部400が解除位置にある状態を示す図である。図16(c)は、操作部400が固定位置にある状態を示す図である。
図17は、操作部400の動作を説明する断面図である。図17(a)は、操作部400が取外し位置にある状態を示す断面図である。図17(b)は、操作部400が解除位置にある状態を示す断面図である。図17(c)は、操作部400が固定位置にある状態を示す断面図である。
図16(a)に示すように、カテーテルユニット100は、操作部400を付勢する操作部付勢バネ43、移動部材としてのボタン41、ボタン41を付勢するボタンバネ42を有する。
本実施例において、操作部付勢バネ43は圧縮ばねである。操作部400は、操作部付勢バネ43によって、近位端カバー16に近づく方向Dhに向けて付勢されている。
本実施例において、ボタン41、ボタンバネ42は、操作部400に備えられる。操作部400が取外し位置、解除位置、固定位置に移動するときに、ボタン41、ボタンバネ42は、操作部400と共に移動する。
ボタン41は、操作部400の回転軸400rの方向と交差する方向に向けて、操作部400に対して移動可能に構成されている。ボタン41は、ボタンバネ42によって、カテーテルユニット100の外側(回転軸400rから離れる方向)に向けて付勢されている。
後述するように、ボタン41により、操作部400が解除位置から取外し位置に移動することが規制される。また、ボタン41を操作部400に対して移動することにより、操作部400は解除位置から取外し位置に移動することが許容される。
図16(b)に示すように、ボタン41は、ボタン突起(被規制部)41aを有する。ボタン突起41aは、斜面41a1と、被規制面41a2を有する。
図16(c)に示すように、ベースユニット200のベースフレーム25には、ロック軸26が備えられる。ロック軸26はロック突起(規制部)26aを備える。
本実施例において、ロック軸26は複数(本実施例では二つ)設けられている。全てのロック軸26がロック突起26aを備えていてもよく、一部のロック軸26がロック突起26aを備えていてもよい。
一方、図9、図16(a)、図16(b)、図16(c)に示すように、操作部400の内側には、ロック軸26と係合するロック溝400aが備えられる。ロック溝400aは、着脱方向Dとは異なる方向に延びている。本実施例では、操作部400の回転方向に延びている。ロック溝400aは、着脱方向Dに交差する方向(直交する方向)に延びているということもできる。
ロック溝400aは、ロック軸26が複数設けられる場合は、複数のロック軸26のそれぞれに対して設けられる。
図17(a)に示すように、ベースユニット200にカテーテルユニット100が取付けられると、ロック溝400aの入り口400a1を介して、ロック軸26がロック溝400aに係合する。
このとき、操作部400は取外し位置に位置し、連結部21cは解除状態である(図10参照)。従って、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによる、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対する固定が解除されている状態である。また、図17(a)に示すように、ボタン突起41aと、ロック突起26aが対向する。
操作部400を取外し位置からロック方向R1に回転させると、ボタン突起41aの斜面41a1が、ロック突起26aの斜面26a1に当接する。ボタンバネ42の付勢力に抗して、ボタン41が操作部400の内側(回転軸400rに近づく方向)に向けて移動する。そして、ボタン突起41aがロック突起26aを乗り越え、操作部400は解除位置に移動する(図17(b)参照)。
操作部400が解除位置に位置するとき、連結部21cは解除状態である(図11参照)。従って、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれによる、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに対する固定が解除されている状態である。
操作部400を解除位置からロック方向R1に回転させると、操作部400は固定位置に移動する。図17(c)に示すように、操作部400が固定位置にある状態で、ロック溝400aの位置決め部400a2が、ロック軸26に対応する位置に位置する。操作部400は操作部付勢バネ43によって近位端カバー16に近づく方向Dhに向けて付勢されている。その結果、位置決め部400a2がロック軸26に係合する。
操作部400が解除位置から固定位置に移動する過程で、前述のように駆動ワイヤWの被保持部Waが、連結部21cに固定される。
操作部400が固定位置に位置するとき、連結部21cはロック状態である(図15参照)。従って、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれは、第1~第9連結部(21c11~21c33)のそれぞれに固定される。この状態で、ワイヤ駆動部300からの駆動力が、湾曲駆動部13に伝達可能となる。つまり、第1~第9駆動源(M11~M33)のそれぞれからの駆動力が、第1~第9連結部(21c11~21c33)を介して、第1~第9駆動ワイヤ(W11~W33)のそれぞれに伝達可能となる。
操作部400が解除位置にあるとき(図17(b))、カテーテルユニット100の取外し方向Ddにおいて、ロック溝400aを形成する壁400a3が、ロック軸26の上流側に位置する。操作部400が固定位置にあるとき(図17(c))、取外し方向Ddにおいて、位置決め部400a2が、ロック軸26の上流側に位置する。その結果、操作部400が解除位置にあるときと、固定位置にあるときには、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが規制される。一方、操作部400が取外し位置にあるとき(図17(a))、取外し方向Ddにおいて、ロック溝400aの入り口400a1がロック軸26の上流側に位置する。その結果、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが許容される。
操作部400を固定位置から解除方向R2に向けて回転させると、前述のように駆動ワイヤWの被保持部Waが、連結部21cから解放される。
操作部400が解除位置に位置する状態では、ボタン突起41aの被規制面41a2が、ロック突起26aの規制面26a2に当接する(図17(b)参照)。この状態では、操作部400を解除方向R2に回転させることが規制される。また、カテーテルユニット100をベースユニット200から取り外すことが規制される。
操作部400が解除位置に位置する状態で、使用者がボタン41を操作部400の内側に向けて押し込むことにより、被規制面41a2が規制面26a2から離れ、ボタン突起41aがロック突起26aを乗り越える。その結果、操作部400は解除方向R2に回転することが許容され、操作部400は解除位置から取外し位置に移動することができる。
なお、本実施例では、ロック突起26aとボタン41の数は一つずつである。ただし、医療装置1は、ロック突起26aとボタン41を、複数有していてもよい。
<カテーテルユニット装着のシーケンス制御>
上述したように、本実施例では、カテーテルユニット100をベースユニット200に装着した後、操作部400を回転操作することで連結部21cを解除状態からロック状態に切替えることができる。
上述したように、本実施例では、カテーテルユニット100をベースユニット200に装着した後、操作部400を回転操作することで連結部21cを解除状態からロック状態に切替えることができる。
設計上、図10(b)に示す解除状態において、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjは一致する。即ち、カテーテルユニット100をベースユニット200に装着した後、操作部400を回転操作する前の状態における被保持部WaのZ方向の想定位置(設計上の称呼位置)は、連結ベース21cbと係合可能な位置である。ここで、凹部中心Wdは、Z方向における凹部Wcの中心位置であり、凸部中心21cjはZ方向における凸部21ciの中心位置である。また、凹部Wcの中心位置とは、第1斜面Wc1の中心(面心)と第2斜面Wc2の中心(面心)とのZ方向における中間点を指す。凸部21ciの中心位置とは、第1斜面21cj1の中心(面心)と第2斜面21cj2の中心(面心)とのZ方向における中間点を指す。
しかしながら、カテーテルユニット100又はベースユニット200の製造上のバラつきによる個体差、即ち部品の寸法公差や組立公差等により、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjは必ずしも一致しない。
仮に、カテーテルユニット100をベースユニット200に取付けた時点で、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjとが許容範囲を超えて位置ずれしていた場合を考える。この場合、操作部400をロック方向R1に回転させたとしても、被保持部Waの凹部Wcが連結ベース21cbの凸部21ciと円滑に係合しない可能性がある。その場合、例えば操作部400を固定位置まで移動させたにも関わらず、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciの係合が成立していない状態(係合不良)となり、駆動源Mの駆動力がカテーテル46に伝達されない状態となる可能性がある。また、例えば操作部400を固定位置まで強引に移動させるとカム21ccその他の部材に強い負荷が掛かって破損する可能性がある。被保持部Waと連結ベース21cbの係合不良(駆動ワイヤWの固定不良)又は装置の破損を検知して駆動源Mの動作を停止させる構成とすることも考えられるが、少なくともカテーテルユニット100の交換が必要となる。
そこで、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される過程で、被保持部Waの位置に合わせて、被保持部Waと係合可能なZ方向の位置に連結ベース21cbを移動させる(位置調整する)ことが望まれる。連結ベース21cbの「被保持部Waと係合可能なZ方向の位置」とは、Z方向と交差する方向(Y方向)に向かって、連結ベース21cbの第1斜面21ci1(第1当接部)が被保持部Waの第1斜面Wc1(第1被当接部)と対向し、且つ、連結ベース21cbの第2斜面21ci2(第2当接部)が被保持部Waの第2斜面Wc2(第2被当接部)と対向する位置である。このような位置を目標に連結ベース21cbを位置調整することで、被保持部Wa又は連結ベース21cbをZ方向と交差する方向(Y方向)に移動させた場合に被保持部Wa及び連結ベース21cbをより確実に係合させることができる。なお、被保持部Wa及び連結ベース21cbの係合に支障のない限りで、位置調整の目標位置を、被保持部Waに対する連結ベース21cbの理想的な係合位置(凸部中心21cjが凹部中心Wdと一致する位置)からオフセットさせてもよい。
本実施例では、カテーテルユニット100がベースユニット200に取付けられた後、使用者が操作部400を固定位置へ移動させる前に、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjのZ方向の位置を一致させるようにする。以下、本実施例における連結ベース21cbの位置調整のための構成及び動作について詳細に説明する。
図19(a)は、カテーテルユニット100の取外し可能状態における被保持部Waと連結ベース21cbの状態を示す断面図である。図19(b)は、本実施例における連結ベース21cbの位置調整のシーケンス制御に関する構成を示す概略図である。
図19(a)に示すように、カテーテルユニット100は、被保持部Waの位置情報を記憶する少なくとも1つの記憶素子61(メモリチップ)を備えている。被保持部Waの位置情報とは、少なくとも当該ユニットを組み立てた後に測定された、全ての被保持部WaのZ方向の位置を特定可能なデータである。被保持部Waの位置情報は、例えば、被保持部Waの凹部中心Wdの称呼位置に対して、実際の被保持部Waの各々について測定した凹部中心Wdの位置の位置ずれ量を表す数値のセットである。
一方、ベースユニット200は、記憶素子61が記憶する情報を読み取るための読取手段として、少なくとも1つの読取部62を備える。読取部62は、例えばケーブル5を介して制御部3に電気的に接続されている。読取部62は、ベースユニット200のフレーム(ベースフレーム25)に対して固定される。なお、本実施例の読取部62は、制御部3と記憶素子61とを電気的に接続する接続手段(導通手段)である。接続手段(導通手段)としての読取部62に限らず、記憶素子61に対して指令を発して記憶素子61からの信号を処理し、必要な情報を抽出して制御部3に伝送する読取部を配置してもよい。
なお、カテーテルユニット100は、被保持部Waの位置に関する測定後、その位置関係がベースユニット200に装着されるまでの間保持されるよう、外力や環境の影響を極力遮断した状態で保管されることが望ましい。
また、1つの記憶素子61に全ての被保持部Waの位置情報を格納することができる。その場合、ベースユニット200は記憶素子61に対応する1つの読取部62を有していればよい。
読取部62は、記憶素子61の接点部と接触するための弾性変形可能な端子部62e(接点部)と、端子部62eと制御部3との間で信号を伝達する導線部62cと、を備える。端子部62eは、カテーテルユニット100がベースユニット200に取付けられた状態において、記憶素子61の接点部と接触するように配置される。また、端子部62eは、想定される被保持部Waの最大位置ずれ量の範囲内で、記憶素子61の接点部との電気的な接続が保証されるように、Z方向の長さに余裕を持つ。
図19(a)は、カテーテルユニット100の取外し可能状態(ベースユニット200に対する取付け直後の状態)において、Z方向において被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjが一致していない状態を表す。具体的には、被保持部Waの凹部中心Wdが、連結ベース21cbの凸部中心21cjに対して、+Z方向にLdだけずれた位置にある。
仮に、図19(a)の状態のまま使用者により操作部400がロック位置に向けて回転操作されると、上述したように被保持部Wa及び連結ベース21cbが係合不良となる可能性がある。それに対し、本実施例では、カテーテルユニット100のベースユニット200に対する取付け後、操作部400がロック位置に向けて回転操作される前に、制御部3が記憶素子61から読み取った情報に基づいて連結ベース21cbの位置調整を行う。
図19(b)を用いて、本実施例において行われるシーケンス制御を説明する。
(1)制御部3は、記憶素子61との電気的な接続が成立した後、直ちに、読取部62を介して記憶素子61から被保持部Waのそれぞれの位置情報を読み取る。
(2)次に、制御部3は、読み取った位置情報に基づいて、被保持部Waのそれぞれに対応する連結ベース21cbを移動させるための移動量を算出する。算出される移動量は例えば、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjのZ方向の位置ずれ(図19(a)のLd)を相殺するように連結ベース21cbを移動させるための移動距離である。
(3)続いて、制御部3は、駆動源Mのそれぞれが(2)で算出した移動量に対応する回転方向及び回転量で回転するように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(1)制御部3は、記憶素子61との電気的な接続が成立した後、直ちに、読取部62を介して記憶素子61から被保持部Waのそれぞれの位置情報を読み取る。
(2)次に、制御部3は、読み取った位置情報に基づいて、被保持部Waのそれぞれに対応する連結ベース21cbを移動させるための移動量を算出する。算出される移動量は例えば、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjのZ方向の位置ずれ(図19(a)のLd)を相殺するように連結ベース21cbを移動させるための移動距離である。
(3)続いて、制御部3は、駆動源Mのそれぞれが(2)で算出した移動量に対応する回転方向及び回転量で回転するように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
上記のシーケンス制御により、図20に示すように、被保持部Waの位置ずれ(図19(a)のLd)を相殺するように連結ベース21cbが+Z方向に駆動される。そして、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjとが略一致した状態(又は、少なくとも位置ずれがLdより低減された状態)となる。なお、制御部3の処理速度及び駆動源Mの応答速度は、通常、使用者の動作よりも十分速いので、シーケンス制御による連結ベース21cbの位置調整は使用者が操作部400の回転操作を開始する前に完了する。
そして、連結ベース21cbの位置調整後に、使用者が操作部400をロック位置へ向けて回転操作すると、図21に示すように、操作部400の回転に連動してカム21ccが退避位置から押圧位置へ移動する。そして、カム21ccにより被保持部Waが-Y方向に押圧され、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciとが係合し、駆動ワイヤWが連結部21cにロックされる。
このとき、上述したシーケンス制御により連結ベース21cbが位置調整されていることで、被保持部Waと連結ベース21cbが係合不良となる可能性が低減され、被保持部Waと連結ベース21cbをより確実に係合させることができる。即ち、本実施例によれば、湾曲可能ユニット(カテーテルユニット100)の装着をより確実に行うことができる。
また、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjとが略一致した状態で操作部400の操作が行われるため、凹部Wcと凸部21ciはよりスムーズに係合する。このため、使用者が操作部400を回転操作する際に求められる操作力(操作負荷)を安定させることができ、操作性を向上させることができる。
(変形例1)
上述した実施例1では、カテーテルユニット100の装着過程で制御部3と記憶素子61との電気的接続が確立される構成を説明したが、制御部3がカテーテルユニット100の被保持部Waの位置情報を取得する構成はこの限りではない。
上述した実施例1では、カテーテルユニット100の装着過程で制御部3と記憶素子61との電気的接続が確立される構成を説明したが、制御部3がカテーテルユニット100の被保持部Waの位置情報を取得する構成はこの限りではない。
図22は、変形例の1つとして、非接触通信により記憶素子(記憶手段)から情報が読み取られ、且つ、カテーテルユニット100の記憶素子とは別の記憶装置(サーバ)から被保持部Waの位置情報を取得する構成を示す概略図である。
本変形例において、カテーテルユニット100はパッシブ型RFIDのような記憶素子61sを備えている。記憶素子61sには、カテーテルユニット100の個体を識別するための識別情報として、製造上のID番号の情報が登録されている。即ち、実施例1とは異なり、記憶素子61sには被保持部Waの位置情報を表す数値等は格納されていない。代わりに、制御部3がネットワークを介して通信可能な外部の情報処理装置としてのサーバーSに、カテーテルユニット100のID番号と、当該ユニットの被保持部Waのそれぞれの位置情報とが格納されている。サーバーSは、カテーテルユニット100が製造された後の測定により取得された被保持部Waのそれぞれの位置情報を、当該ユニットのID番号と紐付けた状態で保持している。ベースユニット200は、記憶素子61sの情報を、電波を用いた非接触通信で読み取り可能な読取部62sを備える。記憶素子61sと非接触通信を行う読取部62sは読取手段の他の例である。
本変形例におけるシーケンス制御を説明する。
(1)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されると、読取部62sが接近するカテーテルユニットの記憶素子61sを検出してID番号を読み取る。
(2)読取部62sは、読み取ったID番号を制御部3に伝達する。
(3)読取部62sからID番号を受け取った制御部3は、サーバーSにアクセスし、ID番号を照合することで、今回装着されたカテーテルユニット100の被保持部Waの位置情報を取得する。
(4)次に、制御部は、サーバーSから取得した位置情報に基づいて、被保持部Waのそれぞれに対応する連結ベース21cbを移動させるための移動量を算出する。
(5)続いて、制御部3は、駆動源Mのそれぞれが(5)で算出した移動量に対応する回転方向及び回転量で回転するように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(1)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されると、読取部62sが接近するカテーテルユニットの記憶素子61sを検出してID番号を読み取る。
(2)読取部62sは、読み取ったID番号を制御部3に伝達する。
(3)読取部62sからID番号を受け取った制御部3は、サーバーSにアクセスし、ID番号を照合することで、今回装着されたカテーテルユニット100の被保持部Waの位置情報を取得する。
(4)次に、制御部は、サーバーSから取得した位置情報に基づいて、被保持部Waのそれぞれに対応する連結ベース21cbを移動させるための移動量を算出する。
(5)続いて、制御部3は、駆動源Mのそれぞれが(5)で算出した移動量に対応する回転方向及び回転量で回転するように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
このような構成によっても、湾曲可能ユニット(カテーテルユニット100)の装着をより確実に行うことができる。
なお、上記変形例では、記憶素子61sには被保持部Waの位置情報が格納されていないものとして説明したが、記憶素子61sに被保持部Waの位置情報を格納しておき、読取部62sが非接触通信により被保持部Waの位置情報を読み取るようにしてもよい。この場合、制御部3は、実施例1と同様に、読取部62sを介して取得した被保持部Waの位置情報に基づいて連結ベース21cbの移動量を算出し、ワイヤ駆動部300に指示を出せばよい。
また、実施例1において記憶素子61にカテーテルユニット100のID番号のみを格納しておき、制御部3が記憶素子61から読み取ったID番号に基づいてサーバーSから被保持部Waの位置情報を取得するようにしてもよい。
また、上述した記憶素子61,61sは、被保持部Waの位置情報又は位置情報の取得に必要な情報が記録された記録媒体の一例であり、記憶素子(半導体素子)に限らず他の媒体を用いてもよい。例えば、カテーテルユニット100が有する被保持部Waの位置情報又はカテーテルユニット100のID番号を、カテーテルユニット100の表面に印刷された二次元バーコード等の画像に埋め込んでもよい。その場合、読取部としては、画像を読取可能な光学センサ(バーコードリーダ)を用いることができる。
(変形例2)
実施例1の構成において、連結ベース21cb及び被保持部Waからなる接続部(係合部)には、駆動ワイヤWに対して過負荷が作用した場合に駆動源Mと駆動ワイヤWの接続を遮断するブレークアウェイ機構又は離脱機構の機能を持たせることができる。図14(b)に示す係合状態において、駆動源Mの動作異常やカテーテル11に対する外力により、駆動ワイヤWに対して所定の閾値を超える負荷(過負荷)が作用したとする。このとき、カム21ccを弾性変形させながら凸部21ciを乗り越えるように被保持部Waが+Z方向又は-Z方向に移動することで、連結ベース21cbと被保持部Waの係合が解除されるようにする。
実施例1の構成において、連結ベース21cb及び被保持部Waからなる接続部(係合部)には、駆動ワイヤWに対して過負荷が作用した場合に駆動源Mと駆動ワイヤWの接続を遮断するブレークアウェイ機構又は離脱機構の機能を持たせることができる。図14(b)に示す係合状態において、駆動源Mの動作異常やカテーテル11に対する外力により、駆動ワイヤWに対して所定の閾値を超える負荷(過負荷)が作用したとする。このとき、カム21ccを弾性変形させながら凸部21ciを乗り越えるように被保持部Waが+Z方向又は-Z方向に移動することで、連結ベース21cbと被保持部Waの係合が解除されるようにする。
これにより、駆動源Mと駆動ワイヤWの接続を遮断することができる。駆動源Mの異常によりカテーテル11の湾曲部12が過度に強い力で湾曲したり、カテーテル11が強い外力を受けた際に連結部21c又は駆動ワイヤWが破損したりする可能性を低減することができる。
上記の構成において、カム21ccの弾性力に抗して凸部21ci及び凹部Wcの係合が解除されるように被保持部Waを移動させるのに必要なZ方向の力が、ブレークアウェイ機構が作動する負荷の閾値に相当する。この閾値は、通常の使用状態におけるカテーテルユニット100の湾曲制御において駆動ワイヤWに作用する張力及び圧縮力の想定最大値より大きな値である。
なお、連結ベース21cb及び被保持部Waにブレークアウェイ機構の機能を持たせずに、下記の実施例2で説明する力測定部39のような力検知手段で検知した負荷が閾値を超えた場合に、負荷を緩和するように駆動源Mを駆動するようにしてもよい。また、ブレークアウェイ機構の機能を有する連結ベース21cb及び被保持部Waと、力検知手段を用いた負荷緩和機能(バックドライブ制御)とを併用してもよい。その場合、バックドライブ制御が作動する負荷の閾値は、ブレークアウェイ機構が作動する負荷の閾値より低く設定される。
〔実施例2〕
次に本開示の第2の実施形態(実施例2)について説明する。以下、実施例1と実質的に同一の構成及び作用を有する要素については、図示を省略、又は同一符号を付して説明する。
次に本開示の第2の実施形態(実施例2)について説明する。以下、実施例1と実質的に同一の構成及び作用を有する要素については、図示を省略、又は同一符号を付して説明する。
実施例1では、カテーテルユニット100が有する被保持部Waの位置情報に基づいて、連結ベース21cbの位置調整が行われた。本実施例では、連結ベース21cbに作用する張力又は圧縮力を検知する力検知手段の検知結果に基づいて、連結ベース21cbの位置調整を行う。
図23は、本実施例に係る医療装置1において、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着された直後の状態(取外し可能状態)を示す断面図である。実施例1と異なる構成として、連結ベース21cbは、駆動ワイヤWの近位端、即ち被保持部Waの近位端Wanが接触可能な突き当て部(接触部)としての突き当て面21cwを有する。突き当て面21cwは、連結ベース21cbの凸部中心21cjから突き当て面21cwまでのZ方向の距離Lhが、被保持部Waの凹部中心Wdから近位端WanまでのZ方向の距離Lcと一致するように配置される。
また、ベースユニット200のワイヤ駆動部300は、駆動ワイヤWに生じる張力又は圧縮力をモニタリング(検知)するための力検知手段(負荷測定手段)として、力測定部39を備える。力測定部39は、起歪体39e及び歪みゲージ39gを含む。起歪体39eは、駆動ワイヤWに張力又は圧縮力が発生する場合に、張力又は圧縮力の大きさに応じて微小な弾性変形を生じる。力測定部39は、起歪体39eの弾性変形を歪みゲージ39gによって検出し、制御部3に電気信号を伝達する。これにより、制御部3は、複数の駆動ワイヤWの各々に生じている張力又は圧縮力を把握することができる。
なお、力測定部39は、医療装置1の使用中、即ち医療装置1の移動や湾曲駆動部13の駆動を伴う操作中、駆動ワイヤWに所定値以上の負荷が作用した場合に、負荷を緩和する方向に駆動源Mを駆動する制御のトリガーとして用いることができる。この制御のことを本実施例ではバックドライブ制御と呼ぶ。バックドライブ制御では、例えばカテーテル11の遠位端が障害物等に接触することでいずれかの駆動ワイヤWに大きな張力が作用した場合に、対応する連結ベース21cbを+Z方向に移動させることで張力を緩和する。この構成により、カテーテル11が挿入対象である患者の人体と強く接触したり、駆動ワイヤWの駆動構成に破損を来したりする可能性を低減することができる。
さらに、ベースユニット200には、カテーテルユニット100が所定の装着位置まで-Z方向に挿入されたことを検知する装着検知手段(挿抜検知手段)としての挿抜センサ35を有する。所定の装着位置とは、操作部400を取外し位置から固定位置まで回転操作することができるようになるまで、カテーテルユニット100がベースユニット200に対して-Z方向に挿入された位置である。
挿抜センサ35は、カテーテルユニット100の一部(例えばキーシャフト15の-Z方向の端面)の接触を検知するスイッチ(リミットスイッチ)を用いることができる。また、挿抜センサ35として、発光部と受光部とを有しカテーテルユニット100が所定の装着位置に位置する場合にカテーテルユニット100の一部によって遮光される光学センサを用いてもよい。これに限らず、Z方向に関するベースユニット200に対するカテーテルユニット100の位置を検知可能な構成を挿抜検知手段として用いることができる。
本実施例では、ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されていない状態、即ち装着待機状態では、全ての連結ベース21cbが可動領域における近位端側(-Z方向側)の限界位置に退避させられる。図23は、装着待機状態の連結ベース21cbの位置を表している。装着待機状態で連結ベース21cbが退避する位置は、カテーテルユニット100の個体差による被保持部Waの位置のバラつきが存在したとしても、被保持部Waの近位端Wanが連結ベース21cbの突き当て面21cwに接触することがない位置である。
カテーテルユニット100が所定の装着位置まで挿入されたことを挿抜センサ35が検知すると、制御部3はワイヤ駆動部300に対して指令を出し、全ての連結ベース21cbを遠位端側(+Z方向側)へ移動開始させる。すると、連結ベース21cbは、被保持部Waの近位端Wanが突き当て面21cwに接触する位置まで移動する。つまり、本実施例の制御部3は、突き当て面21cw(突き当て部)が被保持部Wa(第2部材)に突き当たるように連結ベース21cb(第1部材)を長手方向の一方側(+Z方向)に向けて移動させる。
図24は、連結ベース21cbは、被保持部Waの近位端Wanが突き当て面21cwに接触する位置まで移動した状態を示している。この状態からさらに連結ベース21cbが遠位端側(+Z方向側)に移動しようとすると、駆動ワイヤWの遠位端は図3を用いて説明したようにガイドリングに固定されているため、駆動ワイヤWに圧縮力が発生し、起歪体39eの変形が生じ始める。
従って、連結ベース21cbの遠位端側(+Z方向側)への移動を開始させた後、力測定部39により測定された駆動ワイヤWの圧縮力が第1の所定値以上となった場合に、当該駆動ワイヤWに対応する連結ベース21cbの移動を停止させればよい。これにより、連結ベース21cbは、被保持部Waの近位端Wanが突き当て面21cwに接触した時点の位置の近傍で停止する。
なお、上記の「第1の所定値」は、連結ベース21cbの突き当て面21cwと被保持部Waの近位端Wanとの接触の有無を判断できるように予め設定された閾値である。第1の所定値は、例えば連結ベース21cbを被保持部Waの近位端Wanに接触及び離間させるように繰り返し移動させたときの力測定部39の測定結果に基づいて決定することができる。決定された第1の所定値は、制御部3内の記憶領域に格納され、制御部3がシーケンス制御を実行する際に参照される。
上述した通り、連結ベース21cbの凸部中心21cjから突き当て面21cwまでのZ方向の距離Lhが、被保持部Waの凹部中心Wdから近位端WanまでのZ方向の距離Lcと一致するように構成されている。そのため、連結ベース21cbの移動が停止された時点で、図24に示すように被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjがZ方向に関して略一致した状態となる。
図24(b)に示すように、本実施例におけるシーケンス制御は次の通りである。
(1)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されていない期間中に、制御部3は、予め連結ベース21cbを近位端側(-Z方向側)の退避位置に退避させておく。
(2)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されたことを挿抜センサ35が検知する。
(3)挿抜センサ35の検知に基づいて、制御部3は、連結ベース21cbを遠位端側(+Z方向側)に向かって移動開始させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(4)制御部3は、力測定部39の検知結果に基づいて駆動ワイヤWに所定値(第1の所定値)以上の負荷が作用したと判断する。
(5)すると、制御部3は、連結ベース21cbの移動を停止させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(1)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されていない期間中に、制御部3は、予め連結ベース21cbを近位端側(-Z方向側)の退避位置に退避させておく。
(2)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されたことを挿抜センサ35が検知する。
(3)挿抜センサ35の検知に基づいて、制御部3は、連結ベース21cbを遠位端側(+Z方向側)に向かって移動開始させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(4)制御部3は、力測定部39の検知結果に基づいて駆動ワイヤWに所定値(第1の所定値)以上の負荷が作用したと判断する。
(5)すると、制御部3は、連結ベース21cbの移動を停止させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
上記のシーケンス制御により、被保持部Waの位置ずれが存在したとしても、図24(a)に示すように、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjとが略一致した状態が実現される。また、シーケンス制御は複数の連結ベース21cbの各々に対して独立して実行されるため、複数の被保持部Waの間の位置の違いによらず、被保持部Waの各々に合わせて、これに対応する連結ベース21cbを位置調整することができる。なお、制御部3の処理速度及び駆動源Mの応答速度等は、通常、使用者の動作よりも十分速いので、シーケンス制御による連結ベース21cbの位置調整は使用者が操作部400の回転操作を開始する前に完了する。
連結ベース21cbの位置調整後に、使用者が操作部400をロック位置へ向けて回転操作すると、上述したように、操作部400の回転に連動してカム21ccが退避位置から押圧位置へ移動する。そして、カム21ccにより被保持部Waが-Y方向に押圧され、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciとが係合し、駆動ワイヤWが連結部21cにロックされる。
このとき、上述したシーケンス制御により連結ベース21cbが位置調整されていることで、被保持部Waと連結ベース21cbが係合不良となる可能性が低減され、被保持部Waと連結ベース21cbをより確実に係合させることができる。即ち、本実施例によっても、湾曲可能ユニット(カテーテルユニット100)の装着をより確実に行うことができる。
また、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjとが略一致した状態で操作部400の操作が行われるため、凹部Wcと凸部21ciはよりスムーズに係合する。このため、使用者が操作部400を回転操作する際に求められる操作力(操作負荷)を安定させることができ、操作性を向上させることができる。
なお、本実施例では、連結ベース21cbの凸部中心21cjから突き当て面21cwまでのZ方向の距離Lhが、被保持部Waの凹部中心Wdから近位端WanまでのZ方向の距離Lcと一致するように構成されていたが、この限りではない。部品公差や組立公差を考慮すると、距離Lhは、距離Lcよりも若干大きい値とすると好適である。
これは、仮に部品公差又は組立公差により実際の距離Lhが距離Lcよりも小さい値となっていた場合、連結ベース21cb及び被保持部Waを係合させた際に突き当て面21cwと近位端Wanが干渉する可能性があるためである。即ち、凸部中心21cjと凹部中心Wdを正確に一致させようとすると突き当て面21cwと近位端Wanが干渉する位置関係にあることから、カム21ccが退避位置から押圧位置へ移動しても凸部21ciが凹部Wcに対して十分に嵌合しない可能性がある。また、係合状態において駆動ワイヤWに余計な張力が作用してしまう可能性がある。
上述した凸部21ci及び凹部Wcは、カム21ccにより被保持部Waが-Y方向に押圧される場合に、連結ベース21cbと被保持部Waとの間に凸部中心21cjと凹部中心Wdが一致するように相対移動しようとする力が作用する。即ち、凸部中心21cjに対して凹部中心Wdが-Z方向側にずれていた場合、凸部21ci及び凹部Wcの第1斜面21ci1,Wc1同士の接触により、連結ベース21cbに対して被保持部Waを+Z方向側に移動させようとする力が発生する。反対に、凸部中心21cjに対して凹部中心Wdが+Z方向側にずれていた場合、凸部21ci及び凹部Wcの第2斜面21ci2,Wc2同士の接触により、連結ベース21cbに対して被保持部Waを-Z方向側に移動させようとする力が発生する。
従って、上述したように距離Lhが距離Lcより若干大きい構成とすることで、カム21ccが退避位置から押圧位置へ移動する過程で、連結ベース21cb及び被保持部Waは凸部中心21cjと凹部中心Wdが一致するように相対移動できる。これにより、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciを十分に嵌合させた望ましい係合状態を実現することができる。
なお、距離Lhが距離Lcよりも大きい場合、制御部3は、実施例2のシーケンス制御の(3)で連結ベース21cbの移動を一時停止させた後、連結ベース21cbを-Z方向に所定距離移動させた後に停止させるとよい。所定距離は、距離Lhと距離Lcの差(Lh-Lc)に相当する長さである。これにより、連結ベース21cbの凸部中心21cjと被保持部Waの凹部中心Wdとを略一致させた状態とすることができる。
変形例として、連結ベース21cb及び被保持部Waにブレークアウェイ機構の機能を持たせてもよい。その場合、凸部21ciに対して被保持部Waが-Z方向側に離脱するスペースが確保されるように、距離Lhを距離Lcより大きくする。例えば距離Lhは、被保持部Waの近位端Wanが連結ベース21cbの突き当て面21cwに当接した状態で、被保持部Waの遠位端が連結ベース21cbの凸部21ciよりも-Z方向側に位置するように設定される。この場合でも、連結ベース21cbの移動を一時停止させた後に連結ベース21cbを-Z方向に所定距離移動させる上記の制御により、連結ベース21cbの位置調整が可能である。
また、変形例として、連結ベース21cbの遠位端側(+Z方向側)への移動開始のトリガーは、挿抜検知手段とは別の手段を用いてもよい。例えば、カテーテルユニット100の装着が完了した時点で、入力装置3bのようなユーザーインターフェースを介して連結ベース21cbの移動開始の命令を入力することで同様の動作を実現することができる。
〔実施例3〕
次に本開示の第3の実施形態(実施例3)について説明する。以下、実施例1又は2と実質的に同一の構成及び作用を有する要素については、図示を省略、又は同一符号を付して説明する。
次に本開示の第3の実施形態(実施例3)について説明する。以下、実施例1又は2と実質的に同一の構成及び作用を有する要素については、図示を省略、又は同一符号を付して説明する。
図25は、実施例3における、カテーテルユニット100がベースユニット200に装着される途中の状態を示す断面図である。
実施例3においても、実施例2と同様、連結ベース21cbは、被保持部の近位端Wanと接触可能な突き当て面21cwを有する。突き当て面21cwは、Z方向における連結ベース21cbの凸部中心21cjまでのZ方向の距離Lhが、被保持部Waの凹部中心Wdから近位端WanまでのZ方向の距離Lcと一致するように設けられている。
また、実施例2と同様に、ベースユニット200のワイヤ駆動部300は、駆動ワイヤWに生じる張力又は圧縮力をモニタリング(検知)するための力検知手段(負荷測定手段)として、力測定部39を備える。力測定部39は、医療装置1の使用中には実施例2で説明したバックドライブ制御に用いられる。
実施例3は、このバックドライブ制御をカテーテルユニット100の装着時にも適用するものである。
本実施例では、ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されていない状態、即ち装着待機状態では、全ての連結ベース21cbが可動領域における遠位端側(+Z方向側)の限界位置に退避させられる。図25は、装着待機状態の連結ベース21cbの位置を表している。
この状態でベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されると、図25に示すように、カテーテルユニット100が前述の装着位置に到達する前に、被保持部Waの近位端Wanが突き当て面21cwに接触する。
図25の状態から使用者がさらにカテーテルユニット100を装着方向(-Z方向)に移動させると、駆動ワイヤWの遠位端は図3を用いて説明したようにガイドリングに固定されているため、駆動ワイヤWに圧縮力が発生し、起歪体39eの変形が生じ始める。
従って、力測定部39により測定された駆動ワイヤWの圧縮力が第2の所定値以上となった場合に、当該駆動ワイヤWに対応する連結ベース21cbを近位端側(-Z方向側)に移動させればよい。即ち、医療装置1の使用中のバックドライブ制御と同様の制御により、カテーテルユニット100の装着時の被保持部Waの移動に合わせて連結ベース21cbの位置を調整すればよい。つまり、本実施例の制御部3は、突き当て面21cw(突き当て部)が被保持部Wa(第2部材)に突き当たった場合に、連結ベース21cb(第1部材)を長手方向の他方側(-Z方向)に向けて移動させる。
上記第2の所定値は、カテーテルユニット100の装着時のシーケンス制御においてバックドライブ制御が作動する負荷の閾値である。第2の所定値は、医療装置1の使用中にバックドライブ制御が作動する負荷の閾値より小さな値とする。これにより、カテーテルユニット100の装着時に被保持部Waの近位端Wanが突き当て面21cwに接触した際に連結ベース21cbを速やかに移動開始させることができる。
連結ベース21cbの近位端側(-Z方向側)への移動開始後、力測定部39により測定された負荷が第2の所定値を下回るまで連結ベース21cbの移動は継続される。負荷が予め設定された値を下回ると、連結ベース21cbの移動は停止される。
従って、使用者がカテーテルユニット100をベースユニット200に装着しようとすると、一瞬、被保持部Waの近位端Wanの突き当て面21cwへの接触時に装着に対する抵抗を感じることになる。また、そのような抵抗が発生した時点以降は、カテーテルユニット100が装着位置に到達するまで、バックドライブ制御により大きな抵抗の発生が抑制され、使用者は一定の操作感で装着動作を行うことができる。
また、カテーテルユニット100の装着作業中は、被保持部Waの近位端Wanと突き当て面21cwは接触した状態のまま共に移動する。カテーテルユニット100が停止すると、力測定部39により測定された負荷が第2の所定値を下回るため、被保持部Waの近位端Wanと突き当て面21cwが接触した状態又は近接した状態で、被保持部Wa及び連結ベース21bcが停止する。そのため、連結ベース21cbの移動が停止された時点で、図26に示すように被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjがZ方向に関して略一致した状態となる。
図26(b)に示すように、本実施例におけるシーケンス制御は次の通りである。
(1)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されていない期間中に、制御部3は、予め連結ベース21cbを遠位端側(+Z方向側)の退避位置に退避させておく。
(2)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着される過程で、力測定部39の測定結果に基づいて、制御部3は、駆動ワイヤWに所定値(第2の所定値)以上の負荷が作用したと判断する。
(3)すると、制御部3は、連結ベース21cbを近位端側(-Z方向側)に向かって移動開始させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(4)制御部3は、力測定部39の検知結果に基づいて駆動ワイヤWの負荷が所定値(第2の所定値)を下回ったと判断する。
(5)すると、制御部3は、連結ベース21cbの移動を停止させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(1)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着されていない期間中に、制御部3は、予め連結ベース21cbを遠位端側(+Z方向側)の退避位置に退避させておく。
(2)ベースユニット200にカテーテルユニット100が装着される過程で、力測定部39の測定結果に基づいて、制御部3は、駆動ワイヤWに所定値(第2の所定値)以上の負荷が作用したと判断する。
(3)すると、制御部3は、連結ベース21cbを近位端側(-Z方向側)に向かって移動開始させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
(4)制御部3は、力測定部39の検知結果に基づいて駆動ワイヤWの負荷が所定値(第2の所定値)を下回ったと判断する。
(5)すると、制御部3は、連結ベース21cbの移動を停止させるように、ワイヤ駆動部300に指示を出す。
上記のシーケンス制御により、被保持部Waの位置ずれが存在したとしても、図26(a)に示すように、被保持部Waの凹部中心Wdと連結ベース21cbの凸部中心21cjとが略一致した状態が実現される。また、シーケンス制御は複数の連結ベース21cbの各々に対して独立して実行されるため、複数の被保持部Waの間の位置の違いによらず、被保持部Waの各々に合わせて、これに対応する連結ベース21cbを位置調整することができる。なお、制御部3の処理速度及び駆動源Mの応答速度等は、通常、使用者の動作よりも十分速いので、シーケンス制御による連結ベース21cbの位置調整は使用者が操作部400の回転操作を開始する前に完了する。
連結ベース21cbの位置調整後に、使用者が操作部400をロック位置へ向けて回転操作すると、上述したように、操作部400の回転に連動してカム21ccが退避位置から押圧位置へ移動する。そして、カム21ccにより被保持部Waが-Y方向に押圧され、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciとが係合し、駆動ワイヤWが連結部21cにロックされる。
このとき、上述したシーケンス制御により連結ベース21cbが位置調整されていることで、被保持部Waと連結ベース21cbが係合不良となる可能性が低減され、被保持部Waと連結ベース21cbをより確実に係合させることができる。即ち、本実施例によっても、湾曲可能ユニット(カテーテルユニット100)の装着をより確実に行うことができる。
また、本実施例の構成によれば、連結ベース21cbの位置調整を行う観点では、実施例2で説明した挿抜検知手段を配置する必要がないという利点がある。
また、本実施例では、カテーテルユニット100の装着位置への到達と略同時に連結ベース21cbの位置調整が完了し、操作部400の回転操作が可能となる。そのため、実施例1、2において、シーケンス制御における連結ベース21cbの移動量によっては、カテーテルユニット100の装着位置への到達後、操作部400の回転操作が可能となるまでに待ち時間が生じるという可能性を低減できる。これにより、使用者の操作性をさらに向上させることができる。
なお、本実施例においても、距離Lhは、距離Lcよりも若干大きい値とすると好適である。これにより、部品公差や組立公差によらず、被保持部Waの凹部Wcと連結ベース21cbの凸部21ciを十分に嵌合させた望ましい係合状態を実現することができる。
なお、距離Lhが距離Lcよりも大きい場合、制御部3は、実施例3のシーケンス制御の(3)で駆動ワイヤWの負荷が所定値(第2の所定値)を下回ったと判断した時点からさらに連結ベース21cbを追加で-Z方向に所定距離移動させるとよい。所定距離は、距離Lhと距離Lcの差(Lh-Lc)に相当する長さである。連結ベース21cbの凸部中心21cjと被保持部Waの凹部中心Wdとを略一致させた状態とすることができる。
変形例として、連結ベース21cb及び被保持部Waにブレークアウェイ機構の機能を持たせてもよい。その場合、凸部21ciに対して被保持部Waが-Z方向側に離脱するスペースが確保されるように、距離Lhを距離Lcより大きくする。この場合でも、駆動ワイヤWの負荷が所定値(第2の所定値)を下回った後も連結ベース21cbを追加で-Z方向に所定距離移動させる上記の制御により、連結ベース21cbの位置調整が可能である。
また、実施例2、3において、連結ベース21cbの突き当て面21cwに対する被保持部Wa側の接触箇所は近位端Wanとしたが、この限りではない。例えば、被保持部Waにフランジ形状を設け、連結ベース21b又は連結部21cにおける他の部材にこのフランジ形状に当接される突き当て面を設けてもよい。このような構成においても、実施例2,3で説明したシーケンス制御と同様の制御を実現することが可能である。
(他の実施例)
実施例1~3では、連結ベース21cb(第1部材)と被保持部Wa(第2部材)との間の機械的な係合(物理的接触)によって駆動源Mの駆動力を駆動ワイヤWに伝達する構成の例として、凸部21ciと凹部Wcが嵌合する構成を例示した。第1部材と第2部材とを駆動伝達可能に係合させるための構成はこれに限らない。
実施例1~3では、連結ベース21cb(第1部材)と被保持部Wa(第2部材)との間の機械的な係合(物理的接触)によって駆動源Mの駆動力を駆動ワイヤWに伝達する構成の例として、凸部21ciと凹部Wcが嵌合する構成を例示した。第1部材と第2部材とを駆動伝達可能に係合させるための構成はこれに限らない。
例えば、被保持部Waの外周に凸部(例えば環状の凸部)を設け、連結ベース21cbにこの凸部と嵌合する凹部を設けてもよい。
また、被保持部Wa及び連結ベース21cbの一方に、駆動ワイヤWの延伸方向(長手方向、Z方向)に2つの凸部を隣接させて配置し、被保持部Wa及び連結ベース21cbの他方に、この2つの間に形成される凹部に嵌合する凸部を配置してもよい。
また、被保持部Waが連結ベース21cbから+Z方向の力を受け取る部分と、被保持部Waが連結ベース21cbから-Z方向の駆動力を受け取る部分とが離れていてもよい。例えば、連結ベース21cbにZ方向に距離を空けて第1の凸部及び第2の凸部を配置する。また、被保持部Waには、第1の凸部に+Z方向側から当接される第3の凸部と、第2の凸部に-Z方向側から当接される第4の凸部と、を配置する。この場合、第3の凸部は、第1当接部としての第1の凸部に当接されることで駆動ワイヤWの長手方向の一方側(+Z方向側)の力を受けることが可能な第1被当接部として機能する。また、第4の凸部は、第2当接部としての第2の凸部に当接されることで駆動ワイヤWの長手方向の一方側(-Z方向側)の力を受けることが可能な第2被当接部として機能する。
このように、第1部材及び第2部材の具体的な形状によらず、第1部材及び第2部材が少なくとも2箇所で互いに当接した係合状態となることで、駆動ワイヤWの長手方向における一方側及び他方側の力が第1部材から第2部材に伝達される構成であればよい。このような構成において、各実施例で説明したシーケンス制御により、湾曲可能ユニットの第2部材の位置に合わせて第1部材の位置調整を行うことで、各実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上述した各実施例では、操作部400の操作に連動して第1部材及び第2部材が係合される構成の例として、カム機構を用いた構成を例示した。これに限らず、例えばカテーテルユニット100の装着後に、操作部400のボタン操作又は制御部3からの指令信号等に応じてソレノイド等のアクチュエータが作動することで、第1部材及び第2部材が係合されるようにしてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
3…制御部/12…湾曲部/21cb…第1部材(連結ベース)/21ci1…第1当接部(第1斜面)/21ci2…第2当接部(第2斜面)/100…湾曲可能ユニット(カテーテルユニット)/200…駆動ユニット(ベースユニット)/M…駆動源/Wb…線状体(ワイヤ体)/Wa…第2部材(被保持部)/Wc1…第1被当接部(第1斜面)/Wc2…第2被当接部(第2斜面)
Claims (20)
- 駆動源と、前記駆動源に接続された第1部材と、を有する駆動ユニットと、
湾曲可能な湾曲部と、前記湾曲部を湾曲させる線状体と、前記線状体に接続された第2部材と、を有し、前記駆動ユニットに対して着脱可能な湾曲可能ユニットと、
前記駆動源を制御する制御部と、
を備えた医療システムであって、
前記第2部材は、第1被当接部と第2被当接部とを有し、
前記第1部材は、前記第1被当接部に当接して前記第2部材を前記線状体の長手方向の一方側に押圧するための第1当接部と、前記第2被当接部に当接して前記第2部材を前記長手方向の他方側に押圧するための第2当接部と、を有し、
前記第1部材及び前記第2部材は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された状態において、前記第1当接部が前記第1被当接部と当接し且つ前記第2当接部が前記第2被当接部と当接することで前記長手方向に関して一体に移動するように係合可能であり、
前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される場合に、前記長手方向における前記第2部材の位置に応じて、前記駆動源により、前記第1部材を前記第2部材に対して係合可能となる前記長手方向の位置に向けて移動させる、
ことを特徴とする医療システム。 - 前記湾曲可能ユニットは、前記第2部材の位置情報が記録された記録媒体を有し、
前記医療システムは、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された場合に前記記録媒体から前記位置情報を読み取る読取手段をさらに備え、
前記制御部は、前記読取手段によって読み取られた前記位置情報に基づいて前記第1部材の移動量を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療システム。 - 前記湾曲可能ユニットは、前記湾曲可能ユニットの識別情報が記録された記録媒体を有し、
前記医療システムは、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された場合に前記記録媒体から前記識別情報を読み取る読取手段をさらに備え、
前記制御部は、前記読取手段によって読み取られた前記識別情報に基づいて外部の情報処理装置と通信を行うことで前記第1部材の位置情報を取得し、取得した前記位置情報に基づいて前記第1部材の移動量を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療システム。 - 前記読取手段は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された場合に前記記録媒体と接触する接点部を有し、
前記記録媒体は、前記接点部を介して前記制御部と電気的に接続される記憶素子である、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の医療システム。 - 前記記録媒体は、非接触通信により前記読取手段に情報を読み取られる記憶素子である、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の医療システム。 - 前記駆動ユニットは、前記第1部材と前記第2部材との間に作用する前記長手方向の力を検知可能な力検知手段を有し、
前記制御部は、前記力検知手段の検知結果に基づいて前記第1部材を移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記第2部材の一部と前記長手方向に対向する突き当て部を有し、
前記制御部は、
前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着されていない期間中に、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着されても前記突き当て部が前記第2部材と接触しない位置に前記第1部材を位置させ、
前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された場合に、前記力検知手段の検知結果に基づいて前記突き当て部が前記第2部材に突き当たるように前記第1部材を前記長手方向の前記一方側に向けて移動させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記突き当て部が前記第2部材に突き当たる前記長手方向の位置において、前記第2部材に対して係合可能となるように構成され、
前記制御部は、前記第1部材を前記長手方向の前記一方側に向けて移動開始させた後、前記第1部材と前記第2部材との間に第1の所定値以上の圧縮力が作用したことを前記力検知手段が検知した場合に前記第1部材の移動を停止させる、
ことを特徴とする請求項7に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記突き当て部が前記第2部材に突き当たる前記長手方向の位置から前記第2部材に対して前記長手方向の前記他方側に所定距離移動した位置において、前記第2部材に対して係合可能となるように構成され、
前記制御部は、前記第1部材を前記長手方向の前記一方側に向けて移動開始させた後、前記第1部材と前記第2部材との間に第1の所定値以上の圧縮力が作用したことを前記力検知手段が検知した場合に前記第1部材の移動を一時停止させ、その後、前記第1部材を前記長手方向の前記他方側に向けて前記所定距離移動させた状態で前記第1部材の移動を停止させる、
ことを特徴とする請求項7に記載の医療システム。 - 前記駆動ユニットは、前記湾曲可能ユニットが所定の装着位置まで装着されたことを検知する装着検知手段を有し、
前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記装着位置まで装着されたことを前記装着検知手段が検知した場合に、前記第1部材を前記長手方向の前記一方側に向けて移動開始させる、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記第2部材の一部と前記長手方向に対向する突き当て部を有し、
前記制御部は、
前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着されていない期間中に、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される途中で前記突き当て部が前記第2部材と接触する位置に前記第1部材を位置させ、
前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される場合に、前記力検知手段の検知結果に基づいて前記突き当て部が前記第2部材に突き当たった場合に前記第1部材を前記長手方向の前記他方側に向けて移動させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記突き当て部が前記第2部材に突き当たる前記長手方向の位置において、前記第2部材に対して係合可能となるように構成され、
前記制御部は、前記第1部材と前記第2部材との間に第2の所定値以上の圧縮力が作用したことを前記力検知手段が検知した場合に前記第1部材を前記長手方向の前記他方側に向けて移動開始させ、その後、前記第1部材と前記第2部材との間に作用する力が前記第2の所定値より小さくなったことを前記力検知手段が検知した場合に前記第1部材の移動を停止させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記突き当て部が前記第2部材に突き当たる前記長手方向の位置から前記第2部材に対して前記長手方向の前記他方側に所定距離移動した位置において、前記第2部材に対して係合可能となるように構成され、
前記制御部は、前記第1部材と前記第2部材との間に第2の所定値以上の圧縮力が作用したことを前記力検知手段が検知した場合に前記第1部材を前記長手方向の前記他方側に向けて移動開始させ、その後、前記第1部材と前記第2部材との間に作用する力が前記第2の所定値より小さくなったことを前記力検知手段が検知した時点からさらに前記第1部材を前記長手方向の前記他方側に向けて前記所定距離移動させた状態で前記第1部材の移動を停止させる、
ことを特徴とする請求項11に記載の医療システム。 - 前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着され且つ前記第1部材及び前記第2部材が係合された後に、前記湾曲部を湾曲させるために前記駆動源を制御する場合において、前記線状体に所定値以上の負荷が作用したことを前記力検知手段が検知した場合に、前記線状体に作用する負荷を低減する方向に前記駆動源を駆動する、
ことを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載の医療システム。 - 前記駆動ユニットは、複数の駆動源と、前記複数の駆動源にそれぞれ接続された複数の第1部材と、を有し、
前記湾曲可能ユニットは、前記複数の駆動源と対応する複数の線状体と、前記複数の線状体にそれぞれ接続された複数の第2部材であって前記複数の第1部材とそれぞれ係合可能な複数の第2部材と、を有し、
前記制御部は、前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着される場合に、前記長手方向における前記複数の第2部材のそれぞれの位置に応じて、前記複数の駆動源を独立に制御して、前記複数の第1部材のそれぞれを、対応する第2部材に対して係合可能となる前記長手方向の位置に向けて移動させる、
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の医療システム。 - 前記湾曲可能ユニットは、回転操作することが可能な操作部を有し、
前記湾曲可能ユニットが前記駆動ユニットに装着された状態で前記操作部が回転操作されることで、前記第1部材と前記第2部材とが係合される、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の医療システム。 - 前記駆動ユニットは、前記第2部材を前記第1部材と係合させるために押圧する押圧位置と前記第2部材から退避した退避位置との間で回転可能なカムと、前記操作部の回転操作に連動して前記カムを回転させる連動部と、を有する、
ことを特徴とする請求項16に記載の医療システム。 - 前記操作部は、前記長手方向に延びる軸線を中心に回転操作され、
前記カムは、前記退避位置から前記押圧位置へ移動する場合に前記長手方向と直交する方向に向けて前記第2部材を押圧する、
ことを特徴とする請求項17に記載の医療システム。 - 前記第1部材及び前記第2部材の一方は、前記長手方向と交差する方向に突出した凸部を有し、
前記第1部材及び前記第2部材の他方は、前記凸部と嵌合する凹部を有し、
前記第1当接部及び前記第2当接部は、前記第1部材に設けられた前記凸部又は前記凹部の一部であり、
前記第1被当接部及び前記第2被当接部は、前記第2部材に設けられた前記凸部又は前記凹部の一部である、
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の医療システム。 - 前記第1部材は、前記第1部材の外周部に環状に形成された前記凹部を有し、
前記第2部材は、前記長手方向と直交する方向に突出した前記凸部を有する、
ことを特徴とする請求項19に記載の医療システム。
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